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Michael: Classic音楽,Lute,宇宙

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学 etc

ラム圧  

以前、「クラゲ銀河」という題で書いたことのある、ESO 137-001という銀河だが、みなみのさんかく座の方向約2.2億光年の距離にある、
heic1404a.jpg
「クラゲ銀河」
今年10月、アルマ望遠鏡とESOのVLT、そしてHST、それぞれの観測データを合成した新たな画像が公開された、
potw1939a.jpg
渦巻銀河「ESO 137-001」:銀河とその周辺がハッブル宇宙望遠鏡、明るい紫色で示された水素の流れがVLTの分光器「MUSE」、オレンジ色で示された銀河内から流出する一酸化炭素がアルマ望遠鏡によって、それぞれ撮像された、
【資料:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), P. Jáchym(Czech Academy of Sciences) et al.】

相対的に移動してくる銀河が銀河団の高温のガスで満たされた中へ落下してくる、このガスと銀河のガスが衝突すると、ラム圧(動圧)によって、銀河のガスが剥ぎ取られ、移動した後方に棚引く、これは銀河が動いた道筋を表わす、この棚引く尾の中でもガスが圧縮されて爆発的な星形成が起きるらしく、その分、星の材料が消費されたことになる、
*銀河団内に高温のガスが存在するのは、 銀河団の外側から銀河団へと落ちてくるガスは衝撃波を形成し、重力エネルギーが熱エネルギーへと変換され、結果、ガスが加熱されるため。
銀河団の中心へ行くほど、新しい星の材料を失った楕円銀河が多くなるそうだ、
Coma_Cluster_of_Galaxies.jpg
かみのけ座銀河団
楕円銀河の一つ、NGC4150(かみのけ座)は僅かに塵や星間ガスが見られる、合体した小規模な銀河から吸収したものと考えられる、
ngc4150 b
NGC 4150

このクラゲ銀河の尾から、もし球状星団のような纏まりができるとしたら、銀河の外れに形成される、以前記事にした銀河間球状星団にも関連する事なのか?このへんがわかれば興味深い、「銀河間球状星団」
因みに天の川銀河はおとめ座銀河団に属し、中心から外れた"過疎地"にあるらしい。

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宇宙網  

2019年10月、すばる望遠鏡によって115億光年離れた宇宙に銀河同士を繋ぐ水素ガスの網構造が観測された。ビッグバンのあとの初期宇宙に生じた宇宙網である、この構造は理論・シミュレーションにより予測はされていたが、実際の観測は光が非常に弱く困難だった、
fig2j.jpg
宇宙網のシミュレーションの例、水素を主成分とするガスがクモの巣状のネットワークを形成し、その中でガスが密集した場所 (茶色の領域) で銀河やブラックホールが作られ、成長すると考えられる。
理化学研究所の梅畑豪紀氏らはみずがめ座方向の原始銀河団「SSA 22」に注目し、宇宙網の検出に挑んだ、アルマ望遠鏡ほか複数の観測施設を使い、段階的に観測を重ね、SSA 22の400万光年ほどの範囲に星形成の活発な銀河、大質量BHが18個密集していることを突き止めた。
宇宙網の主成分である水素ガスは銀河などの光を受け、紫外線を出すが、宇宙膨張により、地球に届くころには波長が伸び、可視光になる、すばる望遠鏡の広視野カメラ(Suprime-Cam)で、その光がおぼろげに捉えられた、
HSC.jpg
さらにESOのVLTで追観測され、水素ガスの網目に繫がった構造が確かめられた、複数の観測画像を重ね、銀河や大質量BHなどの分布が宇宙網に一致しているのがわかった。
18595_web.jpg
(左)青い部分が水素ガスの宇宙網(右)宇宙網の3次元分布、青色が淡く見える部分、紫色が明るく見える部分、銀河や大質量BH(赤の四角)が宇宙網に沿って分布しているのがわかる。
これまで、理論・シミュレーションによる予測に過ぎなかった初期宇宙での銀河や大質量BHが形成される過程を観測から支持することになる。

