Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

K.リヒター:バッハ ブランデンブルク協奏曲(LP)  

今日も一日曇り空、あまり暑くはならず助かりました。どうも数日音盤を聴きだすとすぐに眠気をもよおし、レビューができせんでした;
今日はブランデンブルク協奏曲の一応?しめくくり、カール・リヒター&ミュンヘン・バッハOのLPのほうをじっくり味わいました。カートリッジはAT-DS3、肉付きのよい健康的な音で再生します。4月にCDのレビューもざっと書きました。

リヒター ブランデンブルク
1968年 アルヒーフ

各曲とも第一楽章は快速なテンポ、レスポンスの良い高級車でドライヴするような運び、飾りっけはないけど、がっしりした骨組みを感じながら、柔軟で緻密な合奏力、飽きのこない充実感で満たされます。編成は大きいがきめ細かい美しさ。

第1番、第一楽章、パイヤールなどとは正反対の一聴してそっけないほど表情は控え、インテンポで整然と運ぶがそこが心地よい、オーボエもホルンも合奏体の一部として堅実に演奏される。第二楽章、オーボエ、vlソロのバックで弦楽のしなやかさが良い、内声、低音弦がバランスよく、充実した響き。第三楽章、ここも増強したコントラバスが明確にバスラインを聴かせるが重くはなく、整然と運ぶ。終楽章、古楽演奏に聴かれるようなメヌエットの洒落っけはないが、合奏音の素晴らしさで十分満たしてくれる、ポラッカでは闊達なリズム感を出す。
第2番、速めの第一楽章だが、かっちり整然と進め生命感あふれる。4つのソロ楽器もまさに均質の演奏で掛け合う、ピエール・ティボーのtpが達演でそれを実現していて最高音まで輝かしくキーンと澄み切った音は見事、リヒターの第2番にはこの人しかいないという気がする。清涼な第二楽章、チェロのバスの歌いぶりに耳を引かれる。終楽章が再び輝く音楽を痛快に聴かせる。
第3番、第一楽章、快速、ミュンヘン・バッハOの弦楽の味わいだけでも満足、リズム感よく強弱を巧みに使い、ハッとする弱音を聴かせて強奏に戻った力感がなんとも良い、コントラバスにソロが来たときの深みも良い。終楽章、平均的なテンポだが各パート絶好のバランスできっちりと構成を聴かせる、スリリングなテンポでは聴けない味わい。
第4番、第一楽章、この曲は落ち着いたテンポ、H.シュネーベルガーのvl、およびリンデ、ヘラーのリコーダー・コンビが端正な味わいで織りなしていく。第二楽章、開始のトゥッティは意外に重厚で、しかし重苦しい嫌味がないのはさすがリヒター、深みをおびた第二楽章。フーガの終楽章はさすが、各パートの重なりが充実感たっぷり、vlとリコーダー・ソロを可愛らしく聴かせ、トゥッティとの響きの対比が効く。ここでもコントラバスの深みが良い、同系の録音法と思われるカラヤンのブランデンブルクとの出来の差は大きい。
第5番、第一楽章、普通くらいのテンポでしょう、トゥッテイの弦楽サウンドは当然素晴らしい、バランス的にチェンバロがかなり小音量であるが、音像がくっきり分離して聴こえてくる、vl、flのソロも全体の統制下の一部として堅実に、しかし美しく演奏される。リヒターのチェンバロはカデンツァでも武骨なまでにインテンポに徹する、が、それがこの演奏では自然の法則のように思えるんですね、第二、第三楽章とも同様。
第6番、この曲だけは各パート一人ずつの編成ですね、第一楽章はバス部がリズム感を出しながら、va、vc、ガンバがしなやかに歌い継いでいく、やはり飾りっけなく整然と行くところが、引きつけてやまない。終楽章は落ち着いたテンポで、トゥッティからとても雅びに聴かせる、ソロも小忙しくなく整う、モダン楽器と一緒のせいかガンバの響きが一際聴き取りやすい。
おそらくD.Gと同系のマルチ録音と思われるが見事なバランスの仕上がり、生演奏では聴けない音盤ならではの音楽でしょう。

