Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

大掃除(概ね)完了  

普段は優先順位からして、掃除なんてのは後回し、とりあえず置いといたモノが溜って不用品の山になってきます、まずこの処分、掃除機がけ、埃拭き、整頓、さっさとやりたいところ、考えながらなので進みません^^;3日間かけて大方、一年分の掃除が済みました。
小狭い音楽部屋もスッキリさせて、オーディオの前に座ると、気分いいです^^v
今夜は好きな曲を聴いて年越しします。来年はリュート練習にも精をだしたいです。

11c_20151231181601676.jpg

いつも偏った変なブログにもかかわらず、多くの方に、訪問、コメントなどいただき、あらためてお礼申し上げます。
皆様、よいお年をお迎えください。

category: 時事・雑記

tb: 0   cm: 4

D.R.デイヴィス:ハイドン 交響曲No.80、81、79  

D.R.デイヴィスのハイドン交響曲全集より、
今日はCD27のNo80、81、79(トラック順)です。
先日のNo.76~78もそうでしたが、全集録音でもないかぎり、No.79~81もあまり音盤化されないのが惜しいです。パリセット、あるいはロンドンセットにも引けを取らない内容があるにもかかわらず・・

hay cd27
デニス・ラッセル・デイヴィス指揮、シュトゥットガルト室内O

No.80ニ短調
第一楽章、短調のシリアスな第一主題がしばし活躍、提示部の終わりに前打音を持つ愛嬌のある第二主題が出る、この極端な対比が面白い、ふと思い出したのがNo.83ト短調「雌鶏」で、これも同様な対比を持つ、
sc02_201512302214323c7.jpg
No.83「雌鶏」の第二主題も前打音を持ち、ここに管による"雌鶏の声"が重なる、拍子は異なるものの同じユーモラスなアイデアに基づくようだ。No.80はいつの間にか第二主題に主役を奪われたように終わる。
第二楽章、ソナタ形式の優美な楽章で味わい深い、展開部も結構深みがある。
メヌエット、簡潔で歯切れ良いテーマ、トリオはグレゴリオ聖歌の旋律が用いられる。
終楽章、ロンド・テーマはアウフタクトから次へとシンコペーションされる、拍子が正しく掴みづらく、聴衆を煙に巻くようだ、展開部に入っても惑わせる^^;

No.81ト長調
第一楽章、ヴィヴァーチェ、デイヴィスは快速に演奏、力感と切れ味で聴かせる、展開部から再現部まで非常に密度が高く書かれていて、聴き応えたっぷりの傑作楽章。
第二楽章、歌謡的テーマの変奏曲、びっくりさせる要素はないが、各変奏は冴えていて退屈させない。
メヌエット、足元がよろけるようなテーマが面白い、トリオも雰囲気は続いている。
終楽章、この楽章も快速に、切れ込みよく演奏、展開部以後は目まぐるしいポリフォニックな書法で圧倒される。

No.79へ長調
第一楽章、アレグロ・コン・スピリット、ここはやや落ち着いたテンポで演奏、穏やかな味の動機で始まるが、すぐ快活となる、展開部は立体感のある対位法、再現部にさらに凝った聴きどころあり。
第二楽章、アンダンテ、穏やかなテーマの変奏は美しいが普通、ところが休符が置かれ、後半から、アレグロに変わり、終楽章になったかと思わせる^^
メヌエットは歯切れの良い快活なテーマ。
終楽章、このロンド主題を聴くと、88番の終楽章と近似したものを感じる、
sc01_20151230221645c3a.jpg
対位法による目まぐるしい畳みかけも同様だ。当79番のほうも見事な楽章。

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 0

2015年お気に入り盤  

いつもは大晦日に書いていますが、少し前倒しします; 今年挙げる記憶でいた音盤が、もう去年のお気に入り盤に挙がっていたりして、時間感覚がマヒしています^^;
相変わらず偏食ぎみで、ハイドン・ブログ化してます、3月に買ったフェシュテティーチSQの弦楽四重奏曲全集と11月に買ったD.R.デイヴィスの交響曲全集は良い収穫でした。

W.サヴァリッシュ:ベートーヴェン 交響曲第7番
T.コープマン:ハイドン オルガン協奏曲No.1ほか
フェシュテティーチSQ:ハイドン 弦楽四重奏曲全集
B.ハイティンク:ブラームス交響曲第1番(LSOライヴ) 
W.サヴァリッシュ:ブラームス 交響曲第4番
W.サヴァリッシュ:シューマン 交響曲第4番
O.ヨッフム:ブラームス交響曲第1番('81 ライヴ) 
R.ノリントン:ハイドン パリ交響曲集
W.サヴァリッシュ:ブラームス交響曲第1番 (1961、VSO)
T.ピノック:ハイドン 交響曲第49番 "ラ・パッシォーネ"
J.コーエン:ハイドン 協奏交響曲、モーツァルト ob協奏曲ほか
桐山建志&大塚直哉:バッハ ヴァイオリンと鍵盤の為の作品集 vol.5
渡邊順生:バッハ ラウテンヴェルクのための音楽
K.ベーム、VPO:モーツァルト交響曲第29、35番
E.ブロンツィ:ハイドン&ヴラニツキー チェロ協奏曲集
T.ピノック:ハイドン 交響曲第46番
R.ブラウティハム:ハイドン fp協奏曲集
D.R.デイヴィス:ハイドン 交響曲全集

W.サヴァリッシュのドイツものが、新旧取り合わせて良かったです。新しいところではJ.コーエン、E.ブロンツィのハイドン。バロックではバッハで、桐山建志&大塚直哉のvn&鍵盤、渡邊順生のラウテンヴェルクでした。今年は件数的にやや控えめ、充実していたのは去年かな。

過去のお気に入り盤
2014年
2013年
2012年

category: 時事・雑記

tb: 0   cm: 0

変形と破断  

以前にも書きましたが、私はリュートの低音弦にフロロカーボンの大型魚釣り糸を使っています。うまい具合にガットに替るような、硬すぎず、柔らかすぎず、ちょうど良い質の製品があったもので、写真の6コース以下の低音弦がそれです。適度な余韻で図太さが出て、湿度、温度の影響が少なく安定するのが助かります、なんたって水中で使う素材ですから^^
13c02.jpg
間違えて高く調弦してしまったとき、弦が切れてくれればよいのですが、これはマグロを釣り上げる強度ですから、間違いなく楽器が壊れます;うっかり別のペグを廻してしまったり、チューナーの指示を読み違えたりしないよう注意してます。材質には破壊点というのがあって、すぐに破断する強度の限界を意味します。リュートの場合、楽器側の破壊点が桁違いに低いでしょうね;;間違っても破壊点に至らない取扱注意は必要です。昔は電池が減ると低く表示する(高く調弦することになる)チューナーがあって危なかったです^^;

