Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

K.ベーム:シューベルト 交響曲No.5(LP)  

以前、シューベルトの「未完成」を取り上げた、K.ベームのドイツ盤ですが、B面の第5番をすっかり忘れていました、これも晩年近い録音。
この作品の興味深いところは作曲時期がベートーヴェンが第8番を書いた後で、ハイドン時代に戻ったような作風を見せていること、私設オーケストラのために書いたためもあってか、この時期としては楽器編成が小さく、ベーシックな古典派オケの規模で、
(フルート1、オーボエ2、ファゴット2、ホルン2、弦5部)
親しみ易い中にシューベルトらしい趣味も備えていることでしょうか。
ベーム sch sym5
カール・ベーム:指揮
ウィーン・フィルハーモニーO
1979年12月録音


交響曲No.5変ロ長調
第一楽章、アレグロ、木管で始まる溌剌とした第一主題と穏やかな第二主題、健康的で古典派的な趣味をもつ、ベームは落ち着いたテンポで折り目正しく組み上げる、展開部はさほど手は込んでいないが、再現部の変化が聴きどころとなる。
第二楽章、アンダンテ・コン・モート、ロンド形式、ハイドンの交響曲90番に少し似た主題、ベームはVPOの弦の味わいを活かすが、過度に甘美にはしない、前半は古典派を再現したような味わい、後半での調の移ろいはシューベルトらしい、ロンド主題の変奏的書法も入る。
第三楽章、アレグロ・モルト、ト短調、いつも話題にしているモーツァルトの交響曲No.40、メヌエットとの類似性だが、弱起で始まる主題の形は確かに似た所があるが、性格はNo.25に近い気がする、楽譜を比較すると、
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各メヌエットの開始部分
シューベルトNo.5とモーツァルトNo.25は全パートがユニゾンで明快に開始するのが印象強く、モーツァルトNo.40は対位法的である、いずれにしてもモーツァルトへのオマージュかもしれない、トリオは牧歌的に気分を変える。
終楽章、アレグロ・ヴィヴァーチェ、快活な主題のロンド風ソナタ形式で、ハイドンの終楽章を彷彿させる、展開部にもまして再現部の充実がすばらしい、ここではベームは意外に急速なテンポをとる、他の作品でも効果的な場合はハイ・スピードで聴かせる、しかし、楷書的なきっちりした整え方は変わらず、畳み込む快演となる。

category: シューベルト

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O.スウィトナー:シューベルト 交響曲No.7(8)「未完成」(LP)  

オットマール・スウィトナー指揮、SKBのシューベルト「未完成」と第5番の同録音のCDはとっくに持っていたのですが、ちょっとこれが気になり、取り寄せたしだい。
独.シャルプラッテンのエテルナ・シリーズで出ていた、DMM(ダイレクト メタル マスターリング)という盤作り方式によるもの、ラッカー盤じゃなく、直接金属番にカッティングしてで工程を減らしたものだそうです。
s s sym8
オットマール・スウィトナー指揮、シュターツカペレ・ベルリン
1983年


ヨーロッパで良好なアナログ盤を探し、品質確認済みの盤を通販している業者さんがありますが、これもそこからです。ちょっと割高なのは手数料ですね。
針を下ろすと期待どおり、CDよりも一味鮮度の高い音質に感じ、懐の深いピラミッドバランス、スウィトナーの繊細な美質が伝わってきます。

第一楽章、開始はppながら、最低音がしっかり響く、vn群、木管が色彩鮮やかで味わい深い、オペラではなく、ドイツ・リートを思わせる演奏ぶりはスウィトナーならでは、強烈な響きは使わない。コントラバスのpizz、timpの明快な打音が支える上に爽快な歌が乗っていく。
ぞくぞく引き付けるのが67小節からの弦のトレモロ、
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スウィトナーはまさに楽譜どおりと言えるが、fzからぐっと弱奏に押さえ、再びじわじわとfzに持っていく、これほど深く表現した例が他にない。美しいバランスのまま展開部ではブラスが輝き、鬼気迫るように引き込む。
第二楽章、あまり遅いテンポにせず、やはり爽快なサウンドの中に懐の深さで魅了する。
最もお気に入りの「未完成」をDMM盤であらためて満喫できた。

category: シューベルト

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K.ベーム:シューベルト 交響曲第7(8)番「未完成」(ドイツ盤)  

