Micha: Classic音楽とLuteの楽しみ

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学の話など

サヴァリッシュ:Dvorak Sym No.9「新世界より」  

前に取り上げた、サヴァリッシュによる「8番」とカップリングされた「新世界より」、
名曲だけに録音は多いが、ひじょうに満足して聴けるものは限られてくる。演奏プラス、録音技術による鮮やかなorchサウンドもこの曲には期待してしまう。
EMIの当盤は低域が深々と響き、金管が厚く豪快な好録音だ。 
sawa dvo sym9 a
ドヴォルザーク 交響曲No.9ホ短調 op.95「新世界より」
ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮
フィルハーモニアO 1988年 EMI


各楽章に出てくるお馴染みのテーマは共通の因子で出来ているように思う、これらが終楽章では全て登場し、絶妙に組み合わされる。
sc01_20180714095055f30.jpg 1st
sc02_201807140950569d1.jpg 2nd
sc03_20180714095058a13.jpg 3rd
sc04_20180714095059118.jpg 4th
*1st,2nd,4thは共通性があり、3rdはこれらの続きに置きやすい?
第1楽章、序奏を終え、主部は程よい快速、がっちりした骨組み感の中で少し柔和なレガート感覚を弦にも管にも持たせている、第2主題のところはより落ち着いた感覚、これが何度も聴きたい気品も帯びた味わいになる、提示部は反復し、展開部も熱気は控えめで終結部にかけて加速をかける。
第2楽章、イングリッシュホルンはじめ、フィルハーモニアOの木管、ホルンはじつに繊細に聴かせる、短調のテーマに移ると低音弦のピッチカートが深く支える。
第3楽章は、期待どおり瞬発力のあるキビキビとした演奏、しかし荒っぽさはまったくなく気品を失わない。
終楽章、これまでの楽章のテーマが巧みに取り入れられる、導入部はじっくりだが、快速に移る、キビキビした心地よさがあるが、弦のボウイングには柔らかさがある、展開部の金管の高鳴るところも爽快サウンドに整える、終結は豪快に決める。

動画は同じくフィルハーモニアOで1999年のライヴ
sawa dvo sym9 you
you tube:Dvorak: Symphony No.9 "From the New World" / Sawallisch Philadelphia Orchestra (1999 Movie Live)
EMIの録音から11年の隔たりがあるが、老練で落ち着いた要素が増した印象だ。

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C.デイヴィス:Dvorak Sym No.9(LP)  

早くからハイドンの交響曲をよく整った演奏で納得させてくれたサー・コリン・デイヴィス、ドヴォルザークの交響曲というと自分にとってはレアな気がして興味が湧いた。 
c d dvo
RCOを指揮したPHILIPS盤だが録音年が不明、アナログ期最後の頃だろうか、伝統のマルチマイクからのミキシングは拡がりのあるvnパートでさえ、1か所に固まったように聴こえてくるが、当録音は自然に拡がる感じ、金管が厚みをもって響き、木管同士のハーモニーも味わい深く聴ける。オランダ盤LPだが随分と薄い、
c d dvo sym9 lp
ドヴォルザーク 交響曲No.9「新世界より」
サー・コリン・デイヴィス指揮
ロイヤル・コンセルトヘボウO


第1楽章、序奏はゆっくり初め、主部もゆっくりめに感じるが、楽章通してほぼインテンポ、pの[91]から、あるいは第2主題の出る[149]からはテンポを緩める演奏が多いが、
sc01 149
ここは速く感じる、ディヴィスの整然と通す演奏も他にはない引き付ける効果がある。
第2楽章は12:26で普通くらいの時間、コールアングレ含め全体に弱奏に押さえた演奏、バーンスタインのようなソロ演奏的な表情付けはなくさらりとするが、内面的に響いてくる感覚で引き付ける。
第3楽章、比較的落ちついたテンポだが、ぐっと引き締め、timpが力強く、心地よい力感を込めるが、極端ではない、
sc03 31
トリオに該当する部分も一貫したテンポで整える。
終楽章、10:32、やや快速か普通だろう、RCOの清々しい弦、がっちりした力感で、端正に整えた感覚が耳を引く、テンポの変化も最小限だが、終結はエネルギッシュに決める。
c d dvo sym9
you tube:Dvorak: Symphony No.9 "From the New World" - Colin Davis
1st 2nd 3rd 4th

