Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

R.ゲーベル、MAK:テレマン《ハンブルクの潮の満干》"CDとLP"  

最近はデジタル時代のLP盤に興味が湧いて、中古を見つけるとつい買ってしまいます、もちろんお気に入りの演奏だけ。
今日は逆パターンでLPは持っていたけど、本来の?CDを見つけて購入。ラインハルト・ゲーベル指揮、ムジカ・アンティクァ・ケルンのテレマンは今でも最高に相性がいい名演です、以前から知っていた曲も倍楽しくなる。

まず、CDのほうを再生してみると、わるくない、LPで聴き慣れた音と違和感なく細部までよく聴ける。
MAK Te cd
そのあとLPも聴いてみる・・気分や好みの違いかもしれないが、vnやcemb、obなど古楽器独特の高域倍音が滑らかで、こちらが一枚上手か、自然で生っぽく聴こえる。
MAK Te lp
録音は1984年で、アナログ盤も終りの頃だが、カッティング技術などは最高に達した頃だろう、内周いっぱいまで刻まれているが、問題なく聴ける。音盤方式の違いよりも、音がどう仕上がっているかにかかっているようだ。
MAK Te lp2

テレマンの水上の音楽《ハンブルクの潮の満干》はフランス序曲を持つ組曲として特に好きな曲で、長大な序曲、付点リズムのグラーヴェはじっくりとした演奏、アレグロに入ると、とても単純なフーガの動機が印象強い、ゲーベルはここを極めて闊達に開始する。
ハンブルクの潮の満干
グラーヴェからアレグロに入るところ
vnやvaには単純な動機のみ弾かせ、obやバスが素早い動きになる、これが躍動感として効いている、テレマンらしい引き付け方。この後は全パートが対等に活躍、ob二重奏の部分などポリフォニックだが、リズムの快調さを補い合う書き方、全パートユニゾンのパッセージが入ったり、快調な中に変化を織り込む。グラーヴェを挟み、アレグロを反復する。
続く舞曲はいずれも海の神々や描写音楽で表題をもつ、テレマンは民族音楽から影響を受けた作風も取り入れ、斬新に聴かせる、ゆったりした楽章、切れ味よい楽章、ゲーベルの演奏は対比があり、第7曲「嵐:吹きすさぶアエロー」は嵐らしい描写だが、長調であまり緊迫感がないのが面白い。
テレマンは作品が膨大なので、知らない良い曲もまだ沢山あるだろう;

category: G.P.テレマン

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カメラータ・ケルン:テレマン協奏曲集  

テレマンと言えば、当時のライプツィヒ新聞の作曲家人気投票で、1位だったと伝えられますが、数々の作品の楽しさから頷けます。また現代ですが、名古屋バロック音楽協会のサイトでも一頃第1位、アマチュアのバロック奏者にも人気があるんですね。演奏者にとっても楽しい、特にリコーダーをやる人は多いし、テレマンはリコーダーの為の傑作が多い、またヴィオラ・ダ・ガンバをやる人もリュートに次いで?多い気がします。テレマンの低音パートは当然、弾き甲斐があります、そして魅力的なソロ作品もある。
今日は1990年DHM録音、カメラータ・ケルンによるテレマン協奏曲集、それより前、ゲーベル&MAKによる、キレ味抜群の演奏が登場してからというもの、並みの演奏じゃ、かったるくて聴けなくなってしまった;カメラータ・ケルンは堅実なところも見せ、達演によるプレイヤー感覚も楽しませ期待に応えます。

