FC2ブログ

Classic音楽,リュート,宇宙

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学 etc

多感様式:C.P.E.バッハの交響曲  

多感様式、今日はエマヌエル・バッハの交響曲に注目してみる、 
第1楽章は提示部、中間部、再現部の構成をとるが、中間部はやがて技法を凝らした展開部へと発展していき、ソナタ形式が完成する、早くもエマヌエルは展開部的書法を見せている、
しかし多感様式は曲の始まりからいきなり引き付ける要素がある、

まず、Sym D major Wq.183-1
第1楽章、vn1が動機を奏でるが、これ以上単純で印象強い始まりはないだろう、
wq 183 01
思い切った主題が使われ、協奏曲ではできない切り口で、管楽器も入るがハイドンの時代の用法には至っておらず、独特の効果になっている、
第2楽章がまた斬新で、弦楽はvaに上声を取らせ、vcとviolone(コントラバス)が別パートを弾くという珍しい響きである、vn1、2はpizzの助奏を入れるだけ、
20200826.jpg
終楽章もすんなりとは行かずユーモアか、
セレナードやディベルティメントとは異なり、交響曲とは"驚かす"音楽なのである、
c p e bach sym you 01
you tube:Symphony in D major, Wq 183 1, CPE Bach

2曲目はB minor Wq.185-5
これは筆者が最初に親しんだC.P.E.バッハの曲で、演奏もコレギウム・アウレウムによる、初めて手にした古楽器の音盤だった、
c p e bach sym
曲の斬新さと古楽器の響き両方が新鮮この上なく、不思議な魅力であった。
終楽章はバスラインにvaを重ね、力強く疾走するのが聴きどころである、
wq 185 5
you tubeはG.レオンハルト指揮による演奏、
c p e bach sym you 02
you tube:C.P.E. Bach - Symphony For Strings in B Minor Wq. 182/5

最後はE minor Wq.178
第1楽章は短調の力強い開始、こういうのも、のちの作曲家の短調作品に影響を与えているかもしれない、
wq 178 sc
1st vn パート譜
c p e bach sym you 03
you tube:C. Ph. E. Bach Symphony in E Minor - Reinhard Göbel & Budapest Festival Orchestra

驚きの始まりという点では、ベートーヴェンのSym「運命」などの先駆けと言えるかもしれない、あるいはこれらの曲でも?
ハイドン Sym No.44「哀悼」第1楽章
you tube:J. Haydn - Hob I:44 - Symphony No. 44 in E minor "Trauer" (Hogwood)
J.M.クラウス Sym C sharp minor VB.140 第1楽章(主部)
you tube:J. M. Kraus - VB 140 - Symphony in C sharp minor

ご覧いただき、ありがとうございました。
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村

category: C.P.E.バッハ

tb: 0   cm: 0

多感様式:C.P.E.Bach 協奏曲2曲  

バロック様式から新時代に移行するギャラント様式の一派として、ドイツ語圏で発達したという「多感様式」は感情表現を重んじ、転調による気分の変化が著しい、
のちにハイドンの疾風怒濤期やベートーヴェンの作品に霊感を与えた様式で、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハがその第一人者だろう、バロックと古典派の間によくぞ成立したと思える斬新な特殊性を感じる、時を置くとまた聴きたくなる;
 
