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Micha: Classic音楽・Lute・宇宙

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学の話など

東西落語:「茶碗」の話 2題  

数値評価のできない美術、骨董品の値段というのはどのように決まるのか、作るのも評価するのも同じ人間、楽器についてもしかり、有名な製作家が数個しか作らなかったというだけで値が上がる、もちろんそれなりの良さが認められてだろうが、値段だけが一人歩きしていく。
希少価値、付加価値など除いて、まったく客観的に真性に物品自体を評価すると、そこまで高価なもんじゃないだろう; ただ土を焼いただけの茶碗、使い道もただの器であるが、経緯によってどんな値がつくかわからない、落語の題材としても面白い展開にできる、 

まず「はてなの茶碗」、これも一旦、演者が途絶えた話を桂米朝が復活させた1つ、完全な原作は残っていないので、米朝が再構成したそうだが、見事な古典としてまとまっている、
話は清水にある茶屋に始まる、有名な茶道具屋の金兵衛、通称「茶金」と呼ばれる目利きでも有名な人物が茶を飲んだ茶碗を見回し、「はてな」と言って去る、それを見ていた油売りの男が「これは相当の値打ちもんや」とにらんで店の主人からその茶碗を3両で強引に買い取る、これを持って茶金の店に持ち込んで買い取らせようとするが、ただの安茶碗だった。「はてな」と言ったのはヒビも穴もないのにお茶が漏れるのを不思議がってのことだった、気の毒に思い、茶金さんは男が買い取った値で引き取るが、水の漏る不思議さが評判となり、ときの帝も興味を抱き見たいと所望、茶碗を検めた帝は筆を取り「はてな」という箱書きを書いた、これで安茶碗に大変な値がつくが・・
bunchin hatena
you tube:桂文珍師匠の落語「はてなの茶碗」
いつもの文珍流の面白さである、

次は江戸の「井戸の茶碗」という話、
屑屋の清兵衛がある裏長屋の浪人、千代田卜斎に古い仏像を200文で買い取って欲しいと頼まれるが、仏像の目利きはできないと断るも、そこを曲げてと頼まれ買い取った、それが細川屋敷の勤番をしていた高木佐久左衛門の目にとまる、仏像の中にもう一体小さな仏像が入った(腹籠り)らしく縁起物だと気に入り、300文で買い取った、すすけた仏像を洗っていたところ、台座の紙が破れ、50両の小判が出てきた、中間が儲かったと喜ぶが、佐久左衛門は買ったのは仏像であり、中の50両まで買ってはおらぬ、とまた清兵衛が通りかかるのを待ち、50両の件を伝える、中身を元の持主に返すよう頼まれ、卜斎を尋ねるが、売ってしまった以上、中身もろとも自分のものではない、と受け取らず、清兵衛は両者の間を行ったり来たりで困り果てる・・大家の仲介で分け合うことで折り合いをつけるが、卜斎は分けの20両受け取る形に古い茶碗を佐久左衛門に渡す、しかしこの茶碗が「井戸の茶碗」という名器だとわかり、300両で細川の殿様が買い取る・・またこの大金の始末に困るが・・
shincho ido
you tube:古今亭志ん朝(三代目) - 井戸の茶碗
金銭欲よりプライドを優先する江戸っ子話「三方一両損」の武士バージョン、
この話はTBSドラマ「大岡越前」の脚本にも数回アレンジされている。
ido chawan
国宝:大井戸茶碗
どちらかというと「はてなの茶碗」が実在したほうが面白いが^^

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category: 落語

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ゼフィロ:J.S.Bach Ouverture BWV1067  

今日は前線が南下し、大陸高気圧でカラリと心地よい、適度に梅雨の中休みがあるのは助かるv 
kishotyo.jpg
気象庁の「平年値」というのは西暦年の1の位が1の年から続く30年間の平均値をもって平年値とし、10年ごとに更新する、今の平年値は「1981年から2010年まで」の平均値が使われているが、気温は平年を上回る年が圧倒的に多い、今年の夏くらい、猛暑日の少ないことを願いたい;;

