Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

コンチェルト・ケルン:ヴァンハル 交響曲集  

随分前に購入して行方がわからず、再購入しようかと思ったCDをようやく倉庫で見つた;
コンチェルト・ケルンによる、ヴァンハル 交響曲集。
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1996年 TELDEC 表紙は初盤のもの
コンチェルト・ケルンのリーダーであるヴェルナー・エールハルト(vn)やマルティン・サンドホッフ(fl)はその後も知られない古典派作品の優れた録音をピリオド楽器の新たなメンバーで出し続けていて、当ブログでも取り上げてきた、J.M.クラウスの交響曲も最初に出したのは彼らのようだ。

ウィーン古典派で、最初のフリー作曲家だったといわれる、ヨハン・バプティスト・ヴァンハル(1739-1813)、作風はどれを聴いてもまさに洗練されている、異風な味わいの曲はないが、常に冴えたスタイルを楽しませる。
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Johann Baptist Vanhal
当盤は5曲収録されているが、興味深いのは疾風怒涛期の短調作品が4曲入っていること、今日は聴き通して全般をまとめて書く、いずれの曲も楽章は3~4分代の簡潔なもの、急楽章にも旋律美をもった主題が使われ、喉越し滑らかな、心地よい曲が続く。
譜例は4曲目のイ短調(Bryan a2)第一楽章の始め、1st vnのパートだが旋律美があり、他のパートは和声的に急速なリズムを付ける、
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C.ケルンは適宜、スタッカートを加えている
ポリフォニックな書法は少ないようだが、展開部での劇的な聴かせ方も堂に入っている、再現部も簡潔ながら変化を聴かせる。
C.ケルンの演奏は速めのテンポできりっと締め、曲の持ち味がぐっと圧縮される、緩抒楽章のみflが入る曲が多く、前古典派的な雅びな雰囲気を湛える、ハイドンの疾風怒涛期:緩抒楽章のような夢想的な気分とは違うがわるくない。メヌエットの主題も洒落たものが揃う、終楽章は劇的に熱気を帯びた曲が多い、C.ケルンはキビキビ心地よい演奏で締めくくる。
なお、イ短調(Bryan a2)の終楽章だけはやや長めで(5:49)、展開部~終結までが充実した構成で、ハイドンの上を行きそうな内容だ。
最後に入っている、ホ短調(Beyan e1)は第一楽章の主題が特に美しく印象に残る、C.ケルンはホルンを効果的に高鳴らせる。
動画→Johan Baptist Vanhal Symphony E minor Bryan e1

1曲だけ入った長調作品、3曲目のハ長調"Sinfonia comista"(Bryan C11)はtrp、timpの入ったじつに活気心地よい典型と言える、透明なナチュラルtrpが効いて、C.ケルンは一段と痛快。
動画→Johan Baptist Vanhal Symphony C-major"Sinfonia Comista",Bryan C1
弦楽の各パートが対等で、隅々まで味わえる録音だ。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: J.B.ヴァンハル

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H.グリフィス:J.B.ヴァンハル 交響曲とvc協奏曲  

グリフィス指揮が続いてます^^P.ヴラニツキーの交響曲を聴いて以来、作品の良さを的確に引き出してくれる、いずれも期待に応える演奏です。そこでヴァンハルも1枚聴いてみたくなりました、内容は以下の3曲、micha

ヨハン・バプティスト・ヴァンハル(1739-1813)
1. 交響曲 ハ長調 Bryan C9
2. チェロ協奏曲 ハ長調 Weinmann IId:C1
3. 交響曲 ホ短調 Bryan e2

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イストヴァン・ヴァルダイ(チェロ)
ハワード・グリフィス(指揮)、カメラータ・シュヴァイツ
2010年録音 cpo


交響曲ハ長調 Bryan C9
3つの楽章の作品、第一楽章 Allegroはわりとゆったり感覚で両主題とも、ちょっとひねった表情で気品がある、展開部は短いが味わい深いものとなる。再現部は型どおり、簡潔なソナタ形式でさらりとした楽章。
第二楽章、Cantabile ヴァンハルらしい旋律美で小ソナタにまとまっている。
終楽章、Allegro moltoは快速でハイドン初期の傑作急楽章のような(21番あたりの)切れ味と密度感を聴かせる、グリフィスも心得た演奏だ。

