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Michael: Classic音楽,Lute,宇宙

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学 etc

J.M.クラウス:Sym C minor VB142(スコア)  

北欧のスウェーデンで活躍した、ヨーゼフ・マルティン・クラウスは初めて聴いたとき、数多の古典派作曲家とは違う独創性に惹かれた、 
Joseph_Martin_Kraus_20191115093012411.jpg
Joseph Martin Kraus(1756-1792)
C.W.グルックの劇音楽の影響も受けているとのことだが、短調作品の深淵な趣きはグルックの影響かもしれない、グルックの「アルチェステ」序曲とクラウスの「オリンピエ」序曲を聴いてみると覗える気がする、
Gluck Alceste you
you tube:Gluck Alceste Overture John Eliot Gardiner
kraus o you
you tube:Joseph Martin Kraus - Ouverture to Olympie
この短調の序奏部の効果は交響曲にも活かしているように思える、
交響曲ハ短調VB142は先に書かれた嬰ハ短調VB140から改作され、ハイドンに献呈された曲だが、メヌエット楽章を除き3楽章としている、ハイドンでさえ、それまでこれほど聴かせる序奏は書いていなし、短調交響曲には1つも序奏を付けていない、
クラウスのSymで最も演奏されるVB142だが今回、スコアを見ることができた、
vb142 01
序奏の冒頭
これでわかったのが、弦楽はvaも2パートに分け、vcとcbも各々単独パートになっている、多くの部分で同一に重なるが、必要な所では別声部にしている、またobとfagが各2本、hornは4本もある、
第1楽章はユニゾンの力強さも聴かせ流麗な部分に多声でポリフォニックな書法を見事に織り込んでいる、提示部の反復指定なく、展開部に繫がる、[149]からが展開部と思われる、
vb142 0102
第2楽章は変ホ長調で書かれ、変奏的書法に対位法的書法が組み合わさっているようだ、多声に分けた声部が活かされる。
終楽章、これは魅力な楽章で引き込む、原作のVB140より展開部を充実させている、[102]から単独のcbがより懐深く引き付ける。
vb142 0301
you tubeはG.アントニーニ指揮、Kammerorchester Baselのライヴで、
20180709_20191115093009cee.jpg
you tube:Kraus Symphony VB 142 | Giovanni Antonini | Kammerorchester Basel (Haydn2032 live)
管と弦合わせ14パートあり、第1楽章は全ページの半分を超える長大さ、献呈されたハイドンはクラウスの技量と斬新さに目を見張ったかもしれない、タイプは違うが「モーツァルトに匹敵する天才」と言わしめたという、ハイドンはこのすぐ後くらいに、No.80、No.81という斬新なSymを書いている。

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category: J.M.クラウス

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Haydn:ヴァイオリンCon No.4 ほか  

有名作曲家の曲でも、一般に人気筋でよく演奏される曲以外が好みだったりする、
ハイドンのvn協奏曲はNo.1がよく演奏されるが、好きなのはNo.4である、
第一楽章から、前期古典派らしい趣味が聴かれる、Allegro moderatoの落ち着いた歩みで、優美でセンスの良い主題で構成される、
第2楽章、Adagioは清々しく、気分の移ろいも豊か、
終楽章はハイドンの急楽章らしい切れ味十分、多感様式の趣きはないが、C.P.E.バッハの協奏曲のスタイルを引き継いだ感がある。
演奏はエリザベス・ウォルフィシュのバロックvnが、一際しなやかな演奏で気に入っている、
20191030111156ca7_2019103012262211e.jpg
Elizabeth Wallfisch:vn
Orchestra Of The Age Of Enlightenment

you tube:Violin Concerto in G major Hob.VIIa: 4:
I. Allegro moderato II. Adagio III. Finale : Allegro

