Micha: Classic音楽とLuteの楽しみ

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学の話など

C.アラウ:ブラームス pf協奏曲 No.1  

ショパン、メンデルスゾーン、チャイコフスキーなどの曲には甘い囁き?(あるいは女性を引きつける思惑^^;)みたいなもんを感じるが、ブラームスにはそんな欠片もなく、コッテコテに男性的、ベートーヴェンも大方、そんな感じか。

今日はクラウディオ・アラウのブラームス pf協奏曲No.1 ニ短調、
1969年の録音でアラウ66歳頃、まだ老巨匠とはいかないが、演奏家では壮年期だろう、そろそろ老練な味も出てくる頃かもしれない。
E.ギレリスの豪腕でビシっと決めた、O.ヨッフム指揮、BPOとの録音も圧巻で名盤だと思うが、アラウは大らかで、味のあるテンポルバートを入れ、ロマン的な趣も聴かせる。ハイティンク指揮、RCOも絶妙に反応して整っている。
c a br pf con1
クラウディオ・アラウ:pf
ベルナルト・ハイティンク指揮、ロイヤル・コンセルトヘボウO
1969年 PHILIPS原盤

you tube:Claudio Arrau Brahms Concerto 1 (Bernard Haitink: Concertgebouw Orchestra)

第一楽章に登場する主題は先般、「ツィメルマン:ブラームス ピアノ協奏曲 No.1」 の記事に載せたが、「次はこれかな」と予感させたり、意外だったり、飽きることはない。ピアノとorch.が対等な重要性を持つ感じだ。第一主題は力強いトリルが効いているが、pfソロが始まって一旦終わり、orch.による第一主題が圧縮されて低音と上声でカノンになる、
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一段と迫りくるようでいいところだ。
また、再現部と思うがpfが冒頭の形で弾くとき、
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このトリルの締めくくりの所を素早く弾くのは困難のようで、やや武骨になるが、それが力感となって聴こえる、
第二楽章の神聖な雰囲気もアラウはさすが繊細に聴かせる。
終楽章は結構快速、たたみ込むように熱気を帯びた演奏で引きつける。

これは演奏者による違いが楽しめる曲だが、手がけないピアニストもいる、指揮者でもカラヤンは一度も取り上げなかったそうだ(No.2はやってるけど)。

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ツィメルマン:ブラームス ピアノ協奏曲 No.1  

このような大曲の音符の数は気が遠くなるほどだが、ド素人の立場でいつも不思議に思うのは、作曲家はどんな手順で書いていくのだろうか、ということ、
まず、全体の大きな素描のような着想があって、同時に具体的素材(テーマ)もあって構築していくのか、とても細かいピアノのパッセージ、さらにorch.パートと、その沢山の音符を書いている間にも、ついさっき浮かんだアイデアを忘れてしまわないものかと^^;高い思考処理力と記憶力を持ち、数式はいつも頭に入っている物理学者のようにも思える?

ブラームスの pf協奏曲No.1ニ短調は1854~1857年にかけて書かれた。初めは2台のpfのためのソナタとして書いたものの満足せず、交響曲に書き直そうとしたが行き詰まり、1855年にpf協奏曲に書き換えを思いつき、改訂の末今の形になったとのこと。
初演は不評だったそうだが、そんな経緯があるからこそ、「ピアノ付き交響曲」と言われる異例の?深く練られた内容を持つのかもしれない。
各主題は関連付いた部分もありそうだが、第一楽章、Maestosoは堂々とした内容、第一、第二主題ほか各副主題を拾うと以下のようになるだろうか、

