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Michael: Classic音楽,Lute,宇宙

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学 etc

信長、秀吉も聴いた?クラシック ≪続≫  

現代、音楽を聴く我々は、大昔に書かれたクラシック曲でも、普遍的価値を認めた曲は繰り返し聴いているし、最新研究に基づく演奏となると、新曲が出たかのように興味をもって聴く、また録音物で50年以上前にヒットした懐メロも聴ける;
録音がなかった昔は誰かが生演奏する曲こそが音楽だった、という違いがある、モーツァルトやハイドンが書いたのも最新流行の現代曲だったはず。古い音楽で演奏されるのは教会の儀式音楽や各地に伝承される民謡くらいだったかも。

以前、豊臣秀吉が聴いたかもしれない?西洋音楽について書いたが、
hideyoshi.jpg
よく言われる、ジョスカン・デ・プレの「千々の悲しみ(Mille regrets)」という有名な歌曲が演奏された、という可能性は低いようだ、
JapaneseEmbassy_202004021128574af.jpg
天正遣欧使節がヨーロッパに到着したのは1585年、帰国したのは1590年、一方ジョスカン・デ・プレが生きたのは1440~1521年なので、この曲はたぶん80~100年ほど前に流行った過去の曲になる、この曲をビウエラに編曲したルイス・デ・ナルバエスも1500頃~1555頃の人である。かつてR大学の名誉教授が唱えた「千々の悲しみ」説は軽く空想を楽しんだ程度のものかもしれないが、それがいつの間にか可能性のある話として定着してしまった感がある、特に興味深い話はそうなりがち、nhkのららら♪クラシック「戦国武将を癒やした音色」の話題にもこの影響が出ていた。
参考:ホプキンソン・スミスの演奏でルイス・デ・ナルバエス「皇帝の歌」
原曲:ジョスカン・デ・プレの「千々の悲しみ」
20190914103344af6_20200402113035b8b.jpg
h s vihuela you*画像は録音に使われた楽器ではない
you tube:Luys de Narvaez
*リンクした最初の曲が「千々の悲しみ」

天正遣欧使節が帰国後、秀吉の前で演奏したのは1591年とされる、この時期はイタリアでモノディ様式が始まった頃で、ジュリオ・カッチーニ(1545?-1618)が有名である、C.モンテヴェルディ(1567-1643)も既に活躍しており、初期バロックが芽吹こうとする頃だろうか、「千々の悲しみ」は懐メロすぎて忘れられていたかもしれない、
カッチーニの「アマリッリ麗し」もお馴染みだが、天正遣欧使節の頃にはまだ書かれていなかったと思われる;?
Amarilli.jpg
参考you tube:Caccini: Amarilli mia bella
我々が昔の名曲として知っている曲を、天下人も聴いたかもしれないと想像するのもまあ一興ではあるが。

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category: ルネサンス・バロック

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M.シェーファー:French Baroque Lute  

S.L.ヴァイスはバロック後期にあたり、バロックluteの音楽を集大成した人でもある、この頃、luteは徐々に衰退する時期でもあった、 
現代の本格的なリュート復興に貢献した2人、O.M.ドンボアと今日取上げる、ミヒャエル・シェーファーの両氏は'70年代の終り、当時、古楽の優れた演奏を鮮明な収録で次々出したSEONレーベルに続けて録音した、まず、ドンボアがヴァイスとバッハを中心としたアルバムを2枚出し、第3集でシェーファーがヴァイスより前のバロックlute最盛期の作品を録音、良い順番だったと思うが、当時これらを聴いてリュート音楽に魅了された人も多いと思う、筆者もこれが「バロックlute音楽の真骨頂か」などと思いながら味わった^^
201310212247061b6_20200324095052529.jpg
バロックluteのニ短調調弦とも言われる調弦法はルネサンス期の調弦法から模索され、1~6コースの音程差を詰め、2度の不協和音による幻想的響きを多用するようになり、バス弦を拡張し、通奏低音の音楽に対応して完成、11コースが標準となり、後期には13コースになった、
Lute_Tuning_Baroque13.jpg
過去記事:ニ短調調弦
この調弦法に相応しい音楽がフランスで発展し、厳格な書法によらず、和音の移ろいが内面的に響いてくる「スティル・ブリゼ」というスタイルが確立した、これはルイ・クープランなどクラヴサン音楽にも影響している、他国のlute奏者もこの流儀の影響を受け、ヴァイスにも継がれている。
m s b lute you
you tube:Michael Schäffer - French Baroque Lute Suites
you tubeは1曲ごとに選択できるが、作曲者は以下のとおり、
0:00~13:04 フランソワ・デュフォー
14:53~24:07 ジャック・ガロ
25:32~38:14 エザイアス・ロイスナー
40:15~49:33 ヨハン・G・コンラーディ

