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Michael: Classic音楽,Lute,宇宙

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学 etc

M.ダゴスト:Bach リュート作品集  

バッハのリュート作品を自分で弾こうというモチベーションは全くないのだが^^;聴く分には本当に飽きのこない曲が揃っている、もちろん奏者の演奏にもかかってくる。 
リュートによる演奏では今村泰典氏の録音が完璧主義から言うと一つの理想であるが、もう一つ好きな演奏にイタリアの奏者、マリオ・ダゴストの録音がある、
BRILLIANT CLASSICSはお値打ちながら古楽の良い全集ものを出してくる、
M D Bach lite
2012年録音 BRILLIANT CLASSICS
M D Agosto
Mario D'Agosto
ホプキンソン・スミスに師事した人で、師匠譲りの感じもあるが、バロックluteらしい、ゆったり脱力した感覚で聴かせるのが良い、それでいてBWV997や998のフーガ楽章なども各声部が明確で、さりげなくきちんと聴かせる(これが技ありと思える)、
997のジーグにはドゥーブルが続くところ、ジーグの反復にドゥーブルを持ってきている、長ったらしくならず良いアイデアv
995はバッハの楽譜どおりに演奏するにはコントラGまで出る14コースの楽器が必要だが、
sc bwv995
ダゴストは13コースに収めた編曲にしている、
装飾演奏も巧みで、いつも問題に思える995のあまりにシンプルなサラバンド、
sc bwv995 02
この反復演奏も見事、今どきリュート奏者がこの楽譜のまま、ってのは通らないだろう、
1006aではブーレとジーグがだいぶゆっくりだが、十分に含みを持たせた味わいがある、余韻を聴かせる間もなく突っ走るのはリュートに相応しくないのがわかる。
1006aなど曲により変則調弦も用いているようだが詳細はわからない。

you tubeに当アルバムが通して聴けるように挙がっている、
M DAgosto Bach you
you tube:J.S. Bach: Complete Lute Music

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category: J.S.バッハ

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リュートと鍵盤による Bach:リュート作品  

バッハが書いたリュート作品というのはおそらくリュートをイメージした鍵盤曲と思われる。バッハは同時代のリュートの大家、S.L.ヴァイスとも親交があり、関心は深かったと思われ、BWV1025という共同作品も成立している(原曲はヴァイスが書き、それにバッハがvnパートを加え、vnと通奏低音のためのソナタになっている)、 
BWV1025_20200630084505189.jpg
you tube:Sonata for violin and continuo in A-dur BWV 1025
また、BWV995、997、1000はバッハに近しいリュート奏者が編曲したと思われるリュート譜(タブラチュア)が残っている、

G.レオンハルトは早くからこれらの曲をチェンバロで演奏、録音している、流れる主旋律に簡潔なバスラインが付く書法が本来の鍵盤曲にはない魅力だったらしい、ホ短調のBWV996などかなり鍵盤的だがギターに移しやすい曲でもある。
なお、BWV996、997、998はバッハには異例的書法もあり、他人の作という可能性も否定できない、997と998のフーガは中間の喜遊部を終えて、Dal Segnoでフーガの冒頭に戻って繰り返す、バッハにこういう例は他にない、曲は素晴らしいが。
bwv998 tab
今村氏編曲:BWV998サンプル
その後これらは多くのリュート奏者が手掛けているが、d-moll調弦という通常のバロックlute調弦では全ての曲をカバー出来ない、
Lute_Tuning_Baroque13_2020063008450940c.jpg
d-moll調弦
移調するか変則調弦を使うなど、各々の工夫で演奏しているが、それでも通常のリュート曲にはない難しさは多い。かつてはN.イエペスも変則調弦を用い、全曲録音を行なった、
初めはARCHIVからM.シェーファーのところへ全曲録音の話が行き、彼は「無理だ」と断ったと聞く、たぶんリュートの真価を求めるシェーファーにとって、手掛けるべき"宝玉"は無尽にあり、"バッハのリュート曲"は眼中になかったのではないか?

