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Micha: Classic音楽・Lute・宇宙

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学の話など

P.ブルンス: C.P.E.Bach vc Concerto Wq.170  

時を置いて、ふと聴きたくなる曲が、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハのコンチェルトにもいくつかある、 
今日はチェロ協奏曲イ短調Wq.170、以前も取り上げたが、C.P.E.バッハの協奏曲は同一曲で異なる楽器のための編曲版が多数ある、下記の3曲は同じ曲だが、作品番号が数種類あって、何を基準に分類するかで異なるようだ、
鍵盤協奏曲 イ短調 : Wq.26 / H.430 / DC.2-29
フルート協奏曲 イ短調 : Wq.166 / H.431 / DC.2-30
チェロ協奏曲 イ短調 : Wq.170 / H.432 / DC.2-31

Wq.は同一曲を探るうえでは不便である、H.とDC.は連番になっている、書かれた順はチェロが最初ではないかと思う、
この独奏パートではチェロの1弦、開放を使う技法が使われている
vc con 01
vcソロ:ペター・ブルンス、ベルリン古楽アカデミーの演奏は快速で鋭く、
c p e bach vc con P B
ペーター・ブルンス:vc
ベルリン古楽アカデミー 1999年

第1楽章 Allegro assaiは春の嵐を思わせる緊迫感である、カデンツァは奏者によるものだろうか、曲中の技法を発展させた見事な内容だ、
第2楽章は例によって清々しい始まりだが、深い気分の移ろいがある、
終楽章もAllegro assai、急速に引き締めた演奏だ、
c p e bach vc con you
you tube:C.P.E. Bach / Cello Concerto in A minor, Wq. 170 (H. 432)
先述のとおり、vcのほかflと鍵盤への編曲がある、各々の楽器に適した変更が見られるが原曲の魅力は損なっていない。
vc con 02
keyb con
同じ部分のvc(上)と鍵盤(下)、

フルート編による良い演奏がyou tubeにあった、
c p e bach fl con you
you tube:C.P.E. Bach: Flute Concerto in A minor, Wq.166, H.431 ? Bremer Barockorchester

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category: C.P.E.バッハ

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C.P.E.バッハ:vc協奏曲ほか編曲版  

C.P.E.バッハも同一の協奏曲をソロ楽器を替えて編曲したものが多い、今日取り上げる曲はチェロ、フルート、鍵盤と3つのヴァージョンがあり、原曲が同一でもそれぞれ異なる分類番号が3種類付いている、分類番号が複数あるのは他の作曲家にもあるがややこしい; 
鍵盤協奏曲 イ短調 : Wq.26 / H.430 / DC.2-29
フルート協奏曲 イ短調 : Wq.166 / H.431 / DC.2-30
チェロ協奏曲 イ短調 : Wq.170 / H.432 / DC.2-31

Wq.は協奏曲やソナタといった曲種ごと、またソロ楽器ごとに連ねてあり、H.DC.は同じ原曲からの編曲があれば連番にまとめてある、よってH.かDC.番号の順に並べた表があれば、同一曲が見つけやすいが、ハッキリ「Wq.26、Wq.166、Wq.170は原曲が同じ」と関係を補記した表がほしいところだ、C.P.E.バッハは作品数が多いだけに、何とかならないものか;
いずれもイ短調になっている、書かれた順は不明らしい、チェロが最初?のような印象だが;
チェロ協奏曲イ短調 Wq.170 / H.432
第一楽章のソロの始まりをみると、
vc con 01
cemb con 01
vc(上)、鍵盤(下)
チェロやフルートの旋律楽器的な趣きがある、鍵盤的なパッセージも出てくるが、vcの楽譜では一部簡素になっている、
cv sc 01
cemb sc 01
同じ部分のvc(上)と鍵盤(下)、
vcソロでは1弦の開放弦の響きも効果的に活かしてある、
vc con 03
ここを見ても、vc用に初めに書かれたようにも思えるが?
vc協奏曲のほうは動画の見られるyou tubeをリンクしておく、ただし第1楽章のみ、
vc con you 01
you tube:C.P.E. Bach: Cello Concerto in A Minor Wq. 170; William Skeen, Voices of Music, First Mvt. 4K UHD
全楽章はこちら、
vc con 02 you
you tube:C.P.E. Bach / Cello Concerto in A minor, Wq. 170 (H. 432)
Peter Bruns:vc、ベルリン古楽アカデミー

