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Micha: Classic音楽・Lute・宇宙

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学の話など

W.エールハルト:J.F.X.シュテルケル Sym No.1 & 2  

昔も今も、古典派の人気作曲家といえばW.A.モーツァルトが一番だろう、 
この3分程度の「Ave verum corpus」を聴いただけで、天からの救いの声ような、
you 03
you tube:King's College Cambridge 2011 Easter 13 Ave Verum Corpus W A Mozart
こういうセンスをどこから授かったのだろう、

20世紀流の演奏は古典派もバロックも、後世に親しまれやすい要素をもった作品のみに特化したスタイルで、モーツァルト、ヴィヴァルディ・・などは成り立つが、テレマンやグラウプナーの魅力的な演奏・・なんて想像つかないし、未知の古典派も同様、
古典派に絞ってもまだまだお宝が眠っている、ヴェルナー・エールハルトは古典派で素晴らしい内容を持ちながら知られていない作曲家を取り上げ、積極的に演奏してきた指揮者の一人、今までも、J.M.クラウス、P.ヴラニツキ、F.リース等々、こうした指揮者らのおかげで知ることができた、
それより過去には、知られない作曲家を取り上げたシリーズで、どうにか繕った?程度の"マイナー盤"が出ていたが、それを聴いても何か異質で冴えない(出来のわるい)曲にしか感じない、エールハルトは作品の真価をよく掴み、それがわかる演奏を聴かせる。
聴く側も耳をリセットして、作曲家の良いところを聴こうという姿勢があれば新鮮な楽しみが得られると思う、

以前、J.F.X.シュテルケルの交響曲を取り上げたが、
記事:W.エールハルト:J.F.X.シュテルケル 交響曲No.1&2
この演奏がyou tubeに挙ったのであらためて紹介、
20160620.jpg
ヨハン・フランツ・クサヴァー・シュテルケル(1750-1768)
ヴェルナー・エールハルト指揮、ラルテ・デル・モント(ピリオド楽器)
録音:2013年12月 ドイツ、レーファークーゼン・クルターハウス

交響曲No.1 ニ長調 Op.35
you 01
you tube:Johann Franz Xaver Sterkel - Symphony No.1 in D-major, Op.35 (1770's)
第1楽章はマンハイム楽派の影響を受けたというモーツァルトのSym No.31「パリ」に近いタイプに思える、

交響曲No.2 変ホ長調 Op.35-2
you 02
you tube:Johann Franz Xaver Sterkel: Symphony No.2 in B Flat Major, Op. 35. 2
第1楽章は序奏を持つ、始まりから終りまで優美な曲もよいが、ハイドンがそうであるように、ときに意表を突くような灰汁のある主題を用い、それが発展してコアな部分を築いていく、こういうのが飽きさせない魅力となる、メヌエット楽章は短く収め、両端楽章の展開部など見事。

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category: その他・古典派

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ペルゴレージ 「スターバト・マーテル」 ほか  

このところ、秀逸な録音の古楽に嵌っている^^ 
cd s

長生きをして活躍したバロック後期の大家、G.P.テレマンの生没年(1681-1767年)を基準に見てみると、テレマンが没する前年にはF.J.ハイドン(1732-1809)がエステルハーザの楽長に就任し、疾風怒濤期、初期の交響曲を書いている、今日取り上げるJ.B.ペルゴレージ(1710-1736)はテレマンの一生の中頃に短く生きたことになる、彼の古典派初期の作風を聴くと時代の前後関係に戸惑う;(テレマンもギャラントな様式に移行していくが、)
Giovanni_Battista_Pergolesi.jpg
ジョヴァンニ・バッティスタ・ペルゴレージ
Giovanni Battista Pergolesi(1710-1736)

