Micha クラシックとリュートの楽しみ

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バッハ・コンセントゥス:Bach's Sonsの交響曲集  

ベルギーの古楽レーベルACCENTを手にするのは久しぶりです。最近はS.クイケン、ラ・プティット・バンドの新譜も出てきていますね。今日はエーヴァルト・デメイエル&バッハ・コンセントゥスによるBach's Sons交響曲集でヨハン・クリストフ・フリードリヒ、カール・フィリップ・エマヌエル、ヨハン・クリスティアンを集めた1枚。録音は情報量は十分あって爽快なサウンド。

bach sons sym

まず1曲目、フリードリヒの変ホ長調がいい、旋律の振りまわしなどややグルック風で明るく快調な第一楽章、反復なしの提示部に展開部が続き再現部はほぼ提示部と同じ、全体をさらりと聴かせる。弦楽のみの第二楽章は雅び、終楽章も快活なリズムで小気味よく冴えた楽章。

2曲目、エマヌエルのホ短調は弦楽のみの編成、これも現代ウケのよい曲ですね。程よい切れ味をもって演奏される第一楽章は切迫感があり、同じゼクエンツをこれでもか、というくらい押します、静寂になってフっと終わる。長調の第二楽章もねばりが強く、低弦部のトリルが力強さを出す。終楽章は付点リズムで切れ味よい。

3曲目、クリスティアンの変ホ長調、第一印象が先日のG.B.サンマルティーニの後期交響曲を彷彿とさせるところがある、快調な中にも小味の効いた第一楽章。第二楽章も装飾ぎみの旋律が使われ、表情豊か。終楽章のソナタ形式?の展開部、さすがにこの時期、さほどの内容は期待できないが、全体は小気味よく整っている。

4曲目、フリードリヒのニ短調、兄エマヌエルの多感様式の要素も入っている感じだが、心地よく魅力的な第一楽章、静寂にして終わる。第二楽章は弦のみで雅びな味わい。ニ短調の終楽章はロンド風、快活なテーマがいい。

5曲目、クリスティアンのト短調、モーツァルトの25番やハイドンの39番との関連性を言われるが、もっと濃密なエネルギーを感じる傑作ですね。第一楽章はホルンの唸りを伴い力強い主題で始まり、疾走する魅力。第二楽章も短調でなかなか深みを聴かせます。終楽章は再びホルンを伴う力強いテーマ、明るさも置き、後半はvlの鋭いトレモロとともに同じゼクエンツで転調、深みへ誘っていきます、再現部らしきものはなく、緊張の内に途切れるように終わる。まだ厳密なソナタ形式というのは整っていない時期でしたかね、シュターミッツが確立したそうですが。

つまらない曲は一つもなく演奏も良い、これからBach's Sonsを聴いてみようという人にはオススメですね。若いメンバーのバッハ・コンセントゥス、コンチェルト等も次々出してほしいところ。フリーデマンは別のアルバムで出るかも?

category: Sons of Bach

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J.C.バッハ:協奏交響曲  

Bach's sons、次はJ.クリスティアン.バッハ(1735-1782)の協奏交響曲です。
協奏風ソナタ形式はすっかり出来上がっていて、のちのモーツァルト協奏交響曲の原形となることもよく感じますね。アンソニー・ホールステッド指揮、ハノーヴァー・バンドはクリスティアン・バッハを精力的に録音しているようです。

j c bach sc

①協奏交響曲 変ホ長調 2vl&oboe
第一楽章、アレグロですがあまり急速感はなく、イタリア・シンフォニアらしいオケの前奏から始まり、2つのvlのみがソロを演じます。1st、2ndvlが交互に歌い継いだり、並行和声で重ねたり、オケが入ったりと進みます。短いカデンツァも演奏されます。
第二楽章、穏やかで優美な表情、モーツァルトも彷彿とさせます、ここではoboeのみがソロを演じます。楽章でソロ楽器が代るというのは初めて聴いた記憶です。oboeソロは哀愁の味わい。
第三楽章、ソロ楽器は再び2つのvlとなります。テンポ・ディ・メヌエットはあくまで優雅に、ソロ楽器同士のたたみ込むような掛け合いとか、オケのシンフォニックな響きとか、緊迫した魅力は求められません。

②ト長調 2vl&vc
第一楽章は快活な魅力があります。ソロは事実上2つのvlに2本のflが補助的に加わり、vcが続くという扱いです。各ソロ楽器が交互に、オケも間に入り、優美ですがあまり緻密な構成はありません。
第二楽章、2つのvlとvcが対等に歌い継ぎ、2本のflや弦楽が間に入ります。
第三楽章、テンポ・ディ・メヌエット、ソロ楽器の活躍パターンは前楽章と同じ。

③変ホ長調 svl&vc
この第一楽章もけっこう快調で楽しめるところがあります。2つのvlソロも洗練された感があり、歌い継ぎや絡みもよい、オケの和声が魅力的に入ります。
第二楽章、すがすがしい雰囲気、ここはvcのみのソロ、バックの木管が重ねるハーモニーが豊かさを添えます。
第三楽章、テンポ・ディ・メヌエットとはいえ、オケの前奏はけっこう快速感で運びます。2vlのソロはややテクニカルでけっこう巧みな掛け合いをします、オケ・パートが間に入り、次はどんなソロが聴けるか、というコンチェルトらしい楽しさで進みます。

