Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

A.クリュイタンス:ベートーヴェン交響曲7番  

プレーヤーを置き替えて、聴き馴染んだLPを聴いています。
ベートーヴェンの第七が気に入って最初に買ったのがこのアンドレ・クリュイタンス、BPOのLPです。高校生の頃(大昔)、すでに1000円盤として出ていました。同時期2000円盤だったベーム、BPOの渋くかっちりしたグラモフォン録音も素晴らしいですが、こちらはEMIらしい名録音ですね、残響音豊かで華やかな響きですが、集中して聴ける録音です。今でも傷ノイズがほとんどありません、長持ちするもんですねv

be sym7 clu
1960年録音

クリュイタンスの演奏は同じBPOからベームとは違った魅力を聴かせます。弦の表情は毛先の柔らかい筆で丹念に色を重ねるようなデリケートなもので、骨太の曲である第7番に気品を与えながら、びしっとリズムの緊迫感も決め、全体は引き締まっています。適所で弦の柔和なポルタメントを入れるのがまたいい、
第一楽章、序奏は普通くらいですが、主部はゆっくりめに強弱を深く取り、端正な表現をじっくり、BPOの上手さで存分に聴かせていきます。ブラスの輝き、timpの打音をきっぱり出し、構築感もがっちりさせます。
第二楽章、低弦からはじまるテーマが最高潮に達するまで爽快な響きで仕上げ、情熱感を出します。ここは輪郭のベーム、色彩のクリュイタンス、といった違いでしょうか、ベームの場合、少々武骨なのが効いてくるのですが。
第三楽章、スケルツォはあまり速くせず、ここも端正に、トリオは息の深い表現で聴かせます。
終楽章は程よく快速、リズムはぴしっと決めながら、vlには一際しなやかな弓使いをさせ、次の拍にかぶさっていくようなレガート感、この熱狂的な楽章にも気品をおびた味わいを与えます。しかし管、打楽器はあくまで切れ味よく白熱感が削がれることはありません。合奏をぴしっと決め、引き付けられます。付点リズムの連打、終結音の決まりっぷりが痛快。

ところで、同演奏の復刻CDも聴いてみたら、CDのほうがイメージとしてアナログ盤的な音なんですね;

be sym7 clu cd

キメ細かい弦、ふっくら豊かな低音、良質のカートリッジで聴くような音質、リマスターのセンスが良いのか?今使っているカートリッジががっちり音を出すタイプなのでこうなるのかもしれません;
いずれにしても音溝と擦れ合いながら音を拾うアナログにはどう頑張ってもロスがある、光で読み取るデジタルにはロスがない、音源の仕上げさえ良ければCDの勝ちでしょうね。

category: ベートーヴェン

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New プレーヤー  

アナログ盤に本気で乗りだしちゃったカナ・・
展示品処分でお値打ちだったDENON DP-500Mです。キャビネットは線を入れたら将棋盤になりそう;

denon a p

今まで使っていた同社DP-47Fがダスト・カバーを閉じたまま全操作ができるフル・オートだったのに対し今度はフル・マニュアル;しかしまあLP盤を乗っけたついでにちょっとした操作をするだけなので大した手間じゃないですね。フル・オート仕掛けは故障したら厄介なのでむしろ安心。
本機はターンテーブルはサーボ式ダイレクトドライブで正確な回転で安定するようです、スイッチをオンするとすぐ定速回転、オフすると瞬時に止まるってのが驚きました。トーンアームのS字型を使うのは久々、標準のヘッドシェルが付けられるのはいいですね。カートリッジは今までのAT-DS3を取り付けましたが、これを支えるアームやヘッドシェルが替るだけでもちょっとばかり変化がある気がします、こちらはよりシビアーに音を拾う感じです、ストレート・アームとs字の違いでしょうか、DP-47Fの音が気に入らなかったわけじゃないけど、とにかくこっちはターンテーブルやアームにコストを集中させてあるんだから少しは違いが出ないといけません;これでまたLP盤をあさる楽しみが続きそうです。

category: オーディオ

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コダーイSQ:ハイドン弦楽四重奏曲44~46番  

しばらくボッケリーニの五重奏や四重奏を聴いて、ちょっと異国に踏み込んだような感覚が魅力ではまってしまいます。あらためてハイドンを聴くと我が家に帰った気分で安心感を覚えます、この繰り返しが楽しくなりそう。

私はヴァイオリン属を間近に聴く音は苦手で、弦楽四重奏など室内楽はあまり直接音の強い録音だと弓のギスギス擦れる音が目立って耳疲れします。また遠くてホール・トーンが多く入っていると、室内楽じゃないみたいで集中力が削がれるし、ちょうど良い位置じゃないとだめですね。ナクソス・レーベルのコダーイ・クヮルテットの録音はまさにベスト、くっきり鮮明だし耳に優しい、良質のアナログ盤を聴くような音質、もちろん演奏も優れていて美音を奏でていると思いますが。

hay sq 44 45 46
ハイドン「プロシャ王」弦楽四重奏曲より
第44番 変ロ長調 op.50-1
第45番 ハ長調 op.50-2
第46番 変ホ長調 op.50-3
コダーイ・クヮルテット


