Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話題など

好録音再聴:カラヤン-ベートーヴェン「運命」(LP 独盤)  

カラヤンはオーケストラに新しい機能を求めた、BPOのコントラバスを最大10人ほどに弦を増強し、金管群が強奏しても各パートが聴けるようにとか、また演奏についても、低音楽器は(立ち上がりが遅れる分)早いタイミングで出るよう求めていて、カラヤンの"速いベートーヴェン・シンフォニー"の推進力を実現している。
カラヤンは録音技術にも拘っていて、生前の録音物に反映していたと思われる。'80年代の録音で、CDの鮮明な再生音を期待したが、意外なデッド・サウンドで、弦楽は分厚い塊、木管が遠い・・カラヤンの理想とする再生音かもしれないが、当時は不評だった。
1997年発売のDG SUPER BEST 101シリーズでこれをリマスターしたベートーヴェン「英雄」を聴いてみたところ、適度に残響が加えられ、デッドな感じからは脱したが、塊感は拭えない、ベームのリマスターCDほど良くはなっていない、どうもカラヤンDG'80年代のデジタル録音は今一つ。DG'70年代の録音はどうも音質が甲高いし;結局、最も良いのは'60年代の録音になってしまう、やはりLP盤で、ベルリン、イエス・キリスト教会でのセッションが良い。
再聴したのはドイツ盤で第5番「運命」をAB両面に分けてカッティングしたもの、micha
交響曲第5番ハ短調「運命」
kara be sym5a
ヘルベルト・フォン・カラヤン:指揮
ベルリン・フィルハーモニーO
1962年録音 DG

あのフリッチャイの「運命」と同じく、充実サウンドが満喫できる、違うのはカラヤンの推進力と痛快さで、凄いのは第三楽章でのコントラバス軍団、
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これは「運命」の録音史上最強かも、多勢のコントラバスが会場内一杯に響き、実在的なのが圧巻、これはCD化の音やLP片面に全曲収めた音では聴けない。終楽章はブラスが厚みをもって輝く、余裕を取ったカッティングのおかげで情報量の多い詳細な再生音だ。
kara be sym5b
↑デジカメでフラッシュを使い、自動露光させるとLP盤など黒い被写体は明るくなりすぎるので、指でフラッシュを半分ほど塞いで減光させています^^

今日もご覧いただきありがとうございました。

category: ベートーヴェン

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好録音再聴:K.ベーム-ベートーヴェン「田園」(リマスターCD)  

アナログ録音のCD化にあたり、何々の新技術でリマスターした、と謳われたものが多いですが、特に変り映えしないのが殆ど、しかし1993年発売のDGのNEW BEST 100で出たシリーズでは、リマスター云々は何も書かれていないが、音源のマルチ・トラックからバランスを取り直したような、好ましい仕上がりになっています。先日のベーム指揮:J.シュトラウスもそうでした。今日はベーム指揮、VPOのベートーヴェン「田園」のCDを聴きます。ホールの残響を多くし、自然で奥行きのある音場、低域のしっかり出るピラミッドバランス、音質も潤いがあり心地よい、O.スウィトナーの録音で馴染んだDENON-PCMの好録音に近い感じ?cd
交響曲第6番ヘ長調「田園」
boh be sym 6b
カール・ベーム:指揮
ウィーン・フィルハーモニーO
1971年録音 DG


