Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

フレット絞めのコツ  

micha
リュートはしょっちゅう、フレットが緩んだ、絞め直す、ってことをやっていますが、最初に巻くとき、できるだけ緩みなくやっておきたいです。(ただ、あまりキツ過ぎてもいけない) 自分なりにまとめたコツはこんなふうです。
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リュートのネックはハイポジションにかけて徐々に太く、テーパーがあるので、ローポジション寄りで絞めて、本来の位置にずらしてしっかり絞めます。
ただ全てそのようにはいきません;

この楽器は一番上の9ポジションのフレットが、ボディの張り出しに引っ掛るので、カーブした状態で絞めることになる、加減が馴れないとうまくいかない;
フレット2
絞まりが緩すぎると音が鈍るし、強過ぎると戻ってきてしまう;どの位置で絞めてずらすとちょうど良いか憶えておく、この楽器はボディの端に当る位置で控えめに絞め、ずらすといい。

また、1ポジションはペグボックスの付け根、テオルボなどは延長したネックの付け根が邪魔になり、テーパーを利用した絞め方があまりできない、
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うまくやれば絞められるけど、どうしてもだめなら、2重巻き(ダブルフレット)にする、フレットガットが2倍の長さになるので、伸縮性を利用して、しっかり絞めやすい。
バロックギターなどネックのテーパーが少ないので、ぜんぶダブルフレットがいいかも?・・
持ってないからいいけど^^

category: 楽器について

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P.ガロワ:C.P.E.バッハ:フルート協奏曲A-moll Wq.166ほか  

micha
昨日に続き、C.P.エマヌエル.バッハです。今日はNAXOS盤、パトリック・ガロワがソロのfl協奏曲で、オケはケヴィン・マロン指揮、トロント室内O、モダン楽器によるピリオド・モード、すなわち現代の古典派モードと言える。
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パトリック・ガロワ:フルート
ケヴィン・マロン:指揮、トロント室内O
2002年 NAXOS


まずはfl協奏曲A-moll Wq.166、これは昨日の鍵盤協奏曲A-moll Wq.26と同一曲で、flソロのために編曲されたもの、鍵盤的な分散された旋律をfl向きにまとめた部分もあるが、あえて鍵盤そのままのパッセージをflで演奏する、スリリングな聴きどころも満載。
第一楽章、昨日のM.シュパーニの鍵盤演奏に対し、かなりハイテンポに疾走するスマートな前奏に始まる、ガロワのflはモダン楽器で当然flトラヴェルソとはフィンガリングも違うと思うが、トラヴェルソを彷彿させる、"装飾ヴィヴラート"を随所で聴かせ、また装飾音も巧みに取り入れる、
第二楽章、マロン指揮、トロント室内Oの弦楽の入りはノンヴィヴラートの爽快な響きで開始、ガロワのflも同質で、装飾的聴きどころも置く、前古典派らしい雅びな雰囲気を湛える。
終楽章も快速ぎみに軽やかにまとめる、それでもエマヌエル・バッハのぐっと粘るような音楽は味わえる。fl以外にもvnやvcがソロを補助するような室内楽的な聴きどころがある。
全楽章、スマートにまとめていて、これなりに良いが、好みとしてはもうちょいゴリゴリ押してくる凄味があっても良いと思う。

もう一つ、こちらはよく演奏される、fl協奏曲D-moll Wq.22も聴いてみた、こちらも全体に爽やか感覚にまとめる、
第一楽章アレグロはじっくり聴かせるような内容であり、落ち着いたテンポを取る、ガロワの鮮やかで緻密な装飾が良い。
第二楽章、爽快に、けっこうじわりとした聴かせ方、flソロが存分に味わいどころを作る。
終楽章アレグロ・ディ・モルト、まさに疾走するスリリングな楽章、ここもスマートに決めるが、欲を言えば、パワフルな凄味も効かせてほしいところ。
NAXOS盤の中では傑作盤になるが、やはり明朗なモダンflと、flトラヴェルソの何ともいえぬ翳りをもった響きには決定的な違いがある。