さて、しばらくバロックから遠ざかってしまっていた、
うちにある最新盤といえば、アルフレド・ベルナルディーニ指揮、ゼフィロによる、Bach ブランデンブルクCon全曲+管弦楽組曲No.2のカップリングだが、ソロ、バス、内声の助奏パート、いずれもエネルギッシュに迫ってきて、今まで意識しなかったパートにも引き付けられる、録音はぐっと近づいた感じで各楽器の味わいが詳細に聴ける、
まずは管弦楽組曲No.2ロ短調BWV1067、
2018112609010309d_20190625092436322.jpg
マルチェッロ・ガッティ: flトラヴェルソ
アルフレド・ベルナルディーニ:指揮、ゼフィロ

1曲目、フランス風序曲は弾む付点リズムで始まり、flトラヴェルソは小味の効いたキレのある装飾を常に聴かせる、アレグロはフーガ形式でflコンチェルトの書法が織り込まれる、flはvn1と重なり、フーガの一部を演奏したり、
sc01 19
ソロの部分もある、弦がソロの助奏で弾く響きもひじょうに味わい深い、
sc01 157
メインのパート以外に耳を向けても魅力が聞こえてくる、
flのソロは序曲のほか、ロンド、ブーレー、ポロネーズ、バディヌリに与えられるが、ポロネーズのソロが充実している、他はvn1と重なる、当盤のブランデンブルクConもそうだが、低音パートが弾むように活き活きとして、じつに味わい深く引き込んでいく。
zefiro BWV1067 you
you tube(抜粋):Ouverture [No. 2] in B Minor, BWV 1067:
I. Ouverture
V. Polonoise (Moderato e staccato. Lentement) - Double
VII. Battinerie

ブランデンブルクConのほうもじっくり聴き直したい。
ご覧いただき、ありがとうございました。
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category: J.S.バッハ

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東西落語:「鹿政談」  

古典落語には本筋の短い話もあるが、桂米朝は枕に当るところで、当時の歴史的実態など、後学になるような話を加えて面白く聞かせる、あの桂枝雀も師匠の影響か、枕や本筋の中盤に話を挿入して短い話も楽しませている、
 
今日の話「鹿政談」の原作に登場する奈良奉行は根岸肥前守だそうだが、桂米朝は川路聖謨(かわじ としあきら)に代えている。
川路聖謨は真面目な人物像が残るようで、弘化3年(1846年)から奈良奉行に就任しており、奈良奉行というのは左遷先とされた所であるが、ここで6年に渡り実績を残した。
nara bugyosyo
奈良奉行所:復元模型

豆腐屋の六兵衛が夜の内から豆腐作りをして、絞りかすのオカラを樽に入れて表に出しておいたところ、野良犬が食っている、追い払おうと薪を投げつけたら、当たり所が悪く死なせてしまった、よく見ると犬ではなく鹿で、奈良では殺せば死罪となる神獣であった、根が正直な六兵衛は隠そうともせず、ひとまずお縄となったが・・
白州で奉行の川路聖謨は六兵衛を死罪にするつもりは毛頭なく、無罪となるよう仕向けて問うのだが、六兵衛は正直者で覚悟を決めている、そこで奉行は死骸を検め、「これは鹿に似た犬ではないか」と周りの与力に問い、与力らも察して同意する、鹿の守り役の代官はこれに異を唱えるが、奉行は、もしこれが鹿であれば、人家に餌をあさりにくるは空腹に耐えかねてのこと、幕府より十分なる餌代の支給があるにかかわらず、鹿が空腹なるは餌代を横領する者がおる疑いあり、本件はさし置き、そちらを先に詮議せねばならぬ、と脛に傷ある代官らに矛先が向いてくる、そこで代官も犬だと同意し、六兵衛は無罪となる。白州の場で役人の不正に迫るところ、先般の「佐々木裁き」に近い筋書きである、
beicho sikaseidan
you tube:米朝 鹿政談