第一楽章、ここは普通くらいのテンポ、VPOのしなやかな弦は絶品、ウィンナobがピンポイントで聴こえ、管もよいバランスで明快。ppをぐっと押えcresc.をかけるが強奏もvnが爽快、vcはたっぷりと潤いを聴かせる。
第二楽章、程よくゆっくりめ、ベームは過度にやんわりとはしない、始まりからこの2nd vn、va、vcが弾く小川の描写は端正で味わい深く、何かほっとさせる。
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木管も美しく、弦のじわっと歌いだすところがいい。ベームは消えかけのような淡い表現はしないので弱音にも筋が入っている。
第三楽章、ここも落ち着いたテンポ、ホルンの高鳴りとオーボエ、クラリネット、再びホルンと歌い継ぎ、各楽器が透明感を帯びて美しい。コントラバスの導入のあとの饗宴、重厚なサウンドで聴かせるが爽快でもある。
第四楽章、嵐の場面も決して乱奏的にならず、整った管弦楽を崩さない。十分迫力も聴かせながら、ブラスは透明、timpが要となって引き締め、常にバランスのよい響き。
終楽章、アレグレットで緩抒楽章的だが、オケの美質の聴かせどころでもある、管の導入のあと弱奏で入る弦のテーマは極めつけの美しさで始める、強奏に入ってもVPOのキメ細かい輝きを聴かせる、最後に弦がppでテーマを奏でるところはぐっと弱奏で祈るような雰囲気、ゆったりと聴かせているようで、じつは引き締めている。

LPのほうも少し聴いてみた、DGらしい中域に厚みを寄せた残響控え目のサウンドだが、これはこれでわるくない、弦の生っぽさなど、さすがLP盤。
boh be sym 6lp

今日もご覧いただきありがとうございました。

category: ベートーヴェン

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好録音再聴:フリッチャイの「第九」(LP)  

CDの収録時間は75~80分となっていますが、規格設定に当り、カラヤンの提案でベートーヴェンの「第九」が1枚に収まるのを目安とした、という話はよく知られています。
「第九」はLP盤1枚に入らないことはないけど、満足いく再生音にするのは難しかった、しかし兼価レーベルを中心に1枚ものは結構多かったです、1枚のスペースに長い「第九」をいかに収納してカッティングするか、技術的な出来具合にもマニアックな興味が湧きます。micha
1枚もので特に優れたのが、このフリッチャイ盤あたりかと思います、国内ではヘリオドールやDG SPECIALで再版されましたが、今日はたまたま見つけたドイツ盤です。
f be sym9
イルムガルト・ゼーフリート(ソプラノ)
モーリン・フォレスター(アルト)
エルンスト・ヘフリガー(テノール)、
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
聖ヘトヴィッヒ大聖堂聖歌隊
フェレンツ・フリッチャイ(指揮)
ベルリン・フィルハーモニーO
1957~1958年録音 DG


幸い、支障となるノイズ箇所が無く、ボリュームを上げて聴けますが、久しぶりにかけてみると、思ったほど上げずとも、少しでよいくらい、B面なんか結構スペースが余っている状態ですが、意外なほど充実サウンドです。1957年から翌年にかけての古い録音であるのも驚き。
f be sym9 b
フリッチャイ指揮のBPOにはフルトヴェングラー時代の空気が残っているようだが、音楽的に美しく治め、第一楽章は雄大ながら強引な表現には至らない、スケルツォも緊迫感十分に聴かせ、timpが鋭く飛び出す。緩抒楽章の傑作、第三楽章はBPOの美音を聴かせる、余韻を胸に留め、途中で盤を裏返すが、120小節から現れる金管のファンファーレ的なところ、
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122小節からのtrpのffをフリッチャイは一際強く輝かせる、これが見事な再生音で感極まる。終楽章の冒頭から前奏部分、ここも懐深く屈指の名演、そしてバリトンの第一声、潤いのある美声はD.F.ディースカウとすぐわかる、ディースカウの「第九」の録音はこれだけだそうで、貴重です。ソプラノのゼーフリートの透き通った声も良い。フリッチャイは声楽に入ってからはあまり粘らず、推進力を緩めず、痛快に終結する。

category: ベートーヴェン

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好録音再聴:フリッチャイの「運命」(LP)  

