Micha: Classic音楽とLuteの楽しみ

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学の話など

謎だらけのバロック  

たとえばバッハのブランデンブルク協奏曲 No.3の中間楽章?Adagioは2つの和音が示してあるだけで、終楽章へ続く、というのはわかるが、実際何をやったらよいのか推測するしかない、 
bach br no 3
各演奏家がどうするかも面白いところ。

フライブルグ・バロックO、最小限の慎重な?対応、
f b bra 3
you tube:Bach: Brandenburg Concerto No. 3 in G major, BWV 1048 (Freiburger Barockorchester)

アバド指揮:モーツァルトO、チェンバロのO.ダントーネがソロを弾いている、
c a bra 3
you tube:Bach: Brandenburg Concerto No. 3 in G major, BWV 1048 (Orchestra Mozart, Claudio Abbado)
*弦楽器はモダンだが、バロック弓を用いている。

さて、リュート曲にも謎がいっぱいあって困る^^;
今練習している1つ、S.L.Weissのフーガ ニ短調だが、整然としたフーガの終わり近く、紫のところは、下から[ソ、シ♭、ミ♭、ソ]のナポリ6度が入る、
weiss fuga
続く下の段には、わざわざ長い空白(オレンジ)を置いて終結が書かれている、この空白は、何か即興を入れろというところか?わからないが、そのまま終結に繋いでも自然なので跳ばして弾いている;
y i weiss fuga
you tube:Silvius Leopold Weiss - Fugue in D Minor
今村氏はきちんと消音して、各声部が明快に歌っている。

もう一つ、このフーガの前に付けたい、プレリュード ニ短調、これは2重奏の片割れではないかと指摘されている、
weiss pre
2段目のAdagioと書かれたあと、オレンジで括ったように2分音符の音価で和音が2つ、次に同じ音価でパッセージがあり、また和音、この2分音符の間が独奏にしては長いというか、単純すぎるので、合方が何か弾いているんじゃないかと?
とは言え、よく演奏されるプレリュードで独奏曲として扱われる、片パートゆえに"動と静"があって面白いかも;
この参考になる良い動画はなかった。

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バロック好きの経緯  

子供の頃の記憶をたどると、クラシック音楽というより、まずバロック音楽に馴染んでいた気がする、たぶんラジオから聴こえてきた曲で、誰の何という曲かも知らないまま、とくにtrpやhornの入る晴れやかな曲に惹かれた、そしてリコーダーのまるい音色も子供には楽しかった、そんな記憶のある中で、中学くらいだったか、ラジオでたまたま聴いた曲が理想的で魅力だった、「バッハ作曲、ブランデンブルク協奏曲第2番でした」とアナウンスがあり、好きな楽器がみな入っていた。それから曲名を憶えてレコード「主に千円盤」も探すようになり、あまり豊富ではなかったが、バッハ、ヴィヴァルディ、ヘンデルなど名作のたぐいは集めた。
A.ヴァンツィンガーは早くから古楽器を用いた演奏を録音していたが、まだそれは特殊な扱いで、パイヤール、イ・ムジチなどが王道だった。 
やがて、G.レオンハルト、N.アーノンクール、F.ブリュッヘンやS.クイケンらによる古楽奏法に基づく録音が出て、楽しみ方の転記となった、
ba bra
はじめは、そのソリッドな響きと表現に戸惑ったのが正直なところ、しかし、バロックvnの透明感、flトラヴェルソの深みのある音色、ナチュラル金管のブリリアントな響き・・次々に嵌っていった;(*リュートだけは、ちょっと区別した?楽しみだった;)
そしてバロックの装飾演奏にも興味が湧いた、それはリピートの際に妙技を聴かせるのが慣例だったようだ。A.コレッリが書いたvnソナタの原曲譜と、実際、コレッリが装飾演奏した実例を書き留めた楽譜が残っていて有名である、
core op5-5 01
ソナタop.5-5原曲譜:曲の骨子のみが書いてある、
core op5-5 02
コレッリが装飾演奏した一例と思われる記録譜、
ほか、当時の演奏家が残した教本など、今やバロックの演奏はこうした資料に基づき、音楽的に習得した演奏でないと成り立たないと言える、通奏低音奏者も同様、
バロックvnによるソナタop.5-5の動画を1つ、
cre op5-5 you tube
you tube:Corelli sonata in G minor op. 5 nr 5
装飾の妙技はリピートで行われる、

