Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

今村泰典:S.L.ヴァイス ソナタ集 vol.2 (2008)  

昨日の続きになりますが、
抜群のテクニックで聴かせる今村泰典氏のシルヴィウス・レオポルト・ヴァイス、昨日取り上げた録音は1994年、CAPRICCIOレーベルだったが、その続編は間を置いて、clavesレーベルからvol.1とvol.2が出ている、手持ちのvol.2を聴く、録音は2008年、
Weiss Sonaten2_Imamura
imamura weiss
最初はロンドン写本にある、99と番号の付いた、ニ長調のソナタで本来Allemandeで始まるが、今村氏はロンドン写本の後ろにあるPreludeと充実したCapriccioを頭に付けている、これも難度は高いがギャラントな趣きで聴き応え十分、各楽章も長い、Couranteがじつに鮮やか、次のAngloiseが新鮮だ、リズムを際立たせるバスが今村氏の歯切れ良い演奏で引き立つ。
最後は単独でも演奏されるPassagalleで閉じる。
次はロンドン写本より、ハ長調のPreludeとFugue
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バスラインの忙しいフーガだが、ちょうど同演奏の動画があった、このとおり^^v
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動画:Fugue in C Major / Silvius Leopold Weiss
快速で鮮やかに決まる(ヘンデルの鍵盤曲のようだ?)。
最後はドレスデン本の49ページと記されたト短調のソナタ、情緒深い傑作だが始まりはAllemande、そこで今村氏はロンドン写本のお馴染み、このPreludeを頭に持ってきている、
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終曲のPrestoは最も難度の高い部類で聴き応え十分の作品。

PS.当録音の使用楽器はアメリカの製作家、Cezar Mateusによる14コースのジャーマンテオルボで、Mateusの楽器も高評価のようだ。
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製作家のサイトにこのレコーディングの件も紹介されている、
製作家サイト:Cezar Mateus Luthier

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート作品

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今村泰典:S.L.ヴァイス Lute ソナタ集  

バロックluteというのは、⑥コースから下のバス弦は音階になっていて、開放弦なので、弾いたら鳴りっぱなしである、(このぶっきら棒さが、"らしさ"でもあるが^^;)m
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減衰の早いガット弦は放っておいてもよい部分もあるが、和音外となってしまう音など必要に応じて止めないといけない、スタッカートにしたい場合もある、この点わりと大まかな奏者もいれば、消音動作も綿密な運指のようにきちんと行う人もいる。右手、左手の使える指や手の平を駆使して止める方法は様々ある。
今日は1994年録音の今村泰典氏(Lute)による、シルヴィウス・レオポルト・ヴァイスのかなり難度の高い作品を聴く。
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レーベル:CAPRICCIO
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今村氏はじつにハイテクニックの持ち主で、ヴァイスにしても、バッハにしても、鍵盤で演奏するかのように完璧なコントロールで、バス旋律もよく整っている。
最初のハ長調ソナタの頭にOuverture(フランス序曲)があり、このアレグロ部分はヴァイスの書いた最も高度なフーガだが、
weiss ouv c
アレグロの開始部分
ここは今村氏のテクニックが効いて、緻密に内容が聴ける。
トラック⑧には例のニ短調のフーガが入っているが、これはお手のもの、当盤と同じ動画があった、これも前半にプレリュードを付けている、
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動画:Silvius Leopold Weiss - Prelude and Fugue in D Minor
ヴァイスはソナタの最後に置く急楽章にけっこう長く充実した(難しい;)曲を書いているが、ハ長調のPresto(トラック⑥)、またイ長調のPresto(トラック⑭)など、今村氏は可能な最速のテンポを取りながら、各声部を綿密に整えて聴かせる。
しかし、バロックluteは響きの重なりが魅力の楽器でもあるので、どこを響かせ、どこを止めるか、適切な対応が必要だ;