クリスティアン・バッハ、どちらかというと、推進力や緊迫感をもった普通の交響曲が好きですね。

category: Sons of Bach

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J.C.F.バッハの交響曲  

Bach's sons、今日はヨハン・クリストフ・フリードリヒ・Bach(1732~1795)です。
バッハの末から2番目の男児、ハイドンと同年生まれという点も興味あるところ。音楽は最初父に学び、ライプツィヒ聖トーマス教会の附属学校に進む。作風は兄カール・フィリップ・エマヌエルの影響をうけた時期を経て、イタリア人作曲家や弟J.クリスティアンなどからイタリア・スタイルも身につけ、三楽章の交響曲を書き、後期には四楽章となってハイドンのスタイルに近いとのこと。
過去に入手して保留してあったCDを思い出して聴いてみました。
Burkhard Glaetzner:指揮、Neues Bachisches Collegium Musicum
1992年録音、BERLIN Classics

j c f bach sym

1.Symphonie Bs-dur HW 1/20
2.Symphonie Es-dur HW 1/10
3.Symphonie C-dur HW 1/6

1曲目、変ロ長調が4楽章の作品で第一楽章は付点リズムの荘重な序奏を持ちます、主部は颯爽とした第一主題で始まり、かっちりとした構成感はハイドンと共通する趣味を感じます。クラリネットを含む木管の活用が目立ちます。折り目正しく進む中、展開部にぐっと聴かせる閃きがあります。
第二楽章はロンド形式ですが、変奏形式に代る位置づけで趣味はハイドンの緩叙楽章を彷彿とさせます。
メヌエットは装飾的旋律で親しみやすい、トリオでもあまり雰囲気を変えず、木管に歌わせます。
終楽章は弾むようなテーマのロンドで、ソナタ形式の枠組みはないようだが、後半に展開部に相当しそうな短調部分があり、ぐっと引き付けます。
J C F Bach: Symphony in B flat Major

2曲目変ホ長調と3曲目ハ長調は3楽章の作品で、ぱっと聴いた感じ、これらのほうが板に付いた作風に思えます。ジョヴァンニ・バティスタ・サンマルティーニに始まるイタリアのシンフォニア、さらにはグルックの管弦楽曲を思わせる、軽快で上品な急楽章、悲劇味をおびた短調の緩叙楽章はなかなかのもの。
Burkhard Glaetznerの演奏は堅実で弦楽が味わい深いです。

category: Sons of Bach

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J.クリスティアン.バッハ:鍵盤協奏曲d-moll  

大バッハの作品も好きですが、息子達、特にカール・フィリップ・エマヌエルと末っ子のヨハン・クルスティアンは素晴らしいですね。G.レオンハルトがいち早く、エマヌエルの鍵盤協奏曲の魅力を聴かせてくれたのはコレギウム・アウレウム合奏団とのニ短調Wq.23でした、もう聴いてゾクゾク。後にレオンハルト合奏団で同曲を録り直しています。C.P.E.Bach:Harpsichord Concerto in d minor, Wq.23
お定まりの路線上を進まない突如とした気分変化のある多感様式は前古典派期のドイツ圏に生まれた魅力的なものです。

今日は末弟、ヨハン・クルスティアンの鍵盤協奏曲を聴きました。
Anthony Halstead:Harpsichord The Hanover Band
j c bach 01

3曲、ニ短調、変ロ長調、ヘ短調と入っていますが、一曲目ニ短調を取り上げます。
クリスティアン、少年の頃、父バッハが亡くなり、兄エマヌエルにひきとられ、そこで教育もうけたわけで、これらの鍵盤協奏曲は当然、兄の影響が強く、多感様式の魅力が聴かれます。ベルリン時代の鍵盤協奏曲とされる作品群です。
J Christian Bach,Berlin Harpsichord Concertos
この第一楽章はほとんど単一主題のようですが、多彩に変化を聴かせ、兄よりも幾分明快な感じで、クリスティアン独特の短調作品の魅力もでているようです。演奏のAnthony Halsteadの快速で見事な指さばきも痛快です。
第二楽章は安らぎの中にも細やかな移ろいがあります。
第三楽章、緩やかに聴こえる弦楽の入りが意外、兄エマヌエルのWq.23第一楽章にあったテーマの一部も出てきたりします。
クリスティアンはやがてイタリアへ赴き、当地の著名な作曲家、ジョヴァンニ・バッティスタ・サンマルティーニなどに学び、まさに古典派らしい新しいスタイルを身につけます。バッハ家では珍しく国際的な活躍をしました。ロンドンで出会った少年期のモーツァルトに影響を与えたことでも知られますが、やはり、クリスティアン・バッハの魅力はイタリア・スタイルの作品ですかね、次はこのあたりを聴きます。

category: Sons of Bach

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