Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

B.ヴァイル、BOXセット  

シリーズ録音のうち、一部は購入したものの、残りはセット購入したほうが安い、最近このパターンばかりです;
ブルーノ・ヴァイル指揮 ターフェル・ムジークOによるハイドン交響曲7枚セットで、第41~47、50~52、64~65、82~90と入っていて、パリ・セットを軸にちょうど聴きたいどころが揃っています。
B.ヴァイルは特に踏み込んだ表現というのはなく、手堅くまとめていますが、速めのテンポで切れ味よく、見事にきめているのが魅力。

hay 7cd

SONYが古楽レーベルとして立ち上げたVIVARTEの録音はじつに素晴らしく、ターフェル・ムジークによるバロック作品は演奏もさることながら、サウンドが魅力でした、まさに音を鑑賞してしまいます。
少し大規模なハイドンのオケでも同じで、適度に距離を置いた音ですが、音の分解能が高く、個々の楽器が分離して聴こえます、弦もふっくらした中・低域の上に歪み感のない高域が乗って耳触りよく、品位高くまとまったオーケストラ・サウンドです。システムによっては甲高く聴こえるとも聞きましたが、デジタル録音初期によくあった本当に甲高い(硬い)音じゃないですね、バランスは良く、システムとの相性しだいだと思います。
今日は少しずつ聴いてみました、50番はもともと切れ味のよい曲ですが、ヴァイルのテンポと気合い、ターフェル・ムジークの上手さでますますハマります。86番がまた良い、この曲の聴かせどころを漏らさず、絶好のサウンドで押し出してきます。

category: F.J.ハイドン

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十字架上のキリストの最後の七つの言葉Ⅰ  

宗教曲というのは演奏される場の祭礼儀式など様々な都合に合わせ作曲されるものと思いますが、ハイドンの「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」もスペインの南部カディスにあるサンタ・ロザリオ教会の司祭から依頼されたもの。キリストの七つの言葉に基づく説教の合間を満たす音楽として、10分ほどの7曲の緩叙な音楽、しかも歌のない器楽だけ、という特殊な条件です。これは考えただけでもホネですね;しかし、出来上がった曲はハイドンのソナタ形式緩叙楽章・傑作集といえるもの。時期的にはパリ・セットを書いた頃で、ハイドンの手腕も成熟しきったときですね、どこか"パリ・セット時代″共通の味わいも聴こえてくるようです。
この作品の原作である管弦楽版は20世紀半ばまで出版されなかったので、それまではもっぱらSQで聴かれてきたことになります、過去にアマデウスSQのLPで親しんだのですが、やはりはじめは管弦楽の色彩感、スケール感で聴くのが順当でしょうね。
今回聴いたのは、Jordi Savall指揮、Le Concert des Nations、このオケはスペインはじめラテン諸国のメンバーによる最初の古楽オケだそうで。しかも収録会場がご当地、カディスのサンタ・ロザリオ教会の礼祷室。

七つの言葉

緩叙楽章ばかりって聴くのもホネだと思いきや、一曲ごとに雰囲気が違い、聴きだすとやめられない味わい深さ、これほど霊感に満ちた曲が書ける人って数えるほどしかいないでしょう。すべてソナタ形式ですが自由に手を加え、工夫がこらされていて、ソナタⅤあたりから、音楽はゆっくりでも聴き手の気分は加速していく感じ、ソナタⅥ展開部はポリフォニックで魅了し、最後のソナタⅦは通常のソナタ形式を終えたあとの追加部分がなんとも不安で不思議な雰囲気を聴かせ、とどめに終曲「地震」がきます、これぞ描写音楽ですが、これも見事、現代音楽顔負けのインパクトです。

この収録はDVDも出ていてこちらでも見られます。
Haydn The 7 last words of our saviour on the Cross

M.ハイドンのレクイエム同様、映像の効果がいいですね、宗教曲はこれかな・・

category: F.J.ハイドン

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クイケンのハイドン90番  

ハイドンの90番も何枚か取り上げましたが、クイケン盤でひとまず?きりとします。
パリ・セットに続く88~92番の録音で1989年及び1991年、オケは手兵のラ・プティット・バンドにかわります。録音レンジが低めですが、鮮明で帯域バランスは良く、ちょっとボリュームを上げれば見事なステレオ展開と量感をもって聴けます。会場の違いか、やや残響は長く石質な反射音ですが、これなりに良い音響に思います。