近年の録音で、まず今村泰典氏のリュート演奏を聴くと、今村氏は音楽に対し完璧主義のようで、変則調弦で原調を尊重、またバロックluteではバス弦は開放のみで弾き、鳴りっぱなしになるところ、きちんと止めて、全声部がくっきり繫がり鍵盤演奏のように聴かせる大変なテクニックである。
変則調弦では必要に応じ弦を張り替えるらしく、生の演奏会は成立しないだろう。
Y I bwv1006a
you tube:Lute Partita in E Major, BWV 1006a: VII. Gigue

もう一つ興味深いのはラウテンヴェルクによる演奏、この楽器は現存するものがなく、どんな構造だったか不明で、現代は小型チェンバロにガット弦を張った楽器を想定して作られる、
参考:ラウテンヴェルクによる、BWV1000
L W BWV 1000
you tube:J.S.Bach: Fuga in sol minore BWV 1000
エリザベス・ファーはラウテンヴェルクで鍵盤ならではの良さも大いに聴かせるが、リュート風のじっくり足もとを決めるようなアゴーギグも入れて、それが何とも良い味わいである。
E F bwv1006a
you tube:Lute Partita in E Major, BWV 1006a: VII. Gigue

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category: J.S.バッハ

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知られざる英国作曲家  

ルネサンス後期の英国では劇作家のウィリアム・シェイクスピアとともに音楽ではウィリアム・バード、ジョン・ダウランドなどの活躍があり、エリザベス朝は黄金期であった、 
バロック期になるとヘンリー・パーセル(1659-1695)が有名だが、
Purcell.jpg
Henry Purcell
その後はドイツから帰化したG.F.ヘンデル(1685-1759)が中心的存在となり、英国出身の有名作曲家というのは耳にしなくなる、古典派期に入っても音楽に関しては輸入国となった様子で、ハイドンなどが渡英すると大人気で迎えられた(ハイドンも英国への移住を勧められたのだが、それは辞退した)。
しかし、パーセル以後、英国の作曲家がいなかったわけではない、メジャーな存在が出なかっただけで、良い曲を書いている人もいる、
まず、ヘンデルの友人だったという、ジョン・スタンリー(1712-1786)、
Stanley.jpg
John Stanley
世代的には初期古典派になろう人だが、協奏曲などを聴いてみると、まさにヘンデル、さらに遡ってA.コレッリを思わせる作品もある、you tubeにロイ・グッドマン指揮する演奏が挙っている、録音はだいぶ過去のものと思われる、
stanley con you
you tube:J. Stanley - Concerto No. 2 in B minor for Organ and Strings

次にウィリアム・ボイス(1711-1779)、
Boyce.jpg
William Boyce
この人もスタンリーと同時代だが、やはりヘンデルを引き継ぐ作風を見せている、ヘンデルのスタイルが王室を象徴する音楽様式となったのかもしれない。
T.ピノック指揮による、シンフォニア集、これはyou tubeで続けて聴ける、
Boyce you
you tube:Boyce: Symphony No.1-No.8
シンフォニアと言っても古典派スタイルではなく、ヘンデルの合奏協奏曲を3楽章仕立てにしたような作品群である、No.6のようにフランス風序曲に始まる曲もある、

さらに、カペル・ボンド(1730-1790)という人もいて、ハイドンの世代であるが、依然と、スタンリーと同じような曲を書いている(過去にyou tubeにあったが消えている)、
やがて、古典派、ロマン派スタイルの作曲家も出てくるが、今日知られる人は出ていない、
因みに天文学者で有名なウィリアム・ハーシェル(1738-1822)は古典派作曲家でもあった、
W Herschel
you tube:William Herschel - Symphony n. 8 in C minor (with score)

その後有名な英国作曲家といえば、エドワード・エルガー(1857-1934)やグスタフ・ホルスト(1874-1934)、ベンジャミン・ブリテン(1913-1976)くらいしか浮かばない?
英国が大々的に音楽を輸出するようになるのは、それこそビートルズが登場してから?のようにも思える^^

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category: その他・バロック

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Zefiro:ヘンデル「水上の音楽」 ほか2枚  

田んぼに水が張られ、ふと思いついたのが「水上の音楽」^^ 
ヘンデルの「水上の音楽」はバロック音楽入門の1つとしても親しみやすい作品だが、これは演奏側にとってもやり甲斐のある作品で、発展性があり、演奏の数だけ楽しみがある、
組曲の各曲の間にはアダージョの間奏が置かれ、楽器ソロが入るが、楽譜はごく簡潔である、
handel w m
装飾的リアライゼーションは奏者に任される、obソロが多いがvnも使われる、同時に通奏低音も技の見せどころ、ここだけ取っても楽しみである、昔から録音は数多くあるが、これが一番の名盤、とは決められない。