宇宙が無限だとすれば、膨張する前の狭い宇宙?だった頃から無限だったことになる、そこに起きる膨張とはどういうことか;
観測では宇宙のあらゆる場所が同じように膨張しており、ビッグバンは特定の一点を爆心とする爆発ではないように見える、インフレーションの時点ですでに無限の広がりがあり、その全ての場所が同時爆発したような?;
006_201910191315210ef.jpg
*検索すると、インフレーションの前にビッグバンがあったような図が見受けられるが間違いである、
ビッグバンのあと、どのようにこの網目構造ができたのか、
005_20191019094052149.jpg
宇宙大規模構造
爆発という現象には急激な膨張とその反動の圧力がかかると思われる、空間を埋める物質が局所的に集まった部分と空洞部分とができて、空間に拡がる立体網のように残る・・なんとなくそんな様子は浮かび、不思議ではない気がする?・・これはさておき、元になるムラはインフレーションの時からあったようだ、

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ドップラー法  

系外惑星の見つけ方として現在は惑星が中心星の前を横切る際の減光を捉えるトランジット法が主流で、ケプラー宇宙望遠鏡はこの方法でM型矮星を廻る惑星を数多く発見してきた、後継機として系外惑星探査衛星TESSが観測中である。 
20190824.jpg
系外惑星探査衛星TESS
系外惑星を初めて観測した、ジュネーブ天文台のミシェル・マイヨール氏とディディエ・ケロー氏が2019年のノーベル物理学賞を受賞した、二人の発見が系外惑星探査の幕開けとなった。昔から天文学の発見というのは、諦めず気長に、執念深く観測した結果だと言える、彼らが用いた観測法はドップラー法だった。
当時は観測対象として、太陽と似た恒星が選ばれた、その一つ、ペガスス座51番星(約50光年)に惑星がある証拠が観測された、
Pegasus_51.jpg
1995年、オート=プロヴァンス天文台の口径1.93mの望遠鏡に精度を高めた分光計とCCDカメラを取付け、惑星の重力により中心星が視線方向に近づいたり遠ざかったりする僅かな揺れを観測するドップラー法によって発見した、
Doppspec-above.jpg
中心星の揺れ:動画
この惑星は質量が木星の約1/2、公転周期はわずか4.2日で、太陽と水星の1/6の距離を廻っていた、惑星の表面温度は1000℃ほどと見られる、その後もケプラー宇宙望遠鏡による発見と地上望遠鏡の追加観測で続々と惑星が確認されたが、その多くは巨大ガス惑星が中心星のすぐ近くを廻るホットジュピターであった、もし太陽系の木星がこんな位置にあったら、地球ほか小さな内惑星は存在できない。
hot jup
Hot jupiter
トランジット法、ドップラー法、どちらでも地球サイズの惑星は中心星に対し明るさも重力も小さすぎて見つけるのは困難である。

地球サイズの惑星が発見されたのは中心星が小さく暗いM型矮星で、そのきっかけになったのはケプラー宇宙望遠鏡に起きたトラブルだった、姿勢制御が効かなくなり、年に4回、観測方向を変えることになり、M型矮星も観測対象となった。
GJ1214b.jpg
M型矮星
後継機のTESSでは対象をM型矮星に絞り、広視野で系外惑星探査を行なっている、発見できるのは視線方向に影を作る惑星系のみ。
005_20180814.jpg
惑星AとBは発見できる
いずれ地上に建設される超大型望遠鏡やジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で、系外惑星の大気を分析し、そこに酸素やメタンなど生命由来の成分を探る予定である。
同じハビタブルゾーンでも、太陽系とM型矮星の周りとでは大きく環境が違う、それでも生命が存在可能かどうかが鍵になりそうだ。
因みにM型矮星はフレア活動が激しく、恒星風や放射線によって惑星の大気と水が剥ぎ取られている可能性がある。