lute音楽でも死者に捧げる「トンボー(Tombeau)」という曲が書かれたが、6:43からのデュフォー:「ブランロシェ氏のためのトンボー」がそれにあたる、
tombeau.jpg
組曲の順はアルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグが一応の標準だが、プレリュードや任意の舞曲が加えられる、原曲の曲集には同調の曲がまとめてあり、奏者が任意に選んでよい曲集もある。
m low lute
当録音に用いられた、マイケル・ロウ作、11コースlute

PS.これらリュート作品はオリジナルの調弦と運指が魅力を発揮するので、通常の6弦ギターに編曲しても表現しづらい、そこでニ短調調弦のギターも作られている、
13c guitar
you tube:S.L. Weiss, Fugue Dm - Mark Anthony McGrath,13-string guitar

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category: Lute music

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リュートのためのフーガ (更新)  

あらためて、リュート音楽の魅力について取上げていきたいが、親しみ易い曲と、いわゆる"通"好みの曲・・いろいろある;過去記事のまとまったものも再掲しながら連載したい、

フーガのように同じテーマを各声部で折り重ね歌わせていく書法は、リュートでは機能上難しいが、ルネサンス期には簡潔なテーマでポリフォニックな曲が多く書かれている、
6c lute
テーマの動きには制約があり、穏やかなものだった。
参考:フランチェスコ・カノーヴァ・ダ・ミラノのファンタジア
Milano Fantasia you
you tube:Francesco da Milano: Fantasia, Ness 30 (Erik Ryding)

後期ルネサンス~初期バロックのイタリアでは自由な形式のトッカータがリュートのために書かれた、自由とはいえポリフォニックな要素を織り込む箇所もある。
参考:アレッサンドロ・ピチニーニのトッカータ etc
a p you
you tube:Toccata VI - Alessandro Piccinini - Giulia Cantone
バロック期になると、主旋律と通奏低音の音楽になり、リュートの機能(調弦法)もそれに合うものに変化して、主旋律、バスとも広い音域で動く劇的な効果を出せるよう、低音コースも増えていった、
g t
自由なプレリュードや各種舞曲は得意だが、厳格なフーガなどこんな楽器ではとてもじゃない;・・と思えるが、作品は非常に少なく弾くのも難しい。
バロック後期のリュートの大家、シルヴィウス・レオポルト・ヴァイスが少ないながら、よく出来たフーガを書いている、いずれも今村泰典氏のLuteで達演である。
まずニ短調、これだけは自らも取り組んだ、短いが気に入った曲だ、
weiss fuga d moll
weiss d you
you tube:Silvius Leopold Weiss - Prelude and Fugue in D Minor
ハ長調のフーガもある、
weiss c you
you tube:Fugue in C Major / Silvius Leopold Weiss
次は"Grande Partita"とされる長い組曲の冒頭、フランス風序曲が置かれるが、グラーヴェに続きストレッタで書かれたアレグロのフーガ部分が演奏の巧みさも加え素晴らしい、
weiss Overture c
weiss ov c you
you tube:YASUNORI IMAMURA - Silvius Leopold Weiss, Sonata No 39 C Major "Grande Partita"
もちろん、難しい曲だ;

