Micha: Classic音楽とLuteの楽しみ

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学の話など

序曲を楽しむ 1  

昨日はゆったりコタツ気分、の話だったが、今日は心地よく身の引き締まるような曲、
となるといろいろあるが、まず思いついたのが、シューマンの「マンフレッド」序曲、こういう、じわじわ迫りくるような主題で引きつけるのは、やはりシューマン、とくに好きなのがウォルフガング・サヴァリッシュ指揮、SKD(1972年)である。
このyou tubeも音源はLP盤のようだ。
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you tube:シューマン「マンフレッド序曲」-サヴァリシュ/ドレスデン国立歌劇場O
1972/9 ルカ教会
サヴァリッシュ先生が振っているのを寝転んでは聴けない^^;
2002年にフィラデルフィアOを指揮した録音もあるが、気迫はSKD盤が伝わってくる、正当派ながら自然と湧きあがる力感とテンポの推進力で常にきりっと引き締まる。
スコアの[131]、"pp"から突如"f"へと、弦とファゴットのみで立ち上がるところ、
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意外なほど力感を込めるが、サヴァリッシュらしい目の覚めるような気合い、ブラームス交響曲の演奏でもこうした場面があった。

もう一つ、フルトヴェングラー指揮、BPOの1949年の録音があったので聴いてみた、音質はかなり良い、
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tou tube:Schumann - Manfred Overture Op. 115 (1852) - Furtwangler, BPO, 1949
たしかに、フルトヴェングラーらしいキレっぷりで聴かせ、これも魅力だが、サヴァリッシュの覇気も負けていないと思う。

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バーンスタイン:シューマン 交響曲「春」  

今まで、バーンスタインの演奏を取り上げたのは少ない、ときに指揮台で飛び跳ねたりする、その率直で活きのいい演奏が曲目によって好みとなったり、そうでなかったり、しかしシューマンの4つの交響曲のうち、No.1「春」はツボにはまったように気に入ってしまった。m「春」はW.サヴァリッシュやB.ハイティンクも堅実ながら活き活きとした快演で好みだが。
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レナード・バーンスタイン指揮、ウィーン・フィルハーモニーO.

交響曲No.1変ロ長調「春」
VPOとの演奏、D.Gの録音は各パート明確に聴けて好ましい。
第一楽章、自由な要素をもったソナタ形式、序奏は金管、timp鋭く引き締める、付点のある弾むような第一主題が中心、シューマンは展開部の書法が得意でないとのことだが、それにかわる第一主題による山場が複数ある、バーンスタインのぐっと弱奏に押さえてからのcresc.に伴うアッチェルランドがじつにいい、「春」の喜びをワクワクと噛みしめるようだ、
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展開部より
再現部~終結部では序奏が挿入されたり、まったく新たなテーマが登場し華々しくとじる、ここは心得たもの。
第二楽章、シューマンがベートーヴェンの緩徐楽章を参考にしているらしい、ロマン主義だが、どこか「第九」の第三楽章を思わせる神聖な面持ちがある、バーンスタインはVPOのしなやかな歌いぶりを存分に活かす、
第三楽章、ニ短調になり、深々としたmolte vivaceのスケルツォ、2つのトリオを持つが、第一トリオは軽やかで第一楽章の主題に近似して面白い、最後は終楽章に繋いで書かれている、
終楽章、第一楽章のような輝かしい序奏が置かれ、軽やかなテーマ、バーンスタインはこの楽章も、強弱対比と速度変化を自然、巧みに操り、一際痛快にまとめる。
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you tube:Lenard Bernstein Schumann Symphony No.1&4 CD4

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J.E.ガーディナー:シューマン 交響曲No.1「春」  

しかしジメジメした日が続きますね;すっぽり秋雨前線に覆われている、micha
201609181830-00.jpg 気象庁 18:30
エアコンは「除湿」のみにして過ごしています。

