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Classic音楽,リュート,宇宙

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学 etc

ハイドン:疾風怒濤期の緩叙楽章  

ハイドンの交響曲で、No.94「驚愕」やNo.101「時計」の緩叙楽章などはまさにsymphonicで地に足の着いた感覚だが、たびたび取上げている疾風怒濤期の交響曲では、No.44「哀悼」に代表されるように、安らぎや瞑想感をもって浮遊していくような緩叙楽章がシリーズのように書かれている、筆者には穏やかな夢を見たときのイメージだったりする。
この頃ハイドンはN.エステルハージ侯爵に仕える副楽長で、当然、侯爵の希望する音楽を書いていたはず、ハイドンにこういう曲を続けて書かせた侯爵も趣味の高い人だったのだろう、

今回、you tubeはC.ホグウッド指揮、エンシェント室内Oに統一する、
未完に終った全集だが、古楽器orchによる質の高い演奏で疾風怒濤期の曲が全部そろっているだけでも価値は高い、
hay hog box
*DECCAから出た古楽orchによる全集はホグウッド、ブリュッヘンの録音を交互に入れてあり、統一感がない、
decca hay

特に素晴らしい曲を集めると、No.42~46およびNo.54だろうか
No.43「マーキュリー」:第2楽章
疾風怒濤期の典型といえる緩叙楽章、弱音器を付けたvnの"遠くで鳴る"ような夢想の味わい、後半[62]からのゼクヴェンツは[90]まで続くが、どう転調して行くかで引き付ける、
No 43 02
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you tube:J. Haydn - Hob I:43 - Symphony No. 43 in E flat major "Mercury" (Hogwood)

No.44「哀悼」:第3楽章
この緩叙楽章はハイドンが自らの追悼の際に演奏してほしいと遺言したほど本人もお気に入りらしい、安らぎに始まり、中間部では悲哀を帯び、[57]からはhornが天に誘うような温もりを奏でる。
No 44 03
you tube:J. Haydn - Hob I:44 - Symphony No. 44 in E minor "Trauer" (Hogwood)

No.45「告別」:第2楽章
この緩叙楽章も後半に深い瞑想に誘うのが素晴らしい、
you tube:J. Haydn - Hob I:45 - Symphony No. 45 in F sharp minor "Farewell" (Hogwood)

No.46:第2楽章
シチリアーノのリズムが使われ、後半に入ってからの[42]~のobと内声弦による2度を交えた和声がひじょうに魅力、
s46 02 41
you tube:J. Haydn - Hob I:46 - Symphony No. 46 in B major (Hogwood)

No.54(第2版):第2楽章
アダージョ・アッサイはハイドンの全Symの中で最も演奏時間が長い、後半も反復すると約18分、省略しても12分程になる、静謐な緩叙楽章を極めたような内容で弱音器付きのvnほか全楽器の溶け合う当演奏が素晴らしい、穏やかに白昼夢を見るような音楽は後半でより深くなる。
you tube:J. Haydn - Hob I:54 - 2nd Version - Symphony No. 54 in G major (Hogwood)

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category: F.J.ハイドン

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A.ドラティ:Haydn Sym 45「告別」,44「哀悼」  

アンタル・ドラティ盤で、ハイドンのSym全集から抜き出した「告別」と「驚愕」だけは過去にLP盤を聴いたことがあった、 
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新鮮で印象強かったのは「告別」で、それまで多かったロマンティックなやんわりした演奏とは違い、「疾風怒涛」の趣きを初めて聴いた気がする。
ドラティはハイドンSym全集録音の前にも録音を残しており、その旧録音を聴くと全集のほうではR.ランドン版のスコアに基づき、演奏スタイルも一新しているのがわかる、この全集録音は約3年間で集中して行なわれ、統一感もある。
参考:ドラティの旧録音(1961年)Sym No.45より第1楽章
a d hay s45 1961
you tube:Haydn: Symphony No. 45 in F-Sharp Minor, Hob.I:45 "Farewell" - 1. Allegro assai

