Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話題など

カラヤン&VPO:ドヴォルザーク交響曲第8番  

今日はカラヤンの「新世界」と思ったのですが、カラヤンの場合第8番が好きなので急遽変更。
このLPは夏の中古盤セールで購入し保留していましたが、ジャケットはきれいで中身もあまり聴かれた痕跡のないもの、極めて良好品でした。おなじみ、カラヤン来日記念盤で出た英デッカ盤、帯には「このレコードは限定版ですので、すぐ売り切れるおそれがあります・・」との書き込みも懐かしい;いずれもVPOとの録音で20枚リリースされました。1961年、デッカの録音はHi-Fi、音溝が大きく刻まれ情報量が多く、オーケストラが迫ってくるサウンドです。さすがにカラヤンのまだ若々しい覇気が聴けます。

カラヤン dov 8
1961年、VPO 英デッカ

第一楽章の弦の序奏は個々の弦が粒立って聴こえるようで、じわりと始まります、主部は快速で細かいことを考えずとも颯爽と整った演奏がぐいぐい押してきます。ダイナミックレンジが大きい録音だけに強弱の奥深い表現にも引き付けられる。
第二楽章は凝った構成ですが、木管のソロは音量を控え気味に、夢想的に聴かせる。
第三楽章はスケルツォというより、スラブ舞曲の雰囲気をもつ抒情的な主題、ここもVPOの弦の美音が粒立つようで一際味わい深い。中間部の主題は木管の歌とともにポルタメントを効かせた柔和な弦の表情がいい。
終楽章はソナタ形式だが、展開部が短く、提示部と再現部に変奏の要素を持たせているのが特徴、tpファンファーレは少し奥からの良い響き、第一主題は弦でゆったり始める、トゥッティに入るとぐっとテンポを上げ、切れ味痛快。民族的舞曲も登場するが、カラヤンは常にぴしっと張りつめた覇気をもって進め、VPOも決めている。終結では一段と速度を増し、豪快なブラスに包まれ熱狂的に終わる。

カラヤン dov 8b
1985年、VPO D.グラモフォン

カラヤンは1985年にもD.グラモフォンに同じVPOと第8番を録音している、円熟味が加わった味わいがあるが、'61年の頃の若々しい覇気は幾分丸まった感じがする。録音はさすが'85年、D.Gのクウォリティですが。

category: ドヴォルザーク

tb: 0   cm: 0

F.フリッチャイ:ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」LP二種  

高校時代、友人から借りて聴いたヘリオドール盤のフリッチャイ&BPO「新世界」には演奏と録音の素晴らしさに魅せられました。しかし、先般手に入れたD.Gチューリップ盤は同録音ながらヘリオドール盤の記憶の音とは違う、と思い・・ヘリオドール盤も取り寄せたしだい(安い!)^^;
フリッチャイ dov 9 dg
フェレンツ・フリッチャイ指揮、ベルリン・フィルハーモニーO
D.グラモフォン(チューリップ・レーベル)1959年録音


フリッチャイ dov 9 he
同録音、ヘリオドール・レーベル

盤面を見ればすぐわかる、ヘリオドール盤は新たにカッティングされたものです。どうやらチューリップ盤は古き時代の音仕上げのようで、ダイナミック・レンジを抑え込んであり、強奏部のブラスの豪快な響きがおとなしく丸められています。昔、国内に普及していたプレーヤーやフルレンジ・スピーカーでも再生し易そうな音?しかし弦楽のしっとり落ち着いた味わいなど全般にグラモフォンらしいサウンドに仕上がっています。
一方ヘリオドール盤はマスター音源に近いであろうHi-Fiサウンドに仕上げられていて、新時代のオーディオに合わせてあるようです。再生すると生々しい弦、太く豪快なブラスが凄い、高校時代の記憶が甦ります。フリッチャイの演奏を詳細に聴くにはヘリオドール盤、若しくはその後出た"グラモフォン・スペシャル"盤が良いでしょう。古き時代の味わいで聴くにはチューリップ盤、ということに。一方だけが良いとは決められません。
フリッチャイの演奏はあらためて言うこともないですが、スケールが大きく、強弱起伏とテンポの緩急変化がツボを得て、堪えられない、何度聴いても良いです。

このヘリオドール盤はまたノイズがひどかったので、今度こそダメージ盤か、と半ば諦め気分で水洗浄し、2回ほど針を通すとノイズは消えてきました、塩ビ盤は丈夫です。

category: ドヴォルザーク

tb: 0   cm: 0

K.ベーム:ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」  

じつはL.バーンスタイン指揮イスラエル・フィルの「新世界」を取り上げようとしましたが、繰り上げてK.ベーム&VPOです。
1978年、ムジークフェラインでのセッション、ベームの晩年に近い頃ですね。老境のベームとVPOがどんな「新世界」を聴かせてくれるか。録音はかなり直接音の多いオケにぐっと近づいた感じです。

ベーム dov 9
ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」
カール・ベーム指揮
ウィーン・フィルハーモニーO
1978年 ウィーン、ムジークフェライン 大ホール


