Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

E.ウォルフィッシュ:J.タルティーニ vn協奏曲集  

あのvnソナタ「悪魔のトリル」で有名なジュセッペ・タルティーニ(1692-1770)のvn協奏曲を取り寄せてみた。
昔からイタリアはヴァイオリンの国と言われるように、神がかった名人達がでている。
A.コレッリは楽譜にはない凄い装飾演奏を行ったらしいし、ヴィヴァルディの協奏曲はソロの妙技とともにシンフォニックな要素もある。続く世代として、F.M.ヴェラチーニやG.タルティーニが登場し、バロックを集大成する時期でもあった。彼らの演奏はまさにエキサイティング、白熱したものだったのではないだろうか、タルティーニのvn協奏曲もソロの技巧とバックの弦楽の効果で素晴らしいものだが、あまり多くの奏者が録音しているとは言えない。バロックvnで見事に演奏したのが当盤、エリザベス・ウォルフィッシュである。
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helios(hyperion原盤)
5曲入っているが、いずれも魔性ともいえる、vnソロの高度な技巧に引き付けられる、
2曲目のト短調は4楽章で、第二楽章が半音進行のテーマによるフーガ、vnソロは活躍しないがこれが深い魅力、
3曲目のハ長調の第二楽章のテーマはシチリアーノ風で、ソナタ「悪魔のトリル」第一楽章の別バージョンのようだ、
最後のニ長調はバッハのBWV1052並みに長大に書かれていて、ソロと合奏群を十分に活躍させる、充実したコンチェルトに発展している。緩抒楽章ではvnの装飾的妙技を満喫させ、オルガン、テオルボの通奏低音が良い味わいを加える。終楽章はジーグ風のフーガとソロが巧みに絡み合う。
以上、これらはモダンの弦楽によっても魅力的だと思う。

ひとつの楽器に可能なことなら次々と新技法が生み出されるのが常だが、歴史は繰り返すというか、いつの間にかエレキ・ギターの世界でも凄い技が開発されて驚いている、このヴィヴァルディ「四季」など本来こういう曲だったと思わせる、
rock vi b2
動画→ Laura plays Summer Presto - Vivaldi (metal version two guitars)
エレGならではの技だが、凄く難しそう;

リュート曲のオリジナルにも、それなりに白熱した曲はある、バロック初期のA.ピッチニーニやカプスベルガーのトッカータなどもいけるし、
後期のS.L.ヴァイスならこのあたりかな、
weiss k
動画→ S.L.Weiss:Praeludium, Courante, Fuga And Presto In D Minor / Lutu Kirchhof
特にプレスト(6:42~)がいける、

ま、無理をせず楽しんでいきますが^^;
ご覧いただき、ありがとうございました。

category: その他・バロック

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好録音再聴:タルティーニ「悪魔のトリル」 2枚  

誰しも日頃の願望は夢に現れるようです。
バロック期のヴァイオリンのヴィルトーゾ、ジョゼッペ・タルティーニの夢に現れた悪魔が、
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人間技を超えた技巧とインスピレーションでヴァイオリンを弾いた、目覚めたタルティーニは楽譜に書き止めようとしたが、夢で聴いたはずの曲には遠く及ばなかった・・こんな逸話が残る、それでもこの曲は怪しの世界から持ち帰ったようにゾクっとくる、タルティーニが書いたのはvnパートだけなのか(低音パートは別人による?)、このへんはよくわからないが、3つの楽章のソナタで、終楽章に出てくるこの難技巧(らしい)トリルが副題の由来。micha
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G.タルティーニ ヴァイオリン・ソナタ ト短調「悪魔のトリル」
1枚目は通奏低音の付いた演奏、これは確か動画サイトで知って取り寄せたもの、古楽グループのパラディアンズの録音、
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The Palladians
Rodolfo Richter, violin (Andrea Guarneri - Cremona 1674)
Susanne Heinrich, viola da gamba
Silas Standage , harpsichord
William Carter, archlute
LINN 2006年

