Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

I.ボルトン:J.M.クラウス 交響曲ハ短調ほか  

アイヴァー・ボルトンが続きます。今日は2003年のザルツブルク音楽祭のライヴから、J.M.クラウス、フンメル、モーツァルトの収録。一番にクラウスの交響曲、次にフンメルのpf協奏曲という選曲がいいですね、おそらく初めて聴く聴衆もいたでしょう、ボルトンの抜群の演奏で魅了されたのでは?録音も非常に良好で張りつめた空気のライヴ感があります。

ヨーゼフ・マルティン・クラウス: 交響曲 ハ短調 VB142
    (ライナーノーツにはVB148とあるがVB142が正しい)
フンメル: ピアノ協奏曲 ヘ長調 Op.post. (1833)
モーツァルト: 交響曲 第29番 イ長調 K.201 (186a)

シュテファン・ヴラダー(p)
アイヴァー・ボルトン(指揮)
ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団

2003年8月17日 ザルツブルク,モーツァルテウム大ホール (ライヴ)

salz 2003a
salz 2003b

J.M.クラウス、交響曲 ハ短調 VB142
さて、最も録音数の多いVB142だけに期待がかかってしまう、オケ編成は大きめながら、いつものピュアサウンドで朝霧がたちこめるようなクールな序奏が始まる、序奏をもつ短調交響曲はハイドンやモーツァルトも、ベートーヴェンさえ書いていません。主部はきりっと気合いを入れた快活なテンポ、内声や低音が充実していて、今までになく曲が立体的に聴こえ原作の嬰ハ短調VB140とかわらぬ切迫感がある、展開部も期待どおり、引き締めてくる。第二楽章アンダンテは甘美な趣というより、やはりクラウスらしい幻想感が魅力、変奏曲であることを忘れて聴き入ってしまう、ボルトンはさらりと切れ目をいれて各声部の対話を明快にする。終楽章も心地よい快速で各パートに気合いが入り、構成が浮き立ってくる、初めて聴くなら、この演奏です。
フンメル: ピアノ協奏曲 ヘ長調
この曲のピアノ・パートを聴いていると、まさにモーツァルトからショパンへと繋る音楽に聴こえる、古典派コンチェルトが基盤になっているものの、同期のベートーヴェンと共通の要素もあれば独自のものもある、ピアノのテクニックは大きく前進、新時代のものでしょう。ベートーヴェン並みの精神の深さはないが、堂々と華やかに楽しませる要素は十分、第二楽章はほとんど鮮やかなテクニックのピアノ・ソロが魅了し、オケは部分的に助奏。終楽章はテクニカルなロンド、ほとんどショパン、シューマン時代のコンチェルトに近い、モーツァルト時代にはなかったピアノ・テクニックが駆使される。シュテファン・ヴラダー:pfの名演に大きな拍手がおこる。
モーツァルト交響曲 第29番 イ長調 K.201
最期はだれもが知っている作品ながら、ボルトンは一味ちがう、第一楽章は急速なテンポで、これまた引き締める、従来の旋律美を朗々と流す(ちょっとダレる)演奏とは一線を画し、各声部に覇気と切れ味が走り、対等で立体的、展開部も入りからわくわく期待感を持たせる、こんな充実した曲だったのかと再認識したしだい。最期を立派に飾る演奏。

category: 古典派

tb: 0   cm: 0

ハッブル:ウルトラ ディープ フィールド  

幾度か改修が行われて運用期間の延びたハッブル宇宙望遠鏡ですが、あと寿命はどれくらいでしょう。人類最強の眼として多くの貴重な鮮明画像を提供してくれました。次はジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡だそうですが、これは赤外線に特化したもので、観測上はさらに遠くの宇宙を詳細に調べられるもので期待されますが、やはり我々としては可視光の実体感のある画像も継続して見ていきたい、幸いハッブルより性能の上がった可視光宇宙望遠鏡も後継機が計画されているそうで、一安心、諸事情で延期はあるかもしれないが;

Hubble_01.jpg

HSTが捉えたウルトラ ディープ フールド、銀河系の星の隙間から覗いたはるか遠い領域
hudf.jpg

拡大画像:Hubble Ultra Deep Fiealdでじっくり見てみると、宇宙初期130億光年近い銀河も映っているとのこと、合体しつつある銀河も見える、銀河サイズの球状星団とも言えそうな古い星々の楕円銀河もあり、小さく赤く見えるものほど遠くでしょう、この遠い銀河の赤方偏移を補正してやると、青い色にかわり、宇宙初期の青い星々の銀河に見えるそうです。

この画像だけで、とてつもない広がりを感じますが、本当に宇宙は無の一点から始まったのか?と疑問に思えてもしかたないです。宇宙が誕生する前、(前、という言葉も成り立たないようだが)物質や空間はおろか時間さえ無かったとされる。時間が無ければ因果関係も成り立たず、宇宙が始まることも出来ず、ただ無であるだけ、とも考えてしまう。時間がなければ神様さえ何もできなかったことになる;・・この無というのがくせもので、まったくの無ではないのかもしれない^^;

宇宙の背景はなぜ真っ暗なのか、ビッグバンの光はとっくに電波レベルに引き延ばされ、その後は星のない真っ暗な宇宙が続いた、それが背景なら真っ暗は納得できる。もしビッグバンなどなく、膨張もなく、宇宙が永劫の過去から無現の拡がりで存在し、無限数?の銀河に満たされていたら、その光が夜空を埋め尽くし、真っ暗どころではないのではないか・・

category: 科学・自然・雑学

tb: 0   cm: 2

I.ボルトン:M.ハイドン レクイエムほか  

ミヒャエル・ハイドンのレクィエム(ジキスムント大司教葬送の為のミサ曲)はその後の多くの「レクイエム」の規範となったと言われるほど、確かに何度聴いても素晴らしい、もう一枚、アイヴァー・ボルトンの演奏が気になって取り寄せた。2004年ザルツブルク音楽祭のライヴ録音だがサウンドも申し分なく良好。オケも合唱団もやや編成は大きいようだが、あくまで清涼なサウンドにボリュームを持たせる。

