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Michael: Classic音楽,Lute,宇宙

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学 etc

第1主題と第2主題  

古典派時代に完成したソナタ形式、前身となる形式はバロック期からあったが、活気のある第1主題、穏やかな第2主題で構成されるのが一応、標準?とされるが、そこは様々で、第1と第2主題が近似する例もある。第1楽章(急楽章)はほぼ例外なくソナタ形式、時代が下るほど多様な書法が組み込まれていく、
ハイドンのSymだけでも、標準的なものから斬新なものまで数あり面白い、
1182502.jpg
以下、第1楽章に注目していく、

Sym No.35 変ロ長調
清々しい第1主題の最後にでてくる弾むような副主題[9]~が楽しい、 
s35 01 7
某解説本ではここを第2主題としているが、[40]からの第1主題の変形が第2主題の位置づけのようだ、
s35 01 40
C.ホグウッド指揮、AAM
hay s43 s45 you
you tube:F.J. Haydn - Hob I:35 - Symphony No. 35 in B flat major (Hogwood)
*後半も反復あり

Sym No.43 変ホ長調「マーキュリー」
ハイドンがかなり書法を充実させてきた頃だろう、第1主題が結構息が長く、どう進むのか弄るような瞑想的趣きだ、[84]から出るのが第2主題、
sc s43 01 84
流れる景色にちらりと清々しさが目に入るような趣きがある、展開部は第1主題で入る、両主題で入念に書かれ、再現部に移る前にも転調の弄りがある、
C.ホグウッド指揮、AAM
you tube:J. Haydn - Hob I:43 - Symphony No. 43 in E flat major "Mercury" (Hogwood)
*後半も反復あり

Sym No.45 嬰ヘ短調「告別」
終楽章も例外的でお馴染みだが、第1楽章は第2主題と言えるものがなく、特殊な書き方である、単一主題のみで緊迫して突き進む、
20200430102659f6d_202005011528311d5.jpg
展開部の終りにだけ出るこの主題は
s45 sc 01 102
再現部への効果的な経過句で、第2主題とは言えないだろう、再び緊張を増した再現部~終結が一番聴かせどころに思える。
C.ホグウッド指揮、AAM
you tube:J. Haydn - Hob I:45 - Symphony No. 45 in F sharp minor "Farewell" (Hogwood)
*後半も反復あり

Sym No.80 ニ短調
よく取上げる曲だが、記録が正しければ、ハイドンがJ.M.クラウスに会い、斬新な短調交響曲の献呈を受けた後くらいに書かれたことになる。ハイドンもここで誰も書いたことのない斬新なアイデアを盛り込んだのだろうか。
第1主題に対し第2主題は副産物のように似通っていたり、目立たない例もあるが、 No.80ではまったく正反対の性質をぶつけている、
s80 1st theme
第1主題
s80 2nd theme
第2主題
異質な映画キャラクターのコラボみたいな・・
いったい次はどうなるのか?という展開が引き付ける、
s80 74
最後は第2主題が主役を奪ったように終わる;
O.ダントーネの演奏は第2主題を表情豊かにしている、
O.ダントーネ指揮、アカデミア・ビザンチナ
hay s80 you
you tube:Haydn: Symphony No.80 in D Minor, Hob.I:80 - Edited H.C. Robbins Landon - 1. Allegro spiritoso

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category: F.J.ハイドン

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古楽器による Mozart:fl & harp Con K.299(更新)  

モーツァルトのfl&hpのための協奏曲 K299というと、昔はランパル&ラスキーヌ、パイヤールの演奏など人気な定番だった、雅びではあるが、さほど聴きたいという曲ではなかった。 
fl con No.2が聴きたくて買ったDENON盤だが、カップリングのfl&hp Con K299も良かった、有田正広のflトラヴェルソと当時のharpを用いた長澤真澄のソロで聴くK.299は希少で、この曲の真の聴きどころはharpの幽き美音であることがわかる、flは良き相方で曲を充実させる。
moz k 229 01
有田正広:flトラヴェルソ、長澤真澄:harp(ピリオド楽器)
寺神戸亮:リーダー、東京バッハ・モーツァルトO
2006年、横浜みなとみらい小ホール DENON