さて、シューマンの興味深い演奏、ほかになかったか探したところ、すっかり忘れていたのがこれ、ガーディナー指揮するオルケストル・レヴォリュショネル・エ・ロマンティクによる交響曲で、ロマン派時代に合わせたピリオド楽器による演奏です。
ガーディナーのノートによると1840年代のライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団にならい、編成を50名程にして、シューマン時代の音響を再現したそうです。弦楽の響きは透明サウンドだがある程度力強さを得ています、管やtimpも良いバランスで前に出て、まさに作品の表現にぴったりの響きに思います。
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ジョン・エリオット・ガーディナー:指揮
オルケストル・レヴォリュショネル・エ・ロマンティク
1997年5月録音、ワトフォード ARCHIV


交響曲第1番変ロ長調「春」
第一楽章、序奏の金管のファンファーレは光沢の美しい響き、弦楽も思ったより力感に不足はない、ガーディナーは徐々に加速して、主部に入ると速いテンポでキビキビした切れ味、短い余韻のtimpが瞬発的に引き締める、展開部もこの動機リズムで占められ、
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じりじりと迫ってくる、終結ではさらに加速して引き付ける。
第二楽章、この楽章はシューマンがベートーヴェンの緩抒楽章を参考にしたと言われるが、確かにゆったり流れるテーマに各パートが変奏要素を重ねて行く、また楽器の用法も「第九」や「田園」を思わせるところがある、ガーディナーは涼やかに聴かせる。
第三楽章、スケルツォはニ短調となる、ガーディナーは快活なテンポで結構エネルギシュに開始、第一トリオのテーマは第一楽章主部に近似している、快活な第二トリオも置かれる。
終楽章、華やかな導入があり、すぐ主部に入る、ここもガーディナーは快速に切れ味よく進めて行く、オケのアンサブルも見事で総奏部の強奏が常に爽快で整っている、終結部も加速しながらも整え、痛快に決める。こんなに耳心地良い演奏はほかに聴けないかも。

第4番もカップリングされているが、こちらはあらためて。

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W.サヴァリッシュ:シューマン 交響曲第3番「ライン」ほか(LP)  

先日の交響曲第4番も含め、サヴァリッシュのシューマン:交響曲はCDで全曲持っていましたが、LP盤の再生音が素晴らしく、「ライン」も取り寄せました。曲の長さからA面、B面に分けられ、スペースに余裕があり、一段と充実サウンドで聴けます。やはり弦楽がつややかで生っぽい、本物の音だなという気がします。最後に「マンフレッド」序曲が入っているのも良い。
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ウォルフガング・サヴァリッシュ:指揮
シュターツカペレ・ドレスデン
1972年録音 EMI


交響曲第3番 変ホ長調「ライン」
シューマンが1850年、デュッセルドルフの管弦楽団の音楽監督に就任したあとの作曲で、ライン川を下る様々な情景を5つの楽章にした、交響詩的でもある作品。
第一楽章は「ライン下り」の始まり、ローレライ付近、渓谷の急流のような躍動感で満たされた楽章、対位法を散りばめた彫りの深さも聴かせる。
第二楽章はスケルツォだが、ゆったりした民謡風でライン川の流れは穏やかになる、コブレンツからボンの情景。
第三楽章はライン川の夕刻か、さらに穏やか、ボンからケルンの情景。
第四楽章はケルンの大聖堂、この壮麗な大聖堂に感銘をうけ、この交響曲を思い立ったとのこと、変ホ短調となり、荘厳な主題がカノンで連なっていく深い曲相で楽章全体の雰囲気を変えずに終わる。
第五楽章はデュッセルドルフの祭り、第四楽章と対照的に祝祭気分で華々しく終わる。

サヴァリッシュはいつもながら率直な表現で、妙に捻ったところはない、自然と湧きあがる力感と推進力で常にきりっと引き締まり心地よい。B面に追加された「マンフレッド」序曲も同様で一番の名演に挙げたい、
スコアの131小節、"pp"から突如"f"へと、弦とファゴットのみで立ち上がるところ、
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「マンフレッド」序曲より、vnパート
意外なほど力感を込めるが、これもサヴァリッシュらしい目の覚めるような気迫、ブラームスの交響曲の演奏でもこうした場面があった。