フルート協奏曲イ短調 Wq.166 / H.431
最初に聴いたのはフルート編だったが、tuttiの力強さとフルートの雅びな味わいが対比となって魅力だ、スリリングなパッセージも聴きどころ。
これも第1楽章のみ、
fl con you
you tube:CPE Bach, Flute Concerto Wq. 166 in A minor (1750) - I. Allegro assai

鍵盤協奏曲イ短調: Wq.26 / H.430
最後に鍵盤編を聴いた、手元にはミクローシュ・シュパンニのタンジェント・ピアノによる演奏がある、
m s cpe bachm s cpe bach 02
ミクローシュ・シュパンニ:tangent piano、Opus X
他の演奏と比べ、ゆっくりめのテンポだが、楽器の余韻とともに完璧に粒の揃った音が心地よく、自然に感じてくる、
you tubeはモダンピアノの演奏のみあった、タンジェント・ピアノにはほど遠いが、
you tube:Kammerphilharmonie Berlin-Brandenburg (KBB): C.P.E. Bach - Klavierkonzert in a-Moll
カデンツァが入り、再現部ではorch.が演奏するtutti主題をソロが再現する、この協奏曲手法はブラームスになっても引き継がれている。
曲自体が多感様式の迫力に満ち、いずれの楽器でも、それぞれ聴き応えがある。

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category: C.P.E.バッハ

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バロッカネルネ:C.P.E.Bach Sym & Con  

C.P.E.バッハの新盤を取り寄せた、ob奏者のA.ベルナルディーニ率いるノルウェーの古楽アンサンブル、バロッカネルネの演奏で、1989年から活動しているが、当盤がデビュー盤だそうで、手始めがC.P.E.Bachとは気合い入っている^^北欧では優れた古楽団体を耳にするが、ノルウェーは初登場か? 
収録曲はC.P.E.バッハの魅力が一望できる選曲だ、アンサンブル・ゼフィロの創設者で古楽界有数のバロックob奏者、A.ベルナルディーニとノルウェー人として初めてEuropean Union Baroque Orchestraに参加したCemb奏者、C.ショスがリードしている。
c p e bach sym con 2
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ
1.交響曲ホ短調 WQ.178
2.オーボエ協奏曲変ホ長調 WQ.165
3.チェンバロ協奏曲ニ短調 WQ.17
4.交響曲ニ長調 WQ.183/1
アルフレード・ベルナルディーニ:ob、クリスティアン・ショス:cemb.
バロッカネルネ   LAWO 2012年

1曲目の交響曲ホ短調 WQ.178で引き付ける、3楽章のSymで、協奏曲に比べ短いが、驚きの内容が集約されている、バロックと古典派に跨がるこの時代、よくこういう前衛的ともいえる音楽が生まれたものだと思う、
wq 178 ovn1パート
当SACDではもっと生々しく迫ってくる、ナチュラルhornの荒々しさが相応しく効いている、第1楽章の趣きからか「ファンダンゴ」という副題が誰かによって付けられたようだ?
バロッカネルネのライヴ動画が第1楽章のみあった、
barokkanerne.jpg
you tube:CPE BACH: 1st. movement, Allegro Assai from Symphony in E-minor WQ 178
追加:こちらは同曲を全楽章聴ける、これも活きの良い演奏、
wq 178 you
you tube:C.P.E. Bach / Symphony in E minor, Wq. 178 (H. 653)
ベルリン古楽アカデミー

