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Michael: Classic音楽,Lute,宇宙

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学 etc

Cosmic distance:プロキシマケンタウリ  

太陽系に最も近い恒星プロキシマケンタウリに関わる興味深いニュースが2つあった、
Proxima_Centauri_2020070109131694f.jpg
プロキシマケンタウリには地球サイズに近いらしい惑星「プロキシマb」が2016年に見つかっていたが、ヨーロッパ南天天文台(ESO)の超大型望遠鏡VLTに搭載された分光器「ESPRESSO」を用いて高精度で視線速度を計測、プロキシマbの質量は地球の1.17倍という結果が出た。
Proxima-Centauri-b.jpg
プロキシマb 想像図:今までは地球の1.3倍ほどとみられていた、
中心星のプロキシマケンタウリはM型矮星でフレア(表面爆発)が活発でプロキシマbにはX線が大量に降り注ぐ、また中心星に極めて近い(地球~太陽の1/20)ため、潮汐ロックで常に同じ面を中心星に向けていると思われる、
よく目にする、プロキシマbの地上を描いたESOの想像画は、大気もあり、穏やかそうだが・・
生命がどうとか言うのは早計すぎる;
21485_proxima_centauri_b.jpg
大きさが地球とほぼ同じで何事もなければ大気や水を留めておく重力はあるだろう、
しかし中心にあるのがM型矮星なのが問題、中心星がクシャミをするたび、大気は吹き払われている可能性がある;

もう一つのニュース、
冥王星ほか太陽系外縁天体を探査しているニューホライズンズは現在、地球から約70億km(光で6.5時間)の位置を飛行中である、ニューホライズンズには長距離望遠鏡カメラも搭載され、遠方の星の画像も送ってきている、今回NASAによって約4.2光年離れたプロキシマケンタウリを地球からとニューホライズンズから見た方位の違い(視差)の様子が公開された、
21732_stereo.jpg
青が地球から見た位置、赤がニューホライズンズから見た位置
NASA動画:プロキシマケンタウリ

同様に近傍の恒星ウォルフ359(約7.9光年)の画像も公開された、
NASA動画:ウォルフ359
いずれも背景の星々は遙かに遠いため動いて見えない、

因みに位置天文衛星「ガイア」は地球の公転直径2.99億kmを三角形の底辺に利用し精密な視差角測定で恒星の距離を測っている、
gaia_20180504081907e75_202007011029107ad.jpg
今回は地球とニューホライズンズの間、70億km(=0.00074光年)を底辺とした視差の様子で、初めて人間の成した技で恒星間の距離を実感したことになる。
Proxima Centauri 2