さて、同じ話の江戸版で、三遊亭圓生の名調子を1つ、こちらは豆腐屋は与兵衛という名で、奉行は根岸肥前守である、話の舞台は奈良なので、白州の場で町人のセリフに関西弁が出てくるが、そこは上手いもの。
ensyo sikasoidan
you tube:名作落語76 三遊亭圓生 鹿政談

余談: 芦「あし」を「よし」とも読むのは"悪し"より"良し"が験がいいからそうなったらしく、現在、植物の芦は「ヨシ」が正式名らしい。
因みに日本の戸籍制度では氏名の漢字は家庭裁判所の許可がない限り変更できず、相応の事情(嫁いだ家の姑と同じ名だったり)があれば許可されるが、氏の変更は難しい、しかし、読み方はいつでも変更できる、戸籍や住民票に読み仮名を記すのは義務づけられておらず、役所により記しているが便宜上のものである、芦原で「あしはら」と名乗っていた人が「よしはら」にしてもよい・・っていうか読み方はまったく自由で、住民票等の読み仮名は本人申し出で変更できる、二郎と書けば「じろう」と大抵読まれるが「つぐお」でも好きな読み方で名乗ってよい、変えると当分はいちいち面倒だが;

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category: 時事・雑記

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O.スウィトナー:Beethoven Sym No.7 (LPとCD)  

ステレオ録音は大きく分けて、ワンポイント録音とマルチマイク録音になるが、 
ワンポイントは必ずしもLとR、2本だけとは限らない、中央を拾うマイクを加え3本が多いらしい、それを最後にはLRチャンネルに分ける、補助のマイクがあったとしても、基本的に楽器が発した音の到達する時間差もあるがままに捉え、再生音に自然な音場の拡がりを聴かせる録音方針を総じてワンポイントと言うらしい、このためには楽器からの直接音に対する指向性もあり、周囲からの残響にも反応が良い高性能マイクロフォンが必要になる、またあるがままの録音ゆえ、バランスを取り直すなど編集が殆どできないらしい、無修正の写真と同じか・・
マルチマイク録音は一応ワンポイントと同じようにメインマイクを3本ほど据えるが、各パートの直接音や周囲の残響音をピックアップする指向性マイクも林立させ、要りそうな音をマルチトラックに全部拾っておき、あとでこれらをバランス良く調整し、マスタリングする、
Multi microphone
マルチマイクのセッティング
どちらにも一長一短があり、ワンポイントは自然な音の広がりをもつが、各パートの明瞭さに欠ける例が多い、マルチのほうはおそらく生で聴けば溶け込んでしまう特定の楽器の弱奏をくっきり浮かばせることもできるし、鳴りすぎの楽器を押えることもできる、ときに編集による継ぎ接ぎで現実離れした貼り絵のようにもなる、(*過去に磁気テープに基づくLPで、再生中にテープノイズが目立ったり消えたりすのがあった、いろいろ操作した痕跡か?)

DENONのPCM録音はD.シャルプラッテンとの技術協力で名録音が多数あり、ワンポイント的な全体の自然な拡がりと、orch各パートの明瞭さを両立している、デンマークのB&K社のマイクロフォン使用とある、LP盤のカッティングも優れ最高水準と言える、このO.スウィトナー指揮、SKBのベートーヴェン Sym No.7は手持ちの音盤で5本の指に入る、
20140723.jpg
オットマール・スウィトナー指揮、シュターツカペレ・ベルリン 
1981年 東ベルリン・キリスト教会