ジーン・ラモン&ターフェルムジークの演奏をSONYが数多く録音しているが、この水上の音楽は録音の素晴らしさが光っている、
water music j lamon
この盤はオーディオ機の劣化チェックにもしているが、音場が透明で拡がりがあり、vnのくっきり美しい音、trpやhornは輝きと厚みをもって響く、第2組曲の始まりのAllegroなど、あまり急速にせず、バロックtrpやhorn独特の大らかなトリルをじわり聴かせるのが良い、これはyou tubeに挙っていないが、聴き甲斐のある1枚である。

NAXOSから出ているケヴィン・マロン指揮、アカデミア・アンサンブルはやや距離を取ったような録音で、会場で響きが溶け合う美しさをよく再現する、こういうのもバロックを楽しむ大きな要素である、第2組曲ではtrpにtimpを伴わせる、
k m
you tube:Wassermusik-Suite Nr. 1 F-Dur, HWV 348: I. Overture: Largo - Allegro - II. Adagio e staccato
you tube:Water Music Suite No. 2 in D Major, HWV 349: I. —

新しいところで、ゼフィロ・バロックOの演奏、古楽演奏も20世紀終り頃から本格化して、一つの演奏史となっていると思う、今も進化中であるが最新の洗練された演奏になる、*当盤はヘンデルの間にテレマンの「水上の音楽(ハンブルクの潮の満干)」が入り、楽しませるカップリングである。
zefiro handel w m
通奏低音は小編成部分ではテオルボが主に奏で、tuttiではチェンバロが加わる、といった響きの合わせも味わいがある、ソロの装飾、hornの荒々しい鳴らし方、新鮮な楽しみが聴かれる。
zefiro handel w m you
you tube:G.F. Händel: "Water Musick" in Seven Parts HWV 348, 349, 350 [Zefiro-A.Bernardini]

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category: G.F.ヘンデル

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J.S.Bach:Cemb Con No.1 (2枚)  

レコード盤の持ち方として、音溝部分には手を触れないのが常識、触れてもよいのは盤の端と中央のレーベル面のみ、筆者はこのように左手で持ち、中央の穴に薬指を当てるのが習慣づいている、これが結構滑り止めになり、クリーナーで拭くにも安定する。 
lp hold
手のひらは触れていない
このT.ピノック:バッハ、チェンバロ協奏曲のLPは発売当初に買ったので、40年程になるが;ジャケットはまだ新品の感じだし、盤の音質も摩耗した様子なくクリアである、
pino bwv 1052 lp
トレヴァー・ピノック:cemb,指揮 イングリッシュ・コンサート
アルヒーフ 1979年

性質上、慎重に扱うおかげでCDよりも長持ちかもしれない。
昨日はふと聴きたくなって針を下ろした、バッハの他の協奏曲には甘美な旋律を持つ曲もあるが、BWV1052のユニゾンで始まる鋼のような主題は引き付ける力がある。
pino bwv 1052 lp2
古楽演奏も定着して長くなリ、チェンバロ協奏曲No.1 BWV1052も様々な盤を集めたが、
ピノックが1979年に録音した当盤は少しも古く感じない、全楽章インテンポ基調で鮮やかなテクニックで整然と進める演奏はいつまで経っても良い、
第1楽章で原曲vnの技法(同音異弦)をそのまま移した部分、
20190926095943294_20200527092042bb1.jpg
ここは下鍵と上鍵を交互に使ってレガートに響かせる、
終楽章のキレの良さはその後の音盤にもなかなか無かった。
t p bwv 1052 you
you tube:Bach - Harpsichord Concerto No.1 in D Minor BWV 1052
*全楽章続いて再生される
↓これは同録音をLP盤から起してあり、ピッチでわかるが、テーブル回転が少し速い;
t p bwv1052 02
you tube:J.S. Bach Harpsichord Concerto in D minor BWV 1052

近年出た演奏で気に入っているのが、フランスのJean Rondeauが演奏したもの、各パート1人ずつの編成で、バスのバランスがしっかりしてくる、
快速でRondeauの鮮やかなテクニックが魅力、
j r bwv 1052 you
you tube:Bach: Harpsichord Concerto No. 1 in D minor, BWV 1052 - Jean Rondeau