2曲目はオーボエ協奏曲変ホ長調 WQ.165、これはギャラント様式らしい安定した趣きもあり、のちのハイドンの協奏曲にも繋がっていきそうだ、もちろん"多感"な様式としての聴きどころもある。
you tubeはFrank de Bruine;Roy Goodmanによる演奏、
wq 165 you
you tube:C. P. E. Bach (1714-1788) - Oboe Concerto in E flat, Wq.165

3曲目はチェンバロ協奏曲ニ短調 WQ.17、これも聴き応え十分、鍵盤協奏曲の代表的傑作だろう、またハイドンの鍵盤協奏曲に影響しているのもわかるが、こちらは気分の変化著しい多感の音楽だ、特に終楽章では、WQ.178と同じ「フェンダンゴ」?のようなスペイン音楽の趣きに聴こえる部分あり、
これは当盤、バロッカネルネの演奏が挙がっていた、
wq 17 you
you tube:C.P.E.Bach: Concerto in D minor for Keyboard, Strings & B.c Wq. 17 H.420

最後は交響曲ニ長調 WQ.183/1、第1楽章始まりの主題は一度聴けば忘れない、これまた斬新なものだ;
sc 01 1
you tubeはAndrew Manze The English Concertの演奏を挙げる、
*ボリューム上げる必要あり、
wq 183 1 you
you tube:C.P.E. Bach - 4 Symphonies Wq.183 | Andrew Manze The English Concert

余談:バルト海の北、北欧諸国と言ってもまだ混同しがちだ、国旗を見ても殆ど「十字」が基本デザインで区別し辛い;
n eu
陸続きで歴史があるようだが言語も国内の地方で違う所があったりする、多くはヨーロッパ系の言語だが、フィンランド語は膠着語というタイプで、日本語や韓国語とも同じ分類になるというのが不思議で興味深い。

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category: C.P.E.バッハ

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"多感様式":C.P.E.Bach fl Con Wq.22  

バロック期から古典派期に移行する間にギャラント様式の時代があり、フランスのロココ趣味を模範とした、厳格なポリフォニックな書法から流麗な主旋律を重んじたホモフォニックな書法へと移っていた。多感様式とも呼ばれ特にカール・フィリップ・エマヌエル・バッハを中心とした18世紀後半のドイツで発達した、 
c p e bach
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(1714-1788)
感情表現を重んじ、突然の気分の変化が特徴的で、音楽進化の中で少し枝分かれした部分にも思える、これは疾風怒濤期のハイドンなどにも影響を与えていて、C.P.E.バッハを彷彿させる楽章も聴かれる。昨夜もその魅力をよく湛えたフルート協奏曲ニ短調 Wq22をじっくり再聴した、手持ちの音盤は原曲の鍵盤と合わせ5種あるがこれが気に入っている。
c p e bach fl con wq22 *カップリングの関係で表紙の肖像は末弟 J.C.バッハである
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ フルート協奏曲ニ短調 Wq22
flトラヴェルソ:クリストフ・フントゥゲボールト
シュテファン・マイ指揮:ベルリン古楽アカデミー  HM

第一楽章はベルリン古楽アカデミーのしなやかな響きとともにカチっとした枠組みを聴かせる、弱奏をぐっと引いて聴き手を引き込む、flソロはバックの枠組みに乗っかり、自由な遊び心を感じさせる、巧みな装飾演奏がくつろいだ気分にする。
第二楽章の涼やかな風のような始まりは古楽器ならでだろう、flソロも遠くから聴こえるように始まり、内面的な語りかけのようだ、笛と風の音を合わせたような flトラヴェルソの味わいがよりふさわしい。
終楽章、orchは快速、びしっとテンションを上げて前奏部分で引き付ける、バスの力感、内声のトレモロが弱奏部にも緊迫感を与える。flソロは意外なほど優雅でゆとりのある美音に徹しテンションは上げない、緊迫感を保っているのはバックのorchだ。
原曲は鍵盤協奏曲として書かれており、fl 向きに書き直された部分もあるが、あえて鍵盤的な駆け抜けるパッセージも多く残され、特に終楽章はスリリングな聴きどころ。
sc fl con wq22
終楽章より
you tubeに当盤が挙がっている
c p e bach fl con you01
you tube:C.P.E. Bach / Flute Concerto in D minor, Wq. 22 (H. 425)
もう一つライヴを、
c p e bach fl con you02
you tube:C.P.E. Bach - Concerto for flute, strings and continuo in D minor Wq 22