category: J.S.バッハ

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ウーファーの補修  

メーカー製のスピーカーを買うとしたら、今でもほしいと思うのがハーベスのこれです。
HARBETH HLCompact 7ES-3
少しずつ更新されていますが、基本型は昔のままでしょう。オーソドックスな20cm、ツー・ウェイです。選択肢は多々あるでしょうが、これなら安心とわかっている製品です。サイズや重量も手ごろ、ちょっとした地震で倒れそうな細長のトールボーイ型は心配だし;
素直に貯金してハーベスを買えばよかったものを、自作に凝ってしまった時期があり、作ったのがいつも紹介している、これ、(ハーベスとはえらい違い;)
自作SP
20cmウーファーにツィーターを合わせたのも、ハーベスのロングランSPを意識していたんですね^^;自作ものはダメでもともと、そこそこ聴けりゃあ儲けもん、という意識でやるんですが、たまたま使用したユニット(FOSTEX)が気に入ったせいか今日まで使っています。ウーファーのエッジがウレタンだったのは情けなく、業者さんにセーム革エッジに替えてもらい、長く使えると思っていたところ、ほころびは来るもんですね。
ゴムリング
セーム革自体は長持ちでしょうが、接着が弱ってくる、エッジの周囲を止めていたゴムリングが一部浮き上がっていました。まだ音に現れるほどの状況じゃないですが、放置しておけず、ゴム用接着剤を隙間に塗って、最小限の補修をしました。これで使えるだけ使う・・いよいよダメならハーベスかな?^^

category: 趣味のハンドメイド

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ヘッドシェルのゴムワッシャー  

ヘッドシェルに付いていたゴムワッシャーが薄すぎるようで、パッキン効果がなく、アームにしっかり締めたつもりでも、まだヘッドがグラつく様子でした、こりゃ明らかに良くない;代わりの物を作ろうと、今日はホームセンターを覗いてみました。
1mm厚のゴム・シートと穴あけポンチの径8mmと12mmを購入、まず8mmで穴をあけ、その周りを12mmで切り抜きます、ポンチは叩く必要なく、押え込んでグリグリ廻せば簡単に切り抜けます。 穴あけポンチも意外に安い品です。
穴ポンチ

こんな具合にいくらでも作れます。多少いびつになったりしますが、実用に問題なし。合革やセーム革で作っても良いかもしれません。
ゴムワッシャー

取り付けたところ具合ばっちり。
取り付け

ついでに平板測量に使う水準器も安かったので購入、プレーヤーの水平確認には十分でしょう。オーディオ専用品は見栄えは良いけど、ずっと置いておくもんじゃないですし。
水平

category: 趣味のハンドメイド

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P-Jan・ベルダー:バッハ ブランデンブルク協奏曲  

R.ゲーベル&MAKやT.ファイ&ハイデルブルク響は同じ音大卒のメンバーで結成されたと聞きますが、確かに気心が解り、共通の価値観で他に類のない方向に邁進するには有利かと想像します。今日のブランデンブルク協奏曲はピーター-ヤン・ベルダー率いるムジカ・アムフィオンで、オランダ、ベルギー系の個々に活躍する、他の古楽団体にも参加しているメンバーです。こういう団体のほうがずっと多いでしょうね。各奏者の学び取ったことが持ち寄られ、おのずと民主的になるような。P-Jan・ベルダーは鍵盤とリコーダーの両刀使いでちょっと珍しい。第2番と第4番ではリコーダーを吹き、その他ではチェンバロの快演を聴かせます。
全曲ざっと聴いてみると、テンポ設定、表現がとてもオーソドックスなのに逆に驚きます、2006年、ごく最近の録音です。外面的にはハッとさせる斬新なものはないですが、じっくり聴けば、それまでの古楽演奏を再度磨きあげたような美しい演奏になっていてハッとします。録音は曲によってセッティングが変わるようですが、鮮明で広がりのある好録音です。これがBRILLANT CLASSICSでお買い得。

