Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

ブリュッヘンのハイドン86番  

86番という曲は古楽オケにも大いに期待を寄せてしまいます。
F.ブリュッヘン、18世紀Oは'88~'89年に88番とのカップリングで一度録音していますが、'96年にもパリ・セットを全曲録音しているので、86番だけは2つの録音があります。

bru 86

まず'88~'89年の旧盤、CDフォーマットとしては随分時間を余らせているのに凄みを感じます?、
86番は序奏はあまり遅くせず、すんなり主部にもっていく感じです、主部のテンポは急がず曲の構成を深く聴かせていきます。低弦の深み、ティンパニの程よいパンチが一段と彫りの深さ、緊張感を与えます。この曲のティンパニのリズムのとり方はスマートな足取り、そこがしっかり聴けるのもいいです。第二楽章以下も同様にしっかり内容を味わえる好演です。
次に'96年の録音ですが、演奏時間は若干速まっているものの演奏内容に大きな変更はないようです、ただ録音の響きが旧盤よりおとなしく、バランスや明瞭度はわるくないですが、旧盤のような濃厚に音が押してくる感じが乏しいようです。ここはトーンコントロールである程度補えますが、どちらを聴きたいかというと旧盤ですね。ブリュッヘン盤は録音の影響も大きいでしょうが新盤になるほど穏やかになってしまいます。'87年録音の101番&103番などは鮮烈な爆演に聴こえたのですが;

category: F.J.ハイドン

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B.ワルターのハイドン86番  

ロンドンSOを指揮した、1938年という古い録音、アナログ盤から音を取ったもので針ノイズもかなり聴こえますが、演奏内容はしっかり聴ける、弦などは艶やかなくらいで大したものです。
ワルターの演奏法としては100番やモーツァルト40番のゆったりした演奏とは随分違ったものですが、情熱的なのは共通ですかね。

sym100

木管で鄙びた雰囲気で始まりますが、気品のある壮麗な序奏です。
主部はハイドンらしい楽しさいっぱいの主題で始まります。ワルターは初めからハイテンポですが、さらに加速、フルトヴェングラーも真っ青なアゴーギグが行われます。元気な第一主題から快調さを一時鎮めるような短い第二主題らしきものが現れたところでぐっとテンポを落とし、再度加速、また転調したところなどでも柔軟なテンポの伸縮を図り、自然に流れに乗せられる感じです。展開部は第一主題の一部が連続したあと、第二主題を挟み、第一主題が短調で入り、"明るく展開部を終らせる"←ここが無邪気なほど楽しい。さらに再現部から最後まで魅力たっぷりに聴かせます。第一楽章は「魔笛」序曲を思わせる部分があります?
86番の魅力を一段と高めているのが第二楽章カプリチォです、変化と深みに富んだ楽章でワルターの得意とするところでしょう。
メヌエットは典雅ですがカプリチォを引きずっているかのように感傷的な表情も見せます。トリオは平和で田園風。
終楽章は軽快で88番を彷彿させる展開部をもった充実したもので、第一楽章同様、ワルターの表現が効いて魅力が倍加したように痛快です。

category: F.J.ハイドン

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C.アバドのハイドン102番  

ハイドン102番特集10弾目;ここらでキリにしたいと思います。次は86番あたり、いこうかと・・
C.アバド、ヨーロッパ室内Oは最初、93番と101番のアルバムを出しましたが、秀演ながら、ところどころ型にハマったようなスラーをかけるのが妙に耳にこびりつき、神経質にも感じたのですが、その後購入した98番と100番のアルバムは、すっきり程よい感じに変わり、最後に出た102&103番など希少な名盤に思えます。

abb 102

よく聴くと弦楽の音一つ一つにソロ演奏並みのデュナーミクがあり、さすが大物指揮者の技を感じます。同じ室内オケのJ.テイトはよい意味で、さらりとした自然体でしつこさがないのがいいですが、積極的な演奏も成功すれば素晴らしいです。
アバドの102番、テンポ設定は私にとってツボです^^すべてちょうどいい、速すぎない第1楽章、遅すぎない第2楽章、快活なメヌエット、速いけどビシっと決まった終楽章。コントロールの行きわたった演奏を4D録音がくっきり捕えています。ティンパニは古楽器のようで、フェルトなしのマレットのバンとした音です。小作りながらハッキリ出る音はモダンの室内編成にも効果的ですね、存在感たっぷりです、(103番はさらに魅力的です)アバドは古楽演奏家ではないけど、ピリオド指向の良いものは取り入れるようで、ハイドン交響曲のシリーズ化を期待しましたが、中断したのが残念。

