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Classic音楽,リュート,宇宙

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学 etc

多感様式:F.Benda fl協奏曲 ほか  

C.P.E.バッハらとともにフリードリヒ大王に仕えたフランツ・ベンダ(1709-1786)はvn奏者で、前古典派の中の多感様式という1つの楽派の一員でもある、以前にfl奏者のJ.J.クヴァンツのfl協奏曲を取上げたが、ベンダも大王が愛好し、プロ級だったであろうflのための協奏曲や室内楽など作品を書いている、 
franz benda
Franz Benda
今日はこれら3人の作曲家そろい踏みでいくv

ベンダの傑作はfl協奏曲ホ短調だろう、取り寄せたCDはローレンス・ディーン:flトラヴェルソ、 ハノーファー宮廷楽団による演奏、これもTOWERさんに頼んで「入荷しません」の通知が来るのかと思ったが、約2か月で届いた^^期待以上に名演で録音も申し分ない、
benda fl con cd
2002年録音 CHRISTOPHORUS
第1楽章、まず駆け抜けるような前奏、この前奏部からflはvn1と重ねて演奏するというのが協奏曲の常だった、現代はここは演奏しないのが慣例のようだ、
benda fl con sc01
ここからflソロがゆったりと始まる、
benda fl con sc02
始まりに長い音を聴かせ引き付ける、モーツァルトのfl協奏曲No.2にも見られる、
L.ディーンのflトラヴェルソがデリケートに味わい深く歌いだし、引き付ける、ソロvnの助奏が寄り添う、このflトラヴェルソの味わいはモダンフルートには置き換えられないだろう、大王がこの楽器に魅了され、愛好したのもわかる気がする、続く楽章を聴くとベンダは雅びな風合いもよく感じる、
終楽章はジーグ風のリズムで軽やか、flソロの妙技もよく聴かせる。
benda fl con you
you tube:Flute Concerto in E Minor:
I. Allegro con brio II. Adagio un poco andante III. Presto

聴き比べに以前挙げたクヴァンツのfl協奏曲G minor QV 5:196も再掲、
クヴァンツも多感様式の魅力とともに、雅やかな趣きがある、
20200823_20201210091834139.jpg
you tube:J.J. Quantz - 4 Flute Concertos | Frank Theuns Les Buffardins

最後にC.P.E.バッハのfl Con A minor Wq.166も再掲、
さすが多感様式の旗手とも言えそうな、凄味も利いた曲になっている、
wq 166 you
you tube:C.P.E. Bach: Flute Concerto in A minor, Wq.166, H.431 – Bremer Barockorchester

*多感様式:前古典派に位置するが、突然の気分の移ろいや研ぎ澄まされた感覚、跳躍の多い動き、バロックと古典派の間によくこんな斬新な音楽が生まれたものだと思う、初めてC.P.E.バッハのシンフォニアを聴いたときには取付かれた;父バッハのポリフォニックに構成された音楽に対し、C.P.E.のホモフォニックな書法を用いた曲は和声の移ろいがより明確に聴かれる。

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category: 前古典派

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L.Mozart trp協奏曲 ほか  

昔ながらのナチュラルトランペットは何の仕掛けもない管で出来ており、空気道に澱みがなく澄んだ響きを発する、これには純粋で一片の曇りもないような音楽がふさわしい、 
n trp
ナチュラルtrp
譜例のように低域は簡潔な和声音による旋律しか演奏できないが、これがtrpであり、昔はこの楽器が不完全だとは誰も思わなかっただろう。
trp sc
バロック~古典派初期までにこの楽器を活かした作品が多く書かれており、それがtrpらしい語り口になっている、ブラームスの時代には現代のバルブ式trpは完成していたが、ブラームスはorch作品の中であえて昔のナチュラルtrpでも演奏できるように書いているそうだ。
古楽演奏が定着した現代、多く使われるのはナチュラルtrpの響きを壊さず、微妙にズレる音程を補正する孔を設けた現代古楽器?と言えるもので、今の演奏環境に合わせたものだ、
b trp
こういう例はtrpに限ったことではないだろう。

さて、この楽器で演奏するニクラス・エクルンドの録音は1995年のものだが、美しく安定した響きと技巧はトップレベルだろう、
cd1_2020100809413060e.jpg
ニクラス・エクルンド:バロックtrp
ドロットニングホルム・バロック・アンサンブル

