Micha: Classic音楽とLuteの楽しみ

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学の話など

バロックのLuteとGuitar  

どちらも古楽器である以上、軽量の楽器だが、リュート属は球面体という力学的に強固な構造を持ち、ボディ内の反射音がストレートに響孔から出てくる感じで、音エネルギーへの変換率も高いように思う。リュートでラスゲアートをやると甲高くなるので、あまりやらない;
lute p r
11コース バロックlute
b g tuning (2)
バロックluteの調弦(⑥コースより下はオクターヴ弦が付く)
b l tab
*上の五線譜に対し、下のような弾き方になる、赤線は音を残して次の音に重ね、レガートに響かせる、バロックギターとも共通した特徴。

バロックギターやヴィウェラは断面としては四角く、内部で繰り返し反射して出てくるような音で、悪い表現で言うと、ヤワな箱に弦を張っただけ、って音^^;あまり鋭くは鳴らない、それが逆に良いところでもあり、ほっこりした響きで、ラスゲアートも耳ざわり良く鳴る。
b g st
b g tuning (1)
*バロックギターの調弦例
リュート曲には高音弦のよく鳴る所を狙って書いてある部分もあるが、バロックギターは各弦、均等な扱いのようだ、
バロックリュートでも概ね共通した技術だが、とくにバロックギターでは旋律線が1コースから突然4、5コースに移ったり、ハイポジションから別弦の解放に移ったり、というのが常にあり、さらに右手の使う指も特定できない;そこは現代のギターとはかなり違う、
b g tab
*バロックリュートと同様、音を残して重ねる部分が多い
それで滑らかに繋がって聴こえるように・・というわけで、親指だろうが人差し指だろうが、目的どおりに鳴らす、弾弦コントロールに苦労する楽器だ;;

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四苦八苦:楽器調整 <追記あり>  

モダンguitarの調整は製作家に頼むことになるが、古楽器は使い手がやる部分が多い;
昨夜はバロックギターの調整にかかりっきりで、あとはなにも出来なかった; 
昨年末に完成し、フレット高さは納得いくまで調整して、
b g 03
経過をみていたが、ハイポジションのビリが目立つ、

リュートはハイポジションを使う頻度は少ないのであまり感じないが、ギターはいつもながら本当に微妙でシビア;
ビリを無くすには、まず振動不良の弦は使わず、
①弦高を高くする
②テンションの強い弦にする
になるが、①も②も最小限にしたい^^;
強く弾けばビリつくけど演奏上は問題ない、くらいが狙い所になる;
経年変化による前倒れを考慮すると楽器本体は今の状態くらいが良いと思われる、
この楽器のブリッジは弦高が低く止まりやすく出来ているので、当面の対策として1mm厚のアクリル板を上に挟んで弦を止めた、
b g01
あとは弦の止め具合で微調整、どうにか狙いの高さにできたようだ。
ブリッジの飾りが隠れないよう透明板を使ったが、
b g02
これならパっと見、わからないかなv

*追記:ブリッジの弦の止め方をこうすると、簡単に高めに止めやすいのがわかった、
たしか、どこかのサイトで見た、(2~5コース)
b g 06
弦の端に緒止めを作り、ブリッジ上でねじらず一まわし、あとは反対側で弦の交差位置をずらして引っ張ればその位置で止まりやすい、
b g 07
4コースの太い弦がビリやすく、とくに高めにしてある

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道楽のリュート  

当ブログも年が明けたら6年目になろうとしています、長々と飽きもせず、進歩のない話を書き散らかしています^^;
自分が初めてリュートを手にして37年、バロックluteまで手を広げて32年と、恐ろしく年月が経ち;一番長続きしている道楽です。