PS.バーナード星(約6光年)のように太陽系に対する固有運動の大きい星は数年置きの撮影で位置が変わっていく・・Wikipedia動画:バーナード星の固有運動

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存在の謎  

今日は空想にふけった無駄話で恐縮; 
我々は気が付いたらこの世界に生まれていて、地球というなにやら大きな球体の上にいる、夜の空は光るものでいっぱい、とてつもなく広がった空間がある、毎夜空を見れば「無限」とはどういう事か、という謎に直面する。
HUDF_20200508093728e45.jpg
この空間やら天体、物質とかは何故あるのか、何故なにも無しじゃないのか、
現にこうして存在しているのが結論であり、問う意味がないと考える人もいるだろう、
「あらゆることに原因がある、よって世界が存在することにも原因がある、その原因を作ったのは"神"である(ゴットフリート・ライプニッツ)」
「宇宙が始まる前は"無"であり時間もない、時間がなければ"神"が何かを成すことも出来ない(スティーブン・ホーキング)」
最新理論では無の量子揺らぎから突然、宇宙が出現したというが、何かが出現できるのは"本当の無ではない"とも言える、そんな宇宙の根源はいつからあるのか・・
時間はないので、「いつから」というのも成り立たないか^^;
004b 2
イメージ:無から生まれた宇宙の種、これがインフレーションによって一気に拡がる、ある大きさが2倍、2倍・・と加速的に大きくなり、光速すら超えて膨張する
物理学や宇宙論の最終的な問いにもなるが、我々が理論を駆使して、この世界の全ての法則を知ったとしても、なぜそんな法則があるのか、という疑問が生じる;
今知る限り、この宇宙の存在を感知しているのは人間くらい、望遠鏡など作ってさらによく見ようとしている、人間がいなくても宇宙は現状どおり存在し、だれもその様子を見る者がいなくなるだけなのか、我々が見ている宇宙は、そのとおり現実なのか、「創造主」が存在して、我々に見せるために作った仮想現実かもしれないと言う物理学者もいる、宇宙望遠鏡や探査機を使うとそれなりに面白く見えてきて、冥王星も行ってみれば意外に見栄えがした^^;
ngc1300_20200508100151c27.jpgpluto_2020050809373333b.jpg
我々の知っている宇宙はじつに都合良く出来ていて、ちゃんと輝く星が誕生する(これもプロセスとしては難しい)、極めて稀かもしれないが生命の誕生した惑星も最低"1つ"はある、
宇宙膨張の話も書いたばかりだが、現在我々は宇宙年齢の観測して面白い時代にいる、この時代に合わせたように人間が生まれている、
Inflation_Universe_202005081106268e1.jpg
宇宙誕生から現在まで
今後10兆年ほど経つと銀河同士は離れ、別の銀河の存在には気付かなくなる、星の材料も使い尽くされ、年老いた暗く赤い星ばかりになる、
002r3_20200508093724b2d.jpg
所々の青い星は死の直前、温度が高くなった星
そんな時代に我々がいたら、この世界は何ぞや?という見方も変わってくるかもしれない。
こうしてあれこれ考え、"自己"を感じているが、これも脳のニューロンを行き交う電子が作る自然現象に過ぎないのか?;

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宇宙膨張にはムラがある?  

遠方の宇宙について研究するためには、対象となる天体までの距離を知ることが大前提である、それで初めて観測天体の本当の明るさやエネルギーなど実態が推定できる。
これまで、地球から宇宙のどの方向を観測しても膨張(遠ざかる)速度は一様で、ハッブル定数を正確に求めることができれば赤方偏移でどの遠方天体も距離がわかるとされてきた。 
最新のハッブル定数(H0)は、70.0km/s/Mpcと求められている、
H0:ハッブル定数は1Mpc(メガパーセク:約330万光年)離れるごとに増す膨張速度を表す、
V=H0・D (V:天体の後退速度 H0:ハッブル定数 D:天体までの距離)

20200504.jpg
宇宙の距離梯子:年周視差を基盤に各種測定法が繋がれる
しかし、宇宙の膨張速度は全天の見る方角によって違い(ムラ)がある、という観測結果が発表された、(*これは地球を中心とする観測可能な範囲の宇宙でのこと、もし数十億光年とか、遙か遠い位置で同じ観測をすれば、ムラの見え方が変わるのかもしれない)
bocho_202005052133245fa.jpg
地球(中心)からの観測可能な範囲のイメージ
ドイツ、ボン大学のKonstantinos Migkas氏らは、X線宇宙望遠鏡の「XMMニュートン」「チャンドラ」などの観測データから、銀河団内の超高温ガスの温度を測定、これまで熱い銀河団ほど明るいというのがわかっており、温度と明るさから膨張速度がわかる(すなわち、ハッブル定数が求められる)、これを一定の範囲内の方角ごとに分けて各々の範囲にある銀河団を観測したところ、このハッブル定数に差異が生じたという、
20891_clusters 02
313個の銀河団の位置(青い丸)と、その内の4つ(Abell 2199、RXCJ1504.1-0248、Abell 3667、Abell 85)の位置(黄色の丸)を示した全天マップ、および4つの銀河団のX線画像
(資料:NASA/CXC/Univ. of Bonn/K. Migkas et al.)

ただしMigkas氏は観測結果を誤った方向へ導いている要因も想定している、「宇宙の未検出のガスや塵が銀河団を暗く見せているかもしれない、また、超銀河団の強力な重力が周囲の銀河団の移動速度を変えているかも?」等である、これらの影響は非常に小さいと見ている。
20892_expansion 02
この研究から示された、方向によって宇宙の膨張率が異なる様子、色は宇宙の膨張率を示す「ハッブル定数」の値に対応する、黄色は値が大きく、紫は小さい(資料:K. Migkas et al. 2020, CC BY-SA 3.0 IGO)
宇宙はダークエネルギーが増えることによって膨張しているというのが現在の定説である、ダークエネルギーの増え方に局所的な差異があったとしても、広範囲に捉えれば平均化して一様になると思われたが、見る方角に現われるほど超広大な偏りが見られたことになる、もしこの研究結果に誤りがないとすれば大変な事で、宇宙論は一から見直すことになる;

ESAは2022年に、宇宙望遠鏡「ユークリッド」を打ち上げる予定、
esa_20200504101357b28.jpg
宇宙望遠鏡 「ユークリッド」:esa
全天の数十億個の銀河を対象に後退速度を測定する、この観測と研究結果に注目したい。

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宇宙は加速膨張していない?  

