Micha: Classic音楽とLuteの楽しみ

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学の話など

「リュウグウ」まで あと6日  

JAXAの小惑星探査機「はやぶさ2」が向かっている小惑星「リュウグウ」には6月27日に到着する予定。光学電波複合航法という技術で軌道制御しながら飛行している、リュウグウは直径約0.7kmで地球近傍天体(NEO)の中でも地球に衝突の可能性が高い部類で、衝突による影響も大きいとされる、探査機などが正確に目標へたどり着き、目的の作業をこなす技術はこの先、重要と思われる。
hayabusa2 you
you tube:「はやぶさ2」小惑星リュウグウまでの旅程
はやぶさ2が6月19日に捉えた330~240kmの距離からのリュウグウの映像が公開されているが、菱形のような形に見える、
ryugu.jpg
JAXA サイト
約7.6時間で自転しており、クレーターの位置の動きでわかるが、自転の赤道部分が張り出したソロバン珠のような形かもしれない?はやぶさ2はリュウグウに衝突体を当て、新たなクレーターを作り、タッチダウンで表面より内部の物質をサンプルリターンする予定だ。
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タッチダウン想像図

NASAの探査機「ドーン」が捉えた小惑星「ヴェスタ」も楕円の張り出した部分が赤道だった。
vesta 01
vesta 02
ヴェスタ 上:赤道から →動画 下:南極から
ヴェスタが形成された頃、溶岩状態で最終衝突の遠心力で張り出したかのように見える。
南極を中心に回転構造もあるように見える →拡大

2015年の冥王星探査機「ニューホライズンズ」のときもそうだったが、まだ遠方からのぼんやりした画像でも、大まかな姿が見え始めた時点からワクワクした。
Pluto_20180621085136b1f.jpgpluto 02
左:冥王星とカロン (ニューホライズンズ撮影)
そして最接近画像では予想もしなかった不思議な地形に驚いた、極低温で全てがカッチカチに凍りついた世界だと予想されたが、流動があったとは、本当に行ってみないとわからない。
リュウグウも意外なことがわかるかもしれない。
  *  *  *  *  *  *

PS.昨日の燕、
親鳥は遠くへは行かず、その辺を飛んでいる虫を空中捕獲して即座に雛に与えている、蚊のような小さな虫でも"数"でこなして育てている。
6 20 d 02
6 20 d 01

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中性子星合体:その後  

大質量の物体が高速で動くと周囲の空間を歪めた波が生じることを一般相対性理論は予言していた、いびつな形の大質量物体が超高速で回転すると時空に波紋を広げる、合体しつつあるBHや中性子星がまさにその状態で、きれいな球形にまとまると波紋を発しなくなる。
2017年8月17日、観測史上初の中性子星合体による重力波「GW 170817」が検出されてニュースでも大きく報じられた、中性子星合体による重力波
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中性子星合体想像図:ESO
米の重力波観測機「LIGO」や欧州重力観測所の「Virgo」が捉えたが、それぞれ単独の施設では、宇宙のどこかで重力波が生じたことはわかるが、どの方角から来たかはわからない、GW170817の場合、米のLIGOでははっきり捉えられたが、欧州のVirgoには殆ど反応がなかったそうだ、これは90°のL字型に設置された観測装置の"向き"が関わっていて、
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図1のような方向から重力波が来たら、左(鏡A)のほうの空間の伸縮が大きくなり、右(鏡B)との差が現われる、一方図2のように、左右の鏡のほぼ中央角度(45°)方向から来ると、左右に同等に影響が出るので差が現われない、この方向を基準に真後ろ、真横から来ても条件は同じで差が生じない検出不能の角度である、Virgoで検出できなかったのはこの死角に当る角度だったためと考えられる。この2つの状況から重力波の来た方角を計算により絞り込むことができた。史上初めて重力波を放った天体の光(各種電磁波)を望遠鏡で見るチャンスだった。世界中の望遠鏡が絞り込まれた領域に向けられ、各望遠鏡の得意機能を活かし連携して観測、うみへび座にある母銀河NGC4993(距離:約1億4000万光年)の中に発見した。
ngc4993_20180610134851f3e.jpgRedshift_201806101343484b1_20180610135133205.jpg
動画:母銀河NGC 4993とGW 170817
可視光線での残光は重力波検出から半日後、X線や電波での残光は9日経ってから検出された、NASAのX線衛星「チャンドラ」は数か月にわたってX線残光の観測を続け、その間X線が増光し続けていることがわかった、ESAのX線衛星「XMMニュートン」は重力波検出直後の4か月後、2017年12月29日から観測を始めたところ、X線の増光は止まっている様子だった。
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XMMニュートンで撮影された、合体後の中性子星(左上丸内)とその母銀河NGC 4993(右下丸内)のX線画像【資料:ESA/XMM-Newton; P. D'Avanzo (INAF-Osservatorio Astronomico di Brera)】
この合体によりBHが作られ、上下に吹き出すジェットが生じたとすると、今後X線は急速に暗くなっていくと予想され、ジェットが作られず、球形の火の玉状であれば、X線はゆっくり弱まると見られている、今後の観測で何が起きているかわかってくると期待される。

