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Micha: Classic音楽・Lute・宇宙

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学の話など

J.M.クラウス:作品集(5枚組)  

ベートーヴェンの弟子で、ピアノのエチュードで有名なカール・ツェルニーは著書や教授活動で優れた人だったが、ピアノ協奏曲を聴いたところ、確かに優秀でよく出来てはいるが真面目すぎて、はじける面白さがない;兄弟子のフェルディナント・リースは結構いける、
「作曲」で残る人は限られてきそうだ。
 
ヨーゼフ・マルティン・クラウス(1756-1792)はグスタフ3世の元で活躍した「スウェーデンのモーツァルト」と例えられるが、だいぶ作風は異なり独創性が強く、優美な趣きもあり、はじける要素は十分、無名の一群に埋もれさせる人ではない。
j m kraus
Joseph Martin Kraus
クラウスの作品はNAXOSがシリーズで出したのが復興に貢献したとされるが、W.エールハルトはそれより前から優れた演奏で録音を手掛けている、NAXOSのシリーズは数こそあるが粒揃いではなく、20世紀半ば風の古いスタイルの演奏者もあるので、選ぶ必要がある;
CAPRICCIOレーベルから出ていた、コンチェルト・ケルンゆかりのW.エールハルトほか、flのM.サンドホフ、シュパンツィヒSQなどによるクラウス作品の名演をまとめた絶好の5枚組アルバムがお買い得で出ている、(1枚ずつ集めたお気に入りが全部入っている^^;)
kraus cd 01
TUWER RECORDS amazon
内容に相応しくオシャレな表紙、他のレーベルからも良い演奏は出ているが、当アルバムを凌ぐものはないと言える、

you tubeでいくつか曲目を拾ったが、当アルバム以外からも好演を一部挙げる、
まずは劇附随音楽「オリンピエ」より序曲、これを聴いたとき、"有名作曲家"レベルの才気を感じ、他にもいろいろ聴いて、ただ者じゃないと思った。
you 01
you tube:Joseph Martin Kraus: Ouverture zu der Oper "Olympie"
演奏は本当に気が抜けない、0.何秒の絶妙なデュナーミクだけで、音楽の活力が変る、

次に交響曲を1つ、変ホ長調 VB.144
you 02
you tube:Joseph Martin Kraus (1756-1792) - Symphony in E flat Major
メヌエットはなく、両端楽章はポリフォニックな書法で充実、シチリアーノ風の緩叙楽章の旋律美も一流、

声楽曲で、カンタータ「春」より、アリア
Sop:ジモーネ・ケルメス
you 03
you tube:Joseph Martin Kraus - Cantata "La Primavera", VB 47
緩叙部分を挟むがソプラノのコロラトゥーラの技巧はヴァイオリン協奏曲を思わせる凄さで、カデンツァも入る、これはモーツァルトと同系でイタリア風の作品、

室内楽でフルート五重奏曲 ニ長調 VB 188
マルティン・サンドホフ:fl、シュパンツィヒSQ
you 04
you tube:Flute Quintet in D Major, Op. 7, VB 188:
I. Allegro moderato II. Largo III. Finale. Con brio
fl協奏曲風の響きにもなるが、各パート対等で緻密な室内楽の書法、第2楽章は充実した変奏だが、主題にはクラウスが生い立ちのどこかで身につけたような、独特の趣きの美しさがある、終楽章は快活な運びに緻密なパートの掛合いがある。
以上、新時代の優れた演奏でこそ、良さがわかる、

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category: J.M.クラウス

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W.エールハルト:J.F.X.シュテルケル Sym No.1 & 2  

昔も今も、古典派の人気作曲家といえばW.A.モーツァルトが一番だろう、 
この3分程度の「Ave verum corpus」を聴いただけで、天からの救いの声ような、
you 03
you tube:King's College Cambridge 2011 Easter 13 Ave Verum Corpus W A Mozart
こういうセンスをどこから授かったのだろう、