天文や物理学の世界では多くの学者が支持している定説を疑う観点から研究する人がいて、かつてコペルニクスがそうだったようにそういう人も必要で、切磋琢磨の末、真実に行き着く、
20世紀終りには、遠くの銀河で起きたIa型超新星の観測により、宇宙の膨張は加速している、という結果を得た、
HUDF_20170413110157a00_20200311111032eea.jpg
この膨張を説明するには、重力に反して宇宙の膨張を説明する何かのエネルギーが必要で、仮想的にダークエネルギーというものが考え出されたが、存在が確認されたわけではない、
barion_20200311111028e30.jpg
"バリオン"だけが、直接確認できている
ここでIa型超新星による観測について着目する、
Ia型超新星は白色矮星が連星を成すもう1つの恒星からガスを奪い、ある"一定の質量(太陽の1.38倍)に達したとき"爆発を起こすもので、実際の明るさは全て同じくらいだとされている、
eso1028a_20200311111031e21.jpg
esa想像図:大きな星ほど寿命が短かいので、かつては白色矮星のほうが大きな星だった
よって観測上の明るさから所属銀河の距離を割り出すことができ、さらに赤方偏移により、遠ざかる速度が割り出せる、こうした観測により、宇宙は過去より近来のほうが膨張速度が速くなっている、という結果が出た。
赤方偏移について
しかし研究者の中には、Ia型超新星は所属していた銀河の大きさや年齢で、明るさが変わる可能性があると指摘する声がある(具体的にどんな理由なのかは不明)、仮にそうなると、Ia型超新星はあてにできないことになり、加速膨張して見えるのは錯覚かもしれない?
また、ダークエネルギーなしで宇宙の膨張を説明できるという研究者もいる、
関連過去記事:
ダークエネルギーは存在するのか?
宇宙は本当に加速膨張しているのか?
Ia型超新星の爆発メカニズム

天動説の「地球が中心にある」と仮定した計算法で天体の動きを説明できたことから、長く定説であったように「ダークエネルギーがある」というのも、同様の定説にすぎないのか・・?
人間がわかっている宇宙はほんの一部で、昔と大してかわっていないかもしれない^^;
cover_20200311112630c2b.jpg
宇宙大規模構造

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銀河ウォッチング 7  

最近は、NASAがいかに太陽系や系外惑星を調べても地球外生命の発見は、無いだろうと感じている。残された関心事はHSTやVLTでさえぼんやりとしか見えなかった遠い銀河を次世代望遠鏡でもっと鮮明に見る、というあたり、分解能が上がると意外なものが見えてきたりするし、遠くと近く(宇宙の過去と近来)ではどう違うかとか・・
 
不思議な姿で興味そそられる銀河を過去にも取上げてきたが、久しぶりに銀河ウォッチングを楽しむ、まず、知られている銀河の中で2番目に大きいというUGC 12591
UGC12591_Hubble_4000.jpg
拡大
ペガスス座、約4億光年、銀河の形状分類ではS0/Saになり、レンズ状銀河と渦巻銀河両方の特徴をもつタイプになる、
2017051711430415f_20200307100900f2c.jpg
形状による銀河分類
ほかUGC 12591の特徴は銀河円盤の回転速度で、これは銀河回転の近づいてくる側と遠ざかる側のドップラー効果でわかる、UGC 12591は秒速約480km、天の川銀河の2倍ほどに速い、回転速度から銀河の質量が計算されるが、天の川銀河の4倍ほどになるらしい、これはダークマターという仮想の重力源も含まれる。
ちなみに一番大きいとされる銀河は、きょしちょう座約60億光年のISOHDFS 27である。
275px-ISOHDFS_27.jpg
ISOHDFS 27 (HST)