PS. 102番のまとめ・・(ムリにまとめなくてもいいですが;)
10の演奏を聴いて、特に好印象なのはクイケンとグッドマンです。バーンスタインとカラヤンは持ち前の味ですかね。強い印象はないけどスッキリ聴きやすいのはテイトとラトル。ほかもそれぞれのアプローチで102番の美味さを掬いあげています。また順繰りに聴くと楽しそう。

全集のフィッシャー盤は残念ながらミキシングの失敗か?とても聴ける音ではなく、評価のしようがありません;
R.ノリントン、LCP盤もありますが、私の期待とは90°違います、N響を振ったモーツァルトを思い出しても・・?最近、評判の高いミンコフスキ盤は保留しています、あらためて。

category: F.J.ハイドン

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シュナイダーハンのベートーヴェンvl協奏曲  

昔、ヘリオドール盤で購入して、針を降ろしてすぐ、素晴らしい音が聴こえてきた録音です。再び聴きたいと思っていたところ、タイミングよく復刻CDが出ました。
ヴォルフガング・シュナーダーハン:vl、オイゲン・ヨッフム指揮:BPO
会場:ベルリン・イエス・キリスト教会、エンジニア:G・ヘルマンス、'62年DG録音
この顔ぶれだけでわくわくしますね^^程よく渋みを帯び、ふくよかなサウンドがじつにいいです。

be vl

この頃録音されたBPOのティンパニってどれを聴いてもいい音なんですね、その落ち着いた4打で始まります。ヴァイオリン協奏曲というとソリストのスリリングな妙技を聴かせるものもありますが、ベートーヴェンは中身で聴かせるほうですね、シュナイダーハンは派手なところはなく、端念な美音で堅実に演奏を進め、この曲にはとても好ましく思います。第1楽章はあまりテンポを遅くせず、大袈裟になっていない、オーケストラも重厚だけど適度で、重すぎないところがいいです。
興味深いのが、カデンツァです、ベートーヴェンはこの曲のピアノ編のほうにだけカデンツァを書いていますが、それをシュナイダーハンがヴァイオリン用に編曲、ティンパニを伴ったヴァイオリン・ソロとなっています。ピアノ版と比較するのも楽しいです。この演奏ではティンパニは冒頭部分の4打と同じ雰囲気で、弱音表現が基調となっています。先日のドラホシュ盤、ピアノ編では結構派手に鳴らしていて、そこは"現代的"かも知れません?
この曲のカデンツァはクライスラーの作がよく演奏されますが、ヴァイオリン1本で主題が2声でカノン風に弾かれる部分など聴きどころで、これも素晴らしいですけどね。
心清める第2楽章、ここはもう奏者の滋味あふれる音に身を委ねるだけです、ますます内面的になったあと全弦が突如緊張させ、ヴァイオリン・ソロが第3楽章を弄りだし、低域でテーマを弾くと、ここでほっと安堵感がありますね、バックのヨッフム、BPOも手慣れたもの、安心の終楽章です。

category: ベートーヴェン

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アーノンクールのハイドン 交響曲第102番  

ハイドン102番、9弾目、アーノンクール指揮、RCOです。
101~104番と特に聴きたいどころが入った2枚組です。

har 102

序奏部分からRCOの上手い響きが聴かれます、が、甘美で穏やかな演奏をアーノンクールがするはずはない^^期待どおり鋭い表現が出てきます。しかしピリオド奏法を徹底しているわけでなく、根幹的なところに古楽演奏の成果が取り込まれているようです。柔和な曲ではない102番ではとても効いてくる感じで、第1楽章からガチっと聴かせます。第2楽章では弱奏で鳴らされるティンパニもくっきり聴こえるのはいいですが、ミュート・トランペットの聴こえる箇所がほとんどないのが惜しい?第3楽章は第1メヌエットが鋭く踏み込むように演奏され、第2メヌエット(トリオ)はテンポを緩め大らかになり、再び第1メヌエットの鋭さと対比させます。メヌエットが終わるとほぼアタッカに近い間で終楽章に入ります。全楽章、集中させる手段ですね。
102番第1楽章の展開部から再現部、終結部と盛り上がったまま行く魅力は100番でも聴かれ、好きなところです、演奏もそこを満足に聴かせてほしいですね。アーノンクールは筋金の入ったような構成感で演奏していると思いますが、録音の解析度が今ひとつかな?やや曖昧に聴こえるところがあります。

