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Michael: Classic音楽,Lute,宇宙

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学 etc

量子テレポーテーション  

昔の学者には光速は無限で、どんな遠くへでも瞬時に到達すると考えた人もいたが、ガリレオは否定した、ランプに灯をつけて、初めて周囲が明るくなるという因果関係がある以上、光は時間をかけて移動しているはずだと考え、光速の測定も試みた、
20191109.jpg
ガリレオの方法では失敗したが、後の時代、天体を利用した測定や地上で装置を用いた測定により速度がわかってきて、秒速約30万kmと、光速は有限であることが実証された、
瞬時(時間ゼロ)というのには物事の因果関係が破綻してしまう問題がある、

量子もつれ関係にある粒子を使ってどんな遠方にも情報が瞬時伝達できる・・云々とかいう情報もあるようだが無理らしい、
量子もつれ(エンタングルメント)関係にある電子のような2つの粒子は互いに離れた距離にあり、それが何万光年でも1対の関係を保つことがわかってきて、片方の状態(スピンの方向)が瞬時にもう片方へ反転して反映するが、情報を伝達する粒子のようなものが飛び交うわけではない(もし伝達粒子があるとすれば光速を超えて行き交うことになる)、何が遠隔作用を起こしているのか、わからないが、とにかく量子もつれ関係のペアだけは空間を超えてリンクしているような瞬時関係なのが証明されており、これを「量子力学の非局所性」と言う。
005_201911091324548b2.jpg
また1つの粒子は上向きスピンと下向きスピン、両方の状態を重ね合わせて持ち、観測したとき、どちらかに決まる(状態の収縮と言う);
*人間が観測するという行為は光子を当ててみるなど、どうしても粒子の状態に影響することになり、可能性のある1つの状態に収束する、
*E.アインシュタインは光速を超えるような奇妙な遠隔作用はあり得ず、ペア粒子の状態は観測する前から決まっていると反論した。


二人の観測者A氏とB氏がひじょうに離れた場所で、量子もつれ関係にある粒子をそれぞれ持っているとする、ある時点でA氏が手元の粒子を観測したら上向きだった、その瞬間、B氏の持つ粒子は下向きのはずだ、しかしB氏も粒子の状態を知るには観測しなければならない、その観測行為はA氏の粒子に影響し、仮にB氏の粒子が下向きだったとすれば、A氏の粒子は上向きのはず、ということになり、どちらが"原因"なのか決まらない;
またお互いの観測結果がどうであったか伝え合うには別の通信手段、つまり従来の電波通信等でやり取りするしかない;
量子もつれだけを使ってA氏からB氏に何かを通信する、という人為的な要素を乗せて伝達することはできず、情報の瞬時伝達は不可能であることを示す。
因果関係のある行為を瞬時に行なうのは不可能で光速は超えられない、というのは過去にタイムスリップ出来ないのと同じようにこの世界の鉄則かも・・?
3つ以上のもつれ粒子を使った量子テレポーテーションによる情報通信ネットワークの技術も電波など従来の通信手段の助けを要するそうだ。

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青い夕空  

奉行:「四郎吉、夜になると星が出るのう、」
四郎吉:「お星さん、ほんまは昼でも出てはりまんのやで、おてんとさんのお照らしがきついさかい見えんだけで、日食言うて昼、おてんとさんがかけるときがおますやろ、あの時、お星さん昼でも光りますわ、」
奉行:「四郎吉、天に行ってあの星を数えてまいれ、」
四郎吉:「よろしおまっけど、天に行くんは初めてでっさかい、どなたか道案内役をつけていただけまっしゃろか、」
 
shirasu_20191107093546e8f.jpg
落語:「佐々木裁き」より

さて、地球の日中の空はなぜ青いのか、これは大気中の塵や水蒸気の粒子が波長の短い青い光を散乱させる性質があり、直射日光から外れて空全体から地上に降りてくるため青く見え、その分太陽の直射光は青い成分が減って、やや黄色く見える、
夕暮れや明け方の空(トワイライト)は、赤いとき、黄色いとき、青いとき、とその時の大気状態によって変わるが、大気の層を長く通ってくるので、大気中に粒子が多いと前述の傾向が強まり、太陽の直射光はより青の成分が減って、波長の長い赤方向に偏り、その赤い光に照らされて周囲の空も赤くなる、ただし夕暮れや明け方でも大気中の粒子が少ないと日中とさほど変わらず、黄色い太陽と青い空、になるそうだ。

