Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

N.ミルシテイン:メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲  

当ブログでメンデルスゾーンを取り上げるのは初めてなんですね;音盤はいくつかありますが、4大vn協奏曲の1つ、ホ短調を聴きます、やはりメンデルスゾーンが一番親しみやすいかな、一番シブいのがブラームスか・・;
vnソロはナタン・ミルシテイン(1903-1992)、ウクライナ出身でちょうど20世紀真っただ中に活躍した傑出したvn奏者の一人。録音当時は70歳のときでしょう、しかし演奏はとても若々しく聴こえます。C.アバド指揮、VPOとの共演。
n mil me vn con
ナタン・ミルシテイン:vn
クラウディオ・アバド:指揮
ウィーン・フィルハーモニーO
1973年録音 DG


ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64
短調の作品ながら暗い印象はなく、"アパッショナート"とはいえ、優美で健やか、これほど名旋律に満たされた曲はメンデルスゾーンならでは。
第一楽章、アレグロ・モルト・アパッショナート、やや速めのテンポかと思う、ミルシテインは磨かれたような音であまり粘らず、控え気味のヴィブラート、オケに対してあまり張り出す音量にならず、くっきりと美音が聴こえる、131小節から、木管が優しいテーマを奏で、ソロvnがG線の開放を8小節弾くところがある、(これにヴィヴラートをかける方法があるそうだ)
sc001_20161110114816e9f.jpg
ここでミルシテインは微かなppから< >の間にふっと存在感を出し、美しくテーマを引き継ぐ。アバド指揮VPOはシンフォニックで、第一楽章はきりっと締まった心地よさ。
第二楽章、アンダンテだがここではゆっくり、情感を聴かせる、短調となる中間部の主題は第一楽章始めの主題に起因する感じだ、ミルシテインはここの重音奏法も端正で美しい。
終楽章はvnソロの入った序奏があり、この主題も第一楽章冒頭を回想させる、アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェに入ると、ミルシテインは非常に軽やかに速めのテンポをとる、(このリズムはチャイコフスキーのvn協奏曲とよく似ている)鮮やかかつ美音のvnソロにアバド:VPOもぴたり同調し、ひじょうに心地よい。

今日もご覧いただきありがとうございました。

category: その他・ロマン派

tb: 0   cm: 0

好録音再聴:ベームの J.シュトラウス(リマスターCD)  

ヨハン・シュトラウスⅡ世の名演で、先日のフリッチャイ盤のほか、もう1枚好きなのがK.ベームとVPOの録音です、こちらも充実した管弦楽が楽しめます。いつもはCDよりLPに軍配をあげていますが、今日は1997年に発売されたDGのLimited EditionというシリーズでCD化されたほうです。1971年録音の音源をリマスターしてホールトーンを多く取り入れたバランスに変わり、これが嫌味なく、英デッカの好録音みたいな音響、CD化の好ましい例かと思います。
ベーム j シュトラウス
カール・ベーム:指揮
ウィーン・フィルハーモニーO
DG 1971年


ベームのセッション録音も祝祭気分じゃなく、管弦楽としての醍醐味で堂々と聴かせるところがいい、ワルツでは「南国の薔薇」が一番好きですが、次々現れる各テーマが良く、特にこのテーマが出てくるところは浮遊するような心地よさ、
sc01_20161020101819207.jpg
1st vn パート
「皇帝円舞曲」はその名に相応しい、気高さがあり、このテーマが象徴的、
sc03b.jpg
1st vn パート
ベームはその前のppに対し、一際強く踏み出し、背筋が伸びる名演。
ポルカ「電光と雷鳴」はオーディオ効果も満点、ベートーヴェンの「田園」とは違い、シュトラウスは雷鳴を楽しんでいる、因みにシュトラウスよりもずっと前、1752年にはB.フランクリンが雲で雷が発生するメカニズムをつきとめ、その後避雷針も発明された、シュトラウスと同時代、1864年にはJ.C.マクスウェルが電磁気学を確率している、科学的に解かってしまえば恐るるに足らずか。
弦だけのピチカート・ポルカは音場感豊かで懐深く響く。

