Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

銀河系の立体地図作り  

地球の平均公転直径は0.00003162光年である、一方、リギル・ケンタウルスの距離は4.39光年、地球の公転直径を底辺として二等辺三角形を描いたら、m
001_20170622020653216.jpg
(*二等辺三角形になるとは限らないが、わかりやすくこうした)
A-C-Bの角度は0.0004127°になる、A点とB点の観測角度は半分ずつの0.0002063°の傾きとなる。最も近い星でたったこれだけ^^;
しかし、先日話題にした天文衛星「ガイア」は角度を36億分の1°まで測れると聞いた。
とは言っても「36億分の1°」なんてピンとくる数字じゃない;
gaia_20170622020905c55.jpg
天文衛星「ガイア」 
ガイアと同じ精度の測量機があるとして、地上の距離の測定に縮小して置き換えてみる、例として東京都心から富士山頂上まで約100kmだが、これを測るとする、
fuji map
限界精度にして、三角測量の底辺は最低どれだけあれば測定可能か、計算してみる、
半径100kmの円を描いたとして、円周は628km、
円弧の角度1°分は、÷360°で、1744mである、
さらに1°の36億分の1なので、
1744m÷3600000000=0.000000484444m
で、0.00048444mm となる、
測定場所は2点あるので、これの2倍取って、0.0009688889mmで、
東京都心から富士山頂までの距離を三角測量するのに、底辺は約0.001mmあれば測定可能ということになる!?
002b_20170622190412725.jpg
地球の公転直径なんて、地上の測量に置き換えればこんなもん!ちょっと信じがたいが、3万光年まで測れるとは、こういうことで天文学的測量か・・
計算法や捉え方間違ってないかな^^;

なお、日本でもJasmine計画で、天文衛星を打ち上げる、初号機として、小型のnano-jasmineを2017年12月に打ち上げ予定、
Nano-JASMINE.jpg
天文衛星「nano-jasmine」
精度は過去のヒッパルコス衛星並みだが、ガイアは機能上明るい星は観測できないらしいので、nano-jasmineがこれを観測、星の立体地図作りを補い合うそうだ。

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esa動画:45万年の星の動き  

1718年、英国の天文学者エドモンド・ハレーは恒星も長い間に位置が変わる、固有運動を発見した、これは古代ギリシャの天文学者ピッパルコスが約1850年前に残した正確な星の位置表とハレーの時代の位置と比較してわかった。m
固有運動:あくまで地球から見た、相対的な天球上の位置移動)

1838年、ドイツの天文学者フリードリヒ・ヴィルヘルム・ベッセルは固有運動が大きい星は距離が近いと予測して、はくちょう座61番星の距離を年周視差により初めて測定した。ただ地上からの測定は大気の影響で角度に誤差が生じやすい。
年周視差:地球の公転直径を底辺とし、対象の星との間にできる三角形の角度)

こうした先人の観測手法を高精度に集約した観測衛星が、銀河系の立体地図を作りつつある、
1989年、esaが打ち上げた、天文衛星「ピッパルコス」に続いて、2013年、同じくesa打ち上げの天文衛星「ガイア」が恒星の距離、等級および固有運動の計測を行っている、
gaia.jpg
年周視差による距離測定イメージ
イメージ図に対し、実際の角度は極めて僅かだが、ガイアは36億分の1度まで計測できる。
20等級以下の10億個以上の恒星の測定を行う、もちろん人が肉眼で見える星の距離は全てわかり、半径約3万光年の範囲、銀河系の中心まで測定できる。ただし、個々の星の固有運動を含めた計測結果を得るために恒星1つに対し、平均70回の計測を要する、途方もないデータ量だ。

