Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

A.ドラティ:ハイドン 交響曲No.104「ロンドン」 【LP】  

かつて、ドラティの全集LPが買えないかわりに、D.Gから出た、O.ヨッフムの「ロンドンセット」6枚組を購入した、こちらもR.ランドン版に基づく名盤と評されていたが、さほど気に入ってはいなかった、なんだかorch.の腕前、優等生ぶりが耳につき大味で、曲の真価を聴く妨げだった、録音は低域が不足ぎみで聴こえてほしいところが埋もれていた。同じ買うならドラティの「ロンドンセット」があればよかった、と今は思う^^;
ドラティのCD全集は揃ったが、LPも少しは聴いてみようと、「太鼓連打」&「ロンドン」の1枚を取り寄せた、幸い極めて良好盤。
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アンタル・ドラティ指揮
フィルハーモニア・フンガリカ
録音:1969~1972年 DECCA


交響曲No.104 ニ長調「ロンドン」
ドラティは心地よい響きの範囲で強弱の対比が大きいので、弱奏で始まる曲はボリュームに気をつけないと強奏で音量過剰となる。ハイドン最後のSymphonyは堂々たる内容だが、ドラティは全てに過不足なく聴かせる。
第一楽章、序奏の開始は重厚だが割れるような響きではなく耳心地よい、続く弱奏はぐっと密やかで神聖な趣き、主部は程良い快速、まさに聴きたかった演奏だ、orch.のvn1,2は左右配置ではないが、それぞれのパートは良く聴こえる、展開部のポリフォニックな緻密な書法が浮き立つ、展開部の最後、
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[191]もレガートに繋ぎ、爽やかに閉じる。
第二楽章、アンダンテ、三部形式で変奏の要素もある楽章、ドラティの対比の付け方でト短調となる中間部は一段と劇的に引き立つ、弦楽は常に美しく味がある。
メヌエット、アレグロ、近年ではリズムのキビキビした演奏が主流だがドラティは切り立てずゆったり、そこに入ってくるtimpの響きがまた典雅な趣きをつくり、これも良い。
終楽章、スピリトーソ、わりと快速で、細部をきちんと聴かせるが、そこに適度に柔軟な肌合いも持たせるところが絶妙。
[221]からhornがバスとともに主題を奏でるが、
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けっこう高らかに吹かれ、近代orch.を思わせる響きに感じた。

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you tube:交響曲No.104 ニ長調「ロンドン」/A.ドラティ

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: F.J.ハイドン

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A.ドラティ:ハイドン 交響曲No.43「マーキュリー」  

これまで、全集ものとして、フィッシャー盤、D.R.デイヴィス盤を先に聴いたおかげで、ドラティ盤の良さが浮び上ってきた気がする。1969~1972年にかけて、短期間に録音しているが、ドラティはハイドンの聴かせ方を十分心得た名指揮者で、録音も良好で粒揃いである。
メヌエット楽章は全般に近年のような快速傾向ではないが、過剰な響きを作らず、気品があり、じっくり聴きたいと思わせる。まずは疾風怒涛期から1曲、
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アンタル・ドラティ指揮
フィルハーモニア・フンガリカ
録音:1969~1972年 DECCA

you tube:交響曲第43番 変ホ長調「マーキュリー」/ A.ドラティ

交響曲No.43 変ホ長調 「マーキュリー」
第一楽章 Allegloはドラマティックな構成に思える、瞑想的な始まりだが、ドラティは快速なテンポであまりそれを強調していない、[26]からfで快活になるが、ここは切れ味よい推進力、fに対しpの対比をつけ引き付ける、弦がpで引いた時、obが前に出るバランスのやりとりが良い、
[84]からの第二主題が清々しく気分を変える、obのハーモニーも効いている、
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展開部は第一主題動機で始め、さらに劇的な内容で第二主題も効いてくる、再現部にかけて入念で充実した楽章だ。
第二楽章 Adagioは疾風怒涛期を代表するような緩抒楽章、ドラティは期待どおりの演奏を聴かせる、弦楽編成は多めと思うが、弱音器付きの密やかなppで始め、きめ細かいサウンドで、ホグウッドなどの古楽orch.に馴染んだ耳にも美しい、静謐、夢想の世界に引き込む。
メヌエット、簡潔で心地よい主題のメヌエット、
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ドラティはゆっくりめで折り目正しく一段とよい、また弱奏ぎみで、第二楽章の続きのような清涼な印象で聴かせる。
終楽章 Alleguro あまり急速にせず、vnパートの滑らかな美しさが印象的、強弱の奥行きと弦,管のバランス良さも充実して聴ける。

