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Michael: Classic音楽,Lute,宇宙

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学 etc

アーノンクール:Mozart Sym No.40  

20世紀の常識的?古典派の演奏は漫然としたヴィヴラート、レガート奏法で埋められていたが、この演奏作法から外れると異端扱いされただろう、しかし、何を演奏しても似たようにきこえる世界だった。 
モーツァルトのSym No.40ってあまり聴かないが、昔から演奏に大きく特徴が分かれる、ちょっと面白い曲でもあった、W.フルトヴェングラーとK.ベームでよくわかる、
f moz sym40 you
you tube:Mozart: 交響曲第40番 Symphony No. 40 K. 550 第1楽章/フルトヴェングラー
第1楽章は急速で特に再現部での推進力が熱気渦巻く、これもわるくないと思ったが、この速さは異端視されたところもあり、当時の評論家には「モーツァルトを振る柄じゃない」とまで書く人までいた、B.ワルターを賞賛する反動で;
一方、ベームはこれ以上ない落ち着いたテンポ、骨太にじりじり進める、
b moz sym40 you
you tube:Mozart - Symphony No. 40 in G minor, K. 550

演奏史の停滞した状況に一石を投じた一人がN.アーノンクールだったと思う、アーノンクールはVSOの楽員になった翌年、1953年から古楽器の団体、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスを立ち上げ、新たな演奏の準備をしていたらしい、彼らの活動が本格化するのは1957年からだった。まだ20世紀流の演奏が王道(無難な手段で納める)の時代は続く。
アーノンクールの40番はとっくの昔にCDを持っていて、過去記事を書いた気でいたが;しっかり聴いた憶えがなかった^^;
RCOとの録音はorchの編成を縮小せず量感を活かしている、
WPCS-21007.jpg
h moz sym40 you
you tube:モーツァルト: 交響曲 第40番 ト短調 K.550 アーノンクール 1983
第1楽章のテンポはあのフルトヴェングラー並み、透明感や鋭さが従来と違い、作品の真価を鮮明に引き出す。展開部の終りから再現部へ繫がるところ[164]、管のハーモニーが印象強く、いつの間にかvn1,2が第1主題に入っている、
sc01 160
この効果をよく再現している、再現部は展開部を上回るエネルギー感だ、
第2楽章も聴き手をゆったりはさせない、弱奏の中にも張り詰めた力を感じさせる、
メヌエットはパート間のキビキビした掛け合いが際立つ、トリオはゆったり物腰を変える、
終楽章、急速にはせず、じりじりと進める、展開部では彫りの深い表現が効く。

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category: W.A.モーツァルト

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O.スウィトナー:Mozart Sym No.31「パリ」& No.29  

心身のバイオリズムというのはあるようで、楽器の練習で、かなりウォーミングアップしたつもりでも調子が出ない、気分もダレて冴えない時がある、昨日はそんな日だった;それでもやった事は積み重ねになる、と思い、程々に切り上げてゆっくり音盤を聴いた;
sui moz s31 lp se
しばらくぶりにLP盤を廻す、手にして何十年と経つ、セラフィム盤(EMI)で、O.スウィトナー指揮、SKDのモーツァルトSym、「パリ、ハフナー、リンツ、プラハ」が片面ずつに入った充実サウンドの2枚組で、\2400のシールが貼ってある、千円盤が値上がりした時期だ。
sui moz sym lp012400.jpg
オットマール・スウィトナー指揮、シュターツカペレ・ドレスデン
1968年 録音

原盤は旧東ドイツ、シャルプラッテンだが、諸事情あったようで、EMI 、フィリップス、グラモフォンなどあちこちのレーベルを経由して入ってきたが、それでも大方聴けたのは幸いだった。その後「パリ」を省いた3曲を1枚に収めたLPがセラフィムで再版され、
se sui lp再版盤
CDでも同様だったが、「パリ」は省いてほしくない名演である、
スウィトナーの「パリ」、第1楽章Allegro assaiの快速で身の締まるような演奏は他に類を見ない、第2楽章のすっきりした表現、終楽章のぴしっと整えた感覚、弦の各部と管のバランスの良さもいつも通り、
sui moz s31 you
you tube:Symphony No. 31 in D Major, K. 297 "Parisian":
I. Allegro assai II. Andante III. Allegro
No.31は当時のフル編成でモーツァルトが珍しく時間をかけて推敲した曲だそうだ、

