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Michael: Classic音楽,リュート,宇宙

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学 etc

Swiss Baroque Soloists:Bach Brandenburg Con  

バッハのブランデンブルクConはいろいろ買い漁ってきたが、ざっとこのとおり、 
古楽系で、G.レオンハルト盤ほかT.ピノック、C.ホグウッド、R.グッドマン、T.コープマン、
J.ラモン、R.ゲーベルP.J.ベルダーアンドレス・ガベッタS.クイケンE.ゼフィロ、J.W.de.フリエンド、C.アバド(*フリエンド、アバド盤はモダン+古楽器)、
古いところではA.ヴェンツィンガー、コレギウム・アウレウム、
またかつてのバロックブームから、K.レーデル、K.ミュンヒンガー、K.リヒター、R.バウムガルトナー、K.リステンパルト、H.von.カラヤン、イ・ムジチなど(パイヤール盤はない)、
これらの中で、今後も聴きたいと思う魅力ある盤というのは絞られてきて、上記オレンジ文字が該当、あとは経歴で、バロックでは"古い名盤"を聴きたいという気になれない。

NAXOSから出ている、スイス・バロック・ソロイスツ盤も魅力を放つ名盤だと思う、音楽監督とvnはアンドレス・ガベッタ、収録会場の美しくクリアな音場が拡がる録音も秀逸、バロックは"音"を楽しむのも重要な要素だ。
s b s bach br con
2005年 フランス、ミュルーズ、サン・ジャン寺院
全体に速めのテンポを取りながら、短い時間の中に表現をしっかり盛り込み、小忙しく感じない、各楽章のリズム感を楽しませる、気品ある装飾も見事、

第2番で、名手ニクラス・エクルンドが吹いているバロック・トランペットが注目だったが、さすがに上手い、柔らかな響きで難しい最高音も透明に聴かせる。ほかに美しく鳴らしている人はフリーデマン・インマーと、P.J.ベルダー盤のウィリアム・ロスだろうか、第2番のtrpも曲集の価値を上げる要素である^^
なおこれらのtrpは音程補正孔を設けた現代の古楽器?である、
naumann-trumpet1_20200816084342f4c.jpg
you tube:Brandenburg Concerto No. 2 in F Major, BWV 1047:
I. [Allegro] II. Andante III. Allegro assai

第3番の"中間楽章"はいかなる扱いか不明、という学究的理由で終楽章への軽い導入程度のソロで済ませる例が多かったが、久しぶりにチェンバロによる積極的な演奏が入って楽しませるのに好感もてる、終楽章は4:09とR.ゲーベル盤に迫る速度で小気味よくきめる。
s b s bach br con you
you tube:Brandenburg Concerto No. 3 in G Major, BWV 1048:
I. — II. Adagio III. Allegro

地味にも受けられがちな第6番、筆者は好きな曲で、こう聴きたいとイメージしていた演奏である、第1楽章に心地よい活気と気品がある、第2楽章は滑らかなソロとバスのリズムが絶妙、
you tube:Brandenburg Concerto No. 6 in B-Flat Major, BWV 1051:
I. — II. Adagio ma non tanto III. Allegro

第5番がまたいい、速いテンポでも小忙しく感じさせない滑らかな演奏、カデンツァのチェンバロは和音を聴かせる所ではじわっと間を取り、トリルも始まりをゆっくり、リズムの柔軟な伸縮で引き込んでいく、第2楽章は装飾を十分楽しませる、
you tube:Brandenburg Concerto No. 5 in D Major, BWV 1050:
I. Allegro II. Affettuoso III. Allegro

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category: J.S.バッハ

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C.ホグウッド:Bach Brandenburg Con (1984)  