PS.今村氏が当録音に用いたのは、ウンシージャ・モレーノ(スペイン)作、13c.バロックlute、ウンシージャの楽器はひじょうによく鳴るので知られていて、バス旋律も豊かに聴こえるが、響板がかなり薄いそうで、耐久性では心配なところがあった、マティアス・デュルビー(フランス)の楽器も同傾向だったが、よく鳴るリュートはリスクも大きいようだ。
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category: リュート作品

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N.ノース:S.L.ヴァイス vol.3 "Galanterie"  

ナイジェル・ノースの弾く、S.L.ヴァイスのvol.3 "Galanterie"が届いた。m
2012年5月に録音したvol.2と間を置かずの録音で、今回もL.ヤンソンの13コースluteを用いての演奏だが、使用弦のはっきりわかる写真が載っていた、ナイルガットとKFの組合せで、⑬コースはoct弦もKFのようだ。
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今回は曲もいい、まずドレスデン本の6曲目に入っているd-mollのパルティータ、ロンドン写本の後ろに入っているc-mollのソナタ、また両本に入っているヴァイスが唯一用いた調でf-mollのソナタ、と聴きどころが、現在最高と言える円熟味を湛えたノースの演奏で満喫できる。
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d-mollのパルティータの頭、Fantasiaは1:26だが、もっと長く感じる充実した時間だ、ノースの表情豊かなアゴーギグが引き付ける、Allemandeの反復での装飾は流石!
Couranteは譜例のように---
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---上声、内声、バスと3声が流れて行く書法が心地よい、後半にある2小節ずつのゼクエンツで、バスラインが開放バス弦へと移ったところ---
weiss d cou02
---ここはズシッと威厳の響きを聴きたいところ、ヤンソンの楽器とKF弦がよく応えているv
Gavotteも3声の類似した書法だ。
最後のGigueは充実して結構長い、高域で2声で始まるが---
weiss d gig
---バスラインは広い音域を動き懐深い感覚、ノースはテンポを落ちつかせ、始まりから絶妙なアゴーギグで聴かせ虜にする。

次のc-mollのソナタは他で聴いた記憶がない、頭のPreludeは幻想曲というべきもので、当CDのタイトルにふさわしいギャラント、あるいは"sturm und drang"の性格、ライナーノーツを見たら、ノースの解説にも同じ事が書いてあった^^
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バス声部のみで始まるのも異例で、C.P.E.バッハを予感させるような、多感な転調も多い、ただし写本ではこのPreludeだけが後から加えられたのか?筆跡が異なり、Allmande以後は同一の手になっている、
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この事情はわからないが、ノースは写本のとおり順に演奏している、他者の曲?であるとしても、このPreludeはぜひ聴きたい魅力がある。
最後のf-mollのソナタも味わい深い。
ヴァイスの名演を聴きたい方にはお薦めのアルバムだと思う。

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category: リュート作品

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W.カーター:バッハ リュート曲集  

リュートのCDを買う頻度は非常に少ないのだが;ちょっと興味ひかれる新譜が出ていた。
奏者のウィリアム・カーターはナイジェル・ノースに師事した人で、これまでパラディアンズなどのアンサンブルで通奏低音を録音した何枚かがあるが、非常に上手いと思った。
W.カーターはF.ソルやF.コルベッタなど、ギター系のソロ・アルバムは既に4枚出しているが、リュート・ソロはこれが最初のようだ、2014年に録音した、"BACH Reimagines BACH"と題されたアルバム、"バッハ演奏の再創成"を意味すると思われる。
収録はBWV1001、1006a、995 の3曲。
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LINN レーベル
録音は会場の響きが心地良く、弾弦のかすかな表情までよく捉えている。