第一主題、Maestosoらしく、トリルを多様した険しい雰囲気、
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対照的に内向的な趣き
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やや悲哀味を帯びている
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この主題はホルン向きのようで牧歌的
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第二主題は夜想曲風で、pfソロで登場
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安堵感と温もりを帯びたテーマ
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各テーマが緻密に織り込まれていく、
第一主題が対位法的に書かれるところはさすが魅力、後半ではpfが力強く、orch.と対等の掛合いがある、じっくり進んでいくだけに、終結に向けてのエネルギー感も圧巻となり、交響曲No.4にも匹敵しそうだ。
第二楽章、アダージョ、亡くなったシューマンへの追悼の意も込められているという、宗教曲的雰囲気の楽章、静寂ながら後半ではpf、orch.ともに盛り上がりを見せる。
終楽章、ABACABのロンド形式で古典派協奏曲を継承する要素が大きい、ブラームスらしい渋めだが急き立てるように印象的なロンド主題、間に入る副主題も多彩だが、ロンド主題を使ったフガートも聴かせ、ここもブラームスらしく期待に応えた内容。

新たに取り寄せたCDはツィメルマンとラトルの演奏、音にゆったり潤いと太さを感じる好録音だ、ラトルはppをじつに微かに奏で、ツィメルマンのピアノがデリケートに溶け合う。
br z pf con 1 abr z pf con 1 b
クリスチャン・ツィメルマン:pf
サイモン・ラトル指揮、ベルリン・フィルハーモニーO.

you tube:Brahms Piano Concerto No.1

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術中に嵌まる  

かなり昔のことだが、それまでフルトヴェングラーにはさほど関心がなかったけど、このブラームスの交響曲No.4をFM放送で聴いたときは圧倒された、たしかEMIがCD化した紹介も兼ねた放送だった。ブラームスの交響曲No.4はまさにフルトヴェングラーの術中に収まる格好の曲の1つだ、当時はCDデッキがなかったのでLP盤で購入した。
fu bra sym4 01
ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮
ベルリン・フィルハーモニーO 
1948年10月ベルリン、ゲマインデハウス(ライヴ)

fu b sym4 you tube
you tube:W.Furtwangler/Berlin Phil: Brahms'Symphony No.4 Live,1948
この1948年、EMIのライヴ録音はその表現法が最もよく練り上げられているようだ、
第一楽章はじわりと始まるが加熱と沈静化を巧みに操り引きつけていく、展開部さらに終結部にかけての熱気が凄まじく、速度は合奏の限界を超えるところまで行く、
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[422]から、vn1~vaは16分音符を刻むが、音が乱れ散る、timpの爆音とともに終わる。

*ところで、vnパートの[137]から現われるこの部分、どういうことだろう、
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四分音符にスタッカートが付き、休符を間に挟み、レガートで繋ぐって、何ともビミョーな・・?;聴いてみると、まあそんな感じか・・ってところ^^;

第二楽章は夢見心地に始め、懐深い、後半部での強奏や弦の沸き上がりは予想どおり、
第三楽章たるや爆撃だ、
終楽章、パッサカリアは整然と聴かせる手もあるが、フルトヴェングラーは一際ドラマティックに仕上げている、溜めに溜めて例の[132]からのffは炸裂と加速、一気に最後まで突き進む。
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因みに同じBPOとの1943年のライブ録音が手元にあるが、このCDはマスターテープじゃなく、レコード盤の状態の良いものから移したそうだ、さすがに磁気テープは劣化が激しく、レコード盤のほうが保存性が高い。
fu bra sym4 02
ベルリン・フィルハーモニーO 1943年
さらに凄いというか荒削りで、これを完成度よくまとめたのがEMI盤の演奏、という感じだ。

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W.サヴァリッシュ:ブラームス 交響曲No.4(終楽章)  

昔、クラシックに親しみ始めた頃はブラームスなんてまだ後回しだった;交響曲では初めに馴染んだのは第3番だったが、4番は憂い、奮起、安息、が交錯するようでやたら渋いと思った。

終楽章のパッサカリアはソナタ形式的のようなまとまりがなく、取り留めなく進むようで戸惑った;今ではすごく好きな楽章だが、(バロックのパッサカリア、シャコンヌはリュート曲にも多くあり、同じ和声の繰り返しが魅力となった、)この終楽章はバッハのBWV582あたりと同じような吸引力があり、さらに大きな起伏をもって聴かせる、
bra sym 4 04a
冒頭部
長い変奏に変わりはないが、大きく見ればソナタ形式的な区分けも持つ、[77]から穏やかな中間部となり、[105]からはホ長調となる、[129]からホ短調の冒頭に戻り、ここが展開部に当るとも言える。人生はドラマみたいに上手い起承転結はない、次々と試練がやってきて、解決も勝利宣言もないが、力は尽くした、みたいな終わり方・・と勝手に感じている^^;
終止にフェルマータはない。