このところ毎日、LP盤ばかり聴いています、昨日の話題"昭和の電車"が走っていた頃の古い録音にも意外な好録音があります、古い録音は大抵、SN比が良くない、音に歪みがでる、テープノイズが入るなど我慢すべきところが多いのですが、たまに目の覚めるようなサウンドが聴けるものもあり、それもアナログ再生の楽しみです。micha
再掲ですが今日はF.フリッチャイのベートーベン交響曲「運命」のLPから"B面"を聴きます、これは盤状態の良いのを買い直したもの。
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フェレンツ・フリッチャイ:指揮
ベルリン・フィルハーモニーO
1961年録音 ヘリオドール(D.G原盤)
 


第三楽章から、フリッチャイはゆっくりと深い溜めを置くような低音ではじめる、弱奏の力で引き込む、そしてここからの低音弦がくり出すf、
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BPOのコントラバス軍団は比類のないほど深々と響く、古い録音では低音はゴリゴリ響く場合が多いが、この録音は空気を揺さぶる本物の低音、終楽章へと移行するところも、弱奏で引き付け、急激なcresc.にtimpが思い切り溜めをつけて終楽章に突入、じっくり堂々たるテンポ、ここでの金管群の響きも歪むことなく爽快に輝く、弦楽サウンドも美しく、運弓のデリケートな味わいが伝わってくる、総奏もバランスの良い響きで終結。

「エグモント」序曲が追加されているが、これもフリッチャイならでは、いわゆるロマンティック時代の演奏だが、絶妙なテンポや強弱の変化でこの上なく引き付けていき、終結は快速に締めくくる、今でもこれを凌ぐ演奏はない。
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現在は中古盤が安く手に入り、カートリッジや針も優れたものが出ている、その他の機材も良くなっている、アナログ盤が新譜として出ていた当時より、大いに楽しめる環境です。

category: ベートーヴェン

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W.サヴァリッシュ:ベートーヴェン 交響曲No.7(1962年録音)  

録音に最も拘った指揮者がヘルベルト・フォン・カラヤンだそうですが、彼はオーケストラを理想的に聴けるのはコンサート・ホールのごく一部の場所しかなく、録音なら全ての人が理想の位置バランスで聴ける、という理由です。そのわりにカラヤンのD.グラモフォンの録音って理想バランスに聴こえるのは少ない気がしますが?;

今日はしまいこんであったW.サヴァリッシュ指揮のベートーヴェン交響曲第7番イ長調、1962年録音の旧フィリップス(現デッカ)盤です。これが'60年代のフィリップスの名録音と言える逸品、CD化されているが、マスタリングが良いのか、サウンドは滑らかで心地よい、スコアの全パートが明確に聴こえてくる希少な音盤です。
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ウォルフガング・サヴァリッシュ:指揮
ロイヤル・コンセルトヘボウO
1962年録音
 


第一楽章、序奏の総奏音から、バランスの良い好印象、弦も充実しているが、木管が前に出て色彩感豊か、主部に入ると程良く快速、覇気に満ちた演奏、弦の内声もよく味わえる、2nd vnの細かな動きなど、躍動感の源、(これが聴こえにくい録音が多い)
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第二楽章、テンポは普通くらいにとる、イ短調に始まり、イ長調となる、ハ長調に変わった2小節目でtrpとtimpがppで鳴らされるが、
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こうした忍ばせたような弱奏の効果も明快な録音ではじめて気づく。
第三楽章、スケルツォも中庸か快速気味、トリオの金管とtimpの高鳴る部分、サヴァリッシュはかなりエネギッシュに轟かせる。
終楽章、期待どおり、荒っぽさはなく、気迫と理性が伝わってくるような演奏で終える、ザヴァリッシュ38歳の時の覇気冴えわたる演奏。

