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Michael: Classic音楽,Lute,宇宙

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学 etc

トンボー(tombeau)とは  

トンボー(tombeau)はフランス語で墓碑の意味であり、音楽用語では故人を追悼する器楽曲の意味を持つ。 
トンボーの形式の基盤となっているのは4拍子の荘重なアルマンド、もしくはパヴァーヌである、トンボーの多くはバロック期フランスのリュート音楽と結びつき、嘆きの暗喩である下降4音が多く見受けられるが、ジョン・ダウランドの「ラクリメ」に影響された表現らしい、
参考:
dowland you
you tube:Dowland : Lachrimae Pavan
リュートにはこのようなイメージが付きまとうのかもしれない^^;

本題のトンボー、まずリュート作品から、R.de.ヴィゼの「老ガロに捧ぐトンボー」
visee Tombeau you
you tube:Robert de Visee (c.1665-1732/3) - Tombeau du Vieux Gallot | Miguel Serdoura, 11c Baroque lute
リュートのトンボーと言えばS.L.ヴァイスの「ロジー伯爵へのトンボー」をA.セゴビアがギターで演奏して以来知られるが、O.M.ドンボアが初めて本来のバロックluteで録音した、
曲中でてくる、同形又は同音の続くところ、そして長い音階下降、
weiss tab 06
修辞的な意味を持ちそうだが、それが何かはわからない;
参考: you tube:WEISS Tombeau sur la mort de M.r Comte de Logy arrivée en 1721 Evangelina Mascardi Luth baroque

トンボーは他の楽器のための作品としても多く書かれている、傑作どころで、マラン・マレがヴィオールと通奏低音で書いた「サント・コロンブへのトンボー」、終盤の不協和音が引き付ける、通奏低音にテオルボのみ使った演奏を挙げる、
Marais you
you tube:Tombeau pour Mr de Sainte-Colombe (Extrait du IIe Livre)
この曲でも修辞的に何か訴えるような同音の連続がある、
Marais tombeau

フランスのクラヴサン音楽はリュートから多くの影響を受けた、その一人ルイ・クープランは珍しい長調で「ブランロシェ氏へのトンボー」を書いている、
L Couperin you
you tube:Louis Couperin ・ Tombeau de Mr de Blancrocher ・ Gustav Leonhardt

また、クリストフ・グラウプナーは管弦楽組曲の中に「トンボー」と題される楽章を置いていて、ニ長調の曲だが、この楽章はニ短調になる、
c g ouver sc
trp、timpを伴い、これが哀悼の面持ちをより深くしている、
c g ouver you
you tube:Overture in D Major, GWV 420: VI. Tombeau
特定の「誰々に捧ぐ・・」という曲ではないので、抽象的な位置づけと思われる、

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J.リンドベルイ:French & German Baroque Music (*追記あり)  

*追記:どうやら下記にある"弦"に関しては思いもよらない事実があったようで、あらためて記事にする;新記事

このところ、珍しくリュートのCDを続けて取り寄せている; 
J.リンドベルイがオリジナルの11コースlute(Sixtus Rauwolf)を用いての録音で、デュフォー、ムートン、ロイスナーなど・・最後にヴァイスという魅力的な選曲のアルバム、
TOWERさんに頼んだが日にちがかかり、また「入荷せず」の予感もしたが;幸い届いた^^
j l lute new cd
ヤコブ・リンドベルイ:Lute
BIS 2016年5月録音

