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Micha: Classic音楽・Lute・宇宙

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学の話など

黒い系外惑星  

2018年4月に打ち上げられた系外惑星探索衛星:TESSは太陽系に近いG型主系列星、K型型主系列星および赤色矮星(M型矮星)、合わせて約50万個の恒星を対象に、それらにある系外惑星を探査中である、惑星が恒星の前を通過した際の減光で捉える「トランジット法」だ、 
tess 01tess 02
系外惑星探索衛星:TESS、4つの広角望遠鏡を持つ
発見した系外惑星の一つ、「LHS 3844 b」はインディアン座、約48.6光年にあり、大きさは地球の1.3倍ほど、主星は暗い「M型矮星」である、
H R
HR図、ちなみに太陽はG型主系列星である
米・ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのLaura Kreidberg氏らは、スピッツァー宇宙望遠鏡でLHS 3844 bが発する赤外線を検出、この惑星は潮汐ロックで常に同じ面を中心星に向けている、観測結果は昼側と夜側の間で熱は移動しておらず、熱を運ぶ大気がない、表面が岩石の惑星と結論づけた、
主星に極めて近いため、主星の放射線や恒星風で大気は剥ぎ取られる。
ssc2019-14b_Inline.jpg
(上)地球から見たLHS 3844 bの動き、主星の周りを11.1時間周期で公転していて、定期的に主星の手前を横切る。(下)主星と惑星を合わせた光度の変化、惑星が主星の手前を横切る(3)と、光度が5%ほど暗くなる、また、惑星が主星の奥側を公転する間(6~12)は、「昼側」の面が地球から見えるため、わずかに明るくなる、このときの光度曲線の形から大気の有無を判定できる、【資料:NASA/JPL-Caltech/L. Kreidberg (Harvard-Smithsonian CfA)】
また、この観測によるLHS 3844 bの表面の反射率から、この惑星の表面は非常に暗く、玄武岩に覆われているとみられる、
LHS 3844 b
LHS 3844 bの想像図:表面は暗い色の溶岩が固まった岩石で覆われている、大気はないとみられる、【資料:NASA/JPL-Caltech/R. Hurt (IPAC)】
地球を廻る月も地球に潮汐ロックされているが、月の太古の火山活動で流れ出た玄武岩で「海」と呼ばれる黒っぽい部分が出来た、重力の影響が強い地球に面した側に海が多い、
moon.jpg
これと同じことが惑星:LHS 3844 bと主星:LHS 3844との間で起きているのではないかと推測されている、地球から見るLHS 3844 bの反射光は常に黒っぽい側の反射になる。

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アルマがとらえた「周惑星円盤」  

以前は数百光年彼方の原始惑星系円盤に惑星が作られる現場を捉えた観測画像に驚いたが、さらにその惑星に衛星が作られるであろう現場にまで迫っている。
先般も周惑星円盤の記事を書いたばかりだが、 
原始惑星系に「周惑星円盤」発見か
これはまだ推定的な内容だったが、アルマ望遠鏡の観測で明らかとなるニュースがあった、
観測されたのは6月に記事にした、
形成中の系外惑星を直接撮像
で挙げた、ケンタウルス座約370光年にある原始惑星系「PDS 70」で撮像された2つの巨大惑星に周惑星円盤が存在するのをアルマ望遠鏡が捉えたという前進したニュースだ、
20190607_201907271024390a1.jpg
今年6月、ESOのVLTが「PDS 70」に捉えた惑星の画像
ALMAimage_201907271337286ff.jpg
7/12発表、アルマ望遠鏡観測による惑星系「PDS 70」の塵の分布、○内が惑星の位置
資料: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO); A. Isella.