第44番、第一楽章はチェロの連続同音に乗って第一主題の始まり、この連続音は繰り返し現れて基調となっています。展開部の始まりも同じ、短調になったのが一音だけで感じます。展開部の内容は流石。コダーイSQは美音基調ながら要所で鋭い表現も聴かせます。
第二楽章、歌う主題を繰り返し、いずれかの声部がオブリカートを重ねる、コダーイSQは長調の温かい旋律では程よくヴィブラートをかけ、短調になると押えてクールにする、語るように音の表情を変えます。
メヌエット、ハイドンらしいすっきり心地よいテーマのメヌエット、トリオはさらにすっきりしたもの、簡潔な掛け合いが面白い。
終楽章、陽気な主題で声部間のやりとりも楽しい、展開部はポリフォニックに始まり、静寂部を置いて再びフーガ的になる、聴かせどころ十分に終結に行く。
第45番、第一楽章、Vivaceは快速感はないがじっくり懐の深い構成を聴かせる楽章。展開部もじりじりと深みへ誘う。高音域に昇ったところもコダーイSQはキメ細かく美音を奏でる。4声がフォルテを弾いても爽快に響くのがいい。
第二楽章、Adagio Cantabile まさに歌う旋律で装飾的に変奏され、センスが光る、ハイドンはお手のもの。
メヌエット、簡潔なテーマですがコダーイSQは1音ずつ大切に意味を持たせ、短いメヌエットも味わい深く聴かせます。
終楽章、快活なロンド風主題、提示部だけで結構聴きごたえがありますが、短調に転じ、これぞ展開部といった始まり、かなり引っ張って楽しませてくれます。
第46番も、前2曲とは異なる個性をもち、ハイドンは膨大な曲を連作してもアイデアが尽きないんですね。
コダーイ・クヮルテットは優しい音色ですが、音楽はピシっと張り詰めていて隙がなく聴き手を引きこんでいくようです。ハイドン四重奏曲全曲録音というのは大変なエネルギーでしょう。

PS.ハイドンの書き込みが104番目となりました、キリ番です!自分で何かお祝いしよう^^

category: F.J.ハイドン

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K.ベーム、VPO:ベートーヴェン交響曲7番  

いいかげん寒さも和らいでほしいですが、がまんして今日も中古レコード店に出かけました。
今日の収穫はK.ベームとC.クライバー、ともにVPOのベートーヴェン交響曲第7番、ジョージ・セルとフリッツ・ライナーのハイドン、以上はLP盤、あとボッケリーニの室内楽これはCD、計5枚でした。
ベーム、VPOのLPはパチパチと埃ノイズが目立ち、クリーナーで数回拭っても落ちなかったので、思い切って水洗いしました、効果抜群、まったくノイズ無音状態になりましたv
1972年録音、これもDG最高の出来栄えです、弦はこの上なく味わい深く、管の色彩感も豊か、CDとはわずかな違いでしょうが不思議と鮮やかに聴こえます。これはどっちが良いというのではなく、たまたま音の仕上げが良かったほうに軍配が上がるようです。

ベーム be 7 vpo
1972年 VPO盤

ベームの第7は1958年のBPOとの演奏も水も漏らさぬ名演でした、録音も当時としては奇跡の名録音と言えましょう。この旧盤ではベームは常に冷静な統制をかけていますが、VPOとの新盤はちょっと元気がよいというか、キレたところも聴かせてくれます。決して暴走老人になったわけでなく、厳格な統制は変りないですが。
第一楽章、序奏の開始音は旧盤はセーブをかけていたのに対し、フォルテできます、しかしビシっと締まった響き、ウィンナ・オーボエが抜きん出て響くのが印象的、主部は全般に旧盤より活気を帯びていますが、一瞬たりとも乱雑な響きは聴こえてこない、ベームが指揮台に立った以上、VPOはプライドにかけて粗末な演奏はしないという自発的なものもあるかもしれません。
第二楽章、アレグレットとしてはゆっくりめは旧盤と同じ、叙情的な楽章であっても甘美に陥らず、半分冷静を保ち、旋律線には弱音でも常に筋が通ったように聴かせる、これが聴き手の心理にはたまらなく迫ってくるんですね。
第三楽章、はしゃぐようなリズムのスケルツォですが、ここも落ち着いて緻密に聴かせます、トリオは思いの外、ずっしりと響かせます。
第四楽章、ぴしっと整えながら行きますが、展開部以後は旧盤よりちょっとキレたところを聴かせてくれます、もちろんC.クライバーよりはかなり押えていますが、少しばかりアッチェルランドをかけ「もうちょっと」と思うところを聴き手の心理で加速させ、あくまで整いきった演奏で終えます。