1曲目、ソナタト短調BWV1001
これは2曲目のフーガのみ、当時のリュート奏者が編曲したリュート譜が残っているが(これはBWV1000となる)、ここでは原曲の無伴奏vnソナタから全楽章編曲されている、師 N.ノースに近い編曲か。全体の印象は弱音基調で、vnソロの場合の張り詰めた趣きではなく、リュートらしいゆったり語る物腰である、Adagioは圧縮されたパッセージが多々あるが、そこも巧みに落ちついた自然な歩調にする、Fugaも急がず余韻を十分聴かせながら進める、淡彩を重ねていくような味わい。この曲の最後Prestoはリュートには不向きだと思う、個人的にはAdagioとFugaだけでよい。(*因みに、ラウテンヴェルクで録音した鍵盤奏者がBWV1000のほうを弾き、リュート奏者はBWV1001を再編曲して弾く例が多いのが面白い。)
2曲目、組曲ホ長調BWV1006a
この曲は無伴奏vnパルティータBWV1006にバッハ自身がバス声部を付けたラウテンヴェルク用と思われる二段譜が残っており、あとは奏者がリュート上に乗せる作業となる、ただ原曲どおり弾くには運指上の困難がある、カーターの演奏は、プレリュードは安心して聴ける歩調、最近はアクロバット的な急速演奏が多い中、逆に納得できる、遅くてだめってことはない。ブーレ、ジーグなど速い舞曲も個々の弦の余韻を聴く時間を与えるテンポだ。
最後は組曲ト短調BWV995
原曲は無伴奏vc組曲ハ短調BWV1011だが、これもバッハによるバスを加えた二段譜が残っていて、これに基づく演奏、カーターの使用楽器についての詳細はわからないが、通常の13コースリュートには無い、コントラGを弾いている。この曲もリュートらしい語り口で、3曲中最も好ましい出来に思える。4曲目サラバンドには装飾は行わず、1音ずつに神経を込めているが聴き手にはさらりと自然。ガヴォットは少々速め、ジーグはカナリー風のリズムだが、落ちついて音を紡ぎだすような演奏が良い。
特に人目を引く狙いではなく、リュート本来のキャラクターを貫いた自然な演奏で安らぐ、
これが"Reimagines"と思われる。

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category: リュート作品

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V.ペレス:「ザ・ギャラント・リュート」  

今日はDaisyさんのブログで紹介されていた、とっておきのアルバムです。若手リュート奏者、ヴィニシウス・ペレスによる、自身の編曲とオリジナル曲で古典派作品を集めた4曲で、その名も"The Galant Lute"
ペレスはブラジル出身でバーゼル・スコラ・カントルムにおいてホプキンソン・スミスに師事、ソロや通奏低音で活躍中だが、このデビュー盤は見事に成功している。いわゆるリュートの定番オリジナル曲じゃなく、古典派作品で攻めてきた、存在感ありv
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ヴィニシウス・ペレス:13コース バロックリュート
2015年9-10月録音


1曲目はハイドンのピアノ・ソナタ No.6 C-dur Hob XVI:10、ペレスの編曲で、目のつけどころがいい、先にR.ブラウティハムのfpでの演奏を聴いた、快活で楽譜をみても確かにピアニスティックに書かれているが、
hay pf sonata
大きく捉えるとハイドンの初期作品らしい、前期古典派的な趣きがリュートにも合いそうだとピンとくるものがある、そして当盤の演奏を聴く、原曲を殆ど崩さずのようだが、リュートらしい物腰で、見事にオリジナル曲かのように変貌する、次に聴くK.コハウトやH.ハーゲンのような古典派期のリュート奏者の作品を知っていると、その延長上にある傑作であるかのように聴こえる、バロックリュートに精通し、腕前抜群のペレスならではの演奏、フィナーレも原作はプレストくらいのテンポと思うが、ペレスの見事な料理でリュートの自然なプレストになっている。

2曲目はカール・コハウトのリュート・ソナタ D-dur、バロック後期のS.L.ヴァイスを頂点に衰退していったリュートだが、ギャラントな時代に入ったリュートの魅力を聴かせるのがK.コハウトである、やはり、リュートに精通した作曲家ならではの深みを持っている。これもペレスにしてみればお手のもの、ハイドンなどの編曲の助けにもなっているだろう。