ご覧いただき、ありがとうございました。

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ホグウッド:ハイドン交響曲「驚愕」(室内楽編)  

久しく聴いていなかった音盤は再掲しています。
うちに1曲だけある、ホグウッドらが演奏したハイドンの交響曲でザロモン編の室内楽版のLP、残念なのはカップリングされているのがモーツァルト:40番のorch.演奏で、B面も"ザロモンの室内楽編"が入っていれば本格的で良かったのだが;
弦楽四重奏にflとfpが加わった編成だが、orch.のスコアを見ながら聴くと、ザロモンの工夫がわかってくる、ザロモンはロンドンでの演奏会で演奏した人なので、原作の響きはよく知っていて、1本のflが木管の主要パートを巧みに渡り歩き、強奏部はfpとvcの響きでイメージを作る、奏者も自分は今、どの楽器の代役をしているのか、知っている必要もあるだろう。
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ヨハン・ペーター・ザロモン編曲、室内楽版
ヤープ・シュレーダーほかエンシェント室内O.メンバー
クリストファー・ホグウッド:fp


交響曲No.94ト長調「驚愕」
録音は極めてクリアで心地よく、序奏が始まる、
第一楽章は簡潔な主題で、和音上の進行や音階パッセージだったり、細かな同音が続いたり、
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ひじょうに器楽的で、これに基づく緻密な書法は"交響楽"の醍醐味と言えるが、各パート、1人ずつの室内楽版により、明確に聴き取れ、orch.では聴けない良さが出てくる、fpはどこかのパートを受け持つことはせず、通奏低音であり、必要な響きを補うのが上手くいっている、ダイナミズムの量感不足も感じない。
第二楽章、ホグウッドのorch.版演奏より、ややゆっくりめのテンポを取る、これが"溜め"を置くことができ、ffの箇所などを十分イメージさせる。vcの重音奏法が十分な量感を作る。
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メヌエットも快活で、トリオを含め、ポリフォニックなところがあり、
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ここは室内楽向きに思えてくる、
終楽章、ここはorch.版と同じく快速なテンポにしている、推進力の醍醐味はあるが、ここではガツンとくるダイナミズムの"イメージ"が表現しきれない感がある、室内楽版に全て望むのは無理があるだろう;

ご覧いただき、ありがとうございました。

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A.ドラティ:ハイドン 交響曲全集  

ドラティのHaydn Symphony、パリセットだけ用意したが、もう何曲か聴きたいと思ったところ、1枚、2枚は面倒だ、まとめて買っちまえ、ってなことで昨日届きました;
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4枚入りプラケースをBOXセットにした頃もあったようだが、今回のは薄いCDポケット入り、嵩張らなくてよい、収録が作品番号順で探しやすい。
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随分昔、当全集から「告別」と「驚愕」だけ抜きだしたLPを聴いて、それっきり縁がなかった、その頃は「告別」の快速な第一楽章に少々驚いた印象しかなかったが、Daisyさんのブログ:「ハイドン音盤倉庫」の評価が良いのをきっかけに、あらためて聴くことにした。
その後の新全集にばかり目が行き、後廻しになっていたが、最初のドラティの全集が一番完成度が高かった。1969~1972年の比較的短い期間に録音しているが、曲ごとに入念に聴きどころを引き出していて、録音も概ね粒揃いだ。

主だった曲を抜き聴きしたところ、なんと良いこと、「軍隊」の快演といい、「太鼓連打」も最高で、例のここ、
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No.103 第一楽章
vn1のパートも聴こえるしv
No.88、92、101、102、等々期待どおり、録音も各パートを良く捉え、音場感もよく、自然なサウンド。
あらためてレビューしていきたい。