ベーム be 7 bpo
1958年 BPO盤

PS.デジタル世代の息子も知人の影響か、アナログ盤に興味をもったらしく、なにやら古いジャズのLPなど買いあさってきます。音溝から音を拾う原始的な方式とか、カートリッジで音質が変るところなど面白いらしくマニアックな楽しみを覚えたようです。

category: ベートーヴェン

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K.ベーム:シューベルト交響曲4番「悲劇的」  

このLPも長くしまいっぱなしだったもの、いつ頃購入したか憶えていませんが、盤面やレーベルが新品みたいなので、そんなに聴いていなかったようです;70年代のベームはほとんどウィーン・フィルとの録音になってきた中、このシューベルト交響曲第3番&4番のカップリングは1971年、ベルリン・フィルとの録音、会場はベルリン、イエス・キリスト教会、名盤を数々録音した会場ですね、そこに目を引かれ買った記憶です。久々に針を下ろしてみました。

be sch sym4

第3番も好きなのですが、今日は第4番ハ短調「悲劇的」を聴きました、第4番の演奏時間は約30分、LP盤片面に入れるには少々詰め込みぎみできついのですが、さすがDG、音の厚みに不足を感じさせない技術は大したもの。
第一楽章、序奏から十分な厚みのダイナミズムが響きます。第3番の序奏はどこかハイドンの「天地創造」の混沌の描写を思わせますが、ほぼ連作の第4番も同系の充実した序奏です。主部は小刻みな切迫感のある動機ではじまり、timpの強打音をベースにダイナミックな総奏に入ります、ハイドンの様式をしっかり継承した味わいもありますが、ベートーヴェン的な闘争感とシューベルトらしい叙情が織りなす魅力たっぷりの楽章、展開部ではあまり凝ってはいませんが対位法の書法を聴かせます。ベームは期待どおり、ベスト・バランスの管弦楽の響き、音の端々もよく整えます、そんなかっちりした骨格をもたせながら、弦に柔和な表現もさせます、そこはBPOも上手い。
第二楽章、A-B-A'-B'-A"の形式をとり、Aは穏やかな叙情的主題、Bは短調で劇的な主題、と対比を聴かせますが、Bに入ったときの緊迫感がいいです。
第三楽章、メヌエット、アレグロ・ヴィヴァーチェは実際スケルツォ風で、ここでもベートーヴェンへの接近を感じる。
第四楽章、自由に形を変えたソナタ形式ですがロンド形式の要素もありそうです。結構長大で充実していますが、開始は悲歌的、やがて総奏の闘争的な推移を置き、展開部は第一主題で壮大に聴かせる。ベートーヴェンのような大きな勝利宣言はないものの華々しく終わる。
ベーム、BPOによる寸分の隙もない演奏、その整った響きを聴くだけでも心地よいですね。これもたびたびターン・テーブルに乗せたくなる1枚です。

category: シューベルト

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ボッケリーニ・エディションより 弦楽四重奏曲  

またもBOXものに手を出してしまいました;ブリリアント・クラシックスのボッケリーニ・エディション、しかし今回はボッケリーニの聴きどころである五重奏ものなど室内楽の大半はブリリアント・クラシックス自社録音だそうで、優れた演奏家を起用した内容の高いものです。弦楽五重奏曲が全曲揃っているのが目玉でしょう。
まずは弦楽四重奏曲を初期から晩年までの4曲を集めたCD30から聴きます。

bocch quartet
・弦楽四重奏曲第90番ヘ長調 Op.64-1 G248 1.Allegro molto 2.Adagio non tanto 3.Allegro vivo ma non presto
・弦楽四重奏曲第19番ニ長調 Op.15-1 G177 1.Prest 2.Allegro rondeau
・弦楽四重奏曲第36番ト短調 Op.24-6 G194 1.Allegro vivo assai 2.adagio 3.Minuetto-Trio
・弦楽四重奏曲第55番イ長調 Op.39 G213 1.Allegro moderato 2.Minuetto 3.Greve 4.Allegro giusto
ペーターゼン四重奏団 録音1991年 原盤カプリッチョ


モダン楽器の四重奏団ですが、作品の真価をよく表現した良い演奏だと思います。
2曲目の19番ニ長調が最も初期のものですが、ボッケリーニがスペインに移って3年目頃の作品、2つの楽章でまだイタリア・スタイルも感じられる曲ですが、すでにハイドンの四重奏曲に匹敵する4パートの緊密な掛け合いを聴かせ、さらに快調な推進力が魅力で、まさに天才の技でしょう。
3曲目36番ト短調は先日のビオンディ&エウローパ・ガランテの演奏にも入っていた傑作、ビオンディはテンポ変化をつけた繊細な表現も入れていましたが、こちらはインテンポ快調、これもいいです。第一楽章Allegro vivo assaiは J.M.クラウスで親しんだような魅力の短調楽章、快調で展開部もぐっと深みを聴かせます。第二楽章adagioは優美に楽しませ、第三楽章Minuetto-Trioは弦の技巧の妙技も聴かせる。
4曲目第55番イ長調は4つの楽章となり、一段と充実してきます、4パートの対等な扱いはさりげなくこなし、次々と楽想が湧き出し、隙なく優美快調な第一楽章、第三楽章の短調のGreveはぐっと翳りを帯び、終楽章はまさにラテン的でリズム的にもキレまくった楽しさ、もちろん構成の巧みさも聴かせる。
さかのぼって1曲目90番ヘ長調、晩年の作品とは思えない元気さ、第一楽章はハイドンの充実した四重奏団の終楽章にも近い内容、シンコーペーションで次の拍へと繋ぎ、ほぼ無窮動的に突き進む痛快さ。展開部も4つのパートが活き活きと掛け合う、ちらりとスペイン音楽的リズムも顔をだす。第二楽章は旋律のセンスの良さをあらためて聴かされる。第三楽章、ここでもハイドン的な構成の巧みさが聴ける、陽気でリズミカルだが、それが展開部で短調となった趣がいい。ハイドンも民謡風な曲を書くのでボッケリーニも親しみやすく感じる。

