Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話題など

近衛秀麿:オーケストラ編「越天楽」  

中学の音楽の授業で、雅楽「越天楽」のオーケストラ編のレコードを聴いたことがあり、かなり雰囲気迫れるもんだと興味深かったです。オーケストラへの編曲は1931年、作曲家で指揮者の近衛秀麿が行っていて、これは日本の雅楽を海外に紹介できるようにしたと言えるでしょう、L.ストコフスキーもこれをレパートリーとし、録音もしているそうです。micha
雅楽は世界最古の管弦楽で、原理的に今の楽器と同じものが全て揃っています。不協和音程を重ねる、雅楽独特の神秘性、西洋オーケストラの楽器では音律の違いなどで完璧にはいかないけど、よく雰囲気出ている、NAXOSの日本作曲家選輯シリーズの1枚に入っています。
CDケースの収納側が綺羅をあしらった色紙風v
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沼尻竜典:指揮、東京交響楽団
2000年、東京芸術劇場

雅楽の横笛は管に穴をあけただけの構造で、穴の開閉度合で滑らかにポルタメントできます、
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横笛(おうてき)又は竜笛
モダン・フルートは穴を隙間なく塞ぐ機構が付いていますが、リングキーのタイプは穴が開けてあって、ポルタメント奏法が可能だそうです。
リングキーfl
上がリングキー・タイプ
横笛で始まる「越天楽」は当然ポルタメントで聴きたい、当盤の演奏もたぶんリングキーのフルートでしょう、flトラヴェルソなら完璧に出来そう^^
曲は概ね三部形式で、横笛ソロでテーマが始まり、フレーズの途中、いいところで力強い総奏が鳴りだす、また中間部では様々な変化をきかせる、これはのちにハイドンが発展させたシンフォニーの手法そのものの気がする^^総奏は笙が導くように始まるが、この響きはvn群が見事に模倣、篳篥はオーボエ、箏はピアノ又はハープ、打楽器はそのままで行けます。
意外なのは楽琵琶の代役がファゴットのようで(各弦の音を短く吹いている?)、それらしく聴こえるんです、近衛秀麿の冴えたアイデア。

以下参考動画です、本物の雅楽の「平調」がオーケストラ編の基になったもの、「盤渉調」は調を変えた別ヴァージョンです、音域の狭い篳篥はオクターブ移動するので、曲が変わって聴こえるのが面白い。「音取」というのはチューニング確認を儀式化したものですね。

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動画→オーケストラ編:越天楽

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動画→平調 越殿楽

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動画→盤渉調 越殿楽

category: 邦楽

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宮内庁式部職楽部 「越天楽」三調  

たまには日本古来の音楽も聴きたい。
宮内庁式部職楽部による雅楽「越天楽」、3つのバージョンの入ったCDです。さすがDENONのPCM録音、鮮やかに澄み渡ったサウンドで楽しめる、雅楽は録音も肝心です^^
雅楽は世界最古の管弦楽ですが、現代のオーケストラの楽器と同じ発音原理の楽器が全て揃っていることになります。弦を弓で弾くというのがないだけ。笛類が主に旋律を受け持ち、自在にポルタメントをかけ、奏楽のメインとなります。初めは最もお馴染みの平調による越天楽、次が盤渉調という5度高い調、3つ目が黄鐘調という5度低い調の移調編、楽器自体の音域は限られているので、旋律は別曲のように変化する。各調の演奏の前に音取(ねとり)というオケで言う音合わせがあり、各楽器が順に鳴らされるが、儀式化されて、ここも鑑賞対象です。

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さて、平調越天楽、まず横笛(おうてき)が主題を吹き始める、主題の途中から総奏に入る、複数の篳篥と大太鼓が豪快に入り、ここはシンフォニック、ハイドンの交響曲でも聴かれる効果です。ただし、総奏に入る直前、笙が前兆的に鳴りだす、ここは西洋音楽にはない見事な効果。笙というのは高貴な音色ですが、ハーモニカに似ていると思っていたら本当に同じ仕掛けのリード楽器で、吸っても音が出るんですね。常に天から光がさすようなバック・サウンドを奏でます。総奏からはもっぱら篳篥が主旋律を受け持ち、ポルタメントで動く独特の不思議な音律で魅了する、横笛は助奏にまわり、不協和な旋律を加え神秘的、箏や楽琵琶が厳かに響きを彩る。
平調越天楽は結構長く、約10分、終番になるとまず、笙が止み、徐々に楽器の数が減っていく、打楽器も止み、篳篥、箏、琵琶のみになり、篳篥も断片を奏でるのみになり、最後は箏だけが静かに鳴って終わる。これってどこかで聴いたような^^
続く盤渉調も黄鐘調もそれぞれ、音取を聴かせたあと、演奏される、越天楽のバージョンとはいえ、まったく別の曲として楽しめる。
参考動画: 平調音取、越天楽

category: 邦楽

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