いわゆるオーディオ的に満足できる録音と、詳細に鑑賞できる録音とは少し違うかもしれない、当盤は後者になる。

category: ベートーヴェン

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サヴァリッシュ指揮:VPOとVSO  

今日はW.サヴァリッシュが指揮した、いずれもライヴ録音で、ウィーン・フィルハーモニーO(VPO)とウィーン交響楽団(VSO)の聴き比べです。

まず、VPOを指揮したモーツァルトの交響曲No.39(1983年録音)、
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ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1983年、ライヴ録音

これは再掲になりますが(→過去記事)、いかにもサヴァリッシュらしい水も漏らさぬ演奏で、VPOのサウンドは確かに伝統の美質も感じさせますが、グローバル化した一流オケ、とも受け取れる感じです。

そこで今日のメインは同じくサヴァリッシュがVSOを指揮した、ベートーヴェン交響曲No.3「英雄」(2000年録音)、
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ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮、ウィーン交響楽団
2000年6月ライヴ録音

比較的近年の演奏ですが、サヴァリッシュが老境に入ったことも反映してか?オケの持ち味を存分に聴かせる。
第一楽章開始の総奏に続く弦の味わいに「ああ、これだ!」と思わせる、ウィーンの昔ながらのローカルな響きが迸る、弦のタッチは常に優しく、ふくよかなヴィヴラート、音の立ち上げも柔らかで、味わい深い奏楽音で満たされる。木管もしっくり溶け合い、ゴツくさい響きは一切ない。それが、サヴァリッシュの凛然としたコントロールで進められる。
第二楽章はゆっくりとしたテンポで、さらにVSOの美音に浸らせ、後半のフーガではまさにじりじりと深く引き付けられる。
第三楽章、スケルツォは快速にキビキビと決めるが響きはあくまで爽快。
終楽章、乱奏的な導入のあと、フーガの書法も含む充実した変奏楽章となる、はじめのほうでは弦のフェルマータの付くpの奏音に魅了される、変奏が進み木管も金管も活躍するが、各楽器が色彩感豊かに味わえる。終結部で再度始まりの乱奏があり、プレストの指示だが、ゆっくりめに、じっくり堂々と終わる。

聴き終えて、VPOによる堅牢なモーツァルトのNo.39が"英雄交響曲"で、VSOによるベートーヴェンのNo.3のほうが"歌うシンフォニー"のような印象を受けた^^

category: ベートーヴェン

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O.スウィトナー:ベートーヴェン 交響曲No.9「合唱」 (LP)  

これでスウィトナー、SKBによるベートーヴェン・シンフォニーはCDとLP、両方で全部揃いました^^最後に取り寄せたのが第9番、2番の入った2枚組です。
これがまた「見本盤」というレアものv、いつもながらDENONのLP盤は製造時点からの不具合箇所が一つもない品質の良さです。

sui be sym9
オットマール・スウィトナー指揮
シュターツカペレ・ベルリン
1982年、東ベルリン、キリスト教会


針を下ろせば、やはりCDより一段冴えた、生々しく奥行きのあるサウンドが拡がる。録音方式の違いが影響を与えるとは思わない、逆に言えばアナログ盤にこれだけの音が収まるなら、CDにはゆとりで収まるはず、要は音の仕上げ方しだいだと思う。しかしCDはどうしちゃったのか、やや縮小コピーみたいな仕上がりに聴こえる。

スウィトナーの第九、まず、第一楽章は中庸のテンポ、始まりも極端なppではなく、極端な強奏もない、清涼な弦楽の響きに金管とtimpを活かしたダイナミズム、各楽器の弱奏も分離してよく聴こえる。スマートな流れというより、モサっとしている感じだが、それが曲のうま味を搾り出すかのように引き付ける。そんな演奏を生々しい録音がスケール雄大に聴かせる。
第二楽章、スケルツォは快速で、スウィトナーらしい力まずピリっとした切れ味がいい。
第三楽章はさらりとした感覚、粘っこく歌う表現はなく、変奏が進むにつれ、熱気を帯びてはっとさせる、この素晴らしい緩叙楽章の一つの理想とも感じる。
終楽章、金管の力強く透明な響き、timpの引き締めで心地よい開始、コントラバスの懐深い響きは格別だ、独唱、合唱陣もあまり張りつめず、スウィトナーの第九にふさわしい歌唱でまとめ、上々の仕上がり。

category: ベートーヴェン

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F.フリッチャイ:ベートーヴェン交響曲No.9「合唱付」  