category: L.ボッケリーニ

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F.ブリュッヘン:ハイドン交響曲101番「時計」  

古楽オケに親しんで随分長くなりますが、最初に衝撃をうけたのが、このブリュッヘン、18世紀Oによるハイドン交響曲101番と103番でした、フィリップス1987年録音も後年のように薄っぺらじゃないところがいい。
有名なだけにじつに多くの演奏がありますが、旧来のクラシック演奏の基本発想ではどうこねくり廻しても同じような演奏しか成り立たない、第二楽章をやたらゆっくり、きれいに歌いまわす演奏にも飽き飽きする。この停滞状態を初めて打ち破ってくれたのがブリュッヘンです。いささか従来の演奏との違いを強調した感もありますが、私にとっては痛快でした。大なり小なりその後の101番の演奏に古楽、モダン問わず影響していると思います。70年代終り頃からでしょうか、どんな作品も共通の化粧を施していた時代が素顔にせまる時代に変ったようです。

bru hay 101

第一楽章、スーっと直線的に音を引く序奏がいっそう引きつける、主部は楽譜どおりスタッカートを際立たせ、キビキビした表情に徹する。あまりテンポは急がず、音階進行的な主題を武骨なほど粒立て、管やtimpによるダイナミズムもズバっと歯切れよく覇気があり、ここまでやるといさぎよい。肉厚ではないが迫力をもったサウンドで曲の持つエネルギーをしっかり現し、骨格がよく聴こえてくる。
第二楽章、程よいテンポで主題を甘ったるく歌わず、しかし繊細、スッキリした無垢の心地よさ。リズム、強弱をくっきり表現し、短調に入った部分の緊張感もズバっとくる。やはり透明なサウンドの中から曲そのものの魅力が聴こえてくる。休止の後の後続部分も透明サウンドならではの迫力を聴かせる。低弦が分厚く鳴っているとどこでtimpが鳴ったやらわからないが、このサウンドならすべてが明快に聴こえる。
メヌエット、サクサク歯切れよく重くならず、こういう演奏を待ち望んでいた、と感じたものです。トリオではフルートのソロの後のトゥッテイが驚くほど打ち鳴らされる、この対比も痛快。
終楽章、弦による主題の開始はきちんと整い涼やか、そして期待どおり総奏音が切れ味鋭く入る、急速な終楽章も内容を一際緻密に味わうことができる、弱奏に入る直前で強奏を弱める、という上品な技もあり、決して武骨一辺倒というわけではない、きりっと引き絞めて終わる。
録音された時期も含め、数ある「時計」の中でも特に評価したい演奏です。

category: F.J.ハイドン

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ビルスマ:ボッケリーニ/チェロ協奏曲ほか  

朝から毎年恒例の人間ドックに行ってきました。まあ、あちこち悪くなってくるのは仕方ないですが、聴力検査だけは毎年OKで、何とか維持したいところです;

今日はD.ハルモニア・ムンディ50周年BOXより、CD14、A.ビルスマのチェロ独奏とジーン・ラモン&ターフェルムジーク・バロックOによるボッケリーニのチェロ協奏曲、交響曲各2曲のアルバムです。ボッケリーニのチェロのソロ・パートはヴァイオリンを上回るような技巧がこらされ、優美な旋律とオケ・パートも充実した聴きごたえがあります。またここに入った交響曲2曲も傑作です。いずれも純イタリアの古典派様式で書いていた頃の作品のようです。

bocch vc con

L.ボッケリーニ
チェロ協奏曲第7番 ト長調 G480
交響曲 変ロ長調 Op21-5G497
チェロ協奏曲第10番ニ長調 G483
交響曲 ニ短調 Op.12-4G506「悪魔の家」
 アンナー・ビルスマ(Vc)
 ジーン・ラモン(指揮&Vl)
 ターフェルムジーク・バロック・オーケストラ
録音 1988年9月


チェロ協奏曲第7番 ト長調 G480
オケは弦楽のみ、
第一楽章はレガートで爽快に演奏されます。いかにもイタリア趣味の優美な旋律が耐えることなく進められます。ビルスマのチェロは艶やかな高域、豊かな中低域、美しく鳴ります。
第二楽章は低音楽器は休みでチェロ・ソロとvl、vaのみの涼やかな伴奏、朝霧がたちこめた景色のようで、愁いと孤独感を歌い上げます、旋律のセンスは流石。
第三楽章は活気をおび、バックの弦楽もチェロ・ソロ並みのパッセージを聴かせて切れ味よい、チェロはそれを上回る技巧、それを難なく弾きこなし、心地よく音楽は流れる。ボッケリーニの難しいところと言われます。

