Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話題など

R.ケンペ:ブラームス 交響曲第1番(LP)  

クラシック音楽を聴き始めた頃は千円盤レーベルのセラフィムやコロムビア・ダイアモンドシリーズには随分お世話になり、今でも聴きたい名盤が少なくないです。
今日はひじょうに懐かしい、セラフィム盤でルドルフ・ケンペ指揮、BPOのこれも昔、始めて買ったブラームス1番のLPです。はじめジャケットは黄土色でしたが、青灰色にかわり、これは中古で再入手したもの。micha
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しかし当時は卓上タイプの簡易なステレオしか持っていなかった、知り合いの家がちょっと本格的なステレオを買ったので、これをかけさせてもらったら、壮大なサウンドが刻まれているのにすっかり魅了された。1959年の録音だが、EMIらしい音質でホールの空間をよく感じ、今聴いても結構HiFiな好録音。
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ルドルフ・ケンペ:指揮
ベルリン・フィルハーモニーO
1959年録音 セラフィム(EMI原盤)


ブラームス 交響曲第1番ハ短調
第一楽章、序奏はヒートアップせず、清涼に始める、主部にはメロディアスな主題はなく、単純な音形とリズムでがっちり構築されているのが飽きることのない魅力、ケンペは涼しげなサウンドを基調に、ややゆっくりめにこの味わいをじっくり構える、
提示部、84小節で木管がffで出るところをぐっと響かせ、印象深い、
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また全楽章言えるが、弦をあまり張り詰めず、BPOの端正な運弓の味わいをよく聴かせる。展開部も強烈な響きを控え、清涼サウンドを保って聴かせる。
第二楽章はさらりとした感覚、ここもBPOの端正な弦、木管が味わいどころ、
第三楽章、短めの楽章でスケルツォではなく、終楽章への間奏のような位置づけのようだ、ここも端正に心地よくまとめる。
終楽章、緊迫感をもった始まりで、主部は整然とした第一楽章に対し、ドラマティックな内容、この有名なテーマに象徴されるが、
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vnのG線の開放を含む低域の響きが曲全般で味わい深い、このテーマのあと、ケンペは終楽章も清涼な響きを保ちながら、速度の急緩をもって白熱感に引き込む。終結部分では結構加速して熱くさせる、端正に進めてきただけに効果的だ。
以上、清涼で味わいある第1番である。

今日もご覧いただきありがとうございました。

category: ブラームス

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N.ミルシテイン:メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲  

当ブログでメンデルスゾーンを取り上げるのは初めてなんですね;音盤はいくつかありますが、4大vn協奏曲の1つ、ホ短調を聴きます、やはりメンデルスゾーンが一番親しみやすいかな、一番シブいのがブラームスか・・;
vnソロはナタン・ミルシテイン(1903-1992)、ウクライナ出身でちょうど20世紀真っただ中に活躍した傑出したvn奏者の一人。録音当時は70歳のときでしょう、しかし演奏はとても若々しく聴こえます。C.アバド指揮、VPOとの共演。
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ナタン・ミルシテイン:vn
クラウディオ・アバド:指揮
ウィーン・フィルハーモニーO
1973年録音 DG


ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64
短調の作品ながら暗い印象はなく、"アパッショナート"とはいえ、優美で健やか、これほど名旋律に満たされた曲はメンデルスゾーンならでは。
第一楽章、アレグロ・モルト・アパッショナート、やや速めのテンポかと思う、ミルシテインは磨かれたような音であまり粘らず、控え気味のヴィブラート、オケに対してあまり張り出す音量にならず、くっきりと美音が聴こえる、131小節から、木管が優しいテーマを奏で、ソロvnがG線の開放を8小節弾くところがある、(これにヴィヴラートをかける方法があるそうだ)
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ここでミルシテインは微かなppから< >の間にふっと存在感を出し、美しくテーマを引き継ぐ。アバド指揮VPOはシンフォニックで、第一楽章はきりっと締まった心地よさ。
第二楽章、アンダンテだがここではゆっくり、情感を聴かせる、短調となる中間部の主題は第一楽章始めの主題に起因する感じだ、ミルシテインはここの重音奏法も端正で美しい。
終楽章はvnソロの入った序奏があり、この主題も第一楽章冒頭を回想させる、アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェに入ると、ミルシテインは非常に軽やかに速めのテンポをとる、(このリズムはチャイコフスキーのvn協奏曲とよく似ている)鮮やかかつ美音のvnソロにアバド:VPOもぴたり同調し、ひじょうに心地よい。