我々の身の回りにある、金やプラチナは中性子合体によってのみ作られる元素と考えられている。重い元素なので地球が生まれたときは内部の核に沈み込んでしまうが、その後の隕石落下で地表にももたらされた。

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ガイア:星団の家族写真  

恒星の一生を人の一生に置き換える説明がよくあるが、厳密には人とは違っていて、恒星は誕生後早くに一人前になり、安定した活動期間が長く続く、ある時期から急に老化する、 
天文の本を開くと必ず載っているのがヘルツシュプルング・ラッセル図(HR図)
HR_20180605104226a2d.jpg
HR図
右下から左上に伸びる中央のラインを主系列星と呼び、ラインのどの位置に入るかは生まれた時の質量で決まる、質量が大きいほど左上になり、寿命は短い。
原始星の段階を終え、水素の核融合が安定してエネルギーを放つようになると主系列星になり、質量の非常に大きな星は高温で青く輝き(青色巨星)、質量の小さな星は低温で赤く輝く(赤色矮星)、太陽は中間くらいの黄色い星だ。
このような状態が安定して続き、寿命が近づくと燃料の水素を使い果たし、ヘリウムの核融合が始まる、内部の圧力が高まり星は膨張する(赤色巨星)、中心部から離れた表面の温度は下がり赤く輝く、HR図では主系列星のラインから外れ、右上に移行していく、そして超新星爆発を起こさない星(太陽の約8倍以下)はガスをまき散らし惑星状星雲を作る、中心部が残って図左下の白色矮星となる、小さいので暗いが温度だけは高い。

天文衛星「ガイア」は星の距離や動きだけでなく、星の色(温度)や明るさのデータも記録している、これまでに観測した47個の星団に所属する星々のHR図上の位置を個別に見られるようにしたesaのサイトが面白い、
Gaia's stellar family portrait(星々の家族写真)(下にスクロール)
初めにある下図は観測した各星団のデータを全て重ねてあり、様々な星が揃っている、
HR 01
このデータを小さな点にして、個別の星団の星を大きな点にして重ね、比較しやすくした図が11個の星団のサンプルで見られる、
現在を表示して下にスクロールすると、星の家族が年老いていく様子が見られる^^
プレアデス星団は若いだけに青色巨星も含まれ、現在は主系列に集まっている、
Pleiades_20180605104229233.jpg
Pleiades hr
プレアデス星団のHR図
スクロールでやがて主系列から外れ右上へ・・;
一方、きょしちょう座の球状星団NGC104は100億歳を超える年老いた星ばかり、HR図ではどれも右上へ移行しつつある、スクロールしても進まないようだ、
47tuc_20180605104232107.jpg
ngc104.jpg
球状星団NGC104のHR図
まさに星団の家族(兄弟星)写真、
このスクロール画像はオランダのJan Willem Tulp氏がESAと共同で制作したもの、過去にも天文衛星「ピッパルコス」のデータを元に興味ある画像を製作している、
esa.jpg
esa:Star Mapper
"Motion"を開くと星の固有運動が動画で過去にも未来にも見られる。
(ポイント&スクロールで全天の方角が見える)

