Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

シャントルレライダー  

リュートは時代が下るとともに、当代の音楽に対応できるよう、改造が重ねられてきた、というのも特徴です。ルネサンス期の終りには10コースになり、徐々にバロック音楽対応のため11コースとなりました。10コースの頃は①コースのみシングルコースだったので弦は計19本、11コース時代は①、②コースをシングルとしたので弦は20本、つまり1本増えるだけです。

シャントルレライダー

よって改造はブリッジを替え、ペグボックスはそのままでシャントルレライダーという①コース専用の糸巻きをちょこんと後付けしてあります、あとコースが増えたスペースはナットをちょいと伸ばして確保、ネックの幅をこれ以上広げても重くなるのでこれが正解でしょう、うまく省力化しています。

さらに時代が下り、13コースのリュートが登場、これも11コースだったリュートにバスライダーという低音弦専用の糸巻きを後付けして対応しています、

バスライダー

シャントルレライダーはあまり目立たないので、11コースluteはリュートらしい形がすっきり維持されていて好きなんですv、13コースのバスライダーは見ようによってはゴツくさいか、機能美か?というところ;・・とても頑丈とは言えない後付け部分ですが、弦のテンションは緩かったのでOKだったのでしょう。
なおシャントルレライダーは、巻きスペースが狭いので、弦が伸びたら引っ張って巻き直したりしています;

category: リュート

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リュートの楽譜  

リュートの楽譜(タブラチュア)は普通の楽譜店にはありませんし、取り寄せてもらうこともできません、出版物として出ているものが殆ど無いと言ってよいくらい;

かつては写真に収めたマイクロフィルムからプリントしたものくらいしか手に入らず、考古資料そのまんまというものでした。
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F.デュフォー 「ブランロシェ氏に捧ぐトンボー」:部分
これはまだ良いほうですが、白黒でフォーカスが甘かったり、コントラストによっては暗くてまったく読めず、何か書いてあるのか、汚れなのか判別つかない状態のものも多かったです。いずれにせよそのままでは見にくいので手で書き写して使ったりしていました。

特に需要の多い曲集などは、明確に読めるように画像処理されたものが出回るようになりました、原典からスキャンし直したのかもしれません。
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これなら、実用譜として、そのまま使えますね。

願わくば、原典の様子が詳細にわかる、カラー画像もほしいところ、→サンプル
これなら、インクか汚れか判別しやすく、白黒画像では気づかなかった、大事な装飾記号が見つかったりすることも。

まあ、何かと準備が面倒なわけですが、リュートを手に取り、タブラチュアを弄ってみると、
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昔のリュート作曲家に時を越えて、直接伝授されるような?リュート独特の不思議な魅力に取りつかれます^^しかし、タブラチュアに記されたことはほんの筋書きで、昔の奏者はしびれるような即興を加えたに違いありません;クラヴサン音楽に影響を与えたほどですから。

category: リュート

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冥王星  

私の子供の頃の科学の本には、木星や土星さえ大まかな絵しか載っていなかったし、天王星より遠い惑星はまったくの空想図だった。冥王星もまだ惑星の仲間で小さく描かれていて、衛星の存在は想像もされていなかった。惑星から外されたとは言え、最果ての元惑星がどんな姿か間もなく見られるとは、良い時代に巡り合わせたと思います。

冥王星
現在の予想図

探査機ニューホライズンズは精密な計算でスイングバイを行ったそうで、次々目標の写真を送ってくるので、狙いは確かなようです。下は4月中旬に撮られた画像だそうで、まだハッブルの画像と大して変わりなく見えますが、何しろ直径2368kmの準惑星を1億400万kmから見た様子なので仕方がない;しかし徐々に見えてきた。
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 →衛星カロンが周回する動画

最新情報では極冠らしきものが見えるとか、火星ならまだしも全面極寒のはずの冥王星で極冠とはいかなるものか?表面の明暗の差は大きいですね。また冥王星とカロンの大きさ比率は地球と月みたいです、カロンは別に出来た小天体がたまたま重力で捉えられたものか、ここでもジャイアントインパクトがあったのか・・
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5/29-6/2 約5000万kmの距離から

現在のNASAの予想イラストがほぼ当っているのか?まったく予想外の姿か、予想外のほうに賭けたいですね^^?"Welcome to the Pluto"なんて看板は立っていないでしょう。

category: 科学・自然・雑学

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リュートの弾弦Ⅱ  

白くまさんとのお話で、ちょっとのめり込んできました;昔のリュート奏者って、どんな弾き方でどんな音で弾いていたのだろうと・・?
頼りになるのが一目瞭然の絵画です、リアルに捉えたと思われる絵もあれば、おとぎ話の挿絵程度でアテにならないものもあります。
しかしたくさんの絵を見れば大勢はわかってきそうです。ルネサンス期は象徴的な描き方が多かったように思いますが、
この絵はフィゲタ奏法の手をよく捉えています。
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ロゼッタ上に手を置く例もありますね、でも弾いている様子に見えません;
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バロック期になると、動きの中のある瞬間を捉えたような劇的な描き方も出てきて、奏者の手の様子もリアルに見えます。また全般にロゼッタから離れブリッジ寄りを弾く奏者が多くなってくる。
この絵はちょっとワザとらしいポーズだが、手は詳細に描写していると思える、
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おなじみ、S.ムートンの肖像、画家の前でポーズし、本格的に弾いている様子ではないが、右手は無意識にいつもの構えになっているのでは?
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当時のリュート奏者を評論したヨハン・マッテゾンへの反論を書いた人でもあるエルンスト・ゴットリープ・バロンの肖像、この絵の右手も真相を捉えているように思える。
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*もう一つの謎、これらの人々はどのように楽器を保持していたのか?ムートンは膝に乗せているだけに見えますが。