j l 11c fg
興味深いのは以前取り上げたS.L.Weissの第1集もこのオリジナル楽器で2004年に録音していて、この時はオール・ガット弦で、10と11コースがローデド・ガットなのが写真でわかる、
weiss cd luteweiss 2004
low g
ローデド・ガット
音の違いを言葉で表すのは難しいが、ガット弦の特徴は余韻は短めで弾いた瞬間に力が入り、パサっと半乾きのような雑味のある音で、ナイロン弦のクリアトーンとは対極な感じ、
今回は、録音時の状態と思われる拡大写真があった、
strings_20190813194338e0a.jpg
5コースは明らかにガット(ヴェニスガット)、1~4もガットか?(*表紙写真のほうでは1~5コースもナイルガットに見える)、低音弦はローデド・ナイルガット、オクターヴ弦はナイルガットのようだ、2016年というとこの新開発の低音弦が出来たばかりの頃だろうか、
過去にAquila社がローデド・ガットを作った際もリンドベルイはバッハの録音で使っていた、
low ng
ローデド・ナイルガット
これで古いオリジナル楽器がどんな味わいになるかも興味あるところ^^聴いてみると、高音弦はクリアな感じだが、5コースを弾いたあたりで前述のようなガットらしい響きが聴こえる、ローデド・ナイルガットも良く乗るようで、少なくともこのオリジナルluteを損なうような結果にはなっていない、
リンドベルイはいつものように端正、細やかな演奏で、和音、不協和音、鮮やかに聴かせる、とくにデュフォー、ムートンのフレンチでは、聞こえやすい高音弦を避けた中音域で和音を聴かせる内面的味わいが良い、これはナイロンや巻弦では出し辛かっただろう、続くD.ケルナーはリュートの鳴りどころを一杯使った曲で対比が際立つ、最後はS.L.ヴァイスのイ長調の組曲、魅力的なシャコンヌで閉じる。

当盤はyou tubeに挙っていないが、2004年のWeissの録音でファンタジー C minorがある、
j l weiss you
you tube:Silvius Leopold Weiss - Fantasia for lute No. 1 in C minor

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未知のLute作曲家:F.フィッシャー  

今日はちょっとマニアックな話で、知られなかったバロック期のLute作品について、
まだ謎は多いが・・現在活躍中のオーストリアのlute奏者、フーベルト・ホフマンが見いだし、録音するに至ったアルバムでタイトルは「From Heaven on Earth」、 
H H F F Lute CD
作曲者はフェルディナント・フィッシャー(Ferdinand Fischer:1652-1725)だと推測され、この人はオーストリア北部にあるクレムスミュンスター修道院の修道僧だった、フィッシャーは当時からリュート奏者として名は知られていなかったらしく、彼にとってリュートはプライヴェートなものだったかもしれない、
Stift_Kremsm.jpg
クレムスミュンスター修道院
F.フィッシャーが使ったとされる11コースLute(M.ティーフェンブルッカー作)が修道院に保管されていた、響板の小指痕が弾弦位置を示している、
tieffen lute
「未知の」とは言っても我々にとってであり、じつは楽譜自体が新発見というわけではなく、現在ライプツィヒにある写本(L79、82、83、85と分類される)がフィッシャーが所有していたものとわかっていて、写本の紙も修道院で使われていたのと同じだそうだ、フィッシャーの写本にはE.ゴーティエ、デュフォー、ロイスナー等々、フランス、ドイツの著名なリュート作品とともに作者不詳の曲があり、lute奏者H.ホフマンはそれら作品の持つ共通性から同じ作者のもので、フィッシャー自身の作に違いないと推測し、アルバムの録音に至ったらしい、
f f tab
フィッシャーの手によるタブラチュア
バッハの作品でさえ楽譜は残っているものの真作か他作かが近年になって判明したりするが、真相はともあれ、興味惹かれるのは曲そのものである、録音された曲はこれまで聴いた多くのバロックlute作品と基礎は共通しているものの、他に聴いたことのない独創的な趣きがあるように思う・・聴く人各々の感じ方しだいだが^^
フィッシャーはゲオルク・ムッファトやハインリヒ・ビーバーと親交があったようで、ムッファトのArmonico Tributoにあるパッサカリアのリュート編曲があり、これもフィッシャーによるものと推測される。