太陽系の木星や土星は多くの衛星を持っているが、巨大惑星は誕生時に周惑星円盤を伴い、これが衛星の材料になって、同じ血統の集まりとなる、
土星の多数の衛星も周惑星円盤から生まれたが、現在の大きなリングは別の出来事で、太陽系の歴史のごく最近、氷を多く含む天体が土星に周回しながら落下していき、土星の潮汐力で氷が粉々に砕けた結果だと考えられている、
Saturn-cassini.jpg
探査機「カッシーニ」撮影
今回のアルマ望遠鏡の観測では原始惑星系「PDS 70」に既に発見されていた2つの惑星の周りに、0.1mmほどの小さな塵が放つ電波をとらえ、ESOのVLTの可視光、赤外線観測の結果を合わせ、少なくとも外側にある惑星「PDS 70c」の周りに複数の衛星を作り出す質量の塵円盤があることが明らかとなった。
RGB-ALMA-VLA.jpg
PDS 70の疑似カラー合成画像、アルマ望遠鏡観測データの他、VLTによる可視光画像を水色、
赤外線画像を赤色で合成している【資料: ALMA (ESO/NOAJ/NRAO) A. Isella; ESO】

2つの惑星のうち、主星に近いほうの惑星PDS70bは、太陽~天王星の距離と同じくらいで、惑星の後方に塵の塊が尾のように繫がっている、これがどういう物で、惑星系にとって何を意味するのかはまだ分かっていない。
また外側の惑星PDS70cは主星から、太陽~海王星と同じくらいの距離にあり、質量は、木星の質量とほぼ同じ~10倍程度と推定される、もし質量が木星の10倍規模だったら、その周りには惑星サイズの衛星が形成される可能性もあるとのこと。

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原始惑星系に「周惑星円盤」発見か  

天体物理学で理論予測されていた事が観測で実証されていく、今回はその一歩手前かな、
原始惑星系円盤「うみへび座TW星」は距離194光年と近くにあり、ちょうど我々に極を向けていて、中心星は太陽と同じくらいの質量である、 
tw01.jpg
うみへび座TW星
7月3日、国立天文台がアルマ望遠鏡を用い、従来の3倍の高感度で原始惑星系円盤の電波強度分布を調べたところ、未発見だった小さな電波源を発見、
tw03.jpg
アルマ望遠鏡で観測した、うみへび座TW星の原始惑星系円盤の電波強度分布(資料:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), Tsukagoshi et al.)
これは惑星が形成される現場の可能性もあり、これを中心に長さ6億km、幅5000万km程の広がりがあり、円盤の回転方向に伸びている、この様子について考えられる可能性の1つは「周惑星円盤」を捉えたのかもしれない、中心には海王星サイズの惑星があり、周りをやがて衛星を作る塵とガスの円盤が回っている・・しかしそう考えるには、やや電波が強すぎるらしく、想定される円形ではなく楕円形なのが疑問という、
もう一つが、原始惑星系円盤に局所的にできた渦に塵が掃き集められている状態とも考えられる・・しかしそれが一箇所だけというのがまた疑問、まだ結論は出せないが、別の観測手法を合わせて解明していくそうだ、

「周惑星円盤」とは、原始惑星系円盤内でガス惑星がガスを捕えて成長する際に周囲にできる円盤で、木星や土星が持つ多数の小衛星(規則衛星)が作られる材料となると考えられる。
syuwakusei_201907051824116ca.jpg
001 b

一般に惑星は原始惑星系円盤の塵とガスが集まって形成されると大まかに言われるが、実際に惑星が生まれるプロセスを説明するには難しい問題がある、という件について過去に書いた、
Fig3_20190705103445aa6.jpg
過去記事:惑星系のでき方