ほか、コレッリの「フォリア」の主題による変奏を3つ挙げるが、演奏史を追って聴き比べるのも面白い、
H.シェリングによる20世紀の巨匠らしい演奏、
h s corelli
you tube:Henryk Szeryng plays Corelli's "La Folia" Sonata

I.パールマンによるクライスラー編曲版での演奏、殆どロマン趣味にアレンジされている、
i p corelli
you tube:Itzhak Perlman - Corelli: La Folia (arr.Kreisler)

最後はHesperion XXIによる巧みな古楽演奏、通奏低音も大いに聴かせる。
corelli 04
you tube:Corelli : La Follia

少し時代が下ると、G.タルティーニなどは原曲譜にかなり高度な技法を具体的に書いている。
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猫のフーガ etc.  

ドメニコ・スカルラッティが「猫のフーガ」という曲を書いているが、彼が飼っていた猫がクラヴサンの鍵盤上をよく歩き、偶然出た音をテーマにしてフーガを書いた、と伝わる曲だ。
実際、猫が鍵盤の上を歩けば、2鍵くらい一緒に踏むだろうし、後ろ足で踏む音も出るし、こんなふうには聴こえない、印象に残った音をヒントにしてテーマにした、くらいか?m
cats fuga 01
you tube:scarlatti sonata g minor (cat's fugue) K30 - L499
なかなか良いフーガで、終盤[139]からオルガンの持続低音を模倣して終わる。
cats fuga 02

動物の鳴き声描写の鍵盤曲としてはジャン・フィリップ・ラモーの新クラヴサン組曲No.2に含まれる「雌鳥 "La poule"」がお馴染み、この組曲全体が様々な描写音楽で面白い。
まずはクラヴサンによる演奏、
you tube 01
you tube:Hank Knox - Rameau, La Poule
もう1つピアノによる鮮やかな演奏、
you tube 02
you tube:Grigory Sokolov Rameau's "La Poule"
この速さでクラヴサンを弾いたら、けたたましいかも?;

また、ラモーの「クラヴサン曲集と運指法」第1集、組曲No.2には「鳥のさえずり」という同様の曲が入っている。
you tube 03
you tube:J.P.Rameau - Le Rappel des Oiseaux - Pieces de Clavecin (Scott Ross)

ほかに、ヘンデルのオルガン協奏曲で「カッコーとナイチンゲール」の声を入れた曲がある。
hadel org con
you tube:G.F. Händel: Organ concerto No. 13 in F Major HWV 295
バロック作品に絞ったが、いずれもさすがセンスよく、聴き応えのある曲になっている。

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作者不詳:ヴィターリのシャコンヌ etc.  

「ヴィターリのシャコンヌ」というのが、vnの名曲としてあるが、これはバロック期のリンダーという、ドレスデンの音楽家による手稿譜が残るのみで、vn奏者のT.A.ヴィターリ(Tomaso Antonio Vitali、1663年-1745 伊)が作曲したという証拠はないらしい、
Vitali_tomaso_antonio.jpg
Tomaso Antonio Vitali
明らかなのはバロック期の誰かが作ったということ。
リンダーの手稿譜を元に19世紀、メンデルスゾーンと同時期のvn奏者F.ダヴィットがvnとpfのために編曲している、さらにロマン派後期の頃、L.シャルリエという人が華やかな変奏を加えたものが今日よく演奏されるらしい。H.シェリングのシャルリエ版による演奏を聴くとリンダーの譜にはない挿入部分がかなりあり、そこはバロック的ではない、pfパートも通奏低音とはかけ離れたロマン趣味になっている。
h s vn
you tube:Henryk Szeryng plays Vitali's Chaconne
音楽として楽しめれば否定するつもりはないが、
バロック期に戻ったリンダー版による演奏はバロックvnの先駆者、E.メルクスが最も初期に録音している、
20140321134451573_20180112104316a09.jpg
you tube:Vitali - Ciaccona, Chaconne ("Original" Version), part 1
vn:エドゥアルト・メルクス
org:E.ミュラー、lute:K.シャイト