vc協奏曲のほうはNo.2が人気のようだが、近頃はNo.1のほうを好んで聴く、1961年にプラハでこの筆写譜が発見されたそうで、復活したのはそれほど昔ではない、先のvn協奏曲より凝った内容になっている。
第1楽章は雅な雰囲気の中に張り詰めた感覚も起いて引き締める、
第2楽章、Adagio、vcソロがppからcresc.で現われる、三部形式の中間部が引き付ける、
終楽章、Allegro moltoはvcソロの急速なパッセージの技巧が聴かせどころ、
vc con sc04 118
演奏はエンリコ・ブロンツィのvcが緻密に決まり切れ味があって良い、こちらはモダン楽器、
hay vc con 1 you
Enrico Bronzi:vc
Orchestra di Padova e del Veneto

you tube:Cello Concerto No. 1 in C Major, Hob. VIIb:1:
I. Moderato II. Adagio III. Allegro molto

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category: F.J.ハイドン

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P.ヴラニツキー:交響曲 ニ長調Op.52  

時折取り上げる、知られざる古典派、今日はW.A.モーツァルトと同年生まれのパヴェル・ヴラニツキー(Pavel Vranický)、
有名作曲家に対し、決して引けをとるわけでもないのに、忘れ去られる人は多い、
人々の耳に残る名旋律の"ヒット曲"を多く書いた人は後世も演奏され、名も残る・・で差がついていくのかもしれない?あのL.ボッケリーニも「メヌエット」で知られるくらい、ヴィヴァルディも「四季」が再演されて以来、有名になったのかも。 
P.ヴラニツキーもそんな一人、チェコ出身でウィーンで活躍、ドイツ語名ではパウル・ヴラニツキー(Paul Wranitzky)と名乗り、52歳で没している。
Vranicky.jpg
Pavel Vranický (1756-1808)
当時は高名だった人でハイドンを引き継いだ技を持ち、管弦楽法が巧みで、orchの各楽器を細やかに活かした書法が聴かれる、40曲ほどある交響曲から、ニ長調 作品52を聴いてみる、
手元のCDはcpoレーベルで、ハワード・グリフィス指揮、ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニーO、新時代らしい演奏で一番良いが近年の録音にしては音が不鮮明で惜しい、
vranicky sym
これはyou tubeに挙っていないので、代わりにBohumil Gregor指揮、Dvořák Chamber Orchestraを挙げる、こちらは20世紀流の演奏で緩叙楽章がゆっくり過ぎて大仰だが、orchの各パートをよく拾った録音は好ましい、
vra sym you
you tube:Paul Wranitzky - Symphony in D-major, Op.52
第1楽章、堂々とした序奏に主部の軽快な主題が続く、ハイドンのSym No.50もしくはNo.90のような活気が心地よい、展開部の巧みな書法が聴きどころ、再現部では第1主題動機をちょっぴり変形したり、拍をずらしたりするのが洒落ている、
vra sym sc
vn1パート
第2楽章、アダージョは優美な主題で変奏の要素ももつ、ハイドンの「オックスフォード」に似た形式のようだが、ひじょうに劇的な内容が轟き、穏やかに終わる、
メヌエットは典雅で堂々とした主題、トリオはtrpのファンファーレを伴い気品がある、
終楽章はハイドンの「太鼓連打」終楽章に似た趣きで、ロンド風の主題で始まる、
じつに緻密で手の込んだ書法、展開部および再現部は各パートの複雑な重ね方が耳を巻き込むように見事で痛快。
これほどの曲がモーツァルトの初期交響曲ほども演奏されないのはどう考えても変だ、

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category: その他・古典派

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アーノンクール:Mozart Sym No.40  

20世紀の常識的?古典派の演奏は漫然としたヴィヴラート、レガート奏法で埋められていたが、この演奏作法から外れると異端扱いされただろう、しかし、何を演奏しても似たようにきこえる世界だった。 
モーツァルトのSym No.40ってあまり聴かないが、昔から演奏に大きく特徴が分かれる、ちょっと面白い曲でもあった、W.フルトヴェングラーとK.ベームでよくわかる、
f moz sym40 you
you tube:Mozart: 交響曲第40番 Symphony No. 40 K. 550 第1楽章/フルトヴェングラー
第1楽章は急速で特に再現部での推進力が熱気渦巻く、これもわるくないと思ったが、この速さは異端視されたところもあり、当時の評論家には「モーツァルトを振る柄じゃない」とまで書く人までいた、B.ワルターを賞賛する反動で;
一方、ベームはこれ以上ない落ち着いたテンポ、骨太にじりじり進める、
b moz sym40 you
you tube:Mozart - Symphony No. 40 in G minor, K. 550

