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Micha: Classic音楽・Lute・宇宙

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学の話など

T.ピノック:Vivaldi「四季」(LP)  

先日のホグウッド盤とともに、時折針を下ろすのが楽しみなのがピノック盤のヴィヴァルディ「四季」である、同じく元はデジタル録音のLP盤だ、1981年、ロンドン、ヘンリー・ウッド・ホールでの録音、ブリリアントなアルヒーフ・サウンドは申し分ない。 
CDはクリアに聴けて当り前にしか思わないが、旧式なアナログ盤から意外なほど鮮明な音が聴けたりすると、良い、と錯覚してしまうのかもしれない?^^;
lp 01

コレッリの合奏協奏曲やヴィヴァルディのソロ協奏曲はのちの交響曲の元にもなったと言われ、合奏体の響きの効果を聴かせる。「四季」の録音はその後、古楽団体だけでも多々出ているが最後に落ち着くのはピノック盤やホグウッド盤になり、完成度が高い。
t p viva q s
サイモン・スタンディジ(ヴァイオリン)
ナイジェル・ノース(テオルボ)
ロバート・ウーリー(オルガン)
トレヴァー・ピノック(指揮&チェンバロ)
イングリッシュ・コンサート
1981年10月 ロンドン、ヘンリー・ウッド・ホール(アルヒーフ 旧西独盤)

「春」は溌剌とリズミカルに始まる、鳥のさえずりは複数のソロが弾く、vnの開放弦の余韻が透明感があって美しい。ソロの切れ味に合奏もぴたり同調する。中間楽章でのS.スタンデイジの装飾演奏はバッハか誰かの一節を聴くような知的センスに感じる。終楽章もジーグ風の快調なリズム感と弦楽が心地良い。
「夏」は特にシンフォニックな楽しみを聴かせる、始まりの気だるさ、鳥達のさえずりもつかの間、強風が襲う、その前はぐっと弱奏にして引き付ける、そして強奏、荒い響きを使わず十分なダイナミズムを聴かせる、中間楽章の装飾にも様式美がある。終楽章は再び嵐、ここも強弱の対比を十分効かせる。
「秋」、第一楽章は活気とともに、ソロvnのアゴーギグが絶妙、中間楽章はチェンバロのアルペッジョに乗って弦楽が無から現れるような開始、全般に微風のような弱奏で涼やか。終楽章はリズムを弾ませ、ソロの切れ味もよい。
「冬」、第一楽章は急速インテンポでソロの切れ味もあり、寒さに凍える感覚、中間楽章、ここは爽やかな美音と品の良い装飾。終楽章はソロ、合奏ともに氷上の物理法則を感じさせる見事なアゴーギグ、そして吹雪、痛快に最後をきめる。
この演奏ではN.ノースがテオルボを弾き、効果を上げる、ホグウッド盤ではバロックギターとアーチluteを使っていた、それぞれ調弦の異なる楽器を弾き分け、当時から非常に器用で優れた奏者である。
テオルボ(theorbo)はこんな楽器、
teo_20181123123848819.jpg

you tubeより全曲
t p via q s you
you tube:Vivaldi: Le Quattro Stagioni - Trevor Pinnock & The English Concert

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C.ホグウッド:Vivaldi「四季」(LP)  

昨日は早朝から神社の社殿、境内の掃除を行い、夕方から新嘗祭(秋の収穫祭)という祭礼に加わって少々疲れた;長い曲はしんどいので、バロックがいい、久しぶりにヴィヴァルディの「四季」、ホグウッド指揮 AAM盤に針を下ろした、爽快な響きで癒やされる。 
1980年、古楽器による「四季」として他に先駆けて出た名盤だと思う、これに続くのがピノック盤だが、当時相変わらずだったイ・ムジチ盤より数倍充実した楽しみがある、
透明感のある音場、クリアなvn、深く押し出す低音、録音もHiFiと言ってよい、
hog viva q s
クリストファー・ホグウッド指揮、
エンシェント室内O
1980年 オワゾリール