さて、全集のほうのSym No.45嬰ヘ短調「告別」
a d hay box
アンタル・ドラティ 指揮
フィルハーモニア・フンガリカ
録音:1969~1972年 DECCA

第1楽章 Allegro assai 旧盤と違い、当時としては異例な快速で駆け抜ける、ドラティは適宜スラーで繋ぎ、緊迫の中にレガートも聴かせる、
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[50]からは鋭く2度を響かせ、甘ったるさはない。
s01 46
この楽章は展開部の最後、[108]から新たな主題が出て、形式上[142]から再現部と思われるが、ここからが聴きどころで、[169]からは非凡な霊感で引き付ける。
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第2楽章 Adagio これも「疾風怒涛期」の緩抒楽章の傑作で味わい深い、ドラティは極めて弱音を用い、奥行きをつける、楽章の後半は深く瞑想に誘う。
メヌエット Allegretto 前楽章 Adagioの続きのように、清涼な弱奏で始めるのが良い、いつもながらドラティは耳心地のよいメヌエットに仕立てる。
終楽章 Presto- Adagio メヌエットからアタッカの繋がり、ここはあまり急速にせず、折り目正しく聴かせる、後半のAdagioのテーマはいつも健やかな気分にしてくれる、PHの奏でる美音で申し分ない。
a d hay s45 you
you tube:Haydn Symphony No 45 F sharp minor 'Abschied', Antal Dorati Philharmonia Hungarica

もう1曲、Sym No.44ホ短調「哀悼」
こちらの演奏は両端楽章を急速にせず、がっしりしている、傑作の緩叙楽章(第3楽章)が特徴的で、ドラティはそれまでになかった速めのすっきりした表現と深い強弱、過剰に表情をつけるより好ましい、終楽章がゆっくりめで、急速な演奏の多い近年からすると意外に感じる、
しかしこの楽章の充実ぶりを丹念に聴かせるようでわるくない、
a d hay s44 you
you tube:Haydn Symphony No 44 E minor 'Trauer', Antal Dorati Philharmonia Hungarica

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category: F.J.ハイドン

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A.ドラティ:Haydn Sym 92「オックスフォード」(LP)  

老舗レーベルでハイドンSymの録音を探すと、PHILIPSにはN.マリナー、C.デイヴィスなどの名盤があるのに対し、DGではC.アバドが録音する前は乏しく、ベーム、カラヤン、ヨッフム、バーンスタインなど錚々たる指揮者らの録音もあまり聴くに値しない、
DECCAはA.ドラティの全集があるだけで充実している、今はCD化されてリーズナブルな全集かもしれないが、個々の演奏価値は高い、 
a d hay cd
ハイドン 交響曲全集CD
アンタル・ドラティ指揮、フィルハーモニア・フンガリカ

さすがに初盤のLP全集は買えなかったが、単盤で出た好きな曲のLPは集めている、
しばらく忘れていたドラティ盤の「オックスフォード」に針を下ろしてみた、国内盤だがDECCAの優秀録音が耳に染み渡るように聴ける、弦楽の鮮明で澄んだ響き、木管やhornパートの明確な聞こえ方、スコア上の大事なところがしっかり聴ける、
a d hay s92 lp
第1楽章は溌剌としてパートバランスの良さが心地よい、この録音ではじめて気付かされる箇所もある、展開部が終わり再現部に入った[130]から、flがvn1のパートを追うところ、
sc01 129
提示部にはなかった味な仕掛けがくっきり聴ける、
第2楽章Adagioの演奏はセンスが良い、ハイドンの草稿にも確かにCantabileの指示はあるが、節目をつける指示と思われる印しもあり、過剰に歌いまわす趣きではない、
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ドラティはそこを押えスッキリ整える、ニ短調の中間部も重くならずむしろ軽やかである、
メヌエットはゆっくりめではあるが、ベーム等の演奏のように重ーくならず、他の曲と同様、気品を感じるのが良い、
終楽章は速めで推進力を付け、緻密に聴かせる、hornは低音楽器として使われることがあり、[267]から独立のバスパートを吹いているのがこの録音で印象深く気付く、
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演奏、録音技術ともに入念で、にわか作りの全集ではないのがこの1枚からもわかる。