チェロ協奏曲ハ長調 Weinmann IId:C1
ヴァンハルはvn協奏曲も魅力だったが、vc協奏曲は・・
第一楽章、Allegro moderatoはtrp、timpを加えた編成で輝かしい前奏が始まる、健康美の良い楽章だ。前奏は短くチェロが入る、オケの弦が二重協奏曲のように寄り添って和声を聴かせるところもいい。イストヴァン・ヴァルダイのチェロは艶やかな美音で重音奏法も力んだところがなく鮮やかに決める。
第二楽章、Adagio 磨かれたセンスの旋律美、vcソロは美しい流れに気品ある装飾的な動きを散りばめる。
終楽章、Allegro ハイドンのvc協奏曲No.1を思わせる、vcソロがテクニカルでキレキレの白熱した楽章だ、これは予想外の魅力でじつに良い、ヴァルダイとグリフィスが痛快に決める。

交響曲 ホ短調 Bryan e2
先日のハ短調とともにこれも傑作の短調交響曲だ。
第一楽章、Allegro moderato 緊迫感と流麗な美しさを併せ持つ、展開部では第一主題の変形がなんとも魅惑的な響きを聴かせる。グリフィスは適切にぐっと力感や推進力を持たせ、つぼを押さえて聴かせる。
第二楽章、Cantabile 弦のみによる小ソナタ、ハイドンの疾風怒涛期の緩抒楽章の深く引き込む魅力に対し、こちらは旋律美で優位に立つと言えようか。
メヌエット ma un poco allegretto ホ短調の憂いを帯びた主題はハイドンにも聴かれるタイプだ、トリオは穏やかな温もり。
終楽章、Allegro リズミカルなロンド風主題、簡潔なソナタ形式だが、緊迫した部分では自然発生的に?運命の動機のリズムパターンが現れる。

category: J.B.ヴァンハル

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K.マロン:ヴァンハル 交響曲集vol.3より ハ短調  

ヨハン・バプティスト・ヴァンハルもかつては知られざる作曲家でしたが、近年復活してきた代表的な古典派の一人で、録音物も多いです。micha
古典派の短調交響曲は緊迫した動機で始まるものが多く、試練、熱情、幻想、といった感覚が強く、あまり悲哀的ではないと思いますが、いつも決まった様式できちんと書いている作曲家達も短調では内面性が出るような気がして興味深いです。ヴァンハルの交響曲 ハ短調 (Bryan c2)も傑作の一つかと思いますが、全楽章が短調で書かれていて、ハイドンの疾風怒涛期の作品と比べると流麗に運び、旋律が印象に残りやすいです。
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ケヴィン・マロン(指揮)、トロント・カメラータ
録音:2004年1月 カナダ,トロント,グレイス・チャーチ・オン・ザ・ヒル


ケヴィン・マロン指揮のNAXOS盤第3集で、4曲入ったうちの2曲目、
交響曲 ハ短調 (Bryan c2)
第一楽章、アレグロ モデラート 弦でさらりとした動機が開始、trp、timpが加わりどっしり確定する、第二主題らしいものが現れないのはハイドンの「告別」と同じ手法か、展開部は凝った書法はないが第一主題の転調で押していく、終りの不協和を使った幻想感がすばらしい、再現部は短縮されすっきりと終わるが、後半も反復される。
第二楽章、アンダンテ 短調でさらりとしているが優美な主題、短めだが幻想的な魅力も入れてまとめる。
メヌエット、モデラート これも撫で肩で優美な主題のメヌエット、flと弦楽によるトリオは雰囲気をあまり変えない。
終楽章、timpを伴った小刻みで切迫する主題で始まるが、あくまで流麗、快調な運び、展開部の作りは第一楽章に似ている、比較的小じんまりと出来た曲だが、美しく均整のとれた短調交響曲として逸品ではないだろうか。

