Micha: Classic音楽とLuteの楽しみ

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学の話など

バロック好きの経緯  

子供の頃の記憶をたどると、クラシック音楽というより、まずバロック音楽に馴染んでいた気がする、たぶんラジオから聴こえてきた曲で、誰の何という曲かも知らないまま、とくにtrpやhornの入る晴れやかな曲に惹かれた、そしてリコーダーのまるい音色も子供には楽しかった、そんな記憶のある中で、中学くらいだったか、ラジオでたまたま聴いた曲が理想的で魅力だった、「バッハ作曲、ブランデンブルク協奏曲第2番でした」とアナウンスがあり、好きな楽器がみな入っていた。それから曲名を憶えてレコード「主に千円盤」も探すようになり、あまり豊富ではなかったが、バッハ、ヴィヴァルディ、ヘンデルなど名作のたぐいは集めた。
A.ヴァンツィンガーは早くから古楽器を用いた演奏を録音していたが、まだそれは特殊な扱いで、パイヤール、イ・ムジチなどが王道だった。 
やがて、G.レオンハルト、N.アーノンクール、F.ブリュッヘンやS.クイケンらによる古楽奏法に基づく録音が出て、楽しみ方の転記となった、
ba bra
はじめは、そのソリッドな響きと表現に戸惑ったのが正直なところ、しかし、バロックvnの透明感、flトラヴェルソの深みのある音色、ナチュラル金管のブリリアントな響き・・次々に嵌っていった;(*リュートだけは、ちょっと区別した?楽しみだった;)
そしてバロックの装飾演奏にも興味が湧いた、それはリピートの際に妙技を聴かせるのが慣例だったようだ。A.コレッリが書いたvnソナタの原曲譜と、実際、コレッリが装飾演奏した実例を書き留めた楽譜が残っていて有名である、
core op5-5 01
ソナタop.5-5原曲譜:曲の骨子のみが書いてある、
core op5-5 02
コレッリが装飾演奏した一例と思われる記録譜、
ほか、当時の演奏家が残した教本など、今やバロックの演奏はこうした資料に基づき、音楽的に習得した演奏でないと成り立たないと言える、通奏低音奏者も同様、
バロックvnによるソナタop.5-5の動画を1つ、
cre op5-5 you tube
you tube:Corelli sonata in G minor op. 5 nr 5
装飾の妙技はリピートで行われる、

ほか、コレッリの「フォリア」の主題による変奏を3つ挙げるが、演奏史を追って聴き比べるのも面白い、
H.シェリングによる20世紀の巨匠らしい演奏、
h s corelli
you tube:Henryk Szeryng plays Corelli's "La Folia" Sonata

I.パールマンによるクライスラー編曲版での演奏、殆どロマン趣味にアレンジされている、
i p corelli
you tube:Itzhak Perlman - Corelli: La Folia (arr.Kreisler)

最後はHesperion XXIによる巧みな古楽演奏、通奏低音も大いに聴かせる。
corelli 04
you tube:Corelli : La Follia

少し時代が下ると、G.タルティーニなどは原曲譜にかなり高度な技法を具体的に書いている。
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猫のフーガ etc.  

ドメニコ・スカルラッティが「猫のフーガ」という曲を書いているが、彼が飼っていた猫がクラヴサンの鍵盤上をよく歩き、偶然出た音をテーマにしてフーガを書いた、と伝わる曲だ。
実際、猫が鍵盤の上を歩けば、2鍵くらい一緒に踏むだろうし、後ろ足で踏む音も出るし、こんなふうには聴こえない、印象に残った音をヒントにしてテーマにした、くらいか?m
cats fuga 01
you tube:scarlatti sonata g minor (cat's fugue) K30 - L499
なかなか良いフーガで、終盤[139]からオルガンの持続低音を模倣して終わる。
cats fuga 02

動物の鳴き声描写の鍵盤曲としてはジャン・フィリップ・ラモーの新クラヴサン組曲No.2に含まれる「雌鳥 "La poule"」がお馴染み、この組曲全体が様々な描写音楽で面白い。
まずはクラヴサンによる演奏、
you tube 01
you tube:Hank Knox - Rameau, La Poule
もう1つピアノによる鮮やかな演奏、
you tube 02
you tube:Grigory Sokolov Rameau's "La Poule"
この速さでクラヴサンを弾いたら、けたたましいかも?;