今日もご覧いただきありがとうございました。

category: その他・ロマン派

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好録音再聴:カラヤン-ベートーヴェン「運命」(LP 独盤)  

カラヤンはオーケストラに新しい機能を求めた、BPOのコントラバスを最大10人ほどに弦を増強し、金管群が強奏しても各パートが聴けるようにとか、また演奏についても、低音楽器は(立ち上がりが遅れる分)早いタイミングで出るよう求めていて、カラヤンの"速いベートーヴェン・シンフォニー"の推進力を実現している。
カラヤンは録音技術にも拘っていて、生前の録音物に反映していたと思われる。'80年代の録音で、CDの鮮明な再生音を期待したが、意外なデッド・サウンドで、弦楽は分厚い塊、木管が遠い・・カラヤンの理想とする再生音かもしれないが、当時は不評だった。
1997年発売のDG SUPER BEST 101シリーズでこれをリマスターしたベートーヴェン「英雄」を聴いてみたところ、適度に残響が加えられ、デッドな感じからは脱したが、塊感は拭えない、ベームのリマスターCDほど良くはなっていない、どうもカラヤンDG'80年代のデジタル録音は今一つ。DG'70年代の録音はどうも音質が甲高いし;結局、最も良いのは'60年代の録音になってしまう、やはりLP盤で、ベルリン、イエス・キリスト教会でのセッションが良い。
再聴したのはドイツ盤で第5番「運命」をAB両面に分けてカッティングしたもの、micha
交響曲第5番ハ短調「運命」
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ヘルベルト・フォン・カラヤン:指揮
ベルリン・フィルハーモニーO
1962年録音 DG

あのフリッチャイの「運命」と同じく、充実サウンドが満喫できる、違うのはカラヤンの推進力と痛快さで、凄いのは第三楽章でのコントラバス軍団、
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これは「運命」の録音史上最強かも、多勢のコントラバスが会場内一杯に響き、実在的なのが圧巻、これはCD化の音やLP片面に全曲収めた音では聴けない。終楽章はブラスが厚みをもって輝く、余裕を取ったカッティングのおかげで情報量の多い詳細な再生音だ。
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↑デジカメでフラッシュを使い、自動露光させるとLP盤など黒い被写体は明るくなりすぎるので、指でフラッシュを半分ほど塞いで減光させています^^

今日もご覧いただきありがとうございました。

category: ベートーヴェン

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好録音再聴:K.ベーム-ベートーヴェン「田園」(リマスターCD)  

アナログ録音のCD化にあたり、何々の新技術でリマスターした、と謳われたものが多いですが、特に変り映えしないのが殆ど、しかし1993年発売のDGのNEW BEST 100で出たシリーズでは、リマスター云々は何も書かれていないが、音源のマルチ・トラックからバランスを取り直したような、好ましい仕上がりになっています。先日のベーム指揮:J.シュトラウスもそうでした。今日はベーム指揮、VPOのベートーヴェン「田園」のCDを聴きます。ホールの残響を多くし、自然で奥行きのある音場、低域のしっかり出るピラミッドバランス、音質も潤いがあり心地よい、O.スウィトナーの録音で馴染んだDENON-PCMの好録音に近い感じ?cd
交響曲第6番ヘ長調「田園」
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カール・ベーム:指揮
ウィーン・フィルハーモニーO
1971年録音 DG


第一楽章、ここは普通くらいのテンポ、VPOのしなやかな弦は絶品、ウィンナobがピンポイントで聴こえ、管もよいバランスで明快。ppをぐっと押えcresc.をかけるが強奏もvnが爽快、vcはたっぷりと潤いを聴かせる。
第二楽章、程よくゆっくりめ、ベームは過度にやんわりとはしない、始まりからこの2nd vn、va、vcが弾く小川の描写は端正で味わい深く、何かほっとさせる。
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木管も美しく、弦のじわっと歌いだすところがいい。ベームは消えかけのような淡い表現はしないので弱音にも筋が入っている。
第三楽章、ここも落ち着いたテンポ、ホルンの高鳴りとオーボエ、クラリネット、再びホルンと歌い継ぎ、各楽器が透明感を帯びて美しい。コントラバスの導入のあとの饗宴、重厚なサウンドで聴かせるが爽快でもある。
第四楽章、嵐の場面も決して乱奏的にならず、整った管弦楽を崩さない。十分迫力も聴かせながら、ブラスは透明、timpが要となって引き締め、常にバランスのよい響き。
終楽章、アレグレットで緩抒楽章的だが、オケの美質の聴かせどころでもある、管の導入のあと弱奏で入る弦のテーマは極めつけの美しさで始める、強奏に入ってもVPOのキメ細かい輝きを聴かせる、最後に弦がppでテーマを奏でるところはぐっと弱奏で祈るような雰囲気、ゆったりと聴かせているようで、じつは引き締めている。