ハイドンの交響曲の室内楽版(ザロモン編)を最初に録音したのはホグウッドだったろうか、ちょっと他では聴けない新鮮どころを持ってくるのが彼の常だった、ヘンデルの「水上の音楽」も通常版以外を録音しているし、バッハのブランデンブルクConも通常演奏される第2版ではなく、初版を演奏しているがこれが好評だったようだ、必ずしも第2版が優れているとは言い切れない良さがある、最初の閃きが宿っているからかも? 
20190731111726aca_2020081009322522a.jpg
クリストファー・ホグウッド指揮、エンシェント室内O
DECCAの技術でマルチマイクでなく、ワンポイントマイクで録音したというのも興味深い、音は妙な厚みがなく、すっきり清涼に響き、チェンバロの基音がよく聞こえる、
レポートによると僅か2日で録音完了したとのこと・・そう聞くと入念な収録ではなく、腕利きが揃って全曲さらりと出来たような?そんなのもわるくないと思う。
第1番は3楽章のみで、ヴィオリーノ・ピッコロが使われず、普通のvnでoct.低く演奏されるがつまらない響きではなく、落ち着いた感じも良い、第3楽章がメヌエットだが、トリオⅠとポラッカのみで、楽器の入れ替え前の状態でもあるが新鮮に聞こえる。
hog br you
you tube:J.S. Bach: Brandenburg Concerto No. 1 in F Major, BWV 1046a -
1. (Allegro) 2. Adagio 3. Allegro
第2番はバロックtrpの名手F.インマーが安定的で伸びやか、4つのソロ楽器が音の万華鏡を楽しませる、それも各パートが巧妙に組み合った上でのこと、バッハの凄さである、
第3番、4番はお手の物といったところ、第4番のvnソロはモーツァルトSym全集録音から共演しているJ.シュレーダーが担当、
第5番、初版の第1楽章のカデンツァは短いがこれでいい、ほかの聴きどころに集中できる、
華やかな演奏が数ある中、このしっくり端正な演奏は逆に飽きがこない。
bwv1050a.jpg
第5番 初版のチェンバロ譜:カデンツァの入り、ソロ部分以外は通奏低音の数字が記され、vnのパートも小さく補記されている、
you tube:J.S. Bach: Brandenburg Concerto No. 5 in D Major, BWV 1050a -
1. Allegro 2. Affetuoso 3. Allegro
ブランデンブルクConはNo.4とNo.5を除き、第1楽章の速度指定が書かれていない、奏者の判断しかない、第6番は快調さを持ちながら落ち着いたテンポ、ヴィオラ・ダ・ガンバが装飾を加えながら滑らかで雅びな雰囲気でまとめる。
you tube:J.S. Bach: Brandenburg Concerto No.6 in B flat, BWV 1051a -
1. -- 2. Adagio ma non tanto 3. Allegro

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category: J.S.バッハ

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R.ゲーベル:Bach Brandenburg Con (1986)  

バロックの演奏において、これが完全無欠の演奏、というのはあり得ないだろうし、"オーソドックス"な演奏、というのも成り立たないと思う。
作品に対し、光の当て方によって、いろんな反射が返ってくる、時に異例的な試みをすることによって、今まで見えなかった輝きに気付くこともある。
 
1986年の当時、衝撃的といえるブランデンブルク協奏曲を出したのがラインハルト・ゲーベル指揮、ムジカ・アンティクヮ・ケルンだった、
r g bach br cd
かつてこのCDを注文したときは入荷が遅れた、話では人気が高く品不足だったそうで、
これを音楽仲間の人に貸したところ、「これは聴けない」と言われ、当時は好き嫌いの分かれる先進的演奏でもあった、
まず全曲とも当時の常識からして非常に速いテンポが取られ、No.3の終楽章は極限的レベルで、No.6の第1楽章の速度にも始め驚いた。スタッカート奏法により一段と張り詰めた感覚でもある、しかし雑な印象はなく、きっちり整えている。ロマンティックな趣きはなく、音の一つずつを活き活きと躍動させる純粋な楽しみといったところか。
No.5のチェンバロのカデンツァは前半じっくりとアゴーギグを利かせ、後半のパッセージからはひじょうにスリリングな対比を繰り出す、
bwv 1050 sc
また緩叙楽章での装飾も小気味よく聴かせる、
r g bach br you
you tube:J. S. Bach - Brandenburg Concerto No. 5 in D major BWV 1050 (1/2) - Musica Antiqua Köln

