Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

A.ドラティ:ハイドン 交響曲No.31「ホルン信号」  

ドラティ指揮のフィルハーモニア・フンガリカはいつも述べているように、ハイドンに相応しいサウンドで聴かせる、今日取り上げる「ホルン信号」で各パート奏者のソロが聴けるが、弦も木管も過剰にvibratoを行わず、透明感が出ているように思われる、
'70年代にはN.マリナーもハイドンの魅力を伝える演奏を聴かせた、アカデミーCO.は非常に上手いが、音作りは、やや前時代的な感がある、
a d hay
アンタル・ドラティ 指揮
フィルハーモニア・フンガリカ
録音:1969~1972年 DECCA

you tube:Symphony No 31 D major 'Hornsignal' Antal Dorati PH

交響曲 No.31ニ長調「ホルン信号」
第一楽章 Allegro
幾分落ち着いたテンポだが、その分、hornを朗々と聴かせる、4本のhornの響きはさすがにorch.音の大半を占めるが、そのバランスで録音されている、ドラティはhornの味わい十分に爽快で過不足なく聴かせる、
第二楽章 Adagio
この楽章はト長調になる、vnのソロで始まるが高域の弱奏で、次に出るhornとの対比が大きいがくっきり響く、vcのソロも同様、現実的な音量差が奥行きに感じる、
後半に入り、[41]からvnソロが始まり、[44]から[51]までvcソロが重なって行く、
sc02_2017082110481409b.jpg
ここも美しい聴きどころだ、
メヌエット、トリオ
弱音基調で気品ある演奏、始まりからhornを短く切った演奏が緩やかな中に明確で印象的、
sc03_20170821104847f0b.jpg
*hornは移調記譜でハ長調になっているが、実音はニ長調
またトリオの中で、horn1のソロに対し、[52~56]だけflが控え目に重なるところ、洒落た味わいを作っている、
sc03b_20170821104912e0f.jpg
終楽章 Moderato molto
全パートが順々にソロを聴かせる楽章、各奏者はここでも大味にならず、細やかな聴き応えで締めくくる。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 0

アーノンクール:ハイドン 交響曲No.103「太鼓連打」  

アーノンクールのロンドンセットでは特に第一期の6曲に他にはない魅力を感じたが、第二期の曲もあらためて聴いてみた、まず「太鼓連打」から、m
n h hay
ニコラウス・アーノンクール指揮
ロイヤル・コンセルトヘボウO.


交響曲No.103変ホ長調「太鼓連打」
第一楽章 Adagio - Allegro con spirito
序奏はtimpのソロをfで開始、続く弦の弱奏の中にもエネルギーを感じさせ、引き付ける、主部に入ると、ガチっとした骨組みに細やかな表現が寄り添い、コンセルトヘボウの会場に豪快に響く様子が録音されている、各パートが分離よく聴けるほどではないが、大編成的なダイナミズムとキレの良さで魅了する、
第二楽章 Andante piu tosto Allegretto
爽快な弦で始まり、リズミカルな要素も聴かせる、vnソロの後の短調は期待どおり、キビキビと切れ味よい、
メヌエット 
ここもリズムの鋭さとレガートな要素の対比で見事に引き付ける、トリオはテンポを緩め、クラリネットが味わえる。
終楽章 Allegro con spirito
程良く快速だが、骨組み感はしっかり、主題はポリフォニックに扱われる部分が多い、
ただ、[91]から総奏の中でvn2、vn1とflが交互に奏でるパッセージがドラティ盤ほど浮んでこないのが惜しいところ、
sc04a.jpg
[107]から弦が奏でる和声とリズムは、始めにスタッカート記号があるが、アーノンクールならではのレガート奏法を聴かせる。
sc04b.jpg
mosiki07.jpg
レガート奏法のイメージ
全般にはやはり"剛と爽"の対比が引き付け、弱奏の中にも集中力のエネルギー感が潜む。

n h you tube
you tube:Haydn, Symphony 103 E-flat major 'Drum Roll' N.Harnoncourt

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 0

A.ドラティ:ハイドン 交響曲No.53「帝国」  

ドラティの録音では(どうなんだろう)timpの音が好ましく、モダン楽器的な響きではないような気もする?
今日も取って置きの1曲、No.53「帝国」について、
a d haydn
アンタル・ドラティ 指揮
フィルハーモニア・フンガリカ
録音:1969~1972年 DECCA