まず、レオポルト・モーツァルトのニ長調、この1曲があればいい、といえるtrpの純粋な美質を聴かせる、2楽章のみで第1楽章の跳躍した高音が魅力、
L Moz trp con sc
you 1
you tube:Leopold Mozart - Trumpet Concerto in D-major (1762)

ミヒャエル・ハイドンも同じく2楽章のtrp協奏曲を2曲書いているが、L.モーツァルトと職場を同じくしていたので、同じtrp奏者のために書いたかもしれない、
cd2_202010080941327a2.jpg
第2番 ハ長調、
第1楽章での高域の演奏がさらに高度になっている、
you 2
you tube:Michael Haydn - Trumpet Concerto No.2 in C-major

PS.なお、F.J.ハイドンが書いた名作、trp協奏曲変ホ長調は全ての音階を演奏可能にした新案の楽器、キーtrpのための曲で、
2020030817523045f_2020101023535088a.jpg
キー・トランペット
その機能に合わせて書かれている、いまいち濁った音であるが、このお陰で現代のtrpのために用意されたような曲がハイドンの手で残される幸運となった。
n e hay trp you
you tube:F.J.Haydn trumpet Concert/Niklas Eklund
Allegro Andante Allegro

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category: 前古典派

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多感様式:クヴァンツ fl協奏曲集  

先般も書いた、ヨハン・ヨアヒム・クヴァンツのfl協奏曲だが、ひじょうに魅力なので、あらためて取り寄せた、こういうマニアックなレパートリーはTOWERさんに頼んで取り寄せるが、日にちがかかり、入荷せずの知らせもあるが、今まで「何とか欲しい」と思っていたCDはそんな状況で集めたものが多い; 
クヴァンツはC.P.E.バッハとともにフリードリヒ2世に仕えたfl奏者兼作曲家で、作品番号は概ね作曲順と思われるが、後期ほどC.P.E.バッハに近い多感様式で、ワクワク、ゾクゾクする楽しみが色濃くなる、
Johann_Joachim_Quantz_202010031007205bb.jpgJohann Joachim Quantz, 1697-1773
当アルバムも初期から後期までの代表4曲が選ばれ興味深い、flトラヴェルソのソロはFrank Theunsで卓越した演奏、Les Buffardinsの弦楽は各パート1人ずつの編成、この録音も良好で後ろのチェンバロも冴え渡って響く、
quantz fl con
quantz rec

1曲目、ト短調 QV 5:196はC.P.E.バッハの協奏曲だと言っても疑わないほどだろう、緊迫した急楽章に穏やかながら移ろいのある中間楽章は、始めの曲として引き付ける、
(下記you tubeはアルバム順に全曲入っている)
なお、当時の常として、flはソロ部分以外でもvn1と重ねて演奏する、
QV 5 196
第1楽章始まり

2曲目、ニ短調 QV 5:86はまだバロックの様相が強く、ヴィヴァルディの流れを感じる、第2楽章のSicilianaが魅力で、flは1つのはずだがvnもしくはvaが重奏として奏で、その音色が不思議とflに似た響きで、flが複数あるかのように聴かせる、

3曲目、イ短調 QV 5:236はやや長い曲になり、後期の曲と思われ、多感様式らしく内容も深まっている、flトラヴェルソとしても高い技術を要するように思える、緩叙楽章では何とも高貴で憂いも漂い、フリードリヒ大王がflを好んだのもわかる気がする。

4曲目、ト長調 QV 5:173は短めでバロック的な様相ももつ、面白いのは第2楽章が間奏的で、flソロがレシタティーボを奏でる形式で書かれているところだが、なかなか惹かれる。
QV 5 173

you tubeは4曲続けて再生される
20200823.jpg
you tube:J.J. Quantz - 4 Flute Concertos | Frank Theuns Les Buffardins

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category: 前古典派

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Symphonys by the Bach Sons (更新)  

