Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

フォーマルハウトの塵リング  

可視光で初めて撮影された系外惑星、あるいは事前に存在が予測されて発見されたのは"海王星"以来だと話題になったことのある、フォーマルハウトb(みなみのうお座、25光年)は2004年と2006年、HSTが掃天観測用高性能カメラを用いて捉えた・・はずだったが?m
Fomalhaut planet_b
フォーマルハウトb(HST撮影)
その後、再観測されておらず、存在は疑問視されている、惑星に見えたのは小天体の衝突で生じた「塵の雲」だったのでは、との見方もある。それ以後もフォーマルハウトbの正体は確認できていないようだ。

中心星のフォーマルハウトは大きさが太陽の1.84倍、年齢が約4億歳で非常に若いが、原始星の段階は終えた成熟した恒星だそうだ。距離25光年はヒッパルコス衛星の年周視差測定により、信頼できそうだ。
foma.jpgfomalhaut.jpg
フォーマルハウト(HST撮影)

5月22日の情報で、アルマ望遠鏡が最高の解像度でフォーマルハウトの周りにある塵のリングの全体像を捉えた、
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アルマ望遠鏡(オレンジ)とハッブル宇宙望遠鏡(青)で撮影したフォーマルハウトを取り巻く環
このリングは惑星系外縁部の彗星や小天体が衝突し合って出来たものと考えられている、リングはフォーマルハウトから約200億kmの距離にあり、幅は約20億kmと見られる、
太陽系との大きさ比較図
またこの環の形状は惑星の重力の影響で作られることが、コンピュータモデルの解析で確認されたそうだ。このリングはこれから惑星系が作られる原始星の周りの円盤ではなく、ある程度出来上がった惑星系の中であとから出来たものだそうだ。中心星から遠い場所では公転速度が遅く、塵が渋滞して密度が高まるので、強い電波が観測される、という理論予想のとおりであることも確認された。また先述のフォーマルハウトbを(一旦)見つけた、カリフォルニア大学バークレー校のポール・カラス氏は「いずれ、環を形作るちりの軌道に影響を与える惑星そのものを見つけたい」と語っているそうだ。

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category: 宇宙・天体

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銀河ウォッチング 6  

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が捉えた多くの銀河を見ていると、どうしてこんな形をしているのか、ピンとくるものもあれば、天体物理学者も悩まされる奇妙なものまで様々・・;
エドウィン・ハッブルが銀河の形の分類を一通り決めているが、HSTの詳細な画像が得られるようになって、実際には明確に区分はできないだろう。
Hubble_sequence 02
E.ハッブルによる銀河分類

今回は塵のリングを持った、楕円状(又はレンズ状)銀河に注目した。
以前にも取り上げた、NGC5866(りゅう座、4400万光年)は一応レンズ状銀河(SO)とされているが、渦巻銀河である可能性もあるらしい。
NGC5866_20170517094659fc1.jpg
NGC5866(HST)
中央を暗い塵の筋が横切り、その延長に明るい(若い)星の層が見られる、これらはバルジを囲む円盤のようだが、真横から見ているため真の構造はわかり難い。

もう一つ、NGC4710(かみのけ座、6500万光年)は先のNGC5866によく似た姿をしていて、同じような経緯を辿ったように思われる、
ngc4710.jpg
NGC4710(HST)
異なるのは塵の帯がやや乱れて毛羽立ちが多いこと、またバルジの位置に謎の「X型構造」が微かに見られること。
ngc4710b.jpg

よくわからないのが、NGC2787である、分類はあらたに設けられた、棒状レンズ状銀河(SB0)とされている、
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NGC2787(HST)
中心が明るく、全体には楕円銀河の中に塵の巻き込んだ渦、若しくはリングが見えている、中心に「棒状の構造体」があるとのことだが、画像からそれらしき様子はわからない?