ところで私がバロックluteを始めた頃を思い出すと、
弾弦位置
もっぱら①のあたりを弾弦していた、当時は低音にP社の巻弦を使っていたので、このあたりでも明瞭に鳴らすことができた。まあ、ギターの延長のような感覚だった。
初めて低音用のガット弦を試したとき、なんちゅーボヤけた音じゃ!と衝撃を受ける;、こりゃあ嫌でもブリッジ寄りを弾くしかない;
その後は倍音の少ないa社の巻弦を使ったり、ローデドgutを試したり、試行錯誤、とにかく最近は巻弦を全廃し、②の範囲が普通になってきた。さらにピッチを下げるなどして、ブリッジ近くを試したい。

category: リュート

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梅雨のペグ  

梅雨本番といったところですが、いつもこの時期、一斉にペグの巻き直しをやっています。湿気を含むと木は膨張し、ペグがガチガチに絞まってくる。ペグは膨らんで太くなり、またペグボックスのペグ穴は狭まってくる、両攻めなわけです。

ペグ

特にサクラ材のペグは膨張が大きいので要注意、うちはサクラペグの楽器が4つあり、ペグ本数にして68本;まずこれを廻し直して緩めにします。
サクラ ペグ
他の楽器も合わせると総ペグ数132本かな、ま、ほかのリュート弾きさんよりはずっと少ないでしょう(笑)

ところで、長く休ませていたジャーマンテオルボですが、他の楽器と比べると音がソフト系で、イマイチ冴えないと思っていましたが、ぐっとブリッジ寄りを弾いてみると結構雰囲気が変る、長いバス弦もよりテオルボ的に鳴る、やはりバロックリュートはブリッジ寄りだ・・v
個々の楽器で特質が違うので、テンション、ピッチ、弾弦位置などよく探って、各々の本領を発揮させてやらねばと思ったしだい、オーケストラ楽器じゃないので、そのへんは自由です。

category: リュート

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リュートの弾弦  

低音部は音楽のベースですから、しっかり懐深く鳴ってほしいものです。
ところが多コースのバロックluteとなると、楽器の強度からして弦を緩く張ることになります。私の楽器の場合、低音弦(オクターヴ調弦の低い方)は2.4~2.6kgのテンションでしょう、こんな緩い弦楽器はほかにない?;対応策は、
低音弦は倍音は出なくてよいから、低音に力が集中する弦を使う、ガット系の低音弦の鳴り方が理想です、倍音はオクターヴ弦が担う、帯域分担なのです。
緩いだけにブリッジから離れるほど、手応えがなく、鳴らし辛い、適度な手応えの位置までブリッジに近づける、さらに弾弦法が重要、響板面方向に押さえこむ角度で弾く、
弾弦
響板をよく振動させる弾弦角度で、ギターで一般に言われるアポヤンドのたっぷりした鳴りと同じ、響板と並行方向に弾いても鳴りません。指の頭が同時に2本の弦に触れ、低音とオクターヴ弦がしっくり一体となったように弾きます。高音弦の弾き方も同様、緩いテンションで充実感のある音を求めます。
・・と、言うのは簡単ですが、そう上手くは行きません;;

category: リュート

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渡邊順生:バッハ ラウテンヴェルクのための音楽  

ラウテンヴェルク(リュート・チェンバロ)によるバッハの録音は結構古くからあるが、新しいところではNAXOS盤のエリザベス・ファーによる演奏、今回取り寄せたALM盤、渡邊順生の演奏があり、両CDの表紙には響孔周囲の写真が載っていて、そっくり、

watanabe bach01
ALM RECORDS 2011年録音
それもそのはず、アメリカの製作家、ケイス・ヒル(keith hill)による同一の楽器のようだ。
lautenwerk by keith hill
同じ楽器を異なる奏者と録音スタッフで聴くのも面白い。
watanabe bach02

見た目は普通のチェンバロだが、ガット弦を張っている、写真から察するに、一部ナイルガットに見える弦もある、しかしこれでリュートによく似た音が出るわけではない。そしてダンパー(消音機構)が無いそうだ。確かに金属弦より音の余韻は短いのでダンパーは要らないかも、むしろ適度に音が重なっていくところがリュート的な魅力となり、バッハもこれに惹かれたのではないか?幻想的な"残響音"を楽器自身が発している。よってあまりに急速な演奏は避け、余韻を味あわせる弾き方が望ましい。

渡邊氏の録音で興味深いのは選曲、ラウテンヴェルクに相応しい曲を1枚にまとめている。タブラチュアが残され、リュートでの演奏も多いBWV995や1000は除き、鍵盤向きな996、998、997、999を演奏、さらにソナタ ニ短調BWV964がいい、この原曲は無伴奏vlソナタNo.2 イ短調BWV1003をバッハ自ら鍵盤に編曲したと思われ、5度低く移調した響きもラウテンヴェルクに相応しい、原曲のvlソロと比べると、特に第二楽章フーガでは、決して"後付け"に聴こえない声部の補充がある、元々原曲が持っていた遺伝子が湧きだすようだ、バッハ以外にこんな編曲ができるだろうか?と思わせる。
なお、996、998の演奏は渡邊氏の師であるG.レオンハルトを彷彿させる。998の締めくくり、アレグロの足取りがじつに心地よい、左手は鍵盤的だが、通常の鍵盤作品よりはずっとシンプルである。バッハのいわゆる"リュート作品"は鍵盤曲ほど複雑に入り組んでいない分、明快な美しさが浮かんでくるのかもしれない。

category: J.S.バッハ

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楽器のケース  

今日は朝から大雨、梅雨のシトシトじゃない;;レッスンに行きましたが、こんな日は楽器持って出かけるのは厄介です。傘はほとんど役にたたない;
普段はあまり気にも留めない楽器ケースですが、信頼度の高いケースが良いですね、これは英国の老舗メーカー、キングハムのケース、軽量ケースが多くなってくる中、楽器の保護を最優先する堅牢な作りを守っているようです。このケースは蓋の開け閉めの際に抵抗がありますが、空気の抵抗で、蓋と本体の形状が隙間なく精度が良い証しでしょう。取っ手の位置も大事です、楽器の重心に対し、よいバランス位置でないと。