you tube:Symphony No 53 D major 'L'Imperiale', A.Dorati P H

交響曲No.53ニ長調「帝国」
第一楽章、短くも堂々とした序奏が置かれ、主部Vivaceはvn2の持続音に乗って、主和音を動く動機が穏やかに始まる、
sc01b_20170813094333495.jpg
この動機は主要に使われていく、ドラティは十分レガートにこの穏やかさを表現、[29]のfから活気づいていく、
[41]からvn2はvn1に並行しながら小気味よい切れ味を入れる、ここでのバス部はfag.を目立たせ明快に聴かせている、
sc02_20170813094438f14.jpg
[76]から第二主題が出るが、[83]のfから第一主題の性格に変わり、提示部の締めくくりへと繋がっていく。
sc5b.jpg
展開部は[118]から[187]までと思われるが、長く劇的に構成されている、[141]のfから白熱、[167]のpからは瞑想的、
sc03_20170813094509a36.jpg
sc04_20170813094511eb9.jpg
第二楽章、andanteは歌謡風の主題と変奏になっていて、変奏の性質がピアノ曲風にも思える、編曲すれば親しまれるかも。ドラティはやや速めに小ざっぱりした感覚、
メヌエット、簡潔でいつもながら心地よい主題、ドラティは落ち着いたテンポで、力まず気品を帯びているのが一味違う、
終楽章にドラティはBヴァージョンのprestoを演奏している(Aヴァージョンは別盤、CD33に収録)、まさしくprestoでキレキレ、PHがぴしっと決め、急速感と強弱の起伏で白熱させる。
奏者の上手さが出張らず、orch.サウンドが心地よい、

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 0

N.アーノンクール:ハイドン 交響曲No.93  

アーノンクールの「柔と剛」の対比を駆使した演奏、93番など、よく効いてくるようだ。m
特に弱奏における響きは"柔"より"爽"が相応しく思う、剛のところは心地よく鋭いが、重っくるしくない、pは極めて弱奏にされ、木管の弱奏ソロもくっきり聴かせる、バランスの細やかさ、周りが静かでないとこの演奏は観賞し辛い、
n a haydn sym
ニコラウス・アーノンクール指揮
ロイヤル・コンセルトヘボウO.


交響曲No.93ニ長調
アーノンクールのレガートが、よくあるレガートとどう違うのか、よく聴いてみると、音符をただなだらかに繋ぐのではなく、音符1つずつに微妙な膨らみと減衰を付けて繋ぐようだ、
第一楽章、序奏部を聴いただけで引き付けられ、価値がある、[16]からvn1にはスタカート記号があるが、ここでさえ、下にイメージしたように奏でる、
sc01_20170809095408eb3.jpg
mosiki05.jpg
古楽奏法の運弓が反映していると思うが、音符の細かい部分は拍単位で同様、このような奏法が適所で音楽的にこなされ、味わい深い、主部も十分な弱奏で始め、fのトゥッティも程良い、
trp、hornが輝かしく効果を出す、展開部は対位法で書かれ、[127]からバス部がfで先行して入るところは立体感が効いている、
sc02_2017080909552095d.jpg
ここはスコアには欠落?しているが、くっきりスタカートを効かせる、
第二楽章、繰り返される主題に変奏要素を重ねる、室内楽のレベルで極めて弱奏に始まる、[17]からff、短調の付点リズムはフランス風序曲の影響と言われる、[23]から再びppに落とし、聴き手を集中させる、ソロ楽器の密やかさも聴きどころ、
メヌエットはキビキビ引き締めた感覚だが、[7]のアウフタクトに溜めを置くなど、リズム的な効果も楽しませる、
sc03_20170809095624524.jpg
トリオはtrpとtimpの鋭さ、弦の滑らかさの対比が良い。
アーノンクールは楽章の合間を長く取らず、次の楽章に入る、
終楽章も急がず、第一楽章で示したような充実感でまとめている。
全楽章、演奏時間としては普通だが、たっぷりと聴いた充足感がある。

参考としてNo.92 G Major"Oxford"のyou tube動画
n a hay 92
I. Adagio - Allegro spiritoso
II. Adagio cantabile
III.Menuetto: Allegretto
IV. Presto