20世紀流の演奏は古典派もバロックも、後世に親しまれやすい要素をもった作品のみに特化したスタイルで、モーツァルト、ヴィヴァルディ・・などは成り立つが、テレマンやグラウプナーの魅力的な演奏・・なんて想像つかないし、未知の古典派も同様、
古典派に絞ってもまだまだお宝が眠っている、ヴェルナー・エールハルトは古典派で素晴らしい内容を持ちながら知られていない作曲家を取り上げ、積極的に演奏してきた指揮者の一人、今までも、J.M.クラウス、P.ヴラニツキ、F.リース等々、こうした指揮者らのおかげで知ることができた、
それより過去には、知られない作曲家を取り上げたシリーズで、どうにか繕った?程度の"マイナー盤"が出ていたが、それを聴いても何か異質で冴えない(出来のわるい)曲にしか感じない、エールハルトは作品の真価をよく掴み、それがわかる演奏を聴かせる。
聴く側も耳をリセットして、作曲家の良いところを聴こうという姿勢があれば新鮮な楽しみが得られると思う、

以前、J.F.X.シュテルケルの交響曲を取り上げたが、
記事:W.エールハルト:J.F.X.シュテルケル 交響曲No.1&2
この演奏がyou tubeに挙ったのであらためて紹介、
20160620.jpg
ヨハン・フランツ・クサヴァー・シュテルケル(1750-1768)
ヴェルナー・エールハルト指揮、ラルテ・デル・モント(ピリオド楽器)
録音:2013年12月 ドイツ、レーファークーゼン・クルターハウス

交響曲No.1 ニ長調 Op.35
you 01
you tube:Johann Franz Xaver Sterkel - Symphony No.1 in D-major, Op.35 (1770's)
第1楽章はマンハイム楽派の影響を受けたというモーツァルトのSym No.31「パリ」に近いタイプに思える、

交響曲No.2 変ホ長調 Op.35-2
you 02
you tube:Johann Franz Xaver Sterkel: Symphony No.2 in B Flat Major, Op. 35. 2
第1楽章は序奏を持つ、始まりから終りまで優美な曲もよいが、ハイドンがそうであるように、ときに意表を突くような灰汁のある主題を用い、それが発展してコアな部分を築いていく、こういうのが飽きさせない魅力となる、メヌエット楽章は短く収め、両端楽章の展開部など見事。

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category: その他・古典派

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ペルゴレージ 「スターバト・マーテル」 ほか  

このところ、秀逸な録音の古楽に嵌っている^^ 
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長生きをして活躍したバロック後期の大家、G.P.テレマンの生没年(1681-1767年)を基準に見てみると、テレマンが没する前年にはF.J.ハイドン(1732-1809)がエステルハーザの楽長に就任し、疾風怒濤期、初期の交響曲を書いている、今日取り上げるJ.B.ペルゴレージ(1710-1736)はテレマンの一生の中頃に短く生きたことになる、彼の古典派初期の作風を聴くと時代の前後関係に戸惑う;(テレマンもギャラントな様式に移行していくが、)
Giovanni_Battista_Pergolesi.jpg
ジョヴァンニ・バッティスタ・ペルゴレージ
Giovanni Battista Pergolesi(1710-1736)