ご覧いただき、ありがとうございました。

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A.ドラティ:ハイドン 交響曲No.85「王妃」  

近年のピリオド・スタイルが浸透した古典派演奏に馴染んだあとでも、ドラティ盤は古臭さを感じない、ピリオドではないが、当時有りがちだった、ロマンティシズムに染まった演奏でもない、R.ランドン版の楽譜を用い、逆に言えば新しい演奏の先駆け的部分も感じる、orch.編成はやや大きいが、ハイドンに相応しいバランスとサウンド作りで、録音含め全曲入念に取り組んだ内容はフィッシャー盤、デイヴィス盤を凌いでいると思う。ホグウッド盤が完結していれば、古楽orch.にも完成度の高い全集ができただろうが。
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アンタル・ドラティ指揮
フィルハーモニア・フンガリカ
1971年 録音


交響曲No.85 変ロ長調「王妃」
第一楽章 Adagioの序奏は付点リズムを持ち、フランス風序曲を意識している、ドラティは付点を二重付点くらいにして、より雰囲気をだす。
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主部、Viaceは快速だ、滑らかにぐっと弱奏で始め、[23]からのfが厚みと切れ味の対比で迫ってくる、[47]からvn部の爽快なトレモロが始まり、
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[52]から低音部が活気強く主題を弾く、
[62]からヘ短調で「告別」に似た第二主題が出てくるが、第一主題と関連付いた形に思える、
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ドラティの「告別」と同じテンポだ、
木管が明瞭で色彩感がある、展開部は第二主題で始め、続いて第一主題がやや瞑想的に扱われ、やがて畳み込む、再現部ではhornやobが明瞭に効いてくる。
第二楽章 変奏形式のRomanceはまさにAllegrettoで、清々しい感覚だ、単に涼しげというだけじゃなく、弱奏との対比で深く引き付ける、後半のflソロが美しい。
メヌエット Allegrettoはフランス好みと思える気品ある主題で、ゆったりと聴かせる、これはもうフィルハーモニア・フンガリカの美音を味わえばよい、
終楽章 Presto 程良い快速、短めに書かれた楽章だが、ドラティは丹念に充実感でまとめる。
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you tube:Symphony No.85 "La Reine" A.Dorati Philharmonia Hungarica

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A.ドラティ:ハイドン 交響曲No.83「雌鶏」  

世界初にハイドン交響曲全集を録音したアンタル・ドラティ指揮、フィルハーモニア・フンガリカだったが、当時は全集を買うのは諦め、抜粋で出たLPを購入して聴いた。あらためて「パリセット」を取り寄せて聴いたが、よく練られた演奏でorch.も上手い、録音はvnをしなやかに捉え、管楽器が明確、低音部も不足ない、心地よい音場感もあり好録音だ、丹念な全集製作のようで、のちに出たフィッシャー盤の上をいく完成度かもしれない。m
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アンタル・ドラティ指揮
フィルハーモニア・フンガリカ
1971年 録音


まずはNo.83ト短調「雌鶏」から、
第一楽章 Allegro spiritoso 標準的なテンポで弦が爽快に響く、木管も味わいがある、始まりの動機はト短調の主和音を昇る間にC♯が入り、印象強い、
またvcがobbligatoとbassに分けられ、和声的効果をねらっているようだ。
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第一主題は緊迫した開始だが変ロ長調に転じ、[20]から付点リズムが目立ち、
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[33]からは動機の明るい変化型に思える、
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[45]から陽気な雌鶏風の第二主題がvnで弾かれ、
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[52]からobソロが付点リズムで重なり、さらに雌鶏の声らしくなる、展開部はまず第一主題動機で引き付け、すぐ第二主題になり、再び第一主題で対位法的な妙技で引き付ける、No.80と同様にいつの間にか陽気な第二主題に主役を奪われて終る。
第二楽章 Andante 落ち着いた気品のある主題が味わい深い、pで引き付けたあとのffで驚く部分があるが、ドラティはあくまで清々しく響かせ耳心地よい。
メヌエット Allegrettoは'60~'70年代的でゆったり、典雅な表現だが、フィルハーモニア・フンガリカの価値あるサウンドで、じっくり聴くのもわるくない。
終楽章、ロンド風のソナタ、ドラティは速過ぎず堅実な演奏、やや大きめの編成による強弱で奥行きの深さが利く、弦の合間の木管ソロが心地よく浮かぶ。