イタリア、ナポリ楽派のペルゴレージは古典派音楽の始祖と言われるG.B.サンマルティーニ(1700-1775)とともに最初期の古典派様式を示している、C.W.グルック(1714-1787)の悲劇性を帯びた作風にも近い趣きが感じられる、
ペルゴレージは1733年からオペラ作曲家として活動を始め、成功あり失敗ありだったが、結核にかかり26年の短い一生だった、亡くなる年の1736年、最後の力で書いたのがスターバト・マーテル(悲しみの聖母)である、訳詞(Wikipedia)
2人の歌手と弦楽に通奏低音の編成だが、旋律と和声の美しさに急速なフーガも含めた劇的な表現で構成され、全曲が引き付ける、
手元にあるのは、ユリア・レージネヴァ(Soprano)、
フィリップ・ジャルスキー(countertenor)、
ディエゴ・ファソリス指揮、イ・バロッキスティ、2013年録音 ERATO
stabat cd
録音が一際素晴らしく、空気に溶け込むような美音が響き渡る、
バスが一定の歩みを示し、アルト(カウンターテナー)とソプラノの二重唱、繫留により不協和が重なる、
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s m sc01 10
冒頭部分と二重唱の開始
細かいことは抜きでyou rubeを、ここで全曲連続で聴ける、
stabat you 01
you tube:Stabat Mater, P. 77: I. Stabat Mater dolorosa
もう一つ、こちらもフィリップ・ジャルスキーが加わった演奏で映像付きを挙げる、
エムケ・バラス:soprano、フィリップ・ジャルスキー:countertenor
ナタリー・シュトゥッツマン:指揮、Orfeo 55
stabat you 02
you tube:Pergolesi - Stabat Mater (complete/full) - Nathalie Stutzmann

このスターバト・マーテルを聴いて、バスの歩みや和声の重ね方が近似して頭に響いてくるのは過去記事にした、ミヒャエル・ハイドンのレクイエム(ジキスムント大司教葬送のミサ曲)である、これはM.ハイドンが1771年、1歳の娘を亡くした直後の作品だそうだ、
02 m hay req sc01
冒頭部分
m hay req you
you tube:Michael Haydn, 1771: Schrattenbach-Requiem (MH155, Raphael Pichon)

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category: その他・古典派

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F.クサーヴァー・モーツァルトの作品  

あのW.A.モーツァルトの息子、フランツ・クサヴァー・モーツァルト(1791-1844)は末っ子で、母コンスタンツェの意向で音楽の道へ入ったが彼が生まれてまもなく父は他界しており、作曲はA.サリエリやJ.N.フンメルらに師事している、フンメルはモーツァルトの弟子だったので、間接的に父の影響もあるだろう、あるいは自ら父の残した曲を手本としたかもしれない。 
Franz_Xaver_Mozart.jpg
Franz Xaver Mozart
作品数は少なく、30歳前あたりで作曲をやめて、演奏活動に専念するようになったそうだ。
ベートーヴェン、シューベルトのように新時代に移行する作曲の仕事はなかったようが作品には興味深いものが聴かれる。

ピアノ協奏曲No.2変ホ長調
後期古典派というか19世紀らしい作風でフンメルの影響が大きいと思われる、orchはフル編成で、pfソロには繊細な趣きがあるようだ、ピアニストとして鮮やかな腕前がうかがえる。第二楽章も短いが豊かな内容が聴ける、終楽章は付点を持つ弾むテーマで、フンメルらと同楽派のような特徴が出る、pfソロにはやはり冴えたところがある。
pf con you
you tube:Franz Xaver Wolfgang Mozart - Piano Concerto No.2 in E-flat major, Op.25 (1818)

もう1つはピアノ四重奏曲ト短調、作曲年から14歳頃の作品になる、
sc 01
pfパート
sc p q you
you tube:Franz Xaver Mozart - Piano Quartet in G-minor, Op.1 (c. 1805)
面白いことに父アマデウスの同じくト短調のピアノ四重奏曲K.478を聴いてみるとそう遠いものに感じない、快調に湧き上がる楽しさは父が上かもしれないが?
moz pf q
pfパート
w a moz you
you tube:モーツァルト: ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 K.478 ヘブラー 1970