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スウィトナー:Dvorak Sym No.9  

「新世界より」もメロディアスな主題が常に流れていて、音階の4度、7度が抜かれた民謡調の旋律が多いことから親しみやすい曲で、普段はあまり聴かないが、先日のスウィトナーの「第8番」が非常に良かったので、久々に取り出した。 
特異というわけではないが、他の多くの演奏とは根元が違う音楽作りに思える、SKBの演奏はBPOのように上手すぎるという感覚ではなく、大事なところを押さえ、各楽器の天然な持ち味を放ってくる大らかさ?もまた良い。
D.シャルプラッテンの録音はまだアナログ期だが、CD化された音はその後の録音と区別つかない、スウィトナーの美質と優秀な録音が一体となって楽しめる気がする。
sui dvo sym 9
ドヴォルザーク交響曲第9番ホ短調op.95「新世界より」
オットマール・スウィトナー指揮
シュターツカペレ・ベルリン
1978年 D.シャルプラッテン


第1楽章、いつもどおり低域にエネルギーを寄せ、vn群は涼やかだ、序奏では[5]の休符に溜めを置き次の木管が奏でる、ここで引き付けられる、
sc01 1
主部は快速ぎみ、さほど切り立てず、行書的タッチだが張り詰めた感覚があり、終始透明感のあるサウンドが味わい深い、弱奏をぐっと押さえ対比が効果的、強奏は金管、timpが豪快に担う、第2主題のflと続くvnは一際柔和で穏やか、
sc01 149
提示部を反復しているので、[177~180]を珍しく聴ける、
sc01 174
展開部はブラームスのような対位法的書法は少ないが、転調とvnの最高域を多用したorchestrationの巧みさで聴かせる。スウィトナーは終結部を加速し、活き活きと終わる。
第2楽章、程よいテンポ(11:25)、イングリッシュホルンに始まり、[26]からpppの弦がきめ細かく密やか、第一楽章の再現も入る。
sc02 26
情感豊かな和声も見事な楽章だがスウィトナーは一段と溶け合い美しく聴かせる、
第3楽章、Molto vivaceでスケルツォ楽章になるが、快速なテンポをとり、キレは抜群、[68]からPoco sostenutoで長閑になる、また第一楽章の再現も入る、気分を変えてはスケルツォの活気に戻る。
終楽章も快速ぎみに行く、弦の爽快な流れ、金管、timpの切り込み、木管やhornの味わいも聴かせる、1か所弱奏のシンバルも明快、各楽章のテーマが回想され、加速して終わる。
同演奏の動画、
sui dvo sym 9 you
you tube:スイトナー指揮ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」

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バーンスタイン:Dvorak Sym No.9  

1度聴いて、どうも好きじゃないなと思った演奏は大抵再度聴いても同じだが、珍しく2度目に良いと思う演奏もある、初めはちょっと聴く態勢が良くなかった? 
バーンスタイン指揮、イスラエル・フィルのDvorak「新世界より」は第2楽章があまりにゆっくり(18:22)なのが有名で、聴き馴染んだ多くの演奏(12分前後)の中で、この第2楽章の真髄かもしれない。録音は鮮明で聴き心地良いサウンド、豪快なブラスもクリアに響く。
berns dvo sym9
ドヴォルザーク 交響曲第9番ホ短調op.95「新世界より」
レナード・バーンスタイン指揮
イスラエル・フィルハーモニーO D.グラモフォン 1986年


第1楽章の序奏も非常にゆっくり、弱奏で引き付け、快速に入る主部はバーンスタインらしく極めて活きの良い演奏、timpは豪快に打つ、適宜テンポを変化させ、ツボに持って行く、
第2楽章、おそらく他のどの演奏例よりゆっくりだろう、また演奏可能な最弱音ppppが基調になっていて、mpくらいがmfに感じる対比だ、夢想的ではあるが、それがさも現実のように拡がる鮮やかさもあって不思議な感覚、弦楽のみの弱奏は聴こえる限界くらいで、速度、強弱ともソロ演奏なみに繊細な表情が込められる、obソロが始まる[90]からテンポは快活になり、第1楽章が再現され、また静謐に戻る。
sc02 88
DG盤最高といえるこの鮮明な録音ではじめて味わえる演奏かもしれない、夜、静かでじっくり聴く態勢も必要;
第3楽章、打って変わってスケルツォは快速に極めてキビキビと演奏、さすがバーンスタインと言うか思わず喜んでしまう^^
終楽章、前の楽章に出てきたテーマを後の楽章に再登場させるのはハイドンの頃からあるが、この楽章ではこれまでのテーマ全てが登場し、全テーマは同じ因子で関連付いているのが明かされる。曲の細かい仕掛けもこの録音で気づいたりする、ちなみに[316]から第3楽章のテーマが弦を下がっていき、最後にtimpに移るのが面白い、
sc04 316
終楽章もバーンスタイン豪快な締めくくり。

you tubeに同録音があった、
bernst dvo sym9
you tube:Dvorak - Symphony n9 "From the New World" - Bernstein - Israel Philharmonic Orchestra