category: F.J.ハイドン

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ベートーヴェン ピアノ協奏曲ニ長調(原曲vl)  

きょうは、ハイドンお休み。
過去に放送で聴いて興味もっていたベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲原曲のピアノ協奏曲です。
作品自体が傑作の森の一員なので、楽器がかわっても何ら聴き劣りない記憶でした。第一楽章の瞑想的な部分もピアノなりに素晴らしいですね。
といってもCDはあまり種類が出ていないようなので選択範囲も小さいです;NAXOSでハイドンなど好演しているBela Drahos指揮、Nicolaus EsterHazy Sinfoniaのバックに期待して選びました。

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正解でした、最初のティンパニの4打からじつにいい響きで安心します。大編成の重厚な響きではないが、気持ち良く整ったアンサンブルを聴くだけで満足感があり、ちょうど良い編成に感じます。このまま原曲のvl協奏曲やら、交響曲も録音してほしいくらい。テンポも程よく快調、ピアノ・ソロもこの編成に合わせた弾き方。ベートーヴェンは原曲のvlパートをほぼそのままに適切な左手パートを加え、自然なピアノ・コンチェルトに見事仕上げていますが、ベートーヴェン自身の書いた型破りのカデンツァも聴きどころです、結構長く、ティンパニとの二重奏と言えるくらい、最後のほうではこの曲の前奏部分をこの2楽器で再現します。第二楽章の静寂、第三楽章の活気もピアノにぴったりはまる編曲は見事。
録音は適度に肉厚なウォームサウンド、ピアノはくっきり浮かびます。

category: ベートーヴェン

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S.ラトルのハイドン102番  

ハイドン102番特集?8つ目、もう少しだけ続けます^^
サイモン・ラトル指揮、City of Birmingham Symphony O.による22番、102番、86番の入ったものですが、優れた内容ながら比較的演奏、録音の少ない曲を集めているのに共感しました。

s r 102

モダン・オケによるピリオド・スタイルの演奏で今では珍しくありませんが、以前、R.ノリントンがN響を振って、モーツァルト39番を演奏している放送を見ましたが、N響が、ってところが新鮮でした^^
こちらもバーミンガム市交響楽団、モダン・オケによる秀演かと思います。
いろいろ102番を聴いてきた中、R.グッドマンを聴いたあとなど、標準的でおとなしめに聴こえますが、不満というわけではありません。誇張を控え、純粋に曲の良さを聴かせようとするとこういう演奏になるかなと思います。活気のある楽章ではスタカートぎみの表現だけでなく、要所要所で弦をレガートにして変化を与えています、第3、第4楽章ではホルンを朗々と鳴らし、和声感のある良い響きなのが印象的です。録音がもう少し透明で音場感豊かであれば、とても魅力的な1枚となったかもしれません。

なお、カップリングされた86番ですが、これは82番「熊」や88番とも対等か凌駕するような傑作かと思います。第1楽章の堂々たる内容、また終楽章もがっちり充実したソナタ形式で第1楽章に持ってきてもよさそうな曲です。ラトルがアルバムの最後に入れているだけに、最も聴かせたかったのが86番なのかもしれません。

category: F.J.ハイドン

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金冠日食  

みなさんの所ではご覧になれたでしょうか、私の所は北の端ぎりぎりの金冠でしたが、どうにか天気は回復して、見ることができました。もうちょっと南の中心に近いところで、リュートの奇士さんが見事に撮影されたので、紹介しておきます。
リンク→「わが窓より行け ブログ