W.A.モーツァルト: カンタータ 「悔悟するダヴィデ」 K.469
ミヒャエル・ハイドン: レクィエム(ジキスムント大司教葬送の為のミサ曲)

イリーデ・マルティネス(S)、アンア・ボニタティバス(A)、
クリストフ・シュトレール(T)、ルチア・ピサローニ(Bs)
アイヴァー・ボルトン(指揮)、ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団
ザルツブルク・バッハ合唱団

2004年 ザルツブルク・モーツァルテウム大ホール(ザルツブルク音楽祭ライヴ録音)
 

m haymoz
m haymoz 02

まず、一曲目にモーツァルトのカンタータ 「悔悟するダヴィデ」 K.469、これは1771年、亡くなった音楽家の遺族らのために開かれた無料の演奏会のため、作品を提供することになったモーツァルトが、新作を書く時間がなく、直前に作曲されていた有名なハ短調ミサK.427を改作、というより、新たな楽章(第6、8曲)を追加して、ラテン語のミサ曲の歌詞をそっくりイタリア語のカンタータとして入れ替えたもの、歌詞はダ・ポンテが受け持った可能性があるとのこと。
音楽内容はほぼハ短調ミサK.427を聴くのと同じだが、第8曲Tra l'oscure ombre funesteが素晴らしい、深淵な前半に続き、明るいコロラトゥーラのアリアが聴きどころを加える。
やはり冒頭楽章から魅力的、独唱が第一ソプラノと第二ソプラノで、(第二ソプラノをアルト歌手が歌う演奏もある)概ね第一はソプラノで第二はアルトを受け持つが、その域に収まらず、両音域に渡って思い切った跳躍のある歌唱が感動を呼ぶ。ボルトンの力感の入れ方はハイドンのシンフォニーで聴かせたとおり、痛快で全楽章充実感たっぷりに聴かせる。

さて2曲目がミヒャエル・ハイドンのレクィエム(ジキスムント大司教葬送の為のミサ曲)、同じ宗教作品でもモーツァルトや兄ハイドンの曲を聴く際には、つい歌唱技巧や作曲技法の充実ぶりに耳を奪われるが、M.ハイドンの当曲などは純粋な精神性にまず惹かれる、前曲のモーツァルトを聴いた後でも、それに圧倒される。
やはり冒頭楽章Requiem aeternamは重要でしょう、前奏および合唱が繰り返す2度音程はぞっとくるほど深い悲しみを表すが、一定したバスのリズムとtpとtimpが入れる力感が毅然として引き締める、そして次のDies iraeがぐっと来る、またオケ・パートの音楽がじつに魅力的で声楽を支えている、このあたりもモーツァルトに引けをとらない。全楽章芸術的完成度が高く最後まで集中力が緩むことはない。終曲もRequiem aeternamが再現されるが、ここでは合唱だったのを4人の独唱が歌う、そしてアレグロのフーガ合唱に移り華々しく閉じる、短調楽章はみなピカルディ終止になている。
M.ハイドンのレクィエムは過去にピリオド楽器によるロバート・キング指揮のレビューも書いたがこれもじつに良かった。ボルトンの演奏法もモダン・オケのピリオド・モードで同様に満足だが、こちらは十分なボリューム感をもって響きわたるのが痛快、なおtp、horn、timpは古楽器を用いているが、timpの力感鋭く、またtpが常に透明で柔らかく美しい。
参考動画:Michael Haydn Requiem C minor Finnish RSO, A Mustonen
やはりこれですねv

category: M.ハイドン

tb: 0   cm: 0

ガット弦 vs PVF弦  

注文弦の第二弾が届きました。キルシュナー社のガット弦は久しぶりです、パッケージがどうしちゃったのか妙にカラフルになった。

キルシュナー

ルネサンスluteの⑤コース、バロックluteの⑥コースに使おうと思ったのですが、届く前にPVF(フロロカーボン)線を研磨して代わりを作っちゃったわけです;いつもどおり、キルシュナーのガット弦は透明度が高い、パッと見、PVF線と見分けがつかないほどです。密度が高いのか、他社のガットとは製法が違うようです。

キルシュナーgut112b
クレハ manyu

ガット弦というと、たいていはこんな感じで↓不透明でパサっとしています。

f gut

さて、7cルネサンスluteの⑤コースにキルシュナーのガットとクレハのPVFを合わせて張ってみました。PVFのほうは研磨してあるので透明じゃなく、白っぽく見えます。