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ブラックホール・シャドウ 【再掲】  

今年の4月、大規模な国際プロジェクトにより、電波望遠鏡のネットワークで、ブラックホールを実際に撮像するのに成功した、本体は真っ暗なので、周囲の光に浮かんだ影になる、 
20190411 b
M87銀河中心にある超大質量BH
周囲の光には高速自転しているBHによる時空の歪みも見えているようだ、黒い影は事象の地平線であり、大きさはシュヴァルツシルト半径と呼ばれる。

この撮像成功前の過去にも、期待とともに困難だろうと思いつつ、BH本体の予測について記事にしてきたのがちょっと懐かしい、
*2016年にはこんなことを書いていた、この頃の理論予測はほぼ的中していたと言えようか。
以下、2016年7月27日記事(一部更新)

ブラックホール(BH)の存在はまず理論上予測され、次にX線観測などで間接的に存在が確認された。また天の川銀河中心にある、巨大BH:いて座A*を周回する恒星の動きを10年かけて観測、何も見えない箇所を中心に巨星が急転回して廻っているのを確認した、BHの存在は動かしがたい事実となっている。次の目標はBHの姿を直接見ることになってきた。micha
BHの想像図としてよく見かけるのがこれ、
BH 01
NASA資料
周囲の降着円盤が描かれているが、中心部の本体の姿は?
BH本体の表面は事象の地平線で、完璧に真っ黒な球体だろう、そこに星間物質が引き寄せられ、降着円盤を持っていたとすると、その光が真っ黒な影、ブラックホール・シャドウを浮び上がらせるはず、
この画像は高速自転するBHと降着円盤の様子を理論的に描き出したもの、
bh 02
自転によるドップラー効果で明るい側と暗い側ができる、また右の画像はほぼ赤道側から見ているが、空間が曲げられ、後方にあるはずの降着円盤が浮き上がって見える
降着円盤の回転によるドップラー効果、光の軌道の湾曲の効果、重力赤方偏移、BHの自転による時空の引きずりの効果など様々な要因で、その姿は湾曲して見えると予測される。
もし超高解像度でどこかのBHを見たら、本当にこんな姿なのか、それを世界中の観測機関が捉えようとしている。恒星サイズのBHでは小さ過ぎて無理だが、銀河中心にある超巨大BHなら観測可能とされる。それでも解像度としては、東京の位置から、富士山にあるCDのブックレットの字が読めるくらいのレベルが必要らしい;;
国立天文台では2013年に全米10台の電波望遠鏡を組み合わせて利用し、おとめ座M104銀河の中心BH周辺の様子を捉えるのに成功している、BH本体を捉える解像度には至っていないが、比較的活動のおとなしいM104の中心BHからジェットが噴出する様子を捉えている。
m104 s
拡大
同じ方法で地球サイズに近いネットワークで観測が成されようとしている。観測対象で有力なのはまず天の川銀河中心のいて座A*、次が近傍の銀河で超巨大BHを持つM87(距離6000万光年)だそうだ。
M87_jet b
M87( HST)

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「いて座A*」が最大の増光  

「いて座A*」といえば天の川銀河の中心にある超大質量ブラックホールの名で知られる、
いて座A*の位置は通常は真っ暗であるが、そこを中心にいくつもの恒星が楕円軌道で廻っている様子が撮影されて以来、理論上のものだったBHの存在が確実視できるようになった、 
20180806.jpg
you tube:Stars orbiting the black hole at the heart of the Milky Way
約10年間の撮像をコマ送りしたもの、画面の中央付近で急旋回する恒星は"SO2(又はS2)"と名付けられ、BHに最も接近する軌道にある、
いて座A*の周囲では恒星が惑星みたいに廻っている、SO2の軌道は海王星軌道の4倍以上だが、わずか15.9年で一周する凄い場所だ。
ite a 02
いて座A*周りの恒星軌道シミュレーション(ESO)
you tube:Simulation of the orbits of stars around the black hole at the centre of the Milky Way