もう一つ、ソンブレロ銀河としてお馴染みのM104、これもUGC 12591と同じく形状がS0/Saに分類され、珍しいタイプで距離4600光年という、観測しやすい近傍にあるのが興味深い、
レンズ状の銀河の中に塵とガスの円盤が収まっていて、星が集中する明るい部分の外にも無数の星が分布している、
20170517095330b13_2020030710085894c.jpg
M104(スピッツァーST)
HSTによる拡大
HST観測による、2020年3月の発表で、M104の明るい部分から離れたハロの領域にある星々を観測したところ、金属量の多い星が予想以上に数多くあることがわかった、構成元素は星のスペクトルでわかる、
stsci-h-p2008a-f-1136x1148.jpg
*ハロ:銀河円盤の直径の10倍以上の範囲を球状に囲む領域、球状星団など銀河円盤を離れ、ランダムな軌道を取る星やダークマターで満たされている、
ハロ領域では星の材料がないので新しい星が生まれることはなく、重元素の少ない宇宙初期型の星が多いと考えられてきたので予想外の結果である、新しい星の材料を得るには銀河の衝突合体など必要なはず、今のM104は安定した姿でそれらしい乱れた痕跡は見られないが、相当の過去に合体があった可能性もあるという。

この銀河、NGC7049もほぼレンズ状銀河の中に塵とガスの円盤があり、SOに分類される、
これもM104に近い形成プロセスなのだろうか。
NGC7049_20170517095508efc_20200307100902ce4.jpg
NGC7049
2021年打ち上げ予定?のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は遠くの宇宙をより鮮明に見るのに主眼を置かれているが、トラブルがあっても修理に行けない、宇宙の粗大ゴミにならないよう祈りたい;

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暗いベテルギウス:VLT撮像  

何かと話題になる、オリオン座のα星ベテルギウスだが、このところ異例なほど暗くなっていると、昨年末も記事にした、"宇宙時間的"に死を迎えるのは近々だろうと囁かれる中、面白いタイミングの出来事である^^ 
過去記事:暗くなったベテルギウス
20191230.jpg
ベテルギウスは640光年離れているが、超巨星であるため、HSTやVLTなど分解能に優れた望遠鏡で実像を捉えることができる、ヨーロッパ南天天文台(ESO)のVLT望遠鏡が2019年1月と同年12月に捉えた比較画像を公開した、1年未満の間に大幅に暗くなっている原因らしき様子が見られる、画像の下半分が異常に暗くみえる、
20217_comparison.jpg
2019年1月(左)と12月(右)にSPHEREで撮影されたベテルギウスの比較、暗くなり、見かけの形も変わっている(資料:ESO/M. Montargès et al.)
元々ベテルギウスには巨大な「対流セル」があり、深層から重力の弱い外縁部にまで対流して盛り上がるため、きれいな球形ではなく、過去の観測でも歪な姿を見せている、
bet_20200225093746003.jpg
ベテルギウス
sun_20200225093748c86.jpg
太陽
ベルギー・ルーヴェン・カトリック大学のMiguel Montargès氏によれば、「今回の減光はベテルギウスの活動に何か例外的な乱れが生じたために暗く見えている」との見方と、「ベテルギウス表面から地球方向に大量の塵が放出され、光を遮っている」など仮説が出ている、
もし後者が原因だとすると、減光は長期間になるのかも?

いずれにせよ、晩年の非常に不安定な赤色超巨星であり興味をそそる、変動の範囲内なのだろうが、危うくなった可能性もゼロとは言い切れない;
ブラックホールを直接見られたのは人間の努力、しかし近場の超新星爆発は待つほかない、
もし見られたら、我が生涯に一片の悔いなし、なのだが^^;