7c lute

さすがにキルシュナー:ガットは硬度も高めでガツンと力強く立ち上がり、ぶっきらぼうなほど、(これが良いところでもあるが)余韻は続くが、ぐっと減衰した音、PVFはパワーでは一歩譲るが立ち上がりと余韻のバランスがちょうど良い、巻弦を使っていた頃はしつこく続く余韻が厄介だった、PVFはガットと巻弦の両極端なところから、ちょうど良い位置にあるようです。オクターブ弦を伴う場合はガットが効果的かもしれない。⑥、⑦コース、ここはもうPVFが鳴りも太さ的にもぴたりハマるところです。そして弦は太いほうがセーハしやすいですね。

category: 楽器について

tb: 0   cm: 2

なぜ"物"があるのか  

アインシュタインは物質とエネルギーは同じものだと突き止めた、まず普通の人間じゃ考え付かない閃きですね、万有引力を想い付いたニュートンもそうです。この想いも寄らないカラクリで宇宙は出来ているのかも。
もともと宇宙は無から生れたとされる、無とは言っても+の有、-の有の揺らぎがあり、突如+、もしくは-の方へ偏ってポツっと宇宙の種が出来た、その種は倍×倍の速度で光速すら越え急激に膨張(インフレーション)、真空のエネルギー(+)と空間(-)が増えて行き、そして相転移が起きて超高温となってビッグバンに至る。真空のエネルギーから素粒子が生れ、物質やエネルギーの素となる、宇宙膨張につれ、凄まじい熱と光が冷めていき、暗黒の宇宙が長く続く、やがて漂う水素とヘリウムが集まり最初の星になる。これら最初の星達で出来たのは不規則な矮小銀河ばかりと考えられていたが、宇宙初期の巨大銀河ヒミコの発見は想定外のこと。

himiko.jpg
Himiko 距離130億光年

まあ、初期の宇宙は狭かったので、一か所にぎゅっと大きなものが出来ても不思議はない気もしますが?;本体が3つ一列に並んでいるのは何か理由があるのか・・手前にある重力レンズが3つに見せている、なんてオチはないでしょうね。

それにしてもなぜ、宇宙なんてものがあるのか、何も無しじゃいけないのか。なぜ光速度は30万km/sなのか、ホーキング博士に言わせれば「その問い自体が成り立ちません」なのかも^^;この問いは科学の領分じゃないかもしれない、既にあるものの正体を説明するのが科学なので。
ただ、素粒子の正体が体積ゼロの振動する弦が作りだした幻なら、粒子が突然消えたり現れたりするのも、物量にあふれた世界を無に帰すこともできそうです。

category: 科学・自然・雑学

tb: 0   cm: 2

I.ヘブラー:モーツァルト ピアノ協奏曲20、23番  

的確できれいな弱音を奏でるときは、指のコントロールのために一層集中力(エネルギー)を消費しますが、ピアノのタッチでもきっと同じでしょう。イングリット・ヘブラーの演奏は弱音のトリル一粒一粒まで端正に整い、何度でも聴きたい美音です。
今日の盤は先日の24、26番と同じジャケット写真ですが、中身は20、23番、蘭盤でフィリップスの青灰色のレーベルというのは初めて見ます、何かのシリーズものか?バックはいつものロンドン響、指揮はアルチェオ・ ガリエラ(20番)とヴィトルド・ロヴィツキ(23番)

ヘブラー moz p con20 23

20番ニ短調 K.466
暗雲の垂れこめるような寒々とした始まりのあと、オケはシンフォニックな前奏だが、ガリエラ指揮ロンドン響は力感は控え目にさらりと、テンポもさほど急速ではない、ヘブラーのピアノとしっくり一体化する落ち着いた感覚に納得する。終始、粒の整ったなだらかな起伏のピアノはオケと寄り添うような演奏、これ以上ないほど自然に耳に馴染む。オケ楽器が簡単な助奏だけでなく、ソロの一部のように巧みに入り組んでくるのもさすがモーツァルトの聴かせどころ、カデンツァはベートーヴェンによるものが演奏されるが、ベートーヴェンらしい斬新な部分もあり聴きごたえ十分。
第二楽章は映画「アマデウス」のエンディング曲にもなってお馴染み、永遠の名曲でしょう、しかし中間部の短調となった意外なシンフォニックな内容は通を満足させる。
終楽章がまた、24番を凌ぐような優れ物で、ピアノの導入の後のオケのポリフォニックが深い聴きどころで全体に充実感のある楽章、カデンツァの後は短調に戻ることなく、ちょっとした勝利宣言のように終わるのが痛快。
23番イ長調 K.488
こちらはヴィトルド・ロヴィツキの指揮、オケはレガート基調のしなやかな前奏、録音がいつものフィリップスらしい厚みを帯びたサウンドでピアノもやや重く響く。A面:20番の録音のほうがさらりとして、ヘブラーの演奏共々、"ボーイ・ソプラノ的"な清涼さがあって好ましい。

category: モーツァルト

tb: 0   cm: 0

O.スウィトナー:ベートーヴェン交響曲第5番「運命」LP  

日曜日はまた息子と一緒に中古ショップを覗きました、500円均一特売だったせいで^^
DENONのPCM録音のLPがあれば買おうと思っていたところ、今回はスウィトナーのベートーヴェン「運命」を見つけた。これも過去にCDのレビューを書きましたが、先に買った第7のLPの再生音に驚き、当「運命」も大いに期待しました。