4つの協奏曲をAAMのメンバーが交替でソロを弾く面白さ、緩叙楽章で行う各奏者センスの良い装飾、通奏低音は「春」と「秋」ではチェンバロとバロックギター、「夏」と「冬」ではオルガンとアーチリュート、この組み合わせも雰囲気に相応しい響きだ、
img145.jpg
快活に始まる「春」ではバロックギターが楽しく弾む感じを作るソロvnは描写的にアゴーギグを行うが合奏群が呼吸を合わせるのが醍醐味。
「夏」は一番好きだが、こうしたソロと合奏のシンフォニックな対比がのちの交響曲に発展したと言われる。
「秋」のソロもアゴーギグが巧み、緩叙楽章が一際魅力、チェンバロが最小限に和音をアルペッジョで入れ、静謐な音楽に効果的、
「冬」の始まり、ソロはインテンポでキレ良く弾く、寒さに凍えるイメージ、次く緩叙楽章で暖炉の前で寛ぐ安堵感が引き立つ。
lp 02

you tubeは「春」と「秋」のみあった、
hog vi q s you
you tube:ヴィヴァルディ 「四季」ホグウッド指揮AAMより「春」 「秋」

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好録音再聴:T.ピノック-ヴィヴァルディ「四季」 ほか  

アナログ盤の秋^^?針を下ろすのがすっかり楽しみになった好録音を聴きあさっています。
コレッリの合奏協奏曲やヴィヴァルディのソロ協奏曲はのちの交響曲の元にもなったと言われ、合奏体の響きの効果を聴かせます。ヴィヴァルディ「四季」はいろいろ聴いた中で最後に落ち着くのはピノック盤やホグウッド盤になりますが、代表でピノック盤(LP)です、
カートリッジはAT440MLbを使用、ブリリアントなアルヒーフ・サウンドは申し分ない。
pin vi 01
サイモン・スタンディジ:vn
トレヴァー・ピノック:指揮
イングリッシュ・コンサート
1981年録音 アルヒーフ(ドイツ盤 銀ジャケット)


は溌剌とリズミカルに始まる、鳥のさえずりは複数のソロが弾くがこれが透明感があって美しい。vnソロの切れ味に合奏もぴたり同調する。中間楽章でのS.スタンデイジの装飾演奏はバッハか誰かの一節を聴くような理知的センスが聴ける。終楽章もジーグ風の快調なリズム感と弦楽が心地良い。
は特にシンフォニックな楽しみを聴かせる、始まりの気だるさ、鳥達のさえずりもつかの間、強風が襲う、その前はぐっと弱奏にするが、ここが引き付けてじつにいい、そして嵐、強引な響きを使わず十分なダイナミズムを聴かせる、中間楽章の装飾も流石、装飾にも様式美がある。終楽章は再び嵐、ここも強弱の対比で効果をあげる。
、第一楽章は活気とともに、ソロvnのアゴーギグの緩急が絶妙、強弱の対比も引き付ける。中間楽章はチェンバロのアルペッジョに乗って弦楽が無から現れるような開始、全般にぐっと弱奏で行く涼やかな微風。終楽章はリズムを弾ませ、ソロの切れ味もよい。
、第一楽章は急速インテンポでソロの切れ味もあり、寒さに凍える感覚、中間楽章、ここは爽やかな美音と格調高い装飾。終楽章はソロ、合奏ともに氷上の物理法則を感じさせるみごとなアゴーギグ、そして吹雪、痛快に最後をきめる。
動画→Vivaldi: Le Quattro Stagioni - Trevor Pinnock & The English Concert
*イングリッシュ・コンサートも新しくなっている、斬新でもあくまで美しい音楽。
動画→The English Concert 最後のほう 1:41:58 からはパッヘルベルのカノン。

話のついでに、A.アンセルミが率いるイ・ムジチ盤(2012年録音)を改めて聴いてみた、
i musici
このSonyレーベルはなくなり、今は「DYNAMIC」レーベルで出ている
こんな刺激の極端な音は聴いたことがない、この奏法でコレッリなどは想像つかない; 昔の殻から脱してはいるが、古楽を繁栄しているとは感じないし、ロック感覚か?、彼らは何処へ向かおうとしているのか?
参考動画(ライヴ)→2014Vivaldi Four seasons-Spring-I MUSICI in Korea