そこで、サヴァリッシュの演奏、
sawa br sym4a
ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮
ロンドン・フィルハーモニックO
1989年録音、原盤EMI

終楽章は標準的な感覚で端正に始まる、しかし弦にどこか尋常でない熱気も感じる、瞑想的な変奏を通り抜け、再び[129]で冒頭部分が戻るが、ぐっとテンポを落とし、[133]ff、[136]sfと二段構えに圧倒して轟く、
br sym 4 04b
ここは速くして演奏する例があるが、ゆっくりなのが効いて量感を増幅、乱暴にはならず、以降はサヴァリッシュの演奏として予想できなかった凄味で迫ってくる、押しては引く効果を使い、エネルギッシュに終結する、
精緻な中に気迫のこもったこの演奏は自分にはベスト盤だ。
sawa br sym4b
you tube:J.Brahms, Symphony Nr.4,e-minor, Op.98, W.Sawallisch

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F.フリッチャイ:ブラームス 交響曲No.1  

たまには、じっくり濃い目の音楽も聴いてみたい;m
再掲となるが、F.フリッチャイのブラームス 交響曲No.1について、
録音年からすると、優れたステレオ録音も出ていた頃だ、モノラルは一向に構わないが、セッティングが良くないのか、trpがビリつくのが惜しい、が逆に生々しさも伝わる、これを購入したときは思わず2度聴きしてしまった^^
Fricsay Brahms Symphony No 1
ブラームス 交響曲No.1
フェレンツ・フリッチャイ 指揮
北ドイツ放送交響楽団
1958年録音(モノラル)


ブラームス 交響曲No.1ハ短調
序奏部は懐深く、圧倒する、主部はじっくりとした息をのむ入り、フリッチャイは強弱、緩急による「準備と燃焼」の設定が巧みで、[227]の躊躇うようなpから燃え立つまでが絶妙、
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また、激しい場面においても、弦のしなやかな味わいを常に保つ、
展開部、[293]のK-fagがppで唸りだすところからのクライマックスも圧巻、
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第二楽章、この楽章にも燃え立つ要素があるが、それを一際しなやかな弦の響きで包み込む、
第三楽章、スケルツォにせず、終楽章の前奏のような位置づけ、終楽章のお馴染み、"歌"の主題が一部顔を覗かせ、そわそわした気分を抱かせる。
終楽章、前楽章から呼吸を繋ぎ、導入部から第一楽章と同様に引き込むが、特に終結に近づくにつれ白熱していく、最後の4小節の休符の間が極めつけ^^;
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なお、フリッチャイがスイス・ロマンドO.を指揮した第1番がyou tubeに挙がっていた、こちらは1956年のライヴ録音でおそらく放送用と思われるが、このCD-Rも出ているようだ、
f f you tube
you tube:Brahms: Symphony No.1- Orch.de la Suisse Romande/Fricsay
録音としてはこちらのほうが良いかもしれない、もし入手できればじっくり聴き比べたい。
どっしり構えた凄みは1958年、北ドイツ放送soが上にくるようだ。

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B.ハイティンク:ブラームス 交響曲No.3  

ブラームスのオーケストラ作品は室内楽のように緊密だとよく言われるが、交響曲No.3など聴くと本当にそう思う、多くのパートが一人の奏者のように息を繋げたアンサンブルのようだ。
今日はB.ハイティンク指揮、ロンドン響のライヴCD、ホールの響きはあまりないが、弦楽の表情がよく聴き取れる。
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ベルナルト・ハイティンク指揮
ロンドン交響楽団 2003年