次はお馴染みのソンブレロ銀河(M104:おとめ座、4600万光年)、つくづく珍しい姿で、こんな観測対象が近傍宇宙にあるのも幸運である、
M104 subaruM104 red
M104(すばる望遠鏡)               M104(赤外線撮影、スピッツァーST)
過去には渦巻銀河と見られていたが、渦巻き構造はなく、楕円銀河の中に塵のリングが収まっている、ハロー内には球状星団が非常に多く(数千個)あるのも特徴、一説には楕円銀河が初期宇宙の銀河フィラメントに多く存在したガスや塵を大量に取り込んだ結果だとされるが、矛盾のない説明は難しいようだ。
NGC7049(1億光年)などはまた違う類なのだろうか?
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NGC7049(HST)

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category: 宇宙・天体

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「かに星雲」を5つの望遠鏡で撮影  

1054年におうし座の方向で起こった超新星爆発の残骸、「かに星雲」は6500光年という近い距離にあることから、超新星爆発や残された中性子星など、貴重な研究材料でもある。m
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かに星雲:M1(すばる望遠鏡撮影)
中国、日本、アメリカ原住民らがこの超新星の記録を残しており、今の「かに星雲」であることをE.ハッブルらが確認した。期間を置いた写真撮影で星雲は膨張していることがわかり、1100km/sで今も拡がっている。中心には1秒間に約30回転する中性子星(パルサー)があり、「かにパルサー」とも呼ばれる、
ケンブリッジ大学の高速撮影動画(Wikipedia)
パルサーは電波からガンマ線まであらゆる電磁波を放っており、周囲の星雲を照らしている、中心のパルサーからはガス雲のリングが放たれ、光の約半分の速度で拡がっていく、
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この画像の内側のリングで約1光年のスケールだが、これが数週間おきの観測で拡がる様子がわかる、凄まじい変化が動画で捉えられている、
NASAの動画(日本語訳) 1:28~

今月公開された、NASAによる動画では、カール・ジャンスキー超大型干渉電波望遠鏡群(VLA)が電波、衛星「スピッツァー」が赤外線、ハッブル宇宙望遠鏡が可視光線、衛星「XMM-Newton」が紫外線、衛星「チャンドラ」がX線、という、電波(低エネルギー)からX線(高エネルギー)の5段階の電磁波で撮影し、合成されている。
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動画:Composite View of the Crab Nebula
【赤:電波/黄:赤外線/緑:可視光線/青:紫外線/紫:X線】
高エネルギーの紫外線、X線の画像では、可視光では見えなかった、パルサーに関わる部分が鮮明になってくる。

また、パルサーはあまりに重力が強く、一度は飛び散った物質を再び引き寄せ、やがて第二の惑星系(重金属が多い"パルサー惑星")を形成するらしい。
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パルサー惑星系円盤:想像図

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category: 宇宙・天体

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カッシーニ:環の内側から土星を撮影  

1997年に打上げられ、土星の周回軌道に入り、土星や衛星に多くの新発見と貴重なデータをもたらした、探査機「カッシーニ」は土星のほか、タイタンやエンケラドゥスの詳しい探査成果やイアペトゥスなど各衛星の個性的な姿には惹かれた。
その「カッシーニ」が最終ミッションに入った。m
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土星と環の間を22回潜り抜けて、接近撮影する予定、4月26日に行われた1回目の撮影動画が公開された。
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動画:NASA:Cassini's First Fantastic Dive Past Saturn
視野が回転するのは姿勢制御でパラボラアンテナを盾としながら進むためだそうだ。
動画の始まりは北極の嵐の目からで、緯度を南下していく、環の内側に入り、かなり接近するように見えるが、土星の雲最上層に最も接近して6700km(ほぼ地球の半径)だそうだ;
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画像チームの佐柳邦男氏は「六角形の外側の境界や極域の渦の中心である台風の目の壁に、シャープな端が多く見られることに驚きました。異なる緯度において(縞の)端同士が混ざることがないのは、何かのメカニズムが働いているのでしょう」と語っている(情報:AstroArts)、確かに台風の目のくっきり穴が空いた様子は目をひく、土星の風速は最も強い偏東風で1800km/hだそうだ。
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この後の撮影もセッティングをいろいろ変えて行うらしい、画像の公開が楽しみ。

PS.こちらの動画は北極の六角形の嵐のメカニズムについて説明を入れている。
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動画:The Huge Hexagon-Shaped Storm on Saturn (The New York Times)

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5 saturn02L

category: 宇宙・天体

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そう考えるしかない!?  