さて、今回、ガイアの観測成果の一部として、固有運動に基づき、現在から45万年後までの、オリオン座付近の星々の動きを表す動画が公開された。
you tube esa
you tube:The future of the Orion constellation
シアターモードで見ると、画面内の小さな星まで全て動いているのがわかる、遠い星はゆっくりで、手前を高速で横切っていく星も見られる。なお、この動画には星の"誕生と死"は表されていない、ベテルギウスは画面の外に出て行くが、その前に超新星爆発で消えるだろう。
今までも、こうしたシミュレーション動画はあったが、画面内の小さな星まで全てが観測に基づいた動きであるのは凄い。

PS:銀河系最大の球状星団、ω星団(ケンタウルス座)の星達の動きをHSTを用いた8年間の観測で捉え、この先1万年をシミュレーションしたもの、動画になるのは最後のほうである、
Omega Centauri
you tube:Zooming in on Omega Centauri Stellar Motion
固有運動が真っ直ぐ持続する動きだが、実際は星同士で重力が影響し合い、進路は複雑に変化すると思われる。

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EHT:ブラックホール直接撮影に挑戦  

一昨日の続きです。m
数年前から計画されていたことだが、2017年4月4日から10日間でブラックホールの直接撮影の試みが国際チームにより実施された、結果がわかるのは数か月後になるそうだ;
できれば可視光で見たいところだが、途中にガスや塵など視界を遮るものが多くて無理、そこで障害物を掻い潜ってくる電波で見る、しかし、電波は波長が長いので、解像度を上げるには極めて大きな電波望遠鏡を必要とする、そこで考えられたのが、離れた場所の既存の電波望遠鏡を干渉計として連動させ、データを合成すると、超大口径に匹敵する解像度を得られるという方法だ。これを地球サイズに展開したのが、超長基線干渉計:VLBI(Very Long Baseline Interferometry)である、
vlbi2.jpg
VLBI説明資料:国立天文台
VLBIはリアルタイムでの合成処理が出来ないので、各地のデータをレコーダーで持ち寄って合成作業がされる、この方法で行ったのが今回の事象の地平線望遠鏡:EHT(Event Horizon Telescope)計画だ。
EHT map
事象の地平線望遠鏡:EHT(Event Horizon Telescope)map
alma.jpg
EHTの一員、アルマ望遠鏡
使われる電波はサブミリ波で、水蒸気の妨げを受けるため、全地点の天候が良いことが条件で観測上の難点、また各地から持ち寄ったレコーダーのデータが膨大で、観測時刻を正確に相関させて合成しないと画像にならないので、あとの作業が大変なようだ。数か月後、合成により価値ある結果が出なければネットワークを拡大して再観測も予定されている。観測対象は以前から狙っていた、銀河系中心のいて座Aスターと活動銀河M87の超大質量BHである、
X-RayFlare-BlackHole-MilkyWay.jpg
いて座Aスター(銀河系中心 27100光年)
M87.jpg
M87(おとめ座 6000万光年)
いずれも実視径が大きく観測しやすいと見込まれる。はたして今回、満足のいく結果が得られるだろうか?理論に基づいた多くの想像図があるが、
BH06.jpgBH05.jpg
想像図:(左)国立天文台ほか
これらのどれに近いだろうか、あるいはまったく予想外?^^;自転に対する見る角度でも違うと思われるが、どの図も高速自転等によるドップラー効果は共通のようだ。
BH 02
一般相対性理論によれば、上図中央のように円形に見える予測だが、左のように縦に引き伸ばされて見えたり、右のように横長に見えるかもしれない、この見え方でBHの物理法則がわかるかもしれない。BHは高速で自転しているらしいが、それは銀河の自転軸と一致するのか?そうであれば銀河系のいて座Aスターは自転の側面(赤道)から見ることになる、M87はジェットの噴き出すところが自転軸だろう。