また、ラモーの「クラヴサン曲集と運指法」第1集、組曲No.2には「鳥のさえずり」という同様の曲が入っている。
you tube 03
you tube:J.P.Rameau - Le Rappel des Oiseaux - Pieces de Clavecin (Scott Ross)

ほかに、ヘンデルのオルガン協奏曲で「カッコーとナイチンゲール」の声を入れた曲がある。
hadel org con
you tube:G.F. Händel: Organ concerto No. 13 in F Major HWV 295
バロック作品に絞ったが、いずれもさすがセンスよく、聴き応えのある曲になっている。

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作者不詳:ヴィターリのシャコンヌ etc.  

「ヴィターリのシャコンヌ」というのが、vnの名曲としてあるが、これはバロック期のリンダーという、ドレスデンの音楽家による手稿譜が残るのみで、vn奏者のT.A.ヴィターリ(Tomaso Antonio Vitali、1663年-1745 伊)が作曲したという証拠はないらしい、
Vitali_tomaso_antonio.jpg
Tomaso Antonio Vitali
明らかなのはバロック期の誰かが作ったということ。
リンダーの手稿譜を元に19世紀、メンデルスゾーンと同時期のvn奏者F.ダヴィットがvnとpfのために編曲している、さらにロマン派後期の頃、L.シャルリエという人が華やかな変奏を加えたものが今日よく演奏されるらしい。H.シェリングのシャルリエ版による演奏を聴くとリンダーの譜にはない挿入部分がかなりあり、そこはバロック的ではない、pfパートも通奏低音とはかけ離れたロマン趣味になっている。
h s vn
you tube:Henryk Szeryng plays Vitali's Chaconne
音楽として楽しめれば否定するつもりはないが、
バロック期に戻ったリンダー版による演奏はバロックvnの先駆者、E.メルクスが最も初期に録音している、
20140321134451573_20180112104316a09.jpg
you tube:Vitali - Ciaccona, Chaconne ("Original" Version), part 1
vn:エドゥアルト・メルクス
org:E.ミュラー、lute:K.シャイト

確かに"混ぜ物感"はなくなるが、古楽奏法は模索の時期だった。
vi cac
リンダー版
参考:リンダー版による新録音でAttilio Motzo(バロックvn)の動画
v chaco
you tube:Tomaso Antonio Vitali - Ciaccona in sol min. per Violino e Basso
作曲が誰であれ、手を加えずとも魅力あるシャコンヌだ。

ほかにも有名作曲家の曲として、長く親しまれてきた曲に、実は他人の作曲だったというのがいろいろある、
バッハのメヌエット(BWV Anh 114)とされてきたこれは、
bwv anh114
C.ペッツォルト(Christian Petzold)というオルガン奏者の作だった。

「ハイドンのセレナード」でお馴染みだったSQの主題は
andante canta
ロマン・ホフシュテッター(Roman Hofstetter)という修道士でアマチュアの作だった。

また「おもちゃの交響曲」もハイドン作と伝わっていたが、これには早くから疑問にされていた、1951年、レオポルト・モーツァルトのカッサシオンに含まれる曲とわかり、"父モーツァルト作曲"が定着したが、1992年にオーストリアのシュタムス修道院で、当時の神父が写譜した「おもちゃの交響曲」が見つかり、同地の作曲家エトムント・アンゲラーが1770年頃に作曲したと記されていた、現在、原作者はアンゲラーが有力視されている。

このほか、バッハのvnと鍵盤のための組曲イ長調 BWV1025が、リュートのS.L.ヴァイスの曲だったという件は過去にも書いた。
桐山建志&大塚直哉:バッハ vnと鍵盤の為の作品集 vol.5

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バッハの編曲術  

バッハは教会、世俗カンタータ合わせ、200曲を超える数を書いているが、さすがに全て新作で、というのは無理だっただろう、前作を転用するのは常、とくに器楽曲として書かれたもので、カンタータの内容にふさわしいものを冒頭のシンフォニア等に編曲しているが、これがまた面白い。

カンタータ「われ心より至高なるものを愛す」BWV174
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you tube:J. S. Bach: Ich liebe den Hochsten von ganzem Gemute (BWV 174) (Koopman)
ご存じ、ブランデンブルクcon.の第3番、弦楽だけの原曲に管楽器が加わる。

