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Classic音楽,リュート,宇宙

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学 etc

M.アンドレ:Haydn トランペットCon (録音歴)  

トランペットの名手、モーリス・アンドレはオリジナルのtrp協奏曲として最も高い水準にあるハイドンのtrp協奏曲変ホ長調をライフワークのように一定の期間を置いて録音を重ねている、共演する指揮者やorchも変わり、演奏スタイルにも新境地を聴かせている、カラヤンと共演した際のEMI盤は、録音時期から外れたせいだろうか、ハイドンは外されている。 
*なおハイドンは当時、新開発のtrpでそれまでのナチュラルtrpでは出来なかった低域での音階演奏を可能にしたキーtrpのために書いており、現代trpにも重要なレパートリーが残ることになったのは幸いである。
key trp
キー・トランペット

まず、アンドレ初期の録音からJ.F.パイヤールとの共演、
のちにゆったりしたテンポを取るようになるアンドレだが、ここでは快速で逆に新鮮に聞こえる、パイヤールのorchは快速ながら、しなやかさを持たせ、パートのバランスもよく聴ける、
j f p lp
J.F.パイヤール指揮、パイヤール室内O 1960年頃、ERATO 
you tubeには見当たらず、

次に1966年、ハンス・シュタットルマイアー指揮、ミュンヘン室内Oとの共演、
h st lp
1966年、ARCHIV
落ち着いたテンポになり、 シュタットルマイアーのorchはかっちり引き締まった感覚、各パートくっきり捉えたアルヒーフらしい録音で、1つの完成を感じる録音である。
m a hay trp st you
you tube:ハイドン:トランペット協奏曲変ホ長調Hob.Vlle 1:アンドレ(tp)/シュタットルマイアー/ミュンヘン室内o

次に1971年、テオドール・グシュルバウアー指揮、バンベルク交響楽団との共演、
t g cd
1971年 ERATO
再びERATOへの録音になるが、音質は向上しソロtrpは煌びやかになる、残念なのはorchの木管が遠く、timpも低音部の響きに埋もれて分離がよくない、
m a hay trp t g you
you tube:J.ハイドン トランペット協奏曲変ホ長調 アンドレ

次に1977年、ヘスス・ロペス・コボス指揮、ロンドン・フィルハーモニーOとの共演、
j r c lp
1977年 EMI
この録音から趣きが一新した印象、テンポはさらにゆったりになるが、ハイドンSymの好演も録音しているJ.R.コボスが指揮するorchはがっちり構築感を打ち出し、Symのようだ、各パートが明確に聞こえるのも良い、そこにアンドレのtrpが柔らかく寄り添ってゆとりを感じる。
m a hay trp j r c you
you tube:Haydn Trumpet Concerto in E flat André/López-Cobos

ちょっと年数をとばすが最後に1994年、ヤーノシュ・ローラ指揮、フランツ・リスト室内Oとの共演、筆者が一番良いと思ったのがこの演奏だった、
j r cd
1994年 EMI
アンドレ61歳頃で、さすが熟年の境地、一切の雑念を払ったかのように力を抜き(このように吹くのが難しいと思うが)、全楽章澄み渡っている、弱奏部や第2楽章の表現など、木管楽器さながらのデリケートな域に達し、J.ローラのorchもアンドレの演奏と一体となって室内楽的に端正、録音も良好で各パートが聴きやすい、
輝かしく元気のよい演奏も良いが、これは繰り返し聴きたい演奏で、一押しの1枚、
残念ながらyou tubeには見つからなかった。

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category: F.J.ハイドン

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K.リステンパルト:Haydn Sym「驚愕」「時計」  

筆者はさほど熱心にレア盤を探すことはないが、これは運良く中古で見つけたもの、
カール・リステンパルトといえば、かつてバッハなどバロック作品のレコードが国内でもコロムビアから出たが、ハイドンは憶えがない、何年ぶりかに引っ張り出して聴いてみるのも一興、録音は1966年でリステンパルトが亡くなる前年になる、 
k ris hay lp 03
Karl Ristenpart指揮、ザール室内O
フランス盤でレーベルは"Le club français"

