Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話題など

また、ハビタブル惑星発見  

またしても、ハビタブル域にある系外惑星発見の情報あり、今度はヨーロッパ南天天文台(ESO)からの発表です。
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ESO
くじら座約40光年にある、赤色惑星「LHS 1140」を周るスーパーアースLHS 1140b、直径が地球の1.43倍、ただし質量は6.65倍とのことで、今のところ高密度で鉄の大きな核をもった岩石惑星と考えられている。
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惑星の質量は中心星からの距離と公転速度でわかる。中心星からの距離は太陽から地球までの距離の8%、約25日で公転している。また中心の赤色惑星LHS 1140はフレア活動が活発ではないそうで、X線、紫外線など強力な放射線の影響も少ないと見られる、これは好条件かも。
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ESO
米・ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの国際研究チーム、Jason Dittmann氏によれば、「太陽系外生命の兆候を探すうえでのベストターゲットになるかもしれない」とのこと。2月にNASAの"重大発表"で報告された「TRAPPIST-1」の惑星系とともに距離が近いこともあり、近くHSTでも詳しく観測される予定だ。
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TRAPPIST-1の惑星想像図
*過去記事:「TRAPPIST-1」に7つの地球サイズ惑星発見

ところで、LHS 1140bの重力は地球の3倍以上と見られているが、こうしたスーパーアースでの生命の可能性はどうなのだろう、
潮汐ロック状態か、
大気や水があるとしてその層の厚さ(気圧、水圧)、
惑星内部のマントル対流や火山活動は激しいのか、
陸地があるとしてその環境は、

知りたい要素は多々ある、地球よりちょっと大きいだけで、まったく別世界かもしれない、いずれ打ち上げ予定のJWSTをもってしても、そう簡単に生命の兆候まで見出せるのだろうか?

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惑星系のでき方  

ケプラー宇宙望遠鏡はじめ、様々な観測で太陽系以外にも無数の惑星系が確認され、HSTやアルマ望遠鏡でも、原始惑星系の姿を直接捉えている。m
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おうし座HL星(アルマ望遠鏡)
こうした惑星系はどのように作られるのか、まだ詳細には解明されていない。

星雲の中で、密度の高い部分では収縮し始める、ランダムな動きで集まったガスや塵は1つの角運動に均され、回転が起きる、中心の密度が高まり原始星が生まれる、原始星の周りに残された物質が回転し、降着円盤ができる、しかしこのままでは円盤物質もやがて重力で中心星に呑み込まれ、また一部は恒星風で外界へ飛ばされ、周囲には何も残らないことになる。
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ある程度質量を持った塊にならないと、中心星を周る天体にはなれない。円盤に含まれる固体の塵がくっ付きあって微惑星が作られ、これが種となって原始惑星へと成長するとされるが、そう簡単ではなさそうだ、
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岩石タイプに絞って考えると、始めに微粒子である塵同士がどのようにくっ付くのか?まず分子サイズであれば静電作用でくっ付く、しかし砂粒サイズになると、くっ付く術がない(*氷同士ならくっ付きやすい)、一つの説が、円盤の中で乱流が起き、部分的に大きな塵の集まりができて、それが重力で塊となり、微惑星が作られ、さらに合体して原始惑星となる、
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資料:理化学研究所
やがて原始惑星同士が衝突、現在の惑星までになった、ということだ。なお、円盤ガスが残っているうちはその抵抗が惑星の公転速度を落とし、中心星へ落下していく、やがて円盤ガスが消滅して、落下を免れた惑星だけが残るらしい。

ところで、4月19日夜、地球に小惑星2014 JO25が最接近する(おおぐま座を横切る方向)と報じられたが、大きさは直径650m、地球から約180万km(地球から月までの約4.6倍)を通るので何事もなかった。事前に70mアンテナでレーダー観測した動画がある、
2014 JO25
動画:NASA Radar Images of Asteroid 2014 JO25
チュリモフ・ゲラシメンコ彗星に似て、2つの小惑星がくっ付きあったような形で自転している、密度は雪を丸めたようなスカスカ状態かもしれないが?これも太陽系の惑星が形成される過程の一つを残しているのかもしれない。