まずはチェロ協奏曲イ短調Wq.170、これは同一曲が3つのソロ楽器のためにあり、最初の原曲はどれだろうか、
・鍵盤協奏曲 イ短調 : Wq.26 / H.430 / DC.2-29
・フルート協奏曲 イ短調 : Wq.166 / H.431 / DC.2-30
・チェロ協奏曲 イ短調 : Wq.170 / H.432 / DC.2-31
vc協奏曲のソロでは、このようにvcの1弦開放を多用する箇所があり、最初はvcのために書かれたのかもしれない、
201904012a_2020081710145173a.jpg
(*C.P.E.バッハは作品分類番号が複数あり、ややこしい、検索のときはWq.を使うが、曲同士の関連はH.かDC.のほうが連番でわかりやすい、)
vcソロ:ペター・ブルンス、ベルリン古楽アカデミーの演奏は快速で鋭く、
c p e bach cd
第1楽章 Allegro assaiは春の嵐を思わせる緊迫感である、vcソロの開放弦の余韻が印象的だ、カデンツァは奏者によるものだろうか、曲中の技法を発展させた見事な内容だ、第2楽章は例によって清々しい始まりだが、深い気分の移ろいがある、終楽章もAllegro assai、急速に引き締めた演奏だ、
c p e bach vc con you
you tube:C.P.E. Bach / Cello Concerto in A minor, Wq. 170 (H. 432)

*同曲のfl編で、良い演奏がyou tubeにある、
c p e bach fl con you
you tube:C.P.E. Bach: Flute Concerto in A minor, Wq.166, H.431 ? Bremer Barockorchester

次に鍵盤協奏曲ハ長調Wq.20、これぞ多感様式の魅力といえる、練られた傑作である、
第1楽章、前奏部だけでもそれが味わえる、
sc wq20
鍵盤譜:始まりは通奏低音であり、上段は空白、
第2楽章はハ短調で憂いを帯びて始まるが、それだけでは言いくくれない深い移ろいがある、
終楽章 Allegro assaiは快速で切れ味見事な魅力。
cemb:ラファエル・アルパーマン、ベルリン古楽アカデミーの演奏
wq20 you
you tube:Concerto in C Major for Harpsichord, Strings and Casso Continuo , Wq. 20:
I. [Ohne Satzbezeichnung]
II. Adagio ma non troppo
III. Allegro assai
それにしても、これらを聴くと父J.S.バッハの音楽に対し、一気に時代が進んだ感に驚く、おそらくバッハ一族で最も高名になったのはエマヌエルではないだろうか。

ご覧いただき、ありがとうございました。
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村

category: C.P.E.バッハ

tb: 0   cm: 2

C.P.E.バッハ:協奏曲 2曲  

依存症というか中毒というか;時を置くと、無性に聴きたくなる曲、あるいは名盤がある、
大バッハの二男、C.P.エマヌエルの作品は昔G.レオンハルトの演奏を聴いて以来、エマヌエル・ファンとなってしまった、その特徴ある音楽は多感様式と呼ばれ、C.P.E.バッハを中心とした18世紀後半のドイツで発達した感情表現を重んじ、突然の気分の変化が特徴的で、音楽進化の中で少し枝分かれした部分にも思える、これは初期~疾風怒濤期のハイドンにも影響を与えていて、エマヌエルを彷彿させる楽章も聴かれる。 
c p e bach
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(1714-1788)
G.レオンハルトが録音したのは鍵盤協奏曲ニ短調Wq.23で、これ以来の名演盤がフランス気鋭のチェンバロ奏者、ジャン・ロンドーとディナスティのアンサンブルによる演奏、この演奏では各パート1人ずつの編成だが、バス声部はcemb、vc、fag、cbの4人が演奏し、明確で構えがしっかりときこえる。
wq 23 you
you tube:Harpsichord Concerto in D Minor, H. 427:
I. Allegro II. Poco andante III. Allegro assai
第1楽章、跳躍の大きいテーマ、キビキビしながら弦楽がしなやかな味わいも加える、総奏が終り、ソロに入る前の溜め間が引き付ける、鮮やかな鍵盤さばきは申し分ない、
wq 23 sc
第1楽章始まり、跳躍、鋭い動きも多い
第2楽章は幻想的で、終楽章はふたたび切れ味良くたたみ込む、
なお、この曲はorchを増強するとシンフォニックな聴き応えがある。
父バッハのBWV1052と同じニ短調のWq.23はともに冷静さと熱情が同居したようで、あまり甘美に陥らないのが魅力に感じる。
 