科学の不思議については非常に興味があるが、本当に解からないことだらけ;;m

I.ニュートンが重力の法則を導き出し、A.アインシュタインは重力を時空の歪みという別の見方に置き換えられることを解き明かしたが、何故、質量が重力を生みだすのかわからない、引き合う力にも、それを伝える役割をもった粒子があり、重力もグラビトンという仮説の粒子が考えられている、また重力の伝播速度は光と同じとされる。

量子力学が示す事も日常の常識や古典力学では信じがたいけど、実験や観測結果から、そう考えるしかない世界だ、人間サイズの世界では空間的位置や時間の進みは明確だが、量子サイズの世界はこれらが不確定で曖昧とされる。原子核を周る電子も周囲のどこか一か所にあるのではなく、確率的に同時存在し「様々な状態が重なりあっている」とされる、人が観測すると、どこか一か所に粒子として現れる。
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電子の存在イメージ
2本のスリット実験:電子や光子は確かに粒子だが、2本のスリットに向け、1個ずつ発射すると、1個が両方を通ったかのような干渉縞が現れる、本当に1個の電子が両方を通るのか?
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*電子は1個ずつ発射する
一つの説に、粒子は周囲に波紋を纏っていてそれが粒子の行き先に影響する、というのがある。スリットの角に近づくと、波の当り具合で、すり抜けた後の方向が変わり、それで波の干渉が起きたような何本かの縞がスクリーンに現れるという、
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粒子と取り巻く波
しかし、スリットの両脇に検知器を置くと、この干渉は消えてしまい、2本の筋だけになるそうだ、観測行為が何らかの影響を与え、波が消えてしまうのだろうか?
観測して結果が決まる:量子のふるまいを人の目サイズに拡大しようと考えられた思考実験が「シュレディンガーの猫」であり、箱内の猫の生死は人が箱を開けたときに決まることに?
(放射性物質ラジウムがα粒子を出すと検知器がハンマーを落とし、毒ガスの瓶が割れる、量子サイズの出来事を人間サイズに直結させる---)
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(資料:Wikipedia)
開ける前までは「生と死の状態が重なりあっている」という理屈だが、実際は猫は時間が経つほど死んでいる確率が高いだけで;肝心の状態が重なりあった様子は見られない。
量子もつれ(quantum entanglement):1つの粒子を分裂させたペアは量子もつれ関係にあり、このペアはスピンの方向など、互いに必ず逆の状態を示す、この関係は近くにあっても何万km離れていても相方のように保たれ、手元の粒子を人為的に「右」にしたとすると、もう1つの粒子は瞬時に「左」になるという、光より速く伝わることは実験で確かめられている。
entanglement b
光より速い遠隔作用はないとされてきたが、距離に関係なく同時だそうで、一対の関係が保たれる。しかし情報が光速を超えて移動した、ということでもないらしい(よって相対性理論も正しい)、この粒子のペアには空間を超えた繋がりがあるのか?
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category: 科学・自然・雑学

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遠方宇宙にX線の激しい閃光  

超新星が現れると、その明るさは所属銀河全体の明るさに匹敵するとか聞いて驚くが、数分間で所属銀河の数千倍のエネルギーを放ったという現象が観測された。m

2014年10月1日、NASAのチャンドラX線観測衛星が、ろ座の方向にある「Chandra Deep Field-South(CDF-S)」と呼ばれる領域で謎のX線放射を観測した。【チャンドラは宇宙の非常に高温の領域からやってくるX線を検出するため設計されている】
このX線源は、数時間で少なくとも1000倍明るくなり、約1日でチャンドラの感度以下まで暗くなった。位置はHSTとスピッツァー赤外線宇宙望遠鏡による過去の観測データから、距離107億光年にある小さな銀河の中であるとわかった。このX線現象のエネルギーはその明るさと距離から、所属銀河全ての星の数千倍と見積もられる。
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下段は変光の様子(資料: NASA/CXC/Pontifical Catholic University/F. Bauer et al.)
動画:NASA Chandraサイト
この原因として、今のところ知られている現象には完全に一致するものはなく、異例で新タイプの現象かもしれないとのことだが、宇宙最大の爆発現象とされる、ガンマ線バースト(GRB)も候補に入れられている、
grb 2
ガンマ線バースト(GRB)
GRBは中性子星同士、あるいは中性子星とBHの合体の際に起きる、また大質量星ではその中心部にBHが出来てしまい、重力崩壊していく際にも起きる、GRBは双方にジェットを噴出するが、それが拡がってエネルギーが低くなると、X線があらゆる方向に放射される、今回はジェットが我々の方向を向いておらず、X線が放たれだした段階から観測されたとの見方もある。
別の可能性として、X線は中質量BHが接近してきた白色矮星を潮汐力で完全に破壊した際に生じたという説も出ている。
m bh
過去記事の「超高輝度超新星」の正体 に近い現象だろうか?
SN[1]
不明な要素が多いが、遠方宇宙(過去の宇宙)には、何かと桁違いの高エネルギー現象が観測されるようだ。

