Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話題など

好録音再聴:T.ピノック-ヴィヴァルディ「四季」 ほか  

アナログ盤の秋^^?針を下ろすのがすっかり楽しみになった好録音を聴きあさっています。
コレッリの合奏協奏曲やヴィヴァルディのソロ協奏曲はのちの交響曲の元にもなったと言われ、合奏体の響きの効果を聴かせます。ヴィヴァルディ「四季」はいろいろ聴いた中で最後に落ち着くのはピノック盤やホグウッド盤になりますが、代表でピノック盤(LP)です、
カートリッジはAT440MLbを使用、ブリリアントなアルヒーフ・サウンドは申し分ない。
pin vi 01
サイモン・スタンディジ:vn
トレヴァー・ピノック:指揮
イングリッシュ・コンサート
1981年録音 アルヒーフ(ドイツ盤 銀ジャケット)


は溌剌とリズミカルに始まる、鳥のさえずりは複数のソロが弾くがこれが透明感があって美しい。vnソロの切れ味に合奏もぴたり同調する。中間楽章でのS.スタンデイジの装飾演奏はバッハか誰かの一節を聴くような理知的センスが聴ける。終楽章もジーグ風の快調なリズム感と弦楽が心地良い。
は特にシンフォニックな楽しみを聴かせる、始まりの気だるさ、鳥達のさえずりもつかの間、強風が襲う、その前はぐっと弱奏にするが、ここが引き付けてじつにいい、そして嵐、強引な響きを使わず十分なダイナミズムを聴かせる、中間楽章の装飾も流石、装飾にも様式美がある。終楽章は再び嵐、ここも強弱の対比で効果をあげる。
、第一楽章は活気とともに、ソロvnのアゴーギグの緩急が絶妙、強弱の対比も引き付ける。中間楽章はチェンバロのアルペッジョに乗って弦楽が無から現れるような開始、全般にぐっと弱奏で行く涼やかな微風。終楽章はリズムを弾ませ、ソロの切れ味もよい。
、第一楽章は急速インテンポでソロの切れ味もあり、寒さに凍える感覚、中間楽章、ここは爽やかな美音と格調高い装飾。終楽章はソロ、合奏ともに氷上の物理法則を感じさせるみごとなアゴーギグ、そして吹雪、痛快に最後をきめる。
動画→Vivaldi: Le Quattro Stagioni - Trevor Pinnock & The English Concert
*イングリッシュ・コンサートも新しくなっている、斬新でもあくまで美しい音楽。
動画→The English Concert 最後のほう 1:41:58 からはパッヘルベルのカノン。

話のついでに、A.アンセルミが率いるイ・ムジチ盤(2012年録音)を改めて聴いてみた、
i musici
このSonyレーベルはなくなり、今は「DYNAMIC」レーベルで出ている
こんな刺激の極端な音は聴いたことがない、この奏法でコレッリなどは想像つかない; 昔の殻から脱してはいるが、古楽を繁栄しているとは感じないし、ロック感覚か?、彼らは何処へ向かおうとしているのか?
参考動画(ライヴ)→2014Vivaldi Four seasons-Spring-I MUSICI in Korea

今日もご覧いただきありがとうございました。

category: ヴィヴァルディ

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R.ドゥアット:ヴィヴァルディ「四季」  

その昔、コロムビアのダイヤモンド1000シリーズはおそらくクラシックに目覚めた若い世代によく売れたものと思いますが、中古ショップであまり見かけないのは、聴きまくられて盤状態が良いものが残っていないせいかもしれません?またダイヤモンド1000一覧を見てみると、今でも聴いてみたいような演奏者の顔ぶれもあるし、これはべつにいいか、というのも(笑)見られます、また結構マニアックな曲目もあります。その後CD化されたものは少ないようで、先日のB.パウムガルトナーのハイドン交響曲など珍しい。
今日はダイヤモンド1000の実物です。ローラン・ドゥアット指揮、スイス・イタリア放送合奏団のヴィヴァルディ「四季」、vlはルイ・デ・コム、

vivaldi_20150523000242fe4.jpg
ローラン・ドゥアット指揮、スイス・イタリア放送合奏団
ルイ・デ・コム:ヴァイオリン
ルチアーノ・スグリッツィ:クラヴサン
MUSIDISC-FRANCE原盤
ジャケット:リヒテンシュタイン、ファドー城