vnソロのR.リヒターはグァルネリのオリジナル楽器を使っているそうだ、変幻自在な強弱、じわっと粘るポルタメント、半音パッセージの装飾、魔性の表情を存分に聴かせる。通奏低音も大いに加担している、チェロではなくガンバなのも雰囲気が合う。
第一楽章はシチリアーノのリズム、終り付近でW.カーターはアーチluteでこの悪魔的な和声を掻き鳴らし、強烈な印象、
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第二楽章、vnソロは悪魔的すばしこさ、バスラインをガンバ、チェンバロ、アーチluteの3人が重ねて強調する、
第三楽章、導入のアンダンテはvnとアーチluteのみで弾くのが効果的、vnソロのテクニックは最後まで圧巻。
動画→The Palladiansの演奏

もう1枚はアンドルー・マンゼが無伴奏で演奏したもの、
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Andrew Manze, violin
harmonia mundi usa 1997年

第一楽章は密やかに弱奏で入り、怪しの世界から聴こえ始めるようだ、暗がりの奥で一匹の悪魔が弾くヴァイオリンがイメージできる。こちらは一人の演奏だけに表現は縦横無尽、なるほど、悪魔ならここまでやりそうだ、終楽章は特に凄い、
動画→Andrew Manzeの演奏

category: その他・バロック

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アンサンブル・バロッコ・イタリアーノ:R.de.ヴィゼ 組曲集  

先日はバロックギターの曲集を取り上げたロベール・ド・ヴィゼですが、こうした独奏楽器の作品を旋律楽器と通奏低音のために編曲しています。今日はアンサンブル・バロッコ・イタリアーノによる、その組曲集、随分以前に取り寄せたものですが録音は1993年、思ったほど古くはないです。
R de Visee
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これは1716年発刊された、ヴィゼのテオルボやリュートのための作品から、上声とバス・パートに分け、そこに和声数字を加えた曲集です。
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曲集・表紙

1.組曲ハ短調 2.組曲ト短調 3.組曲ト長調
4.組曲ニ短調 5.組曲イ短調

以上5曲がfl.トラヴェルソのソロ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、クラヴサン、テオルボの通奏低音で演奏されているが、曲集は特定の曲の組み合わせになっておらず、調や舞曲ごとにまとめられていて、奏者は任意に曲を選んで演奏する。楽譜面はシンプルなものであるが、ヴェルサイユ楽派らしい憂いを帯びた気品に彩られ、これをヴェルサイユ・ピッチ(a=392)の落ち着いた響きで奏でるのが何とも味わい深いv
トラヴェルソの趣味を心得た装飾、通奏低音のリアライゼーションがシンプルな楽譜を一際華やかにする。自分としては、つい通奏低音にも引き付けられる、
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ハ短調、アルマンドより
テオルボやバロックギター等で聴き覚えのある曲が多いが、4曲目、ニ短調ではまずテオルボがソロで原曲のプレリュードを弾き、続いてアンサンブルとなるが、通奏低音楽器も全員だったり、クラヴサンのみ、ガンバとテオルボのみ、など曲によって趣きを変える。
とても楽しめる一枚でヴィゼの曲には無駄がない^^

category: その他・バロック

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R.アンディア:ロベール・ド・ヴィゼ ギター作品集   

CDの整理箱にいつ買ったか憶えのないものが出てきます;たぶん中古セールで見つけたものですが、ロベール・ド・ヴィゼのバロックギター作品、「王に捧げられたギター曲集」の2枚セットがありました。ルイ14世付きの室内音楽家として召し抱えられたヴィゼは、リュリに始まるヴェルサイユ楽派の気品に満ちた音楽をギターのために数多く書いています。
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ラファエル・アンディア(バロックギター)
1985年~1986年録音 DHM