ところで、リュートを長持ちさせるよう、テンションは緩めが良い、といつも書いていますが、曖昧な表現で、はたして数値にしてどれくらいか、とは示せません、破壊はしなくてもリュートは緩やかに変形してくる運命にあり、かなり緩めに張ったとしても、バロックリュートでトータル40kgは越えるでしょう、それを四六時中張っているわけで、早いか遅いかの違いで、最後には同じように変形するんじゃないかと?変形にも終了点があると思うので、そのとき使用可能な範囲なら良しということでしょう^^;
またテンションをかけたり解除したりを繰り返すたび、疲労で破壊点が下がるでしょう、これは接着部にも木材にもあると思います、弦を交換するときは1~2本ずつですね。

category: 楽器について

tb: 0   cm: 2

D.R.デイヴィス:ハイドン 交響曲No.76~78  

ハイドンの交響曲No.76~78の3曲セットは実現しなかったものの、英国での演奏会を計画して作曲された意欲作で、ハイドン通には外せない曲でしょう、しかし、全集でもない限り録音されず、隠れた傑作です。今日はD.R.デイヴィスの全集から取り上げます。
過去にはロイ・グッドマン指揮、ハノーヴァー・バンドの演奏を取り上げました。グッドマンの古楽オケによる快速な演奏にも満足しましたが、デイヴィスはじっくりと構えたテンポ、一段と構成の彫の深さが聴こえてきます。

hay sym 76 77 78
デニス・ラッセル・デイヴィス指揮、シュトゥットガルト室内O

No.76変ホ長調
第一楽章、グッドマンのテンポが記憶にあると、随分ゆっくりに感じるが、いつの間にかこのテンポに納得してくるから不思議、快活な第一主題と流麗な第二主題の対比が良い、展開部は第一主題が短調で導入、すぐに第二主題の穏やかな展開を聴かせる、再現部に入ってもまだ展開部が続くような濃密な内容。
第二楽章、愛らしいテーマによる変奏、いつものように優美にまとめていくのかと思わせ、81小節からのff、
sc02_20151227233754f75.jpg
何が起きたのかと驚かせる、こんな斬新さは他にないだろう^^
メヌエット、マンネリ化を避けた新鮮なテーマだ、トリオはレントラー風。
終楽章、やや愛嬌のあるテーマだが、逞しく発展する、展開部は期待どおり対位法でぐっと迫る聴きどころ。

No.77変ロ長調
第一楽章、軽快な第一主題、第二主題もその続きのような性格、と提示部はいたって明るい、展開部は短調の第一主題で開始、対位法になり見事、続いて第二主題も穏やかに展開される、再現部にも引き付ける変化が多い。
第二楽章、始まりから突然、別世界に来たような感覚になる、優美この上ないテーマが弱奏により夢玄的に奏でられ、古典派音楽であることすら忘れる、ハイドン屈指の美しい曲
メヌエット、リズムが独特で、これも意欲作らしい新鮮な楽しみを聴かせる。
終楽章、テーマはよくありそうなハイドンらしさだが、これがよけいに期待させる、展開部のバス部のパッセージを伴った対位法が力強く迫り、じつに見事、全楽章すばらしい。

No.78ハ短調
疾風怒涛期の短調交響曲とはスタイルを変えた趣き、
第一楽章、第一主題は確固とした始まりだが、メロディアスな部分が続き印象的、ここはヴァンハルの短調作品を思わせる、展開部は対位法による彫の深さ、転調の妙、再現部から終結まで存分に聴かせる。この充実感にはモーツァルトのsym No.25なども及ばない。
第二楽章、アダージョ、珍しくソナタ形式か、表情豊かな主題、弦も管も16分音符を刻んで迫りくる、展開部は小規模ながら魅力。
メヌエット、すっきりした飽きの来ないテーマ、トリオはobがややユーモラスな感覚。
終楽章、ハ短調のロンドらしい簡潔なテーマ、休符を置いて堰を切ったように展開部に突入するところが見事。

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 0

F.フリッチャイ:ベートーヴェン交響曲No.9「合唱付」  

年末だから、というわけではなく、お気に入りのLP盤を廻したくなり、取り出したのがF.フリッチャイの第九です。
この録音は初めCDで聴いて演奏に魅了され、やがてLP盤でも聴きたくなり、中古ショップで探しましたが、何しろ1時間20分もの間、ノイズなど不具合箇所のない盤はなかなかありません;3枚目に見つけたドイツ盤、これは合格!

f be sym9
フェレンツ・フリッチャイ指揮、ベルリン・フィルハーモニーO
イルムガルト・ゼーフリート(S)、モーリン・フォレスター(A)
エルンスト・ヘフリガー(T)、D.フィッシャー=ディースカウ(B)
聖ヘトヴィヒ大聖堂聖歌隊
1957年録音、D.グラモフォン


1枚のLPにこれだけの演奏時間を詰め込むのは難しいが、細いカッティング溝内にいかに技術を投入しているかも逆に興味が湧く^^;フリッチャイの演奏は強弱の懐深いだけに、開始の弱奏など本当に小さく、ボリュームはかなり上げぎみになる、それだけにスラッチが出ないのは助かる^^vしかしこの盤は強奏に入ると弦楽の潤い、透明な音場、意外なほど鮮度の良いサウンドが聴かれ、マスターテープが劣化していない頃に原盤が作られたのだろうか?盤面を比べると国内盤とはカッティングが異なるのがわかる。

f be sym9 j
国内盤

第一楽章は遅くない自然なテンポ、強弱の起伏を深く、ビシっとした響きの緊張、やんわりとポルタメントの効いた弦、常に引き付ける気迫を維持し、時間の経つのも忘れる、大袈裟ではないが効果的なアッチェルランドを行う。
第二楽章は快速、スケルツォのリズムがことのほか緊迫感があり、強弱が深く、ピアニッシモになるほど引き付ける。
そして素晴らしい第三楽章、年末に第九を聴くという習慣で意義があるのはこの第三楽章が一年の心の垢を洗い落してくれる効果だろうか。長い変奏曲だが、変奏曲であることを忘れて自然な雲の流れのように聴いてしまう神がかった傑作楽章。フリッチャイは起伏の深い演奏で理想と言える、終番ではトランペットが鳴り響くが、この響きが半端じゃない高鳴り、終楽章の前にも大きなクライマックスを聴かせる。第三楽章の途中で盤を裏返すことになるが、それが楽しみな?充実感。
終楽章の乱奏的な始まりは管の響きが中心、バス弦によるレシタティーボは深々と響く、ここは音盤の優秀さで満足、バス弦で始まる歓喜の歌は遅くせず淡々と始め、声部が重なって壮大に発展、アッチェルランドがかかり、再び乱奏、声楽部へ突入、ディースカウの潤ったバリトンが始まる。ここまで聴けばあとの見事さは十分予感できる、

category: ベートーヴェン

tb: 0   cm: 0

D.R.デイヴィス:ハイドン 交響曲 No.31《ホルン信号》ほか  

D.R.デイヴィスの全集録音より今日はCD10、これらも初期の傑作で、オケ・メンバーによるソロ楽器の活躍が共通だ。

hay sym 24 30 31
デニス・ラッセル・デイヴィス指揮、シュトゥットガルト室内O

No.24ニ長調
過去にB.クレー、プラハCOの演奏で親しんで以来、好きな初期作品で、各楽章均整のとれた充実感、特に第二楽章、アダージョは純粋なフルート・コンチェルトとなっていて、同曲の音盤はいくつか集めたが、この楽章のソロが楽しみ、デイヴィス盤も第一級の美しさで、フルート名曲の一つとして単独に演奏しても良さそうだ。