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第一楽章は序奏はゆっくり、ここでご自慢の弦の涼やかな響きを聴かせます、主部は快速になり、弦は巧みな弓さばきで小回りよく、ティンパニを伴ったダイナミズムもスパっと歯切れよく、快活に進めていきます。このへんはブリュッヘン、18世紀Oの物量感の魅力と異なるところですが、適切にドスの効いた響きを聴かせるのは同じですかね。
第二楽章ではまた全員が名演奏家の腕前のような、弦の透明な美しさ、表情豊かさをたっぷり味わえます。T.ファイやS.ラトル盤のような装飾演奏こそないですが、トラベルソのソロが味わい深いです。
メヌエットも弦のボウイングの味を聴かせ、気品と活気のある演奏です。
終楽章、快活で小気味よく進めるなか、ホルンが透明で朗々と鳴るのが印象的です。展開部もぐいぐい押してくる充実感があります。
全般に言えるのは弦楽の美しさ、バロック・ヴァイオリンの一人者、S.クイケンらしい拘りが聴こえてくるようです。

90番もすっかり刷り込まれ、第一楽章のテーマが頭から離れません^^86番同様の傑作で飽きることはありません。これまでの盤を順に聴き返してみるだけでも楽しみが持てそうです。

category: F.J.ハイドン

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ブリュッヘンのモーツァルト 交響曲第39番  

先般のアーノンクール、RCOの39番を聴いたあと、ちゃんと聴きごたえのする演奏となると、ブリュッヘン、18世紀Oですね。こちらも"歌うシンフォニー"などというヤワなイメージじゃない快演で、カラヤンの分厚いBPOよりも物量感を感じます。1988年ライヴ、録音も絶好調です。

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第一楽章、序奏は付点をぐっと伸ばして切れ味よく、主部は快速なテンポをとり、第一vlやホルンによるレガートな主題が始まり、トゥッティに入ったパンチは期待どおり、内声によるリズムを一際くっきりと刻ませます。旋律の素早いところも、より小回り感とリズムを強調します。快調に進む横のラインと同時に縦のラインががっちりしている。この楽章の魅力でもありますね。
第二楽章は中間の短調に入って内声部も表出し、構成感を十分聴かせます。
メヌエットは木管の刻むリズムを短く、くっきり快活に、これがいいです、同じフレーズを繰り返すところで、1回目の終わりは強く、2回目の終わりは穏やかに、という対比で上品にまとめます。トリオは柔らかな表情にして、再び快活なメヌエットに戻ります。
終楽章は急がないテンポで、しっかり足固めをするように進めます。付点があって素早く終わるフレーズも全奏とティンパニがきっちり一体に揃う響きは心地よいです。また意外なところ、アウフタクトにあたるところでティンパニが強打しますが、これが的を得ているんですね。ブリュッヘンのウェイトの持たせ方というのにはハマります。フォルテで終わるべきフレーズも最後を幾分弱め、武骨になりがちな表現を上品に和らげます。「ジュピター」に引けを取らない、がっちり引き締まった終楽章です。
この盤の終わりに「フィガロの結婚」序曲が入っていますが、落ち着いたテンポでこんな"がっちり引き締まったフィガロ"はほかに記憶ありません^^これまた名演。

category: モーツァルト

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C.デイヴィスのハイドン96番  

久しぶりのモダン系、今日はコリン・デイヴィス、RCOによるハイドンSym96番です。
このところピリオド・スタイルの演奏を多く聴いてしまいましたが、不思議と大きな差異は感じません。またデイヴィスのハイドン・シリーズは一貫した好録音です。

co hay96

演奏はこれといって特徴的なものはあげられません、作品の"素の味"を聴くようで、とにかく小気味良いのです。
レガート表現は最小限で、個々の音を粒立てた活気に満ちた演奏で、妙に引っ掛かるようなところがなく、快調に聴いて行ける。炸裂するような響きもなく、軽妙と量感とが見事にバランスしています。
第一楽章、粒立てながらも一音一音に表情コントロールが効いて、RCOの一瞬の隙も緩めない上手さ、美音です。すべてのパートの聴こえてほしい音がちゃんと聴こえてくる、総奏音は重くはないけれど、心地よいドスは効かせる絶妙の量感、ティンパニも特に強打はしていないけれど、短い余韻で全ての個所ではっきり聴こえ、常に全体を引き絞める。
第二楽章、流麗に流すことはせず、音節を区切りながら構成感をしっかり聴かせ、シンフォニック、最後のほうの2つのvlソロもじつに淡々としていますが、これもこの演奏スタイルらしく、自然で整った感じです。
メヌエットも重くなく、心地よく聴き進める。
終楽章、落ち着いたテンポで折り目正しく、楽章の充実感を漏らさず聴かせます。
いわゆる、減点方式で言うと、減点がない演奏なんですね。

category: F.J.ハイドン

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T.ファイ ハイドン 交響曲第96番  

今日はT.ファイのハイドン96番です。ハイドンの中でも聴き馴染んだ名曲で、アーノンクールもじつに良かったですが、それだけにT.ファイの手腕にも一段と期待してしまいます。
やはり金管やティンパニのびしっとくる刺激は曲を引き絞めますが、後を引かず大味にはならないですね。

