Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

ナット溝の位置調整  

今やっている、S.L.ヴァイスのフーガの始まりで、いきなり押え辛いところがあります;m
tab01_20170623084357506.jpg
赤丸は③コースを小指4で押えるけど、この楽器は2本とも掴みづらく、音がビリやすい、
11c lute00
さらに0.2mmほどナットで間隔を寄せました、写真では変わりなく見えますが;これだけで押えやすくなります。
11c lute01a
11c lute01b
11c lute02
調整はこれで2回目です;弦1本の幅もない調整なので、円面の鑢で今までの溝をキャンセルして、浅く彫り直しました、
nut_201706230846494a2.jpg
ナット面は綺麗じゃなくなるけど、まあ目立ちませんね^^;
しかし、ハイポジションほど間隔は開いていきます、運指上可能であれば、ローポジションで触れておき(押えず)ずらすという手もあります。

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category: リュート

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経年変化:June 2017  

10年一昔と言えど、西暦2000年以後は大して年数は経っていないような錯覚を受けます(自分的には)、2007年なんてつい此間のようで・・;m
この13コースluteは間もなく10歳を迎えます。
13c hikaku 2017
期間を置いて、新品の頃の写真と比べていますが(同じデジカメを使用)、また鼈甲飴色が濃くなった感じです、柾目に沿った濃淡も目立つ。しかも、この楽器より古い楽器を追い抜いて変色が進んでいる;指板の中央のココボロ材も褪せてきた、

これは響板に使われたスプルースそのものの個体的性質か、それとも表面に薄~く塗られた塗料が関わるのか?
リュートの響板は無塗装に近いもので、薄いセラックニスを塗って研磨仕上げしてあったり、亜麻仁油等でオイル仕上げしてあるだけ、と聞きます。この13コースluteは薄いセラックニスだと思います。

しかし・・新品の清々しさも良いですね^^;→拡大
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category: リュート

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ローデドNGを半分に切る  

昨日の続きです、この7c.luteは弦長58.5cmですが、⑥、⑦コースを替えました。
120cmあるローデド・ナイルガットをちょうど真ん中で切り、⑥コースのユニゾン2本分にできましたv 事前に伸び度合を調べたところ、とどくと判明。
7c lute01
アラミド糸を繋いで、ペグを巻く前、繋ぎ目は指板上にあります、調弦を合わせると伸びてちょうどナットを越えます、越えるときにちょいと摘み上げればOK、
7c lute02
(ローデドNGは連結結びもしやすい)
糸倉内はほとんどアラミド糸なので、調弦のレスポンスも良く、一石二鳥!
20170610.jpg
短い楽器なので、ローデドNGの太さも具合良い、⑤コースはKFだが音質は繋がる感じ。
調弦対策は何とかなりそう、湿度も関係ないだろうし、冬の寒暖差の影響が少なければ最も具合良い弦と言えます。

PS.長さが足りない弦の連結はよくやりますが、以下の点に注意しています、
string.jpg
結ぶ作業で、bのあたりを手に持ち、aの端を引っ張ると部分的に張力がかかり、弦全体の伸びが不均一になり、振動不良の原因になりそうで、2本のラジペンを使って、aの付近だけを引っ張るようにしています、元からダメな弦は仕方ありませんが;

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ローデドNG & アラミド糸  

ローデドナイルガットは注文した内のあと1本が入荷せず、発送できないようで揃いません;m
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ひとまず11c.luteの⑩、⑪コースだけ替えてみました、今までのKF弦はちょっと太すぎたけど、これはちょうど良い、柔らかいのでブリッジにも楽に結べるv
11c 01
パッと見、バロック絵画に出てくる弦みたい^^
Kunstalle.jpg
振動の様子も良好で、低音の鳴り方としても良い。ただ一つ難点は弦の伸縮が大きく、ペグの回転に対し調弦のレスポンスが低い、特に下げるとき、スッと下がらないです。⑩、⑪コースはナットとペグが近いので、まだいいですが、⑥~⑧コースあたりは難儀しそう;
ここは伸縮性のないKevlar line(アラミド繊維)で繋いで解決しようと思っています、伸びを見越して、ナットの手前から繋いでもよいかと思います。(⑥~⑧はKFでも良さそう;)
kevlar line
今まで使っていたアラミド糸(左)はケバい黄色で好きじゃなかったけど、やや落ち着いた黄色(中央)と黒(右)がありました、これなら少しは見栄えが良くなるかと?
弦が揃ったらやってみます。