LP盤のほうは従来のD.グラモフォンらしいバランスの音響で、もちろんこちらもわるくない、こちらが好みの方も多いでしょう。
be シュトラウス
LP盤ジャケット

category: その他・ロマン派

tb: 0   cm: 0

好録音再聴:フリッチャイの J.シュトラウス(LP)  

ヨハン・シュトラウスのワルツを始めとする作品は、ウィーンのオケ中心に数多くの録音がありますが、それまでW.ボスコフスキーとかVPOのニューイヤー・コンサートのライヴ録音のようなものしか聴いたことがなく、フリッチャイ指揮、ベルリン放送響による抜きん出た名盤があることを近年まで知らずにいました。このLPはオークションのセット売りだった1枚、同じ録音がヘリオドールとDG SPECIALで2枚入っていて、良い方を聴いてくださいという感じ^^
DG SPECIALの方が良好でした。micha
フリッチャイ jシュトラウス 
フェレンツ・フリッチャイ:指揮
ベルリン放送交響楽団
1961年録音 DG


J.シュトラウスをこれほど真っ向から"管弦楽"の醍醐味で聴かせる演奏はほかにない、さらに本場の演奏家さながらの洒落た感覚も十分楽しませる。またサウンドが1961年当時の録音では飛びぬけて優れたもので、こういう盤は少し時が経つとまた聴きたくなります。
フリッチャイ jシュトラウス02 
J.シュトラウスの曲は概ね1st vnが主要なパートを取っていくが、フリッチャイは全パートをシンフォニックに操っている、始めの「こうもり」序曲から見事なもの、皇帝円舞曲などお馴染みのワルツもコンサート向けの王道を行く演奏、ラデツキー行進曲は、ブラスや打楽器が堂々と高鳴り、"行進曲"とはこういうものだったと気づかせる、トリッチ・トラッチ・ポルカは快速で活き活き、キレの良いこと、最後の「ウィーンの森の物語」では奏者はわからないが、ツィターがじつに名演、小音量のバランスだが、SN比の良さで鮮明に味わえる。

D.グラモフォンはかつて通称"チューリップ盤"とよばれる初期仕様だったが、当時の一般的な再生機に合わせ、帯域バランスを中域に寄せてあったようだ、(全てかどうかわからない)
dg
その後、ヘリオドール・レーベルなどから再版された頃から、HiFiバランスにリマスターされたようで、例としてフリッチャイ指揮のドヴォルザーク「新世界」がそうだった。

category: その他・ロマン派

tb: 0   cm: 0

R.タック:C.ツェルニー ピアノ大協奏曲イ短調  

ピアノを学ぶ上で誰もが恐らく避けて通れないエチュードを書いたことで有名なカール・ツェルニー(1791-1857)は、幼くして才能を発揮し、10歳でベートーヴェンに弟子入りした。F.リースから見れば年若い弟弟子ということに、またツェルニーはクレメンティやフンメルにも師事していて、当時最先端のピアノ奏法を習得したと思われる。
Czerny.jpg
カール・ツェルニー(1791-1857)
ただ、ツェルニーはピアノ奏法に関する著書の出版や教授活動に力を入れ、演奏活動は自分の作品で脚光をあびる意思はあまりなく、師ベートーヴェンの作品を広めるほうに積極的だったらしい。弟子にはあのフランツ・リストがいる、またブラームスもツェルニーのピアノ著書を高く評価していたとのこと。近年、いくらかツェルニーの演奏会用作品が録音されるようになった。ピアノ協奏曲など、まさに教材を書いた人らしい内容ではなかろうか;
czerny pf con
ローズマリー・タック (ピアノ)
リチャード・ボニング (指揮)
イギリス室内管弦楽団
録音 2014年12月16-18日 ロンドン ケニス・タウン,聖サイラス教会