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レーザー星雲  

古くからSFものには"何とか光線"というのが出てきて、現実の光線である「レーザー」が元になっているようだ、とにかく光線を発射すればどうにでもなる^^中には"冷凍光線"という負のエネルギー?と言えるものもあったが、現在はその負のエネルギーも検出されている。 
レーザーとはいっても「拡散せずに収束したまま進む純粋な光」、という程度で詳しくは知らなかった、まずレーザー光は可視光のほか、赤外線、紫外線、X線等でも発生させられる、
Lasers 01
レーザー発振器は、キャビティ(光共振器)と、その中に設置された媒質、および媒質をポンピング(電子をより高いエネルギー準位に持ち上げること)するための装置から構成される、キャビティは典型的には、2枚の鏡が向かい合った構造を持っている。
Laser 02laser.jpg
波長がキャビティ長さの整数分の一となるような光はキャビティ内をくり返し往復し、定常波を形成する。なお、先述の媒質には固体、液体、ガス、半導体などいくつかあり、固体ではルビー、サファイアなど結晶体が使われるのはよく聞く。CDプレーヤーの読み取りレーザーは半導体で作られる。(参照:Wikipedia)

このようにレーザーは人工的な装置を用いてのみ作られる光と思っていたが、赤外線のレーザーを発している星雲があるらしい。「アリ星雲」とも呼ばれる双極型の惑星状星雲:Mz3は連星をなす片方の星が死を迎え、白色矮星となり放出したガスがもう1つの星の影響で双極方向に絞られている(因みに太陽のような単独星は死後、球状の星雲となる)。
ari.jpg
HST撮影による「アリ星雲:Mz3」【NASA, ESA and the Hubble Heritage Team (STScI/AURA)】
ESAの赤外線天文衛星「ハーシェル」による観測でこの星雲の中心部から強力な赤外線レーザーが放たれていることがわかった。"水素再結合線レーザー放射"という、非常に珍しいタイプの放射になるそうだ。この発生には星の近くに非常に高密度のガスが必要で、アリ星雲の両極に拡がるガスの1万倍必要とのこと、星の近くにガスが凝縮する唯一の方法は、円盤を形成して星の周囲を回ること、中心の白色矮星を廻る伴星から流入するガスによる円盤だが、ここに"向かい合う鏡"など存在しないと思う、それに代わる構造があってレーザーが発生するのか?詳しく知りたいところ。

PS.地上望遠鏡の補償光学装置には不可欠なレーザービーム
ESO.jpg

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逆走:帰化小惑星  

太陽系も星団の中で誕生したが、その星団はかなり密集していたと考えられている、それだけ規模の大きな星雲で生まれたことになる。
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初期の太陽系の星空は近接した恒星が多数輝く賑やかなものだったろう、
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初期の地球の夜空:想像図
大質量の星は超新星爆発で早くに無くなるが、残った兄弟星は今どこに居るのか、太陽が銀河系を公転する同じ軌道上に前後に引き延ばされた状態で散逸していると考えられ、軌道の前や後ろを探せばよいが、兄弟星の候補が僅かに見つかっている。
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天の川銀河、黄色の軌道が太陽
密集した星団では互いの固有運動で頻繁に接近することもあり、そのとき従えていた小天体の交換もあり得た。
2015年に発見された小惑星「2015BZ509」は木星に近い軌道を持ち、他の太陽系天体とは逆向きに公転していた。
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巨大双眼望遠鏡(LBTO)がとらえた小惑星「2015 BZ509」(黄色い丸の中)(資料:C. Veillet / Large Binocular Telescope Observatory)2015BZ509 動画
公転軌道を詳しく見ると下図のとおり、
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↑木星軌道の南極から見上げた図、中心の点が太陽、緑の円が地球軌道、赤丸が木星で黒い円がその軌道、2015BZ509の軌道は木星の軌道面より上にあると青、下にくるとマゼンタで表す、*摂動のために軌道が変化して、1回の周回での終点は一致しない。
(*摂動:力学系において、主要な力の寄与による運動が、他の副次的な力の寄与によって乱される現象)
JupiterRetroAsterSideView_20180531115517c8a.jpg
↑木星軌道の赤道から見た図

仏・コート・ダジュール天文台 Fathi Namouni氏らは太陽系内で惑星形成が終わった頃にあたる約45億年前にさかのぼるシミュレーション研究を行った結果、太陽系起源の小惑星に逆走はあり得ず、別の恒星系が接近した際に重力で取り込まれた小天体と考えられている、
探査機を送るのが可能なら興味深い小天体で、サンプルリターンしたいところ^^物質組成からも"系外天体"と確認できるかもしれない?
2017年9月、太陽系に接近した系外小惑星「オウムアウア(1I/2017 U1)」がニュースとなったが、これは一度きりの訪問で遠ざかる運命だった。
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オウムアウア(1I/2017 U1)