ケース

楽器の正確な実測図を送ればピッタリのケースをオーダーできますが、大抵、楽器の製作家を通じて作られるのでピッタリに出来てきます。内張りのクッションもアソビなく収まります。
某軽量ケースの蓋はファスナーで閉めるだけ、というのがイマイチ不安です、当然雨は入ってくるし;
思わずキングハムのHPを覗いてみると
KINGHAM MTM CASES LTD.
いろんなケースを作ってますね、西洋楽器はもちろん、中東やアジアの楽器らしきもの、エレキG用も・・
これは両面2段にギターを入れるのかな、古楽器用でしょうね、モダン2つじゃ重すぎる;
gui c

ケースはあくまで楽器を保護するのが役目、よって地味な外観が多いですが、こんな美しいものも、これはヴァイオリン用ですね、
vl c

このギター用など、たまりませんな^^;よほど中身が良くないと・・
gui c 2

category: 楽器について

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NASAの宇宙絶景Ⅱ  

九州は豪雨で大変でしたが、いわゆる普通に梅雨らしく、"しとしと雨に蛙の鳴き声"といった風情は嫌いではありません、ただ毎年体調を崩す時期でもあります;

このところNGC****とか、BWV****とか、分類番号ばかり書いています、天体も作曲家の作品もほんとに数が多いわけで;
今日はNASAの画像から"綺麗どころ"の天体も見てみます。宝石箱のような星団、大抵その周りには色鮮やかな星雲が拡がっています。星雲の中で生れた若い星々の散開星団は美しく、周りの星雲の色彩も星雲そのものの成分(水素はピンク、酸素は緑・・)だったり、照らしている星の色、また後方から照らされると、夕焼けのように赤っぽくなる、などいろんな要素が入り混じった色彩です。手前に真っ暗な星雲があると影絵になります。お馴染み、カリーナ星雲はそれを全部見せてくれる傑作絵巻です。

NGC3603 りゅうこつ座、2万光年
NGC3603.jpg
→拡大画像
粒ダイヤを一握り溢したみたい(やってみたい^^)

LH 95 銀河系の外、16万光年離れた大マゼラン雲にある星団
LH95.jpg
→拡大画像
マゼラン雲は天の川銀河系より星の材料が豊富だそうです。

Westerlund2 (Gum29)りゅうこつ座、2万光年
westerlund2.jpg
→広域画像 (赤外線で透過して撮ったもの)
宇宙花火ですね、これら一緒に生れた星達はやがて散り散りになっていきます。星雲の突起した塊状のところが次に星が生まれるところ。

次はちょっと面白いところで、中央に暗い部分があるこの星雲NGC1999、初めは手前に暗黒星雲があって光を遮っていると思われていたが、この形に空洞があるのがわかったそうです。
湯気に吹きかけた息で穴が空く?人間スケールの日常でもありそうな様子だが、恒星ジェットで一部が吹き飛ばされたらしい。 
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→広域画像

最後はこの銀河ESO 510-G13、うみへび座約1億5000万光年
最初M104によく似ていると思ったが、暗黒ガス円盤が揺らいでいる、これも銀河合体時の影響が残っているようだ。
ESO 510-G13
→拡大画像

★M104にはやはり謎が多いらしい、楕円銀河と渦巻き銀河が合体しても安直にこんな形にならないと言う。

☆天文ニュース、宇宙初期の銀河がまた見つかったそうですね、 →AstroArts:HP

category: 科学・自然・雑学

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桐山建志&大塚直哉:バッハ ヴァイオリンと鍵盤の為の作品集 vol.5  

先日のバッハBWV1025がきっかけで、日本の若手古楽奏者の演奏に興味が湧き、取り寄せた2枚組、桐山建志:vlと大塚直哉:cemがシリーズで録音した最後の第5集です。これはvl、鍵盤、そしてlute弾きにも興味引きそうな内容になっている、バッハの遺産目録には数台のヴァイオリン属や鍵盤楽器等に加え、高価なリュートが一つ、ラウテンヴェルクが2台あったそうです。バッハはやはりリュートにもご執心だったようですね。そんなバッハ家のプライベートな楽しみを伝えてくれるようなアルバムとなっています。音楽的にナチュラルで装飾のセンスも良い好演で聴けるのは嬉しい。

bach 1025
2005-2006年、山梨市花かげホール

まず面白いのは無伴奏vlソナタBWV1001を大塚がチェンバロで弾いている、第一楽章アダージョの冒頭を使って短いプレリュードにアレンジして弾く(これがセンスいい)、続いてフーガとなるが、これはBWV1000のほう、つまりリュート・タブラチュアとして残された版を忠実に演奏している、
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フーガ ト短調 BWV1000 冒頭
BWV1000は実用的なリュート編曲版だが、当演奏ではあたかもチェンバロ用であるかのような自然さを感じる。エリザベス・ファーもラウテンヴェルクを使って同じ版で弾いていた。