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形成中の系外惑星を直接撮像  

理論的に予測された天体を"直接撮影した"と言えばM87銀河のBHが最大級のニュースだったが、近年は他にも続々と報告される。
これまで、原始惑星系円盤に惑星が形成されつつあると思われる場所に円盤の隙間がいくつか観測されてきたが、これも極めて高い解像度が必要だ。 
20181223.jpg
アルマ望遠鏡撮影
6月、オランダ・ライデン大学のSebastiaan Haffert氏らが、ESOのVLTを用い、ケンタウルス座約370光年にある、中心に矮星をもつ原始惑星系「PDS 70」を回る2つの系外惑星の撮像に成功、1つの惑星系に複数の惑星が直接撮影されたのは2例目となる、
20190607.jpg
PDS 70b(左下)とPDS70 c(右上)、十字印が中心星PDS 70の位置 資料:ESO and S. Haffert (Leiden Observatory)
今回のPDS 70系の撮像は原始惑星系で成長しつつある惑星としては初めてとなる、
この内の1つ、PDS 70bは2018年7月に捉えられており、質量は木星の4~17倍と見られ、公転半径は太陽~天王星と同じくらいで、公転位置は円盤の隙間の内縁に近い、
PDS70 you
you tube:Zooming in on the orange dwarf star PDS 70 and its newly discovered planet
今回、PDS 70bに加えPDS 70cが同時に撮像された、PDS 70cは木星の1~10倍と見積もられ、公転半径は太陽~海王星よりやや遠く 円盤の隙間の外縁近くにある、
pds70 b c 02
PDS 70系の想像図、惑星は若い中心星を取り巻く原始惑星系円盤からガスを降着させながら成長中で、惑星の重力によって円盤内に大きな隙間ができている 資料:J. Olmsted (STScI)
またSDS 70bが2回公転する間に、PDS 70cが1回公転する軌道共鳴の関係もわかった、太陽系の木星と土星も軌道共鳴の関係にある。

一つの惑星系で複数の惑星が直接捉えられたのはペガスス座約129光年にあるHR 8799系が1例目で、4個の惑星が動画撮影された、ケプラーの法則、ニュートン力学どおりに動いている、
HR 8799 you
you tube:Video of FOUR directly-imaged EXOplanets orbiting the star HR 8799
中心星の光はコロナグラフで遮ってある、いずれも木星を大きく上回る大きさで、中心星からの距離も15~68AUと離れているため撮像を可能にしている、
以上は惑星系の形成仮定の研究において貴重な観測データとなる。

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距離2700光年の恒星:大きさ測定  

我々の肉眼はもちろん、大型望遠鏡でも遠い恒星は視直径ゼロの点にしか見えない、HSTなど高解像度望遠鏡でようやく、ベテルギウスやアンタレスなど近傍の巨星の姿を実視観測できるようになった、 
eso1726a 2
アンタレス eso/VLTI撮影(距離:約550光年)
20180123 almaBetelgeuse 02
左:電波の眼で捉えたベテルギウス アルマ望遠鏡撮影(距離:約640光年)白い部分は周囲より温度が高い、
ベテルギウスがきれいな球形ではなく、瘤のある不安定な形をしているのもわかった。

もっと遠い星の視直径は測れないのか、
ドイツ電子シンクロトロン研究所では小惑星が恒星の光を遮る掩蔽現象の瞬間を捉え、距離2700光年という遠い巨星の大きさを測定した、測定には米・ホイップル天文台にある12m望遠鏡4台から構成されるシステム、VERITAS(ヴェリタスγ線望遠鏡)が使われた、
VERITAS.jpg
ヴェリタスγ線望遠鏡:ホイップル天文台
コップ座にある10等星の巨星「TYC 5517-227-1」を小惑星インプリネッタが遮る際の画像を毎秒300枚の高速で撮影、光の解析パターンからこの恒星の視直径が正確に測定できるそうだ、ほかの星の測定も行なっている、
TYC 5517-227-1 b
(資料:DESY, Lucid Berlin)
星からの光が水面の波紋のようなパターンを見せる、このパターンは光源の見かけの大きさに依存するので、回折パターンを捉えられれば星の視直径がわかる。
光の解析がマイクロメータの目盛のように、小さなデータを拡大して見やすくしているようだ、結果は0.125ミリ秒角(地球が0.125秒自転する視野角)で、「TYC 5517-227-1」までの距離2700光年から、実際の大きさは太陽の約11倍と計算された。
遠方の恒星でも、およその大きさなら天文衛星ガイアのデータによる、距離、明るさ、色などから推測はできる、実視観測ではないが、今回の「TYC 5517-227-1」等の観測は、遠い恒星の視直径を理論推測ではなく、直接捉えたと言えるだろう、
この測定法には小惑星等による掩蔽現象の稀な機会を必要とする。