こういう曲こそ、活気ある"ライヴ動画"が見たいと思う、もちろん生で聴けたら最高^^
ライヴ
参考動画→C.P.E. Bach - Concerto for flute in D minor Wq 22
PS.ホルンさんがちょっと不調です、ジャーマンテオルボが入ってますが、ちょうどこの頃のドイツのリュートで、通奏低音に使われたでしょう。

category: C.P.E.バッハ

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M.シュパーニ:C.P.E.バッハ 鍵盤協奏曲A-moll Wq.26  

michael
このところ、ご無沙汰していた作曲家の作品を聴いてみます。
大バッハの二男、カール・フィリップ・エマヌエル(1714-1788)は父よりも有名だったそうで、ベルリンのバッハと呼ばれ、プロイセン王国フリードリヒ2世のもとで活躍、膨大な作品を書いている。自ら名手であった鍵盤のための協奏曲は数多く、これらを原曲として、他の旋律楽器、フルート、チェロ、オーボエ等の協奏曲に編曲している、おそらく一緒に活躍した名手達のためだろう。今日はミクローシュ・シュパーニのタンジェント・ピアノ独奏による、協奏曲A-moll Wq.26、(これはフルート協奏曲A-moll Wq.166に編曲されているが、異なる作品番号が付くのでややこしい;)
c p e bach wq26
ミクローシュ・シュパーニ(タンジェント・ピアノ)
ペトリ・タピオ・マットソン(指揮)
オーパスX アンサンブル

タンジェント・ピアノはピアノの一種で強弱演奏可能だが、木片が弦を叩く仕組みで、クラヴィコードとフォルテピアノの中間のような、軽やかな響きが特徴、チェンバロとは明らかに趣きが異なる。
t pf
タンジェント・ピアノ

鍵盤協奏曲A-moll Wq.26
この曲はまずfl協奏曲で聴いて、すっかり魅了された、エマヌエルの鍵盤作品、全曲録音をしているシュパーニの確信をもったソロをバックの弦楽が骨格のしっかりした演奏で支える、
第一楽章、アレグロ・アッサイは多感様式ならではの魅力、前古典派に当ると同時に、この時期ドイツを中心に風靡した様式趣味でエマヌエルが最高峰に立つだろう、のちのハイドン、ベートーヴェンに影響する音楽趣味でもある、冒頭の力強い主題が基盤となり、感傷、憂い、安らぎの間を揺れ動く各主題が交錯、協奏曲の書法であるオケパートをソロが再現する場面も引き付ける、カデンツァを置いて冒頭を再現して終わる。
第二楽章アンダンテは前古典派らしい清々しい楽章、ハイドン初期の鍵盤作品を思わせる。
終楽章、アレグロ・アッサイ、第一楽章の疾走感に対し、こちらはリズムをくっきり、踏みしめる、そこにソロと弦楽が切れ味のよい掛け合いで進める。
エマヌエルの協奏曲は、弦楽が重音奏法を多用し、ソロの合間に力強く入って来る、またバス旋律も鋭く入ってきて、緊迫感が維持される、優美・流麗な音楽とは異なる方向の魅力。

category: C.P.E.バッハ

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ケプラーの超新星:SN 1604  

先日のティコの超新星:SN 1572に続いて、今日は1604年に現れたケプラーの超新星:SN 1604です。わずか32年の内に二度も明るい超新星が見られるのは偶然で、確率的には1つの銀河内で100年に一度だそうで、その後400年以上、天の川銀河で超新星は観測されていません。
SN 1572と同じくSN 1604もまたIa型超新星であったことがわかっています。
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超新星残骸 SN 1572 NASA
Ia型超新星は年周視差、セファイド変光星に続く、宇宙の距離梯子の3段目になる重要な指標である。セファイド変光星とIa型超新星が同じ銀河内に見つかって、梯子が繋がった。
距離梯子
宇宙の距離梯子のステップ
ここでIa型超新星についておさらいすると、大質量星が寿命を迎えた際の爆発の規模(明るさ)はその星の質量によって様々だが、Ia型超新星は連星系をなす白色矮星がペアの恒星から重力でガスを引き込み、質量が上限値に達すると超新星爆発を起こす、この上限値を導いた研究者の名をとり、チャンドラセカール限界と呼ぶ。よってIa型超新星は爆発の際の絶対等級はどれもほぼ同じ、という特徴があり、明るさを測定すれば距離が計算できる。遠い銀河で発生しても観測可能な明るさであり、数十億光年の距離を測る重要な指標(標準光源)となる。
連星
白色矮星と巨星の連星
ただしこれが、Ia型超新星であると見分ける必要があるが、Ia型には特徴的な光度曲線があり、スペクトル分析で確認できるそうだ。あとはIa型の光が届くまでの宇宙空間の塵による減光を考慮した補正が行われる(この補正が誤差範囲を縮めるポイントのようだ)、宇宙が加速膨張している、というのは遠方銀河のIa型超新星を多数観測して得られた結果だった。
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しかしその後、宮崎大学や米大学の研究者によるX線観測の分析で、ケプラーの超新星残骸などの研究から、Ia型超新星の明るさには実はばらつきがあるのではという考えも出てきている。宇宙の物質分布にはムラがあるので、恒星が生れた時点の組成も決まる。『同じIa型超新星爆発といっても、爆発前の星の組成、その周辺環境、爆発メカニズムは、実は多岐にわたるのかもしれない』と発表された、超新星残骸に含まれる金属元素の量を調べると、SN 1604は太陽の約3倍あるらしく、白色矮星となった後、Ia型の爆発を起こした時の規模にも影響するというわけだ。観測衛星ガイアが今、正確な距離梯子の第一段階を計測している、天の川銀河の直径約半分に及ぶ範囲の恒星まで計測でき、最も確実な測定だが、第二段階のセファイド変光星、第三段階のIa型超新星の信頼度はどの程度か、気にかかっていたところ。
今後も数多くのサンプルを詳しく検証、比較することによって、星の組成の違いによる誤差を補正する研究の必要があるだろう。