注目の鍵盤とヴァイオリンのための組曲イ長調 BWV1025、これはバッハの楽譜どおり、チェンバロとヴァイオリンで演奏した録音は少ないと思われるので貴重だ。リュートで弾く場合に対しチェンバロではオクターヴ高く演奏されるのでヴァイオリンとの噛み合いも良い、第二楽章以後はヴァイスの原作がドレスデン写本にあり、これにバッハがvlパートを重ね、トリオになっている。このBWV1025の頭に新たに置いたファンタジアはどうか、楽譜を見るとやはり鍵盤パートはリュート的であり、これこそ二人のその場での共作ではなかろうか?
sc 1025
ファンタジア、最後の部分
このバス弦を駆使した聴かせどころ、いかにもヴァイスらしい。ちなみにL.キルヒホーフはこの楽譜どおりリュートで弾いている。

ちょっと昔、巨匠演奏家の時代、バッハのvlソナタや無伴奏vlなどの楽譜に、当時の奏者が強弱や表情記号をびっしり書き込んだ"誰々編"とかいう出版譜が出回っていた、また鍵盤パートには今の通奏低音ではやらないような右手のリアライゼーションが書かれていて、取りあえずの実用版だったろうが、とてもこのままに聴きたいと思えるものではなかった。原典に忠実な楽譜がまず不可欠。

参考動画: Bach - SONATA FOR VIOLIN AND CONTINUO IN A DUR BWV 1025
Reinhard Goebel, Violin  Robert Hill, Harpsichord

category: J.S.バッハ

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地球型生命  

宇宙に星間ガスなど物質が漂っていればそれが重力で集まり、やがて星などの天体になる、というのはごく単純で必然的です。(なぜ、宇宙なるものがあるのか?は置いといて;)

NASAは今後10年以内に地球以外に生命の痕跡を見つける、と宣言しています。生きた生命が一番でしょうが、絶滅していれば化石、あるいは生命起源が"決定的"な物質でしょうか、私はあまり楽観はしていません、むろん見つかれば嬉しい、生物学の高度な見地も不可欠です。

人口生命としては、まだ完全に無生物の有機物スープから新生物を生みだしたという報告はない、ただ既存の微生物に寄生させて、第二世代から人口で作った遺伝情報のみの生物を存続させるのには成功しているそうだ。案外生命が発生するのは必然的でありふれたことなのか?
しかし単純な古生物でさえ、複雑な仕組みを持ち、遺伝情報を伝えるRNAだけでも複雑。
英国のある学者は、いかに有機物やら生命に必要な環境が整っていても、そこから単純な生物が発生する確率は10の4万乗分の1で、「がらくた置き場を竜巻が通過し、その中の物体からボーイング747機が偶然組み立てられるのと同じだ」という、これもまた、説得力はありそうに思える。でも有機物は生命に向かう性質も持っているようだ。

火星やエンケラドスに居るくらいなら、地球上の実験室のほうが至れり尽くせりの環境が作れる、いまだ成功しないのは時間が足りない?アプローチを変えつつ、100年~1000年以上と実験を続けたら、ある日ポッと生命と言えるものが誕生するかもしれない。生命には宇宙的時間も必要でしょう。

しかし地球の生命の進化ぶりもまた謎です。恐竜の子孫と言われる鳥、
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ジョウビタキ

太古の昆虫の子孫、トンボ、
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ミヤマアカネ

シーラカンスのように、殆ど変異が起きず、太古の形質のまま存続できている生物もいる一方、コノハムシのように、個体ごとに葉脈のパターンが異なり、枯葉色だったり、虫食い状態を表現したり、
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コノハムシ
こんな都合のよい形質に偶然の変異の積み重ねで変われるのだろうか、宇宙的時間があったとしても?何らかの意志が働いているようにしか見えない;こう思うのは天動説的だろうか?

さらに人間は一千億の脳細胞を持ち、宇宙探査までやるようになった。これも生命の必然なのか、10の何万乗分の1の奇跡なのか。

category: 科学・自然・雑学

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J.S.バッハ 鍵盤とヴァイオリンのための組曲イ長調 BWV1025  

大バッハの作品ともなれば、たとえヴァイオリンを弾かない人でも、vn曲の楽譜を取り寄せてみようという興味は湧くでしょう、しかしS.L.ヴァイスのリュート曲なんて、本当にリュートを弾く人でもない限り、まず取り寄せたりしない;
そこで昨日話題にしたバッハのBWV1025です、これはバッハとヴァイスの共同作品、大まかに言うと、ヴァイスの書いたリュート独奏曲にバッハがヴァイオリンのオブリカートを加え、さらに冒頭楽章として、ファンタジアを書き加えたものです。この事実に気付いたのは音楽専門家ではなく、たしかアマチュアのリュート弾きさん、20世紀も終り頃です。想像するに"彼はヴァイスのドレスデン写本を弾きあさっていたら、この中でイ長調の組曲がどこかで聴き憶えがあった・・これバッハの曲にあったじゃん!"てな感じでしょうか^^?研究家の先生方も奇妙な曲だとは思っていたでしょうが、ヴァイスの曲までは目が届かなかったというわけ。
ヴァイスがバッハ家を訪れた際の(お仕事抜きの)至福の時間の産物かもしれません。
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シルヴィウス・レオポルト・ヴァイス(1687-1750)

鍵盤とヴァイオリンのための組曲イ長調 BWV1025
楽章は、ファンタジア、クーラント、アントレ、ロンド、サラバンド、メヌエット、アレグロ、と続いて結構長大。
クーラントの始まりを見てみると、鍵盤パートがヴァイスが書いた部分、
bwv1025 co 01
左手が単純なのはいかにもバロックluteのバスらしい、バッハは鍵盤にとって合理的に変更している所もあるが、基本的にヴァイスのオリジナルを尊重していて、大きく変わってはいない。
vnパートはヴァイスの旋律からヒントを受けたようにポリフォニックだったり、並行で動いたり、無限の発想力を持ったバッハの才気を感じる。味わい深いコンチェルトの技の一端を見るようでもある。
こちらはヴァイスの原曲
bwv1025 co tab