No.2では快速ながらF.インマーのバロックtrpが鮮やかに決めている、第1楽章のtuttiで合奏群のvnが重なる所も効果的に涼やかに響いてくる、
bwv 1047 sc
you tube:J. S. Bach - Brandenburg Concerto No. 2 in F major BWV 1047 - Musica Antiqua Köln - ("Cavoletto")

No.3の終楽章は先述のとおり、演奏時間:3:51(反復あり)と今も最速記録でこれではじめて楽章のエネルギーが全開になって聞こえる。その後もこのテンポに迫る演奏はある。
you tube:J. S. Bach - Brandenburg Concerto No. 3 in G major BWV 1048 - Musica Antiqua Köln

No.6の第1楽章は急速に拍節を大きく捉えたように進んでいく、バスパートは殆どの部分で同音が並び単純で、tuttiではリズムが強調される、通奏低音のチェンバロは同じ和声内でゆったりと和音を奏で、大きく間を取った落着きも聴かせる、
bwv1051 sc
you tube:J. S. Bach - Brandenburg Concerto No. 6 in B major BWV 1051 (1/2) - Musica Antiqua Köln

ほかでも聴けそうな演奏はすべて避けたような、常に気を抜かせない演奏はある種、中毒性?がある^^

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category: J.S.バッハ

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S.クイケン:Bach Brandenburg Con(2009)  

バッハのブランデングルク協奏曲の音盤はいろんな興味の観点から随分と買い漁った、一つの演奏団体で6曲じっくり聴くことはめったになく、中には初めて聴く印象のものさえある; 
ご無沙汰していたS.クイケン指揮、ラ・プティット・バンドの2009年盤を聴いてみた、
クイケン自身はもっぱらヴィオロンチェロ・ダ・スパッラという小型サイズのチェロ音域の楽器を演奏、ソロはすべて他のメンバーが演奏している。
20171126014910194_2020080710122995b.jpg
CD1にはNo.3、5、1、の順に入っている、
クイケンのテンポ設定はさほど急速じゃなく落ち着いている、No.3では弦楽のしなやかで透明な響きを印象づける、この全集ではチェロ、コントラバスの代わりに、それぞれ、ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ、バス・ド・ヴィオロンという小型化した低音楽器が使われ、どっしりくる響きではないが、大会場でない限り、良いバランスではないだろうか。
録音も秀逸で、No.3はこの写真どおりの音の展開、
s k bach br
No.5は気品にあふれ、終楽章の快活さが心地よい。
CD1で聴き漏らしていたNo.1が魅力的、2本のナチュラルhornが良い意味で荒々しくもあり、柔らかな味わいもあり、音場いっぱいに拡がる、クリアに整った弦楽と対比が際立ち、この曲の良さを最も味わえるようだ。horn奏者はNo.2でtrpも吹いているJ.F.マドゥフと弟である、
CD2はNo.4、6、2、の順、
No.4は秀逸な演奏、第2楽章を比較的ゆっくり、しなやかな響きで味あわせる。
vnが入らないNo.6も渋いというより、滑らかな美しさが印象強く、終楽章も急がず、雅やかな気品を帯びている。
最後のNo.2は希少な演奏、現代はバロックtrpとして、音程補正孔を設けた半古楽器?のタイプが多く使われるが、クイケンはこれを古楽器と認めなかったようだ、
trp奏者J.F.マドゥフは何の仕掛けもない真正な古楽器であるナチュラルtrpで演奏している、
バッハと同時期の、ゴットフリート・ライヒェのような名手のために書かれたであろう曲を、そのままの楽器で再現している。
002_20200807101226a5e.jpg
ゴットフリート・ライヒェ(1667-1734) *ホルン型に巻いたtrp

