Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

J.M.クラウスの室内楽  

このアルバムは入荷まで日にちがかかりましたが、待った甲斐がありました。
バロック・ヴァイオリンのヤープ・シュレーダーほか古楽演奏家達による名演です。総演奏時間78分!充実して楽しめる1枚です。

しかしこの表紙の絵!チェンバロの蓋の絵のようです。楽器は西洋楽器ですが、奏者達はいったいどこの国か?
kraus kam

1.ピアノ・トリオ ニ長調 VB172
2.ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ニ短調 VB158
3.ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ハ長調 VB164
4.フルート五重奏曲 ニ長調 VB184

ハイドンが身を置いていたエステルハージ宮は音楽の中心地から離れた場所だったのが幸いして、ハイドンに独創性を与えたと言われますが、クラウスもひょっとして似た立場だったかもしれません。古典派様式であることに違いはないのですが、どこか並行世界の中心層から少し離れたような不思議な雰囲気を感じます。

1.はfp、vl、vcの典型的な3楽章のトリオでとても親しみやすく、センスの良さが光ります。クラウスらしい、すぐわかる独特の旋律趣味が聴き取れ、これが一味違う音楽のキレの良さともなっています。
Trio in D-major, VB 172 - Allegro

2.は興味深い曲で、クラウスの短調作品共通の魅力を持つとともに、バロックのソナタと融合したような不思議な味わいです、ソロ・ヴァイオリンに低音の対旋律があり、チェンバロとvcで演奏されます。第一楽章展開部の終りに突如緩叙部分が入り、ここがコレッリのvlソナタあたりをふと連想するのが味なところです。ここでのソリストNils-Erik Sparfはリピートで装飾音を入れています。
Violin sonata in D-minor, VB 158 - Allegro
第二楽章はファンタジアとなっていてテンポも旋律も様々に変化させ、vlの妙技も聴きどころです。

3.は第一楽章に序奏らしき部分を持つのが珍しいです、序奏の動機はそのまま主部のテーマになり、快調なアレグロではじつに心地よいです。展開部もいい、vlソナタといいながら、ピアノが主役みたいですね^^
Violin sonata in C-major, VB 164 - Largo - Allegro

4.はフルート&SQの5つのパートが充実した掛け合いをする見事なクィンテットで、親しみやすさもあります。非常に豊かで、シンフォニア・コンチェルタンテのようにも聴こえます。
Wiener flute quintet in D-major, Op.7 / VB 184 - Allegro moderato

先日聴いたピアノ・ソナタに続いて"演奏が良い″のも一段と魅力的に聴けます。
当盤と同曲を含む、クラウスのvlソナタを集めたNAXOS盤もありますが、こちらは20世紀半ば的な古いタイプ?の力の入ったギトギトした演奏で聴きづらいです;こんにちのピリオド指向が作品に余計な大味をつけず真価を聴かせてくれるのが、これらの比較でわかる気がします。クラウスはいい時期に復活してきました。

category: J.M.クラウス

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アーノンクールのハイドン86番  

追記が止りません;いよいよ極め付け、アーノンクールのハイドン86番です。

har hay paris

このアルバムの興味深いのはライナーノーツにアーノンクールによる解説が載っていることで、アーノンクールの演奏の源を垣間見られることです。
ハイドンの伝記を書いた作家の一人、ジュゼッペ・カルパーニにハイドンが語った作曲の秘策?が興味深く、ハイドンは交響曲を書くにあたり、何らかの小説、物語を構想し、これを基に多彩で表情豊かな音楽を創作していったということです。しかしその物語が具体的に何なのか誰にも語ることのない秘密だったそうで。ハイドンはあれだけ多数の曲を書きながら、一曲一曲に異なる個性と力があるのは確かに、という感じです。用いられる主題も単に優美なものでなく、特徴的なのもわかる気がします。アーノンクールは6曲それぞれの特徴も解説していて、86番は「作曲者の全く新しい能力を示している」とあります。
アーノンクールも独自にその文学的要素を探り、表現法を駆使して演奏しているわけです。他の指揮者の伝統的表現法や感性に基づく演奏からは聴こえてこない表現や響きの裏付けがアーノンクールにはあるわけです。
単に古楽演奏の重鎮ではないアーノンクールが2002年パリ・セットの録音で指揮したのは、古楽オケ、Concentus Musicus Wienでした。じつに読みの深い演奏、だからといって決して難しく捕えることはないと思います、聴き手も物語を探る楽しみをもって、もはやじっくり聴くのみ!録音はT.ファイ盤とよく似た克明なものです。

ロンドン・セットやモーツァルト後期交響曲ではRCO、ベートーヴェンやシューマンではECO、ブラームスはBPO、そしてパリ・セットではCMWという使い分けも、やはり意図したところがあるんでしょうね。

category: F.J.ハイドン

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アーノンクール、モーツァル 交響曲第39番  

アーノンクール盤のモーツァルトは35番~41番まで随分前に揃えてあったんですが、なんだか初めて聴く気がします^^;昨日のハイドンに魅せられ、今日はモーツァルト39番です、1984年の録音。

