Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

ナットの底上げ  

古いほうの11コースluteはナットを作り替えた際、どうやら低音側を低くしすぎたようで、低音の開放弦がフレットに当っていました、
11c lute01
nut01.jpg
また作り替えというのも大変なので、ひとまず、ナットの底に薄いプラスチック板を接着し、低音側を高めに、傾斜をつけて削りました、
nut 02
nut b
*こんな要領で削った
とりあえず、問題は解決v
ちょっと弾いてみて、微妙な弦高の具合は溝の深さで調整しました。

このリュートは弦高を低く補修済みなので、フレットは1ポジションから徐々に細くしていく加減が難しいです、スタートの1フレットは1.15mmにしてあります^^;
11c lute03
しかし、①コースのⅦポジションで指板から弦の下面まで2.7mmと、ひじょうに押えやすくなっています。
このリュートにもローデドNGを⑨~⑪コースだけ張ってみました、
11c lute02
これも良いけど、今までのKF弦(フロロカーボン)もわるくない感じ、KF弦は減衰が早いので、よりガットに近く、フレットにビリつくことも少ないです。

余談:一昨日の記事でふと気づいたのは、
tiger.jpg
peg 13c
自分は同じ回転物がいくつも並んだ構成美が好きなんだと・・(笑)

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

tb: 0   cm: 2

低音弦が切れる!?  

待望の低音弦が出た、と喜んだばかりですが、
そのAquila、ローデド・ナイルガットが一部「切れてしまった」という報告があります、最低音の太いのでさえ・・気を揉ませますねえ^^;
l ng
切れた箇所はブリッジやペグ付近ではなく、張ってある中間だそうです、モダンギターの④,⑤弦が切れるのはよく聞きますが、巻弦ではない太い弦が切れるというのは前代未聞、
ローデドNGの鳴り方はひじょうに好ましいので発売以来、よく売れていると思うけど、一連の製造の中で起きた問題か、根本的な品質の問題か?根本的であれば世界中のユーザーのところで切れているでしょう、
Aquilaは次の製造では切れないものを出すと言っているそうですが。

ちなみに私の13コースluteには7月5日に張りましたが、
今のところ切れて・・(確認)・・いません^^;
13c lute
こんなふうに糸と連結させるとやばいのかもしれないけど;
"麺"に例えると、ツナギの成分が足りないのかな?
しかし失敗はあるものの、Aquilaほど新製品に前向きな弦メーカーはないので、今後の改良に期待したいです。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

tb: 0   cm: 0

リュート譜 いろいろ  

リュート譜(タブラチュア)はルネサンス期までは愛好家人口も多く、活版印刷されて出ていた、アルファベットや音価の活字と、音がない所は"線の活字"を並べて印刷されていた、m
R Dow
ロバート・ダウランド曲集より
バロック期になると、プロ奏者や限られた愛好家の間で、もっぱら筆写して伝わり、たくさんの印刷物は必要なかったようだ、
saizenay_20170728081959e00.jpg
saizenay写本より
saizenayは当時の有名なリュート奏者の良い作品を集めた写本で貴重な一つ、
J Gallot
ジャック・ガロの曲集より
j bit
ヤコブ・ビュットナーの曲集より
J.ビュットナーの曲集は非常にきれいに書かれた例だ、いずれも曲の終りに"減衰波線"が大抵書かれている、

*そういえば、羽ペンを作って書いてみたことがある、
hane pen s
拡大画
ボールペンのように筆圧がかけられないので、丁寧に書く習慣がつく;

そして、バロックリュートで欠かせない作曲家、シルヴィウス・レオポルト・ヴァイス、その作品の多くを占めるドレスデン手稿譜は、ヴァイスの活躍したドレスデンの図書館に保管されていた、これらは複数人の筆跡が混ざっていて、
weiss01.jpg
weiss02.jpg
weiss03.jpg
weiss04.jpg
①~④ S.L.ヴァイス、ドレスデン手稿譜より
ヴァイス自身の筆もあるかもしれない、書き方の流儀は様々で、一曲の最後には"減衰波線(または螺旋)"の印が付いたり、無かったり、組曲の終曲に"Fine"と書いてあったり、
この図書館は戦時中も空襲を免れ、消失せずに残ったのは幸運だった、バッハなら写しや出版譜があちこちにあっただろうが、ヴァイスはここがやられたらおしまいだった;