いつもamazonさんから送ってもらうと、梱包過剰なことが多いです;今回もこれ1つ送るのにこの箱でした;
kev 03
一方、ドイツから弦を送ってもらうとこんな封筒です、
huto.jpg
内袋との間にヒダをつけた紙を緩衝材に挟んであります、さすが無駄がないですね。

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category: リュート

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ローデドNG(一部)届く  

発売が中止となるのか?と心配していた、ローデド・ナイルガットですが、5月始めから生産開始、順次、注文者の所に届いているようです。ただ弦ショップでは注文した弦が入荷して全部揃ってから発送になるので、早い遅いはあるようです。師のところにはもう届いて、ヤンソンの13コースに張られていました、太さとサスティーンがちょうどよく、振動も良いとのことです、最も大事な"雰囲気"も良いようで^^v
意外なほど柔らかく、表面はサラっとしているので、ナットにへばり付かない、このへんは扱い易いですが、NGらしく非常に伸びるので、ペグの巻きしろが一杯になるとのこと、ここは工夫が必要。
2回に分けて注文した内の1回分だけ昨日届きました、今、中途半端な状態で^^;全部揃ってから張ります。パッケージは感じの良いコパーカラー、弦の計測だけしました。
ngl 01
ngl 02
NGL150と170をサンプルに、重さと長さを測り、ガット径に換算すると、このとおり、
ngl 03gut keisan
ngl sokutei
ほぼ正確です、実際の径は1.23 1.42㎜と82%ほどに細くなっています。弦長の短いリュートでは、「KF」はやや硬くて、扱い辛い部分があるので、このローデドNGは助かりそう。
ヴィウェラにこれを張った動画があり、ユニゾン低音で解かり易いです、
ngl 04
動画:Trying out New synthetic loaded bass strings from Aquila Corde
こんな感じですが、5, 6コースの雰囲気、良いですね、J.ダウランドもこれです^^v
早く残りが届いてほしい;

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category: リュート

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ロゼッタ ウォッチングⅡ  

リュートの飾りを施した響孔をローズ、又はロゼッタ(rosette)と言いますが、これも手にする楽しみの一つです。
rose02_20170521093144f9f.jpg
現在作られる図柄は歴史的楽器のコピーが多いけど、製作家のオリジナルもあるようです。
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右は歴史的オリジナル
画像検索するとじつに様々見られて飽きません^^
画像→lute rosette
作業は響板に下図を貼りつけ、先細のカッターナイフ、平刃のノミや彫刻刀、いろいろ使い分けて彫っていくようですが、
rose00a.jpgrose00b.jpg
必ず中心部から始めるらしいです、近頃は切り抜き部分をレーザーカッターで行う製作家もあるようですが、
下は最も手の込んだクラスの例です、
rose03.jpgrose05.jpg
これを彫る手間賃だけで、ウクレレ1個分くらい軽く行きそうです^^;
大型の楽器になると、トリプルにするものがあります。
rose04.jpg
これらの図柄しだいで、開口面積が変わるので、鳴り方にも影響するはずです。
また、バロックギターなどではパーチメントで別に作った飾りを内側に貼る例が多いです、
rose pa
これは立体に作られたタイプで、マチ針の頭みたいなのは「薔薇の朝露」かな?
こういうの一つくらい欲しいですね(弾けなくても^^;)
パーチメント製作家のサイト→Elena Dal Cortivo

彫り仕事は精巧なほど良いですが、結構大まかに仕上げてある楽器もあります;手持ちの楽器では松尾さん、オッティガーさんなどは完璧です。(ヤンソン氏のも良かった)
matuo 7c
matuo 7c.lute
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category: リュート