3曲目はW.A.モーツァルトのディヴェルティメント KV439b/Ⅱ、原曲は3本のバセットホルンのために書かれたまさに3声の曲、→参照楽譜
一聴して懐かしく思った、これはギターの3重奏で楽しんだことがある、他の楽器でも演奏しやすく、リコーダーやオカリナの3重奏にしても魅力的なはずだ。小作りな曲ながら、第一メヌエットとトリオでポリフォニックな部分を置くなど流石と言える聴かせどころを持つ。編曲しだいでは、たしかにリュート1本に収まるだろう。5つの楽章全部演奏されるが、ここでもやはりリュートらしい物腰が一味変える。

最後はクリスティアン・ゴットリーブ・シャイドラーのモーツァルトの主題による変奏曲
じつはこれもバロックリュートの教則本(現代の出版物)に載っていて、取り組んだことがある、シャイドラーは歳下のモーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」から主題を得ている。ペレスの見事な演奏で最後に持ってくるにふさわしい曲となっている、立派に弾くとこんなに良い曲か、と驚くしだい^^;いつの間にかギター曲にありそうな曲に思えてくるが、F.ソルの「魔笛」の主題による変奏曲の上をいく凄さを聴かせる。
最後の変奏で楽譜の①の部分は親指で開放弦を駈け上っていくが、②はどうすべきか;人差し指で駈け下りるものと考えている・・"親指の背"では困難?;
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デビュー盤といえば、かつてナイジェル・ノースが最初から完成度の高いアルバム(LP)を出して、その後期待どおり目覚ましい活躍をしているが、まさに子の世代といえるペレスの当盤にも同じ筋の良さを感じる、抜群のテクニックを持ちながら、あくまで音楽は落ち着いた佇まいに仕上げるのが素晴らしい、今後の活躍に大いに期待したい。

category: リュート作品

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P.ベイエル:S.L.ヴァイス 初期作品  

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久しぶりにリュートのCDを聴きます。
Stradivariusというレーベルは先日のC.グラウプナーといい、古楽の結構マニアック?な作品を、優れた演奏と好録音で出しています。今日はパウル・ベイエルがガット弦の11コースリュートで弾いた、シルヴィウス・レオポルト・ヴァイスの初期作品で、「イタリアのエスプリ」と題されたアルバム、
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ウィーン図書館に残る作品集で父ヨハン・ヤコブの作品も含まれていると言われる、S.L.ヴァイスがイタリアで学んだ影響が色濃く、組曲の最初のファンタジアなどは広い音域を伸び伸びと上下する、トッカータのような魅力、それに舞曲やフーガ、カプリッチォなどが続き、フランス的要素もあるが、後期の作品とはだいぶ趣きが違い、技法的な聴かせどころも多い。
この作品の録音は他に知らないが、P.ベイエルの鮮やかな演奏で楽しめる。
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パウル・ベイエル
当録音の11コースリュート、低音弦はガットを縄状に撚ったタイプと思われ、懐深い響きがじつに良い。余韻の短い力のある低音にオクターヴ弦がしっくり倍音を乗せている。

うちにあるバロックリュートで、このようにガット弦に良く反応してくれるのが、先般修理を依頼した2つの楽器なんです。
オールガットといきたいところ・・ガット系の低音用弦は高価な上に振動不良のものが結構多い、夏場は湿度で調弦が大変、ということで、代用している低音弦がPVFなんです^^;金属の巻弦よりはずっと雰囲気は迫れるようで、巻弦には戻れません。
11c lute
(*6コース以下の低音にPVFを使用、電子秤で重さを量り、ガット相当径を算出、適切な径が無いコースは研磨して調整した。)
この太いPVFはゆっくり伸びるので張って安定するまで日を要しますが、伸びきると安定は良いです。高音のほうはひとまずナイルガットです、どこか演奏の場に出かけ、調弦が安定するというのも現実として助かります。

category: リュート作品

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E.エグエス:S.L.ヴァイス リュート作品集  

出た直後くらいに買ったCDですが、2005年録音なのでけっこう経ちます。アルゼンチン出身のリュート奏者、エドゥアルド・エグエスによるS.L.ヴァイスのアルバム、E.エグエスはバーゼル、スコラ・カントルムでホプキンソン・スミスに師事、バッハのアルバムも出しています。師匠譲りと思われる繊細なヴァイスを聴かせます。使用楽器はロバート・ランドバーグ作の13コースlute、低音弦はピラミッドの巻弦に見えるが?使い込んで安定した状態と思われる。