地味な譜面が続いたので、ちょっと絵画を(勝手にセリフを付けてみた^^)
Gerard_van_Honthorst_-_20170729152129045.jpg
Gerard van Honthorst 画
ヘラルト・ファン・ホントホルスト(1592-1656)は、バロック期オランダの画家、リュート奏者を描いた作品もけっこうある、燭光の室内をリアルに描いた作品が多い、
Original.jpg
Jesus3.jpg
上:オリジナル画、下:絵を再現した写真

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

tb: 0   cm: 4

理想のテンション  

バロック期のリュート奏者はどれくらいのテンションで弦を張っていたのか?ブリッジ近くを弾く例が多いのでたぶん緩かったことと推察しますが、奏者それぞれで差はあったでしょう。
b lute01b lute02
バロック期のよくある例
現代では、プロの方々で公開演奏する人は強めに張っているかもしれませんが、いわゆるプライヴェートな使い方で、ちょうど良いところはどれくらいか?
リュート弾きの皆さんはどれくらいで張っておられるか、参考に知りたいところです。

因みに私の場合はこんなところです、A=415hzで計算していますが、適宜ピッチを下げることもあります、
001_20170720011237559.jpg
13コース バロックリュート(弦長 69.5/78cm)
緩めのほうと思いますが、緩いなりに右手はブリッジ寄りに手応えの良い位置へいきます。
ただし、上の計算表は弦メーカーが用意しているcalculatorと同じく、弦が伸びない仮定の計算結果で、選定のときの目安値です。テンションは弦長内の弦の質量を基に計算しますが、実際、弦は伸びて数値は下がります。

新しい弦を張るとき、弦のナット位置に印を付けておき、巻いて安定した頃、また印を付けると、全体の何%伸びたかわかります、
002b_20170720012012adb.jpg
伸びた分だけ質量が減ったわけで、弦長70cmの楽器で10cm伸びたとすると、弦長内に残っているのは87%になり、テンションも同じ率だけ下がることになります。しかしそれが実用上、ちょうど良い張り具合なら問題ないわけで、計算上のテンションではないというだけです。
ガット弦は伸び率が低いのでテンションは強く保たれる、ナイロンやNG等はかなり伸びる性質なので、選定を考慮すべきでしょう。

楽器の性質や強度、奏者の弾き方で変わってくるので、これが標準、と決めにくいでしょうが、すぐ変形したりしない範囲ですね;

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

tb: 0   cm: 0

ローデドNGに張り替え  

頼んであった低音用の弦、ローデド・ナイルガット(以下、NGL)がようやく全部届き、昨夜は13コースluteの張り替えをしました。ゲージの"115"と"120"がなかなか入荷せず、それは抜きにして送ってもらいました。
13c 01
NGLの難点としては、最初張るとき非常に伸びて、ペグの巻きしろが足りなくなるという点、また⑥~⑧コースに使う細めのゲージに振動不良の確率が高いところ、もしダメだったら、KF弦のままにしようと思ったが、今回のは使えそうv
伸びが多いことへの対策として、どれくらい伸びるか印を付けておき、その位置から伸びない性質のアラミド糸などに連結してペグに巻く、
13c 06
巻く前、連結部は指板上の丸印の位置にあります、巻いて調弦が合うとき、ちょうどナットを超えるくらいにします(越えるときはちょいと摘みあげる)、ペグボックス内での伸縮がないので、ペグが遠い⑥~⑧コースも微調弦がしやすいですv
NGLの良い点としては、柔らかくて巻き付けがしやすい、また、他の硬質の弦はナットに当る部分で"折れ形"が付いて微調弦し辛くなるが、
ore kata
その問題も少ない、最初は伸びるが、安定するのは早い、太いものは振動不良が少なく、音程が明確になる、といったところ。シングルに張るテオルボの低音、弦長の短いルネサンスluteやヴィウェラにも具合良いでしょう。
ひとまずNGLでいきますが、今まで張っていたKF弦もわるくないです、もっと図太い鳴り方がいいな、と思ったらKF弦かな^^;