ほか、カップリングされた3曲目、交響曲 変イ長調 (Bryan Ab1)の第一楽章は前古典派的な雅びな感覚で魅力、全楽章ホルンが活躍するコンチェルト風のところも聴きどころ。小じんまりした作品が多いヴァンハルだが、1曲目に入った交響曲 ニ長調 (Bryan D2)など展開部を持たない小ソナタで非常に短いが、溌剌として心地よい。最後に入った交響曲 ト長調 (Bryan G6)はやや長大でじっくりした内容を持ち、展開部もハイドンに迫る内容だ。

category: J.B.ヴァンハル

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西崎崇子:J.B.ヴァンハル ヴァイオリン協奏曲集  

NAXOSが企画した18世紀の音楽シリーズとしてJ.B.ヴァンハルの作品がいくつか取り上げられ、交響曲もなかなか楽しめるものでした。モーツァルトの主題のような大胆さはないけど、ウィーン古典派の常識的で一流のセンスを聴かせてくれるのがヴァンハルです。またヴァンハルは特定の雇用主に仕えず、史上初の?フリー作曲家だったことでも知られます。
録音はそう数多くは出ていないと思いますが、西崎崇子のvnソロ、H.M=ブリュール指揮、ケルン室内Oの好演で聴くことができます。micha
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西崎崇子:vn
ヘルムート・ミュラー=ブリュール指揮、ケルン室内O
2005年録音


1曲目、vn協奏曲ト長調(Weinmann Ⅱb:G3)
前期古典派風で穏やかな主題に始まる、アレグロ モデラートは何とも優雅な味わいで、前奏の第二主題が印象的で洒落ている、西崎崇子のvnソロは透明感を大事にした、作品に相応しい演奏、ブリュール指揮:ケルン室内Oも同様にすっきりと心地良い、作品はvnのテクニカルな聴かせ方をせず、各主題を美しく発展させ、過剰な要素なく端正に紡いでいく、
第二楽章アダージョ、ここでも古典派後期には聴かれないような、旋律の一つ一つが磨かれたような清涼な音楽で満たす、ハイドンの初期作品と同じ味わいだ。
そして意外なのが、第三楽章アレグロ、演奏時間が第一楽章より長く、主題は終楽章風でもあるが、内容はもう1つ"第一楽章"がある感じだ。じっくり前奏を聴かせ、ソロが始まり、協奏ソナタ形式を展開していく、改作して別の曲の第一楽章にしてもおかしくないような。

2曲目、vn協奏曲ト長調(Weinmann Ⅱb:G1)
この曲は各楽章の構成が常識的だ、第一楽章からⅡb:G3以上に雅びな雰囲気を湛え、誰が聴いても「いい音楽だ」と心和むだろう、展開部も白熱はしないが、程よく踏み込む。
第二楽章、アンダンテ、期待どおり、前奏といいソロといい、清涼な音楽、ソロvnの重音奏法にオケのvnの和声が重なり美しい。
第三楽章、やや活気を持つアレグロ、ソロもここで装飾的な切れ味の心地よさを聴かせる。

3曲目、vn協奏曲変ロ長調(Weinmann Ⅱb:Bb1)
前期古典派風ではあるが、前の2曲とはちょっと趣きを変える、この曲はモーツァルトがソリストとなって演奏されたという記録があるそうで、確かに、ちょっとモーツァルトが好みそうな感じかもしれない?
第一楽章アレグロ モデラート、主題が印象的で、vnのソロも表情豊か、一段とvn協奏曲らしい出来栄えに思える。展開部もこの曲が最も踏み込んだ味わい。
第二楽章、清涼、穏やかな中にテクニカルな部分もちらりと置く、
第三楽章、アレグロ、ここらでハイドンのチェロ協奏曲No.1のようなキレキレの終楽章も聴きたいところだが^^ヴァンハルはあくまで優雅にいく、ソロvnが切れ味の魅力を聴かせるところは随所にある。

いずれも、もっと演奏されてよい曲だ。

category: J.B.ヴァンハル

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S.フランシスほか:ヴァンハル obと弦楽三重奏のための6つの協奏的四重奏曲  