カンタータ「神よ、我ら汝に感謝す」BWV29
bach01.jpg
tou tube:J.S. Bach~ Cantata BWV 29 'Wir danken dir, Gott, wir danken dir': Sinfonia
これもお馴染み、無伴奏vnパルティータ ホ長調 BWV1006のプレリュード、バッハはお気に入りだったのか、これをラウテンヴェルク用にも編曲している→(you tube:BWV1006a
 
カンタータ「我ら多くの艱難を経て」BWV146
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you tube:J.S. Bach Cantata BWV 146 "Wir mussen durch viel Trubsal"
これはあのチェンバロ協奏曲No.1の第一楽章、ソロがオルガンになり、管弦楽とのコンチェルトになる。

前奏曲とフーガ ニ短調 BWV539のフーガ
bach03.jpg
you tube:J.S. Bach - BWV 539 - Fuga d-moll / D minor
カンタータではないが、無伴奏vnソナタ ト短調 BWV1001のフーガをオルガン用に編曲している、いかに声部を加えたかが興味深い。
bwv1001 fuga
原曲
また、バッハ側近のリュート奏者による編曲も残っていて、BWV1000 とされている、
bwv1000_201712292020590b1.jpg
you tube:Johann Sebastian Bach: Fuge BWV 1000 / Andreas Martin, Lute

カンタータ「笑いは我らの口に満ち」BWV110
bach04.jpg
you tube:Bach - Cantate BWV 110 - Unser Mund sei von Lachens
これは管弦楽組曲第4番、序曲からの編曲、管弦楽に合唱が加わっている、どちらが先に成立したのか?あるいは、カンタータに転用することも見越して作曲していたり?^^

無伴奏vn作品のように隠されていた声部をバッハが具現化してくれているようで興味深い。
カンタータのシンフォニアはCDの空き時間によくカップリングされ、いろいろ楽しめる。

バッハ以外の後世の編曲も多くある、あのトッカータとフーガ ニ短調BWV565(偽作説あり)をストコフスキーだったか、orch.編にしている、異様な大味で、これも「好きじゃない・・」の一つだ、トッカータとは即興性をもったソロ楽器のための曲で、演奏のキレ味を聴かせるもの、それを大勢でワサワサ合奏しても、もどかしいだけ;
ムソルグスキーの「展覧会の絵」のorch.編も同様かな、ピアノのほうがいい;

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category: J.S.バッハ

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フルトヴェングラーのバロック  

unagiさんのブログを拝見して、G.マーラーがバッハの管弦楽組曲を編曲した楽譜があると知り、演奏するとどんな感じだろうと、ふと思いついたのがフルトヴェングラー指揮、ヘンデル:合奏協奏曲ニ短調0p.6-No.10の演奏で、過去に興味があってCDを買っていた、もしかして、同じ時代の息吹が聴けるのでは?と、
fu handel
怖いもの見たさ半分に聴くと、「問答無用!」と迫ってきて、すっかり引きずり込まれる、
ブラックホールかこれは!^^
荘重な序曲に始まり、アレグロのフーガは息の長いテーマで書かれ、全体に深みをもつ作品、
handel.jpg
you tube:Wilhelm Furtwangler "Concerto grosso Op 6 No 10" Handel
参考に古楽演奏で、A.マンゼ指揮、AAMの演奏
you tube:Handel: Concerto Grosso, Op. 6: No. 10 in D Minor, HWV 328

次はフルトヴェングラー指揮、バッハの管弦楽組曲No.3、アリアも興味あるところ、
bach.jpg
you tube:Wilhelm Furtwangler "Orchestral Suite No 3" J.S.Bach
なんと、K.リヒターがこの感覚に近いところがある、

フルトヴェングラーの古典派もちょっと聴いてみる、
まず、グルックの歌劇「アウリスのイフィゲニア」序曲、これはR.ワーグナー編曲によるもので、原曲の内容は変更していないが、管楽器を増強して荘重な響きを狙い、序曲から本編へ繋がるように書かれたのを単独で終わるように終結部を改編、かなり大袈裟に長引かせるのがこの時代らしいかも;
gluck.jpg
you tube:WILHELM FURTWANGLER "IPHIGENIE EN AULIDE" (Gluck), Overture
前述のヘンデル0p.6-No.10と同様、ロマンティックな時代のウケがよい曲かもしれない。