*ちょっと余談
LP盤再生による音源も挙っているが、これは例の回転が速いプレーヤーによるもの、
sui moz s31 lp you
you tube:Mozart, Symphony No 31 , Otmar Suitner,cond
チューナーでまずCDの再生を測ったところ、orchピッチは標準のA=444hzくらいである、しかしこのプレーヤーではA=463hzにまで上がってしまう!一聴してすぐわかる;
もう一つ、こちらは正しいかと思ったが、A=456hzである、
sui moz s31 lp 02 you
you tube:Mozart,Symphony No 31 Paris, Suitner
余談終り;

次はSym No.29、これはフィリップスの兼価シリーズで出ていた、
20130328013103291_20190815121540a59.jpg
No.31に対し、こちらはAllegro moderatoのゆったり感の第1楽章で始まる、管楽器の色彩が豊かに出るのは同じ、[22]でhornの1つが繫留して不協和になるのが印象強い、
s29 sc01 16
sui moz s29 you
you tube:Symphony No. 29 in A Major, K. 201:
I. Allegro moderato II. Andante III. Menuetto IV. Allegro con Spirito

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モーツァルト:Sym No.36「リンツ」, あれこれ  

"あれこれ"が癖になってしまった;
モーツァルトのSym No.36 ハ長調「リンツ」については、前にも同じような事を書いたが、モーツァルトがリンツに到着したのは、1783年の10月30日、当地のトゥーン・ホーエンシュタイン伯爵の依頼により、新作の交響曲を書くことになった、その演奏会が開かれたのは11月4日だった、日付が正しいなら到着翌日から数えて5日目に演奏されたことになる、またモーツァルトは4日間で書いたと伝わる、写譜屋の使いが書き上がったページから預かっていき、手分けしてorchのパート譜を書いたとすれば間に合うかもしれない、しかし原稿が書き上がったのは11月3日になる、写譜も同日完了したとして、11月4日の午前中までにはorchリハーサルをやって夕方には本番、というタイムスケジュールになるか?orchには当然初めての曲、これはorch経験のある方でないと実感的にわからない^^;
しかしこのSym No.36というのはモーツァルトにとって新タイプの曲で、ハイドンの作法を研究した内容が含まれている(第1楽章に初めて序奏を置いた、主部は行進曲風の歩みで、弱奏とダイナミズムの対比が効果的に書かれる、緩叙楽章で、trpとtimpが初めて使われた)、そういう転機とも言える作品を急場しのぎの際に速筆で書くだろうかという疑問が湧く、orchの楽器編成はtrp、timpまでありながらflがなく、木管はob属だけで彩り的にやや乏しい、そこは現場合わせらしく思えるが、
当時の楽譜を探してみたら、写譜屋が書いたと思われる、きっちり読みやすいパート譜はあった、orchの実用譜のようだ、初演時のものかわからないが;
moz s36 manu
vn1:パート譜
写譜屋に渡した原稿があれば何か見えてくるかもしれない。

こういう急な間に合わせ演奏会というのは他にもあったようで、モーツァルトのSym No.37(K.444)というのは旅先で、ミヒャエル・ハイドンのSym No.25(ト長調)の総譜をたまたま持ち合わせていて、それにモーツァルトが序奏を加筆して演奏したそうだ。
参考:モーツァルト Sym No.37(Original:M.ハイドン)
moz sym37 you
you tube:W. A. Mozart - KV 444 (425a) - Symphony No. 37 in G major (Michael Haydn)
また、出来上がっていたミサ曲ハ短調 K.427の歌詞を入れ替えて他作品(カンタータ 「悔悟するダヴィデ」 K.469)に転用している、未発表の曲ではないのがバレて、ミサ曲の依頼主に作曲料を値切られたらしい。
参考:カンタータ 「悔悟するダヴィデ」 K.469
K 469 you
you tube:W. A. Mozart - KV 469 - Davidde penitente