確かに"混ぜ物感"はなくなるが、古楽奏法は模索の時期だった。
vi cac
リンダー版
参考:リンダー版による新録音でAttilio Motzo(バロックvn)の動画
v chaco
you tube:Tomaso Antonio Vitali - Ciaccona in sol min. per Violino e Basso
作曲が誰であれ、手を加えずとも魅力あるシャコンヌだ。

ほかにも有名作曲家の曲として、長く親しまれてきた曲に、実は他人の作曲だったというのがいろいろある、
バッハのメヌエット(BWV Anh 114)とされてきたこれは、
bwv anh114
C.ペッツォルト(Christian Petzold)というオルガン奏者の作だった。

「ハイドンのセレナード」でお馴染みだったSQの主題は
andante canta
ロマン・ホフシュテッター(Roman Hofstetter)という修道士でアマチュアの作だった。

また「おもちゃの交響曲」もハイドン作と伝わっていたが、これには早くから疑問にされていた、1951年、レオポルト・モーツァルトのカッサシオンに含まれる曲とわかり、"父モーツァルト作曲"が定着したが、1992年にオーストリアのシュタムス修道院で、当時の神父が写譜した「おもちゃの交響曲」が見つかり、同地の作曲家エトムント・アンゲラーが1770年頃に作曲したと記されていた、現在、原作者はアンゲラーが有力視されている。

このほか、バッハのvnと鍵盤のための組曲イ長調 BWV1025が、リュートのS.L.ヴァイスの曲だったという件は過去にも書いた。
桐山建志&大塚直哉:バッハ vnと鍵盤の為の作品集 vol.5

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A.セゴビアのバロック  

現代クラシックギターの父と呼ばれるアンドレス・セゴビア(1893-1987)は確かにギターの活躍の域を広げた偉人だと思う、セゴビアはフルトヴェングラーやB.ワルターと同時代で、この時代の価値観を持つ、そこは歩み寄って聴く必要がある。
seg baroque
A.セゴビア(ギター) リュートとハープシコードの音楽
当時は演奏家の腕前(味付け)を示す時代でもあり、古い旋法で書かれた過去の作品はこの時代に馴染む音に変更されるのが普通だったようだ、楽譜を選ぶときは注意が要る。
表現法も各演奏家の個性が尊重された、セゴビアは撥弦楽器のギターを声で歌うかのように弾き、盛んに編曲を行い、ギターのレパートリーを拡張した。スパニッシュのギターにナイロン弦を用いたのもセゴビアが始まりだった。

お馴染み、S.L.ヴァイスのファンタジーをセゴビアのギターとN.ノースのリュートで比べてみると時代の違いがわかる、
se weiss fa
you tube:Andres Segovia - Weiss - Fantasie
north weiss fa
you tube:Fantasia in c minor by S. L. Weiss, performed by Nigel North

もう1曲、ヴァイスのブーレ(ソナタト短調より)をセゴビアと、R.バルトのリュートで、
you tube:Andres Segovia - Weiss - Bourree Suite XIX
you tube: Weiss - Lute Sonata(Suite) No.25 in g minor / Robert Barto, baroque lute
weiss buree
じつはこの曲、セゴビアの演奏で初めて聴いて気に入った、セゴビア流に歌っている独特の味わいもまたわるくない、ヴァイスはイタリア仕込みの作風なので合うのかも。

次はC.F.シャーレ(Christian Friedrich Schale 1713-1800)という聞き慣れない人のメヌエット、ギャラント様式の易しい鍵盤曲だが、これがセゴビアの手にかかると何とも言えぬ味わいが加わる、残念ながらセゴビアの動画はないがこんな曲、これにこってり味がつく。
scha min
you tube:Minuet in C | Schale, Christian Friedrich | + Sheet Music Free
楽譜