今日もご覧いただきありがとうございました。

category: ヴィヴァルディ

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R.ドゥアット:ヴィヴァルディ「四季」  

その昔、コロムビアのダイヤモンド1000シリーズはおそらくクラシックに目覚めた若い世代によく売れたものと思いますが、中古ショップであまり見かけないのは、聴きまくられて盤状態が良いものが残っていないせいかもしれません?またダイヤモンド1000一覧を見てみると、今でも聴いてみたいような演奏者の顔ぶれもあるし、これはべつにいいか、というのも(笑)見られます、また結構マニアックな曲目もあります。その後CD化されたものは少ないようで、先日のB.パウムガルトナーのハイドン交響曲など珍しい。
今日はダイヤモンド1000の実物です。ローラン・ドゥアット指揮、スイス・イタリア放送合奏団のヴィヴァルディ「四季」、vlはルイ・デ・コム、

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ローラン・ドゥアット指揮、スイス・イタリア放送合奏団
ルイ・デ・コム:ヴァイオリン
ルチアーノ・スグリッツィ:クラヴサン
MUSIDISC-FRANCE原盤
ジャケット:リヒテンシュタイン、ファドー城


じつはこれと同じジャケットで中身だけリニューアルされていて、先代の盤はヘルマン・クレバース:vl、マリヌス・フォーベルベルク指揮、アムステルダム室内Oによるものでした、私にとっては次代のドゥアット盤が擦り込み盤なわけで「ヴィヴァルディの四季ってどんな曲?」なんて頃に聴いたものです。
このジャケットの風景写真が良かった、残雪の山々をバックにひっそりと古城があり、手前のフォーカスから外れた花の色彩が心地よく春らしい、これが中身の音楽と良く合う。
録音年は不明だが、少なくとも半世紀近くは過去のもの、40年前、兼価盤で出ていたんだから;しかし思ったほど古くない、昔使っていた簡易ステレオ装置では聴けなかった音が拡がる、高域が強めの録音だが爽快なサウンドで嫌味がない。
演奏は昨日のレーデル盤とは対照的で、レガート基調、ルイ・デ・コムのvlは「四季」のソネットに沿った描写を聴かせ、遊び心がある、バックの合奏は強弱の対比を深くし、弦楽シンフォニーといったところ、確かにヴィヴァルディは交響曲の祖かもしれない。またチェンバロのルチアーノ・スグリッツィが今日の通奏低音とは言えない、この時代らしい演奏だが聴かせどころを作っている。当時のベストセラーだったイ・ムジチ盤よりずっと楽しめると思う。

category: ヴィヴァルディ

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K.レーデル:ヴィヴァルディ「四季」  

新しい録音とおもいきり古い録音、この対極を聴くのも面白いです。
昔の千円盤シリーズで、エラート1000、バロック音楽の宝庫だったこのレーベルはアルヒーフのような学識張ったところはなく、旧録音が次々と兼価で出て、白地の中央に名画をあしらったジャケットに親しんだ人も多いでしょう。とは言え、エラート1000シリーズ一覧を見ると、ハルモニア・ムンディも顔負けのようなマニアックなラインナップでもある;
クルト・レーデル指揮のヴィヴァルディ「四季」もかつて集めた1枚で懐かしい。私が2番目に手にした「四季」です。(1番目はラテン系団体の演奏でしたが、これは後日;)

レーデル 四季
クルト・レーデル:指揮
ミュンヘン・プロ・アルテ室内O
オットー・ビュヒナー:vl


今の古楽演奏から見れば、真っ向から聴けるものではないが、これも演奏史のひとつ、録音はステレオだが歪み感もややあり、かなり古いようだ、'50年代かも?特徴はまさにドイツ的な語り口のヴィヴァルディでミュンヒンガーとはまた一味違う。テンポは急楽章で速すぎず、ほぼインテンポ、音符の1つ1つを明確に聴かせる、緩抒楽章では遅すぎず、ソロvlが装飾らしきことを行う、といっても今日のような古楽研究に基づいたものとはだいぶ違う、即興性を帯びたものでなく、かっちり作り込まれた感覚、ときにロマン派のvl曲にも聴こえる;奇妙にも感じるが何も芸がないよりはマシか?これも一興。特に興味深いのは「秋」で第一楽章のくっきりリズムを切り立てた感覚、第二楽章にはソロ・パートもないところなので創作したソロが際立つ、終楽章もテンポは速くせずに切り立ったリズムで演奏。
全曲、オットー・ビュヒナーの堅実なvlソロで整然として、スリリングなルバートとか、戯れる要素は一切ない、「冬」の開始など武骨なくらいだ。