テレマン02
テレマン01

1曲目、協奏曲ヘ長調はリコーダーの魅力を存分に聴かせる、アフェットーソの爽快な始まり、装飾句が鮮やか。アレグロは例によって快活な心地よさ、協奏曲なのでトゥッティとソロの交互、響きの充実も楽しめる。じっくり転調で聴かせるアダージョに続きメヌエットⅠ,Ⅱは牧歌的な明るさ、リコーダー・ソロの細かな動きも聴きどころ。
2曲目、ホ短調、アンダンテはバックで繰り返される弦のテーマが特長的、オーボエは異なるソロパートを吹くが、後半ではバックのテーマも取り入れる。快活なアレグロ・モルトだが、リコーダーの場合とは異なりオーボエ向きに旋律を作っていて一味ちがう。
3曲目、ニ長調、これはフルートの名曲としてもお馴染みでしょう、あまりテレマンらしい灰汁を感じさせない、第一楽章アンダンテは優美なソロにバックは概ねホモフォニックに助奏する、新しいギャラントなスタイルも感じる。第二楽章ヴィヴァーチェは明るく親しみやすいフーガに始まり、フールトソロとなる、バックと交互に聴かせ、フルートがフーガ声部を吹く部分もある。転調による瞑想的な第三楽章ラルゴ、終楽章はジーグ風のリズムでポリフォニック。
4曲目、イ短調、リコーダーとガンバがソロを演じるこの曲はテレマンらしさ全開、屈指の魅力作品、第一楽章からして印象的だが、何と言っても第二楽章アレグロの快活で緻密なアンサンブルの力に圧倒される、例によってトゥッティとソロの交互で、リコーダーとガンバは掛け合う部分もあるが、並行和声で揃う部分が多く、これを息ぴったりに演奏するのが醍醐味で聴きどころ、またガンバは通奏低音のチェロと掛け合うところも置き、面白い。
最後はニ長調で2つのvlとファゴットがソロ、ファゴットはややおっとりした味わいだが、2つのvlが繊細な雰囲気を出す、第二楽章は充実感のあるフーガ楽章。

category: G.P.テレマン

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P-Jan・ベルダー:テレマン ターフェル・ムジーク  

テレマンといえばまず思い浮かぶ器楽作品がターフェル・ムジークです、バッハのブランデンブルクCon.に相当する充実した作品群です。第1集~3集と3つのセットになっていて、各集とも序曲(組曲)、四重奏曲、協奏曲、トリオ、ソロ、終曲、というメニューになっていて、特に楽しみなのはトランペットが活躍する第2集です。過去にはA.ヴェンツィンガー盤(アルヒーフ)におけるE.タールのバロックtp、近年はMAK盤におけるF.インマーの名演で親しみました。今回は2003年録音、P-Jan・ベルダー指揮、ムジカ・アムフィオンによる3つ目の名盤です。

ターフェルムジーク
2006 BRILLANT CLASSICS

第2集から3曲ほど書きます。
序曲(組曲)ニ長調
例によってフランス風序曲で始まります、トランペットはティンパニを伴った祝祭音楽的な扱いでなく、ここではtimpなし、室内楽楽器です、バロックtpはブランデンブルクCon.No.2でも名演した、William Wroth、ここでも室内的音作りで驚くほど上手い。グラーヴェはわりと軽やかに進め、走句も鮮やかにアンサンブルの技が光る、tpとobはペアになったように使われ、ユニゾンで演奏する部分も多いです、この音の近似性を聴くとバロックobが室内のトランペットと言われたのがわかります。またtpで小回りが効かない旋律をobが補う、掛け合うなど、それぞれの特長を活かして上手く使われます。アタッカでアレグロに入る、この瞬間はいつもながらいいですね、tpとobのペア、それにvlがソロで活躍、テレマンらしい絶妙に隙のない掛け合いで進められる、バス・パートに耳をやるだけで楽しい快活な音楽、演奏がリズミカルになるのも自然の成り行き。グラーヴェを挟んでアレグロが反復されるが、tpはまるでvl並みの達演で装飾を入れる。
序曲だけで満足させられるが、続く4曲のAirでも同様に楽しませる、緩抒な楽章はなく、いずれも闊達な魅力。
四重奏曲 ニ短調
リコーダー1本、flトラヴェルソ2本および通奏低音による四重奏、全集の中でリコーダーが使われるのはこの曲のみ、指揮のベルダーが達演を聴かせる。同類の笛ながら、リコーダーとトラヴェルソの味の違いを楽しめる。
第一楽章、アンダンテは穏やかに少し憂いをおびた曲、2本のトラヴェルソが平行和声を吹いたり、掛け合いをする、そこにリコーダーが重なる。緩抒楽章にも息を呑ませる間があります。
第二楽章、ヴィヴァーチェ、快活な魅力、トラヴェルソのほんのりした響きに対し、タンギングで音が粒立つリコーダーの切れ味が心地よい、この録音はバス・パートも詳細に聴こえてくるので、チェロのバス演奏にも引きつけられる。チェンバロの和音で刻まれるリズムも心地よい。
第三楽章、シチリアーノのリズムだが、第一楽章のテーマの断片も現れるのが面白い。
第四楽章、リズミカルで切れ味よい、リコーダーと2つのトラヴェルソ、3つのソロが区別なく同種の旋律で掛け合う、笛同志だけあって響きの溶け合いは良い、バス・パートが重要な旋律を弾く部分がある。穏やかな中間部を置いて再び闊達な冒頭に戻る。
トリオ ホ短調
トラヴェルソ、オーボエおよび通奏低音のトリオ、これまたテレマンらしい魅力の傑作。
第一楽章、憂いをおびた楽章だが、トラヴェルソ、オーボエの響きがふさわしい、当演奏ではリピートでの装飾の妙技が聴きもの。
第二楽章、テレマンらしさを代表するようなこの快活なテーマがじつに良く、曲はすっかり憶えてしまったが、飽きがこない、バス・パートの受け止めもじつに良く、隙なくひきつけられる。これは聴衆以上に演奏者が楽しいに違いない^^ちょいとリタルダンドして休止し、快速に戻る、粋な聴かせどころも置き満点の楽章。のどかな第三楽章で息抜き、第四楽章は構成感の緻密な味わい、奏者の装飾も聴かせどころ。