交響曲 変ロ長調 Op21-5G497
第一楽章、快調この上ない楽章、心地よい冴えた楽想が続々浮かんで隙間なく繋がれていく、イタリア・シンフォニアの典型でしょうか、初期のモーツァルトもJ.C.バッハもここまでいっていないかも?
第二楽章、短調で愁いを帯びますが、やはり旋律趣味が良い、和声の深みも聴かせる。
第三楽章、快活なリズム、旋律の切れ味が心地よい。

チェロ協奏曲第10番ニ長調 G483
こちらはオケにオーボエとホルンが入ります、
第一楽章は前奏をシンフォニックに楽しませ、チェロ・ソロは一段とテクニカルに聴かせる、ソロに対しオケ楽器も室内楽的に関わってきて緊密な内容。
第二楽章は前奏から極めて雅び、オーボエが積極的に使われチェロと二重協奏曲的に聴かせる部分あり、オケの聴かせどころも多いのが魅力。
第三楽章はきわめて快活、チェロは最高に技巧的、オケの弦楽もそれに迫る演奏で、チェロとオケの緊密な掛け合いが圧巻です。シンフォックな聴かせどころも忘れません。これも名演の難しそうな曲ですが、ビルスマは完璧なうえに余裕を持って音楽にします。

交響曲 ニ短調 Op.12-4G506「悪魔の家」
第一楽章、なにやら不気味な予感のする序奏がフォルテで開始します、主部は長調で極めて快活で明るい、走句で埋められたような楽章ですが、隙間なく緊張を維持します。
第二楽章、弦楽のみで切れ切れの旋律のテーマではじまります。静けさの中にもどこか忍び寄る不安を感じさせる。
第三楽章、第一楽章の序奏が再び現れ驚かせる、主部はいよいよ悪魔達の登場、魔性の者達の饗宴騒ぎか?「恐いもの見たさ」という人間の本性を突いたような迫力の楽章です。同時に短調楽章の魅力を結集したような美しい曲でもあります。

category: L.ボッケリーニ

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K.ベーム&VPO:ベートーヴェン交響曲6番「田園」  

これも過去に持っていて失くしたLPですが、先日、中古レコード店で再版盤を見つけました。「田園」ってあまり聴かないほうですが、スウィトナーの爽快な演奏が気に入っているくらいでした。久しぶりにベーム&VPO盤を聴いて充実感に浸りました。ベームは標準枠からはみ出る演奏はしない、感情表現も全開にはせず、八分目くらいに控え、見事に整ったあくまで美しい管弦楽を聴かせます。「田園」もそうした意味で取りたてて強い印象はありませんが、何度聴いても価値を失わない味わいです。1971年の録音でアナログ期のDG最高とも言える出来栄え。バランス・エンジニアはG.ヘルマンスですが、カラヤン・サウンドとは違う輝きがあります。

be vpo be6

第一楽章、ここは普通くらいのテンポでしょう、VPOのしなやかな弦は絶品、ウィンナ・オーボエがピンポイントで聴こえ、管群もよいバランスで明確。ピアニッシモをぐっと押えクレシェンドをかけますが、最強音でもvlが爽快、チェロはたっぷりと潤いを聴かせる。
第二楽章、だいぶゆっくりめですが、思い切り安らいだ気分に引き込みます。木管も美しいですが、弦のしみじみ、じわっと歌いだすところがいい。しかしベームは消えかけのような"淡い"表現はしないので弱音にも筋が入っているようです。
第三楽章、ここも落ち着いたテンポ、ホルンの高鳴りとオーボエ、クラリネット、再びホルンと歌い継ぎ、各楽器が透明感を帯びて美しい。コントラバスの導入のあとの饗宴的踊り、結構重厚なサウンドで聴かせますが、爽快なんですね。
第四楽章、嵐の場面も決して狂乱的にならず、整った古典派管弦楽を聴く感じを崩しません。十分な迫力も聴かせながら、ブラスは喧しくなく爽快、timpがぴたりツボを押えて打ち鳴らされ、常にバランスのとれた響き、美しい嵐です。
第五楽章、速い終楽章の緊迫感はありませんが、オーケストラの美質の聴かせどころでもありますね、管の導入のあとの弦のテーマ、息をのむようなvl群の弱音の美しさで始めます。もちろん強奏に入ってもキメの細かい輝きを聴かせます。最後に弦がppでテーマを奏でるところはぐっと弱音にし、夕べの祈りのような雰囲気です。
ゆったりと聴かせているようで、じつは引き締めている演奏と言えましょうか。