ホフマンはAndreas v.ホルスト作の11コースlute(J.ティールケ モデル)にガット弦を用い、ブリッジに近い側を弾く、ときにダブルコースがぶつかるダイナミックな奏法で聴かせる。
fischer cd
you tubeはこのページから全曲聴ける、
f f lute you
you tube:Partita in D Minor: Prelude
D Minorの2曲目Aria Iなど親しみやすい、C Minorのパッサカリアは長大である、
*なお、同時代に Johann Caspar Ferdinand Fischer(1656-1746)という作曲家がいるので、検索で混同しやすい;

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N.ノース:R.de.Visée Lute曲集 (LP)  

2014年の元旦、息子といつもの名古屋の中古ショップに行ってみたら休みだったが、スマホで調べ、金山の支店は営業とあるので足をのばした、そこはクラシックコーナーは多くはないが、そこでポツンと見つけたこのLP、久しぶりに廻してみた、 
n n visee lp01
ロベール・ド・ヴィゼ:テオルボほか曲集
ナイジェル・ノース(Theorbe、Guitar、Lute)
1978年 オワゾリール 英国盤

今はリュート界の大御所である、ナイジェル・ノースのソロ・デビュー盤で、一旦失い、再度欲しいと思っていたLPだったが、CD化されず、手に入る確率は低かった、ノース、24歳頃の録音でロベール・ド・ヴィゼの作品のみ、
楽器はテオルボが2種(通奏低音でも使われるAチューニングと4度高いDチューニングのソロ・テオルボ)、バロックguitar、バロックlute、合わせて4つの楽器を使い分けた凝ったもの、
曲目
n n visee 01
使用楽器
instu.jpg
ノースはその後ヴィゼを録音していないので貴重だが、この時期からひじょうに完成度の高い演奏で恐れ入る;
リュート属の幽けき響きは録音法で量感を補強できるが、あまり現実離れしてもいけない、当録音は自然な量感で、テンションの緩い脱力感でゆったり聴ける、アナログ期の好録音だ。
002_20190703121401f72.jpg
1面はAチューニング・テオルボの深い響きで魅了し、後半、Dチューニングに替え、序曲「ヴェルサイユの洞穴(La grotte de Versaills)」から雰囲気を変える、
2面の前半はバロックguitar、序曲「ヴェルサイユの洞穴」のギター版を再度聴かせる、後半はバロックlute、楽器が替わったときの雰囲気の変化がいい^^まず嬰ヘ短調の組曲で終曲のジーグが好きな曲だ、最後が「ムートン氏のためのトンボー」、これが深みがある。

ロベール・ド・ヴィゼ(1650?-1725)はルイ14世に仕えたヴェルサイユ楽派で、リュート属のための作品にも明確に雅やかな旋律があり、分散的な音のなかにもそれが聴き取れる、同作品を管楽器を加えた室内楽に仕立てた曲も曲集に収まっている。

N.ノースの演奏はyou tubeにないが、
ヴィゼの同じ曲(Prélude)を4種の楽器で弾いた面白い動画があった、テオルボ、バロックlute、バロックguitar、クラヴサンの順である、
visee pre you
you tube:Robert de Visee: Prelude in 4 versions
わずか5コースしかないバロックguitarでも表現できてしまう、これは調弦法の妙にある。
b g
tuning.jpg
各楽器の調弦法、*テオルボはAチューニング、ソロ・テオルボはこれが4度高くなる

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O.M.ドンボワ:S.L.Weiss 「L'infidèle」(LP)  

たまに聴いてみたいLP、今日はこれ、 
リュートに親しむ火付け役ともなった1枚で、バロックリュートの録音を最初期に行ったオイゲン・ミュラー・ドンボワの歴史的演奏、
o m dom weiss lp
オイゲン・ミュラー・ドンボワ:バロックlute
PHILIPS(SEON原盤) 1972年録音