じつはこれと同じジャケットで中身だけリニューアルされていて、先代の盤はヘルマン・クレバース:vl、マリヌス・フォーベルベルク指揮、アムステルダム室内Oによるものでした、私にとっては次代のドゥアット盤が擦り込み盤なわけで「ヴィヴァルディの四季ってどんな曲?」なんて頃に聴いたものです。
このジャケットの風景写真が良かった、残雪の山々をバックにひっそりと古城があり、手前のフォーカスから外れた花の色彩が心地よく春らしい、これが中身の音楽と良く合う。
録音年は不明だが、少なくとも半世紀近くは過去のもの、40年前、兼価盤で出ていたんだから;しかし思ったほど古くない、昔使っていた簡易ステレオ装置では聴けなかった音が拡がる、高域が強めの録音だが爽快なサウンドで嫌味がない。
演奏は昨日のレーデル盤とは対照的で、レガート基調、ルイ・デ・コムのvlは「四季」のソネットに沿った描写を聴かせ、遊び心がある、バックの合奏は強弱の対比を深くし、弦楽シンフォニーといったところ、確かにヴィヴァルディは交響曲の祖かもしれない。またチェンバロのルチアーノ・スグリッツィが今日の通奏低音とは言えない、この時代らしい演奏だが聴かせどころを作っている。当時のベストセラーだったイ・ムジチ盤よりずっと楽しめると思う。

category: ヴィヴァルディ

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K.レーデル:ヴィヴァルディ「四季」  

新しい録音とおもいきり古い録音、この対極を聴くのも面白いです。
昔の千円盤シリーズで、エラート1000、バロック音楽の宝庫だったこのレーベルはアルヒーフのような学識張ったところはなく、旧録音が次々と兼価で出て、白地の中央に名画をあしらったジャケットに親しんだ人も多いでしょう。とは言え、エラート1000シリーズ一覧を見ると、ハルモニア・ムンディも顔負けのようなマニアックなラインナップでもある;
クルト・レーデル指揮のヴィヴァルディ「四季」もかつて集めた1枚で懐かしい。私が2番目に手にした「四季」です。(1番目はラテン系団体の演奏でしたが、これは後日;)

レーデル 四季
クルト・レーデル:指揮
ミュンヘン・プロ・アルテ室内O
オットー・ビュヒナー:vl


今の古楽演奏から見れば、真っ向から聴けるものではないが、これも演奏史のひとつ、録音はステレオだが歪み感もややあり、かなり古いようだ、'50年代かも?特徴はまさにドイツ的な語り口のヴィヴァルディでミュンヒンガーとはまた一味違う。テンポは急楽章で速すぎず、ほぼインテンポ、音符の1つ1つを明確に聴かせる、緩抒楽章では遅すぎず、ソロvlが装飾らしきことを行う、といっても今日のような古楽研究に基づいたものとはだいぶ違う、即興性を帯びたものでなく、かっちり作り込まれた感覚、ときにロマン派のvl曲にも聴こえる;奇妙にも感じるが何も芸がないよりはマシか?これも一興。特に興味深いのは「秋」で第一楽章のくっきりリズムを切り立てた感覚、第二楽章にはソロ・パートもないところなので創作したソロが際立つ、終楽章もテンポは速くせずに切り立ったリズムで演奏。
全曲、オットー・ビュヒナーの堅実なvlソロで整然として、スリリングなルバートとか、戯れる要素は一切ない、「冬」の開始など武骨なくらいだ。

category: ヴィヴァルディ

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アカデミア・ビザンチナ:ヴィヴァルディ「四季」  

バロックの演奏に絶対的な模範演奏というのはないと思います、演奏者にとっても多様な可能性の中の一つのサンプルに過ぎないと思って聴いています。ちょっと踏み込んだ演奏も結構昔からありました。バロックのレーベルでお馴染みだったエラート盤でクルト・レーデル指揮のミュンヘン・プロ・アルテ室内Oの「四季」ですが、vlソロのオットー・ビシュナーが緩抒楽章で装飾演奏を行っていたのを思い出します、この時期ほかには聴けなかった試みでしょう。録音はエラートらしいサウンドで今一度聴いてみたい味のある一枚でした。
時は経ち、最新録音とはいきませんが、今日はO.ダントーネ率いるアカデミア・ビザンチナとS.モンタナリ:vlによる「四季」。