今日はエーヴァルト・デメイエル&バッハ・コンセントゥスによるBach's Sons交響曲集でヨハン・クリストフ・フリードリヒ、カール・フィリップ・エマヌエル、ヨハン・クリスティアンを集めた1枚、録音は2011年(ACCENT)で、情報量は十分あって爽快なサウンド。 
じつはこのアルバムをふと思い出したのは、Fritz Sugaさんのブログ記事である、
スバル360(廃車体)
スバル360の廃車の写真が当アルバムの表紙とそっくり^^(こちらはワーゲン・ビートルの廃車)、何故これがアルバムの表紙になったのかは不明;
bach sons 01
bach sons 02
バッハの息子達の作品を聴いてのとおり、古典派音楽はホモフォニックで、ポリフォニックなバロック音楽とは似ても似つかぬものだが、いつ頃、誰の手で生み出されたのか?長く疑問に思っていた事だった。
元を辿ればヴィヴァルディなどの協奏曲やシンフォニアに遡り、ジョヴァンニ・バッティスタ・サンマルティーニ(1700-1775)がバロック趣味から徐々に古典派の祖となる書法や趣味を編出していった経緯が見られる、初期古典派のC.W.グルックやJ.C.バッハにそれを引き継いだスタイルが聴かれる。グルックはオペラ序曲として3楽章のシンフォニアも書いている。
<参考>you tube:Christoph Willibald Gluck "Las Chinas"

まず1曲目、フリードリヒの変ホ長調がいい、旋律の趣味など幾分グルック風で明るく快調な第一楽章、反復なしの提示部に展開部が続き再現部はほぼ提示部と同じ、全体をさらりと聴かせる。弦楽のみの第二楽章は雅び、終楽章も快活なリズムで小気味よく冴えている。
bach sons 00
you tube:Symphony in E-Flat Major, W. I/10:
I. Allegro II. Andante assai III. Allegro assai

2曲目、エマヌエルのホ短調は先日も取上げたばかりだが、当演奏は弦楽のみの編成で、あまり急速にせずくっきり聴かせる名演かと思う、程よい切れ味をもって演奏される第一楽章は切迫感があり、やはり多感様式の凄味は他の兄弟と一味違う、
you tube:Sinfonia in E Minor, Wq. 177, H. 652:
I. Allegro assai II. Andante moderato III. Allegro

3曲目、クリスティアンの変ホ長調、第一印象がG.B.サンマルティーニの後期交響曲を彷彿とさせるところがあり、少年期のモーツァルトにも影響を与えている、快調な中にも小味の効いた第一楽章。第二楽章も装飾ぎみの旋律が使われ、表情豊か。終楽章のソナタ形式の展開部に当る部分はこの時期、さほどの内容は期待できないが、全体は小気味よく整っている。
you tube:Symphony in E-Flat Major, Op. 6, No. 3, W. C9:
I. Allegro con brio II. Andante III. Allegro assai

4曲目、フリードリヒのニ短調、兄エマヌエルの多感様式の要素も入っている感じだが、心地よく魅力的な第一楽章、静寂にして終わる。第二楽章は弦のみで雅びな味わい。ニ短調の終楽章はロンド風、快活なテーマがいい。
you tube:Symphony in D Minor, W. I/3:
I. Allegro II. Andante amoroso III. Allegro assai

5曲目、クリスティアンのト短調、モーツァルトの25番やハイドンの39番との関連性を言われるが、もっと濃密なエネルギーを感じさせる。第一楽章はホルンの唸りを伴い力強い主題で始まり、疾走する魅力。第二楽章も短調でなかなか深みを聴かせる。終楽章は再びホルンを伴う力強いテーマ、明るさも置き、後半はvnの鋭いトレモロとともにゼクエンツで転調、深みへ誘っていく、再現部らしきものはなく、緊張の内に途切れるように終わる。
you tube:Symphony in G Minor, Op. 6, No. 6, W. C12:
I. Allegro II. Andante più tosto adagio III. Allegro molto

まだ厳密なソナタ形式というのは整っていない時期のようで、マンハイム楽派のJ.シュターミッツらが確立したらしい。
001_20200913103419670.jpg

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category: Bach's sons

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多感様式:C.P.E.バッハの交響曲  

多感様式、今日はエマヌエル・バッハの交響曲に注目してみる、 
第1楽章は提示部、中間部、再現部の構成をとるが、中間部はやがて技法を凝らした展開部へと発展していき、ソナタ形式が完成する、早くもエマヌエルは展開部的書法を見せている、
しかし多感様式は曲の始まりからいきなり引き付ける要素がある、