スイトナー be sym5 

CDもわるくないんですが、とにかく音場の実体感が違う、いったいCDはどうしちゃったんだろう?本格オーディオの時代は終わり、ミニコンポでも聴きやすいサウンドにまとめてしまったのか・・演奏に関しては重複を避けますが、あらためて別の音源を聴くような。まず大事なのは音の入り口、DENONがB&K社と協議、開発されたマイクロフォン、これが決め手らしい、直接音と間接音を1本で自然に取り込める性能で従来は役割を分けていたマイクの違いによる雑味のようなものがなく、オーボエ、クラリネット、ファゴット、フルート、各楽器の音色が純白のカンバスの上で鮮やかに色彩を放つような味わい、そしてPCMの技術による収納、さらに最も進化したカッティング技術、すべての段階が充実していて、はじめて聴けるサウンドのようです。
スウィトナーは決して大袈裟な脚色をすることなく、純粋性で聴かせる指揮者だと思うが、ピラミッド・バランスのこのLPを聴くと全体が線の太い重厚な音楽として聴こえる。終楽章のブラスも決して豪奏ではないが、厚みがあり豪快なんですね。弱奏の低音もしっかりした音圧を放ってきます。息子の若い耳でもやはり格段に良いと言うのだから確かでしょう、これも見つけてよかったと思う名盤です。

category: ベートーヴェン

tb: 0   cm: 0

知的生命のサイズ  

水以外の液体内で化学反応を起こし、発生する生物もいるかもしれないが、まったく予備知識のない世界なので、まずは水溶性の地球型の生命から探るの賢明でしょう。
地球外の知的生命を考えるとき、体のサイズは人間と同等くらいとイメージしがちですが、もしかしたら思いもよらないサイズ、童話の一寸法師サイズ、あるいは恐竜サイズだったりするかもしれない・・と思ったりもしますが、
しかし蟻のように小さかったら、一滴の雨粒でさえ大洪水、鼠サイズでも地上で高度な技を駆使するには自然界の物量に対し非力すぎるし、体が小さいと寿命が短いという宿命もある、一方恐竜サイズでは自分の体を動かしたり、維持するのにひたすら餌を食うので精いっぱいかもしれない、ましてやロケットに乗って飛び立つなんて、重すぎる。

Supersaurus.jpg

地球の重力や食糧、資源に対し、ちょうどよいサイズが人間なのではないか、象や鯨など一部の特化した生物は例外として、進化した哺乳類のサイズは人間とかけ離れていない。
そして脳のサイズ、人間は直立歩行になって大きな脳を乗っけることができる、データの記憶と伝達を行う神経細胞数は銀河系の星の数に匹敵すると言われる、これを小さな鼠サイズの脳に詰め込むのは無理でしょう、脳にも集積回路のような省スペース脳があれば別ですが、たぶん、テクノロジーを持つような知的生命の体は、多少の差はあれ、人間と大きく違わないものと一応推測します・・?しかし、宇宙には想定外もいっぱい;

category: 科学・自然・雑学

tb: 0   cm: 2

系外惑星系探査  

スーパーアースの話を書いた翌朝、NASAから地球とほぼ同じ大きさの外惑星、ケプラー186fを発見したというニュースがありました。500光年という距離だそうで、観測技術の進歩はすごいものです。

kepler 186f
NASAのイメージ画像

かつては太陽系内の惑星の姿でさえおぼろげにしかわかっていなかったところ、ボイジャー計画によって間近で見た臨場感のある画像を見て感動したものです。来年7月には探査機ニューホライズンズが冥王星に接近、成功すれば今まで想像するしかなかった姿を鮮明に見られる、大いに楽しみです。見ると想像するじゃえらい違い;ケプラー186fもイメージ画像じゃなく、本物の画像を見たいところですが、500光年はキツイ;
太陽系の隣、アルファ・ケンタウリにも惑星系があるそうですが、ここなら4.39光年、理論上の話として、完璧なスペースコロニーを作り、現在人類が使える最も強力なエネルギー、核爆発の爆風を使えば光の数%まで加速できるそうで100年弱で行けるとのこと、(減速時にも同じだけの逆噴射が必要、宇宙船を180度反転させて同じことをすればいいでしょう)まあ有人船が行くというのは現段階で夢のようなことですが、せめて無人の探査機を数十年かけて飛行させ、アルファ・ケンタウリ系の画像を地球に送るということなら、人命のリスクもなく、子や孫の世代の人々が別の惑星系の様子を見ることができる、そんな計画くらいしてもいいんじゃないかと。地球から指令を送るタイムラグが大きすぎるので探査機にはすべて自己判断で適切な探査行動をする自動システムが要るでしょうが。
そうこうしている間に、理論物理学と大規模な実験装置が宇宙のからくり、物質やエネルギーの正体を解き明かし、それが恒星間飛行の画期的な技術を導きだすかもしれませんね。

category: 科学・自然・雑学

tb: 0   cm: 3

スーパーアース  

S.ホーキング博士はもし、(同時代に)人間を凌ぐ知的生命が太陽系の近傍にいるなら、彼らのほうから探査にくるはずだ、銀河系のどこかには居るだろうが、たぶん距離が遠すぎて来られない、なるほどと思う。
たぶん知的生命というのは好奇心旺盛でそのためにテクノロジーを持つというのは人類と共通項かもしれません。時折でも雲が晴れて、星空が見渡せる惑星であることも必要でしょう、それで初めて好奇心を持った生き物となれるでしょうから。ハビタブルゾーンにあって、液体の水、大気があり、有機物を運んでくる小天体もある、というだけで高度な生命を期待するのは難しいかもしれません、単純な微生物は考えられるでしょうが。