category: 宇宙・天体

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M.ロナルディ:ヴィウェラのための作品集  

Stradivariusレーベルがもう一枚ありました。マッシモ・ロナルディがヴィウェラを弾いたアルバムで、ルイス・ミラン、ルイス de ナルバエス、A.ムダーラ、D.ピサドールなどのファンタジアやパヴァーナなど、耳馴染んだ曲もあります。
m l vihuela
マッシモ・ロナルディは他に声楽やアンサンブル作品などめったに録音されない、レーベルにふさわしい?作品を取り上げているようで、内容は期待できるでしょう。今日取り上げるヴィウェラの曲集は最もメジャー盤?と言えるかも
ヴィウェラの音は、パっと聴き、リュートに近くも感じますが、もっと素朴で中域から低音にかけて、"ほっこり"した音の味わいが何とも良いのですね、当録音に使われた楽器もそうですが、良く出来たヴィウェラというのは飽きさせない味わいがあります。
ヴィウェラ作品は大まかに見ればルネサンスluteと共通とも言えますが、6コース楽器のための作品として、テクニックを追求しているようにも思えます。
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ファンタジアや舞曲など、ポリフォニックな要素にリズミカルで切れ味よいパッセージが求められます。左手は部分セーハで、中ほどのコースを押さえ、1コースでは浮かす、といった技(アコギのコードでよくある)が有効な箇所がよくあるし、右手はフィゲタ(親指、人差し指の交互弾弦)が基本だが、デディリオ(人差し指の往復弾弦)が有効な場合もあり、見事に弾きこなすのは容易ではないです;ヴィウェラ1本、あるいはバロックギター1本持っただけで、あらたに習得すべき技が山ほどあって大変です;

category: ルネサンス・バロック

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P.ベイエル:S.L.ヴァイス 初期作品  

micha
久しぶりにリュートのCDを聴きます。
Stradivariusというレーベルは先日のC.グラウプナーといい、古楽の結構マニアック?な作品を、優れた演奏と好録音で出しています。今日はパウル・ベイエルがガット弦の11コースリュートで弾いた、シルヴィウス・レオポルト・ヴァイスの初期作品で、「イタリアのエスプリ」と題されたアルバム、
weiss italienne
ウィーン図書館に残る作品集で父ヨハン・ヤコブの作品も含まれていると言われる、S.L.ヴァイスがイタリアで学んだ影響が色濃く、組曲の最初のファンタジアなどは広い音域を伸び伸びと上下する、トッカータのような魅力、それに舞曲やフーガ、カプリッチォなどが続き、フランス的要素もあるが、後期の作品とはだいぶ趣きが違い、技法的な聴かせどころも多い。
この作品の録音は他に知らないが、P.ベイエルの鮮やかな演奏で楽しめる。
Beier-Paul-08[RC]
パウル・ベイエル
当録音の11コースリュート、低音弦はガットを縄状に撚ったタイプと思われ、懐深い響きがじつに良い。余韻の短い力のある低音にオクターヴ弦がしっくり倍音を乗せている。

うちにあるバロックリュートで、このようにガット弦に良く反応してくれるのが、先般修理を依頼した2つの楽器なんです。
オールガットといきたいところ・・ガット系の低音用弦は高価な上に振動不良のものが結構多い、夏場は湿度で調弦が大変、ということで、代用している低音弦がPVFなんです^^;金属の巻弦よりはずっと雰囲気は迫れるようで、巻弦には戻れません。
11c lute
(*6コース以下の低音にPVFを使用、電子秤で重さを量り、ガット相当径を算出、適切な径が無いコースは研磨して調整した。)
この太いPVFはゆっくり伸びるので張って安定するまで日を要しますが、伸びきると安定は良いです。高音のほうはひとまずナイルガットです、どこか演奏の場に出かけ、調弦が安定するというのも現実として助かります。