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第1番、弦の表現は極めてしなやか、第一楽章から、第三楽章まで美しく聴かせます、ホルンがまた上手い、ハッとするのは終楽章、これまで聴いた中で最もしんなり軽やかなメヌエットには魅了される、1拍、2拍目をやんわり繋ぎ、3拍目もしなやかに次の小節へ繋がる、ポラッカまでもしなやかだが、その中で切り立った表現も聴かせる、トリオⅡでもホルンが美音で見事。
第2番、快速なほうだが、よくあるテンポ、バロックtpはWilliam Wroth、なかなかの達演で他のソロも申し分なく、快調で満足度の高い第2番に仕上げている。バス・パートを弾くチェロがはっきり捉えられ、バス旋律を音楽性豊かに弾いているのがよく聴ける、ソロが5つになったみたいです。
第3番、ざっと聴けば普通の演奏だが、第一楽章はきりっと締まった合奏の熱気が引きつける、終楽章、MAKほどではないが十分快速、尋常ではない熱気がこもる、後半の終わりではコントラバスが弓を叩き付けるような低音の豪奏を聴かせ、痛快に終わる、これはMAKを凌駕するインパクトです。
第4番、この曲もこれまでに聴いたことのある秀演に磨きをかけたような演奏で、vl、リコーダーともに美しい、テンポは標準的、この曲でも第2番と同じような録音設定でチェロの奏でるバス旋律が味わい深く聴ける。
第5番、これはまさに全楽章、標準的に聴こえる、カデンツァのチェンバロも特に斬新な表現はないが、vl、flとともに美しく決めた演奏に違いはない。第二楽章では控え目ながら、センスの光るチェンバロの装飾演奏が良い。
第6番、この曲だけはちょっと印象的、第一楽章、さほど速くはないが、連打バスが力強く弾かれ、ソロのみの演奏となったあと再びバスが始まる心地よさは、第6番の不思議な力と言おうか、ツボを聴かせる。2つのヴィオラ、ヴィオラ・ダ・ガンバもバロック弦楽器の美質を存分に聴かせる。第二楽章では弦が簡素な旋律を弾くバックでチェンバロが磨かれたセンスのリアリゼーションを存分に楽しませる。終楽章、リズム感の心地よさと美しく整った合奏音が格別。
価値ある秀演であると同時にこれは古楽入門盤としても親しみやすいかもしれません。

category: J.S.バッハ

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R.ゲーベル:バッハ ブランデンブルク協奏曲  

今日は朝からツバメの声が聞こえません。換気ダクトの上に付けた猫よけの上にさらにアルミホイルを付けたところ、やっと諦めてくれたようです、鳥は金属光沢を嫌うそうですがあまり効果はないそうで、それよりも風にひらひらする不安定な付け方が決め手だったようですv
アルミホイル

さてブランデンブルク協奏曲、今日はラインハルト・ゲーベル率いるムジカ・アンティクヮ・ケルン、1986~1987年の録音で新譜で出た頃は大いに話題で注文が多く入荷が遅れたほどでした。速いテンポ、鋭いアタック、今でも過激な演奏と評される向きもありますが、あらためて聴くと決して荒っぽさはなく、古楽演奏の"粋"を速いテンポの中に凝縮したように聴かせるもので、耳心地よい響き、ワンパターンに歌うだけじゃない、一音ずつ言葉の意味を持つようなソロ演奏並みのデリケートな表現を合奏全体で行っています。第3番の終楽章や第6番の第一楽章は確かにギネスものの速さですが、他は異例というほどでなく、第1番、第2番のテンポなど、60年代、K.リヒターが快速にかっちり決めた演奏とほぼ同じです。録音は従来のアルヒーフとは一味違った音場の豊かな響きで各パートも鮮明です。
ゲーベル