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W.サヴァリッシュ:シューマン 交響曲第4番(LP)  

だいぶ秋めいてきて、エアコンなしで過ごせる時間が増えてきました、最近のエアコンは送風音も静かになって助かるのですが、やはり止めて無音になると、音場の見晴らしがよくなり、涼しい日は好録音盤をじっくり聴こうと思います。
今日はLP盤でW.サヴァリッシュ指揮、SKDのシューマン 交響曲第4番、手持ちのEMIのLPでは最も好録音に挙げたい。SKDの弦楽のきゅっと締まった滑らかな音、爽快なブラス、ルーカス教会・ドレスデンに響く音場感は聴き甲斐があり、D.グラモフォンの渋めの仕上がりとは違った解放感があります。
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ウォルフガング・サヴァリッシュ:指揮
シュターツカペレ・ドレスデン
1972年録音 EMI


シューマン交響曲第4番ニ短調の特徴は一応ソナタ形式だが、第一楽章主部に再現部がなく、展開部はほぼ繰り返す形をとり、盛大な終結部に移るという書法で、スコアの第一楽章分はかなりの長さになる。この名主題の動機が全楽章通して引き付ける効果的な構成、
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4場面をもつ単一楽章にも取れる。

ザヴァリッシュは第一楽章、序奏の第一打から引き締まり、あまり粘らず緊迫感をだす、主部は快速なテンポで、キビキビとした心地よさ、いかにも壮年期のザヴァリッシュらしい印象、弦がトレモロを奏でるところ、ピシっと粒立つ、
第二楽章ロマンツェは悲歌的な主題に始まり、すぐに序奏部が再現される、続いてvnソロの入るテーマはロマンツェらしい、
休まずに第三楽章スケルツォに入るが、サヴァリッシュはぐっと力感を込めて始める、
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拍の頭を打つ木管、細かく動く弦、ともにスタッカートぎみにキビキビと切り立てる、穏やかなトリオは最後にも現れ、終楽章に繋ぐ、
終楽章の導入部はニ短調で、弱奏であの名主題が現れる、主部はニ長調となり、快活でエネルギッシュ、第一楽章同様、サヴァリッシュはかちっと引き締め、爽快に閉じる。
マニアックな曲と違い、さすがに名曲の名演というのは聴きやすい^^

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W.サヴァリッシュ:シューマン 交響曲第1番「春」  

GW恒例、複数の中古盤ショップによる合同セールにちらっと行ってきました、数が多いので、探すのも潮干狩りのような気分;根を詰めるとしんどいので、適当に切り上げてます^^;
目に着いた1枚、W.サヴァリッシュのシューマン交響曲No.1、No.4(EMI)のLP、じつはCD化されたものは持っているが、'72年録音で、新しいカッティング技術によるもの、とのことで興味あるところだった。
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ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮、シュターツカペレ・ドレスデン
1972年 EMI


しかしシューマンの交響曲は時間的に35分前後とLPの片面に収めるのはちょっときついのが気になる。たしかに音の厚み、押し出し感は遠慮気味、ただ弦のサウンドの滑らかさは大差はないがLPに軍配が上がる、幸いスラッチは少ないので、ボリュームを上げ、トーンコントロールのBASSを少し強調した、サブウーファーも連動する設定、
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不足感が補われ、広く音場が広がる、これでOKだろう、
トレーシング歪みを補正するカッティング技術が使われ、内周もクリアとのことだが、たしかに終楽章まで問題なく聴けた、マイクロリニア針の効果も加わっていると思われる。
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さて演奏は、
交響曲第1番 変ロ長調「春」
第4番の演奏でもサヴァリッシュらしさがひじょうに効いて、魅力あるものだったが、第1番も同様、序奏からきりっと引き締め、主部に入ると快速ぎみなテンポで、キビキビとした基調、シュターツカペレ・ドレスデンがぴしっと応える。展開部から終結へと気を緩める間もなく引き込んでいく。続く楽章も手堅く、隙なく決める。
シューマンにサヴァリッシュはぴたりとくる感じだ。

category: シューマン

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アーノンクール:シューマン交響曲第4番(初稿)  