年末だから、というわけではなく、お気に入りのLP盤を廻したくなり、取り出したのがF.フリッチャイの第九です。
この録音は初めCDで聴いて演奏に魅了され、やがてLP盤でも聴きたくなり、中古ショップで探しましたが、何しろ1時間20分もの間、ノイズなど不具合箇所のない盤はなかなかありません;3枚目に見つけたドイツ盤、これは合格!

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フェレンツ・フリッチャイ指揮、ベルリン・フィルハーモニーO
イルムガルト・ゼーフリート(S)、モーリン・フォレスター(A)
エルンスト・ヘフリガー(T)、D.フィッシャー=ディースカウ(B)
聖ヘトヴィヒ大聖堂聖歌隊
1957年録音、D.グラモフォン


1枚のLPにこれだけの演奏時間を詰め込むのは難しいが、細いカッティング溝内にいかに技術を投入しているかも逆に興味が湧く^^;フリッチャイの演奏は強弱の懐深いだけに、開始の弱奏など本当に小さく、ボリュームはかなり上げぎみになる、それだけにスラッチが出ないのは助かる^^vしかしこの盤は強奏に入ると弦楽の潤い、透明な音場、意外なほど鮮度の良いサウンドが聴かれ、マスターテープが劣化していない頃に原盤が作られたのだろうか?盤面を比べると国内盤とはカッティングが異なるのがわかる。

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国内盤

第一楽章は遅くない自然なテンポ、強弱の起伏を深く、ビシっとした響きの緊張、やんわりとポルタメントの効いた弦、常に引き付ける気迫を維持し、時間の経つのも忘れる、大袈裟ではないが効果的なアッチェルランドを行う。
第二楽章は快速、スケルツォのリズムがことのほか緊迫感があり、強弱が深く、ピアニッシモになるほど引き付ける。
そして素晴らしい第三楽章、年末に第九を聴くという習慣で意義があるのはこの第三楽章が一年の心の垢を洗い落してくれる効果だろうか。長い変奏曲だが、変奏曲であることを忘れて自然な雲の流れのように聴いてしまう神がかった傑作楽章。フリッチャイは起伏の深い演奏で理想と言える、終番ではトランペットが鳴り響くが、この響きが半端じゃない高鳴り、終楽章の前にも大きなクライマックスを聴かせる。第三楽章の途中で盤を裏返すことになるが、それが楽しみな?充実感。
終楽章の乱奏的な始まりは管の響きが中心、バス弦によるレシタティーボは深々と響く、ここは音盤の優秀さで満足、バス弦で始まる歓喜の歌は遅くせず淡々と始め、声部が重なって壮大に発展、アッチェルランドがかかり、再び乱奏、声楽部へ突入、ディースカウの潤ったバリトンが始まる。ここまで聴けばあとの見事さは十分予感できる、

category: ベートーヴェン

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O.スウィトナー:ベートーヴェン交響曲No.1  

スウィトナーのオーケストラ音盤を聴いていつも思うのは、まさしく"交響"であり、"塊響"になっていないこと。演奏はもとより、録音スタッフの技術とセンスにより最高の出来栄えとなっている。世界に先駆けたDENONのデジタル(PCM)録音であるが、その音源をLP盤に収めるカッティング技術もまた素晴らしく、何度か同録音のCDと聴き比べたが、不思議にもLP盤のサウンドの豊かさに軍配が上がる。お気に入りのLP盤は予備をもう1枚置いている^^