久しぶりのヨハン・バプティスト・ヴァンハルの作品、ボヘミア出身のウィーン古典派、母国語ではヤン・クシュチテル・ヴァニュハルと読むそうです。フリーの作曲家として活躍した最初の人とも言われます。何を聴いても典型的なウィーン古典派の美質で整い、聴き辛いような曲がありません、逆に言えばもうちょっと灰汁の効いた踏み込んだ曲もほしいと思えてくるが、まあそれはハイドンとかクラウスが聴かせてくれるので。

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ヨハン・バプティスト・ヴァンハル (1739-1813)
オーボエ四重奏曲(協奏的四重奏曲)
No.1ヘ長調、No.2変ロ長調、No.3ト長調、No.4変ホ長調、
No.5イ長調、No.6ハ長調
サラ・フランシス(オーボエ)、タゴア・ストリング・トリオ
録音:1999年1月18日-20日 helios (hayperion原盤)


6つの協奏的四重奏曲とあるように、これはハイドンの弦楽四重奏曲のような緊密な室内楽ではなく、コンチェルト風室内楽として楽しむもの。いずれも短い4楽章で12分~14分程度、こうした作品の規模も演奏の場や依頼主の意向が反映しているでしょう。さすがヴァンハルは旋律美の閃きが尽きないが、1曲ずつ個性が強いというわけでないので、まあ気に入ったのを抜粋して聴けばよいでしょう。
演奏はすっきりとした美音で奏でられ、作品の魅力はよく聴かせる。当演奏はob、vl、va、vcの編成だがobはflに置き換え可とのこと、obにとっては高域を吹くところが多く、そこは聴かせどころ。全般にobとvlの二重協奏曲の要素が多い。しかし快調で卒なくきれいな曲を次々とよく書けるもんです。
第1番ヘ長調は特に終楽章のロンドがob,vlの切れ味よい掛け合いと快速感が見事。
第5番イ長調の第一楽章は流麗でじつに快活、展開部も程よく聴かせるが深入りしない。第二楽章は短調とし、気分を変える、obとvlが美しい掛け合い、終楽章では少々ポリフォニックな部分も置き室内楽的。
第6番ハ長調も快活な楽しさで始まる、obのパッセージや高域の演奏は聞きどころ、展開部も短い中に魅力を収める、第二楽章、旋律美は洗練されている。終楽章、これも快調な推移、obがわりとテクニカルで協奏曲風、チェロも入り込んだ室内楽的な技あり。ただメヌエット楽章がいずれも温和で普通、わるくないけど。
しかし聴き始めたら最後まで聴いてしまう、モーツァルトのob四重奏曲にこっそり挟んでBGMで流しておいても、だれも不自然に思わないかも^^

category: J.B.ヴァンハル

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M.Barmert:J.B.ヴァンハル 交響曲、3曲  

今日は爽やかに古典派を聴きたい気分、そんなとき格好なのがヨハン・バプティスト・ヴァンハルですね。久しぶりに聴く、マティアス・バーメルト指揮、ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズによる、交響曲ト短調、ニ長調、ハ短調の3曲です。
ヴァンハルの短調交響曲はハイドンの疾風怒涛期作品のようなエネルギーあふれる作風と違い、常に流線型のメロディックな美しさを聴かせるところが他にない魅力。

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ト短調、第一楽章は弦楽でしっとり始まるほの暗い気分の第一主題だが快調、ヴァンハルらしい短調作品の魅力、対照的な長調の第二主題は明るさを満喫させる、展開部は第二主題を軸に優美な転調で進むが特に後半が魅力、再現部も変化を付け展開部に続けて魅了する。
第二楽章はオーボエ・ソロによるコンチェルト風の楽章だが、意外に単純な旋律を繰り返す、ここは奏者の装飾演奏を求めた楽章かもしれない。
メヌエットは短調にもどり、ヴァンハルらしい優美な主題、ハイドンならカノン仕立てにしそうなところ、ヴァンハルは普通にやる、トリオは再びオーボエのソロだが、ここはソロらしい旋律を奏でる。
終楽章、短調で第一楽章になりそうな内容、跳躍音形の追いたてるような動機で始まるが、すぐ長調に転じ、明るい第二主題が対比をつける。第一主題が軸の展開部、ここも転調の推移が魅力、再現部の充実も第一楽章同様の構成。