har moz 39

"歌うシンフォニー″と言われるこの曲がなんとも、張り詰めた魅力を発します。
第一楽章、ここは古楽奏者、例によって序奏は符点を強調し、切れ味よく、ティンパニを強烈に打ち鳴らし、聴衆に始まりを告げる合図かのようです。主部はさほど速くせず、弦が"歌うテーマ"をレガートに奏しますが、とにかくアーノンクールのレガート音というのはデリケートな強弱法でコントロールされ、弱音にも張り詰めたエネルギーが感じられ、聴き手をのんびりさせません。全奏に入ると速すぎないテンポが納得できます、管が刻むリズムをスタッカートに一際くっきり聴かせ、弦が清々しく乗っかります、これは快感です。
第二楽章は速め、しかし滑らかな雰囲気は失わず、短調に入ると今まで気づかなかった、第2vlのシンコペーションが強調され、別の曲を聴いているような錯覚をうけます、ここは新発見させられた気分。
メヌエットは速く快活、ここでも管とティンパニがくっきりとリズムを打ちだします、トリオは意表を突いてテンポを落とし、ちょっとワルツの雰囲気です?第一メヌエットに戻った急速感がいい。
終楽章、ハイドンのときと同じく、あまり速くしない、符点リズムやスタッカート表現が切れ味よく正確に決まり、楽章がぴしっと整って聴こえる。
RCOの弦はデリケートなコントロールに美音で応え、木管も見事に質を合わせています。
コンセルトヘボウの会場の響きと録音もばっちりです。

category: モーツァルト

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アーノンクールのハイドン 交響曲第94番、101番  

アーノンクールは現在でも好みの分かれる指揮者かもしれませんが、外面的に聴くだけでは、鋭どすぎるとか、ゴツくさい、とかで終わってしまうかもしれません。私も今一つ、解ったような解らないようなところがあって長く保留してありましたが、今日聴いてようやく解るようになった気がします。
ハイドン94番や101番はあまりにも多くの演奏を聴いてきただけに、アーノンクールの特徴が際立って聴けます。どんな大指揮者も気づかなかった作品の美質を見つけ、似たり寄ったりの世界から脱却しています。これらを聴いてはっと目覚めた気分です。さすがはT.ファイの師匠!

her hay

まず94番、鋭く踏み込むような演奏が基調ですが、けっして一本調子にまとめようとしていない、多くの表現で細やかに音楽を紡いでいる。鋭いパーツもあれば、しなやかなパーツもあり絶妙に組み込んでいて、並みの内容じゃない、多くの表現要素が聴き取れます。
第一楽章序奏は意外なほどゆっくり聴かせますが、十分にその意味が伝わってきます。主部ではまずがっちりした構成感を聴かせますが、はっと驚くような弦のレガートな響きも聴かせます。
第二楽章のお馴染みのテーマは大抵はテヌートして素朴に弾きますが、ここもレガート(*カラヤンのレガートとはまったく違います)この楽章がこんなに気品よく聴けたのは初めてです。
メヌエットは快調、終楽章は速くしすぎず、やはり構成感をしっかり、さらに味わい深くきかせます。

101番の序奏もゆっくり、しかし間延びした感じはまったくない、何かが潜んでいます。主部はさすがキビキビした基調ですが、一言では言えない内容です。
第二楽章は超お馴染みですが、強弱表現など誰も気づかなかった表現も聴かせ、よくある、まったりと歌うだけの演奏じゃない、気品と味わい深さ、緊張感ももつ"時計"楽章です。メヌエットは長大ゆえに下手するとクドくて退屈ですが、それはありません。終楽章が異例なほどゆっくり、しかしその理由は聴けば十分わかります。

RCOの上手さがまた凄い、弦のレガートなところなど甘い安モンくさい弦楽ではなく、気品に満ちたものです、ビブラートを控えていますが、弦全員が一体に揃う、というより適度にサバけたような、涼風のような響きでじつに味わい深い。これは相応のシステムで聴く必要があります、ミニコンポじゃ伝わらないかもしれません。
これを期にアーノンクールもいろいろ聴きたいです。

category: F.J.ハイドン

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ハイドン Sym 42番 T.ピノック  

今日はハイドンの40番代を聴いてみようと、久しぶりに取り出したT.ピノック、イングリッシュ・コンサート盤。
この頃のアルヒーフはブリリアント・サウンドでじつにくっきりしています。

hay 42

注目したのは42番です。この頃の作品としては長大、ピノック盤では第一楽章から、8:36、8:38、3:52、3:12です。トータルではパリ・セット並。特にこの曲第一楽章は聴きごたえがあり、どこか86番を予期させるような雰囲気をもっています。同じニ長調で響きも似ている。40番代としては、表情が豊かで、じっくり進めていく、展開部の深みに加え、再現部、終結部まで凝っている・・
また第二楽章も45番あたりと等しい旋律美と味わい深さをもっていて、管楽器も効果的に使われる。
メヌエット、終楽章もマンネリ化していない前進的なものを感じます。
ピノック、イングリッシュ・コンサートはさすが卒なく、秀演できちっと聴かせてくれます。
次の43番「マーキュリー」も同様の聴かせどころをもった傑作ですね。
46番というのは、44番の長調バージョンみたいですが、それなりに良くて、このあたりの曲、冴えてますね。

category: F.J.ハイドン

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ブラウティハム:J.M.クラウスのピアノ・ソナタ  

ヨゼフ・マルティン・クラウスのピアノ独奏曲を集めた1枚です。クラウスのピアノ作品は全部集めてもCD1枚に収まってしまう、少なさ!3楽章のまとまったソナタが2曲と単一楽章の作品、あとは小品が数曲です。じつはチョット聴きをしただけでしまいこんでいたのですが、じっくり聴いて、素晴らしさに驚いています。

bis cd

クラウスはモーツァルトのようなピアノの達人で自ら弾いて演奏会を次々開いた、なんて話はないようです。よって作品数も少ない、と単純に捕えるべきか?・・もしかして、これ以上の曲は書けないほど充実した曲が出来たので、終わりにして別の仕事に精を出した、とか?・・この可能性も否定できないほど、ソナタ ホ長調(VB196)は充実しきった内容です、演奏時間も3つの楽章で30分弱という大曲です。