交響曲第3番ヘ長調op.90
誇張した所なく、端正な演奏、弦楽が味わい深い、複雑な構成の内声もよく聴ける、
第一楽章 アレグロ・コン・ブリオ、4分の6拍子、勇壮な始まりだが、穏やかで繊細な部分が多い、内声の弦などはシンコペーションで和声を入れることが多く、
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3連符系の変拍子となったり、パッセージが別パートに受け渡される所が多い、
[36]からは4分の9拍子となり、klar.が第二主題を奏で、va、vc2が和声を弾くが、
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vaは拍の頭を避けた絡みになる、[49]で6拍子にもどる。
展開部の[77]からはvaとvcが6拍子型になった第二主題を深く奏で、
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vn1,2はリズムの頭から生じた波紋のように聴こえる、リズム上も単純ではない音の織り込みが何とも深い味わいとなる。
[187]から、f marcatoとなり、ここで加速気味に畳み込む演奏もあるが、ハイティンクはテンポは維持し、じりじりと白熱させる。
第二楽章 アンダンテらしく、あまり引っ張らず素朴な雰囲気で始める、やはりスコアをみるとそれまで気づかなかったような、ppの微かな音まで各パートの複雑な織り込みがされている、[80]から、管が引き付け、弦パートはppであまり耳に飛び込まないが細かな受け継ぎなどで深みを作っている。[40]からの主題は終楽章にも出てくる。
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第三楽章 ポコ アレグレット、有名な主題をvcが弾き、vn1,2とvaは、pp leggieroで目立たない細やかな声部を絡ませている、
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じつに襞の細かい味わい。
終楽章 アレグロ、ヘ短調の不安な動機で始まる、最も熱気を持つ楽章、 [19]で第二楽章で予告された動機がppで出る、
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ハイティンクは比較的落ち着いたテンポで引き締め、[167]のffに向けても、じりじり、整然と歩を進める、作品そのものをしっかり聴かせる正統な演奏だと思う。

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R.ケンペ:ブラームス 交響曲第1番(LP)  

クラシック音楽を聴き始めた頃は千円盤レーベルのセラフィムやコロムビア・ダイアモンドシリーズには随分お世話になり、今でも聴きたい名盤が少なくないです。
今日はひじょうに懐かしい、セラフィム盤でルドルフ・ケンペ指揮、BPOのこれも昔、始めて買ったブラームス1番のLPです。はじめジャケットは黄土色でしたが、青灰色にかわり、これは中古で再入手したもの。micha
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しかし当時は卓上タイプの簡易なステレオしか持っていなかった、知り合いの家がちょっと本格的なステレオを買ったので、これをかけさせてもらったら、壮大なサウンドが刻まれているのにすっかり魅了された。1959年の録音だが、EMIらしい音質でホールの空間をよく感じ、今聴いても結構HiFiな好録音。
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ルドルフ・ケンペ:指揮
ベルリン・フィルハーモニーO
1959年録音 セラフィム(EMI原盤)


ブラームス 交響曲第1番ハ短調
第一楽章、序奏はヒートアップせず、清涼に始める、主部にはメロディアスな主題はなく、単純な音形とリズムでがっちり構築されているのが飽きることのない魅力、ケンペは涼しげなサウンドを基調に、ややゆっくりめにこの味わいをじっくり構える、
提示部、84小節で木管がffで出るところをぐっと響かせ、印象深い、
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また全楽章言えるが、弦をあまり張り詰めず、BPOの端正な運弓の味わいをよく聴かせる。展開部も強烈な響きを控え、清涼サウンドを保って聴かせる。
第二楽章はさらりとした感覚、ここもBPOの端正な弦、木管が味わいどころ、
第三楽章、短めの楽章でスケルツォではなく、終楽章への間奏のような位置づけのようだ、ここも端正に心地よくまとめる。
終楽章、緊迫感をもった始まりで、主部は整然とした第一楽章に対し、ドラマティックな内容、この有名なテーマに象徴されるが、
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vnのG線の開放を含む低域の響きが曲全般で味わい深い、このテーマのあと、ケンペは終楽章も清涼な響きを保ちながら、速度の急緩をもって白熱感に引き込む。終結部分では結構加速して熱くさせる、端正に進めてきただけに効果的だ。
以上、清涼で味わいある第1番である。