vivaldi 四季 ビザンチナ
オッタヴィオ・ダントーネ:指揮、アカデミア・ビザンチナ
ステファーノ・モンタナリ:vl
1999年9月録音


これはまた強弱の幅を大きく取った演奏、全般に弱音を基調とした細やかな美音で聴かせるが、描写の必要に応じて驚く音響を繰り出してくる、ときにコントラバスは地鳴りのように轟く。古楽器の美しさも聴かせると同時に鋭いアタックで迫ってくる。
春の第一楽章、始まりは快調だが鳥のさえずりに入るとぴたりとテンポを止め、ソロvlが自由な描写を始める、複数のvlが見事に息を合わせる、これ以後でもソロの描写場面は同様で、通奏低音もレシタティーボに息を合わせるように、絶妙な間を取る。
夏の始まりは暑さにうなだれるというより、涼やかにさえ感じる、強い北風の場面、強奏であるが自然の風力のゆらぎのような変化をつける。緩抒楽章での装飾は洗練された味わい。終楽章の嵐も遠雷から始まり、寄せては引く嵐の猛威を描く。コントラバスの強打、アーチluteのラスゲアートが効果的。
秋は第一楽章が切れ味鋭く痛快、印象的なのは第二楽章、極めて弱音で弾く和声、その中でソロvlが気づかないほどの装飾を弾いている、そしてチェンバロのリアライゼーションが幻想的で良い。第三楽章、狩りの場面をソロvlや低音がまさに擬音として弾いているようだ。
冬の始まりが意外なほど強奏で派手、夏のような熱気を感じてしまうのは面白い、トゥッティに対してソロが控え目である。第二楽章、ソロvlは暖炉の前のくつろぎを奏でているはずだが、合奏群の雨音のほうが勝っているのがまた意外、第三楽章、カーリングを思い浮かべてしまう、氷上の思うに任せない微妙な力加減をリアルに表現、痛快に北風が吹きぬけて終了。
音で描いた多彩な田園風景のような演奏。ダントーネはバッハでは意外に端然と演奏するが「四季」では大いに意表を突く、楽しめる一枚。

category: ヴィヴァルディ

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フライブルク・バロック0:ヴィヴァルディ「四季」  

ヴィヴァルディ「四季」の続きです。
バロック時代の人々と現代では、強奏音とか急速なテンポとかには刺激の受け方が随分違うだろうと思います、クラヴィコードとかリュートなんて微弱な音の楽器が使われていたのが何よりの証拠かと。描写音楽でもある「四季」もそんな当時、新作の現代音楽として聴かれていたわけでもあるし、どれほどの刺激性をもって演奏していたことか?現代の我々がまったく同じ追体験をするというのは無理で、現代人に通じる演奏が必要、そういう意味で古楽奏法の美質を掬いあげ、現代感覚と融合させた演奏が生れざるを得ないでしょう。新たな録音が出るたびに演奏者は新鮮な何かを盛り込まないといけない、名曲ゆえの苦心があるものと思います。曲そのものは耳タコだが、様々な新録音がどんなアプローチで繰り出してくるかが面白いです。

フライブルクbo
ヴィヴァルディ:協奏曲集『四季』、『海の嵐』、『喜び』
 ゴットフリート・フォン・デル・ゴルツ(指揮&Vl)、
 フライブルク・バロック・オーケストラ
 ザ・ハープ・コンソート
1996年12月 DHM


今日は1996年録音、最新ではないがゴットフリート・フォン・デル・ゴルツ:指揮とvl、フライブルク・バロック・オーケストラの四季です。ここでは通奏低音にハープとリュート属の集まった撥弦群団ザ・ハープ・コンソートが加わるという編成、まるでモンテヴェルディのオペラの合奏群のようです、そして撥弦群はトゥッティでの描写でパーカッションの効果も含めたダイナミズムを出す。ややオフマイクの録音で多くの楽器が響きわたる雰囲気を捉えている。
「春」の開始は嫌がうえにも第一印象となる、溌剌としながらも弦楽はしなやかな奏法も聴かせる、ゴルツのソロvlの俊敏でしなやかな演奏が全体を統率しているようだ。装飾演奏も鮮やかで洗練された味わいで良い。
「夏」の始まりは非常にゆっくり、気だるく憂鬱そうな感じが際立つ、そこに通奏低音のテオルボが和音を入れるが、テオルボってこの雰囲気にぴったりなんですね;ぐっと弱奏にしたあと、急速部分を激しくエッジを立てて演奏、終楽章も同様に凄みを聴かせる。
「秋」はリズムをくっきり闊達に開始、第二楽章が一際いい、無から立ち上がる弦の和声、極めて弱奏のまま"静の緊迫"に引き込む、ここではハープが遠鳴りのように控え目にアルペッジョを入れ、効果的で良いセンス。
「冬」の開始は弦がブリッジ近くを弱音で擦り、凍りつくような描写も見事、全体にゴルツの弾く美音で統率された合奏が良いまとまりで最後まで心地よく聴かせる。