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BH「事象の地平線」を検証  

様々な観測でブラックホールの存在は確実と見られるが、BHには光が逃げ出す速度と引き込まれる速度が釣り合う面があり、そこを「事象の地平線(地平面)」という、
BH tokei
地平面はシュヴァルツシルト半径とも呼ばれ、BHの質量で大きさは変わる。
よく落下物が落ち込むと、離れた場所の観測者には、地平面に貼り付いて止まったように見えると言われる、これはシミュレーション等で可視化した場合で、実際は真っ暗で見えない。
BH-swallow_2017061309421569a.jpg
事象の地平線を横切る星(Mark A. Garlick/CfA)
事象の地平線はA.アインシュタインの一般相対性理論から導かれるが、今のところ理論上のもので、実在は確認されていない、そこで、米・テキサス大学オースティン校のPawan Kumar氏らのチームは、銀河の中心にあるのが大質量BHではなく、大質量だが硬い表面を持った天体であると仮定、もしそうなら、そこに星が引き寄せられれば、消滅ではなく、衝突の様子が観測されるはず、ぶつかった星は破壊され、大質量天体を取り巻くガスとして、数ヵ月~数年くらい輝くはず、と推測できる。そんな様子を捉える観測をパンスターズ望遠鏡によるサーベイ観測(空の広い範囲の観測)で行った、
PS1dome.jpg
パンスターズ望遠鏡
しかし「硬い表面」を示す観測結果は一つもなかった、これが事象の地平線の実在を示す、逆説的な証拠になる、とのことだ。

ところで、今までの観測はBHを示す間接証拠だったが、直接、実写画像で見ようとする挑戦が続いている、見るとは言っても本体は真っ暗と思われるので、周囲の光の中央に事象の地平面が暗く浮かぶ「ブラックホール・シャドウ」を見ることになる、ズバリ見えれば、検証もへったくれもなくなる!^^ 過去記事:ブラックホール・シャドウ
世界の電波望遠鏡のネットワークで地球サイズ口径の解像度で見ようというものだ、アルマ望遠鏡も参加して、一応4月に観測は済んでいる
BH04.jpg
見える様子の予想図
≪続く≫

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超新星爆発なしで"BH"  

先日も取り上げたケフェウス座の銀河NGC6946は超新星爆発が頻発していると書いたが、何故頻発するのか、一見普通の銀河で活動銀河らしい姿ではないが?しかしこれまで、なにか活動的な様子を見せている。m
NGC6946-Subaru-Gen.jpg
NGC6946(2000万光年 すばる望遠鏡撮影)

5月31日NASA JPLによると、同じNGC6946銀河にあったN6946-BH1という大質量星(太陽の25倍)が超新星爆発を起こさず、直接BHになったらしい、と発表された。2009年にN6946-BH1が輝き始め、数か月、太陽の100万倍も明るく光り続け、(超新星爆発は起こさず)2015年には消えてしまった。確認のため、HSTとスピッツァーSTによる赤外線観測もされたが、存在は見られなかった、
ngc6946-bh1.jpg
N6946-BH1 消滅前と後
BHのでき方には理論上いくつかの道筋があり、中性子星が合体してもBHになるとか、宇宙初期には大量のガスが集まって、あまりに大質量のため星になることなく、いきなりBHになる場合とか、また恒星にはなったが、大質量のためその中心部にBHができ、自らを呑み込んでいく、という場合もあるらしい、ただこの中心部からは光速に近いジェットが噴き出し、超高エネルギーのガンマ線バーストが観測される。
今回のN6946-BH1はまた違う事例だろうか、数か月明るく光り続けたという記述しかない?
7566_illustration.jpg
経緯の想像図(NASA/ESA/P.)
拡大画像
このように超新星に至らず、真っ当な生涯をおくれない星が全体の1~3割だと推定され、超新星爆発の件数が予想されるより少ないという根拠にもなるそうだ。