以前、ヘンデルのharp.Conで古楽器harpによる演奏について取り上げたが、これも同様、使われているharpは作曲当時に使われていたタイプでペダルの踏み替えが一段式、現代のものより共鳴板が薄く、細いガット弦が張られる、音量は小さめだが透明感のある音はより細やかで耳を集中させる、当然、flトラヴェルソとの相性もよい。
harp.jpg使われたHarp
第1楽章ではソロが弾く部分でのorch.助奏は弦楽を1人ずつにしている、全楽章素晴らしいが、第2楽章の演奏が引き付ける、harpの小さな響きに深みを見いだす味わい、ppの音も明瞭に聴ける、有田のflもプライベートな語り合いのように奏でる。
DENONの録音はこれ以上ないほど明瞭でナチュラル、このCDが有名通販から完璧な梱包で無傷で届く、すべてが"日本製"という感じだ^^

you tubeを探すと、flトラヴェルソとモダンharpの組み合わせだったり、様々な演奏が挙っているが、DENONの当盤は挙っていない、
moz fl hrp con you
you tube:Mozart Flute & Harp Concerto K299 Katja Pitelina, Victoria Davies

flトラヴェルソと古楽器harpによる演奏で、トン・コープマン指揮の演奏がある、これはオフ・マイクぎみの録音で楽器の魅力は明瞭には聴きづらいが・・
harpソロのSaskia Kwastはコンチェルト・ケルンとも録音している、
moz k 229 you
you tube:Mozart: flute and harp concerto, K 299.
Wilbert Hazelzet - flute, Saskia Kwast - harp, Amsterdam Baroque Orchestra on period instruments, conducted by Ton Koopman.

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category: W.A.モーツァルト

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J.B.ヴァンハル:Sym C minor (更新)  

短調には何か訴えかける様相があり、古典派でも作曲者の私的な一面が色濃く感じられるようで、個性が出る気がしてそこが興味深い、 
今日取り上げる、ヨハン・バプティスト・ヴァンハル(1739-1813)はボヘミア出身でハイドンと同時期、ウィーンで活躍した人気作曲家で、特定の雇い主に仕えない最初のフリー作曲家だったとされる。 
Vanhal_20190129105319b14.jpg
Johann Baptist Vanhal
ヴァンハルは結構、短調交響曲を書いているが特に傑作と思う交響曲 C minorを取り上げる、全楽章、短調で書かれている、
ハイドン、モーツァルトともに短調交響曲では緊迫感を持つ簡潔な主題を用いているが、
hay sym45 b
*ハイドン Sym No.45「告別」より
moz s25
*モーツァルト Sym No.25より
ヴァンハルはメロディアスな流れを持つのも特徴、
なお当曲の参考スコアはなかったので割愛。
手持ちの音盤ではNAXOS盤のケヴィン・マロン指揮、トロント・カメラータが良いと思う。
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第1楽章から親しみやすい、trp、timpが加わっているのも特徴で力感も聴かせる、またこの曲でも第2主題らしいものがない、展開部はハイドンのようなポリフォニックな書法はあまりないが、再現部を含め味わい深い運びで結ぶ、
第2楽章、ハイドンとはタイプが違う緩叙楽章で、優美にまとめる。
メヌエットも旋律美をもった主題である、トリオもメヌエット主題の一部で書かれている、
終楽章、急速感と力感をもった楽章だが、ゴツゴツした感覚はない、展開部、再現部も魅力な聴きどころとしている。
ウィーンで人気だったであろう、旋律美の作曲家と言える作風だ。

you tubeはとりあえず、マティアス・バーメルト指揮、London Mozart Players による演奏(全楽章続くように挙げてある)、ただし楽譜は原典と違う音があるようだ、
van sym you
you tube:Johann Baptist Vanhal, Symphony in C minor, I Allegro moderato

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category: J.B.ヴァンハル

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モーツァルト:Sym No.38「プラハ」 3枚  

J.F.パイヤールの音盤はめったに取上げないが、このモーツァルト、Symは気に入って取ってある、過去にLPで持っていたこともある、「ハフナー」「リンツ」「プラハ」と、サービストラックで「Sym No.37」の第1楽章が1枚に収まっている、 
Sym37_20200329104441f6a.jpg
ジャン・フランソワ・パイヤール指揮
イギリス室内O

イギリス室内Oを指揮した録音だが、orchバランスが良い、低域がしっかり出て、vn群は滑らか、木管パートも色彩良く出る、適度な編成で、この点はスウィトナー盤のように聴き心地がよい、ただしテンポは落着き、意外とどっしりした構えだが、各楽章、滑らか基調に程よい区切りも入れている。なお当盤はyou tubeに挙っておらず、CD等も中古が若干あるのみ、いつの間にか希少盤になっていた、