さて、Sym No.36の好きな演奏で、O.スウィトナー指揮、シュターツカペレ・ドレスデン
sui moz s36
1966年 ルカ教会 D.シャルプラッテン原盤
しっかりとした低域に清涼な高域、各パートの分離もよく、ルカ教会のよい響きも捉えている、メヌエットは高貴な雰囲気を湛える、
sui moz s36 you
you tube:Symphony No. 36 in C Major, K. 425 "Linzer":
I. Adagio - Allegro spiritoso II. Andante
III. Menuetto IV. Presto

「リンツ」と「プラハ」を収録した、N響とはたぶん唯一のセッションになるLPがあリ、録音はDENONらしく鮮明なのだが、
sui moz s36 lp
オットマール・スウィトナー指揮、NHK交響楽団
1979年 DENON

会場(荒川区民会館)の響きが残念で、どこにでもある多目的ホールのようだが、そのままの感じで、cb、fag、timpなど低域の楽器がモコモコ混ざり合って分離感がない、いつもFM放送で聴いた国内公演のライヴ収録に似ている;

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モーツァルト:pf Con No.24,あれこれ  

作曲家はどのような手順で作曲を進めたのだろうか、というのも興味深い、見やすく印刷された出版譜を見てもそれはわからないが、最初の草稿が見られると、それが推察できそうだ、 
今日はモーツァルトのpf協奏曲No.24の草稿を見ながらいくつかの演奏を拾い聴きしてみた、
ハ短調のNo.24(K491)はorchも当時のフル編成で、orch部分は短調作品として、Sym No.40さえ凌ぐような魅力がある、
モーツァルトは生涯に音符のオタマジャクシを何個書いたことか、天文学的数になりそうだが;pf協奏曲などorchパートに加えpfの音数も多くて書くのが大変、いくつもパターンが浮かび、即決められない、とりあえず骨子となる音だけ書いて、上段を空けておき、入念に気に入るパッセージにまとめた・・ように見える、
k491 sc 03 18
K.491 終楽章[18]~
気の済むまで書き直したような所もある、
k491 sc 03 43
K491 終楽章[43]~
これでも完全とはいかず、実演の際にはさらに湧いてきたアイデアを即興で弾いたであろうと想像する。pf協奏曲だけでも大変な労力に思えるが、オペラ、宗教曲など同時期に多くの仕事をこなし働き過ぎ?命を縮めても不思議はない気がする;

現代の演奏を聴くと、草稿にはなかった装飾的パッセージが加わっている、後にそういう版が作られたのかと思うが、奏者によるものかもしれない。
まずはピリオド楽器、
マルコム・ビルソン:fp、ジョン・.エリオット・ガーディナー指揮、イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
bil moz pf con 24
1988年録音 ARCHIV
フォルテピアノは軽やかな響きだが、粒立ちよく転がり、まさにこの楽器のための曲だと感じる、orchがひじょうにダイナミックでシンフォニックな楽しみも十分聴かせる。
k491 you 02
you tube:Mozart: piano concerto no. 24 in C minor, K 491. Bilson, Gardiner, English Baroque Soloists

次に古い録音だが、
ウィルヘルム・ケンプ:pf、フェルディナント・ライトナー指揮、バンベルクSO
W K moz pf con 24
1960年録音 DG
こちらは低音部ががっちり押し出してくる、pfもorchも甘い感覚には陥らず、堂々として、この曲のエネルギッシュな魅力が出ている、
k491 you 03
you tube:KEMPFF, Mozart Piano Concerto No.24 in C minor, K.491

最後に新しいところをyou tubeで見つけた、
Iryna Krasnovska (pf), Giuliano Betta (指揮)
orchの前奏から新時代を感じさせる、pfソロは心地よい装飾が加えられる、活気溢れる終楽章が良いのだが、途中で切れて続きが挙げてある;
k491 you 01
you tube:Mozart. Konzert c-Moll. Iryna Krasnovska (Klavier) Teil 1
(続き):Teil 2, Debussy L'Isle joyeuse
このカメラワークはわからない;