PS.7コースluteの⑤コース用:1本を半分に切って節約、ギリギリとどいた;
7c lute01
ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

tb: 0   cm: 0

Lute:タブラチュアについて  

一応、リュートのこと、書いているブログですが、よく引用するリュート譜(Tablature)はリュート弾きにしか馴染みがなく、意味不明で申し訳ないので、あらためて概略を書かせていただこうと思います。

タブラチュアは横線が弦を表し、線上にアルファベットで押える位置を示します、aは開放弦で、b,c(r),d,e・・と順に記号が決まっています。
(*ceと見間違いやすいので、代りにrを使うことが多いです、jiと間違えやすいので、とばしてkにします。)
各コースの開放弦と実音を対照すると以下のとおり、
tab01_20170626100228584.jpg
B lute tu02
①~⑥コースまではバロックlute調弦で譜例のとおり六本線上に書かれ、⑦コース以下は音階で下がっていく調弦で、基本的に開放弦のみ弾きます、よって線を引く必要はなく、下の線外に弦を示す記号があればいい、⑦~⑩コースまでは a~///a のように書きますが、それ以下は4、5、6、(つまり斜線の本数のみ)、数字で書きます。開放で弾く低音は曲の調に応じ、♭や♯に調弦を変えます。
以下は指板上の音を示した図と楽器を同じ向きに置いた写真です。
b lute fb
13c lute f b
指板上は図のように、同音が別の弦でも出せるところがあり、どの弦を使うか(どう運指を取るか)は迷うところですが、リュート作品は作曲者がそれも決めて書くことになります、どう運指をとるかで響き方が変わり、そこは作曲者の意図が反映しているので、変更せずタブラチュアどおりに弾くのが原則、というか鉄則に近いです^^;

参考:バッハBWV998のアレグロ、下のタブラチュアは現代書かれたもので原調の変ホ長調にしてある、タブラチュアの上に音価を示す旗が最小単位で記される。
bwv998 sc
bwv998 tab
赤囲いの音は⑦コースを押えるところ、⑧コースを押えるときは"/b"のように書きます。
PS.この曲の動画(Lute:今村泰典)
you tube: Prelude, fugue and allegro in E flat major BWV 998, III Allegro

五線譜じゃないのがリュートを入門し辛くしているかもしれませんが、馴れればとても助かる記譜法です、現代のギターでも「タブ譜」ってのが一部使われますが、同じことです。

ご覧いただき ありがとうございました。

category: リュート

tb: 0   cm: 2

ナット溝の位置調整  

今やっている、S.L.ヴァイスのフーガの始まりで、いきなり押え辛いところがあります;m
tab01_20170623084357506.jpg
赤丸は③コースを小指4で押えるけど、この楽器は2本とも掴みづらく、音がビリやすい、
11c lute00
さらに0.2mmほどナットで間隔を寄せました、写真では変わりなく見えますが;これだけで押えやすくなります。
11c lute01a
11c lute01b
11c lute02
調整はこれで2回目です;弦1本の幅もない調整なので、円面の鑢で今までの溝をキャンセルして、浅く彫り直しました、
nut_201706230846494a2.jpg
ナット面は綺麗じゃなくなるけど、まあ目立ちませんね^^;
しかし、ハイポジションほど間隔は開いていきます、運指上可能であれば、ローポジションで触れておき(押えず)ずらすという手もあります。

