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Michael: Classic音楽,Lute,宇宙

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学 etc

アーノンクール:Haydn オラトリオ「天地創造」  

大作曲家の歴史との関わりも興味深い、クラシックの名作には逸話が伴った曲があり、それらしい話だが、後世の勝手な創作と判明したものが多く、出来過ぎた話はいかにも眉唾だが、そっとしておきたい話もある、 
ハイドンの時代は決して大昔ではない、科学史的にもI.ニュートンはハイドンが生まれる前の人であり、「光の速度」もJ.ブラッドリーの天体を利用した測定で正確にわかっていた、機械技術も進み、身の回り品では懐中時計も作られていた、同時代のウィリアム・ハーシェルが天王星を発見し、銀河系のおよその形も掴んでいた、ハーシェルは天文学に専念するようになったが本来は音楽家でクラリネットも演奏した。
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ウィリアム・ハーシェル(1738-1822)とニュートン式反射望遠鏡、経緯台で現代の大型望遠鏡と同じである、
ハイドンがロンドンを訪れた際、ハーシェルに会ったかどうかだが、ハイドンが訪問したところ、ハーシェルは不在だったという記録があるらしい、訪問が事実なら少なくともハーシェルから何かを得たい意志はあったといえる、
因みにアーノンクールの解説文の中には「ハイドンはハーシェルの天文台で、圧倒的な宇宙に畏敬の念を抱いた」・・云々の記述がある、
ウィーンに戻ったハイドンはJ.P.ザロモンの依頼でオラトリオ「天地創造」を作曲する、
ストーリーは旧約聖書の「創世記」とJ.ミルトンの「失楽園」を元にしているが、序曲に当たる「混沌の描写」は傑作で、聖書に基づく神話的イメージだけで書けるだろうか、
当時最新の科学に基づく世界観が反映している気もする、そう思って聴くのも一興、
S.ホーキング博士によると宇宙が誕生する前は"無の世界で時間も存在しなかった"、時間すらなければ神が何かを成すことも出来ない。それでも全てを超越する神が時間も無い混沌から、形ある世界を創ったという前提になる、
ロンドン交響曲では限定的だったクラリネットがここでは効果的によく活躍する、二管編成にflを1本追加(3本)、コントラfagを加えたオーケストレーションもひじょうに楽しませる。
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さて、アーノンクールの演奏、「混沌の描写」は無から何かが生まれそうで生れない揺らぎを思わせる、こうした場面の描写、また歌唱部分の言葉のアクセントへの同調、同じ旋律でも当てはめられた言葉に応じ、強弱法や速度も変える、修辞的演奏に徹し、息をのむ間と強弱の対比・・神経を込めた演奏で進める。
第1部では第4曲、ガブリエル(sop&合唱)の「喜ばしき天使の群れは・・」が、orchが力強くもレガートに寄り添う、第12曲、ウリエル(tenor)のレチタティーヴォ「今や輝きに満ちて・・」はorchの前奏と描写の間奏も置かれる、神と天体への畏敬の念が込められたようだ。第13曲、合唱「もろもろの天は神の栄光を・・」は重厚に閉じる。
第2部は生命が創造される、第15曲、ガブリエル(sop)のアリア「力強い翼をひろげて・・」は鳥類の誕生、躍動感に満ち、木管による描写が楽しませる。続く第16曲、ラファエル(bass)のレチタティーヴォ「神は大きな鯨と・・」ではコントラバスが唸るような効果をあげる。第21曲、ラファエル(bass)のレチタティーヴォ「大地はただちにその胎を開き・・」は特に描写が見事で音の絵画だ。続く第22曲、ラファエル(bass)のアリア「今や天は光にあふれた輝き・・」も同様、第二部の最後、第26~28曲、独唱部を間に置く合唱「大いなる御業は成りぬ」はハレルヤで見事に歓喜を歌い上げる、アーノンクールは堂々たる構えでしなやかさを持たせ、耳心地のよい量感。
第3部は人間の誕生、第29曲、ウリエルのレチタティーヴォに木管が活躍する前奏および間奏があり美しい。以下アダムとイヴの独唱、二重唱など合唱を伴って綴られる、終曲の第34曲、第二部の終曲と同様、ヘンデルのオラトリオに触発された見事なアーメン合唱で終わる。

