Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話題など

11コースLuteの調整  

もう1つの11コースLute(M.オッティガー作)ですが、これも少し弦高を低くしたかったので、今回、松尾さんにお願いしました。指板を少し下げての調整です、
m o 11c01
m o 11c02
下が調整後で0.5mmくらい下がり、写真比較では殆どわかりませんが^^;ちょっとのことで違うんです。今までも大きな問題はなかったのですが、譜例のように---
menuet.jpg
---ハイポジションの押弦と開放弦が交錯するところ、開放弦に触れずに押え、滑らかに行くにはギリギリまで低いと助かります、ひじょうに微妙な調整をしてもらいました。(まず自分じゃ出来なかった;)

じつはこの楽器、ブリッジの下あたりに、うっかり引っ掻き傷をつけていたのですが---
m o 11c03
---それが消えています^^依頼してなかったけど、ここも上手く均して目立たなくしてもらえてました、いつも細かな気配りで綺麗な状態で戻ってきて、本当に有り難いですm^^m

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category: リュート

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Lars Jonsson作:バロックリュート  

師が注文されたリュートが完成し、昨日は届いたばかりの楽器をチョット試奏させてもらいました。今回はスウェーデンの製作家、
ラルス・ヤンソン(Lars Jönsson)作、13コース バロックリュート 弦長:71cm
セバスチャン・シェレ=モデル

L Jon 13c
Lars Jönssonのサイト
ボディの形状はクリスティアン・ホフマンに似ていますが、ひと周り大きめの感じです、使用材は極めて上質で精巧な作り、ハーゼが入ってますが、携帯のカメラなので綺麗に写ってません;製作家自身も「今度のは良い出来だ」とのこと。
音立ちは、モーリス・オッティガーのバロックリュートがクッキリした感じなのに対し、こちらは程良くソフトな感じ、ひじょうに豊かで懐深い鳴り、ちょっと弾いただけで"問答無用"のハイエンド器、とわかります^^
円に対し、クローナはお値打ちですが、頼んで約4年待ちだそうです、いくらであろうと、買い替えの必要のない楽器を選ぶのが一番のお得ですね、やる気も湧いてきそう(笑)

出荷時の弦はナイルガットと、低音にはSavarezのAllianceというKF弦(フロロカーボン)が張ってあるそうで、むこうでは定着しつつあるのかな、
kf.jpg
ラルスのリュートはナイジェル・ノースが近年のレコーディングにも使っていて、低音もKF弦だそうです。いつの間にかプロも巻弦を使う人が減ってきたみたい?

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

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ガット弦:フレット用と奏音用  

先般、注文を入れたAquilaのローデド・ナイルガットは未だに発送されません、どうやらまた諸事情で作れなくなったと思われ?幻の弦で終りそうです^^;アテにしていたのに・・;f gut
L ng

さて、ジャーマンテオルボの6コース低音弦があまりに振動不良だったので、代りになる手持ちの弦を探し出し、片っぱしから替えてみました、(*振動不良=弦の質量が端から端まで均一でなく、脈動して振動し、音程もふらつく)
6コース低音にはガットの1.12㎜相当を使いますが、見つけたのはどれも、もっとダメな弦ばかり、開放弦がフレットに当ってしまうような;;諦めかけて気付いたのが、フレット用のガット1.10㎜(キルシュナー)です、ダメモトで張ってみたら、これが良い!v
f gut
前にも書きましたが、キルシュナーの奏音用のガット弦は硬質な仕上げで、6コースの1.12には使いにくいですが、フレット用なら硬すぎずちょうど良い、鳴り具合もこちらのほうが気に入ってしまった。
gt 6c gut
因みにガットのフレット弦と奏音弦は仕上げの違いだけで、元々の作りは同じらしく、良質でない部分をフレット用にまわすと聞きましたが、張ってみるまでわからないですね、フレット用は長くてお値打ちだし、ダメだったらほんとにフレットに使えばよいしv

しかし、ガット弦は部屋に加湿器をかけて、40%→44%になるだけで大幅に下がる、たぶん敏感な湿度計が作れるんじゃないかと^^;
situdokei_20170324092909ba3.jpg situdo.jpg
昨夜はあまりに乾燥していたのに驚きました、ここで加湿器をかけるのがよいのかどうか?・・極端な変動になってしまう;
このタイプは湿度が低いほうでは精密ではないようで、低いほうは昔ながらの温度計が2本立った気化熱差で見る方式が正確にわかるかもしれない。