PS.その他の全集で、A.フィッシャー盤は約10年かけて完成しているが、彼の演奏スタイルの進歩を辿るようでもあり、全集完成後に一部を新録音したのが魅力である、D.R.デイヴィス盤は一部の曲は良いのだが全般に完成度に欠ける、C.ホグウッド盤は古楽orch、AAMと丹念に進めた企画だが中断して未完に終ったのが惜しい、T.ファイ盤も完成を目前にして、事故により復帰できず、全曲本人の指揮で出来なかった。
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*T.ファイ盤は全曲を集めた全集は出ていない、

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category: F.J.ハイドン

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A.ドラティ:Haydn Sym No.87 (英 LP盤)  

アンタル・ドラティ指揮、フィルハーモニア・フンガリカのハイドン Sym全集はCD化された全集を持っているが、初盤はLP盤で高価だった、 
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そこから抜き出した単売盤は国内でもLONDONレーベル(DECCA)で出ていた、輸入盤にはDMMカッティングされた盤など、様々な形で入ってきた、
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手元には同録音の英国盤で(Ace of Diamonds)とされるNo.86、87が入った1枚がある、
同じ音源でもLP盤はマスタリングやカッティングをやり直すたびに変わってくるのが面白い、
a d hay s87 lp
この盤はひじょうに鮮度が良いのが第一印象、vn群が透明に響き、塊感がない、音場感も見透しよく、木管パートも明確に聴ける、ドラティ盤のDMMカッテイングも持っているが、出来栄えは当盤が良い、製作方式が何であれ、担当した技術者のセンスが現れてくるようだ。

さて、ハイドンのSym パリセットの6曲(No.82~87)のうち副題のあるNo.82「熊」、83「雌鶏」、85「王妃」は当時から評判で魅力があり、No.86もフル編成のorchでシンフォニックな楽しみがある、最後のNo.87は編成も小さく副題も持たないためか、録音される機会は少ないほうだと思うが、書法的には充実した傑作で好きな曲である、
第1楽章は闊達なテーマで、展開部では転調の移ろいが聴きどころ、
sc01 110
再現部にも小展開の部分があり、対位法的な部分が盛り込まれる、
第2楽章は優美なテーマでflはじめ木管のソロが魅惑的、中間部の転調がしばし深みへ誘う、
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メヌエットのテーマはパリセット共通で典雅な趣き、トリオではobソロが難しいとされる最高音域を聴かせる、
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終楽章、しっかりしたソナタ形式で聴き応えのある終楽章だ、展開部では木管パートも含めたフーガ的書法になる、
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you tube:Haydn Symphony No 87 A major, Antal Dorati Philharmonia Hungarica

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category: F.J.ハイドン

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O.スウィトナー:Mozart Sym No.31 ほか(更新)  

時が経つとまた聴きたくなる、一生手放せない名盤というのがあるが、もう半世紀近く?所有している盤もあり;;何度針を下ろしたかわからないが、今も問題なくクリアな再生音、
塩化ビニルのレコード盤は保守に注意すれば、擦りきれることはないと実証された、 
sui moz lp
O.スウィトナーの録音の多くはD.シャルプラッテンが原盤だが、かつて旧東ドイツからの音盤は、EMI、PHILIPS、Gramophone、徳間ジャパンなど様々なレーベルから入ってきた、近年ようやくBerlin Classicsにまとめられてモーツァルト全集が出た。
sui mozart 6cd
Berlin Classics 全集盤 CD
1968年録音、O.スウィトナー指揮、シュターツカペレ・ドレスデンのモーツァルト Sym No.31「パリ」もまたとない名演だ、当時取り寄せを頼んで、入荷まで日にちがかかった;
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セラフィム(EMI)盤 「パリ」「ハフナー」「リンツ」「プラハ」の2枚組
「パリ」を外して1枚にした再版盤より、ゆとりのカッティングで低域の土台がしっかり、木管は色合い豊かに聞こえる、肩の力は抜け、気合いは張りつめている感覚、
第1楽章、始まりの総奏から塊感がなく清潔な響き、快速なテンポでSKDの緻密に整ったアンサンブルは他に聴けない、弦楽の各パートがくっきり聞こえ、[40]からのvnによる主題がこれほど引き締まる演奏はほかにない、
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第2楽章、Andanteはさほど深い趣きはないが華のある楽章で、透明感のある弦にflのパートが優美に引き立つ、
終楽章は対位法も用いた充実感を持つ、程よく快速でここも緻密にまとめる、
sui moz s31 you
you tube:Symphony No. 31 in D Major, K. 297 "Parisian":
I. Allegro assai II. Andante III. Allegro
スウィトナーの指揮ぶりは肩から大振りに動かすことは少なく、長いタクトで肘から先を振る、それが音楽の性質を表わしているようにも見える。