演奏史の停滞した状況に一石を投じた一人がN.アーノンクールだったと思う、アーノンクールはVSOの楽員になった翌年、1953年から古楽器の団体、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスを立ち上げ、新たな演奏の準備をしていたらしい、彼らの活動が本格化するのは1957年からだった。まだ20世紀流の演奏が王道(無難な手段で納める)の時代は続く。
アーノンクールの40番はとっくの昔にCDを持っていて、過去記事を書いた気でいたが;しっかり聴いた憶えがなかった^^;
RCOとの録音はorchの編成を縮小せず量感を活かしている、
WPCS-21007.jpg
h moz sym40 you
you tube:モーツァルト: 交響曲 第40番 ト短調 K.550 アーノンクール 1983
第1楽章のテンポはあのフルトヴェングラー並み、透明感や鋭さが従来と違い、作品の真価を鮮明に引き出す。展開部の終りから再現部へ繫がるところ[164]、管のハーモニーが印象強く、いつの間にかvn1,2が第1主題に入っている、
sc01 160
この効果をよく再現している、再現部は展開部を上回るエネルギー感だ、
第2楽章も聴き手をゆったりはさせない、弱奏の中にも張り詰めた力を感じさせる、
メヌエットはパート間のキビキビした掛け合いが際立つ、トリオはゆったり物腰を変える、
終楽章、急速にはせず、じりじりと進める、展開部では彫りの深い表現が効く。

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category: W.A.モーツァルト

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弦楽器の変遷  

初期のバロック音楽を立ち上げた一人、クラウディオ・モンテヴェルディ(1567-1643)が生まれる前にはヴァイオリン属はすっかり完成していた、現存するvnで最も古いvnがアンドレア・アマティ(1505-1580)の楽器だそうだが、1566年作という楽器を見ても、現在のvnとまったく同じ姿である、ヘッド部のスクロール・デザインなど細部まで! 
amati.jpgAndrea Amati
vnは突然完成した、とよく言われるが、その元となった楽器は中世からある、レベックやフィドルと呼ばれる弓弦楽器に違いない、しかし試行錯誤してvnへと発展していく過渡的な楽器が残っておらず、あるとき誰かが今の完成形を考案したかのように思える?また、音楽と楽器の発展は並行して進むと思うが、楽器だけ先に準備されたかのようで、歴史的な謎である、
rebec.jpgRebec
fidel.jpgFidel
弦楽器のボディはその音域に合わせ最も効率的に鳴るサイズを探ってきただろう、これはボディの固体としての振動に加え、ボディ内の空気共振も補助として鳴り、響孔から発する管楽器的要素も持っている、ボディの内容積と響孔の大きさで最大共振数が決まってくるので、その値は重要である、空気は低域のほうに共振させると豊かな音になる、vnはそれも始めからBestに作られているようだ、

ビウエラ、バロックギター・・と続いてきたギター属は指ではじくヴァイオリンあるいはヴィオールの仲間として存続してきたように思える。
バロックギターから初期の19世紀ギターまで小振りのサイズを維持してきたのはその音域に対し最も効率的だからではないだろうか、以前、所持していた19世紀ギターのボディ容積と響孔の大きさから「ヘルムホルツ共鳴器」の原理で共振周波数を計算してみた、
20191003.jpg
guitar frequency
92hzほどになった、これは⑥弦の3か4ポジション(GかG♯)に相当する、弦を鳴らし響孔に手をかざすと、この付近の音程で空気の振動をよく感じる、中の空気も上手く鳴っている。
この時代のギターがvn属と響きの相性がよいと言われるのは同じ性質で音を発しているからかもしれない?