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生物のおかげ  

先日、NHKのブラタモリを見て知ったのだが、フランス、パリの街の建造物には昔から石灰岩が使われている、建材の統一で街全体が美術品のように見える。 
paris.jpg
その石灰岩はパリの街の地下にあった、石材を掘り出すと聞いただけで大変そうだが; 遠くから運ぶよりはずっと効率的かな、地下には採掘坑の空洞がいっぱいあるらしい、
Limestone in paris
パリの一帯は太古の昔、海だったそうで、海底に堆積した貝殻が石灰質の層を作り、化石も多くみられる、地殻移動による強い圧力がかからなかったので、加工しやすい硬度の石灰岩になったとのこと、あのノートルダム寺院も石灰岩が使われていると思うが、屋根部分は木材なので先日の火災で焼け落ちてしまった。

また人類が文明を築くのに欠かせなかった鉄、
よく金床代りに短く切ったレールが使われるが、それだけで大変な重さである、世界中の鉄道のレールを集めて固めたら何tになるだろう^^;
jr.jpg
地球が原始惑星合体でできた頃は全体が溶岩状態で、鉄など重い物質は中心部に沈み込んでいった、その後表面が固まったあと、隕石が金属を地表に補充していったと考えられる、鉄は海水中に溶けていたが、光合成を行なう植物の祖先(シアノバクテリア)が現われ、地球に大量の酸素を作り出した、
Oscillatoria.jpg
シアノバクテリアの一種
これが鉄と化合して、酸化鉄となって海底に沈殿した、オーストラリアや北アメリカに多くある鉄の堆積鉱床はこのときの沈殿層で、植物が鉄を採取しやすく纏めてくれたことになる。
地球内部は活動しているので、これが隆起して陸地になったりする。
5_20171005.jpg
鉄鉱床
我々が燃料にしている石油や天然ガスも生物のおかげ、
地球はちょうど良い大きさと重力で太陽からの距離も絶好だが、さらに太古の生物が資源を使いやすく凝縮、人間文明のお膳立てをしてくれている、また月の存在も生物にとって重要である、地球の自転軸を安定させ、サンゴなども月の公転を感知して産卵の時期を知るとか・・
20171004.jpg
地球と月:小惑星探査機「オシリス・レックス」撮影、距離と大きさの関係がわかる拡大
こういう環境だから結果的に人間による地球型文明が造られたとも言えるが、特徴は太古の生物が不可欠だったこと。
同じような経緯をたどる惑星が銀河系にいくつあるだろう、地球1個だけ、と考えるのは不自然に思える、銀河系の恒星は1000億個とも数千億個とも言われる、はっきり見積もれないのは暗くて見えない矮星も無数にあるからだろう、その殆どに惑星があるようだ。

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EHT:ブラックホールの「実写」に成功!  

4月8日、記事にした、EHT:ブラックホール直接撮影成功か? の発表が予定どおり国立天文台から行われた、日本時間10日22時、世界同時発表である。
A.アインシュタインが理論的に予言し、観測は不可能に近いと思われたブラックホールの本体、光さえ抜け出せない重力の穴、事象の地平面がついに本当に撮影された。
理論や状況証拠から存在が確信できたとしても、実際に見るのと見ないのとでは大違いである、シミュレーションCGではなく"実写"なのだ!
eht bh 001
公開されたM87銀河の中心BH:実写画像(EHT)
人間の執念が果たした今世紀最高の快挙と言える、ブラックホールの存在を正に実証し、歴史的に極めて価値が高い、当然ノーベル賞級だろう。
詳しくは記者会見の動画でよくわかる、
EHT you
you tube:記者会見:イベント・ホライズン・テレスコープによる研究成果

撮影されたのは楕円銀河M87にある超大質量BHだった(いて座Aスターは解析中らしい)、
リング状の光(降着円盤の光)の中心に暗い影:ブラックホールシャドーがある、
【これは電波の眼で捉えた画像を可視化した画像、銀河の中心部は塵やガスに遮られて観測しにくいところだが、電波ならすり抜けて目標を見ることができる】
観測結果の信頼性も複数の解析手法と複数の観測日の結果を照らし合わせて一致することなど慎重に確認されている、また理論に基づくシミュレーション画像とよく一致するのも実に素晴らしいが、もっと想定外の奇妙な姿を期待したのも正直なところ^^;
m87 bh 02
左が実写画像、右が理論に基づくシミュレーション画像(フォーカスレベルを合わせた状態)
また改めて、M87のジェットがこの超大質量BHのとてつもない重力を振り切って吹き出しているメカニズムは?という謎が生じた。
bh my筆者作画
観測手法が確立され、これからもっと高解像度で動画としても見られるようになる見込みだ。