スパーアース

地球の場合、マントル対流があって大陸が移動する、太古の地球はパンゲア(超大陸)と海が極端に分かれていたが、適度に大陸が分断し、間に海が入り組んで、海と陸の面積比率がよく、気候を調整している、しかしマントル対流があれば地球の重心も微妙に揺れ動くだろうから、地軸も安定しない、そこで助けとなるのが月の存在、二重惑星といえるほどの大きな衛星が地軸を安定させている。潮汐力による潮の満干も生命誕生に一役買っているかも。また外惑星には木星や土星のような巨大惑星が必要、これらの重力が外縁からの危険な小天体を吸い寄せ、内惑星を守ってくれる。知的生命が進化する数十億年も安定した生命環境を維持するのに必須でしょう。
くじら座τ星などで発見されているスーパーアースは地球よりも大きめの岩石惑星らしい、ということは重力も大きく、大気も濃い、長く惑星の環境を保つには有利といわれるが知的生命には不利な面もいろいろあるでしょう。地上で活動するにはエネルギーを要するし、化学ロケットエンジンで重力圏を振り切ることは困難?宇宙開発も一苦労かも。
人類の移住先としても、あまり大きすぎない地球型惑星で、これら様々な好条件を満たすとなると、極めて稀な存在で数千~数万光年の範囲にもう一つあるかどうか、に思えてきます。他の知的生命達も自分達と同様な生命を探しているけれど、あまりに遠すぎてお互いの存在を知ることが困難、また宇宙138億年のスパンを思うと、同時期に知的生命が繁栄する確率も気が遠くなるほど低いでしょうが、同じスターバーストの中で生れた星同志ならある程度タイミングは一致するかもしれません。

category: 科学・自然・雑学

tb: 0   cm: 4

リュート:PVF低音弦  

昨日は1年以上ぶりのレッスンで桑名市の師匠宅へ伺いました。
PVF弦に張り替えた音がやはり良く、問題に思うところはないと確認し合いました。
使っている銘柄は呉羽シーガーのハリスで「万鮪」ピンク・ラベルです。まさにガットに替わり得る特性を持ち、様々なガットの難点もカバーする、現代の優れ物です。

manyu_201404152322180e6.jpg

この「万鮪」のラインナップがほぼ弦長短めの11コース、フレンチlute(⑥コース以下)に誂えたようにぴったりくるんです。

20140414225721ed3_201404152327530ad.jpg

私は釣りをやらないのでわかりませんが、実際釣りに使うのにこのような細かいラインナップが要るのだろうかと不思議に思います。もうちょっと大まかでも不都合はないんじゃないかと?釣り人の繊細な感触に応えるため、細かく必要なのかもしれませんが。リュート弾きにとってもありがたい、もしかして呉羽の社内にリュート弾きがいたりして?(笑)

使用例

若干太すぎてテンションが高いと思う弦は手作業で細くしていますが、道具は写真のとおり簡単、どうやるかはすぐわかりますよね。気長にやりますが、まず失敗なく均一に削れます。

20140414230930140_20140415232945c1b.jpg

category: 楽器について

tb: 0   cm: 3

I.ヘブラー:モーツァルト ピアノ協奏曲第24、26番  

モーツァルト演奏家として名高い、イングリット・ヘブラーが60年代半ばから録音したモーツァルト ピアノ協奏曲はひとつの標準演奏として持っておきたい録音です。粒立ちよく清楚に整え、技巧的な部分もさりげなく聴かせる。このように演奏するのも大変な集中力でしょう、モーツァルトの演奏として最も好ましい。またオケはロンドン響だが数人の指揮者と共演しているのも興味深い。
じつは手元に同盤が2枚あり、左はB面の24番の第3楽章に傷があって聴けない、右は盤の反りが大きく、外周あたりが聴けない、ということで第3楽章のみ乗せ替えて右の盤で聴きます、せっかく良い録音なのにめんどくさい^^;

i haebler moz
1966~1967年録音 PHILIPS

メインはB面、コリン・デイヴィス指揮による24番ハ短調、この曲は半分はシンフォニーといえる聴きごたえのある作品、録音はフィリップス盤としては意外なほど細密に聴こえ、弦、木管がきらびやか、ピアノも使用楽器の特長まで聴けるようだ、しかし全体には爽快で厚みもある。かっちり引き締めたディヴィスの前奏を聴くだけで充実感がある、ヘブラーのピアノは全面に出過ぎることなく控え目、オケ楽器の一部のようなバランスで溶け合いのよい音楽、しかし確実なテクニックで粒立ちのよい音一つ一つが明確に聴ける。第二楽章はロンド形式、終楽章は変奏曲、変奏曲とはいってもかったるい曲ではなく、ソナタ形式に匹敵する山場を変奏によって築くのはさすがモーツァルト、何をやっても上手くできてしまう天才、出来が良すぎてかえって親しめない?という面もありますが;
A面の26番「戴冠式」はヴィトルド・ロヴェツキの指揮、あまりにお馴染みの26番ですが、あらためて聴くとやはり良いです。モーツァルトの不変のポピュラー性の代表のような。最新の多くの演奏に対し、ロヴェツキには古式ゆかしい良さを感じ、ヘブラーのピアノと一体で安心して聴ける完成度、かならずしも新しい演奏が良いとは限らないですね。

category: モーツァルト

tb: 0   cm: 0

宮内庁式部職楽部 「越天楽」三調  

たまには日本古来の音楽も聴きたい。
宮内庁式部職楽部による雅楽「越天楽」、3つのバージョンの入ったCDです。さすがDENONのPCM録音、鮮やかに澄み渡ったサウンドで楽しめる、雅楽は録音も肝心です^^
雅楽は世界最古の管弦楽ですが、現代のオーケストラの楽器と同じ発音原理の楽器が全て揃っていることになります。弦を弓で弾くというのがないだけ。笛類が主に旋律を受け持ち、自在にポルタメントをかけ、奏楽のメインとなります。初めは最もお馴染みの平調による越天楽、次が盤渉調という5度高い調、3つ目が黄鐘調という5度低い調の移調編、楽器自体の音域は限られているので、旋律は別曲のように変化する。各調の演奏の前に音取(ねとり)というオケで言う音合わせがあり、各楽器が順に鳴らされるが、儀式化されて、ここも鑑賞対象です。