ここでお気に入り盤、エウロパ・ガランテによるL.ボッケリーニの曲集から、ギター五重奏曲 ニ長調G.448「ファンダンゴ」を聴いてみる、ギターはジャンジャコモ・ピナルディ、
getimage 02
Giangiacomo Pinardi
e g you
you tube:Quintetto IV in re maggiore g.448 ᐸᐸfandangoᐳᐳ:
I.Pastorale II.Allegro maestoso III.Grave assai IV.Fandango
楽器のデータはないが、おそらくロココギターとか呼ばれる、バロックと19世紀の間に位置する楽器だと思う、聴き始めにはっきり、モダンギターとは質の違う音がわかる、

現代の一般的クラシックギターはA.トーレスが作ったスパニッシュtypeが元になっていて、19世紀ギターの流れとは枝分かれするだろう、ボディは大幅に大きくなり、内容積から計算するとヘルムホルツ共鳴器の共振は⑥弦開放:Eよりずっと低い周波数になる、目立った空気共振は利用せず、絶対的に広い響板の振動と内部からの反射音で音量を得る方式だと思う。

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category: L.ボッケリーニ

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古典派の短調 Ⅸ  

短調作品は悲哀というより、熱情、激動といった様相の曲が好きで、古典派では非常に数の少ない短調作品にそうした曲がある。
古典派初期にあたるギャラント様式が特殊な方向に発展したのがC.P.E.バッハが代表する多感様式である、「18世紀後半のドイツ語圏で発達した作曲様式で、率直で自然な感情表現を重んじ、突然の気分の変化が特徴で、バロック音楽の情緒論への反撥として発展した」とされる、聴けば確かに、と思える。 
amb c p e bach
ベルリン古楽アカデミーの演奏で、交響曲ホ短調Wq.178
c p e bach sym you
you tube:C.P.E. Bach / Symphony in E minor, Wq. 178 (H. 653)

J.S.バッハの末っ子、ヨハン・クリスティアンの交響曲ト短調op.6-6も挙げる、
サイモン・スタンデイジ指揮、エンシェント室内Oで、
j c bach sym you
you tube:Johann Christian Bach - Symphony in G-minor, Op.6, No.6

前述の多感様式は18世紀後半の潮流、シュトルム・ウント・ドランク(疾風怒濤)の音楽に影響した、この時期多くの作曲家がこぞって短調作品を書いている、ユニゾンの力強い動機で始まる曲が多い、モーツァルトのSym No.25ト短調もこの時期に該当する。ハイドンも傑作を多く書いたがSym No.52 ハ短調は最も充実した内容だろう、
j k hay s52
シギスヴァルト・クイケン指揮、ラ・プティット・バンドの演奏で、
hay s 52 you
you tube:Joseph Haydn / Symphony No. 52 in C minor (Kuijken)
第1楽章は展開部から再現部まで連続したソナタ形式の充実書法だ、
hay s 52 sc
第1楽章 展開部
第2楽章はこの時期ならではの深く引き込む魅力がある、

最後にヨーゼフ・マルティン・クラウス(1756-1792)、ドイツ出身でモーツァルトと同年生まれ、スウェーデンの王室で活躍した、1783年にハイドンに会い、作品を献呈している、ウィーンやイタリアの影響も受けているが、お決まりの形式に拘らない独創性が魅力で、この嬰ハ短調のSym VB140にも聴かれる、
ニコラス・マギーガン指揮、Capella Savariaの演奏で、
j m kra sym vb140 you
you tube:Symphony in C sharp minor, VB 140
I. Andante di molto,Allegro II. Andantino
III. Minuetto I, Minuetto II IV. Allegro
第1楽章に対位法的で深みのある序奏を置くが、短調symでの序奏は他に例を知らない、主部に入った動機の鋭さも群を抜いている、第1楽章と終楽章に内容が込められ、間の楽章は間奏的でもある。