最後にバッハの曲も一つ、BWV1000は無伴奏vnソナタBWV1001のフーガからリュートに編曲された楽譜が当時からある、
bach bwv1000
BWV1000 imamura you
you tube:Fuga in G minor BWV 1000
全声部が明確な演奏である、
同曲をラウテンヴェルクで演奏した動画も挙げる、
bwv1000 lautenwerk you
you tube:J.S.Bach: Fuga in sol minore BWV 1000

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category: Lute music

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S.L.ヴァイス:Fantasie c minor  

ヴァイスのファンタジーはギターをやっていた頃、初めて暗譜した曲で、リュートをやりだしてからも飽きない、 
何度も練習したのに2-3年も弾いていないとすっかり手が忘れて、やり直しになるが、ちょっと麻痺ぎみだった頭には新鮮に感じる、プレリュード風の前半からフーガ風の後半に移るところが良いが、後半はアップテンポにするのが引き締まって好みだ。
バロックluteが心地よく鳴る良い曲で、こういうところ、
201703171529042ef_20200309092053fff.jpg
旋律は音階的だが、赤ラインのように音を残して次の音に重ねると弦が替わってもスラーで繫がったようにきこえる、あえてそういう運指に書いてあり、タブラチュアは響かせ方も明記した記譜法になる、指が寝ていると隣の弦を止めてしまう;
まず、今村泰典氏の聴き応えある演奏、
imamura weiss
you tube:Fantasie in c minor/ Silvius Leopold Weiss

ギター譜はホ短調かニ短調に移調されるが、昔はセゴビア盤のコピーみたいな楽譜が出ていて、あえて変更した音もあるかと思うが、これらなど旧来的、
you tube:Fantasie Weiss   you tube:Silvius Leopold Weiss Fantasie
ホ短調編の楽譜サンプルを1つ見てみると、
weiss-fantasia.jpg
①のDはこの楽譜どおり#が正しいが♮になっている楽譜があった、
②のAはこの楽譜も間違いで#になっているが♮が正しい、
そして前半最後の低音Bが続くところ、
weiss fantasia 2
③の2つを6弦Eに変えてある楽譜があるが、ここはオルガンペダルのような持続低音なので、
この譜例のようにBのままじゃないといけない、
ほかにもあるが、昔はヴァイスの原譜なんて見られなかったのでこうした譜に頼るしかなかった、今はネットで博物館の原譜を閲覧できる、(繫がりにくい時がある)
British Library Add MS 30387
134.jpg

you tubeにも新旧多々挙っているが、
この演奏は下譜の囲った繰り返し部分が(見落としか、抜いたのか?)欠落している、
fantasie 01 b
you tube:Silvius Leopold Weiss - " Fantasie", guitar Asya Selyutina

この演奏はニ短調編で、先述の持続低音は5弦の開放Aになる、一番安心できる演奏かな、
weiss fan you
you tube:Fantasie - Silvius Leopold Weiss played by Sanel Redžić

PS.全音から出ている「阿部保夫・恭士編 バロック名曲選集」にもFantasieがニ短調編で入っていたが、原譜を調べた正しい編曲だったと思う。
154419.jpg

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category: S.L.ヴァイス

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ダブル・コンチェルト Ⅰ  

ソロ楽器が活躍する協奏曲は無数にかかれているが、傑作の多くはソロ楽器1つの作品に集中する、しかし数こそ減るが、ソロが2つの曲なら結構名作がある、

J.S.バッハは生涯、国外に一歩も出ることなかった、若い頃、兄が所有する多くの楽譜を書き写したという話をなにかで読んだ憶えがあるが、そのなかにヴィヴァルディ、マルチェッロなどイタリアの作品もあり、その音楽趣味も学んでいったと思われる、旋律美をもった協奏曲がいくつも書かれ、後世でもよく演奏される要素だろう、どれを聴いても"バッハ風"だが^^
特に親しみ易い名作が2つのvnの為の協奏曲BWV1043、vnとobの為の協奏曲BWV1060(R)だろう、BWV1060は原曲譜が残っておらず、バッハが編曲した2台のcembの為の協奏曲ハ短調BWV1060として残るのみ、 
bwv 1060
bwv 1060 01
you tube:Concerto for two harpsichords in C minor BWV 1060
cemb:クリストフ・ルセ、クリストファー・ホグウッド