次にスウィトナー指揮、SKDの「プラハ」
20190628095851218 b
オットマール・スウィトナー指揮
シュターツカペレ・ドレスデン

第1楽章は快速で小気味よく、不要なレガートも避け、スッキリ区切っている、
キビキビとした弦楽に[81]から木管の和声が鮮やかに乗っていくのが心地よい、
20190628094719bd9_20200329104432eb5.jpg
第2楽章も無用な甘ったるさがなく、すっきりして飽きがこない、
終楽章、速すぎないテンポで緻密な合奏、弦楽と管の対等バランスのやりとりが心地よい、展開部に入るとぐっと熱気が入り引き付ける、ポリフォニックな部分もくっきり、
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you tube:Symphony No. 38 in D Major, K. 504 "Prager":
I. Adagio - Allegro II. Andante III. Finale - Presto

もう一つ、カラヤン指揮、BPOの「プラハ」
BPOは量感たっぷり、大編成の精鋭部隊といったところ、レガートに繫がれ快速にぐいぐい進む、ときにこれもいいかと、
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ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニーO

帝王カラヤンは完璧主義だと思っていたが、セッション録音で録音スタッフから「○○小節でミスがあった」と指摘があり、再生を聴いて、「ああ、この程度ならわからない」と録り直ししない、アバウトな一面もあった、
しかし、1970年、EMIに録音した演奏では誰が聴いてもわかるミスがある、第1楽章で、fagがテンポからズレて、[79]から8分音符1つ分ほど遅れる、(*you tubeで、4:29のあたり)
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you tube:Mozart Symphony No 38, K 504 ''Prague'' (Karajan BPO, 1970)
誰も気づかなかったのか、わかってて出しちまったのかは不明;

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category: W.A.モーツァルト

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スウィトナー:Mozart Sym「リンツ」('68、'79)  

新しい演奏をいろいろ聴いたあとでも、O.スウィトナーの演奏は心地よいorchバランスなので、すんなりと耳に入る、一方で良い意味で古き時代も思わせる、
スウィトナーがN響とセッション録音したのは、DENONのモーツァルト「リンツ」「プラハ」を収めた一枚が唯一だったと思う、CDでも出ているが、DENONのスクラッチ一つないLP盤の品質の高さはどれも素晴らしい。
sui moz s36you tubeには挙っていない
演奏も録音もさすが秀逸だが、惜しいのは会場の響き、1979年、荒川区民会館での録音だが、国内によくある多目的ホールらしい雰囲気までよく捉えている;低音部の音が全体に籠もる感じになる、演奏はもう一つのSKD盤に引けをとらないものと思うが、本質は同じでも会場が違うとこれだけ趣きも変わるという例で面白くもある。

スウィトナーは録音には恵まれていたようで、D.シャルプラッテンの1968年の録音も素晴らしく、教会を録音会場としていて、各パートが高貴に締まったサウンドである、
sui mo s36 lp
交響曲No.36ハ長調K.425「リンツ」
オットマール・スウィトナー指揮
シュターツカペレ・ドレスデン
セラフィム(D.シャルプラッテン原盤)

第1楽章、序奏の開始音から、低域に重心があり常に涼しげな響きが心地よい、主部はやや速めだろう、[42]からのva、vcが歯切れ良く、しっかり前に出て、vnはくっきりスタッカート、
sc01 39
過剰な物量感なく見晴らしのよいサウンドで、このあたり、西のカラヤンとは対照的だ、
第2楽章、しなやかな演奏だが、やはり弦の涼しげな響きで、嫌気がこない程度に歌わせる、
メヌエットはじつに大らかでここが特筆したい演奏、
sc03_2020032710333749a.jpg
スタッカートとtimpの打音に何とも言えぬ気品が伴い、ほかに例がない魅力。
終楽章、プレストは快速に演奏、キビキビと進めていくが、それでも力の抜けた爽快サウンドでまとめる、終結にかけて熱気をあげて終わる。
高校生時分に買ったLPで大昔だが^^;いまだに飽きることはない。
sui moz s36 you
you tube:Symphony No. 36 in C Major, K. 425 "Linzer":
I. Adagio - Allegro spiritoso II. Andante
III. Menuetto IV. Presto