ピアノ大協奏曲イ短調op.214
第一楽章、アレグロ・モデラート、オケで始まる主題はすっかりロマン派的趣き、ピアノソロは主題に基づき、じつに粒立ちの細かい華麗なテクニックを繰り広げていく、ピアノの高域部分を多用し、くっきりと耳に届かせる。オケは間奏や終結部以外はほとんど助奏の役割で、あくまでピアノソロに集中させる、
第二楽章、アダージョ・コン・モート、ピアノで始まる、ひじょうに短い楽章で、やはりピアノソロの緻密な技が聴きどころ、
終楽章、ロンド、アレグロ・コン・アニマ、第二楽章からアタッカでピアノがテーマで入る、ロンドの繰り返しでピアノのありとあらゆる妙技を聴かせて行く。
ピアノソロに関してはひじょうに優秀でセンスも良い作品だと思うが、コンチェルトとしての全体の出来は月並みというか、踏み出してくるものがない、ベートーヴェンや兄弟子リースのようなオケを活かした的を絞った力感がほしいところだ。
カップリングされた、≪華麗な大夜想曲 Op.95≫と≪ロッシーニの歌劇「コリントの包囲」からギリシャ人の行進曲による演奏会用変奏曲 Op.138≫、ともにピアノ・テクニックを堪能したい向きには良いかもしれないが、私にはいささか退屈である、Op.95のテーマがなんとも平和過ぎて"食欲"が湧かない;
世界初録音も含む当演奏はピアノをローズマリー・タックが希少な達演で聴かせる。

category: その他・ロマン派

tb: 0   cm: 2

U.ヘルシャー:L.シュポア ヴァイオリン協奏曲第1番  

モーツァルトのvn協奏曲を聴いたあと、メンデルスゾーンのvn協奏曲を聴いても、はっきり様式と時代の違いがあり、接点らしい共通項は見つかりません。しかし、L.シュポアの初期作品から順に聴いていくと、この間が繋がって興味深いです。
まずはシュポアのvn協奏曲第1番イ長調 Op.1から、これは1802年、シュポア18歳のときに書いた作品で、いかにもモーツァルトを手本としたような曲ですが、良く出来ていて、武骨なところは欠片もないです。micha

シュポア vn con
ウルフ・ヘルシャー:ヴァイオリン
クリスティアン・フレーリヒ:指揮
ベルリン放送交響楽団


vn協奏曲No.1イ長調 op.1
第一楽章、アレグロ ヴィヴァーチェ、総奏による印象的な動機で始まり、優美な主題の前奏が続く、センスの良い古典派に19世紀的な趣味が幾分加わった感覚、vnソロはヴィルトーゾらしい技を聴かせる、主題旋律に装飾パターンが加わっていくが、短い音価に目一杯詰め込んだ細かい装飾はバロック期のG.タルティーニなどを想わせる、重音奏法が長く続くところも聴きどころ。カデンツァを置かないが、きっちりとまとめ、若き有望な作曲家を印象づける。
第二楽章、シチリアーノで変奏形式のようだ、このテーマもシュポアのエレガントな作風を印象づける、変奏を聴くとシュポアの旋律の飾り方にさらに馴染んでくる。
終楽章はポロネーズと題されていて、この舞曲を用いると19世紀らしい雰囲気、全体はロンド形式でvnソロの妙技を聴かせていく、ここでも小回りで小気味よい装飾が、シュポアの作風として印象付く。
この曲に始まり、シュポアはやがて、メンデルスゾーンやシューマンの基盤を作る書風となるのだが、それはまだ先のことである。(^^)

なお、vnソロのウルフ・ヘルシャーはシュポアの専門家とも言えそうな、精力を注いだ演奏で徹底した研究も繁栄しているようだ。フレーリヒ指揮のベルリン放送響も自然に寄り添っている。無名の作品を優れた演奏で聴かせるcpo盤らしい全集になっている。昔のいわゆるマイナー・レーベルの中身とは格が違う。

category: その他・ロマン派

tb: 0   cm: 0

未知の作曲家  

先日来、フェルディナント・リースやルイ・シュポアが気に入り、聴き始めたところですが、ここ10年くらい?の間に見つけた作曲家(主に古典派前後)を振り返ってみます。今でも国内の演奏会で聴ける機会はほとんどないでしょう、NAXOSやcpoほか古楽を扱うレーベルの企画のお陰で聴けるようになったものです。それ以前のマイナーレーベルから稀に出ていた演奏は今となっては聴けるレベルにありません、NAXOSにもそういう演奏がありました。micha