イタリア、ナポリ楽派のペルゴレージは古典派音楽の始祖と言われるG.B.サンマルティーニ(1700-1775)とともに最初期の古典派様式を示している、C.W.グルック(1714-1787)の悲劇性を帯びた作風にも近い趣きが感じられる、
ペルゴレージは1733年からオペラ作曲家として活動を始め、成功あり失敗ありだったが、結核にかかり26年の短い一生だった、亡くなる年の1736年、最後の力で書いたのがスターバト・マーテル(悲しみの聖母)である、訳詞(Wikipedia)
2人の歌手と弦楽に通奏低音の編成だが、旋律と和声の美しさに急速なフーガも含めた劇的な表現で構成され、全曲が引き付ける、
手元にあるのは、ユリア・レージネヴァ(Soprano)、
フィリップ・ジャルスキー(countertenor)、
ディエゴ・ファソリス指揮、イ・バロッキスティ、2013年録音 ERATO
stabat cd
録音が一際素晴らしく、空気に溶け込むような美音が響き渡る、
バスが一定の歩みを示し、アルト(カウンターテナー)とソプラノの二重唱、繫留により不協和が重なる、
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s m sc01 10
冒頭部分と二重唱の開始
細かいことは抜きでyou rubeを、ここで全曲連続で聴ける、
stabat you 01
you tube:Stabat Mater, P. 77: I. Stabat Mater dolorosa
もう一つ、こちらもフィリップ・ジャルスキーが加わった演奏で映像付きを挙げる、
エムケ・バラス:soprano、フィリップ・ジャルスキー:countertenor
ナタリー・シュトゥッツマン:指揮、Orfeo 55
stabat you 02
you tube:Pergolesi - Stabat Mater (complete/full) - Nathalie Stutzmann

このスターバト・マーテルを聴いて、バスの歩みや和声の重ね方が近似して頭に響いてくるのは過去記事にした、ミヒャエル・ハイドンのレクイエム(ジキスムント大司教葬送のミサ曲)である、これはM.ハイドンが1771年、1歳の娘を亡くした直後の作品だそうだ、
02 m hay req sc01
冒頭部分
m hay req you
you tube:Michael Haydn, 1771: Schrattenbach-Requiem (MH155, Raphael Pichon)

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category: その他・古典派

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O.スウィトナー:Mozart Sym No.31「パリ」& No.29  

心身のバイオリズムというのはあるようで、楽器の練習で、かなりウォーミングアップしたつもりでも調子が出ない、気分もダレて冴えない時がある、昨日はそんな日だった;それでもやった事は積み重ねになる、と思い、程々に切り上げてゆっくり音盤を聴いた;
sui moz s31 lp se
しばらくぶりにLP盤を廻す、手にして何十年と経つ、セラフィム盤(EMI)で、O.スウィトナー指揮、SKDのモーツァルトSym、「パリ、ハフナー、リンツ、プラハ」が片面ずつに入った充実サウンドの2枚組で、\2400のシールが貼ってある、千円盤が値上がりした時期だ。
sui moz sym lp012400.jpg
オットマール・スウィトナー指揮、シュターツカペレ・ドレスデン
1968年 録音

原盤は旧東ドイツ、シャルプラッテンだが、諸事情あったようで、EMI 、フィリップス、グラモフォンなどあちこちのレーベルを経由して入ってきたが、それでも大方聴けたのは幸いだった。その後「パリ」を省いた3曲を1枚に収めたLPがセラフィムで再版され、
se sui lp再版盤
CDでも同様だったが、「パリ」は省いてほしくない名演である、
スウィトナーの「パリ」、第1楽章Allegro assaiの快速で身の締まるような演奏は他に類を見ない、第2楽章のすっきりした表現、終楽章のぴしっと整えた感覚、弦の各部と管のバランスの良さもいつも通り、
sui moz s31 you
you tube:Symphony No. 31 in D Major, K. 297 "Parisian":
I. Allegro assai II. Andante III. Allegro
No.31は当時のフル編成でモーツァルトが珍しく時間をかけて推敲した曲だそうだ、

*ちょっと余談
LP盤再生による音源も挙っているが、これは例の回転が速いプレーヤーによるもの、
sui moz s31 lp you
you tube:Mozart, Symphony No 31 , Otmar Suitner,cond
チューナーでまずCDの再生を測ったところ、orchピッチは標準のA=444hzくらいである、しかしこのプレーヤーではA=463hzにまで上がってしまう!一聴してすぐわかる;
もう一つ、こちらは正しいかと思ったが、A=456hzである、
sui moz s31 lp 02 you
you tube:Mozart,Symphony No 31 Paris, Suitner
余談終り;