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category: W.A.モーツァルト

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G.クーパー:Haydn Sym No.44「悲しみ」  

これまでハイドンの疾風怒濤期のSymについていろいろ書いてきたが、その中で特に霊感冴えるのがNo.44やNo.45だろうか、ハイドンは音楽の都会であるウィーンやパリと離れたハンガリー西部で、耳の肥えたエステルハージ侯爵に使え、少人数の優れたorchと仕事をしていた、
これが良い意味で他者の影響を受けず、独創性を持つことになったと言われる、凝った書法が用いられ、味わい深い緩叙楽章も他に例がない、なお、エステルハーザorchにはva奏者が一人しかいなかったが、ハイドンは重要なパートなので二人に強化するのを望んでいたという、
 
録音の素晴らしさも特筆の、ガリー・クーパー:指揮、アリオン・バロックorchのNo.44「悲しみ」を再聴、エステルハーザのorchを再現した編成で、奏者1人ずつの音が分離して聴けるように鮮明、エステルハージ侯はこんな音を聴いていたのだろうか、と思えてくる。
hay sym44
ヨーゼフ・ハイドン
交響曲 第44番 ホ短調 Hob.I-44「悲しみ」
ガリー・クーパー:指揮、アリオン・バロック・オーケストラ
2008年 ケベック(カナダ)サントーギュスタン・ド・ミラベル教会

第1楽章は程よい快速、2本のobが効果的に使われているのが引き立つ、疾走する弦の上で繫留しながら和声、非和声と聴かせる、自然な音の膨らみも心地よい、
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再現部でもobの和声が効果的に入る
sc01 112
第2楽章にメヌエット、上声の主題に対し低音が徹底したカノンを奏でる、
第3楽章、このAdagioはハイドン自身もお気に入りだったようで、この時期の緩叙楽章を代表する傑作、アリオン・バロックOの美音で満たされる、
終楽章、緊迫感いっぱいに快速、cresc.によりテンションを上げていく途中にワンクッション入れて、じりじり進める表現法が効果的、
展開部で[79]からfの指示があるが、ここからも適切なcresc.効果を使う。
sc04 75
hay sym 44 you
you tube:Symphony No. 44 in E Minor, Hob.I:44, "Trauersinfonie" (Mourning) :
I. Allegro con brio II. Menuet - Trio
III. Adagio IV. Presto

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category: F.J.ハイドン

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O.スウィトナー:Mozart Sym ≪Paris≫  

今は発売中のCDなどネット情報ですぐわかるが、昭和の頃はレコード店にある「レコードマンスリー」を見て新譜情報は拾った、発売中の全情報は「レコード年鑑」なる分厚い冊子で調べていた、これで知らずにいた興味深い盤が見つかることもあった。
スウィトナーの録音の多くはD.シャルプラッテンが原盤だが、かつて旧東ドイツからの音盤は、EMI、PHILIPS、Gramophone、徳間ジャパンなど様々なレーベルから入ってきた、近年ようやくBerlin Classicsにまとめられてモーツァルト全集が出た。
sui mozart 6cd
先日のセラフィム盤(EMI)で「ハフナー」と同アルバムだった1968年録音、Sym No.31「パリ」もまたとない名演だ、これもレコード年鑑あたりで知って取り寄せた記憶、当時は入荷まで日にちもかかった;
sui moz lp
オットマール・スウィトナー指揮
シュターツカペレ・ドレスデン

第1楽章、始まりの総奏が清潔な響き、快速なテンポでSKDの緻密なアンサンブルが小気味よい、[40]からの主題がこれほど引き締まる演奏はほかにない、
sc01 60
木管もゆとりをもって色合い豊かに聴かせる、
第2楽章、Andanteはさほど深い趣きはないが透明感のある弦にflのパートが優美に引き立つ、
終楽章は対位法も用いた充実感を持つ、程よく快速で緻密な演奏にまとめる、
sui moz s31 you
you tube:Symphony No. 31 in D Major, K. 297 "Parisian":
I. Allegro assai II. Andante III. Allegro

PS.一方、対称的なK.ベームの演奏、スウィトナーの後に聴くと、なんと鈍足でゴツくさい!と感じてしまうが、これはこれで聴き手を捉えるのだから面白い、特に終楽章など、このゴツさがなんとも引き付ける味なのである。
bohm moz s31 you
you tube:MOZART SYMPHONY #31 (Paris) Karl Böhm - Vienna Philharmonic Orchestra