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category: J.S.バッハ

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H.ノイジトラー編:「千々の悲しみ」  

今日はルネサンス・リュートの話題をいくつか、 
ルネサンス期のドイツで有名な人に、ハンス・ノイジトラー(1508-1563)がいるが、先般も豊臣秀吉が聴いた?云々の話で書いた、ジョスカン・デ・プレ(1450?-1521)の「千々の悲しみ」という歌曲をノイジトラーもリュート曲にアレンジしていた、スペインのルイス・デ・ナルバエスは原曲のイメージ再現のような書き方をしているが、こちらはリュートらしい華麗なテクニックである、原曲が人気であったのを物語っているようだ、
たまたまyou tubeで演奏を見つけ、どこかで聴いたと思った、
20200423.jpg
you tube:Ieva Baltmiskyte - Mille Regres by Hans Newsidler
*リュートの奏法であるが、ギタリストも兼務する奏者で爪を伸ばしている、

*比較参考に、ルイス・デ・ナルバエスの「皇帝の歌(千々の悲しみ)」も、ホプキンソン・スミスのビウエラで、
20190914.jpg
you tube:Luys de Narvaez *リンクした最初の曲

もう一つ、ルネサンスlute リサイタルの収録、
若手の優れた奏者が出てくるが、Thomas Dunfordの演奏がじっくり聴ける、
録音も聴衆席で聴く雰囲気で上手く収録されている、
Thomas Dunford
you tube:Thomas Dunford Mezzo recital in Wigmore Hall
サムインサイド(親指内側奏法)テクニックはじつに見事であるが、意外に指のストローク(弦を弾いた後の動き幅)が大きい、それでも素早く指は間に合うのである、すべて暗譜なのも凄い、リュートは読譜で弾く なんて時代遅れだろうか;
ひじょうに良い楽器のようだが弦もこのような演奏環境に合わせ、PVFや巻弦を用い(くっきり鳴り、調弦も安定する)、現代的な扱いでもある、ヒストリカルなセッティングではこうしたリサイタルは無理だろう。中盤はアーチリュートに持ち替え、後期ルネサンス、G.カプスベルガーの作品、最後は再び英国作品で締めくくる。

PS.最初に戻るが、録音物でH.ノイジトラーを集めたアルバムってまず出ないので^^;知らない曲が多い、楽譜は手に入るが、ドイツ式タブラチュアで、
h n tab
ドイツ式タブラチュア
コースを表わす線はなく、各コース,各ポジションに固有の符号があり、ひじょーに憶え辛く、直には読めない;フランス式に訳すのもホネである;

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category: Lute music

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信長、秀吉も聴いた?クラシック ≪続≫  

現代、音楽を聴く我々は、大昔に書かれたクラシック曲でも、普遍的価値を認めた曲は繰り返し聴いているし、最新研究に基づく演奏となると、新曲が出たかのように興味をもって聴く、また録音物で50年以上前にヒットした懐メロも聴ける;
録音がなかった昔は誰かが生演奏する曲こそが音楽だった、という違いがある、モーツァルトやハイドンが書いたのも最新流行の現代曲だったはず。古い音楽で演奏されるのは教会の儀式音楽や各地に伝承される民謡くらいだったかも。

以前、豊臣秀吉が聴いたかもしれない?西洋音楽について書いたが、
hideyoshi.jpg
よく言われる、ジョスカン・デ・プレの「千々の悲しみ(Mille regrets)」という有名な歌曲が演奏された、という可能性は低いようだ、
JapaneseEmbassy_202004021128574af.jpg
天正遣欧使節がヨーロッパに到着したのは1585年、帰国したのは1590年、一方ジョスカン・デ・プレが生きたのは1440~1521年なので、この曲はたぶん80~100年ほど前に流行った過去の曲になる、この曲をビウエラに編曲したルイス・デ・ナルバエスも1500頃~1555頃の人である。かつてR大学の名誉教授が唱えた「千々の悲しみ」説は軽く空想を楽しんだ程度のものかもしれないが、それがいつの間にか可能性のある話として定着してしまった感がある、特に興味深い話はそうなりがち、nhkのららら♪クラシック「戦国武将を癒やした音色」の話題にもこの影響が出ていた。
参考:ホプキンソン・スミスの演奏でルイス・デ・ナルバエス「皇帝の歌」
原曲:ジョスカン・デ・プレの「千々の悲しみ」
20190914103344af6_20200402113035b8b.jpg
h s vihuela you*画像は録音に使われた楽器ではない
you tube:Luys de Narvaez
*リンクした最初の曲が「千々の悲しみ」