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category: リュート

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マルチ・リブ ≪追記あり≫  

リュートのボディの裏面は柳の葉状に切った薄板(リブ)を継ぎ合わせて球面にしてあります、内側には継ぎ合わせの補強のため、境目に布や紙のテープが貼られています、製作家によってやり方も違ってくるかもしれませんが、 te
11c l
リブ材はハカランダで内側も黒っぽい(修理時に開いた写真)
この楽器は一枚の布を裂いて利用してあります、リブ数は11枚なので少ないほうです。

マルチ・リブというリブ数の多い楽器もみな同じようにテーピングしてあるのか?気にしたこともなかったですが;うちにある最もリブの多い(21枚)楽器を響孔から覗いてみると、
al 02
tape.jpg
追加写真:この楽器は響孔が3つあるので、1つから照らし、別孔から撮れました
一応1箇所ずつ貼ってあります、ただし薄い和紙のような細いテープです、ツヤがあるので塗装もしてあるように見えます、テープ面も堅仕上げが良さそう。

もっとリブ数の多いテオルボもそうだとすると、これも相当な手間です、
n teo
参考:L.ニスカネン作、テオルボ
数本跨いで貼ったほうが早いような?;

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

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使用弦:部分比較  

注文したローデド・ナイルガットはまだ届きません;

使わずにしまってあった、ローデド・ガットを11コースluteの10、11コースだけ張ってみました、オクターヴ弦もガットです。
11clute lg
順に鳴らすと9コースまでのPVF&NGと響きの違いがわかり易いです、鳴らす力やサスティーンに大きな違いはないので、このまま曲を弾いても支障はないですが、音質、味わいの上ではさすがガットは天然素材、程良く混濁感があり、PVF&NGが白砂糖なら、ガットの組合せは黒砂糖みたい?オクターヴ弦だけガットにしてもかなり雰囲気は近づくようです。
この雰囲気を作るガット弦もメーカーによって変わります、キルシュナー社のガットは硬質に仕上がっていて自分の求めるガットらしさとは違い、オクターヴ弦に使うだけでも他のメーカー弦と混合すると異質になります。

笛で言うと、金属のモダンフルートより木のflトラヴェルソ、あるいは邦楽の横笛など、天然材の音が好きです、それと同じ拘りですね。
ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

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リュート低音弦の選択肢  

昔、リュート弦にガットが使われたのは間違いないが、現代作られるガット弦で高音用はまず良好と言えるだろう、細くて切れにくいものも出てきた。ただ、低音弦をどうするのが適切か、未だ不明な事が多い。
リュートを始めた当時、実用的で入手しやすいものといえば、Pyramid社のナイロン弦と巻弦しかなかった、巻弦はギター弦と同じ作りで、サスティーンが長く、ドスっと瞬発力のある低音は出なかった、その後Aquila社からサスティーンがやや押えられた"D"の品番の巻弦が出て、始めて使用したとき、だいぶ好ましくはなったが、ガットには至らなかった。
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巻弦2種
次に試したのはGamutから出ているGimped Gut という低音弦で、ルクスラインとも呼ばれ、ガット線に金属線を螺旋に埋め込み巻きしたタイプだ、ガットの質を保ちながら質量を補充した現代考案された弦で歴史的ではない、弦質が硬く短い楽器には向かない。
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ルクスライン
もう一つはキャットラインと呼ばれるガット弦を縄状に捩った弦で、Aquila社ではヴェニスガットという品名である、質量はガットの裸線と同じで低音ほど太くなるが、弦質が柔らかく均質で、振動も良いのが利点である。
venice02.jpg
キャットライン
Aquila社では一頃、ローデド・ガットという歴史的低音弦の再現を試みた、生のガットに銅の微粉を付着させて仕上げ、質量を持たせたものらしい、柔軟で程良く細くなり、鳴り具合も成功しているが、均質に作るのが難しいようで、振動の悪いものが大半だった。この振動の悪さは当品に限らず何らかの加工をしたガット低音弦全般に言える(しかも高価である;)
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11c 2
ローデド・ガット
なお、近年使い出したのは弦素材ではなく、釣糸用のフロロカーボン(PVF)だが、PVFは19世紀ギターの高音弦としても一頃重宝されたようだ。ただリュートの高音弦にするには細すぎて音質的にも好ましくなかった。しかし、大型魚用の太い釣糸で適度な硬度のものは低音用として良い線行っている、呉羽の万鮪(赤ラベル)がちょうど良い、
maguro.jpg
PVF釣糸
まるでリュート向けに用意したかのように、ゲージが細かく揃っているのが不思議^^釣り糸にこれほど細かく必要なのか?50mあるので振動の良い部分を切り出して使える。
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太い弦がPVF
なお、年末に注文したAquilaの新製品、ローデド・ナイルガットがまだ届かない、
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ローデド・ナイルガット(Aquila社画像)
注文が多いらしく納品が遅れているようだ。最低音のあたり、PVFでもだいぶ太いので、この製品に期待している。ガット弦の宿命は湿度変化によるピッチの狂いやすさだが、合成素材はそれから開放されるのが助かる。