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ダークバリオン  

今日も心地よい風が吹いている、慌ただしい4月病にはかかるけど、5月病にはかからない、
一番心地よい時季ではないだろうか、今月も忙しいけど、ま、なんとかなるだろう、
今日は地上の事などどうでもよくなる宇宙の話、
 
宇宙は何らかの物質やエネルギーで空間が満たされているはず。ダークマターもダークエネルギーも今の宇宙論で、無いと説明がつかないという仮想の存在で正体は確認はされていない。さらに「ダークバリオン」という聞き慣れない名がある、バリオンとは我々が検知できる通常の物質のことである。水素、ヘリウムから重元素、ニュートリノまで全てである。ビッグバンで始まったとする宇宙論では宇宙の構成要素はおよそダークエネルギーが73%、暗黒物質(ダークマター)が23%、残り4%が通常の物質(バリオン)となる、
barion.jpg
しかし、近傍宇宙の銀河を観測すると、通常物質は予測される量の3分の1しかない、我々の天の川銀河も半分以下しかないらしく、上の円グラフの4%とされる部分が実際の観測では満たされないそうだ。 *遠方銀河(初期宇宙)では満たされるらしい
Hubble_Extreme_Deep_Field_20180514110847989.jpg
Hubble eXtreme Deep Field
この有るはずのダークバリオンは「ミッシングマター」とも呼ばれているが、これらは何処へ行ってしまったのか?
質量があるはずなので、銀河の周りに集まってくるのが自然だし、ダークマターではないので、検知も可能なはずだ。銀河を取り囲むハローに存在するだろうという予測でX線による観測が行われたが、あまりに希薄なデータで背景宇宙のX線と区別しにくいそうだ。
米・ミシガン大学のJiang-Tao Li氏らはESAのX線天文衛星「XMMニュートン」で観測した複数の銀河のデータを重ね合わせ、平均的なデータを求めた、
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5つの銀河の観測データから作られた、銀河周囲のX線放射(紫)を示したイラスト【資料:ESA/XMM-Newton; J-T. Li (University of Michigan, USA); Sloan Digital Sky Survey (SDSS)】
従来より信頼度は高いと見られるが、これによっても、銀河のハロー領域にダークバリオンは無さそうだ、という結果だった。
何故存在しないのか?過去にはあったが超新星爆発や超大質量ブラックホールの影響で銀河の外に飛ばされ、散逸してしまった(初期宇宙ではまだそうなっていない)という見方もある。
大きな未解決問題として研究は続くそうだ。

人間がわかっている宇宙はほんとに氷山の一角で「何やら不思議なものがいっぱい見えるな」と言っていた、昔と大してかわっていない気がする^^;

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球状星団の距離を年周視差で  

遠い天体までの距離を知るというのには、それ自体に興味が湧くが、
4月11日、球状星団の距離が初めて*年周視差の計測で求められたと発表があった。
従来調べられていた距離は10~20%の誤差が見込まれていた。

具体的にどんな手法なのかわからないが、「空間走査(spatial scanning)」という方法でハッブル宇宙望遠鏡(HST)のカメラ、1ピクセルの100分の1に相当する位置変化を、1ピクセルの3000分の1の精度で計測できるそうだ、この方法は距離梯子の2段目となるケフェイド変光星の距離を正確に知るために考案された。
今回、米・宇宙望遠鏡科学研究所のTom Brown氏らはこの方法で我々に最も近い球状星団の一つ、NGC 6397の恒星40個の年周視差を調べた。
ngc 6397
NGC 6397
結果、距離は7800光年で誤差3%と求められた、球状星団の距離が正確にわかれば星の実際の明るさ、質量もわかり、年齢も推定できる、NGC 6397の年齢は134億歳であると発表された。宇宙誕生から数億年の頃、銀河合体で初期の天の川銀河もその頃に形成されたことになる。
なお、ESAの天文衛星「ガイア(Gaia)」は地球を中心に半径3万光年にある10億個の恒星の距離、光度、固有運動を計測していて、そのデータも合わせてさらに誤差を減らすそうだ。
Milky_Way04.jpg
ガイアの計測域は概ね黄色の範囲になる