第一楽章、自信に満ちた第一主題で始まります、強と弱、動と静、彫りの深い楽想で提示部だけでも味わい深いです。休符(溜め)を置いて短調の展開部に突入、右手の疾走するパッセージの下で、左手が怒涛のように第一主題を展開するのは圧巻です、ここは絶対的に指さばきの鮮やかさがないと魅力半減でしょう。
第二楽章は幻想曲ととらえるべきか、鍵盤のあらゆる表情、語り口を聴かせ、楽想もとてもセンスがいい、途中で終楽章に入ったか?と思うような軽快なアレグロ部分もあって変化多彩。
第三楽章は行進曲風のテーマによる変奏曲ですが、ありきたりではなく、じつによく練られていて、変奏から変奏への繋ぎ方が良い、「次はどう変奏しようか?」と弄るような、今まさに作曲しているような表情が味です^^短調となってベートーヴェンの「月光」を思わせる変奏も聴きどころ、結果的に内容たっぷりの第二楽章をもう一つ聴くような、約10分間です。これはもうベートーヴェンの大作を聴くのと同じ姿勢で臨まないといけません;
もう一つのソナタ 変ホ長調(VB195)は幾分小作りですが、それでも22分前後の作品、こちらはモーツァルト的な軽快さがあります。ほかの作品も良い曲で無駄がありません。

録音数は多くないので選択枝は少ないです、BISレーベルから出ているRonald Breatigamのフォルテ・ピアノによる演奏が群を抜いて素晴らしく、クラウスの鍵盤作品に惚れこんでモノにしている唯一の音源かもしれません。初めて聴く人は迷わずこれ!

category: J.M.クラウス

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B.ハイティンク:ブラームス交響曲第4番  

ブラームス交響曲第4番 ホ短調 ベルナルド・ハイティンク指揮 ボストン交響楽団 1992年 ボストン・シンフォニー・ホール PHILIPS
これも長い間、倉に寝かせてありました;先日のシューマンの堅実な演奏を聴いて、こちらも聴いてみたくなりました。

hai br 4

やはり、この人の演奏はしっかりとした音楽的地固めを成した上で、無用な誇張なく作品そのものの良さを聴かせてくれる、そんな気がします。
第一楽章はほとんどインテンポ、際だった特徴もないかわりに奇妙に感じる表現も一切なく、整ったアンサンブルで整然と進む安定感。
第二楽章では普通、弦を深々と歌わせるところも、大袈裟にせずキメの揃った美しいサウンドで聴かせます。
第三楽章は闊達な楽章ですが、響きに乱雑さがなく、ぴしっと整っているだけに一段とリズムのキレが心地よく感じます。
終楽章パッサカリアは各変奏の表情に合わせ、テンポも適切に変えるというのも自然ですが、あえて整然と進めて行く、というのも(バロック的?)パッサカリアの魅力と感じます。それに近い演奏を聴かせてくれた感じです(中間部の穏やかな部分では幾分ゆるやかになりますが)最後もリタルダンドなしにスパっと終わるのがいいです。
弦楽はしっとり落ち着き量感があり、ブラスにも厚みがあり好録音です。
ブラームスで響きが薄いと、どんな名演も聴けませんね;

category: ブラームス

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ハイティンクのハイドン86番  

残念ながらCDはありません。
B.ハイティンクのハイドンは素晴らしいに違いないと思っていましたが、SKDとのライブが動画サイトで聴けました、予想どおり!
Haydn: Symphony No.86 - Haitink/SKD(2004Live)

余計なものがなく、ぴしっと整った生気あふれる演奏でバランスも抜群、拍手が盛大なのもわかります。音源が手に入るならぜひほしいところ。
ハイティンクと同じフィリップス・レーベルでC.デイヴィスがRCOで素晴らしいハイドン交響曲の収録をしていて、競合を避けられたのかも知れませんが、近いタイプの名演でしょう、この86番はデイヴィス盤も高価で手に入れにくいのが残念;どちらもCDほしい!;;

気を取り直して、次はハイティンクのブラームスsym No.4あたり聴いてみようと思います。

category: F.J.ハイドン

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ミヒャエル・ハイドン「レクイエム」のPV?  

以前にも取り上げました、弟ハイドン、Michael Haydnのレクイエム(シグムント大司教のためのレクイエム)ですが、本当にモーツァルト「レクイエム」も凌駕するほどの深淵な作品です。
こんな映像を見つけました、
Michael Haydn Requiem C minor Finnish RSO, A Mustonen

マイケル・ジャクソンのプロモーション・ビデオかと思いましたが、これは同じMichaelでもミヒャエル・ハイドンです^^映像はちょっと不鮮明ですが、演奏はなかなか、教会やコンサート・ホールでの映像もいいけど、こういうのもいいですね、雰囲気バッチリ。古楽オケのハイドンとか、J.M.クラウスの短調交響曲なんかこんな映像にしたら、人気倍増かも!

category: M.ハイドン

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クイケンのハイドン86番  

ブリュッヘン、 T.ファイ、グッドマン・・と聴いてきて、クイケンが無いというのは片手落ち?ということで取り寄せました^^パリ・セット前半は持っていたので後半だけでも良かったのですが、全曲2枚組のほうがお値打ちでした。表紙デザインもわるくない。しかし解説内容は旧盤より省略されています。

ku paris
パリ・セット Sigiswald Kuijken Orchestra of the Age of Enlightenment
ku paris 0
旧盤:82~84番