PS.系外惑星には中心星のすぐ近くを木星のような巨大惑星が周る例が多いようだが、太陽系はうまく出来ていて、内側を地球など岩石惑星が周り、外縁からやってくる危険な彗星を木星や土星が強い重力で引き寄せ、内惑星への到達を減らしている、こういう軌道配置になったのは紆余曲折の末と考えられている。

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category: 宇宙・天体

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「地球外生命発見」:そう甘くない; ≪追記あり≫  

14日未明のNASAの発表だが、思った通り、目新しいものは何もなかった、
予告が大袈裟すぎる;
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エンケラドゥス NASA JPL
土星探査機「カッシーニ」がエンケラドゥスの噴水中に水素分子が豊富にあるのを確認した、くらいか;原始的な古細菌の食糧としてH2は必要であり、海底熱水噴出孔の存在も示すらしい、これで生命存在の可能性が(若干)高まったとのことだ。
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動画:NASA Ingredients for Life at Saturn’s Moon Enceladus
なお海底に熱水噴出がある可能性は2015年の時点で、東京大の関根康人准教授らが当時のカッシーニの探査データからすでに予測しており【鉱物の粒子、ナノシリカが検出された】、TV番組でも紹介された。

地球での生命誕生の場所が海底熱水噴出孔付近だったと仮定すれば、エンケラドゥスやエウロパにもあり得るかも知れない。地球の海底熱水噴出孔周りの生態系を見ると、まず生態系の底辺として水素、硫黄などを餌とする太古の嫌気性(酸素呼吸しない)細菌が多いようだ、
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古細菌
しかし地球の場合、貝類、チューブワーム、エビやカニ、魚類など賑やかな生態系を成す進化した生物達もいる、今は深海の低酸素状態に適応しているが、元々は太陽光の届く浅い海で、光合成生態系に属していた酸素呼吸の生物だ。
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エンケラドゥスにもし居るとしても低エネルギーで生きる嫌気性の古細菌レベルまでかもしれない(それでも見つかれば史上最大の発見だが)、地球の生命の多くは酸素呼吸で活動的になり、生存のために自然淘汰や進化が促進されたと思うが、氷の下の暗い海だけでは進化を促す要素がないかもしれない?酸素呼吸以外にも高い活動エネルギーを得る手段があれば別だが。

追記:NASAが10年以内に地球外生命の確実な証拠を見つけられるか?もし賭けをするなら、
見つからないほうに賭けます^^;
生物が棲めそうな環境だけは探し続けているが、そこにどのように発生するのか、生物学的な考えが見えてこない;

関連過去記事:
エウロパとエンケラドゥス
天体と生命Ⅱ
天体と生命
潮の満干
熱水噴出孔

ご覧いただき、ありがとうございました。

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ダークエネルギーは存在するのか?  