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スウィトナー:Dvorak Sym No.8  

昨日も五月雨の後、夕方はけっこう冷えびえとした、でも暑いよりはいい、何となくこんな時季聴きたいのは、Brahms Sym No.2とかDvorak Sym No.8あたりだ。 

今日はO.スウィトナーの指揮でDvorak Sym No.8、D.シャルプラッテン1977年の録音だが、これこそHiFiと言える好録音だ、音場に奥行きがあり、各楽器の発する音のエネルギー差(低音ほどエネルギーが高い)に実在感がある、低域を深々と聴かせ高域(vn群)は常に力を抜き滑らか、ブラスは厚みを帯びて押し出す、そんなバランスがよく再生される。
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ドヴォルザーク 交響曲No.8ト長調 op.88
オットマール・スウィトナー指揮、シュターツカペレ・ベルリン
(1977年 D.Schallplatten)

第1楽章、滑らかに情感深い強弱で開始、この歌い出しを大事にしているようだ、続いて快速で活気を持った演奏、先に述べたとおりのサウンドが心地よい、展開部は見事だが、このブラスがテーマを力強く奏で、弦が半音階で上下するクライマックスが圧巻、
sc 01 1
ここでも耳に爽快な演奏だ、終結はキレたように加速し熱気あふれる。
第2楽章、弦楽による始まりは涼やかな風、鳥が鳴く森、湧き出る泉、大渓谷?・・何かいろいろ情景が浮かんで楽しませる楽章、vnソロが一際美しい、スウィトナーは聴力検査ギリギリのpppまで使い、奥行きや色彩感を豊かに聴かせる。
第3楽章、スウィトナーはゆったりと、いかにも優雅なワルツ風に聴かせる、
sc 03
弦の一弓のデュナーミクにも気品を持たせる、サヴァリッシュのきりっとした演奏も良かったが、こちらもまたハマる^^
このfzでの量感の入れ方も絶妙で期待どおり、
sc 03 2
弦楽の爽快さと、obソロを助奏するvcが味わい深い。
終楽章はわりと落ち着いたテンポ、trpの澄んだ響きで開始、この楽章もppをpppくらいに下げて奥行きを付ける、flソロのバックでtrpが弱奏する、この澄んだ響きも良い、トルコ行進曲風になる変奏でちょっと武骨になった後がスマートに決まる。

スウィトナーのサウンド作りとDvorak Sym No.8はとても相性よく感じる。
you tubeに同録音があった、
sui you
you tube:スイトナー指揮ドヴォルザーク交響曲第8番

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サヴァリッシュ:Dvorak Sym No.8   

昨日は燕の巣作りを許可したし、ちょっと清々しい気分。ブラームスならSym No.2が合うが、久しぶりにドヴォルザーク、一番好きなSym No.8を聴いた。今回はW.サヴァリッシュ指揮、フィルハーモニアOで、 
ドヴォルザークのNo.8は凝った書法も使われ充実しているが、国民楽派的な親しみ易い主題が、常にどこかのパートで明確に奏でられ、曲の流れが聴きやすい、
sawa dvo sym 8
ドヴォルザーク:交響曲No.8ト長調op.88
ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮
フィルハーモニアO
1989年 EMI

第1楽章、ソナタ形式だが変化技も多い充実した楽章、サヴァリッシュらしい堅実でキビキビした演奏が冴える、
第2楽章、3部形式のようだが、弦楽による始まりは少し憂いを含んだ五月の澄んだ空、そよ風をイメージする、
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しかし楽章全体はドラマティックで1つの交響詩のようにも聴こえる、終結ではvn1が最高音域を聴かせて終わるのもドヴォルザークらしい、
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フィルハーモニアOは透明感ある音で決める。
第3楽章は優美な主題で、ワルツ風に書かれている、
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サヴァリッシュはやや速めのテンポ、甘ったるくならずスッキリと聴かせるのが良い。
終楽章は内容的に聴き応え十分、変奏形式だがソナタ形式的なまとまりがある、突然ハ短調となってトルコ行進曲風の変奏が面白い、
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その後、展開部とも言える見事なオーケストレーションが続く、曲全体に武骨さがなくスマートに進行していくのもドヴォルザークの人気要素だろうか。
この演奏はyou tubeになかったが、サヴァリッシュによるきりっとした演奏はひじょうに良かった。