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K.331「トルコ行進曲」の前打音  

モーツァルトのpfソナタ イ長調 K.331は始めの変奏曲が好きだが、終曲のトルコ行進曲が最もお馴染みである、この終曲には2種類の楽譜が出回っている、なお、このソナタの自筆譜は断片しか残っておらず、終曲は失われている。
sc C
現在も譜例Aのような演奏が多く、表情記号はたぶん後に加えられたもので古い出版譜だろう、テンポもアレグロの速さで流麗に弾くのが好まれるようだ、
k331 01 you
you tube:Mozart - Rondo Alla Turca (Marnie Laird, piano)
正直、このタイプの演奏は聴き飽きた;
譜例Bは当時の出版譜に従っていると思われる、始まり部分で言うとBの最初は小さい16分音符の前打音で書いてある、ここで今の一般的楽典から、
appoggiatura_20190707104537e6d.jpg
長前打音①と見なすと次の音価と長さを2分し合うことになり、事実上譜例Aのように弾くことになる、よってAは実用譜であるとされる、では何故、Bのような書き方がされたのかというと、イ短調の曲で、頭の音はシで非和声音、次のラが主音であり、和声的に適切な表記だから、ということらしい。
しかし、昔も今も楽典だの記譜法はきちんと共通とは限らない、短前打音③には斜線を付けることになっているが、いちいち書かなかったかもしれない、斜線がなくても短前打音のように短く弾く奏者もいる。
当時流行したトルコ風の音楽を考えてみると、太鼓やシンバルを打ち鳴らし行進する勇壮で武骨な感じを楽しんでいたと思う、長前打音①にしてしまうと一拍目の踏み込みが弱く、行進曲らしさが半減する、テンポも指示どおりアレグレットならびしっときまる行進になるが、アレグロでは小忙しい、
短前打音③で演奏した例を2つ挙げる、
k331 02 you
you tube:W. A. Mozart Sonata No. 11 "Turkish Rondo" in A major, K. 331
弱音基調で耳心地よく集中させる、
もう一つはクラヴィコードでの演奏、
k331 03 you
you tube:W.A.Mozart :: Rondo Alla Turca (Turkish March) KV 331 :: Wim Winters, Clavichord
この音量でもちゃんと太鼓とシンバルがイメージできる、鍵を押えている間しか鳴らないがそれが歯切れ良く聴ける。
どう演奏するかは、奏者の判断,責任になる、聴き手の好みも含めて;
ただ教わったとおり皆と同じように弾くだけ、は今更聴く気はしないが、探究心を持った演奏には興味が湧く、正しいか誤りかは別として。
*) なお、装飾音の入れ始めを拍の前に前倒しする例もあるが、バロックではそれは行なわない、必ず拍の頭に来てからである。

追記:元祖、オスマン トルコ軍楽
Ceddin Deden
you tube:ジェッディン・デデン(Ceddin Deden)

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O.スウィトナー:Mozart 3つの「ジュピター」  

手元にO.スウィトナー指揮のモーツァルトSym No.39~41のCDが3枚あるが、初めて「ジュピター」をじっくり聴き比べしてみた。 
①1973年 シュターツカペレ・ドレスデン(セッション、ルカ教会)D.シャルプラッテン
sui moz s41 d
②1978年 シュターツカペレ・ベルリン(ライブ、東京厚生年金会館)エフエム東京
sui moz s41 b
③1982年 NHK交響楽団(ライヴ、NHKホール)キングレコード
sui moz s41 n
指揮:オットマール・スウィトナー
4~5年置きの録音で、orchが異なるのも面白い、3枚共通なのはパートバランスが良く、木管の味わいが豊かに聴けること、
第1楽章はそんな響きで意気込まず開始、力の抜けた余裕を感じる、
第2楽章、弱音器の弦で始まり、[2]、[4]で奏でる総奏音がふわっと柔らかく溶け合い、ここで引き付けられる、
sc02 01
メヌエット(アレグレット)はやや速めのテンポで清涼感があり、とっておきの終楽章の前奏的位置づけにも感じる、
終楽章、空前絶後のフーガ楽章、コーダにおいてはvcとcbも別れ、これまで登場した5つの動機がすべて対位法で組み込まれる、
sc04 384
flは1本で、あとは2管編成
以下、三大Sym連続演奏の最後にくる「ジュピター」の終楽章に着目する、
いずれもスウィトナーは快速なテンポで一気に推進する、