第1番、第一楽章、速めながらしなやか基調の表現、鋭いアタック表現もあるが、力が抜けているので耳に爽快、ホルンも豪快だが丁寧に決めている。第二楽章はさらにしなやかで瞑想的、第三楽章は期待どおりに快活、弦楽は爽快。終楽章、メヌエットは一際軽やか、これまで聴いた古楽演奏の美質を練り上げている。トリオⅠ、Ⅱ、ポラッカもそれぞれ特徴を楽しませる。
第2番、第一楽章、バロックtpはF.インマー、やや危うい快速ながら、いつもの柔らかく透明な響きで吹きこなす。4つのソロ楽器が快調に決めていく中、バックの弦楽の和声が涼風のように被さってくる、昨日のCCAの演奏にもあった魅力の表現ですが先に聴かせたのはMAKです。第二楽章、リズミカルなバスにレガートなソロ楽器、装飾も楽しませる。第三楽章、快速で、インマーは開始の装飾音を省いた演奏で軽やかに始める、他のソロ楽器も力みを抜いて快調に進める、終止音はインテンポのまま伸ばさずふっと終わる。
第3番、第一楽章も快速だが、軽やか、くっきり表現で、終止気合いが入る、強奏部分ではぐっと量感が効くので全体は弱音基調なのだろう。終楽章、これぞ脅威のスピード、この楽章の熱気を究極的に表現する、決して無意味な暴走ではない。後半の迫力、バスの押し出しは圧巻。
第4番、第一楽章、快速で第2番と同じ感覚、ゲーベルのvlは気合いがこもるが力を抜いた美音。第二楽章、普通のテンポでしょう、ゲーベルもリコーダーを後方にさげたエコー効果を使う。終楽章、速いが軽やかレガートで一気に筆を進める感覚、フーガの構成感も見事聴かせる。
第5番、他の曲同様、やや快速ながら細やかな表現が見事、カデンツァのチェンバロは絶妙なアゴーギグで緊張を保つ、休止で溜めを置いた後の疾走パッセージも痛快、第二楽章、チェンバロの装飾がいい、vlとトラベルソは耳元で囁くような細やかさで引き込む。終楽章、軽やかにリズムに乗せ、チェンバロは鮮やかだがトリルを短めにおさめたり、小忙しく聴こえるのを避けて節度を持たせる。
第6番、この第一楽章のスピードにも誰もが驚くでしょう、同音バスが連続する躍動感の上に数小節を一跨ぎするようにチェンバロがゆったり和音を弾きます、これが曲を大きなスパンで捉えた印象を与える。そして思いきりエッジを立てたvaソロ、いつの間にかハマります、これも音楽のツボ。第二楽章、他の緩抒楽章共通でリズム感を出しvaのソロもしなやか。終楽章、しっかりとジーグのリズムに乗せる、ソロ楽器も小忙しさなく、さらりと決める。

category: J.S.バッハ

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CCA:バッハ ブランデンブルク協奏曲  

今日はハイドンの交響曲、室内楽編でも取り上げた、ヤン・ヴィレム・デ・フリエンド率いるコンバッティメント・コンソート・アムステルダムのブランデンブルク協奏曲です。今ではまったく珍しくないモダン楽器によるピリオド演奏ですが、ブランデンブルク協奏曲を本格的に取り上げた演奏はこれだけでしょうかね。T.ファイ同様、古楽は楽器より演奏法が多くを占めることを実証した録音でもあります。緻密なアンサンブルはK.リヒターを思わせる完成度、それが古楽奏法になった感があります。録音は素晴らしく明るく透明な残響音で、低域も豊かに押し出す。

comba bach bra
1995~1996年、アムステルダム、ヴァルス教会
ヤン・ヴィレム・デ・フリエンド:音楽監督&vl
コンバッティメント・コンソート・アムステルダム