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category: その他・古典派

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シュタイアー:A.サリエリ fp con C major ほか  

古典派はシャキっと活かすも、ダレて退屈にするも、演奏しだいだと思う、ハイドンさえ旧態依然とした演奏では聴きたいと思わなくなった。知られなかった作曲家を新鮮な魅力で聴けるのも、近年の新しい演奏スタイルが効果をあげている。 
コンチェルト・ケルンはそうした作品を積極的に録音しているが、手元にあるのはアンドレアス・シュタイアーをfpソロに迎えた、A.サリエリのピアノ協奏曲、
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アントニオ・サリエリ、fp協奏曲 ハ長調
アンドレアス・シュタイアー:fp、 コンチェルト・ケルン
1994年 TELDEC

20世紀スタイルの演奏では気が抜けてしまうが、A.シュタイナーのpfとコンチェルト・ケルンの演奏ではびしっと引き締まり聴き応えが出てくる。
sc sarieri pf con c
you tube:Antonio Saleri 2 Piano Concertos,Andreas Staier & Concerto Koln
ボッケリーニがイタリア時代に書いたようなまさにイタリア流儀の作風に聞こえる、第2楽章シチリアーノの情緒も良い。
器楽作品ではモーツァルトの迸るような楽しさには至らないが、サリエリの本領は多数作曲したオペラ、声楽曲のほうに重点が行くようだ。

歌劇「オルムスの王 アクスール」:序曲
sarieri 02 you
you tube:Salieri - Excerpts from Axur, re d'Ormus (Overture, Introduction to Act 4, Finale)
「同」:アスパーシアのアリア
sarieri 03 you
you tube:Antonio Salieri - Axur, re d'Ormus - Aria di Aspasia - Come fuggir... Son queste le speranze

皇帝のミサ D major
Emperor mass you
you tube:Antonio Salieri - Emperor mass in D-major (1788)

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category: その他・古典派

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C.マッカーリ:M.ジュリアーニ ギター協奏曲No.1  

現代から見て、ベートーヴェン(1770-1827)は同時代の作曲家の中でも一人横綱のような存在で、他はあまり重要視されていない、ベートーヴェンは当時の聴衆がついて行けないほど創作欲を込めた曲を書いたが、他の作曲家達は人々の希望に応えて書いた、そこが分かれ目か、音楽家としての技量は優れていて、ライバルだったJ.N.フンメルもそうだろう、近年は再評価されている一人だ。
同じく後期古典派のギター曲で貢献したF.ソルやM.ジュリアーニ(1781-1829)も同じだったかもしれない。見方を変えればそれぞれの楽器の奏法を発展させた重要な存在だが。 
手持ちのCDで特に聴いてみたいと思えるギター協奏曲が、クラウディオ・マッカーリがギターを弾く、ジュリアーニの協奏曲集だ。過去にペペ・ロメロやイエペスなども録音しているが、古い演奏で、こういう曲こそ歴史の垢を取り払うべきだと思った、当時の楽器でバランスを取った演奏は興味深い、最も充実しているのはNo.1イ長調だろう。
ジュリアーニがウィーンで名声を得た頃、よく共演したJ.N.フンメルと作風は共通していて、orch.はtimpこそないがほぼフル編成、楽曲も大がかりな時代になっていた、
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マウロ・ジュリアーニ ギター協奏曲No.1イ長調op.30
Guitar:Claudio Maddari
Orchestra:ENSENBLE OTTOCENTO
Lerder:Andrea Rognoni

第一楽章は約16分の大曲だ、orch.の前奏部はまずまず立派で聴き応えはある、前奏部の最後はぐっと音量を落とし、ギターのサイズに誘う、
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ギターのソロはギター独特の語法ではなく、クラシック音楽の中核を成す楽器達と共通性を持たせたスタイルで、そこはボッケリーニとは違って面白い、
第二楽章はホ短調のシチリアーノ、この楽章が叙情味があって、一番ギターの魅力が出ているだろうか、
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第三楽章、陽気な主題によるロンド楽章は平穏で、もう少し楽想だけでも引きつける内容がほしいところだ。
F.カルリは短調の協奏曲も書いており、ジュリアーニにも1曲は欲しかった。