天正遣欧使節が帰国後、秀吉の前で演奏したのは1591年とされる、この時期はイタリアでモノディ様式が始まった頃で、ジュリオ・カッチーニ(1545?-1618)が有名である、C.モンテヴェルディ(1567-1643)も既に活躍しており、初期バロックが芽吹こうとする頃だろうか、「千々の悲しみ」は懐メロすぎて忘れられていたかもしれない、
カッチーニの「アマリッリ麗し」もお馴染みだが、天正遣欧使節の頃にはまだ書かれていなかったと思われる;?
Amarilli.jpg
参考you tube:Caccini: Amarilli mia bella
我々が昔の名曲として知っている曲を、天下人も聴いたかもしれないと想像するのもまあ一興ではあるが。

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category: ルネサンス・バロック

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M.シェーファー:French Baroque Lute  

S.L.ヴァイスはバロック後期にあたり、バロックluteの音楽を集大成した人でもある、この頃、luteは徐々に衰退する時期でもあった、 
現代の本格的なリュート復興に貢献した2人、O.M.ドンボアと今日取上げる、ミヒャエル・シェーファーの両氏は'70年代の終り、当時、古楽の優れた演奏を鮮明な収録で次々出したSEONレーベルに続けて録音した、まず、ドンボアがヴァイスとバッハを中心としたアルバムを2枚出し、第3集でシェーファーがヴァイスより前のバロックlute最盛期の作品を録音、良い順番だったと思うが、当時これらを聴いてリュート音楽に魅了された人も多いと思う、筆者もこれが「バロックlute音楽の真骨頂か」などと思いながら味わった^^
201310212247061b6_20200324095052529.jpg
バロックluteのニ短調調弦とも言われる調弦法はルネサンス期の調弦法から模索され、1~6コースの音程差を詰め、2度の不協和音による幻想的響きを多用するようになり、バス弦を拡張し、通奏低音の音楽に対応して完成、11コースが標準となり、後期には13コースになった、
Lute_Tuning_Baroque13.jpg
過去記事:ニ短調調弦
この調弦法に相応しい音楽がフランスで発展し、厳格な書法によらず、和音の移ろいが内面的に響いてくる「スティル・ブリゼ」というスタイルが確立した、これはルイ・クープランなどクラヴサン音楽にも影響している、他国のlute奏者もこの流儀の影響を受け、ヴァイスにも継がれている。
m s b lute you
you tube:Michael Schäffer - French Baroque Lute Suites
you tubeは1曲ごとに選択できるが、作曲者は以下のとおり、
0:00~13:04 フランソワ・デュフォー
14:53~24:07 ジャック・ガロ
25:32~38:14 エザイアス・ロイスナー
40:15~49:33 ヨハン・G・コンラーディ

lute音楽でも死者に捧げる「トンボー(Tombeau)」という曲が書かれたが、6:43からのデュフォー:「ブランロシェ氏のためのトンボー」がそれにあたる、
tombeau.jpg
組曲の順はアルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグが一応の標準だが、プレリュードや任意の舞曲が加えられる、原曲の曲集には同調の曲がまとめてあり、奏者が任意に選んでよい曲集もある。
m low lute
当録音に用いられた、マイケル・ロウ作、11コースlute

PS.これらリュート作品はオリジナルの調弦と運指が魅力を発揮するので、通常の6弦ギターに編曲しても表現しづらい、そこでニ短調調弦のギターも作られている、
13c guitar
you tube:S.L. Weiss, Fugue Dm - Mark Anthony McGrath,13-string guitar

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category: Lute music

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リュートのためのフーガ (更新)  

あらためて、リュート音楽の魅力について取上げていきたいが、親しみ易い曲と、いわゆる"通"好みの曲・・いろいろある;過去記事のまとまったものも再掲しながら連載したい、

フーガのように同じテーマを各声部で折り重ね歌わせていく書法は、リュートでは機能上難しいが、ルネサンス期には簡潔なテーマでポリフォニックな曲が多く書かれている、
6c lute
テーマの動きには制約があり、穏やかなものだった。
参考:フランチェスコ・カノーヴァ・ダ・ミラノのファンタジア
Milano Fantasia you
you tube:Francesco da Milano: Fantasia, Ness 30 (Erik Ryding)