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G.レオンハルト:C.P.E.Bach Cemb. Con Wq.23  

時代が移り変わるときの春の嵐とでも言うべきか、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハの曲を初めて聴いたときはその斬新さと躍動感に驚いた、それまでの規則で固められたようなバロック音楽に対し、様相は一転する、新時代のギャラント様式の中で、特にドイツで発達したのが多感様式と呼ぶにふさわしく思う(明確な区別はないが)、 
その魅力をいち早く聴かせてくれたのは古楽奏者だった、G.レオンハルトが2度録音している、鍵盤協奏曲ニ短調Wq.23も傑作の1つでまさに多感様式、
g l c p e bach wq23
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ:鍵盤協奏曲ニ短調Wq.23
グスタフ・レオンハルト:指揮・cemb.
レオンハルト合奏団  SEON

第1楽章、多様な転調、跳躍の大きい動き、鋭いパッセージ、tuttiはvn1とvn2が同パートで力強く聴かせる部分が多い、バスや内声はホモフォニックな扱いで衝動的な転調を導いていく。
sc01 01
第1楽章、冒頭
第2楽章は穏やかながら、やはり平坦には進まず、雲行きが変わる。
終楽章は怒濤の楽章、第一楽章に勝る緊迫感、鍵盤の技巧もスリリングな切れ味、エマヌエルの兄弟達や周辺の作曲家達も同様式の曲を書いているが、エマヌエルが圧倒的に魅力だ。
g l c p e bach wq23 you
you tube:C.P.E.Bach Concerto in D minor, H. 427 - Gustav Leonhardt
 第1楽章  第2楽章  第3楽章

ところで、大バッハの作品番号が付いて、お馴染みの曲だった中に、真作ではないのが確認された曲、疑わしい曲が多々ある、flとオブリガートCemb.のためのソナタBWV1031は第2楽章「シチリアーノ」が有名だが大いに疑わしい、
sc bwv1031
第2楽章、冒頭
両端楽章も聴けばより感じるが大バッハの作風ではなく、息子の誰か(たぶんエマヌエル)で父バッハも共作で関わっているかも?といった説もある。
bwv1031 you
参考・you tube:Johann Sebastian Bach, flute sonata E-flat major BWV 1031, Rampal/Pinnock

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M.シュパンニ:C.P.E.バッハ 鍵盤協奏曲集vol.18  

今日はお気に入り作曲家の一人、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハです。
ミクローシュ・シュパンニによる鍵盤協奏曲のアルバムは結構集めましたが、エマヌエルの作品番号というのが複数あってお目当ての曲を探すのがややこしい;シュパンニはしばらくの間、タンジェント・ピアノを用いての録音が続いたが、Wq43/1-4を入れた第18集はチェンバロを使っています。
大バッハの二男エマヌエルはギャラントな前古典派に位置しますが、やや特殊な「多感様式」という当時ドイツで風靡した表現衝動の斬新な音楽です。初期のハイドンにもエマヌエルの影響を受けた作風が見られます。
c p e bach02
ミクローシュ・シュパンニ(チェンバロ)
コンチェルト・アルモミコ・ブダペスト
2011年録音 BIS