ギターはグヮダニーニのオリジナル(1812)だそうでマッカーリはこの楽器の奏者として申し分ない、ほっこりとした響きはピリオドorch.とよく溶け合っている。
m g
you tube:Mauro Giuliani, Guitar Concerto No.1 played on a Guadagnini guitar (1812)

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category: その他・古典派

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R.ロレッジャン:B.ガルッピ チェンバロ協奏曲ほか  

ヴェネチア出身のバルダッサーレ・ガルッピ(1706-1785)はG.B.サンマルティーニ(1701-1775)に続く古典派最初期にあたる人で、オペラ・ブッファ作曲家として著名、鍵盤作品も多く残しています。micha
Galuppi.jpg
バルダッサーレ・ガルッピ
Wikipedia
今日はBRILLIANT CLASSICSのチェンバロ協奏曲をメインとした2枚組で、チェンバロがロベルト・ロレッジャン、flトラヴェルソがマリオ・フォレーナ、弦楽がアンサンブル・コンセルト・ムジコによる演奏。
ガルッピ02
チェンバロ:ロベルト・ロレッジャン
flトラヴェルソ:マリオ・フォレーナ
弦楽:アンサンブル・コンセルト・ムジコ
録音:2010年6月10-11日、11月21-22日、イタリア、パドヴァ


ガルッピの当CDになぜか、ハイドンの鍵盤協奏曲Hob.XVIII,No.2が混じっています、どういう経緯か?この曲の筆写譜の一つがガルッピ作として伝わっていたそうで、それだけの理由でここに録音されているらしいです。しかしまあ、良い演奏で聴けるので文句ありません^^
CD1には以下の6曲が入っていて、
・チェンバロ協奏曲 ハ長調
・チェンバロ協奏曲 変ホ長調
・チェンバロ協奏曲 ト長調
・チェンバロ協奏曲 ヘ長調
・チェンバロ協奏曲 ハ短調
・チェンバロ協奏曲 イ長調

バロックの要素も幾分感じさせるものの、前古典派コンチェルトのギャラントな様式は完成していて、どの曲も親しみやすい。いずれも10分程度で小規模だが適宜カデンツァ・ソロが置かれ、主題の趣も初期のハイドンと遠くない。イタリア的な優美な要素も魅力、5曲目のハ短調は他と一線を画したように第一楽章のエネルギッシュなキレ、第二楽章の清涼さなどC.P.E.バッハの作品を予期させるようで少々驚くが、これは魅力な作品。

CD2は以下の4曲、
・フルート、弦楽と通奏低音のための協奏曲
・チェンバロ協奏曲 ニ長調(ハイドン作、オルガン協奏曲 Hob.XVIII,No.2 )
・フルート、チェンバロと弦楽のためのソナタ ト長調(*マリオ・フォレーナ補筆)
・チェンバロ協奏曲 ヘ長調

1曲目のフルート協奏曲はヴィヴァルディ時代とギャラントな時代が融合したようで面白い。ソロのほか弦楽も一人ずつの編成なので、装飾演奏も加えられ、一段と優美。
2曲目が問題のハイドンのHob.XVIII,No.2、オルガン協奏曲 ニ長調No.2で親しんでいる曲だが、ガルッピに続けて演奏されても、さほど異質に感じない、ただ規模や内容の充実度は飛び抜けたものとなる、ロレッジャンのチェンバロによる演奏は快速なテンポで流麗、弦楽も活き活きとした表情でこれまで聴けなかった魅力が溢れる。
3曲目のflとチェンバロの協奏曲ト長調は一段と古典派らしく前進した内容。
最後のチェンバロ協奏曲イ長調も少々規模が長くなり、前進した内容に思える。