*年周視差:地球の公転直径を利用して三角測量で距離を測る、同じ天体を半年後にもう一度計測して僅かな角度の変化を捉える、
gaia_20180504081907e75.jpg
遠い目標物の距離に対して三角形の底辺は長いほど精度が増すが、ガイアの精度は縮小して例えると「1ユーロ硬貨(2.3cm)程度の底辺で地球から月までの距離(38万km)が測れる」ということになる!
過去記事:銀河系の立体地図作り

追記:5月1日、「ガイア」の第2期データが公開された、これまでに13億個以上の星の距離や固有運動など立体データを集めている。
11798_allsky.jpg
*ガイアカタログの17億個の恒星データをプロットして作成した天の川銀河の全天図
拡大→ESA:Gaiaページ

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系外惑星探査衛星:TESS  

4月19日、NASAの系外惑星探査衛星:TESS(Transiting Exoplanet Survey Satellite)が打ち上げられた。今後、細長く廻る軌道へと変更、約2か月間、動作試験が行われる予定。 
NASAが2016年4月に「10年以内に地球外生命体の有力な兆候を掴めるはずです。20~30年以内には確実な証拠が得られるでしょう。どこを探すべきで、どう探すべきかは分かっていて、そのための技術もあります」と声明を出している、これもその計画の1つだろう。
(生命が居る証拠とは言っていない?存在しない兆候を掴むかも^^;)
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TESS:ファルコン9ロケットによる打ち上げ(NASA)
先代の系外惑星探査衛星「ケプラー」と同じく、恒星の前を惑星が横切る際の減光を捉えるトランジット法が用いられる。
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トランジット法
先代の探査衛星ケプラーは当初、はくちょう座の方向を集中観測していたが、姿勢制御装置の故障で向きを変えながらの観測に切り替えた、ケプラーの観測対象は300~3000光年の間で、地球サイズの惑星は赤色矮星の周りに多く発見されている(中心星が大きいと小さな惑星による減光は僅かで発見が困難)、
001 (1)
惑星の大きさは同じ
しかし赤色矮星はフレア活動(表面爆発)による放射線が激しい例が多く、ハビタブルゾーンが中心星に近すぎるため、地球のような生命には厳しすぎる環境と見られる。
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赤色矮星
今回のTESSは全天の85%が観測領域で、距離は30~300光年の近くに絞られ、ケプラーのときよりも30~100倍明るい星を目標とする、つまり太陽に近いタイプの恒星か。
中心星が明るければ、分光観測が可能で、惑星が横切る際に大気の成分など調べられる、ケプラーのときよりも踏み込んだ興味深い結果が得られるかもしれない。JWSTなど追加観測の望遠鏡もこれから充実してくる。
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TESS:イラスト(MIT)
これまで発見されてきた惑星は中心星のすぐ近くを巨大ガス惑星が廻るという例が多く、こうなっていると地球サイズの岩石天体が内惑星として存在できない、太陽系に似た惑星配置は他にもあるのかどうか?

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高速自転する接近小惑星  

JAXAの観測施設による3月12日と3月18日の観測データにより「2018 EZ2」「2018 FH1」の2つの地球接近小惑星が発見された、発見時の軌道決定によると EZ2は14日11時24分頃、地球から21万km(地球と月の距離の半分強)まで接近していたとわかった、FH1のほうは15日19時頃、地球から132万kmまで接近していた。
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2018 EZ2の軌道(資料:JAXA研究開発部門リリースページ)
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赤い円囲いが2018 EZ2(資料:JAXA、撮像JSF/JSGA)
いずれも軌道を把握し、地球へ最接近の日時ががわかったのは後になってからである;
これらの小惑星の直径はいずれも約20mと推測されている、2013年にロシアに落下したチェリャビンスク隕石とほぼ同じとみられ、遠方にある段階で発見するのは困難のようだ。
*因みに事前に捉えた例として小惑星2015 TB145(通称:ハロウィン小惑星)があるが、直径は約600m、最初の発見は2015年10月10日、地球への最接近は同年10月31日17:01で地球と月の距離の1.27倍まで接近した。
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動画:2015 TB145(アレシボ天文台、レーダー画像)