LPのほうも少し聴いてみた、DGらしい中域に厚みを寄せた残響控え目のサウンドだが、これはこれでわるくない、弦の生っぽさなど、さすがLP盤。
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今日もご覧いただきありがとうございました。

category: ベートーヴェン

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シェリング&シュタルケル:ブラームス 二重協奏曲  

ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲イ短調
この作品はブラームスが交響曲第4番を書いた後、次の交響曲として着想していたものを、不仲になっていたvn奏者J.ヨアヒムとの関係を戻そうと、協奏曲に変更して協力を求めたそうですが、交響曲から転作するのはピアノ協奏曲No.1と似た経緯です。2つの独奏楽器があり、オーケストラも充実しているので、協奏交響曲と言えるかもしれません。こういう曲では、複数のソリストと指揮者の顔合わせでどのような融合を成すかが興味引くところでもあります。
vcのシュタルケルは1962年のDG盤でも、シュナイダーハンのvn、フリッチャイの指揮と組んでいた。今回はvnがH.シェリング、B.ハイティンク指揮、RCOとの共演です。
bra d con
ヘンリク・シェリング:vn
ヤーノシュ・シュタルケル:vc
ベルナルト・ハイティンク:指揮
ロイヤル・コンセルトヘボウO
1971年録音 フィリップス


第一楽章はオケが力強い第一主題の一部を前奏してすぐカデンツァ、vcの印象的なソロが入り、続いてvn、2人のソロはあまり張り詰めず、しなやかタッチでいくようだ、あらためてオケが各主題を提示、木管が第二主題を奏で、清々しさを与える、
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2つのソロとオケが掛け合っていくが、緊密でデリケートな室内楽的味わい、ソロの歌い継ぎのところも、一人が弾き進むかのように決まる、巨匠同士の阿吽の呼吸、
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展開部は長く、二部構成のようだ。
第二楽章はホルンで始まる穏やかで歌唱的なテーマでけっこう長くvn、vcがユニゾンで続く、2人のソロの一体感も聴きどころ、vnの低音域が使われるがシェリングは深いヴィヴラートと適度なポルタメントで滋味を帯びた演奏、シュタルケルのvcもさすが一体の味わいで奏でる。
第三楽章はvcソロで始まるリズミカルで愛嬌のあるテーマが支配的、このリズムに乗り、vnとvcは掛け合ったり並行したり、オケの木管もソロの一員となって関わったり、多様で巧みな聴きどころが盛り込まれる。
初演の時は賛否別れて、大成功ではなかったようだが、この内容を聴衆が一度で味わい切るのは難しいかもしれない。

今日もご覧いただきありがとうございました。

category: ブラームス

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好録音再聴:ベームの J.シュトラウス(リマスターCD)  

ヨハン・シュトラウスⅡ世の名演で、先日のフリッチャイ盤のほか、もう1枚好きなのがK.ベームとVPOの録音です、こちらも充実した管弦楽が楽しめます。いつもはCDよりLPに軍配をあげていますが、今日は1997年に発売されたDGのLimited EditionというシリーズでCD化されたほうです。1971年録音の音源をリマスターしてホールトーンを多く取り入れたバランスに変わり、これが嫌味なく、英デッカの好録音みたいな音響、CD化の好ましい例かと思います。
ベーム j シュトラウス
カール・ベーム:指揮
ウィーン・フィルハーモニーO
DG 1971年


ベームのセッション録音も祝祭気分じゃなく、管弦楽としての醍醐味で堂々と聴かせるところがいい、ワルツでは「南国の薔薇」が一番好きですが、次々現れる各テーマが良く、特にこのテーマが出てくるところは浮遊するような心地よさ、
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1st vn パート
「皇帝円舞曲」はその名に相応しい、気高さがあり、このテーマが象徴的、
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1st vn パート
ベームはその前のppに対し、一際強く踏み出し、背筋が伸びる名演。
ポルカ「電光と雷鳴」はオーディオ効果も満点、ベートーヴェンの「田園」とは違い、シュトラウスは雷鳴を楽しんでいる、因みにシュトラウスよりもずっと前、1752年にはB.フランクリンが雲で雷が発生するメカニズムをつきとめ、その後避雷針も発明された、シュトラウスと同時代、1864年にはJ.C.マクスウェルが電磁気学を確率している、科学的に解かってしまえば恐るるに足らずか。
弦だけのピチカート・ポルカは音場感豊かで懐深く響く。