謎なのは冒頭のファンタジア、これはバッハ単独で書いたのか?よく見ると鍵盤の左手パートはヴァイスがバス弦を駆使した高度な作品のようにも思える、難しいけどリュート的で無理な変化記号もない、これも共同作品かも。
この作品でバッハはバロックリュート作品を鍵盤に置き換え、リュートの特性もよく知っているはず、BWV998みたいなメチャクチャ難しい曲をリュート曲だとして書くはずがない;

さてこんな珍重な曲の演奏は少ない、手元にあるのはルッツ・キルヒホーフのluteとジュリアーノ・カルミニョーラのvnによる演奏、
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2001年、SONY CLASSICAL
キルヒホーフはジャーマン・テオルボ(バス弦を長くしたバロックリュート)を使い、より響きを明確にしている。鍵盤のパートをリュートに戻して、つまりヴァイスのタブラチュアに置き換えての演奏で興味深い。

category: J.S.バッハ

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バッハの記憶  

昔、たまたまラジオのスイッチを入れて、何ともいえず良い曲が流れてきた、途中からだけどすぐにカセットテープに入れて、何度聴いてもいい。アナウンスによると「バッハ作曲、ブランデンブルク協奏曲第2番」とのこと。
べつに初めて聴いた感じではないんです、幼いころからラジオなどで耳馴染んでいたバロック音楽の特に良い曲として聴こえてきたわけです。音楽の予備知識なしに、いきなり頭の琴線を響かせた、バッハにはこういう子供のような白紙の頭を共鳴させる力があると思っています。これがバッハ、さらにバロックの数々を積極的に聴き始めたきっかけです。バッハ入門として、いきなり半音階的幻想曲とフーガなど聴かないほうがいいでしょう。
いつもバロックリュートで弾いているS.L.ヴァイスもバッハと交流のあった人です、ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタBWV1025は共同作品でその証し。

バッハの何か易しい曲でも楽しめないか、
電子チェンバロが、長く机替りになっている;
子供のピアノのお稽古に付き合って以来、ご無沙汰の鍵盤、
鍵盤
まあ、あと一年弱で暇を作る予定ですから、バッハの"音楽手帳"やインベンションなど易しいのをゆっくりやってみたいです、楽器によって指の筋肉の使い方が違うし、手を伏せた格好で動かす、というのは随分勝手が違います。指は速く動かせないのでまずは装飾音など省略。
リュートでバッハを弾く計画はありません;;鍵盤がいいんです;

category: J.S.バッハ

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指板  

弦楽器奏者がテクニックを駆使する土台、指板について書いたことがなかったです。
多くの弦楽器の指板は黒壇(エボニー)です、押さえた弦がピタリと安定する、適度な比重(0.82~1.09)と硬度を持ち、最適材と思われます。チェロなど、ハイポジションはネック材が下にないので指板はしっかり厚くしてありますね。
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指板は硬すぎてもダメなんだそうですね、硬すぎると弦が跳ねてしまう、黒壇ならピタっと吸い付き安定すると聞きました。また産地によってだいぶ質は異なるようです。
私の持つリュートはというと、やはり黒壇が多いですが、別の材料もよく使われるのがリュートの特徴かも、テンションの緩いリュートではさほどシビアな問題でなく、材質に拘る必要はないのかもしれません。またフレット楽器なので、指板と弦に挟まるフレットガットの質も関わってくるし。
これは普通に全面黒壇、
lute01.jpg

この楽器は黒壇の間にココボロという材を挟んだツートン、ココボロの比重や硬度は黒壇とほぼ同じで板材の違う所で音が変るなんてことはありません。いずれも重い木なので、厚くするとボディが軽い分、ネック側に重心が寄ります。
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この楽器は梨(ペア)比重0.7、まあ普通で難はありません。
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また今日のリュートは大抵、ハイポジションも弾けるように響板上にフレットが貼られています、しかしヤワな響板上は振動を吸収するので大して鳴りません、昔の絵画にも貼りフレットの着いた楽器は見かけません。
この楽器は響板の裏に補強板があるようで、鳴りやすくしてあります、現代の工夫でしょう・・まずここは弾きませんが;
lute04.jpg

category: 楽器について

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NASAの宇宙絶景Ⅰ  

ハッブル宇宙望遠鏡に加え、チャンドラX線観測衛星などによる可視光で見えない天体の画像も加えるとさらに面白い絶景があります。以後、NASAの宇宙絶景とします。

何かの姿に似ている、という天体もいろいろあって面白いですね、先日の"卵を抱くペンギン"Arp142は良かったv

この合体しつつある銀河Arp 273は"一輪の薔薇"に似ている、と言われますが、まあ確かに、 →拡大画像、でもひっくり返すと、湯気立つ温泉にもみえます(笑)
温泉
宇宙に"上下"はないのですね。

傑作はやはり、"宇宙の手"PSR B1509-58、"神の手"とも言われるこれ、→拡大画像
聖なる物体を掴もうとするところ?あるいは丸めた紙くずを投げるところにも見えます;
cosmic hand
右から親指・・指が足りない?これは薬指と小指を重ねる癖のある人なんです^^手首付近の青く明るい所が中性子星(パルサー)で下方に向ってジェットが噴出しています、高温の天体でX線でのみ観測できます。なぜこんな形になったのかは不明、