演奏しているのが、フランス生まれのスペイン人ギタリストでラファエル・アンディア、始めはフラメンコギター奏者でしたが、クラシックギターに転向、さらに古楽器も手掛けるようになった人で、エコール・ノルマールの教授をしているそうです。ちょっと経歴としては面白いですが、バロックギターの演奏はDHMに録音するほど本格的です。
ヴィゼのギター作品はどれも短いプレリュードに始まり、アルマンド、クーラント、ジーグ、パッサカリア等々、1分~2分の舞曲が組曲として続きます、CD2枚、延々と似たような曲が続きますが不思議と飽きないんですね、美しい主旋律が明確で、ほとんどの曲が旋律楽器と通奏低音で演奏しても良いスタイルになっているし、またバロックギターで演奏すれば、その独特の調弦法から得られる魅力が聴ける、近接音程の調弦は音の万華鏡といったところ。
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ヴィゼの演奏での調弦法
アンディアの演奏はよく演奏される聴き慣れた曲でも新鮮さを感じさせる、強弱や間の取り方など絶妙で、たった5コースのギターで、ラスゲアート奏法を交えながらも、ちゃんと主旋律とバスラインが聴こえてくるものです。録音はガット弦、楽器はヴォボアンだそうです。
動画サイトにR.アンディアの演奏がありました。(音質はイマイチ)
Robert de Visée, Rafael Andia, guitare baroque

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M.オッティガー作:ヴォボアン・モデル

category: その他・バロック

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パラディアン・アンサンブル:トリオ・ソナタ集  

バロックの室内楽を続けます。当盤はだいぶ前、アメリカのアウトレット・ショップで適当に曲名で選び、何枚かまとめ買いした中の1枚ですが、先日のタルティーニ《悪魔のトリル》ほかのCDで名演を聴かせたパラディアンズの前進、パラディアン・アンサンブルの演奏です。トリオの編成をとるヘンデル、テレマンなどの魅力的な作品を集めています。vlのレイチェル・ポッジャー始め4人の奏者が腕利き揃いで素晴らしい、鍵盤が無い分、W.カーターがリュート&ギターで大いに活躍する。

パラディアン・アンサンブル
パメラ・トービー:リコーダー
レイチェル・ポッジャー:ヴァイオリン
スザンヌ・ハインリヒ:バス・ヴィオール
ウィリアム・カーター:アーチリュート、バロック・ギター
 

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1曲目 ヘンデルのソナタ ヘ長調はいつものヘンデルらしい作品、P.トービーのリコーダーも美しいが、対を成すポッジャーのvlが非常に透明感があり、しなやかさと切れ味で引き付ける。フーガで書かれた第4楽章がじつに清々しい。
2曲目 テレマンのソナタ ト短調、緩急緩急の楽章配置、第一楽章からテレマンらしい短調の雰囲気、第二楽章は闊達、ここはリコーダーのタンギングの素早く粒だった切れ味が魅力、そして対位旋律だったり平行旋律だったり、パート同士の間髪を入れない受け答え、これぞテレマンv、長閑な第三楽章に続き、終楽章はリズミカルで民族音楽的な味、二つのソロに加えガンバとアーチluteが力強くリズムを強調する。
3曲目、ジャン=マリー・ルクレールの序曲 ト長調、第一楽章が付点リズムのスタッカート、アレグロと続くが、フランス風序曲的でもある、対位法のアレグロはひじょうに闊達な魅力、通奏低音ではギターのラスゲアートがリズムを刻むがこれがラテン的な風合いでぴったりくる。第二楽章ドルチェ・アンダンテは一変、憂いにに満ちた楽章、長閑なメヌエットで終わる。
4曲目、ヘンデルのソナタ ロ短調、アンダンテで始まるが、ややリズミカル、ここでは通奏低音はギター、第二楽章、リコーダーとガンバの低音で開始、vlも加わるが、ガンバのパートの旋律も充実して味わい深い。終楽章ではまたギターが闊達な雰囲気を与える。
5曲目、J.J.クヴァンツのソナタ ハ長調は三楽章で、次の時代へと繋がるギャラントな作風。
最後のテレマン、ソナタ イ短調、緩急緩急の楽章、締めくくりにふさわしい魅力な曲、第一楽章の始まりの旋律は親しみがあるので、多くの演奏を聴いてきた、この曲でも通奏低音にバロック・ギターを使う、ヘンデルやテレマンにギターってのは史実的にもミスマッチかと思われたが、この演奏を聴くと水を得た魚のように活躍の場となる。テレマンの急楽章の密度の高い高揚感に切れ味のよいラスゲアートはぴったりくるv、終楽章は極めてテンポを上げ、各パートの緊密さと民族的、ラテン的にも聴こえる情熱をもって見事に決める。