さて、もう1曲、魅力溢れるのがフルート協奏曲ニ短調 Wq22、手持ち盤は同曲の鍵盤編と合わせ5種あるがこれが気に入っている。
c p e bach fl con wq22 *カップリングの関係で表紙の肖像は末弟 J.C.バッハである
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ フルート協奏曲ニ短調 Wq22
flトラヴェルソ:クリストフ・フントゥゲボールト
シュテファン・マイ指揮:ベルリン古楽アカデミー  HM

c p e bach fl con you01
you tube:C.P.E. Bach / Flute Concerto in D minor, Wq. 22 (H. 425)
第一楽章はベルリン古楽アカデミーのしなやかな響きとともにカチっとした枠組みを聴かせる、弱奏をぐっと引いて聴き手を引き込む、flソロはバックの枠組みに乗っかり、自由な遊び心を感じさせる、巧みな装飾演奏がくつろいだ気分にする。
第二楽章の涼やかな風のような始まりは古楽器ならでだろう、flソロも遠くから聴こえるように始まり、内面的な語りかけのようだ、笛と風の音を合わせたような flトラヴェルソの味わいがよりふさわしい。
終楽章、orchは快速、びしっとテンションを上げて前奏部分で引き付ける、バスの力感、内声のトレモロが弱奏部にも緊迫感を与える。flソロは意外なほど優雅でゆとりのある美音に徹しテンションは上げない、緊迫感を保っているのはバックのorchだ。
fl 向きに書かれた部分もあるが、鍵盤的に駆け抜けるパッセージも多くあり、特に終楽章はスリリングな聴きどころ。
c p e bach fl con
終楽章より

ご覧いただき、ありがとうございました。
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村

category: C.P.E.バッハ

tb: 0   cm: 0

J.ロンドー:バッハ一族のcemb協奏曲  

J.S.バッハがチェンバロ協奏曲を主に編曲という形で書いたのは息子達が既に鍵盤奏者として活躍していた頃で、複数台のための作品も息子らと共演したものと思われる、鍵盤conはバッハ家のお家芸だろうか、息子達も数多く作曲している、 
二男、C.P.E.バッハのCemb Conニ短調Wq.23はかつてG.レオンハルトが2度録音しており、C.P.E.バッハに魅せられた曲で、その後はM.シュパーニのタンジェントpfによる演奏も興味深かったが、今一度チェンバロによる新しい名演を聴きたかったところ、
フランス気鋭のチェンバロ奏者、ジャン・ロンドーとディナスティのアンサンブルによるバッハ一族の傑作を集めた1枚を聴いた、
rondeau bach
曲目は以下のとおり、
J.S.バッハ:チェンバロ協奏曲第1番ニ短調 BWV.1052
J.C.バッハ:チェンバロ協奏曲ヘ短調
W.F.バッハ:ソナタ ト長調 FK.7より第2楽章ラメント(orch編曲:J.ロンドー)
J.S.バッハ:チェンバロ協奏曲第5番ヘ短調 BWV.1056
C.P.E.バッハ:協奏曲ニ短調 Wq.23
2016年9月

ひじょうに指の廻る奏者で、急楽章は快速で緻密に決める、弦楽は各パート1人ずつ、
1曲目は父バッハのBWV1052である、
bwv 1052 you
you tube:Harpsichord Concerto No.1 in D minor [BWV 1052] - Johann Sebastian Bach
第1楽章は速めで整然と音が連なっていく、チェンバロ単独の所ではじっくりとアゴーギグの味わいを出す、第2楽章はゆっくり、ソロの絶妙なアゴーギグ、弦パートもソロイスティックに奏で室内楽的な充実感がある、終楽章はキレのよい快速、
ここから華僑に入るが、声部を重ねてダイナミズムが表現される、
bwv105 3rd
vnの原曲はどうだったのだろう、