人間は絶えず新しいものを求めるので、こういう時代があったからこそ、一度リセットして、作品が書かれた頃の奏法、響きを再現してみたくなる、そこでピリオド指向の演奏が始まったように思う。今は演奏の歴史が録音で聴けるので面白い。

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C.ホグウッド:アルビノーニ 協奏曲集op.9  

久方ぶりで、バロックの作品を聴いた。
ヴェネツィアで活躍したトマゾ・アルビノーニ(1671-1751)といえば、当時はJ.S.バッハにも大きな影響を与え、近年でいう「バロック」の象徴的な作風で親しまれやすい。
とは言ってもよく演奏されるのはお馴染みのオーボエ協奏曲d-moll op9-2くらいだった。
マルチェッロなども含め、一頃は「ネオ・バロック」とも呼ばれる現代のムード・ミュージックの元になったタイプだろう、例の「アルビノーニのアダージョ」とやらもそうした一つで、"偽作"と言える代物ですらない;
C.ホグウッドとvnのA.マンゼ、obのF.de.ブリュイヌら優れたソリストらで聴いて、ようやくアルビノーニの真価が味わえる。
c h alb
アンドルー・マンゼ(vn) 
フランク・ドゥ・ブリュイヌ(ob1)
アルフレッド・ベルナルディーニ(ob2)
クリストファー・ホグウッド指揮 エンシェント室内管弦楽団
録音1994年、1997年

幸い作品9の全12曲がyou tubeにも挙がっている、もちろん、好録音なのでCDをシステムでじっくり聴くのがいい^^
c h alb 02
you tube:Albinoni:Concertos Op.9/C.Hogwood,Academy of Ancient Music
<もっと見る>をクリックすると1曲ずつ聴けるが、有名なオーボエ協奏曲d-mollは2曲目に入っている、
sc01_2017092009522295f.jpg
ブリュイヌのバロックobがじつに達演で、反復部分での装飾が見事、第二楽章はじつに魅力だが、こうした優れた演奏はモダン楽器でも大いに可能なはずだ。
4曲目のvnがソロになる協奏曲 イ長調 Op.9-4は第二楽章のコレッリ風の美しさとフーガを用いた終楽章が魅力、
また2つのobがソロの曲が4つあるが、特に終楽章がバッハのBWV1060など、2つのソロ楽器のための協奏曲を彷彿させる、バッハの旋律美もイタリア作品に学び、ちょっとドイツ訛りなところが味かもしれない^^
sc bach
バッハ:vn&obの為の協奏曲BWV1060r (終楽章)
アルビノーニは旋律美が際立つ曲もあるが、テレマンにも似た、活気に満ちた器楽的なテーマで緻密に聴かせる要素も多分にある、ホグウッドらの演奏でそこは十分楽しめる。

'60年代頃、イ・ムジチ等に代表されるバロック・ブームの演奏法でも旋律美をもった作品なら抜き出して聴かせられただろうが、これら全部を演奏してもつまらないだろう。
PS.最新のイ・ムジチは何処へ向かおうとしているのか?「"ロック感覚"のバロック」とかリーダーが言ってた記憶だが、少なくともヴィヴァルディの「四季」は一度聴けばもういい;

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E.ウォルフィッシュ:J.タルティーニ vn協奏曲集  

あのvnソナタ「悪魔のトリル」で有名なジュセッペ・タルティーニ(1692-1770)のvn協奏曲を取り寄せてみた。
昔からイタリアはヴァイオリンの国と言われるように、神がかった名人達がでている。
A.コレッリは楽譜にはない凄い装飾演奏を行ったらしいし、ヴィヴァルディの協奏曲はソロの妙技とともにシンフォニックな要素もある。続く世代として、F.M.ヴェラチーニやG.タルティーニが登場し、バロックを集大成する時期でもあった。彼らの演奏はまさにエキサイティング、白熱したものだったのではないだろうか、タルティーニのvn協奏曲もソロの技巧とバックの弦楽の効果で素晴らしいものだが、あまり多くの奏者が録音しているとは言えない。バロックvnで見事に演奏したのが当盤、エリザベス・ウォルフィッシュである。
j tar vn con j tar vn con02
helios(hyperion原盤)
5曲入っているが、いずれも魔性ともいえる、vnソロの高度な技巧に引き付けられる、
2曲目のト短調は4楽章で、第二楽章が半音進行のテーマによるフーガ、vnソロは活躍しないがこれが深い魅力、
3曲目のハ長調の第二楽章のテーマはシチリアーノ風で、ソナタ「悪魔のトリル」第一楽章の別バージョンのようだ、
最後のニ長調はバッハのBWV1052並みに長大に書かれていて、ソロと合奏群を十分に活躍させる、充実したコンチェルトに発展している。緩抒楽章ではvnの装飾的妙技を満喫させ、オルガン、テオルボの通奏低音が良い味わいを加える。終楽章はジーグ風のフーガとソロが巧みに絡み合う。
以上、これらはモダンの弦楽によっても魅力的だと思う。

