Micha: Classic音楽とLuteの楽しみ

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学の話など

65kg  

リュートの響板はこのように響孔から懐中電灯の明かりを入れると提灯のように内部が透けるほど薄い(2mm以下?)
11c lute
13コースバロックluteでは弦を24本張るが、1本当りの張力は平均2.7kg程度とおそらく弦楽器の中で一番緩いと思う、しかし24本の合計で約65kgになる、
(*ちなみにクラシックguitarは6本で45kg前後)
seisansiki.jpg
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13コースリュート張力計算表
この薄い響板に細いブリッジをニカワ接着しただけのところに大人1人がぶら下がるのと同じ力がかかる;
002_20180524110659bef.jpggt02_20180524110658521.jpg
騙されている気がする;これで壊れるなというのが無理というか、もっと緩くするのが正しいだろうと思う。

ルネサンス期のリュートは初め6コースくらいで、張力合計約30kg、楽器の構造に対し健全でこれが完成形に思うが、
6c lute
6コースlute
時代が下り、音楽の求めに応じて低音コースが増えていった、少コースのリュートを改造したのもあった、バロック後期には13コースになり、壊れる寸前で持ちこたえている?
あまり気にすると精神衛生によくない^^;

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弦の不振動部分 (追記:燕)  

リュートの弦はナットとブリッジ、あるいはフレットとブリッジで止められ、その間が振動するが、厳密には端から端まで振動していない、大なり小なり、固定された近くは弦の素材の硬さが原因となって不振動部分が生じる、弦の質が硬く、弦長に対して太いほど影響が大きく、ハイポジションほど、不振動部分の占める割合が増えて、実質の弦長が短くなり、ピッチが高めになる。 
001_20180509083646a5b.jpg
リュートの低音に張る単線のガット弦やクラシックギターの③弦のナイロンも太いので、この傾向が出やすい、
バロックluteの6コースに単線のガット弦(キルシュナー)を試したが、ハイポジションでピッチが高めになる、
gut K
ギターの場合、サドルに③弦の弦長を少し伸ばす工夫も見られる。
c guitar
リュートの場合はフレットの位置を動かせるが、問題はオクターヴ調弦に張ったコースで、オクターヴ弦は細く不振動部分は僅かだが、低音弦はそれが大きい、よってハイポションに行くほど、低音弦のピッチだけ高めになる、これは調整のしようがないか?
この問題を避けるには、
1.巻弦を使う、芯線は柔らかいので、こういう問題は出ない、
2.太くても十分柔らかい材質の弦を使う(AquilaのローデドNG弦が柔らかいのはこの解決と思われる、ただし6、7コースに使う太さには振動不良が多い;)
l ng
11c L NG
6コース以下はオクターヴ調弦

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追記:ツバメの巣がだいぶ出来上がってきた
tubame 5 9 c
つがいが引き込み電線に止まっている
tubame 5 9 a

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手入れも楽し  

このところ、やたら忙しく、リュートを持とうという気になれない、時間がないわけではないが、落ち着かなければ手につかない、そんな時は音楽ではない作業だけしておく。
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久しく休ませてあったジャーマンテオルボ、どうもダブルコースの間隔が近すぎて特に3~5コースが強く弾くと弦がぶつかりやすかった。
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ナット側はちょうど良いのでブリッジ側を広げるよう、弦の穴を横に広げ、間を開けて止まるようにした。
gen ana
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穴を広げた細ヤスリ

注文してあった、ローデドナイルガット弦がタイミングよく届いたので交換、今まで低音は全てフロロカーボン線を張っていたが、もう少し"芯"のある音にしたかったので、8コースと11~13コースをローデドNGに替えた。
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ローデドNG弦は2017年10月製造(Aquila社)、改良後の製品で"切れる"問題は解消され、好ましい鳴りで振動も良いようだ、
gt 06
赤褐色の弦がローデドNG
しなやかで扱い易く、温度・湿度変化でピッチが殆ど狂わないのが何より助かる、
(フロロカーボンも影響の少ない性質だ)
ギターの巻弦は古くなると替える必要があるが、これは振動が良ければずーっと使えるv
gt01.jpg
5月か6月に少しはやれるかな、

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道楽のリュート  

当ブログも年が明けたら6年目になろうとしています、長々と飽きもせず、進歩のない話を書き散らかしています^^;
自分が初めてリュートを手にして37年、バロックluteまで手を広げて32年と、恐ろしく年月が経ち;一番長続きしている道楽です。