もう1つのメインが最後のC.P.E.バッハのニ短調 Wq.23である、この演奏ではチェロにファゴットを重ね、バス声部が明確になり効果的、
wq 23 you
you tube:Harpsichord Concerto in D Minor, H. 427:
I. Allegro II. Poco andante III. Allegro assai
第1楽章、キビキビしながらも弦楽がしなやかな味わいも加える、鮮やかな鍵盤さばきは申し分ない、第2楽章は幻想的で、終楽章はふたたび切れ味良くたたみ込む、
wq 23 sc
第1楽章始まり、跳躍、鋭い動きも多い
なお、この曲はorchを増強するとシンフォニックな聴き応えがある。
父バッハのBWV1052と同じニ短調のWq.23はともに熱情と冷静さが同居したようで、あまり甘美に陥らないところが飽きの来ない魅力に感じる。

ご覧いただき、ありがとうございました。
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村

category: C.P.E.バッハ

tb: 0   cm: 2

C.P.E.バッハ:ハングルク交響曲集  

過去に初めて買った、古楽器orchのレコードというのが、コレギウム・アウレウム合奏団のLPだった、曲はカール・フィリップ・エマヌエル・バッハの交響曲ということもあって、古楽器の弦楽の響き、曲目ともに鮮烈な魅力があったのを覚えている。 
コレギウム・アウレウムはレコーディングのために古楽器を用いるorchとして結成されたそうだが、一気に注目を集め、その後各地で演奏活動も行なうようになり、来日もした、一度聴きに行ったこともある。この頃はまだ古楽奏法ではなく、古楽器を使った、に留まるものだった、まもなくG.レオンハルトが本格的に活躍するようになり、コレギウム・アウレウムは古楽演奏時代への橋渡し役を終えた。しかし、C.P.E.バッハの魅力をこれほど聴かせる演奏はほかになかったと思う、1968年の録音だが今聴いても鮮明なHiFiである。
c p e bach sym 01
コレギウム・アウレウム合奏団
1968年、ハルモニア・ムンディ

C.P.E.バッハが「ハングルク交響曲」と題されるこれらを書いたのは1773年、生涯の最後に活躍したハンブルク時代で、G.ファン・スヴィーテン男爵の依頼で書いたもの、男爵はハイドン、モーツァルトの支援者としても有名だが、これらをこの二人やベートーヴェンらに紹介しており、大きな影響を与えている、
当時の評論家、J.F.ライヒャルトが演奏に立ち会い、こう述べている、「人々は楽想の大胆で独奏的な進行、形式と転調の多様性と新奇さに心奪われた・・」と、これ以上言うことがないほど適切なコメント^^ギャラント様式の特殊な発展形だろうか、
弦楽器だけだが、極めて多彩な音楽になっている、全曲、楽章間の休みを置かず、アタッカで繫がる、そうあるべき曲である、よくありそうなカンタービレな旋律も予想どおりの和声進行も出てこず、研ぎ澄まされた音楽と言えようか。

コレギウム・アウレウム盤に入っていた4曲をyou tubeより新たな演奏で挙げる、
ロ短調Wq.182-5
Wq 182 5 you
you tube:C P E Bach “Symphony in B minor, Wq 182 No 5 H 661” Thomas Hengelbrock, 1990
終楽章のプレストは誰をも引き付ける力に溢れる、
Wq 182 5

イ長調Wq.182-4
Wq 182 4 you
you tube:C P E Bach “Symphony in A major, Wq 182 No 4 H 660” Thomas Hengelbrock, 1990

ハ長調Wq.182-3
Wq 182 3 you
you tube:C P E Bach “Symphony in C major, Wq 182 No 3 H 659” Thomas Hengelbrock, 1990
第2楽章の調は「転調」となっている、楽章への入り[129]がまた斬新、「緩叙楽章は穏やか」という先入観を覆す、
wq 182 3