時代によって、演奏者、聴衆ともに耳馴染んだ慣習的演奏スタイルがあり、そこから大きく外れた演奏をする人は少なかった、この演奏でも、ゆっくりめな緩叙楽章、及びメヌエット楽章はその影響下にあり、今となってはいささか聴きづらい面も出るのは致し方ない、そこは古い映画を観るのと同じだろう、
録音は会場の響きもありそうだが、高域の響くきらびやかな音である、
k ris hay lp 02
気に入ったのは「驚愕」のほうで、各楽章、弦楽と木管群の響きが対比的に心地よく聞こえてくるところ、
hay 94 sc01 29
メヌエットはこの時代らしい、
終楽章にもしなやかさと程よい豪快さがある、
k ris hay you
you tube:Haydn: Symphonie n° 94 "La Surprise" en sol mineur -
Adagio cantabile - Vivace assai Andante
Menuetto - Allegro molto Finale : Allegro molto

「時計」で印象的なのは第1楽章や終楽章もレガート基調でバッハの演奏からも覗えるリステンパルトらしさだが、第2楽章がひじょうに爽やかに聴ける、
終楽章も壮大さがあってわるくない。
k ris hay you
you tube:Haydn: Symphonie n° 101 "L'Horloge" en ré majeur -
Adagio - Presto Andante
Menuetto Finale : Vivace
高校生の頃、名盤ガイドの本(あまりあてにならない)を見て、T.ビーチャムやF.ライナーの「時計」が推奨されていたが、当盤が日本でも知られていたら挙がっていたかもしれない、
個人的にはリステンパルト盤が上に来る。

20世紀終わり近くまで、習慣的(常識的?)演奏スタイルで作曲家の誰を演奏しても似たようにきこえる、あれこれ講釈をつけて演奏するも結局大して変わらず;それが殆どだったが、
そんな演奏から抜け出して全てを見直し作品の真価を掘り出す姿勢が普通になった、試行錯誤もあって全て良いとは限らないが、本当に演奏の数だけ楽しみが増えてきた。

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Haydn:古楽器orchによる Sym 86 (更新)   

8月の記事に、アメリカの古楽演奏はあまり多くは入ってこない、ということで、ナイト・ミュージックの優れた演奏を取上げたが、
Night Music:J.M.Kraus fl五重奏曲 ほか
今日はその前に取り寄せたアメリカの古楽orch、ヘンデル・ハイドン・ソサエティの演奏、
これも2017年録音で音のクウィリティも高く楽しめるライヴ録音である;当盤はハイドンのSym No.26、No.86、モーツァルトのvn Con No.3が入っているが、お目当てはNo.86、パリセットで最も編成の大きな曲である、 
hay s86 cd
交響曲 No.86 ニ長調 Hob1/86
ハリー・クリストファーズ指揮
ヘンデル&ハイドン・ソサエティ
2017年 ボストン、シンフォニー・ホール ライヴ録音

Handel & Haydn Societyは米国で最も古く設立されたピリオドorch.でクリストファー・ホグウッドを桂冠指揮者に任じ録音も行っている、2008年から英国の指揮者、ハリー・クリストファーズが音楽監督に就任した、会場の響きも良く、録音が主目的に思える出来栄え。
20201116.jpg
第1楽章の後半も反復している分、充足感がある。弦の編成は大きいようだが透明感があり、vaやvn2のパートもパワー不足にならず聴けるのが良い、vn2は右に配置している、
第1楽章は序奏を爽やかに終え、主部は程よく快速、活気は持たせるが、柔軟な味わいも両立、強奏部にも程よい強弱を付け、古楽器らしい響きのtimpがそれを明確にする、
sc01 28
展開部以降も、力感が湧き上がる快演で反復する。
第2楽章、Capriccio:Largo この楽章はCapriccioというのが珍しく、次のNo.87の第2楽章のような変奏の魅力はないが、クリストファーズはあまり遅くせず、緊迫感を引き出した演奏にしている。
メヌエット、Allegrettoの活気を持たせたテンポは小気味良い、少し間を置いてトリオは穏やかな基調、flトラヴェルソのソロが常に味わいがある。
終楽章、最も活気づいて楽しい楽章、クリストファーズは心地よい快速をとる、trpやtimpの押し出すところも痛快、[138]の f で変ロ長調に転じるところが引き付ける、
sc04 138
切れ良く高らかに終わる。
hay s86 c you
you tube:Symphony No.86 in D Major, Hob.I:86:
I. Adagio - Allegro spiritoso
II. Capriccio - Largo
III. Menuet & Trio - Allegretto
IV. Finale - Allegro con spirito