LP盤の場合、カッティングの行程が加わるが、このLPは群を抜く解像度で聞こえてほしいパート音もくっきり聴ける、
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vn群の個々の音、胴の鳴りっぷりまで聞こえるような・・
20180920.jpg
しかし、先に手にしたCD(2007年発売、兼価盤)のほうは音が冴えない、HiFiバランスを丸めたようなモコモコした音で、音場の解像度も下がる、リマスター時の帯域調整の違いかと思うが、DENONの他のCDは大方良好なのに何故こんな音にしてしまったのか、
20140126.jpg
初期に出たCDはLP同様良かったのか?相変わらずDENONの音源はyou tubeへのアップが難しい様子だが、珍しく第2楽章のみ挙っていた、
sui be s 7 you
you tube:スイトナー指揮 ベートーヴェン:交響曲 第7番 第2楽章
このyou tubeに挙っている音質のほうが良い気がする、PC用の小型SPではわかり辛いので、PCからstereoシステムに電波で音声を送る装置を使ってみた、
sojushin_201906231053245bd.jpg
デジタルで送信、受信機はD-A変換してアンプのライン入力へ行く、
条件を同じにするため、CDもPCにセットして電波送信した、
pc tray
やはり、tou tubeの音が冴えている、LPから取った音に思える、
同じ録音でも複数出た音源ソフトのどれが良いか聴いてみるまでわからない;

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category: ベートーヴェン

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K.ベーム:Beethoven Sym No.6「田園」 (リマスターCD)  

音楽を演奏する会場というのは重要で、今では日本にも良いホールが出来たが、欧米には名ホールと言われるところが幾つもある、残響音の長さが適度でその音質が良くないといけない、席の場所にもよるが長すぎると集中力が削がれる、反射音が硬質だと耳疲れする。
録音会場として天井の高い教会のドームが使われることも多い、ウィーン・フィルハーモニーO.の本拠地、ムジークフェラインザールの残響時間は空席時で3.3秒と結構長い、満席時は約2秒だそうで、空席ならセッション録音には良い響きが得られていると思う、
Musikverein.jpg
ムジークフェライン・ザール
カール・ベームがここで1971年に録音したベートーヴェン Sym No.6「田園」だが、過去のLP盤を聴くと直接音の割合が多く、やや室内楽的で奥行きがなく、従来のDGらしい音のまとめ方だった、これなりの良さもある。一方、1993年に発売されたリマスターCDでは残響音の割合を増やし、中央付近の管楽器が距離を置いた聞こえ方になり、会場の奥行きが感じられる、第2楽章の鳥の描写など、この響きのほうが効果的でorch音楽に相応しい、
sc02 128
20130212.jpg20161030.jpg
各部のマスター音源からバランスを取り直したのだろうか、同じくK.ベームとVPOのJ.シュトラウス:ワルツ集をLPとCDで比べると大幅に広がり感が違う、リマスターCDはDECCAサウンドみたいだが自然でわるくない、
20180627 (2)20180627 (1)

音がデッド過ぎると不評だったカラヤンの'80年代初期CDもその後同じ傾向にリマスターされたようだ、ベーム,VPO盤ほどの効果はないようだが;
会場のベルリン・フィルハーモニーも響きを良くするため2008年に改修工事が行なわれ、残響時間は空席で2.4秒、満席で2.1秒だそうだが、この録音は改修前になる、
RSB_Philharmonie.jpg
ベルリン・フィルハーモニー
ちなみにサントリーホールの残響時間は空席で2.6秒、満席で2.1秒だそうだ、
santori h
サントリーホール
単に残響時間だけで善し悪しは決められないが。

なお、you tubeにあるベームの「田園」は"Original image bit processing"とあるので、旧盤どおりに処理したということか、PC用の小型SPでは判別し辛い;
bohm be s6 you
you tube:Beethoven Symphony No 6(Karl Bohm 1971)

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category: 時事・雑記

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阿川泰子:「ALL RIGHT WITH ME」(LP)  

さて、届いたばかりの阿川泰子10枚目のアルバムでトミー・フラナガン・トリオと共演した「ALL RIGHT WITH ME」、またも「見本盤」に当った、状態からして無垢盤のようだv 
agawa lpagawa lp mihon
このアルバムが出たのが1985年で音源はデジタル、CDもすっかり普及していた頃、LP盤も出ていたのね、ファン層にアナログおじさんが多かったせいか?^^;
収録曲
001_20190621110714543.jpg
しかし、これはレコード盤を廻すのが合う^^
agawa lp 3