category: リュート作品

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ティコの超新星: SN 1572  

古代ギリシャの天文学者ヒッパルコスは紀元前134年ごろにさそり座に見たこともない星「新星」を発見した、これがきっかけで全天の星の位置と明るさを等級分けした恒星表を40年かけて作成したと伝わる、これで奇妙な天体が現れても、通常の星と区別できるわけで。
このときヒッパルコスが見たのが星の爆発だったとしたら超新星残骸が残ったはずだが、それらしい候補が発見されたという情報はない?1054年に現れた、かに星雲(SN 1054)は各国に記録が残るとおり、中心にパルサーのある超新星残骸としてお馴染み。
1572年と1604年に現れた超新星はそれぞれ、ティコの超新星、ケプラーの超新星、と奇しくも師弟にあたる天文学者の名がついている。

今日はティコ・ブラーエが観測記録を残したSN 1572(カシオペア座)について、
出現当時は金星くらいに明るかったそうで、誰もが驚いただろう、
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SN 1572(12000光年) NASA
チャンドラX線観測衛星が2000年から2015年にかけて捉えた爆発の拡がり、
SN 1572(Tycho)の動画→SN 1572"Tycho"(1:02から)
画像的にはわずかな動きに見えるが、宇宙でたった5年でこれだけの変化を見せる天体などめったにない、超新星爆発の凄まじさを見せつけている。
最新の観測で、これは標準的なIa型超新星だとわかった。すばる望遠鏡の微光天体分光撮像装置(FOCAS)により、超新星残骸の周囲で観られる光の「こだま」を分光観測して、スペクトルはIa型超新星に特徴的なものであるとわかった。その手法は光源の離れた場所にある塵によって反射された光の波が遅れて地球に到着する現象を利用するそうだ。
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国立天文台資料
塵に反射された光は436年もの時間差を置いてやってきた!詳細→すばる望遠鏡サイト
なお、最近になって、標準光度よりも明るい、または暗いIa型の超新星が発見され始め、こうしたIa型の多様性を説明するためには、超新星爆発のメカニズムの詳細を詳しく理解する必要があるとのこと、宇宙の加速膨張を導き出した"宇宙の灯台"だったはずのIa型超新星の信頼性が揺らぐ大問題にも・・?
かつて、セファイド変光星がそうだったように、初期には正確な"ものさし"として用いるために必要な修正要素が知られず、大きな誤差が出ていた、今後もコズミック・ラダーが大きく修正される可能性もあるかもしれない、本当に天文学は手さぐりが続く;

category: 宇宙・天体

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好きな食べ物:素朴派  

micha
なんか、お腹がすいていると、こんな事を書きたくなります。
手の込んだ料理もたまにいいですが、私はすごく素朴に食べるのが好きで、いつも食卓にこんなのがあれば満足、
焼き茄子02
焼いただけのナス、ピーマン、ネギ等々、これに生姜醤油つけるだけで美味しいんです。
芋類は里芋(もらいものが多かった)、小粒なのを皮ごと蒸してツルンと剥く、これも生姜醤油で美味しい、これを"衣かつぎ"と言うそうで知りませんでした;
里芋

あとは海のもの、魚介類が好きです、幼少の頃、豊橋の親戚にいって、潮干狩りをしましたが、地図でいうと三河湾のこのあたりだったかな、
kuwana toyohasi
当時は天然のハマグリがガサガサ採れていたんです(アサリが少なかった)、その気になれば、タライに一杯でも・・アサリ同然に食べていました。ハマグリといえば桑名ですが、川が注ぐ伊勢湾は塩分の薄い汽水で適した環境、三河湾もそれに近いんでしょう。
ハマグリハマグリ
同じ場所にこんなワタリガニの仲間(たぶんガザミ)もいっぱいいて、一緒に茹でて食べました、小ぶりな蟹だけど味は抜群だった記憶です。
ガザミガザミ
今は埋め立てなどで砂浜がなくなってまったく採れません。
新鮮なもらいもの自家栽培採ってきたものにすっかり馴染んでいたせいか、そんな食材を簡単に食べるというのが、何時まで経っても楽しみなんですね^^

category: 時事・雑記

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すばらしい修理、調整  

micha lute
修理完了した11cリュートが届きました。古くて修理も厄介な楽器だと思いますが、今回、古楽器製作家の平山さんにお引き受けいただいたしだいです。
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一見何も変わって見えませんが前とは大違い。弦高が驚くほど低くなり、それでビシャる箇所はまったくないんです、ハイポジションから開放弦へのスラーでもOK、指板面の精巧な調整でここまで可能なんですね。結構ハイポジションで込み入った押弦の曲がありますが、これなら何でもござれです!(って何でも弾けませんが)またシャントルレライダーの両面を補助の板で補強し、巻き幅を拡げていただいた、これも助かります。
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じっくり考案し微妙な調整をいただいて、大変感謝しています。