現在の宇宙は加速的に膨張を続けていることは、Ia型超新星の観測でわかっている。またこの膨張には空間を押し拡げる、重力とは逆の力が必要で、「ダークエネルギー」の存在が定説となっている。この正体不明のエネルギーの特徴は空間が拡がっても薄まることなく、逆に、ダークエネルギーが自然に増えた結果、空間が拡がっているとも言える。
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4月4日(Astro Arts)の情報では、ハンガリー・エトヴェシュ・ロラーンド大学のGabor Racz氏らが「コンピュータシミュレーションによって、時間の経過に伴う宇宙の構造の変化を研究し、ダークエネルギーの存在がなくても宇宙の加速膨張が説明できる可能性を示した。」というニュースがあった。宇宙の銀河分布に見られる立体網目のような大規模構造が示すように宇宙の物質分布には局所的にムラがあり、密度の高い部分に銀河が集まっている、こうした構造進化をミュレーションして、場所により宇宙の膨張率が異なるモデルを構築した、論説の詳細はわからないが、このモデルではダークエネルギーを必要とせず、宇宙全体の加速膨張の様子を説明できるというものだ、ダークエネルギーのモデルより少し加速の度合が高い。
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画像拡大
3つの宇宙モデルにおける宇宙膨張の様子、各点が銀河団のような構造を表す、(赤)ΛCDMモデル(ラムダ・コールド・ダークマター・モデル:広く受け入れられている、ダークエネルギーで加速膨張する宇宙モデル)、(青)Averaモデル(今回提唱された、ダークエネルギーの必要性を削除した加速膨張する宇宙モデル)、(緑)アインシュタイン・ドジッター宇宙(ダークエネルギーがない膨張宇宙モデル)・・資料:Istvan Csabai et al.
天動説の「地球が中心にある」と仮定した計算法で天体の動きを説明できたことから、長く定説であったように、「ダークエネルギーがある」というのも、同様の仮定にすぎないのか・・?
ここで思い出すのが、宇宙誕生の話である、誕生した超ミクロの宇宙を一瞬にして膨張させ、ビッグバンを引き起こしたインフレーション理論に登場する「真空のエネルギー」はダークエネルギーと同一のものと考えられるが、過去記事:「空間と時間は一体」で取り上げたカシミール効果の実験では、真空のエネルギーの存在を示しており、空間そのものがエネルギーを持つと考えられる、これとの関連はどうなるのか?また新しい情報に注目したい。

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オリオン大星雲の花火(原始星の衝突か)  

最もお馴染みで肉眼で見えるオリオン大星雲(M42)は我々から1500光年離れ、天の川銀河では外側方向にある、m
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オリオン座
このように星間ガスや塵の集まった場所では新しい星が多数生まれつつあり、HSTによってその現場(原始惑星系円盤)も捉えられている。狭い領域に多数の星が集団で生まれるため、原始星同士、重力で接近し衝突やニアミスも起きると考えられる、オリオン大星雲のほぼ中央には「トラペジウム」と呼ばれる、若い巨星の集まりがあるが、
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上画像、①のHSTによる可視光画像では星雲内部の様子は隠れて見えない、②はすばる望遠鏡による赤外線画像で、ある程度透過して見ることができる、トラペジウムの右上になにか爆発によって拡がったようなガス雲が以前から見つかっていた、「オリオンKL」と呼ばれる。③拡大して見ると、やはり爆発現象と見るしかなさそうだ。
米・コロラド大学のジョン・バリー氏の研究グループはアルマ望遠鏡を用いてオリオンKLを観測し、爆発によって差し渡し1光年にも飛び散った物質を高感度、高解像度で捉えた。オリオンKLが巨大な原始星同士の衝突による爆発らしいことがより鮮明になった。ガス内の一酸化炭素分子の運動速度(秒速150km以上)と拡がりで爆発のエネルギー量が導かれたが、太陽が1000万年かけて放出する量になるらしい。
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アルマ望遠鏡とジェミニ南望遠鏡で撮影したオリオンKLの合成画像、アルマでとらえた一酸化炭素ガスの分布と動きを色で表現しており、近づく方向に動くガスを青、遠ざかる方向に動くのを赤で表している。多くの細長いガスの筋が中心から等方的に花火のように広がっている。
この爆発はおよそ500年前に起きたと推定されている。また珍しい現象ではなく、星が多く生れる星雲内ではあり得るとのこと。こうした爆発で周囲のガス雲が吹き飛ばされ、星形成が制限されるらしい、残った星達で散開星団が作られ、いずれは散逸していくと思われる。