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リュートの鳴らし方、様々  

一言にリュートといっても、時代やお国柄によって趣味趣向が変わってくる。m
まず手持ちの6コース(alto)luteは④c.からoctave調弦にしているが、明るい響きになり、フランチェスコ・ダ・ミラノなどルネサンス期イタリアの作品に対応する。
6c lute
7コースluteのほうは⑥c.までユニゾン、⑦c.のoct.弦も控え目に鳴るようにして、内向的な響きに揃えた:画像

ピッチニーニなど初期バロックのイタリア作品も多コース楽器の高音弦からバス弦まで駆使して鳴らす、華々しい作品が多い。
一方、フランスのバロックluteになると、ルネ・メサンジョーが11コースでd-mollの調弦、いわゆるバロックlute調弦を確立し、ゴーティエ一族らが続き、パリ楽派とも言われる、幽玄で内向的な趣きのリュート音楽が栄えた、①c.をまったく使わず、中低音のみで渋く和音を聴かせるような曲もある。
下の11c.luteは⑥c.の万鮪が不調だったので、KF101Aに張り替え、具合よくなった。あとはナイルガットと*万鮪で構成、
11c_20170509091124fe8.jpg
manyu_20170509091710bf2.jpg
*「万鮪」:呉羽の大型魚用フロロカーボン(KF)釣糸

後期バロック期でお馴染みシルヴィウス・レオポルト・ヴァイスはバロックluteを集大成する位置で、イタリアで学んだ時期もあり、作品はフランス、イタリアの趣味を併せ持ち、自国ドイツの趣味もあるだろう、よってヴァイスには幽玄さに加え力感と輝かしさも出る楽器が欲しい、ここで、バスライダー式の13c.luteとジャーマンTheorboの選択がでてくる、
両者13コースで調弦はまったく同じ、
13c lute
バスライダーは指板部より8cm長い
gt 02
写真のジャーマンTheorboでは指板内の⑧c.までが弦長70cm、指板外の⑨c.からが弦長96cmと突然長くなり、当然響きが変わる、特にoct.弦が極端に細長くなるのが大きな要因かと--。
しかし、実際に曲を弾くと、この差は不思議と気にならない。この楽器は⑥、⑨c.にちょうど良い万鮪がなかったので、サバレスのKF弦に替えてやっと整った;
バスライダー式の13c.luteが11c.luteからの改造型であるのに対し、ジャーマンTheorboは完成型かもしれないが、バスライダー式の短い低音弦の響きもわるくない。

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category: リュート

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KF弦(Savarez) を張る  

長くリュートをやっていて、始めの頃はギター弦と同じ作りのナイロン弦と巻弦しかなかった、それが普通だと思い、巻弦がボケてくると張り替えたりしていた。m
その後、J.M.モレーノ、パウル・ベイエルなどガット弦を用い、その特徴を捉えた録音が出るようになって、ふくよかで深々とした低音に魅力を感じた。
j m mo weiss
動画:S.L.Weiss - Fantasia in c minor(Jose Miguel Moreno)
そして近年、N.ノースがKF弦を用いて録音、
N N weiss sar
動画:S.L.Weiss -Sarabande from Partita in G minor(N.North)
リュートのバス弦がオクターヴにしてあるのは、太い弦はもっぱら低音成分を担い、オクターヴ弦が倍音をのせて音のラインを明確にするという役割分担だと実感した。
SPで言うと、巻弦はフルレンジ的鳴り方で、ガットやKF弦はウーファー的だ、ウォームで力感のある低音が短く鳴る。
004e.jpg
"低音成分"のイメージ
以下、そんな鳴り方が好み、という前提の話になる・・