クラシックに興味持ったのは中学あたり、音楽の教科書に載っていたリュートの絵はどこか古雅な姿で惹かれたが、どんな音か聴いたことはなかった。
lute pic
一旦歴史が途絶えた楽器だが、古楽復興の動きの中で先駆者となる奏者(研究者)が現れた。
その音がラジオなどで聴かれるようになり、イメージにふさわしい古雅な音色に魅了された。
この雰囲気はギターでは表現できなかった、
11c lute
リュートをどうにか手にした頃、日本はまだ黎明期で、楽譜も交換弦も簡単には買えなかったが、徐々に環境が整い、さほど不自由はしなくなった。
バロックlute作品の楽譜は今も印刷出版されるものは少なく、手稿譜の写しを使っているが、誤植が生じない点は逆に助かる。
リュート譜(タブラチュア)は決められた調弦で、どの弦のどのポジションを弾くのかを明記する記譜法で、左手、右手の指使い符号まで書き込まれた譜もあって、作曲者がどんな響きを求めているかが直にわかり、効率的な運指法の参考にもなる、
tab01_20171215232152db2.jpg
五線譜以上に具現化しているようで、大昔の作曲者(日本では江戸時代)と譜を通して共感するような近しさを覚え、そこが面白い。
取り扱いは面倒だけど、それも楽しく思えるのが道楽^^;

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category: リュート

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「美しく修理」:金継ぎ、羊皮紙貼り  

「時間」の不思議に誰もが想いを巡らせたことがあるのでは・・? 我々が「今だ」と思う瞬間も、1秒も経てば過去になってしまう、次に今だ、と思っても同様・・絶対に前へしか進めない、たった今、割ってしまった茶碗も1秒前には確かに無事だったのだ^^;
m
えるてさんのブログで紹介されている「金継ぎ」のお話が興味深かったですが、陶磁器の割れやヒビなどを漆で接着して、接合部分に金の飾りを施すというもの、漆は接着と欠損埋めの役割をする、さらに接合ラインに漆を下塗りして金粉等を付着させる・・大まかにはこんな要領かな、これがまた破損する前とは違った趣きの美しさになりますv
Kintugi_20171120104419d56.jpg
金継ぎした茶碗
これも時間の成り行きを受け入れた人の技でしょう、漆で接合したのは縄文土器にも見られるそうです。須恵器の時代になると、窯焼きで灰の成分が溶けて自然の釉薬になったり、古くから自然の成す味わいに親しんできたようです。

ところで自分が使っている西洋楽器、リュートにも似たことを感じました、
どこかにぶつけて破損してしまったり、弦の張力で徐々に変形してきたり、修理を重ねると外観が損なわれます、
この11コースluteは最も修理歴が多く、何度か響板を剥がして再接着しています、
11c lute01
11c lute02
薄い響板のヒビ割れは内側に継ぎ貼りをしますが問題は外側の補修です、響板の外周には上の写真のように黒い木のパフリング(縁飾り)がありましたが、そこも一部削り取ることになり、最終的に縁は羊皮紙で覆うことになりました、
11c lute03
これも昔からある修理法で、縁に白いラインが入るのも意匠的にわるくない、
使い込んだ風格みたいで気に入っています^^
Troy-Mouton.jpg
バロック期の絵画より
新品から羊皮紙貼りにすることもあります。

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古楽器の「巻きフレット」  

リュートのメンテナンスを引き受けられる楽器店というのはほとんどありません、難しい部分は製作家さんに頼み、あとは自分でやります。リュートやヴィオラ・ダ・ガンバなどはガット(羊腸)の巻きフレットなので、具合が悪くなれば交換します。m
やり方参照
太いフレットは使わない、という方には関係ない話ですが、0.9㎜以上のフレットをネックのテーパーが利用できないリュートの1ポジションやネックのテーパーの少ない楽器に巻くのはホネです;強く絞めたつもりでも、指板の角で浮き上がっていたり;
Pyramid製やKurschner製のフレットガットが硬質で絞め辛い、ガットを捩ってあるのは確かだが、一見ナイロン弦のような塊状に加工してある;
f gut AK
左:Aquilaは昔のまま、右:Kurschnerは半透明で硬い
Aquila製は良かったけど、いつも注文しているドイツのショップでは扱っていない;

そこで見つけたのが、Toro社(イタリア)のフレットガットです、
toro f guttoro f gut02
"縄"のような仕上がりで結び絞めしやすく、ネックにフィットする、
f gut
Toroは昔ながらのタイプで国内のショップにあり、早くこれにすれば良かった^^;

しかし、手持ちのKurschnerも使わないともったいない、以前、ガットを水で濡らすと柔らかくなったのを思い出し、これでいけるんじゃ?と思った・・
gut_20171115100548cfd.jpg
濡れると径が膨らみ、長さが縮む、乾くと元に戻る(Kurschner)
湘南の古楽器店にもフレットガットの質問をしたところ、同じ答えが返ってきた^^ガンバなども太いのを使うし、