平安時代以来の希な現象を東海地方は雲が移動して、かろうじて見られました、ここんとこ良いことがないので、開運の兆しになってほしい・・などと願ってしまいました^^;

category: 科学・自然・雑学

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J.L.コボスのハイドン「驚愕」  

今日はリュート教室で各自のレッスンを互いに公開し、参考にし合う「クラッセン・シュトゥンデ」という集まりをやりました。軽い発表と交流会も兼ねたものですが、今回は人数が多く長時間で、聴いていただいた方もしんどかったと思います。来年は良い会場を借りて、本格的発表会にする話です。"発表会"というと妙にプレッシャーですね;;

帰宅して一息、今日は102番はお休みして、ヘスス.ロペス.コボス指揮、ローザンヌCOのハイドン101番、94番、100番の入った名曲盤から「驚愕」を聴きました。103番、104番では何だか録音が小作りに感じましたが(錯覚かもしれません;)こちらは十分豊かに聴こえgoodです。

94 100 101

94番といえば第1楽章主部の演奏時間が最も長い曲ではないでしょうか、第1楽章のウエイトが大きく、ここがつまらない演奏だと"没"ですね^^;いわゆる交響曲としての構成が一段と巧みで充実感があります。一曲の中に全てを盛り込むことは出来ないので、この曲も個性をもった一つの傑作となりますが、優れた演奏で、あますところなく、録音されていないといけません。
私が最初に親しみ、刷り込まれた「驚愕」はカール・リヒター、BPOの録音でした。お察しの通り演奏も緻密なら録音も緻密な音源で、以来、各パートの交わり合う音を克明に聴くことが必然となりました;一例で言うと第1楽章提示部の中で弦がトレモロを弾くところがあります、第1vlが次の旋律に進んでも第2vlがトレモロを維持しています、←このトレモロが埋もれて主張がないと、シンフォニックな大事な要素が半減したみたいなんですね;第2vlの対等な存在感がほしいです、同様なことが全てのパートのバランスで言えます。

何気なく購入したコボス盤ですが、全曲なかなかの秀演で、ワンポイント・マイクながら、リヒター盤以来の明晰なバランスで聴けます。演奏自体バランス感覚に優れていますが、例のトレモロはくっきりエッジを立てた演奏になってます、押すべきところはドンと押し、乱暴さのない快演で、101番、100番もツボを押えています。102番の録音がないのが残念。

category: F.J.ハイドン

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R.グッドマンのハイドン102番  

ハイドン102番、7弾目は古楽オケ、ロイ・グッドマン指揮、ハノーヴァー・バンドです。
飽きないんですね、102番中毒?^^

roy 102

やはりR.グッドマンは只者じゃない・・
まず、vl奏者の指揮らしく?弦の表現が繊細、極めて弱音から幅をもたせた強弱表現で、ボリュームを下げすぎたと思うと、あとでドカっときます;
またこの演奏ではグッドマン自身がフォルテピアノで通奏低音を弾き、まさに合奏を整えるようにハッキリ聴こえ、心地よいです。そしてティンパニが後方じゃなく前で叩いているかのように響き、これも痛快。
第1楽章は速めのテンポですが、これが普通と感じるような活気に満ちています。第2楽章がすばらしく、変化に富んだ見事な楽章ですが、弦や木管がノンヴィブラートながら細やかに表情を付けながら進みます、ティンパニも緩叙楽章とは思えないダイナミズムを表し、弱音器を付けたトランペットも存在感強く出ます、この音色を聴くと古典派音楽じゃないような錯覚をうけます;第3楽章メヌエットはもともとアレグロですが、まさに3拍子が1拍と感じるように快活。第4楽章はバーンスタイン盤に迫る速さ4分27秒です、速くてもビシっときまり、ここでもフォルテピアノが曲の輪郭を整えるように効果的に聴こえます。
録音はクイケン盤のような爽快な広がりはありませんが、この緊密な演奏にはちょうどいい響き方かもしれません。グッドマンは103番を録音していないのか?欠落しているのが残念。