そして今年4月、記事に書いたように、
EHT:ブラックホールの「実写」に成功!
の運びとなった、ただしこのBHはM87銀河の中心にある超大質量BHである。

9月17日発表の報道によると、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校のTuan Do氏らは今年4月~5月、いて座A*を近赤外線で観測したところ、極めて大きな変光を3回とらえた、2時間で75倍の激しい変光があった、(確実に何かがある証拠)
ite A
you tube:Our galaxy’s black hole is getting hungrier
5月13日に観測したいて座A*の変光の動画、中央にいて座A*があり、そのすぐ左上にある星がSO2、観測開始時にはいて座A*はSO2より明るかったが、2時間ほどで急速に減光した、
いて座A*がこれほど明るくなった観測記録は今までになく、今回は接近したガスや塵が引き込まれ、その際の強烈な摩擦で生じた光で増光を起こしたと考えられるが、先述の恒星SO2が2018年夏に最接近した際、大量のガスが引き寄せられ、それが今年になって呑み込まれた、という可能性もある、
Andrea_Ghez_black_hole.jpg
超大質量BH いて座A*(時空の歪みで表現)と最接近で急速に廻る恒星 SO2のイラスト
SO2は2018年にいて座A*に最接近したが、いて座A*に飲み込まれてはいない、しかし、この接近がいて座A*の増光の一因かもしれない、あるいは「G天体」と呼ばれる正体不明の天体も呑み込まれた候補になっている。

さて、このように天の川銀河中心部(距離 2万8000光年)の天体の動きを観測するには極めて高い分解能(解像度)が必要だが、地上ではいかに大型望遠鏡を作っても大気の揺らぎが解像度を下げてしまう、
近年、威力を発揮しているのが「補償光学」という技術で過去に概略を記事にした、
tmt02_20161204081235573_20190923103448056.jpg
過去記事:補償光学
さらに補償光学の技術が実用化される前に撮影された解像度の低い画像データも「スペックルホログラフィー」という視力アップの手法を使うことによって、画質を改善できるそうで、いて座A*の撮像記録が過去24年に遡って確かめられ、その間にも今回のような増光はなかったことが明らかになった。
SO2の公転周期は15.9年なので、過去の最接近の際は増光はなかったということか、いずれにせよ、2万8000年前の出来事だが。

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トワイライトゾーン  

トワイライトゾーンは夕日、朝日の時間帯のほかに「不可思議」や「超常現象」が起こる場所などを指す意味としても使われる、
我々が見たことのない、異様な存在に遭遇したときのイメージとして、同世代の人はこの音楽が耳にすり込まれたであろう、バディー・モローの「トワイライトゾーン」、 
twilight zone you
you tube:Twilight Zone
かつて民放ではUFOやUMA、超常現象の特番がよくあったが、今はNHK-BSプレミアム、幻解!超常ファイル「ダークサイドミステリー」で同様の題材を扱っている、NHKらしいまとめ方だがファンサービスというか、あの民放のタッチ、雰囲気もあきらかに再現している、矢島正明氏もナレーションで登場した^^
NHK:幻解!超常ファイル「ダークサイドミステリー」より、
nhk d m you
you tube:幻解!超常ファイルSP「アメリカUFO神話に迫る!」
日本テレビ:木曜スペシャルより、
mokusupe.jpg
you tube:木曜スペ「 緊急報告!! UFO 最新極秘情報 宇宙人は実在した! 」
ところで、地球以外にも生命が存在し、人類を超える知的生命も必ずいるだろうと、多くの科学者が考えるのは「現に地球が存在している」ことが一番の根拠になる。
多くのUFO目撃の内に一部でも真実があるとしたら、太陽系外からの訪問者になる、彼らは空間の仕組みを解き明かし、空間を飛び越して航行するテクノロジーを持っていなければ何十、何百光年?という距離からやって来ることはできない。
ufo1958c_20190829122722c3c.jpg
1958年1月16日撮影、ブラジル海軍省公認の写真、海軍観測艦アルミランテ・サルダナ号から撮った岩礁上空の飛行物体、当時の新聞の1面に載ったのを憶えている、詳細
また地元の航空自衛隊に勤めていた知り合いに、パイロットが操縦席から撮ったという写真を何枚か見せてもらった、
ufo01_20190829093346963.jpg近似写真
彼らはこんなのは上空でしょっちゅう見ているとかで、銀塩フィルム時代の生写真だった、