このブログを初めてから数年の間に幾つも、宇宙・科学の歴史的成果があった、ヒッグス粒子の検出、冥王星の接近撮影、重力波の検出など記憶に新しい、
M87 EHT 02
周りの物質(降着円盤)もBHの自転の向きに高速回転しているだろう、斜め角度のようだが、画面下の明るい部分が我々に向かってくる側だろうか。

BH直接撮影成功が新元号の年になるとは縁起が良いし、こういう事は人により感じ方は違うだろうが、これを知る時に生きていてよかったと思う。
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EHT:ブラックホール直接撮影成功か?  

ブラックホール(BH)は光を出さないので、そのものの姿は真っ暗だろうが、周囲から高速回転しながら引き寄せられる物質(降着円盤)の光の中にぽっかり黒い影(ブラックホールシャドー)が見えたら、直接観測したことになる、 
BH05_20190408104152e18.jpg
理論に基づく想像図の1つ
世界各地の電波望遠鏡をシンクロさせて、地球サイズ口径の望遠鏡に仕立て、超高解像度で、その姿を見ようという挑戦が2017年に立ち上がった、事象の地平線望遠鏡:EHT(Event Horizon Telescope)計画であるが、これは2017年6月にも記事に書いた、
過去記事:EHT:ブラックホール直接撮影に挑戦
その後の報告を心待ちにしていたが、いよいよこの観測結果を4月10日に各国のチームが一斉に発表するという予告が4月1日に報じられた(←4月1日ってのが紛らわしいが;)、
また翌日11日(木)に放送されるNHK:コズミック フロント☆NEXTでもこの関連番組が組まれているようだ、
NHK:コズミック フロント☆NEXT サイト
このタイミングで番組が製作されるってことは主要放送機関には既に詳細が知らされていて、報道は控えているとか?

撮影対象は我々に最も近い、天の川銀河中心のBH「いて座Aスター」と楕円銀河「M87」の中心にあるBHに絞られている、M87は遠いが、実視直径が大きい超大質量BHと予測される、
001_20190408152344e9e.jpg
いて座Aへ接近するガス雲G2の想像図と、接近時の挙動のシミュレーション(ESO)
you tube:Animation of objects orbiting the centre of the Milky Way

M87_jet_20190408104155aee.jpg
M87:距離6000万光年
BHは高速自転しているらしいが、いて座Aスターの赤道が天の川銀河面と一致していれば降着円盤を真横から見ることになる、M87は上の画像に合わせたジェットの吹き出す向きからして、こんな斜め角度になるのかな?
m87 bh c筆者作画
予想に近い姿か、まったく意外な姿か、ぼんやりでもいいので、黒い影?を見てみたい、
20170615 a
ドーンと素晴らしい成果を期待するが、ドーンと肩すかしにならないことを願いたい。
PS.期待に十分応える成果だった。

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132億光年の初期銀河に大量の塵  

空間も時間もない無からこの宇宙は生まれた、神が「光あれ」と言ったのはビッグバンの光か、それとも混沌の暗闇で初めて輝いたファーストスターか、どっちに該当するだろう^^
S.ホーキング博士は「無」では時間もなかったのだから神も何も出来ないと言う。
 