変ロ長調Wq.182-2
Wq 182 2 you
you tube:Carl Philipp Emanuel Bach - Symphony B-flat major, H.658 ; Wq.182/2 (1773)

ご覧いただき、ありがとうございました。
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村

category: C.P.E.バッハ

tb: 0   cm: 0

P.ブルンス: C.P.E.Bach vc Concerto Wq.170  

時を置いて、ふと聴きたくなる曲が、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハのコンチェルトにもいくつかある、 
今日はチェロ協奏曲イ短調Wq.170、以前も取り上げたが、C.P.E.バッハの協奏曲は同一曲で異なる楽器のための編曲版が多数ある、下記の3曲は同じ曲だが、作品番号が数種類あって、何を基準に分類するかで異なるようだ、
鍵盤協奏曲 イ短調 : Wq.26 / H.430 / DC.2-29
フルート協奏曲 イ短調 : Wq.166 / H.431 / DC.2-30
チェロ協奏曲 イ短調 : Wq.170 / H.432 / DC.2-31

Wq.は同一曲を探るうえでは不便である、H.とDC.は連番になっている、書かれた順はチェロが最初ではないかと思う、
この独奏パートではチェロの1弦、開放を使う技法が使われている
vc con 01
vcソロ:ペーター・ブルンス、ベルリン古楽アカデミーの演奏は快速で鋭く、
c p e bach vc con P B
ペーター・ブルンス:vc
ベルリン古楽アカデミー 1999年

第1楽章 Allegro assaiは春の嵐を思わせる緊迫感である、カデンツァは奏者によるものだろうか、曲中の技法を発展させた見事な内容だ、
第2楽章は例によって清々しい始まりだが、深い気分の移ろいがある、
終楽章もAllegro assai、急速に引き締めた演奏だ、
c p e bach vc con you
you tube:C.P.E. Bach / Cello Concerto in A minor, Wq. 170 (H. 432)
先述のとおり、vcのほかflと鍵盤への編曲がある、各々の楽器に適した変更が見られるが原曲の魅力は損なっていない。
vc con 02
keyb con
同じ部分のvc(上)と鍵盤(下)、

フルート編による良い演奏がyou tubeにあった、
c p e bach fl con you
you tube:C.P.E. Bach: Flute Concerto in A minor, Wq.166, H.431 ? Bremer Barockorchester

ご覧いただき ありがとうございました。
にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村

category: C.P.E.バッハ

tb: 0   cm: 0

C.P.E.バッハ:vc協奏曲ほか編曲版  

C.P.E.バッハも同一の協奏曲をソロ楽器を替えて編曲したものが多い、今日取り上げる曲はチェロ、フルート、鍵盤と3つのヴァージョンがあり、原曲が同一でもそれぞれ異なる分類番号が3種類付いている、分類番号が複数あるのは他の作曲家にもあるがややこしい; 
鍵盤協奏曲 イ短調 : Wq.26 / H.430 / DC.2-29
フルート協奏曲 イ短調 : Wq.166 / H.431 / DC.2-30
チェロ協奏曲 イ短調 : Wq.170 / H.432 / DC.2-31

