Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

O.スウィトナー:モーツァルト 交響曲No.35「ハフナー」ほか  

O.スウィトナーの録音は旧東独のシャルプラッテンが収録し、「エテルナ」レーベルで出ていたはずだが、国内ではその音源から一部が東芝EMIや日本フォノグラム、ポリドールから出ていた。高校の頃注文した、モーツァルトのセラフィム盤2枚組は今も貴重で、のちに出た再版盤より充実している、特に「ハフナー」は最初聴いて驚いた。m
sui moz lpsui moz lp 02
オットマール・スウィトナー指揮
シュターツカペレ・ドレスデン
1968年録音(国内盤:東芝EMI)


交響曲No.35ニ長調K.385「ハフナー」
第一楽章 allegro con spiritoの異例な急速テンポとSKDの緻密な合奏力による心地よい切れ味、急速でもカラヤンの"レガート漬け"とはまるで違う、[58]からのような、vn1のパッセージにclとflがぴたり重なって聴こえるのも見事、
moz sym 35b
キリっとした気合いと同時に、清涼サウンドで、力の抜けた大らかさも感じる、続く楽章も同様に心地よい。
sui you tube 01
you tube:Mozart, Symphony No 35 Haffner, O.Suitner
*↑動画はLPの再生音だが、ターンテーブルの回転が速すぎ、半音近くピッチが上がっている
また、興味深いのがSKBを指揮した「ハフナー」のライヴ録音の動画があった、
sui you tube 02
you tube:Mozart Symphony No.35 "Haffner"- Suitner,SKB(Live,1981)
*↑こちらのピッチは正常v
'81年の録音だが覇気は変わっていない、完成度の点ではセッションのSKDだが、こちらはライヴの熱気が明らかでわるくないし、スウィトナーらしいサウンドも伝わってくる。
セラフィムの再版盤には入っていないが、No.31ニ長調K.297「パリ」も同様の快速でキレの心地よさこの上ない、
you tube:Mozart, Symphony No 31 , Otmar Suitner,cond
一方、No.29イ長調K.201の録音も日本フォノグラムから出ていたが、第一楽章はAllegro moderatoの指示どおり、かなりゆったり気味でまさに大らか、「ハフナー」や「パリ」での覇気との違いが面白い。
you tube:Mozart, Symphony No 29, 1st mov, Otmar Suitner, cond
重心の低い清涼サウンドも魅力で、エテルナ盤の中古LPが見つかればぜひ欲しいところ;

ご覧いただき ありがとうございました。

category: モーツァルト

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有田正弘:モーツァルト fl協奏曲No.2  

国内盤があり、いつでも買えるものは後廻しになるが、これもぜひ聴きたいと思いつつ先送りになっていた、有田正弘氏のflトラヴェルソによる演奏、さすが日本の第一人者、2006年の録音だが、最先端の内容だろう。オケは寺神戸亮(vn)がリードする東京バッハ・モーツァルトO(ピリオド楽器)。flソロの管弦楽作品を集めた2枚組アルバムより、fl協奏曲No.2を聴いた。DENONの録音もこの上なく鮮明でナチュラル、各楽器の特徴まで聴こえてくるようだ。
arita mo fi con2
有田正弘(フラウト・トラヴェルソ)
寺神戸亮(リーダー)
東京バッハ・モーツァルト・オーケストラ
横浜みなとみらい小ホール 2006年 DENON