面白いのがモーツァルトの交響曲No.39、第一楽章を聴き比べると、予想イメージとして、ワルターのほうをフルトヴェングラーだ、と勘違いしそう^^
moz 39 f
you tube:BPO / Wilhelm Furtwangler live: Mozart Symphony No. 39 (1944)
moz 39 w
you tube:Mozart - Symphony n°39 - NYP / Walter

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category: G.F.ヘンデル

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A.セゴビアのバロック  

現代クラシックギターの父と呼ばれるアンドレス・セゴビア(1893-1987)は確かにギターの活躍の域を広げた偉人だと思う、セゴビアはフルトヴェングラーやB.ワルターと同時代で、この時代の価値観を持つ、そこは歩み寄って聴く必要がある。
seg baroque
A.セゴビア(ギター) リュートとハープシコードの音楽
当時は演奏家の腕前(味付け)を示す時代でもあり、古い旋法で書かれた過去の作品はこの時代に馴染む音に変更されるのが普通だったようだ、楽譜を選ぶときは注意が要る。
表現法も各演奏家の個性が尊重された、セゴビアは撥弦楽器のギターを声で歌うかのように弾き、盛んに編曲を行い、ギターのレパートリーを拡張した。スパニッシュのギターにナイロン弦を用いたのもセゴビアが始まりだった。

お馴染み、S.L.ヴァイスのファンタジーをセゴビアのギターとN.ノースのリュートで比べてみると時代の違いがわかる、
se weiss fa
you tube:Andres Segovia - Weiss - Fantasie
north weiss fa
you tube:Fantasia in c minor by S. L. Weiss, performed by Nigel North

もう1曲、ヴァイスのブーレ(ソナタト短調より)をセゴビアと、R.バルトのリュートで、
you tube:Andres Segovia - Weiss - Bourree Suite XIX
you tube: Weiss - Lute Sonata(Suite) No.25 in g minor / Robert Barto, baroque lute
weiss buree
じつはこの曲、セゴビアの演奏で初めて聴いて気に入った、セゴビア流に歌っている独特の味わいもまたわるくない、ヴァイスはイタリア仕込みの作風なので合うのかも。

次はC.F.シャーレ(Christian Friedrich Schale 1713-1800)という聞き慣れない人のメヌエット、ギャラント様式の易しい鍵盤曲だが、これがセゴビアの手にかかると何とも言えぬ味わいが加わる、残念ながらセゴビアの動画はないがこんな曲、これにこってり味がつく。
scha min
you tube:Minuet in C | Schale, Christian Friedrich | + Sheet Music Free
楽譜

人間は絶えず新しいものを求めるので、こういう時代があったからこそ、一度リセットして、作品が書かれた頃の奏法、響きを再現してみたくなる、そこでピリオド指向の演奏が始まったように思う。今は演奏の歴史が録音で聴けるので面白い。

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category: その他・バロック

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G線上じゃないアリア  

ご存じのとおり、「G線上の・・」とはバッハの管弦楽組曲No.3ニ長調(BWV1068)のアリアを19世紀のヴァイオリニスト、アウグスト・ウィルヘルミがvnとpfのために編曲、ハ長調にしてG線のみで弾くようにしたもので、それ以来、通称となっている。
原曲に弦の指定はなく、跳躍のあるバスの上で、vn1とvn2の掛合いと和声の響きが魅了する、
BWV1068.jpg
G線だけで弾いて、何か良くなるとも思えないが、現在でもご丁寧にウィルヘルミ編が弾かれるようだ、バックがorch.でも・・
you tube:Air On The G String, J. S. Bach - Anastasiya Petryshak

さて、このアリアの真に美しい演奏はどんなものか、いろいろ探ってみた、古いところで、カール・リヒター盤、同時期のバロック演奏家達とは一線を引いたような存在感で、ミュンヘン・バッハOの緻密な合奏はひと味、上質に感じた。
bwv1068 k ric
you yube:Karl Richter J.S.Bach - Orchestral Suite No.3 D-dur

次はカール・リステンパルト指揮、ザール室内Oの演奏、じつは初めて耳にした音盤がこれだった、当時としてはオーソドックスな演奏だろう。
bwv1068 k ris
you tube:J. S. Bach Orchestral Suite No.3, Karl Ristenpart