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category: 宇宙・天体

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系外惑星「プロキシマb」の環境予測  

M型星(M型主系列星)という呼び名をよく耳にするが、「M型」はスペクトルの分類で、赤色矮星のことだ。質量は最小で太陽の8%、表面温度2500~3900℃で、恒星の大部分はこのような小さな星らしい、m
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HR図
核融合がゆっくり進むので、宇宙年齢138億年より寿命が長く(数百億~数兆年)、一生を終えたM型星はまだ存在しない。またM型星の特徴として、活発なフレア(表層爆発)を起こすものが多く、ハビタブルゾーンは中心星に非常に近いため、紫外線やX線などが強烈に降り注ぐと考えられる、(*これら電磁波が大気に厚いオゾン層を作るという、生命に有利な一面も考えられるらしい)因みにM型星の「りょうけん座DG」で観測されたフレアでは太陽で起きた最大フレアの1万倍に相当するX線量だったそうだ。
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りょうけん座DGのフレア想像図(NASA)

前にも話題にした、地球に最も近いプロキシマ・ケンタウリに、地球と同サイズと思われる惑星「プロキシマb」が見つかっているが、
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プロキシマb 想像図
太陽系とプロキシマ惑星の軌道比較図
ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのCecilia Garraffo氏らの研究により、プロキシマbの環境が浮び上ってきた、
中心星からの恒星風の圧力は地球が受ける太陽風の圧力より1000倍~1万倍と見られ、恒星風の圧力は極めて不均一で、プロキシマbの大気は1日(?)に3倍も縮んだり膨らんだりするらしい、よって大気中では超音速の風が吹くとみられ、これは惑星が潮汐ロックされているとしても、夜側まで激しい気候になりそうだ、(気象的に厳しくなりそうな気はしていた;)
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お馴染みの想像図、激しい風が吹いているとすればこんな穏やかな景色ではないだろう。
フレアに加え、これだけでも地球型生命を想定すると極めて過酷と思われるが、単にハビタブルゾーンに位置するだけで、簡単に生命は期待できない、これは仮に水があった場合、液体になり得る距離だというだけで、惑星上の水が少なく全球砂漠でもいけないし、多すぎて全球が海でもだめかもしれない、生命誕生の過程として乾燥も必要という説があり、確かに有機物が濃縮、結合するのに必要かと思える。

系外惑星に関しても、刻々と新情報が入ってきて、ちょっと前の記事が古くなる;
過去記事:
惑星"プロキシマb"に海があるかも?
赤色矮星とアイボール・アース
最も近い「ハビタブル惑星」発見

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 宇宙・天体

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生命:太陽系外起源説 ≪追記あり≫  

小さな生物なら、細胞を壊さずに冷凍して冬眠させられる、冷凍、解凍の条件が適切なら復活する、細菌レベルなら十分可能だろう。m
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(メタン古細菌)
生命:地球外(太陽系内)起源説は聞いたことがある、かつて火星には水を湛えた海があり、陸地もあり、河が陸地の物質を海に運んだ。
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(太古の火星:想像図)
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オリンポス山周囲の断崖は氷河によって削られたものと見られる。
一方その頃の地球は全面が水に覆われ、陸地がなかった、これでは生命に必要なリンやミネラル類が水に溶けないし、化学反応も起きにくい。よって火星のほうが生命には適していた。火星に生息した微生物には岩の中に潜り込んでいたものもいて、それが、隕石衝突で宇宙空間にはじき出され、岩石内で守られながら地球にも飛来、それが地球の海に適応して、地球生命の祖先となった・・かなり難しそうな話だが、まったく否定もできない。

さらに飛躍すると、小天体がどこか他の惑星系で発生した生命の種も運んできた可能性もあるとする、「太陽系外起源説」が唱えられている。先に述べた冷凍保存状態であれば、小天体に封じ込めて恒星間を移動、遠く太陽系外から何万~何億年かかっても生命の種を運べる【*宇宙放射線でDNAが壊されてしまう恐れもあるが、耐放射線細菌という修復機能をもった種類が地球にも存在する】、偶然接近した小天体は太陽系ではカイパーベルト天体の一部として捕えられ、彗星となって、地球や他の惑星、衛星にも飛来し、有機物と一緒に生命の種ももたらした、という説である、これがあったとすれば多くの生命は共通祖先なので、地球と同タイプとなり、そのつもりで探せばいい。