2012年7月7日の日没後、夏には珍しく大陸の高気圧に覆われた、
20120707_2019110709262170a.jpg
大気の塵が少なく、青い夕空、星を見るには絶好の夜になった。

こちらは2014年10月8日の月食写真、
2018022.jpg
暗い月が赤っぽいのは地球の大気によるトワイライトの光が映っているため、このとき月面に居れば見事な日食が見られるはず^^;

面白いのは火星のトワイライトで地球と反対のことが起きているらしい、この写真だけは自分では撮れない;
Sunrise on Mars
火星の青い朝焼け(NASA)
火星の大気には酸化鉄を含んだ赤い塵が舞い上がっていて、これが赤い光を散乱させ、空は赤っぽい(オレンジがかったピンク?)、逆に太陽の直射光は赤い成分が減って青く見える、日没や日の出ではその傾向が強くなり、太陽の周りの空も青く照らされている。

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月が離れて行く理由 (更新)  

一頃は「アポロは本当に月に行ったのか?トリック映像ではないか」という、その筋のスクープネタが出たが、「かぐや」などがアポロの着陸場所の様子を捉えているし、月面に反射板が設置され、今も地球からレーザー光を当てて、月までの距離が測定されているという事実だけで否定される; 
apollo14.jpg
月は1年に3.8cm(1日に1.04㎜)ずつ地球から離れて行く、10万年後には3.8kmになる、それでも現在の月までの平均距離の0.000098%である。地球は潮汐力の作用や内部が流体である影響もあり、遥か未来には自転も遅くなる、
space173-moon-earth-atmosphere_45518_big.jpg
ISS画像
ニュートン力学にある角運動量の法則の概略だが、ある質量をもった物体が回転しているとして、その半径が縮むと、回転速度が上がる、フィギュアスケートのスピンで伸ばした腕を引き寄せると回転が速くなり、再び伸ばすと遅くなるのと同じ。これは惑星の公転軌道を説明したケプラーの法則とも一致する。
極端に回転が速くなる例が大質量星が超新星爆発で縮んだパルサーである、
neutron_star_20191106140954a35.jpg
パルサー
地球と月は互いの重心を軸に廻りあっている、この2つは1つの回転体とみなすこともできる。この回転体は角運動量保存の法則により、一定の角運動量が保たれていくはず(質量が変わらず、半径が大きくなればゆっくり回転する)、
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月の潮汐力によって地球の海面が盛り上がるが、地球は自転しているので、盛り上がった部分が先に進んでしまう、それを月の引力が逆に引っ張るので地球の自転にブレーキがかかる、さらに地球の海流の摩擦や地下深くのマントル対流、つまり地球の流体部分の動きによる熱損失も自転を遅くする要因となる、生卵が回転しにくいのと同じと思われる、

こんなふうに遙か未来には地球の自転も遅くなっていく、しかし地球と月が併せ持つ角運動量は変わらないので、月が離れ、回転半径を広げて廻るようになり、最後には地球のほうも月に対し同じ面を向けるようになる、この時点で月は遠ざかるのが止まると考えられる。
20171004_20191106151555b98.jpg
地球と月:小惑星探査機「オシリス・レックス」撮影、距離と大きさの関係がわかる拡大