バロックluteを手にするうえで、不可欠な作曲家としてよく取り上げる、シルヴィウス・レオポルト・ヴァイス(1687-1750)だが、ソナタ(組曲)1曲を録音したのはこれが初めてだったと思う、それ以前にはA.セゴビアが組曲から抜粋した1曲を録音した例はあったが、案外ギターには編曲し辛いのだ、それでもヴァイス独特の魅力は感じた。
A面に入ったソナタa-moll"L'infidèle"はヴァイスの魅力を紹介するに格好な曲の1つだろう、カップリングされたバッハの音楽とは随分趣きが違うのが印象的だった、これはバロックluteの調弦法と響きから初めて生まれるものだと思った。
当時、古楽専門レーベルだったSEONによる録音も極めて鮮明、リュートの共鳴する弦の響きも豊かに捉えている、本格的な古楽器の復興と録音のクウォリティ向上がうまく重なった。
この録音はyou tubeにも挙っているが、LP盤の音が好ましい、
o m dom weiss lp2
この頃は安定のよい弦といえばギター弦と同質のナイロン及び巻弦しかなく、それらしい音だが、ドンボワの演奏はいたって真面目で端正であり、その後の規範にもなったと思う。
この"L'infidèle"は昔、某ギター誌にギター編曲譜が載ったが、苦労するわりに魅力の半分も出ない;むしろD.スカルラッティの鍵盤ソナタのほうがギター編曲しやすく効果もある、似て非なる楽器なのだ、リュートに持ち替えようと考え出した頃だった。

you tubeからは同じく端正な趣きのミシェル・カルダンの演奏を挙げる、
m c weiss you
you tube:Sonata No. 23 in A Minor, WeissSW 29 "L'infidèle":
Michel Cardin:Baroque lute
I. Entree
II. Courante
III. Sarabande
IV. Menuet
V. Musette
VI. Paysane
組曲の舞曲としては珍しい、MusetteとPaysaneは印象的だった。
weiss tab01
Entreeより
weiss tab02
Musetteより
因みにギターによる演奏も1つ、可動式フレットの楽器だ。
weiss sonata a moll guit
you tube:Mak Grgic plays Weiss Entree from Suite L'infidele
ギターならではのアプローチだろうか、昔よりだいぶ進んでいる。

ところで、この曲のタイトル"L'infidèle"は今は「異邦人」と訳されることが多いが、以前は「不実な女」とされていた、フランス語 infidèleを辞書で引くと、「不実な」、「浮気」と出てくる、薄情「うすなさけ」でもいいかな^^

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リュートのためのフーガ  

リュートは多声的音楽が演奏可能であるが、ルネサンス期には厳格なポリフォニーで書かれた曲が多くあった、 
6c lute
テーマの動きには制約があり、穏やかなものだった。
参考:フランチェスコ・カノーヴァ・ダ・ミラノのファンタジア
Milano Fantasia you
you tube:Francesco da Milano: Fantasia, Ness 30 (Erik Ryding)

後期ルネサンス~初期バロックのイタリアでは自由な形式のトッカータがリュートのために書かれた、自由とはいえポリフォニックな要素を織り込む箇所もある。
参考:アレッサンドロ・ピチニーニのトッカータ、
Piccinini imamura
you tube:YASUNORI IMAMURA - Alessandro Piccinini: Toccata XII

