ブリュッヘンの102番

ハイドンsym102番特集?5弾目です^^
F.ブリュッヘン、18世紀Oといえば、最初に買ったのがハイドンの101、103番の新譜CDでした。
当時、新譜は3000円というのが決まりで高価でしたが、出費に悔いなし、こんな演奏があり得るのかと驚きました。特に101番は多くの演奏に耳馴染んできただけに、今まで気付かなかったこの曲に内在する味わいやエネルギーをフルに開放して聴かされたような爆弾的快演でした。その後も新譜が出るのが楽しみでした。
で、102番ですが期待どおりの快演。

bru hay 102

ブリュッヘン自身、「シンフォニーとは聴衆にショックを与えるものだ」と語っていましたが、言葉どおり、トゥッテイでのティンパニの打ち鳴らし、思い切った豪奏によるダイナミズムもあれば、極めて繊細な表現もあり、レガート音、すぱっと切る音、これらの対比の心地よさ、各音は団子にならず、曲の構成も明晰に聴こえる、こうした古楽オケの強みはその後のS.クイケンの演奏でも競合し、モダン・オケの表現にも影響を与えていったようですね。

バーンスタインの「プラハ」

バーンスタインのモーツァルトSymphonyはVPOとの35番と36番しか聴いたことがなかったので、35~41番までセットで揃えました。

ber moz

まず気に入ったのが38番「プラハ」です。小細工なしの痛快な演奏かと思いきや、けっこう折り目正しく、こまめなコントロールでハイドンを演奏するかのように丹念に聴かせます。第一楽章は標準的テンポで、主部の初めの弦のシンコペーションもほどよく切って音の頭をはっきりさせます。全体に一音ずつ表情に合わせた適切な切れ目をつけ、第二主題などレガートに聴かせる一方で常に歯切れよい音が聴こえて結果としてとても快活です(「プラハ」はこういう曲ですけどね)。終楽章はやや速めで、バーンスタインらしい痛快さもありますが、突っ走る感じはなく、カチっと整った演奏でVPOの一流の響きとともに安定感があります。
録音はDGらしい厚みがありますが、心地よいツヤもあって明るい音質です。

PS.
ちなみにEMIのカラヤン、BPO盤のプラハは対照的でとにかくテンポが速く、弦が常にレガートで、最初のシンコペーションは拍節を見失いそう;弦が小刻みに前のめりぎみに進んでいく一方、ファゴットが追いつかず(音の立ちあがりが俊敏でないせいか)低弦群もそれに合わせちゃった様子で、八分音符1つ分、合奏がずれちゃってるところがあります;ファゴットや低弦は遅延する分、早いタイミングで演奏することになっているそうですが、安全運転ではないようで、危ないまでの魅力とも言えましょうか^^;

バロック・ギターの魅力

19世紀ギターを売りに出すことに決めて、我家からギター属が無くなる見込みです。べつにギターが嫌いになったわけじゃなく、とても手がまわらないからです;
聴くのはとても楽しみ、中でもとくに魅力を感じているのがバロック・ギターです、このような調弦をとることが多く、
調弦
ウクレレ同様、低音がないんですね。密集音程のコードを掻き鳴らすだけで、雅な響きです。
④、⑤コースはバスの代役となったり、実音どおり高音弦の一部となったりします。

ボボアン
↑M.オッティガー作 ボボアン・モデル(こんな写真送られて我慢するのは辛い;)

膨大な曲はありますが、中でも好きなのが、ルイ14世の宮廷楽士だった、ロベール・ド・ヴィゼです。この人の曲は美しくない、という曲がありません;曲集のページを目をつぶって開いて、そこを弾けばよい、というか。
しかしバロック・ギターは一見手軽そうに見えて奥が深く、リュートとは記譜法の違いもあれば独特の奏法もあって大変です;

tab2


CDは少ないですが、たまたま手に入れたSadoro Voltaの演奏が良かったです。

02

装飾法、リズムの取りかた、ツボを得た演奏。ギターはポジション移動してコードを押さえるまで時間を要しますが、前の音を歯切れよく切り、心地よい"間"を置いた、音楽は自然な伸縮で流れる・・そんなふうに上手く弾くんですね^^録音も楽器の音もなかなか良いです。
他の演奏ですが、響きのよい会場だとこんな感じですね。
動画:Visee Suite D moll 