まず、Sym D major Wq.183-1
第1楽章、vn1が動機を奏でるが、これ以上単純で印象強い始まりはないだろう、
wq 183 01
思い切った主題が使われ、協奏曲ではできない切り口で、管楽器も入るがハイドンの時代の用法には至っておらず、独特の効果になっている、
第2楽章がまた斬新で、弦楽はvaに上声を取らせ、vcとviolone(コントラバス)が別パートを弾くという珍しい響きである、vn1、2はpizzの助奏を入れるだけ、
20200826.jpg
終楽章もすんなりとは行かずユーモアか、
セレナードやディベルティメントとは異なり、交響曲とは"驚かす"音楽なのである、
c p e bach sym you 01
you tube:Symphony in D major, Wq 183 1, CPE Bach

2曲目はB minor Wq.185-5
これは筆者が最初に親しんだC.P.E.バッハの曲で、演奏もコレギウム・アウレウムによる、初めて手にした古楽器の音盤だった、
c p e bach sym
曲の斬新さと古楽器の響き両方が新鮮この上なく、不思議な魅力であった。
終楽章はバスラインにvaを重ね、力強く疾走するのが聴きどころである、
wq 185 5
you tubeはG.レオンハルト指揮による演奏、
c p e bach sym you 02
you tube:C.P.E. Bach - Symphony For Strings in B Minor Wq. 182/5

最後はE minor Wq.178
第1楽章は短調の力強い開始、こういうのも、のちの作曲家の短調作品に影響を与えているかもしれない、
wq 178 sc
1st vn パート譜
c p e bach sym you 03
you tube:C. Ph. E. Bach Symphony in E Minor - Reinhard Göbel & Budapest Festival Orchestra

驚きの始まりという点では、ベートーヴェンのSym「運命」などの先駆けと言えるかもしれない、あるいはこれらの曲でも?
ハイドン Sym No.44「哀悼」第1楽章
you tube:J. Haydn - Hob I:44 - Symphony No. 44 in E minor "Trauer" (Hogwood)
J.M.クラウス Sym C sharp minor VB.140 第1楽章(主部)
you tube:J. M. Kraus - VB 140 - Symphony in C sharp minor

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category: C.P.E.バッハ

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多感様式:クヴァンツとベンダ  

先日のC.P.E.バッハと仕事仲間だった人に、ヨハン・ヨアヒム・クヴァンツとフランツ・ベンダがいる、共にフリードリヒ2世に仕えた人でクヴァンツはフルートが専門、フリードリヒ2世のfl教師も務め作曲もした、ベンダもヴァイオリン奏者兼作曲家で宮廷のコンサートマスターだった、いずれもC.P.E.バッハとともに多感様式の楽派で、彼らも魅力ある作品を書いている、 
Johann_Joachim_Quantz.jpgFrantisek_Benda.jpg
左:Johann Joachim Quantz, 1697-1773 右:Franz Benda 1709-1786
またフリードリヒ2世自身も政務を熟しながらプロ級のflの技をもち、作曲もしている。
クヴァンツはもちろん、C.P.E.バッハもF.ベンダも王の好むフルート作品を書いていて、今日はfl協奏曲づくしになるが、

まずはクヴァンツのfl協奏曲から、
you tubeに4曲続けて挙がっている、C.P.E.バッハより幾分和らいだメロディアスな趣きに思えるが、そこが魅力でもある、
Quantz - 4 Flute Concertos
you tube:J.J. Quantz - 4 Flute Concertos

次にF.ベンダのfl協奏曲E minor L2.4
これはまさにC.P.E.バッハと同様の魅力を放つ、ベンダのほうがむしろflのスペシャリストかと思う曲だ、
benda fl con you
you tube:Franz Benda: Flute Concerto in E minor, L2.4

ここで大王フリードリヒ2世の作品も挙げる、もはや嗜みの域を超えている;
Friedrich II fl con you
you tube:Friedrich II - 'Der Große' Flute Concertos

最後にC.P.E.バッハの傑作、fl協奏曲D minor Wq.22、
c p e bach
Carl Philipp Emanuel Bach 1714-1788
疾走する終楽章はさすが圧倒する、
you tube:C.P.E. Bach / Flute Concerto in D minor, Wq. 22