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category: リュート

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ダブルコースの間隔  

リュートは緩い弦をダブルに張る、ということで、その間隔は微妙な調整が必要、弾き手によっても具合の良さに差がでてくる。あまり間隔を開け過ぎても押え辛いし、近づけ過ぎるとぶつかりやすい、さらに各コースのスペーシングも関わってくるのでじつに悩ましい;
この13コースluteはナット側はまさにちょうど良く、自分にとっての基準にしている、ここは0.2mmの違いで具合が変わる。
11c01.jpg
しかし、ブリッジ側は当初、3、4コースがかなり離してあり、5コースは近づけ気味だった、これは5コースには巻弦を張る、という設定だったようで(巻弦は細くなるため)、ガットやナイルガットを張ると少々ぶつかりやすかった。
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調整前
そこで、弦穴を両外へ少し拡げた、
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yasuri.jpg
精密ヤスリ
これで、前より少し離して止めることができた、
13c03.jpg
調整後
ブリッジへの絡め方でも少し位置に影響するので、絡め方向も対象にした。
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ちなみにこのluteは3、4コースが自分にとっては開き過ぎで、押弦にも影響していた、ここは逆に近づけるよう過去に調整した、これで全コース申し分なしv

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

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Uuibersaleのガット弦  

私としては珍しく、高音弦にガットを張りました。66cm、11コース バロックluteの1~3コース用で、前より少しテンションは強め、表現上このあたり、力がほしいと思っていたところ、
イタリア、Uuibersale社の 0.44、0.50、0.62 mm
gut uni
180cmあるので、半分に切って2本取れます、
今回、3コース用の0.62の1本が振動状態がかなり悪かった、ダメモトで逆向きに張ってみたところ、使える!こういうことはたまにありますが珍しいですv
11c gut
Uuibersaleの細いガットは切れにくいと聞きましたので、どれだけもつか試してみます。

PS:ところで、古楽器製作家の松尾淳さんが、リュートの製作を再開されたと聞きました、
2010年に作られたリュートがあるので結構早い再開かと。
matuo 7c lute
拡大→ 松尾淳:7コースlute(2010年)
世界でもトップレベルの精度の高い仕事ですし、修理でも何度かお世話になっていますが、
嬉しい知らせです。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

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調弦対策:アラミド糸  

ギター属やジャーマンテオルボなら問題ないですが、糸倉が後ろに折れたリュートでは、張った弦が古くなってくると、ナットに当っている部分に癖がついて調弦がピタリのところに合わせ辛くなります。これは黒壇ナットですが、象牙か骨にすれば若干は滑り易くなるけど、大幅に良くはならない;
バロックリュートではナットから離れた6、7コースあたり、糸倉内で弦が伸縮して余計に合わせ辛いです、こういうときは伸縮の殆どない、アラミド繊維の糸を使います、
11c 03
ナット付近で弦と結び、ペグに巻く、これでかなり微回転に追従しやすくなります。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

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11コース おたく  

11コースのバロックリュート作品は13コースluteがあればカバーできてしまうので、わざわざ持たなくてよい、のも確かですが、あえて持つ人は拘りがあるんでしょう^^
(因みに知るかぎり、名古屋近辺には11コースが結構流布しているはず;) 
自分も11コースの購入歴は3つで、2つ手元にあります。2つ目は中古で1982年 M.Cameron作(英)、この製作家さんもオリジナル楽器の修復歴が多いと聞きました。
11c lute a04
11c lute a03
11c lute a02
H.フライ=タイプ 弦長67cm
この楽器に始めてガット系の弦を張って、「あ、この音だ」と納得した記憶です。緩い弦で、強くはないけど深く鳴って、力を抜いて語れるような、
11c03_201612311015089ca.jpg
ローデド・ガットを張ったときの写真、 近くローデド・ナイルガットを試す予定
たぶん、響板に限らず、ボウル、ネック、全体の質量などが微妙に関係して音を作っているのかと思いますが、そこを見抜いて作られた楽器は良い反応をするように思います。

もう1つ、2011年 M.Ottiger作(スイス)、これは形状が違うので、音のキャラクターも異なり、語り口も変わるようで面白いです、
11c lute b
P.ライリッヒに基づくオリジナル、 弦長66cm
やはりガット系を張って本領発揮という感じです。

と言いつつ、このところヴァイスばかり弾いていたので、来年はド・ヴィゼに挑戦したい、と希望的計画です;
PS.あと、天体観測も・・^^

皆様、よいお年をお迎えください。

category: リュート

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