ここまで切れ味鋭い演奏を聴いたあと、カラヤン盤を聴いたらどんなもんか?第3楽章だけ聴いてみました、←これはこれでイイんですね^^

category: F.J.ハイドン

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C.デイヴィスのハイドン102番  

最近は物置のダンボール箱に詰め込んであったCDを徐々に自室へ戻しています。そんな中にあらためて聴くと名盤だったりするものがあります。紛失したと思いこんでいたCDが出てきたりして、サー.コリン.デイヴィス、RCOのロンドン・セット12曲を2集に分けた2枚組ですが、これも重複購入という大ドジをやらかしました;中身はまったく同じ、変っているのはPHLIPSからDECCAへレーベルが移っていることだけです。どうせならもう1集のほうを買えばよかったわけで^^;まあ残りの曲も1枚盤であつめましたが、、

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さてこの中の102番です。
デイヴィスのパリ、ドーニ、ロンドンのセットは粒ぞろいの名演として評価する人も多いようですが、私も本当に気に入っています。ブリュッヘンとは異なり、音楽の料理法としては伝統的なものでしょうが、それなりに最高に上手い(美味い)。
オーケストラ音楽はいつも各セッションのバランスを気にしてしまいますが、ハッキリ聴こえてほしい第2vl、木管のパート、ドンと鳴って引き絞めるティンパニ、等々これらがすべて上手く演奏、録音されています。テンポは速すぎない範囲で快調、重すぎず軽すぎず、ちょうどよい量感を持った全体の響き。これだけ条件が揃えばおのずと102番もしっかり味わえるというものです。また、RCOの演奏もしっとりと一体化した弦楽、木管も性質を合わせていて、序奏の始まりを聴いただけで、BPOと互角なくらい上手い、と感じさせますね。これでデイヴィスは余分な"尾ヒレ"なく、ごく自然なハイドンを聴かせてくれます。

category: F.J.ハイドン

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ブリュッヘンのハイドン102番  

ハイドンsym102番特集?5弾目です^^
F.ブリュッヘン、18世紀Oといえば、最初に買ったのがハイドンの101、103番の新譜CDでした。
当時、新譜は3000円というのが決まりで高価でしたが、出費に悔いなし、こんな演奏があり得るのかと驚きました。特に101番は多くの演奏に耳馴染んできただけに、今まで気付かなかったこの曲に内在する味わいやエネルギーをフルに開放して聴かされたような爆弾的快演でした。その後も新譜が出るのが楽しみでした。
で、102番ですが期待どおりの快演。

bru hay 102

ブリュッヘン自身、「シンフォニーとは聴衆にショックを与えるものだ」と策士的表情で語っていましたが^^言葉どおり、トゥッテイでのティンパニの打ち鳴らし、思い切った豪奏によるダイナミズムもあれば、極めて繊細な表現もあり、レガート音、すぱっと切る音、これらの対比の心地よさ、各楽器音は団子にならず、曲の構成も明晰に聴こえる、こうした古楽オケの強みはその後のS.クイケンの演奏でも競合し、モダン・オケの表現にも影響を与えていったようですね。

category: F.J.ハイドン

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ハイドン リュート四重奏  

市内の書店ではいつもクラシックの室内楽を流しているところがありました。特に音楽を聴く態勢でないとき、何かの用事の最中、耳に飛び込んでくる曲がとても良く感じることがよくあります。ある日、聴き覚えのある弦楽四重奏が聴こえてきました、あのハイドンのリュート四重奏でお馴染み、Hob.Ⅲ:8の原曲です。さすがに原曲は明快で聴きやすい^^この頃のハイドンは後期のようなポリフォニックな書法を入れた本格SQではなく、喜遊曲的なもので、メヌエット楽章2つをもつ5楽章でした。しかし、それなりに溌剌とした魅力をもった曲なんですね。

lute hay

さっそくNAXOS盤のKodaly Quartets(右)を買って原曲を楽しんだ次第です。細やかに表情をいれた佳演ですね。
もう一つ(左)はリュート奏者、ヤコブ・リンドベルィとドロットニングホルム・バロック・アンサンブルのメンバーのスウェーデン・チームによるリュート四重奏編です。今のところこれが最高かな?これは分解能よく聴けるシステムで聴く必要があります。第二vlは弱音器を付けて音量バランスをとっているようですが、リンドベルィは低音弦の長い響きのより豊かな13コース・リュート(ジャーマン・テオルボ)を使っているようです。リュートは元の第一vlのパートをオクターブ低く、またチェロ・パートの低音を適宜取り入れて弾くようになっています。
軽やかな高音弦と余韻豊かな低音弦の響きで原曲にはなかった雅びな雰囲気が味わえます。演奏は難しいですけどね^^;
動画サイトに、これはというのは見当たらなかったですが、このギター・デュオ→Hob.Ⅲ:8 1stは上手くまとめていますね。