購入して正解でした。いくつか古楽オケで聴いた86番として、特に抜きん出た特徴はないものの完成度が高く、最もベーシックな名演に思います。
第一楽章などブリュッヘンより快速ですが、ぴしっとした合奏のまとまりで充実して聴けます、弦と木管だけの涼やかな響きと、ティンパニが程よいパンチで引き絞める全奏の量感との対比、とても良いバランスです。終楽章でトランペット、ホルンが透明感をもって良く響くのもいいです。
そして木管勢が上手いのも完成度に一役かっているようです、第二楽章でじっくり聴けるフラウト・トラベルソの軽やかで安定感のある音は、L.ベズノシウクに違いないと思い、メンバー表を見たらやはりそうでした。オーボエも上手いです。これが次の87番第二楽章でもじっくり味わえます。
バロックの木管ソロは技巧的なソロ演奏だけに多少のぎこちなさは"味"となったり?して伴奏側が合わせますが、古典派オケのパート演奏では一体となった完璧さが求められますね。
弦が主体でホモフォニックな頃の古典派オケは木管は弦パートとダブって吹いたり、ハーモニーやリズム打ちを演奏したり、が主な役割でしたが(コンチェルト的に扱われるときは別として)、パリ・セットのようにポリフォニックで密度の高い書法になると木管も独立したパートを担い、木管だけのアンサンブルが入ったりして、変化豊かで楽しませるようになります。モーツァルトで言うと29番など典型的なホモフォニック、38番になると比較にならないほど密度が高まります、これもパリ・セットの影響が大きいんでしょうね。

PS.S.クイケンによる86番、こちらで良い音質で聴けますね、
Joseph Haydn - Symphony No. 86 in D major (Kuijken)

category: F.J.ハイドン

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B.ハイティンクのシューマン第1番  

TVで聴いた「マンフレッド」序曲がすっかり気に入り、これがカップリングされた交響曲全集CDがほしいと思って、だいぶ前に購入したもので、最初に買った全集でもあります。演奏も録音もまずまず、ごく普通と思ってしまいこみ、クーベリックやバーンスタインばかり聴いていました。
そこで今日はハイティンクのシューマン交響曲第1番です。

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ベルナルト・ハイティンク指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウO PHLIPS 1983年

久しぶりに取り出して、じつにいい演奏、録音だと気付いた次第;ごく普通と感じたのはバーンスタインのような印象を強める表現ではなかったせいもあるでしょう。堅実、速度変化も最小限に行い、テンポは速すぎず遅すぎず、曲の最小単位の構成要素を大事に着々と築いていくような演奏、聴き手もひしひしと引き寄せられていく。さらにRCOの演奏の上手さ!こういう堅実な演奏こそカチっと整い、味わい深いオケの合奏力が不可欠に思います。
録音もとても良いのが当たり前(普通)に聴こえていたんですね、ブラスの厚みをおびて拡がる感じが良く、弦の上手さが伝わる鮮明なもので、何度聴いても味わえそうです。

category: シューマン

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F.M.ヴェラチーニの曲集  

買ったまま忘れていたCDのもう1枚です。(一度も聴いた記憶がない^^;)
前にもとりあげた、バロック後期のイタリアの作曲家フランチェスコ・マリア・ヴェラチーニ(1690~1768)です。

f m vera
演奏:L'Arte dell'Arco Federico Guglielmo
1.序曲 ト短調
2.vlソナタ イ短調
3.vl協奏曲 イ長調
4.vlソナタ イ長調
5.序曲 ヘ長調

ヴェラチーニはヴァイオリンの超名手だったそうで、この人もバロックを集大成するような位置づけですかね、
2と4のコレッリ流のヴァイオリン・ソナタ、3のヴィヴァルディ流のソロ・コンチェルト、いわゆるイタリアの主要な様式を伝承し、先人の二番煎じではない芸術性を深めた曲、さらに5のルイ14世時代のベルサイユ宮を思わせるフランス序曲(組曲)と、多くの書法を身に付けたこの人の魅力が一望できる選曲でカップリングされています。
cpoレーベルはあまり知られない優れた作品を優れた演奏、録音で出すところですが、ヴェラチーニはもはやメジャーな存在でバロック演奏家には重要なレパートリーでしょう。特にヴァイオリンの技巧にはこの人の名手ぶりが窺えるエキサイティングなものがあります。
リーダーでヴァイオリン・ソロを弾くFederico Guglielmoの装飾鮮やかな演奏に加え、通奏低音のチェンバロ、テオルボ奏者が魅力的な和声の色どりを添えます。
録音がまた、手持ちのバロックCDで最高と言えるほど良好。

category: その他・バロック

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ホグウッドのハイドン94番  

かつて、指揮者の故・岩城宏之さんがTVで語っていたことを憶えています。まず「ハイドンの演奏は指揮者にもオケにも一番難しい」とのこと、また打楽器奏者としてオケに所属していたとき、ハイドンの「驚愕」の第二楽章は皆知っているので驚かない、そこで予備のティンパニを用意し、破れる寸前まで皮にカッターで切れ込みを入れ、本番では皮が破れ、これでびっくりさせる予定だったが、破れることなく、ドンとまともに鳴ってしまったとのこと・・いろいろ考えると面白いですね、私はここ専用のティンパニのピッチを完全に狂わせておいたらどうかとか・・?;いずれにせよ生演一回きりのパフォーマンスですね。
今回聴いた、C.ホグウッド、エンシェント室内Oは、"びっくり"を派手にやらず、通常演奏のffくらいに抑えています、私も録音はこれでいいと共感します。

hog 94

このホグウッドの94番はLP盤では100番と104番しか入らず、中古CDを取り寄せた次第。
第一楽章序奏は平坦でなく、よいアクセントをいれます。主部はやや快速なほうですが、いきいきしながら、あまりエッジは立てません。がっちりした構成の主部はややもすると武骨になりがちですが、適度なしなやかさで上品、それでいて展開部の緊張感もビシっときめます。
第二楽章は"面白い楽章"よりも美しい楽章として聴かせることに集中していますね、重苦しい響きの演奏も多かった中、はじめて美しく聴けました。
メヌエットもリズムを重くひきずる演奏は苦手でしたが、ホグウッド盤はいけます。
終楽章は速すぎない範囲で快速、ビシっと整い、推進力が魅力です。
英国勢の演奏の特徴でしょうか?押すところは押して聴かせますが、仕上げが端正、耳にもたれる響きがありません。