バロック音楽は穏やかなBGMでなく、アドレナリン沸き立つものでないといけません。
こういった曲を聴くと、リュートなんかよりヴィオラ・ダ・ガンバに転向すれば良かったと思う;大作曲家の作品にいくらでも加われるし、バス・パートは楽しいんです。

category: G.P.テレマン

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テレマン:トランペット協奏曲ニ長調  

私はトランペットには触れたことはないのですが、ホルンなら知人のを吹かせてもらったことがあります。はじめはスカーっと空気が通るだけの音^^;悪戦の末、やっと唇が振動しプォーっと鳴ったときは感動!それで満足^^金管の難しさを体感しました。

さてtp協奏曲の定番、テレマンの協奏曲ニ長調ですが、先日のO.E.アントンセンの見事な演奏を聴くといろいろ聴いてみたくなります。意外に手元にあるのは少ないです。
まずはM.アンドレの2枚、左は1974年録音(EMI)カラヤン&BPOとの演奏、テレマンの原曲をもっとtpの魅力を出そうと旋律を一部高域に移した編曲がよく使われますが、ここではグレーベ編とあります。各楽章ゆっくりのテンポでtpを伸びやかにたっぷりと聴かせる、カラヤンのBPOは厚みを帯びながらも清涼なサウンド、カラヤン・バロックとでも言いましょうか、濃厚に聴かせます。もう1枚右、1984年録音のR.ムーティ&フィルハーモニアOとの演奏は異なる編曲が使われ、一味違います。tpソロは原曲を重視したのか、高域に移すことをせず、第4楽章の終りも華々しい高音を吹くものでなく、落ち着いた終結です。ムーティのオケは厚くならず、清々しく聴かせます。
tele tp2

次にナチュラルtp、古楽演奏です。ナチュラル管はまさにすんなりとした管で気流を乱す仕掛けがなく、透明感のある音が魅力。左はフリーデマン・インマー:tp、R.ゲーベル&MAKの演奏、1986年アルヒーフ。インマーは柔らか基調の良い音です。ナチュラルtpの大らかなトリル、第二楽章ではtpの出だしが、"巻き舌"的発音となり、これもナチュラルtpらしい味わいです。ゲーベルはアタックの強い演奏をしますが、tpが休みの第3楽章はことのほか雅びに演奏します。さすがに原曲版のようです。もう1枚右、スウェーデンの名奏者N.エクルンド:tp、N.E.スパルブ&ドロットニング・ホルム・バロック・アンサンブル、これは極めつけ、ナチュラルtpを吹いているとは思えない技、スパルブのバックも洗練されつくしたような、古楽演奏の魅力を放つ。第3楽章の美しいこと。この曲、第3楽章がけっこう聴きどころなんですね^^
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最後はtpのバロック演奏の原点ともいえるようなLP、アドルフ・シェルバウム:tp、K.レーデル&ミュンヘン・プロ・アルテ・室内O、録音年不明ですがステレオ初期頃でしょう。のちのバロック・サウンドの清々しい録音とは違い、生っぽく録れています。アンドレ以後の洗練された演奏が確立される前の、トランペットらしい、ごく素朴な表現、響きがかえって新鮮に感じます。第4楽章は高音を吹いて終わる。やがて物々しいバック演奏が増えていきますが、レーデルのバックは、さらりと自然に支えます。
エラート盤