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 0

A.ドラティ:ハイドン交響曲No.96「奇跡」  

今日はドラティの全集から、交響曲No.96ニ長調「奇跡」m
a d haydn
アンタル・ドラティ指揮
フィルハーモニア・フンガリカ
録音:1969~1972年 DECCA

you tube:Symphony No 96 D major 'Miracle', Antal Dorati/PH

第一楽章 Adagioの序奏はいつもどおり清々しい、主部Allegroはvn1が主題だが、内声が先行してポリフォニックに始まる、orch.はvn1,2が左右でない配置だが、対等によく聴こえ、
sc01_20170802081827e52.jpg
[39]からの交互掛け合いも明快で良い。
ドラティ&PHは清涼な響きだが軽薄ではなく、低音や内声が弱過ぎない充実した聴かせ方だ、あらためてカラヤン&BPOの録音を聴くと厚ぼったく聴き辛い;
第二楽章、三部形式で[26]からト短調となり、vn1から順にポリフォニックに重なるところ、
sc02_201708020819273ae.jpg
管も効果的に重なり、劇的でこの曲の大きな魅力である、ドラティは"縦方向"にもがっちり聴かせる。またソロ楽器の活躍もあるが、主張し過ぎず心地よい。
メヌエット、親しみやすいテーマだが、[3]のG音はランドン版の♮が自然で正しい、
sc hay 96
ランドン版がなかった頃はG♯に変更された楽譜が使われたようだが、後の時代の旋法趣味で変えられたようだ。20世紀半ば頃まで、そんな楽譜が多かった、あのギターのA.セゴビアもバロックや古典を演奏する際、時代の趣味に合わせて変えている、それが標準楽譜のようにギタリストの間に広まったようだ。
a se hay
参考:同メヌエットのギター編
you tube:Andres Segovia Minuet & Trio by J.Haydn
その後は原典に忠実な楽譜が出るようになった。
フリー楽譜でお馴染みのサイトにも結構古い出版譜が出ている。ハイドン交響曲に関しては全曲ランドン版が載せてあるので助かる。余談が入ったが;
終楽章 Vivace assai あまり急ぎ過ぎず、"縦"の構築感をじっくり聴かせて進める、ドラティらしい充実感だ。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 0

A.ドラティ:ハイドン 交響曲No.103「太鼓連打」 【LP】  

先日はB面の「ロンドン」について書いたが、今日はA面「太鼓連打」について。
これも「聴きたかった理想の演奏」と言える、
d hay 104bd hay 104
アンタル・ドラティ指揮
フィルハーモニア・フンガリカ
録音:1969~1972年 DECCA


交響曲No.103変ホ長調「太鼓連打」
第一楽章、序奏はtimpの強打型で入る、その後は弱奏で涼やか、序奏の主題は主部の第一主題と関連付いている、この楽章はAllegro con spiritoの主部においてもtimpを活躍させるようだ、第一主題は簡潔でリズミカル、timpに合わせやすい形に思える、
例えば[47]から、また[70]からのように、
sc03_2017073008354349c.jpg
sc04_201707300836277b7.jpg
また[47]からのtuttiでもtimpの2音が概ね総奏と重なる、
sc00_20170730085710026.jpg
この総奏の中、[53,54]で唯一旋律を弾くvn1もこの演奏ではよく聴かせる(音盤では3例目)。
第二主題は[79]から出るが、第一主題の変化形?とも言え、同じ性質を持っているようだ、
sc01_20170730083305169.jpg
第一主題
sc02_20170730083317eb3.jpg
第二主題
展開部[93]~は第一主題の対位法で始まる、
sc05_20170730084053483.jpg
また[111]から低声に序奏部の主題が出てくるが、各主題が似通っているので、これらは単一主題かもしれない、
sc07b.jpg
ドラティの演奏はこれら聴きどころをくまなく聴かせる快演である。
第二楽章 Andanteは誇張するところなく、FHの美音で進められる、変奏がハ短調となる[109]以降ではまたtimpの活躍が多くなる。
メヌエット、ゆったりしなやかだが、引き締まった感覚もある、ドラティはこれも気品をおびたメヌエットにしている、トリオのcl.ソロもくっきり心地よい。
終楽章、程よい快速、hor.を奏でた後、ぐっと弱音で始める、弦、管ともにくっきり、低音も効いて掛け合いが立体的、終楽章でもtimpの活躍が際立ち、まさに"太鼓連打 交響曲"である。

sc04a_2017081911374972e.jpg
[91]からのパッセージが明確に聴けるのも良い。

you tube:Symphony No 103 E flat major 'Drum roll', Antal Dorati,FH

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 0

A.ドラティ:ハイドン交響曲No.92「Oxford」【LP】  

CDの全集との聴き比べがしたくて、ドラティのLP盤をもう1枚だけ用意した、88番と92番「Oxford」、これで終りにしよう^^;先日のNo.103&104と同様、盤状態は極めて良好、カッティングも良い収め方で、最後まで問題なく聴ける。さすが弦の響きなど鮮度が良いが、CD化されたほうも申し分ないようだ。
a d hay 92aa d hay 92b
アンタル・ドラティ指揮
フィルハーモニア・フンガリカ
録音:1969~1972年 DECCA