最後はM51銀河の中心核、M51そのものが絶景ですが→拡大画像
中心にある巨大ブラックホール周りの塵の影による"X"の文字、
m51 核
私はXというより、斜め下から見上げた十字架に見えました。やはり宇宙は神が作ったという、さりげないサインかも(笑)

category: 科学・自然・雑学

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ハッブルの宇宙絶景Ⅳ  

銀河の合体というのは、2つの銀河がランダムな角度から衝突し、すり抜けては再び引き寄せあい、最後にはまとまるんですが、乱れた形から綺麗な円盤に落ち着くまでは相当時間がかかるでしょう。
お隣のアンドロメダ銀河M31は視野角が広いだけに銀河系内の星もいっぱい写り込んでいます。ハッブル宇宙望遠鏡にとっては視野が広すぎて画像は繋ぎ合わせでしょうが、それでも世界一の解像度で撮った甲斐はありますね。円盤の大きさは我々銀河系の約2倍、距離は最新情報で254±6万光年、→大画像
よく見ると、円盤の外縁部に対し、中央側の盤面が少しだけ傾いているように見えます、バルジの中心には巨大ブラックホールが2つあるそうです、合体の名残かも?

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さらに驚くのはNASAの観測で、アンドロメダのハロが従来考えられていたよりずっと大きく、差し渡し200万光年あるとわかったそうです。月の視野角と比べてもとんでもない大きさです。

m31 h
観測に基づくイラスト

ハロとは太陽系でいうオールトの雲みたいな、その銀河に属するすべての物質の領域ですね。多数の超新星爆発で吹き出した銀河風のガスが暗黒物質の重力に捉えられ球状に取り巻いているらしいです。球状星団や矮小銀河のような天体もハロの中に分布している。ハロの領域で考えれば、互いの距離からして銀河系とアンドロメダ銀河の衝突はすでに始まっていることになるでしょうね。円盤部がぶつかるのは40億年後、その頃太陽系は年老いてはいるもののまだ終末期まで行ってないかもしれません。

category: 科学・自然・雑学

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似て非なる楽器  

外見も奏法も似ていて、応用が効きそうで効かない楽器というのがありますね、典型がヴァイオリンチェロ、外見も調弦法も同じ、弓で弾くのも同じ、しかし一方は楽器の底部を顎元に向ける、一方は床に向ける、弓を当てる向きも逆方向、奏法的にはまったく別の楽器でしょう。古楽器にはヴァイオリン奏者が低音を受け持つことができるように、ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラあるいはヴィオラ・ダ・ポンポーザといった楽器があります。

vl vp
手前がヴァイオリン、奥がヴィオラ・ダ・ポンポーザ

ヴィオラをもう一回り大きくしたサイズでしょうか、チェロほどの弦長にはできないので弦は太くなるでしょうね。楽器の構えはこんな感じ→S.クイケン氏の画像。オーケストラで十分響かせるにはチェロ、コントラバスといったサイズが必要でしょう。

ギター(モダン)とリュート(古楽器)は大まかに言えば共通ですが、応用が効くような効かないような、歯がゆくも悩ましい違いがあります^^;私の世代のリュート弾きはほとんどギター経験者でしょう、若いリュート弾きはギター経験なしの人が多いかもしれない?リュート属はモダンギターと比べ弦のテンションは1/2~1/3、楽器は極限まで軽く作られている、この性質の違いは非なる楽器と言わざるをえない、この楽器を理想的に鳴らすにはまず、ギターの感覚を忘れて、適正な力のインプット感を覚えこまないといけない、左手の技術も、右手の弾弦もパっと見、同じに見えても、一からやり直しと言えるほど、ビミョーに異なる技に転換する必要があります;油断するとギターの習慣が戻ってくる、そこが悩ましい;;

category: 楽器について

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ハッブルの宇宙絶景Ⅲ  

宇宙のあちこちでは銀河同士が遭遇合体する様子がたくさん見られます、これもそこで何が起きているのか、実感させてくれる画像の典型で興味深いですね。
銀河は大きく分けて、まず我々銀河系やアンドロメダ銀河のような渦巻き銀河、これらは新しい星を生む材料、星間ガスや塵を豊富に持っているのが特徴です。もう一つが楕円銀河で、これらはおそらく宇宙初期の銀河が星の材料を使い果たし、古い星しか残っていないものとされます。渦巻き銀河同士の合体は多く見られますが、楕円銀河と渦巻き銀河の遭遇もあるでしょう。今日の絶景は楕円銀河NGC2937と渦巻き銀河NGC2936が接近したところ、
Arp142
arp142.jpg
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この2つの銀河を合わせてArp142という番号がついています。アメリカの天文学者Halton Arp氏が特異な銀河につけた番号です。ペンギンが足元で卵を抱く姿に似ているとよく言われるようです。卵の楕円銀河の重力で大きく歪められた渦巻き銀河が具合よくペンギンの姿に変形、ペンギンの目の位置が渦巻き銀河のバルジ(中心核)だったところ。青い部分ではバーストも起きているようです。年寄りの星ばかりのNGC2937もNGC2936と合体すれば、少しは若返ることになるのかも。
先日のNGC7049など、大きな楕円銀河が渦巻き銀河を取り込んだ後のようにも見えます。お馴染みのソンブレロ銀河M104も昔はバルジの大きな渦巻き銀河とされていたが、普通の渦巻き銀河に対してあまりに異形であり、何故バルジが大きいのか、という疑問も残る、これも比較的小さめの楕円銀河と渦巻き銀河が合体して安定した姿かもしれない?