No.2のライヴより第3楽章、
trp_20200807102507fa0.jpg
you tube:Bach BWV1047-3
左手は何もせず腰に当てる、

当盤の全曲
bach br you
you tube:Bach: The six Brandenburg Concertos. Kuijken, La Petite Bande

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K.ユングヘーネル:Bach Lute作品集  

O.M.ドンボアやM.シェーファーに続くリュート奏者となるナイジェル・ノース、ヤコブ・リンドベルイ、コンラート・ユングヘーネルらは同世代で、日本でも録音や来日演奏でよく知られた、今村泰典氏も同世代になる、
J.リンドベルイは2度、コンサートに行ったが、その端正な音作りと音楽には驚いた、リュートを弾くというのは小さな紙面に細密画を描くような細やかな技なのだと、
今村泰典氏も録音で聴くとおりの完璧を目指したような達演だった。
 
ユングヘーネルは生で聴いていないが、話では誰よりも大きな音量で弾くと聞いた、録音からもそんな感じが伝わってくる、彼もバッハのLute作品集を録音しているが、
k j bach lute
1984年 DHM
まず荒々しいほどにダイナミックで懐深いのが他にはない聴きどころかと思う、ヴァイスの演奏でもそれが魅力を発揮していた、
k y bwv 997 you
you tube:Lute Partita in C Minor, BWV 997: I. Prelude
なお彼は右手は親指内側奏法のようで、バロックluteのバス弦で頻繁に要する"音止め"にはやや不利である、
oyayubi_20200714101154efe.jpg
親指内側奏法:親指は人差し指に接近すると内側に行く形、
親指外側奏法:親指は常に外側で、親指の側面が弦に近く、止めやすい角度になる、

それでもリュートは鳴りやすい所、鳴りにくい所があり、バッハの曲はよく聴かせたい和音が鳴りにくい所に来たりする;ユングヘーネルは拍を伸縮させる方法でよく聴かせる、
この和音などじわりと弾きたいところで、
bwv995_20200715195222b3f.jpg
BWV995 プレリュードより
"溜め"を置く演奏もあるが、ここは快速を保っている;
k j bwv995 you
you tube:Johann Sebastian Bach - Suite in G Minor BWV995 , Prelude
インテンポで走り抜けるとややあっけない、
バロックではインネガルという拍の伸縮を行なう奏法があって、普通は強拍をやや強めに伸ばし、弱拍を弱めに詰めるが、逆にすることもある、これは同じ音量で鳴ってしまうチェンバロにも有効である、付点もやや強調することになる、
bwv995 cou
BWV995よりクーラント
楽器の難点を補い、さらに軽やかで心地よい拍節感も与える、型にはまったように行なうのでなく、その度合いは微妙に音楽の表情に合わせてやる、
ユングヘーネルは1006aのジーグで特に目立つが、V印のような所に間(ま)を入れ、その前は素早くする、という効果を使っている、
bwv1006a gigue
「素早く跳ねて、ふわっと着地」するような効果は心地よく、ハマってしまう拍節感である、