冴え渡った演奏で、BRILLIANT CLASSICSには古楽の希少な曲の名演が多いです。

category: その他・古典派

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W.エールハルト:J.M.シュペルガー 交響曲集  

先日のH.グリフィスとW.エールハルトは本当に次々楽しみを広げてくれます。micha
今日はエールハルト盤で、ヨハネス・マティアス・シュペルガー(Johannes Matthias Sperger,1750-1812)の交響曲のアルバムです、これもDHM新録音です。
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ヴェルナー・エールハルト(指揮)、ラルテ・デル・モンド(ピリオド楽器)
録音:2014年9月, ドイツ、レバークーゼン、バイエル=クルターハウス DHM


シュペルガーというと過去にtrp協奏曲を一曲だけ聴いて、その曲はモーツァルトに似た感じだった、というのを覚えている程度です。
シュペルガーは先日のJ.F.X.シュテルケルと同年生まれで、コントラバスのヴィルトーゾだったそうで、作曲も数多く手がけた人です(詳細→Wikipedia)今回、エールハルトが選んだ曲は3曲で、うち2曲が短調作品というのに興味ひかれます。

1曲目、交響曲第26番 ハ短調から魅了されます、
第一楽章 Allegro con spirito これほど緊迫した動機はざらにはない、清涼な第二主題を挟み、切れ味に満ちた強奏と交錯、ハイドンの短調交響曲にヴァンハルの流麗さを併せ持つような感覚で素晴らしい、エールハルトの引き締めた演奏で一段と気合いが入り引き付ける。
第二楽章、Andante auioso ここでシュペルガーの美しいメロディーメーカーぶりが伺える、ハイドンの疾風怒涛期の緩抒楽章の味わいも感じるが、わりと簡潔に終わる。
メヌエットは気品を湛えた主題でここはモーツァルト的か、トリオは木管が演奏し簡潔。
終楽章 Allegro 休符を挟み、短調のためらうようなロンド風主題、しかし長調になる部分が多く流麗な楽しさでいく、展開部は転調を聴かせ、疑似再現を置き、続きが入る、劇的な聴かせどころもあり、両端楽章が入念に書かれている。

2曲目、交響曲第21番 ト短調
26番とくらべ、じっくり聴かせる第一楽章Vivaceだ、開始の動機はここでも休符を挟み、ためらうように始め、第一主題が力強く確定する、この切迫感と第二主題のなでやかさの対比、ハイドンの短調作品に近い感覚もあるが、短調作品は不思議と作曲家の内面を感じる、シュペルガー独自の味わいも多分にある。展開部も疑似再現を挟んだ二部構えで、意外な場面も置かれる。これも魅了してやまない楽章だ。
第二楽章 Andante 26番と同じく、センスにあふれた主題の緩抒楽章、小ソナタ形式か、後半がやや劇的な聴かせどころ。
メヌエット Majestoso Allegro moderato 弦の重音奏法で力感ある始まりの主題、きりっと気品を帯びた深みのあるメヌエット、トリオは一転して弦による涼やかさで魅了。
終楽章 Allegro moderato 弦がト短調のロンド主題を奏で、ロンド形式に徹したような楽章、ロンド主題の間は変化に富み充実する。

最後の交響曲第34番 ニ長調
trpとtimpが入り、第一楽章は序奏としてマーチが置かれる、まさしく祝祭的な作品、主部 Allegro e con spiritoは快速感と鮮やかなパッセージで魅了、trp、timpが華々しい活躍、展開部は意外に穏やかなobソロが進め、対比が効果的。
第二楽章 Andantino 短めにまとめた楽章、主題はやはり優美なセンス。
メヌエット Allegretto このメヌエットも約2分半で簡潔にまとめる、しかし快活な主題とトリオのobソロが心地よい。
終楽章 Allegro ソナタ形式の充実した内容、提示部が既に痛快、展開部から終結までも良く出来ている。