ジャズ・ボーカルというと、ハスキーだったり個性的な声で、アドリブもこなす熟練歌手というイメージだが、このアルバムの1曲目、「IT'S ALL RIGHT WITH ME」を検索してもじつに多くの歌手が個性を活かしたアレンジで歌っている、
natumi you
you tube:It's All Right With Me - 夏実泰代/Yasuyo Natsumi
ほか、ここで様々聴ける、
you tube:IT'S ALL RIGHT WITH ME

阿川泰子はプレーンな美声で、オーバーな表出を控え、落ち着いたムードで味わいを出すのが個性というか、ここが他にはない好まれるところかも、大きなバックバンドより、トリオと組んだこのアルバムが本領発揮に思える、
ボーカルが出張ることなく伴奏としっくり寄り添っている、トップミュージシャンのトミー・フラナガン・トリオと河東伸夫のtrpが一部加わり、彼らの達演も間奏部分で堪能できる、左からはフラナガンのPianoが明確に立ち上がり、A.テーラーのDouble baseがチャンネル一杯に深く拡がる、オーディオ的楽しみも十分、持っていて損はない逸品だ。
you tubeに挙っているのは1曲目の「IT'S ALL RIGHT WITH ME」のみ、
agawa a r you
you tube:阿川泰子 It's alright with me
最後の「GOOD-BYE」は憂いを帯びた良い曲で、CMで多くの人が耳にしたと思う、
you tube:【懐かしCM】三田工業 CM集

番組のエンディングで歌っていたスタンダード集、
osyare 50 50 you
you tube:おしゃれ30・30 (*リンク誤り、訂正済)

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category: 歌謡・ポップス・etc

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W.サヴァリッシュ:Beethoven Sym No.7 (新・旧)  

ベートーヴェンの「第7」はリズムが支配した熱狂的な作品と捉えられがちだが、繊細な味わいどころが多分にある、そこをよく聴ける演奏と録音に仕上がった音盤を聴くのが近頃は好みになった、手元の音源では1962年(サヴァリッシュ、39歳)、コンセルトヘボウO.アムステルダムとの演奏と、1991年(68歳)同じくRCOとの演奏がある、'62年のLPのほうはPHILIPS原盤らしく各パートをピックアップしたような明瞭な音がうまくミキシングされていて、影で奏でる弱奏の楽器もくっきり聴ける、 
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サヴァリッシュは誇張なく、幾分快速で精緻な演奏を聴かせる、演奏、録音ともに完璧を目指したような仕上がりだ。
このLPは第二楽章のトラックで"カッシーニの隙間"みたいに暗いところがある、
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弱音部分でカッティングスペースを細く節約し、ダイナミックレンジを大きく確保するスペーシングでSN比の良い厚みのある音が期待できる。
この録音はyou tubeに挙っている、
sawa be s 7 you
you tube:Beethoven: Symphony No. 7, Sawallisch & COA (1962)
もう1枚は1991年、EMI原盤のCD、こちらは会場の響きが豊かで奥行きがある、それでいて各パートも分離して聴きやすい好録音だ。これはyou tubeなし、
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第1楽章[205]からのvn2が奏でるキビキビした活力がハッキリ効いてくる、
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'62年録音に比べ、若干テンポは緩やかに思える、相変わらず堅実だが、弦の味わいが柔軟性を帯び耳心地良い。
ほかにyou tubeで2つ聴ける、まず1988年のN響との演奏で終楽章のみだが、サヴァリッシュ65歳でまさに全盛期を思わせる、(60代なんて、まだまだ元気^^)
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you tube:Sawallisch Conducts Beethoven Symphony No. 7 4th movement(1988)
次は2004年、81歳のときの演奏、確かに高齢だがだいぶ体力は控えた指揮になる、N響でのサヴァリッシュ最後のステージだそうだ、
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you tube:Beethoven: Symphony No.7 / Sawallisch NHK Symphony Orchestra (2004 Movie Live)*音量小さめ
コンサートマスターのサポートが目立って見える気がする。