BWV1060(R)は復元された方で、原曲はvnとobがソロだったと推測され、各々の楽器の技法に合った書法である、両楽器に適したニ短調に移調するのが普通だ、
bwv1060r.jpg
*↑この譜例はハ短調で書いてある
bwv 1060 02
you tube:Bach - Violin Concertos BWV 1060 - Elizabeth Wallfisch 432Hz
E.ウォルフィッシュ(vn)、A.ロブソン(ob)
確かにobが1本入って蘇るような曲である。

ここで、過去も取上げた面白い演奏、まずはobパートもvnで弾いた、A.マンゼとR.ポッジャーによる演奏、obのときと違い、ソロvnが合奏と重なるとソロが消えたようにきこえる、
bwv 1060 03
you tube:Johann Sebastian Bach, concerto for two violins d-minor BWV 1060, Manze/Podger

もう1つはソロの1つをvn、もう1つはcembが弾く、という演奏、調はハ短調をとっている、
bwv 1060 04
you tube:Concerto for Two Harpsichords in C Minor, BWV 1060 (arr. for violin and harpsichord) :
I. Allegro II. Adagio III. Allegro
V.ムローヴァ(vn)、O.ダントーネ(cembと指揮)
現代もいろいろ楽器を入れ換えて楽しめるが、これは当時もよく行なわれたようだ。

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category: J.S.バッハ

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ヴィヴァルディ「四季」:音盤歴  

クラシック音楽に興味を持てばいずれ聴くことになるヴィヴァルディの「四季」だが、これも最初は千円盤を小遣いで買った、たしかヘンデルの「水上の音楽」と一緒に買ってきた記憶、この頃はレコードを買い足すたびにわくわくしていた。
「四季」はコロムビアのダイヤモンドシリーズにあった、近年、再び見つけて聴いてみたが、こういうのは初めての食品のように懐かしい味を耳で感じる、
vivaldi 01
ローラン・ドゥアット指揮、スイス・イタリア放送合奏団
高域が強めの録音だが爽快なサウンドで嫌味がない、演奏はレガート基調、ソロvnは「四季」のソネットに沿った描写を聴かせ、遊び心がある、バックの合奏は強弱の対比を深くし、弦楽シンフォニーといったところ、確かにヴィヴァルディは交響曲の祖かもしれない、合奏のvn1とvn2を左右に配置し、「夏」の終楽章など効果的。

次に買ったのはやはり千円盤でエラートのバロックシリーズ
vivaldi 02
クルト・レーデル:指揮
ミュンヘン・プロ・アルテ室内O
オットー・ビュヒナー:vn

ステレオで'50年代終り頃と思われるが、音響的には地味な録音で、こちらはドイツ的というか、折り目正しい感覚、当時は装飾演奏というのは皆無と言えたが、当盤は緩叙楽章でO.ビュヒナーが積極的な装飾演奏を行なっている、今の古楽奏法からすれば真っ向から聴けるものではないが退屈させない、
you tube:Vivaldi "Le quattro stagioni (The Four Seasons)" - Kurt Redel (from LP)

*イ・ムジチ盤はもっぱら知人が持っているのを借りて聴き、新鮮な演奏を求めた。
最新盤は購入した、過去記事:イ・ムジチ:ヴィヴァルディ「四季」最新盤

古楽の時代に入り、N.アーノンクール、S.クイケン、J.シュレーダーなどが先駆けて録音した、'80年代に録音された、T.ピノック,English ConcertとC.ホグウッド,AAMの2枚は過不足のない完成形として今も愛聴盤である、両盤とも、リュート、ギターが通奏低音で入った初めての録音で、ナイジェル・ノースが弾いている、
20181119 (2)
サイモン・スタンディジ(ヴァイオリン)
ナイジェル・ノース(テオルボ)
ロバート・ウーリー(オルガン)
トレヴァー・ピノック(指揮&チェンバロ)
イングリッシュ・コンサート
1981年10月 ロンドン、ヘンリー・ウッド・ホール(アルヒーフ 旧西独盤)