シューマンの交響曲第4番、アーノンクールも初稿版による演奏だった。アーノンクールはベートーヴェンと同じく、ヨーロッパ室内Oで小編成の響きを起用しているが、当然狙いがあってのことだろう。サウンドに物足りなさはなく、今まで聴こえて来なかった新発見をもたらす。この演奏の視点から見れば、多くの巨匠達がフル編成オケを振った演奏は個性は聴かせるものの所詮、似たり寄ったりとなってしまう。

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ニコラウス・アーノンクール指揮
ヨーロッパ室内管弦楽団
1994年 TELDEC


ヴィヴラートを押さえた涼しげな弦楽、厚い響きを使わずきりっとした合奏で序奏から十分なダイナミズムを感じさせる、弦に対し木管が対等、ブラスも豪奏の必要なく透明感を保ち、全体が良いバランスであることがわかる。展開部ではブラスの輝きが効く。楽譜に書かれた内容が詳細に伝わってくる、やたらレガートに引きずらず、程よく切るのが心地よい。
第二楽章も涼やかな表現、スケルツォは速めに、切り立てた演奏、しかし荒っぽくはなく、爽快にまとめている。
終楽章はファンファーレを伴った導入があり、アレグロ・ヴィヴァーチェに入る、緩、急が交互にあらわれ、切迫感に引き込んでいく、室内オケであることを忘れる壮大さで閉じる。
確かに初めて聴いたときは絶対的量感として物足りなさを感じたが今は違う、表現法に聴き手が同調できれば、オケの物量は求めなくてもよい、というのを実証した演奏で価値が高い。
アーノンクールを"鬼才"とか"荒々しい"とかいう声をよく聞いた。旧来の名演が絶対、という視点からはそうかもしれないが、白紙から研究し直したアーノンクールに"粗雑"という意味での荒っぽさはひとつもない。

category: シューマン

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シュメーエ:シューマン交響曲第4番(初稿)ほか  

ピアノのエチュードで有名なヨハン・ブルグミュラーの弟で、シューマンと同年1810年生まれのノイベルト・ブルグミュラーが書いた交響曲が入っているということで興味が湧いたCDです。さらにシューマンの交響曲第4番の初稿版の演奏とカップリング、しかもシューマン当初のアイデアで第二楽章にギターを入れている。何かとマイナーでマニアックなkoch schwannレーベルらしい内容でもう20年近く前に取り寄せたCD;

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① R.シューマン:交響曲第4番ニ短調(初稿版)
② ノイベルト・ブルグミュラー:交響曲第2番ニ長調(未完)
ゲオルク・シュメーエ指揮、ベルリン放送交響楽団
1987年録音 koch schwann


一曲目シューマンの交響曲第4番はゲオルク・シュメーエ指揮の当盤が初稿版の演奏ということで希少だったらしい、全体に引き締まった良い演奏を聴かせている、第二楽章のギター奏者は不明、ロマンツェの楽章を演出する狙いだったのだろうか、初めて聴いた際、ギターらしき和音の存在が聴きとれたが、微かな音で効果をあげているとまではいかない、演奏にもう少しギターとのバランスの歩み寄りが必要だろう。

二曲目、N.ブルグミュラーの交響曲第2番、26歳で夭折した作曲家でこの作品も第三楽章スケルツォで絶筆となっている。各楽章の演奏時間からして、シューマンと同等の規模、まさにシューマンとともに歩もうとした人だったろうが、余りにも死が早すぎたといえる、主題の趣味やオーケストレーションは良い素養を感じるが、まだ散漫で引き付ける要素が少なく、シューマンには遠く及ばない、熟練を重ねる前に他界してしまったのか、シューベルト、モーツァルト、J.M.クラウスは短い生涯ながらまだ傑作を書く時間はあったようだが、N.ブルグミュラーは足りなかったようだ。

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W.サヴァリッシュ:シューマン 交響曲第4番(VSO ライヴ)  