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シルヴィウス・レオポルト・ヴァイス:リュート作品集
1.ソナタ イ短調「L'Infidele 異邦人」 (ロンドン手稿譜)
2.ソナタ ヘ長調(ドレスデン手稿譜)
3.「ロジー伯爵に捧ぐトンボー」(ロンドン手稿譜)
4.ソナタ ニ短調(ドレスデン手稿譜)
エドゥアルド・エグエス(バロックlute:ロバート・ランドバーグ作)
2005年6月 サン・ベルナルディーノ・デ・シエナ教会(ピエモンテ,イタリア)
*ワンポイント録音


このCDでは曲ごとに録音状態が違い、後の方ほど好ましく聴こえる。美しい響きではあるが、残響音はもっと控え目がいい。
一曲目は6つの楽章のソナタ、イ短調"L'Infidele"(異邦人)、以前は「不実な女」と訳されていたが「異邦人」のほうが内容に合う気がする、ヴァイスらしさと同時に他の作品とは少し異色な魅力を持つ、エグエスは装飾を巧みに行い、流線美の中に見事に収める、よくコントロールされたバスは控え目に聴こえるが録音のせいもあるだろう、自分の好みとしては13コースリュートにはいま少しどっしりと迫るところがほしい。
3曲目に入っている「ロジー伯爵に捧ぐトンボー」は後半が素晴らしいが、エグエスは鬼気迫る力感で引き付け、このアルバムで突出した魅力、だだし変ロ短調という難しい調で、易々とは取り組めない;
最後に入るソナタニ短調は、ドレスデン写本にある、あのアルペッジョのプレリュードで始まるお馴染みの曲、バロックluteをやる人が最初に取り組むヴァイス入門の曲だろう、特に困難な技法はなく、魅力を持った作品、エグエスの装飾巧みな第一級の演奏で聴くと、さらに美しくやり甲斐のある傑作に聴こえ、また弾きたくなってくる^^;

category: リュート作品

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R.バルト:S.L.ヴァイス Lute Sonatas,Vol.11  

ロバート・バルトのNAXOS盤、久方ぶりです;
2010年録音が最新盤らしいですが、今回はヴァイスの聴き応えのある作品が入っています。

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シルヴィウス・レオポルト・ヴァイス ソナタ 第11集
バロックlute:ロバート・バルト
録音 2010年11月18-20日、イギリス、西サセックス、聖トーマス・ベケット教会


一曲目のソナタ ハ長調はドレスデン本にある大作で演奏時間、27:56
フランス序曲で始まるが、これが充実している、当然、難度も高い;そのせいかタブラチュアには結構運指が書き込まれている。
グラーヴェに出てくる、この上行パッセージを粒を揃え滑かに決めるのが難しい、ここは上の音価どおりより、徐々に加速して拍に収めるのが良い。
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こういうのはルネサンスluteでいうフィゲタのような極意で、真面目な積み上げが必要か^^;
続いてアップテンポのフーガはストレッタで、密度が高い傑作、過去には今村泰典氏が鮮やかに決めた録音があったのみ、フーガのテーマは解放弦のバスでも弾かれるが、今村氏は完璧な消音操作で鍵盤音楽と言えそうな演奏だった。当盤のR.バルトの演奏は、今村氏のような決め方ではないが、リュートらしく、ちょっとほっとする^^
3曲目、ソナタ 変ホ長調に入っている、リゴードンはその昔、佐藤豊彦氏が世界初のバロックlute録音をしたLPにも入っていて印象強い、たしかに良い曲だ。