PS.特にテレマン好きの方には名演かと思います、通販サイトは品切れのようで今は中古、アウトレット市場を探すしかなさそうです;

category: その他・バロック

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F.ビオンディ:ITALIAN VIOLIN SONATAS  

G.タルティーニに親しんだ流れで、イタリアの後期バロック、vlソナタ集を聴きます。コレッリの次の世代の作曲家達は本当に充実しています。コレッリの作品は聖典のようなものだったでしょう、それを引き継ぎ、バロックを集大成すると同時に、ヴァイオリンの国らしく、vlの技もしのぎを削るようです。
今日の演奏はバロックvlのファビオ・ビオンディ率いるエウロパ・ガランテ、過去にレビューしたボッケリーニの室内楽集でも名演を聴かせました。

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最初はF.M.ヴェラチーニのソナタ ト短調、ヴェラチーニという人も興味尽きないです、実に多くの書法を聴かせてくれる。このソナタの初めの楽章は大枠はフランス序曲で、過去にレビューした管弦楽編成の序曲ではルイ王朝を彷彿とさせる序曲を書きながら、この曲は一味違う、付点のグラーヴェはそれらしいが、アレグロになるとフーガ書法じゃなく、vlソロと低音が闊達な旋律で凌ぎ合う二声の音楽、イタリア的な旋律の楽章となっているのが面白い。ヴィオンディのvlはややコシの強いエネルギッシュな演奏で、装飾音のキレ、急速楽章での張りつめた感覚を存分に聴かせる。第二楽章のアリアは優美な中に切れ味のよい装飾を走らせる、テオルボが心地よい対旋律を入れる。終楽章ジーグがいい、弾むリズムを強調し、最後にはvlの弓の背で叩く奏法まで使う、楽譜には書かれていないであろう、活きたアドリブ感覚で楽しませる。
2曲目はP.ロカテッリのソナタ ニ短調、これは緩急緩急のコレッリ型ソナタ、緩抒楽章の優美さとセンスの光る装飾、急楽章は極限までテンポを上げた緊迫感と柔和な表現の両立が見事。
4曲目、F.ジェミニアーニのソナタ イ短調、これは重音奏法による第一楽章アンダンテがじつに味わいがある、コレッリをしっかり引き継いだ人だが、霊感の深い作風で魅了する。第二楽章は長調に変り、これは次の古典派期に踏み込んだギャラントな書法に思える。
最後にタルティーニのソナタ ト短調 この作品も《悪魔のトリル》よりは落ち着いているものの、深い霊感を帯びている、第一楽章ラルゴはオルガンとテオルボによる通奏低音が一段と雰囲気を深める。第二楽章アレグロ、vlの技法を駆使したようなスリリングな魅力。終楽章アレグロ・アッサイ、第二楽章とはリズムを変え、やはりスリリングな楽しみ。

category: その他・バロック

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R.リヒター:タルティーニ vlソナタ《悪魔のトリル》  

CD表紙のとおり、今日もG.タルティーニ《悪魔のトリル》です^^
S.ホーキング博士は宇宙を創造するのに神はいらない、と言っていますが、私もたぶんそうだと思います。万物の秩序を築く神も、破壊と堕落の権化=悪魔も人間の心に存在している。音楽も高度な創造物でありながら、最終目的は快楽であり、究極の快楽のためなら悪魔に魂も売る、タルティーニの心に棲む神と表裏一体の悪魔の産物かもしれません。