ニ長調、timp、tpを含む祝祭的交響曲、これはハイドンの作品に迫るがっちりした構成、ただバーメルトの当演奏は爽やかではあるが、もう少しテンポを速め、踏み込んだ表現をとれば密度が増すと思う、T.ファイならきっとそうするだろう。
第一楽章、ダイナミクスで開始するがぐいぐい迫るところは少ない、第二主題の繰り返しで、二度目に裏拍にビートを置きかえるのが面白い。展開部もじっくり進める構成、これまでの主題を転調、変化させて聴かせる。ハイドンほどの濃密な書法はないが、聴きやすく書く、というのも一方で求められるでしょう。コーダを設けて華々しく終わる。
第二楽章、歌唱的なテーマのアンダンテ、ヴァンハルの旋律の個性がちょっと他には聴き覚えない味わい。
第三楽章にアレグロを置き、終楽章にメヌエットを置くのが珍しい、アレグロではかなり祝祭的華々しさがあり、展開部は結構踏み込んだ醍醐味を聴かせる。終わったように休符を置いて、終結部の続きを始め、次の典雅なメヌエットへ繋がる、トリオではオーボエのソロが入る。

ハ短調、これぞヴァンハルならではの魅力、全楽章短調でtp、timpが入る堂々たる曲はあまり憶えがない、流麗だけど嫌味がない、ハイドンもモーツァルトもこういうタイプは書いていない。ここでのバーメルトの演奏はぴりっと気合いを感じるよい演奏。
第一楽章、ヴァンハルでまず思い浮かぶのがこの第一主題、となってしまうほど、短調で優美な動機、そしてtimpを伴った後半がぐっと引き締める、第二主題らしいものが聴かれず展開部へ、第一主題の展開、押しては返す転調、不協和音の響くクライマックスが素晴らしく、終結まで魅了する。
第二楽章、アンダンテ、二部形式で短いが第一楽章の気分を緩めず弦楽のみによる深い味わい。
メヌエット、ヴァンハルの個性が光る短調の優美なメヌエット、トリオは弦楽にフルートを重ねるがメヌエット主題とさほど雰囲気を変えない。
終楽章、アレグロ、切迫感ときれ味の良さが痛快、第二主題による展開部もカノン、転調の手法が効き、聴きごたえ十分、終結まで見事に引き付ける。

category: J.B.ヴァンハル

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ヴァンハルの交響曲集  

ヨハン・バプティスト・ヴァンハルは古典派時代、いち早くフリーの作曲家として身を立てた人で大変人気があったようですね。ウィーン古典派の標準的で洗練された作風に思います。
交響曲も60曲以上あるようで、ハイドンの初期~中期あたりの作品と同様に楽しめそうです。田舎風の旋律は出てきませんが。

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NAXOS盤の第2集(Andrew Watkinson:City of London Sinfonia)
3曲目のト長調(Bryan G11)、第一楽章は弦だけによる上品な主題の歌い出しがあり、ハイドン顔負けの溌剌とした全奏に入るのが爽快、展開部も凝った構成ではないものの、グッとくる聴かせどころがあります。透明感のある良い録音で楽しめます。
NAXOS第3集は、ケヴィン・マロン指揮、トロント室内Oによる、モダン楽器ピリオド演奏の名演です。
ハ短調(Bryan c2)は傑作ですね。(参考動画:Symphony C minor)ハイドンの短調交響曲の緊迫感で引き締まった感じより、もっとメロディックに運んでいく感じです、展開部もツボを心得ています。K.マロンはティンパニを堂々と打ち鳴らし重みをつけます。同盤3曲目の変イ長調(Bryan Ab1)はちょっと趣がかわり、第一楽章では少し古いグルックの管弦楽曲を思わせます、第二楽章は美しいホルン協奏曲となっています。
もう一つ、鈴木秀美指揮、Orchestra Libera Classica盤に入っている、交響曲ホ短調も非常に充実した作品です、カップリングされているハイドン第75番、モーツァルト「プラハ」が続いても遜色を感じません。

category: J.B.ヴァンハル

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