実験:Kurschnerのフレットガットを水に15分くらい浸けると柔らかくなる、余分な水を拭き取り、端に焼き止めを作る(焼いた部分は乾く)、結び目を焼き止めの手前に小さくして寄せる、ネックに巻いて結び目に通し、ぎゅっと引っ張る、
bg f gut01
まだ湿って柔らかい状態、楽器に影響するほどではない、
この状態のまま、よく乾くまで待つ(湿っている間、長さが縮んでいるので、このまま止めると、乾いたら緩んでくる)、乾いたら、あらためて引っ張って焼き止めする。
*逆にtoro製は濡れるとわずかに伸びるので都合良い、
この方法の利点は、ガットが乾いたとき、ネックの形状にフィットした形に固まること。
bg f gut02
新しいバロックギターはナットの高さに余裕があったので、ローポジションのフレットを太いのに替えました。

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新作:バロックギター(Stradivari model)  

完成して届いたばかりのバロックギターです。
田中清人氏:製作
ストラディバリ・モデル
弦長650mm

b g 01 s
拡大
弦が落ち着いて、きれいに和音が鳴りだしました、
透明感があり和音が鮮やか、指の爪側を当てたラスゲーアードが爽快、
b g c
①コースはシングルに張っていて、ふくよかに鳴る、プンテアードでバロックギター特有の、旋律をアルペッジョ的に弾く奏法もバランスよく弾きやすい、
b g tab
音量も十分に思います、弱音で弾くと香りを持った音で、高貴な雰囲気もある(ぜひ、ド・ヴィゼを弾きたい^^)
弦はA=415hzに合わせて選びましたが、指頭弾きにはちょうど良いテンションのようです、④コースの低音にローデドNGを用意したけど、やはり振動不良で;カーボンの万鮪(赤)に替えました、これはOK、弦はいろいろ替えてみて、392hzあたりも試してみたいです。

外観は「ベーシックで響板を古色調に」とだけお願いしてお任せしましたが、配色の良さ、精度の高さ、仕上がりも流石ですv
響板はセラックニスを少し塗ってあるそうですが、木肌の感触、ボディと指板を囲むパフリングはウォルナットでウォームな感じ、
b g rose
響孔のパーチメントはElenaさん製、響孔周りとブリッジには細密な象牙のインレイ、細くて優美なムスタッシュ(髭飾り)、以上だけでも非常に手がかかっていて有難いです。
パーチメントはベージュで色調が合い、ナットも飴色ですv
背面はメープルで統一、セラックニスはネック部分が少し明るく、ヴァイオリン風に見える、ツヤの感触も良いです。
b g Rear
拡大
その他の写真: ブリッジ 指板 ペグ

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自宅待機  

今日は荷物が届くので、出かけずにいました。

届いたのはこちらです、
b g st 01
詳しくはあらためて。

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楽器の木材  

木の楽器を手にしていると、木材についてもいろいろ興味が湧きます、何時も目にしているのに結構知らないことだらけ;m
11c a

まず楽器では避けたい、木材の「節」っていうのがあります、木の幹から枝が出て行った痕跡ですが、生節と死節があるそうで、生節は生きた枝元を幹が成長して太くなり覆いこんでいったもので組織の繋がりはある、死節は枯死した枝元をそのまま覆い込んだもので、幹にとっては異物のようなもの、組織の繋がりはなく板材から抜け落ちたりする、
ikibusi sibusi
死節のある材は楽器には使えないでしょうが、生節でも現在では美観上、敬遠されがち。
昔は生節の入った材も使っていたと聞きます、生節は周囲よりも強度が高く、活かせるかも?
この楽器にはあえて使われたように見えます、
b vn
オリジナル・ヴァイオリン(フィドル):竹内さんのページより

ギターの裏側板に使うハカランダは1992年からワシントン条約の輸出規制で新たな材料は入らなくなり、在庫のハカランダで作った楽器も売る目的で海外には持ち出せないそうです。
手持ちの楽器で唯一、ハカランダを使ったこのリュートは1980年代に出来たものです、
11c lute02
よく見ると小さな節がいくつかあります。