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category: 古典派

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J.ロンドー:バッハ一族のcemb協奏曲  

J.S.バッハがチェンバロ協奏曲を主に編曲という形で書いたのは息子達が既に鍵盤奏者として活躍していた頃で、複数台のための作品も息子らと共演したものと思われる、鍵盤conはバッハ家のお家芸だろうか、息子達も数多く作曲している、 
二男、C.P.E.バッハのCemb Conニ短調Wq.23はかつてG.レオンハルトが2度録音しており、C.P.E.バッハに魅せられた曲で、その後はM.シュパーニのタンジェントpfによる演奏も興味深かったが、今一度チェンバロによる新しい名演を聴きたかったところ、
フランス気鋭のチェンバロ奏者、ジャン・ロンドーとディナスティのアンサンブルによるバッハ一族の傑作を集めた1枚を聴いた、
rondeau bach
曲目は以下のとおり、
J.S.バッハ:チェンバロ協奏曲第1番ニ短調 BWV.1052
J.C.バッハ:チェンバロ協奏曲ヘ短調
W.F.バッハ:ソナタ ト長調 FK.7より第2楽章ラメント(orch編曲:J.ロンドー)
J.S.バッハ:チェンバロ協奏曲第5番ヘ短調 BWV.1056
C.P.E.バッハ:協奏曲ニ短調 Wq.23
2016年9月

ひじょうに指の廻る奏者で、急楽章は快速で緻密に決める、弦楽は各パート1人ずつ、
1曲目は父バッハのBWV1052である、
bwv 1052 you
you tube:Harpsichord Concerto No.1 in D minor [BWV 1052] - Johann Sebastian Bach
第1楽章は速めで整然と音が連なっていく、チェンバロ単独の所ではじっくりとアゴーギグの味わいを出す、第2楽章はゆっくり、ソロの絶妙なアゴーギグ、弦パートもソロイスティックに奏で室内楽的な充実感がある、終楽章はキレのよい快速、
ここから華僑に入るが、声部を重ねてダイナミズムが表現される、
bwv105 3rd
vnの原曲はどうだったのだろう、

もう1つのメインが最後のC.P.E.バッハのニ短調 Wq.23である、この演奏ではチェロにファゴットを重ね、バス声部が明確になり効果的、
wq 23 you
you tube:Harpsichord Concerto in D Minor, H. 427:
I. Allegro II. Poco andante III. Allegro assai
第1楽章、キビキビしながらも弦楽がしなやかな味わいも加える、鮮やかな鍵盤さばきは申し分ない、第2楽章は幻想的で、終楽章はふたたび切れ味良くたたみ込む、
wq 23 sc
第1楽章始まり、跳躍、鋭い動きも多い
なお、この曲はorchを増強するとシンフォニックな聴き応えがある。
父バッハのBWV1052と同じニ短調のWq.23はともに熱情と冷静さが同居したようで、あまり甘美に陥らないところが飽きの来ない魅力に感じる。

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category: C.P.E.バッハ

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C.P.E.バッハ:ハングルク交響曲集  

過去に初めて買った、古楽器orchのレコードというのが、コレギウム・アウレウム合奏団のLPだった、曲はカール・フィリップ・エマヌエル・バッハの交響曲ということもあって、古楽器の弦楽の響き、曲目ともに鮮烈な魅力があったのを覚えている。 
コレギウム・アウレウムはレコーディングのために古楽器を用いるorchとして結成されたそうだが、一気に注目を集め、その後各地で演奏活動も行なうようになり、来日もした、一度聴きに行ったこともある。この頃はまだ古楽奏法ではなく、古楽器を使った、に留まるものだった、まもなくG.レオンハルトが本格的に活躍するようになり、コレギウム・アウレウムは古楽演奏時代への橋渡し役を終えた。しかし、C.P.E.バッハの魅力をこれほど聴かせる演奏はほかになかったと思う、1968年の録音だが今聴いても鮮明なHiFiである。
c p e bach sym 01
コレギウム・アウレウム合奏団
1968年、ハルモニア・ムンディ