バロック期になると、主旋律と通奏低音の音楽になり、リュートの機能(調弦法)もそれに合うものに変化して、主旋律、バスとも広い音域で動く劇的な効果を出せるよう、低音コースも増えていった、自由なプレリュードや各種舞曲は得意だが、厳格なフーガなどこんな楽器ではとてもじゃない;・・と思えるが、作品は非常に少なく弾くのも難しい。
バロック後期のリュートの大家、シルヴィウス・レオポルト・ヴァイスが少ないながら、よく出来たフーガを書いている、いずれも今村泰典氏のLuteで達演である。
まずニ短調、これだけは自らも取り組んだ、短いが気に入った曲だ、
weiss fuga d moll
weiss d you
you tube:Silvius Leopold Weiss - Prelude and Fugue in D Minor
ハ長調のフーガもある、
weiss c you
you tube:Fugue in C Major / Silvius Leopold Weiss
次は"Grande Partita"とされる長い組曲の冒頭、フランス風序曲が置かれるが、グラーヴェに続きストレッタで書かれたアレグロのフーガ部分が演奏の巧みさも加え素晴らしい、
weiss Overture c
weiss ov c you
you tube:YASUNORI IMAMURA - Silvius Leopold Weiss, Sonata No 39 C Major "Grande Partita"
もちろん、難しい曲だ;

最後にバッハの曲も一つ、BWV1000は無伴奏vnソナタBWV1001のフーガからリュートに編曲された楽譜が当時からある、
bach bwv1000
BWV1000 imamura you
you tube:Fuga in G minor BWV 1000
全声部が明確な演奏である、
同曲をラウテンヴェルクで演奏した動画も挙げる、
bwv1000 lautenwerk you
you tube:J.S.Bach: Fuga in sol minore BWV 1000

リュートのための作品は膨大で、まだ傑作がどこかに埋もれているかもしれない;
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J.リンドベルイ:J.Dowland Lute music 全集  

枕元の音楽に最適なのはやはり、リュートである、ポリフォニックに書かれたバッハの曲など声部の繋がりを追って、ちょっとだけ集中しながら聴くと知らん間に眠っている。 
もう一つ絶好なのが、J.ダウランドである、"Fancy"のタイトルを持つ曲はポリフォニックに出来ており、憂愁で深く瞑想する雰囲気の曲もある、手持ちのCDでは、ヤコブ・リンドベルイの端正な演奏で収った全集が良い、3mほど前に奏者が居るような実在感のある録音だ、
j l dowland lute
ヤコブ・リンドベルイ:Lute
Brilliant Classics(BIS原盤)

you tubeにはこれより過去にL'Oiseau-Lyreに録音した演奏がいくつか挙っている、
このA Fancyは良い曲で"Forlorn Hope Fancy"の別ヴァージョンのようだ、フィゲタの1つ1つの音がじつに丁寧、
j l dowland you 01
you tube:Dowland: Lute Music - England - A Fancy
もう1つ"Lachrimae"
you tube:Dowland:Lute Music - England - Lachrimae
この当時は低音弦には巻弦を使うしかなかったようだが、最低音コースまでユニゾンに張っている、やはりダウランドはユニゾンだ、
リンドベルイ氏の新譜"Nocturnal"のデモ動画があった、夜にふさわしい曲だ、
j l lute 03
j l lute you 01
you tube:Nocturnal - Jakob Lindberg, lute
サム・インサイドで弾いている、
楽器の弦を見ると、1~4コースがNG、5コースがKF、6~8コースがローデドNGで、だいたい考えることは同じだ、
NG:(ナイルガット)Aquila社の合成弦
KF:Savarez社のフロロカーボン弦
ローデドNG:Aquila社の低音専用弦

真似しっ子なので、最低音Dまでユニゾンに張り替えた^^
7c lute s
弦の太さが同じになって、押弦しやすい利点もある、
7c lute 02
ちょうど使えるローデドNGが余っていた、深い沼のような響き;
低音のブリッジの穴はダブルの間を空けて広げた、そうしないとぶつかりやすくなる、

PS.リドベルイと同世代で活躍するN.ノースの演奏も挙げておく、こちらは低音をオクターヴにしている、曲はダウランドの"Forlorn Hope Fancy"
north dowland you
you tube:Nigel North: Dowland set 5
もう1つ、"Lachrimae"ほか
you tube:Nigel North: Dowland set 1
右手のフィゲタはサム・アウトサイドにしている、
巻弦がなくなり、5コースが"KF"ってところは共通のようだ^^
*フィゲタ:親指と人差し指を交互に使い、パッセージを弾く奏法、
*サム・アウトサイド:右手の指の構えで、親指が人差し指より外側になる、対義語がサム・インサイド、