第1番、第一楽章、綺麗に流すだけの演奏ではなく、一音ずつの表情に集中した古楽がすぐ聴き取れます。ホルンはブラスらしい豪奏でナチュラル・ホルンの雰囲気が出る、しかし機能を活かした整った演奏です。第二楽章は深く瞑想的、ピッコロvlとobは古楽器さながらに聴こえる。第三楽章、闊達で小気味よい、vlはアタックは付けるがモダン的な劈くような音は一切出さない。終楽章、軽やかなメヌエット、リズム取りもばっちり。トリオⅠ、Ⅱ、ポラッカも魅力十分。
第2番、tpはペーター・マシューズで、テクニックは申し分なく、輝かしいサウンドが残響音とともに美しい。第一楽章、快速で各ソロとバス・パートがかっちりと決めながら進め、そこに涼やかなバックの弦楽が思い切って被さってくるところが印象的で、同じ表現はゲーベル&ムジカ・アンティクヮ・ケルンでも聴かれた。第二楽章、遅くし過ぎず、バスはリズミカル、3つのソロは強弱起伏に味わいがあり装飾で小味をつける。終楽章、tpは切れ味よく開始、速めに整然と進める。
第3番、第一楽章は意外に落ち着いたテンポ、その分旋律に十分表情を込める、リズムはくっきりさせるので快活さはある。終楽章、快速、各パートきっちり整い心地よいが、バス・パートもくっきりして、豊かに響くのが一段と良い、アタックをつけてエネルギッシュに決める。
第4番、開始のトゥッティからスタカート気味にエッジを立てて聴かせる、これはリコーダーの奏法にぴたりくる表現、フリエンドのソロvlは並みのバロックvlより美しいかもしれない、アゴーギグも味わい深く進める。第二楽章、この演奏でもリコーダーを後方に置き、エコーの効果を使っている、録音が秀逸で距離を感じとれる。終楽章、ソロvlはじめ申し分ない秀演、リズムのエッジを立て、その中でのレガート音が一段と心地よい。
第5番、第一楽章、やや快速、さすがにモダン・フルートとトラベルソとの発音の違いは大きいものを感じるが、好演です。カデンツァのチェンバロ・ソロはT.コープマンに近い思い切った溜めを入れた快演。第二楽章、チェンバロが常に粋な装飾を弾くのが聴きどころ。終楽章、速め、ジーグ・リズムの心地よさとチェンバロの鮮やかさで魅了する。
第6番、第一楽章、トゥッティではバスによるリズム打ちが強く、この楽章独特の進行の魅力を強調する、ソロ部はゆったり聴かせ、再びトゥッティに入ると前より鋭くリズムを打ったりする。このリズム上にソロ群がカノン的な重なりを聴かせるところ、魅力です。第二楽章、バスはスタカートに近い音の切り方、そこにva二つとチェロがしなやかに対話する。終楽章、速いほうではないが、この楽章はくっきり端正にまとめる。

category: J.S.バッハ

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R.グッドマン:バッハ ブランデンブルク協奏曲  

久しぶりに暑さが一段落、ツバメとの根比べを続けています;
今日は再び古楽演奏でロイ・グッドマンのブランデンブルク、このCDもかなり前、アメリカのアウトレット・ショップからまとめ買いをした一つ、在庫リストの演奏者名、R.Goodmanに期待して注文表に加えました。
1991年hyperionの録音は小ぢんまりとして、SONY-VIVATEのような鮮やかな音場感ではないのが少々残念ですが各パート音はよく聴こえる室内的サウンド。ただ綺麗に歌うだけの演奏は退屈だが、さすがグッドマンはバロックの楽しみを具現化してくれる。

goodman bra 1991
1991年 hyperion

注目は通奏低音楽器、チェンバロとオルガンを適宜使い分け、第1番と第6番ではナイジェル・ノースがテオルボを弾いている。特に第6番では他では聴けない古雅な響きとなって魅力。また全曲グッドマン自身がvlソロの妙技を聴かせる。

第1番、第一楽章は軽やかで心地よい運び、ホルンはあまり荒っぽくなくきちんと演奏している。第二楽章、涼しげな弦楽の上にグッドマンのピッコロvlがすっと現れる、obは伴奏部分ではふわっと音を立ち上げる、テオルボとオルガンの響きがより瞑想感を演出する。第三楽章、快活なテンポ、ピッコロvlが切れ味よく、中間部の短いカデンツァはvlが粋な装飾演奏。終楽章、メヌエットは1、2拍目をレガートに、3拍目を軽く切り、軽やか。古楽では当たり前の表現、トリオ、ポラッカも適切な表現、舞曲の雰囲気を出す。
第2番、第一楽章、快調なテンポでリズム感も心地よい。バロックtpはステファン・ケーヴィ、特に難点のない見事な演奏、レガートな立ち上げ方が美しい。演奏全体もレガート、スタカートの対比心地よく、これも常識的でしょう。第二楽章、バス部は適度にリズム感をつける。各ソロ楽器は一音ずつを語るような古楽語法で退屈させない。第三楽章、tpが柔らかに始め美しい、モダンtpのような完璧さはないものの、かなり決めているし、やはりこの音は貴重に感じる。爽快な終楽章。
第3番、第一楽章、快速にリズム楽しく聴かせる、軽やかな中にピリっとした気合いが入る。終楽章、急速なテンポで各パートぴしっと決める、強弱の起伏をとり、後半では力感を出し、終わり方はさらり、上々の終楽章。
第4番、爽快な始まり、第一楽章からグッドマンはvlの味わい、装飾を楽しませる。第二楽章はリズム感も出し、ダラリとした緩抒楽章にしない、2つのリコーダーを遠ざけ(後方か中二階)遠鳴りのエコーのように聴かせ効果を出す。終楽章、速めのテンポで重くならず爽快にきめる。グッドマンのソロvlは意外なほど熱気、切れ味で迫るのが聴きどころ。
第5番、今まで同様快調な秀演の第一楽章、第二楽章ではvlとflの装飾掛け合いが楽しい。ジーグらしい一段とリズミカルな終楽章、快速な中での鮮やかなチェンバロが見事。
第6番、ここではチェンバロを使わず、テオルボとオルガンのみの通奏低音、高域を発する楽器がない響きは一際新鮮でもある。第一楽章は速いテンポでぐいぐい行く、リズムと推移感が良く、各パートの折り重なりが凝縮されて構成感がより見事に聴こえる。第二楽章、一段と暖色系の響きで穏やか、内面的な気分となる。第三楽章、ジーグの快調なリズムを強調、va、vcの細やかなソロも拍を強調しながらきめていく、テオルボのパリっと響く和音もリズムを心地よく聴かせる。