category: ヴィヴァルディ

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アカデミア・ビザンチナ:ヴィヴァルディ「四季」  

バロックの演奏に絶対的な模範演奏というのはないと思います、演奏者にとっても多様な可能性の中の一つのサンプルに過ぎないと思って聴いています。ちょっと踏み込んだ演奏も結構昔からありました。バロックのレーベルでお馴染みだったエラート盤でクルト・レーデル指揮のミュンヘン・プロ・アルテ室内Oの「四季」ですが、vlソロのオットー・ビシュナーが緩抒楽章で装飾演奏を行っていたのを思い出します、この時期ほかには聴けなかった試みでしょう。録音はエラートらしいサウンドで今一度聴いてみたい味のある一枚でした。
時は経ち、最新録音とはいきませんが、今日はO.ダントーネ率いるアカデミア・ビザンチナとS.モンタナリ:vlによる「四季」。

vivaldi 四季 ビザンチナ
オッタヴィオ・ダントーネ:指揮、アカデミア・ビザンチナ
ステファーノ・モンタナリ:vl
1999年9月録音


これはまた強弱の幅を大きく取った演奏、全般に弱音を基調とした細やかな美音で聴かせるが、描写の必要に応じて驚く音響を繰り出してくる、ときにコントラバスは地鳴りのように轟く。古楽器の美しさも聴かせると同時に鋭いアタックで迫ってくる。
春の第一楽章、始まりは快調だが鳥のさえずりに入るとぴたりとテンポを止め、ソロvlが自由な描写を始める、複数のvlが見事に息を合わせる、これ以後でもソロの描写場面は同様で、通奏低音もレシタティーボに息を合わせるように、絶妙な間を取る。
夏の始まりは暑さにうなだれるというより、涼やかにさえ感じる、強い北風の場面、強奏であるが自然の風力のゆらぎのような変化をつける。緩抒楽章での装飾は洗練された味わい。終楽章の嵐も遠雷から始まり、寄せては引く嵐の猛威を描く。コントラバスの強打、アーチluteのラスゲアートが効果的。
秋は第一楽章が切れ味鋭く痛快、印象的なのは第二楽章、極めて弱音で弾く和声、その中でソロvlが気づかないほどの装飾を弾いている、そしてチェンバロのリアライゼーションが幻想的で良い。第三楽章、狩りの場面をソロvlや低音がまさに擬音として弾いているようだ。
冬の始まりが意外なほど強奏で派手、夏のような熱気を感じてしまうのは面白い、トゥッティに対してソロが控え目である。第二楽章、ソロvlは暖炉の前のくつろぎを奏でているはずだが、合奏群の雨音のほうが勝っているのがまた意外、第三楽章、カーリングを思い浮かべてしまう、氷上の思うに任せない微妙な力加減をリアルに表現、痛快に北風が吹きぬけて終了。
音で描いた多彩な田園風景のような演奏。ダントーネはバッハでは意外に端然と演奏するが「四季」では大いに意表を突く、楽しめる一枚。

category: ヴィヴァルディ

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フライブルク・バロック0:ヴィヴァルディ「四季」  

ヴィヴァルディ「四季」の続きです。
バロック時代の人々と現代では、強奏音とか急速なテンポとかには刺激の受け方が随分違うだろうと思います、クラヴィコードとかリュートなんて微弱な音の楽器が使われていたのが何よりの証拠かと。描写音楽でもある「四季」もそんな当時、新作の現代音楽として聴かれていたわけでもあるし、どれほどの刺激性をもって演奏していたことか?現代の我々がまったく同じ追体験をするというのは無理で、現代人に通じる演奏が必要、そういう意味で古楽奏法の美質を掬いあげ、現代感覚と融合させた演奏が生れざるを得ないでしょう。新たな録音が出るたびに演奏者は新鮮な何かを盛り込まないといけない、名曲ゆえの苦心があるものと思います。曲そのものは耳タコだが、様々な新録音がどんなアプローチで繰り出してくるかが面白いです。