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category: ベートーヴェン

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ハイドン:Sym No.54 (Second version)  

ハイドンのSym No.54、これも演奏やレコーディングの機会が少ない作品だが、当時としては完全に2管が揃った(fl:2、ob:2、fag:2、hor:2、trp:2、timp、弦楽)、最大編成の曲で内容の充実も注目、またfagに独立したパートを与えた最初の曲になる、
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第1楽章はフランス風序曲のように付点を持たせた荘重な趣き、主部に入り、第1主題は弦が弾いているが、管の響きに隠れがちになっている、綺麗でも刺激的でもない簡潔な主題は発展性があり、ハイドンらしいエスプリを秘めている、
展開部は[70]から[129]に渡るが、[90]のフェルマータに続くのは疑似再現であり、
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[110]から短い対位法を聴かせる、再現部も聴きどころである。
sc01 109
第2楽章、アダージョ・アッサイはハイドンの全Symの中で最も演奏時間が長い、後半の反復を行なえば約18分、省略しても12分程になる、疾風怒濤期の静謐な緩叙楽章を最も高めた内容で弱音器付きのvnほか全楽器の溶け合うホグウッド盤が素晴らしい、穏やかな気分で白昼夢を見るような音楽は後半でより深くなる。
メヌエット Allegrettoはvnに前打音がつき、跳びはねるユーモラスな主題で一転させる、
sc03 01
終楽章、Prestoも引き続き活力があり、入念に書かれた内容を持つ、T.ファイ盤ではバス部の動きを強調して聴かせ、終楽章に彫りの深さも与える、また反復の際、vn1の[74]および[78]のアウフタクトに上行パッセージの装飾を入れ、これが決まっている、
sc04 73
ホグウッド盤は全楽章、反復を行なっている、
クリストファー・ホグウッド指揮、AAM
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you tube:J. Haydn - Hob I:54 - 2nd Version - Symphony No. 54 in G major (Hogwood)
T.ファイ盤は聴き手を客席ではなく、演奏の場に立ち会わせるような迫り方である、第2楽章では弦楽を遠くに、管を近くに聴かせるバランスだ、
トーマス・ファイ指揮、ハイデルベルクSO
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you tube:Symphony No. 54 in G Major, Hob.I:54:
I. Adagio maestoso - Presto II. Adagio assai
III. Menuett: Allegretto IV. Finale: Presto

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category: F.J.ハイドン

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阿川泰子:スタンダード曲集  

久しぶりに興味が再燃したのはよいが、阿川泰子のアルバムは数が多くて、どれがいいのか手探り状態;先日のアルバム「サングロウ」は初のオリジナル曲で、リズミカルなラテン・フュージョンでまとめられている、
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これは過去に聴いてお気に入りだ、
一方、スタンダードな曲も聴きたいと思い、サンプル盤として、いくつかのアルバムから抜粋した2枚組CDを取り寄せた、これを元に良いアルバムを、できればLPで探そうという算段、
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'50年代からのスタンダードが揃っている、ニューアレンジで聴かせる曲もあれば、昔ながらのスタイルもある、「ムーンライト・セレナーデ」など超定番の曲はnewアレンジだ、
特に良いのは、本場のトミー・フラナガン・トリオと組んだこれだろうか、
agawa lp
アルバム:ALL RIGHT WITH ME
弓で弾くコントラバスならいつも聴いているが、うちのシステムでジャズのウッドベースを聴いたのは何年ぶりか;;その場を包み込むようなベースにピアノとドラムスが冴える、一流ミュージシャンのトリオと阿川のボーカルがうまく寄り添っている、
agawa you 02
キャリアのあるボーカリストには至らないと評される向きもあるが、20代後半でデビューして、このレベルでやってしまうのは凄いと思う。
agawa you
you tube:阿川泰子 It's alright with me
CDの音もひじょうに良くてこれでいいくらいだが、抜粋なので、やはりアルバムの全曲が聴きたい^^