今まで系外惑星の探査で発見した多くは、主星のすぐ近くを廻る惑星が殆どで、ホットジュピターあるいは先日記事にしたM型矮星を廻るスーパーアースのたぐいのようだ、
k2_20190829093339a66.jpg
公転軌道半径はすべて太陽系の水星軌道より小さい
太陽系も普通なら木星が太陽の近くを廻るホットジュピターになるか、太陽に落下するというありふれた結末となるところ、良いタイミングで土星が形成され、木星と軌道共鳴を起し、共に太陽から離れた軌道に移っていった、太陽に近い領域に残された少ない材料で地球を含む小さな惑星ができたと考えられる、
title_20171110_201908290933435b3.jpg
*大きさ関係のみ比較
中でも地球は太陽から適度な距離で大気を留めておける重力をもつが、強すぎず、生命は陸に上がって文明を築くことができた。地球とよく似た好条件をもつ系外惑星は今のところ確認されていない、地球とはタイプが違うが、M型矮星を廻る惑星は発見しやすく、生命存在の可能性が期待されるが、先日の記事:黒い系外惑星のように大気が失われている可能性もある、

宇宙初期には頻繁であった大規模な銀河衝突も惑星系に大きな被害をもたらすらしい、我々の天の川銀河は銀河団の外れにあるそうで、
potw1747b.jpg
おとめ座銀河団
大型銀河の衝突で銀河全体がかき乱される頻度は低かったとみられ、
arp_148.jpg
衝突銀河:Arp 148
長期に渡り穏やかだったのが生命の惑星にとって幸運だった、という説もある。

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黒い系外惑星  

2018年4月に打ち上げられた系外惑星探索衛星:TESSは太陽系に近いG型主系列星、K型主系列星および赤色矮星(M型矮星)、合わせて約50万個の恒星を対象に、それらにある系外惑星を探査中である、惑星が恒星の前を通過した際の減光で捉える「トランジット法」だ、 
tess 01tess 02
系外惑星探索衛星:TESS、4つの広角望遠鏡を持つ
発見した系外惑星の一つ、「LHS 3844 b」はインディアン座、約48.6光年にあり、大きさは地球の1.3倍ほど、主星は暗い「M型矮星」である、
H R
HR図、ちなみに太陽はG型主系列星である
米・ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのLaura Kreidberg氏らは、スピッツァー宇宙望遠鏡でLHS 3844 bが発する赤外線を検出、この惑星は潮汐ロックで常に同じ面を中心星に向けている、観測結果は昼側と夜側の間で熱は移動しておらず、熱を運ぶ大気がない、表面が岩石の惑星と結論づけた、
主星に極めて近いため、主星の放射線や恒星風で大気は剥ぎ取られる。
ssc2019-14b_Inline.jpg
(上)地球から見たLHS 3844 bの動き、主星の周りを11.1時間周期で公転していて、定期的に主星の手前を横切る。(下)主星と惑星を合わせた光度の変化、惑星が主星の手前を横切る(3)と、光度が5%ほど暗くなる、また、惑星が主星の奥側を公転する間(6~12)は、「昼側」の面が地球から見えるため、わずかに明るくなる、このときの光度曲線の形から大気の有無を判定できる、【資料:NASA/JPL-Caltech/L. Kreidberg (Harvard-Smithsonian CfA)】
また、この観測によるLHS 3844 bの表面の反射率から、この惑星の表面は非常に暗く、玄武岩に覆われているとみられる、
LHS 3844 b
LHS 3844 bの想像図:表面は暗い色の溶岩が固まった岩石で覆われている、大気はないとみられる、【資料:NASA/JPL-Caltech/R. Hurt (IPAC)】
地球を廻る月も地球に潮汐ロックされているが、月の太古の火山活動で流れ出た玄武岩で「海」と呼ばれる黒っぽい部分が出来た、重力の影響が強い地球に面した側に海が多い、
moon.jpg
これと同じことが惑星:LHS 3844 bと主星:LHS 3844との間で起きているのではないかと推測されている、地球から見るLHS 3844 bの反射光は常に黒っぽい側の反射になる。