快調、スマート、な演奏じゃないのは予想どおり、今まで聴いたことのないタイプの演奏が繰り広げられる。
第一楽章、ビブラートを深くかけたVPOらしい弦でじわりと始まる、木管のハーモニーの中からウィンナobがツーンと突き抜けてくるのも他にはない雰囲気。主部は速くないが普通のテンポでしょう、熱気のある弦、timpの強打が飛び出す、直接音主体のため、あまり涼やかには響かない、チェロはゴリゴリ聴こえる、懐深い強弱、インテンポでぎゅっと引き締まった、骨格の強い表現で進む、クレシェンドするところは低弦が引っ張っていき、力感がある。木管や弦が歌う第二主題は穏やかだが表情は控え目。展開部は結構豪快に熱気をこめる。終結も若干テンポアップするものの、冷静さも失わず、ガチっと決める。
第二楽章、よくあるテンポ、遅くしすぎないのもベームらしい。イングリッシュ・ホルンが聴きなれた音とは一味違う、これもウィンナ・タイプがあるのだろうか?中間の短調ではvlは弱音器を付けているにもかかわらず、結構熱気を帯びる。祭りの旋律も落ち着いたテンポで開始、ブラスの加わる総奏も重厚。第二楽章もやはり老練というか武骨というか、そんな味わい。
第三楽章、遅めのスケルツォだが、ずっしり重量感と切迫感で押してくる、ゴリゴリ弾くチェロに続きtimpは爆音、これはハマってしまう;副主題もさほど緩やかな感じにはせず、芯が通った感覚、スケルツォが十分豪快なので対比はつく。
第四楽章が一番ベームらしい、じっくりとしたテンポ、がっちりとした構造感で押し通す、テンポもほぼ一定、しかし懐の深い強弱、弦は燃え上がるようだけど木管は意外に淡泊、ブラスは豪快、終結の熱気も冷静に整えて終わる。ゴツゴツしているがこの終楽章も聴くほどにじわじわと術中にハマってくる感じです。

category: ドヴォルザーク

tb: 0   cm: 0

C.von ドホナーニ:ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」  

しばらく「新世界」をいくつか聴いてみようと思います。
今日はクリストフ・フォン・ドホナーニ指揮、クリーヴランドO、随分前から持っていたのですが、「新世界」をじっくり聴くのは久しぶりです。このLONDONレーベルの録音は評価も高かったと思いますが素晴らしいもので、音場は澄みわたり、各楽器の音も美しい、低音も懐深く、ブラスの強奏も濁った響きにならず厚みがあってリアル。ドホナーニ&クリーヴランドOの快演がいきいきと響きます。

ドホナーニ dov 9
ドヴォルザーク
交響曲第9番「新世界より」
交響曲第8番
クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮
クリーヴランドO
1984年


ドホナーニはあまり練り込んだ表現を取らず、自然の慣性に乗ったように、快調にサバサバと進めます。強弱の起伏が自然で滑らか、リズムと進行がとても心地よい。
第一楽章、始まりの弦が潤って美しい、木管にも魅了される、主部は快調なテンポ、切れ味よく始まりtimpの強打が飛び出す、迷いなく溌剌とした基調、フルートの穏やかな第二主題、次のブラスが入った強奏へと大きな起伏をさらりと運ぶ、展開部でのブラスは豪快だがやかましくない範囲でダイナミクスを聴かせる。終結部前のトランペットが吹き始めを強く、中ほどを弱め、再び強くする1音の表現が絶品。終結は気持ち良くビシっと決め、クリーヴランドOの合奏力に惚れ惚れして終わる。
第二楽章、ここもほどほどのラルゴ・テンポ、弱奏から立ち上がるブラスも上手い、コーラングレはさらりと歌うが弦の伴奏音も含め情感は豊か、引き継ぐクラリネットの響きが一際魅力。中間部の短調でも弱音器付き弦をバックにクラリネットはじめ木管のハーモニーが美しい、管で始まるお祭りの旋律はテンポを上げ、総奏に持っていく。休符を置いて途切れがちに進む終結部、SQになるところも美しく聴かせる。
第三楽章、予測どおり快活なテンポでズバズバ切れ味よく聴かせる、timpの強打が思い切りよい、副主題で穏やかになり、再び盛り上がる、このスケルツォではtimpの細かな弱奏も巧みにリズムを演出して効いている、曲全体にも言えるがtimpの芸が細かい。
第四楽章、快調な入り、トランペットはじめ、ブラスがとても上手い、この楽章の顔とも言える響きを決める。展開部も各部バランスよく詳細に聴かせながら終結はテンポを上げ、畳み込むように終わる、最後の木管の余韻も短め。

ブラームス風の第7番も好きですが、8番、9番は明快な魅力ですね。

category: ドヴォルザーク

tb: 0   cm: 0

O.スウィトナー:ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」  

スウィトナーは客演するオケでは前の指揮者の癖を取ることから始めると語っていました。音作りの基本がかなり違うのでしょうね。ドヴォルザークの交響曲においても、全体が室内楽的な弱音基調で木管のハーモニー、弦の弱奏など他のパート音に邪魔させず、くっきり浮かばせます、弦楽をゴリゴリ弾かせることはありません。ダイナミクスはブラスや打楽器に依存しますが、ブラスも透明に溶け合う響きを尊重しているようです。弱音に集中させ、強すぎない強奏を効かせる。SKBの合奏はBPOやRCOみたいにビシっと決まっていない、そこが柔らかで血の通った味わいに聴こえる、器用に聴かせるより大事なものがあるように感じます。

スウィトナー dov 9
ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」
オットマール・スウィトナー指揮
シュターツカペレ・ベルリン
1978年、ドイツ・シャルプラッテン