シューマン 交響曲第4番、先日、サヴァリッシュ49歳、SKDとの演奏を聴いて、巨匠時代の演奏も聴いてみたいと思い、ライヴ盤を見つけた、2000年、ウィーン響とのライヴ録音でサヴァリッシュ77歳。しかし単純比較とはいかない意外な事態となった。

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ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮
ウィーン交響楽団、2000年6月


まず使われている楽譜が初稿版で、よく演奏される改訂版とはだいぶ違う、またウィーン響の演奏がドイツのオケとはまったく違う、弦楽はゴツくさくならず、ヴァイオリンの弓は馬の毛じゃなく、絹繊維か?と錯覚させるほど滑らか(実際馬の毛じゃないと弾けないでしょうが;)、そしてふくよかなヴィヴラート、今やウィーン・フィルにも聴けないような驚くほどウィーン伝統と言える古式床しいもので、序奏から耳を引く、また第二楽章のvlソロで一段とそれを聴かせる。
この初稿版はブラームスが優位性を見出し編集した楽譜だそうで、シューマンがいろいろいじくる前の最初に閃いた純粋性はあるかもしれない、ぐっと充実度を増した改訂版は通常版にふさわしい内容だが、初稿版には楽器の用法など何か物欲感のない気品のようなものがあり、捨てがたい要素が多分にある。サヴァリッシュがこのライヴで用いたのも、目先を変えた巨匠年代の遊び心だろうか?ウィーン響の持ち味も加わって、より過去の録音とは雰囲気が違う、過去と共通なのはサヴァリッシュらしいガッチリ整えた隙のない演奏、第三楽章スケルツォは過去と殆ど変りない感覚。第一楽章や終楽章の緊迫感やキレキレの力感は楽譜自体がそうなっている改訂版に求めるしかない。どちらかといえば、大いにサヴァリッシュ先生らしい過去のSKDとの録音が好きだが、当ライヴ盤には比較しがたい魅力がある。
録音はライヴとしては申し分なし、ベートーヴェンの交響曲「英雄」がカップリングされているが、これはあらためて。

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W.サヴァリッシュ:シューマン 交響曲第4番  

1971年録音、サヴァリッシュ49歳、中堅で活躍盛りの頃の演奏で今日はシューマンの交響曲第4番、あらためて聴くとまさかこれほどだったとは、ハイスピードで正確にズバズバと捌いていく、確かに"外科医"のイメージを抱かれても不思議はない気がする。これぞ耳に残っている(あるいは映像で憶えている)サヴァリッシュらしさだったような。

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ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮
シュターツカペレ・ドレスデン


当然アナログ録音だが、CD化に当ってリマスタリングされている、残響音も豊かだが、各パートを詳細に捉えた録音で序奏部分でtimpが弱奏している所もつぶさに聴こえる。
序奏からじつに折り目正しく厳格、加速しながら主部に繋がるが、予想以上のハイテンポとなり、さらに本当にここまでやるかと言えるほど正確無比な演奏、この動機が最小単位で曲全体を構成するが、
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個々の音に切れ目があるような緻密さ、もう少しロマン派らしく?嫋やかな表情もあってもよさそうだが、この演奏では余計なものとなりそう、切除するしかない;これは逆に凄味でもある。第二楽章に入ってもレガートな中にきちんとした折り目が感じられる。vlソロも気品はあるが飾りっ気は控える。スケルツォがまた極めつけ、
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開始のflと1st vlを抜粋したが、これらの音全てにスタッカートがかかったように切り立てる。我々日本人もどちらかというと、キッパリした表現は嫌いじゃないほうで、これは心地よいのではなかろうか。
スケルツォから終楽章への繋ぎ方も曖昧さがなく設計どおりという感覚、終楽章へ入った部分はテンポをどっしり落とし、やがて快速なテンポへと移行する、最後まで切り立った表現で貫くが、極めて爽快。一糸乱れぬとはこの事、SKDは見事に完奏する。壮年期のサヴァリッシュならではだろうか、ちょっと他では聴けない演奏。
マンフレッド序曲がカップリングされているが、またキレキレのテンション!

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