オワゾリール、1984年の録音。ホールトーンもよく入って、聴こえてほしい各パートもよく聴こえる秀録です。その後ハイドンの古楽オケによる秀演は続々でてきますが、あらためて聴くと新盤に押されることのない立派なものだと思います。はじめ聴いたときは整った演奏だが味わいに乏しいと思い込み、お蔵入りさせていましたが、先日、LPをかけてみて、まず弦の音がいい、単に爽やかだけでなく、古楽器ならではの味をよく捕えた芳醇なサウンドに録れている印象です、中低音にも押し出す量感があり、ブリュッヘン盤の後期の録音よりずっといい。

category: F.J.ハイドン

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A.ロゼッティの協奏曲  

CDを整理していたら、買って聴かずにいたCDが2枚でてきました。棚から牡丹餅です^^
その1枚、アントニオ・ロゼッティ(1750~1792)のオーボエ協奏曲、交響曲が各2曲入ったものです。
古典派好きの私としてはハイドンがホーム・グラウンド的存在ですが、未知の作曲家を聴いてはその美質を味わうのも楽しみです。これもそのつもりで買ったんでしょう・・(他人事みたい;)

rosetti
Kurt W.Meier :ob Johannes Moesus :Zurcher Kammerorchester (cpo)
モダン・オケですが演奏は清々しく"現代的"。

この作曲家はA.サリエリと同年生まれ、氏名からしてイタリア人かと思いましたが、ボヘミア出身でイタリア風に改名したそうです。でもその名のとおり、作風はイタリア趣味が色濃く感じます(でも100%じゃない?)。1曲目のオーボエ協奏曲ハ長調の冒頭、オケのユニゾンの主題を聴くとサリエリの曲かと思いました^^しかしセンスのよい作曲家で全曲通して親しみやすく、つまらないと思う部分はありません。真っ当な古典派協奏曲です、短調で感傷的な第二楽章(サリエリにもやはりこんな曲があります)も旋律美が耳をひきます、終楽章も軽快な明るさが聴き馴染んだ曲のように聴けます。モーツァルトのオーボエ協奏曲とカップリングしても遜色ないでしょう、曲の規模やまとまり具合はむしろ充実しています、オシャレ感覚ではモーツァルトに譲るでしょうが、こちらは真面目な秀作といった感じ。
ob協奏曲がもう一曲、こちらはスマートで快調、3楽章の交響曲はホモフォニックで軽快なイタリア風、J.C.バッハや初期のモーツァルトを思わせますが、ハイドン的でもあり、一工夫加わった充実があります。のちに4楽章の交響曲も書いているそうで、これもぜひ聴いてみたいです。 

当盤とは別の曲ですが、参考音源、これもいいです。
  A.Rosetti Oboe Concerto F major

category: その他・古典派

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M.アンドレとF.ブリュッヘン  

私がバロック音楽を好きになったきっかけは、子供の頃ラジオから何の曲とも知らず聴こえていた明るいトランペットと身近だったリコーダーのまあるい響きでした。M.アンドレはそのトランペットの魅力を次々聴かせてくれた人でもあります。
このテレマンのターフェル・ムジークの演奏者の顔ぶれは興味深いです。

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1964年録音、指揮とリコーダー:F.ブリュッヘン、vl:J.シュレーダー、vc:A.ビルスマ、テオルボ:O.M=ドンボア、Cem:G.レオンハルトなど、古楽演奏の騎手となる人達です、そこにtpのM.アンドレが共演しているんですね。第2集の序曲と終曲でトランペットの名演を聴かせます。
演奏は全員、モダン楽器使用でしょう、チェンバロ、リコーダー、テオルボには区別ないでしょうが、ただしこのCDはターフェル・ムジーク第1集~3集からの抜粋盤でリコーダー、テオルボの入った曲は聴けません、全曲盤がほしいです;
まだ伝統的演奏が基盤にありますが古いとはあまり感じさせません。ヴァイオリンもあまり気張った弾き方でなく、随所に美しい装飾音を付け、符点の強調、レガートな緩叙楽章でソロ楽器に対し内声は適度に切って拍節感を出すところなど、古楽研究を確立しつつある過程も聴かれます。テレマンの快活な魅力も出し、この時期なりの完成度です。
アンドレのtpは室内楽的な柔らかい響きで「室内のトランペット」と呼ばれるオーボエと質の近い溶け合った響きです。こんな風に吹けるのは当時アンドレ以外そうはいなかったかも知れません。
ほぼ同時期と思いますが、アウグスト・ヴェンツィンガーがバーゼル・スコラ・カントルム合奏団でターフェル・ムジークを録音しています。こちらはオール古楽器で、エドワード・タールがナチュラル・トランペットで演奏していたのが注目でしたが、大らかさと同時に、こちらも一緒に演奏するバロック・オーボエと区別つきにくいほど室内的な響きが良かったです。
楽器はともかく、演奏内容ではブリュッヘンが一歩リードしている感があります。アンドレはナチュラル・トランペットでは不可能であろう装飾音を演奏していますが、楽器の機能を活かすのは大いに自然、モダンtpでこそできる美しい演奏となっています。