今日は無性に○○が食べたいな~、というときがありますが、音楽にもそういうのがあります ^^今日は何だかシューベルトの「未完成」が聴きたい気分、ちょうど先日買った、K.ベーム、VPOのグラモフォン、ドイツ盤に針を下ろしてみた。B面が第5番のカップリッグも気に入った。幸いトレースノイズも出ないほど盤は良好、開始の低音弦のppも支障なく聴ける。

k b su s5
カール・ベーム指揮、ウィーン・フィルハーモニーO

第一楽章、ベームらしくゆっくりのテンポだが、1、2vnではじまる16分音符のテーマがひしひしと迫る感覚が際立ってくる。
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第二主題でvcが安らぎを聴かせ、展開部はじりじりと高みに上り、176小節からが圧巻だが、ベームの演奏は一大事件が勃発したような迫力に至る、
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184小節から、timpやブラスが付点リズムを打ち、熱気の中ににスマートな感覚が入り、シューベルトのセンスがいい。

第二楽章、ホ長調の安らぎに満ちたテーマに始まる、ここでも96小節から、第一楽章展開部と同様、突如の鬼気迫る緊迫感が魅力、ベームの老練、武骨ともいえる演奏で、これは存分に聴ける。

category: シューベルト

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スメタナ弦楽四重奏団:シューベルトSQ No.14「死と乙女」  

クラシック・ビギナーの頃は弦楽四重奏なんて地味で聴けないと思っていたところ、何か1枚くらい聴いてみようと、このシューベルトSQ No.14「死と乙女」の兼価盤を購入、イタリアSQの演奏でしたが、曲の凄さに開眼させられました。その後はSQの父、ハイドンから聴かなきゃ、という経緯です;
さて昨日求めたスメタナSQの「死と乙女」がすっかり気に入ってしまいました。この作品は全曲、まさに死神が忍び寄るようなオカルティックな趣ですので、クールな響き、ゾクっとくる鋭さがあってよいと思いますが、スメタナSQはぴたりツボを得た印象。録音は地元、岐阜市民会館でのライヴ、1978年DENONのPCM録音で、音場の広がりは左右いっぱいではなく、ちょうどホールの中央席で聴くような感じ、近すぎず遠すぎず、いつもながらPCMの清涼なナチュラル・サウンドがいい。MCカートリッジで聴けばそれに応える音質です。

スメタナSQ sch

第一楽章から適度に快速ぎみ、各声部の小刻みな動きを緻密に聴かせ、クールに澄んだvl、深々としたvc、そして力強いトゥッティが深い淵に引き込んでいく、提示部で圧倒され、展開部、また再現部とゾクゾクの連続;
第二楽章、陰鬱な歌曲からの主題と6つの変奏、シューベルトらしい和声進行、vcが主旋律を弾き、vlがオブリガートを弾く、続いて全楽器による激しい変奏・・静寂と熱気が入り混じる見事な変奏楽章。
第三楽章、魔性の者の踊りのようなスケルツォ、短いが切れ味抜群の魅力、中間部ではしばしの安らぎ。
終楽章、ここも急速で死神が迫りくるような小刻みな主題、推進力とともに各声部のシンフォニックな交わりも見事、テンポを速めた終結部がさらに熱気をおびる。スメタナSQは大味を付けず緻密なアンサンブルでかっちりと決める。

category: シューベルト

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B.ハイティンク:シューベルト交響曲第5番  

息子の寮にお古のアナログ・プレーヤーも送ることになった。LP盤も聴けるようにしたいとのことで、面倒な子供である;あちらのアンプにはフォノ・アンプが内蔵していないので、このフォノ・イコライザーを注文。ドイツ設計の中国産とのことで、1980円、国産では考えられない値段^^;送る前に試聴してみたところ、ノイズも出ないし音質も上々、私の使うプリメインの内蔵フォノ・アンプより良いかもしれない?これで故障しなければ大助かりv
アナログ再生は若者にも普及、といってもオヤジなど前世代が吹き込んでしまった部分も大きいかも^^;