C.P.E.バッハが「ハングルク交響曲」と題されるこれらを書いたのは1773年、生涯の最後に活躍したハンブルク時代で、G.ファン・スヴィーテン男爵の依頼で書いたもの、男爵はハイドン、モーツァルトの支援者としても有名だが、これらをこの二人やベートーヴェンらに紹介しており、大きな影響を与えている、
当時の評論家、J.F.ライヒャルトが演奏に立ち会い、こう述べている、「人々は楽想の大胆で独奏的な進行、形式と転調の多様性と新奇さに心奪われた・・」と、これ以上言うことがないほど適切なコメント^^ギャラント様式の特殊な発展形だろうか、
弦楽器だけだが、極めて多彩な音楽になっている、全曲、楽章間の休みを置かず、アタッカで繫がる、そうあるべき曲である、よくありそうなカンタービレな旋律も予想どおりの和声進行も出てこず、研ぎ澄まされた音楽と言えようか。

コレギウム・アウレウム盤に入っていた4曲をyou tubeより新たな演奏で挙げる、
ロ短調Wq.182-5
Wq 182 5 you
you tube:C P E Bach “Symphony in B minor, Wq 182 No 5 H 661” Thomas Hengelbrock, 1990
終楽章のプレストは誰をも引き付ける力に溢れる、
Wq 182 5

イ長調Wq.182-4
Wq 182 4 you
you tube:C P E Bach “Symphony in A major, Wq 182 No 4 H 660” Thomas Hengelbrock, 1990

ハ長調Wq.182-3
Wq 182 3 you
you tube:C P E Bach “Symphony in C major, Wq 182 No 3 H 659” Thomas Hengelbrock, 1990
第2楽章の調は「転調」となっている、楽章への入り[129]がまた斬新、「緩叙楽章は穏やか」という先入観を覆す、
wq 182 3

変ロ長調Wq.182-2
Wq 182 2 you
you tube:Carl Philipp Emanuel Bach - Symphony B-flat major, H.658 ; Wq.182/2 (1773)

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category: C.P.E.バッハ

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J.M.クラウス:作品集(5枚組)  

ベートーヴェンの弟子で、ピアノのエチュードで有名なカール・ツェルニーは著書や教授活動で優れた人だったが、ピアノ協奏曲を聴いたところ、確かに優秀でよく出来てはいるが真面目すぎて、はじける面白さがない;兄弟子のフェルディナント・リースは結構いける、
「作曲」で残る人は限られてきそうだ。
 
ヨーゼフ・マルティン・クラウス(1756-1792)はグスタフ3世の元で活躍した「スウェーデンのモーツァルト」と例えられるが、だいぶ作風は異なり独創性が強く、優美な趣きもあり、はじける要素は十分、無名の一群に埋もれさせる人ではない。
j m kraus
Joseph Martin Kraus
クラウスの作品はNAXOSがシリーズで出したのが復興に貢献したとされるが、W.エールハルトはそれより前から優れた演奏で録音を手掛けている、NAXOSのシリーズは数こそあるが粒揃いではなく、20世紀半ば風の古いスタイルの演奏者もあるので、選ぶ必要がある;
CAPRICCIOレーベルから出ていた、コンチェルト・ケルンゆかりのW.エールハルトほか、flのM.サンドホフ、シュパンツィヒSQなどによるクラウス作品の名演をまとめた絶好の5枚組アルバムがお買い得で出ている、(1枚ずつ集めたお気に入りが全部入っている^^;)
kraus cd 01
TUWER RECORDS amazon
内容に相応しくオシャレな表紙、他のレーベルからも良い演奏は出ているが、当アルバムを凌ぐものはないと言える、

you tubeでいくつか曲目を拾ったが、当アルバム以外からも好演を一部挙げる、
まずは劇附随音楽「オリンピエ」より序曲、これを聴いたとき、"有名作曲家"レベルの才気を感じ、他にもいろいろ聴いて、ただ者じゃないと思った。
you 01
you tube:Joseph Martin Kraus: Ouverture zu der Oper "Olympie"
演奏は本当に気が抜けない、0.何秒の絶妙なデュナーミクだけで、音楽の活力が変る、