LP盤のほうは従来のD.グラモフォンらしいバランスの音響で、もちろんこちらもわるくない、こちらが好みの方も多いでしょう。
be シュトラウス
LP盤ジャケット

category: その他・ロマン派

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好録音再聴:フリッチャイの J.シュトラウス(LP)  

ヨハン・シュトラウスのワルツを始めとする作品は、ウィーンのオケ中心に数多くの録音がありますが、それまでW.ボスコフスキーとかVPOのニューイヤー・コンサートのライヴ録音のようなものしか聴いたことがなく、フリッチャイ指揮、ベルリン放送響による抜きん出た名盤があることを近年まで知らずにいました。このLPはオークションのセット売りだった1枚、同じ録音がヘリオドールとDG SPECIALで2枚入っていて、良い方を聴いてくださいという感じ^^
DG SPECIALの方が良好でした。micha
フリッチャイ jシュトラウス 
フェレンツ・フリッチャイ:指揮
ベルリン放送交響楽団
1961年録音 DG


J.シュトラウスをこれほど真っ向から"管弦楽"の醍醐味で聴かせる演奏はほかにない、さらに本場の演奏家さながらの洒落た感覚も十分楽しませる。またサウンドが1961年当時の録音では飛びぬけて優れたもので、こういう盤は少し時が経つとまた聴きたくなります。
フリッチャイ jシュトラウス02 
J.シュトラウスの曲は概ね1st vnが主要なパートを取っていくが、フリッチャイは全パートをシンフォニックに操っている、始めの「こうもり」序曲から見事なもの、皇帝円舞曲などお馴染みのワルツもコンサート向けの王道を行く演奏、ラデツキー行進曲は、ブラスや打楽器が堂々と高鳴り、"行進曲"とはこういうものだったと気づかせる、トリッチ・トラッチ・ポルカは快速で活き活き、キレの良いこと、最後の「ウィーンの森の物語」では奏者はわからないが、ツィターがじつに名演、小音量のバランスだが、SN比の良さで鮮明に味わえる。

D.グラモフォンはかつて通称"チューリップ盤"とよばれる初期仕様だったが、当時の一般的な再生機に合わせ、帯域バランスを中域に寄せてあったようだ、(全てかどうかわからない)
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その後、ヘリオドール・レーベルなどから再版された頃から、HiFiバランスにリマスターされたようで、例としてフリッチャイ指揮のドヴォルザーク「新世界」がそうだった。

category: その他・ロマン派

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好録音再聴:フリッチャイの「第九」(LP)  

CDの収録時間は75~80分となっていますが、規格設定に当り、カラヤンの提案でベートーヴェンの「第九」が1枚に収まるのを目安とした、という話はよく知られています。
「第九」はLP盤1枚に入らないことはないけど、満足いく再生音にするのは難しかった、しかし兼価レーベルを中心に1枚ものは結構多かったです、1枚のスペースに長い「第九」をいかに収納してカッティングするか、技術的な出来具合にもマニアックな興味が湧きます。micha
1枚もので特に優れたのが、このフリッチャイ盤あたりかと思います、国内ではヘリオドールやDG SPECIALで再版されましたが、今日はたまたま見つけたドイツ盤です。
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イルムガルト・ゼーフリート(ソプラノ)
モーリン・フォレスター(アルト)
エルンスト・ヘフリガー(テノール)、
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
聖ヘトヴィッヒ大聖堂聖歌隊
フェレンツ・フリッチャイ(指揮)
ベルリン・フィルハーモニーO
1957~1958年録音 DG


幸い、支障となるノイズ箇所が無く、ボリュームを上げて聴けますが、久しぶりにかけてみると、思ったほど上げずとも、少しでよいくらい、B面なんか結構スペースが余っている状態ですが、意外なほど充実サウンドです。1957年から翌年にかけての古い録音であるのも驚き。
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フリッチャイ指揮のBPOにはフルトヴェングラー時代の空気が残っているようだが、音楽的に美しく治め、第一楽章は雄大ながら強引な表現には至らない、スケルツォも緊迫感十分に聴かせ、timpが鋭く飛び出す。緩抒楽章の傑作、第三楽章はBPOの美音を聴かせる、余韻を胸に留め、途中で盤を裏返すが、120小節から現れる金管のファンファーレ的なところ、
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122小節からのtrpのffをフリッチャイは一際強く輝かせる、これが見事な再生音で感極まる。終楽章の冒頭から前奏部分、ここも懐深く屈指の名演、そしてバリトンの第一声、潤いのある美声はD.F.ディースカウとすぐわかる、ディースカウの「第九」の録音はこれだけだそうで、貴重です。ソプラノのゼーフリートの透き通った声も良い。フリッチャイは声楽に入ってからはあまり粘らず、推進力を緩めず、痛快に終結する。

category: ベートーヴェン

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好録音再聴:フリッチャイの「運命」(LP)  