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R.ヤーコブス:Haydn Sym 92 ≪Oxford≫ (更新)  

ハイドンのsym「オックスフォード」は過去の録音ではA.ドラティの全集に入ったものやC.ディヴィス、RCOなど良かったが、名演でも過去の演奏では聴けなかった、作品の真髄に迫る新しい演奏がある、近年ではT.ファイの新鮮味溢れる演奏も良かった、
今日は2004年録音のR.ヤーコブス指揮、フライブルク・バロックOによる演奏、先般も書いたとおり、古楽器orchのサウンドバランスだが、演奏の細やかな内容を聴き取れる、 
2020111609470918d_20201213093631443.jpg
21世紀の進歩した録音で実在感があり、ハイドン時代のorchが目の前に居たら、まさにこう響くのではないかと思わせる、
r jac hay s 92
交響曲No.92 ト長調「オックスフォード」
ルネ・ヤーコブス指揮、フライブルク・バロックO
harmonia mundi 2004年

第1楽章、序奏はppで密やかに、透明な響き、主部の始まり[21]は属7の p だがやはり pp くらいに押さえ、次への期待となる、[25]の f で主和音がドンとtimpのG音に乗り、花火の打ち上げのようなパンチだ、各パートが賑々しく楽章を彩る、
sc01 21
vcとbasパートが分けられている
強弱法の準備的使い方も効いている、展開部は緻密で無駄のない聴きどころ、vn1と2を左右に配置しているのも効果がある、後半も反復し、この楽章は満足。
第2楽章、自筆総譜の上にAdagioとあり、vnパートの上に"Cantabile"と記されているので、そのように演奏すべきだろうが、
20180703144453ec6_20201213095142aac.jpg
個人的には過剰に"しみじみ"としないほうが良い、ヤーコブスは程よいところ、[40]からニ短調で f だがここも"Staccato"と明記されており、しっかり切り立てて演奏する、ここも匙加減だが、極端でないほうが好みだ、(因みにA.ドラティなどもそこが良い)
メヌエットは力を抜き、アウフタクトに溜めを入れたり、表情に応じた速度変化をつけて面白い、しばしばソロで扱われるflトラヴェルソが華を添え、よく聴ける。
終楽章は当演奏の聴きどころ!第1楽章と同様の充実した内容だが、ヤーコブスの演奏はまさにPrestoで速さに驚く、切れ味良く合奏を決めるが、小節上を足早に進んで音楽的に見えてくるものがある、フォルテピアノの通奏低音も効果的で、この楽章も後半反復で満足。
*この演奏は非常に強弱を深くとっているので、序奏の始まりほか微かな音量である、まさにHiFiシステムで聴くべきサウンド。
r j hay s92 you 02
you tube:Symphonie No. 92 in G Major, Hob.I:92 "Oxford":
I. Adagio - Allegro spiritoso II. Adagio
III. Menuet. Allegretto IV. Finale - Presto

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ハイドンのユーモア:Sym No.60, 80, 90  

ハイドンの交響曲の番号はのちに付けられたものだが、偶然にも、キリ番になる曲が面白い、
モーツァルトはズバリ「音楽の冗談」という曲を書いているが、ハイドンはどこまで本気で、どこから冗談か明らかにせず、聴き手しだい?ともいえるビミョーな暗示もあるようだ、しかし手が込んでいて音楽的な聴きどころも両立させている、
ハイドンは子供の頃いたずら好きだったような逸話が伝わる、これらの演奏の際も平然として心でほくそ笑んでいたかも^^ 
haydn_20201201094218e30.jpg