以上は20世紀的演奏だが、古楽演奏が盛んになった頃の代表として、C.ホグウッド指揮、エンシェント室内O、この頃からこのアリアは"弦楽合奏"と"各パート一人ずつ"の演奏例があり、ホグウッドは合奏、T.ピノックの初盤は一人ずつだった、さすがに響きが透明で美しい和声が聴けるようになった。
bwv1068 hog
you tube:J.S. Bach Orchestral Suite BWV 1066-1069, Christopher Hogwood

最後はラインハルト・ゲーベル指揮、ムジカ・アンティクヮ・ケルン、これももう30年前の録音になるが、今も特筆したい演奏だ。
bwv1068 mak
you tube:Bach Orchestral Suite no.3 BWV 1068, Musica Antiqua Koln
各一人ずつで、さすがに小音量だが、vn1とvn2がデリケートな弓使いでそれぞれ心地よい装飾を行い、和声の色合いには耳をそばだてたくなる。

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"ペダル チェンバロ"による バッハ:オルガン曲  

PCの故障とネット回線の引き換え工事がちょうど重なり、更新を休んでいました、今日より再開します。
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ネット通販もなかった頃、アメリカのアウトレット・ショップから定期的にCDカタログが送られてきて、"レーベル、曲目、演奏者"のみ記してあるリストから選び、注文票をFAXして取り寄せていた、暗中模索に近いが;結構良い希少盤が手に入った。
今日取り上げるのもその1枚で「Pedal harpsichord」という文字が目に付き、それだけで思わず注文した;

bach pe cemb02bach pe cemb01
オルガン曲はオルガンで聴くのが一番、かもしれないが、足鍵盤のあるペダル・チェンバロはオルガン奏者の練習用だけでなく、立派なコンサート楽器でもあると感じたしだい、当盤の奏者、ダグラス・アムリン(Douglas Amrine)はアメリカ生れのオルガン奏者、アムステルダムでG.レオンハルトにオルガン、チェンバロを師事している。
アムリンはチェンバロ的な技法、装飾を行いながら、楽器の魅力を活かしているのが素晴らしい、録音も良好。
収録曲
d a bach pe cemb
特に好きなのは、足鍵盤でテーマが始まるパッサカリアとフーガ ハ短調BWV582で、ゴトゴトと機構音が伴い、打楽器的な補助効果にも聴こえる、手鍵盤の変奏が始まると華麗に魅了する、それにしてもこの曲は変奏が進むにつれて引き込む傑作だ、オルガンに対し、少しも物足りなさを感じない充実感で聴ける、
音が持続して重なるオルガンより、減衰するチェンバロは次に重なる声部の出だしが分離して聴き易い、後半にフーガが続くが、このように低音がジグザグ進行するのは足鍵盤に都合よく、切迫感がでて、一挙両得だ、
bwv582 a
ただ、このような長い持続音はどうするのだろう?
リュート音楽なら小節の頭くらいで再度弾くが、
bwv541.jpg

以前にはyou tubeに良い参考動画がなかったが、今回、D.アムリンの演奏が挙がっていた、
d a you tube
you tube:J.S.Bach: Passacaglia in C Minor BWV 582
プレリュードとフーガ ト長調 BWV 541も良い曲だ
you tube:J.S.Bach: Prelude and Fugue in G Major BWV 541
今でもこれに勝る良い録音は他に見つからない。

huigo.jpg
オルガンに空気を送るフイゴ職人

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category: J.S.バッハ

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ティンパニが奏でる旋律  

トランペットの次はティンパニです^^
B timp
Baroque timpani
ヘンデルの「デッティンゲンのテ・デウム」はじつにヘンデルらしい祝賀的な作品だが、冒頭曲の "We praise Thee, O God"ではtimpのDとAの2音だけで出来たシンプルな主題で全パート、ユニゾンで始まり、全体の基盤となる、シンプルなだけに力強く印象付ける、
hwv283 sc01
手持ちの盤では、S.プレストン盤が気に入っている、独唱はS.A.T.Bとあるが、この演奏ではsop.ソロをWestminster聖歌隊のBoy sop群が全員で歌っている、
HWV283 EC
サイモン・プレストン:指揮、 ウェストミンスター聖歌隊、
イングリッシュ・コンサートほか、 ARCHIV