fl協奏曲No.2ニ長調 K.314
第一楽章 Allegro aperto、前奏は活気のある良いテンポで、しなやかタッチ、弦の美しさが際立つ、tuttiの力感も十分、flソロが始まるとオケの伴奏は各パート1人ずつが奏でるようにしている、これは当時の演奏習慣でもあったそうで、1本のflソロとバランスが取れ、弦パートは複数人が奏するよりも明瞭で美しい、[37]~など、vnが2本のみとなり、純粋な響きだ。
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有田氏のflトラヴェルソは高貴な雰囲気を漂わせ、特異な要素なく味わい深い、
第二楽章、Adagio ma non troppo ここも弦楽tuttiのしなやかさが印象的に始まる、そしてflソロになると伴奏も一人ずつ、この楽章はこれが一際効いてくる、[11]からflソロはぐっと弱音基調で囁くように内面的、2本だけのvn伴奏もデリケートに溶け合う、flソロは跳躍後の高音が一際滑らかで、これだけでも価値が高い、
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適切な装飾も加え、この曲の第二楽章の理想と思える。
終楽章、Rondeau Allegro ちょうど良い心地よいテンポ、テクニカルな楽章でもあるが、完璧でさらに鮮やかな装飾も見事、常に寄りそう伴奏の弦が美しく耳を引く。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: モーツァルト

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モーツァルト:協奏曲 K.314、古楽器による演奏  

K.314といえば、お馴染みモーツァルトのオーボエ協奏曲ハ長調(1777)とフルート協奏曲No.2ニ長調(1778)で、同一曲であり、一般にはobのために先に書かれ、flのためにほぼ変更なく移調編曲されたと言われるが、確証はないそうだ。ob協奏曲の草稿は1920年に指揮者で研究家のベルンハルト・パウムガルトナーがモーツァルトの息子の遺品から発見している。
モーツァルトは自ら演奏したこともあって、ピアノ協奏曲が断然多いが、明快な管楽器のための協奏曲はやはり聴きやすく心地よい。m

じつに多くの録音があるが、当時の楽器、バロックob、flトラヴェルソによる録音が意外に少ない、半音進行やパッセージなどクロスフィンガリングの難しい技術の要りそうな曲でもある。
例として第一楽章に、難しそうな半音進行[147]もあるが、
1 mo ob 02
2 mo fl 02
もちろん、ここばかりではない。それぞれの楽器に応じ、適した変更がされた部分があるが、曲そのものの魅力は損なわれず・・というかflではより魅力的な効果を加えているようだ、
[44]はflではオクターヴ跳躍になる、
3 mo ob 01
4 mo fl 01
第二楽章はさすがにモーツァルトの群を抜いた美質が際立つ、緩抒楽章でのこのような旋律の跳躍的動きが心を満たす。
moz fl con02
第三楽章ロンド・アレグロは軽快で、より技巧的、装飾的な聴きどころを置く。

手元にある音盤で、まずバロックobによる演奏、
moz ob con
アルフレード・ベルナルディーニ(バロックob)
ジョナサン・コーエン(指揮) アルカンジェロ  
2014年 hyperion

今のところ、バロックobでこれに勝る演奏は見当たらない、コーエン指揮のアルカンジェロは程良く快速、透明感心地よく、vn2やvaのパートも明瞭に聴ける、この曲はソロの入りから聴かせどころだが、ベルナルディーニの滑らかさは申し分なく、バロックob独特の高域のツーンとくる響きは格別、装飾を加えた演奏もセンス良い、モダンobに対し、ある程度のぎこちなさ、というのが出るものだが、当演奏は流麗で、手作りな味わいが貴重だ。
第二楽章では、より"声"に近い表情を出せるのがわかる。
終楽章、幾分落ちついたテンポで装飾的パッセージをぴたりと決め、端正に引き付けて行く、カデンツァの演奏で一部、オケのobがハーモニーを添わせる。

次はflトラヴェルソによる演奏、
moz fl con
菅きよみ(flトラヴェルソ)
鈴木秀美(指揮) オーケストラ・リベラ・クラシカ
2003年 Arte dell arco