まずは92番ト長調「Oxford」から、
第一楽章、序奏は清々しい、主部もすんなり馴染める自然さ、属七の動機が涼やかな弱奏で始まり、トゥッティ・サウンドはバランス良く引き締まる、R.ランドン版のスコアを重視した演奏、対位法を駆使した展開部も申し分ない、
再現部で[129]からのvn1の主題をflが追うところ、
sc01_20170726082544b1f.jpg
この録音では明確で印象に残る。
第二楽章 adagioはカンタービレの指定もあるが過剰にせず、節目をつけてすっきり、
sc02_20170726082746eee.jpg
中間部[40]からニ短調となるが、ドラティは弦のffをあまり強調せず、心地よい響きで緊迫した効果を出す、木管のみによるアンサンブルも聴きどころの楽章。
メヌエット allegrettoはゆったりした感覚で、期待どおりドラティは過剰に重くしないのが良い、trp、timpが明確で効果的、トリオは管に対し、vnが密やかに引く対比がいい。
終楽章は見事なソナタ形式、ドラティは快速に行くが構成美はくっきり聴かせる、弦のpで始まり、[32]からのトゥッティが引き締まる、対位法的な展開部はすばらしい、
再現部の[267]からバス部を吹いているhornが明快でこれも印象的。
sc03_201707281407016de.jpg
ドラティの「Oxford」も正統的だが古い感覚ではない、いつもどおり弦、管ともに美音で味わいがあり、数ある中で最良の演奏に入る。
you tube:Symphony No 92 G major 'Oxford', A.Dorati Philharmonia Hungarica
ドラティ盤のハイドンSymphonyは殆どがyou tubeに挙がっているが、好録音なので良いシステムで聴く醍醐味もある。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 0

A.ドラティ:ハイドン 交響曲No.104「ロンドン」 【LP】  

かつて、ドラティの全集LPが買えないかわりに、D.Gから出た、O.ヨッフムの「ロンドンセット」6枚組を購入した、こちらもR.ランドン版に基づく名盤と評されていたが、さほど気に入ってはいなかった、なんだかorch.の腕達者ぶりが耳につき大味で、もっと素朴な味わいで聴きたいところだった、録音は低域が不足ぎみで聴こえてほしいところが埋もれていた。同じ買うならドラティの「ロンドンセット」があればよかった、と今は思う^^;
ドラティのCD全集は揃ったが、LPも少しは聴いてみようと、「太鼓連打」&「ロンドン」の1枚を取り寄せた、幸い極めて良好盤。
d hay 104bd hay 104
アンタル・ドラティ指揮
フィルハーモニア・フンガリカ
録音:1969~1972年 DECCA


交響曲No.104 ニ長調「ロンドン」
ドラティは心地よい響きの範囲で強弱の対比が大きいので、弱奏で始まる曲はボリュームに気をつけないと強奏で音量過剰となる。ハイドン最後のSymphonyは堂々たる内容だが、ドラティは全てに過不足なく聴かせる。
第一楽章、序奏の開始は重厚だが割れるような響きではなく耳心地よい、続く弱奏はぐっと密やかで神聖な趣き、主部は程良い快速、まさに聴きたかった演奏だ、orch.のvn1,2は左右配置ではないが、それぞれのパートは良く聴こえる、展開部のポリフォニックな緻密な書法が浮き立つ、展開部の最後、
sc hay 104a
[191]もレガートに繋ぎ、爽やかに閉じる。
第二楽章、アンダンテ、三部形式で変奏の要素もある楽章、ドラティの対比の付け方でト短調となる中間部は一段と劇的に引き立つ、弦楽は常に美しく味がある。
メヌエット、アレグロ、近年ではリズムのキビキビした演奏が主流だがドラティは切り立てずゆったり、そこに入ってくるtimpの響きがまた典雅な趣きをつくり、これも良い。
終楽章、スピリトーソ、わりと快速で、細部をきちんと聴かせるが、そこに適度に柔軟な肌合いも持たせるところが絶妙。
[221]からhornがバスとともに主題を奏でるが、
sc hay104b
けっこう高らかに吹かれ、ベートーヴェンを予感させるようだ。