次に交響曲を1つ、変ホ長調 VB.144
you 02
you tube:Joseph Martin Kraus (1756-1792) - Symphony in E flat Major
メヌエットはなく、両端楽章はポリフォニックな書法で充実、シチリアーノ風の緩叙楽章の旋律美も一流、

声楽曲で、カンタータ「春」より、アリア
Sop:ジモーネ・ケルメス
you 03
you tube:Joseph Martin Kraus - Cantata "La Primavera", VB 47
緩叙部分を挟むがソプラノのコロラトゥーラの技巧はヴァイオリン協奏曲を思わせる凄さで、カデンツァも入る、これはモーツァルトと同系でイタリア風の作品、

室内楽でフルート五重奏曲 ニ長調 VB 188
マルティン・サンドホフ:fl、シュパンツィヒSQ
you 04
you tube:Flute Quintet in D Major, Op. 7, VB 188:
I. Allegro moderato II. Largo III. Finale. Con brio
fl協奏曲風の響きにもなるが、各パート対等で緻密な室内楽の書法、第2楽章は充実した変奏だが、主題にはクラウスが生い立ちのどこかで身につけたような、独特の趣きの美しさがある、終楽章は快活な運びに緻密なパートの掛合いがある。
以上、新時代の優れた演奏でこそ、良さがわかる、

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category: J.M.クラウス

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W.エールハルト:J.F.X.シュテルケル Sym No.1 & 2  

昔も今も、古典派の人気作曲家といえばW.A.モーツァルトが一番だろう、 
この3分程度の「Ave verum corpus」を聴いただけで、天からの救いの声ような、
you 03
you tube:King's College Cambridge 2011 Easter 13 Ave Verum Corpus W A Mozart
こういうセンスをどこから授かったのだろう、

20世紀流の演奏は古典派もバロックも、後世に親しまれやすい要素をもった作品のみに特化したスタイルで、モーツァルト、ヴィヴァルディ・・などは成り立つが、テレマンやグラウプナーの魅力的な演奏・・なんて想像つかないし、未知の古典派も同様、
古典派に絞ってもまだまだお宝が眠っている、ヴェルナー・エールハルトは古典派で素晴らしい内容を持ちながら知られていない作曲家を取り上げ、積極的に演奏してきた指揮者の一人、今までも、J.M.クラウス、P.ヴラニツキ、F.リース等々、こうした指揮者らのおかげで知ることができた、
それより過去には、知られない作曲家を取り上げたシリーズで、どうにか繕った?程度の"マイナー盤"が出ていたが、それを聴いても何か異質で冴えない(出来のわるい)曲にしか感じない、エールハルトは作品の真価をよく掴み、それがわかる演奏を聴かせる。
聴く側も耳をリセットして、作曲家の良いところを聴こうという姿勢があれば新鮮な楽しみが得られると思う、

以前、J.F.X.シュテルケルの交響曲を取り上げたが、
記事:W.エールハルト:J.F.X.シュテルケル 交響曲No.1&2
この演奏がyou tubeに挙ったのであらためて紹介、
20160620.jpg
ヨハン・フランツ・クサヴァー・シュテルケル(1750-1768)
ヴェルナー・エールハルト指揮、ラルテ・デル・モント(ピリオド楽器)
録音:2013年12月 ドイツ、レーファークーゼン・クルターハウス

交響曲No.1 ニ長調 Op.35
you 01
you tube:Johann Franz Xaver Sterkel - Symphony No.1 in D-major, Op.35 (1770's)
第1楽章はマンハイム楽派の影響を受けたというモーツァルトのSym No.31「パリ」に近いタイプに思える、

交響曲No.2 変ホ長調 Op.35-2
you 02
you tube:Johann Franz Xaver Sterkel: Symphony No.2 in B Flat Major, Op. 35. 2
第1楽章は序奏を持つ、始まりから終りまで優美な曲もよいが、ハイドンがそうであるように、ときに意表を突くような灰汁のある主題を用い、それが発展してコアな部分を築いていく、こういうのが飽きさせない魅力となる、メヌエット楽章は短く収め、両端楽章の展開部など見事。

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category: その他・古典派

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