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LINN レーベル

先日のアンドルー・マンゼの無伴奏vlによる《悪魔のトリル》も凄かったですが、当盤ルドルフォ・リヒター:vlソロほか通奏低音つきの、これまた聴きごたえ満点の演奏、先日も紹介した動画サイトの演奏は当CDのものでした、リヒターのvlはマンゼに負けず劣らず、そしてガンバやアーチリュートの通奏低音が魔性の演奏に大いに加担する、演奏は動画でお聴きのとおりです。
パラディアンズは以前、バロックvlのレイチェル・ポッジャーがメンバーだったパラディアン・アンサンブルのリニューアルグループで、R.リヒターがvlを引き継いだ素晴らしいデビュー盤でもあります。
第三楽章の"悪魔のトリル"はこの楽譜の部分ですね、恐ろしく難しそうです;

譜例

E.メルクスの古い演奏は、ベーシックに聴かせてくれたので、最新の古楽演奏の演出ぶりがよくわかります。当盤は今のところ最高ですね。(★★★★★)

ところで、タルティーニの逸話に基づく表紙の絵も傑作で気に入っています、少々わざとらしい描写ですが、この悪魔の顔がいい^^

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実在のおじさんにこんな顔をさせてモデルにしたみたいで、ちょっと笑ってしまいます。

category: その他・バロック

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手書き譜  

今、三次科学技術教育協会さんのブログでも話題に取り上げておられる、自筆譜についてですが、非常に興味深いですね。ハイドンの数ある作品の中で、泣く子も黙る傑作、交響曲第86番の自筆譜がネット上で鮮明に見られるとは本当に幸いなことです。草稿があってその清書かもしれませんが、すぐ演奏用のパート譜作りにまわされる原稿なので、読み間違いのない程度に手早く書いた感じですかね、しかし音符一つ一つの筆勢から、ハイドンの頭の中に響いていた音楽の息遣いが感じられるようです。
《悪魔のトリル》もタルティーニが目覚めたあと?書いたとされる草稿があるとしたら、見てみたいものです;

また私どもが普段付き合っているリュート・タブラチュアですが、これもバロック期の作品は殆どが手書き譜で残っています。たぶんリュートが専門家や一部の愛好家のものとなっていったため、大量の印刷が必要なくなり、筆写物で十分だったのでしょう。下はリュート弾きにはお馴染みのsaizanayという写本の1ページ、実際演奏で読みやすいよう書かれています。

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これを書いた人も当然リュート奏者でしょうから、演奏のイメージも筆に反映します、作曲者の草稿ではないですが、非常に美しい筆跡で多くの美しい曲が集められていて、弾こうという意欲を掻き立てます、これを見ればさっと指が動きそうで?・・^^;こういう感覚は活版印刷譜にはないですね;
もう一つ、下がリュート最後の大家、S.L.ヴァイスのドレスデン写本から軽快なジーグです、いかにも快調な流れが視覚的にわかります、タブラチュアは奏法譜なので、これを見ればリュート弾きはどんな響きがするか見当がついてわくわくするんですねv
この写本も過去には有名出版社の印刷物を数万円で買うしかなかったですが、今はネット上で鮮明な画像が公開されています。

Dresde 5Gig

ちなみに下がルネサンス期の活版印刷譜、きれいにできた印刷ですが、ちょっと味気なく、スペーシングが詰まっていて見づらい感じです;

活版印刷

普通の文書でも手書きには何らかの表情が現われ、活字は無表情になってしまうのと同じことですかね。

category: その他・バロック

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A.マンゼ:タルティーニvlソナタ《悪魔のトリル》ほか  

バロックvlのアンドルー・マンゼによるG.タルティーニの悪魔のトリルは無伴奏で弾いているということで、興味が湧き聴いてみました。たぶんタルティーニの夢に現れた悪魔も一匹で、通奏低音奏者までいなかったと推測すると、こんな響きだったかもしれない^^;もちろん楽譜には低音パートはありますが、vlだけでも聴ける多声書法のようです。
マンゼは無伴奏で弾くことによって自由度を増し、通常は聴けないような装飾、挿入句を駆使して、バッハの無伴奏vlソナタにも引けを取らない内容を聴かせます。英国の奏者は何事も端正というイメージがありましたが、ここまで踏み込んでやるとは驚きです。