PS.一方、対称的なK.ベームの演奏、スウィトナーの後に聴くと、なんと鈍足でゴツくさい!と感じてしまうが、これはこれで聴き手を捉えるのだから面白い、特に終楽章など、このゴツさがなんとも引き付ける味なのである。
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you tube:MOZART SYMPHONY #31 (Paris) Karl Böhm - Vienna Philharmonic Orchestra

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category: W.A.モーツァルト

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L.モーツァルト&M.ハイドン:trp協奏曲  

ナチュラルtrp時代の曲は機能上、高域で旋律を奏でるしかないが、これは自由な演奏が可能となったモダンtrpにとっても魅力で貴重なレパートリーだろう、
前期古典派の様式で書かれた、レオポルト・モーツァルト(1719-1787)とミヒャエル・ハイドン(1737-1806)のtrp協奏曲がある、
2人は ザルツブルク大司教に使えた仲間であるが、ともにその貴重なレパートリーを残していて、これらの名演があれば新鮮で飽きることはない。 

L.モーツァルトのtrp協奏曲 ニ長調はtrpに相応しい優美なテーマがまず魅力、trpの高域へ跳躍するところも聴くたびに楽しみである、
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*ハ長調表記だが、実音はニ長調
M.アンドレほか多くの奏者が録音しているが、バロックtrpによる録音は意外に少ない、
筆者お気に入りは、ニクラス・エクルンドのバロックtrpによNAXOS盤で、
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モダンtrpを凌ぐ透明感とバロックtrpならではの柔らかなリップトリル(あるいはタングトリル)が魅力、
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you tube:Leopold Mozart - Trumpet Concerto in D-major (1762)

M.ハイドンは2曲書いているが、その1つ、No.2ハ長調はflが2本入ったorchでtrpの聴かせどころを十分掴んでいる、これもエクルンドの演奏が満足である、
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録音も鮮明で奥行き感があり申し分なし、
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you tube:Michael Haydn - Trumpet Concerto No.2 in C-major

もう1曲のNo.1ニ長調は超高域を吹く難技巧で有名である、たぶんそれまでに例がない"実音で3点A"という高音が出てくる、
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*ハ長調表記だが、実音はニ長調
ここを危なげなく安定して吹いているのはルベン・シメオである、師:M.アンドレさえ危なげに吹いていた最高音である、
手元のCDは2011年録音でorchパートをオルガンに編曲した演奏だが、この組合わせも良い、
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*オルガンの低域や場内の拡がり感はオーディオ的にも魅力v
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you tube:[M. Haydn] Concertino per il Clarino:
I. Adagio II. Allegro
それにしても第1楽章はゆっくりなテンポをとり、シメオは息継ぎなしに随分長く吹いているが「循環呼吸」だろうか?最盛期のバロック期からあったテクニックか・・?