過去の録音ではバルトルド・クイケンの演奏が今も名演として価値が高いが、DHMによる録音は少々音質が硬いのが惜しかった。
近年の演奏で当盤はナチュラルな好録音も含め、貴重だと思う、菅きよみのflトラヴェルソのまったく淀みのない技術は素晴らしい。
第一楽章、当時に倣い前奏部分からソロflもvn1のパートを一緒に吹く、この一体の響きから魅力である、ソロの入りまで沈黙するよりこのほうが良い。急楽章においても微妙な音程のゆらぎを効果的に用い、flトラヴェルソならではの深い表情が感じられる。
第二楽章、弱奏でこの上なく柔らかで神聖な趣きに満たされる、純正な音程の味わい。
終楽章、装飾的動きが転がるように心地よい、ソロとオケがポリフォニックになる部分も弱奏で明瞭に聴ける。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: モーツァルト

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再聴、カラヤン:モーツァルト「ハフナー,リンツ,プラハ」  

カラヤンはモーツァルト・シンフォニーの録音が意外と少ないほうで、今日取り上げる、EMI盤は「ハフナー,リンツ,プラハ,39番,40番,ジュピター」を2枚組にした兼価盤で出ていたもの、1970年録音、DGサウンドと一味違うEMIサウンドも興味があった。
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ヘルベルト・フォン・カラヤン:指揮
ベルリン・フィルハーモニーO
1970年録音 EMI (輸入盤)

ka moz symka moz sym02EMI表紙、別ヴァージョン

今日は抜粋で3曲、全般にあのベートーヴェン・シンフォニーと同様で「速い、重厚、レガート」な演奏だ、各パートを詳細に聴かせるというより、全体が大きなスケールでぐいぐい推進していく、たしかにそういう意味での聴き応えはあるが・・BPOの音作りは流石に上手い。

35番ニ長調「ハフナー」、第一楽章はやや速めか普通のテンポだが、異例なほどレガートに徹し、切れの良い緻密な味わいは犠牲になる、第二楽章はさらりと進める、メヌエットでまたレガートで重厚な感覚になる。終楽章プレストはかなり快速で、緻密とは行かないが、わりと決めている。

36番ハ長調「リンツ」、序奏は重厚で壮大、主部テンポは普通と言える、総奏になるとかなり壮大な量感で押してくる。第二楽章、BPOの弦サウンドを基調に清々しくまとめる。メヌエットは珍しいほどゆっくりしなやか、かつ大柄、このメヌエットの典雅な特徴を際立たせている。終楽章、速めに、力感をもってぐいぐい推進していく。

38番ニ長調「プラハ」、序奏はやはり重厚だ、主部は一変してかなり快速、ダイナミズムでは厚く量感を出す、提示部の79小節あたりから、8分音符1個分、ファゴットが遅れてズレてくるが奏者の責任ではない、
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(管の長いファゴットはタンギングから立ち上がりに遅延があるので、このテンポでこの8分音符の連打には無理がある。)展開部は壮大に描く、第二楽章はBPOの美音でしなやかに演奏、終楽章も快速、DGの録音より爽快な響きで、木管が鮮やかなのは良い、編成の大きい重厚なサウンドは同じだ。

PS.気付かずにいたが、カラヤンはさほど時を置かず、同じくBPOと1975~77年に同じ曲目をD.グラモフォンに再録音している、
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こちらでは少しスピードを緩め、「プラハ」での事故は起きていない^^
参考動画→Mozart - Symphony No. 38, K.504 - Karajan, BPO
安全に治まったDG盤も良いが、スリリングなEMI盤こそ、レアかもしれない;因みにこの時期、カラヤンがEMIに録音したハイドンの「時計」も第一楽章は非常に急速だった。

今日もご覧いただきありがとうございました。

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スウィトナー:モーツァルト 交響曲「パリ」「リンツ」(LP)≪追記あり≫  

朝夕小寒くなり、音盤を聴く脇に無音の電熱ヒーターを置いた。
昨日取り出しておいたこの2枚組LP、随分昔、レコード店で取り寄せてもらった、スウィトナー&SKDのモーツァルト交響曲集。当時兼価盤でお馴染みのセラフィム(東芝EMI)から出ていたのを何かで知って・・しかしジャケットはあの黄土色じゃなく特別仕様だった。
「パリ」「ハフナー」「リンツ」「プラハ」を片面ずつに収めた2枚組でEMIから出ていたが、原盤は東独シャルプラッテンで、録音の特性からもわかる、東ドイツ時代の1968年録音、先日書いたエテルナ盤の39、40番はその続編だろう。micha
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オトマール・スウィトナー:指揮
シュターツカペレ・ドレスデン