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ドホナーニ:ドヴォルザーク Sym No.8  

ドヴォルザークのsym No.8は民族音楽的な屈託のない旋法を用い、orch.を魅力的に鳴らす、曲の進行も快調とあって、人気の高い曲だ、アメリカに渡ってからのNo.9「新世界より」に対し、チェコ時代に書かれた重要な作品になる。
ブラームスが弦楽の中低音域の渋い響きを好んで使うのに対し、ドヴォルザークのオーケストレーションは高域をよく使い華やかで、ブラスの輝き、木管の色使いが印象強い。
手元のCDはいくつかあるがC.von.ドホナーニとクリーブランドOの録音が特に好みでオーディオ的にも満足、これより前に聴いた音盤より、刷り込みになっている。
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クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮、クリーヴランドO
1984年 DECCA

you tube:Antonin Dvo?ak, Symphony No. 8 in G major, Op. 88
全般に程よく快速で、あまり粘った表現なく、自然の慣性に乗ったような進め方が曲にふさわしく心地よい、録音は滑らかで音場も鮮明、帯域バランスも良く、trpはじめブラスの澄んだサウンドが心地よい、
興味深いのは終楽章の変奏形式で、ブラームスのsym No.4を参考にしたと言われる、あくまで初めの主題に基づいて変奏されるのだが、多彩に様変わりしていくのが面白い、ここではトルコの軍楽調に変化(へんげ)する、
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カラヤン&VPO:ドヴォルザーク交響曲第8番  

今日はカラヤンの「新世界」と思ったのですが、カラヤンの場合第8番が好きなので急遽変更。
このLPは夏の中古盤セールで購入し保留していましたが、ジャケットはきれいで中身もあまり聴かれた痕跡のないもの、極めて良好品でした。おなじみ、カラヤン来日記念盤で出た英デッカ盤、帯には「このレコードは限定版ですので、すぐ売り切れるおそれがあります・・」との書き込みも懐かしい;いずれもVPOとの録音で20枚リリースされました。1961年、デッカの録音はHi-Fi、音溝が大きく刻まれ情報量が多く、オーケストラが迫ってくるサウンドです。さすがにカラヤンのまだ若々しい覇気が聴けます。

カラヤン dov 8
1961年、VPO 英デッカ

第一楽章の弦の序奏は個々の弦が粒立って聴こえるようで、じわりと始まります、主部は快速で細かいことを考えずとも颯爽と整った演奏がぐいぐい押してきます。ダイナミックレンジが大きい録音だけに強弱の奥深い表現にも引き付けられる。
第二楽章は凝った構成ですが、木管のソロは音量を控え気味に、夢想的に聴かせる。
第三楽章はスケルツォというより、スラブ舞曲の雰囲気をもつ抒情的な主題、ここもVPOの弦の美音が粒立つようで一際味わい深い。中間部の主題は木管の歌とともにポルタメントを効かせた柔和な弦の表情がいい。
終楽章はソナタ形式だが、展開部が短く、提示部と再現部に変奏の要素を持たせているのが特徴、tpファンファーレは少し奥からの良い響き、第一主題は弦でゆったり始める、トゥッティに入るとぐっとテンポを上げ、切れ味痛快。民族的舞曲も登場するが、カラヤンは常にぴしっと張りつめた覇気をもって進め、VPOも決めている。終結では一段と速度を増し、豪快なブラスに包まれ熱狂的に終わる。

カラヤン dov 8b
1985年、VPO D.グラモフォン

カラヤンは1985年にもD.グラモフォンに同じVPOと第8番を録音している、円熟味が加わった味わいがあるが、'61年の頃の若々しい覇気は幾分丸まった感じがする。録音はさすが'85年、D.Gのクウォリティですが。

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F.フリッチャイ:ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」LP二種  