次はSym No.29、これはフィリップスの兼価シリーズで出ていた、
20130328013103291_20190815121540a59.jpg
No.31に対し、こちらはAllegro moderatoのゆったり感の第1楽章で始まる、管楽器の色彩が豊かに出るのは同じ、[22]でhornの1つが繫留して不協和になるのが印象強い、
s29 sc01 16
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you tube:Symphony No. 29 in A Major, K. 201:
I. Allegro moderato II. Andante III. Menuetto IV. Allegro con Spirito

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category: W.A.モーツァルト

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S.クイケン:Haydn Sym No.103「太鼓連打」  

前日、S.クイケン指揮、La Petite Bandeのハイドン Sym 「朝、昼、晩」を聴いて、編成の大きいロンドンセットも聴きたくなった、
DHMのSym12曲を4枚のCDに収めたセットは手放せない逸品、編成が大きくとも、透明感のある響きは変らず録音はよく捉えていて、HiFiバランスでorchのスケール感も十分。 
20120920.jpg
ハイドン Sym No.103変ホ長調「太鼓連打」
シギスヴァルト・クイケン指揮、La Petite Bande1995年 DHM

No.103「太鼓連打」のライヴが動画に挙っているが、セッション録音と同時期の演奏だ、
ヒストリカルで美しいサウンドに拘っているクイケンの演奏がこの音声や弦奏者のしなやかな弓さばきからも伝わってくるようだ、
S K hay sym103 you 01
you tube:Haydn: Symphony No.103 "Drum Roll" / J.Ku?ken La Petite Bande (1994 Movie Live)
第1楽章の主部に入ってすぐ、[47]から、vn1&va、vn2&vcがペアになっている(色枠オレンジと紫)、またfl&clとvn1&vaが重なり、逆進行のobパートを分散形にしたのがvn2&vc、という関係になっている、また、例の[53]からの聞こえにくいvn1のみのパートはflほか多くが奏でるパートの分散形である、
timp(E♭、B♭音)も木管群と同等の活躍をするよう書かれている、
sc01 45
たぶん[47~49]も聴いただけではオレンジ枠のパートが優勢に響き、紫枠パートには気づきにくいだろう、総譜を見ると細かい仕組みも聞こえてくるようで面白い、展開部はカノンが多く使われる。
第2楽章はレガート基調だが心地よく節目を付ける、弦のしなやかさが魅了するが、Concert Master寺神戸亮のソロが代表的にそれを聴かせる、
メヌエット、快調で楽しいテンポに乗せられてしまう、ユーモラスな表情と短調が交互にくる主題が飽きさせない、
終楽章、程よい快速で始める、clの加わったハイドンのフル編成扱いの巧みさ、弱奏部とtuttiの対比の効果が古楽器orch.のやや大きい編成でよく味わえる。