fey hay 96

録音は各パートの音が克明に聴こえる直接音主体の音ですが、序奏からじつに心地よい響き、第一、第二vlを左右に配置して、対等な掛け合いが聴けます。従来の録音法や、コンサートホールの聴衆席までは聴こえてこなかったティンパニのピアニッシモをハイドンは仕込んでいるんですね。
第一楽章は94番と同様、提示部から緊密な構成が見事で一言では言えない聴きごたえがあります。またノンヴィブラートの音は和音、不協和音を鮮やかにします。楽譜に指定はないでしょうが、第一vlをソロにしている部分が美しい、金管、ティンパニも後半では適切な変奏が効果的。
また第二楽章が圧巻、特に短調に移ってからは第一楽章顔負けの壮大な演奏となっています。これも他に例がない気づかなかった魅力。
メヌエットも力を込めすぎず、聴き心地よいです、トリオのオーボエ・ソロの装飾演奏が見事でバックの弦楽が涼やか。
終楽章はやや跳躍的で小刻みな主題が使われ、これが1拍ずつ遅れて他の声部が弾くと面白い効果が出ます。弦が折り目正しく弾き進める中、ティンパニ、金管が思い切りよく打音を加え、痛快に終わります。全体に刺激的と言う言葉よりも美しいと言うのが先に立ちます。
これも96番のとびきりの名演として、聴かなきゃ損と言えるでしょう、もしCDを数枚残してあとは捨てなきゃならないという事態となったら?T.ファイ盤は残したいですね^^

category: F.J.ハイドン

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アーノンクール、モーツァルト 交響曲第41番  

今日は気温35℃、湿度も高く、こんな日が何日も続いたらもちません^^;こんな日はじっと音楽鑑賞が一番。
新しいエアコンは効きがよく、送風音も静かになって助かります。

このところ、N.アーノンクール、T.ファイの師弟にハマっていますが、今日はアーノンクールのモーツァルトSym 41番です。第一楽章と終楽章はすべて反復しているので、総演奏時間約42分と長いですが、この曲は長丁場的な内容ですね、反復はあったほうがいい。

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第一楽章は堂々と聴かせるテンポで、冒頭はいきなりフォルテにせず、徐々に接近してくるように開始、例によって涼やかなレガート表現に鋭い表現が対照的に交錯します。符点リズムも切れ味よく、素早い装飾的な音符も丁寧に聴かせ、弦楽に集中して聴いているだけでも十分に味わいがありますが、弱音でフレーズが終わり、息をのむような間を置いて、総奏でティンパニが炸裂、決して力んだ演奏はさせないけど、じつに凄みのある第一楽章です。
第二楽章、ヴァイオリンは弱音器をつけますが、他の楽器に対し、倍音が抑えられても不思議とその旋律はよく聴こえるんです、夢世界の響きのような雰囲気ですね。
メヌエットは聴き馴れたテンポですが、やはり力を抜いた細やかな表現に集中させられます。
終楽章は快速で、推進力と構築感をぴしっと両立、フォルテでフレーズを終えた次の弦の弱音がじつに神聖な響きです。この楽章は展開部はおろか終結部まで複雑に入り組んだフーガの技が入り、弦や管は整然と演奏します。コントラバスも延々とフーガの走句を弾くところがあり大変そうですが、RCOは一糸乱れぬ演奏、そこへティンパニが思い切りよく打ち鳴らされ、ツボを押えたダイナミズムを与え、痛快に終結します。

category: モーツァルト

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アーノンクールのハイドン 交響曲第96番  

バロック・リュートのような弱音楽器の音楽表現は、弱音内での微妙なコントロールに神経を使います。強調したい音は長めに伸ばし、軽く聴かせたい音は短めに切るという手法も有効です。これはリコーダーやヴィオラ・ダ・ガンバのような弱奏表現の細かな楽器にも言えると思いますが、弱音のために奏者はことさらエネルギーを使います。

アーノンクールのハイドン、モーツァルトの演奏で行われる、弱奏表現にも同様の細やかさと同時に費やされたエネルギーが感じられ、引きつけられます。静かでレガートな中にも細かな階層のデュナーミクがあり、伸ばしたり切ったり、言葉のイントネーションのような感じです。
RCOを指揮したロンドン・セットも名演だと思いますが、今日は96番「奇跡」です。
録音はコンセルトヘボウの美しい響きを入れながら、意外に各パートも分離良く聴こえる好録音です。

har hay

96番といえば私が最初に聴いたのはブルーノ・ワルター、ニューヨーク・フィルのLP盤でした、B面には102番が入っていて、早くから"通"の曲をレコーディングしていたのに敬服です、他に録音はなかったでしょうね。
アーノンクールは第一楽章序奏から前述の魅力を十分に聴かせ、主部に入っても第一主題の始まりをレガートに弾かせます、他に例がない始まりですが、集中させられる響きなんですね、活気に満ちたダイナミズムもモダン・オケらしくふくよかなボリューム感で聴かせますが、過度に重くはなりません。
第二楽章はチャーミングな楽章ですが、短調に入った劇的な部分がやはり魅力ですね、やはり、ここも味わい深いレガートを基調にシンフォニックな響きも聴かせます。
メヌエットのトリオでもオーボエ・ソロのバックで弦が"空気"のようなレガート伴奏をするのですが、ここもハマりました。
終楽章は急がないテンポで聴かせるべき表現をきっちり大事に演奏しています。
アーノンクールは特にロンドン・セット前半曲は同様なデリケートな表現を駆使しているのが耳に入り、非常に美しいです。
後半曲では豪快さが出てきますが、100番など快演中の快演!、あらためて。