No.30ハ長調《アレルヤ》
第一楽章にグレゴリオ聖歌のアレルヤの旋律が使われているのが副題の由来、
sc01_2015122423540077c.jpg
これによる展開部は込み入った書法でなかなかの聴き応え。
第二楽章はflのソロとオケの掛け合いとなる。
終楽章、ロンド形式のテンポ・ディ・メヌエット、やや古いスタイルか?3楽章で終わる。

No.31ニ長調《ホルン信号》
エステルハージ・オケに2人のホルン奏者を加え、4人となった折りに書かれた作品。ホルンを主役にオケの各奏者がソロを演じる、事実上、協奏交響曲となっている。各楽器を平等に活躍させ、さりげないほど美しくまとめた出来栄えはハイドンならではの技量かと思う。シュトゥットガルト室内Oは磨かれたような美音で聴かせる。
第一楽章、4つのホルンの豪奏が響き、親しみやすく、爽快なまとまりの楽章。
第二楽章、ここではホルンが柔らかな響きで魅了する、vnとvcもソロで掛け合う、味わいに富んだ楽章。
メヌエットはすっきりと気品のあるテーマ。
終楽章、変奏曲となっていて、まず弦楽がテーマを奏で、オケの各楽器による変奏が続く、それぞれの変奏がさすがハイドン先生といえるセンスで、最後はコントラバスのソロがある。そのあと、プレストの華やかなエンディングを聴かせて終わる。

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 0

SW・フォースの覚醒  

ガリレオが木星に4つの衛星を発見し、また20世紀にはクライド・トンボーが最果ての冥王星を発見、当時はこれらの天体を探査機を送って間近に見ようなんで夢にも思わなかったでしょう、人間が夢を持ち続ける限り、いつか実現する・・
銀河系内を自由に行き来きし、異星人がいくらでも出てくるスターウォーズの世界は、今は理論的にも夢物語だが、あのS.ホーキング博士さえこういうSF映画は好きだと言っている。

そのスターウォーズですが、第1作から38年になるんですね;今回も最新作「フォースの覚醒」、息子と観てきました。
sw_20151223222346445.jpg
いつものオープニング、あの音楽とともに、あらすじを書いた字幕が手前から遠方に遠ざかっていく、これでもう釘づけにされる;今回はルーク・スカイウォーカーの女性版といえる、レイが活躍、BB-8という雪だるま型ドロイドがなんとも可愛い^^ダース・ベイダーの後継者も登場、熟年のハン・ソロやレイアも再登場、そしてあの人も・・
極めて巨大化したデス・スターの後継機が凄い、今回作もCGを駆使した映像の見せ場は十分満喫できるが、CG映像の見応えは第二シリーズのほうが印象強く、全般にシリーズ初作に戻った印象も与える内容でもあり、期待に違わぬ十分楽しめる本作だった。

PS.第二シリーズのエピソード5ではあのヨーダが主役級の活躍だったのが意外で面白かった、CG上のキャラクターだが、その表情演技?アカデミー賞級に思えた^^

category: 映画・TV・DVD

tb: 0   cm: 0

D.R.デイヴィス:ハイドン 交響曲No.44《哀悼》No.43《マーキュリー》  

夜になってぐっと冷え込んできました、ちょっと体は疲れぎみの休日前夜はゆっくり音盤鑑賞、ウトウトしながら聴くもよし^^

D.R.デイヴィス、ハイドン 交響曲全集よりCD15、疾風怒涛期を代表するような《哀悼》と《マーキュリー》のカップリングだが、これ1枚が名盤だ。この2曲には楽器ソロが入ったり、ユーモアの要素で聴かせる所はない、真っ向から書いた傑作。まずシュトゥットガルト室内Oの美しいサウンドがいつもながら良い。

hay sym44 43
デニス・ラッセル・デイヴィス指揮、シュトゥットガルト室内O

No.44《哀悼》
第一楽章、急速すぎないテンポでじっくり味わえる、引き締めた感覚だが、弦楽のしなやかさを聴かせ、常に耳心地よい、展開部は第二主題の畳みかける見事さ、再現部には第一主題による幻想感を置き、短調交響曲の魅力がいっぱい。
メヌエット、高音部とバスが完全なカノンを貫く、落ち着いたテンポで、端正に聴かせる、トリオは弦の涼やかさとやわらかなホルンが陽を当てる。
第三楽章、アダージョはハイドンが自分の葬儀の際に演奏してほしいと遺言していた楽章、さすがに疾風怒涛期を代表する傑作楽章で、後半は深い安息の世界に導くようだ。デイヴィスは過剰な表情を付けず爽やかに進める。
終楽章、ちょうど良い快速さだろう、展開部以後はまさしく怒涛、デイヴィスは気迫と緻密さを両立、後半を反復しているのも良い。

No.43《マーキュリー》
きっぱりと鋏を入れた《哀悼》に対し、こちらはじっくりと進める。
第一楽章、この楽章も程よいテンポに押さえ、丹念に表現、第一主題開始はデリケートでしなやか、快活な部分が続く、第二主題の爽やかさがじつに良い。展開部は短調に始め、疑似再現のあと、第二主題を使ったところが素晴らしい。まさぐるように主調に移り再現部へ入る。後半も反復される。
第二楽章、反復すると結構長大な楽章だが、これもこの時期を象徴するような緩抒楽章の傑作、弱音器を付けた弦が主体に幻想と安息の世界に浸らせる。デイヴィスはぐっと弱奏を用いて引き込む。
メヌエット、前楽章と大きく気分を変える、明確なテーマが夢見心地から覚ましてくれるようだ。これも好きなメヌエットの一つだ。
終楽章、第一楽章同様しなやかな前置きがあり、ぐっと快活になる、デイヴィスは快速に一段とエネルギッシュに決める。展開部の見事さも《哀悼》に引けを取らない。後半も反復されるが、この終楽章にはコーダがあり、反復した終りに演奏され、堂々と終結する。

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 2

ポジションと弦高  

指板を持つ弦楽器、特にフレット楽器は弦高の調整がシビアな問題として付きまといます;
ローポジションでは弦に触れたと同時に押弦できる、という感触ですが、ハイポジションに行くほど弦高は高くなり、開放弦からパッと押さえる際、弦が逃げて押え損なうことがあります、指を上げ過ぎず、弦をガイドにして、ぴたり置くコツがありますが。
また押さえた弦と開放弦との段差が大きく、隣の開放弦に触れてしまいやすい(開放弦を鳴らしておきたい場合が多々ある)、
ポジション
あとは技術で補うわけですが、弦高は低いほど望ましいわけで、弦長70cmの楽器なら、12ポジションでまあ高くて5.5mm(指板面―弦底部)以内には抑えたい、ちなみに製作家matuoさんによれば指板面の調整が良ければビリつかず4mmまで下げられるとのことでした、4mmなら何でも御座れで、弾き易さ抜群でしょう^^