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M.ダゴスト:Bach リュート作品集  

バッハのリュート作品を自分で弾こうというモチベーションは全くないのだが^^;聴く分には本当に飽きのこない曲が揃っている、もちろん奏者の演奏にもかかってくる。 
リュートによる演奏では今村泰典氏の録音が完璧主義から言うと一つの理想であるが、もう一つ好きな演奏にイタリアの奏者、マリオ・ダゴストの録音がある、
BRILLIANT CLASSICSはお値打ちながら古楽の良い全集ものを出してくる、
M D Bach lite
2012年録音 BRILLIANT CLASSICS
M D Agosto
Mario D'Agosto
ホプキンソン・スミスに師事した人で、師匠譲りの感じもあるが、バロックluteらしい、ゆったり脱力した感覚で聴かせるのが良い、それでいてBWV997や998のフーガ楽章なども各声部が明確で、さりげなくきちんと聴かせる(これが技ありと思える)、
997のジーグにはドゥーブルが続くところ、ジーグの反復にドゥーブルを持ってきている、長ったらしくならず良いアイデアv
995はバッハの楽譜どおりに演奏するにはコントラGまで出る14コースの楽器が必要だが、
sc bwv995
ダゴストは13コースに収めた編曲にしている、
装飾演奏も巧みで、いつも問題に思える995のあまりにシンプルなサラバンド、
sc bwv995 02
この反復演奏も見事、今どきリュート奏者がこの楽譜のまま、ってのは通らないだろう、
1006aではブーレとジーグがだいぶゆっくりだが、十分に含みを持たせた味わいがある、余韻を聴かせる間もなく突っ走るのはリュートに相応しくないのがわかる。
1006aなど曲により変則調弦も用いているようだが詳細はわからない。

you tubeに当アルバムが通して聴けるように挙がっている、
M DAgosto Bach you
you tube:J.S. Bach: Complete Lute Music

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category: J.S.バッハ

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リュートと鍵盤による Bach:リュート作品  

バッハが書いたリュート作品というのはおそらくリュートをイメージした鍵盤曲と思われる。バッハは同時代のリュートの大家、S.L.ヴァイスとも親交があり、関心は深かったと思われ、BWV1025という共同作品も成立している(原曲はヴァイスが書き、それにバッハがvnパートを加え、vnと通奏低音のためのソナタになっている)、 
BWV1025_20200630084505189.jpg
you tube:Sonata for violin and continuo in A-dur BWV 1025
また、BWV995、997、1000はバッハに近しいリュート奏者が編曲したと思われるリュート譜(タブラチュア)が残っている、

G.レオンハルトは早くからこれらの曲をチェンバロで演奏、録音している、流れる主旋律に簡潔なバスラインが付く書法が本来の鍵盤曲にはない魅力だったらしい、ホ短調のBWV996などかなり鍵盤的だがギターに移しやすい曲でもある。
なお、BWV996、997、998はバッハには異例的書法もあり、他人の作という可能性も否定できない、997と998のフーガは中間の喜遊部を終えて、Dal Segnoでフーガの冒頭に戻って繰り返す、バッハにこういう例は他にない、曲は素晴らしいが。
bwv998 tab
今村氏編曲:BWV998サンプル
その後これらは多くのリュート奏者が手掛けているが、d-moll調弦という通常のバロックlute調弦では全ての曲をカバー出来ない、
Lute_Tuning_Baroque13_2020063008450940c.jpg
d-moll調弦
移調するか変則調弦を使うなど、各々の工夫で演奏しているが、それでも通常のリュート曲にはない難しさは多い。かつてはN.イエペスも変則調弦を用い、全曲録音を行なった、
初めはARCHIVからM.シェーファーのところへ全曲録音の話が行き、彼は「無理だ」と断ったと聞く、たぶんリュートの真価を求めるシェーファーにとって、手掛けるべき"宝玉"は無尽にあり、"バッハのリュート曲"は眼中になかったのではないか?

近年の録音で、まず今村泰典氏のリュート演奏を聴くと、今村氏は音楽に対し完璧主義のようで、変則調弦で原調を尊重、またバロックluteではバス弦は開放のみで弾き、鳴りっぱなしになるところ、きちんと止めて、全声部がくっきり繫がり鍵盤演奏のように聴かせる大変なテクニックである。
変則調弦では必要に応じ弦を張り替えるらしく、生の演奏会は成立しないだろう。
Y I bwv1006a
you tube:Lute Partita in E Major, BWV 1006a: VII. Gigue