category: F.J.ハイドン

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リュートの弦高調整  

今日は、超蒸し暑いなか、桑名市までレッスンに行ってきました。こんな気候では調子でないですね(と気候のせいにする)なにしろバッハの編曲ものですから弦の押えが難しい;
少しでも演奏を楽にすべく、バロック・リュートの弦高を低くしました。ビリつかない範囲で弦高は低いほどいいですね、高くていいことは一つもありません。
ギターはブリッジにサドルがあって、そこで弦高調整できますが、リュートはブリッジに結んだ高さがそのまま弦高になります。結び方の具合で弦1本ずつ、微妙に高さが変ります。

これはブリッジ穴に弦を2回通して結んだ状態。4コースまでなら細いので2回通せます。
弦高
この方法で普通の結び方より0.5~1.0ミリくらい低く止められます、ビリつくようなら元に戻すだけ;

さらにフレット・ガットを太いものに巻き替えました。
フレット
太ければフレットが高くなり、弦高が下がることになります。

このように両責めでいきました、かなり押え込みが浅くなった感触ですvハイポジションまで複雑な押えをするのは4コースあたりまでなので、十分でしょう。
バロック・リュートは隣の開放弦を鳴らしながらハイポジションを押さえることが多いので、押えこみが浅いほど、それがやりやすいわけです。

category: 楽器について

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フィッシャー盤のハイドン105番  

ご存じ、vl,vc,ob,fagのための協奏交響曲ですが、これもフィッシャー盤がなかなかの名演。じつはこの全集にこれが入っているのに気付かずにいました;91番、92番とカップリングされていました。
またこれも録音が良く、適度に距離を置いたホルトーンのよく入った響き、それで、各ソロ楽器もくっきりと聴ける好録音です。

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いわゆる普通の交響曲では構成感を大事にきっちり整った演奏を期待しますが、4つのソロ楽器による協奏交響曲となると求める重点が異なりますね、各ソロの味わい深い自発性が大事で、その場限りの柔軟でスリリングな即興性に互いに受け応えし、指揮者も上手くまとめちゃう・・また指揮者に頼らずソロ奏者の振りをオケの楽員が直に受け止める所もあるでしょうね、そんなところが醍醐味だと思います。はじめから「型」が出来上がったように感じる演奏だとつまらない。この演奏は全体にゆったり、各ソロがのびのび演奏しています。
初演当時はペーター・ザロモンがコンサート・マスターと務めたと思われ、vlはリード役でもありますが、4つのソロ楽器の見事な掛け合い、重なり合いはハイドンの弦楽四重奏の技が活きていますね。
第3楽章ではvlによるレシタティーボがあり、各ソロも一段とスリリング。
はじめはきれいにまとまった曲だ、くらいににしか思わず、重視していませんでしたが、何度も聴きたい傑作です。

category: F.J.ハイドン

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S.ラトルのハイドン 交響曲第90番:BPO盤  

思えばカラヤン、アバド時代以後、近年のBPOの録音というのはあまり手にしていませんでした。
今日はサイモン・ラトルの88~92番および105番の入ったBPO盤(EMI 2007年)から、ひとまず90番です。
アーノンクールやガーディナーによって見事に古楽演奏をこなしているRCOに対し、ラトルのBPOはどうなのか、というのも興味ありました。

rat hay 90

各地の名門オーケストラには新世代の聴衆もいれば、古くからの聴衆(姑達?)もいることでしょうね、両方を満足させるのは難しいかもしれません。アーノンクールの場合は「どこのオケだろうとオレ様の演奏をする」意思は微動だにしないでしょうが^^ラトルの場合はちょっと気配りもあるのかな?
BPOとの90番は基本的スタイルは過去のバーミンガム市響のときと大きな違いはないようです。BPOのサウンドはもちろんカラヤン時代とは違った清々しいものです、合奏の上手さときたら完璧、弦楽の質の揃った奏者による極めて整った響きですが、昔のK.リヒター盤を思い出す"銀の光沢"も感じさせ、爽快な中にも一本筋金の入ったコシを感じます。これがないと伝統のBPOの味わいを消しちゃうことにもなりそうです。
第一楽章は特にそのビシっと整った合奏が効いて魅力的で、木管のソロは満遍なくと言っていいほど装飾を聴かせます。クレッシェンド効果を効かせるために事前にぐっと音量を下げるコントロールがなされますが、ベートーヴェンほど長いフレーズじゃないので、短い時間での勝負です、それをBPOは完璧にやります。
メヌエットも軽快な表現がいいです、トリオの木管ソロがやはり楽しい。
終楽章は活気に満ちて申し分なし、古楽器仕様のティンパニも元気に鳴ります、なお終楽章はライブ・バージョンと録り直しバージョン?が続けて入っていて、普通に鑑賞したいときはライブ・バージョンを飛ばす必要があります(笑)
カップリングされた88番、89番、92番もちょっと聴きしたところラトルならではの良さがあるし、105番も楽しみですが、あらためて。