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R.ストーン:S.L.Weiss Lute協奏曲集  

バッハの無伴奏vc組曲など、他の楽器で演奏する際、1音の追加、変更もしちゃいけないという方針の人もいる一方、積極的に編曲、補作のチェレンジをする演奏家もいる、バロック音楽を徹底して研究している人がやるならこういう姿勢に大いに興味が湧く。
何の研究もないテキトーな編曲(そんな出版譜もみられる)ならやらないほうがいいが;
 
バロックluteを弾く者にとって不可欠な作曲家 シルヴィウス・レオポルト・ヴァイス(1687-1750)は生涯の最後はドレスデンで活躍し、多くのリュート独奏曲を残したが、リュートが入るコンチェルトも書いていた、残念ながら残っているのはリュートのソロパートだけで、他の楽器のパートは失われている、
そこでこれは異色のアルバムと言える、リュート奏者のリチャード・ストーンが残されたリュートのソロパートを基に他のすべてのパートを補作して、リュート協奏曲に再現したというものだ、「世界初録音」とあるが、そりゃ当然^^
weiss lute con
シルヴィウス・レオポルト・ヴァイス 原曲
リュート協奏曲集
リチャード・ストーン:lute及び編曲
テンペスタ・ディ・マーレ
2002年録音 CHANDOS

ヴァイスが学んだ地であるイタリアの作曲家、ヴィヴァルディ、コレッリなどの影響も受けているという想定も踏まえ、また残されたソロパートから見えてくるものもあるだろう、当時の様式に従い、luteソロから導かれる主題で再構築されている、自分で好きに作曲するのとはまるで違う難しさがあると思う。
音楽としての出来栄えは聴く人の評価になろうが、奇妙なところはなく、知らなければオリジナルと思ってしまいそう、大変な偉業だと思う、luteや他の演奏も見事。
収録曲は以下のとおり、
Track.jpg
聴いてみると3楽章で書かれた1曲目 SC.90はヴィヴァルディ風と言えるがバッハとコレッリも少し入った感じ?弦楽が沈黙し、luteソロの部分も聴かせる、
weiss lute con you
you tube:Concerto a cinque in C major,SC 90
最も気に入ったのは3曲目 SC.9だ、flとluteのみで演奏され、flのパートとluteの上声とバス旋律で、実質トリオになっているが、緩急緩急の4楽章で、雅びな緩叙楽章とフーガ書法で快活な急楽章の取り合わせはテレマンを思わせる聴き栄え、Gwyn Robertsのflトラベルソの上手さと合わせ魅力である。
you tube:Concerto for lute & flute in F major,SC 9
*このyou tubeは一部トラック順に入っておらず、当曲は第3→4楽章に続くように書かれているのに、順が入れ替わっている;
4曲目 SC.57は3楽章でヴィヴァルデイ風、編成は最も大きいがluteの活躍も聴きどころ、
you tube:Concerto grosso in B flat major,SC 57
you:tubeは他の曲も一応全て入っている、全曲素晴らしいとはいかないが魅力な楽章を拾い聴きするのもよい。
因みにStoneのluteも巻弦を使った響きではない。
Stone-Richard.jpg
Richard Stone

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今村泰典:S.L.ヴァイス ソナタ集 vol.2 (2008)  