you tube:Vivaldi 4 Seasons. Trevor Pinnock/Simon Standage

20181119 (1)
クリストファー・ハイロンズほか(vn)
N.ノース(テオルボ、ギター)
クリストファー・ホグウッド(指揮&鍵盤)
エンシェント室内O
1980年 オワゾリール

you tube:Vivaldi: Concerto for Violin and Strings in E, Op.8, No.1, RV.269

その後も過去記事に挙げたように各々興味深く新鮮な楽しみがあった。
M.ハジェット:ヴィヴァルディ「四季」
J.ラモン&ターフェルムジーク:ヴィヴァルディ「四季」
フライブルク・バロック0:ヴィヴァルディ「四季」
アカデミア・ビザンチナ:ヴィヴァルディ「四季」

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category: ヴィヴァルディ

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M.ハジェット:Corelli vn Sonatas(更新)  

アルカンジェロ・コレッリ(1653-1713)はヴァイオリンの名人で作曲家、イタリア・バロック音楽の純度の高い美しさを誇り、推敲により完成度の高い作品だけを残している。
その後の作曲家達にも大きく影響し、vn音楽の聖典といったところ、 
Arcangelo_Corelli_20200207105035f5b.jpg
Arcangelo Corelli
コレッリはvnの超絶的な装飾演奏を行ったことが、当時の誰かが具体例を聴き書きで残していてわかる。
corelli 001
corelli 002
上が原譜、下が具体例の聴き書き
現代のバロックvn奏者はこの研究と習得が必須だろう、これが無ければ演奏価値はないと言える、比較的早い時期に名演を録音した1人が英国のvn奏者、モニカ・ハジェットだった、
460.jpgM Huggett 02
Violin : Monica Huggett
Harpsichord / Organ : Mitzi Meyerson
Cello : Sarah Cunningham
Archlute, theorbo, guitar: Nigel North
recordings in 1988, 1989
Label : Virgin Classics

当盤の魅力はハジェットの名演に加え、ナイジェル・ノースがリュート属による見事な通奏低音を弾いているところ、通奏低音はvc、cembも入り、適宜組み合わせを変える。
ソナタNo.1ニ長調より、Adagioの楽譜とyou tube:M.ハジェットの演奏を引用すると、
corelli so no 1 02
you tube:Sonata No.1 in D Major op.5-1/Adagio
一見、この楽譜の演奏に思えないが、vnパートは旋律の骨格のみ、バスパートも上に和声が数字で記されているのみ、残されているのはこれだけで、vnソロはもちろん、通奏低音にも名人技が要求される。
この曲集(CD 2枚組)は全曲、you tubeに挙がっている、オーディオ評価も逸品で、じっくり味わえる。
corelli vn sonata you
you tube:Corelli - Violin Sonatas Op.5 / Follia Variations
冒頭にフォリアの主題と変奏があるが、通奏低音にはバロックギターを使っている、ソナタNo.1~6はvnが2声を弾いて、トリオソナタのように聴こえる。

PS.コレッリが残しているのは殆どが弦楽器と通奏低音のための作品で、管楽器では唯一trpソナタを残しているのみ(これがまた良い曲)、その他の管楽器譜は編曲ものである。
crelli you
you tube:Sonata a quattro in D Major a Tromba Sola, Due Violini e Basso, WoO 4:
I. (Adagio) II. Allegro III. Grave IV. (Spirituoso) V. Allegro

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category: A.コレッリ

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作者不詳?ヴィターリのシャコンヌ(更新)  