category: G.P.テレマン

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トランペット協奏曲  

さて、今日締めくくりの曲は爽快にハイドンのトランペット協奏曲にしました。
モーリス・アンドレ:tp ハンス・シュタットルマイア指揮、ミュンヘン室内O
Daisyさんが詳しく記事にされていますのでご参照ください。
ハイドン音盤倉庫6/9

tr and

私のは旧盤なので表紙がぜんぜん違いますが。

アンドレの後にも抜群のテクニックの奏者が次々現れて、それぞれに楽しみですが、アンドレはやはり技術が超上手い、よりも"歌っている"というのを先に感じるのがさすがです。第二楽章の歌い出し、tpをこのように柔かに音出しするのは非常に難しいと聴きましたが、これほど温もりと安定感のある演奏は随一ではないでしょうか。
シュタットルマイア、ミュンヘンCOは誠実にバックを務め、アンドレのソロと良いコンビネーションで曲を味わい深く仕上げています。後期古典派の協奏曲は半分は交響曲みたいなものですから、バックも重要ですね。

category: F.J.ハイドン

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CDの整理・収納  

今日は約半日がかりでCDの整理をしました。大きめのラックにも収まり辛そうだったし、これからも増えていく;
そこで思いきって殆どのCDをプラ・ケースから出し、ポケット・ケースに入れて並べることにしました。
工夫したのは両面ポケットの片側にCDを入れ、裏側ポケットにはラーナー・ノーツの裏表紙だけ差し込む、いちいち出さなくても開いて読めます。厚手のライナー・ノーツは入れにくいし、一石二鳥。

収納

ざっと作曲家別に並べましたが、さらに曲種、曲番別に整理してインデックスを挟めば見つけやすくなるでしょう。収納スペースは約1/3で済むようです、カラのプラ・ケースがいっぱい;少し残して処分します。

category: 時事・雑記

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ハイドン sym 40番  

梅雨入りした雰囲気です。梅雨の雰囲気、嫌いじゃないですが、リュートにはよろしくなく;鳴りは鈍ります。リュートは爪を使わず弾くので、いつもまめに切っていいますが、このところ時間がとれず、ギタリスト並に伸びてしまいました;

今日はハイドンの交響曲第40番、すっきり聴ける曲にしました。
この曲はバロックに回帰したような、上声に対する独立したバス旋律が常に奏されるのが印象的で、初期の作品で耳引かれる曲の一つです。
特に第一楽章は低弦にファゴットをダブらせ、快活ながらバス旋律の流れが心地よく聴ける。
第二楽章は弦だけによる簡素でややリズミカルな楽章。ここでもバス旋律が対等に弾きすすめられる。まだ44番や45番のようなすばらしい緩叙楽章の書法を持っていなかった頃か?もうすこし聴かせどころがほしい。
メヌエットでもバスラインの存在感が聴ける。
終楽章は、ヘンデルの合奏協奏曲のフーガ楽章を思わせる、ただしフーガ主題は裸でなく、対旋律を伴いながら進められる。クライマックスがあり美しくまとまったフィナーレ。

この演奏は3枚持っていますが、やはりT.ファイが筆頭、第一楽章は快活なテンポながらバスラインをよく歌わせて印象強い。第二楽章も快活な表情をもたせ、退屈しない努力をしている。終楽章は急がず、構成をじっくり聴かせる演奏。T.ファイのシリーズ録音は一貫した質で整えられ、全集完成?に向けて好ましい。

fey 40


NAXOS盤のHelmut Muller Bruhlの40番もピリオド指向のすっきりとした演奏、ただ第一楽章提示部の終わり近くで、弦のユニゾン・パッセージに軽やかさがなく、モタレるのが気になる。

bru 40

あと、フィッシャー盤は、この曲は録音が良いほう。オーソドックス路線の佳演で、弦楽の表情が久しぶりに"クラシック"を聴いている感じでほっとする。

category: F.J.ハイドン

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R.グッドマンのハイドン86番  

普通なら挿入句を入れてよさそうなところ、スパっと次へ移るのがハイドンの作曲法のいいところ、冗長にならず、緊張を保ったまま聴き進める・・
86番、ロイ・グッドマン指揮、ハノーヴァー・バンドでひとまず閉めます。

good 86

録音は鮮明さと量感がいいバランスです。
グッドマンはパリ・セットではチェンバロを弾きながらの指揮です。
第一楽章、序奏はゆっくりですが、その中にメリハリを付け、懐深い表現でゆっくりインテンポというのも聴き手の心理に"溜め"を作らせ、次の音への期待となります。まずい演奏じゃ、ただの"じれったさ"になりますが;
主部はやや快速ですが、すぐに普通のテンポに感じてきます。指揮者と楽員全員の神経が繋がっているような完全ドライブは実に心地よい、ハイドンはこうでなきゃだめです^^モダン・オケでこんな感じに聴けるのはC.デイヴィス、RCO盤でした。
第二楽章はまさにラルゴのテンポ、しかし序奏部と同様の効果があります。長い休符を聴いて?いる間、次を聴きたいと思わせる、チェンバロの通奏低音が上手く拍節を聴かせるのも効いています。
メヌエットは快速ぎみ、三拍子の一拍目をたっぷり、あとの二拍は軽く短く、と上品な運び、リタルダンドをかけるところで、チェンバロが和音を散らす、いいですね。
終楽章はごくごく当たり前に素晴らしい、こう言うしかないです。
グッドマンはハイドンのウマさを漏らさず聴かせてくれる、名シェフ、ヤボったい響きはひとつも聴かれません。交響曲全曲録音をしてほしい人の代表格ですが、初期~後期からのいいところ抜粋で終わるのかな?44、45、103番などないのが残念。あと、望みを託せるのはT.ファイですかね。