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アルマがとらえた「周惑星円盤」  

以前は数百光年彼方の原始惑星系円盤に惑星が作られる現場を捉えた観測画像に驚いたが、さらにその惑星に衛星が作られるであろう現場にまで迫っている。
先般も周惑星円盤の記事を書いたばかりだが、 
原始惑星系に「周惑星円盤」発見か
これはまだ推定的な内容だったが、アルマ望遠鏡の観測で明らかとなるニュースがあった、
観測されたのは6月に記事にした、
形成中の系外惑星を直接撮像
で挙げた、ケンタウルス座約370光年にある原始惑星系「PDS 70」で撮像された2つの巨大惑星に周惑星円盤が存在するのをアルマ望遠鏡が捉えたという前進したニュースだ、
20190607_201907271024390a1.jpg
今年6月、ESOのVLTが「PDS 70」に捉えた惑星の画像
ALMAimage_201907271337286ff.jpg
7/12発表、アルマ望遠鏡観測による惑星系「PDS 70」の塵の分布、○内が惑星の位置
資料: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO); A. Isella.

太陽系の木星や土星は多くの衛星を持っているが、巨大惑星は誕生時に周惑星円盤を伴い、これが衛星の材料になって、同じ血統の集まりとなる、
土星の多数の衛星も周惑星円盤から生まれたが、現在の大きなリングは別の出来事で、太陽系の歴史のごく最近、氷を多く含む天体が土星に周回しながら落下していき、土星の潮汐力で氷が粉々に砕けた結果だと考えられている、
Saturn-cassini.jpg
探査機「カッシーニ」撮影
今回のアルマ望遠鏡の観測では原始惑星系「PDS 70」に既に発見されていた2つの惑星の周りに、0.1mmほどの小さな塵が放つ電波をとらえ、ESOのVLTの可視光、赤外線観測の結果を合わせ、少なくとも外側にある惑星「PDS 70c」の周りに複数の衛星を作り出す質量の塵円盤があることが明らかとなった。
RGB-ALMA-VLA.jpg
PDS 70の疑似カラー合成画像、アルマ望遠鏡観測データの他、VLTによる可視光画像を水色、
赤外線画像を赤色で合成している【資料: ALMA (ESO/NOAJ/NRAO) A. Isella; ESO】

2つの惑星のうち、主星に近いほうの惑星PDS70bは、太陽~天王星の距離と同じくらいで、惑星の後方に塵の塊が尾のように繫がっている、これがどういう物で、惑星系にとって何を意味するのかはまだ分かっていない。
また外側の惑星PDS70cは主星から、太陽~海王星と同じくらいの距離にあり、質量は、木星の質量とほぼ同じ~10倍程度と推定される、もし質量が木星の10倍規模だったら、その周りには惑星サイズの衛星が形成される可能性もあるとのこと。