「ヴィターリのシャコンヌ」というvnの名曲があるが、これは同時代のヤコブ・リンドナーという、ドレスデンの音楽家による手稿譜が残るのみで、vn奏者のT.A.ヴィターリ(Tomaso Antonio Vitali、1663-1745 伊)が作曲したという証拠はないらしい、参考:Wikipedia
Vitali_tomaso_antonio_20200131111412c8c.jpg
Tomaso Antonio Vitali
その大胆な和声使いからロマン派期の誰かが書いたのでは?という説まで出たが、リンドナーによるものらしい通奏低音の付いたバロック期の楽譜があるなら否定される、
20180112104311d44_202001311028212b6.jpg
リンドナー版
リンドナーの手稿譜を元に19世紀、メンデルスゾーンと同時期のvn奏者F.ダヴィットがvnとpfのために編曲している、さらにロマン派後期の頃、L.シャルリエという人が華やかな変奏を加えたものが今日よく演奏されるらしい。H.シェリングのシャルリエ版による演奏を聴くとリンドナーの譜にはない挿入部分がかなりあり、pfパートも含め、ロマン趣味に聞こえる。
2018011210431025f_202001311104461ef.jpg
you tube:Henryk Szeryng plays Vitali's Chaconne
音楽として楽しめれば否定するつもりはないが、
リンドナー版は"オリジナル・ヴァージョン"ということで、バロックvnの先駆者、E.メルクスが最も初期に録音している、
20140321134451573_20180112104316a09_202001311111367b6.jpg
you tube:Vitali - Ciaccona, Chaconne ("Original" Version), part 1
vn:エドゥアルト・メルクス、 org:E.ミュラー、lute:K.シャイト
メルクスの頃は古楽奏法は模索の時期だった、その後の古楽奏者の演奏例は少ないようだ。
最後にリンドナー版による新録音でAttilio Motzo(バロックvn)による演奏、
20180112125115b6b_20200131110303785.jpg
you tube:Tomaso Antonio Vitali - Ciaccona in sol min. per Violino e Basso
謎は尽きないが、作曲が誰であれ、手を加えずとも魅力ある曲だろう。

有名作曲家の曲として長く親しまれてきた曲に、他人の作だったというのが多々ある、バッハのメヌエット(BWV Anh 114)とされてきた曲は鍵盤奏者C.ペッツォルトの作だったが、
20180112.jpg
この「Anh音楽帳」にはクープランの曲や息子達の曲も入っており、不思議はない。
ハイドンの「セレナード」でお馴染みだった弦楽四重奏曲(Op.3-5)はロマン・ホフシュテッター(Roman Hofstetter)という修道士の作だった。
また、マヌエル・ポンセがセゴビアのために書いた「ヴァイス作」とされるイ短調組曲は後にネタが明かされたが、ギター向き過ぎるので元々疑われたもしれない;
ponce.jpg
you tube:Ponce Suite in A minor in the style of S.L.Weiss
ほか、バッハのvnと鍵盤のための組曲イ長調 BWV1025の原曲が、S.L.ヴァイスのリュート曲だったという件は過去にも書いた。
桐山建志&大塚直哉:バッハ vnと鍵盤の為の作品集 vol.5

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category: その他・バロック

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R.de.ヴィゼ:バロックギター  

バロックギターやテオルボのレパートリーに不可欠な一人、ロベール・ド・ヴィゼ(Robert de Visée 1650?-1725)の演奏動画を集めてみた。
ヴィゼはポルトガル出身とも考えられるが、1680年にルイ14世の宮廷楽士となり、ベルサイユ楽派らしい、主旋律にに通奏低音が付いた音楽をギター、テオルボ、リュートのために書いた、これらの作品は旋律楽器と通奏低音による演奏も成り立つものが多く、常に優美な旋律が流れるのが他のリュート楽派と一線を置いた魅力である。

まずお馴染みのニ短調の組曲、
visee 01
Baroque Guitar: Lex Eisenhardt
you tube:Robert de Visée, suite D minor. Lex Eisenhardt baroque guitar
4曲目のサラバンドは映画「禁じられた遊び」の音楽としてN.イエペスが弾いており、聴き憶えのある方も多いだろう、