ひとつの楽器に可能なことなら次々と新技法が生み出されるのが常だが、歴史は繰り返すというか、いつの間にかエレキ・ギターの世界でも凄い技が開発されて驚いている、このヴィヴァルディ「四季」など本来こういう曲だったと思わせる、
rock vi b2
動画→ Laura plays Summer Presto - Vivaldi (metal version two guitars)
エレGならではの技だが、凄く難しそう;

リュート曲のオリジナルにも、それなりに白熱した曲はある、バロック初期のA.ピッチニーニやカプスベルガーのトッカータなどもいけるし、
後期のS.L.ヴァイスならこのあたりかな、
weiss k
動画→ S.L.Weiss:Praeludium, Courante, Fuga And Presto In D Minor / Lutu Kirchhof
特にプレスト(6:42~)がいける、

ま、無理をせず楽しんでいきますが^^;
ご覧いただき、ありがとうございました。

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好録音再聴:タルティーニ「悪魔のトリル」 2枚  

誰しも日頃の願望は夢に現れるようです。
バロック期のヴァイオリンのヴィルトーゾ、ジョゼッペ・タルティーニの夢に現れた悪魔が、
devil 2
人間技を超えた技巧とインスピレーションでヴァイオリンを弾いた、目覚めたタルティーニは楽譜に書き止めようとしたが、夢で聴いたはずの曲には遠く及ばなかった・・こんな逸話が残る、それでもこの曲は怪しの世界から持ち帰ったようにゾクっとくる、タルティーニが書いたのはvnパートだけなのか(低音パートは別人による?)、このへんはよくわからないが、3つの楽章のソナタで、終楽章に出てくるこの難技巧(らしい)トリルが副題の由来。micha
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G.タルティーニ ヴァイオリン・ソナタ ト短調「悪魔のトリル」
1枚目は通奏低音の付いた演奏、これは確か動画サイトで知って取り寄せたもの、古楽グループのパラディアンズの録音、
t d tr01
The Palladians
Rodolfo Richter, violin (Andrea Guarneri - Cremona 1674)
Susanne Heinrich, viola da gamba
Silas Standage , harpsichord
William Carter, archlute
LINN 2006年

vnソロのR.リヒターはグァルネリのオリジナル楽器を使っているそうだ、変幻自在な強弱、じわっと粘るポルタメント、半音パッセージの装飾、魔性の表情を存分に聴かせる。通奏低音も大いに加担している、チェロではなくガンバなのも雰囲気が合う。
第一楽章はシチリアーノのリズム、終り付近でW.カーターはアーチluteでこの悪魔的な和声を掻き鳴らし、強烈な印象、
sc01_201610251042057f1.jpg
第二楽章、vnソロは悪魔的すばしこさ、バスラインをガンバ、チェンバロ、アーチluteの3人が重ねて強調する、
第三楽章、導入のアンダンテはvnとアーチluteのみで弾くのが効果的、vnソロのテクニックは最後まで圧巻。
動画→The Palladiansの演奏

もう1枚はアンドルー・マンゼが無伴奏で演奏したもの、
t d tr02
Andrew Manze, violin
harmonia mundi usa 1997年