NASAが20**年までに地球外生命の痕跡を発見すると宣言したのも、地球と同タイプの生命を前提としている。じつはもうおよその見当がついていて、今は確認作業を進めているらしい。
間欠泉が発見されたエウロパには氷の殻の下に、塩分を含んだ液体の水からなる海が存在するのはほぼ確実とされる。2020年代に打ち上げ計画のNASA探査機「エウロパ・クリッパー」の目的は、液体の水、有機化合物、十分なエネルギー源といった生命に必要な3要素が、エウロパに存在するかどうかを確認することだ。
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(NASA エウロパ・クリッパー想像図)

追記:すみませんm^^m バレバレだったと思いますが、April foolネタでした、
緑文字はそんな説も出ているが確証はないという部分、
ピンク文字はまったくの捏造で、いろいろ混ぜてあります^^;

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category: 科学・自然・雑学

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飛び出した超大質量BH  

極めて遠方にありながら強い電磁波を放ち、明るく見える活動銀河核を*クエーサーと呼び、中心には超大質量ブラックホールがある。
*クエーサー:100億光年前後の極めて遠方にあるにも関わらず明るく観測される活動銀河核で、中心には超大質量BHがあるとみられ、初期宇宙の豊富なガスや塵を取込み、狭い領域から強い電磁波を出し、数日~数週間、あるいは数年の短期間に明るさを変えるものがある。天の川銀河や近傍(現在)の銀河も宇宙初期ではクエーサーの段階を経ていると考えられる。

米・宇宙望遠鏡科学研究所がHSTでやまねこ座80億光年にあるクエーサー3C 186を観測したところ、このクエーサーは母銀河の中心から3万5000光年外れた位置にあるとわかった。
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3C 186 資料:NASA, ESA, and M. Chiaberge (STScI/ESA)
通常は銀河の中心にあるはずだが、これは2つの銀河が合体した際、それぞれが中心に持っていた大質量BHも合体するが、その前に互いを周りながら接近し、重力の波が生じる、BHに質量差があると重力波の方向に偏りがでる、両BHが合体した瞬間、強く重力波が放出された方向と反対方向に弾き出される、
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資料:NASA, ESA/Hubble, and A. Feild/STScI
動画:Hubble Detects a Rogue Supermassive Black Hole
つまり重力波が推進力となり、クエーサー3C 186は時速750万km(秒速約2000km)で高速移動している、超大質量BH同士の合体もありうる証拠として考えられている。これも物質が狭い領域に集中していた初期宇宙ならではの現象だろう。
今後、アルマ望遠鏡で詳細な観測が行われる見込み。

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category: 宇宙・天体

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星団の中の若すぎる星  

宇宙・天体の話題は少し日が経つとネタが古くなってしまいます;

"3月10日、豪・電波天文学研究国際センターのBi-Qing For氏らの研究チームは、天の川銀河から16万光年離れたところにある隣の矮小銀河、大マゼラン雲の星々について、星団の位置と数千個もの若い星の位置とを照合した。そして、同じ星団に属していながら、他の星よりもはるかに若い星の候補を15個発見した。(AstroArts)"というニュースがあった。
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大マゼラン雲 可視光画像(矮小銀河だが、僅かに渦巻き構造がある)
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赤外線天文衛星「スピッツァー」がとらえた大マゼラン雲
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上の「スピッツァー」画像のの部分のクローズアップ
資料:NASA/JPL-Caltech/M. Meixner (STScI) & the SAGE Legacy Team