Wq.は協奏曲やソナタといった曲種ごと、またソロ楽器ごとに連ねてあり、H.DC.は同じ原曲からの編曲があれば連番にまとめてある、よってH.かDC.番号の順に並べた表があれば、同一曲が見つけやすいが、ハッキリ「Wq.26、Wq.166、Wq.170は原曲が同じ」と関係を補記した表がほしいところだ、C.P.E.バッハは作品数が多いだけに、何とかならないものか;
いずれもイ短調になっている、書かれた順は不明らしい、チェロが最初?のような印象だが;
チェロ協奏曲イ短調 Wq.170 / H.432
第一楽章のソロの始まりをみると、
vc con 01
cemb con 01
vc(上)、鍵盤(下)
チェロやフルートの旋律楽器的な趣きがある、鍵盤的なパッセージも出てくるが、vcの楽譜では一部簡素になっている、
cv sc 01
cemb sc 01
同じ部分のvc(上)と鍵盤(下)、
vcソロでは1弦の開放弦の響きも効果的に活かしてある、
vc con 03
ここを見ても、vc用に初めに書かれたようにも思えるが?
vc協奏曲のほうは動画の見られるyou tubeをリンクしておく、ただし第1楽章のみ、
vc con you 01
you tube:C.P.E. Bach: Cello Concerto in A Minor Wq. 170; William Skeen, Voices of Music, First Mvt. 4K UHD
全楽章はこちら、
vc con 02 you
you tube:C.P.E. Bach / Cello Concerto in A minor, Wq. 170 (H. 432)
Peter Bruns:vc、ベルリン古楽アカデミー

フルート協奏曲イ短調 Wq.166 / H.431
最初に聴いたのはフルート編だったが、tuttiの力強さとフルートの雅びな味わいが対比となって魅力だ、スリリングなパッセージも聴きどころ。
これも第1楽章のみ、
fl con you
you tube:CPE Bach, Flute Concerto Wq. 166 in A minor (1750) - I. Allegro assai

鍵盤協奏曲イ短調: Wq.26 / H.430
最後に鍵盤編を聴いた、手元にはミクローシュ・シュパンニのタンジェント・ピアノによる演奏がある、
m s cpe bachm s cpe bach 02
ミクローシュ・シュパンニ:tangent piano、Opus X
他の演奏と比べ、ゆっくりめのテンポだが、楽器の余韻とともに完璧に粒の揃った音が心地よく、自然に感じてくる、
you tubeはモダンピアノの演奏のみあった、タンジェント・ピアノにはほど遠いが、
you tube:Kammerphilharmonie Berlin-Brandenburg (KBB): C.P.E. Bach - Klavierkonzert in a-Moll
カデンツァが入り、再現部ではorch.が演奏するtutti主題をソロが再現する、この協奏曲手法はブラームスになっても引き継がれている。
曲自体が多感様式の迫力に満ち、いずれの楽器でも、それぞれ聴き応えがある。

ご覧いただき ありがとうございました。

にほんブログ村

category: C.P.E.バッハ

tb: 0   cm: 0

バロッカネルネ:C.P.E.Bach Sym & Con  

C.P.E.バッハの新盤を取り寄せた、ob奏者のA.ベルナルディーニ率いるノルウェーの古楽アンサンブル、バロッカネルネの演奏で、1989年から活動しているが、当盤がデビュー盤だそうで、手始めがC.P.E.Bachとは気合い入っている^^北欧では優れた古楽団体を耳にするが、ノルウェーは初登場か? 
収録曲はC.P.E.バッハの魅力が一望できる選曲だ、アンサンブル・ゼフィロの創設者で古楽界有数のバロックob奏者、A.ベルナルディーニとノルウェー人として初めてEuropean Union Baroque Orchestraに参加したCemb奏者、C.ショスがリードしている。
c p e bach sym con 2
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ
1.交響曲ホ短調 WQ.178
2.オーボエ協奏曲変ホ長調 WQ.165
3.チェンバロ協奏曲ニ短調 WQ.17
4.交響曲ニ長調 WQ.183/1
アルフレード・ベルナルディーニ:ob、クリスティアン・ショス:cemb.
バロッカネルネ   LAWO 2012年