リュートはヤワなボディで、弦の多いバロック楽器はネックよりもボディ側が前倒れしやすいと思います、新しい楽器もテンションが強すぎると1~2年の内に弦高が高くなってしまうので、注意が必要、削って調整というのは、本体が薄くなるわけで、強度もまた下がって悪循環になりかねない;;昔の奏者もそうだったと思いますが、緩く張って上手く鳴らすのを探るべきだと思います。

category: 楽器について

tb: 0   cm: 2

D.R.デイヴィス:ハイドン 交響曲No.3、No.6《朝》、No.7《昼》  

昔はハイドンの交響曲と言えば後期の副題付きの作品くらいしか音盤化されず、ベートーヴェン以後の基盤を築いた人、のような評価しかされていなかった。前にも書いたが、これはハイドンの売り出し方がまずい、'50~'60年代バロック・ブームで人気だった室内オケがハイドン初期の親しみやすい交響曲も積極的に取り上げていれば・・?
今日のデイヴィスによる全集CD5はそれにふさわしい曲が収まっている。また演奏も単独盤の名演を凌ぐ内容だ。
hay sym cd5
デニス・ラッセル・デイヴィス指揮、シュトゥットガルト室内O

第3番ト長調
最初期みたいな番数がついているが、じつはエステルハージ家に就いてからの作品。
第一楽章はすっかり完成したソナタ形式の楽章で爽やか、バロックから引き継いだ対位法で聴き応えもあり、あれこれ言わずとも楽しめる。
第二楽章、弦楽で簡潔にできているが、美しい冴えを持っていて、後半が特に良い。
メヌエット、気品を帯びたテーマで高音部とバスでカノンが演奏される、この演奏ではホルンが空間に美しく響きわたる。
終楽章は初期の作品としては圧巻、
sc01_20151220215724bbf.jpg
ここでもモーツァルトの「ジュピター」に近い形の動機が使われ、対位法による見事な楽章が展開する。

第6番ニ長調《朝》
6番~8番の《朝》《昼》《晩》の三部作はハイドンがエステルハージ家の副楽長に就任した直後くらいに書かれたとのこと、これは現代でもハイドン売り出しに格好の作品かも?A.エステルハージ公がヴィヴァルディがお好きだったことも反映しているという、そう言われればヴィヴァルディ「四季」を彷彿させる内容で各楽器のソロが入る。
第一楽章、早朝、空が白みはじめるような序奏があり、爽快な主部が始まる、fl、obのソロで始まるが、整ったシンフォニー楽章である。
第二楽章、ここからがソロが活躍、何らかの情景描写のようでヴィヴァルディの「四季」同様、ソネットが付いていてもよさそうだが、聴き手の想像に任される。この楽章もアダージョの序奏があり、14小節からアンダンテに入る、コンマスのB.ハドソンが美しいソロを弾き、
sc02_20151220215926c33.jpg
ここの反復で、トゥッティだけの箇所にも新たなソロ旋律を加えていて、これが素晴らしい。
優雅なメヌエットはflのソロが活躍、続いてobやホルンも聴かせる。トリオはコントラバスとファゴットがソロを取る。
終楽章は快速に決める、各パートの楽器が目まぐるしくソロを入れるが、交響曲の枠組みもしっかり聴かせるのが素晴らしい。

第7番ハ長調《昼》
第一楽章はフランス序曲風の付点リズムの序奏を置く、これもバロック回帰か、主部は快速、この楽章からソロ楽器が次々に奏でる、ソロ同志のやりとりの心地よさ、どこかテレマン風の快活さだ。
第二楽章、短調に始まり、vlのレシタティーボが入り、オケの劇的な響き、オペラのある場面のようだ、これも知られざる台本が隠されているようで興味深い。
メヌエットもありふれていない魅力を聴かせる。このトリオでもコントラバスが活躍し、ホルンの助奏も心地よい。
終楽章、《朝》と同様、ソロ楽器の饗宴、デイヴィスは快速、エネルギッシュに決める。

第8番の《晩》はあらためて。

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 0

年末のつつましい買い物  

今年はつつましい買い物で終えます;

ヘッドホンはあまり使わないのですが;音質に癖(個性)が出やすい音響機器で、選択は消去法になります。高級品でも、これはナチュラルだと言えるものがめったにない、過去にAKGやゼンハイザーなど使ったことがありますが満足せず、最後に落ち着いたのがSONYのMDR-CD900STでした、値段もはるかに手頃。
MDR CD900ST

今回その簡易版といえるMDR-7502を取り寄せた、
MDR 7502
イヤーパッドで耳を覆わず、当てるだけのタイプですが、過去に使って気に入っていたMDR-V4の後継機で、これもスタジオモニター。全体のバランスはMDR-CD900STのほうがさすがに良いですが、MDR-7502は手軽で、高域が緻密に聴けて、ナチュラル音質なのが良い、オケの中のチェンバロをくっきり拾います。

もうひとつ、これはオーディオには全く関係ない製品ですが、Daisyさんのブログで紹介されている電動洗顔ブラシ
ブラシ2
柔らかい極細の毛先で毛穴の汚れやファンデーションを落とせるという製品、このミクロの毛先はレコード盤の溝の底まで届きそうで、これが細かく振動する仕組み、洗顔用なので当然水洗い対応、これをレコード盤クリーニングに転用してみようと思います。ブラシ01
極細の毛先が密に平面に揃っているところ、素早い振動具合、威力を発揮しそうv

日頃からあれこれ買い物を控え、倹約していれば、あのボンド・ウォッチも買えたかもしれない・・(しつこい^^;)

category: オーディオ

tb: 0   cm: 4

D.R.デイヴィス:ハイドン 交響曲 No.91、92「オックスフォード」  

ハイドン 交響曲全集はアンタル・ドラティを先駆けにアダム・フィッシャー、D.R.デイヴィスと続いた。C.ホグウッドは残念にもこれから大詰めのところで中断、T.ファイは事故による重傷で活動休止と聞く、その後が心配だが、早い復帰を願いたいところ。
よって、一人の指揮者で完成しているのはドラティ、フィッシャー、デイヴィスの3件だけ。さすがハイドン全集を手掛けるだけに、オケ・バランスの良さが各者共通のように思える。
A.フィッシャー盤も好演が多かったが、聴きどころのパリセットやロンドンセットの仕上がりに不具合があるのが残念に思った。パリセットは帯域バランスが拙く低域が強すぎるもの、ロンドンセットは左右チャンネルの位相がズレて正常なステレオになっていないものがあった、たぶん、マルチトラックからミキシングし直せば正常になるんだろうけど、コストを掛けられなかったのか?不具合のまま出ていた。
最新のD.R.デイヴィス盤にはそんな不具合は見られないし、粒揃いの好録音であるのが喜ばしい。ハイドンの交響曲ではホルンが低音楽器として吹いている箇所が少なくないのがこの録音からわかったしだい、低音を補強する効果かもしれない。