多感様式は好奇心を充たすようにゾクゾクする、どのように生まれたのか探っていきたい。
Flötenkonzert_Friedrich

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category: 前古典派

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多感様式:C.P.E.Bach 協奏曲2曲  

バロック様式から新時代に移行するギャラント様式の一派として、ドイツ語圏で発達したという「多感様式」は感情表現を重んじ、転調による気分の変化が著しい、
のちにハイドンの疾風怒濤期やベートーヴェンの作品に霊感を与えた様式で、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハがその第一人者だろう、バロックと古典派の間によくぞ成立したと思える斬新な特殊性を感じる、時を置くとまた聴きたくなる;
 
まずはチェロ協奏曲イ短調Wq.170、これは同一曲が3つのソロ楽器のためにあり、最初の原曲はどれだろうか、
・鍵盤協奏曲 イ短調 : Wq.26 / H.430 / DC.2-29
・フルート協奏曲 イ短調 : Wq.166 / H.431 / DC.2-30
・チェロ協奏曲 イ短調 : Wq.170 / H.432 / DC.2-31
vc協奏曲のソロでは、このようにvcの1弦開放を多用する箇所があり、最初はvcのために書かれたのかもしれない、
201904012a_2020081710145173a.jpg
(*C.P.E.バッハは作品分類番号が複数あり、ややこしい、検索のときはWq.を使うが、曲同士の関連はH.かDC.のほうが連番でわかりやすい、)
vcソロ:ペター・ブルンス、ベルリン古楽アカデミーの演奏は快速で鋭く、
c p e bach cd
第1楽章 Allegro assaiは春の嵐を思わせる緊迫感である、vcソロの開放弦の余韻が印象的だ、カデンツァは奏者によるものだろうか、曲中の技法を発展させた見事な内容だ、第2楽章は例によって清々しい始まりだが、深い気分の移ろいがある、終楽章もAllegro assai、急速に引き締めた演奏だ、
c p e bach vc con you
you tube:C.P.E. Bach / Cello Concerto in A minor, Wq. 170 (H. 432)

*同曲のfl編で、良い演奏がyou tubeにある、
c p e bach fl con you
you tube:C.P.E. Bach: Flute Concerto in A minor, Wq.166, H.431 ? Bremer Barockorchester

次に鍵盤協奏曲ハ長調Wq.20、これぞ多感様式の魅力といえる、練られた傑作である、
第1楽章、前奏部だけでもそれが味わえる、
sc wq20
鍵盤譜:始まりは通奏低音であり、上段は空白、
第2楽章はハ短調で憂いを帯びて始まるが、それだけでは言いくくれない深い移ろいがある、
終楽章 Allegro assaiは快速で切れ味見事な魅力。
cemb:ラファエル・アルパーマン、ベルリン古楽アカデミーの演奏
wq20 you
you tube:Concerto in C Major for Harpsichord, Strings and Casso Continuo , Wq. 20:
I. [Ohne Satzbezeichnung]
II. Adagio ma non troppo
III. Allegro assai
それにしても、これらを聴くと父J.S.バッハの音楽に対し、一気に時代が進んだ感に驚く、おそらくバッハ一族で最も高名になったのはエマヌエルではないだろうか。

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category: C.P.E.バッハ

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C.P.E.バッハ:協奏曲 2曲  

依存症というか中毒というか;時を置くと、無性に聴きたくなる曲、あるいは名盤がある、
大バッハの二男、C.P.エマヌエルの作品は昔G.レオンハルトの演奏を聴いて以来、エマヌエル・ファンとなってしまった、その特徴ある音楽は多感様式と呼ばれ、C.P.E.バッハを中心とした18世紀後半のドイツで発達した感情表現を重んじ、突然の気分の変化が特徴的で、音楽進化の中で少し枝分かれした部分にも思える、これは初期~疾風怒濤期のハイドンにも影響を与えていて、エマヌエルを彷彿させる楽章も聴かれる。 
c p e bach
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(1714-1788)
G.レオンハルトが録音したのは鍵盤協奏曲ニ短調Wq.23で、これ以来の名演盤がフランス気鋭のチェンバロ奏者、ジャン・ロンドーとディナスティのアンサンブルによる演奏、この演奏では各パート1人ずつの編成だが、バス声部はcemb、vc、fag、cbの4人が演奏し、明確で構えがしっかりときこえる。
wq 23 you
you tube:Harpsichord Concerto in D Minor, H. 427:
I. Allegro II. Poco andante III. Allegro assai
第1楽章、跳躍の大きいテーマ、キビキビしながら弦楽がしなやかな味わいも加える、総奏が終り、ソロに入る前の溜め間が引き付ける、鮮やかな鍵盤さばきは申し分ない、
wq 23 sc
第1楽章始まり、跳躍、鋭い動きも多い
第2楽章は幻想的で、終楽章はふたたび切れ味良くたたみ込む、
なお、この曲はorchを増強するとシンフォニックな聴き応えがある。
父バッハのBWV1052と同じニ短調のWq.23はともに冷静さと熱情が同居したようで、あまり甘美に陥らないのが魅力に感じる。
 