クラシックに興味持ったのは中学あたり、音楽の教科書に載っていたリュートの絵はどこか古雅な姿で惹かれたが、どんな音か聴いたことはなかった。
lute pic
一旦歴史が途絶えた楽器だが、古楽復興の動きの中で先駆者となる奏者(研究者)が現れた。
その音がラジオなどで聴かれるようになり、イメージにふさわしい古雅な音色に魅了された。
この雰囲気はギターでは表現できなかった、
11c lute
リュートをどうにか手にした頃、日本はまだ黎明期で、楽譜も交換弦も簡単には買えなかったが、徐々に環境が整い、さほど不自由はしなくなった。
バロックlute作品の楽譜は今も印刷出版されるものは少なく、手稿譜の写しを使っているが、誤植が生じない点は逆に助かる。
リュート譜(タブラチュア)は決められた調弦で、どの弦のどのポジションを弾くのかを明記する記譜法で、左手、右手の指使い符号まで書き込まれた譜もあって、作曲者がどんな響きを求めているかが直にわかり、効率的な運指法の参考にもなる、
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五線譜以上に具現化しているようで、大昔の作曲者(日本では江戸時代)と譜を通して共感するような近しさを覚え、そこが面白い。
取り扱いは面倒だけど、それも楽しく思えるのが道楽^^;

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ナットの溝幅  

リュートの糸倉はなぜ後ろに折れているのか?諸説ありますが、楽器を構えた状態で調弦するとき、ペグが近くなるのは良い、しかしナットへの圧力が強いので調弦がやや合わせ辛い、反面、調弦が合えば、その状態で食い止めている、という効果もあるようです。ちょうど折れるカドになるのがナットで、断面のカーブや弦溝の状態など、調弦の具合に影響します。
11c lute

先般、KF弦に戻したナットの補修をしました、手持ちのリュートは元々、低音弦の溝幅は巻弦の太さに対応していました、近年はガット、KF、Loaded Nylgutなど、径の太いものを使うようになり、溝がそのままでは開放弦で異音を発することがあります、
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弦が嵌り込んでいないため、ナット上で振動して、ビーンと"サワリ"みたいな音が出ます、
ぴったりでなくてもよいので、溝が弦を食い止められるように調整します、
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この細ヤスリ1本でなんとかなります、拡げ過ぎもいけないので注意してやります、ブリッジの弦穴を拡げるにも重宝です。
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*径:1.2mm

追記:あとナットの断面の形状も影響しやすいと思います、
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ナットのカーブがすぐに下がっていく形なら、弦の振動はナットの端で止まりやすいですが、平坦な部分が長くなっていると端で振動が止めにくいと思います、ギターやテオルボ型のナットはどうしても下図の状態になりますね。

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Making an EMS Lute Kit  

動画サイトに楽器製作の様子もいろいろ紹介されているようです、
もちろん良い楽器の動画もありますが、

なんか見覚えのある姿が・・
怖いもの見たさで目に付いてしまった、EMSのリュート・キット、
(*EMS:国際郵便の略号じゃありません)
Early Music Shopといえば昔から、古楽器のキットや完成品を出しているようです。

これは最近のものではなさそう?ですが、EMSからリンクされている動画です、
EMS01.jpg
you tube:Making an EMS Lute Kit

EMS02.jpg
湿気対策?・・・・・;
ems lute 03
ビニル線フレット
バックに流れているのは同楽器の演奏かな、
マイッタというか・・
パラレル・ワールドの、一見似ているようで違う世界を覗いた気分^^;
"むこう"ではこれが普通なのかもしれない・・
EMA04.jpg
最近のキット(お値段はKingham のケースより安い!)

わざわざご覧いただき、ありがとうございました;

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やっと切れた!【Loaded Nylgut】  

9月3日午前11時頃、リュートケースの中から"パンッ"という余韻を伴った音がして、
「おっ、ついに!」と思って開けたら、13コースluteの⑪コースが切れていました^^
13c lute cd
Aquilaのローデド・ナイルガットで、赤みが濃い色なので、2016年製造のものです、切れた箇所は指板上の位置で、断面はこのようにプッツリ破断した様子です、
a l ngl ng
こういう太い弦が切れるというのは歴史上初めてでしょう!^^;

代りの弦を注文するにも、また10日ほどかかるし、同時期の在庫品でまた切れるのが届いても困るし、ひとまず、もとのKF弦(フロロカーボン)に全部戻しました、
13c lute kf
もし再注文するなら、期間を置いて新しく入荷したものにしたいです、Aquila社は材料を替え、改良品を出すと言っているそうで。
ついでに2つの11コースluteもKFに戻しました、
11c lute kf
しばらくぶりにKF弦で鳴らすと、懐深い低音が出て、こちらも捨て難い良さがあります、
このままでいくかもしれません?
筆者個人の見解です

ご覧いただき、ありがとうございました。

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弦の止め方  

また楽器のメンテの話です、次は別の話にします;