フォノイコライザー

今日はイコライザーの試聴ついでにベルナルト・ハイティンク指揮、ロイヤル・コンセルトヘボウOによるシューベルト交響曲第5番変ロ長調。1975年録音のPHILIPS、これも中古店で目についたLPで、ハイティンクによるシューベルト、PHILIPSの好録音に期待した。針を下すとバランス良く厚みを帯びたPHILIPSサウンドが広がり、アナログの黄金期を思わせる。

sch 5 hai

シューベルトがこの曲を書いた頃、ベートーヴェンはすでに第8番まで書いているというのにやや驚き、かなり古典回帰した作品ということになります。ベートーヴェンのような凝りに凝った内容は聴かれませんが、爽快な美しさに溢れ、やたら長くないのもこの曲に親しんでしまう要因かも。
第一楽章、遅いテンポはとらず、堅実にかっちり、古典的様式美を聴かせるのはハイティンクらしい。第二楽章も大袈裟にならず、すっきりとした面持ち、三部形式で構成的深さはないが、ハイドン的温もりとモーツァルト的優雅さを併せ持つような楽章、短調に移るとシューベルトらしいロマン派的味わいを聴かせる。ト短調で書かれたメヌエット(スケルツォ)はモーツァルト風でお馴染みの楽章、ここもハイティンクは標準的テンポできちんとまとめる、優美な第二楽章のあとをト短調のスケルツォできりっと引き締める。終楽章は第一主題のあたり、ハイドンの交響曲88番の終楽章に近い雰囲気を感じるがハイティンクの速めのテンポで古典的にかっちりまとめた演奏で一段とそれを感じる。

category: シューベルト

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K.ベーム:シューベルト交響曲4番「悲劇的」  

このLPも長くしまいっぱなしだったもの、いつ頃購入したか憶えていませんが、盤面やレーベルが新品みたいなので、そんなに聴いていなかったようです;70年代のベームはほとんどウィーン・フィルとの録音になってきた中、このシューベルト交響曲第3番&4番のカップリングは1971年、ベルリン・フィルとの録音、会場はベルリン、イエス・キリスト教会、名盤を数々録音した会場ですね、そこに目を引かれ買った記憶です。久々に針を下ろしてみました。

be sch sym4

第3番も好きなのですが、今日は第4番ハ短調「悲劇的」を聴きました、第4番の演奏時間は約30分、LP盤片面に入れるには少々詰め込みぎみできついのですが、さすがDG、音の厚みに不足を感じさせない技術は大したもの。
第一楽章、序奏から十分な厚みのダイナミズムが響きます。第3番の序奏はどこかハイドンの「天地創造」の混沌の描写を思わせますが、ほぼ連作の第4番も同系の充実した序奏です。主部は小刻みな切迫感のある動機ではじまり、timpの強打音をベースにダイナミックな総奏に入ります、ハイドンの様式をしっかり継承した味わいもありますが、ベートーヴェン的な闘争感とシューベルトらしい叙情が織りなす魅力たっぷりの楽章、展開部ではあまり凝ってはいませんが対位法の書法を聴かせます。ベームは期待どおり、ベスト・バランスの管弦楽の響き、音の端々もよく整えます、そんなかっちりした骨格をもたせながら、弦に柔和な表現もさせます、そこはBPOも上手い。
第二楽章、A-B-A'-B'-A"の形式をとり、Aは穏やかな叙情的主題、Bは短調で劇的な主題、と対比を聴かせますが、Bに入ったときの緊迫感がいいです。
第三楽章、メヌエット、アレグロ・ヴィヴァーチェは実際スケルツォ風で、ここでもベートーヴェンへの接近を感じる。
第四楽章、自由に形を変えたソナタ形式ですがロンド形式の要素もありそうです。結構長大で充実していますが、開始は悲歌的、やがて総奏の闘争的な推移を置き、展開部は第一主題で壮大に聴かせる。ベートーヴェンのような大きな勝利宣言はないものの華々しく終わる。
ベーム、BPOによる寸分の隙もない演奏、その整った響きを聴くだけでも心地よいですね。これもたびたびターン・テーブルに乗せたくなる1枚です。

category: シューベルト

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W.サヴァリッシュ:シューベルト交響曲5番  

我家の近辺ではレコード店というものが殆どなくなり、大型スーパー内のCD兼楽器店も数年前撤退しました。今は完全にネット通販に頼っています。
このCDは随分前、まだCD店を覗いていた頃、シューベルト交響曲の全集が手軽に揃うと、目に付いて何気なく買って保留しておいた、W.サヴァリッシュ、SKDの録音です。今聴いてみて、買っておいて良かったと思うしだい。
PHILIPS盤ですが録音はD.シャルプラッテンとあります、1967年の録音ですが、うちのシステムと相性もよく、じっくり味わえるサウンドです、弦の音がいい。