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太陽系探査の歴史  

新たな天体の発見には、超新星や重力波の観測、オウムアムアのような接近天体のように突然やってくるものもあれば、こちらから探査機を飛ばし、着実に接近して日に日に画像が鮮明になるのも、ワクワクする。
またBHシャドーの初めての撮像はデータの解析と合成に時間を要し、いつ発表されるのかと気がかりだった、このブログを初めて以降も天文や物理学の新発見が目白押しだった。
探査機ボイジャーの時代にわかったことだが、惑星の詳細な姿はもとより、それまで衛星といえばどれも月に似たクレーターだらけの殺風景な姿かと予想していたところ、じつに多様で個性的だったのに驚いた、逆に地球の月も地球の一部が剥ぎ取られたように岩石組成が同じという特別な存在なのがわかった。

木星を廻る太陽系最大の衛星ガニメデにも氷の地殻の下に塩水の海があるらしい、
Moon_Ganymede_by_NOAA.jpg
ガニメデ
土星のイアペトスは赤道に走る山脈、破壊されそうなほど大きなクレーター、また内側を廻る衛星フェーベがまき散らした物質がココアパウダーのように積もった様子が目を引く、
Iapetus.jpgIapetus 02
イアペトス
土星の輪の中にある衛星パン、輪の物質が赤道にくっついたようだ、
Pan.jpg
パン
天王星の衛星ミランダ、一度破壊が起き、再度固まったような形には引き付けられる、
Miranda.jpg
ミランダ
海王星の衛星トリトンは他の衛星と逆向きに公転し、カイパーベルト天体が捉えられたものと見られている、領域の分かれた地表面が興味深い、薄い大気があり左の領域では氷の火山の黒い噴出物が吹き流されている、
Triton 02
トリトン

2015年、ニューホライズンズが冥王星に接近したとき、まだ距離が遠い位置からぼんやり見えてきた姿にもじつに見応えのある興味深いものを期待させられた、
pu a
冥王星の全球動画
太陽から最も離れた極寒の位置で、表面は全てが凍り付いていると誰もが予想していたが、地形に流動が見られるのはまったく意外だった、
pulto02_20191105111719b5f.jpg
pulto01_20191105111718db4.jpg
パっと見、海岸線のようにも見える、①は平坦で流動的な領域、②はクレーターが残る陸地?のような・・その間にゴツゴツ見える③の山々は、海に押し流された氷山のようにも見える。矢印のクレーターには明るいトンボー領域の物質が溜まっているように見える、
本当に行ってみないとわからない、探査のし甲斐のある世界が待っていた。
とりあえず、太陽系にある物はわかってきた・・しかしこの宇宙自体、空間やら物質なんぞが何故あるのだろう、という根源的な謎は底知れない^^;

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rプロセス  

金やプラチナほか鉄より重い元素が大量に作られる環境として、中性子星合体が候補に挙げられ、理論シミュレーションによって重元素が生成される様子が予測されていた、しかし実際の中性子星合体の観測から、確認されてはいなかった。 
2017年8月、史上初の中性子星合体による重力波「GW170817」が捉えられたが、複数の望遠鏡で追観測され、中性子星合体が放った電磁波放射現象「キロノバ」を様々な波長に分けて記録した、このキロノバは「rプロセス」という中性子の割合が非常に高い環境で起きる核融合反応連鎖(速い中性子捕獲反応過程)による放射である、
デンマーク・コペンハーゲン大学のDarach Watson氏らはこれらのスペクトルをあらためて分析、紫外線から近赤外線の間から、重元素の1つ、ストロンチウムの存在を確認した、中性子星合体の観測に基づく、初めての重元素生成の様子である、
001_20191102091425fc7.jpg
2017年8月17日に重力波信号が検出された後の12日間にX-Shooterが取得したキロノバのふるまいの変化を示すスペクトルのアニメーション動画、
you tube:Animation of spectra of kilonova in NGC 4993
初めのうちは短波長(左)が強く非常に青いキロノバが、日が経つにつれて赤く暗くなっていく(縦軸:明るさ、横軸:波長)
(資料:ESO/E. Pian et al./S. Smartt & ePESSTO/L. Calçada)