★PS.おっと、グッドマンは調べたらかなり録音してましたね、あとひと頑張りで全集完成なのに・・44、45番はあります、ただ103番はない;

★86番の話題についてはハイドン情報満載、Daisyさんのブログに呼応企画いただきましたので、ぜひご覧ください。
ハイドン音盤倉庫

category: F.J.ハイドン

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T.ファイのハイドン86番  

最近の2枚組CDの表紙で多いのが、"2枚組"という表示がなんか投げ売りっぽくて高級感がなく、もっとセンスよくいけないものか、と思う。復刻CDも初盤の格調高さを再現してほしい。まあ中身さえ良ければいいですが。

さて、T.ファイ、ハイデルベルク響のパリ・セットから86番です。

fey 86

第一楽章序奏は(予想通り)遅すぎず、導入的でアタッカで主部へ繋ぐ。主部は速め(7:56)で快活さと推進力で聴かせる、強奏音はスパっと短く切るので、しつこく響かない。
第二楽章カプリッチョはラルゴの指定でも遅すぎない(6:17)で、これでも十分ラルゴとして聴ける。あまり遅いと逆につらい。
メヌエットは意外とゆっくり(5:57)だが、第一メヌエットには翳りをおびた表情もみせるので、テンポは効果的に思う、トリオは「昼の憩い」とでも言うべき平穏さで対比があり、第一メヌエットの再現では、なんと装飾音を入れる!さすが、やってくれる^^単純な再現より、そりゃあずっといい。
終楽章は(6:13)で程よい速さ、楽しさいっぱいで、あれこれ言うこともないだろう。後半リピートはないが、内容のある楽章なので、なしで十分。あと「熊」「雌鶏」「王妃」も楽しみでじっくり聴きたいし、87番もかなりいい曲ですね。
録音は直接音主体で、もう少しホール・トーンもほしいが、演奏内容を克明に拾っているので、録音法を変えると逆効果かもしれない?

category: F.J.ハイドン

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バーンスタイン シューマン第1番  

シューマンの交響曲といえば、第3、4番ばかり聴いてしまいましたが、第1番「春」も大変魅力的で親しみやすいですね。バーンスタイン、VPOの演奏から聴いてみました。

ber sch1

序奏はブラスのファンファーレで始まりますが、この音形は第一楽章の快活なリズム・パターンの元となります。
まだ凍てつく冬を描写したような序奏部は徐々に春の兆しを現し、加速して、主部へ繋がります、バーンスタインは思いきった加速をした結果、主部は快速になりますがハマるテンポに命中させます。第一楽章全体が同じリズム・パターンで埋め尽くされ、旋律だったり、同音だったり、上行音だったり、引きつけてやまない快感です、これをバーンスタインは巧みで思い切った速度変化でさらに引きつけます。
第二楽章、シューマンは緩叙楽章の書法をベートーヴェンの曲から学び取っていると何かで読みましたが、確かに「第九」の第三楽章あたり彷彿させます、「英雄」や「第七」もちょっと入るかな^^でも情緒はドイツ・ロマン派です。
スケルツォの始まりは二短調、第4番と近親性がありそう、第一トリオ、第二トリオを挟んだダブル・サンドです。
終楽章も堂々とした開始、やはりテンポ変化が効いてくる楽章となっています。バーンスタインはそこを存分に表現します。各楽章の魅力を明快にわかりやすく演奏してくれているようです。
録音はDGらしい量感と、明るい透明感のある好録音です。ヨハン・シュトラウスなどもこの音が合いそうです^^

category: シューマン

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T.ファイのハイドン「オックスフォード」  

トーマス・ファイ指揮、ハイデルベルク交響楽団の演奏はハイドン初期のCDを持っていましたが、正直なところ最初は馴染めないところがありました。今までに例のない試みは最初、誰にも受け入れにくいのは常ですが。

fey 92

奇才と呼ばれる演奏家には何度聴いても難解な演奏があったりしますが、T.ファイはそのたぐいじゃなく、「既存の演奏の影響を白紙にした、もっといい演奏が有るんじゃないか」という好楽家の希望を実現してくれた指揮者ではないかと思うようになりました。既存の演奏というのは伝統的クラシック、これまでのピリオド演奏含め、全てです。
今回購入した92番と90番のCD、オックスフォードから聴きました。まず響きが透明で美しい、録音もすばらしく、弦の響きが気体状に拡がってくる感じ。
第一楽章、序奏は静かに始め、チェロパートの旋律を浮かばせる、主部は速いテンポですが少しも速すぎるなんて感じない、"とても自然で素晴らしい快活さ"があって、けっして強引ではない。各パートの聴きどころを浮かばせ、的を得た表現ですべて音にしている、輝かしく吹いてこその金管、景気良く叩いてこそのティンパニ、と言わんばかり、充実した展開部以後もリピートしてくれる。
第二楽章はあくまで涼やかで耳にへばるような甘ったるさがない。
メヌエットも力まず、しつこさのない涼やかさで一貫している。(K.ベーム、VPOの場合、堅牢な魅力とも言えますが、もはやしつこくて聴けない気分となりました)
終楽章も第一楽章同様、"とても自然で素晴らしい快活さ"で、ハイテンポ、後半もリピートで存分に聴かせる。
難解なところなど一つもなく、ストレートに楽しめます!少なくとも、ハイドン好きなら持っていなきゃ損、といえる「オックスフォード」かと・・