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category: F.J.ハイドン

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モーツァルト:Sym No.36「リンツ」, あれこれ  

"あれこれ"が癖になってしまった;
モーツァルトのSym No.36 ハ長調「リンツ」については、前にも同じような事を書いたが、モーツァルトがリンツに到着したのは、1783年の10月30日、当地のトゥーン・ホーエンシュタイン伯爵の依頼により、新作の交響曲を書くことになった、その演奏会が開かれたのは11月4日だった、日付が正しいなら到着翌日から数えて5日目に演奏されたことになる、またモーツァルトは4日間で書いたと伝わる、写譜屋の使いが書き上がったページから預かっていき、手分けしてorchのパート譜を書いたとすれば間に合うかもしれない、しかし原稿が書き上がったのは11月3日になる、写譜も同日完了したとして、11月4日の午前中までにはorchリハーサルをやって夕方には本番、というタイムスケジュールになるか?orchには当然初めての曲、これはorch経験のある方でないと実感的にわからない^^;
しかしこのSym No.36というのはモーツァルトにとって新タイプの曲で、ハイドンの作法を研究した内容が含まれている(第1楽章に初めて序奏を置いた、主部は行進曲風の歩みで、弱奏とダイナミズムの対比が効果的に書かれる、緩叙楽章で、trpとtimpが初めて使われた)、そういう転機とも言える作品を急場しのぎの際に速筆で書くだろうかという疑問が湧く、orchの楽器編成はtrp、timpまでありながらflがなく、木管はob属だけで彩り的にやや乏しい、そこは現場合わせらしく思えるが、
当時の楽譜を探してみたら、写譜屋が書いたと思われる、きっちり読みやすいパート譜はあった、orchの実用譜のようだ、初演時のものかわからないが;
moz s36 manu
vn1:パート譜
写譜屋に渡した原稿があれば何か見えてくるかもしれない。

こういう急な間に合わせ演奏会というのは他にもあったようで、モーツァルトのSym No.37(K.444)というのは旅先で、ミヒャエル・ハイドンのSym No.25(ト長調)の総譜をたまたま持ち合わせていて、それにモーツァルトが序奏を加筆して演奏したそうだ。
参考:モーツァルト Sym No.37(Original:M.ハイドン)
moz sym37 you
you tube:W. A. Mozart - KV 444 (425a) - Symphony No. 37 in G major (Michael Haydn)
また、出来上がっていたミサ曲ハ短調 K.427の歌詞を入れ替えて他作品(カンタータ 「悔悟するダヴィデ」 K.469)に転用している、未発表の曲ではないのがバレて、ミサ曲の依頼主に作曲料を値切られたらしい。
参考:カンタータ 「悔悟するダヴィデ」 K.469
K 469 you
you tube:W. A. Mozart - KV 469 - Davidde penitente

さて、Sym No.36の好きな演奏で、O.スウィトナー指揮、シュターツカペレ・ドレスデン
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1966年 ルカ教会 D.シャルプラッテン原盤
しっかりとした低域に清涼な高域、各パートの分離もよく、ルカ教会のよい響きも捉えている、メヌエットは高貴な雰囲気を湛える、
sui moz s36 you
you tube:Symphony No. 36 in C Major, K. 425 "Linzer":
I. Adagio - Allegro spiritoso II. Andante
III. Menuetto IV. Presto

「リンツ」と「プラハ」を収録した、N響とはたぶん唯一のセッションになるLPがあリ、録音はDENONらしく鮮明なのだが、
sui moz s36 lp
オットマール・スウィトナー指揮、NHK交響楽団
1979年 DENON

会場(荒川区民会館)の響きが残念で、どこにでもある多目的ホールのようだが、そのままの感じで、cb、fag、timpなど低域の楽器がモコモコ混ざり合って分離感がない、いつもFM放送で聴いた国内公演のライヴ収録に似ている;

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category: W.A.モーツァルト

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モーツァルト:pf Con No.24,あれこれ  

作曲家はどのような手順で作曲を進めたのだろうか、というのも興味深い、見やすく印刷された出版譜を見てもそれはわからないが、最初の草稿が見られると、それが推察できそうだ、 
今日はモーツァルトのpf協奏曲No.24の草稿を見ながらいくつかの演奏を拾い聴きしてみた、
ハ短調のNo.24(K491)はorchも当時のフル編成で、orch部分は短調作品として、Sym No.40さえ凌ぐような魅力がある、
モーツァルトは生涯に音符のオタマジャクシを何個書いたことか、天文学的数になりそうだが;pf協奏曲などorchパートに加えpfの音数も多くて書くのが大変、いくつもパターンが浮かび、即決められない、とりあえず骨子となる音だけ書いて、上段を空けておき、入念に気に入るパッセージにまとめた・・ように見える、
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K.491 終楽章[18]~
気の済むまで書き直したような所もある、
k491 sc 03 43
K491 終楽章[43]~
これでも完全とはいかず、実演の際にはさらに湧いてきたアイデアを即興で弾いたであろうと想像する。pf協奏曲だけでも大変な労力に思えるが、オペラ、宗教曲など同時期に多くの仕事をこなし働き過ぎ?命を縮めても不思議はない気がする;