002_2019110209142684b.jpg
研究成果の紹介動画(資料:ESO/L. Calçada)
you tube:Neutron star merger animation and elements formed in these events

ストロンチウムは化学反応しやすい元素で、花火の「赤」の発色剤として用いられる、太陽サイズの星が赤色巨星となった内部など、中性子の割合が低い環境で起きるsプロセス(遅い中性子捕獲反応過程)でも作られる、ありふれた元素のようだ。

ところで、今年4月8日、史上初めてブラックホール・シャドーの直接撮像に成功したが、中性子星(パルサー)の大きさは半径10km程と極端に小さく、その本体を見るのは無理だろう、見えるほど近くにあったら太陽系は壊滅する;
neutron_star.jpg想像画
ただし両極に吹き出すジェットや周囲に拡がるパルサー風の様子は捉えられている。
Crab pulsar
you tube:かにパルサー
これは約1光年の範囲でガスが移動する様子を数週間おきの撮像で動画にできる、という凄まじい動きである、

これは「コズミック ハンド」でお馴染み、ガスが手の平のように拡がっているがこの形になった説明は難しいらしい、手首付近の明るい部分に中性子星がある、
PSR B1509-58
PSR B1509-58
指が4本しかない・・?このように小指を折った状態かも^^
004_201911020914287c2.jpg

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双子の原始惑星系  

サブ・ミリ波による観測で「視力6000」に相当する解像度のアルマ望遠鏡はこれまで多くの原始惑星系を捉えてきた、 
alma_2019102710230220f.jpg
原始惑星系円盤:アルマ望遠鏡撮像
images.jpg
想像図
10月18日、アルマ・サイトの記事で、2つの原始惑星系が廻り合う連星系の周囲の様子を捉えたと発表された、へびつかい座の方向、パイプ星雲の中にある「BHB2007」である、
eso1916a.jpg
BHB2007
サブ・ミリ波で見る場合、可視光で見るのとは様子が違い、物質の多い所ほど明るく見える、この画像の明るい2つの点がそれぞれ、中心の原始星とその周りの降着円盤であり、さらにそれらを囲んで、楕円軌道をずらして重ねたようなリング状のガスと塵の帯が見られる、この画像では周囲の暗い領域にあるガスと塵が明るいリングに流れ込み、さらにリングの帯を通じて2つの降着円盤へと流れ込むと見られている。
研究者のマックスプランク地球外物理学研究所、フェリペ・アルブス氏によると、「この連星系のまわりの物質は、とても複雑な動きをしながら、それぞれの星に2段階のプロセスを経て降着しているものと考えている、連星系がどのように形成されるのか理解するには、もっと他にも観測を行なう必要がある」とのことだ。

ところで、こうした連星系では惑星はどのように存在するのか興味あるところ、
質量の大きな連星系の例になるが、おひつじ座30番星の場合、
1186_quadruple 02
*Newfound star:新たに発見された伴星
2つの大きな恒星A、Bそれぞれに小さな伴星が廻り、恒星だけで4重連星になるが、さらに一方には伴星とともに惑星も廻っているらしい、惑星になるか、褐色矮星以上になるかは質量しだいだろう、重力のメインとなる恒星AとB、各々に帰属するように見える、
また2つの連星を重力の中心として、その外を廻る「周連星惑星」も発見されている、この場合、中心重力の安定性が必要で2重連星に限られる、
circumbinary planet
周連星惑星の軌道:恒星A、Bを中心に廻る惑星の場合、「ABb」のような命名がされる、恒星の片方を中心に廻る惑星はこの分類から外される。
最初に発見されたのは球状星団M4の中にある、パルサーと白色矮星が廻り合う連星を中心に周回する惑星「PSR B1620-26b」であった、「メトシェラ」という非公式な命名もされている、
planet_B1620-26c 02
想像図:画面左がパルサーと白色矮星の連星、球状星団の中にあるので背景の星は混み合って見える
惑星の大きさは木星の2.5倍、公転半径は海王星の少し内側くらいと見られる、元々は白色矮星に帰属していた惑星で、パルサーと白色矮星が接近し、連星となった後もその周りを廻っていると考えられている。