フライブルクbo
ヴィヴァルディ:協奏曲集『四季』、『海の嵐』、『喜び』
 ゴットフリート・フォン・デル・ゴルツ(指揮&Vl)、
 フライブルク・バロック・オーケストラ
 ザ・ハープ・コンソート
1996年12月 DHM


今日は1996年録音、最新ではないがゴットフリート・フォン・デル・ゴルツ:指揮とvl、フライブルク・バロック・オーケストラの四季です。ここでは通奏低音にハープとリュート属の集まった撥弦群団ザ・ハープ・コンソートが加わるという編成、まるでモンテヴェルディのオペラの合奏群のようです、そして撥弦群はトゥッティでの描写でパーカッションの効果も含めたダイナミズムを出す。ややオフマイクの録音で多くの楽器が響きわたる雰囲気を捉えている。
「春」の開始は嫌がうえにも第一印象となる、溌剌としながらも弦楽はしなやかな奏法も聴かせる、ゴルツのソロvlの俊敏でしなやかな演奏が全体を統率しているようだ。装飾演奏も鮮やかで洗練された味わいで良い。
「夏」の始まりは非常にゆっくり、気だるく憂鬱そうな感じが際立つ、そこに通奏低音のテオルボが和音を入れるが、テオルボってこの雰囲気にぴったりなんですね;ぐっと弱奏にしたあと、急速部分を激しくエッジを立てて演奏、終楽章も同様に凄みを聴かせる。
「秋」はリズムをくっきり闊達に開始、第二楽章が一際いい、無から立ち上がる弦の和声、極めて弱奏のまま"静の緊迫"に引き込む、ここではハープが遠鳴りのように控え目にアルペッジョを入れ、効果的で良いセンス。
「冬」の開始は弦がブリッジ近くを弱音で擦り、凍りつくような描写も見事、全体にゴルツの弾く美音で統率された合奏が良いまとまりで最後まで心地よく聴かせる。

category: ヴィヴァルディ

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J.ラモン&ターフェルムジーク:ヴィヴァルディ「四季」  

J.ラモンも数々のターフェルムジークのソロで非常に美しい演奏を聴かせているので、「四季」は外せないと思いました。特長はいつも便宜的に使われるバロックピッチA=415hzではなく、モダンピッチに近いA=442hzで演奏しているところ。研究によれば、ヴィヴァルディの活躍したヴェネツィアではこのピッチだったらしい。やや甲高く聴こえるのはSONY-VIVARTEレーベルの録音特性だけではなかった。

四季 j lamon
1991年録音

春から順に聴いてみたところ、全体にテンポは中庸でとくに驚くところはない、強弱やアゴーギグなど深く溜めてぐっと引き付ける、といった印象もない。ホグウッドやピノックのようなカリスマ性をもった統率者が存在せず、描写的な要素が多く占める作品だけに腕利きの奏者の集まりであっても様式感をもってきりっとまとめるのは難しいかもしれない、絵画でいえば構図に締まりがない感じだ。J.ラモンは緩抒部分で、さすがにヴィルトーゾ的な装飾演奏を聴かせるが、繰り返し聴きたいという感じではない、一回かぎりの達演といったところ、即興的なものだけに録音物としては難問かもしれないが、ホグウッド盤の4奏者やピノック盤のS.スタンデイジは無駄がなくセンスが良かった。
夏の描写場面もまずまずだが、切り立った迫力はそれほどない。
この演奏ではコンラッド・ユングヘーネルがアーチluteで通奏低音に加わっている。秋の中間楽章ではアーチluteがアルペッジョを奏で一味違うが、余韻が短い分小刻みな表現に聴こえる、ここはチェンバロが正解かもしれない、弦楽の和声もいまいち、"静の緊迫"がほしいところ。
冬に関しても、ソロ、合奏とも描写部分にスリリングなところがなく、安全運転でまとめている感じ。
このアルバムには2曲追加で入っていて、
弦楽のためのシンフォニア ロ短調「聖墓のそばで」
これが短い曲だが、霊感に満ちた傑作、よい曲を紹介している。
最後が4つのvlのための協奏曲 ロ短調
これはお馴染みだが、各パート一人ずつ(合奏群なし)の室内編成、これがターフェルムジークの本領発揮と思えるきりっと決まった演奏。メインの「四季」より追加された2曲が気に入ってしまった;