現代の演奏を聴くと、草稿にはなかった装飾的パッセージが加わっている、後にそういう版が作られたのかと思うが、奏者によるものかもしれない。
まずはピリオド楽器、
マルコム・ビルソン:fp、ジョン・.エリオット・ガーディナー指揮、イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
bil moz pf con 24
1988年録音 ARCHIV
フォルテピアノは軽やかな響きだが、粒立ちよく転がり、まさにこの楽器のための曲だと感じる、orchがひじょうにダイナミックでシンフォニックな楽しみも十分聴かせる。
k491 you 02
you tube:Mozart: piano concerto no. 24 in C minor, K 491. Bilson, Gardiner, English Baroque Soloists

次に古い録音だが、
ウィルヘルム・ケンプ:pf、フェルディナント・ライトナー指揮、バンベルクSO
W K moz pf con 24
1960年録音 DG
こちらは低音部ががっちり押し出してくる、pfもorchも甘い感覚には陥らず、堂々として、この曲のエネルギッシュな魅力が出ている、
k491 you 03
you tube:KEMPFF, Mozart Piano Concerto No.24 in C minor, K.491

最後に新しいところをyou tubeで見つけた、
Iryna Krasnovska (pf), Giuliano Betta (指揮)
orchの前奏から新時代を感じさせる、pfソロは心地よい装飾が加えられる、活気溢れる終楽章が良いのだが、途中で切れて続きが挙げてある;
k491 you 01
you tube:Mozart. Konzert c-Moll. Iryna Krasnovska (Klavier) Teil 1
(続き):Teil 2, Debussy L'Isle joyeuse
このカメラワークはわからない;

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category: W.A.モーツァルト

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K.331「トルコ行進曲」の前打音  

モーツァルトのpfソナタ イ長調 K.331は始めの変奏曲が好きだが、終曲のトルコ行進曲が最もお馴染みである、この終曲には2種類の楽譜が出回っている、なお、このソナタの自筆譜は断片しか残っておらず、終曲は失われている。
sc C
現在も譜例Aのような演奏が多く、表情記号はたぶん後に加えられたもので古い出版譜だろう、テンポもアレグロの速さで流麗に弾くのが好まれるようだ、
k331 01 you
you tube:Mozart - Rondo Alla Turca (Marnie Laird, piano)
正直、このタイプの演奏は聴き飽きた;
譜例Bは当時の出版譜に従っていると思われる、始まり部分で言うとBの最初は小さい16分音符の前打音で書いてある、ここで今の一般的楽典から、
appoggiatura_20190707104537e6d.jpg
長前打音①と見なすと次の音価と長さを2分し合うことになり、事実上譜例Aのように弾くことになる、よってAは実用譜であるとされる、では何故、Bのような書き方がされたのかというと、イ短調の曲で、頭の音はシで非和声音、次のラが主音であり、和声的に適切な表記だから、ということらしい。
しかし、昔も今も楽典だの記譜法はきちんと共通とは限らない、短前打音③には斜線を付けることになっているが、いちいち書かなかったかもしれない、斜線がなくても短前打音のように短く弾く奏者もいる。
当時流行したトルコ風の音楽を考えてみると、太鼓やシンバルを打ち鳴らし行進する勇壮で武骨な感じを楽しんでいたと思う、長前打音①にしてしまうと一拍目の踏み込みが弱く、行進曲らしさが半減する、テンポも指示どおりアレグレットならびしっときまる行進になるが、アレグロでは小忙しい、
短前打音③で演奏した例を2つ挙げる、
k331 02 you
you tube:W. A. Mozart Sonata No. 11 "Turkish Rondo" in A major, K. 331
弱音基調で耳心地よく集中させる、
もう一つはクラヴィコードでの演奏、
k331 03 you
you tube:W.A.Mozart :: Rondo Alla Turca (Turkish March) KV 331 :: Wim Winters, Clavichord
この音量でもちゃんと太鼓とシンバルがイメージできる、鍵を押えている間しか鳴らないがそれが歯切れ良く聴ける。
どう演奏するかは、奏者の判断,責任になる、聴き手の好みも含めて;
ただ教わったとおり皆と同じように弾くだけ、は今更聴く気はしないが、探究心を持った演奏には興味が湧く、正しいか誤りかは別として。
*) なお、装飾音の入れ始めを拍の前に前倒しする例もあるが、バロックではそれは行なわない、必ず拍の頭に来てからである。