この2枚組、気に入ってはいたが、その後スウィトナーの新録音ばかりに目が入って、稀にしか聴かなかったが、あらためて聴いて"灯台もと暗し"希少な名盤だと気付いたしだい。スウィトナーが中堅バリバリで、N響に招かれる前の録音だが、ベームやセルも真っ青といえる厳格さ(もちろんスタイルは異なる)、それにSKDの0.01秒の誤差もないような合奏力に目を見張る、「ハフナー」など回転数を間違えたかと思うほどハイテンポだが完璧に決めている。
追記、参考動画:Mozart, Symphony No 35 Haffner, Suitner

31番ニ長調K.297「パリ」
この曲は「ハフナー」と同じく当時最大の2管編成でマンハイムのオーケストラの影響を受け、パリのコンセール・スピリチュエルの演奏のために書かれた、極めて華やかな内容。特にスウィトナーの「パリ」は比類のないものとして挙げたい、この曲のもつ華やかさと切れ味をこれほど具現化した演奏は、その後のピリオド演奏にも聴かれない、弦楽の人数は減らしているそうで、弦の内声、各管、全てが明確に聴ける、こうしたバランスはスウィトナーらしい。
快速なテンポで一例として第一楽章、61小節~の主題など
sc 31
赤で補記した音もスタッカート感覚、まさに背筋が伸びる。
終楽章もフガートを用いた充実した楽章。
追記、参考動画:Mozart,Symphony No 31 Paris, Suitner

36番ハ長調K.425「リンツ」
リンツは'79年のDENON-PCM盤で、唯一、N響とのセッション録音があるが、録音会場は荒川区民会館となっている、N響は申し分なく上手いし、録音もPCMらしいクウィリティだ、しかし会場の音響のせいか、いささか地味に聴こえるのが惜しい、愛着を覚えるのは、当セラフィム盤のほうだ、やや古い録音ながら、スウィトナーの美質はよく捉えていて、ウォームで色彩感のある響き、演奏もスウィトナー中堅期の覇気がこもっているようだ。
追記、参考動画:Mozart, Symphony No. 36 Linz, Suitner
今日は演奏の細かいことは省略、「低域のしっかりした清涼サウンドと心地よい気合い」で括れるかと思う。

その後、セラフィムのリニューアル盤で、「ハフナー」「リンツ」「プラハ」3曲を1枚にカッティングし直して出ている、幾分細身のサウンドになるが、魅力半減というほどではない、
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ただ「パリ」が割愛なのが惜しい。

今日もご覧いただきありがとうございました。

category: モーツァルト

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好録音再聴、スウィトナー:モーツァルト交響曲No.39(LP)  

モーツァルトのシンフォニーで一番好きなのが「39番」なんです(2番目が「リンツ」かな)、音盤はいくつかある中で珠玉の1枚というと、スウィトナー指揮のSKD、これは定期的に聴きたくなります、過去に同演奏のCDについて書きましたが、今日はETERNA(D.Schallplatten原盤)のLP、やはりCDより音のフォーカスが良く、vn群のキュっとくる艶やかさ、管の味わい、低域やtimpの押し出す量感が実在的です。39番の魅力はクラリネットの入った色彩感と明るく快調な運び、スウィトナーは清涼なサウンドで申し分なく聴かせてくれる。micha
交響曲No.39変ホ長調 K.543
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オトマール・スウィトナー:指揮
シュターツカペレ・ドレスデン
1974年、ドレスデン・ルカ教会 ETERNA