第一楽章、弦による序奏はきわめて弱奏、エアコンやパソコンが動いていると聴こえづらい;主部の開始はやや快調なテンポ、第一vlの最高ポジションの音がやや苦手っぽく乱れますが、高揚感として聴こえる;続くvlのトレモロが聴こえるかどうかくらいの弱奏、木管が交互にテーマを入れ、ぐっとダイナミクスに持っていく、フルートのソロやvlによるテーマは他パートを事前に十分弱奏にしてテンポも緩め、落ち着いたところでゆったり歌わせる、クレシェンドをかける際にもぐっと抑えてから始める、こんな表現法で引き付けて行きます。展開部も爽快な響きでピリとした緊張感を持たせます。終結部に入るとブラスは今まで控えていた音量からぐっと高鳴り、テンポも加速、突然キレたように熱烈に終わる、ここはスウィトナーらしく、いいv
第二楽章、あまりゆっくりのテンポではないが十分脱力した感じ、イングリッシュ・ホルンも良いが、他の木管、ppの弦が夢想的で良い、楽譜を持っていなければ気付かなかったような、かすかな弦の内声も聴こえてくる繊細な表現バランス。オーボエ、フールトがお祭り風の旋律を始め、総奏に入るが、第一楽章、第二楽章のテーマが豪快に重なる、各楽章のテーマは同じDNAで出来ているみたいです。
第三楽章、ここは速いテンポを取り、スケルツォのリズムに切迫感を持たせ、キリっとした切れ味、副主題でゆったりとした気分にして、再び緊迫させる、再度演奏するスケルツォはさらにテンポ・アップしているようです。
第四楽章、開始は切れ味よく豪快、響きはあくまで清潔、たった1か所のシンバルが鳴る、クラリネットのソロ、vlと続き総奏となる、vlが強すぎない分、コントラバスが深く聴こえる低い重心の響きが良い。木管パートをよく聴かせる、他の演奏では聴けなかったバランスで聴こえてくる。終楽章には前楽章のテーマが有機的に組み込まれています。終結はブラスを豪快に響かせ痛快に加速、余韻を長く消え入るように終わる。
「新世界」はスウィトナーの特質がよく感じとれるようです。

category: ドヴォルザーク

tb: 0   cm: 0

D.ゲリンガス:ハイドン チェロ協奏曲1番、2番  

ハイドンのチェロ協奏曲からはしばらく離れていて、新盤を買うのは久しぶり、せっかくなら名演をと、Daisyさんお薦めのダヴィド・ゲリンガスのチェロ協奏曲1番と2番です。名盤にもかかわらず発売終了となっていたが、タイミングよくオークションに出ていました。
CANYON Classicsの録音は、演奏会場に居るような立体的な音場が広がり、オケ、ソロともに潤った響きの中に輝く芯(倍音)が聴こえ、録音の世界から生の世界に近づいた感がある。ゲリンガスの使うガダニーニのチェロはハイドンの時代に作られた名器だそうで、中域から高域までふくよかに味わいを帯びた響き、低域はよく乾いた透明な音でブリッジ付近を弾くアタック音が余韻をもって心地よく鳴る。
ゲリンガスはソロと指揮をしているが、演奏は特異なものでなく、古楽研究も含め洗練され続けてきた演奏史が反映した現代的なものと思う。確実なテクニックで美しいソロ、アンサンブルはゲリンガスの覇気を感じ取り、音楽的にぴたり一体化している感じを受ける、チェコ・フィルハーモニー室内Oの技量も見事。

ゲリンガス hay vc con
ハイドン
チェロ協奏曲第1番ハ長調Hob.Ⅶb-1
チェロ協奏曲第2番ニ長調Hob.Ⅶb-2
交響曲第13番、第二楽章
ダヴィド・ゲリンガス:チェロ&指揮
チェコ・フィルハーモニー室内O
1993年、CANYON Classics


第1番、ハイドン30歳頃、オルガン協奏曲第1番に近い健康的な明るさをもつ作品。
第一楽章は速めのテンポで快活さに浸らせる、充実した響きを聴かせ、フレーズの終わりをすっとクールダウンして涼しげに閉じる上品なまとめ方、覇気をもってぐいぐい進むゲリンガスにオケは見事同調している。展開部の短調となった感傷的な味わいも良いが、再現部に戻る明るさを取り戻すところがまたいい。
第二楽章は弦楽の清々しい主題に始まる、ソロは強弱の陰影が立体的な味わい、短調の中間部は情熱的に聴かせる。
第三楽章、ここも速いテンポをとり、白熱の演奏、ゲリンガスは鍵盤的とも思える素早い音形を切れ味よく完璧に弾き切り、ほぼ休みなく弾き進むソロと間髪をいれず同調したオケが引き付けてやまない。技巧的なボッケリーニのチェロ作品を彷彿させる。

第2番は全楽章、旋律美の曲でもある、適切なテンポで、存分に歌わせ、同時に整った様式感で引き締める。
第一楽章のふんわりとした入り、切り立った音形も聴かせる前奏、ソロはゲリンガスの楽器がとびきりの美音で歌う。自然の成り行きのように装飾もちょっと入れる。オケは重すぎず軽薄でなく良い量感。ソロの展開部での情感、覇気がいい。ソロが終わりオケパートが引き継ぐところの解放感もいい。
第二楽章、言葉で囁きかけるようなソロ・チェロ、じっくり味わうのみ。
第三楽章、優しく始まるロンド主題、ソロは技巧の聴かせどころで、あらゆる技巧が入る、重音奏法もあれば力強く切り立った低音の後に愛らしい高音を弾いたり、音色の対比も十分聴かせる。ゲリンガスは名器を用いて存分に聴かせる。

最後に交響曲第13番の第二楽章、反復では弦楽伴奏をピチカートに切り替えて変化をつける。
全曲(★★★★★)です!