参考動画を2つ挙げる、まずはプレストン盤
you tube:G.F. Handel The Dettingen Te Deum & The Dettingen
 The English Concert Simon Preston
もう一つ、こちらも良い演奏だ、
HWV283 you tube
you tube:G.F. HANDEL: Te Deum in D major "Dettingen" HWV 283
Ensemble Vanitas / Coro della RSI

次に、C.グラウプナーの作品、当時の作曲家人気投票で3位だったにもかかわらず、彼の作品は諸事情で200年以上も未公開で保管されていたが、20世紀終りにタイムカプセルから放たれた、古楽演奏の進んだ昨今、良いタイミングでもある、20世紀中頃のバロック演奏法では真価は聴けなかっただろう、詳細→Wikipedia
c g gwv420 421C Graupner
クリストフ・グラウプナー、序曲ニ長調GWV420とGWV421
ラウラ・トッフェッティ&トビアス・ボンズ指揮、
アンティーキ・ストゥルメンティ
2007年録音、stradivarius

切れ味のあるグラーヴェのあと、アレグロのフーガに入るが、このテーマがじつに楽しい、やがてtimpもこのテーマを奏でる、
c g gwv420
c g gwv420b
you tube: Graupner: Ouverture in D GWV 420
グラウプナーには他にも、timpの2音で構成したテーマの序曲を多く書いていて、同じくニ長調の序曲 GWV 421はtimpをもっと活躍させて面白い。
you tube:Graupner - Ouverture in D GWV 421 (1/2)
主音と属音の2つだけで、結構、らしい旋律ができるし、その単純さが引き付けるvテレマンの作品にも、「○○と○○とtimpの為の協奏曲」というのがある。

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"バロックtrp"による Brandenburg Con No.2  

ラッパ類なんて誰が考え付いたのか、喉の奥の声帯と同じことをマウスピースに当てた唇にやらせようという難しそうな楽器だが、その輝かしい響きには比類がない;バロック期には楽器奏者の中でもtrpの名手は一番地位が高かったと聞く。
バロック・トランペットとは、何の仕掛けもないナチュラル管で、このように右手で持ち、左手は腰に当てる、という構えが正しいらしい、m
b trp01b trp03

しかし、現代の聴衆は常に正確な音程で当たり前、という耳を持っている。
現代、バロックtrpとして使われる楽器は大抵、trp奏者のマイケル・レアードが考案した、管の途中に補正孔(vent hole)が施され、これを開閉して音程を補正するものだそうだ。
naumann-trumpet1_20171126014632623.jpg
ナチュラル管的な音を損なわないので、古楽器として受け入れられている、現代のコンサートでは完全に昔のままの楽器を用いるのは難しく、他の楽器にも同様な面があり、リュート属もピッチの安定する現代素材の弦を使うのが殆どだろう、バロック楽器の性質を損なわない変更なら、問題はないと思う。
この補正孔付きバロックtrpで演奏したブランデンブルクcon No.2(BWV1047)は今や多くの録音があるが、手元にある盤では、ニクラス・エクルンドやウィリアム・ワースの演奏が見事で、その純度の高い音は機構の付いたtrpにはない魅力だ。
bwv1047 n ebwv1047 w w
左:エクルンド、右:ワース盤

参考動画:J.E.ガーディナー指揮のブランデンブルクcon No.2、
you tube:BBC Proms 2010 - Bach Day 6 - Brandenburg Concerto No. 2

ただし、S.クイケンだけは妥協せず歴史に拘り、ブランデンブルクconの1回目の録音(DHM)ではナチュラルホルンを用い、2回目の録音(ACCENT)で、真正なナチュラルtrpを演奏できる ジャン-フランソワ・マドゥーフを起用している、
s k bwv1047
trp:ジャン-フランソワ・マドゥーフ
シギスヴァルト・クイケン指揮、ラ・プティット・バンド

動画にはマドゥーフが吹く第2番の終楽章が挙がっていた、歴史的構えである^^v
b trp05
bwv1047 s k
you tube:Bach 2nd brandenburg Kuijken La Petite Bande Osaka

バッハの時代、ゴットフリート・ライヒェのような超名人がいて、BWV1047もこうした奏者のために書かれたのだろう。
fig1931.jpg
ゴットフリート・ライヒェ(1667-1734)

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category: J.S.バッハ

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