ところで現代作られるリュートは固定フレットを追加して、12ポジションまで押弦できる楽器が多いですが、バッハの編曲もの等でたまに必要になり、プロ奏者はもっと上まで付ける場合があります。オリジナル曲では、シャルル・ムートンの肖像の楽器のように、大抵は9ポジション( k )まであればいいようです。
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C.ムートン肖像より
Saizenayの写本やMoutonの曲集をざっと見ても、9ポジション止まりで書かれている。ウィーン図書館に残っているS.L.Weiss初期の作品を見ると、10ポジション(ℓ)まで使われているが、これはここまでフレットが巻ける楽器だったのでしょう。
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それでも臨時にフレットのない高音を弾きたいとき、左手の爪をフレット替りにして押さえた、とか説がありますが、どうでしょう? まともに音は出ないし、表板に傷つきそうだし;

category: リュート

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様々な望遠鏡で:棒渦巻銀河 NGC 1097  

micha lute
同じ天体でも、可視光に加え、赤外線、紫外線、X線、さらに電波など様々な電磁波で観測することによって多くの謎が解明されてきました。先日も載せた美しい棒渦巻き銀河 NGC 1097、もちろん可視光からも様々な事が伺えます。
*この銀河は時計回り方向だと思うが、Wikipediaなどに載っているHST画像は変だ?と思ったら、左右が反転している。修正拡大画像
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VLT: 可視光

これを赤外線で見てみると(下の画像の赤い部分)、まるで骨格のように見えるのが、スパイラルアーム(腕)の塵やガスの多い部分で、星形成が盛んなことがわかる。
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スピッツァー宇宙望遠鏡:赤外線
中心のブラックホールの周りには、ガスや塵が渦巻状に繋がる環状の星形成領域が見える、また画面左にある伴銀河NGC 1097A(矮小楕円銀河)の重力が腕の形を乱しているのもわかりやすい、青く色分けしてあるのはたぶん可視光画像を重ねたもので、伴銀河NGC 1097Aに星形成がないのもわかる。バルジ部分はほんとに棒状・・^^

NGC 1097の銀河核からは4本の幅の狭い銀河ジェットが放射されているのがわかっていて、活動銀河の兆候とみられていた、このジェットは中心の巨大ブラックホールによると思われる。
総合研究大学院大学がアルマ望遠鏡でこの中心部の2種類の分子ガスの分布と運動速度を精密に観測、これにより中心の巨大ブラックホールの質量が計算され、太陽の1億4000万倍であることがわかった。
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アルマ望遠鏡:サブミリ波(中心部可視光画像にデータを重ねたもの)
:シアン化水素(HCN)の分布を赤、ホルミルイオン(HCO+)の分布を緑で表現し可視光線の画像に合成。黄はHCNとHCO+の両方が存在する領域。
:HCNガスの運動を色で表した画像、赤はガスが我々から遠ざかる方向、紫はガスが手前に近づく方向の運動を示す、これは電磁波のドップラー効果だが、NGC 1097が我々に対して幾分傾いていることで観測できる、画面の下側が手前で、上側が奥、という傾きになる。

category: 宇宙・天体

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B.ヴァイル:ハイドン 交響曲No.100「軍隊」  

1枚取り寄せてすっかり気に入ってしまったB.ヴァイル、カペラ・コロニエンシスのロンドンセット、結局全部揃えました^^今日はNo.100「軍隊」です。
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ブルーノ・ヴァイル指揮、カペラ・コロニエンシス
この曲は大太鼓、シンバル、トライアングル、と鳴りものが入るので有名ですが、初演された当時、これらの楽器はどの程度に鳴らされたのか考えたりします、使われるのは第二楽章と終楽章の一部だけ、たぶん結構派手に鳴らしたんじゃないかと^^控え目にするかどうか、ここは演奏者や聴き手の好みで、どちらもありでしょうが、全楽章通じてのバランス設定がセンスの問われるところ、また「軍隊」は99番とともに主題が優美なのも特徴です。