誕生後、まだ星のない真っ暗な宇宙には水素とヘリウムに微量のリチウムしかなかった、これらを材料に宇宙の初代星が誕生し、死とともに核融合で出来た重元素をまき散らす、これが次代星の材料となり、世代を重ねてきた。
アルマ望遠鏡の観測で132億光年の距離にある遠い銀河に大量の塵と酸素が発見された、距離はそのまま132億年前を現わすが、観測されたのはエリダヌス座にある銀河「MACS0416_Y1」である、太陽の400万倍に相当する塵や酸素が確認されたそうだ。
MACS0416 Y1 02
アルマ望遠鏡(赤:塵が放つ光、緑:酸素が放つ光)とハッブル宇宙望遠鏡(青:若い星が放つ光)がとらえた銀河「MACS0416_Y1」【資料:ALMA ESO/NAOJ/NRAO, NASA/ESA Hubble Space Telescope, Tamura et al.】
MACS0416_Y1の観測結果により、宇宙誕生の138億年前から僅か6億年で恒星の核融合で重元素が作られ、まき散らされ、星の世代交代が起きていたことになる。宇宙誕生から10億年以内にこれほど多くの塵が存在することは理論予想から大きく外れ、問題が大きくなった。
MACS0416_Y1では宇宙誕生後3億年経った頃、一旦星形成が落着き、そこから3億年後、再び新たな材料で再び星形成が活発化したと仮定して、この銀河内に生まれて3億年程度の星と、生まれたばかり(=132億年前)の星、両方が見つかれば今回の観測結果に整合するそうだ。
MACS0416 Y3
MACS0416_Y1の想像図、生まれて3億年程度の星とそれらの星の一部が一生を終えて放出した大量の塵や酸素等の重元素を含むガス、さらにそれらのガスから生まれた第2世代の若い星の集団が描かれている【資料:国立天文台】
偶然だが、中心部に3つの星の集団が描かれた想像図は「ヒミコ」に似て紛らわしい;

宇宙初期に近い遠方の銀河で、かつて「ヒミコ」(距離130億光年)が注目された、
himiko_201903211243377c4.jpg
赤方偏移Z=6.595で、ハッブル定数をH0=73km/s/Mpcとするとこれくらいの距離だ。
himiko ly
こちらで驚いたのは宇宙初期には不規則型の矮小銀河しか存在しなかったという常識を破るところ、ヒミコは大規模銀河で差し渡しは5万5千光年で天の川銀河の約半分にもなる、こちらには重元素を示す観測結果があったとは報じられず、初代星ばかりの集まりのように思われた、新情報が知りたいところ。
また「MACS0416_Y1」は赤方偏移とその規模(大きさ)が今回の発表では不明。

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天の川銀河の将来  

天の川銀河は局部銀河群に属し、アンドロメダ銀河(M31)、さんかく座M33と合わせ3つが大銀河であり、これらを中心に約50個の矮小銀河が集まっている。 
Local_Group_Diagram.jpg
局部銀河群
天の川銀河とアンドロメダ銀河は接近しつつあり、将来衝突合体してミルコメダ(Milkomeda)になるらしく、40億年後とも36億年後とも言われてきたが、最新の研究では約45億年後と、やや先になる見込みだそうだ。

米・宇宙望遠鏡科学研究所(STScI)のRoeland van der Marel氏らはESAの位置天文衛星「ガイア」はアンドロメダ銀河(M31)やM33の明るい星の動きも観測できることから、それらの星が銀河内をどのように公転しているか調べ、銀河の回転の様子を測定した、
M31_201903021014168b1.jpg
アンドロメダ銀河内の星の動き。黄色い矢印は、それぞれの位置にある星の平均的な運動の方向を表している。銀河の画像は紫外線天文衛星「GALEX」による【資料:ESA/Gaia (star motions); NASA/Galex (background image); R. van der Marel, M. Fardal, J. Sahlmann (STScI)】

さらに既存のデータを合わせると、M31とM33が過去と未来の数十億年間にどのように動いて行くかも三次元的にわかるらしい(どのような調べ方か具体的にはわからない)。
15776_motion.jpg
天の川銀河(青)、アンドロメダ座大銀河(赤)、さんかく座銀河(緑)の移動経路。〇印が各銀河の現在位置、>印は25億年後、X印は45億年後の位置(スケールバーの単位は100万光年)【資料:Orbits: E. Patel, G. Besla (University of Arizona), R. van der Marel (STScI); Images: ESA (Milky Way); ESA/Gaia/DPAC (M31, M33)】

この結果、アンドロメダ銀河は約45億年後、天の川銀河とすれ違い気味に接近し、最後に合体すると見られる、これまでは正面衝突してスターバーストが起こり、楕円銀河になるという見方だったが、この合体の仕方でその後の形状はどうなるのか?シミュレーション動画が作れるなら見てみたい。銀河は元々固有の運動方向を持っているので、重力で引き付け合っても正面衝突の可能性は低いとみるのが自然に思える。

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