今回のEZ2の特徴は 明るさが、172秒という短時間で変化を繰り返すことから、高速自転しているとわかった、光度変化は1.7:1の割合だそうで、これもEZ2が細長い形状で、向ける面の変化によると推測される。
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2018 EZ2の自転に伴う光度変化のグラフ、横軸は1周期(約172秒)に対応(資料:JAXA宇宙科学研究所リリースページ)
これほど速い自転にも関わらず遠心力で分裂しないのは強い構造を持っていることになる。
動画:小惑星2018 EZ2の動き(JAXA)

危険天体接近への対策はいろいろ考案されている、これほど高速自転する小天体には高いジャイロ効果が生じて自転軸の姿勢は安定するが、衝突体を上手く当てれば、ベーゴマと同様にはじかれ、軌道をずらすことは可能ではないだろうか、
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小惑星が図の方向(時計廻り)に自転していたら、衝突体は右寄りの位置に当てるのがいいのかな^^?

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ダークマターのない拡散銀河 <追記あり>  

また遠い宇宙に目を向けてみよう、かつて星の大集団、銀河は「島宇宙」とも呼ばれ、銀河団という大集団も形成しながら、どこまで拡がるかわからない宇宙を埋め尽くしているらしい。 
nasa you tube
我々の居る天の川銀河のように、これまで全ての銀河には目に見えない物質、ダークマターがあり、銀河質量の9割以上を占めていると考えられてきた、さらにダークマターはその重力で星や物質を集め、銀河の形成に欠かせないとされてきた、麺のツナギのようなもので、これが無ければ粉は散らばっていく;
Milky_Way.jpg
天の川銀河:想像図
しかし、米・イェール大学の研究チームがダークマターが殆どない銀河を観測から発見した。
イェール大学のPieter van Dokkum氏らはDragonfly Telephoto Arrayという独自開発の望遠鏡で非常に淡く、暗い天体の観測を続けている、NGC 1052-DF2という暗い銀河はくじら座方向、約6500万光年にあり、巨大楕円銀河NGC1052を中心とする銀河群に属し、「-DF2」はその一員を意味する。
ngc 1052 df2 01
HSTで撮影されたNGC 1052-DF2【資料:NASA, ESA, and P. van Dokkum (Yale University)】
NGC 1052-DF2は天の川銀河と同じくらいの直径(約10万光年)を持ちながら恒星の数は200分の1ほどしかない、スカスカの銀河だ、同研究チームはハワイのケック望遠鏡を使い、NGC 1052-DF2に所属する10個の球状星団の運動を測定(球状星団は銀河の周りを衛星のように廻っている)、これら星団が秒速10.5km以下という速度を示した。その運動速度からこの銀河の質量(重力)を計算すると太陽質量の3億4000万倍程度と小さく、目に見えている恒星の質量だけで殆ど成り立っている、
ngc 1052 df2 02
赤囲いが球状星団
通常の銀河のハロ領域に恒星や物質が拡散しているようで、密度が低く、後方の銀河が楽々と透けて見える、HSTなどでさらに詳しく観測したところ、NGC 1052-DF2には渦巻銀河に見られるバルジや渦巻腕、円盤構造もなく、中心に大質量BHを持つ様子もない、さらに他の銀河と過去に相互作用をした痕跡もないとのことだ。
*仮に高密度に集まっていたとしても、星の数、質量が少なすぎるので、不規則形の矮小銀河にしかならないのでは?
どのようにしてNGC 1052-DF2のような非常に珍しい銀河が出来たのか今はまったく不明で、いろいろ仮説が出ている段階だ。
NGC 1052-DF2の観測結果はダークマターがないとこうなってしまうという例としてダークマターの存在を逆に証明しているともされるが、通常の物質とダークマターとの関わり方には新たな謎が生じたと言える。
なお、先般のアンドロメダ銀河の質量でも書いたように、ダークマターの存在比率をどの銀河も同一に見てきたことも改める必要があるかもしれない。
*ダークマターもまだ仮想の存在だ。

PS.我々は天の川銀河を中心から外れた内側から見ているので、遠くの(真横から見える)銀河と似た様子で、ありふれた渦巻き銀河の中に居ることに気づきやすいが、NGC 1052-DF2のような特殊な銀河の中に居たらどうだろう?;
ngc 4565
左:天の川中心方向、右:NGC4565(約4300万光年)

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