category: F.J.ハイドン

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S.クイケンのハイドン102番  

こんどはS.クイケン、ラ・プティット・バンドによるロンドン・セットから、102番です。
モダン・オケ、古楽オケといろいろ聴いた中、私としては特に気に入りました。
弦の編成は1st-vl:7名、2nd-vl:6名、va:4名、vcとkb:3名ずつそれに2管編成とテインパニでほぼザロモンのオーケストラに近い規模かと思います。

kuijken hay

クイケンはこのロンドン・セット録音に特に力を入れていたようですね。コンマスが寺神戸亮、チェロに鈴木秀美も入った多国籍オケですが、見事に調和したサウンドを聴かせます。
弦楽器奏者が指揮をすると、弦楽パートがとても味わい深いのは私の思い込みでしょうか、この演奏は一際美しく、弦奏者の質が揃っていて一本の楽器のように聴こえ、分厚くはならないけど、透明ではっきりしています。各奏者とても集中力の要る仕事かと思います、リハーサルはハードだったそうで。第一楽章序奏や第二楽章でこの響きに魅了されます。
ロンドン・セットはいずれもオーケストラ音楽の味わい、楽しさを出しきったような作品ですが102番も期待どおりに演奏してくれます。第一楽章は快活ですが速過ぎず、構築感をしっかり味わえます。第二楽章はゾクっとくるほどの透明な弦楽を表情豊かに歌わせます。
録音がピラミッド・バランスで音場が広く、鮮明な高音、量感豊かな低音、各パートが分離して曲の構成が聴こえてきます。第2ヴァイオリンが対等に切れ味よく入ってきます。
特に第一楽章、弦や木管のみの弱奏と総奏の押し出すダイナミズムの対比がこたえられません^^とても"高貴″な印象を与える演奏と録音です。
他の曲もすばらしいですが、あらためて。

category: F.J.ハイドン

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ピアノ協奏曲22番、24番  

モーツァルトのピアノ協奏曲といえば、長いことフォルテピアノと古楽オケの演奏ばかり聴いていました;久しぶりのモダンです。特にこの22番や24番は元気で気合い入ってて好きな曲です。

ヴィルヘルム・ケンプ(p)
ベルンハルト・クレー指揮、バイエルン放送SO:22番変ホ長調('77年)
フェルディナント・ライトナー指揮、バンベルクSO:24番ハ短調('60年)

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22番は前奏部分からして、シンフォニックに楽しませます、第二楽章の変奏も凝っていますね。第二楽章の楽想は古典派の域を抜けて、シューマンの時代を思わせる内容です。
W.ケンプはこの録音時には82歳、指さばきも少々ぎこちなさがありますが、それだけに一音ずつが尊くも感じます。バックのクレーはN響の指揮台に立ってハイドンの「オックスフォード」を指揮していたのを憶えていますが、古典派はお得意のようで、ここでもバランスのとれた小気味よい演奏を聴かせ、そこにケンプのピアノがくっきり浮かぶ響きがいいです。

24番はモーツァルト短調作品の傑作でもありますが、前奏から凄みがあっていいです、この録音ではケンプ65歳、巨匠として活躍のしどきですね、さすがに安定感があります。
ライトナー指揮のバンベルク響は低音や内声によるリズムと和音をしっかり響かせ、切迫感があり、濃厚です。

category: モーツァルト

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ディベルティメント&アイネ・クライネ・・  

バロックリュートでは華奢なボディにたくさんの弦を張るというリスクから、おのずと弦のテンションは限界があり、緩く張るしかありません、シングルの1コースは3.6kg前後、ダブルに張るコースでは1本、2.5~2.7kgくらいですね。それでもトータルで大人一人分の体重になる恐ろしい^^;負荷です;
一方バロック・ヴァイオリンの話を聴くと奏者によって(演奏曲目によって)テンションの設定に開きがあるそうです。弦は4本張るだけなので強めに張ってもさほどリスクはないようですね。