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星の絶対等級  

一昨日は宇宙の距離単位について書いたが、絶対等級というのにも興味が湧く、m
ある恒星がちょうど1.0等の明るさに見えるとする、それが20光年の距離にあるとして、その星を、絶対等級を決める基準距離:10パーセク(約32.6光年)に持ってくれば、2.06等になる、また同じ1.0等に見えて1000光年の距離にある星なら、絶対等級は-6.3等と、極めて明るくなる(マイナスが付くと明るさを増す)・・同じ基準距離に置くことで、恒星の本来の明るさ(エネルギー)を知ることができる。
こんな計算が下の式でできる。べつに計算せずとも、データはいくらでも検索できるが、面白い^^観測衛星ヒッパルコス、ガイアによって、星の視等級と距離は正確にわかってきたので、この計算をするだけだ。
① M=m+5-5*log10d (*視等級と距離から計算)
② M=m+5+5*log10p (*視等級と年周視差から計算)
 M:絶対等級、d:距離pc、p:年周視差"、m:視等級(見かけの明るさ)

excel.計算表

太陽を除いて、全天で一番明るい恒星、シリウスは②の式で以下のとおり、
keisan 00
絶対等級Mは1.43となった、明るいのは近いためで、巨星というわけではない、

一番近い恒星、プロキシマ・ケンタウリは視等級m:11.13、年周視差p:0.768秒、②の式で絶対等級Mは15.56となった、暗い赤色矮星だ。
Proxima_Centauri_20170601100327395.jpg
プロキシマ・ケンタウリ(HST)

年老いた巨星アンタレスは視等級m:0.91、距離d:553.48光年で、絶対等級Mは-5.23となった、32.6光年の距離にあれば、すごく明るい。

はくちょう座のデネブも一等星に入る明るい星だが、①の式で以下のとおり、
keisan02.jpg sankou.jpg
距離dが非常に遠く、絶対等級Mは-6.93にもなる白色超巨星である。
因みに金星の視等級の最大が-4.7だが、アンタレスやデネブは32.6光年の距離にあってもそれを大きく上回る!
*絶対等級がわかっていれば、この計算で星を任意の距離に持ってきた視等級が出る、
③m=M-5+5*log10d
"1光年"くらいに近づけてみると面白い^^

絶対等級で概ね星の実際の明るさとエネルギーは掴めるが、以上は可視光の範囲での比較である、紫外線、X線など可視光以外のエネルギーも含めた、輻射絶対等級というのがあり、本当の恒星のエネルギーを表す。大マゼラン雲にある観測史上最大の質量を持つ恒星、R136a1は輻射絶対等級が-11.9になるそうだ、可視光より紫外線のエネルギーが高いらしい、
R136a1 b
R136a1.jpg
手前から、赤色矮星、太陽、B型主系列星、R136a1
R136a1は極めて大質量なため、寿命は短く、極超新星となって最後を迎えるとされる、

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宇宙の距離単位  

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これまでも宇宙の距離に関することを書いてきたが、今日はその距離単位について。
hasigo02_201705301114360b0.jpg
距離単位はいくつかあって、スケールごとに使い分けられる、もちろん「km」も使われるが、桁数はかなり多くなる;

天文単位(AU):太陽と地球の平均距離で1天文単位=149 597 870.7kmである、太陽系内や系外惑星系内で惑星など天体間の距離を現わすのに使われる、地球-太陽間に比べ、どれくらい離れているか、という見方で実感?しやすい。因みに土星の近日点距離は9.021AUである。

光年(ly):遠くの天体の距離を現わすのには、光年(ly)がよく使われるが、
1光年=9 460 730 472 580.8kmで、太陽系より外の距離を表すのに多くの書物は光年が用いられ、各天体の距離が数値的に比較しやすい。