協奏曲ヘ長調Wq43/1
第一楽章はホルンが加わり、快活流麗な楽章、これはハイドンの鍵盤協奏曲にも聴かれる味わい、しかしfとpの対比、休符による動と静がピリっと引き締める、終止をとらずチェンバロ・ソロが第二楽章へ移る、弦楽が重なり瞑想的な緩抒楽章、休みなく突如と終楽章プレスティッシモのトゥッティが始まり、意表を突く。
協奏曲ニ長調Wq43/2
第一楽章はアレグロ・ディ・モルトだが、途中2か所ソロによるアンダンテが挿入される、これは多感様式らしい急激変化の聴かれる楽章、ナチュラルホルンが力感を補強する、またしても第二楽章への繋がり方が唐突、ここではホルンに替りflトラベルソをvnパートに重ね、ほの暗い気分のアンダンテとなる、しばし穏やかなチェンバロ・ソロを聴かせ、再び翳りを帯びたオケ、と繰り返す、休まず終楽章アレグレット、ロンド形式かハイドン風の明るさで始まり、典雅な雰囲気を通し、転調の妙を聴かせるがさほど緊迫感はない。
協奏曲変ホ長調Wq43/3
第一楽章、アレグロ、わりと撫でやかな主題に始まり、総奏でぐっと力感の対比をつける、ソロは穏やかに流れる、ソロとオケが意味ありげな対話を交わす、続けて第二楽章ラルゲット、オケはvnにトラヴェルソを重ねる、短めで雅びな楽章、まだ続きがありそうにして突如終楽章プレストに入る、終楽章はソロ、オケともに快活な切れ味と緊迫感。
協奏曲ハ短調Wq43/4
この曲はちょっと変わった構成で、4つの短い楽章からなり、第一楽章と終楽章が同一、ただし終楽章はヘ短調で開始し、カデンツァが入るので第一楽章の続きかもしれない。
c p e bach
間にポコ・アダージョとテンポ・ディ・メヌエットが入り続けて演奏される、1つの楽章とも取れそうだ、曲はエマヌエルの短調作品らしい魅力を聴かせる。

高域を幾分強調して聴きます、少しだけでチェンバロが心地よく、くっきり浮びます。
amp_201609021315576ce.jpg

category: C.P.E.バッハ

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K.ヒュンテラー:C.P.E.バッハ fl協奏曲A-moll Wq.166 ≪追記あり≫  

今日も北西の風でカラっとした晴天、暑くもなく快適でした。micha
音楽を聴くにも気分よく、こんな日が続くとありがたいのですが・・^^
空の写真16時半
単なる空の写真、16:30頃

さて、またまたエマヌエル・バッハです、今日はコンラート・ヒュンテラーのflトラヴェルソ、トン・コープマン指揮アムステルダム・バロックOによるC.P.E.バッハ fl協奏曲全集(5曲)より、先日と同じくA-moll Wq.166を聴きます。
これは廃盤になってしまった後、オークションで手に入れましたが、ヒュンテラーのトラヴェルソの上手さ、コープマンらしい活き活きとして柔軟な感覚もあるバックがすばらしく、またナチュラルな好録音でなかなかの名盤です。
c p e bach wq166
コンラート・ヒュンテラー(flトラヴェルソ)
トン・コープマン(指揮) アムステルダム・バロックO
1986年録音 エラート


fl協奏曲A-moll Wq.166、
第一楽章、アレグロ・アッサイは疾走する多感様式、爽快さとぐっと迫る力感(強弱対比)も十分、flらしい、味わいのあるソロで始まるが、81小節から87小節まで、原曲の鍵盤そのままの長く息をつかせぬパッセージがでてくる、ブレスなしに突き進む、もちろん難しそうなのはここだけではない。細かく聴くと、T.コープマンの通奏低音(cembalo)もすばらしい、ソロ旋律に対する、ポリフォニックなリアライゼーションが巧みで多いに楽しみを増す。
第二楽章、アンダンテ、付点のリズミカルな感覚を置き、さらりと快調に進める、味わいのあるソロパートに弦の和声が爽快。ここでもコープマンのcembaloが華を添える。
終楽章、ソロとバックが掛け合いをする書かれ方、程良くリズムを刻み、柔軟な美しさも聴かせる。当全集の他の作品も聴き応え十分で、これは多感様式を極めたfl協奏曲傑作集のようなもの、無駄な作品は一つもない。