①SKDはセッションだけに念入りな仕上がり、ルカ教会の響きも心地よく、録音物としては一番の出来だろう、
sui moz s41 skd you
you tube:W.A.Mozart - Symphony No.41 in C major K.551
(1st Mov) (2nd Mov) (3rd Mov) (4th Mov)

②SKBとの来日時のライヴ、放送用の音源をリマスタリングしたものだが、会場の空気が生々しく伝わってくる、終楽章の熱気はさすがにセッションを上回る、
sui moz s41 skb you
you tube:Mozart Symphony No 41 in C Major, K551
1 Allegro vivace 2 Andante cantabile
3 Menuetto 4 Molto Allegro

③N響との演奏はyou tubeにないが、スウィトナー・ファン必聴の1枚かも、
TOWER はお取り寄せになっている、中古盤は何故か高い;
録音がクールな音質で落ち着いたように錯覚していたが、最も熱のこもった演奏だった、終楽章のテンポは最速のようだ、前述のSKBでも十分キレているが、
おやっと思ったら、[281]でflとobが重なるところ、flが1小節遅れて出てしまうハプニングがあり; これも緊迫を示す^^
sc04 274
[285]からはob、flと1小節ずれの掛合いになるので良いのだが^^;
再現部、コーダへと熱気と気合いを増すように突き進む、聴衆は大満足。

*対位法を駆使して終楽章の充実を図ったのはハイドンのパリセット、Sym No.82「熊」が思い浮かぶ、モーツァルトはこのパリセットに触発されたとも言われる。

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20-21c:Mozart Sym No.35   

モーツァルトのSym「ハフナー」は20~21世紀にかけてそれこそ多数の録音があり、曲の始まりの印象も様々なだけに面白い、
まず、O.スウィトナーの「ハフナー」から、 
orchはSKD(1968年録音)、このLPを初めて聴いたときは第1楽章の急速テンポと切れ味に驚いた、現在でも他に例はないと思う、
20190628.jpg
モーツァルト時代のorch楽器が全て加わった編成だが、SKDのアンサンブルは緻密に決まり、[58]のvn1の上行パッセージにcl、flがぴたり粒が揃って重なる、
sc01 58
この演奏には背筋の伸びる感覚と同時に力の抜けた大らかさもある、
メヌエットはゆったりテンポだが、[9]からvn2をくっきり区切り、毅然とした感覚が良い、
sc03 01
終楽章も力は入れず、気は抜かず引き付ける。
sui moz s35 you
オットマール・スウィトナー指揮、シュターツカペレ・ドレスデン
1968年

you tube:Symphony No. 35 in D Major, K. 385 "Haffner":
I. Allegro con Spirito II. Andante
III. Menuetto IV. Finale - Presto

次はカラヤン、1970年、BPOとの録音(EMI)スウィトナーとは対極といえる、
弦の弓は究極のレガート、始まりから[6~]のvn1がやんわりと印象付く、
sc01 01
大編成の響きで、くっきり切る箇所がないのがまあ徹底した味わいでもある、
第2楽章でどうしたことか、[26]などで合奏のズレがあるように聞こえる?(you tubeの6:40~?)ずっと繋がったようにレガートで縦の拍節がわかり辛いが;昨日の「プラハ」といい、こんな事ばかり耳につく;
終楽章は急速豪快、
ka moz s35 you
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニーO
1970年 EMI

you tube:Symphony No. 35 - Wolfgang Amadeus Mozart, Herbert von Karajan

3つ目はC.アバド指揮、モーツァルトO、
小編成の踏み込み良い開始、鋭く鳴るtimpは古楽器タイプだ、縦横無尽な強弱法、スタッカート、レガートの絶妙な匙加減、清涼な響き、各パートの存在する意味があらためてわかるような、まさに21世紀的な名演。
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クラウディオ・アバド指揮、モーツァルトO
2008年 ARCHIV

you tube:Mozart: Symphony No.35 In D, K.385 "Haffner" -
1. Allegro con spirito 2. Andante
3. Menuetto 4. Finale (Presto)