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harmonia mundi 1997年

第一楽章は幽玄な面持ちで始まる、テンポの伸縮と運弓の細やかな味わい、微かに擦れる弱音から、ゾクっとくる不協和音の鋭い立ち上げ、反復での装飾やパッセージの追加が満載、シチリアーノ風の楽章を怪しの世界を覗く雰囲気で満たす。
第二楽章、軽やかに始め、休符を伸ばし、次に入る間が「まだまだ」と言わんばかり、リピートでの装飾のキレが快調、歌っているというより、表情たっぷりに台詞を語る演奏、後半での同ゼクエンツの繰り返しや半音進行など、悪魔めいたインパクトを存分に弾く。
第三楽章、アンダンテでは、しつこいようなポルタメントを使い、怪しさたっぷり、アレグロに入るにも徐々に加速して自然な繋がり(成り行き)、重音奏法の最中、常にトリルが入るところはやはり圧巻。熱気を込めた終結だが、最後はアルペッジョで洞窟の中のこだまが消え入るように終わる。
二曲目以後、変奏曲やソナタもvl一つで充実の演奏。

category: その他・バロック

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E.メルクス:G.タルティーニ vlソナタ《悪魔のトリル》ほか  

「ヴァイオリンの高等技法」と題されたこのアルバムは随分長く倉庫に眠っていたもの、バロックvl復興の先駆者、エドゥアルト・メルクスによる演奏です。最新の古楽演奏にはまだ遠いものと言えますが、メルクスの真面目で堅実な演奏は優れたスタート点になっていると思えます。バロックvlの透明感のある響きはLP盤から十分に再現されます。
4曲入っていますが、今日はジョゼッペ・タルティーニの2曲について。

悪魔のトリル メルクス
エドゥアルト・メルクス:バロック・ヴァイオリン
ライオネル・サルター:チェンバロ
ヴォルター・シュルツ:チェロ


主題と30の変奏
コレッリのvlソナタop.5-10の親しみやすいガヴォットの主題を使った30もの変奏曲、同じ和声進行で行くところからシャコンヌにも近いが、高度な変奏曲としての要素が強い。vlのあらゆるボゥイング技術を取り込んだ練習曲でもあるそうだが、左手技術も高度なもの、変奏曲というのは出来がよくないと退屈なものだが、この曲は次々と新鮮な変奏が立ち上がる、重音奏法による2声の掛け合いも多く、vlの超名人だからこそ書ける緊張感、よく30パターンも浮かぶものだと思う。メルクスは堅実で模範的演奏だが、練習曲のような味気無さはなく素晴らしい鑑賞対象。

vlソナタ ト短調《悪魔のトリル》
こちらは先日も話題にした、《悪魔のトリル》、エピソードは有名で、タルティーニが夢で悪魔から伝授された曲を、目覚めてから書きとめようとしたが、夢の何分の一にも至らなかったとのこと、しかし、夢の中から少しばかりは掴んで持ち帰ったようなオカルティックな雰囲気を持っている。第一楽章の重音奏法の突如立ち上がる響きはゾクっとくるし、2声の下の音が不安感を誘う、第二楽章テンポ・ジュスト・デッラ・スクオラ・タルティニスタ、と長ったらしいテンポ指定だが;アレグロのリズムとねばっこい装飾音が、小悪魔がいたずらして廻るような可愛らしい感じで、不思議なもの見たさの人間の本性を楽しませる感覚。第三楽章はアンダンテとアレグロ・アッサイが交互に3度繰り返えされる、このアレグロ・アッサイで弾かれるトリルが副題の由来だそうで、重音奏法で2声を弾きながらトリルが連続する難技巧の曲、難しすぎるから悪魔のトリルなのか?

現在は古楽奏者による凄みを利かせた演奏もあるが、最初に聴くにはこのメルクスの堅実で誇張の過ぎない演奏が、曲を知っておくのに絶好。
奏者は不明だが、古楽奏者によるよい動画がありました、演出たっぷり。
動画サイト: 《悪魔のトリル》 

category: その他・バロック

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