「天地創造」は多くの動画が挙っているが、当盤アーノンクールと、アダム・フィッシャーのライヴを代表で、
N H Creation you
you tube:Haydn: Die Schopfung - Harnoncourt/CMW(2010Live)
A F Creation you
you tube:Haydn - The Creation / Die Schöpfung (with Annette Dasch & Thomas Quasthoff)

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category: F.J.ハイドン

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O.ダントーネ:Haydn Sym No.81  

交響曲No.81 ト長調 Hob.I:81もハイドンがパリセットを書く直前の意欲作で、意表を突くところも多分にあるのはNo.80と同じか、先日の続きでO.ダントーネ指揮による演奏、 
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オッタヴィオ・ダントーネ指揮
アカデミア・ビザンチナ(ピリオド楽器)

第1楽章、和音を弾いた後、間を置いてvn2の内声が先に出て緩やかに入る主題が斬新、
sc01 1
ここでvcが入れるリズムは駒の近くを弾く音で浮き立たせている、
動と静を効かせた活気に満ちた提示部を繰り返し、展開部から再現部まで緻密で気を抜かせない書法が続く。
第2楽章、変奏形式でvn1にflが重なって、ハイドンらしい歌唱的な主題を始める、
sc02 1
4つの変奏が続く、変奏曲の手本のような曲だが、第一級の味わい、鋭い第2変奏を置き、最後は元の主題の上に木管アンサンブルを乗せる。
メヌエット、主題が意表をついて面白い、トリオはドローンの上に民謡調の主題、
sc03 01
ところで、これと似たメヌエット、ほかに聴いた憶えがあり、Sym No.54 G majorのメヌエットだった、曲を入れ替えても気付かないかも^^
*参考 you tube:J. Haydn - Hob I:54 - 2nd Version - Symphony No.54 in G major (Hogwood) 3. Menuetto: Allegretto
終楽章、ここも活気あふれる、主題はNo.53「帝国」の終楽章を思わせるが、展開部の入り[51]で休符にフェルマータが付き意表を突く、
sc04 50
どのくらいにするか匙加減だが、ダントーネはまあ程々だろうか、この楽章も展開部以降は緻密で堰を切ったように聴き応えがあるが、[69~82]ののような転調しながらのゼクエンツって、あまり好きじゃないので別の内容が欲しいところ;
sc04 69

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you tube:Haydn: Symphony No.81 in G Major, Hob.I:81 - Edited H.C. Robbins Landon
1. Vivace 2. Andante 3. Menuetto - Allegro 4. Finale - Allegro

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フェシュテティーチSQ:Haydn「日の出」  

ハイドンの全集ものとして、さすがに交響曲は一人の指揮者が入念な演奏で完成させるのは鬼門のようだ;A.フィッシャーとD.R.デイヴィス盤は手放し、残しているのはA.ドラティと、C.ホグウッドの未完の全集のみ、 
hay sym box
DECCAから出た古楽器orchによる全集は、疾風怒濤期などホグウッド盤に統一したほうがよいところ、ブリュッヘン盤を混ぜてきている、無神経なたたき売り感がいただけない;
T.ファイ盤は全集が出る前に大方揃えてしまった^^
弦楽四重奏の全集はコダーイSQを持っていたが、フェシュテティーチSQ盤を手にしてからは、これだけにしている、
hay sq box
フェシュテティーチ弦楽四重奏団(ピリオド楽器)
こちらは四重奏曲でもディヴェルティメントやカッサシオンに類する曲は省いてあり無駄がない、古楽器SQによる完成度の高い全集だが、聴くのは久しぶり;
変ロ長調 Op76-4 Hob.Ⅲ-78「日の出」は健康的で好きな曲である、
ヴィヴラートは押えているので常に透明感があり、和声もきれいに響く、
第一楽章は日の出の情景のようにpで始まり、朝の澄んだ空気を思わせる、
sc01 01
やがてぐんぐんと元気になっていく、これも好きな主題である、
展開部は楽しい音の綾取り、
sc01 91
再現部もその続きのように聴きどころ。
第二楽章、変奏形式、「皇帝」のような名旋律を持つ楽章に対し、こちらはさらりとして深夜の静けさを思わせる、物想いにふけるような味わい。
メヌエット、アレグロでスケルツォ風、快活で親しみ易い良い主題、vcを効かせるポリフォニックで凝った書法、トリオではドローンを入れ、趣きを変える。
終楽章、コーダを持つ三部形式でアレグロ・マ・ノン・トロッポに始まり、アレグロ、プレスト、とテンポアップしていく、始まりからポリフォニックな要素が多く、聴き応え十分。
sc04 01
今回検索したらyou tubeに挙っていた、
feste hay you
you tube:String Quartet in B-Flat Major, Op. 76, No. 4, Hob. III:78 "The Sunrise":
I. Allegro con spirito II. Adagio
III. Menuet (Allegro) IV. Finale (Allegro,...