今日もご覧いただきありがとうございました。

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シェリング&シュタルケル:ブラームス 二重協奏曲  

ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲イ短調
この作品はブラームスが交響曲第4番を書いた後、次の交響曲として着想していたものを、不仲になっていたvn奏者J.ヨアヒムとの関係を戻そうと、協奏曲に変更して協力を求めたそうですが、交響曲から転作するのはピアノ協奏曲No.1と似た経緯です。2つの独奏楽器があり、オーケストラも充実しているので、協奏交響曲と言えるかもしれません。こういう曲では、複数のソリストと指揮者の顔合わせでどのような融合を成すかが興味引くところでもあります。
vcのシュタルケルは1962年のDG盤でも、シュナイダーハンのvn、フリッチャイの指揮と組んでいた。今回はvnがH.シェリング、B.ハイティンク指揮、RCOとの共演です。
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ヘンリク・シェリング:vn
ヤーノシュ・シュタルケル:vc
ベルナルト・ハイティンク:指揮
ロイヤル・コンセルトヘボウO
1971年録音 フィリップス


第一楽章はオケが力強い第一主題の一部を前奏してすぐカデンツァ、vcの印象的なソロが入り、続いてvn、2人のソロはあまり張り詰めず、しなやかタッチでいくようだ、あらためてオケが各主題を提示、木管が第二主題を奏で、清々しさを与える、
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2つのソロとオケが掛け合っていくが、緊密でデリケートな室内楽的味わい、ソロの歌い継ぎのところも、一人が弾き進むかのように決まる、巨匠同士の阿吽の呼吸、
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展開部は長く、二部構成のようだ。
第二楽章はホルンで始まる穏やかで歌唱的なテーマでけっこう長くvn、vcがユニゾンで続く、2人のソロの一体感も聴きどころ、vnの低音域が使われるがシェリングは深いヴィヴラートと適度なポルタメントで滋味を帯びた演奏、シュタルケルのvcもさすが一体の味わいで奏でる。
第三楽章はvcソロで始まるリズミカルで愛嬌のあるテーマが支配的、このリズムに乗り、vnとvcは掛け合ったり並行したり、オケの木管もソロの一員となって関わったり、多様で巧みな聴きどころが盛り込まれる。
初演の時は賛否別れて、大成功ではなかったようだが、この内容を聴衆が一度で味わい切るのは難しいかもしれない。

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アシュケナージ:ブラームス ピアノ協奏曲No.1ニ短調(LP)  

今日はLP盤を廻してみました、かなりご無沙汰だったブラームスで、ピアノ協奏曲第1番ニ短調、これはブラームスの最初の交響曲として着想されたが、理由あってピアノ協奏曲に転作されたという作品、その特殊性が逆に魅力となっています。
V.アシュケナージのピアノ、初期のデジタル録音でCDもあるのですが、あえてLP盤のほうを聴きます。やはり弦楽の響きが滑らかに聴こえ、良いのですね?
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ウラディミール・アシュケナージ(ピアノ)
ベルナルト・ハイティンク(指揮)
ロイヤル・コンセルトヘボウO
録音1982年 LONDON
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CD表紙