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エクルンドのバロック・トランペット協奏曲で美しいバックを演奏している、Drottningholm Baroque Ensembleによる、モーツァルトのディベルティメント及びアイネ・クライネのCDですが、これを聴くとだいぶ弦は緩い設定に聴こえます?弓や奏法も大きく影響するでしょうが細い弦の繊細な感じですね。一部リピート部分で、装飾も入れたエレガントな演奏が楽しめます。

動画:Divertimento D-dur KV 136 1st

バロックのコレッリの合奏協奏曲などはこうした、しんなりした透明な響きの弦楽が抜群に魅力を発しますね。

category: モーツァルト

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フリッチャイのJ.シュトラウス  

フェレンツ・フリッチャイ指揮、ベルリン放送響による、J.シュトラウスのワルツ、ポルカ集です。割高な出品物しか見当らなかったところ、フランスで出ていた輸入盤がお値打ちでありました、D.Gイエローの簡易なケースがおしゃれでエコです。

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こんな名盤があったとは、見逃していました。本場ウィーンのオケじゃない、という先入観で重視されなかったとしたらもったいないです。ウィーン響の指揮台にも立っていたフリッチャイがあえてベルリン放送響にしたのは、本場の情緒に頼らず手兵のオケで真っ当な音楽にしたかったから・・?とか想像しちゃいます・・;とても新鮮、まるで、ドヴォルザークか、スメタナの管弦楽曲のような充実した音楽に聴こえます。それでいてシュトラウスの洒落っ気やユーモアもちゃんと心得ているし、フリッチャイの弦楽の魅力、ブラスの豪快かつ澄んだ響きも素晴らしい、打楽器もビシっと入り、'61年D.Gの録音も一段と気合入った感じで見事に収録しきっています。(この環境でブラームス1番だけでも録ってほしかったですネ;)
最初の「こうもり」序曲がシンフォニックで抜群、"「エグモント」序曲"同様に神妙に聴いてしまいました;
アンネン・ポルカの意外な充実感、速いポルカは切れ味よく、ラデツキー行進曲は似たり寄ったりの演奏しか記憶にありませんが、当盤は木管&ブラスの響きが目覚ましく、こんな気の引き締まる演奏は聴いたことがありません、まさに精鋭部隊の謁見パレードみたいな^^皇帝円舞曲はじめワルツも気品に満ちています。「ウィーンの森の物語」ではツィターのソロが大変美しく好録音で収まっています。ハープの音などもはっきり捕えた秀逸な録音ですね、のちの4D録音を聴いた耳にも遜色ありません、大満足の1枚です。

category: その他・ロマン派

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J.テイトのハイドン102番  

このところ、いろんな演奏で102番にハマっています、第一楽章は再現部、終結部に至るまで展開部が続いているような充実感、終楽章もロンド形式風なのが変奏曲同様に多様な要素を盛り込めるのか、フガートを用いたり、変化に富んだ構成。ハイドンは次の時代の準備ともなる新しい試みもやっているような骨組っぽいものも感じます、ベートーヴェンやシューベルトもハイドンのスタイルが多分に基盤となっているように思われます。

「太鼓連打」がとても良かったジェフリー・テイト指揮、イギリス室内Oですが、102番と104番が手元になかったので取り寄せ、これでロンドン・セット12曲が揃いました^^なぜかこの盤だけ、EMIのシンボル、エンジェルが大きく描かれています。

テイト 102

テイトの102番は期待どおりの演奏。特段、誇張した表現もなく、ごく自然に聴かせてくれます。実際には磨き抜かれたアンサンブルでしょうが、肩の力が抜けた、良い意味で大らかさを感じ、室内編成でもダイナミズムの量感不足を感じないんですね。各楽器のバランスも良く濁ったような響きがないのもいいです。
おなじ室内編成のヘスス・ロペス・コボス指揮、ローザンヌ室内Oを聴くと、じつにキチンと整った優秀な演奏ではありますが、ややハリキリ感が目立って?ゆったり、ずっしり感に乏しいんですね;(PS.これは録音のせいか、私の錯覚かもしれません)

category: F.J.ハイドン

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