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category: 宇宙・天体

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初期銀河には暗黒物質が少なかった  

ダークマター(暗黒物質)の存在が考えられるようになったのはアメリカの天文学者、ヴェラ・ルービンが近傍の銀河の回転速度を計測したのが発端だった、予測では太陽系の惑星のように中心部の重力から離れる外縁ほど公転速度は遅くなるはずだが、意外にも銀河の物質回転は内側も外側もほぼ同じ速度だったことだ。m
(*レコード盤のようにではなく、内側の方が半径が小さい分、先行して周る、それでも渦の巻き込みは詰まっていかない→過去記事:銀河渦巻きの謎
m31_20170501142608045.jpg001 b r
観測法は銀河の持つ水素原子の輝線に見られるドップラー効果で、我々に対し斜め~横向きの銀河の回転により、我々に近づく片側が青方偏移、もう片側が赤方偏移して見えることから見積もった。しかし光で観測できる物質の重力ではその回転が速すぎ、遠心力で飛び散ってしまう、銀河を纏めておく見えない重力源が必要で、浮遊惑星やらニュートリノなどいくつかの候補が除外され、ダークマターの存在に行き着いた。

一方、3月の情報だが、独・マックスプランク地球外物理学研究所のReinhard Genzel氏らが、ESOのVLTで約100億光年離れた6つの銀河を調べたところ、銀河外縁部の速度が内側領域より遅いことがわかった、
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ESO動画:現在と過去の銀河円盤の回転比較
これは形成が盛んだった初期銀河では銀河円盤に対し、今よりも広く取り囲むようにダークマターが分布し、銀河円盤に集中していなかった、と見られている、また初期銀河は数は多いが小型で、普通の物質のみで結び付いていた、ということだ。とは言え、ビッグバン後、物質分布のムラを局所的に集めて星や銀河が出来るのにダークマターは必要だろう。
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category: 科学・自然・雑学

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ハッブル宇宙望遠鏡:27周年  

1990年4月24日に打ち上げられて以来、当初予定された運用期間を過ぎてもいまだ健在で貴重な天体の姿を捉え続けている、HST(Hubble Space Telescope)には感慨深いものがあり、成果は計り知れない。
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Hubble Space Telescope
若い人にとってはこの鮮明な天体画像が当たり前かもしれないが、我々の小学生の時分、天文の本には当時最大の地上望遠鏡で撮っても下のような写真しか見られなかった。
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M104(ソンブレロ銀河):地上望遠鏡
これがHSTでは桁違いに鮮明となり、(HST画像→M104)後方の遥か遠い銀河まで多数写り込んでいて、宇宙の奥行きを実感させる。可視光画像なのがさらにそう感じさせる。合体する銀河、風変わりな天体など、立体感があるので、そこで何が起きているのかも直感しやすい。
近年は補償光学装置により地上望遠鏡でも解像度は上がったが、それまでHSTに比較し得る望遠鏡はなかった。
HubbleArp87.jpg
衝突銀河 Arp87:HST
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銀河 NGC4013(超新星SN1989Zが現れた時):HST
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NGC7635(バブル星雲):HST 
拡大画像

太陽系惑星の詳細な姿を見るにはさすがに探査機を要するが、海王星までならHSTでも有益な画像が得られる、探査機ニューホライズンズが捉えた冥王星の接近画像と、HSTが限界に挑戦して何とか捉えた画像をあらためて比べてみるのも面白い、
HST Pluto
ニューホライズンズによる冥王星 メルカトル画像
動画→冥王星の自転
134340 Pluto2
HSTによる冥王星の自転一周分
こうして見ると中段のあたり、クジラ形で暗い「クトゥルフ領域」やハート形で明るい「スプートニク平原」に該当する部分が捉えられているように?見える。