パーセク(pc):この単位も遠い銀河の距離に使われる、1パーセク=3.261563光年で、中途半端な数字にも見えるが、年周視差が1秒角(3600分の1度) となる距離が1パーセクである、恒星の絶対等級(MV)を表す基準にもなる単位で、恒星を地球から10pc(32.6光年)の位置にもってきたら、何等級の明るさになるかを表したのが絶対等級である、因みに太陽は5等級になるそうだ。またパーセクは赤方偏移から距離を求める、ハッブル定数にも関わってくる、現在最も正確とされるハッブル定数は宇宙背景放射から求められた67.15±1.2 (km/s)/Mpcである、これは1メガ(百万)パーセク離れるごとに、毎秒67.15kmずつ遠ざかる速度が加算されるということだ、あとは天体の赤方偏移を測定すれば天体までの距離が計算できる。
現在観測される最も遠い銀河の1つ「EGS-zs8-1」はWikipedia(英語版)によると、赤方偏移z=7.7で、距離4Gpc(131億光年)となっている、
Galaxy-EGS-zs8-1-20150505.jpg
EGS-zs8-1(HST)
実際の観測は赤外線となるが、赤方偏移を取り除いた色彩で青く表現されている、ファースト・スターの集まった銀河かもしれない。ハッブル定数を73km/s/Mpcとすると、ほぼこの距離になるが、67.15km/s/Mpcにすると142億光年で、宇宙年齢を超えてしまう?;
Z keisan
単純計算はできず、補正要素があるだろう、後退速度は光速に近い;

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隠れていた超大質量BH  

活動銀河の一種、「はくちょう座A」は1939年、電波銀河として最初に発見されたことで有名であり、その後も頻繁に観測対象とされてきた。
距離は約8億光年とされるが、赤方偏移は Z=0.057 だそうで、ハッブル定数を67.15km/s/Mpcとして計算すると、8.07億光年となった、まあ良い線か^^
英・リバプール・ジョン・ムーア大学のDaniel Perley氏らは2015年から2016年にかけて、米・国立電波天文台のVLA(超大型干渉電波望遠鏡群)で、はくちょう座Aをあらためて観測したところ、銀河中心核近くに過去にはなかった、もう1つ現れた電波源を捉えた。
nrao17df01d.jpg
動画:はくちょう座Aの中心部、 電波源の出現
これは銀河中心部に2つの超大質量ブラックホールがあり、常に輝いているほうに加え、もう1つの暗かったほうが、恒星やガスなど、吸い込む「食糧」にありつき、アウトバーストを起こしたためだと見られている。超新星の可能性も考えられたが、長期間輝いているので、その可能性はないらしい。これら2つの超大質量BHは互いに1500光年ほど離れているが、周囲の物質を吸い込む特徴は一致しているそうだ。
nrao17df01f-1170x600.jpg
2つの超大質量BH 想像図、手前が新しい方、ちょっと手抜き画像だ
銀河合体の際、それぞれの中心にあった、2つの超大質量BHが周り合っているが、いずれはこれらも合体すると予想される。

はくちょう座Aは観測法によって様々な姿に見える、
iyl_cyga_optical.jpg
可視光で捉えたはくちょう座A、楕円銀河に見える

cygnusA.jpg
電波で捉えた超大質量BHのある中心部と大規模なアウトバースト

iyl_cyga.jpg
電波画像、可視光画像、X線画像(チャンドラST撮影)を重ねたもの

ところで、以下のようにいろんな名称が使われるが、未だ明確な使い分けがわからない^^;
* アウトバースト、アウトフロー、スーパーウインド(銀河風)、ジェット
* クエーサー、活動銀河

いずれも中心に大質量BHがある、というものだが;

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スーパーノバ(SN)  

人類史に残る超新星爆発で最も近くで起きたのがお馴染み、かに星雲を残した爆発だが、約7000光年離れた場所だった、超新星爆発では強烈なガンマ線が放射され、これが5光年以内の近くで起きれば惑星上の生命は絶滅、50光年離れていても壊滅的な打撃とされる、太古の地球でも三葉虫の浅い海に生息する種が絶滅し、深い海に棲む種が生き残った、という事例が化石の調査でわかり、この時、太陽系近くで超新星爆発があったことが原因として挙げられる。
幸い、現在は超新星爆発を起こす候補の巨星は影響を受ける距離にはない。m
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ティコの超新星残骸(SN1572) *多様な色彩で多くの元素が含まれることがわかる
超新星は銀河系外で起きるものも含め、アマチュア観測家に発見されるものが多い、最新のもので米・ユタ州のPatrick Wiggins氏が5月14日に発見した、SN2017eawは、ケフェウス座の近隣銀河NGC6946(約2000万光年)に現れた。
2017eaw_20170525211018f52.jpg
SN2017eaw
明るさは12.8等、分光観測からIIP型超新星らしいことがわかった。なおこの銀河NGC6946には過去100年間で10個目の出現だそうで、頻発している。