もう一つ興味深いのはラウテンヴェルクによる演奏、この楽器は現存するものがなく、どんな構造だったか不明で、現代は小型チェンバロにガット弦を張った楽器を想定して作られる、
参考:ラウテンヴェルクによる、BWV1000
L W BWV 1000
you tube:J.S.Bach: Fuga in sol minore BWV 1000
エリザベス・ファーはラウテンヴェルクで鍵盤ならではの良さも大いに聴かせるが、リュート風のじっくり足もとを決めるようなアゴーギグも入れて、それが何とも良い味わいである。
E F bwv1006a
you tube:Lute Partita in E Major, BWV 1006a: VII. Gigue

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J.S.Bach:Cemb Con No.1 (2枚)  

レコード盤の持ち方として、音溝部分には手を触れないのが常識、触れてもよいのは盤の端と中央のレーベル面のみ、筆者はこのように左手で持ち、中央の穴に薬指を当てるのが習慣づいている、これが結構滑り止めになり、クリーナーで拭くにも安定する。 
lp hold
手のひらは触れていない
このT.ピノック:バッハ、チェンバロ協奏曲のLPは発売当初に買ったので、40年程になるが;ジャケットはまだ新品の感じだし、盤の音質も摩耗した様子なくクリアである、
pino bwv 1052 lp
トレヴァー・ピノック:cemb,指揮 イングリッシュ・コンサート
アルヒーフ 1979年

性質上、慎重に扱うおかげでCDよりも長持ちかもしれない。
昨日はふと聴きたくなって針を下ろした、バッハの他の協奏曲には甘美な旋律を持つ曲もあるが、BWV1052のユニゾンで始まる鋼のような主題は引き付ける力がある。
pino bwv 1052 lp2
古楽演奏も定着して長くなリ、チェンバロ協奏曲No.1 BWV1052も様々な盤を集めたが、
ピノックが1979年に録音した当盤は少しも古く感じない、全楽章インテンポ基調で鮮やかなテクニックで整然と進める演奏はいつまで経っても良い、
第1楽章で原曲vnの技法(同音異弦)をそのまま移した部分、
20190926095943294_20200527092042bb1.jpg
ここは下鍵と上鍵を交互に使ってレガートに響かせる、
終楽章のキレの良さはその後の音盤にもなかなか無かった。
t p bwv 1052 you
you tube:Bach - Harpsichord Concerto No.1 in D Minor BWV 1052
*全楽章続いて再生される
↓これは同録音をLP盤から起してあり、ピッチでわかるが、テーブル回転が少し速い;
t p bwv1052 02
you tube:J.S. Bach Harpsichord Concerto in D minor BWV 1052

近年出た演奏で気に入っているのが、フランスのJean Rondeauが演奏したもの、各パート1人ずつの編成で、バスのバランスがしっかりしてくる、
快速でRondeauの鮮やかなテクニックが魅力、
j r bwv 1052 you
you tube:Bach: Harpsichord Concerto No. 1 in D minor, BWV 1052 - Jean Rondeau

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ダブル・コンチェルト Ⅰ  

ソロ楽器が活躍する協奏曲は無数にかかれているが、傑作の多くはソロ楽器1つの作品に集中する、しかし数こそ減るが、ソロが2つの曲なら結構名作がある、

J.S.バッハは生涯、国外に一歩も出ることなかった、若い頃、兄が所有する多くの楽譜を書き写したという話をなにかで読んだ憶えがあるが、そのなかにヴィヴァルディ、マルチェッロなどイタリアの作品もあり、その音楽趣味も学んでいったと思われる、旋律美をもった協奏曲がいくつも書かれ、後世でもよく演奏される要素だろう、どれを聴いても"バッハ風"だが^^
特に親しみ易い名作が2つのvnの為の協奏曲BWV1043、vnとobの為の協奏曲BWV1060(R)だろう、BWV1060は原曲譜が残っておらず、バッハが編曲した2台のcembの為の協奏曲ハ短調BWV1060として残るのみ、 
bwv 1060
bwv 1060 01
you tube:Concerto for two harpsichords in C minor BWV 1060
cemb:クリストフ・ルセ、クリストファー・ホグウッド