特に前の2曲など、これほどの曲が知られなかったのはもったいない、さすがエールハルト、良い曲を掬い上げてくれます。

category: その他・古典派

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W.エールハルト:J.F.X.シュテルケル 交響曲No.1&2  

未知の古典派作曲家の探索を楽しんでいます。今日はヴェルナー・エールハルト指揮、ラルテ・デル・モントによるヨハン・フランツ・クサヴァー・シュテルケル(1750-1817)の交響曲を聴く、エールハルトといえばコンチェルト・ケルン時代からJ.M.クラウスはじめ、一般に著名ではない優れた作品を取り上げてきました、今回DHMの新盤として録音したシュテルケルの作品にも期待してしまう。ラルテ・デル・モントはコンチェルト・ケルンと同じく、弦楽はテンションの低い弦を使っている感じで、線の細い響きだが、微かな弱奏までくっきり聴こえる透明感、コントラバスが底力で全体を包み込むサウンドバランス。micha

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ヴェルナー・エールハルト指揮、ラルテ・デル・モント(ピリオド楽器)
録音:2013年12月 ドイツ、レーファークーゼン・クルターハウス


シュテルケルについて詳しい資料はないが、1750年にヴュルツブルクで生れ、モーツァルトより6歳年長、活躍時はモーツァルトやクレメンティ等と並ぶ人気で、ピアニストとしても有名だったとされる。交響曲はマンハイム楽派を基盤としているそうだが、当然ハイドンの影響も受けただろう、
20世紀流の演奏でモーツァルトなど著名な作品に馴らされた耳にはそれ以外は異質に(出来がわるく)聴こえてしまうかもしれない、エールハルトはそのギャップを飛び越し、作品の魅力に直に迫らせてくれるようだ。

交響曲第1番ニ長調Op.35-1
第一楽章 Allegro con spirito、快活でやや武骨な第一主題で引き付ける、第二主題は柔和な味わい、じりじりとしたcresc.の後の力感、懐の深い提示部を聴かせ、反復なしで展開部に移る、この展開部の規模と内容には目を見張る、第一主題、第二主題、順に用いた長大なもので、これはハイドンからベートーヴェンへと橋渡しをする内容に思える、再現部、終結の華々しさはP.ヴラニツキーを思わせる。
第二楽章 Larghetto、幾分素朴ながら優美な主題、この楽章は短調となった中間部が聴かせどころ、突如とした緊迫感に包まれる。
メヌエットは活発で小気味よいテーマ、トリオは特徴めいたものはなく、簡潔な楽章だ。
終楽章 Allegro vivace、やや民謡調の主題のロンド-ソナタ形式はハイドンに近い、展開部は上手く休符を置きながら次への期待を誘う、ここでも第一楽章同様の充実感を置き、終結も華々しい。

交響曲第2番変ロ長調Op.35-2
第一楽章 Largo - Allegro assai、短い序奏を置き、主部の第一主題はがっちりと始まる、快速感に満ちた提示部が引き付ける、反復なしで展開部へ、ここもまた第1番に劣らず鬼気迫る内容だ。序奏部をわずかに挿入して再現部となるが、最後まで気を抜くところなく聴かせる。
第二楽章 Adagio un poco、この楽章も中間部以降が非常に充実、聴かせどころとして書かれている。
メヌエット Allegro 活発な性格のメヌエットでトリオも小ざっぱり、3分足らずで簡潔に終わる。J.M.クラウスがたった1曲書いたメヌエット楽章を思わせる;
終楽章 Presto 活発な舞曲風のロンドテーマで、爽快に進む、目まぐるしく対位法も用いたハイドンの傑作に匹敵するような楽章で期待に十分応える、華々しい終結もベートーヴェンほどゴツくさくなく、痛快。

もう一曲「大オーケストラのための序曲」が入っている、大袈裟だがそれなりに楽しませる、管楽器の妙技が目立つ。

さすがエールハルトの取り上げる作曲家、
ヴラニツキー兄弟に続いてすっかりはまってしまった。

category: その他・古典派

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E.コルディア:A.ヴラニツキー 弦楽のための室内楽曲集  