2016年に発見された「ケプラー1647b」は太陽に近いサイズの2連星を廻る木星とほぼ同じ大きさの惑星で、ハビタブルゾーンにあるそうだ、
kep 1647b
ケプラー1647b 想像図
この惑星はガス惑星だろうが、地球サイズの岩石衛星があれば生命が存在し得るかも。

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ラム圧  

以前、「クラゲ銀河」という題で書いたことのある、ESO 137-001という銀河だが、みなみのさんかく座の方向約2.2億光年の距離にある、
heic1404a.jpg
「クラゲ銀河」
今年10月、アルマ望遠鏡とESOのVLT、そしてHST、それぞれの観測データを合成した新たな画像が公開された、
potw1939a.jpg
渦巻銀河「ESO 137-001」:銀河とその周辺がハッブル宇宙望遠鏡、明るい紫色で示された水素の流れがVLTの分光器「MUSE」、オレンジ色で示された銀河内から流出する一酸化炭素がアルマ望遠鏡によって、それぞれ撮像された、
【資料:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), P. Jáchym(Czech Academy of Sciences) et al.】

相対的に移動してくる銀河が銀河団の高温のガスで満たされた中へ落下してくる、このガスと銀河のガスが衝突すると、ラム圧(動圧)によって、銀河のガスが剥ぎ取られ、移動した後方に棚引く、これは銀河が動いた道筋を表わす、この棚引く尾の中でもガスが圧縮されて爆発的な星形成が起きるらしく、その分、星の材料が消費されたことになる、
*銀河団内に高温のガスが存在するのは、 銀河団の外側から銀河団へと落ちてくるガスは衝撃波を形成し、重力エネルギーが熱エネルギーへと変換され、結果、ガスが加熱されるため。
銀河団の中心へ行くほど、新しい星の材料を失った楕円銀河が多くなるそうだ、
Coma_Cluster_of_Galaxies.jpg
かみのけ座銀河団
楕円銀河の一つ、NGC4150(かみのけ座)は僅かに塵や星間ガスが見られる、合体した小規模な銀河から吸収したものと考えられる、
ngc4150 b
NGC 4150

このクラゲ銀河の尾から、もし球状星団のような纏まりができるとしたら、銀河の外れに形成される、以前記事にした銀河間球状星団にも関連する事なのか?このへんがわかれば興味深い、「銀河間球状星団」
因みに天の川銀河はおとめ座銀河団に属し、中心から外れた"過疎地"にあるらしい。

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宇宙網  

2019年10月、すばる望遠鏡によって115億光年離れた宇宙に銀河同士を繋ぐ水素ガスの網構造が観測された。ビッグバンのあとの初期宇宙に生じた宇宙網である、この構造は理論・シミュレーションにより予測はされていたが、実際の観測は光が非常に弱く困難だった、
fig2j.jpg
宇宙網のシミュレーションの例、水素を主成分とするガスがクモの巣状のネットワークを形成し、その中でガスが密集した場所 (茶色の領域) で銀河やブラックホールが作られ、成長すると考えられる。
理化学研究所の梅畑豪紀氏らはみずがめ座方向の原始銀河団「SSA 22」に注目し、宇宙網の検出に挑んだ、アルマ望遠鏡ほか複数の観測施設を使い、段階的に観測を重ね、SSA 22の400万光年ほどの範囲に星形成の活発な銀河、大質量BHが18個密集していることを突き止めた。
宇宙網の主成分である水素ガスは銀河などの光を受け、紫外線を出すが、宇宙膨張により、地球に届くころには波長が伸び、可視光になる、すばる望遠鏡の広視野カメラ(Suprime-Cam)で、その光がおぼろげに捉えられた、
HSC.jpg
さらにESOのVLTで追観測され、水素ガスの網目に繫がった構造が確かめられた、複数の観測画像を重ね、銀河や大質量BHなどの分布が宇宙網に一致しているのがわかった。
18595_web.jpg
(左)青い部分が水素ガスの宇宙網(右)宇宙網の3次元分布、青色が淡く見える部分、紫色が明るく見える部分、銀河や大質量BH(赤の四角)が宇宙網に沿って分布しているのがわかる。
これまで、理論・シミュレーションによる予測に過ぎなかった初期宇宙での銀河や大質量BHが形成される過程を観測から支持することになる。