category: リュート作品

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M.シェーファー:フランスのリュート作品集  

ミヒャエル・シェーファーと同志オイゲン.M.ドンボアはリュート復興の先駆者、ヴァルター・ゲルヴィッヒに学んだ、その後のリュート界の総本山というべき二方です(西と東、みたいな流派の区別はありません^^;)リュート奏者は師を溯ればどちらかに行き着くでしょう。
惜しくもシェーファー氏は41歳の若さで亡くなり、ドンボア氏も昨年亡くなりました。
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今日は1966年録音のM.シェーファーによるLP盤、とても貴重なものとなりました。「フランスのリュート作品集」と題され、今日ではお馴染みのリュート・レパートリーを収めた1枚、録音も良好で多くの人が楽しめる内容でしょう。
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当盤のシェーファーの演奏は師W.ゲルヴィッヒの影響もあるでしょう、一音ずつを慈しむような弾弦音にまず魅了される、近年の奏者は装飾もあざやかにスリリングな演奏が多くなるが、全ての音を明瞭、端正に聴かせるシェーファーの演奏を聴くと、全曲が美しい宝玉のようで、原点に立ち返るべきか・・と思わせる。

1面の前半はピエール・アテニャンのTant que vivrayに始まり、5つの舞曲が続く、6コース、ルネサンスluteの素朴な美しさに溢れる。後半はお馴染みジャック・ビットナーの組曲ト短調、プレリュードが始まると一転して、深い低音弦に支えられたバロックの佇まい、同じ種族の楽器でありながら、これほど気分を変えられるのはリュートの面白いところ^^、シェーファーはリピートでの装飾演奏を行うが、ここも性急さはなく滋味に包み込む。
2面、1曲目は、ル・サージュ・ド・リシェーのグラーヴェに始まるフランス序曲、次にシャルル・ムートンの舞曲が3曲、このあたりもぜひ弾いてみたいような気品にあるれる曲だ。最後はロベール・ド・ヴィゼの組曲ニ短調、曲中のサラバンドなど、現代のギター・レパートリーとしてもお馴染みだが、原曲は5コースのバロックギターのもの、その独特の調弦法からくる響きが魅力だが、ここではシェーファーによるバロックluteへの編曲で演奏される、バロックギターがラスゲアートで奏でるウエイト部分が、リュートの深いバス弦に置き替り、あたかもオリジナル曲のような魅力を放つ。

思えば、シェーファーがSEONレーベルに残した最後の録音は、もう一歩踏み込んで、フレンチluteを聴かせてほしいという願いを叶えた1枚に思えます。

category: リュート作品

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Dubut "悪魔のシャコンヌ"?  

再掲となりますが、随分前から取り組んで未だ手中に収まらない、魅力な曲があります。
生没年不明のバロックのリュート奏者、Dubut(フランス人なら、デュビュ)のイ短調のシャコンヌです、作風からして初期のフレンチ・バロックより、だいぶ時代の下ったあたりと思われます。同じ和声進行の上で変奏をしていくシャコンヌ、パッサカリアはリュートにとって格好の形式で、ヴァイスも含め多くの作品があります。このシャコンヌのような傑作はそう多くはない、唯一録音している、R.キルヒホーフ氏が発掘した曲でしょう、キルヒホーフ氏本人に楽譜の出所を尋ねたところ、アメリカ・リュート協会所管のフィルムにあったそうで、同じフィルムを借りてスキャンを撮ったしだい、インクが褪せて見辛らかった;

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イ短調で書かれていて、恐れていたほど難易度は高くなかったものの、鮮やかに弾きこなすのは難しい;キルヒホーフ氏ほどの演奏は至難の技、
20140712231203b7a[1]
動画: "Preludio/Chacona en La menor" (Mouton/Dubut) para laúd
・まずS.Moutonのプレリュードが弾かれ、0:42からDubutのシャコンヌ

しかし魅了してやまないこの曲は小悪魔の戯れにも聴こえ、"悪魔のシャコンヌ"とでもあだ名をつけたい;
バッハのリュート作品に挑戦する気はまったくないですが^^;このDubutのシャコンヌが満足に弾けたら幸福、弾きやすいお気に入りの11コースluteが必要です。

category: リュート作品

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