1曲目の交響曲ホ短調 WQ.178で引き付ける、3楽章のSymで、協奏曲に比べ短いが、驚きの内容が集約されている、バロックと古典派に跨がるこの時代、よくこういう前衛的ともいえる音楽が生まれたものだと思う、
wq 178 ovn1パート
当SACDではもっと生々しく迫ってくる、ナチュラルhornの荒々しさが相応しく効いている、第1楽章の趣きからか「ファンダンゴ」という副題が誰かによって付けられたようだ?
バロッカネルネのライヴ動画が第1楽章のみあった、
barokkanerne.jpg
you tube:CPE BACH: 1st. movement, Allegro Assai from Symphony in E-minor WQ 178
追加:こちらは同曲を全楽章聴ける、これも活きの良い演奏、
wq 178 you
you tube:C.P.E. Bach / Symphony in E minor, Wq. 178 (H. 653)
ベルリン古楽アカデミー

2曲目はオーボエ協奏曲変ホ長調 WQ.165、これはギャラント様式らしい安定した趣きもあり、のちのハイドンの協奏曲にも繋がっていきそうだ、もちろん"多感"な様式としての聴きどころもある。
you tubeはFrank de Bruine;Roy Goodmanによる演奏、
wq 165 you
you tube:C. P. E. Bach (1714-1788) - Oboe Concerto in E flat, Wq.165

3曲目はチェンバロ協奏曲ニ短調 WQ.17、これも聴き応え十分、鍵盤協奏曲の代表的傑作だろう、またハイドンの鍵盤協奏曲に影響しているのもわかるが、こちらは気分の変化著しい多感の音楽だ、特に終楽章では、WQ.178と同じ「フェンダンゴ」?のようなスペイン音楽の趣きに聴こえる部分あり、
これは当盤、バロッカネルネの演奏が挙がっていた、
wq 17 you
you tube:C.P.E.Bach: Concerto in D minor for Keyboard, Strings & B.c Wq. 17 H.420

最後は交響曲ニ長調 WQ.183/1、第1楽章始まりの主題は一度聴けば忘れない、これまた斬新なものだ;
sc 01 1
you tubeはAndrew Manze The English Concertの演奏を挙げる、
*ボリューム上げる必要あり、
wq 183 1 you
you tube:C.P.E. Bach - 4 Symphonies Wq.183 | Andrew Manze The English Concert

余談:バルト海の北、北欧諸国と言ってもまだ混同しがちだ、国旗を見ても殆ど「十字」が基本デザインで区別し辛い;
n eu
陸続きで歴史があるようだが言語も国内の地方で違う所があったりする、多くはヨーロッパ系の言語だが、フィンランド語は膠着語というタイプで、日本語や韓国語とも同じ分類になるというのが不思議で興味深い。

ご覧いただき ありがとうございました。

にほんブログ村

category: C.P.E.バッハ

tb: 0   cm: 2

"多感様式":C.P.E.Bach fl Con Wq.22  

バロック期から古典派期に移行する間にギャラント様式の時代があり、フランスのロココ趣味を模範とした、厳格なポリフォニックな書法から流麗な主旋律を重んじたホモフォニックな書法へと移っていた。多感様式とも呼ばれ特にカール・フィリップ・エマヌエル・バッハを中心とした18世紀後半のドイツで発達した、 
c p e bach
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(1714-1788)
感情表現を重んじ、突然の気分の変化が特徴的で、音楽進化の中で少し枝分かれした部分にも思える、これは疾風怒濤期のハイドンなどにも影響を与えていて、C.P.E.バッハを彷彿させる楽章も聴かれる。昨夜もその魅力をよく湛えたフルート協奏曲ニ短調 Wq22をじっくり再聴した、手持ちの音盤は原曲の鍵盤と合わせ5種あるがこれが気に入っている。
c p e bach fl con wq22 *カップリングの関係で表紙の肖像は末弟 J.C.バッハである
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ フルート協奏曲ニ短調 Wq22
flトラヴェルソ:クリストフ・フントゥゲボールト
シュテファン・マイ指揮:ベルリン古楽アカデミー  HM