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 0

A.シェルバウム:トランペット協奏曲集Ⅱ  

東空に昇った中秋の名月は黄色く、D.グラモフォンのレーベルのようでした^^
さて、これは先般のA.シェルバウム:トランペット協奏曲集の再販盤のようですが、B)面の曲が入れ替わっていて、レオポルト・モーツァルトのtp協奏曲ニ長調とテレマンのtp協奏曲ニ長調と定番が入っています。tp先駆者シェルバウムはこれら定番がどんな演奏か興味湧きました。これもD.Gチューリップ盤なので古いと思うのですが、未開封だそうで、ジャケットも黄ばみはまったくなくスレ痕もない、印刷の色が鮮やかでまさに新品です、日本盤なのでどこかの倉に眠っていた品のようです。さすが未開封盤、軽く埃を拭くだけでノイズレス、音も新品です。盤本体の不具合もないのは幸運v

シェルバウム tp 2
B)①レオポルト・モーツァルト、tp協奏曲ニ長調
  カール・リステンパルト指揮、ザール室内O
 ②テレマン、tp協奏曲ニ長調
  ロベルト・シュテーリ指揮、ハンブルク・バッハO
  トランペット:アドルフ・シェルバウム


一曲目、L.モーツァルトのtp協奏曲のバックはK.リステンパルト&ザールCO、というのも楽しみでした。とても清涼なオケの響きで始まる、この曲はtpの高域の魅力をよく聴かせながら、気品高く書かれた傑作ですね、シェルバウムの演奏は楽器の機能も関係してくるでしょうが、第一楽章でのトリルの演奏がやり辛らそうな部分もあります、跳躍して吹く最高音は美しく響かせます。カデンツァでさらに最高音で魅了します。第二楽章はわりと速めのテンポ、こちらは切れ味よく決めていて爽快。全般にやや不安定なところもありますが、ここは古き大らかな時代だったという感があります。バックのリステンパルトは爽快に整えています。
もう1曲のテレマンはバックが替ってR.シュテーリ&ハンブルク・バッハO、録音の質は同じでこちらも清涼でよく整ったアンサンブル、演奏内容はK.レーデル盤(エラート)での録音とよく似ていますが、テレマンはばっちり決めています。録音の鮮明度もはるかに当盤のほうが良い。あまり厚みのない録音ですが、tpの輝きが魅了し、弦楽のくっきり清涼なサウンドが味わい深く、針を下ろすのが楽しみな盤です。テレマン1曲聴くだけで至福の時です。

category: その他・バロック

tb: 0   cm: 0

R.グッドマン:ハイドン交響曲第22~25番  

久々にロイ・グッドマンのハイドン交響曲です。
聴きどころの22~24番がまだ無かったので取り寄せたしだい。グッドマン盤は何枚か親しんだのですが、どうも音響の仕上がりにムラがある、しかし今回の1枚は出色の出来、澄みきった音場が広がります。T.ファイ盤の録音にも似た、ぐっとオケに近づいた録音に感じます。演奏も一段と気合いが入っている。
全般に言えるのは、巧みな強弱設定で引き付け、急楽章は快速で活気にあふれ愉悦感で満たし、緩抒楽章は緻密な美しさで夢想的世界に引き込む。そしてグッドマンのチェンバロのリアリゼーションが見事で音楽価値を高めている。

goodman hay 22 25
ハイドン
交響曲22番「哲学書」、23番、24番、25番
ロイ・グッドマン:指揮とチェンバロ
ハノーヴァー・バンド
1994年


22番「哲学者」、第一楽章、ホルンは朗々と響きながらデリケートな強弱変化、コーラングレも美しく響く、バスは歯切れよくリズムと強弱を刻む、そして弱音器付きの弦楽は緻密に揃い和声の美しさを放つ。
第二楽章は連打バスが巧みなデュナーミクを導く、快速でありながら綿密な表現で引き付ける。
メヌエットは落ち着いているが、グッドマンのチェンバロが華を加える。
終楽章は再び活気の極み、ホルンとコーラングレの素早い連打音もスリリングだが決めている。
23番、第一楽章、この楽章のような淀みなく快活な音楽はバロックならテレマン、古典ならハイドンにしか聴けない気がします。グッドマンは最高に快活で心地よい、リズム的な魅力もばっちり、愉悦感に浸らせる。
第二楽章、アンダンテ、リズム感も出しながら、前述のような緩抒楽章の夢想的な魅力も、特に後半で聴かせる。
メヌエット、カノンの書法が光る充実したメヌエット、オーボエ、ホルンをかなり鮮やかに響かせるのが耳を引き、一段と豊か。
終楽章、冒頭を強く響かせ強弱の対比を取り、とてもキビキビとまとめ、最後まで引き付ける。
24番、第一楽章、23番の第一楽章同様の活気は素晴らしい、展開部の同ゼクエンツの連続は巧みな強弱設定で単調に聴かせない。息を潜めるような弱奏のあとのフォルテ、推移の効果に魅了される。
第二楽章、フルート協奏曲の楽章、フラウト・トラベルソのソロは今まで聴いた中で最高、ややくすんだトラベルソの響きは何とも言えぬ孤高の雰囲気、センスの良いリズムの伸縮を取り、味わい深い。単純ながら弦楽伴奏もいい。
メヌエット、普通の演奏では月並みなメヌエットになりがちだが、グッドマンは活気を持たせたアレグレットのテンポで気の抜けた感じにしない。
終楽章、もともと良い曲だが、快速に強弱比を取って一段と彫りを深めている。ホルンを豪快に吹かせているのも効いている。
25番、小曲ながら意外に圧巻なのが最後の25番、序奏と言うより前奏曲と言うのが良さそうなアダージョに始まる、そして見事なアレグロが続く、これが当盤の急楽章としては最高、急速なテンポ、キレまくった活気はT.ファイ盤を凌駕している。
続くメヌエットはまずまずの曲、終楽章プレストは短いながらも第一楽章と同質のはじけた魅力がある。これも痛快に決めて終わる。
これは4曲入って、最後まで十分楽しめる1枚です。(★★★★★)