まず「星団」についておさらいすると、天の川銀河内にも多くみられる散開星団はガスや塵が集まった一つの星雲の中で集団で生れた星々だが、初期宇宙では銀河の合体が頻繁だったので、星間ガスが大量に圧縮され、密集度の非常に高い星団もできたと思われる、現在銀河を周回している球状星団は100億歳以上の古い星ばかりで、そんな時代の生き残りが重力の束縛で散らばることなく存続している、という説は自然だと思う。規模の小さい星団は銀河を周回中に銀河の重力で引き離され、銀河に取り込まれていったと考えられる。

大小マゼラン雲は銀河合体の経験がない?と見られ、星の材料となるガスや塵が豊富にあり、現在も星形成が活発で、球状星団を思わせるような星が密集した散開星団もみられる、
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散開星団 NGC265 (大マゼラン雲)
同じ星雲の中では兄弟として誕生した星達のはずだが、今回の観測で同じ星団の中に極端に年齢の離れた若すぎる星が発見された。同じ星団でも恒星は大小様々な大きさで生れる、マゼラン雲は材料が豊富な分、巨星も生まれやすいと思われるが、巨星は寿命が桁違いに短く、爆発してしまう、このまき散らされた材料で星団の纏まりが散逸しない間に次の世代の星が生まれているのではないか、と今回の分析から推測されている。
関連過去記事:エディントン限界  球状星団の卵?:「爆竹分子雲」

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ALMAがとらえた「ペガスス座LL星」  

太陽の8倍以下の恒星は超新星爆発に至らず、晩年は赤色巨星となって、周囲にガスを放出、中心星からの強い紫外線によって、一時的にガスが輝き、見事な*惑星状星雲の姿を見せる、やがて星雲は散逸し、中心には暗い白色矮星が残る、とここまではよく知られる。また惑星状星雲は球状に近い形や砂時計のような双極型、また形状が複雑で謎のあるタイプも多い。m
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左)NGC1501  右)MyCn18 撮影HST
太陽のような連星ではない単独星は球状の星雲になると考えられ、双極型は連星系のもう1つの星の影響で作りだされる。
*惑星状星雲という呼び名は、その昔、W.ハーシェルが発見した天王星と似た丸い姿に見えたことに由来し、実態を現す意味はない。

アルマ望遠鏡が威力を発揮した、また新たなニュースがあった。
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ペガスス座LL星(アルマ望遠鏡撮影)
台湾中央研究院天文及天文物理研究所のHyosun Kim氏らの国際研究チームは、約3400光年の距離にある赤色巨星「ペガスス座LL星」をアルマ望遠鏡で観測した。ペガスス座LL星は直径が太陽の200倍以上に膨らんで盛んにガスを放出しており、惑星状星雲になる直前の段階にあり、中心の赤色巨星を連星のもう1つが周り、放たれたガスに溝が作られながら拡がっていくので渦巻きができる、その様子を電波観測で詳細に捉えた。観測画像とシミュレーションとの比較の結果、連星の軌道が細長い楕円の場合、この渦巻き形になるらしい。
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左)ハッブル宇宙望遠鏡が2010年に公開したペガスス座LL星の画像(資料: ESA/NASA & R. Sahai)
右)今回アルマ望遠鏡が観測したペガスス座LL星(資料: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO) / Hyosun Kim et al. )

動画→アルマ望遠鏡の観測画像に基づくシミュレーション
(*天体力学に基づくシミュレーションはほぼ正確な予測をしてきた実績がある)

じつはこの前にもアルマ望遠鏡はちょうこくしつ座R星でも同じような渦巻きをもつ初期段階の惑星状星雲を観測していた。ここでもESOによる立体動画などが公開されていた。
tyokokusitu R
ちょうこくしつ座R星
参考:シミュレーション動画1動画2
(動画1は立体をスキャンした様子、動画2は時間的進化のシミュレーション)
こうした観測データはガスに隠された連星の性質、中心の年老いた星の姿を解明する手掛かりとなるらしい。また初期段階にある、こうした惑星状星雲がよく見られる双極型になっていくのか、興味あるところ。

ご覧いただき、ありがとうございました。

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