昨日の続きになりますが、
抜群のテクニックで聴かせる今村泰典氏のシルヴィウス・レオポルト・ヴァイス、昨日取り上げた録音は1994年、CAPRICCIOレーベルだったが、その続編は間を置いて、clavesレーベルからvol.1とvol.2が出ている、手持ちのvol.2を聴く、録音は2008年、
Weiss Sonaten2_Imamura
imamura weiss
最初はロンドン写本にある、99と番号の付いた、ニ長調のソナタで本来Allemandeで始まるが、今村氏はロンドン写本の後ろにあるPreludeと充実したCapriccioを頭に付けている、これも難度は高いがギャラントな趣きで聴き応え十分、各楽章も長い、Couranteがじつに鮮やか、次のAngloiseが新鮮だ、リズムを際立たせるバスが今村氏の歯切れ良い演奏で引き立つ。
最後は単独でも演奏されるPassagalleで閉じる。
次はロンドン写本より、ハ長調のPreludeとFugue
weiss pre c
weiss fuga c
バスラインの忙しいフーガだが、ちょうど同演奏の動画があった、このとおり^^v
weiss y t
動画:Fugue in C Major / Silvius Leopold Weiss
快速で鮮やかに決まる(ヘンデルの鍵盤曲のようだ?)。
最後はドレスデン本の49ページと記されたト短調のソナタ、情緒深い傑作だが始まりはAllemande、そこで今村氏はロンドン写本のお馴染み、このPreludeを頭に持ってきている、
weiss pre g
終曲のPrestoは最も難度の高い部類で聴き応え十分の作品。

PS.当録音の使用楽器はアメリカの製作家、Cezar Mateusによる14コースのジャーマンテオルボで、Mateusの楽器も高評価のようだ。
imamura gt
製作家のサイトにこのレコーディングの件も紹介されている、
製作家サイト:Cezar Mateus Luthier

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今村泰典:S.L.ヴァイス Lute ソナタ集  

バロックluteというのは、⑥コースから下のバス弦は音階になっていて、開放弦なので、弾いたら鳴りっぱなしである、(このぶっきら棒さが、"らしさ"でもあるが^^;)m
2015.jpg
減衰の早いガット弦は放っておいてもよい部分もあるが、和音外となってしまう音など必要に応じて止めないといけない、スタッカートにしたい場合もある、この点わりと大まかな奏者もいれば、消音動作も綿密な運指のようにきちんと行う人もいる。右手、左手の使える指や手の平を駆使して止める方法は様々ある。
今日は1994年録音の今村泰典氏(Lute)による、シルヴィウス・レオポルト・ヴァイスのかなり難度の高い作品を聴く。
weiss imamura
レーベル:CAPRICCIO
weiss imamura02
今村氏はじつにハイテクニックの持ち主で、ヴァイスにしても、バッハにしても、鍵盤で演奏するかのように完璧なコントロールで、バス旋律もよく整っている。
最初のハ長調ソナタの頭にOuverture(フランス序曲)があり、このアレグロ部分はヴァイスの書いた最も高度なフーガだが、
weiss ouv c
アレグロの開始部分
ここは今村氏のテクニックが効いて、緻密に内容が聴ける。
トラック⑧には例のニ短調のフーガが入っているが、これはお手のもの、当盤と同じ動画があった、これも前半にプレリュードを付けている、
imamura weiss
動画:Silvius Leopold Weiss - Prelude and Fugue in D Minor
ヴァイスはソナタの最後に置く急楽章にけっこう長く充実した(難しい;)曲を書いているが、ハ長調のPresto(トラック⑥)、またイ長調のPresto(トラック⑭)など、今村氏は可能な最速のテンポを取りながら、各声部を綿密に整えて聴かせる。
しかし、バロックluteは響きの重なりが魅力の楽器でもあるので、どこを響かせ、どこを止めるか、適切な対応が必要だ;

PS.今村氏が当録音に用いたのは、ウンシージャ・モレーノ(スペイン)作、13c.バロックlute、ウンシージャの楽器はひじょうによく鳴るので知られていて、バス旋律も豊かに聴こえるが、響板がかなり薄いそうで、耐久性では心配なところがあった、マティアス・デュルビー(フランス)の楽器も同傾向だったが、よく鳴るリュートはリスクも大きいようだ。
imamura.jpg
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