PS.この難曲のバロックtrpによるライヴ録画があった、聴衆席から収録したものと思われる、良い演奏だと思うが、たまたま座った席での聞こえ方、また一発勝負のライヴらしさなど、レコーディングのセッティングとは違い、いろんな意味でリアルで興味深い、場内の響きもよく入り、orchは遠くモヤっとするが室内楽ではなく、trpを聴くにはよい響きに思う。
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you tube:Michael Haydn, Concerto in D for Baroque Trumpet

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category: その他・古典派

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J.N.フンメル:trp協奏曲 E-major P.ティボー ほか  

キー・トランペットのために書かれたフンメルの協奏曲はハイドンほどに集めていないが、手持ち盤を聴き直してみた、曲は素晴らしく、特徴は第2楽章にあり、ハイドンはあの「皇帝賛歌」の開始にも似たテーマで温かく包むような緩叙楽章にしている、フンメルのほうはモーツァルト譲りな要素があり、第2楽章はイ短調として、憂いを帯びた楽章にしている、それまでの簡潔で晴れやかなtrpのイメージを変える試みである、個性が違う2曲だけに楽しめる。 
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キー・トランペット

ソロtrpの演奏ももちろんだが、orchも良くてはじめて愛聴盤となる、
LP盤を見つけ、気に入ったのがピエール・ティボー:trpで、マリウス・コンスタン指揮、イギリス室内OのDG盤(1971年録音)である、
t hu trp con lp
orchの規模はちょうどよい、アンドレより速めのテンポで、ティボーのtrpはきめ細かくブラスらしい光沢があり、耳に痛快である、第1楽章のカデンツァでも技の切れを聴かせる、
因みにトリルは主要音から始める。
t hu trp con you
you tube:Hummel: Trumpet Concerto in E flat major/ P.Tuibaud
1. Allegro con spirito 2. Andante 3. Rondo
*レコードのtrpを最後まで澄んだ音で聴くにはラインコンタクト針が効果を発揮する、
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次はM.アンドレとカラヤン、BPOが共演したEMI盤、
カラヤンは録音に積極的で「演奏会場では理想的に聴ける席は限られているが、録音なら全ての人に理想のバランスで届けられる」と述べていたのを思い出す、そのわりにDG盤には聴き取り辛い録音が多かったが; しかし当EMI盤はorchの各パートが聴きやすい好録音だった、
アンドレのtrpはいつもどおり余裕の快演、
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you tube:J.N.Hummel Trumpet Concerto in E flat Major Maurice André-Hebert Von Karajan

N.エクルンドのNAXOS盤も申し分ない、
古楽奏者だが、キーtrpには手をださず、ここではモダンtrpで演奏、柔らかなpと輝くfの対比を見事に聴かせる、orchはスウェーデン室内O(モダン楽器)で指揮はロイ・グッドマン、この曲は楽章がアタッカで繫がれ、終楽章に素早い付点の演奏が要求されるが、
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この付点を省いて均等にする演奏が多い中、楽譜どおり付点を決めて演奏している、さすが古楽の指揮者だけに妥協しなかったのだろうか、終楽章は速度指定はなく、現代は急速に演奏されるが、本来はゆったりしたテンポなのかもしれない。
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you tube:Hummel: Trumpet Concerto in E flat major/N.Ekulund
Allegro con spirito Andante Rondo

新世代のルベン・シメオが16歳で録音した演奏はこれ以上ないほどの実力を示した1枚だった、トリルの締めくくりがピシっと決まるのも印象的、
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演奏は新らしさもあるが、まだ師:M.アンドレを踏襲した要素が少なくない、いずれオリジナリティーを発揮した新盤を出す時に期待したい。

追記:フンメルのtrp協奏曲は原曲はホ長調であるが、ハイドンの曲と同じ変ホ長調に移調して演奏される例が多い、LPジャケットやCDブックレットには"ホ長調"と表記され、実際は"変ホ長調"である場合もある、上記に挙げたうち、N.エクルンド盤は原調のホ長調である。

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category: その他・古典派

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G.アントニーニ:Haydn Sym No.45「告別」ほか  