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原始惑星系に「周惑星円盤」発見か  

天体物理学で理論予測されていた事が観測で実証されていく、今回はその一歩手前かな、
原始惑星系円盤「うみへび座TW星」は距離194光年と近くにあり、ちょうど我々に極を向けていて、中心星は太陽と同じくらいの質量である、 
tw01.jpg
うみへび座TW星
7月3日、国立天文台がアルマ望遠鏡を用い、従来の3倍の高感度で原始惑星系円盤の電波強度分布を調べたところ、未発見だった小さな電波源を発見、
tw03.jpg
アルマ望遠鏡で観測した、うみへび座TW星の原始惑星系円盤の電波強度分布(資料:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), Tsukagoshi et al.)
これは惑星が形成される現場の可能性もあり、これを中心に長さ6億km、幅5000万km程の広がりがあり、円盤の回転方向に伸びている、この様子について考えられる可能性の1つは「周惑星円盤」を捉えたのかもしれない、中心には海王星サイズの惑星があり、周りをやがて衛星を作る塵とガスの円盤が回っている・・しかしそう考えるには、やや電波が強すぎるらしく、想定される円形ではなく楕円形なのが疑問という、
もう一つが、原始惑星系円盤に局所的にできた渦に塵が掃き集められている状態とも考えられる・・しかしそれが一箇所だけというのがまた疑問、まだ結論は出せないが、別の観測手法を合わせて解明していくそうだ、

「周惑星円盤」とは、原始惑星系円盤内でガス惑星がガスを捕えて成長する際に周囲にできる円盤で、木星や土星が持つ多数の小衛星(規則衛星)が作られる材料となると考えられる。
syuwakusei_201907051824116ca.jpg
001 b

一般に惑星は原始惑星系円盤の塵とガスが集まって形成されると大まかに言われるが、実際に惑星が生まれるプロセスを説明するには難しい問題がある、という件について過去に書いた、
Fig3_20190705103445aa6.jpg
過去記事:惑星系のでき方

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形成中の系外惑星を直接撮像  

理論的に予測された天体を"直接撮影した"と言えばM87銀河のBHが最大級のニュースだったが、近年は他にも続々と報告される。
これまで、原始惑星系円盤に惑星が形成されつつあると思われる場所に円盤の隙間がいくつか観測されてきたが、これも極めて高い解像度が必要だ。 
20181223.jpg
アルマ望遠鏡撮影
6月、オランダ・ライデン大学のSebastiaan Haffert氏らが、ESOのVLTを用い、ケンタウルス座約370光年にある、中心に矮星をもつ原始惑星系「PDS 70」を回る2つの系外惑星の撮像に成功、1つの惑星系に複数の惑星が直接撮影されたのは2例目となる、
20190607.jpg
PDS 70b(左下)とPDS70 c(右上)、十字印が中心星PDS 70の位置 資料:ESO and S. Haffert (Leiden Observatory)
今回のPDS 70系の撮像は原始惑星系で成長しつつある惑星としては初めてとなる、
この内の1つ、PDS 70bは2018年7月に捉えられており、質量は木星の4~17倍と見られ、公転半径は太陽~天王星と同じくらいで、公転位置は円盤の隙間の内縁に近い、
PDS70 you
you tube:Zooming in on the orange dwarf star PDS 70 and its newly discovered planet
今回、PDS 70bに加えPDS 70cが同時に撮像された、PDS 70cは木星の1~10倍と見積もられ、公転半径は太陽~海王星よりやや遠く 円盤の隙間の外縁近くにある、
pds70 b c 02
PDS 70系の想像図、惑星は若い中心星を取り巻く原始惑星系円盤からガスを降着させながら成長中で、惑星の重力によって円盤内に大きな隙間ができている 資料:J. Olmsted (STScI)
またSDS 70bが2回公転する間に、PDS 70cが1回公転する軌道共鳴の関係もわかった、太陽系の木星と土星も軌道共鳴の関係にある。

一つの惑星系で複数の惑星が直接捉えられたのはペガスス座約129光年にあるHR 8799系が1例目で、4個の惑星が動画撮影された、ケプラーの法則、ニュートン力学どおりに動いている、
HR 8799 you
you tube:Video of FOUR directly-imaged EXOplanets orbiting the star HR 8799
中心星の光はコロナグラフで遮ってある、いずれも木星を大きく上回る大きさで、中心星からの距離も15~68AUと離れているため撮像を可能にしている、
以上は惑星系の形成仮定の研究において貴重な観測データとなる。

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