BWV1060(R)は復元された方で、原曲はvnとobがソロだったと推測され、各々の楽器の技法に合った書法である、両楽器に適したニ短調に移調するのが普通だ、
bwv1060r.jpg
*↑この譜例はハ短調で書いてある
bwv 1060 02
you tube:Bach - Violin Concertos BWV 1060 - Elizabeth Wallfisch 432Hz
E.ウォルフィッシュ(vn)、A.ロブソン(ob)
確かにobが1本入って蘇るような曲である。

ここで、過去も取上げた面白い演奏、まずはobパートもvnで弾いた、A.マンゼとR.ポッジャーによる演奏、obのときと違い、ソロvnが合奏と重なるとソロが消えたようにきこえる、
bwv 1060 03
you tube:Johann Sebastian Bach, concerto for two violins d-minor BWV 1060, Manze/Podger

もう1つはソロの1つをvn、もう1つはcembが弾く、という演奏、調はハ短調をとっている、
bwv 1060 04
you tube:Concerto for Two Harpsichords in C Minor, BWV 1060 (arr. for violin and harpsichord) :
I. Allegro II. Adagio III. Allegro
V.ムローヴァ(vn)、O.ダントーネ(cembと指揮)
現代もいろいろ楽器を入れ換えて楽しめるが、これは当時もよく行なわれたようだ。

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C.アバド:Bach Brandenburg Concertos  

かつて、バロックを親しみ易い演奏で現代に広めたイ・ムジチは功労者であるが、古楽演奏が定着してきた'80年代にどんな演奏をしていたのか、バッハのブランデンブルク協奏曲を聴いてみた、管楽器奏者はゲストを迎える必要があるが、flの巨匠、S.ガッゼローニを迎えたNo.5では一際昔に戻ったスタイルにきこえる、 
Musici, I 1984
you tube:バッハ:ブランデンブルク協奏曲第5番 BWV 1050 イ・ムジチ 1984
M.シルブがリーダーだった頃の「四季」では通奏低音にLute属を使い新鮮味を加えたものの、演奏は変わり映えしなかった。
I Musici - 1995
you tube:Vivaldi - Op. 8 incl. the Four Seasons - I Musici - M.Sirbu - 1995
この後、アンセルミの時代からのイ・ムジチはよくわからない;

モダン楽器によるバロックでもこんな演奏だったらいいな、と思っていた演奏を代わりにやってくれたのがC.アバドとモーツァルトOだった、
アバドは巨匠指揮者の中でも時代の変化に合わせ進歩を見せた人である、アバドのブランデンブルクと言えば、1974年のミラノ・スカラ座メンバーとの録音があるが、まったく転身している、2007年のメンバーはvnのジュリアーノ・カルミニョーラ、cembのオッタヴィオ・ダントーネほか古楽奏者の人も多い、アバドは監修者というところだろう、
abbado bach br
クラウディオ・アバド:concertatore
Orchestra Mozart 2007年4月 DG

これがライヴ録音というのに驚いた、そういえば聴衆席の物音が僅かに入る、
面白いのは管楽器はすべてモダン楽器で、リコーダーもモダンタイプと言えるハーモニック・リコーダーを用いている、奏者はミカラ・ペトリ、
Harmonic recorder
ハーモニック・リコーダー:音域を拡張してある
一方、弦楽器は本体はモダンだが、バロック弓を使っているというアイデアだ、腰のある響きだがタッチはしなやかである、古楽奏法の魅力とモダン楽器の機能を融合させた、一つの理想といえようか。
Abbado Brandenburg 2
you tube:Bach: Brandenburg Concerto No. 2 in F major, BWV 1047
*アンコールがあり、第3楽章を演奏、M.ペトリはソプラニーノ・リコーダーに持ち替えている、
Abbado Brandenburg 5
you tube:Bach: Brandenburg Concerto No. 5 in D major, BWV 1050
br no 6
you tube:Bach: Brandenburg Concerto No. 6 in B flat major, BWV 1051

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