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O.ダントーネ:Haydn Sym No.80 (更新)  

昨日の続編的な話しになるが、ハイドンがJ.M.クラウスと出会った後くらいの作品でSym No.80とNo.81があるが、パリ・セットを前にした両曲には意欲的な進歩を感じる、 
まずはNo.80 D minor、
DECCAの「古楽orchによるHaydn Sym全集」の穴埋めを兼ねたO.ダントーネ指揮、アカデミア・ビザンチナの演奏で聴く、
dan hay sym
オッタヴィオ・ダントーネ 指揮
アカデミア・ビザンチナ
2015年 DECCA

交響曲No.80ニ短調は疾風怒濤期に書かれたスタイルとは明らかに異なり、主役らしい第1主題(ニ短調)が颯爽と活躍しようとするが、ゆるキャラ風の第2主題(ヘ長調)が雰囲気を変え、優勢になっていく、
第1楽章 Allegro soiritoso ニ短調の第一主題はバスに明確に現れる、
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vn、vaのトレモロが伴い険しさがあるが、提示部の最後、[57~64]にのみ現れる第二主題はレントラー風でリズム的にもおっとり、
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展開部は第2主題で始まり[74~78]で仕切り直しかと思わせ、また第2主題が出る、
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ダントーネは第二主題の入りにルバートをかけ、やんわり表情を出す。展開部以後は第二主題に主座を奪われた感がある。楽章の後半に反復記号はないようだ、確かに一度が効果的かも。ダントーネは張り詰めたスタッカートの力感の間に柔軟なレガート、強弱法を聴かせ、ユーモアも十分心得た心地良さだ。
第2楽章 Adagio 気品ある主題のソナタ形式、これも「十字架上の七つの言葉」まさにその時期を思わせる緩抒楽章、多彩な変化を聴かせ緊迫した場面も見せる、[24]から続けて(p)で奏でるflは芳香漂うような効果、当演奏のflトラヴェルソは一際心地よい。
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メヌエット ニ短調の淡々としたメヌエット、トリオは交響曲No.26にも登場したグレゴリオ聖歌風の主題で印象づける。
終楽章 Presto この楽章もユーモアだ、2拍子でアウフタクトから繋がるシンコペーションで始まり、vn2が入れるリズムで余計に拍節が掴み辛い、
sc04 01
[110]からの管パート(ob、fag)もリズムの入れ方が変わり、惑わされる;
sc04 110
d hay s80 you
you tube:Haydn: Symphony No.80 in D Minor, Hob.I:80 - Edited H.C. Robbins Landon
1. Allegro spiritoso 2. Adagio 3. Menuetto 4. Finale (Presto)