PS.同演奏の再版CDも聴いてみたのですが、明らかに音が違います。残響成分が増え、音場に奥行きがでています。オーボエなど管楽器が奥から聴こえてくる感じです、マスター音源のバランスを取り直すとこうなるんでしょうかね、これはこれで良いですし、LP盤のしっとり落ち着いた音質も好きです。
80年代のカラヤン、ベートーヴェンのデジタル録音も最初の頃は音が塊っぽくデッドだと不評でしたが、近年再版されたCDは適度に残響が入り、少し解消されたようです。どちらが良いかは好みですけどね。

category: ベートーヴェン

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ボッケリーニ:ギター五重奏曲第4番「ファンダンゴ」ほか  

ルイジ・ボッケリーニ(1743~1805)といえば一般にはあの有名な「メヌエット」で名前だけは知られているでしょう、ギター関係者にはギター五重奏曲第4番の終楽章「ファンダンゴ」が有名。しかし「ハイドン夫人」と呼ばれるほど作品は膨大、魅力的で掘り起こし甲斐のある人ですね。イタリアのルッカでチェロ、コントラバス奏者の父の家に生まれ、チェロの名手となり、20代半ばまでヨーロッパ各地で演奏活動、26歳でスペイン王室に招かれ、その後の人生はスペイン王室付きの音楽家として過ごす。作風はそれまで純イタリア的な古典派音楽でしたが、スペインに移ってからはご当地の伝統音楽と古典派様式を高い芸術性で融合させていて、民族楽派の走りとも言われます。チェロの超名人であることから、弦楽器の高い妙技を聴かせる室内楽や協奏曲の傑作が目白押し、交響曲も聴きどころです。 ハイドンのかっちりした様式美に対し、ボッケリーニは特にスペイン時代から様式を自由に崩し、優美な旋律を次々用いて構成する型にはまらない楽しさが魅力です。
手始めにファビオ・ビオンディ率いるエウローパ・ガランテ(古楽器)による室内楽集です、すべてスペイン時代の作品のようです。まさに名手達の演奏、繊細な超弱音から驚くダイナミズム、室内楽ながらシンフォニックでもあります。この2枚組アルバムが655円とは申し訳ないほどの内容。

bocch sq etc

CD1
1. 弦楽五重奏曲イ短調作品25の6 G.300
2. 弦楽五重奏曲ハ長調作品25の4 G.298
3. 弦楽五重奏曲ニ短調作品25の1 G.295
4. 弦楽五重奏曲ホ長調作品11の5 G.275~メヌエット
CD2
1. ギター五重奏曲第4番ニ長調 G.448「ファンダンゴ」
2. 弦楽四重奏曲ト短調作品24の6 G.194
3. ギター五重奏曲ハ長調 G.453「マドリードの帰営ラッパ」
 
ビオンディ&エウローパ・ガランテ/ボッケリーニ:室内楽曲集(2CD) Virgin
ファビオ・ビオンディ(ヴァイオリン)
 エンリコ・カサッツァ(ヴァイオリン:CD1)
 ロレンツォ・コリッタ(ヴァイオリン:CD2)
 エルネスト・ブラウケール(ヴィオラ)
 マウリツィオ・ナッデオ(チェロ)
 アントニオ・ファンティヌオリ(チェロ:CD1)
 ジャンジャコモ・ピナルディ(ギター:CD2)
 マウロ・オッコニエロ(カスタネット:CD2-3)


短調作品がいいですね、CD1の1曲目、弦楽五重奏曲イ短調作品25の6から魅了される、第一楽章の叙情たっぷりの小回りな旋律、各パートの隙のない受け答え、流れも良い、情熱もあれば極めて繊細でもある。展開部に相当する部分は深みを帯びる、チェロが弓を弾ませ、弦を連打する奏法で、ギターのラスゲアートを思わせる響きを出す。第二楽章:メヌエット、第三楽章:ラルゴ・カンタービレも優美で少しも退屈させない。終楽章はリズム的妙技を各パートの絡みで聴かせる、まさにラテンの血が生み出す魅力でしょう。CD1でもう一つ魅力なのが弦楽五重奏曲ニ短調作品25の1、第一楽章ラルゲットは第二楽章の序奏のようでもあります、間を置かず第二楽章に入る、これが旋律も優美ならシンコペーションを用いたリズムも快調で魅力満点です。
CD2の最初はいよいよギター五重奏曲第4番ニ長調「ファンダンゴ」です、第一楽章パストラーレで長閑に始まります、ピナルディのギターはバロック期から19世紀タイプの中間のような、ロココ・ギターのような楽器でしょうか、まろやかで楽器本体が心地よく鳴る音です。第二楽章アレグロ・マエストーソも充実している、チェロのハーモニックスが木管が入ったように聴かせる。最後のファンダンゴの魅力はあらためて言うまでもないでしょう、切れ味よいリズムをぴしっと決め、ギター、弦楽ともに繊細な味わいも聴かせ単に楽しい舞曲で終わらせない第一級のファンダンゴです。パーカッションに前半ではタンバリン、後半ではカスタネットが切れ味よく入り、盛り上げますv次に入っている弦楽四重奏曲ト短調作品24の6、これがまた優美快調ですばらしい。