追記:元祖、オスマン トルコ軍楽
Ceddin Deden
you tube:ジェッディン・デデン(Ceddin Deden)

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category: W.A.モーツァルト

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O.スウィトナー:Mozart 3つの「ジュピター」  

手元にO.スウィトナー指揮のモーツァルトSym No.39~41のCDが3枚あるが、初めて「ジュピター」をじっくり聴き比べしてみた。 
①1973年 シュターツカペレ・ドレスデン(セッション、ルカ教会)D.シャルプラッテン
sui moz s41 d
②1978年 シュターツカペレ・ベルリン(ライブ、東京厚生年金会館)エフエム東京
sui moz s41 b
③1982年 NHK交響楽団(ライヴ、NHKホール)キングレコード
sui moz s41 n
指揮:オットマール・スウィトナー
4~5年置きの録音で、orchが異なるのも面白い、3枚共通なのはパートバランスが良く、木管の味わいが豊かに聴けること、
第1楽章はそんな響きで意気込まず開始、力の抜けた余裕を感じる、
第2楽章、弱音器の弦で始まり、[2]、[4]で奏でる総奏音がふわっと柔らかく溶け合い、ここで引き付けられる、
sc02 01
メヌエット(アレグレット)はやや速めのテンポで清涼感があり、とっておきの終楽章の前奏的位置づけにも感じる、
終楽章、空前絶後のフーガ楽章、コーダにおいてはvcとcbも別れ、これまで登場した5つの動機がすべて対位法で組み込まれる、
sc04 384
flは1本で、あとは2管編成
以下、三大Sym連続演奏の最後にくる「ジュピター」の終楽章に着目する、
いずれもスウィトナーは快速なテンポで一気に推進する、

①SKDはセッションだけに念入りな仕上がり、ルカ教会の響きも心地よく、録音物としては一番の出来だろう、
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you tube:W.A.Mozart - Symphony No.41 in C major K.551
(1st Mov) (2nd Mov) (3rd Mov) (4th Mov)

②SKBとの来日時のライヴ、放送用の音源をリマスタリングしたものだが、会場の空気が生々しく伝わってくる、終楽章の熱気はさすがにセッションを上回る、
sui moz s41 skb you
you tube:Mozart Symphony No 41 in C Major, K551
1 Allegro vivace 2 Andante cantabile
3 Menuetto 4 Molto Allegro

③N響との演奏はyou tubeにないが、スウィトナー・ファン必聴の1枚かも、
TOWER はお取り寄せになっている、中古盤は何故か高い;
録音がクールな音質で落ち着いたように錯覚していたが、最も熱のこもった演奏だった、終楽章のテンポは最速のようだ、前述のSKBでも十分キレているが、
おやっと思ったら、[281]でflとobが重なるところ、flが1小節遅れて出てしまうハプニングがあり; これも緊迫を示す^^
sc04 274
[285]からはob、flと1小節ずれの掛合いになるので良いのだが^^;
再現部、コーダへと熱気と気合いを増すように突き進む、聴衆は大満足。