*flトラヴェルソは構造が単純だけに複雑なクロスフィンガリング(途中の穴を開けて、下の穴を押える)を多用して音を作る、例えばG♯とA♭は違う押さえをする場合もある;
運指
参考→flトラヴェルソ運指表(トヤマ楽器) 
もちろん吹き方でも大きく変化するが、非常に難しそうだ。無段階にポルタメント可能な作音楽器であり、その微妙な表現がモダンflとは大きく趣きを異にする。

追記:参考動画、モダン楽器による新時代感覚の演奏
a jack
フルート: 吉岡次郎、アンサンブルJACK
C.P.E.Bach / Flute Concerto in a minor Wq 166; H431

category: C.P.E.バッハ

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P.ガロワ:C.P.E.バッハ:フルート協奏曲A-moll Wq.166ほか  

micha
昨日に続き、C.P.エマヌエル.バッハです。今日はNAXOS盤、パトリック・ガロワがソロのfl協奏曲で、オケはケヴィン・マロン指揮、トロント室内O、モダン楽器によるピリオド・モード、すなわち現代の古典派モードと言える。
gallois.jpg
パトリック・ガロワ:フルート
ケヴィン・マロン:指揮、トロント室内O
2002年 NAXOS


まずはfl協奏曲A-moll Wq.166、これは昨日の鍵盤協奏曲A-moll Wq.26と同一曲で、flソロのために編曲されたもの、鍵盤的な分散された旋律をfl向きにまとめた部分もあるが、あえて鍵盤そのままのパッセージをflで演奏する、スリリングな聴きどころも満載。
第一楽章、昨日のM.シュパーニの鍵盤演奏に対し、かなりハイテンポに疾走するスマートな前奏に始まる、ガロワのflはモダン楽器で当然flトラヴェルソとはフィンガリングも違うと思うが、トラヴェルソを彷彿させる、"装飾ヴィヴラート"を随所で聴かせ、また装飾音も巧みに取り入れる、
第二楽章、マロン指揮、トロント室内Oの弦楽の入りはノンヴィヴラートの爽快な響きで開始、ガロワのflも同質で、装飾的聴きどころも置く、前古典派らしい雅びな雰囲気を湛える。
終楽章も快速ぎみに軽やかにまとめる、それでもエマヌエル・バッハのぐっと粘るような音楽は味わえる。fl以外にもvnやvcがソロを補助するような室内楽的な聴きどころがある。
全楽章、スマートにまとめていて、これなりに良いが、好みとしてはもうちょいゴリゴリ押してくる凄味があっても良いと思う。

もう一つ、こちらはよく演奏される、fl協奏曲D-moll Wq.22も聴いてみた、こちらも全体に爽やか感覚にまとめる、
第一楽章アレグロはじっくり聴かせるような内容であり、落ち着いたテンポを取る、ガロワの鮮やかで緻密な装飾が良い。
第二楽章、爽快に、けっこうじわりとした聴かせ方、flソロが存分に味わいどころを作る。
終楽章アレグロ・ディ・モルト、まさに疾走するスリリングな楽章、ここもスマートに決めるが、欲を言えば、パワフルな凄味も効かせてほしいところ。
NAXOS盤の中では傑作盤になるが、やはり明朗なモダンflと、flトラヴェルソの何ともいえぬ翳りをもった響きには決定的な違いがある。

こういう曲こそ、活気ある"ライヴ動画"が見たいと思う、もちろん生で聴けたら最高^^
ライヴ
参考動画→C.P.E. Bach - Concerto for flute in D minor Wq 22
PS.ホルンさんがちょっと不調です、ジャーマンテオルボが入ってますが、ちょうどこの頃のドイツのリュートで、通奏低音に使われたでしょう。

category: C.P.E.バッハ

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M.シュパーニ:C.P.E.バッハ 鍵盤協奏曲A-moll Wq.26  

michael
このところ、ご無沙汰していた作曲家の作品を聴いてみます。
大バッハの二男、カール・フィリップ・エマヌエル(1714-1788)は父よりも有名だったそうで、ベルリンのバッハと呼ばれ、プロイセン王国フリードリヒ2世のもとで活躍、膨大な作品を書いている。自ら名手であった鍵盤のための協奏曲は数多く、これらを原曲として、他の旋律楽器、フルート、チェロ、オーボエ等の協奏曲に編曲している、おそらく一緒に活躍した名手達のためだろう。今日はミクローシュ・シュパーニのタンジェント・ピアノ独奏による、協奏曲A-moll Wq.26、(これはフルート協奏曲A-moll Wq.166に編曲されているが、異なる作品番号が付くのでややこしい;)
c p e bach wq26
ミクローシュ・シュパーニ(タンジェント・ピアノ)
ペトリ・タピオ・マットソン(指揮)
オーパスX アンサンブル