etenraku.jpg
etenraku02.jpg

さて、平調越天楽、まず横笛(おうてき)が主題を吹き始める、主題の途中から総奏に入る、複数の篳篥と大太鼓が豪快に入り、ここはシンフォニック、ハイドンの交響曲でも聴かれる効果です。ただし、総奏に入る直前、笙が前兆的に鳴りだす、ここは西洋音楽にはない見事な効果。笙というのは高貴な音色ですが、ハーモニカに似ていると思っていたら本当に同じ仕掛けのリード楽器で、吸っても音が出るんですね。常に天から光がさすようなバック・サウンドを奏でます。総奏からはもっぱら篳篥が主旋律を受け持ち、ポルタメントで動く独特の不思議な音律で魅了する、横笛は助奏にまわり、不協和な旋律を加え神秘的、箏や楽琵琶が厳かに響きを彩る。
平調越天楽は結構長く、約10分、終番になるとまず、笙が止み、徐々に楽器の数が減っていく、打楽器も止み、篳篥、箏、琵琶のみになり、篳篥も断片を奏でるのみになり、最後は箏だけが静かに鳴って終わる。これってどこかで聴いたような^^
続く盤渉調も黄鐘調もそれぞれ、音取を聴かせたあと、演奏される、越天楽のバージョンとはいえ、まったく別の曲として楽しめる。
参考動画: 平調音取、越天楽

category: 邦楽

tb: 0   cm: 0

久しぶりのlute練習  

今日は代休の日、おもいきり朝寝坊をしたあと、おもむろにリュートの練習をしました。4月に入り持病の左肩から手にかけてのしびれが目立ってきて、右手までちょっと怪しい、あまり無理はできませんが、どうにか指は動きます;

11c 試奏

まずは過去にやった曲をおさらいすることにしますが、"おさらい"どころか初めて弾くような調子;;こりゃあリハビリに時間かかりそう。ひとまず11コースluteの作品、フランソワ・デュフォーの《ブランロシェ氏のためのトンボー》ほかト短調の作品から。M.シェーファー盤にも入っているいい曲なんですけどね。

blanrocher.jpg
これは私の手書き、少しでも読みやすいのは演奏の助けになります。

フランスの奏者パスカル・モンティエの録音を参考にしています。流石に音楽的でありフランス的なセンスです。これをコテコテの日本人がやるのは難しいですね^^;

P Monteilhet

動画サイトにP.モンティエの演奏がありました、これがフレンチ・リュートの味です。
Francois Dufault: Pieces pour Luth (Pascal Monteilhet) 
よく枯れたひじょうに良い楽器にガット弦を張った音ですね。

category: 演奏について

tb: 0   cm: 0

6コースluteも張り替え  

ここまできたら、ついでです^^6コースリュートの⑤、⑥コースに張っていた巻弦も外しました。今回、PVF弦は⑥コースの低音のみ、⑤コース低音にはヴェニス・ガット(細いガットを縄状にしたもの)を張ってみました。

6c lute

この⑤、⑥コースを鳴らして比べても、殆ど同質に聴こえます。この楽器もt氏より譲りうけた英国製、こういったガット系の弦(あるいは性質の近い弦)に自然な反応をする感じです。

下の11コースluteも同様です、PVF弦が落ち着いてきて、ピッチは低めにしていますが、パリっと乾き切ったような響板に対し、弦の性質がぴったり来ます。こういう楽器に巻弦を張っちゃ、いけませんね^^;

11c pvf

緩く張ってブリッジ寄りを弾くのがじつに心地良いv

category: 楽器について

tb: 0   cm: 0

カメラータ・ケルン:テレマン協奏曲集  

テレマンと言えば、当時のライプツィヒ新聞の作曲家人気投票で、1位だったと伝えられますが、数々の作品の楽しさから頷けます。また現代ですが、名古屋バロック音楽協会のサイトでも一頃第1位、アマチュアのバロック奏者にも人気があるんですね。演奏者にとっても楽しい、特にリコーダーをやる人は多いし、テレマンはリコーダーの為の傑作が多い、またヴィオラ・ダ・ガンバをやる人もリュートに次いで?多い気がします。テレマンの低音パートは当然、弾き甲斐があります、そして魅力的なソロ作品もある。
今日は1990年DHM録音、カメラータ・ケルンによるテレマン協奏曲集、それより前、ゲーベル&MAKによる、キレ味抜群の演奏が登場してからというもの、並みの演奏じゃ、かったるくて聴けなくなってしまった;カメラータ・ケルンは堅実なところも見せ、達演によるプレイヤー感覚も楽しませ期待に応えます。