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地球外生命の存在確率  

「現に地球があるのだから」という根拠で、宇宙には銀河系だけでも生命の居る惑星が多数存在し、人類レベルの知的生命も居るだろう、と推測がされてきたが、科学的、客観的見地からは曖昧な憶測に過ぎない、 
20063_earth.jpg
有名なSETI(地球外知的生命体探査)のドレイク方程式、
001_20200213094608fa7.jpg(→Wikipedia
これも希望的観測の掛け合わせに過ぎない。
NASAが探査しているハビタブル圏の系外惑星も、『もし生命が発生していたら』 生存可能かもしれない、に留まる。何かにつけ、地球に似た環境があれば、当然のように生命がいるような発想がされがちだが、一番難しいのは生命発生のプロセスである、
我々の知っている生命は地球にあるタイプが唯一だが、同タイプの生命がどの程度、知っている範囲の宇宙に存在するか、その可能性が宇宙論と生命科学を根拠に初めて検討された(2020年2月7日、東京大学大学院理学系研究科
DNA RNA
DNAやRNAの基本ブロックとなるヌクレオチド(核酸塩基)4種が長く繫がり、情報保存や複製を作れる機能をもち、生命の材料となるまでが、ランダムな結合の結果、『偶然出来上がる確率』を計算したところ、可能性が生じるには、10の40乗個~10の180乗個の星が宇宙にある必要があり、我々の観測可能な宇宙、半径138億光年以内にある銀河全ての星(10の22乗個)を合わせても足りないという結果が出た、もちろん宇宙はその外にも拡がっていると考えられ、インフレーション宇宙モデルが正しければ、宇宙の大きさは少なくとも10の78乗倍以上に広がっているので、可能性は十分あり得ることになる。

PS.我々の観測可能な宇宙は光が出発したときの距離で、光路距離138億光年となるが、宇宙は膨張しているので現時点では共動距離470億光年まで遠ざかっている、生命存在の可能性を得るにはもっと遙かに外までの範囲が必要になる。
004_20200213211411ee7.jpg
138 470
観測可能な宇宙の範囲
生命組織はまるで神様が巧妙に設計したかのように見えるが;生命科学の観点からもっと効率のよいRNA生成プロセスが見いだされればこの結果も大きく変わる。
以上はごく原始的な初期生命の発生の事だが、前述のドレイクの方程式のNにあたる知的生命が仮にいたとしても、交信可能な近くにいる可能性は極めて低いとみられる。

いつも知りたいと思っていることを集約すると、
・生命の発生プロセス ・宇宙は無限か ・空間の正体 ・宇宙は何故あるのか 
などだが、わかる日は来るのだろうか;

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TESS:ハビタブル圏惑星発見  

2018年から稼働中の系外惑星探査衛星:TESSが新たにハビタブル圏にある、地球に近いサイズの惑星を発見した、 
nasa tess
系外惑星探査衛星:TESS
(*TESSについては過去記事を書いた:ドップラー法,トランジット法

今回はかじき座、約100光年にあるM型矮星:TOI 700の周りに3つの惑星が見つかった、一番外側を廻る惑星:TOI 700d がハビタブル圏にあり、地球の1.2倍ほどの大きさらしく、37日で公転している、
PIA23407_hires_20200111114841b89.jpg
因みに一番内側のTOI 700bは地球と同じサイズの岩石惑星で10日で公転、二番目TOI 700cは地球の2.6倍のガス惑星とみられ、16日で公転。
主星は表面温度3500Kという省エネの恒星で、ハビタブル圏は太陽系の水星軌道より小さい、例のごとく、この距離を廻る惑星は主星に潮汐ロックされていて、常に同じ面を主星に向けていると思われる、これは地球と月の関係のように自転軸を安定させる利点はある、
NASAが発表したTOI 700dの想像図はこれだが、
TOI 700 d
TOI 700 d
このようなアイボールアースの姿かもしれない、
TRAPPIST-1f.jpg
TRAPPIST-1f
今回の特筆は主星:TOI 700の観測を11か月続けた間、フレア(表面爆発)現象が起きていないとの事で、この状態で安定した恒星であれば、生命にとって大きな問題を一つクリアしているかもしれない、
Flare_20200111130551b42.jpg
*フレアが激しいと、大気も水も剥ぎ取られてしまう
観測データを元にいくつかTOI 700dの環境モデルが作られており、水に覆われCO2の大気を持つ想定も含まれるそうだ、
いずれ、J.W宇宙望遠鏡などで詳細に調べられる対象となるだろう。
NASAの動画参照
TESS you
you tube:TESS Mission's First Earth-size World in Star's Habitable-zone