第一楽章、4分の6拍子、マエストーソ、timp連打を伴う切り立った第一主題で始まる、一旦穏やかな主題で静め、再び始めの主題が対位法的に迫る、ハイティンク指揮RCOはバランスよく引き締める、ピアノソロは別のノクターン風の主題で入る、アシュケナージのピアノは剛腕というより、端正な印象、すべてがバランス良く整った演奏で心地よい。ピアノはコンチェルトソロというよりもう一つのオーケストラみたいな活躍に感じる、複数の主題が複雑巧みに折り重なり、奥深い、展開部ではオケのパートをピアノが再現、鍵盤のオクターヴを重ねた力強い響きが多用される。交響曲第4番を思わせるエネルギッシュな終結も素晴らしい。
第二楽章、アダージョ、亡くなったシューマンへの追悼の意も込められているという、宗教曲的雰囲気の楽章、静寂ながら後半ではピアノ、オケともに盛り上がりを見せる。
終楽章、ロンド、アレグロ・ノン・トロッポ、ロンド形式で古典派協奏曲を継承する要素が大きい、ブラームスらしい渋めだが急き立てるように印象的なロンド主題、間に入る副主題も多彩だが、ロンド主題を使ったフガートも聴かせ、ここもブラームスらしく期待に答えた内容、この頃としては古めかしく、古典派流のカデンツァも入る。終楽章ではだいぶピアニスティックな要素も聴かせる。

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O.スウィトナー:交響曲-ハイドンNo.88、ブラームスNo.4(ライヴ)  

O.スウィトナーのライブ盤が魅力、ということで、これまで2つ取り上げましたが、
モーツァルト 交響曲 No.39-41 N響ライヴ
ブラームス 交響曲第1番(ライヴ)
今回はハイドン交響曲第88番とブラームス交響曲第4番の入ったライヴCD-Rを見つけた。オケはSKB、数少ないスウィトナーのハイドンがまず興味深い、いずれも1981年6月の同演奏会の録音でたぶん放送用でしょう。聴き馴れたD.シャルプラッテンやDENONのセッション録音のサウンドとは異なり、オンマイク的で、渋く厚みを帯びた録音がD.G風で、いつもと違った趣きで聴けるのが面白い。

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オットマール・スウィトナー指揮 シュターツカペレ・ベルリン
1981年6月 ライヴ録音


まず、ハイドンの88番、第一楽章序奏はレガートで速めにさらりと行く、この録音の特徴か、vn群の個々の音が聴こえてくるようで、一人一人の味わいが重なって聴こえるようだ。主部は程良い快速で、しなやかな感覚を通す、提示部の反復を省略し、展開部の充実感に早く運ぶのは効果的かもしれない、再現部もテンポを少し巻きつつ終わる。第二楽章、旋律美の楽章だが、あまり引きずらず爽快にまとめる、ffも大袈裟にしない。気品に満ちたメヌエットもこの曲の人気の要素だろう、きりっと引き締めた演奏がいい。充実の終楽章、強弱の対比をつけ、展開部は意外なtimpの強打で入り、深みを持たせる、終結に入る前に溜めを置き、加速して輝かしく終わる。88番はスウィトナーお気に入りの曲だそうだ。

次はブラームス4番、'86年セッション録音のD.シャルプラッテン盤との比較も楽しみだったが、これは大いにあるv
sui bra sym4
D.シャルプラッテン盤、1986年、セッション録音

清涼な響きでまとめながら、核心に迫ったところで灼熱のエネルギーを放つ、というスウィトナーらしさは同じだが、ライヴでは異なる作戦で攻めてくるようだ。
第一楽章の開始は86年盤ではさらりと枯淡の表情で入るが当盤はヴィブラート効かせ、じわっと躊躇うような入り、これで引き付ける、主部を整然と進め、終結に入るところで一旦テンポを落とし、徐々に徐々に加速していくのがじつにいい、フルトヴェングラーの危ない加速より上手い手法だ。
第二楽章で印象的なのが、88小節からの弦楽の聴かせどころ、これを厚い響きにせず、ぐっと控えながら充実感たっぷりの美音で奏でるところ、これは聴いてみてくださいとしか言いようがない。
第三楽章はかなり快速、ギビギビと快進撃、痛快な終結。
終楽章、パッサカリアはブラスによる主題提示は普通だが、次からが異様なほどじっくりしたテンポで、長い溜めを入れて行くような様相で引き付けていく、穏やかな中間部が終り、ブラスによる主題の再現のあと、
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132小節からのffは予測どおり、セッション盤を「非常に強い」とするなら当盤は「猛烈な」になるだろう。ここからはテンポアップ、timpは爆音を放ち、白熱のまま終結に向かう。

category: ブラームス

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