次にイ短調の組曲、動画の弦上のポジションと音から、この独特の調弦法の味わいが実感してもらえるかと^^
visee 02
Baroque Guitar: Polivios Issariotis
you tube:French Baroque Guitar Music - Robert de Visée - Suite no. 1 in A minor - Polivios

さて、ヴィゼの魅力はテオルボ作品にも多い、サイズといい、響きといい、ギターとは随分違うが先日も述べたように調弦に共通部分がある、
tuning_20200128113806818_20200130091319c3e.jpg
だからといって、どちらか弾ければもう一つもすぐ弾けるわけじゃない;調弦法の活かし方と技法がかなり違うのである;テオルボの「1,2弦は本来oct.高くすべきところ、弦をこれ以上細く出来ないのでoct.下げた調弦になっている」・・と聞くが、結局この実音を活かした奏法となる、響きの重なりが魅力だが、調が変わり和声外になる音は止めないといけない、

2つほどテオルボの好演を挙げる、
これは前半がヴィゼのパッサカリア、(後半にカプスベルガーの曲が続く)
vise 04 te
you tube:Miguel Rincón | Robert de Visée & Kapsberger
たくさんあるバス弦を適宜、消音するテクニックがわかる、

次にト短調の組曲、ヴィゼはリュリやルイ・クープランの曲も何曲か編曲して取り入れている。
visee 04 te
you tube:Suite selon Robert de Visée - Lukas Henning, theorbe

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category: その他・バロック

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バロックギターのファンダンゴ  

バロックギターのレパートリーで重要な一人、サンティアゴ・デ・ムルシア(1673-1739)はマドリードの生まれで詳しい経歴はわからないが、ギターの達人で、作風はA.コレッリはじめ、イタリア、フランスの影響も受けている、A.コレッリのvnソナタをギター・ソロに編曲もしている、
corelli_2020012812115508b.jpg
you tube:Lorenzo Micheli plays Corelli/Murcia on the Baroque Guitar
また自国らしい作風も多々あり、そこが魅力、ドメニコ・スカルラッティとも時代は重なる。ムルシアもファンダンゴを書いているだろうと曲集を探ったら1曲だけあった、
しかし、楽譜は主題と変奏例がいくらか書いてあるだけで完結させず、"あとはご自由に"のように終わっている^^;2fan tab01
中略
2fan tab02
これは達者なテクニックでアレンジが出来るプロフェッショナル向けの曲だろう、いくつか動画を探ってみた、

①まずこれは、ほぼ残された楽譜の再現だ、
murcia fa 01
you tube:Santiago De Murcia Fandango

②次にパーカッションが加わった演奏、この動画の音声でバロックギターを生で聴くイメージがわかる、リズムを叩く箱の音が結構大きく、客席からステージの距離だとこんな感じだ、
*)大抵の録音では接近マイクでボリューム感を補強している、
murcia fa 02
you tube:Fandango by Murcia (1673-1739)_On Baroque Guitar & Cajon

③次はじつにギタリスティックでプロフェッショナル、
mursia fa 03
you tube:Fandango Santiago de Murcia-Stefano Maiorana Baroque Guitar

④これはカスタネットを合わせた演奏、
m fan 03
you tube:Fandango - Santiago de Murcia

⑤最後に、これは演奏も良いが、アートな画像も良い^^
murcia fa 04
you tube:Fandango "Santiago de Murcia"

リュートも生で聴けば上述の②番目のような聞こえ方になる、特に低音弦の音は遠達性がないので近くで聴くのを前提としたプライヴェートな楽器である、
なお、リュート属で音量の増大を図った楽器が大型のテオルボである、orchの中で通奏低音も行なうが、独奏曲も多く書かれている、ロベール・ド・ヴィゼの曲を1つ、
visee you
you tube:Robert de Visée Prélude et Allemande, Jonas Nordberg, theorbo
テオルボは調弦法が一部、ギターと共通した部分がある、ただしテオルボの②コースはoct.低いEになっている
tuning_20200128113806818.jpg
ヴィゼのギター曲については別に取上げたい。

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category: その他・バロック

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