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 0

B.クレー:ハイドン交響曲第23番ほか  

昨日までは南の湿った空気にうんざりでしたが、今夜はエアコンを止めて聴けますv
ベルンハルト・クレー指揮、プラハ室内Oのハイドン交響曲第22~24番も過去に持っていましたが、今度は独盤で再入手しました。「朝」「昼」「晩」に続く録音で当時は初期交響曲の理想の演奏として親しみました。録音はスプラフォンが行っていて、会場の残響というよりは短かい反射音を捕えたような独特の清々しい音質、あらためて聴くと、昔使っていたプレーヤー&システムでは聴けなかった良質の再生音が聴けるので、レコード再生復活の意味はあるでしょう^^;

hay 22 23 24
交響曲22番「哲学者」、23番、24番
ベルンハルト・クレー指揮、プラハ室内O
1977年、プラハ D.G


第23番と24番に絞ります。
23番、第一楽章はホルンを伴う朗々とした主題、楽章全体が快調で均整のとれた楽しさ、リズム的な聴きどころを置いて引き付ける、型どおりのソナタ形式だが再現部は適度に省略がなされ、すっきりしたまとまり。クレーは小細工なく端正、快調に進める。
第二楽章、アンダンテもすっきりした曲だが、後半の弦の和声が聴かせどころ。
メヌエットは結構動きの細かい旋律で上声と低音のカノンをきっちり行うのが面白い、雰囲気の近いトリオでは三声カノンになる凝りよう、クレーは落ち着いたテンポできっちり聴かせる。
終楽章は6/8拍子で快速なプレスト・アッサイ、切れ味よくくっきりとまとめる、曲は弱音のピチカートで途切れるように終わる。
24番、この第一楽章もよく整い聴きごたえがある、展開部では同ゼクエンツが調を変えて繰り返し疾走する。
第二楽章はご存知フルート協奏曲、ハイドンは一流センスのメロディー・メーカーです。後半からカデンツァまでの移ろいもいい、フルートは粘らずにさらりとした演奏でまとめ、カデンツァには少し凝り、聴きどころにしている。
活発な感じのメヌエットに続き終楽章、弦の弱音トレモロで開始、優美な第一主題、常に快調な流れで進む楽章、フーガに使えそうな音形が展開部に深みを与える。
クレーの端正な指揮とプラハ室内Oのアンサンブルは抜群、小細工なしのすっきり自然な演奏は基本的に好きだが、いま少し強弱表現に起伏をつけるなど引き寄せるものがあってもよいとも感じる。

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 0

台風18号(マンニィ)  

台風18号、昨夜から午前にかけて地元も風雨が強かったです。岐阜では午後には通り過ぎました、15時頃の西空です。乾いた涼しい風に変わりました。夕方はひんやりするほどです。

9 16 15 00

しかし18号は勢力が予想に反して衰えず、広範囲にかなりの被害がでました。土砂崩れ、浸水、河川の増水、また竜巻の発生、今まで経験がないという所でも。
今年は海水面温度が異常に高く、気象庁・海水温データで今年と、去年,一昨年の今頃と比べても、えらい違いです。いつまでも暑く、台風も衰えないというのも頷ける。台風が海上を通っていくと海水面を撹拌し、冷却効果があるそうですが、接近はしてほしくないですね、今年は今後、どうなのかな;

category: 科学・自然・雑学

tb: 0   cm: 0

フルトヴェングラー:ブラームス交響曲第4番  

その日何を聴きたいかは行き当たりばったりです;予定を立てても狂いますね。今日は味の濃いのがいい、そんなわけで久しぶりに取りだしたのがW.フルトヴェングラー指揮、BPO、ブラームス交響曲第4番、1948年のライヴでEMIから出たものです。古いにもかかわらずダイナミックレンジがとれていて、弱音もノイズに隠れない、この頃としては良い録音ですね、もちろん強奏では歪みますが。

bra4 fur01
初盤ジャケット

随分前に購入したLP盤、これは一旦デジタル化された音源を調整してLPにしたもので、当時CDも同時発売されました。もう一枚の同演奏のCDは近年、再発売されたものです。1948年の録音なんてどっちで聴いてもいいだろうと思いましたが、違いはあります。CDは聴きやすくバランス調整された感じですが、LPのほうがダイナミックレンジがあるようで、土臭いほどに生々しさがあります、timpの強打を伴った総奏など、爆音です;
bra4 fur02

第一楽章はじわっとした入りですが、もうテンション入っている、感情の起伏に伴う強弱に応じ、ターボがかかったり減速したり、展開部の入りもじわじわと始め燃焼する、弦や木管の弱奏は極めて弱音、終結に向けては最加速、烈火のごとくキレまくって終わる。
教会旋法の第二楽章、脱力した感じで始まるが進展は予想どおり、後半のtimpがリズムを刻むところは爆音、そのあとの弦の総奏は大海の水のように空間を満たす。
第三楽章はまさに爆演、第四楽章のパッサカリアは本来整然とした楽曲形式だが、ここでは沈静化した中間部を置いた概ね3つの部分に分けた構成もある。しかしソナタ形式のような顛末はなく、あえて未解決な気分を残して終わる。中間部の静寂を破った最後の部分、フルトヴェングラーはさすがに圧巻。

category: ブラームス

tb: 0   cm: 0

A.シェルバウム:ハイドン トランペット協奏曲(17cmEP盤)  

三連休は残念ながら快適な秋晴れにはなりません。出かけずのんびり過ごすこととします。

さて、tpの先駆者アドルフ・シェルバウムのハイドン、トランペット協奏曲を見つけました、なんと45回転ドーナツ盤!一応D.Gチューリップ盤(モノラル)です。こんなのあったんですね、クラシックの17cm盤はLP(33.1/3回転)ならよく見かけましたが。'50年代のものと思いますが、当時はプレス加工も完璧じゃないものが多く、大量に作られた歌謡曲のドーナツ盤など、パチパチ・ノイズは当たり前、さすがに針飛びするものは店で交換してもらった記憶です。当盤もそんな大らかな時代のEP盤レベルの仕上がり;;しかし45回転のおかげで最後まで歪みなくくっきりした再生音です。