未知の作曲家を探っているうち、最近知ったナイスな古典派がヴラニツキー兄弟です(兄:パウル 1756-1808、弟:アントン 1761-1820)、と言っても出ている音盤は数少ないですが;幸い良い演奏で出ている。今日は弟アントンの作品で弦楽五重奏と六重奏曲の2曲、アンサンブル・コルディア(古楽器)による秀逸な演奏で聴けるのは嬉しい。micha
A.ヴラニツキーはモーツァルト、ハイドンに師事した人で、どれくらいの作品を残したか、わかりませんが、先般のvn協奏曲や今日の室内楽を聴くかぎり、洗練されていて相当なキャリアを重ねた人でしょう。ハイドンは弦楽四重奏に専念し、多重奏曲は書いていませんが、A.ヴラニツキーは流石は弟子、という出来栄えでこれらを書いています。作風としてはハイドンに近いかな?でも民謡風の旋律は出てこない。
A ヴラニツキー
アンサンブル・コルディア
2009年 BRILIANT CLASSICS


弦楽五重奏曲 変ホ長調 Op.8-3
五重奏といっても編成はvnが1つ、vaとvcが2つずつ、という低域にバランスの寄った珍しいもので興味深い、第一楽章アレグロ ノン タント、活気のある主題に始まる、vnが主導するが、他のパートが充実した絡みを聴かせる、提示部の反復なしで展開部に入るが、まさに室内楽の醍醐味、快活な中に各パートが掛け合う、ハイドンの後期作品に引けを取らない充実感。
第二楽章アンダンテ コン モート、変奏形式、概ね一貫してテーマが流れ、各パートが変奏の妙技を聴かせる、この楽章にもハイドン風な健康美とセンスの良さを感じる。
メヌエット、vcが歌いだし、カノンで重ねるなど、彫の深い聴き応えあるメヌエット楽章だ。トリオは小洒落た装飾的美しさを聴かせる。
終楽章、アダージョの前奏があるが、深い味わい、ロンド、アレグレットが続く、このロンドでは各パートが代わる代わるソロを弾くが互いに味わいのある助奏で充実させる。

弦楽六重奏曲 ト長調
なぜか作品番号が付いていないらしい、編成はvn、va、vcが2つずつの六重奏、第一楽章アレグロ、流麗な主題で始まり、これはJ.M.クラウスを思わせる、室内楽の細やかさもあれば、ぐっとシンフォニックに押し出したり、2つずつの楽器がハーモニーを聴かせたり、様々な聴きどころを作る、展開部の充実ぶりは師匠ゆずりか、vcが高域を奏でるのが印象的。
第二楽章アンダンティーノ、変奏形式でト短調となり、憂いを帯びた主題が一貫され、各パートが変奏要素を重ねていく、中間部は長調となる。
メヌエットを置かず、終楽章、ここでもアダージョの前奏を置くが、これも聴きどころ、ロンドのアレグレットに入る、弾むようなテーマで、各パートが切れ味よく掛け合いをする、ロンド主題の間に入る部分が変化に富み、聴き応えあり。

どちらかというと、六重奏のほうが気に入ってしまったが、これらも大いに演奏されてよい曲だと思う。

category: その他・古典派

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H.グリフィス:A&P.ヴラニツキー vn、vc協奏曲ほか  