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you tube:交響曲No.83 g-moll「雌鶏」 A.ドラティ、フィルハーモニア・フンガリカ

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B.ハイティンク:ハイドン交響曲No.86(Live)  

このCDも久しぶりの再聴となる、LP時代からレコーディングが殆どなかったハイティンクのハイドンで、you tubeで知ってから、同じ音源がほしいと思ったところ、Live録音のCD-Rとして出ていた。音質はやや歪み感が惜しいが、バランスの良い録音だ。m
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ベルナルト・ハイティンク指揮
シュターツカペレ・ドレスデン
2004年


交響曲No.86ニ長調
この曲は全体にポリフォニックな書き方の部分が殆どなく和声的で、快調な推進力と響きの重なりで聴かせていく、
第一楽章 序奏は清涼な響きで引き付け、主部は心地よい快速、[26]から、vn1の主題以外、総がかりでこのように和声を響かせる、
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vn2とvaは各々2声に分けた部分が多い(展開部でもこのパターンが[104~123]で多くを占める)第二主題の存在感は小さい、骨太な響きを聴いたあと、
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[34]からvn1のパッセージとともにtimpの付点を含んだリズムが快調感を与えるが、この演奏ではよく分離して聴こえる。
第二楽章、カプリチォはlargoとしては速めのテンポかと思う、引きずらずすっきり、速さの分、緊迫感の効果もある。
メヌエット Allegretto は軽やかに引き締め心地よい、レントラー風のトリオも清々しい。
終楽章 Allegro con spirito ロンド風の要素は少ないソナタ形式、
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この楽章の展開部[91]からvn1と他のパート間でちょっぴりポリフォニックな場面がある、
ハイティンクは活気を持った快速で、SKDの合奏力、キレが冴える。
you tube:Haydn: Symphony No.86 - Haitink/SKD(2004Live)

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K.リヒター:ハイドン交響曲No.101「時計」(再)  

昨夜はブラームスの交響曲No.2を(居眠りせず)完聴し^^、もう1枚と思って、取り出したのがK.リヒターのハイドン、こちらのブログ記事により、久々に聴きたくなった。
ハイドン探究・三次科学技術教育協会
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カール・リヒター指揮
ベルリン・フィルハーモニーO.
1961年 D.グラモフォン


交響曲No.101 ニ長調「時計」
K.リヒターはバッハ演奏家として20世紀中頃から多くの録音を残しているが、同時代の指揮者達と似たり寄ったりではない孤高の演奏スタイルで、今聴いても古いと感じさせない。唯一と思われるハイドンの録音、「驚愕」&「時計」もあらためてそう思う。
録音はリヒターのバッハの管弦楽曲と同じく、全パートが骨太でくまなく聴こえ、BPOの弦、管の上手さも味わえる。
第一楽章の主部は提示部の反復はない、弱奏部は緻密で、強奏のtuttiサウンドも引き締まり、良い意味でフル編成的な豪快さが聴ける、
第二楽章、変奏形式でト長調、静かに始まるリズムは、弦のピチカート音が控え目で、
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fago.が柔らか気味のスタカートなのが好印象、チックタックと強調しない穏やかな入りは他には聴けない。[36]からト短調の変奏でtuttiサウンドを思い切りよく聴かせる、一旦変ロ長調となり、[53]から再びト短調のsf、
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[54]ffで金管とともにtimpが分離してドシっと聴けるのが効いている、[64]から低音楽器はfago.のみになって、静かに閉じ、[99]を全休符として、変ホ長調で変奏を再開、[114]から6連符の形になるが、切れぎれにならず、弓をたっぷり使い味わい深い、
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特に[119]からの同音が続くところで際立つ。
メヌエット、終楽章も刃金の通ったように整い、豪快に決めた演奏で、これも他にはなかなか聴けない。

ご覧いただき ありがとうございました。

category: F.J.ハイドン

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B.ヴァイル:ハイドン 交響曲No.97  

脱線が多く、「どこがクラシックとリュートじゃ、」と言われそう;
久々の音盤聴きで、ハイドンです。
ヴァイル指揮による演奏は聴かせどころをよく掴み、しかしあまり几帳面に仕上げた、という印象なく爽快だ。
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ブルーノ・ヴァイル指揮
カペラ・コロニエンシス