第一楽章は密やかに弱奏で入り、怪しの世界から聴こえ始めるようだ、暗がりの奥で一匹の悪魔が弾くヴァイオリンがイメージできる。こちらは一人の演奏だけに表現は縦横無尽、なるほど、悪魔ならここまでやりそうだ、終楽章は特に凄い、
動画→Andrew Manzeの演奏

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アンサンブル・バロッコ・イタリアーノ:R.de.ヴィゼ 組曲集  

先日はバロックギターの曲集を取り上げたロベール・ド・ヴィゼですが、こうした独奏楽器の作品を旋律楽器と通奏低音のために編曲しています。今日はアンサンブル・バロッコ・イタリアーノによる、その組曲集、随分以前に取り寄せたものですが録音は1993年、思ったほど古くはないです。
R de Visee
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これは1716年発刊された、ヴィゼのテオルボやリュートのための作品から、上声とバス・パートに分け、そこに和声数字を加えた曲集です。
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曲集・表紙

1.組曲ハ短調 2.組曲ト短調 3.組曲ト長調
4.組曲ニ短調 5.組曲イ短調

以上5曲がfl.トラヴェルソのソロ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、クラヴサン、テオルボの通奏低音で演奏されているが、曲集は特定の曲の組み合わせになっておらず、調や舞曲ごとにまとめられていて、奏者は任意に曲を選んで演奏する。楽譜面はシンプルなものであるが、ヴェルサイユ楽派らしい憂いを帯びた気品に彩られ、これをヴェルサイユ・ピッチ(a=392)の落ち着いた響きで奏でるのが何とも味わい深いv
トラヴェルソの趣味を心得た装飾、通奏低音のリアライゼーションがシンプルな楽譜を一際華やかにする。自分としては、つい通奏低音にも引き付けられる、
visee sc
ハ短調、アルマンドより
テオルボやバロックギター等で聴き覚えのある曲が多いが、4曲目、ニ短調ではまずテオルボがソロで原曲のプレリュードを弾き、続いてアンサンブルとなるが、通奏低音楽器も全員だったり、クラヴサンのみ、ガンバとテオルボのみ、など曲によって趣きを変える。
とても楽しめる一枚でヴィゼの曲には無駄がない^^

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R.アンディア:ロベール・ド・ヴィゼ ギター作品集   

CDの整理箱にいつ買ったか憶えのないものが出てきます;たぶん中古セールで見つけたものですが、ロベール・ド・ヴィゼのバロックギター作品、「王に捧げられたギター曲集」の2枚セットがありました。ルイ14世付きの室内音楽家として召し抱えられたヴィゼは、リュリに始まるヴェルサイユ楽派の気品に満ちた音楽をギターのために数多く書いています。
visee.jpg
ラファエル・アンディア(バロックギター)
1985年~1986年録音 DHM

演奏しているのが、フランス生まれのスペイン人ギタリストでラファエル・アンディア、始めはフラメンコギター奏者でしたが、クラシックギターに転向、さらに古楽器も手掛けるようになった人で、エコール・ノルマールの教授をしているそうです。ちょっと経歴としては面白いですが、バロックギターの演奏はDHMに録音するほど本格的です。
ヴィゼのギター作品はどれも短いプレリュードに始まり、アルマンド、クーラント、ジーグ、パッサカリア等々、1分~2分の舞曲が組曲として続きます、CD2枚、延々と似たような曲が続きますが不思議と飽きないんですね、美しい主旋律が明確で、ほとんどの曲が旋律楽器と通奏低音で演奏しても良いスタイルになっているし、またバロックギターで演奏すれば、その独特の調弦法から得られる魅力が聴ける、近接音程の調弦は音の万華鏡といったところ。
b g
ヴィゼの演奏での調弦法
アンディアの演奏はよく演奏される聴き慣れた曲でも新鮮さを感じさせる、強弱や間の取り方など絶妙で、たった5コースのギターで、ラスゲアート奏法を交えながらも、ちゃんと主旋律とバスラインが聴こえてくるものです。録音はガット弦、楽器はヴォボアンだそうです。
動画サイトにR.アンディアの演奏がありました。(音質はイマイチ)
Robert de Visée, Rafael Andia, guitare baroque

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M.オッティガー作:ヴォボアン・モデル

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