category: F.J.ハイドン

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T.ファイのハイドン90番  

さて今日は、とっておき、トーマス・ファイ、ハイデルベルク響のハイドゥンsym 90番です。
カップリングされた92番については6月3日書いたところです。

fey 90

ハイデルベルク響はモダン・オケの中にブラスやティンパニは古楽器を取り入れ、ピッチはA=440Hzのモダン・ピッチ、T.ファイにとって最適の演奏機能のオケなんでしょうね。ちなみにブリュッヘンやクイケンのオケはA=430~435Hzくらいで、わずかにピッチが高いだけで音が明るく感じますね。

第一楽章主部は快速に始めますが、効果に応じてさらに加速したり、休符をリタルダンドして溜めをいれたり、また繰り返されるテーマでは木管に適宜装飾を入れ、ティンパニも連打を加えるなど、いわゆる装飾しながら炸裂します。展開部以後は反復しますが、二回目の終りでは、終楽章の前兆のようなパフォーマンスもあり、とにかくタダには聴かせません^^
第二楽章は修辞的と言いますか、なにか物語を語るような大きく間をとったデリケートな表現です。ここは師匠ゆずりでしょうか。短調の変奏もあまり力の入った響きにしないところがいいです。
メヌエットも比較的穏やかで、木管の装飾も良い感じ、しかし最後でティンパニが炸裂、どうも楽章の最後は油断できないようです^^
終楽章はふたたび活気に満ち、痛快に閉じます。全般に決して過激な演奏ではなく、ふさわしい刺激を伴った快演だと思います。厚ぼったく重い響きはありません。
録音は最新のものらしく、聴き心地のよい音質で弦楽が気体的に響き、各パートが明晰に聴こえます。

T.ファイは今までの録音ペースからして、全集の完成は期待できそうです。101~103番あたりどんな演奏を聴かせてくれるか待ち遠しいですが、じっくり構想を練った演奏を待ちたいです。

category: F.J.ハイドン

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フィッシャーのハイドン90番  

ピリオド系の演奏を多く聴いてくると、フィッシャー盤がかえって新鮮に聴こえたりします。
演奏、録音ともに一部は素晴らしいものがあったり、聴くに耐えない録音もあったり、兼価BOXセットは福袋的であることを承知しなければなりませんね;
90番に関してはこのセット中、最も良い部類にはいりそうです。やや距離を置いたホール・トーンのよく入った美しい響きでバランスもよく、各楽器の定位感もいいです。

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演奏はまず90番に親しむという意味でもよい演奏かと。全般に余計な味付けのない、自然体といった感じ、弦はVPO的な柔和な歌わせ方ですが、第一楽章はピリっと引きしめた感覚もあり、展開部の各楽器の掛け合いなど彫りの深い表現を聴かせます。モダン・オケだからこそできる、奥行き表現があるように思います。
重すぎるような響きはなく、ダイナミズムも清朗な響きの範囲でやんわり響かせるのがいいですね。ハイドン演奏には不可欠なセンスだと思います。
メヌエットは典雅ですがもう一工夫、トリオと対比をつけたりしてほしいところ、しかしアルト・ホルンの朗々と響くのを聴くと、細かいこと言わずとも・・とも思える^^
終楽章は心地よい活気でまとまっていて、申し分ない。

category: F.J.ハイドン

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T.ファイのハイドン初期と最近の録音  

トーマス・ファイのロンドン・セットの曲がなかったので、2枚取り寄せました。
T.ファイはハイドンの初期~後期にかけて作曲順をランダムに拾いあげて録音しています、これも全集に向けて質の片寄りをなくす上手い進め方かと思います。今のところ、連番で揃っているのはパリ・セットだけでしょうか、もちろん録音年は開きがあります。