第一楽章はベルリン古楽アカデミーのしなやかな響きとともにカチっとした枠組みを聴かせる、弱奏をぐっと引いて聴き手を引き込む、flソロはバックの枠組みに乗っかり、自由な遊び心を感じさせる、巧みな装飾演奏がくつろいだ気分にする。
第二楽章の涼やかな風のような始まりは古楽器ならでだろう、flソロも遠くから聴こえるように始まり、内面的な語りかけのようだ、笛と風の音を合わせたような flトラヴェルソの味わいがよりふさわしい。
終楽章、orchは快速、びしっとテンションを上げて前奏部分で引き付ける、バスの力感、内声のトレモロが弱奏部にも緊迫感を与える。flソロは意外なほど優雅でゆとりのある美音に徹しテンションは上げない、緊迫感を保っているのはバックのorchだ。
原曲は鍵盤協奏曲として書かれており、fl 向きに書き直された部分もあるが、あえて鍵盤的な駆け抜けるパッセージも多く残され、特に終楽章はスリリングな聴きどころ。
sc fl con wq22
終楽章より
you tubeに当盤が挙がっている
c p e bach fl con you01
you tube:C.P.E. Bach / Flute Concerto in D minor, Wq. 22 (H. 425)
もう一つライヴを、
c p e bach fl con you02
you tube:C.P.E. Bach - Concerto for flute, strings and continuo in D minor Wq 22

ご覧いただき、ありがとうございました。

にほんブログ村

category: C.P.E.バッハ

tb: 0   cm: 0

G.レオンハルト:C.P.E.Bach Cemb. Con Wq.23  

時代が移り変わるときの春の嵐とでも言うべきか、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハの曲を初めて聴いたときはその斬新さと躍動感に驚いた、それまでの規則で固められたようなバロック音楽に対し、様相は一転する、新時代のギャラント様式の中で、特にドイツで発達したのが多感様式と呼ぶにふさわしく思う(明確な区別はないが)、 
その魅力をいち早く聴かせてくれたのは古楽奏者だった、G.レオンハルトが2度録音している、鍵盤協奏曲ニ短調Wq.23も傑作の1つでまさに多感様式、
g l c p e bach wq23
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ:鍵盤協奏曲ニ短調Wq.23
グスタフ・レオンハルト:指揮・cemb.
レオンハルト合奏団  SEON

第1楽章、多様な転調、跳躍の大きい動き、鋭いパッセージ、tuttiはvn1とvn2が同パートで力強く聴かせる部分が多い、バスや内声はホモフォニックな扱いで衝動的な転調を導いていく。
sc01 01
第1楽章、冒頭
第2楽章は穏やかながら、やはり平坦には進まず、雲行きが変わる。
終楽章は怒濤の楽章、第一楽章に勝る緊迫感、鍵盤の技巧もスリリングな切れ味、エマヌエルの兄弟達や周辺の作曲家達も同様式の曲を書いているが、エマヌエルが圧倒的に魅力だ。
g l c p e bach wq23 you
you tube:C.P.E.Bach Concerto in D minor, H. 427 - Gustav Leonhardt
 第1楽章  第2楽章  第3楽章

ところで、大バッハの作品番号が付いて、お馴染みの曲だった中に、真作ではないのが確認された曲、疑わしい曲が多々ある、flとオブリガートCemb.のためのソナタBWV1031は第2楽章「シチリアーノ」が有名だが大いに疑わしい、
sc bwv1031
第2楽章、冒頭
両端楽章も聴けばより感じるが大バッハの作風ではなく、息子の誰か(たぶんエマヌエル)で父バッハも共作で関わっているかも?といった説もある。
bwv1031 you
参考・you tube:Johann Sebastian Bach, flute sonata E-flat major BWV 1031, Rampal/Pinnock

ご覧いただき、ありがとうございました。

にほんブログ村

category: C.P.E.バッハ

tb: 0   cm: 0

プロフィール

最新記事

最新コメント

カテゴリ

最新トラックバック