低音弦のローデド・ナイルガットはさらに切れたという知らせを聞く、購入した時期からみて、同じ生産ラインだったと思われるが、うちの楽器ではまだ1本も切れていない?
l ng
糸倉が後ろに折れたリュートでは、弦がナットに強く押しつくので、調弦を上げた場合、糸倉のほうがテンションが高くなっている、ここも切れやすいところかもしれない、
この13コースluteでは、
13c lute
・弦のナットと摩擦する部分には固形石鹸を塗った、
・ペグが遠い弦はアラミド糸で繋いだ

という対策で糸倉内では少しは持ちこたえているかもしれない、しかし、張ってある中間でも切れるそうなので、もろいことは確かなようだ。

もう一点、細いナイルガットだが、①コースがブリッジでよく切れると聞く、これもなぜか自分の楽器では1度も切れたことがない? 1、2年張りっぱなしのもあったような;
ng40.jpg
NG40
切れるとしたら、この交差した所だろう、
bridge.jpg
ブリッジの穴に弦を2回通して絡めたりするが、こうすると思い通りの弦高で止めやすい、
弦の細い③コースくらいまでなら可能、
11c lutebridge02b_20170826105915c0b.jpg
2回通したあと、普通に絡める
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普通は①のように止まるが、2回通しすると滑りが止まり、②、③のような止め方がしやすい
2回通しの場合、交差した所の圧力を軽減しているかもしれない?いずれも推測だが^^;

"弦高調整"のついでに、バロックギターのブリッジを見ると、「下駄式」と呼んでいるが、こんな様子、開口を▼形にして接着部を広くしたものもある、
b gutar01
ダブル弦の間隔を調整でき、①コースはダブル、シングル、どちらも対応できる、
さらに、このようにブロックを挟み込んで、弦高調整も可能なようだ。
b guitar02
はじめからブロック使用タイプと思われる

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ローポジションのフレット  

前にも書きましたが、自分の指は低反発でフニャっとしています、m
「撫で撫で」するにはいいかも(笑)
yubi02b.jpg
リュートの弦を、指先で押さえるにも、セーハするにも、弦が指の方に沈み込み、押えが弱くなるのが悩み;特にローポジションはフレット間が開いているので、
11c lute o
指の態勢によっては、フレットの傍を押え難い場合もある、ローポジションのフレット径が0.7㎜くらいだと、かなり辛い;最低でも0.9mmはほしい、
001d_20170825121528ce5.jpg
先日、11コースluteのナットを補修した際、思い切って太いフレットガットを巻いたら、結構押えが効くのがわかりました、
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これなら指に沈み込んでも、なお押え込める、⑤コース以下なら弦自体が太いので押えやすくなるけど;①~④コースあたりが助かる、
1フレットで1.0mm以上、5フレットで0.8mm切らないくらいが良い、
f gut
フレットガット:1.15mm
ちょっとだけナットを高くすれば太いのが巻けるし、ハイポジションも順じて調整すれば弦高にも影響はない、ブリッジ側の高さからして、限度はあるけど、押え辛い楽器はこのように設定し直してみようと思います。
ローポジションから順に決めていきますが、もし次に巻いたのが太過ぎてビリった場合、外すのももったいないので、サンドペーパーで適度に削ります、
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指板を削らないよう両サイドにテープを貼って・・;

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ナットの底上げ  

古いほうの11コースluteはナットを作り替えた際、どうやら低音側を低くしすぎたようで、低音の開放弦がフレットに当っていました、
11c lute01
nut01.jpg
また作り替えというのも大変なので、ひとまず、ナットの底に薄いプラスチック板を接着し、低音側を高めに、傾斜をつけて削りました、
nut 02
nut b
*こんな要領で削った
とりあえず、問題は解決v
ちょっと弾いてみて、微妙な弦高の具合は溝の深さで調整しました。

このリュートは弦高を低く補修済みなので、フレットは1ポジションから徐々に細くしていく加減が難しいです、スタートの1フレットは1.15mmにしてあります^^;
11c lute03
しかし、①コースのⅦポジションで指板から弦の下面まで2.7mmと、ひじょうに押えやすくなっています。
このリュートにもローデドNGを⑨~⑪コースだけ張ってみました、
11c lute02
これも良いけど、今までのKF弦(フロロカーボン)もわるくない感じ、KF弦は減衰が早いので、"ボン"と低音の出が強く、フレットにビリつくことも少ないです。

余談:一昨日の記事でふと気づいたのは、
tiger.jpg
peg 13c
自分は同じ回転物がいくつも並んだ構成美が好きなんだと・・(笑)

ご覧いただき、ありがとうございました。

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