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Haydn:ヴァイオリンCon No.4 ほか  

有名作曲家の曲でも、一般に人気筋でよく演奏される曲以外が好みだったりする、
ハイドンのvn協奏曲はNo.1がよく演奏されるが、好きなのはNo.4である、
第一楽章から、前期古典派らしい趣味が聴かれる、Allegro moderatoの落ち着いた歩みで、優美でセンスの良い主題で構成される、
第2楽章、Adagioは清々しく、気分の移ろいも豊か、
終楽章はハイドンの急楽章らしい切れ味十分、多感様式の趣きはないが、C.P.E.バッハの協奏曲のスタイルを引き継いだ感がある。
演奏はエリザベス・ウォルフィシュのバロックvnが、一際しなやかな演奏で気に入っている、
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Elizabeth Wallfisch:vn
Orchestra Of The Age Of Enlightenment

you tube:Violin Concerto in G major Hob.VIIa: 4:
I. Allegro moderato II. Adagio III. Finale : Allegro

vc協奏曲のほうはNo.2が人気のようだが、近頃はNo.1のほうを好んで聴く、1961年にプラハでこの筆写譜が発見されたそうで、復活したのはそれほど昔ではない、先のvn協奏曲より凝った内容になっている。
第1楽章は雅な雰囲気の中に張り詰めた感覚も起いて引き締める、
第2楽章、Adagio、vcソロがppからcresc.で現われる、三部形式の中間部が引き付ける、
終楽章、Allegro moltoはvcソロの急速なパッセージの技巧が聴かせどころ、
vc con sc04 118
演奏はエンリコ・ブロンツィのvcが緻密に決まり切れ味があって良い、こちらはモダン楽器、
hay vc con 1 you
Enrico Bronzi:vc
Orchestra di Padova e del Veneto

you tube:Cello Concerto No. 1 in C Major, Hob. VIIb:1:
I. Moderato II. Adagio III. Allegro molto

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S.クイケン:Haydn Sym No.103「太鼓連打」  

前日、S.クイケン指揮、La Petite Bandeのハイドン Sym 「朝、昼、晩」を聴いて、編成の大きいロンドンセットも聴きたくなった、
DHMのSym12曲を4枚のCDに収めたセットは手放せない逸品、編成が大きくとも、透明感のある響きは変らず録音はよく捉えていて、HiFiバランスでorchのスケール感も十分。 
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ハイドン Sym No.103変ホ長調「太鼓連打」
シギスヴァルト・クイケン指揮、La Petite Bande1995年 DHM

No.103「太鼓連打」のライヴが動画に挙っているが、セッション録音と同時期の演奏だ、
ヒストリカルで美しいサウンドに拘っているクイケンの演奏がこの音声や弦奏者のしなやかな弓さばきからも伝わってくるようだ、
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you tube:Haydn: Symphony No.103 "Drum Roll" / J.Ku?ken La Petite Bande (1994 Movie Live)
第1楽章の主部に入ってすぐ、[47]から、vn1&va、vn2&vcがペアになっている(色枠オレンジと紫)、またfl&clとvn1&vaが重なり、逆進行のobパートを分散形にしたのがvn2&vc、という関係になっている、また、例の[53]からの聞こえにくいvn1のみのパートはflほか多くが奏でるパートの分散形である、
timp(E♭、B♭音)も木管群と同等の活躍をするよう書かれている、
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たぶん[47~49]も聴いただけではオレンジ枠のパートが優勢に響き、紫枠パートには気づきにくいだろう、総譜を見ると細かい仕組みも聞こえてくるようで面白い、展開部はカノンが多く使われる。
第2楽章はレガート基調だが心地よく節目を付ける、弦のしなやかさが魅了するが、Concert Master寺神戸亮のソロが代表的にそれを聴かせる、
メヌエット、快調で楽しいテンポに乗せられてしまう、ユーモラスな表情と短調が交互にくる主題が飽きさせない、
終楽章、程よい快速で始める、clの加わったハイドンのフル編成扱いの巧みさ、弱奏部とtuttiの対比の効果が古楽器orch.のやや大きい編成でよく味わえる。

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C.アバド ほか:Haydn Sym No.103「太鼓連打」  