しかし、マイッタ;恐るべき名演の奇襲攻撃をうけた気分;
やがてファイがハイドン全集を完成して、BOXセットなど出るのを待とうかと思っていたのですが、待てないかも^^
パリ・セットも取り寄せたので、あらためて。

category: F.J.ハイドン

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ホグウッドのハイドン100&104  

いつのまにかハイドン・ブログみたいに・・^^ また、ほかの人も書きますね。

オランダ、ベルギー勢の古楽オケが多かったので、久しぶりに英国勢です。C.ホグウッドのLPがつい後回しになっていました。針を降ろすのは何年ぶりかな・・?
ハイドン 交響曲No.100&104
クリストファー・ホグウッド指揮とfp エンシェント室内O
1983年、キングスウェイ・ホール(ロンドン) オワゾリール・レーベル

hog hay

このLPを購入した当時は、まだモダン・オケの響きに耳馴れていて、物足りなく感じてそのまま長くしまってありました。その後ブリュッヘンなどで古楽オケにすっかり馴染んで、久しぶりに聴きます。
100番から聴く・・いいですねー、弦の音が芳醇と言えるくらい美しく鮮明、そして適切な量感バランス、こんな音が詰まってたとは・・新しいはずのブリュッヘン盤に少々不満の録音があったのに、こちらは文句なし、オワゾリールの名録音です。ティンパニの弱音で叩く音もくっきり聴こえます。私がティンパニに拘るのは、ダイナミズムやリズムの表現のほか、曲の節目、輪郭を現す効果もあり、くっきり聴こえるのと曖昧なのとは、曲の締まり具合が違うからです。
ホグウッドの100番は妙な表現は一切なく、適切なテンポで聴きたいものを全て聴かせてくれます。シンバル、大太鼓など鳴り物もしっかり楽しませます。終楽章の各パートが小刻みなテーマを畳みかけるところはじつにキビキビとキレ味よいです。
104番も名演です、重くなりすぎていないのがいいです。第一楽章主部は幾分速めのテンポですが、これもキビキビした心地よい表現で適切に感じます。全楽章、腕のいいシェフの手際良さみたいなものを感じます。ちょっとこれはクイケン盤をも凌駕するかも!?
この演奏、録音なら、101、102、103番・・と次々聴きたいところ、シリーズが中断に至ったのはじつに残念です。

category: F.J.ハイドン

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B.ドラホシュのハイドン86番  

ハイドン、sym No.86 続いてはベーラ・ドラホシュ指揮、ニコラウス・エステルハージ・シンフォニアです。

dra 86

NAXOSでハイドンを好演しているドラホシュですが、86番も期待して聴きました。
一体感のあるアンサンブルは期待どおりでした、が秀演が裏目に出ている感もあります。この曲のキャラクターは第一楽章や終楽章で印象づけられる、遊び心いっぱいの、はしゃぐような雰囲気でしょうか、それが大人しくおさまってしまって聴こえます。私個人の好みでは、序奏はさほど物々しくせず導入的に、主部の充実感たっぷりを望みますが、ドラホシュの第一楽章序奏はゆっくり、風格をつけて、でしょうか。主部に入ると快速にテンポをとり、後半もリピートしているので演奏時間は11:18です、あまりずっしりせず、さらりと進んでいき、リピートなしだったら物足りないかも?第二楽章はゆっくり7:23です。
今一つ、押し出すものを感じないのは録音の影響も大きいかもしれません?音質が穏やかすぎるというか、vlやtpの倍音が丸められ、音の賑やかさが乏しいです。ただコントラバスは押しつけがましくなく、フワっと空気を揺すってくる感じは自然で好きですが。
先日のS.ラトル盤をあらためて聴くと、とても適切な好録音に思います。

ratt 86

奇しくも先に聴いた、ラトル、ブリュッヘン、フィッシャーの演奏時間(テンポ)は序奏部や各楽章、ほぼ同じで、ちょうどいいと感じるのは単に耳馴染んだせいではないと思います、やはりちょうどいい^^ワルターは例外で急楽章は速いですが、速い価値を出しているのが見事、いずれも86番の活きの良さを出しています。

category: F.J.ハイドン

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フィッシャーのハイドン86番  

5/31はハイドンの命日でしたね、このところハイドンの書き込みが続いたのは意識していたわけでなく、偶然なりゆきだったんですけどね;

さて、ハイドンsym全集のA.フィッシャーの86番はどうでしょう。あまり文句は言えないけど、この全集は録音の出来にばらつきが多いのですが・・

fi 86

・・どうも86番の録音は低音が強すぎ;量感があるのはいいにしても、小編成でここまでモコモコ出るのは異様な感じです。帯域バランスの仕上げも大雑把にしか仕事がされていないのかな?
トーンコントロールのBASSを12時から9時の位置まで下げて、どうにか異様なほど、ではなくなりました。(これはあくまで私のシステム上でのことです)
演奏内容のほうは各楽章、これといった難のない佳演だと思いますが。

やはり、ソース・ダイレクトでは聴けない音源はあります。高域の出すぎや低域の出すぎを"押さえる"方向のコントロールはまだしも、"出ないのを強調する"方向ってのは、情報量の少ない画像を拡大するのと同じで、いただけない場合が多いです。音源がフラット・バランスなのが一番ですが;

明日も86番です^^

category: F.J.ハイドン

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