さて、もう1曲、魅力溢れるのがフルート協奏曲ニ短調 Wq22、手持ち盤は同曲の鍵盤編と合わせ5種あるがこれが気に入っている。
c p e bach fl con wq22 *カップリングの関係で表紙の肖像は末弟 J.C.バッハである
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ フルート協奏曲ニ短調 Wq22
flトラヴェルソ:クリストフ・フントゥゲボールト
シュテファン・マイ指揮:ベルリン古楽アカデミー  HM

c p e bach fl con you01
you tube:C.P.E. Bach / Flute Concerto in D minor, Wq. 22 (H. 425)
第一楽章はベルリン古楽アカデミーのしなやかな響きとともにカチっとした枠組みを聴かせる、弱奏をぐっと引いて聴き手を引き込む、flソロはバックの枠組みに乗っかり、自由な遊び心を感じさせる、巧みな装飾演奏がくつろいだ気分にする。
第二楽章の涼やかな風のような始まりは古楽器ならでだろう、flソロも遠くから聴こえるように始まり、内面的な語りかけのようだ、笛と風の音を合わせたような flトラヴェルソの味わいがよりふさわしい。
終楽章、orchは快速、びしっとテンションを上げて前奏部分で引き付ける、バスの力感、内声のトレモロが弱奏部にも緊迫感を与える。flソロは意外なほど優雅でゆとりのある美音に徹しテンションは上げない、緊迫感を保っているのはバックのorchだ。
fl 向きに書かれた部分もあるが、鍵盤的に駆け抜けるパッセージも多くあり、特に終楽章はスリリングな聴きどころ。
c p e bach fl con
終楽章より

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category: C.P.E.バッハ

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J.ロンドー:バッハ一族のcemb協奏曲  

J.S.バッハがチェンバロ協奏曲を主に編曲という形で書いたのは息子達が既に鍵盤奏者として活躍していた頃で、複数台のための作品も息子らと共演したものと思われる、鍵盤conはバッハ家のお家芸だろうか、息子達も数多く作曲している、 
二男、C.P.E.バッハのCemb Conニ短調Wq.23はかつてG.レオンハルトが2度録音しており、C.P.E.バッハに魅せられた曲で、その後はM.シュパーニのタンジェントpfによる演奏も興味深かったが、今一度チェンバロによる新しい名演を聴きたかったところ、
フランス気鋭のチェンバロ奏者、ジャン・ロンドーとディナスティのアンサンブルによるバッハ一族の傑作を集めた1枚を聴いた、
rondeau bach
曲目は以下のとおり、
J.S.バッハ:チェンバロ協奏曲第1番ニ短調 BWV.1052
J.C.バッハ:チェンバロ協奏曲ヘ短調
W.F.バッハ:ソナタ ト長調 FK.7より第2楽章ラメント(orch編曲:J.ロンドー)
J.S.バッハ:チェンバロ協奏曲第5番ヘ短調 BWV.1056
C.P.E.バッハ:協奏曲ニ短調 Wq.23
2016年9月

ひじょうに指の廻る奏者で、急楽章は快速で緻密に決める、弦楽は各パート1人ずつ、
1曲目は父バッハのBWV1052である、
bwv 1052 you
you tube:Harpsichord Concerto No.1 in D minor [BWV 1052] - Johann Sebastian Bach
第1楽章は速めで整然と音が連なっていく、チェンバロ単独の所ではじっくりとアゴーギグの味わいを出す、第2楽章はゆっくり、ソロの絶妙なアゴーギグ、弦パートもソロイスティックに奏で室内楽的な充実感がある、終楽章はキレのよい快速、
ここから華僑に入るが、声部を重ねてダイナミズムが表現される、
bwv105 3rd
vnの原曲はどうだったのだろう、