昨日届いたSavarezのKF弦(フロロカーボン)だが、いずれも⑤コース以下の低音に使うものばかり。パッケージから出すと、Φ0.74㎜あたりの細いのは無色半透明で呉羽のシーガーエースそっくり、Φ0.95㎜になるとやや黄色の半透明で、万鮪かキルシュナーのガット弦みたい、
kf74a.jpgkf95a.jpg
Φ1.01㎜以上になると黄色で、研磨によるツヤ無し状態、太いのはまさにガット風の外見。
kf 108akeiryo KF
まず弦の重さと長さを計測した、いずれもフロロカーボンの比重と確認。製品番は実径に基くもので、* KF095A=Φ0.95㎜ガット換算Φ1.12㎜のように選定する必要がある。
原材料は日本製だそうで、質的には呉羽のシーガー、万鮪と同じと言える、混合で張っても区別つかない。無研磨の細い弦は原材料の良い部分を使っているようだし、研磨弦も特に振動状態に問題はない。さらにゲージのラインアップが細かいので適切なものが選べるのが利点だ。
参考:music-strings onlineshop
ガットやKFを活かすも殺すも楽器の性質しだいで、張るならこれらの弦の特性を音に変換できる楽器だ。手元の楽器ではM.オッティガーの13コースと11コース、もう一つ英国製11コース、松尾7コース、の4つで好ましい結果が出る。
今回特に気に入ったのが、13コースluteの⑪コース"C"に張ったKF160Aだ、万鮪よりさらにソフトで深い感じが良い、これはちょっと材質が違うかも?
m o 13clute
001c_201705071252076db.jpg
*太い弦はブリッジやペグに巻く部分を細く削ると巻きやすい
7c.luteの⑤コースもKF095Aに替えてみた、⑥コースは万鮪だが質感は同じ、
ma 7c lute
振動が良く、ふくよかな低音ユニゾンにハマる^^vヴィウェラもこの鳴り方は合うだろう。

PS.以前から万鮪のラインナップが釣糸としてはやけに細かく揃っていると思ったが、
manyu_20170507232528d75.jpg
manyu03.jpg
KFはハープ、ギター、ウクレレ、リュートなどの弦、さらにテニスラケットほか原材料として多方面の需要が関係しているかもしれない?

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

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真似しっ子;  

久しぶりに7cルネサンスlute(松尾 作)を手入れした。
今までは⑥、⑦コースをオクターヴにしていたが、⑥コースもKFのユニゾンにしてみた、
というのも、N.ノース氏の7コースluteもそうしてあるので^^;
7c lute005_20170503085620337.jpg
*⑤コースは万鮪を削って細くしたもの(0.95㎜)
とりあえずKF(万鮪)1.28mmでユニゾンにした、もちろん明快ではない、深くどんよりした内向的響き。しかし、ダウランドにはこれが合う^^;楽器は松尾さんの新作(2010年)のほうで、旧作とはだいぶ違い、ガットやKFの"単線弦"にも良く反応するようだ。

13c luteには一時、ヴェニスガットを張ったが、
13c gut
KF(万鮪)に戻した、さらに昨日、⑬コースのoct弦もKFに替えてみた、
kf ng
これもノース氏にならって^^、NGよりずっしり良い感じに思える。

なお、松尾 作ジャーマンテオルボ(2001年作)にも万鮪を張っていて、一応わるくはないが、巻弦に対し、好ましくなったという印象は少ない?

さて、注文したサバレスのKF弦は国内には到着したので間もなく届く、「万鮪」と違いがあるか、試してみたい。
sa kfmanyu_2017050309160079c.jpg
いずれも材質はKF(フロロカーボン)

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11コースLuteの調整  

もう1つの11コースLute(M.オッティガー作)ですが、これも少し弦高を低くしたかったので、今回、松尾さんにお願いしました。指板を少し下げての調整です、
m o 11c01
m o 11c02
下が調整後で0.5mmくらい下がり、写真比較では殆どわかりませんが^^;ちょっとのことで違うんです。今までも大きな問題はなかったのですが、譜例のように---
menuet.jpg
---ハイポジションの押弦と開放弦が交錯するところ、開放弦に触れずに押え、滑らかに行くにはギリギリまで低いと助かります、ひじょうに微妙な調整をしてもらいました。(まず自分じゃ出来なかった;)

じつはこの楽器、ブリッジの下あたりに、うっかり引っ掻き傷をつけていたのですが---
m o 11c03
---それが消えています^^依頼してなかったけど、ここも上手く均して目立たなくしてもらえてました、いつも細かな気配りで綺麗な状態で戻ってきて、本当に有り難いですm^^m

ご覧いただき、ありがとうございました。

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