今日はベートーヴェン交響曲第1番に針を下ろした。
sui be sym 1
ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調
オットマール・スウィトナー指揮、シュターツカペレ・ベルリン


清涼で味わい深いvn群、懐深い低音のピラミッドバランス、2nd vnやvaの内声もくっきり、そこに管が鮮やかに溶け合う、この好バランスの響きを聴くだけで満足だが、スウィトナーの一言で言えない音楽作りに引き付けられる、スウィトナーの指揮ぶりは外見はぶっきら棒と言われるそうだが、もはやオケとは以心伝心かと思われるような、じつにデリケートな要求が実現されている。
ベートーヴェン交響曲第1番は上手い演奏は多々あるが、角張った武骨な演奏に陥るところ、スウィトナーの演奏は常に強引さのない力感が心地よい、力強く始める序奏も清潔感を伴い、主部へ流れこむが、pで始める動機がしなやか、これは繰り返され、25小節でsf、そのあとが余韻の響きのようにpで奏される、
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スタッカートも強調せず、感覚上はレガート、この何とも言えぬセンス、耳疲れせず、最後まで聴き味わってしまう。
第二楽章で、timpが弱奏する所があるが、これも余韻までよく聴かせ、他のパートが邪魔をしない絶妙バランス、
メヌエット、事実上スケルツォだが、スウィトナーは期待どおり、快活にまとめる。
終楽章、導入部があるが、開始はズバっとダイナミック、ここもスウィトナーらしい、そして軽快な主部は心地よく、快速で見事締めくくる。

この演奏(録音)を聴くと、同じ音作りで、ハイドンのsym 102番や103番など録音があったら、さぞかし素晴らしいだろうと思えてくる・・^^;

category: ベートーヴェン

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フルトヴェングラー:ベートーヴェン交響曲「英雄」1944  

フルトヴェングラーの取り上げるベートーヴェン交響曲といえば圧倒的に奇数番が多いです、当然これらが可燃性の高い曲だからでしょう^^晩年近い録音ほど状態は良くなってくるものの、フルトヴェングラーらしい熱気が醒め気味なのが残念。先日の中古セールで見つけたfontanaレーベルのLPは1944年、フルトヴェングラー壮年期でVPOと放送のために録音した音源だそうで、その後1952年にVPOとセッション録音されたEMI盤よりも期待できそうです。

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ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮
ウィーン・フィルハーモニーO
1944年


完成度としてはEMI盤が上なんでしょうが、fontana盤のフルトヴェングラーは古いながら聴き応えのあるものが出ていました。今回の「英雄」は思いのほか録音も悪くなく、VPOの美質もよく伝わってくるし、景気良く火をつけます。

ベートーヴェン交響曲第3番「英雄」
第一楽章、長くて起伏の多いこの楽章はフルトヴェングラーのためにあるような曲だ、芸風が炸裂、キレたようなスロットルの踏み込み、減速が曲の進行によく同調し自然である、EMI盤の全てがセーヴされた模範演奏的な内容とは大違い、展開部や終結部でのアッチェルランドに伴う爆撃的ダイナミズムに圧倒される。
第二楽章はきわめてゆっくり、コントラバス群の地の底から唸るような響き、フーガ部分では壮絶感の極み。楽章は中ごろで切れ、B面に続きが入っている、演奏時間からしてカッティング配分はいたしかたない。
スケルツォは予想どおり、切迫感とダイナミズムで攻めてくる。
終楽章、変奏曲だけに、その場ごとにフルトヴェングラー極めつけの技を存分に聴かせる。
これは何気なく買って良かった名盤。

もちろんEMI盤にも違った意味での価値がある。
fur be sym3 emi
1952年録音、EMI盤

ところで当盤のジャケットにはリハーサル風景らしい写真が載っている、フルトヴェングラーといえば厳めしい顔しか憶えがないが、こんな写真は珍しい^^
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category: ベートーヴェン

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