category: J.S.バッハ

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カラヤン:バッハ ブランデンブルク協奏曲  

ツバメはまだ諦めずに行ったり来たりしています、昨日取り付けた猫よけと壁面にわずかな隙間があってそこにとまっていました^^;今日は隙間を埋めるべく、細く切った猫よけを上乗せしたのですが・・;ちなみに右の灰色はカラスよけで大きすぎて使えません、左の猫よけを使っています。
ツバメよけ

昨日のついでにカラヤン&BPOのブランデンブルク協奏曲です、1965年、1回目の録音。2枚組というと安っぽいケース・デザインが多いのですが、さすがドイツ盤はよい感じです。
今でも、ほかでは聴けなくなったタイプの名演として評価される向きもありますが、私には全曲聴くのはちとしんどいです。
カラヤン ブランデンブルク
1965年 D.G

さすがトップ奏者の集団BPOは何でもこなしてしまいます。録音はリヒター盤と同じマルチ録音で同質に思いますが、リヒター&ミュンヘン・バッハOが編成は大きくとも室内楽的に緻密にまとまっているのに対し、カラヤン&BPOは個々の奏者は上手いでしょうがいかにも大編成的、弦は厚いがそのわりにバスラインがくっきり押してこない。音質もやや荒っぽく聴こえます。

第1番、ホルンもオーボエも達者です。第二楽章はかなりゆっくりで今となっては表情が重たい。終楽章のメヌエットの恐ろしく遅いテンポは何なのか理解できません、トリオⅠとポラッカもそのままのテンポ、舞曲的味わいはない、トリオⅡだけ活気をつけますが。
第2番、tpはBPOの団員でもあったアドルフ・シェルバウム、obやflはやたら全面に出ているのにtpだけ奥に引っ込み過ぎたバランス、楽しみだった聴きどころが明瞭に聴こえない、終楽章はやや聴きやすいのだが、バランスを取り直してリマスターできるならそうしてほしいところ。
第3番、重厚な第3番ですが、リヒターのようなキレがない。
第4番、K.H.ツェラーらのフルートはもちろん第一級なのですが、第4番の笛としては大袈裟な存在に聴こえる。第二楽章も重い。
第5番、第6番もまあ前時代的というか、特段聴きどころはない。活躍した時代からして無理からぬところもあるが、同時期のリヒターやレーデルなどバロック専門家に馴染めばやはり聴きづらいかもしれない。
もちろんレパートリーによっては素晴らしい演奏が多いので決してカラヤンを毛嫌いしたりしません。