更新されるHSTのサイトを時々見ると、宇宙美術館と言える画像が多く飽きることはない。

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マフィンに挟まれた?原始星  

天体の似たような話が続きますが、今日は恒星サイズの円盤とジェットです^^m
台湾中央研究院天文及天文物理研究所のChin-Fei Lee氏らの研究チームはアルマ望遠鏡でオリオン座約1300光年にある、原始星「HH 212」を観測し、中心部の構造を詳細に捉えた、【アルマ望遠鏡の解像度は100km先の1cmが見分けられるレベルの超視力である】
この原始星は誕生したばかりで約4万歳と見られる。HH 212には以前より、中心から双方に伸びる強力なジェットが観測されていた。
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HH 212 (ESO 赤外線画像)
この原始星を取り巻く塵とガスの円盤は我々からほぼ真横から見る角度で、赤道の部分に暗い筋が見られ、ハンバーガーのマフィン2枚が重なるように見える、これは円盤の赤道面に塵が集中し、温度が低いためと見られる、実際に2枚に分かれているわけではない。
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拡大画像
(a) アルマ望遠鏡とESOのVLTで観測されたHH212のジェット。異なる分子が放つ電波で観測したジェットをそれぞれ異なる色で表現してある(青:水素、緑:一酸化ケイ素、赤:一酸化炭素)。中心星近くのオレンジ色が、アルマ望遠鏡による過去の観測で得られた塵の集合体。
(b) アルマ望遠鏡による今回の観測で得られた、塵の円盤のクローズアップ画像。(*印)で原始星の位置を示している。右下には、太陽系の海王星軌道の大きさを表示している。
(c) 観測結果と一致するように作られた円盤のシミュレーションモデル。色は温度を表す。
Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)/Lee et al.


特徴としては マフィンの外側がめくれ上がって見えること、この様子はHSTが捉えた、おうし座の原始星円盤、HH-30にも見られる、
HH-30.jpg
HH-30(HST)
こちらは距離450光年と比較的近いため、HSTで捉えることができたようだ。

一方、予想外のこともあった、米・バージニア大学 Zhi-Yun Li氏によると、「理論的には、星が生まれてすぐの段階で周囲に円盤を作ることは困難と考えられてきました。磁場の力によって回転が妨げられ、円盤になりにくいと考えられているからです。しかし今回の観測成果を見ると、磁場が円盤形成を妨げるという効果は、実際には私たちが想像していたほど重要ではないのかもしれません。」とのことだ。

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銀河風の中で生れる星  

今日は遠方宇宙の話です^^
英・ケンブリッジ大学のRoberto Maiolino氏ら研究チームはヨーロッパ南天天文台、VLTを用い、きょしちょう座6億光年にある衝突銀河:IRAS F23128-5919(ESO 148-2)を観測、
ESO_148b.jpg
IRAS F23128-5919(ESO 148-2)HST画像
合体する片方の銀河に、中心BHを起源とするアウトフロー(銀河風)を捉え、アウトフロー内でも星形成が起きている証拠を捉えたそうだ。(衝突銀河なので全体にも星形成は活発と思われるが)ここで生れる星の数は1年に太陽30個分だという。
eso1710a.jpg
全体想像図:ESO(わかりやすく1つの銀河を描いてある)
拡大→IRAS F23128-5919(ESO 148-2)
これらの星は数千万歳と若く、銀河円盤で普通に生れた星達より高温で明るいらしい、一応予測はされていたが、こんな特殊な?場所でも星が生まれるということだ、HR図のどのあたりに入るタイプか?知りたいところ。そしてこのアウトフローの流れに乗って星達は高速で中心の銀河から離れて行きつつある。(そのまま銀河間の"はぐれ星"となるのか?)
なお、この報告では銀河中心の超大質量BHが物質を呑み込む際のエネルギーでこのアウトフローが起きているとのこと。
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中心部想像図

ところで、上の想像図とよく似ているのが、おおぐま座1200万光年にある銀河、M82である、近傍の銀河で小型望遠鏡でも、細長い銀河に凹凸がある様子がわかる。
M82_201704252057464e1.jpg m81 82
M82(左:すばる望遠鏡)
こちらも星形成が非常に活発な活動銀河で大規模に銀河風が吹き出している(赤く見えるのは水素分子による)、この銀河風の起源としては、近くの銀河M81の重力の影響をうけ、一斉に多数の星が生れ、それらが出す恒星風、さらに寿命の短い巨星達は次々に超新星爆発を起こし、これらがアウトフローを起こしている、と説明されてきた、またX線観測で中心付近には中型BHがあると見られる。
M82のような銀河のアウトフローでは同様の星形成が起きないのか、IRAS F23128-5919とはまた状況が異なるのか?知りたいところ。
*このようなアウトフローは銀河の星材料の損失にもなっている、

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