昔からティンパニのような太鼓はtrpのファンファーレ同様、開幕の合図に使われるというのはあったようだが、ハイドンのSym No.103「太鼓連打」の開始部分を見ると、timpに主音E♭の連打と"Intrada"の指示があるのみ、実際どう演奏すべきか明らかではない、 
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Intradaには開幕の楽曲の意味もあり、一対のtimpが2音を使って即興を演じるのもあり得る、そんな実例を録音で聴かせたのはC.アバド盤が最初だったと思う、そのtimpも硬いマレットで叩く古楽器で、連打の粒立ちが明快。
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クラウディオ・アバド指揮、ヨーロッパ室内O
1995年 DG

そのように始まる第1楽章、主部はスリムな響きで明快な表現、まさに希望を叶える演奏だ、[53]から総奏の中でvn1だけが異なるパートを弾く、ここはfz(フォルツァンド):"強くアクセントをつけて"であり、"強く"ではない、
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ここではvn1を打ち消さない程度の強調だろう、しかし音盤ではvn1が分離して聴きやすいのは3例ほどしかない、
N.マリナー盤、A.ドラティの全集盤など、当アバド盤も比較的聴けるほうだ、
第2楽章、程よいテンポで始まる変奏主題はレガートに入るが、付点の部分を二重付点に近くしてリズミカルでもある、vnのソロでは奏者のセンスのよい装飾がある、
メヌエットは速めで活気と気品がある、トリオはテンポを緩め、ここでもソロのclが少し装飾を入れる、
終楽章、快速で爽快な始まり、金管やtimpが痛快にダイナミズムを繰り出す、flのパッセージなども切れ味良く、引き締まったアンサンブルも上々。
この「太鼓連打」は今も数少ない名盤の1つになる。
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you tube:Haydn: Symphony No.103 In E-Flat Major, Hob.I:103 - "Drum Roll"
1. Adagio - Allegro con spirito 2. Andante piu tosto allegretto
3. Menuet - Trio 4. Finale (Allegro con spirito)

次は'70年代になるが、初めて全集録音を果たしたA.ドラティ盤、じつはこの録音前にも旧盤があり、楽譜はR.ランドン版が普及する前のようだ。
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アンタル・ドラティ指揮、フィルハーモニア・フンガリカ
録音:1969~1972年 DECCA

'70年代としては他に例がないほど新感覚が感じられる、同時期のマリナー盤やヨッフム盤は20世紀流なorchの優等生ぶりがやや鼻につくが、ドラティ盤は使い古された演奏スタイルではなくスッキリ、
第1楽章のtimpはランドン版に基づき、ffで始まるが、全楽章でtimpの活躍が目立つ扱いだ、小編成的な清しいサウンドで快速ぎみのテンポ、
メヌエット楽章はゆっくりめだが、いつも上品にまとめる。
終楽章の[91]から、vn2とvn1がパッセージの掛け合いをするが、vn1にはflが重なる、
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ここが明確に聴けて心地よい、
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you tube:Haydn: Symphony in E flat, H.I No.103 - "Drum Roll"
1. Adagio - Allegro con spirito 2. Andante più tosto allegretto
3. Menuet - Trio 4. Finale (Allegro con spirito)

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C.アバド ほか:Haydn Sym No.96 「奇跡」  

昨日のモーツァルトもそうだが、C.アバドはモダンorchを用いていち早く新時代のハイドン演奏を聴かせた一人だろう、それまで、アバドがハイドンSymを録音したことはなかったので、その満を持して出した録音は新鮮だった。古楽orchの演奏はときに親しみづらさも生じるが、アバドはピリオド指向を活かしながら、真に楽しめる優れた演奏だ。
20世紀終り近く、ヨーロッパ室内Oと録音したSymの何曲かは名盤で、リリースごとに魅力を増していった、ロンドンセット全曲とは行かなかったのは惜しい。 
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クラウディオ・アバド指揮、ヨーロッパ室内O
DG 1987年