テレマン02
テレマン01

1曲目、協奏曲ヘ長調はリコーダーの魅力を存分に聴かせる、アフェットーソの爽快な始まり、装飾句が鮮やか。アレグロは例によって快活な心地よさ、協奏曲なのでトゥッティとソロの交互、響きの充実も楽しめる。じっくり転調で聴かせるアダージョに続きメヌエットⅠ,Ⅱは牧歌的な明るさ、リコーダー・ソロの細かな動きも聴きどころ。
2曲目、ホ短調、アンダンテはバックで繰り返される弦のテーマが特長的、オーボエは異なるソロパートを吹くが、後半ではバックのテーマも取り入れる。快活なアレグロ・モルトだが、リコーダーの場合とは異なりオーボエ向きに旋律を作っていて一味ちがう。
3曲目、ニ長調、これはフルートの名曲としてもお馴染みでしょう、あまりテレマンらしい灰汁を感じさせない、第一楽章アンダンテは優美なソロにバックは概ねホモフォニックに助奏する、新しいギャラントなスタイルも感じる。第二楽章ヴィヴァーチェは明るく親しみやすいフーガに始まり、フールトソロとなる、バックと交互に聴かせ、フルートがフーガ声部を吹く部分もある。転調による瞑想的な第三楽章ラルゴ、終楽章はジーグ風のリズムでポリフォニック。
4曲目、イ短調、リコーダーとガンバがソロを演じるこの曲はテレマンらしさ全開、屈指の魅力作品、第一楽章からして印象的だが、何と言っても第二楽章アレグロの快活で緻密なアンサンブルの力に圧倒される、例によってトゥッティとソロの交互で、リコーダーとガンバは掛け合う部分もあるが、並行和声で揃う部分が多く、これを息ぴったりに演奏するのが醍醐味で聴きどころ、またガンバは通奏低音のチェロと掛け合うところも置き、面白い。
最後はニ長調で2つのvlとファゴットがソロ、ファゴットはややおっとりした味わいだが、2つのvlが繊細な雰囲気を出す、第二楽章は充実感のあるフーガ楽章。

category: G.P.テレマン

tb: 0   cm: 0

パラディアン・アンサンブル:トリオ・ソナタ集  

バロックの室内楽を続けます。当盤はだいぶ前、アメリカのアウトレット・ショップで適当に曲名で選び、何枚かまとめ買いした中の1枚ですが、先日のタルティーニ《悪魔のトリル》ほかのCDで名演を聴かせたパラディアンズの前進、パラディアン・アンサンブルの演奏です。トリオの編成をとるヘンデル、テレマンなどの魅力的な作品を集めています。vlのレイチェル・ポッジャー始め4人の奏者が腕利き揃いで素晴らしい、鍵盤が無い分、W.カーターがリュート&ギターで大いに活躍する。

パラディアン・アンサンブル
パメラ・トービー:リコーダー
レイチェル・ポッジャー:ヴァイオリン
スザンヌ・ハインリヒ:バス・ヴィオール
ウィリアム・カーター:アーチリュート、バロック・ギター
 

palladian ens
palladian ens02

1曲目 ヘンデルのソナタ ヘ長調はいつものヘンデルらしい作品、P.トービーのリコーダーも美しいが、対を成すポッジャーのvlが非常に透明感があり、しなやかさと切れ味で引き付ける。フーガで書かれた第4楽章がじつに清々しい。
2曲目 テレマンのソナタ ト短調、緩急緩急の楽章配置、第一楽章からテレマンらしい短調の雰囲気、第二楽章は闊達、ここはリコーダーのタンギングの素早く粒だった切れ味が魅力、そして対位旋律だったり平行旋律だったり、パート同士の間髪を入れない受け答え、これぞテレマンv、長閑な第三楽章に続き、終楽章はリズミカルで民族音楽的な味、二つのソロに加えガンバとアーチluteが力強くリズムを強調する。
3曲目、ジャン=マリー・ルクレールの序曲 ト長調、第一楽章が付点リズムのスタッカート、アレグロと続くが、フランス風序曲的でもある、対位法のアレグロはひじょうに闊達な魅力、通奏低音ではギターのラスゲアートがリズムを刻むがこれがラテン的な風合いでぴったりくる。第二楽章ドルチェ・アンダンテは一変、憂いにに満ちた楽章、長閑なメヌエットで終わる。
4曲目、ヘンデルのソナタ ロ短調、アンダンテで始まるが、ややリズミカル、ここでは通奏低音はギター、第二楽章、リコーダーとガンバの低音で開始、vlも加わるが、ガンバのパートの旋律も充実して味わい深い。終楽章ではまたギターが闊達な雰囲気を与える。
5曲目、J.J.クヴァンツのソナタ ハ長調は三楽章で、次の時代へと繋がるギャラントな作風。
最後のテレマン、ソナタ イ短調、緩急緩急の楽章、締めくくりにふさわしい魅力な曲、第一楽章の始まりの旋律は親しみがあるので、多くの演奏を聴いてきた、この曲でも通奏低音にバロック・ギターを使う、ヘンデルやテレマンにギターってのは史実的にもミスマッチかと思われたが、この演奏を聴くと水を得た魚のように活躍の場となる。テレマンの急楽章の密度の高い高揚感に切れ味のよいラスゲアートはぴったりくるv、終楽章は極めてテンポを上げ、各パートの緊密さと民族的、ラテン的にも聴こえる情熱をもって見事に決める。

PS.特にテレマン好きの方には名演かと思います、通販サイトは品切れのようで今は中古、アウトレット市場を探すしかなさそうです;

category: その他・バロック

tb: 0   cm: 2

今日も弦の張り替え  

望みの太さの弦がないときは自分で作るしかない・・^^ちょっとコツをおぼえたせいか、勢いでPVF弦の研磨をして、手持ちの楽器の弦を次々張り替えています。
今日はジャーマン・テオルボ、⑥コースと⑨コースはぴったりのPVF線がなかったので、この2本は研磨して作りました。⑨コースはちょっと長いので手間でしたが;他のコースは概ね加工なしでよいテンションになります。

GT strings
丸が研磨弦

これでジャーマン・テオルボも金属レスのオール合成弦、そもそもジャーマン・テオルボはバロック後期、普通のガット単線を張るために番外コースを長くしたもの、やはり巻弦を廃して、それらしい響きになってくると思います。ナイロン芯に金属線を巻いた巻弦は余韻が長く、エネルギーを薄く伸ばしたように鳴りますが、ガット単線に近い性質の当PVF単線は適度な余韻で低音パワーの立ち上がりが良く、やっとこの楽器本来の機能を得たという感じですね。