category: J.S.バッハ

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イ・ムジチ:バッハ ブランデンブルク協奏曲'84年盤  

うちの軒下にツバメが巣を作ろうとしています。幸福を呼ぶ鳥として(うちでは特に;)歓迎したいところ、下にはエアコンの室外機があり、糞の始末などしている余裕はありません;悪いけど巣を作ってしまう前に掻き落としていますが、ツバメは学習性がなく、場所を替えようとせず、また作りに来るんですね、このクソ暑いのに困っています。ちょうど私の音楽室の外です、鳴き声がすると「また来たな」と気になってしかたない;
と、集中力を削がれながら今日もブランデンブルクです。
古楽演奏がすっかり普及した'80年代、バロック演奏の老舗イ・ムジチの演奏はどんなものかと興味を抱いて取り寄せてみたものです。さすがに'60年代、F.アーヨ時代にはあり得なかったであろう新感覚は取り入れています。急楽章の速めのテンポ、闊達なリズム感、また楽器もモダン仕様ながら指定どおり、ピッコロvl、リコーダー、ヴィオラ・ダ・ガンバを使い、代用楽器を使うなどしていません。しかし古楽語法ではなく本質は伝統の演奏でしょう、明るくふくよかなイ・ムジチ:サウンド、そこに名だたる管楽器奏者を集めての録音。

イ ムジチ ブランデンブルク 1984
録音:1984年7月23日-8月4日
スイス、ラ・ショー=ド=フォン


第1番の始まりを聴くと、いくつか古楽団体を聴いた後でも違和感なく入っていける闊達な表現、しかしホルンの荒々しさはなく、きちっと整っている。カルミレッリのvlもふくよかなヴィヴラート奏法が基調だが鋭いアタックも聴かせる。第二楽章は涼やかだが旧来的な演奏でもある。第三楽章は再び闊達。終楽章、メヌエットはきちんとした演奏だが舞曲的な面白さはない、トリオⅠではホリガーらobが装飾演奏を聴かせる、ポラッカとトリオⅡはこれといった聴きどころはない。
第2番、tpはM.アンドレの弟子ギー・トゥーヴロンが担当するが、これは聴きもの、テクニックのキレが良く、師アンドレの柔らか基調の響きに対し、心地よい輝きを聴かせる、リコーダーのマイケル・コプレイは古楽指向の演奏に聴こえるが他のソリストも調和する表現で第2番はよくまとまっている。
第3番、イ・ムジチ持ち前の弦楽の魅力で聴かせる秀演であり、特に特徴的なものはない。せっかくハイテンポで演奏しているので終楽章でもう少し熱気を出してほしいところ、妙におとなしい。これは録音にも問題があって、低域に量感がなく小ぢんまりした響きなのが残念。
第4番、2つのリコーダーが古楽指向のすっきりした表現でバックも爽やかに同調する、カルミレッリのvlもヴィヴラート奏法ながら質を近づけた感覚で達者に演奏する。第二楽章はやや甘美に過ぎる感じがするがソロ三人が装飾のやりとりもちょっと聴かせる。終楽章、ソロ、バック共に清々しい秀演。
第5番、この曲では突然、'60年代に戻った感覚になる、バックの弦楽を増員したような響きで、落ち着いたテンポ、イ・ムジチ:サウンドをたっぷり繰り出す、フルートの巨匠、セヴェリーノ・ガッゼローニの昔ながらのカンタービレ奏法が主軸になっているような、カルミレッリもたっぷりとヴィヴラートし、巨匠に合わせる。第二楽章、チェンバロ、vl、fl、のみで演奏されるのが通常だが、ここにチェロがバス旋律に加わっている、このチェロがまた他の曲での表現とは違って一際カンタービレである。これは前世代のイ・ムジチ:ファンを意識した演奏だろうか?
第6番、第一楽章、気の抜けるような遅いテンポではないのは良い、ゆったり歌う第二楽章、終楽章は旧来的であろうか、雅びな雰囲気はある。

古楽器演奏のような不完全さは生じない、K.リヒターのような統一感はないものの親しみやすく明快に演奏されている点で現代のクラシック入門盤としてはよい出来かもしれません。

category: J.S.バッハ

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J.ラモン:バッハ ブランデンブルク協奏曲  

ようやくパソコンの修理が完了して、レビュー再開です。私のところは誘導雷が伝わって来やすいせいか今まで3回雷でやられました。ひどい時はパソコンはおろか、TV、電話、ドアホンまでイカれました;最近、動作不良が多発して先月末に動かなくなり、HDの劣化と思いますが雷のダメージが残っていたかもしれません。今後雷のシーズンは外出時に電源も信号線も抜いて出かけようと思います。