その中から、No.96ニ長調「奇跡」、ハイドン好きが望むことはすっかり心得ているような、始めから最後まで不満なく、すんなりと聴ける。
abbado hay s96 you
you tube:Haydn: Symphony No.96 In D Major, Hob.I:96 "The Miracle"
1. Adagio - Allegro 2. Andante
3. Menuetto (Allegretto) 4. Finale (Vivace)
第1楽章、序奏は清涼で味のある響きで開始、ぐっと弱奏にして次への起伏をつける、主部は程よい快速、しなやかな弱奏のあと総奏のドシっとくるダイナミズムで引き付ける、
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構築美を示しながら耳心地良い響きで、細かく聴いても丹念な音楽性が詰まっている。展開部が終わり再現部に入る間(溜め)が長いが、これが効く、
第2楽章にもtimpを伴ったダイナミズム、または弦だけによる強奏もあるが、そこを重々しくしないのがよい。短調に入ってからの深み、美しさも十分に仕上げる。
メヌエット、堂々たる主題だが重すぎない、オーボエ・ソロのトリオはリピートで弦楽伴奏をぐっと弱奏にして、引き込む。
*メヌエットの[3]のG音は♮が正しいがR.ランドン版が出る以前は♯がついていた、出版の古い楽譜は近代好みに音が変えられたものが多い。
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メヌエットから間を置かず、快速に終楽章に入る、弱奏でロンド主題を始め、短調の総奏に入った力感が痛快、またぐっと弱奏の主題に戻り、涼やかさとエネルギーの交錯、きっぱりとした終楽章が心地よい。
*ハイドンでは比較できないが、モーツァルトでアバドの進化ぶりがわかる、
1979年と2008年のSym No.40 第1楽章で比較、

you tube:1979年、ロンドンSO:Mozart Sym No.40 1st
you tube:2008年、モーツァルトO:Mozart Sym No.40 1st
今も過去の演奏が好きという人も多いだろう;

いつの間にかモダン(20世紀)と古楽の区別は薄れ、21世紀の演奏スタイルが定着してきた、
そのお気に入り盤として、I.ボルトン指揮、ザルツブルク・モーツァルテウムOを挙げる、
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アイヴァー・ボルトン指揮、ザルツブルク・モーツァルテウムO
2009年 OEHMS CLASSICA

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you tube:Symphony No. 96 in D Major, Hob.I:96, "The Miracle":
I. Adagio - Allegro II. Andante
III. Menuetto: Allegretto IV. Finale: Vivace assai
第1楽章、透明感のある弦で始まる序奏、そこにobがくっきり浮き立つ、主部は活気を帯びた適切なテンポ、総奏に入ると対比よく力感を出す、いつもどおり金管はナチュラル管で透明、弦が歯切れ良く浮き立つ、弦管のバランス良く色彩感も豊か、清涼感と十分な力感を両立。
第2楽章も切れ目を入れながら、すっきり、強奏も思い切りよく押し出す、[26]からト短調の対位法で書かれた魅力的な変奏も感傷に陥らず冷静に整える。
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メヌエットはきりっと引き締め、リズムの明快さが心地よい、トリオのobソロは装飾を入れながらさらりとした演奏が良い。
終楽章、程よい快速、さりげなく流れて行く終曲でもボルトンはがっちり各パートの仕掛けを立体的に聴かせる。

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category: F.J.ハイドン

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ハイドン:Sym No.54 (Second version)  