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重力レンズの実験  

A.アインシュタインが重力を扱う、一般相対性理論で予言した現象は当初、観測は困難とされてきたが、人間の「見たい、知りたい」執念は凄いもので、大施設によって「重力波」を検出、また地球サイズの電波望遠鏡ネットワークで「ブラックホール」の実写まで実現した、 
BH NASA
NASAが新たに作成したBHのシミュレーション画像
また強い重力によって光の進路が曲げられるという重力レンズ現象も当初は観測は望めないとされてきたが、今はHSTほか解像度の高い望遠鏡の登場で、幾つも見られるようになった、
大規模なものでは銀河団全体が、目に見える銀河とそれらを纏めているダークマターによって、大きな重力源となっている、
Abell1689_HST.jpg
銀河団Abell 1689(HST撮像)、所々に弧状に歪んだ遠方の銀河が見られる、
また個々の大質量銀河もハロ領域にあるダークマターを含めて見かけより強い重力源となって、後方ににある別の銀河の像を歪める、
Dark matter

TVでもやっていたが、重力レンズは我々が普通に使う①の凸レンズとは違い、重力の中心部ほど屈折率の高い、②のような特殊なレンズのようになる、
lens.jpg
ワイングラスの底部がよく似た形をしている、手頃なグラスがあったのでやってみた、紙に書いた黒い点を後方にある銀河とする、レンズの位置でいろいろ変わる、
000_20200110110052aa3.jpg

後方の銀河を円弧状に引き延ばしている例、
001b_20200110110053259.jpg
alma_960.jpg20200110.jpg
左:SDP.81 右:SDSS J0146 0929

後方の天体を複数に分けて見せている例、
002b_20200110110054008.jpg
005_20200110110056946.jpgMACS J1149 6_2223
左は後方の明るい銀河(クエーサー)を4つに見せている、
右は後方の銀河で起きた超新星爆発の光を4つに見せている、

広大な宇宙の現象を台所の食器で再現できる^^

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絶対熱 (温度の上限)  

物質は高温になるほど分子の動きが活発になる、冷凍庫の氷も固まっているようでじつは分子は動いている、あらゆる物質の原子がまったく動かなくなった状態が熱量:ゼロで、これが宇宙の最低温、絶対零度であり、0 K=(摂氏-273.15 ℃)である、
*この絶対零度は理論上の値で、実際に物質の原子が完全に静止することはないという。
big Bang
宇宙空間は絶対零度ではなく、約-270℃と観測されている、ビッグバンの名残、宇宙マイクロ波背景放射の電磁波が放射熱となって満たしているからである、全般にこれが今の宇宙の最低温度となるが、局所的にもっと低い場所がある、
ケンタウルス座5000光年にある、原始惑星状星雲のブーメラン星雲は星雲の中心から両極に164km/sのガスを吹き出していて、膨張する際に熱を奪い、周囲の宇宙空間を下回る低温
(-272℃)にしている、ここだけ冷房が効いている^^
Boomerang_nebula_20200107091228448.jpg
ブーメラン星雲
スプレー缶から噴射を続けると、缶が冷たくなってくるが、圧縮ガスが放出されると熱を奪っていくのと同じ原理かと思われる。
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関連過去記事:
絶対零度より低い温度
クマムシ (宇宙空間でも死なない)

さて、低温には下限値があるが、高温のほうはどうなのか、いつも気に掛かっていた;
単純にエネルギーを高めれば無限に温度は高くなれる・・と思っていたが、この宇宙にとっての上限値があるらしく、絶対熱(プランク熱)と呼ばれる、
zettainetu.jpg
まず、E=m*cの2乗を頭に置いて・・
超新星爆発、中性子星合体、ガンマ線バーストなど超とてつもない高温現象も知られているが、これらよりはるかに桁違いに高い、絶対熱の温度は1.4168082×10の32乗 Kと導かれている、ビッグバンから1プランク時間経ったときの宇宙温度で、宇宙の始まりにあった全エネルギーの値である、(1プランク時間は時間の最小単位で、5.39116×10の-44乗 秒)
dark-matter-big-bang_20200107091647444.jpg
よって仮に宇宙の全ての物質やエネルギーを一点に集めたとしても、絶対熱を超えることはあり得ないという・・宇宙が膨張を止め収縮に転じ、ビッグクランチが起きない限り、この温度には達し得ないのかもしれない。

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