category: ヴィヴァルディ

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J.ラモン&ターフェルムジーク:ヴィヴァルディ「四季」  

J.ラモンも数々のターフェルムジークのソロで非常に美しい演奏を聴かせているので、「四季」は外せないと思いました。特長はいつも便宜的に使われるバロックピッチA=415hzではなく、モダンピッチに近いA=442hzで演奏しているところ。研究によれば、ヴィヴァルディの活躍したヴェネツィアではこのピッチだったらしい。やや甲高く聴こえるのはSONY-VIVARTEレーベルの録音特性だけではなかった。

四季 j lamon
1991年録音

春から順に聴いてみたところ、全体にテンポは中庸でとくに驚くところはない、強弱やアゴーギグなど深く溜めてぐっと引き付ける、といった印象もない。ホグウッドやピノックのようなカリスマ性をもった統率者が存在せず、描写的な要素が多く占める作品だけに腕利きの奏者の集まりであっても様式感をもってきりっとまとめるのは難しいかもしれない、絵画でいえば構図に締まりがない感じだ。J.ラモンは緩抒部分で、さすがにヴィルトーゾ的な装飾演奏を聴かせるが、繰り返し聴きたいという感じではない、一回かぎりの達演といったところ、即興的なものだけに録音物としては難問かもしれないが、ホグウッド盤の4奏者やピノック盤のS.スタンデイジは無駄がなくセンスが良かった。
夏の描写場面もまずまずだが、切り立った迫力はそれほどない。
この演奏ではコンラッド・ユングヘーネルがアーチluteで通奏低音に加わっている。秋の中間楽章ではアーチluteがアルペッジョを奏で一味違うが、余韻が短い分小刻みな表現に聴こえる、ここはチェンバロが正解かもしれない、弦楽の和声もいまいち、"静の緊迫"がほしいところ。
冬に関しても、ソロ、合奏とも描写部分にスリリングなところがなく、安全運転でまとめている感じ。
このアルバムには2曲追加で入っていて、
弦楽のためのシンフォニア ロ短調「聖墓のそばで」
これが短い曲だが、霊感に満ちた傑作、よい曲を紹介している。
最後が4つのvlのための協奏曲 ロ短調
これはお馴染みだが、各パート一人ずつ(合奏群なし)の室内編成、これがターフェルムジークの本領発揮と思えるきりっと決まった演奏。メインの「四季」より追加された2曲が気に入ってしまった;

category: ヴィヴァルディ

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M.ハジェット:ヴィヴァルディ「四季」  

コレッリのvlソナタ集で不動の名演を録音しているバロックvl名手モニカ・ハジェットに期待して四季を聴いてみました。
全般に、ホグウッド、ピノック盤ほどの深い溜めや緊迫感で聴かせるところはあまりなく、強弱もほどほど、テンポは全体にやや速めではあるが温和に感じる、Virgin Classicsの録音もさほど切り立ったサウンドではなく、ソフトな感じ、80年代後半になると、こうしたサウンドが主流になったせいか?

m huggett vivaldi
ニコラス・クレーマー:指揮
ラグラン・バロック・プレーヤーズ
モニカ・ハジェット:vl
1988年 Virgin Classics


春のトゥッティのテンポに対し、ソロの鳥のさえずりは自由な速度で描写を十分に聴かせる。緩抒楽章での装飾は細かいパッセージを挿入するといったタイプ。夏の嵐の描写もさほどテンションはかけない、とは言っても昔の演奏と比べれば、この時期らしい表現ではある。冬の終楽章に関してはなかなか良い、vlソロの氷上の描写が上手いのと、終結の極めて急速な演奏を合奏群が痛快に決めている。優れた演奏の一つが加わったとは思うが、特に新しい発見や楽しみを聴かせてくれるには及ばず。