hay 91 92
デニス・ラッセル・デイヴィス指揮、シュトゥットガルト室内O

今日はCD31で後期の傑作どころ、まずは91番変ホ長調
モーツァルトの39番が「歌う交響曲」と例えられるが、ハイドンの91番もこれに類するのではないか?デイヴィスはこの曲も第一楽章主部をゆっくりめにする、歌唱的な第一主題のはじめを爽快に歌わせ、36小節からを一際活気付いて聴かせる、
sc01_20151217215706127.jpg
ゆっくりめだからこそ、スタッカートが粒立ち、ここの切れ味が効いてくるようだ。展開部も第一主題の歌に始まり、短調に暗転、彫りの深い対位法へと持っていく。第二楽章、緩抒楽章はさらりと速め、歌謡風のテーマの変奏曲、いつものお手並みという感じだが、短調に転じて以後が引き付ける。メヌエットも強い個性はないが、気品を帯びたタイプとして魅力がある。終楽章、ここは十分に快速、ハイドンらしい馴染みの雰囲気、展開部はさすが後期作品らしい充実度。

次は92番ト長調「オックスフォード」
デイヴィスのテンポは意外に遅かったり、速かったり・・、数多くの演奏例から耳に焼き付いた標準テンポ?というのをリセットして、デイヴィスなりに表現上、最適のテンポを設定し直した、新しい演奏ではないかと・・そのつもりで聴いている。
しかし92番は序奏を涼やかに始め、以後は聴き慣れた快活なテンポ、やはりこれしかないか^^
この「オックスフォード」は数ある手持ち盤の中でトップグループに入る、オケ・バランスの心地よさ、内声弦、木管の分離よく、粗野なまでのtrpの高鳴り、timpのツボを突く打音が効いてくる。第二楽章の短調になる中間部、55小節からファゴットのソロが入るが、装飾ヴィヴラートとも言える不思議な味わいを聴かせ、これも効いている。
これはトップランナーかもしれない^^v

PS:情報によるとデイヴィス盤は発売当初、一部に編集ミスで音の空白や他の録音の混入などがあったそうだが、当方に届いたのは改良後のものだった。フィッシャー盤はその後どうなんだろう?

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 2

R.ブラウティハム:ハイドン fp協奏曲集  

ハイドンの名作の一つ、鍵盤協奏曲ニ長調Hob.XVIII-11は誰の耳にもすっと親しめる作品で、当時も鍵盤協奏曲のベストセラーだったと聞く。意外に手元に音盤が少なく、お気に入りはT.ピノックのチェンバロによる演奏のみだった;
いくつか物色した結果、R.ブラウティハム:fpのBIS盤に決めた。ブラウティハムと言えば、J.M.クラウスのfp作品集で唯一無二と言える名盤を出していたときから注目、その後、ハイドンの鍵盤ソナタ全集を購入し、期待どおりの達演に満足した。
当盤のバックはチェンバロ奏者でも活躍するL.U.モーテンセン指揮のコンセルト・コペンハーゲン、ここでは、おそらくモーテンセンが弾いていると思うが、チェンバロの通奏低音も控え目に聴こえてくる。

hay key con
ロナルド・ブラウティハム:fp
ラルス・ウルリク・モーテンセン指揮
コンセルト・コペンハーゲン
2003年録音


協奏曲ニ長調Hob.XVIII-11、始まりは弦の透明な響き、総奏になるとぐっと量感を出す、快速なリズムとともに強弱の大きなうねりを管楽器が奏でる、ブラウティハムのfpソロは軽やかに切れ味よく、fpならではの強弱も効果的に聴かせる、ぐっと弱奏で終止するところなど引き付ける。オケもfpソロにぴたり同調する。ハイドンらしい純粋な魅力が凝縮しているが、第二楽章をfpで聴くと、モーツァルトとそんなに遠くない雰囲気も感じる。終楽章はまさに快活、バックのオケも意外に強奏で押し出すあたり、新鮮な楽しみ。

2曲目の協奏曲ヘ長調Hob.XVIII-3は初期らしい作風だが、じっくり味わうべき内容、第一楽章から、あらためてハイドンの旋律センスの高さを感じる、この曲が一番繊細なピアニスティックな技法があるようだ。第二楽章、弱音器を付けた弦が、グラスハープのような透明さで始める、fpソロはこれまたモーツァルトの第二楽章を連想してしまう、情緒細やかな魅力で包む。終楽章は思い切りハイドンらしい、快活な楽しさで閉じる。

3曲目の協奏曲ニ長調Hob.XVIII-2はオルガン協奏曲としてよく演奏されるが、ブラウティハムは速めのテンポを取り、fpならではの軽やかさと切れ味で楽しませる、オケの同調ぶりも上手い、とくに終楽章の切迫感は聴き応え満点、これを聴いてしまうと、月並みなオルガンによる演奏は聴けなくなりそうだ;

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 0

ひとまずA=400Hz  

バロックリュートのテンションをA=380Hzまで下げてしばらく指馴らしをしました。
なんら緩すぎて弾きづらいということはないです。ただ弦長が長めの楽器は余計緩く感じるので、もう少し、1コースにシャキっとした感覚が欲しく、400にしてみたところ、十分な張りに感じます。一旦緩いのに馴れた効果がでました。ひとまず、400で行くことにしますv
今日はついでに、バスライダーのナットを削って下げました、指板弦より段差が前に出過ぎていたので、
13c01.jpg
また溝はスペーシングをちょい拡げて、これで快適v

PS.楽器の写真はストロボ使うと冴えないですね、陰影がつかなくて;
rose 13c
左がストロボで平面的にしか写りません;

category: 楽器について

tb: 0   cm: 4

ダブルオー7 シリーズ「スペクター」  

毎回観に行くのが恒例化している、007シリーズ、「スペクター」をみてきました。

先代のピアース・ブロスナンまでは伝統の007で、敵を倒す合い間にスーツの乱れを直す、みたいな余裕、精鋭部隊?のはずの敵もドジでほとんど自滅、一石二鳥でカタがつく、こんなシーンも痛快娯楽として好きでした。「支給品は無傷で返すように」という"老Q"も懐かしい。
今のダニエル・クレイグからすっかり硬派タッチとなり、敵もしぶとい、体を張ったハードアクションが多くなります、これもダイ・ハードやMIシリーズの迫力に対抗する戦略に切り替えたのか、D.クレイグの不敵な面構えも新しいボンドの魅力になってきました。