タンジェント・ピアノはピアノの一種で強弱演奏可能だが、木片が弦を叩く仕組みで、クラヴィコードとフォルテピアノの中間のような、軽やかな響きが特徴、チェンバロとは明らかに趣きが異なる。
t pf
タンジェント・ピアノ

鍵盤協奏曲A-moll Wq.26
この曲はまずfl協奏曲で聴いて、すっかり魅了された、エマヌエルの鍵盤作品、全曲録音をしているシュパーニの確信をもったソロをバックの弦楽が骨格のしっかりした演奏で支える、
第一楽章、アレグロ・アッサイは多感様式ならではの魅力、前古典派に当ると同時に、この時期ドイツを中心に風靡した様式趣味でエマヌエルが最高峰に立つだろう、のちのハイドン、ベートーヴェンに影響する音楽趣味でもある、冒頭の力強い主題が基盤となり、感傷、憂い、安らぎの間を揺れ動く各主題が交錯、協奏曲の書法であるオケパートをソロが再現する場面も引き付ける、カデンツァを置いて冒頭を再現して終わる。
第二楽章アンダンテは前古典派らしい清々しい楽章、ハイドン初期の鍵盤作品を思わせる。
終楽章、アレグロ・アッサイ、第一楽章の疾走感に対し、こちらはリズムをくっきり、踏みしめる、そこにソロと弦楽が切れ味のよい掛け合いで進める。
エマヌエルの協奏曲は、弦楽が重音奏法を多用し、ソロの合間に力強く入って来る、またバス旋律も鋭く入ってきて、緊迫感が維持される、優美・流麗な音楽とは異なる方向の魅力。

category: C.P.E.バッハ

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ベルリン古楽アカデミー:C.P.E.バッハ フルート協奏曲ニ短調Wq.22  

先日話題にあげた、C.P.E.バッハのフルート協奏曲ニ短調の名演をもう一枚ほしいと思い、取り寄せたのがこれ、シュテファン・マイ指揮、ベルリン古楽アカデミー、flトラヴェルソがクリストフ・フントゥゲボールト。弟クリスティアンの作品とカップリングされていて、表紙にはクリスティアンの肖像が載っている。

c p e bach fl con d moll
DHM 2002年 ベルリン
先日の動画サイトの演奏で、これが気に入ってしまった。
もう一つ、このライヴ動画も素晴らしい。

カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ
フルート協奏曲ニ短調Wq.22、第一楽章はベルリン古楽アカデミーのしなやかな響きとともにガチっとした枠組みを聴かせる、強奏に対する弱奏をぐっと引いて聴き手を深く引き込む、flソロはバックのしっかりした枠組みに乗っかり、自由な遊び心を感じさせる、巧みな装飾演奏がよりくつろいだ気分に導く。
第二楽章の爽やかな風のような始まりは古楽器ならではと言えるだろう、flソロも遥か遠くから聴こえるように始まり、とても内面的な語りかけをしてくるようだ、明朗に鳴るモダンフルートに対し、笛と風の音を合わせたようなflトラヴェルソがよりふさわしい。
終楽章、オケは快速に、がっちりとテンションを上げて前奏部分で引き付ける、バスの力感、内声のトレモロが弱奏部にも緊迫感を与える。flソロは意外なほど優雅なゆとりを感じさせる美音に徹し、テンションは上げない、常に緊迫感を与えているのはバックのオケだ。

category: C.P.E.バッハ

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