★ところで、これらボッケリーニのスペイン期の室内楽を聴いてすぐピンときたのが、北欧で活躍したヨゼフ・マルティン・クラウスです。クラウスはハイドンやグルック、古くはバッハなどドイツ系を継承しているのも間違いないでしょうが、特に器楽作品でのクラウスらしい旋律趣味はドイツ系の誰とも違ったテイストだと思っていました。叙情的で小回りな旋律やシンコペーションを使ったリズムの快調な運び、最も似ていると思うのはスペイン時代のボッケリーニです。以前取り上げたクラウスのフルート五重奏曲やその他の室内楽、交響曲にもよく似た旋律の語調が聴かれるんです。これは偶然なのか?(にしてはよく似ている)、クラウスはボッケリーニの作品に触れたことがあるのか?互いにヨーロッパ各地を訪れた足跡はあるのですが、最北と最南の両者の接点を示すような情報は今のところ見つかりません。

category: L.ボッケリーニ

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G.van.ワース:ハイドン交響曲85番ほか  

ここ数日、音楽を聴いた後、すぐ眠くなって何も書けませんでした。
先般聴いたG.van ワースのハイドン、sym 82、86番が素晴らしく、もう1枚出ている85、45番、そして間にJ.M.クラウスのsym d-dur(VB143)の入ったアルバムも聴かずにいられません;期待どおりの内容です。
全般に標準の枠から出ない正攻法の演奏ながら、作品の読みが深く、あらためて曲の魅力を知らされます。古楽オケEns.レザグレマンの磨きぬかれた演奏も見事。

waas hay 85 45

ハイドン sym no.85「王妃」
切れ味よい快活さと気品をもった曲ですが、どこか翳りも帯び、栄華は続かない?儚さも予感させるようです。もちろんハイドンは作曲時点で王室の運命を知るよしもなかったのですが。
第一楽章、序奏は歯切れよく演奏、主部は速すぎない快速でちょうど良い、第一主題開始の動機はゆったりと憂いを帯び、続く快速な部分は弦の素早い上行やトレモロが痛快、またオーボエによる第一主題前半の再現は柔らかく美しいが、これが憂いを深める。第二主題は「告別」の第一主題と同じでまた悲劇性を聴かせる、動と静の対比が繰り返され、展開部の始まりでワースはぐっと力感を入れ、引き付ける。
第二楽章、「優しく若いリゼット」の主題による変奏、アレグレットのテンポです、獄中のマリー・アントヮネットがこの楽章をクラヴサンで愛奏していたと伝えられますが、いかにも幸福な日々を回想するかの始まり、短調に入ると悲運の翳りを感じ、王妃の運命と重なるようです、長調に戻り、フルートのオブリカートが美しいが、儚くも感じる。
メヌエット、典雅なメヌエットの代表のような曲、ワースはあまり力を入れず、軽やかにリズムをくっきり聴かせる。
終楽章、軽快なロンドですが速すぎないテンポをとり、一点一画を大事に、楷書的な演奏で充実させて締めくくる。

J.M.クラウス sym d-dur(VB143)
ワースのクラウス演奏も気合入っているようで、あらためて良さがわかります。もっとクラウスを録音してほしい。
第一楽章の充実度はハイドンを上回ると思えるほど。印象的な第一主題はポリフォニックな扱いで彫りの深さを聴かせ、対照的に快調な部分も置き、提示部だけで小さなソナタ形式を聴いたような内容、そして展開部が圧巻の充実度。
第二楽章、変奏形式ですが才気にみちた変奏で、フルートのソロがクラウスらしい旋律美、続く弦楽による変奏もいい。
第三楽章、第一楽章の第一主題の変形のような主題で始まる、やはりこの楽章も多分にポリフォニックで聴きごたえ十分。聴き心地よい楽しさだけ求めるとクラウスは今一わからないけど、ハイドンで鍛えた耳には良さが十分聴けるでしょう。

ハイドン sym no.45「告別」
「告別」をカップリングしたのは「王妃」との主題の関連でしょうか、
第一楽章、いいテンポです、快調でしかもシンコペーション・リズムや細部のこまやかな表現をしっかり聴かせる、特異な表現はないけど、提示部がじつに良いまとまり。展開部に入るとホルンに豪奏させ、ダイナミックスを出す。展開部で初めて出てくる第二主題?をmp→pの推移で聴かせ、次の再現部を豪快に始める、この再現部が素晴らしいところで、聴かせどころを心得た演奏です。
第二楽章、アダージョらしいテンポでじっくり行きます、弱奏はぐっと弱め、引き込みます、涼やかな弦と暖かみのあるオーボエの響きがいい、後半はぐっと夢想的に引き込んでいきます。
メヌエット、軽やかにくっきりと演奏、最後まで心地よい。
第四楽章、ここも速くし過ぎず、楷書的に様式美をきちんと聴かせる。
第五楽章、意外と速めのテンポです、あまり"別れを告げる感じ"を意識せずとも、楽員達はさっさと帰りたいんだから、これくらいが良さそう^^最後の2人のvlもさらりと終わる。
G.van ワースのこのシリーズ、続けてほしいですね。ほんとにツボを押さえている。

category: F.J.ハイドン

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B.ワルター:ハイドン交響曲102番  

今日はさほど寒くなく、名古屋の中古レコード店に行ってきました。久しぶりに電車で、子供の頃から車窓の景色を見ながら電車に乗るのは好きで少しもかわりません^^線路沿いの建物など新しいものもあれば、鉄粉を浴びて茶色に染まった古いものもあり、そこだけ時間が止まっているようで懐かしい風情があります。狭い日本でも地方によって方言が異なりますが、流れる家並を見て、地続きなのにいったいどこで方言(文化圏)が変るのだろう?はっきり境界があるのだろうか?と不思議に思いながら・・;