60番ハ長調「迂闊者」は6つの楽章を持つ異例の曲だ、
第1楽章の序奏はまともなようだ、主部は快活な主題で始まる、[75]からPerdendosi(消え入るように)という極端な弱奏になり、ffが轟く、
s60 sc01 75
ちょっと普通じゃない雰囲気も漂わせる、展開部以降も凝った書き方で楽しめる、
第2楽章は弦で始まる穏やな主題に陽気な木管が突飛に入る、
20201201.jpg
全体にも何か奇妙な雰囲気、
第3楽章、メヌエットは始まって間もなく[9]から意表を突いて2重フーガが入る、
sc03 09
トリオには短調の民族音楽風の主題が入ったり、予期しない要素が続く、
第4楽章はPrestoでハ短調なのも意外、展開部では民族風になる、timpが加わり陽気に転じて終わる、
第5楽章、Adagioでは弦の静謐な音楽に突如ファンファーレが入る;
終楽章ではっきり冗談が露わになり、やはりその手の曲とわかる、vn群が迂闊にも?G線がFになっていたのを演奏の中でGに調弦し直すのである、([23]~ 5度で合せる)
sc06 17
hog hay s60 you
you tube:J. Haydn - Hob I:60 - Symphony No. 60 in C major "Il distratto" (Hogwood)

80番ニ短調はまず第一楽章が面白い、ニ短調の第1主題で物々しく始まり、このままシリアスに行きたいところ、木管のおっとりした第2主題(ヘ長調)が流れを変える、展開部は両主題のせめぎ合い、最後には第2主題に主座を奪われて終わる、終楽章にも奇妙な仕掛けがある、
hay s80 you
you tube:J. Haydn - Hob I:80 - Symphony No. 80 in D minor (von der Goltz)

90番ハ長調は充実期の作品で好きな曲だが、終楽章にユーモアが置かれる、[167]で終結だと思わせ、4小節全休符を置き、まだ続きがあり本当の終結[241]まで行く、
s90 sc04 162
ライヴでは拍手や笑いが入る、
hay s90 you
you tube:Haydn: Symphony No. 90 - Boston Symphony Orchestra/Nelsons (2015)

キリ番といえば、70番、100番「軍隊」もそうだが、70番も異例な特徴を持っており、終楽章は聴力検査の発信音のように始まり、見事なフーガになっている、
you tubeより終楽章:J. Haydn - Hob I:70 - Symphony No. 70 in D major (Hogwood)
100番「軍隊」はお馴染み、派手な鳴り物が異例である。

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C.デイヴィス:Haydn Sym No.102、101 (LP)  

LP時代、ハイドンSymの録音ではD.グラモフォンにはあまり聴くべきものはなく、3人の巨匠でNo.82~104の名盤を作ろうという企画があり、パリ・セットをカラヤン、No.90~92をK.ベーム、ロンドン・セットをO.ヨッフムに割り振った、が、いずれも筆者には好ましい出来ではなかった、DGで初めて良いと思ったのはC.アバド、ヨーロッパ室内Oである、 
一方、フィリップスは前々から、N.マリナーやC.ディヴィスといったハイドンを上手く聴かせる指揮者を抱え、ツボを心得たような録音でスコアの聴きたい音がちゃんと聞こえてくる、
フィリップスはハイドンがお得意か、
c d hay s101 102 lpc d hay lp
コリン・ディヴィス指揮、ロイヤル・コンセルトヘボウO
まず、コリン・デイヴィスの102番、
これはハイドンのsymの中で最も傑作ではないかという評を目にするが、たしかに第1楽章展開部から終結までの練られた書法は見事、
第2楽章は新しいアイデアで、trp、hornにcon sordino(弱音器)の指定があり、独立したvcソロのパートがある、
hay s102 sc02 01
[56]では弱音器付trpが余韻を響かせるが、当録音では明確に再生される、
hay s102 sc02 54
メヌエット楽章などハイドンは何曲書いたことか、それでも新しい感覚が尽きず、終楽章も斬新である、当盤は秘められた内容が明瞭にミキシングされて聴ける、
*デイヴィスの102番はyou tubeに挙がっていない、参考にC.アバド指揮、ヨーロッパ室内O、これも指折りの好演、
c a hay s102 you
you tube: 交響曲 第102番 変ロ長調 Hob.Ⅰ:102 アバド 1994