宇宙が無限だとすれば、膨張する前の狭い宇宙?だった頃から無限だったことになる、そこに起きる膨張とはどういうことか;
観測では宇宙のあらゆる場所が同じように膨張しており、ビッグバンは特定の一点を爆心とする爆発ではないように見える、インフレーションの時点ですでに無限の広がりがあり、その全ての場所が同時爆発したような?;
006_201910191315210ef.jpg
*検索すると、インフレーションの前にビッグバンがあったような図が見受けられるが間違いである、
ビッグバンのあと、どのようにこの網目構造ができたのか、
005_20191019094052149.jpg
宇宙大規模構造
爆発という現象には急激な膨張とその反動の圧力がかかると思われる、空間を埋める物質が局所的に集まった部分と空洞部分とができて、空間に拡がる立体網のように残る・・なんとなくそんな様子は浮かび、不思議ではない気がする?・・これはさておき、元になるムラはインフレーションの時からあったようだ、

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ドップラー法  

系外惑星の見つけ方として現在は惑星が中心星の前を横切る際の減光を捉えるトランジット法が主流で、ケプラー宇宙望遠鏡はこの方法でM型矮星を廻る惑星を数多く発見してきた、後継機として系外惑星探査衛星TESSが観測中である。 
20190824.jpg
系外惑星探査衛星TESS
系外惑星を初めて観測した、ジュネーブ天文台のミシェル・マイヨール氏とディディエ・ケロー氏が2019年のノーベル物理学賞を受賞した、二人の発見が系外惑星探査の幕開けとなった。昔から天文学の発見というのは、諦めず気長に、執念深く観測した結果だと言える、彼らが用いた観測法はドップラー法だった。
当時は観測対象として、太陽と似た恒星が選ばれた、その一つ、ペガスス座51番星(約50光年)に惑星がある証拠が観測された、
Pegasus_51.jpg
1995年、オート=プロヴァンス天文台の口径1.93mの望遠鏡に精度を高めた分光計とCCDカメラを取付け、惑星の重力により中心星が視線方向に近づいたり遠ざかったりする僅かな揺れを観測するドップラー法によって発見した、
Doppspec-above.jpg
中心星の揺れ:動画
この惑星は質量が木星の約1/2、公転周期はわずか4.2日で、太陽と水星の1/6の距離を廻っていた、惑星の表面温度は1000℃ほどと見られる、その後もケプラー宇宙望遠鏡による発見と地上望遠鏡の追加観測で続々と惑星が確認されたが、その多くは巨大ガス惑星が中心星のすぐ近くを廻るホットジュピターであった、もし太陽系の木星がこんな位置にあったら、地球ほか小さな内惑星は存在できない。
hot jup
Hot jupiter
トランジット法、ドップラー法、どちらでも地球サイズの惑星は中心星に対し明るさも重力も小さすぎて見つけるのは困難である。