ハイドンのSym No.54、これも演奏やレコーディングの機会が少ない作品だが、当時としては完全に2管が揃った(fl:2、ob:2、fag:2、hor:2、trp:2、timp、弦楽)、最大編成の曲で内容の充実も注目、またfagに独立したパートを与えた最初の曲になる、
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第1楽章はフランス風序曲のように付点を持たせた荘重な趣き、主部に入り、第1主題は弦が弾いているが、管の響きに隠れがちになっている、綺麗でも刺激的でもない簡潔な主題は発展性があり、ハイドンらしいエスプリを秘めている、
展開部は[70]から[129]に渡るが、[90]のフェルマータに続くのは疑似再現であり、
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[110]から短い対位法を聴かせる、再現部も聴きどころである。
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第2楽章、アダージョ・アッサイはハイドンの全Symの中で最も演奏時間が長い、後半の反復を行なえば約18分、省略しても12分程になる、疾風怒濤期の静謐な緩叙楽章を最も高めた内容で弱音器付きのvnほか全楽器の溶け合うホグウッド盤が素晴らしい、穏やかな気分で白昼夢を見るような音楽は後半でより深くなる。
メヌエット Allegrettoはvnに前打音がつき、跳びはねるユーモラスな主題で一転させる、
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終楽章、Prestoも引き続き活力があり、入念に書かれた内容を持つ、T.ファイ盤ではバス部の動きを強調して聴かせ、終楽章に彫りの深さも与える、また反復の際、vn1の[74]および[78]のアウフタクトに上行パッセージの装飾を入れ、これが決まっている、
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ホグウッド盤は全楽章、反復を行なっている、
クリストファー・ホグウッド指揮、AAM
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you tube:J. Haydn - Hob I:54 - 2nd Version - Symphony No. 54 in G major (Hogwood)
T.ファイ盤は聴き手を客席ではなく、演奏の場に立ち会わせるような迫り方である、第2楽章では弦楽を遠くに、管を近くに聴かせるバランスだ、
トーマス・ファイ指揮、ハイデルベルクSO
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you tube:Symphony No. 54 in G Major, Hob.I:54:
I. Adagio maestoso - Presto II. Adagio assai
III. Menuett: Allegretto IV. Finale: Presto

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category: F.J.ハイドン

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ハイドン:Sym No.70  

偶然だがハイドンの"0"の付くキリ番交響曲には面白い曲がくる、S.ラトルもキリ番のNo.60「迂闊者」、No.70、No.90をレコーディングしていた、 
s r hay sym
このほかNo.30「アレルヤ」、No.40、No.50、No.80、No.100「軍隊」、いずれも珍しい書法で特徴的だったり、ユーモアが効いた曲が揃っている、

今日は70番、小作りで継ぎ接ぎ感のある曲だが、終楽章が傑出して素晴らしいのが特徴、 
ハイドンがSymの60番~70番代を書いた頃の1770年代後半、エステルハーザに新しくオペラハウスが造られ、ハイドンはオペラの作曲、上演が忙しくなり、交響曲は空白期間だったらしい、何曲か書かれた交響曲もオペラ音楽から転用された楽章があった、No.70ニ長調もそんな時期の曲と思われる、
第1楽章は一応ソナタ形式だが、何か劇音楽用に書かれた曲の転用とも推測される、活気に満ちて面白いが、いつものような内容はない、
第2楽章は「二重対位法のカノンの見本」と珍しくタイトルが記されていて、バロック的な書法も用いた変奏曲、ニ短調の悲歌的な主題が長調に転じ交互に出る、flが重なる短調部分の変奏が魅力だ。
メヌエット、総奏で始まる堂々とした主題、トリオ含めとくに凝ったところはない。
終楽章、ニ短調で第1の主題はppで聴力検査の信号音のように始まり、奇妙な導入部となる、
sc04 01
フェルマータを置き、[27]から「三つの主題を持ち、二重対位法による」と記されたフーガに入る、[44]から管楽器も主題の演奏に加わり、timpも第1のテーマに対応できる、
sc04 23b
[120]からクライマックスで連続バスが入るが、バロック期からの定型、
sc04 119
短いながらバロック様式を見事に取り入れた楽章、終わり方もユーモラス、この終楽章が隅に置けない作品にしている。
因みにSym No.40の終楽章もNo.70の前身的なフーガ楽章になっている、

今日はC.ホグウッドとG.アントニーニの演奏を挙げる、終楽章だけでもお勧め、
hog hay s70 you
you tube:J. Haydn - Hob I:70 - Symphony No. 70 in D major (Hogwood)
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you tube:J. Haydn: Symphony No. 70 | Giovanni Antonini | Il Giardino Armonico (Haydn2032 live)

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category: F.J.ハイドン

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