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東西:モーツァルト Sym「プラハ」  

東西ドイツに分かれていた頃、西ではカラヤンがフルトヴェングラーの後継でBPO正指揮者で活躍していた、東ではスウィトナーが伝統の演奏を繰り広げていた、カラヤンが20世紀的なグローバルな方向でorchを増強、厚い響きを求めていったのに対し、スウィトナーは19世紀から続くドイツの伝統を引き継いでいると言われる、結果的に東西の壁がそれぞれの文化圏として血統を維持していたかもしれない、 
時代は循環して、カラヤンのモーツァルトやハイドンは古いタイプとなり、スウィトナーの演奏のほうが、現代の耳には馴染みやすいかもしれない、両者のモーツァルトを聴けばその違いがわかりやすい。
スウィトナーの録音(D.シャルプラッテン原盤)は国外へはEMI、Philips、Grammophonほか様々なレーベルに版権が渡されてバラで出ていたため、全集を組むなど纏められず損をした部分もある、近年、Berlin Classicsでようやく纏められた。
スウィトナー、1968年録音でorchはSKD、セラフィム(EMI)盤で「パリ」「プラハ」「ハフナー」「リンツ」のLP2枚組を随分昔から持っている、
まずはSym No.38「プラハ」
sui moz s38 lp1sui moz s38 lp2
オットマール・スウィトナー指揮、シュターツカペレ・ドレスデン
1968年

sui moz s38 you
you tube:Symphony No. 38 in D Major, K. 504 "Prager":
I. Adagio - Allegro II. Andante III. Finale - Presto
第1楽章、序奏部から清涼な響きを湛え、主部は快速、ヴィヴラートは控え、不要なレガートも避け、スッキリ区切っている、キビキビとした弦楽に[81]から木管の和声が鮮やかに乗っていくのが心地よい、
sc01 79 a
第2楽章も甘ったるさがなく、毅然としたタッチもあり、飽きがこない、
終楽章、速すぎないテンポで緻密な合奏、弦楽と管の対等バランスのやりとりが心地よい、展開部に入るとカッと熱気が入り引き付ける、ポリフォニックな部分もくっきり、

次はカラヤンの「プラハ」、
ka moz s38
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニーO
1970年 EMI

何年か前、「カラヤンの素顔」というドキュメントDVDを見てみたら、多くのリハーサルや収録シーンが紹介されていた、
karajan dvd
録音室の技術者が、○小節のところで音が違っていたと伝えるが、カラヤンはその部分の再生をヘッドホンで聴き、「ああ、この程度ならわからない」と録り直しなしで行く、案外アバウトである^^;しかし、1970年、EMIに録音した「プラハ」の第1楽章で、fagがテンポに追いつけず、[79]から8分音符1つ分ほど遅れる、
sc01 79 b
you tubeで(4:29)のあたり、これは誰が聴いてもわかる;
ka moz s38 you
you tube:Mozart Symphony No 38, K 504 ''Prague'' (Karajan ? BPO, 1970)
セッション録音のはずだが?これはご愛敬として、音質的にはGrammophon盤よりこちらが好ましい、
第1楽章、主部のテンポはスウィトナーと同じくらいか、弦楽はレガートで溢れるほど厚く響き、全体にダイナミック、
第2楽章も目一杯レガート、
終楽章もやや快速、総奏部分がまさに大編成的に押し出す、BPOの弦楽は流石だし、豪快でもあるが。

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category: W.A.モーツァルト

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C.アバド ほか:Mozart Sym No.39  

モーツァルトの3大交響曲でNo.40、41はめったに聴かないが、No.39だけは好きなのである、健康的な明るさだろうか、メヌエット楽章も大きな魅力、手持ちの音盤で好きな演奏を拾い聴きした、まず、C.アバド指揮、モーツァルトOの演奏、アバドの演奏はある時期からピリオド・スタイルに移行してきた、 
abbado moz s39
交響曲No.39変ホ長調K.543
クラウディオ・アバド指揮、モーツァルトO
2009年 ARCHIV