category: ヴィヴァルディ

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T.ピノック:ヴィヴァルディ「四季」  

ヴィヴァルディ「四季」の録音をするというのはクラシック全般から注目され、評価される、一大仕事かもしれません、古楽器団体によるものは前例も少ない中で、ホグウッド盤とピノック盤は見事、メジャー盤となったようです。それも優れた音楽性があってのことでしょう。
さて、銀色に輝くドイツ盤ジャケット、T.ピノック:指揮、S.スタンデイジ:vlのヴィヴァルディ「四季」です。国内盤のジャケットはピノックの写真が載ったものでした。
vlソロを受け持つスタンデイジや合奏群、通奏低音にもホグウッド盤と共通のメンバーがいて、同じ文化圏の演奏と言えましょう、共通性もある中でホグウッド盤に盛り込めなかった魅力を放つ、こちらも名盤です。奇異な表現のまったくない、溌剌として気品のあるピノックらしいまとまり、スタンデイジの美音で弱音箇所でもくっきり線の緻密なvlソロ、飽きることはないです。録音は清流の水のように明瞭、アルヒーフのベストサウンドでしょう。

ピノック 四季
1981年 録音

は溌剌とリズミカルに始まる、鳥のさえずりは複数のソロが弾くがこれが透明感があってじつに美しい。vlソロの切れ味に合奏もぴたり同調する。中間楽章でのS.スタンデイジの装飾演奏はバッハか誰かの一節を聴くような理知的なセンスを感じる。終楽章もジーグ風の快調なリズム感を聴かせ爽快。
のはじまりの気だるさ、鳥達のさえずりもつかの間、突風が襲う、突風の前はぐっと弱奏にするが、ここが引き付けてじつにいい、そして突風、強引な響きを使わず十分なダイナミズムを聴かせる、中間楽章の装飾も流石、装飾とはいえ様式美がある。終楽章は再び嵐、ここも強弱の対比で効果をあげる。もともと好きな"夏"であるがこれはgood、
、第一楽章は活気とともに、vlのアゴーギグの緩急が痛快、強弱の対比も引き付ける。中間楽章はチェンバロのアルペッジョに乗って弦楽が無から現れるような開始、全般にぐっと弱奏で行く涼やかな微風。終楽章はリズムを弾ませ、楽しい。
、第一楽章は急速インテンポでソロの切れ味もあり寒さに凍える感覚、中間楽章、ここは爽やかな美音と格調高い装飾。終楽章はソロ、合奏ともに氷上の物理法則を感じさせるみごとなアゴーギグ、そして強風、痛快に最後をきめる。

描写要素の多い曲とはいえ様式美もぴしっときめた品の良さ、これ以上、なにもいじくる必要のない完成された演奏でしょう。古楽の中の"クラシック"と言えるかもしれません。

category: ヴィヴァルディ

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C.ホグウッド:ヴィヴァルディ「四季」  

「四季」の続きです。古楽演奏が本格化した80年代、最初に出たメジャー盤が当ホグウッド盤と続くピノック盤でしょう。合奏メンバーにもその後古楽を先導する顔ぶれがあります。ピノック盤でソロを弾くS.スタンデイジやR.グッドマンらがここではバックの合奏で弾いています、春夏秋冬でソリストを交替させるのも録音としては初の試み(ソリストの交替はこれが初めてではなく、N.マリナーの来日公演でも行われた)、各奏者の個性と精魂こめた演奏が聴ける、また通奏低音はホグウッドの鍵盤にリュート界の新鋭N.ノースのバロックギター、アーチluteが加わり、これも初の試み、このへんもホグウッドならではの快挙でしょう。描写音楽という特殊性もあるが、今も昔も美しいヴァイオリン音楽であることが第一でしょう。今聴くと、これが最も信頼して聴ける美しい演奏ではないかと思います。録音はキングス ウェイ ホールの美しい響きと弓の微かに触れる弱音まで明瞭に捉えています。何ら古いと感じるものはない。

ホグウッド四季
クリストファー・ハイロンズ(vl:春)
ジョン・ホロウェイ(vl:夏)
アリソン・バリー(vl:秋)
キャサリン・マッキントッシュ(vl:冬)
エンシェント室内管弦楽団
ナイジェル・ノース(バロックギター,アーチリュート)
クリストファー・ホグウッド(指揮:チェンバロ, オルガン)
録音:1980年 デジタル