このところ興味をもって取り寄せるCDは、バッハではアルフレード・ベルナルディーニ、ハイドンではジョヴァンニ・アントニーニ盤とイタリア勢が続いている、両者とも管楽器奏者、(ベルナルディーニ:ob、アントニーニ:fl)兼指揮者というのも面白い、
今回はアントニーニのHAYDN 2032シリーズで「L'ADDIO(さようなら)」と題された1枚、ハイドンのSym No.45「告別」が入ったのが楽しみ、 
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始めにSym No.35変ロ長調、
記録にあるエステルハーザのorchより、イル・ジャルディーノ・アルモニコは、弦の数が多いが、この編成を活かしたダイナミズムで迫ってくる、ナチュラルhornの荒々しさは痛快だが、好みの分れるところかもしれない、第2楽章は弦楽のみだが、何か語るような主題で疾風怒濤期独特の緩叙楽章に発展する前段階のようだ。
g a hay s35 you
you tube:Symphony No.35 in B-Flat Major, Hob.I:35:
I. Allegro di molto II. Andante
III. Menuet. Un poco allegretto - Trio IV. Finale. Presto

次にSym No.45「告別」、
第1楽章はソナタ形式だが特殊性があり単一主題、こちらも大きめの編成を活かしたダイナミズムの対比でまさに"スタッカーティシモ"で鋭く迫ってくる、
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展開部の終わりに初めて出てくるこの主題は一時、沈静を置く役割で、
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最も引き込むのは再現部に入ってからである、"forz"と記されたあたり、
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その経緯も明確に表現する、
第2楽章は完成された疾風怒濤期の緩叙楽章、vnは弱音器が付けられ、とくに後半が夢想的に引き込むが、反復されてじっくり聴ける、
メヌエットはかっちり締めるが軽やかである、
終楽章はプレストに続き告別のアダージョ、次々と楽器が沈黙し、管楽器、さらにコントラバスが終えると、そこから室内楽の響きになる、最後のvn2人はこれまでになく密やかに奏でて終わる、最後まで旋律は美しい。
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さて、この「告別」は映像付きで聴きたいものと思っていたが、CDを聴いてから、you tubeに挙がったライヴを観た、最後は楽員が次々退場していくが、指揮のアントニーニは動揺しているような、気にしてないような?・・味な演出も面白い^^やがて指揮者も退場、
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you tube:Haydn Symphony No. 45 | Il Giardino Armonico | Giovanni Antonini

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category: F.J.ハイドン

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玩具の交響曲:作曲者  

筆者も子供の頃から耳にして親しんでいたこの旋律、 
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玩具の交響曲は、親しみ易いクラシックの名曲ベスト10をやったら入ってきそうな曲だが、真の作曲者は誰か?ということで、紆余曲折してきた経緯がある、
20世紀半ばまで、F.J.ハイドンの作だとして"逸話付き"で伝わってきたが、作風的に考えにくく、早くから疑問視されていた、
1951年にレオポルト・モーツァルト(1719-1787)作曲とされるカッサシオンがバイエルン州立図書館で発見され、その中に玩具の交響曲と同一の曲が入っていた、これにより、以降は作曲はL.モーツァルトとされ、前期古典派的な作風からも広く納得され、受け入れられた、
一時はモーツァルト父子と職場を同じくした、ミヒャエル・ハイドンがこの原曲に玩具楽器のパートを付けた、これがいつしか兄ハイドンの作曲と混同されたのでは・・という説まで聞いたが、どこから出た話やら?
一応、L.モーツァルトの作で落着かと思ったら、1992年、オーストリアのチロル地方、シュタムス修道院の所蔵物から、1785年頃に当時の神父、シュテファン・パルセッリが写譜した楽譜にこの玩具の交響曲が見つかり、同地出身の作曲家、エトムント・アンゲラー(Edmund Angerer 1740-1794)が1770年頃作曲したと記されていた、アンゲラーの他曲の作風からみても彼らしいそうで、すでに玩具楽器のパートが書かれていたら信憑性は高まる、また玩具の生産で有名だったバイエルン州、ベルヒテスガーデンに近い場所柄も状況証拠の1つとなるか、あるいは偶然か?
先述のL.モーツァルトのカッサシオンに入った同一曲は転用されたことになる、