高校時代、友人から借りて聴いたヘリオドール盤のフリッチャイ&BPO「新世界」には演奏と録音の素晴らしさに魅せられました。しかし、先般手に入れたD.Gチューリップ盤は同録音ながらヘリオドール盤の記憶の音とは違う、と思い・・ヘリオドール盤も取り寄せたしだい(安い!)^^;
フリッチャイ dov 9 dg
フェレンツ・フリッチャイ指揮、ベルリン・フィルハーモニーO
D.グラモフォン(チューリップ・レーベル)1959年録音


フリッチャイ dov 9 he
同録音、ヘリオドール・レーベル

盤面を見ればすぐわかる、ヘリオドール盤は新たにカッティングされたものです。どうやらチューリップ盤は古き時代の音仕上げのようで、ダイナミック・レンジを抑え込んであり、強奏部のブラスの豪快な響きがおとなしく丸められています。昔、国内に普及していたプレーヤーやフルレンジ・スピーカーでも再生し易そうな音?しかし弦楽のしっとり落ち着いた味わいなど全般にグラモフォンらしいサウンドに仕上がっています。
一方ヘリオドール盤はマスター音源に近いであろうHi-Fiサウンドに仕上げられていて、新時代のオーディオに合わせてあるようです。再生すると生々しい弦、太く豪快なブラスが凄い、高校時代の記憶が甦ります。フリッチャイの演奏を詳細に聴くにはヘリオドール盤、若しくはその後出た"グラモフォン・スペシャル"盤が良いでしょう。古き時代の味わいで聴くにはチューリップ盤、ということに。一方だけが良いとは決められません。
フリッチャイの演奏はあらためて言うこともないですが、スケールが大きく、強弱起伏とテンポの緩急変化がツボを得て、堪えられない、何度聴いても良いです。

このヘリオドール盤はまたノイズがひどかったので、今度こそダメージ盤か、と半ば諦め気分で水洗浄し、2回ほど針を通すとノイズは消えてきました、塩ビ盤は丈夫です。

category: ドヴォルザーク

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K.ベーム:ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」  

じつはL.バーンスタイン指揮イスラエル・フィルの「新世界」を取り上げようとしましたが、繰り上げてK.ベーム&VPOです。
1978年、ムジークフェラインでのセッション、ベームの晩年に近い頃ですね。老境のベームとVPOがどんな「新世界」を聴かせてくれるか。録音はかなり直接音の多いオケにぐっと近づいた感じです。

ベーム dov 9
ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」
カール・ベーム指揮
ウィーン・フィルハーモニーO
1978年 ウィーン、ムジークフェライン 大ホール


快調、スマート、な演奏じゃないのは予想どおり、今まで聴いたことのないタイプの演奏が繰り広げられる。
第一楽章、ビブラートを深くかけたVPOらしい弦でじわりと始まる、木管のハーモニーの中からウィンナobがツーンと突き抜けてくるのも他にはない雰囲気。主部は速くないが普通のテンポでしょう、熱気のある弦、timpの強打が飛び出す、直接音主体のため、あまり涼やかには響かない、チェロはゴリゴリ聴こえる、懐深い強弱、インテンポでぎゅっと引き締まった、骨格の強い表現で進む、クレシェンドするところは低弦が引っ張っていき、力感がある。木管や弦が歌う第二主題は穏やかだが表情は控え目。展開部は結構豪快に熱気をこめる。終結も若干テンポアップするものの、冷静さも失わず、ガチっと決める。
第二楽章、よくあるテンポ、遅くしすぎないのもベームらしい。イングリッシュ・ホルンが聴きなれた音とは一味違う、これもウィンナ・タイプがあるのだろうか?中間の短調ではvlは弱音器を付けているにもかかわらず、結構熱気を帯びる。祭りの旋律も落ち着いたテンポで開始、ブラスの加わる総奏も重厚。第二楽章もやはり老練というか武骨というか、そんな味わい。
第三楽章、遅めのスケルツォだが、ずっしり重量感と切迫感で押してくる、ゴリゴリ弾くチェロに続きtimpは爆音、これはハマってしまう;副主題もさほど緩やかな感じにはせず、芯が通った感覚、スケルツォが十分豪快なので対比はつく。
第四楽章が一番ベームらしい、じっくりとしたテンポ、がっちりとした構造感で押し通す、テンポもほぼ一定、しかし懐の深い強弱、弦は燃え上がるようだけど木管は意外に淡泊、ブラスは豪快、終結の熱気も冷静に整えて終わる。ゴツゴツしているがこの終楽章も聴くほどにじわじわと術中にハマってくる感じです。

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