1.ヨーゼフ・マルティン・クラウス
2.ミヒャエル・ハイドン
3.ヨハン・バプティスト・ヴァンハル
4.クリストフ・グラウプナー
5.ヴラニツキー兄弟(パウル&アントン)
6.フェルディナント・リース
7.ルイ・シュポア


聴くべき作品がたくさんある人に絞ると以上です、まだ知らない作曲家は多々あるでしょうが、手を広げても聴ききれないし;
1のクラウスは数多の似たり寄ったりの古典派作曲家達と一味違う独創性と凝った作曲法が魅力で、今も最高の発見と思います。
3のヴァンハルは強い個性(灰汁の強さ)はないかわりに標準的で美しい曲を安定的に作るところがいい。
4のグラウプナー(バロック後期)は特殊な事情で、蔵に眠っていた楽譜が広まったのが近年のこと、古楽演奏が洗練された時期と重なったのは良いタイミングです、20世紀中頃のバロックブームの演奏法じゃ対応できなかったでしょう。同じバロックでもメロディアスなイタリアの作品ともバッハとも違う味わいです。
5のP.ヴラニツキーはふと思いつきで取り寄せたH.グリフィス指揮の交響曲が良かったのがきっかけ、もっと出てほしい。
6のリースや7のシュポアも演奏史の流れのせいか、優れているにも関わらず、正当に扱われてこなかったと思うしだい。
これらの多くが近年の良い演奏で出てくるのは幸いです。

さて、そう言っている間にルイ・シュポアのヴァイオリン協奏曲全集が届きました、シュポアはvnのヴィルトーゾですがパガニーニとは違った方向性で楽しみな人です。
spohr vn con
シュポアの交響曲もやがて全集で出そうなので待つことにします^^

category: その他・ロマン派

tb: 0   cm: 0

H.グリフィス:L.シュポア 交響曲No.1&6ほか  

グリフィスが出すアルバムは本当に興味尽きません。F.リースに続いて注目しているのが同年生まれのルイ・シュポアです。シュポアはドイツ生れのvn奏者で作曲家、本名はルートヴィッヒ・シュポーア(Ludwig Spohr)だが、フランス風にルイ・シュポア(Louis Spohr)と名乗っていて、ヴァイオリンの顎当ての発明者だそうです。詳細→Wikipedia
ピアニストのF.リース、ヴァイオリニストのL.シュポアがそれぞれの楽器の協奏曲をいくつも書いていて、これも楽しみなところ。
今日はシュポアの興味深い、交響曲のアルバムを聴きます。micha
1. 交響曲 第1番 変ホ長調op.20
2. 交響曲 第6番 ト長調op.116「歴史的交響曲」
3. 序曲 ハ短調op.12