一頃、シーガー・エースなど硬質のフロロガーボン釣糸がリュートや19cギターで重宝されましたが、高音弦にはちょっと細くなりすぎ、音質も好ましくなかったので疎遠でしたが、新製品の太いPVF線がリュートの低音弦で再び活用できるとは意外でした。テンションの緩いリュートでは音楽的なベースとなる豊かな低音を出すことが課題でしたが、良い鳴り方です。要はちょうどよい性質(質量、硬度、伸度)を持った素材であることが重要で、良い結果が得られればガットでも合成素材でもかまわないと思います。私は左手(首の骨)の故障で頻繁な調弦による手の負担を軽くしたいことから、安定のよい合成弦に揃えたかった事情もあります。

category: 楽器について

tb: 0   cm: 0

リュセル弦楽四重奏団:J.M.クラウス 弦楽四重奏集  

コンチェルト・ケルンゆかりの古楽奏者達によるクラウス室内楽に親しんだあと、今度はスウェーデンの新鋭四重奏団、リュセルSQによる演奏ですが、MUSICA SVECIEレーベルはさすが、期待を裏切らない、一時代前の演奏とは違い、作品に誠実なもので、クラウスの素の魅力をよく聴かせ、古楽に耳慣れないクラシック・ファン全般にも親しみやすい演奏でしょう。

kraus sq02
kraus sq01

さて、興味深いのは彼らも両刀使いなのか、1曲目のNo.5のみ、ピリオド楽器を使っているところです。No.5ハ長調は爽やかな親しみやすい曲、ピリオド奏法とまではいかないが、ヴィヴラートを控え、古楽器の魅力を見事活かしている、第一楽章はわりとはっきりしたソナタ形式、規模はそこそこながら展開部は深みがある、再現部も展開的要素が多く聴かれる、終結はさらりと終わる、第二楽章アダージョも旋律美で彩るが後半は深みへと誘う。終楽章はスケルツォ、軽妙で心地よい楽章。
2曲目、No2変ロ長調からモダン楽器となり、演奏会場も少し広さを感じるが、透明感のある美音は変らず好ましい。No.2はハイドン風な健康美も感じさせる快活な第一楽章、展開部はクラウスらしい凝った魅力も聴かせ、結構たっぷりした構成、再現部以後は簡潔にまとめる。
3曲目、No.4ニ長調は傑作、第一楽章からクラウスならではの流麗な美しさで4パートが綾を成す、特長的なのは1stヴァイオリンとチェロがダブル・コンチェルトのようにしばしばソロを掛け合うところで、リュセルSQは一際魅力的に聴かせる。(クラウスにはこんな感じでvlとvcの協奏交響曲など書いてほしかったと思える;ヴィオラとチェロの二重協奏曲は存在するが、傑作だったかどうか、また聴いてみるとする)第二楽章ラルゲットでも、やはり第一vlとvcのソロを魅力的に聴かせる。圧巻の終楽章、アレグロ・モルト、単独にこの楽章だけ聴いたら、古典派と思えないかもしれない?リズムの切れ味や表現のインパクトの強さは前に聴いたJ.M.クラウスSQシュパンツィヒSQより穏やかな演奏だが、この楽章のクラウスの非凡な発想は十分味わえる。しかしこの飛び抜けた音楽はどこからの影響だろう。
最後のNo.6ト長調はふたたび、親しみやすい、しかもSQの魅力を十分備えた作品、第一楽章提示部から充実した内容、形式上の次のステップへきっぱりと移らず、接続的な部分が魅力、展開部の深い内容も特筆もの、再現部に普通に入るがその後最後まで、展開的内容を聴かせ、さらりと終結する。第二楽章、スコッツェーゼ、バグパイプの音楽も模したものだろう、リュセルSQはその雰囲気を強調して演奏するがこれが圧巻。終楽章、ラルゴとアレグロ・アッサイが続くが二つの楽章に分けて捉えることも出来そう。ラルゴの悲哀と明るさ交互の優美な音楽のあと、畳み込む切れ味のアレグロ・アッサイで圧倒して終わる。
リュセル四重奏団、きっとハイドンの演奏も素晴らしいでしょう。

category: J.M.クラウス

tb: 0   cm: 0

弦・研磨職人?  

またしても楽器の話で恐縮です;一応今日やったことを書くのが日記ですから^^
鬼門だったバロックluteの⑥コース低音を何とかしたい、できれば質を揃えて、⑦コース以下と同じPVF弦にしたい、というのが頭から離れず^^;しかし釣糸の一番細いのが径1.05mmで、このままでは強すぎる、0.97mmくらいが欲しいが市販のPVF釣糸はこのへんが欠落している;
今日は思い切って⑥コース弦の研磨を試みました。弦メーカーなら専用の工作機があって精度よく削れるでしょうが、こちらはろくな工具もなく曖昧な手作業、均一に弦を削るのは至難の技と思いつつ、いろいろやり方を工夫してやってみました。

11c lute
⑥コースが研磨PVF

13c lute
⑥、⑪コースが研磨PVF

1.05mmの糸を縦に削ったり、回転させて削ったりして質量を落としていき、どうにか細くして、期待せず張ってみたところ、振動状態は意外なほど良好、使えます!長持ちするだろうから1本出来りゃいい、これでオール合成弦で勝負?できます。PVFはナット上の滑りも良く調弦しやすいのが+α
さて、寝る前に音楽を聴きます。

category: 楽器について

tb: 0   cm: 0

プロフィール

最新記事

最新コメント

カテゴリ

最新トラックバック