第一楽章の序奏からバランス良い響き、主部はやや速めで清涼に歌い始める、fになって弦の流麗な主題とともに管楽器が整然とリズム&和音を打つ対比が常に心地よいが、
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スウィトナーは弦と木管を対等で明確にする、timpの入れるリズムも快調。
第二楽章、遅過ぎず、さらりと力を抜く、短調部分に入っても一段と爽快に聴こえる。
メヌエットは、第一楽章と同様に木管が整然とリズム&和音を刻むのが心地よい、ここもくっきり明快に奏でる。
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トリオではクラリネットのアルペッジョを弱奏ながらくっきり粒立てて聴かせる。
終楽章、速めのテンポで行書的タッチだが、各パートが細やかで明瞭、引き締まって聴こえ、小気味良い。

もう1枚、スウィトナーがN響を指揮したライヴ録音CDも聴いてみた、
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1982年 NHKホール ⓃⒽⓀCD
演奏スタイルはほぼ同じで、さすがN響も上手いのだが、NHKホールでの放送音源で、音響的魅力は及ばない、ルカ教会のような会場でセッション録音ならばきっと素晴らしいだろう。

今日もご覧いただきありがとうございました。

category: モーツァルト

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O.スウィトナー:モーツァルト 序曲集(LP)  

湿度が一気に下がり、ちょっと小寒いほどになりました。エアコンをかけなくて済むので、いよいよLP盤がじっくり聴けます。micha
今日はO.スウィトナーのモーツァルト序曲集、これはCDを持っていたが、中古セールでLPを見つけ、迷わず購入、'70年代録音のETERNA(D.シャルプラッテン原盤)シリーズは期待が持てます。そして期待どおり、CD化の音より格段に素晴らしい、キメ細かく清涼な弦楽、懐の深い低域と音場感は比較にならないほど豊か^^v カートリッジAT440MLbで十分味わえる。
ベームの演奏も聴き始めで、ベームらしいと感じるが、スウィトナーも同様、こちらは外面的にはスマートな行書体と言えるタッチだが、ぴしっと気合いのこもった"芯"を感じる、ダイナミズムは低音、金管、timpの力感をもって有効に繰り出す、スウィトナー・バランスを録音はよく捉えている。
sui moz ouver
オトマール・スウィトナー:指揮
シュターツカペレ・ベルリン
1976年 ベルリン、クリストス教会


「後宮からの誘拐」序曲 1782年
鳴りもの楽器は控え目に響かせ、SKB本来のオケ・サウンドを爽やかに聴かせる。スウィトナーはいつもながら弦の内声もよく浮ばせて、緻密に聴ける。

「劇場支配人」序曲 1786年
オーストリア皇帝ヨーゼフ2世の依頼で作曲、ソナタ形式の充実した内容、速めのテンポで快活に演奏される。

「フィガロの結婚」序曲 1786年
物語としては「セビリアの理髪師」の続編となるオペラ・ブッファ、最も人気の高い序曲だが、スウィトナーはベームを上回る快速、しなやかな響きの中でビシっと引き締める、終結でのダイナミズムを一段と効かせ、爽やかかつ痛快、これも最高の名演。

「ドン・ジョヴァンニ」序曲 1787年
序奏部は荘厳に量感を持たせるが響きは清潔、モルト・アレグロは快速で軽快、爽やかに聴ける「ドン・ジョヴァンニ」である。

「魔笛」序曲 1791年
この序奏部も金管に委ね、力強く演奏、主部はやはり速めで軽快、スウィトナーらしい美質で聴かせる人気序曲の名演。

「皇帝ティトゥスの慈悲」序曲 1791年
皇帝ヨーゼフ2世の依頼で、あのレクイエムの作曲を中断して書かれたもの、ソナタ形式で展開部も深みを聴かせる、書法的にも最も高みに達している序曲ではないか、スウィトナーはこの傑作を最後に置いている。