51flgC0FjdL.jpg
ハワード・グリフィス (指揮)、ハノーヴァー北ドイツ放送交響楽団
2007、2009年録音 cpo


交響曲 第1番 変ホ長調
第一楽章、Adagioの序奏があり、各パートが音階パッセージを奏で、流麗さと風格が魅力、主部Allegroはなんと運命の動機が骨格のように多用される、
spohr sym 1
第一楽章 展開部始め
しかし、シュポアはF.リースのベートーヴェン的な骨太なタッチと一味違い、メロディアスな主題を巧みに重ねる作風のようだ。"19世紀のモーツァルト"といったところかも?もちろんダイナミックな聴きどころもある、展開部は二つの主題がフーガで重なり、木管も含む各パートが奏で、これは見事。
第二楽章、Larghetto com moto 変奏形式と思うが、始まりの主題の前半は、さだまさしの「北の国から」のテーマにそっくり^^しかし後半で古典派らしい趣きにおさまる、
sc04_2016070722550023a.jpg
短めに書かれているが、劇的な進行でこの楽章も見事。
第三楽章、Scherzo.Allegro とあるがメヌエット風に聴こえ、ハイドンを思わせる始まり、しかし19世紀的な趣きにまとめ、彫の深い味わい、トリオは短調で、ここでも運命の動機が素早く活用され、引き締め役の効果がある。
終楽章、Allegretto ロンド風の楽章でエネルギッシュに引き付ける場面はさほどないが、流麗で、対位法的に巧みに折り重ねる技法が多く、オーケストレーションの上手さが味わいに富む、まずは上々の第1番である。

交響曲 第6番 ト長調 「歴史的交響曲」
作曲者が当初からこの副題を付けていて、各楽章、バロック期から現代(当時の)までの音楽を振り返るような、短めだが趣向を凝らした特殊な作品。これは何も題せず、単に「交響曲第6番」としたほうが謎めいて面白かったかもしれない。
第一楽章、"バッハ、ヘンデル"と題される、バロック趣味の序奏のあと、短調となり、まさにバロックのフーガを展開する、シュポアがフーガの書法に精通している証しでもある。パストラーレ風の中間部を置き、再びフーガとなる。(*しかし、19世紀の趣味で捉えたバロックの象徴的イメージのようで、これを聴くと20世紀中ごろにも流行った、いわゆるバロックブームの演奏趣味に繋がるようにも思える)
第二楽章、largettoは"ハイドン、モーツァルト"と題されるが、それらしい風合いは薄く(強いて言えば断片的?)、19世紀的な趣きである。表題を気にしなければ美しく出来た楽章だ。
第三楽章、Scherzo.Allegro "ベートーヴェン"と題される、timpの2音交互のリズムで始まる、"「第8」の終楽章"か? しかし、音楽としてはやはりベートーヴェン的印象は少ない。
終楽章、Allegro シンバルや太鼓を加え、当代の音楽で劇的に華々しく締めくくる、シューマン、ブラームスの時代は準備できたような内容。

もう1曲、コンサートのための序曲 ハ短調op.12が入っている、これは短めだが序奏とソナタ形式の主部でぐっと引き付け、小気味よくまとまった良い作品だ。
F.リースの曲と同様、親しみやすく、グリフィスの的確な演奏で内容は漏らさず聴ける。

category: その他・ロマン派

tb: 0   cm: 0

J.ウィリアムス:アルベニス《 コルドバ 》  

ギターの音盤はめったに取り上げませんが、とても気に入っている作曲家がいます。
イサーク・アルベニス(1860-1909) →wikipedia
ロマン派でギターのF.タレガと同時代なんですね、アルベニスの故郷や旅先での情景を描いたピアノのための交響詩的作品が魅力ですが、このピアノ作品の多くがギター独奏で、大抵はギタリスト自身の編曲で演奏されます。一番好きなのが組曲スペインの歌 Op.232にあるコルドバで、夢見心地な風情が実にいい。スペインの古い街コルドバの夜の情景をピアノが懐の深い響きで表現するのが原曲だが、これをよくギター独奏にしようと考えたものだと驚く、しかし見事な縮図となって聴くことができる。演奏で一番好きなのがジョン・ウィリアムスで、ラスゲアート奏法を使った編曲はじつにいい!

j w albeniz

とはいえ、この曲をギターで弾くのは至難の技でしょう、いかに好きでも、今からギターに戻ってこの曲に挑戦、というのは100%ありません^^;