category: ヴィヴァルディ

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M.ハジェット:ヴィヴァルディ「四季」  

コレッリのvlソナタ集で不動の名演を録音しているバロックvl名手モニカ・ハジェットに期待して四季を聴いてみました。
全般に、ホグウッド、ピノック盤ほどの深い溜めや緊迫感で聴かせるところはあまりなく、強弱もほどほど、テンポは全体にやや速めではあるが温和に感じる、Virgin Classicsの録音もさほど切り立ったサウンドではなく、ソフトな感じ、80年代後半になると、こうしたサウンドが主流になったせいか?

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ニコラス・クレーマー:指揮
ラグラン・バロック・プレーヤーズ
モニカ・ハジェット:vl
1988年 Virgin Classics


春のトゥッティのテンポに対し、ソロの鳥のさえずりは自由な速度で描写を十分に聴かせる。緩抒楽章での装飾は細かいパッセージを挿入するといったタイプ。夏の嵐の描写もさほどテンションはかけない、とは言っても昔の演奏と比べれば、この時期らしい表現ではある。冬の終楽章に関してはなかなか良い、vlソロの氷上の描写が上手いのと、終結の極めて急速な演奏を合奏群が痛快に決めている。優れた演奏の一つが加わったとは思うが、特に新しい発見や楽しみを聴かせてくれるには及ばず。

category: ヴィヴァルディ

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T.ピノック:ヴィヴァルディ「四季」  

ヴィヴァルディ「四季」の録音をするというのはクラシック全般から注目され、評価される、一大仕事かもしれません、古楽器団体によるものは前例も少ない中で、ホグウッド盤とピノック盤は見事、メジャー盤となったようです。それも優れた音楽性があってのことでしょう。
さて、銀色に輝くドイツ盤ジャケット、T.ピノック:指揮、S.スタンデイジ:vlのヴィヴァルディ「四季」です。国内盤のジャケットはピノックの写真が載ったものでした。
vlソロを受け持つスタンデイジや合奏群、通奏低音にもホグウッド盤と共通のメンバーがいて、同じ文化圏の演奏と言えましょう、共通性もある中でホグウッド盤に盛り込めなかった魅力を放つ、こちらも名盤です。奇異な表現のまったくない、溌剌として気品のあるピノックらしいまとまり、スタンデイジの美音で弱音箇所でもくっきり線の緻密なvlソロ、飽きることはないです。録音は清流の水のように明瞭、アルヒーフのベストサウンドでしょう。

ピノック 四季
1981年 録音

は溌剌とリズミカルに始まる、鳥のさえずりは複数のソロが弾くがこれが透明感があってじつに美しい。vlソロの切れ味に合奏もぴたり同調する。中間楽章でのS.スタンデイジの装飾演奏はバッハか誰かの一節を聴くような理知的なセンスを感じる。終楽章もジーグ風の快調なリズム感を聴かせ爽快。
のはじまりの気だるさ、鳥達のさえずりもつかの間、突風が襲う、突風の前はぐっと弱奏にするが、ここが引き付けてじつにいい、そして突風、強引な響きを使わず十分なダイナミズムを聴かせる、中間楽章の装飾も流石、装飾とはいえ様式美がある。終楽章は再び嵐、ここも強弱の対比で効果をあげる。もともと好きな"夏"であるがこれはgood、
、第一楽章は活気とともに、vlのアゴーギグの緩急が痛快、強弱の対比も引き付ける。中間楽章はチェンバロのアルペッジョに乗って弦楽が無から現れるような開始、全般にぐっと弱奏で行く涼やかな微風。終楽章はリズムを弾ませ、楽しい。
、第一楽章は急速インテンポでソロの切れ味もあり寒さに凍える感覚、中間楽章、ここは爽やかな美音と格調高い装飾。終楽章はソロ、合奏ともに氷上の物理法則を感じさせるみごとなアゴーギグ、そして強風、痛快に最後をきめる。

描写要素の多い曲とはいえ様式美もぴしっときめた品の良さ、これ以上、なにもいじくる必要のない完成された演奏でしょう。古楽の中の"クラシック"と言えるかもしれません。

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