007 sp

今回の「スペクター」はこれまでD.クレイグの主演した3作と繋がりのあるストーリーだったが、前回の「スカイフォール」から若返ったQが登場し、ハイテク兵器戦も復活、今回のボンドCar?は"009用"だったのを結局横取り^^最新作ならではの面白さもあるけど、「ドライマティーニを、ステアせずシェイクして」は必ず、また大勢の敵が撃ってくる弾丸は外れるけど、ボンドが撃つ弾丸は必ず当たるという、定番シーンも甦りました^^v

category: 映画・TV・DVD

tb: 0   cm: 6

O.スウィトナー:ベートーヴェン交響曲No.1  

スウィトナーのオーケストラ音盤を聴いていつも思うのは、まさしく"交響"であり、"塊響"になっていないこと。演奏はもとより、録音スタッフの技術とセンスにより最高の出来栄えとなっている。世界に先駆けたDENONのデジタル(PCM)録音であるが、その音源をLP盤に収めるカッティング技術もまた素晴らしく、何度か同録音のCDと聴き比べたが、不思議にもLP盤のサウンドの豊かさに軍配が上がる。お気に入りのLP盤は予備をもう1枚置いている^^

今日はベートーヴェン交響曲第1番に針を下ろした。
sui be sym 1
ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調
オットマール・スウィトナー指揮、シュターツカペレ・ベルリン


清涼で味わい深いvn群、懐深い低音のピラミッドバランス、2nd vnやvaの内声もくっきり、そこに管が鮮やかに溶け合う、この好バランスの響きを聴くだけで満足だが、スウィトナーの一言で言えない音楽作りに引き付けられる、スウィトナーの指揮ぶりは外見はぶっきら棒と言われるそうだが、もはやオケとは以心伝心かと思われるような、じつにデリケートな要求が実現されている。
ベートーヴェン交響曲第1番は上手い演奏は多々あるが、角張った武骨な演奏に陥るところ、スウィトナーの演奏は常に強引さのない力感が心地よい、力強く始める序奏も清潔感を伴い、主部へ流れこむが、pで始める動機がしなやか、これは繰り返され、25小節でsf、そのあとが余韻の響きのようにpで奏される、
sc01_2015121321163767f.jpg
スタッカートも強調せず、感覚上はレガート、この何とも言えぬセンス、耳疲れせず、最後まで聴き味わってしまう。
第二楽章で、timpが弱奏する所があるが、これも余韻までよく聴かせ、他のパートが邪魔をしない絶妙バランス、
メヌエット、事実上スケルツォだが、スウィトナーは期待どおり、快活にまとめる。
終楽章、導入部があるが、開始はズバっとダイナミック、ここもスウィトナーらしい、そして軽快な主部は心地よく、快速で見事締めくくる。

この演奏(録音)を聴くと、同じ音作りで、ハイドンのsym 102番や103番など録音があったら、さぞかし素晴らしいだろうと思えてくる・・^^;

category: ベートーヴェン

tb: 0   cm: 0

D.R.デイヴィス:ハイドン 交響曲No.35ほか  

ハイドン 交響曲全集でこれほど録音の優れたものは他にない、ボリュームを大きめにして聴くと実在感があり、小さな音量のチェンバロもくっきり分離して、解像度の良さがわかる。

D.R.デイヴィスのハイドン交響曲全集から今日はCD12、疾風怒涛期の最初のほうになる。

hay sym 35

3曲目に入っている交響曲No.35 B-Durは親しみやすいという点で傑作、
第一楽章は清々しい入りでホルンの高鳴る総奏の対比が引き付ける、デイヴィスはこの曲にふさわしいテンポを与え、快活な魅力十分。展開部の後半、88小節からが、
sc01_20151212224933932.jpg
短いながらドラティックな聴きどころを置く。以後終結まで簡潔だが、無駄なく心地よくまとまっている。
第二楽章、アンダンテはまだ疾風怒涛期らしい魅力を確率するには至っていないようだ。
メヌエット、際立った魅力はないが、デイヴィスは切れ味よい表現で引き立てている。
終楽章、プレスト、快調な流れが心地よい、展開部は簡潔で、さして手は込んでいない。

1曲目に入っているNo.38 C-Dur「エコー」の第一楽章、この第一主題が突飛な印象で面白い。
終楽章がobコンチェルト風で、オケが対位法的な魅力も合わせて聴かせ、充実している。

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 4

テンションは同じでも  

計算で弦を選定し、テンションは同じだとしても・・細めの弦を張って高いピッチにする、のと太めの弦で低いピッチにする、のとは違うだろうと思います。弦そのものは太めのほうが質量があるはず、緩く張っても鳴らす力がありそうです。
リュートは響板の端に近いところにブリッジが張り付けてあり、そこに弦が止められますが、この位置、ちょうどティンパニの鳴り易いところみたいで、マレットの代りに弦の振動で叩いていると言い換えられるかもしれません。(三味線やバンジョーはそのものといった感じ)

lute01_20151211232357d68.jpg
lute02_20151211232434476.jpg

弾弦位置が遠いほど、弦の伸縮に力が吸収されてしまいますが、ブリッジに近ければ、弦を通じて叩いているみたいになります。マレットに代わる弦は質量があったほうが力が入る、と考えられるわけで・・ただし、ブリッジ近くの弦の感触は硬過ぎて弾弦コントロールし辛い、よって太めの弦を緩く張る、というのが特にバロックリュートの自然な扱いではないかと思うんです。よく枯れた楽器は強いテンションの束縛から解放したほうが、朗々と歌うようです。
ということで、まずはピッチA=405Hzで試しているところです。

category: 楽器について

tb: 0   cm: 2

D.R.デイヴィス:ハイドン 交響曲No.53「帝国」  

全集ものを手にするとき、その中でお気に入りの傑作の出来栄えはどうだろう、というのはとても気になるところで、それで全集の魅力も左右されてしまいます。

今日はD.R.デイヴィスのハイドン交響曲全集からCD23、中期の傑作No.53「帝国」を聴く、

hay sym53
デニス・ラッセル・デイヴィス指揮、シュトゥットガルト室内O

この曲は広く出版されたそうで、アメリカでも知られていたという、(ちなみにアメリカではハイドンより、ヴァンハルのほうが人気だったとも聞く。)さすがに「帝国」は意欲作らしい充実度で、後期の作品の先取りのようだ。デイヴィスは屈指の名演でこれは高得点^^

第一楽章、短めで堂々とした序奏、デイヴィスは引きずらずさらりと演奏、主部の動機が始まる、程良い快速度である、
sc01_201512110101473a0.jpg
なんか頼り無げな動機だが、29小節からfでぐっと風格を付け、ぐいぐい逞しく発展するのが痛快、76小節から穏やかな第二主題が出る。展開部も第一主題がメインで、対位法的な書法で彫が深く素晴らしい。
第二楽章、歌謡調の主題による変奏曲、ここもデイヴィスはさらりと快調にまとめる。
メヌエット、明快できっぱりとした主題は飽きることがない傑作、デイヴィスのアレグレットくらいのテンポとtimpの心地よい弾き締め、申し分なし。
終楽章、この楽章は差替え版が書かれていて、デイヴィスはA版のカプリチォを見事に演奏、一番お気に入りはこのA版だが、B板もよく演奏される(A.フィッシャー盤はBを演奏)、他にもC、D版があるが、イマイチで偽作の可能性ありとのこと。