さてブランデンブルク協奏曲の続きです。今日は愛聴盤の一つである、ジーン・ラモン率いるターフェル・ムジーク・バロックOです。やはりSONYのVIVATEレーベルの録音だけあって、サウンド的にも非常に魅力、磨きあげたように音が輝き、音場も自然に広がります。単に鮮明なだけでなく、自然な厚みも持ったサウンドがいい。ターフェル・ムジークの演奏はすっかり定着した古楽の秀演かと思っていたところ、あらためて聴くと結構踏み込んだ表現もあり楽しめます。

tafe bach bra 1993

第1番、第一楽章は爽快整然と弾く弦と荒々しさを聴かせるホルンとの分離感が面白い、第二楽章は一際弦が清涼で、フレーズ中で溜めを入れながら進めるオーボエ、そしてラモンのひんやり感じるほどのピッコロvlが聴きどころ。第三楽章は速めで闊達、中ごろの短いカデンツァ風のところ、ラモンが惚れ惚れする装飾演奏を聴かせ、ハッとする。終楽章、メヌエットはリズムをほんのり柔らかくとらえ、繰り返し聴いても飽きない味わい、第一トリオでは2つのオーボエにファゴットの低音が付きますが、このファゴットのフレーズの間の取り方が良く、オーボエが乗っかります。ポラッカはテンポを速めエッジを立てて引き締める。やんわりと聴かせる終結音も良いです。
第2番、バロックtpはコープマン盤と同じクリスティアン・スティル・パーキンス、最高域など演奏不完全なところもありますが、あくまで柔らかな室内楽的音作りは見事だと思います。本当のナチュラルtpではさらに困難なことはクイケン盤のJ-F.マドゥーフの演奏から窺えますが、バッハの時代、これを完璧に吹ける人がいたかどうかも疑問です。奏者がどこまで吹けるか挑戦させる楽しみだったかもしれませんね。ラモンはじめ、ほかのソロ奏者とともに美しい第2番として聴かせます。
第3番、第一楽章、快活なテンポですがメリハリは強くせず、背景にくっきりリズムを感じさせながら、弦楽の柔軟な味わいで進め、要所要所でアタックを入れ引き締める。第三チェロとコントラバスにソロがまわってくると、一際どっしりと響かせるのが印象。ラモンが簡潔なソロを弾き終楽章に入る、速すぎないくらいに快速、強弱起伏をとった弦楽は結構白熱感があって、コントラバスもぐっと押しだす。インテンポのままスパッと終るのも粋です。
第4番、第一楽章、さらりと清々しく始める、聴きどころはやはりラモンの清涼感あふれるvlソロです、控え目な音量でくっきりとした美音が飽きさせない。第二楽章はvl、リコーダー共に装飾演奏を入れる。終楽章、ここもリズムは強く打たず、爽快にフーガを流していく。
第5番、良好な録音だけに、Charlotte Nedigerのチェンバロはキラキラ美しく、薄っぺらじゃない実のある響きが良い、ラモンのvlもやはり控え目ながら美しい、Marten Rootのflトラベルソは装飾ヴィヴラートを使うなど幽玄な味わいがいい。チェンバロのカデンツァも卒なく決める。第二楽章、通奏低音を兼ねたチェンバロが全体を弾き進め、表情を込めたvlとflが掛け合う、一人でつぶやくような弱音表現が引き込む。終楽章は快活なジーグらしいリズム、チェンバロの鮮やかさが耳を引く。
第6番、第一楽章はやや速めのテンポ、この楽章は快調に前に進むリズム感が心地よいので、これくらいのテンポがいいです。録音の良さで一際第6番の雅びなサウンドが味わえます。

category: J.S.バッハ

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新車のナンバー  

6月吉日、新しい車が来ました。今回は一段と燃費のよいコンパクト・カーです。契約の際、「お好きなナンバーにできます」とのことで、まず考えたのが、リュート弾きの立場としてシルヴィウス・レオポルト・ヴァイスの生誕年「1687」でした、が、今の自分にはやはりこの人ですね^^

ナンバー

パソコンはまだ修理中で日がかかります;

category: F.J.ハイドン

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パソコン修理中  

パソコン修理中のため、書き込みを休止しています。
しばらくはレビューなしでのんびり聴きます^^

category: 時事・雑記

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