*対位法を駆使して終楽章の充実を図ったのはハイドンのパリセット、Sym No.82「熊」が思い浮かぶ、モーツァルトはこのパリセットに触発されたとも言われる。

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category: W.A.モーツァルト

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C.アバド ほか:Haydn Sym No.103「太鼓連打」  

昔からティンパニのような太鼓はtrpのファンファーレ同様、開幕の合図に使われるというのはあったようだが、ハイドンのSym No.103「太鼓連打」の開始部分を見ると、timpに主音E♭の連打と"Intrada"の指示があるのみ、実際どう演奏すべきか明らかではない、 
sc01 01
Intradaには開幕の楽曲の意味もあり、一対のtimpが2音を使って即興を演じるのもあり得る、そんな実例を録音で聴かせたのはC.アバド盤が最初だったと思う、そのtimpも硬いマレットで叩く古楽器で、連打の粒立ちが明快。
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クラウディオ・アバド指揮、ヨーロッパ室内O
1995年 DG

そのように始まる第1楽章、主部はスリムな響きで明快な表現、まさに希望を叶える演奏だ、[53]から総奏の中でvn1だけが異なるパートを弾く、ここはfz(フォルツァンド):"強くアクセントをつけて"であり、"強く"ではない、
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ここではvn1を打ち消さない程度の強調だろう、しかし音盤ではvn1が分離して聴きやすいのは3例ほどしかない、
N.マリナー盤、A.ドラティの全集盤など、当アバド盤も比較的聴けるほうだ、
第2楽章、程よいテンポで始まる変奏主題はレガートに入るが、付点の部分を二重付点に近くしてリズミカルでもある、vnのソロでは奏者のセンスのよい装飾がある、
メヌエットは速めで活気と気品がある、トリオはテンポを緩め、ここでもソロのclが少し装飾を入れる、
終楽章、快速で爽快な始まり、金管やtimpが痛快にダイナミズムを繰り出す、flのパッセージなども切れ味良く、引き締まったアンサンブルも上々。
この「太鼓連打」は今も数少ない名盤の1つになる。
abbado hay s103 you
you tube:Haydn: Symphony No.103 In E-Flat Major, Hob.I:103 - "Drum Roll"
1. Adagio - Allegro con spirito 2. Andante piu tosto allegretto
3. Menuet - Trio 4. Finale (Allegro con spirito)

次は'70年代になるが、初めて全集録音を果たしたA.ドラティ盤、じつはこの録音前にも旧盤があり、楽譜はR.ランドン版が普及する前のようだ。
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アンタル・ドラティ指揮、フィルハーモニア・フンガリカ
録音:1969~1972年 DECCA

'70年代としては他に例がないほど新感覚が感じられる、同時期のマリナー盤やヨッフム盤は20世紀流なorchの優等生ぶりがやや鼻につくが、ドラティ盤は使い古された演奏スタイルではなくスッキリ、
第1楽章のtimpはランドン版に基づき、ffで始まるが、全楽章でtimpの活躍が目立つ扱いだ、小編成的な清しいサウンドで快速ぎみのテンポ、
メヌエット楽章はゆっくりめだが、いつも上品にまとめる。
終楽章の[91]から、vn2とvn1がパッセージの掛け合いをするが、vn1にはflが重なる、
sc01 91
ここが明確に聴けて心地よい、
a do hay s103 you
you tube:Haydn: Symphony in E flat, H.I No.103 - "Drum Roll"
1. Adagio - Allegro con spirito 2. Andante più tosto allegretto
3. Menuet - Trio 4. Finale (Allegro con spirito)

ご覧いただき、ありがとうございました。
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