シェルバウム hay tp
アドルフ・シェルバウム:tp
クリストフ・ステップ指揮:北ドイツ放送SO


モノラルながら克明な音でバランスも良い、北ドイツ放送SOのがっちり良く整った前奏が立派なもの、テンポは標準的、シェルバウムのtpは強弱を明確に取り、木管楽器的な柔らかな表現を狙っている、録り直しなしの一発録音のようで、いささか不安定なところもそのまま、そこは大らかに楽しめる。
第二楽章、tpはやんわりとした音づくりでこの頃の演奏習慣か、軽くヴィヴラートをかける、のちのストレートで伸びやかな演奏とは一味ちがう。
終楽章はオケの演奏ともに活気をつけ、tpは輝かしく、ここは近年の感覚と同じ、カデンツァではtpの超高域を滑らかに堪能させ、さすが当時第一人者の技量を聴かせる。
時代の始まりというか素朴な味わいでもあり、その後はアンドレ、ティボーほか超ハイレベルの演奏が当たり前の時代となりますが、その原点ともいえる価値ある録音でしょう。

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 0

G.セル:ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」  

今日は胃カメラ検査に行ってきました。半年前に食道に見つかった腫瘍のようなもののその後の変化を見るためです、自覚症状には何も変化はなかったですが、腫瘍の大きさも殆ど変わりなし、ということでひとまず安堵;後日細胞検査の結果を聞きに行きます。胃カメラにはすっかり慣れましたが、後はちょっと気持ち悪いですね;こんな時は聴き馴染みの曲で気分をまぎらわすのが一番。
ドヴォルザーク「新世界」を何枚か聴いてみようと思います、今日はジョージ・セル指揮、クリーヴランドO、この盤もノイズが多かったですが、水洗浄ですっきりクリアになりました。高域のやや強調されたCBSソニーらしいサウンド、ヨーロピアンなフィリップスとは対照的ですが、歪み感がないので弦は爽快、ブラスは豪快。

セル dvo sym9

ドヴォルザークの故郷ボヘミアの民謡と新天地アメリカの黒人霊歌とは奇しくも同じ五音音階の旋法、日本の古謡も五音音階ですが、どこか素朴な温もりがあるようです。「新世界」はじめとする作品も五音音階を基調としたテーマで書かれていて、心引き付けられます。
さすがセルらしい、全楽章まるで古典派演奏かのようにきちっと整える。ここまでやるか、と思えるほどキビキビしているのがいい。
第一楽章、始まりのチェロは濃厚な響き、じっくり間を置き主部へ、速めのテンポでクリーヴランドOのいかにも鍛え抜かれたアンサンブルがキビキビとした表現で進んでいく、ダイナミクスは豪快、木管ソロが歌うところはテンポを緩め、じっくり、再びダイナミックに総奏を響かせ、快調な推移、終結は加速し痛快に結ぶ。
第二楽章、さほど遅いテンポにせず、イングッシュ・ホルンも素朴に歌わせる、情緒に陥らない演奏がかえって引き付ける。終結前の総奏はシンフォニックにがっしり響かせる。
第三楽章、ここも速めでスケルツォのリズムを力強く、がっちりとした合奏で切れ味よく聴かせる、ティンパニのパンチが思い切りよく痛快。木管の副主題はのどかに、スケルツォとの対比が効く。
終楽章もやはり速め、開始の弦楽がゴリゴリと押し寄せ、ブラスが奏でる第一主題が豪快、前楽章で登場したいくつかの主題が巧みに織り込まれ、この楽章の主題と重ねられたり、痛快さと同時に全楽章が巧妙に組織立てて書かれているのがわかる、セルは自然な加速、減速を行ない、構成感と痛快さを聴かせる。

当盤はA面に「新世界」の第1~第3楽章が収まり、B面に第4楽章が入り、残りの部分にスメタナの交響詩「モルダウ」が入っています、モルダウもあまり情緒的にならず、かっちりシンフォニックにまとめているのがいいですね。

category: ドヴォルザーク

tb: 0   cm: 0

F.フリッチャイ:ハイドン交響曲第101番「時計」  

今日は久しぶりにエアコンを止めて聴くことができました。わずかな送風音でも止まると、超弱音まで音楽が澄みきって聴こえます、こんなに違うものかと;

さて、希少盤を漁って見つけた一枚、フェレンツ・フリッチャイ指揮、ベルリン放送SOによるハイドン交響曲のLP、英ヘリオドールの輸入盤です。レーベルにはステレオと表示されていますが101番のほうはモノラル録音の疑似ステレオ、といってもちょっぴり音に広がりをつけて聴きやすくした程度で違和感はありません。音質はくっきり、バランスも良く内容はよく聴けます。