104番と94番の入ったほうは第1集なので最初の録音なんですね、1999年。93、96、97番のほうは第13集で2010年で最近のものです。

T Fey

演奏内容は絶賛すべきすばらしいものです、詳しくはあらためて。
録音の音質については初期から質が揃っていて良好ですが、ただ音の距離が随分違います。第1集はコンサート・ホールの聴衆席で聴く音で、いわば普通の録音と言えましょう。13集のほうは、残響音はほとんどなく、研修生が練習スタジオで聴くみたいな、聴き手を演奏の場に引き込むような録音なんです。総奏は迫力満点、ピアニッシモの弦、微弱に叩くティンパニの音、すべてハッキリ聴けます。歪みのない透明な音なので聴き辛さもありません。どちらが好きかというと私は断然、新しいほうの録音です、この録音に変えてきた意図もわかる気がします。先日のアーノンクールのパリ・セットもこんな録音なんですね。
第1集の94番はあの緊密な構成、パートの重なり合いが直接音が弱く、曖昧にしか聴こえないのが残念、新しい録音法なら、きっと明晰に素晴らしく聴けるでしょう、録り直してほしい・・^^現にこの13集や先日の90、92番の第16集(2012年)はすばらしいんです。
ハイデルベルク響のソロも非常に上手いので、ここらで105番も聴きたいと思えてきます。

category: F.J.ハイドン

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夕空  

私にとって晴天とは大陸側の高気圧に覆われたときだけです。昨日の大雨のあと七夕に合わせた束の間の晴天でしょう。乾いた風が心地よいです。

夕空

私の住むところもこれくらいの空なら、街灯りの少ない場所に移動すると、うっすらと天の川が見えます。
昔人間は星々も天の川も暗い天球面に貼り付いているものだと感じていました。今は天の川銀河という無数の銀河の1つの内部にいる、ということを知っているので、「なるほど、射手座方向が中心部で、銀河の中心から外れたところにいるなあ」と立体的にイメージできます。
しかし南米の高地のような場所に住む民族には星座というものが生まれなかったそうです、星の数が見えすぎて星を結んだ形が作れなかったせいで。そのかわり天の川の光をさえぎる星間ガスによる暗い影の形に動物などの姿をイメージしたそうですね。

最近は遠い宇宙の観測不可能だった領域にじりじり視力を伸ばし、地上での物理実験の成果もめざましい、ヒッグス粒子とみられる粒子を発見、ニュートリノは光速以上じゃなかった、など大発見であると同時に、これまでの物理学、数学で導き出した予測と整合する安心材料が得られたということでもありますが、心おどる様々情報が入ってきます。

category: 写真・散策

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ヘンデル デッティンゲン・テ・デウム  

湿っぽい天気が続きます、せめて室内は晴れやかな気分に、ということで、今日はヘンデルのデッティンゲン・テ・デウムです。ヘンデルの魅力、と言えばまずこういう曲ですね。
第1曲"We praise Thee,O God"のイントロは2台のティンパニのD音とA音の2音だけによる旋律で始まります、明快そのもの。壮麗な合唱、バロック・トランペットの輝き、全てが圧巻です。こういう曲こそ、演奏の技量はもちろん、音場感いっぱいの録音も重要ですね。最近1枚加えた手持ち3枚の聴き比べです。いずれも古楽演奏。

he detti 02
①指揮Stephen Layton 合唱Trinity College,Cambridge 管弦楽AAM etc hyperion

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②指揮Wolfgang Helbich 合唱Alsfelder Vokalensemble 管弦楽Concerto Polacco etc NAXOS

he detti 01
③指揮Simon Preston 合唱Choir of Westminster Abbey 管弦楽The English Concert etc ARCHIV

いずれも、演奏、録音ともに申し分ないレベルです。最も新しい①Layton盤(hyperion)は最新の録音らしく、鮮明でありながらウォームで落ち着いた響きです、トランペットも見事。この曲で独唱が指定されているのはbassだけのようですが、bass以外の独唱的パートは合唱団の斉唱によって歌われたり、独唱者を立てて歌ったりできるようで、そのへんの違いも面白いです。①ではカウンター・テナーとバスのみ独唱ありです。
②のHelbich盤(NAXOS)はもはや兼価レーベルではない、第一級の内容。録音も3枚のうちで最もナチュラルかもしれません。この演奏ではsoprano, alto, tenor, bass すべて独唱者を起用しています。
最後の③Preston盤(ARCHIV)、この演奏ではT.ピノックはオルガンを担当、総指揮はS.プレストンです。テンポは程よくゆったり目にとられ、M.レアードのトランペットは大らかさも聴かせるのがいい、ピノックが弾くこの会場のオルガンの美しい響きも聴きどころ、独唱はカウンター・テナー、テナー、バスを起用、ソプラノはWestminster Abbey合唱団のボーイ・ソプラノ群の斉唱で歌われます、技量十分でひじょうに美しい。ソプラノは2パートあり、この録音では左右に分かれて配置、弦の第一、第二vlも同様に配置して、ステレオ効果十分。
録音はアルヒーフらしいブリリアント・サウンドですが決して甲高くなく、滑らかな音質、各パートがくっきり聴こえる録り方です、それでいて音場感も見事に捕えています。いわゆるオーディオ的に上手くまとまっている。
総合的にみると一番古い録音(1984年)の③アルヒーフ盤が一歩抜きん出たゴージャスな出来栄えです。