さて今日の収穫は3枚、その1枚がブルーノ・ワルター指揮ニューヨーク・フィルハーモニックのハイドン交響曲96番、102番のLP(モノラル)です。昔持っていて再度入手したいと思っていたものです。ジョージ・セルなど他にも目を引くものがありましたが、これがポツンと見つかり、よくぞあったものです、縁があったんですね。盤面はクリーニングされ、内袋も取り替えられ良い状態で売られています。帰宅して再度クリーニング、さっそく針を下ろすと記憶していた以上に良い録音です。適度に距離を置いてホール・トーンも拾ったやや渋いながら深みのあるサウンド、ダイナミックレンジも十分とられた鑑賞には申し分ないもの。ニューヨーク・フィルの厚み、凄みを感じます。最新録音よりこうした古い録音のほうが生々しい迫力があるものです。A面の96番も名演ですが、B面102番の演奏にあらためて感銘を受けました。

b w hay

第一楽章、序奏はワルターらしい美質でじっくり聴かせます、ニューヨーク・フィルの弦の味わいもなかなかのもの、主部は堂々と、しかしあまり角張らせず快活に整えます、そして力感の推移に応じたアッチェルランドを少しかけます、ニューヨーク・フィルの厚いサウンドとともにこれが生気を帯び、提示部は反復なしですが一回で引きつけられます。展開部以後もこの巧みなコントロールで魅了し、ドスの効いた低弦やtimpが終結部を痛快にします。
第二楽章、ここはさすがにワルターらしい、懐深い起伏、長い息使い、すべて納得のいく自然な音楽の流れです。表面的に甘ったるい演奏は好きじゃないですが、ワルターはそのたぐいじゃない深い根拠を持った不動のものですね、ベートーヴェンを聴くような深い味わい。
メヌエット、テヌートぎみに切るのは自然ですが、ワルターには意外に思えるほど力強く確然とした演奏、武骨なほどの力感で音をぶつけてくる、トスカニーニもクレンペラーも真っ青?ほかに例がないでしょう。この楽章の性格をよく表現していて痛快です。
終楽章、4:15と、バーンスタインの演奏に迫るテンポ、快活でしかも流線形の良い流れ、終楽章でもわずかばかり、ほとんど無意識ともいえるようなアッチェルランドを感じます。最後まで速度を保ち、スパっと終わる。あらためて102番屈指の名演と思います。

ちなみに当盤は750円で購入、ネット上には同演奏のCDが出品されていますが1万円越え!お買い得でした;

category: F.J.ハイドン

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ヴェンツィンガー:ヘンデル「水の上の音楽」  

さて次はアウグスト・ヴェンツィンガー指揮、バーゼル・スコラ・カントルムによるヘンデル「水上の音楽」を聴き返してみました。こちらはアルヒーフ'65年録音、輝く銀のレーベルです。この頃はいわゆるバロック・ブームでもあり、世界でも人気の合奏団が次々録音を出していた頃、どこかムード・ミュージック的な音盤も少なくなかったですが、アルヒーフだけは一線を画し、真面目な優れた演奏を生々しく伝える録音に徹していました。さらにキリっとした銀のレーベルが格調高く聴き手の心をつかむ。当時このヴェンツィンガー盤を手にしてからは比較しうる音盤はなく、何度針を下ろしたことかわかりませんが、新しいカートリッジで聴いたところ何の問題もなくクリアな再生音、気を付けて扱えばアナログ盤も一生モノですねv

arch w m
↑輝いてます^^

第一組曲ヘ長調の序曲を聴くと今日のピリオド演奏とはさすがに違う、古楽器とはいえ弦はヴィブラートをかけ、渋く厚みを帯びます。ちょっとデッドな響きかと錯覚しますが、バロック・オーボエがクリアに鳴ると好録音であることがわかります。弦も今の古楽演奏にはない味わいがあります。ホルンの入るアレグロはゆっくりめのテンポでナチュラル・ホルンのトリルを大らかながらきちんと聴かせる。曲間を繋ぐオーボエやヴァイオリンのソロも趣味がよく、音楽的に実直で妙な飾りっ気はなく、ニ短調のブーレー(アンダンテ)も味わい深い。第二組曲ではトランペットが入りパっと華やぎますが、ナチュラルtpの輝きが最高、tpが鳴る音とともに空気振動が管内に当る風圧音まで聴こえます。左右に拡がった弦楽、少し奥から聴こえるオーボエや金管、音場の立体感もあり、通奏低音はハープ、リュート、チェンバロが入りゴージャス、各楽器をしっかり捕えています。最近の録音では聴かれないようなアルヒーフ独特の(アク抜きがされていないような?)生っぽいサウンドで、本来気軽な作品として書かれたであろう水上の音楽をじっくり聴いてしまいます。

category: G.F.ヘンデル

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