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 0

弦の位置  

今日は連続書きです;
バロックリュートはたくさんのコースを把握するため、弦の位置(高さ)がいつもと変わると見当がはずれ、間違えまくります;
リュートを始めて以来、ほとんど上の楽器のようなスリムボディを使ってきましたが、下のような幅広ボディが1つだけ加わりました。この2つの持ち替えは感覚狂います;

11c 2

楽器の端から1コースまでの間が3cmほど違い、膝の高さが同じだと、かなり弦の位置が変わります、幅広のほうを使う時は足台に半分だけ足を乗せ、かかとのほうを下げて調整しています ^^

category: 楽器について

tb: 0   cm: 2

アラベスク:ヒット曲集  

これはちょっと小懐かしいというか・・^^
70年代後半から80年代初頭あたり、ヨーロッパ産のポップスが日本でも大流行、人気、実力ともに常にトップにあったのがスウェーデンのABBAだった。そんな中にも印象に残っているのが、旧西ドイツのアラベスク、英国のノーランズなど。
ABBAはいくつか持っていますが、アラベスクもつい懐かしく、1枚手元に^^

arabesque.jpg

アラベスクというのはグループ名ではなく、音楽プロジェクトの名称だそうで、歌手メンバーは入れ替わりだったそうだが、Sandra Anne Lauer、Michaela Rose、Jasmin Elisabeth Vetterの3人になってから人気を博し固定された。Sandraの入った美声とはいかないが特徴ある歌声がアラベスクらしさに聴こえた。
ABBAにならったのか、世界的ヒットを狙うには母国語ではなく英語、ということで、全曲英語の歌詞である。アルバムを聴くと記憶に強い曲が多い。
最初のヒットがHello Mr.Monkey、絶頂期のヒットはIn For A Penny In For A Pound あたりだったか?
動画:
In For A Penny In For A Pound
Hello Mr.Monkey

category: 歌謡・ポップス・etc

tb: 0   cm: 0

ダニー飯田とパラダイスキング:「シェリー」  

ちょっと懐かし過ぎかな^^;どなたにも、聴くと一瞬に幼い頃にタイプスリップできる曲というのがあるのではないでしょうか。
昭和30年代~、日本の歌謡と並行して、アメリカのポップスを日本の歌手陣が歌ったレコードがヒットしていましたが、アメリカものって印象強いんですね。
特に焼き付いているのが、ダニー飯田とパラダイスキングの「シェリー」など、九重佑三子がボーカルに入っていた、1963年発売。
シェリー
you tube:ダニー飯田とパラダイス・キング シェリー (1963)
これを聴くと、風呂上がり、石鹸の匂いを漂わせて白黒TVを前に家族とくつろいだ・・そんな記憶がパっと甦ります、当時の世の中の雰囲気も・・
レコード盤はありませんが、CD化音源は思わず集めました^^
cd01_2015120820431099b.jpg

オリジナルのFour Seasonsもさすがに良いです。
動画→Four Seasons Sherry
こちらは男声ファルセット、

和田弘とマヒナスターズのヒット曲も同様で焼き付いていますね、いつも通っていた理容店にあのスチールギターが置いてあって、流行っていたのかな?
しかし翌1964年の東京オリンピックはカラーで見た記憶です、急遽カラーTV買ったんですね;色調は今の液晶TVには程遠く、赤はオレンジに近い発色で滲んでいた;放送側と受信側の色調基準が整っていなくて、チャンネルを替えるたびに調整していました^^;

category: 歌謡・ポップス・etc

tb: 0   cm: 2

D.R.デイヴィス:ハイドン交響曲 No.105  

ハイドンの交響曲No.105とされる、協奏交響曲ですが、今まで積極的に音盤を集めたわけじゃなく、目当ての曲とカップリングされていたり、交響曲全集には入ってくる、ということで、かなり集まってしまいました。
曲は4つのソロ楽器、vn, vc, ob, fagがハイドンの弦楽四重奏を思わせる充実した掛け合いと融和を楽しませる、ハイドン唯一の協奏交響曲だが、いつもどおり長ったらしくならず、凝縮されたような完成度の傑作。
今回のD.R.デイヴィスによる全集では最後にくるCD37に入っていて、数ある中でトップ3に挙げたいような名演、名録音です。特異な要素はないが、美しい。
sym 105a
デニス・ラッセル・デイヴィス指揮、シュトゥットガルト室内O. 
各楽章、普通のテンポでまとめる、ソリスト達の上手いこと、コンマスのベンジャミン・ハドソンはバロックvn奏者でもあり、ピリオド奏法の感覚も聴かせ、ソリスト達を先導しているようだ。デイヴィス指揮するシュトゥットガルトCOは絶妙のバランス、小編成の響きに心地よい力感を持たせる。録音もライヴと思えない仕上がりで申し分ない。

過去に取り上げた音盤は多々あるが、C.アバド指揮、モーツァルトOの群を抜いた名演(claves盤)がある。
sym 105b

またピリオド・オケではJ.コーエン指揮、アルカンジェロの演奏(hyperion盤)も素晴らしかった。
sym 105c

D.R.デイヴィス盤がこれに加わり3名盤となりそうだ。

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 2

R.バルト:S.L.ヴァイス Lute Sonatas,Vol.11  

ロバート・バルトのNAXOS盤、久方ぶりです;
2010年録音が最新盤らしいですが、今回はヴァイスの聴き応えのある作品が入っています。

weiss vo 11
シルヴィウス・レオポルト・ヴァイス ソナタ 第11集
バロックlute:ロバート・バルト
録音 2010年11月18-20日、イギリス、西サセックス、聖トーマス・ベケット教会


一曲目のソナタ ハ長調はドレスデン本にある大作で演奏時間、27:56
フランス序曲で始まるが、これが充実している、当然、難度も高い;そのせいかタブラチュアには結構運指が書き込まれている。
グラーヴェに出てくる、この上行パッセージを粒を揃え滑かに決めるのが難しい、ここは上の音価どおりより、徐々に加速して拍に収めるのが良い。
weiss ouv
こういうのはルネサンスluteでいうフィゲタのような極意で、真面目な積み上げが必要か^^;
続いてアップテンポのフーガはストレッタで、密度が高い傑作、過去には今村泰典氏が鮮やかに決めた録音があったのみ、フーガのテーマは解放弦のバスでも弾かれるが、今村氏は完璧な消音操作で鍵盤音楽と言えそうな演奏だった。当盤のR.バルトの演奏は、今村氏のような決め方ではないが、リュートらしく、ちょっとほっとする^^
3曲目、ソナタ 変ホ長調に入っている、リゴードンはその昔、佐藤豊彦氏が世界初のバロックlute録音をしたLPにも入っていて印象強い、たしかに良い曲だ。

category: リュート作品

tb: 0   cm: 2

リュートを高く!(追記あり)  