地球サイズの惑星が発見されたのは中心星が小さく暗いM型矮星で、そのきっかけになったのはケプラー宇宙望遠鏡に起きたトラブルだった、姿勢制御が効かなくなり、年に4回、観測方向を変えることになり、M型矮星も観測対象となった。
GJ1214b.jpg
M型矮星
後継機のTESSでは対象をM型矮星に絞り、広視野で系外惑星探査を行なっている、発見できるのは視線方向に影を作る惑星系のみ。
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惑星AとBは発見できる
いずれ地上に建設される超大型望遠鏡やジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で、系外惑星の大気を分析し、そこに酸素やメタンなど生命由来の成分を探る予定である。
同じハビタブルゾーンでも、太陽系とM型矮星の周りとでは大きく環境が違う、それでも生命が存在可能かどうかが鍵になりそうだ。
因みにM型矮星はフレア活動が激しく、恒星風や放射線によって惑星の大気と水が剥ぎ取られている可能性がある。

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ブラックホール・シャドウ 【再掲】  

今年の4月、大規模な国際プロジェクトにより、電波望遠鏡のネットワークで、ブラックホールを実際に撮像するのに成功した、本体は真っ暗なので、周囲の光に浮かんだ影になる、 
20190411 b
M87銀河中心にある超大質量BH
周囲の光には高速自転しているBHによる時空の歪みも見えているようだ、黒い影は事象の地平線であり、大きさはシュヴァルツシルト半径と呼ばれる。

この撮像成功前の過去にも、期待とともに困難だろうと思いつつ、BH本体の予測について記事にしてきたのがちょっと懐かしい、
*2016年にはこんなことを書いていた、この頃の理論予測はほぼ的中していたと言えようか。
以下、2016年7月27日記事(一部更新)

ブラックホール(BH)の存在はまず理論上予測され、次にX線観測などで間接的に存在が確認された。また天の川銀河中心にある、巨大BH:いて座A*を周回する恒星の動きを10年かけて観測、何も見えない箇所を中心に巨星が急転回して廻っているのを確認した、BHの存在は動かしがたい事実となっている。次の目標はBHの姿を直接見ることになってきた。micha
BHの想像図としてよく見かけるのがこれ、
BH 01
NASA資料
周囲の降着円盤が描かれているが、中心部の本体の姿は?
BH本体の表面は事象の地平線で、完璧に真っ黒な球体だろう、そこに星間物質が引き寄せられ、降着円盤を持っていたとすると、その光が真っ黒な影、ブラックホール・シャドウを浮び上がらせるはず、
この画像は高速自転するBHと降着円盤の様子を理論的に描き出したもの、
bh 02
自転によるドップラー効果で明るい側と暗い側ができる、また右の画像はほぼ赤道側から見ているが、空間が曲げられ、後方にあるはずの降着円盤が浮き上がって見える
降着円盤の回転によるドップラー効果、光の軌道の湾曲の効果、重力赤方偏移、BHの自転による時空の引きずりの効果など様々な要因で、その姿は湾曲して見えると予測される。
もし超高解像度でどこかのBHを見たら、本当にこんな姿なのか、それを世界中の観測機関が捉えようとしている。恒星サイズのBHでは小さ過ぎて無理だが、銀河中心にある超巨大BHなら観測可能とされる。それでも解像度としては、東京の位置から、富士山にあるCDのブックレットの字が読めるくらいのレベルが必要らしい;;
国立天文台では2013年に全米10台の電波望遠鏡を組み合わせて利用し、おとめ座M104銀河の中心BH周辺の様子を捉えるのに成功している、BH本体を捉える解像度には至っていないが、比較的活動のおとなしいM104の中心BHからジェットが噴出する様子を捉えている。
m104 s
拡大
同じ方法で地球サイズに近いネットワークで観測が成されようとしている。観測対象で有力なのはまず天の川銀河中心のいて座A*、次が近傍の銀河で超巨大BHを持つM87(距離6000万光年)だそうだ。
M87_jet b
M87( HST)

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