category: 科学・自然・雑学

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アスペレン:J.S.バッハ チェンバロ協奏曲集  

限定発売で名演が多くお買い得なveritas 2cdより1セット、バッハのチェンバロ協奏曲集を注文したところ、私が最後で品切れになった。
チェンバロと指揮がボブ・ファン・アスペレン、合奏はメランテ・アムステルダムの演奏、収録は1台のチェンバロの為の作品に絞られて2枚組になっている。バックは各パート1人ずつ、 チェンバロをピックアップせず、自然なバランスで録音されている、どこかほっとするしなやかな響きで、聴いた瞬間、この表紙画のような雰囲気が漂う。終止インテンポで骨組みはしっかりした印象、ソロはさほど飾り立てず、スリリングな達演に巻き込むことも控え、作品自体の内容にじっくり引き込むようだ。

bach cem con
ボブ・ファン・アスペレン:cemb
メランテ・アムステルダム


CD1は初めに第2番ホ長調BWV1053、これは第1番と同格なほど傑作と思う、第一楽章は始まりは溌剌とした主題のリトルネッロだが、中間部が非常に凝った展開部となっていて、ソロと合奏パートが遊離したような不思議な部分もある、聴けば聴くほど深みにはまり、飽きることはない。第二楽章はシチリアーノだが、この曲にふさわしく充実している。終楽章も第一楽章と同じ構成をとり、半音進行のテーマが現れたり、じっくり聴き応えのある楽章だ。
次に第1番ニ短調BWV1052、第一楽章は全パートがユニゾンで打ち出す主題は力強いとともにストイックな味、失われたvl協奏曲が原曲だが、あえてvl的な奏法をチェンバロに写した書き方が効を奏していて、聴き手を引き込む。幾人かのvl奏者が復元を試みて、演奏しているが、完全にvlらしく復元できそうで、疑問に思う部分も残るのが奥が深いというか、本当にバッハの編曲は一筋縄ではいかない;

CD2にはめったに演奏されない第8番ニ短調BWV1059が最後に入っていて、これは隠し弾である、原曲はオーボエ協奏曲だそうだが、これも失われている。バッハの真作だろうか、と少し疑問も湧くのがまた、不思議な楽しみでもある。バッハは他の作曲家の作品も写譜したり編曲したりしているので、傑作として親しまれてきた曲が真作じゃない、なんてこともあるかもしれない;BWV1052でさえ・・??!これはバッハと関りのあった無名の作曲家をつぶさに調査しないとわからないでしょう;

category: J.S.バッハ

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ハッブルの宇宙絶景Ⅱ  

天体画像で絶景と言えるのはいわゆる綺麗な画像とは限りません、そこで何が起きているのか、実感させてくれる画像、というのが非常に興味深く、その迫力が絶景だったりします。宇宙のあちこちに目を向ければスクープ映像がいっぱいのようです。
この画像もすっかりお馴染みですね。初めちらっと見たときには惑星状星雲のガスの拡がりか、とか勘違いしましたが;
特異変光星 V838 Mon
v838 mon01
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2002年1月、いっかくじゅう座の特異変光星 V838 Monが一時的爆発現象を起こし、突如増光し、すぐ暗くなった、このフラッシュのような光が元々周囲にあって見えなかったガス雲を照らし出し、光が進むにつれ、照らす範囲が外へと拡がっていき、光が通過し終えた内側は再び暗くなっている、という様子で、あたかも薄皮が膨らんで行くように見える。周囲のガスは過去の爆発時に放出されて残っていたものだそうで。
このハッブル画像は2002年5月~2004年10月の変化をまとめています。
v838 mon

いつぞや、マサチューセッツ工科大学が実験室で光の進む様子を高速撮影技術で撮ったという動画が公開されましたが、V838 Monは同じことを宇宙スケールで見せているわけで、こちらは高速撮影の必要なし、光が進むのを待たなきゃいけません、"光の道中"のコマ送りです。離れるほど暗くなっていきますね。

PS.光はこのガスに当ることによって速度が遅くなるず、ガスの濃いところ、薄いところで光の進みに差が生じているでしょう。

category: 科学・自然・雑学

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ハッブルの宇宙絶景Ⅰ  

運用25周年、ハッブル宇宙望遠鏡の画像ページに魅惑的な画像がいっぱい公開されていますね。数千万光年離れた天体でも、近くまで行って見るような臨場感。子供の頃は想像で描かれた遠い天体の絵が載った本を見るのが好きでしたが、今は本当の姿が見られるわけで、観測技術がここまで来た時代に居合わせて良かったと思います。

今日のお気に入り一つ目はこれ、りょうけん座にあるM106、近傍の銀河ですね。
M106 2200万光年
M106.jpg
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銀河にも1つ1つ味わいがあって、これもちょっと目を引きます。渦巻きがやや乱れているようで、2つの銀河が合体して、まだ形が整い切っていないようにも見え、水素ガスが噴出して見える所もあります。赤い領域は星雲の中で星が次々生れているところ、青白い領域は一人前になった若い星達、中心に超巨大ブラックホールがあるそうで、スターバーストも盛んに見えます。約40億年後には、天の川銀河とアンドロメダ銀河が合体し、こんな感じになるのかも。

もう一つは以前、超新星SN1994Dでも取り上げた銀河NGC4526、こっちにはもう超新星は写っていません。
NGC4526
ngc4526b.jpg
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暗黒ガス帯が多い暗い銀河と思っていたら、光を長く集めた画像ではハロの領域まで広く輝いていたんですね、ハロは画像よりずっと拡がっているでしょう。

category: 科学・自然・雑学

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6月4日 西の夕空  

今日は大好きな大陸側の高気圧に入り、快適でしたねvこれなら少々気温が高くても平気、金星や木星がくっきり輝く夕方は風が小寒いくらいでした。こんな日は夕空も赤くならず青いです。私の安モンのカメラでどれくらい写せるのか試してみました。

木星と金星
木星と金星

金星
金星

木星
木星

全景2
左から、木星、金星、(双子座)ポルックス、カストル

まあ、昔ガリレオが使った望遠鏡くらいには見えているでしょうか;7月1日には木星と金星が(天球上で)最も近づいて見えるそうです。

category: 科学・自然・雑学

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バロック・リュートについて  

Luteブログでもありながら、過去の記事をみると、バロック・リュートについてちゃんと紹介した記事がなかったです;

主だった弦楽器を比較しながら書きますが、まずはヴァイオリン、各弦は5度間隔の調弦です。
vl.jpg
これは楽器本体と同様、随分昔に決まったんでしょうが、しかし、ヴァイオリンの黎明期の頃があまりわかっていないのも不思議です。ある日突然、天使から授かったみたいな?