category: G.P.テレマン

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MAK:テレマン「水上の音楽」  

アルヒーフのLP盤は銀のレーベルを見ると気分も引き締まり、じっくり針を下ろして聴いてしまったものです。しかし後期には光沢のないグレーのレーベルになってしまい、ちょっと残念。
以前にもちらっと取り上げたラインハルト・ゲーベル指揮、ムジカ・アンティクヮ・ケルンによるテレマンの水上の音楽「ハンブルクの潮の満干」ですが、デジタル音源のLP盤の頃ですから、当然グレーです;
新しいカートリッジAT-DS3で聴き返してみました。

telemann wasser1
telemann wasser2

このLP盤は写真のように内周いっぱいまで音溝が刻まれており、音量レベルも高いものです、今までのカートジッジでは最後近くは音がザラついて聴きづらかったのですが、AT-DS3は最後までクリアーにトレースして音を拾いあげますvこれでアナログ盤再生問題は解決、音質云々の前にこういうのが望みでした。
さて、ゲーベルの演奏は古楽奏法を極限まで強調した現代的演奏と捕えていましたが、テレマンに関しては曲の魅力に対して効果的、「ハンブルクの潮の満干」も今までのところ最も気に行ったものです。これが終曲まできれいに聴けるのは嬉しい。序曲はグラーヴェに始まりますが、ここは思い切りゆったりと引っ張って演奏します、チェンバロの通奏低音が和音を見事に散りばめて聴かせます、同音連続のきわめて簡潔なフーガ主題のアレグロに入るととても闊達でこの対比がじつに心地よい、グラーヴェに戻ってまたアレグロを反復する、やはり反復は聴きたいですね。LP盤片面に納めやすいよう反復省略の演奏が多いところきっちりやっているので、当盤は内周いっぱいなわけです。続く舞曲はいずれも表題をもつもの、例によってテレマンは民族音楽から影響を受けた作風も取り入れ、斬新な楽しさを聴かせていきます。ゆったり聴かせる楽章、切れ味よく聴かせる楽章、ゲーベルの演奏は対比があり、第6曲、テンペスト「嵐:吹きすさぶアエロー」は圧巻です、嵐とはいえ緊迫した短調ではなく、長調で書かれたおっとりした雰囲気もあり面白い。

category: G.P.テレマン

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M.アンドレとF.ブリュッヘン  

私がバロック音楽を好きになったきっかけは、子供の頃ラジオから何の曲とも知らず聴こえていた明るいトランペットと身近だったリコーダーのまあるい響きでした。M.アンドレはそのトランペットの魅力を次々聴かせてくれた人でもあります。
このテレマンのターフェル・ムジークの演奏者の顔ぶれは興味深いです。

telemann ta

1964年録音、指揮とリコーダー:F.ブリュッヘン、vl:J.シュレーダー、vc:A.ビルスマ、テオルボ:O.M=ドンボア、Cem:G.レオンハルトなど、古楽演奏の騎手となる人達です、そこにtpのM.アンドレが共演しているんですね。第2集の序曲と終曲でトランペットの名演を聴かせます。
演奏は全員、モダン楽器使用でしょう、チェンバロ、リコーダー、テオルボには区別ないでしょうが、ただしこのCDはターフェル・ムジーク第1集~3集からの抜粋盤でリコーダー、テオルボの入った曲は聴けません、全曲盤がほしいです;
まだ伝統的演奏が基盤にありますが古いとはあまり感じさせません。ヴァイオリンもあまり気張った弾き方でなく、随所に美しい装飾音を付け、符点の強調、レガートな緩叙楽章でソロ楽器に対し内声は適度に切って拍節感を出すところなど、古楽研究を確立しつつある過程も聴かれます。テレマンの快活な魅力も出し、この時期なりの完成度です。
アンドレのtpは室内楽的な柔らかい響きで「室内のトランペット」と呼ばれるオーボエと質の近い溶け合った響きです。こんな風に吹けるのは当時アンドレ以外そうはいなかったかも知れません。
ほぼ同時期と思いますが、アウグスト・ヴェンツィンガーがバーゼル・スコラ・カントルム合奏団でターフェル・ムジークを録音しています。こちらはオール古楽器で、エドワード・タールがナチュラル・トランペットで演奏していたのが注目でしたが、大らかさと同時に、こちらも一緒に演奏するバロック・オーボエと区別つきにくいほど室内的な響きが良かったです。
楽器はともかく、演奏内容ではブリュッヘンが一歩リードしている感があります。アンドレはナチュラル・トランペットでは不可能であろう装飾音を演奏していますが、楽器の機能を活かすのは大いに自然、モダンtpでこそできる美しい演奏となっています。

category: G.P.テレマン

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