後期ルネサンス~初期バロックのイタリアでは自由な形式のトッカータがリュートのために書かれた、自由とはいえポリフォニックな要素を織り込む箇所もある。
参考:アレッサンドロ・ピチニーニのトッカータ etc
a p you
you tube:Toccata VI - Alessandro Piccinini - Giulia Cantone
バロック期になると、主旋律と通奏低音の音楽になり、リュートの機能(調弦法)もそれに合うものに変化して、主旋律、バスとも広い音域で動く劇的な効果を出せるよう、低音コースも増えていった、
g t
自由なプレリュードや各種舞曲は得意だが、厳格なフーガなどこんな楽器ではとてもじゃない;・・と思えるが、作品は非常に少なく弾くのも難しい。
バロック後期のリュートの大家、シルヴィウス・レオポルト・ヴァイスが少ないながら、よく出来たフーガを書いている、いずれも今村泰典氏のLuteで達演である。
まずニ短調、これだけは自らも取り組んだ、短いが気に入った曲だ、
weiss fuga d moll
weiss d you
you tube:Silvius Leopold Weiss - Prelude and Fugue in D Minor
ハ長調のフーガもある、
weiss c you
you tube:Fugue in C Major / Silvius Leopold Weiss
次は"Grande Partita"とされる長い組曲の冒頭、フランス風序曲が置かれるが、グラーヴェに続きストレッタで書かれたアレグロのフーガ部分が演奏の巧みさも加え素晴らしい、
weiss Overture c
weiss ov c you
you tube:YASUNORI IMAMURA - Silvius Leopold Weiss, Sonata No 39 C Major "Grande Partita"
もちろん、難しい曲だ;

最後にバッハの曲も一つ、BWV1000は無伴奏vnソナタBWV1001のフーガからリュートに編曲された楽譜が当時からある、
bach bwv1000
BWV1000 imamura you
you tube:Fuga in G minor BWV 1000
全声部が明確な演奏である、
同曲をラウテンヴェルクで演奏した動画も挙げる、
bwv1000 lautenwerk you
you tube:J.S.Bach: Fuga in sol minore BWV 1000

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category: Lute music

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S.L.ヴァイス:Fantasie c minor  

ヴァイスのファンタジーはギターをやっていた頃、初めて暗譜した曲で、リュートをやりだしてからも飽きない、 
何度も練習したのに2-3年も弾いていないとすっかり手が忘れて、やり直しになるが、ちょっと麻痺ぎみだった頭には新鮮に感じる、プレリュード風の前半からフーガ風の後半に移るところが良いが、後半はアップテンポにするのが引き締まって好みだ。
バロックluteが心地よく鳴る良い曲で、こういうところ、
201703171529042ef_20200309092053fff.jpg
旋律は音階的だが、赤ラインのように音を残して次の音に重ねると弦が替わってもスラーで繫がったようにきこえる、あえてそういう運指に書いてあり、タブラチュアは響かせ方も明記した記譜法になる、指が寝ていると隣の弦を止めてしまう;
まず、今村泰典氏の聴き応えある演奏、
imamura weiss
you tube:Fantasie in c minor/ Silvius Leopold Weiss

ギター譜はホ短調かニ短調に移調されるが、昔はセゴビア盤のコピーみたいな楽譜が出ていて、あえて変更した音もあるかと思うが、これらなど旧来的、
you tube:Fantasie Weiss   you tube:Silvius Leopold Weiss Fantasie
ホ短調編の楽譜サンプルを1つ見てみると、
weiss-fantasia.jpg
①のDはこの楽譜どおり#が正しいが♮になっている楽譜があった、
②のAはこの楽譜も間違いで#になっているが♮が正しい、
そして前半最後の低音Bが続くところ、
weiss fantasia 2
③の2つを6弦Eに変えてある楽譜があるが、ここはオルガンペダルのような持続低音なので、
この譜例のようにBのままじゃないといけない、
ほかにもあるが、昔はヴァイスの原譜なんて見られなかったのでこうした譜に頼るしかなかった、今はネットで博物館の原譜を閲覧できる、(繫がりにくい時がある)
British Library Add MS 30387
134.jpg

you tubeにも新旧多々挙っているが、
この演奏は下譜の囲った繰り返し部分が(見落としか、抜いたのか?)欠落している、
fantasie 01 b
you tube:Silvius Leopold Weiss - " Fantasie", guitar Asya Selyutina

この演奏はニ短調編で、先述の持続低音は5弦の開放Aになる、一番安心できる演奏かな、
weiss fan you
you tube:Fantasie - Silvius Leopold Weiss played by Sanel Redžić

PS.全音から出ている「阿部保夫・恭士編 バロック名曲選集」にもFantasieがニ短調編で入っていたが、原譜を調べた正しい編曲だったと思う。
154419.jpg

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category: S.L.ヴァイス

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