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category: W.A.モーツァルト

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J.M.クラウス:Sym Es-Dur VB 144 ほか  

ベートーヴェンの弟子で、ピアノのエチュードで有名なカール・ツェルニーは著書や教授活動で優れた人だったが、ピアノ協奏曲を聴いたところ、よく出来てはいるが真面目すぎて、はじける面白さがない;兄弟子のフェルディナント・リースは聴かせどころを心得ている、「作曲」で残る人は限られてきそうだ。 
ヨーゼフ・マルティン・クラウス(1756-1792)はスウェーデン国王グスタフ3世に高くかわれ、王室付き芸術家となり恵まれていた、独創性を持ち優美な趣きもあり、はじける要素は十分、無名の一群に埋もれさせる人ではない。
何故か良い事は続かず、グスタフ3世が暗殺された翌年、クラウスも結核で亡くなった、

クラウスの作品はNAXOSがシリーズで出したのが復活に貢献したとされるが、W.エールハルトはそれより前から優れた演奏で録音を手掛けている、NAXOSのシリーズは数こそあるが粒揃いではなく、20世紀半ば的な古いスタイルの演奏もあるので、選ぶ必要がある;
CAPRICCIOレーベルから出ていた、コンチェルト・ケルンゆかりのW.エールハルトほか、flのM.サンドホフ、シュパンツィヒSQなどによるクラウス作品の名演をまとめた絶好の5枚組アルバムが出ている、(筆者は既に1枚ずつ集めた^^;)
j m kraus cdJ.M.クラウス作品集、CAPRICCIO
他のレーベルからも良い演奏は出ているが、当アルバムを凌ぐものはないと言える、
you tubeでいくつか曲目を拾った、
まず交響曲嬰ハ短調VB.140、これはハイドンに献呈したハ短調VB.142の改作前の原曲で、唯一メヌエット楽章がある、共通部分もあるが第1楽章は大幅に異なる、むしろ当VB.140のほうが斬新かもしれない、
コンチェルト・ケルン
vb140 you
you tube:J. M. Kraus - VB 140 - Symphony in C sharp minor

交響曲をもう1つ、変ホ長調 VB.144、これも傑作で、親しみ易さもあり、両端楽章は対位法による凝った部分もあり、聴きどころ十分、第2楽章の哀歌的主題もすぐ憶えられる、メロディーメーカーでもある、メヌエットは省いた3楽章、
コンチェルト・ケルン
kraus sym vb 144 you
you tube:Symphony in E-Flat Major, VB 144:
I. Allegro II. Larghetto III. Finale. Allegro

次は声楽曲で、カンタータ「春」 VB.47より、アリア
クラウスは幾つも作法を備え、これはモーツァルトと同系でイタリア風の作品、
Sop:ジモーネ・ケルメス
you 03
you tube:Joseph Martin Kraus - Cantata "La Primavera", VB 47
緩叙部分を挟むがソプラノのコロラトゥーラの技巧はvn(又はpf)協奏曲を思わせる凄さで、カデンツァも入る、

最後に室内楽でフルート五重奏曲 ニ長調 VB 188
マルティン・サンドホフ:fl、シュパンツィヒSQ
you 04
you tube:Flute Quintet in D Major, Op. 7, VB 188:
I. Allegro moderato II. Largo III. Finale. Con brio
fl協奏曲風の響きにもなるが、各パート対等で緻密な室内楽の書法、第1楽章は快速な演奏でも13分かかる大作、第2楽章は充実した変奏だが、主題にはクラウスが生い立ちのどこかで身につけたような独特の良い趣きがある、終楽章は快活な運びに緻密なパートの掛合いがある。
kraus fl quin
1st vn パート
以上、新時代の優れた演奏でこそ、良さがわかる、

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category: J.M.クラウス

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スウィトナー:Mozart Sym "Haffner"(Live 動画)  