PS.CDを購入したときは裏表紙にオケはSKBかSKDか?どちらか不明な印刷がされていたが、LP盤でSKBと確認できた^^;
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しかし、CDのほうは音が荒っぽくて、バランスも良くない・・;

category: モーツァルト

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K.ベーム:モーツァルト 序曲集(LP)  

今日はluteレッスンで桑名市まで行ってきました。ちょっと長距離を運転すると疲れるようになってしまい、帰宅して音盤を聴こうとしても睡魔が襲う^^;軽い短めの曲がいいです、取り出したのがカール・ベーム指揮、モーツァルトの序曲集、これはベームがあちこちのオケを指揮したオムニバス盤です、そこから5曲ほど、
boh moz ouver
D.グラモフォン

「魔笛」序曲
ベルリン・フィルハーモニーO 1964年録音

「魔笛」はジンクシュピール(歌芝居)であり、オペラより格が下がるが、音楽の内容はモーツァルト最高域でしょう、序奏に始まるソナタ形式、劇中のファンファーレを挿入して充実した展開部がある、ベームは交響曲さながらのかっちりした演奏。

「後宮よりの誘拐」序曲
シュターツカペレ・ドレスデン 1973年録音

これはモーツァルトがザルツブルク大司教と決別し、ウィーンでオペラで名を上げようとした力作、宮廷劇場のための作品で、トルコ風の鳴りものが入る、大太鼓はずっしり鳴るがあまり派手にはせず、SKDの上手さが引き立つ演奏。

「劇場支配人」序曲
シュターツカペレ・ドレスデン 1973年録音

これも歌が挿入された軽い芝居のようで、序曲だけが充実している、ソナタ形式で展開部の内容が聴きどころ、

「フィガロの結婚」序曲
ベルリン・ドイツ・オペラO 1968年録音

軽快なプレストで人気の序曲だが、この曲こそベームは快速なテンポをとり、楷書的に一糸乱れぬ演奏を聴かせる、数多い演奏の中で記憶に焼きつく名演。

「ドン・ジョヴァンニ」序曲
プラハ国立歌劇場O 1967年録音

「フィガロの結婚」がヒットし、翌年のシーズンに作曲された、荘厳なニ短調の序奏があり、ニ長調のアレグロ・モルト、ソナタ形式に入る、一段と凝った手法で味わい深い内容となっている。

以上、一貫してベームらしい演奏をオケや録音状態が替りながら聴くのも面白い。

category: モーツァルト

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K.ベーム:モーツァルト 交響曲No.39&No.36「リンツ」(LP)  

秋雨前線や台風で日照不足が続きました、やっとカラリとした天気になりましたが、明日までのようですね;

しばらくK.ベームが続きます、今日もLP盤でBPOを指揮したモーツァルト、No.39と「リンツ」です、これも最初の購入時から保存していたもの、ジャケットはまさに"DG"らしい、録音は'60年前後かと思っていたら、1966年だそうでそんなに古くないのが意外。のちにベームはVPOとも39番を録音していますが、「リンツ」の新録音はないので、これは貴重です。
当録音は音場の透明感はさほどじゃないけど、各パートは明瞭に聴ける好録音。
ベームのモーツァルトの演奏スタイルは武骨?とも言えますが、合奏音の一つ一つが完璧に整っていて端正な響き、流線美を備えたモーツァルトをあくまで楷書的に演奏するのが飽きの来ない味わいかと思います。
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カール・ベーム指揮
ベルリン・フィルハーモニーO
1966年2月 ベルリン、イエス・キリスト教会 DG

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今日はAT440MLbで聴く

第39番変ホ長調
序奏部で印象づくのが、この録音ではtimpが心地よく締まった響きで合奏の要となった感覚でこれは飽きない、主部は適正なテンポで整然と行く、この楽章はtimpの打つリズムが凛々しく、付点で足取り軽やかところも魅力、
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展開部
各パートはバランス良く、明瞭に味わえる。
第二楽章、変イ長調で展開部をもたないソナタ形式、緩抒楽章でも折り目正しい感覚、ヘ短調となる劇的な部分でも程々の力で極端にはしない。
メヌエット、アレグレットは例によって骨筋通った感覚だが、のちのVPOとの演奏とくらべ、さほどガチガチではない感じ、これはVPO盤のほうに嵌められたが;
終楽章も程良い快速で、整いきっている。