haydn_2017072209115212c.jpg
you tube:交響曲No.104 ニ長調「ロンドン」/A.ドラティ

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 0

A.ドラティ:ハイドン 交響曲No.43「マーキュリー」  

これまで、全集ものとして、フィッシャー盤、D.R.デイヴィス盤を先に聴いたおかげで、ドラティ盤の良さが浮び上ってきた気がする。1969~1972年にかけて、短期間に録音しているが、ドラティはハイドンの聴かせ方を十分心得た名指揮者で、録音も良好で粒揃いである。
メヌエット楽章は全般に近年のような快速傾向ではないが、過剰な響きを作らず、気品があり、じっくり聴きたいと思わせる。まずは疾風怒涛期から1曲、
haydn_2017072209115212c.jpg
アンタル・ドラティ指揮
フィルハーモニア・フンガリカ
録音:1969~1972年 DECCA

you tube:交響曲第43番 変ホ長調「マーキュリー」/ A.ドラティ

交響曲No.43 変ホ長調 「マーキュリー」
第一楽章 Allegloはドラマティックな構成に思える、瞑想的な始まりだが、ドラティは快速なテンポであまりそれを強調していない、[26]からfで快活になるが、ここは切れ味よい推進力、fに対しpの対比をつけ引き付ける、弦がpで引いた時、obが前に出るバランスのやりとりが良い、
[84]からの第二主題が清々しく気分を変える、obの4度-5度ハーモニーも効いている、
sc01b_20170722145443be0.jpg
展開部は第一主題動機で始め、さらに劇的な内容で第二主題も効いてくる、再現部にかけて入念で充実した楽章だ。
第二楽章 Adagioは疾風怒涛期を代表するような緩抒楽章、ドラティは期待どおりの演奏を聴かせる、弦楽編成は多めと思うが、弱音器付きの密やかなppで始め、きめ細かいサウンドで、ホグウッドなどの古楽orch.に馴染んだ耳にも美しい、静謐、夢想の世界に引き込む。
メヌエット、簡潔で心地よい主題のメヌエット、
sc02_20170722091536ba8.jpg
ドラティはゆっくりめで折り目正しく一段とよい、また弱奏ぎみで、第二楽章の続きのような清涼な印象で聴かせる。
終楽章 Alleguro あまり急速にせず、vnパートの滑らかな美しさが印象的、強弱の奥行きと弦,管のバランス良さも充実して聴ける。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 0

ホグウッド:ハイドン交響曲「驚愕」(室内楽編)  

久しく聴いていなかった音盤は再掲しています。
うちに1曲だけある、ホグウッドらが演奏したハイドンの交響曲でザロモン編の室内楽版のLP、残念なのはカップリングされているのがモーツァルト:40番のorch.演奏で、B面も"ザロモンの室内楽編"が入っていれば本格的で良かったのだが;
弦楽四重奏にflとfpが加わった編成だが、orch.のスコアを見ながら聴くと、ザロモンの工夫がわかってくる、ザロモンはロンドンでの演奏会で演奏した人なので、原作の響きはよく知っていて、1本のflが木管の主要パートを巧みに渡り歩き、強奏部はfpとvcの響きでイメージを作る、奏者も自分は今、どの楽器の代役をしているのか、知っている必要もあるだろう。
hog hay 94bhog hay 94 04
ヨハン・ペーター・ザロモン編曲、室内楽版
ヤープ・シュレーダーほかエンシェント室内O.メンバー
クリストファー・ホグウッド:fp


交響曲No.94ト長調「驚愕」
録音は極めてクリアで心地よく、序奏が始まる、
第一楽章は簡潔な主題で、和音上の進行や音階パッセージだったり、細かな同音が続いたり、
sc01_20170715103120456.jpg
ひじょうに器楽的で、これに基づく緻密な書法は"交響楽"の醍醐味と言えるが、各パート、1人ずつの室内楽版により、明確に聴き取れ、orch.では聴けない良さが出てくる、fpはどこかのパートを受け持つことはせず、通奏低音であり、必要な響きを補うのが上手くいっている、ダイナミズムの量感不足も感じない。
第二楽章、ホグウッドのorch.版演奏より、ややゆっくりめのテンポを取る、これが"溜め"を置くことができ、ffの箇所などを十分イメージさせる。vcの重音奏法が十分な量感を作る。
sc02_201707151032593f0.jpg
メヌエットも快活で、トリオを含め、ポリフォニックなところがあり、
sc03_2017071512264727e.jpg
ここは室内楽向きに思えてくる、
終楽章、ここはorch.版と同じく快速なテンポにしている、推進力の醍醐味はあるが、ここではガツンとくるダイナミズムの"イメージ"が表現しきれない感がある、室内楽版に全て望むのは無理があるだろう;

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 0

プロフィール

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

FC2カウンター