次はギター、これは概ね変遷はわかっていますが、今の標準は譜例のとおりの調弦、ほぼバス楽器といえる音域です。
gui.jpg
4度間隔で、②-③弦間のみ3度、これは一つのポジションで4本の指で音階を上り易く、コードも弾きやすい、という合理的な調弦です、ルネサンスluteもこれに近い調弦法です。

さて、私がメインにやっているバロックluteですが、こんな調弦、かなり低い音域です。
b lute
⑥→①コースを掻き鳴らすとd-mollの和音になるのでニ短調調弦とも言われます。ルネサンスluteの調弦から試行錯誤のうえ改変された特殊な調弦と言えます、①-②コース間は短3度、②-③が4度、③-④が3度、という近接した音程です。⑥コースから下は音階を下がっていきます。解放弦を使う確立が増え、弦の音の重なりが豊かになる調弦です。下のタブラチュアに記したように音を重ねながら響かせます、これが魅力、
tab1.jpg
よって前に弾いた弦に触れない(止めない)ように次の弦を押さえる注意が要ります、もちろん非和声音になる音や、音楽的に切ったほうが良い場合は止めます。オリジナル作品はこの調弦を活かすように書かれていますが、編曲作品でこの調弦を活かすのはかなり苦心します。

category: 楽器について

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小赤斑  

今年はハッブル宇宙望遠鏡25周年でもあり、集大成というべき画像が公開されています。また太陽系探査機の成果も楽しみです。

Hubble's 25th ANNIVERSARY

ハッブルが映した木星も探査機が接近して撮った写真と見分けがつかないほど見事です。ガリレオ衛星は双眼鏡があれば見られるでしょう、大赤斑を見るにはちょっと倍率のかけられる望遠鏡が必要でした・・と昔からお馴染みだった、

大赤班a
↑大きかった頃の大赤斑
大赤班b
↑2014年:ハッブル宇宙望遠鏡撮影

大赤斑は発見以来、地球3個分の大きさで300年も存続していたのがここ数年で、急激に小さくなっています。2014年のハッブルの撮影ではもはや小赤斑と言うしかない;これは気象学の分野ですが、大赤斑を維持していた内部の熱が下がっているせいか、原因はわからないそうです。このまま矮小化して消えてしまうのか、再び復活するのか?しかし300年なんて宇宙時間ではつかの間で、こんな変化は繰り返し普通に起きているのかもしれません、来年、探査機ジュノーが謎をつきとめてくれるかも。

category: 科学・自然・雑学

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W.サヴァリッシュ:ハイドン 交響曲第92番「オックスフォード」  

サヴァリッシュのハイドン、驚愕、軍隊、時計と聴いて、「オックスフォード」だけガマン、というのも期待が湧くだけに辛い;カップリングがチャイコフスキーのsym No.5というのが何ともミスマッチだけど、取り寄せた甲斐がありました。
オケは同じくウィーン響で録音は1963年、マスターテープの保存が良いのか、これも鮮明で各パートが細部まで聴けて、曲の構造が今まで以上によくわかる、サヴァリッシュの演奏とPHILIPSの好録音が相乗効果となって、筆で描いたというより、彫刻刀で彫り出したような音楽に聴こえる。ハイドンは僅かでも余計な小細工が聴こえると幻滅するが、曲が良いだけに純粋にやってほしいところ。サヴァリッシュのオックスフォードは鮮やかに曲の魅力が湧きたつ。

sawa hay sym92
ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮
ウィーン交響楽団
1963年録音


第一楽章、序奏は結構さらりと行く、某指揮者みたいにここで甘ったるく聴かされると嫌気がさすが余計なものはない、主部の開始を聴くだけで引き締まる、属七の入りのあと25小節から主調(ト長調)を打ち出すが、
sc02_20150601221717501.jpg
反復の2回目でtrpとtimpが快活なリズムを打つ、シンプルな事だが、この曲の愉悦を象徴するような響きだ、これは楽章全体にわたる感覚、キビキビとした弦の歩み、朗々と奏でる管のハーモニー、サヴァリッシュの屈託のない表現で提示部の終りの切り立て具合には背筋が伸びる、展開部の仕組みが立体的に聴こえ、ぐいぐい引き込む。完璧な楷書体、さすがと言うほかない。
第二楽章、すっきりとしてくどさのない歌わせ方が良い、VSOの上手さはあくまで下地。短調の中間部は急楽章的に少し急き立てるような感覚で明確に対比をつける。
メヌエットは、'70年代くらいまで優雅な楽章という位置づけだったのか、ゆっくりめだが、サヴァリッシュの演奏は引き締まり、気が抜けることはない。
終楽章、これしかない、といえる最適なテンポをとる、演奏の見事さは第一楽章から容易に予想がつく。某大指揮者は展開部でつまらない表現を行うがサヴァリッシュにそんなことがあろうはずがない、期待どおり。

category: F.J.ハイドン

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