次に裏面の101番「時計」、何しろ昔からよくわからないまま聴いていたので、その聴き癖が残っているが、今、初めて聴いたとしたら斬新な曲に感じるかもしれない、
この曲にはクラリネットが2本加わっているが独立して奏でる箇所はなく、総奏部で和声の一部を担うのみ、
sc s101 01 36
しかしこの録音ではclが響きに彩りを加えているのがよくわかるようだ、
主題はメロディアスな要素が少なく、器楽的で音階を昇ったり降りたりする基調で書かれている、とくに第1楽章はキビキビ小刻みである、
sc s101 01 13
C.デイヴィスはこの特徴をくっきり小細工なく溌剌と聴かせ、録音は管のパートがよく響いて効果的、第2楽章は"時計"らしく活発なリズムで進め、メヌエットも重くならず小気味よい、例のトリオでフルートが和声から外れる[86]もはっきり、
sc s101 03 trio01
終楽章は速すぎない程度に、折り目正しく決める、
こちらはyou tubeにあった、
c d hay s101 you
you tube:Haydn: Symphony No. 101 in D Major, Hob.I:101 "The Clock" -
1. Adagio - Presto 2. Andante
3. Menuet. Allegretto - Trio 4. Finale. Vivace

PS.「時計」も指揮者によって様々であるが、過剰に逞しい響きにしたり、第2楽章をやけにゆっくりメロディアスにしたり、余計な事をやると鼻についてしまう、
you tube:Haydn: Symphony No. 101 (The Clock), Reiner & HisSO (1963)

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ユーモア センス  

日本人のお笑いというのは、1人がバカなことをやって、誰かがツッコミを入れる、皆でコケる(吉本新喜劇)など、派手なリアクションが必要である、 
欧米のお笑いはどうだろう、たとえばチャップリンの映画、チャップリンが1人でバタバタ大ドジをやっていても周りの人物らはさほど反応せず(無表情だったり)受け流している、これが見ていて可笑しいのである。
また、現代米国映画のセリフに多いが、対話で皮肉やブラックな返答をする、ワンクッション置いた笑いと言えようか、バカな発言に対し無言で立ち去るのも可笑しい。
往年のフランス、英国あたりの喜劇映画を見ても主人公は大真面目に大ドジをやるが、周りの人々はさほど動じず、何事もなかったように進める、なんともおっとりとした状況が笑える。
Peter Sellers
ピンクパンサー・シリーズでお馴染みだった、ピーター・セラーズ(1925-1980)、
なんともトボけたオーラを持っていて、それだけで可笑しい^^

ただ和洋共通なのが「繰り返しのギャグ」で何をやっても同じオチに行き着くってのがある。

こういう洋風のユーモア センスは昔からだったかもしれない、
モーツァルトはズバリ「音楽の冗談」という曲を書いていて、仕掛けはいろんな所に^^
Mozart A Musical Joke
you tube:モーツァルト 音楽の冗談 スウィトナー&SKD (1961)

ハイドンも交響曲に、いくつもユーモアをこっそり仕掛けているが、演奏の際には何食わぬ顔でやったのではないだろうか、演奏中にvnが"調弦"する曲もある(Sym No.60「迂闊者」)、
Sym No.101「時計」で第3楽章のトリオだが、R.ランドン版のスコアでは、[84]からflソロが始まり、弦楽はD majorの和音である、[84]ではflがEで和声から外れてしまう、
trio01.jpg
一方[100]から繰り返しになるが、[102]ではv1~vaがC majorを奏で落ち着く、
(バスはDのままなのでC on Dとなろうか)、
trio02.jpg
[86]で一度外れるのはおっとりしたユーモアと見るべきだろう、かつてはここを誤りとみられたのか、[86]を[102]と同じに修正?した版が用いられた。
you tubeはトリオに入る部分から、弱奏の中で「あれっ?」と思わせる。
hay s101 03 T
you tube:Haydn Symphony No 101 D major „Die Uhr“ The clock The New Dutch Academy

No.94「驚愕」は第2楽章のびっくり箇所は知られている、現代、新たにびっくりさせるには・・と画策する指揮者や楽員もいた、成功,不成功はともかく、
第2楽章はハ長調だが、びっくりの[16]は属和音のト長調である、
sym 94 02
timpはGとDにチューニングされ、楽譜ではGを打つが、Dを打っても和声音である、もう1つ和声外の"A"にでも合せたtimpを用意して、思い切り叩いたら、どんなだろう?知っている人はtimpが3つもあったら、怪しいと気付くだろうが;