第36番ハ長調「リンツ」
ハイドンの作風の影響が出た作品で、響きの対比を明確に聴かせ、緩抒楽章でもtrpとtimpが効果的に使われる。
第一楽章、序奏はあまり流さず区切りを付ける、主部は意外と速めのテンポで始まる、ゆったりとした主題の開始と切れ味鋭さの対比が聴きどころ。
第二楽章、簡潔なソナタ形式で優美な主題、展開部ではこの主題をいくらか変奏的に扱うのが美しい、timpが弱奏で使われるが、意外に深々と聴こえて効いている。
メヌエット、典雅な主題のメヌエット、しっくりと落ちついたサウンドで端正におさめる。
終楽章、活力と歓喜に満ちた楽章だが、ベームは冷静な一面で押え、様式感をきっちりまとめ、結果的に快演として感じる。

category: モーツァルト

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K.ベーム:モーツァルト セレナードNo.9「ポストホルン」(LP)  

CD時代に入り、アナログ期の録音の多くもCD化で復刻されるようになり、一旦はアナログ再生を止めて、LP盤も殆ど処分してしまいましたが、知人から良いカートリッジがあると奨められ、しまい込んだプレーヤーを出してきて試しました。AT社のAT7Vで当時はVM型の上級仕様でしたが、わずかに残っていたLP盤を聴いて、特に印象深かったのが、DG盤でK.ベームのモーツァルト「ポストホルン」の1枚でした、1970年録音で、弦楽の潤沢で清々しい響きがCDとは一味違うと感じ、これがアナログ盤再会のきっかけに。
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カール・ベーム指揮
ベルリン・フィルハーモニーO
1970年、ベルリン、イエス・キリスト教会 DG

AT7Vは生産終了してから交換針もなくなりましたが、後継機のAT5Vが出て、その針が使えるとわかり、取り寄せて久しぶりに使ったところ、カートリッジの特徴が記憶どおりに聴こえてくるもんです。
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本体:AT7V(交換針:AT5V)
あまりワイドレンジじゃなく、中域がしっかり骨太に再生されるのが気に入っていたところです、DG盤にはぴったりきそうな。今日はそのちょっと懐かしい音の再現です。

セレナードNo.9ニ長調「ポストホルン」
7つの楽章があり、長大、ベームはいつもと変わらぬ弦編成でセレナードを交響曲さながらに、真剣勝負で聴かせる、
第一楽章など交響曲並みの内容でBPOの重厚なサウンドが効いてくる、短い序奏に続く提示部はモーツァルトらしく痛快、展開部が終わり、再現部や終結部がやや冗長で大いに盛り上げるところは娯楽的に思える。
第二楽章、メヌエット、アレグレットも気品を帯びた魅力がある。
第三楽章、コンチェルタンテはflとobのソロが活躍する、続く第四楽章、ロンドでも同様にflとobのコンチェルタンテになっている、この2つの楽章は時間繋ぎというか、軽いお手並みであまり特筆することはない、
第五楽章、アンダンティーノはニ短調となり趣き深い、セレナードの楽章としては意外に思える、転調も印象的でオペラの悲劇的場面の情景を思わせる。
第六楽章、堂々とした風格で始まるメヌエット楽章、初めflがソロを演奏、二番目がポストホルンのソロ、当盤の奏者はホルスト・アイヒラー。
第七楽章、フィナーレ、プレストは快活で充実した終曲、展開部ではセレナードにはもったいないような見事な対位法が用いられる、さすがに終結は華々しい。
第三、第四楽章を除いては、ベームの堅実な演奏が効いてじっくり味わえる。

category: モーツァルト

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