このところ毎日、LP盤ばかり聴いています、昨日の話題"昭和の電車"が走っていた頃の古い録音にも意外な好録音があります、古い録音は大抵、SN比が良くない、音に歪みがでる、テープノイズが入るなど我慢すべきところが多いのですが、たまに目の覚めるようなサウンドが聴けるものもあり、それもアナログ再生の楽しみです。micha
再掲ですが今日はF.フリッチャイのベートーベン交響曲「運命」のLPから"B面"を聴きます、これは盤状態の良いのを買い直したもの。
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フェレンツ・フリッチャイ:指揮
ベルリン・フィルハーモニーO
1961年録音 ヘリオドール(D.G原盤)
 


第三楽章から、フリッチャイはゆっくりと深い溜めを置くような低音ではじめる、弱奏の力で引き込む、そしてここからの低音弦がくり出すf、
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BPOのコントラバス軍団は比類のないほど深々と響く、古い録音では低音はゴリゴリ響く場合が多いが、この録音は空気を揺さぶる本物の低音、終楽章へと移行するところも、弱奏で引き付け、急激なcresc.にtimpが思い切り溜めをつけて終楽章に突入、じっくり堂々たるテンポ、ここでの金管群の響きも歪むことなく爽快に輝く、弦楽サウンドも美しく、運弓のデリケートな味わいが伝わってくる、総奏もバランスの良い響きで終結。

「エグモント」序曲が追加されているが、これもフリッチャイならでは、いわゆるロマンティック時代の演奏だが、絶妙なテンポや強弱の変化でこの上なく引き付けていき、終結は快速に締めくくる、今でもこれを凌ぐ演奏はない。
f be sym5b
現在は中古盤が安く手に入り、カートリッジや針も優れたものが出ている、その他の機材も良くなっている、アナログ盤が新譜として出ていた当時より、大いに楽しめる環境です。

category: ベートーヴェン

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K.ベーム:シューベルト 交響曲No.5(LP)  

以前、シューベルトの「未完成」を取り上げた、K.ベームのドイツ盤ですが、B面の第5番をすっかり忘れていました、これも晩年近い録音。
この作品の興味深いところは作曲時期がベートーヴェンが第8番を書いた後で、ハイドン時代に戻ったような作風を見せていること、私設オーケストラのために書いたためもあってか、この時期としては楽器編成が小さく、ベーシックな古典派オケの規模で、
(フルート1、オーボエ2、ファゴット2、ホルン2、弦5部)
親しみ易い中にシューベルトらしい趣味も備えていることでしょうか。
ベーム sch sym5
カール・ベーム:指揮
ウィーン・フィルハーモニーO
1979年12月録音


交響曲No.5変ロ長調
第一楽章、アレグロ、木管で始まる溌剌とした第一主題と穏やかな第二主題、健康的で古典派的な趣味をもつ、ベームは落ち着いたテンポで折り目正しく組み上げる、展開部はさほど手は込んでいないが、再現部の変化が聴きどころとなる。
第二楽章、アンダンテ・コン・モート、ロンド形式、ハイドンの交響曲90番に少し似た主題、ベームはVPOの弦の味わいを活かすが、過度に甘美にはしない、前半は古典派を再現したような味わい、後半での調の移ろいはシューベルトらしい、ロンド主題の変奏的書法も入る。
第三楽章、アレグロ・モルト、ト短調、いつも話題にしているモーツァルトの交響曲No.40、メヌエットとの類似性だが、弱起で始まる主題の形は確かに似た所があるが、性格はNo.25に近い気がする、楽譜を比較すると、
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各メヌエットの開始部分
シューベルトNo.5とモーツァルトNo.25は全パートがユニゾンで明快に開始するのが印象強く、モーツァルトNo.40は対位法的である、いずれにしてもモーツァルトへのオマージュかもしれない、トリオは牧歌的に気分を変える。
終楽章、アレグロ・ヴィヴァーチェ、快活な主題のロンド風ソナタ形式で、ハイドンの終楽章を彷彿させる、展開部にもまして再現部の充実がすばらしい、ここではベームは意外に急速なテンポをとる、他の作品でも効果的な場合はハイ・スピードで聴かせる、しかし、楷書的なきっちりした整え方は変わらず、畳み込む快演となる。

category: シューベルト

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