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シューベルト16歳のときに書いた第1番は先人ハイドンやモーツァルトをすっかり吸収しベートーヴェンの影響も受けた堂々たる作品、という解説はまさにそのとおりで、大天才と言わざるを得ません。またシューベルトの管弦楽は管楽器の色彩的な扱いが印象的で、2種の木管、fl&obとかob&clなどユニゾンで奏して音をブレンドする方法を第1番から聴かせています。第5番にclはありませんがfl&obで聴かせます。あの「未完成」でもob&clで新たな木管楽器が出来たような響きを聴かせますね。ユニゾンになったり和声になったりするのがいいです。
今日は昨年、O.スウィトナーの演奏でも取り上げた第5番から行きます。
サヴァリッシュはその指揮姿からもイメージできるような寸分のスキもない"楷書体"的なきちっとした演奏、過剰な表現はなく足りないものもない模範演奏のような、聴いていて身が締まる感じを受けます。
第一楽章、冒頭からSKDの完璧なアンサンブルが耳を引きつけます。弛んだ感じはまったくなく、かといって固いと感じることもない、整然と提示部を聴かせ、展開部は程よく力強く切迫感を持たせます。
第二楽章、やはり主題やハーモニーの味わいがハイドンの緩叙楽章を彷彿させますね、後半ではロマン派的でシューベルトらしい和声の切り替えも聴かせ、歌曲をふと思い出します。第二楽章もサヴァリッシュはきりりと引き締めながら聴かせます。
第三楽章、一応メヌエットですが、切れ味よく引き締めた演奏、ト短調で旋律的にはモーツァルト40番風ですが、雰囲気は25番風な感じです。トリオは穏やかで田園風になります。この楽章が第5番をより魅力的にしていますね。
終楽章、ハイドン的なロンド風主題で軽快に進みます、明るさと緊迫感を交互に見事に配置していきます。サヴァリッシュは十分な力感も持たせながら荒っぽさのない演奏で見事に閉めます。

category: シューベルト

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スウィトナー:シューベルト交響曲5番  

このCDは「未完成」と第5番の入った、オットマール・スウィトナー指揮、SKBの演奏で、LP盤購入からCD購入へ移行していた頃に買った懐かしいものでもあります。たしか3500円、そうおいそれとCDは買えませんでした。
東ベルリン・キリスト教会、1983年録音ですからデジタル最初期ではありません。すっかりサウンドが完成したDENONとD.シャルプラッテンによる共同制作。

sch sym 8

スウィトナーの指揮はいつもどおり、極めて清潔な響き、シューベルトのSymphonyには一際相性よく感じます。最初に入っている「未完成」はこの演奏以外は聴かなくてもよいと思えるもの。多くの演奏でありがちな遅すぎるテンポを避け、爽快な弦の演奏に管・打がどっしりとダイナミズムを加え、濁った塊のような響きは聴かれません。全体を適度に弱音基調で演奏している分、第一楽章の展開部が凄い迫力として聴けます。

さて第5番ですがオケ編成が、tp、timpなし、クラリネットもなし、ということで、古典派中頃に戻ったみたいな規模です。ベートーヴェンでは考えにくいですが・・ハイドンの確立した交響曲形式がしっかり基盤として感じられ、同時に和声の移ろいなどシューベルトらしい魅力も聴かれる、親しみやすい曲です。
第一楽章、さらりとした短い導入があって弦で溌剌とした第一主題が弾かれます。第一主題をしばし燃焼させて、穏やかな第二主題に入ります。展開部は第一主題に導入部の音形を交えながら始まり、第一主題を扱いますが短いもので、再現部に移ります。再現部内にも小さな展開を設けて、終結部に行きます。
第二楽章、始まりを聴いた瞬間、ハイドンの90番第二楽章を連想しました、そっくり同じではないですが、旋律の趣味はハイドン風で、温もりに満ちています。3部形式で中間ではいつのまにかロマン派的な世界に包まれます。
第三楽章はト短調で書かれ、平穏ぎみの作品の引き絞めどころでもあります。モーツァルトの40番メヌエットとの類似がよく言われますが、25番の雰囲気もちょい入っている気がします^^結果的にはとてもシューベルトらしい曲想になっていますが、いずれにせよ魅力のメヌエットです。
終楽章ソナタ形式、ここでも軽快な主題による始まりがハイドンの終楽章を彷彿とさせます。展開部は特段凝った内容ではないですが、再現部で一押しあって全体としては充実感があります。
以上、スウィトナーは程よく快速に進め、美質が効いた演奏となっています。

category: シューベルト

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