、弾むような活気を帯びた始まり、バロックギターのラスゲアートの効果が早くも活きる、ソロvlは4人共通でバロックvlの味わいを聴かせるが、トップのハイロンズがそれを印象づける、緩叙部分での繊細な表情、柔軟なアゴーギグとそれにぴたり呼応する合奏と通奏低音、緩叙楽章の装飾演奏は過度にならず、バロックスタイルらしい洗練されたものを感じる。第三楽章はじつに清々しい。
、いかにも酷暑にうなだれる開始、アーチluteの終止和音の響きが気だるい気分にふさわしい^^;ホロウェイのvlも描写性と美しさを見事に聴かせる、弓使いの味わいが深い、嵐のトゥッティも十分激しさを表現、またソロに寄り添うノースのアーチluteのリアリゼーションがいい。中間楽章でのソロの装飾、これもセンス良い。トゥッティの雷鳴は遠雷だったり近かったり変化をつける、終楽章のダイナミズム、ソロの切れ味ともに痛快。
、後半からのソロは女性陣、明るい第一楽章、バリーのソロは思い切ったアゴーギグを行い、急速に詰めたパッセージを弾くがバック共々決まり痛快、中間楽章は和声進行のみ聴かせる楽章だが味わい深い、古楽器のキメ細かい響きは涼やかで有利、ホグウッドはチェンバロで最小限に和音を散りばめ、じっくり、眠りのシーンだが聴き手は引き付けられる。終楽章の狩の描写も闊達で見事、ここは全員がソリスト状態でしょう。
、第一楽章は快速でインテンポ、マッキントッシュのクールなソロもキリっと凍てつくような感覚、楽章が氷の結晶のようだ、一方第二楽章は暖かい部屋、緊張がほぐれ、ほんのりとした美音で奏でる、装飾は控え目だが気品よい、長いトリルを徐々に遅めぴたりと終止に合わせる。終楽章、氷の上で思い通りに動けない様をリアルに描写、最後の嵐はぐっと急速に緊迫感をもって閉じる。

もう30年以上経つこの段階でホグウッドやピノックが完成度の高い録音を残し、続く古楽奏者達が、どのようなアプローチを見せて行くか、たどってみるのも楽しみです。

category: ヴィヴァルディ

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イ・ムジチ:ヴィヴァルディ「四季」最新盤  

時代は移り変わる、バロック合奏団の老舗イ・ムジチといえど、ただ伝統を守るだけにはいかない、アントニオ・アンセルミがコンマスに就任した後、2012年録音の最新盤を聴いてみました。1995年録音のシルブ盤とはまるで別世界、イ・ムジチがついに大きく舵をきった。

i musici02
Epic 2012年

"春"の始まりから高域倍音の強い、切り立ったような響き、ピュアトーンで従来の穏やかな合奏音ではない、これは録音の特性にもよるが、新生イ・ムジチのイメージを表してもいるでしょう。ふくよかなレガートよりも切れ味が目立つ、第二楽章で彼らとしては初めて?装飾音を聴かせる、しかし一流の古楽奏者のそれには及ばない感覚的なものに留まる。"夏"は特に描写性の強い曲で聴きどころだが、アンセルミは思い切り溜めを置き、一気に発散するような鋭さ、これはすでに古楽奏者達がやってきたことで珍しくはないが、一段とテンションは高い、弓を強く素早く擦りつける激しさ、けっして綺麗な音とは言えない、これを聴くと熟年のファン層からは不評の嵐のようで、まあ傍観するのも楽しい^^;適宜ヴィヴラートも使うがソロも合奏もピュアトーン基調のサウンド。もはやロック感覚ともいえるエキサイトぶりは若い世代の求める新流かもしれない。"秋"も快調なテンポとリズム感、やはり、溜めと一気の発散感覚が眠気をさます。和声進行の第二楽章はクールな心地よさ。"冬"も氷の上を滑る描写感覚など特に実感的で面白い。新メンバーには古楽アンサンブルで活躍した人もいるそうで、演奏方針は民主的に決めるイ・ムジチ、各メンバーの経験も反映しているでしょう。最新の演奏の評価には時間を要するでしょうが、ようやく古い殻を打ち破ったイ・ムジチ、今後メンバーが替わっても昔に戻ることはないでしょう。
シルブ盤のほうもちょっと聴いてみた、フィリップスらしい落ち着いたサウンドだが、穏やかすぎてパっとしない、もっと古いLP盤のほうが目の覚めるような明瞭サウンドが聴けるのだが?

i musici01
PHILIPS 1995年

始まりから昔ながらのイ・ムジチ、という印象、もちろんアーヨ、ミケルッチ時代とはだいぶ変容はしているが、従来の伝統が根付いた感覚、私には少々退屈です。

category: ヴィヴァルディ

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