近年、これに近い明るさだったのは2014年におおぐま座銀河M82に現れたSN2014Jだった、
SN2014J b
M82は(近くのM81の重力の影響で)銀河風を放つ活動銀河として先般も取り上げた、この銀河は星形成が活発で巨星が次々寿命を迎えて爆発し、銀河風のエネルギー源となっているとされているので、これもその1つかもしれない。
SN2014j a
SN2014J(HST)
動画→SN2014J:出現前と出現時
超新星にはいくつかの"型"があり、Ia型といえば、距離がわかることでお馴染み、分光観測などで判別される。
参照:超新星の分類(Wikipedia)
参照:主な超新星(Wikipedia)

ところで、先述のSN2017eawなど、銀河系の星も多数写り込んでいるが、なぜ、NGC6946銀河の"超新星"とわかるのか、まず過去に撮影した銀河の画像と比較し、以前はなかった光点を見つける、それがもし我々銀河系内の超新星なら桁違いに明るいはず、また銀河間の星の無い場所で現れるはずがない、よって同じ方向に見える銀河に所属する超新星である、と判別できる。
1994年、おとめ座の銀河NGC4526(5500万光年)に現れた超新星SN1994Dは銀河円盤から結構離れた位置だが、
NGC4526-SN1994D.jpgNGC4526_2017052511311932e.jpg
SN1994D、左が出現時
ハロ領域か?ここも銀河の星が分布する所でそこに現れた。
超新星爆発は近くで起きれば脅威であるが、宇宙に重元素を含む多くの元素をもたらし、物質を豊かにしている。

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フォーマルハウトの塵リング  

可視光で初めて撮影された系外惑星で、事前に存在が予測されて発見されたのは"海王星"以来だと話題になったことのある、フォーマルハウトb(みなみのうお座、25光年)は2004年と2006年、HSTが掃天観測用高性能カメラを用いて捉えた・・はずだったが?m
Fomalhaut planet_b
フォーマルハウトb(HST撮影)
その後、再観測されておらず、存在は疑問視されている、惑星に見えたのは小天体の衝突で生じた「塵の雲」だったのでは、との見方もある。それ以後もフォーマルハウトbの正体は確認できていないようだ。

中心星のフォーマルハウトは大きさが太陽の1.84倍、年齢が約4億歳で非常に若いが、原始星の段階は終えた成熟した恒星だそうだ。距離25光年はヒッパルコス衛星の年周視差測定により、信頼できそうだ。
foma.jpgfomalhaut.jpg
フォーマルハウト(HST撮影)

5月22日の情報で、アルマ望遠鏡が最高の解像度でフォーマルハウトの周りにある塵のリングの全体像を捉えた、
nrao17.jpg
アルマ望遠鏡(オレンジ)とハッブル宇宙望遠鏡(青)で撮影したフォーマルハウトを取り巻く環
このリングは惑星系外縁部の彗星や小天体が衝突し合って出来たものと考えられている、リングはフォーマルハウトから約200億kmの距離にあり、幅は約20億kmと見られる、
太陽系との大きさ比較図
またこの環の形状は惑星の重力の影響で作られることが、コンピュータモデルの解析で確認されたそうだ。このリングはこれから惑星系が作られる原始星の周りの円盤ではなく、ある程度出来上がった惑星系の中であとから出来たものだそうだ。中心星から遠い場所では公転速度が遅く、塵が渋滞して密度が高まるので、強い電波が観測される、という理論予想のとおりであることも確認された。また先述のフォーマルハウトbを(一旦)見つけた、カリフォルニア大学バークレー校のポール・カラス氏は「いずれ、環を形作るちりの軌道に影響を与える惑星そのものを見つけたい」と語っているそうだ。

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