第一楽章、ヴァイルは他と同様さらりと序奏を聴かせるが、ここで古楽オケならではの美しさを印象づける、トリルの入れ方の上品なこと、続く強奏をスパっと短めに切るのが心地よい、主部は程良い快速で、しなやかな弦にはじまり、耳心地よいダイナミズムを繰り出す。弦が止んだ後に響くflトラヴェルソの美しさが印象的、展開部から終結にかけても申し分なし。
第二楽章、アレグレットらしいテンポで主題を素朴に歌って始まる、クラリネットやホルンの味わいを聴かせ、鳴りものが突入、アーノンクール盤と同じくらいにパンチを効かす、ここはオーディオ的にも楽しめる^^やはり、ハイドンはこれくらいやっただろう・・同時に鳴るナチュラルtrpも輝きがあって痛快。
メヌエット、速めでリズムがスマート、歯切れ良い感覚にまとめる、第二楽章の余波?のようにtimpを結構パンチ強くならす、トリオの後半でもtrpと共に強烈だが納得させられる効果だ。
終楽章、思いのほか落ち着いたテンポで始め、全楽章中最もかっちりした感覚、あとで鳴りものを存分に聴かせようという目論みを感じるが・・ヴァイルは終盤で鳴りものが出る前にtimpを結構効かす、曲そのものが美しいのでこうした効果が活きる、ハイドンの絶妙なセンス。

category: F.J.ハイドン

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球状星団の卵?:「爆竹分子雲」  ≪追記あり≫  

子供の頃から、天体・宇宙の本が好きで読みふけっていましたが、当時の本にも載っていた球状星団は古い星が球状に集まっているとあるだけで、なぜ球状なのか、どのように出来たかは不明でした;矮小銀河のなれの果て説とか、他にもいろんな説がありましたが、こんなに密集しているには生れたときから密集していないと、互いの重力から離れ、散逸してしまう、というのには納得できました。
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ω星団 ケンタウルス座17,000光年 VLT
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初期宇宙は銀河合体が頻繁で、ガスが圧縮されスターバーストが多かった、その中でもとくにガスが密集した塊のような所で、狭い領域に多数の星が生まれた、大質量の星は短命だが、太陽質量以下の星なら100億年過ぎても残っている、それが現在見られる球状星団で、初期宇宙の化石のようなもの、
その後の宇宙では銀河合体の頻度は少なくなり、球状星団になるような高密度のガス圧縮は起きなくなった、しかし現在でも稀に球状星団の卵となる高密度の分子雲があるのではないか?探すとしたら、現在合体を起こし、ガス圧縮が起きている銀河が狙いどころだった、バージニア大学の天文学者、ケルシー・ジョンソン氏らは約7000万光年離れた合体中の触角銀河の中で、まだ星が形成されていない暗いガス雲の奥を、高解像度のアルマ望遠鏡で観測、
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触角銀河「爆竹分子雲」 からす座6800万光年 HST、アルマ望遠鏡
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そこに太陽の5000万倍の質量をもつ分子雲を発見、普通の星間空間より約10,000倍も高い圧力となっていて「爆竹分子雲」と呼んでいる、ここで爆竹のように連鎖的に多数の星が生まれると予測してのことだろう。たった一つ見つかった球状星団の卵候補である。
また現在見られる球状星団はある一定以上の規模(質量)のものだけで、誕生後の銀河合体等の重力の影響で小さかった星団は崩壊して残っていないと考えられている。大きなものは合体の中心部から離れ、巻き添えを食わなかったと・・

なお、大マゼラン雲にある球状星団NGC1783はちょっと特殊で、古い星の中に若い星が入り混ざっている、"青色はぐれ星"とは別で、本当に若い星らしい、約8億9000万歳と約4億5000万歳と2段階に若い世代の星がある、
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NGC1783 大マゼラン雲16万光年 HST
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これはNGC1783が星間ガスが豊富な大マゼラン雲内を移動する際に星の材料を補給していったと考えられている。ある程度若返ることもある、球状星団の多様性を伺わせる。

追記:「爆竹分子雲」とはどんなものなのか、ちょっとイメージしてみました。この分子雲の中で1つ星ができれば、恒星風や紫外線が周囲のガスを圧縮する、元々密度の高いガスなので、すぐに次の星が多発的にできる、これが連鎖的に拡がっていく・・
爆竹分子雲2
最初の星は導火線に火がついたようなもの?こんな様子を考えました^^

category: 宇宙・天体

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サミット中の輸送  

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5月25日~28日

修理依頼していた2つの楽器ですが、ほぼ同時に修理完了と知らせが入りました^^
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が、今月25日~28日の間、伊勢志摩サミットで厳戒態勢です。1つはスイスから送ってもらうんですが、期間中、外国からの荷物はすべて開けてチェックするそうです;ちょうど引っかかりそうなタイミングで、デリケートな品だけにこれは勘弁してほしい、よってサミット終了頃に送ってもらうことになりました。
国内の輸送も主要幹線道路が一部交通規制で、近畿を通るルートは遅れるそうですので、期間中は避けたほうがいいですね。
三重県警サイト