参考動画:
Handel Dettingen Te Deum
たぶんこういう大編成を想定した作品だと思いますが、CDなど録音物になると必ずしも大編成有利とは限らないですね。

category: G.F.ヘンデル

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F.ブリュッヘンのハイドン90番  

90番は91、92番と合わせ、かつてパリ・セットを依頼したドーニ伯爵に献呈された作品で、パリのオケの編成を想定していますが、同時にエステルハージ・オケの規模でも演奏できるように書かれているそうです。トランペット&ティンパニを加えた版はパリ用ということですね。昨日のグッドマンの録音でスケール感の違いがわかります。
なお2本のホルンはハ調のアルト・ホルンとヘ調のホルンだそうで、アルト・ホルンは"ポスト・ホルン"を思わせる高域の響きが印象的です。
今日はF.ブリュッヘン、18世紀Oによる90番です。フィリップス1984年録音。
93番とのカップリングで、地味な取り合わせですが、そこに凄みを感じさせます。

bru hay 90

86番の新旧盤を聴いてもわかったように18世紀Oの録音は80年代のほうが、だんぜん覇気があって良かった、この90番もその頃なので期待がもてます。当然トランペット&ティンパニ、バリバリのほうで演奏します。
期待通り、第一楽章は堂々としたサウンドで始まります、主部はあまり急がず、がっちり痛快に響かせながら聴かせていきます。涼やかな響きと対比して、エネルギーの込めどころが、ツボを突いています^^後半もリピートしてたっぷり聴かせます。
第二楽章は長調の変奏と短調の変奏が交互にでてくる二重変奏曲となっています。変奏自体は原形を大きく変えないものですね。
メヌエットは速度指定なしですがブリュッヘンはゆっくりめで典雅な趣にし、トリオでテンポを早め、オーボエ・ソロを軽妙に聴かせます。
終楽章は速すぎない範囲で快速、覇気にあふれ、ブリュッヘンらしい快演です。
カップリングされている93番もまたいい、あらためて。

category: F.J.ハイドン

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R.グッドマンのハイドン90番  

ラックを探っていたら、ロイ・グッドマンの90番がありました。92番が目的で買ったCDですが、カップリングにあるのを忘れていて、あらためて聴いたしだい;

hay 90 good

この録音はトランペットとティンパニのない初稿による演奏です。通常、聴けない演奏をするのもグッドマンらしい、とも思えますが。例によってチェンバロで通奏低音を弾きながらの指揮です。
ドンと響かない小編成的アプローチとなりましょうか。響きとしてはエステルハージ楽団の作品に近いですが、充実した内容に変わりはないです。トランペットにかわって2本のホルンの柔らかな和音が響くのもいいですね。

演奏は全般にS.ラトル盤と同じくらいのテンポ、やや淡白な表現で際立った特徴は聴かれませんが、すんなり心地よく聴ける演奏です。ややくすんだ響きのトラヴェルソがノンヴィブラートでスーっと現れ、控えめながら安定した伸びやかな響きが心地よく印象的です。
第一楽章で後半をリピートし、終楽章がリピートなしとなっています。
終楽章は、定型的終結部分をあまり"終わった″感じを強調せず、続きがありそうな予感をもたせているのがS.ラトル盤とちょい違いますね。
録音は各部を克明に聴かせる秀録ではありますが、T.ファイ盤のような透明、鮮明感は乏しいようです。録音しだいでかなり魅力は倍増しそうな演奏だけに、そこは惜しいです。
グッドマンのハイドン・シリーズも録音にやや、出来不出来があるようで、好録音のものもあるんですが・・

category: F.J.ハイドン

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S.ラトルのハイドン90番  

'90年代あたり、古楽の演奏が本格になってバロックのみならず古典派演奏にも大きな進展があり、本当の意味の復興期と言えるでしょうね。ハイドンもそれまでせいぜい後期の有名曲がたまに演奏され、録音も同様というのがお決まりでしたが、傑作にもかかわらず、有名曲の間のエアポケットに隠れていた作品が積極的姿勢の良い演奏で聴かれるようになりました。同時に無名だった古典期の作曲家も良い演奏で現代デビューして、ここ数年新鮮な楽しみが絶えません。