フリッチャイ hay101

フリッチャイのハイドン交響曲はこれが初めてですが、ベートーヴェンはじめ他のいくつかの演奏で聴いた美質がここでも聴かれます。弦楽は常にふくよかに歌い味わい深く、演奏全体の基盤のようです。
第101番「時計」に絞ります。
第一楽章、序奏で弦の美しさを示す、主部はわりと快速で、小刻みで音階的な主題のビシビシくる力感を出しながらも弦の柔和な感触も失わず、第一楽章を痛快に決める。
第二楽章、振子のリズムに続き、弦が歌いだす、これはまさに聴かせどころ、やがて短調の強奏に入るが、ガツンと立ち上げず、じんわりと柔らかく入るので武骨さがなく心地よい。音楽的美味しさで満たすように最後まで行く。
メヌエット、このメヌエットもやたら重く、力んだ演奏を聴くと耳疲れするが、フリッチャイは柔軟に開始、力まず弦の味わいを聴かせる、トリオのフルートのバックを弾く単純な弦楽さえ手を抜かず音楽的。
終楽章、快速だが速すぎないくらい、弦楽で第一主題を開始、トゥッティへの入り方も柔らかく乱暴な響きにしない。弦楽は鍛え抜かれた技のようにきりっと整い、快速な中でも弓使いの味を聴かせる。
全楽章、この当時としては標準的なテンポですが、他とは一味違う、フリッチャイらしいハイドンを聴くことができました。

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 0

O.スウィトナー:ハイドン交響曲第100番「軍隊」  

これも昔持っていたヘリオドール盤で、網を張って再入手しました。未聴盤かもしれない?とても良好な状態ですv
スウィトナー指揮のハイドン交響曲で知っている音盤はこれ1曲しかない希少なものです。初めて聴いたときは「軍隊」をこれほど清涼に演奏できるのかと他の演奏との違いに驚きました。オケはライプツィヒ・ゲヴァントハウスO、録音はホール・トーンのよく入ったオフ・マイク的サウンド、このすっきりした演奏にはよく合っています。

スウィトナー hay100
1)
ハイドン交響曲第100番「軍隊」
オットマール・スウィトナー指揮、ライプツィヒ・ゲヴァントハウスO
2)
ハイドン交響曲第101番「時計」
ロルフ・クライネルト指揮、ベルリン放送SO
録音:D.シャルプラッテン


清涼な響きの中で結構ダイナミクスが効いている、これは力ずくじゃなく、蓄えたエネルギーを自然落下のように放出する力感、とでも言いましょうか、スウィトナーらしい。
第一楽章、序奏から室内楽的響きでさらりと入る、主部は程よい快速で木管、弦と軽やかに入る、トゥッテイの響きも程よい力感で清潔、快調なリズム感を維持し、次へ次へと自然な推移で進める、展開部も同様に誇張した表現はないが、聴かせどころにはピリっとした気合いを感じさせ、引き締める、展開部、再現部と連結した高揚感をじりじりと構築していく。
第二楽章、85番「王妃」と同じフランス歌謡に基づく主題、アレグレットらしいテンポで、粘らずにすっきりと行く、鳴りものは効果的だがあまり派手にはしない、信号ラッパは遠くから聴こえる感じ、ここだけ後方に下げて演奏させているようです。
メヌエット、典雅な雰囲気に雄大さも感じる良いメヌエットです、リズムの仕掛けも面白い。スウィトナーはまさに肩の力の抜けた晴朗な演奏。
終楽章、小刻みな音の並ぶ主題、スウィトナーは速すぎるテンポを避け、この1音1音の瞬間を大切にしながら、入念な強弱表現を入れ、聴き手もこの1音ずつの集中力に引き付けられる。小刻みな主題を木管や弦がカノンで掛け合うところも粒立よく心地よい、単なるフィナーレじゃない充実した楽章に仕上げる。

録音年は記されていませんが、多分60年代でしょう。スウィトナーはモーツァルト、ベートーヴェンなどDENONやD.シャルプラッテンに優秀録音が多数ありますが、ハイドンもこの時期いくらか残してほしかったですね。

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 0

P.ティボー:フンメル トランペット協奏曲  

このところ、tp協奏曲の出物に網を張っていました。
今日はM.アンドレよりちょっと年長のフランスの名手ピエール・ティボーがグラモフォンに録音したtp協奏曲集の第2集より、フンメルtp協奏曲です。これも音溝の光沢が違う、高周波音が刻まれた輝きがD.Gの録音技術を期待させます。tpの音というのは古い録音では高周波音が歪の中に埋もれてしまいがちですが、D.Gの好録音ではクッキリ再現され宝石ように輝く、再生機の一定のクウォリティも必要ですが。当盤のコンディションは良好、丁寧に扱われていたようです。

フンメル tp con
1)
1.アンドレ・ジョリヴェ tp、弦楽、ピアノの為の小協奏曲
2.アンリ・トマジ tp協奏曲
3.テレマン tp、2つのob、弦楽と通奏低音の為の協奏曲ニ長調
2)
4.フンメル tp協奏曲変ホ長調
ピエール・ティボー:tp
マウリス・コンスタン:指揮 イギリス室内O
1971年、D.G


1面には現代作品、続いてバロックのテレマン、2面の最後がフンメルですが、今日はフンメルに絞りましょう。
第一楽章、M.コンスタン指揮、イギリス室内Oの前奏がすばらしく、期待させる、清涼に整った弦、管も上手い、心地よい力感を打ち出すシンフォニックなサウンドで始まる、ティボーのtpソロはやはり期待通り、ブリリアントな美音で本当にキメ細かく澄みきっている、安定した技巧、余裕の音楽表現で、ソロ、バックともに満足の演奏。カデンツァはティボーによるもので、高域の澄み切った音を今一度堪能させる、第一楽章の最後はぐっとフェルマータをかけ、オペラ序曲のように堂々と終る、これは結構ツボ。
第二楽章、この楽章からはハイドンの協奏曲とは一味違う新時代的な感覚、tpが短調の主題を滑らかに歌う、ティボーのtpはさすが柔らかな美音に切換え、情感深く歌い進める。
第三楽章、第二楽章から休まず始まる、快速なテンポで、tpにとっても、オケのアンサンブルにとってもアクロバット的妙技となる斬新な楽章、ティボーのtpは鮮やかに決め、オケもびしっと揃い、どっしり力強さも聴かせる快演。
これはフンメル名盤の一つとしてお宝です★★★★★v
あとはハイドン、L.モーツァルトの入った第1集が手に入れば言うことなし、気長にアンテナ張っていきます。