参考動画
ギター編:John Williams - Cordoba
ピアノ原曲:Cordoba, Albeniz, Alicia de Larrocha

category: その他・ロマン派

tb: 0   cm: 0

K.ベーム:J.シュトラウス ワルツ、ポルカ集  

しばらくぶりにLP盤を廻しました。
カール・ベーム指揮VPOのJ.シュトラウスはCDは持っていたので、どうしようか迷ったのですが、LPのサウンドは一味違うかもしれない、という誘惑に負けて購入したしだい;
針を下ろすと予感どおり、違うんです、同じ録音でもマルチ・トラックからのバランスの取り方で変わるのでしょうが、別の録音かと思えるほど。CDのほうは残響成分を多く入れ、会場の空間を感じさせる、英デッカみたいな仕上がりになっていて、これなりに良いのですが、LPのほうは耳馴染んだ独グラモフォンらしい仕上がり、やや武骨なほど太く生々しいサウンドで味わい深く、集中させられます。
ベームのJ.シュトラウスは遊びっ気を帯びた表現は最小限、信頼して聴ける第一級のオーケストラ音楽として演奏する、ブラームスでも聴いているような飽きることのない味わいです。

ベーム J シュトラウス
1971年、ウィーン、ムジークフェライン大ホール 録音技師:ギュンター・ヘルマンス 

A面の皇帝円舞曲は数ある演奏の中でこのベームの演奏が最も気にいっています。メインの主題が弱奏のあとぐっと驚くほど力強く立ち上り、風格を持たせるところは最高。
トリッチ・トラッチ・ポルカでさえ、軽妙にしすぎず、がっちりした感覚。
B面最初のポルカ「電光と雷鳴」はCDでもかなり迫力でしたが、直接音がしっかり響く当LPではバス・ドラムがさらに空気を揺さぶり、圧巻。
次にワルツ「南国の薔薇」、これはシュトラウスのワルツで一番好きな曲なんですが、ベームのシンフォニックな演奏でこれも最高の充実感。
ピチカート・ポルカがまた素晴らしい、弦のピッチカートのみの小曲がこれほど深く豊かな音楽だったかと少し感動する^^これも当LPの豊かなサウンドで始めて味わえます。
J.シュトラウスはフリッチャイ盤と当ベーム盤の見事な管弦楽を聴くと、あとはどれを聴いても物足りなくなりそうです。

PS.ベームがVPOを振ったブラームス交響曲全集はLPもCDもサウンドは同じ仕上がりでややスリムに聴こえます。このJ.シュトラウスのLPのようにもう少しサウンドに太さがあると良いと思うのですが。

category: その他・ロマン派

tb: 0   cm: 2

アルゲリッチ:チャイコフスキー ピアノ協奏曲No.1  

名曲ゆえに、あちこちで耳にするチャイコフスキー ピアノ協奏曲No.1ですが、お金を出して音盤を買ったというのはこれが初めてです;アルゲリッチの切り立ったような達演はさすが、録音も申し分なく、コンサート・ピアノの長い余韻が透明感をもって再生されます。レーベル面は国内盤とほぼ同じですが、ドイツ盤はどことなくキリっとした感じです^^

チャイコ pf con
マルタ・アルゲルッチ:pf
シャルル・デュトワ指揮、ロイヤル・フィルハーモニーO
D.G ドイツ盤


第1番はピアノ協奏曲の代名詞とも言える存在かもしれません、金管に始まる印象的な冒頭、続くピアノの和音を入れた雄大なテーマ、これは誰の耳も掴むでしょう、ピアノ・ソロのヴィルトーゾ性もオーケストレーションもばっちり、よく出来た曲です。しかし外面的な華麗さを散りばめただけに聴こえ、深く精神に踏み込んでくるところが乏しい?(チャイコフスキーのvl協奏曲は慈愛の念を感じて結構良いのだが・・)
世間でも好き嫌いの分かれる曲のようですね。程度の差はあってもブラームスが好きでチャイコフスキーも同じくらい好き、という天秤のつり合う人は少ないかも?
ドイツ三大Bでも、バッハとブラームスは一曲も無駄がない気がしますが、ベートーヴェンだけは、超傑作の傍ら、周囲に踊らされて作ったような駄作とされる曲もあったりします;まあ話のタネに聴いてみたりしますが;

category: その他・ロマン派

tb: 0   cm: 2

プロフィール

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

FC2カウンター