sui moz s351981年、神奈川県民ホール
モーツァルトのSym「ハフナー」は20~21世紀にかけてそれこそ幾多の録音があり、曲の始まりの印象も様々なだけに面白い、
1968年、O.スウィトナー46歳の頃、シュターツカペレ・ドレスデンと録音したモーツァルト:Sym 「パリ」「ハフナー」「リンツ」「プラハ」の4曲が入った2枚組LPは今も貴重で、特に「ハフナー」と「パリ」の気合いの入った演奏は他に例がない、
20190628.jpgsui skd moz
モーツァルト時代のorch楽器が全て加わった編成だが、SKDのアンサンブルは緻密に決まり、[58]のvn1の上行パッセージにcl、flがぴたり粒が揃って重なる、
sc01 58
この演奏には背筋の伸びる感覚と同時に力の抜けた大らかさもある、
メヌエットはゆったりテンポだが、[9]からvn2をくっきり区切り、凜然とした気品がある、
sc03 01
終楽章も力は入れず、気は抜かず引き付ける。
sui moz s35 you
オットマール・スウィトナー指揮、シュターツカペレ・ドレスデン
1968年

you tube:Symphony No. 35 in D Major, K. 385 "Haffner":
I. Allegro con Spirito II. Andante
III. Menuetto IV. Finale - Presto

さて、この「ハフナー」だが、1981年に神奈川県民ホールで、シュターツカペレ・ベルリンを指揮した動画が挙っていた、スウィトナー59歳、上述のSKD盤を映像付きで聴くようだ、まだパーキンソン病の兆しもなく溌剌とした指揮ぶりで、引退が近い頃の映像しか見られなかっただけに、貴重な動画だ、
*音量小さめだが、ボリュームを上げると良好、
sui skb moz 02 you
you tube:Otmar Suitner: Mozart Symphony No. 35 "Haffner" (SKB, 1981)
終楽章はライヴならではの熱気が入る、

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category: W.A.モーツァルト

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ハイドン:リラ・オルガニザータ 作品  

ハイドンは奏者も少なかったであろう珍しい(マニアックな)楽器のために作品を書いているが、1つは雇い主だったエステルハージ侯が弾いていた「バリトン」という楽器、 
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ヴィオラ・ダ・ガンバが元になった楽器のようで、フレット付きの指板上にガット弦が張られ、弓で弾く、さらにネックの裏側に金属の共鳴弦が12本前後張られ、間近に聞く人や奏者自身には魅力な響きのようだ、この共鳴弦は左手親指で撥弦もされる、
hay baryton you
you tube:Haydn - Two Baryton Trios - La Jolla Music Society SummerFest 2014

さらに凝った仕掛けの「リラ・オルガニザータ」という楽器があり、ハイドンはこれを2台使う、2つのリラのための協奏曲を5曲書いている、
まず楽器についてだが、ハンドルで回転させる円盤が弦を擦り、鍵盤を押え弦の長さを変えて音程を取る、ハーディ・ガーディが元になっている、
hurdy gurdy
ハーディ・ガーディ:ドローン弦を持ち、バグパイプの弦楽器版のような楽器になる、共鳴胴はリュート型、ギター型などがある
*大正琴は撥弦楽器だが仕掛け的にはハーディ・ガーディに近い、弦を押えるキーはタイプライターがヒントになったそうだ。
Taishogoto.jpg
たぶんカラクリ好きの誰かがハーディ・ガーディを見て、「ハンドルを廻すんなら、フイゴも動かせる、パイプを並べて一緒に鳴らしちゃえ」ってなアイデアを浮べたのだろう、鍵盤を押すとハーディ・ガーディ同様に弦の音程を変え、同時にパイプにも空気を送る、オルガンと弦が一緒に鳴る面白い楽器になった^^
lira org
リラ・オルガニザータ:パイプは卓上オルガンのタイプで角形の木製、
ハンドルを廻し音を出す作業は右手、鍵を押え音程を作る作業は左手、というのはヴァイオリンと同様に自然なのだろうか?弦にヴィヴラートもかけられるv
Lira organizzata you
you tube:Rue de begles
ナポリ王のフェルディナンド4世がこの楽器を得意とし、ハイドンが依頼を受けて書いた作品で、ハイドンの"ソロ楽器2つを持つ協奏曲"で真作と言えるのはこれらだけだが、1声しか弾けない機能からして2つ必要のようで、ダブル・コンチェルトらしい楽しみではないが、複数の楽器が協奏交響曲のように加わる、
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この第2楽章で、楽器の特色が味わえる、
hay lira you
you tube:Haydn Notturno No.2 (Lira Organizzata) Ensemble Baroque de Limoges
アマチュアの楽しみ用とは言え、本格的で聴き応えのある内容だ。

ハイドンが最後に書いたトランペット協奏曲も"新案機能付き"のキーtrpのための曲で、珍しい楽器の機能を踏まえ、傑作にしている。
key trp

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category: F.J.ハイドン

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