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B.スピルナー:Haydn Sym No.35,46,51  

トーマス・ファイはハイドンの交響曲全集完成をめざし、あとひといきのところで、事故に合い、復帰できなくなった、しばらく収録が中断した後、ハイデルベルク響のConcertmaster、ベンジャミン・スピルナーが後を継いで、録音を再開し、24集が出たところだ、 
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第24集 ベンジャミン・スピルナー指揮、ハイデルベルクSO
今日はスピルナーが指揮した、この前の23集より、No.35,46,51という単独で録音される機会は少ないが魅力ある作品、
No.35は第1楽章が溌剌として小気味よくまとまったソナタ形式、ハイドンに親しむなら、いきなりロンドンセットより、このあたりからが良いと思う、
hay s35 you
you tube:Heidelberger Sinfoniker - Joseph Haydn Sinfonie Nr. 35 B-Dur

No.46の第1楽章はNo.44「哀悼」の第1主題を裏返しにしたような共通性がある、
sc 44 46
ロ長調だが短調に向かう傾向があり、展開部は疑似再現を置く進め方、再現部も凝っている、
第2楽章はvnが弱音器をつけた疾風怒濤期らしい魅力でシチリアーノで書かれる、終楽章の中でメヌエット楽章が再現される、
hay s46 you
you tube:Symphony No. 46 in B Major, Hob. I:46:
I. Vivace II. Poco adagio
III. Menuet IV. Finale: Presto e scherzando

No.51は一段とアイデア満載の聴き応えがある、
第1楽章は彫りの深い構成で、[26]のffに入ったところが引き付ける、
sc01 23
展開部は第2主題で入り、[108]から疑似再現を行ない、
sc01 108
疑似再現の頭
そこからが素晴らしい、再現部も多様な変化を見せて引き付ける、後半も反復される、
第2楽章は疾風怒濤期の特徴を見せながら、hornソロの活躍が聴きどころ、最高音から最低音まで奏でる、
メヌエットは明確な主題で心地よく、ここもトリオでhornの超絶技巧を聴かせる、
終楽章は活気あるロンド風主題で、hornの高鳴りを聴かせる力強い変奏を入れ、短く終わる。
you tube:Symphony No. 51 in B-Flat Major, Hob. I:51:
I. Vivace II. Adagio
III. Menuetto IV. Finale: Allegro

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Haydn Sym No.53 「帝国」(3枚)  

ハイドンの交響曲はNo.82以降の「パリセット」あたりから完成期に入ったとも言えるが、
その前、1778-79年に書かれたNo.53ニ長調「帝国」は充実した傑作で当時も評価が高かったという、エステルハージ侯はハイドンに外部からの注文に応じ作曲してもよいと許可を出していた、No.53は楽譜が出版され、当時のアメリカにも知られていたらしい。
 
第1楽章は短くも荘重な序奏が付く、主部Vivaceは主和音を上下するだけの簡潔な主題だけに印象も強い、全体にこの主題が目立って使われ、発展性を持っている、
sc 01 17
なお[46]からvn1は2声になるが、重音奏法で、A線の開放をドローン風に奏で、上声はE線を一弓で弾く響きだろう、
sc01 46
第2主題からイ長調に変わり、活力をもって提示部を終わる、展開部も第1主題がメインに発展していく、展開部後半[167]で弱奏に転じ、幻想感のある転調で進める、
sc01 164
第2楽章は歌謡調の主題による変奏、主題の性格をあまり変えずにセンスよく進められる、
メヌエットは明確で溌剌とした主題、こういう主題は印象的で飽きが来ない。
sc03 01
終楽章はいくつか異稿があり、A稿とB稿がよく演奏され充実している、以下いずれもA稿の演奏で始まる、