もう1つのメインが最後のC.P.E.バッハのニ短調 Wq.23である、この演奏ではチェロにファゴットを重ね、バス声部が明確になり効果的、
wq 23 you
you tube:Harpsichord Concerto in D Minor, H. 427:
I. Allegro II. Poco andante III. Allegro assai
第1楽章、キビキビしながらも弦楽がしなやかな味わいも加える、鮮やかな鍵盤さばきは申し分ない、第2楽章は幻想的で、終楽章はふたたび切れ味良くたたみ込む、
wq 23 sc
第1楽章始まり、跳躍、鋭い動きも多い
なお、この曲はorchを増強するとシンフォニックな聴き応えがある。
父バッハのBWV1052と同じニ短調のWq.23はともに熱情と冷静さが同居したようで、あまり甘美に陥らないところが飽きの来ない魅力に感じる。

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category: C.P.E.バッハ

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C.P.E.バッハ:ハングルク交響曲集  

過去に初めて買った、古楽器orchのレコードというのが、コレギウム・アウレウム合奏団のLPだった、曲はカール・フィリップ・エマヌエル・バッハの交響曲ということもあって、古楽器の弦楽の響き、曲目ともに鮮烈な魅力があったのを覚えている。 
コレギウム・アウレウムはレコーディングのために古楽器を用いるorchとして結成されたそうだが、一気に注目を集め、その後各地で演奏活動も行なうようになり、来日もした、一度聴きに行ったこともある。この頃はまだ古楽奏法ではなく、古楽器を使った、に留まるものだった、まもなくG.レオンハルトが本格的に活躍するようになり、コレギウム・アウレウムは古楽演奏時代への橋渡し役を終えた。しかし、C.P.E.バッハの魅力をこれほど聴かせる演奏はほかになかったと思う、1968年の録音だが今聴いても鮮明なHiFiである。
c p e bach sym 01
コレギウム・アウレウム合奏団
1968年、ハルモニア・ムンディ

C.P.E.バッハが「ハングルク交響曲」と題されるこれらを書いたのは1773年、生涯の最後に活躍したハンブルク時代で、G.ファン・スヴィーテン男爵の依頼で書いたもの、男爵はハイドン、モーツァルトの支援者としても有名だが、これらをこの二人やベートーヴェンらに紹介しており、大きな影響を与えている、
当時の評論家、J.F.ライヒャルトが演奏に立ち会い、こう述べている、「人々は楽想の大胆で独奏的な進行、形式と転調の多様性と新奇さに心奪われた・・」と、これ以上言うことがないほど適切なコメント^^ギャラント様式の特殊な発展形だろうか、
弦楽器だけだが、極めて多彩な音楽になっている、全曲、楽章間の休みを置かず、アタッカで繫がる、そうあるべき曲である、よくありそうなカンタービレな旋律も予想どおりの和声進行も出てこず、研ぎ澄まされた音楽と言えようか。

コレギウム・アウレウム盤に入っていた4曲をyou tubeより新たな演奏で挙げる、
ロ短調Wq.182-5
Wq 182 5 you
you tube:C P E Bach “Symphony in B minor, Wq 182 No 5 H 661” Thomas Hengelbrock, 1990
終楽章のプレストは誰をも引き付ける力に溢れる、
Wq 182 5

イ長調Wq.182-4
Wq 182 4 you
you tube:C P E Bach “Symphony in A major, Wq 182 No 4 H 660” Thomas Hengelbrock, 1990

ハ長調Wq.182-3
Wq 182 3 you
you tube:C P E Bach “Symphony in C major, Wq 182 No 3 H 659” Thomas Hengelbrock, 1990
第2楽章の調は「転調」となっている、楽章への入り[129]がまた斬新、「緩叙楽章は穏やか」という先入観を覆す、
wq 182 3

変ロ長調Wq.182-2
Wq 182 2 you
you tube:Carl Philipp Emanuel Bach - Symphony B-flat major, H.658 ; Wq.182/2 (1773)

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