ヴィゼは幸い、バロック・リュートにも美しい曲を書いているので、いずれこちらを弾いてみたいです。

ハイドン リュート四重奏

市内の書店ではいつもクラシックの室内楽を流しているところがありました。特に音楽を聴く態勢でないとき、何かの用事の最中、耳に飛び込んでくる曲がとても良く感じることがよくあります。ある日、聴き覚えのある弦楽四重奏が聴こえてきました、あのハイドンのリュート四重奏でお馴染み、Hob.Ⅲ:8の原曲です。さすがに原曲は明快で聴きやすい^^この頃のハイドンは後期のようなポリフォニックな書法を入れた本格SQではなく、喜遊曲的なもので、メヌエット楽章2つをもつ5楽章でした。しかし、それなりに溌剌とした魅力をもった曲なんですね。

lute hay
gt

さっそくNAXOS盤のKodaly Quartets(右)を買って原曲を楽しんだ次第です。細やかに表情をいれた佳演ですね。
もう一つ(左)はリュート奏者、ヤコブ・リンドベルィとドロットニングホルム・バロック・アンサンブルのメンバーのスウェーデン・チームによるリュート四重奏編です。今のところこれが最高かな?これは分解能よく聴けるシステムで聴く必要があります。第二vlは弱音器を付けて音量バランスをとっているようですが、リンドベルィは低音弦の長い響きのより豊かな13コース・リュート(ジャーマン・テオルボ)を使っているようです。リュートは元の第一vlのパートをオクターブ低く、またチェロ・パートの低音を適宜取り入れて弾くようになっています。
軽やかな高音弦と余韻豊かな低音弦の響きで原曲にはなかった雅びな雰囲気が味わえます。演奏は難しいですけどね^^;
動画サイトに、これはというのは見当たらなかったですが、このギター・デュオ→Hob.Ⅲ:8 1stは上手くまとめていますね。

S.クイケンの102番

こんどはS.クイケン、ラ・プティット・バンドによるロンドン・セットから、102番です。(しつこい^^)
モダン・オケ、古楽オケといろいろ聴いた中、私としては特に気に入りました。
弦の編成は1st-vl:7名、2nd-vl:6名、va:4名、vcとkb:3名ずつそれに2管編成とテインパニでほぼザロモンのオーケストラに近い規模かと思います。

kuijken hay

クイケンはこのロンドン・セット録音に特に力を入れていたようですね。コンマスが寺神戸亮、チェロに鈴木秀美も入った多国籍オケですが、見事に調和したサウンドを聴かせます。
弦楽器奏者が指揮をすると、弦楽パートがとても味わい深いのは私の思い込みでしょうか、この演奏は一際美しく、弦奏者の質が揃っていて一本の楽器のように聴こえ、分厚くはならないけど、透明ではっきりしています。各奏者とても集中力の要る仕事かと思います、リハーサルはハードだったらしく。第一楽章序奏や第二楽章でこの響きに魅了されます。BPOの弦楽をモダン・オケの特上とするなら、こちらは古楽オケの特上かな。
ロンドン・セットはいずれもオーケストラ音楽の味わい、楽しさを出しきったような作品ですが102番も期待どおりに演奏してくれます。第一楽章は快活ですが速過ぎず、構築感をしっかり味わえます。第二楽章はゾクっとくるほどの透明な弦楽を表情豊かに歌わせます。
録音がピラミッド・バランスで音場が広く、鮮明な高音、量感豊かな低音、各パートが分離して曲の構成が聴こえてきます。第2ヴァイオリンが対等に切れ味よく入ってきます。
特に第一楽章、弦や木管のみの弱奏と総奏の押し出すダイナミズムの対比がこたえられません^^とても"高貴″な印象を与える演奏と録音です。
他の曲もすばらしいですが、あらためて。
プロフィール

michael

Author:michael
クラシック音楽が好きで、自らはリュートに親しんでいます。
バロック、古典派、ロマン派が中心ですが、音楽鑑賞など思ったことを書いていきます。

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