category: 時事・雑記

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ネコの毛づくろい ≪追記あり≫  

猫は一応泳げるんだけど、水に濡れるのをすごく嫌がります、飼っていたとき、ぬるま湯で何度か風呂に入れましたが、暴れて洗うのが大変; 抱えて風呂の方へ向かうだけで、憶えていてすごいジタバタします^^;
家猫の祖先とされていたリビアヤマネコ、DNA解析でも確認されたらしいですが、水を嫌うのはアフリカの砂漠地帯出身のため、水に濡れることは殆どなく、毛のなかに水をはじく油脂分が少ないので、濡れると体温を奪われるから、というのが定説のようです。
リビアヤマネコ
リビアヤマネコ wikipediaより
【人間と共生しやすい性質で、古代エジプトで飼われ始め、子孫が広がり、日本には平安時代に入ってきたとされるが、もっと古い遺跡からも骨が見つかっている、ネコの語源はよく眠るので「寝子」に由来するらしい】
猫はそのかわり、入念に体を舐めて毛づくろいをします、舌には櫛のようなザラザラの突起があり、顔は前足を濡らして拭きますが、首の後ろあたり、自分では出来ない箇所もあります、
2匹飼っていた頃は互いの体も舐めていました、これは同時に体臭を取り去り、獲物を待ち伏せて察知されない目的もあるらしい。
犬猫01
動画:犬の毛づくろいをする猫(you tube)
毛並みを見れば舐めたくなる習性かも・・?また汚れるのも大嫌いで、自分の排泄物に砂をかけるときも、触らないように慎重にかけます^^;
追記:
猫の座法の一種に体の下に前脚を丸めこんだ、香箱座り(こうばこずわり)というのがある、
catloaf.jpg
wikipediaより
英語圏ではcatloaf(パン座り)と呼ばれる、周囲に危険がなく安心しきった座り方で、体温を逃がさない効果もある。

PS.こんな猫がいたら、絶対飼いたい!"オッドアイ"だそうです。
オッドアイ
wikipediaより

category: 科学・自然・雑学

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サヴァリッシュ指揮:VPOとVSO  

今日はW.サヴァリッシュが指揮した、いずれもライヴ録音で、ウィーン・フィルハーモニーO(VPO)とウィーン交響楽団(VSO)の聴き比べです。

まず、VPOを指揮したモーツァルトの交響曲No.39(1983年録音)、
saw vpo
ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1983年、ライヴ録音

これは再掲になりますが(→過去記事)、いかにもサヴァリッシュらしい水も漏らさぬ演奏で、VPOのサウンドは確かに伝統の美質も感じさせますが、グローバル化した一流オケ、とも受け取れる感じです。

そこで今日のメインは同じくサヴァリッシュがVSOを指揮した、ベートーヴェン交響曲No.3「英雄」(2000年録音)、
saw vso
ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮、ウィーン交響楽団
2000年6月ライヴ録音

比較的近年の演奏ですが、サヴァリッシュが老境に入ったことも反映してか?オケの持ち味を存分に聴かせる。
第一楽章開始の総奏に続く弦の味わいに「ああ、これだ!」と思わせる、ウィーンの昔ながらのローカルな響きが迸る、弦のタッチは常に優しく、ふくよかなヴィヴラート、音の立ち上げも柔らかで、味わい深い奏楽音で満たされる。木管もしっくり溶け合い、ゴツくさい響きは一切ない。それが、サヴァリッシュの凛然としたコントロールで進められる。
第二楽章はゆっくりとしたテンポで、さらにVSOの美音に浸らせ、後半のフーガではまさにじりじりと深く引き付けられる。
第三楽章、スケルツォは快速にキビキビと決めるが響きはあくまで爽快。
終楽章、乱奏的な導入のあと、フーガの書法も含む充実した変奏楽章となる、はじめのほうでは弦のフェルマータの付くpの奏音に魅了される、変奏が進み木管も金管も活躍するが、各楽器が色彩感豊かに味わえる。終結部で再度始まりの乱奏があり、プレストの指示だが、ゆっくりめに、じっくり堂々と終わる。

聴き終えて、VPOによる堅牢なモーツァルトのNo.39が"英雄交響曲"で、VSOによるベートーヴェンのNo.3のほうが"歌うシンフォニー"のような印象を受けた^^

category: ベートーヴェン

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次世代:探査機と望遠鏡  

昨年のニューホライズンズの冥王星探査では、楽しみでもあり、心配でもありました^^;成功して何より、冥王星はじつに見栄えがよく、不思議がいっぱいでした。
さて、今年から数年先まで、また楽しみが続きます、
このためにも、健在でいたいと思います^^;まずは今年から、