category: その他・古典派

tb: 0   cm: 0

A.シェルバウム:トランペット協奏曲集  

またしても、D.GチューリップSTEREOの名盤を手にしました。
トランペット好きとして時折話題にしている、アドルフ・シェルバウム:tpによるバロック協奏曲集です。
シェルバウムはバロックtp作品の演奏を開拓した先駆者的演奏家ですが、これまでいくつかの団体と組んだ演奏は聴いたものの、録音が古かったり、良い録音物を聴いていませんでした。今回、当盤でやっと真価を知ったしだい。演奏、録音ともにゾクゾクくる内容で期待を大きく越えます。盤面は水洗浄しましたが、初期状態のように良好。

シェルバウムtp01
A)
1.ストラディッラ、tpと2部の弦楽の為のソナタ ニ長調
2.トレッリ、tpと弦楽の為の協奏曲No.2 ニ長調
3.ヴィヴァルディ、2つのtpと弦楽の為の協奏曲 ハ長調
B)
4.テレマン、tpと弦楽の為のソナタ ニ長調
5.グラウプナー、tpと弦楽の為の協奏曲 ニ長調
6.ファッシュ、tp、2つのobと弦楽の為の協奏曲 ニ長調
tp:アドルフ・シェルバウム、tp2:ルドルフ・ハウボルト
アドルフ・シェルバウム・バロック・アンサンブル
1965年、ハンブルク


ジャケット写真はシェルバウムの使うtpの一つでしょうか、バルブ付きのモダン楽器ですが、シェルバウムの考案で作られた楽器もあるそうで、これは巻きがゆるやかで、どこかバロック楽器に近いような形にも見えます。
選曲もA面がイタリアの作曲家、B面がドイツの作曲家でいずれもバロックのtpを堪能できる選曲も流石。tp高音域限界まで使うようなバロック期が終わって衰退してしまった高技巧の曲も含みます。
A面のイタリアの作曲家達はさすが明るく華やいだ音楽、それがtpの澄んだ響きで天空を舞うような気分にします。B面のドイツの作曲家は技巧を凝らした聴きごたえのある作品、近年注目されている大作曲家グラウプナーはわりと簡潔な旋律ですが、声部の組み合わせで聴かせます、tpも簡潔なようで、最高音域を聴かせる結構難しそうな作品、最後のファッシュでは限界的な高域を吹かせます。シェルバウムはその高音域を安定的に澄みきった響きで聴かせる。演奏全体も切れ味よく安定的。昔のナチュラル管でもモダンtpでも音を作る奏者自身の技量にかかるのは同じでしょう、実に大したもの、M.アンドレが尊敬し手本にしたというのもこの演奏を聴けばうなづけます。
バックのアドルフ・シェルバウム・バロック・アンサンブルがまた上手い、指揮者の名はありませんが、統率のとれた優れたアンサンブルです。
盤面の溝の光沢が普通のLPとはちょっと違う、いかにも高周波がたくさん刻まれているような緻密な光沢、再生すると鮮やかに澄んだサウンド、このD.Gのtp録音の技術もすばらしい、特にtpは録音の妙で変わってしまうものだと思います。弦楽も美しい充実サウンドで収まっていて、地に足の着いた音楽を聴かせます。古き時代の名演として(★★★★★)

category: ルネサンス・バロック

tb: 0   cm: 4

浮上と没  

中古LP盤を集めるに当って覚悟が要るのが盤状態、まあ今まで集めた内、9割がたはOKでしたが、どうにも聴けない、と保留してあるものもあります。諦める前に今日は2枚、水洗浄してみました。デンターシステマで念入りに;

1枚はカール・リステンパルト指揮、ザール室内Oのハイドン交響曲「驚愕」&「時計」
ザール hay
到着時は埃の酷い状態でした。通常のクリーニングで目視上きれいになっても針を下ろすと、ノイズのオンパレードでとても聴けない、盤自体もダメージ受けている気がして保留していましたが、洗浄後、再生してみると問題ないレベルになりました。ダメージは殆ど受けてない様子、塩ビ盤というのは意外に丈夫なものです。
さてリステンパルトの交響曲2曲、1966年の録音はとても良好で透明感があり、名手揃いのザール室内Oの各パートが鮮やかに聴こえます、低域も豊かで厚みもある。つい比較してしまうのが60年代のK.リヒター&BPOの同曲カップリング、リヒターのがっちり骨太の演奏に対し、リステンパルトはきわめてエレガント、深い息遣いで聴かせます。60年代らしい演奏ですがリステンパルトならではの美質が両面たっぷりと味わえる、現役盤に浮上ですv

もう1枚はデンマークの指揮者、モーゲンス・ウェルディケとウィーン・フォルクスオパーOによるハイドン交響曲「太鼓連打」&「ロンドン」、ヴォンガード盤、重量盤でまったく反りのないもの、
ウェルディケ hay
これも洗浄したらノイズは軽減し、盤のダメージもない様子ですが、録音自体が良くない!;まるで携帯ラジオが鳴っているみたいに低音が出ない、RIAAカーブ特性を間違えたようなバランス;トゥッティの強奏に入ってもぜんぜん厚みがない(CD時代に入っても時折こんな傾向のがありますが)、とても聴ける許容範囲じゃなく、演奏表現には興味深いところがあるのに残念ながら、これは没!;

category: オーディオ

tb: 0   cm: 0

プロフィール

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

FC2カウンター

ブロとも一覧