弦楽以外の玩具楽器は、
カッコウ笛(Kuckuck),ウズラ笛(Wachtel),ラッパ(Trompete),太鼓(Trommel),ガラガラ(Ratsche),雌鳥の笛(Orgelhenne),トライアングル(Cymbelstern)を使うこととされるが、適宜変更、アレンジして演奏される。
Toy Symphony
この楽譜も1つの実用譜のようだ
toy sym you
you tube:L. Mozart (E. Angerer): Toy Symphony, Berchtesgadener Musik Kindersinfonie (1st version)
これほど知られた曲が、まったく知られない作曲家の作だった・・バッハのメヌエットでお馴染みのBWV Anh. 114もじつはC.ペツォールト作だったし、有名作曲家のレッテルが貼られると、曲も有名になるのか?^^曲自体が親しみ易いのが前提だが。

古典派期の曲というのは今の日本でいう演歌みたいな?、決まった型と趣味が求められ、自筆譜がない限り作曲者を特定するのは難しい、しかし作曲家個々が好んで使う旋律の節回しなどに個性が見られ、筆跡のような手がかりとなるだろう。
よく取上げるJ.M.クラウスやスペイン時代のL.ボッケリーニはそんな個性が強く現れている、
作曲者はクラウスらしいが未確認だというヴィオラ協奏曲など、聴けばクラウス以外の誰でもないと言える。
kraus va con you
you tube:J. M. Kraus - VB 153c - Viola Concerto in E flat major
先般書いた、コロラトゥーラのためのカンタータ「春」を思わせる。

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category: その他・古典派

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J.M.クラウスの室内楽:モダンとピリオド  

モダンとピリオド、何をもって区別するのかややこしい時代に入った、 
今までの慣例で一応、20世紀に定着した演奏スタイルをモダンと言い、古楽研究に基づく演奏スタイルをピリオドとしてきたが、21世紀の現在は後者をモダンと言うべきかもしれない、
オリジナルに戻した改訂楽譜も出版され、新しい演奏で用いられている。

例として、ヨーゼフ・マルティン・クラウス(1756-1792)の室内楽、vnと通奏低音のためのソナタ ニ短調VB157を2例の演奏で聴き比べる、
この曲も例にもれず、定型的なvnソナタとは違い、クラウスの独創性が引き付ける、
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第1楽章始まり
ソロと通奏低音のバロックに回帰したような書法でもあり、作曲者(時代)を知らずに聴いたら、何時頃の曲だろうと不思議に思うかもしれない、
第1楽章[92~]にはA.コレッリのvnソナタを思わせる緩叙部分が挿入される、
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第2楽章と終楽章が複合的に構成され、第1楽章の動機が再び出てきたり、予測できない変化をもたせている、
まず、Walter Schwede:vnによる演奏、
弓を一杯に使った20世紀の常套的?奏法に聞こえる、チェンバロも今は珍しくも思えるモダン仕様である、
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you tube:Joseph Martin Kraus - Violin Sonata in D minor, VB 157
なにかある種の型に嵌めてしまった音楽に聞こえる、原稿は変わっても、いつもの調子で演説するようで、クラウスの独創性も耳に入りにくい、
次はピリオドスタイルの演奏で、Nils-Erik Sparf, violin; Maria Wieslander, harpsichord.
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you tube:J. M. Kraus - VB 157 - Sonata for harpsichord & violin in D minor
この曲の斬新な要素が余計な上塗りなく真価がそのままに聴けるようだ、反復では適切な装飾が行なわれ、内容を細やかに語るナレーションと言えようか。

もう1つ、ピアノ・トリオ ニ長調 VB171を同奏者グループで聴き比べる、
こちらは古典派らしく親しみ易い曲だが、クラウスの独創性も光る、
上述のVB157と違い、通奏低音ではなくピアノパートが書かれている。
sc19.jpg
まず、Walter Schwedeの演奏、*こちらは第1楽章のみ、
vb171 01
you tube:Joseph Martin Kraus - Piano Trio in D major, VB 171 -Allegro moderato
ちょっと重たくて耳疲れする、
つぎはピリオドで全楽章、けっこう大曲である、
vn: Jaap Schröder, fp: Lucia Negro, vc: Kari Ottesen
vb171 02
you tube:J. M. Kraus - VB 171 - Piano Trio in D major
ピアノの活躍に重点が置かれるが、フォルテピアノの軽やかさが相応しい、

ご覧いただき、ありがとうございました。
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category: J.M.クラウス

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