お値段の話じゃありません^^;
昔、クラギをやっていたころ、左手指がややこしい動きを要する(他の指はつられず、一つの指だけ動かす)際、ここからここへ行け、と眼で誘導してやるとうまくいくのに気付きました。しかし視る、視ないは別にしても、人間の手先は眼の高さに近いほうがより器用に集中力を持って動くのを実感しています。眼→脳→指先の連携が密になる感じです。エレキギタリストなど楽器が腰骨に当たるような低い位置で弾く人もいますが、これはとても不合理です、あの寺内タケシ氏は高い位置で弾いています。
リュート奏者はさすがに低い位置で弾く人はいませんが、ヴァイス演奏家としてNAXOSに録音している、ロバート・バルト氏はひじょうに高く構えます。難度の高い曲を弾くには必須の構えかもしれません。
bart_201512060250129b8.jpg
動画

バルト氏はこのほか、ピッチを下げ、緩いテンションでブリッジ近くの鳴り易いところを弾く、歴史的考察による演奏を実践しています。ただしガット弦は使わないとのこと、プロ奏者には現代の演奏会環境でガットは無理があります。

自分はというと、リュートを始めた頃はクラギと同じく、左足を足台、という構えでしたが、これはどうにも楽器が低過ぎ、姿勢も苦しかった;ストラップで楽器を肩に掛け、右足を低めの足台に乗せることで、高く構えることができ、長時間疲れにくくなりました。

追記:長く未確認だった、リュートの裏面に紐を渡し、それを服のボタンに掛けていたという説、ようやくそのものズバリの絵をみつけました(竹内さんのページより)
ボタンに掛ける
目立たず、合理的!
自分はボタンのない服が好きなので、結局肩掛けになりますが^^;

category: 演奏について

tb: 0   cm: 6

D.R.デイヴィス:ハイドン交響曲No.45「告別」  

D.R.デイヴィスのハイドン交響曲全集、今日はシュトルム・ウント・ドランク(疾風怒涛期)のCD17より、時間の都合でNo.45「告別」のみ、これも屈指の名曲です。古典派の短調交響曲は数は少なく、それゆえ特別な魅力を放ちます。
この曲の成立にまつわる逸話については省きます。

hay sym45
デニス・ラッセル・デイヴィス指揮、シュトゥットガルト室内O.

No.45 Fis-moll「告別」
嬰ヘ短調という珍しい調で書かれた作品、
第一楽章は主和音を下降する簡潔で力強い主題、この楽章は単一主題とも言われる、この下にバスとvaによる急速なリズムが刻まれ、2nd vnがシンコペーションで内声を重ね、引き付ける構成。展開部の始めはイ長調に転じ、展開部の終り108小節で初めて、第二主題とされるこの主題が登場、次へと繋ぐ、
sc02_20151203233431bff.jpg
聴きどころを一層深くするのは次の再現部から終結にあたる部分で、転調の深みに引き込まれる。デイヴィスは速すぎない快速で、手堅くまとめる。
第二楽章、アダージョはイ長調で、疾風怒涛期の緩抒楽章らしい、不思議の森に誘うような静謐さが聴きどころ、主題に前打音が多用されるがデイヴィスは1つ1つ表情を変えるようなデリケートな表現がじつにいい。後半は一段と引き込む。
メヌエットは嬰ヘ長調、デイヴィスは意外に速いテンポにまとめる、トリオでのホルンが見事で美しい。
終楽章、まず嬰ヘ短調の急速なソナタ形式の前半は爽快、一旦終息して、イ長調のアダージョ、楽員が次々退場して楽器が減っていくが、音楽は美しいまま、というのが魅力、ここでシュトゥットガルトCO.の各奏者が美音を披露して終わる。

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 2

D.R.デイヴィス:ハイドン交響曲No.88~90  

D.R.デイヴィスのハイドン交響曲全集、今日は後期へ飛んで、CD30のNo.88~90、パリセットとロンドンセットの間にくる、完成期といえる作品です。
この3曲もライヴ録音で、意外にデイヴィスのテンポはいずれも聴き慣れた標準くらい、しかし群を抜いた名演と言える、これは単独盤でも価値があるでしょう。

hay sym cd30
デニス・ラッセル・デイヴィス指揮、シュトゥットガルト室内O. 

No.88 G-dur
親しみやすい名曲としてお馴染みの逸品、
第一楽章は付点をもつ序奏で始まるが、デイヴィスは粘らずさらりと爽快、主部へ入る、簡潔で親しみやすい主題が良く、チャーミングな楽章が人気なのだろう、timpは使われず流麗、快調さに徹している。また、管楽器の用い方が巧みになってくる。
第二楽章、温もりのある優美な主題の変奏曲、ここでtimpが用いられ、壮大な響きを演じる、そのあと管楽器単独で奏でられるハーモニーとの対比が良い。
メヌエット、きりっとした気品を帯びた主題でtimpの打音が引き締める、ここではナチュラルtrpの響きも痛快。トリオは低音のドローンに乗った民族音楽の雰囲気。
終楽章、快活で展開部が見事な傑作、オペラのエンディングのような華々しい終わり方も人気曲の要素か。

No.89 F-dur
第一楽章、動機が「証城寺の狸囃子」の始めと同じで有名?^^しかしこの楽章もNo.88同様、快調な魅力を持つ、展開部は陽気な主題を一変させ、劇的な深さで包み込む、どこからが再現部なのかわからないほど、引き込んで終わる。
第二楽章、三部形式、歌唱的なチャーミングな主題を聴かせ、ドラティックな中間部がすばらしい。
メヌエット、管楽器が活躍し、きっぱりと簡潔な味わいが魅力。トリオはワルツ風になる、ちなみにA.フィッシャー盤はウィンナワルツ風だった^^
終楽章、どこか祝宴的な雰囲気が楽しい。展開部はそれをひきずりながらも、深い魅力を聴かせる。

No.90 C-dur
3曲中個人的には最も気に入っている、
第一楽章、序奏は総奏で力強い始まり、序奏内で主部の第一主題をすでに示すのが珍しい、主部は壮大な第一主題と木管が奏でる爽快な第二主題が対比をなす、展開部は第一主題がデリケートに引き付けて始まるのじつにいい、内容は期待どおり。
第二楽章、アンダンテ、穏やかな二つの主題による変奏、劇的な要素もあり、デリケートでもあり、並みの変奏じゃない、一つの繋がったドラマのようで素晴らしい。
メヌエット、これも気高い雰囲気の魅力、trpの輝きが一際印象的。トリオのテーマはあまり雰囲気を変えず、木管のソロが中心。
終楽章、ユーモラスな仕掛けで有名、快活なテーマで、デイヴィスは切れ味と力感たっぷりに白熱させる。168小節で終わったと見せかけ、4小節休符を置いて、続きが始まり、272小節で本当の終結、さすがに間違って168小節で拍手する聴衆はいない^^v

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 2

プロフィール

最新記事

最新コメント

カテゴリ

最新トラックバック