また、楽器に適材であると同時に美しい木肌の模様(杢)を持った材は珍重されます、これは木の成長過程でねじれや湾曲、瘤ができた所が製材面に現れたものです。
Ahorn-Maser_Holz_20171102143156c82.jpg
どこかの惑星の表面!じゃなく、メープルの杢
ヴァイオリンはじめ弦楽器で、胴の響板以外の部分には、砂丘の波紋のような杢の表われたメープルがよく使われます、
13c lute
カーリーメープル
響板のスプルースにも杢を持つものがあり、これが強度を上げる?とも聞きます。
kuroda gui
響板のスプルースに杢(ハーゼ・フィヒテ)がある例 <黒田ギターより>

鉛筆の軸にも使われるイチイ(Yow)は独特の芳香があり、切かぶ面を見ると心材と辺材部分の色の濃さがはっきりと違います、
Taxus_wood.jpgvenere_7c_cap.jpg
質的には心材の部分が良いですが、リュート等では少し辺材部分を入れて色違いの味わいを活かしたのがあります。

PS.象牙は1975年から規制されています、在庫を大事に使うしかないですが、この楽器のストラップピンなど、目立たない箇所は片材を貼り合わせて作り、節約しているようです。
pin.jpg

ある日伐採された木が流通の末、ある製作家の所へ行き、別の木材と組み合わされて楽器になる、同じ音の楽器は2つとない、のが面白いところです。

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バロックギターの絵 ≪追記あり≫  

一昨日の19世紀ギターに続き、バロックギターの絵を検索してみました。m
バロックギターから19世紀ギターへの明確な境は引けませんが、概ね次のように移行していきます、「バロックギター:5コース複弦」→「ロココギター:6コース複弦」→「19世紀ギター:6コース単弦」、呼び名は現代、分類のため付けているだけです、楽器は時代に合わせて、改造されたものもあります。
絵画の人物は皆、リラックスした様子です、本気出して弾く姿は絵にならない?^^;
bg 009bg 008
しかし、画家の前でポーズするにせよ、手は自然に普段弾いているフォームになり、参考になる絵もあります、

これはラスゲアートのフォームでしょう、
bg 006
傍らにリュートもあり、現代の皆さん同様、両方楽しんでいる人でしょう^^

これもラスゲアートのようです、指板に近い位置で柔らかく響かせます、
bg 003

この手のフォームはサムアウト(親指外側)でバロックリュートと同じようです、
bg 010

この楽器は①コースをシングルにしてあるのがわかります、
bg 002

この絵はまさにポーズをとって描かれているところ、
bg 005
リボンのストラップはあえて掛けないのが絵になるみたい、

最後にこの絵の楽器、ムスタッシュ(髭飾り)がオシャレです、
bg 004
この飾りは形どおり木材を切り抜いて上貼りやインレイにする、手のかかる仕事です、

これは現代の製作、
bg photo
これも響孔周りの飾りが細くすっきりしていいです、
装飾過多は好きじゃないので、仮に持つとしたら、こんなのがいい^^
響孔にパーチメントがあると子ネコは入れません。

追記:奇士さんからの情報で、こちらにも貼っておきます、
オークションに出されたオリジナル、バロックギターで1625年のマテオ・セラスらしい
(落札済みとのこと)
b g takeuchi
you tube:Matteo Sellas, circa 1625
演奏は竹内太郎氏、状態は良さそうです、

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19世紀ギターの絵  

19世紀ギターの絵画を検索すると、興味深いものがいろいろあります。m
19c g0319c g 04

これはバロックギターから6単弦ギターへの移行期のタイプかな、響孔が随分ネック側に寄った位置にあります、
19c g 01
新しく見えるので、改造したものじゃないかも。

19世紀ギターの作曲家、ディオニシオ・アグアドの肖像、楽器は楕円の響孔が特徴のラプレヴォットというタイプ、
19c g agu
描かれている楽器の支持具はトリポディソン(Tripodison)というアグアドが考案したもので、両手がまったく自由になる。

この絵の楽器は典型的なミルクール・タイプでしょう、
19c g 02

ズバリ、これはルネ・ラコートの楽器かな、
19c g lac

これは7弦ギターのようです、
19c g 7c
19世紀にも多弦ギターは様々あったけど、あまりかっこいい姿がありません;でもこれはOK、

以上共通して言えるのはみなラクに楽器を構えている、また響板に小指を触れるリュート時代からの奏法も残っている、

弦を外しておけば、子ネコの遊び場にお役立ちv
19c g cat

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