第1楽章、序奏はフランス序曲風に付点を伸ばす、主部は中庸のテンポだろう、持ち前の自然で緻密な強弱法が引き付ける、スマートな流れと歯切れ良さを両立している、[72]からのvnの下降パッセージは一弓でレガートにする例が多いがアバドは区切って粒立てている、
sc01 70
第2楽章はしなやかだが、節目をつける、他の楽章でもそうだが、言葉を語るような味わい、
メヌエット、アウフタクトのない明確な主題がよい、アバドは4小節のまとまりを一筆に流し、期待どおり快調で、聴き手も気分良く乗せられて行く、
sc03 01
終楽章は快速、歯切れ良くたたみ込んでいく。
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you tube:Mozart: Symphony No.39 In E Flat, K.543
1. Adagio - Allegro 2. Andante con moto
3. Menuetto (Allegretto) 4. Finale (Allegro)

20世紀的演奏の中で最も耳心地良いのはスウィトナーになる、まずはエテルナ(D.シャルプラッテン)のLPを聴く、
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オットマール・スウィトナー:指揮、シュターツカペレ・ドレスデン
1974年、ドレスデン・ルカ教会 ETERNA

sui moz s39 lp2
すっきりナチュラルなサウンドはのちのDENON盤と同質でclを含む木管の味わいも前に出る、
スウィトナーは3大交響曲の連続演奏をよく行なった、N響の放送録音がDENONからも出ているが、こちらは音響的に今一つ、
you tubeでは1978年、シュターツカペレ・ベルリンとの来日公演の放送録音が音質も好ましく、流線的で気合いの入った、スウィトナーのライブらしい魅力が感じられる、会場は東京厚生年金会館とのこと、
201901230 s
you tube:Mozart Symphony No 39 in E flat major K543
1 Adagio Allegro 2 Andante
3 Menuetto 4 Allegro

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O.スウィトナー:Mozart 歌劇 序曲集(LP)  

久しぶりに、ふと聴きたくなる1枚、 
モーツァルトの序曲集はいくつかあるが、これが最高、1976年録音のO.スウィトナー指揮、SKBの演奏、まずサウンドの良さに満足する、会場の響きをよく取り込んだ録音だが、低域が充実し各パートも分離よく聞こえてくる、D.Schallplattenらしい好録音だ、CDは持っていたが、中古セールでLPを見つけたとき、気分はスキップ状態だった^^
sui moz ouv lp 1
オットマール・スウィトナー:指揮
シュターツカペレ・ベルリン
1976年 ベルリン、クリストス教会

スウィトナーの録音物はDENONも含め、一貫した統一感があるようで期待を裏切らない、針を下ろすと最も好みのサウンドが再生される。
sui moz ouv lp2

「イドメネオ」序曲 1781年
簡潔なソナタ形式でイタリア的だが、交響曲の第1楽章のように堂々としている。

「後宮からの誘拐」序曲 1782年
パーカッションは控え目に鳴らし、SKBのサウンドを爽やかに聴かせる、いつもながら弦の内声もよく浮ばせて、緻密に聴ける、中間部の木管も鮮やか。

「劇場支配人」序曲 1786年
オーストリア皇帝ヨーゼフ2世の依頼で作曲、これもソナタ形式で簡潔ながら展開部が聴きどころ、速めのテンポで快活に演奏される。

「フィガロの結婚」序曲 1786年
物語は「セビリアの理髪師」の続編となるオペラ・ブッファ、人気の高い序曲だが、スウィトナーは期待どおり快速、しなやかな響きの中でビシっと引き締め、心地良さこの上ない、

「ドン・ジョヴァンニ」序曲 1787年
序奏部は荘厳に量感を持たせるが響きは清潔、モルト・アレグロは快速、爽やかに聴ける「ドン・ジョヴァンニ」である。

「魔笛」序曲 1791年
序奏部は金管に重みを委ねるのが印象的、主部はやはり速めで軽快、スウィトナーらしい美質で聴かせる人気序曲の名演。

「皇帝ティトゥスの慈悲」序曲 1791年
皇帝ヨーゼフ2世の依頼で、あのレクイエムの作曲を中断して書かれた歌劇、ソナタ形式で展開部も深みを聴かせる、書法的にも最も高みに達した序曲と思う、スウィトナーはこの傑作を最後に置いている。

当盤は全曲you tubeにあった、(「イドメネオ」序曲 以降)
sui moz ouv you
you tube:Wolfgang Amadeus Mozart: Ouverturen (Overtures)

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