PS. このところ深夜外出すると20℃くらいになっているが、半袖の夏服では小寒いくらい、
今の車は温度計が付いていて、車内の温度じゃなく、赤外線センサーで外気温を示す、
しかし、暑いよりはずっとマシで梅雨の合間の大陸高気圧というのは心地よく、エアコンを止めて音楽もじっくり聴けるv
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気象庁

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category: 歌謡・ポップス・etc

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O.スウィトナー:Strauss family ワルツ、ポルカ集(LP)  

情景を表す手段として、描写音楽というのがあるが、実際、我々の耳に聞こえてくる音、そのものを擬音化する場合と、擬態化(イメージ)で表す場合がある、
擬音では鳥の声など木管楽器が得意、雷鳴はティンパニやバスドラム、大砲の音もバスドラムでいけるが、ズバリ本物を使ったりする;
一方、雷の電光など、光に音はないがピッコロの高い音でイメージさせられる、日本語でいう「ピカッ」と言うのに近いかな、ベートーヴェンのSym「田園」では様々聴ける、
ヨハン、ヨゼフのシュトラウス兄弟もポルカの中で描写をよく聴かせる、作曲者自身が書いた描写もあれば、別人が擬音効果を書き加えた版もある、 

さて、O.スウィトナーのヨハン、ヨゼフ兄弟の曲を集めたアルバム、兄ヨハンの曲は有名どころのみA面に収め、B面は弟ヨゼフのポルカになっているのが目先が変わって新鮮である、
o sui j s lp
オットマール・スウィトナー指揮
シュターツカペレ・ドレスデン
ドレスデン・ルカ教会(1970/1979)D.シャルプラッテン

収録曲は以下のとおり、青文字はyou tube:にリンク
ヨハン・シュトラウスII
o sui waltz you
1. ワルツ「美しく青きドナウ」op.314
2. アンネン・ポルカ op.117
3. ポルカ「雷鳴と電光」op.324
4. ワルツ「我が人生は愛と喜び」op.263
ヨハン・シュトラウスI
5. ラデッキー行進曲 :ヨハンI op.228
ヨハンII&ヨゼフ
6.ピチカート・ポルカ op.234
ヨゼフ・シュトラウス
sui j s waltz polka you
7.ポルカ 休暇旅行で op.133
8.ポルカ 女心 op.166
9.ポルカ 風車 op.57
10.ポルカ とんぼ op.204
11.鍛冶屋のポルカ op.269
12.ポルカ おしゃべりな可愛い口 op.245

1.ワルツ「美しく青きドナウ」はさすがスウィトナーらしい美質で聴かせる、ゆっくりめだが心地よくリズムに引き込み、しなやかで気品がある、
3.ポルカ「雷鳴と電光」ではウィンド・マシンを使って強風の音も加えている、のちに加えられたアイデアで、これは厚布をローラーで摩擦して風音を作る楽器である、
Wind machine
6.ピチカート・ポルカも名演、強弱幅を大きく取り、中間部で用いるグロッケンシュピール(鉄琴)を微かに鳴らして溶け込ませる、
8.ポルカ「女心」って・・「こうなの?」と教えられるような^^
10.ポルカ「とんぼ」、とんぼを描写した音楽は初めて、無音の羽ばたきをvnの弱奏トレモロで表現、空中に静止したり素早く移動するイメージが見事に浮かぶ、
11.鍛冶屋のポルカ これはとても楽しい、本物の鉄床を2つ使う、
Amboß_klein
sc 001
ドレスデン、ルカ教会に響く極上の鉄床音、D.シャルプラッテンの鮮明な録音で伝わる、
o sui j s lp 02
こういう音源こそ、かつてのHiFi時代のスピーカーで聴き応えありそうだ、

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category: その他・ロマン派

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