今日はお気に入りの演奏を3枚、
まず、クリストファー・ホグウッド指揮、エンシェント室内O
エステルハージOを再現した小編成である、響きの透明感が心地よく第1楽章は快速ぎみに切れ味よく決める、1本入ったflトラヴェルソが全楽章で華やかさを添える、終楽章もアンサンブルの決めっぷりが見事、
c h you
you tube:J. Haydn - Hob I:53 - Symphony No. 53 in D major "L'impériale"

ニコラウス・アーノンクール指揮、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
同じく古楽器orchだが、ホグウッド盤に対し編成は大きく、その量感も効いてくる、いつものようにアーノンクールらしいアプローチで引き付ける、
アーノンクール盤は先日こちらのブログでも取上げられている、
>ハイドン探求 三次科学技術教育協会 
n h you
you tube:Symphony No.53 in D major, 'L'Impériale' :
I Largo maestoso - Vivace II Andante
III Menuet - Trio IV Finale - Capriccio - Moderato

トーマス・ファイ指揮、ハイデルベルクSO
モダン楽器に古楽器の金管、timpを合せた編成、第1楽章序奏から堂々とがっちり聴かせて引き付ける、以下、作品の魅力を120%に引き出すファイの手腕で楽しませていく、
メヌエットのがっちり感がツボで心地よい、こういう演奏も聴きたかった・・というのをしっかり提供してくれるv
t f you
you tube:Symphony No. 53 in D Major, Hob.I:53, "Imperial":
I. Largo maestoso - Vivace II. Andante
III. Menuetto IV. Presto

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category: F.J.ハイドン

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ハイドン:3楽章の交響曲  

交響曲というのは例外もあるが4つの楽章で構成するというのが定着していった、 
もちろんハイドンも殆どの作品が4楽章だが、初期には先日のバッハの息子達のような3楽章の曲を書いていた、→Symphonys by the Bach Sons
今日はハイドンの3楽章の交響曲に注目してみる、なお、交響曲が4楽章になったのはマンハイム楽派のヨハン・シュターミッツ(1717-1757)らが第3楽章としてメヌエット楽章を加えたのが始まりである。

まず第1番ニ長調(作曲:1757年)、ハイドンにとって初めての交響曲ではないだろう、すでに研鑽を積んだ手慣れた手腕が聴けるようだ、C.ホグウッド、AAMの演奏で、
hog hay you
you tube:F.J. Haydn - Hob I:1 - Symphony No. 1 in D major (Hogwood)
ただしこの頃は依頼主の要望や演奏機会に応じた曲を書いているので、ハイドンが真に手腕を発揮するのはエステルハージ侯爵家の副楽長になった1761年からだろう。

次に第19番ニ長調(作曲:1760-61)、これも3楽章の小作りで無難な曲であるが、それなりに良くまとめている、これはG.アントニーニ指揮の演奏で、
g a hay s19 you
you tube:Haydn Symphony No. 19 | Giovanni Antonini | Kammerorchester Basel

次に第17番ヘ長調(作曲:1760-61)、この曲で注目なのは第1楽章の展開部が[55~112]と58小節に渡る意外な長さであること、ハイドンのウィットに富んだ着想で、優美に引き付けて運び、冗長に思わせない。
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展開部始め
残りの楽章は優美ながら無難な作りである、C.ホグウッド指揮、AAMの演奏で、
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you tube:F.J. Haydn - Hob I:17 - Symphony No. 17 in F major (Hogwood)
*因みに第36番は4楽章だが、第1楽章は同タイプに書かれているようだ、
you tube:F.J. Haydn - Hob I:36 - Symphony No. 36 in E flat major (Hogwood)

最後に第26番ニ短調「ラメンタティオーネ」(作曲:1768)、これは3楽章でも宗教的内容を持つ特殊な例で、疾風怒濤期の始まり頃だろう、受難を表わす第1楽章に続き、第2楽章にはグレゴリオ聖歌の「エレミヤの哀歌」が引用される、obが旋律を奏で弦楽が伴奏する(ちょっと長い;)、終楽章はニ短調のメヌエットで劇的な要素も持つ、ニ長調のトリオでは弦が鋭い重音を聴かせる、
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メヌエット:トリオ
G.アントニーニ指揮の演奏で、
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you tube:Haydn Symphony No. 26 "La Lamentatione" | Kammerorchester Basel | Giovanni Antonini

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category: F.J.ハイドン

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