ご覧いただき ありがとうございました。

category: リュート

tb: 0   cm: 0

経年変化:June 2017  

10年一昔と言えど、西暦2000年以後は大して年数は経っていないような錯覚を受けます(自分的には)、2007年なんてつい此間のようで・・;m
この13コースluteは間もなく10歳を迎えます。
13c hikaku 2017
期間を置いて、新品の頃の写真と比べていますが(同じデジカメを使用)、また鼈甲飴色が濃くなった感じです、柾目に沿った濃淡も目立つ。しかも、この楽器より古い楽器を追い抜いて変色が進んでいる;指板の中央のココボロ材も褪せてきた、

これは響板に使われたスプルースそのものの個体的性質か、それとも表面に薄~く塗られた塗料が関わるのか?
リュートの響板は無塗装に近いもので、薄いセラックニスを塗って研磨仕上げしてあったり、亜麻仁油等でオイル仕上げしてあるだけ、と聞きます。この13コースluteは薄いセラックニスだと思います。

しかし・・新品の清々しさも良いですね^^;→拡大
ご覧いただき ありがとうございました。

category: リュート

tb: 0   cm: 2

ローデドNGを半分に切る  

昨日の続きです、この7c.luteは弦長58.5cmですが、⑥、⑦コースを替えました。
120cmあるローデド・ナイルガットをちょうど真ん中で切り、⑥コースのユニゾン2本分にできましたv 事前に伸び度合を調べたところ、とどくと判明。
7c lute01
アラミド糸を繋いで、ペグを巻く前、繋ぎ目は指板上にあります、調弦を合わせると伸びてちょうどナットを越えます、越えるときにちょいと摘み上げればOK、
7c lute02
(ローデドNGは連結結びもしやすい)
糸倉内はほとんどアラミド糸なので、調弦のレスポンスも良く、一石二鳥!
20170610.jpg
短い楽器なので、ローデドNGの太さも具合良い、⑤コースはKFだが音質は繋がる感じ。
調弦対策は何とかなりそう、湿度も関係ないだろうし、冬の寒暖差の影響が少なければ最も具合良い弦と言えます。

PS.長さが足りない弦の連結はよくやりますが、以下の点に注意しています、
string.jpg
結ぶ作業で、bのあたりを手に持ち、aの端を引っ張ると部分的に張力がかかり、弦全体の伸びが不均一になり、振動不良の原因になりそうで、2本のラジペンを使って、aの付近だけを引っ張るようにしています、元からダメな弦は仕方ありませんが;

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

tb: 0   cm: 0

ローデドNG & アラミド糸  

ローデドナイルガットは注文した内のあと1本が入荷せず、発送できないようで揃いません;m
20170531.jpg
ひとまず11c.luteの⑩、⑪コースだけ替えてみました、今までのKF弦はちょっと太すぎたけど、これはちょうど良い、柔らかいのでブリッジにも楽に結べるv
11c 01
パッと見、バロック絵画に出てくる弦みたい^^
Kunstalle.jpg
振動の様子も良好で、低音の鳴り方としても良い。ただ一つ難点は弦の伸縮が大きく、ペグの回転に対し調弦のレスポンスが低い、特に下げるとき、スッと下がらないです。⑩、⑪コースはナットとペグが近いので、まだいいですが、⑥~⑧コースあたりは難儀しそう;
ここは伸縮性のないKevlar line(アラミド繊維)で繋いで解決しようと思っています、伸びを見越して、ナットの手前から繋いでもよいかと思います。(⑥~⑧はKFでも良さそう;)
kevlar line
今まで使っていたアラミド糸(左)はケバい黄色で好きじゃなかったけど、やや落ち着いた黄色(中央)と黒(右)がありました、これなら少しは見栄えが良くなるかと?
弦が揃ったらやってみます。

いつもamazonさんから送ってもらうと、梱包過剰なことが多いです;今回もこれ1つ送るのにこの箱でした;
kev 03
一方、ドイツから弦を送ってもらうとこんな封筒です、
huto.jpg
内袋との間にヒダをつけた紙を緩衝材に挟んであります、さすが無駄がないですね。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

tb: 0   cm: 0

プロフィール

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

FC2カウンター