今日はそうした嬉しい流れのひとつ、サイモン・ラトル、バーミンガム市響のハイドンSym 60、70、90番。
ラトルがエアポケットから掬いあげた傑作で、ちょっと定型ではないユーモア・センスも含んだ作品、60番はハイドン版「音楽の冗談」でもあります^^60番は六楽章あり、知らない聴衆は第四楽章のあと拍手してしまう、90番もほんとの終結の前に拍手してしまう曲です;

rat hay 90

さて90番ですが、ピリオド・スタイルとして、何一つ引っかかることのない安心して聴ける演奏と言えましょうか、弦の涼しげな弾き方はもはや当たり前に聴こえます。この曲の初稿にはトランペットとティンパニはなく、後から追加されたそうですね。これらの楽器があって当然のように聴こえますが;
第一楽章は私にはもっとも良いテンポに感じ、メリハリをもたせながら快調に前へ進んでいきます。展開部の入りのピアニッシモの緊張感がいいです。提示部の反復や展開部以後、何度も出てくる主題にはセンスのよい装飾を木管ソロに入れています。T.ファイの前にもあったんですね。テヌートに弾いたところを次はレガートにしたり、ワンパターンを避けています。
第二楽章はごく自然に、短調の力強いところも重すぎず、涼やかに聴かせます。けっこうロマンティックな趣の楽章ですね。
メヌエットは速度指定がないそうですが、ここも指揮者の捕らえ方次第、適切に感じます。
終楽章はちょうどいい快速感でアンサンブルも気持ち良く揃っています。ここでは展開部以後の後半も反復しています、やはりもう一度聴きたいと思わせますね。定型どおりの終結部できっちり終わった!・・ように演奏しています。が、終わりじゃない、ハイドンのユーモアに存分、同調しています。

category: F.J.ハイドン

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ハイドン Sym No.90  K.ベーム  

102番、86番に続いて、通好みの曲は何番か、と探っていたら90番が浮上しました。88番や92番の名曲に挟まれてあまり注目されない傑作ではないでしょうか。そういえば、S.ラトル、バーミンガム市響のもう1枚のアルバムに90番入っています、傑作なんでしょうね^^

序奏はハ長調の全奏のあと、弄るように同音が続く主題が現れます、これがそのまま主部の第一主題となり、同音のリズムが全体を支配しているようで、第一楽章を強く印象づけます。第二主題は第一主題と深く関連づいていますね。提示部でなかなか充実感があります。提示部の最後は第一主題動機でくくり、そのまま短調に変化して展開部へ繋がります。第二主題が出たあと第一主題で見事に展開します。例によって再現部以後も展開部の続きのような凝りかた、第一楽章だけでかなりの満足度。
第二楽章は変奏曲形式ですが、全体のまとまりもあり、繊細優美な趣が魅力、短調の劇的な変奏が繰り返され、美しい楽器ソロも聴かせる。
メヌエットの主題は第一楽章の第二主題と関連しているようです。トリオも雰囲気を変えず統一された感じです。第二楽章同様、優美な趣のメヌエットです。
終楽章は期待通りの構成感で見事な展開のあと、再現部以下が意外に簡潔に終わった・・と思いきや、全休止のあと続きがあり、もう一押し聴かせほんとの終結部となります。82番でもあった手法ですね。

さて、1枚目に聴いたのは、K.ベーム指揮、VPO
88~90番が入っていますが、この90番の録音が、かつてBPOとモーツァルトを録音していた頃を思わせる、かっちり引き締まった演奏でなかなかいいんです、重すぎないところもいい。

hay 90

参考音源:興味深いところでJ.E.ガーディナー指揮、RCOのライブがありました。
リピートでの装飾演奏がいい!しかしRCOはピリオド演奏、見事にこなしますね。
Symphony No.90 - Gardiner/RCO(2010Live)

category: F.J.ハイドン

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ザンデルリンクのハイドン45番、104番  

以前にも45番のことで少し書いた、クルト・ザンデルリンク指揮、SKDのLPです。
第45番「告別」
久しぶりに再度針を降ろしました。

lp

アナログ盤再生というのは音の経路に針とカートリッジという工程が入るせいでしょうか、やはりCDとは一味違った風合、昔ながらの"ステレオでクラシックを聴く"音ですね、このLPはDG原盤ですが、録音は東独のシャルプラッテンが行っていて、ホール・トーンをいっぱい取り込んだ響きで、SKDの絹タッチの美しい弦のイメージが伝わり、サウンドだけでも味わえます。

ザンデルリンクの演奏、45番の第一楽章は内声のリズムをしっかり聴かせ、切迫感があり、緩叙楽章はまさにSKDの細やかな響きが魅力です。初期交響曲といえば、ただ、さらりとした演奏が多かった当時、気にいっていました。ほかに良いと思ったのはドラティ盤です。
104番は全楽章、ゆっくり目のテンポですが、強奏は短く切り、休符の部分で残響がたっぷり聴かれ、録音との相性がよく、雄大な感じに聴こえますが、演奏そのものは力を抜いた清朗なものですね。テンポがゆっくりだとおのずと"溜め"が効いてくるので、つぎに響くダイナミズムが一段とずっしり感じ、展開部もじんわりと聴かされます。清朗な響きで雄大、聴きごたえのある演奏となっています。

ザンデルリンクといえば過去にベルリン交響楽団とのパリセットのLP1枚(確か「王妃」の入ったもの)を持っていたのですが、パリ・セットの刷り込み盤だった、とも言え、ご縁があればまた聴いてみたいです;

category: F.J.ハイドン

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