通常は陽の当らない古典派作曲家に注目しているのですが、久々に新盤が出ました。
今回はモーツァルトと同年生まれの、パウル・ヴラニツキー(1756-1808)と弟のアントニン(1761-1820)の作品のカップリングで、指揮は以前、P.ヴラニツキーの交響曲、cpo盤でも取り上げたハワード・グリフィス、今度はメジャーレーベルからの登場です。
発売元の紹介を引用すると、
指揮者のハワード・グリフィスは知られざる古典派の音楽の研究家でもあり、数多くの作品の復活再演を手掛けています。また若手アーティストを支援しており、ここでも2人の新鋭ソリストを起用し演奏を行っています・・とあります。
wrani.jpg
1) アントニン・ヴラニツキー:ヴァイオリン協奏曲ハ長調Op.11
2) パウル・ヴラニツキー:交響曲ニ長調Op.16-3
3) パウル・ヴラニツキー:チェロ協奏曲ハ長調Op.27,
ヴェリコ・チュンブリーゼ(ヴァイオリン)
キアラ・エンデルレ(チェロ)
ハワード・グリフィス(指揮)ミュンヘン室内管弦楽団
録音:2015年10月, ドイツ、プラネック、クップファーハウス
SONY

当録音はさすがSONYの最新盤と言える、cpo盤もわるくなかったが、格段にクリアー。

"知られざる"人の作品の音盤は少ないが、あればなんでもいいとはいかない;古典派ともなれば、より透明度をもって作品の真価を聴かせる優れた演奏でなければ。
'60年代以前の巨匠の時代は、名演奏家の個性とベートーヴェン、バッハなど大作曲家との融合で成立してきたようなところがあり、相性のよい作品以外には手は出さなかった。聴衆の関心度も大きく関わるが、そんな頃、ヴラニツキーとか、J.M.クラウスとかの真価の聴ける演奏は望めなかった、これはハイドンにも同様に当てはまる。新鮮な楽しみに浸れるようになったのは'90年代以後か・・よって新しい名の演奏家に手が出てしまう。

1曲目は弟アントニンのvn協奏曲ハ長調(1794年作曲)
典型的な協奏曲様式、モーツァルトより新しくベートーヴェンの前に位置するような作品、
第一楽章、健康的な主題の前奏に続き、チュンブリーゼのvnが一際透明に美しく始まり、引き付ける。ソロとオケの関わりも巧みで、豪快さと繊細さをもつ立派な楽章である、
第二楽章、短い前奏に続き、vnのみのソロを入れ、旋律美のセンスもなかなかの緩叙楽章、
終楽章、陽気でリズミカルなロンド楽章、うきうきする楽しさで閉じる。
2曲目は兄パウルの交響曲ニ長調(1792年作曲)で3つの楽章、
第一楽章は総奏で豪快に始まり、オペラ序曲を思わせる、颯爽として切れ味よい音楽、ソナタ形式の展開部から終結まで巧みな手腕を聴かせる。
第二楽章は短調に始まり、これも場面がかわった間奏曲のようでもある、
終楽章、対位法も取り入れた聴き応えと痛快なダイナミズムが交錯する、そして各楽器の巧みな効かせ方、P.ヴラニツキーらしい魅力がでている。
3曲目は兄パウルのvc協奏曲ハ長調(1803年作曲)、これは以前エンリーコ・ブロンツィの演奏でも取り上げた。
ハイドンの前古典派的なvc協奏曲も好きだが、こちらは後期古典派らしい内容の傑作だ。
第一楽章はシンフォニックな前奏に続きvcが弱音から出る、エンデルレのvcも力み過ぎず美音を大切にする。木管が巧みに使用され、ソロとオケが対等に活躍、展開部では情緒の細やかさを聴かせる。
第二楽章、穏やかな前奏に重ねてvcが弱音から立ち上がる、優美な旋律趣味といい、一流のセンスを持った緩叙楽章。
終楽章、快活な舞曲的リズムのロンドで、vcの技巧の聴きどころだが、あくまで美音で行く、オケも痛快に間に入る。
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透明でバランス良く、程良くダイナミズムを押し出すグリフィスのオケ、二人のソリストも現代の若手らしい古典派モードの演奏がすばらしく、彼らの演奏で申し分なく味わえる。
グリフィスの古典派演奏はSONYでシリーズ化してほしいところ、欲を言えばハイドンもぜひ録音してほしい^^

category: その他・古典派

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