交響曲No.97ハ長調
第一期ロンドン交響曲の中でも特に斬新で充実した内容をもつ、
第一楽章、序奏はtimp入りの開始だが、flとvn1が重なる雅びな響き(この旋律は主部にも現れる)、ヴァイルは速めにさらりと行き、快活に主部Vivaceへ繋げる、程良く快速で、パンチの聴いた心地よいfで始まる、[63]~[74]にかけての全パート、ユニゾンは意表を突く、
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その後涼やかな第二主題が続く、展開部は[123]から木管のポリフォニックな三重奏が魅力だ、そこに各弦が第一主題動機を掛けてくる、
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再現部では[193]から劇的な変化を見せ、入念な内容を盛り込み、終結まで結構長い。
第二楽章 Adagio ma non troppoはヘ長調で変奏形式、変奏手法としては典型的だが楽しませる、第一変奏は3連符型、第二変奏はヘ短調となり、強奏でtrp、timpが驚かす、[84]からの第三変奏はvnにal ponticelloの指示があり、駒の近くを弾く音だ。
メヌエット Allegretto 祝祭的なテーマでtimpの打音が目立ち活気がある、トリオはレントラー風か?平穏になる。
終楽章 Presto assai ロンドの要素が強いが斬新で充実している、同音連打が印象的、ヴァイルは速くしすぎず、ガチっとした構えで聴かせる、展開部のポリフォニックな書法が見事、102番の終楽章も予期する感じ、終結に向かって痛快だ。
97番の演奏としてはT.ファイ盤とともに気に入っている。

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T.ファイ:ハイドン 交響曲No.102  

ハイドンの最高傑作と評されることも多い102番はいろいろ集め、お気に入りもあるが、今日はT.ファイの演奏を再聴する。
PS.ハイドン探求 三次科学技術教育協会にもちょうど掲載されたところ。

第二期ロンドン交響曲はさすがに19世紀的構えを持ってくる、ベートーヴェン時代に入ると作品は大規模になり、退屈な駄作も生まれやすいが、ハイドンは無駄のない凝縮された管弦楽曲として聴かせるところが良い、102番は緻密な構築でハイドンならではの魅力も全開。
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トーマス・ファイ 指揮
ハイデルベルク交響楽団
2012年  Hänssler Classic


交響曲No.102 変ロ長調
第一楽章 Largoの序奏はじっくり、スコアのスタカート記号も涼やかに通す、主部Vivaceは速めで活気に溢れる、vn1が弾く第一主題に基づくパッセージを[57]からvn2が引き継ぎ、vn1は第二主題に属すパートを弾く---
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---vn1、2が左右に分かれた配置で立体感がよく聴きとれる、
[80]からファイはrit.して[92]のffをフェルマータする---
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---このffをどぎつい響きにせず、量感を持たせるのが良い。テンポも効果的に変化させるが、提示部の反復は幾分速めに始め、活気を増す。展開部では[155]のfからぐっとテンポを上げるのが的を得たように効果的だ、続く[161]からの対位法が緻密に畳み込む---
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---vaだけが異なる動きを重ねている。
再現部~終結にかけては、これまでのハイライト・シーンのように圧縮され、[243~]など、さらに雄大に発展するようで素晴らしい。
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第二楽章 Adagio 滑らかなvn群とvcのソロに始まる、モダン楽器によるピリオド奏法というのは第三の魅力かもしれない、この緩抒楽章でもそれを感じる、[9]からは少しテンポを上げ、場面が変わった気分をだす、ミュート付きtrp、timpが穏やかな楽章のダイナミズムを受け持つ、ほぼスコアに従った清涼な演奏だ。
メヌエット まさにAllegroのテンポでビシバシ行き、活気に溢れる、新時代の斬新さを聴かせる、ファイはルバート、フェルマータを上手く用い、その対比が活気を高める。[50、52]ffの力感も痛快に効く、
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穏やかなトリオはゆっくりとなり、ob、fagが装飾を楽しませる。
終楽章 Presto 演奏時間4:23と快速だが、きっちりと決まったアンサンブルが心地よい、総奏の響きもパンチが効くが、大編成の重たい響きとは違う、終結は一段と急速に締める。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: F.J.ハイドン

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