木星探査機ジュノー:NASA
2011年8月打ち上げ、今年の7月に木星の極軌道に入る予定、2017年10月にミッション終了予定です。
ジュノー
木星探査機ジュノー:NASA
探査目標は木星に絞られ、先代の探査機ガリレオでは得られなかった木星の内部組成を様々な観測手法で探査する、より学術的内容となる、しかしあの巨大な木星の内部の深いところがどうなっているか?もちろん輪切りにして見ることはできませんが、確かなデータを基に、非常に知りたいところです、巨大惑星がどのように形成されたか解明されるのが期待されます。

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡 :NASA
2018年打ち上げ予定、
主鏡口径6.5mで面積はHSTの7倍で、近赤外線観測に特化され、今日観測可能な宇宙の初期の状態などを観測、地球軌道を周回するHSTとは異なり、太陽 - 地球のラグランジュ点の一つ、
150万kmの位置に置かれる、(←電波が届くのに5秒かかる)
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ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡:NASA
赤外線をとらえる必要があり、反射鏡を-220℃にまで冷却しておかなければならない、その冷却のためにも、JWSTは地球から遠く、また地球によって太陽光が遮られるラグランジュ点(L2)に送り込まれる、2018年打ち上げ予定で準備中だが、諸事情で延期になる可能性もあるとのこと?

TMT(Thirty Meter Telescope) 
2024年稼働を目指して国立天文台が建設計画中の口径30mの地上望遠鏡、その名も、TMT(Thirty Meter Telescope)これも楽しみです、
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TMT(Thirty Meter Telescope) 完成予想図:国立天文台
赤外線観測では補償光学の技術を使うことにより、HSTの10倍以上の解像度が得られるとのこと、これはジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡と同様、超遠方の天体を詳細に捉えることに特化しているため、視野がすばる望遠鏡の1.5度よりずっと狭い0.25度となる、新世代の探査機や望遠鏡は、より精度の高い観測データを得るために性能は多目的より、特化されたものとなっていきます。系外惑星の直接撮影にも威力を発揮するかも。
いずれも計画どおり進むことを願いたいです。

category: 宇宙・天体

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天体と生命Ⅱ ≪追記あり≫  

縄文遺跡の住居跡の中央には焚火をする炉が残っています、いつも焼き固められた炉周りの土の鉄分は当時の地球の地磁気の方向に磁化され、固定されている、現在の地磁気方向と比較すると、当時の自転軸は日本が今より温暖な緯度にあったことを示します。動植物も豊かで、狩猟採集の生活も成り立ったでしょう。
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縄文住居跡
地球の内部のマントルは流体であるため、生卵同様、自転軸が安定しにくい、しかし大幅に揺れないよう助けているのが月の重力です。地球は適度な自転軸の傾きと一日の長さ、一年の長さ、適度な大気や水の循環によって、生命が長く絶滅せず、進化できる絶妙に快適な環境が保たれています。
先般、生命誕生について、潮の満干のある海岸が有力であるという説を支持して書きましたが、下記のように、水中だけで生命誕生、存続が可能であれば、生命の天体は大幅に増えるでしょう、太陽系のエンケラドスやエウロパにも・・

"ハーバード・メディカルスクールのジャック・ショスタク博士は、水素と一酸化炭素で形成される『脂肪酸』が、原始の海を模擬した環境で、集まって『境界膜』を形成することを確認した。この『境界』の内部に、遺伝子情報を創り出す『ヌクレオチド』を注入すると、核酸ができ、更に脂肪酸を注入すると、これをエネルギー源に変える『代謝』のような反応を示し、『自己複写』まで起きることを確かめたと報じられている。『ヌクレオチド』や『脂肪酸』を注入するという、人為的な操作が加わっているので、これで『人工生命』の創り出しに成功したとは、単純には言えないが、無機質の世界から有機体の『生命』が誕生する可能性があることを実証しているという点で重要な成果と思われる。
深海の300℃にもなる熱水噴出口では、元素素材が豊富で、アミノ酸が創られ、さらにアミノ酸がタンパク質になる可能性が高く、これを実験室で検証しようと言う研究も日本で行われている。(熱水が噴出し、急激に冷やされるのがポイントらしい)"


以上の事が有力なら、必ずしも地球そっくりの環境は必要なくなる、ただ、系外に目を向けると、いくつも発見されているスーパーアースにはかなり大きなものが多い、直径が地球の1.5倍もあれば、体積は3.4倍、重力も比例して強くなり、大気も厚く木星や土星に近い組成になるかもしれない、発見された中では、ハビタブルゾーンにあり、大きさも地球の1.1倍とみられる、ケプラー186fが現在最も有力だろうか。
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スーパーアース比較 NASA想像画
ケプラー452系とケプラー186系、そして太陽系を比較
ハビタブルゾーン比較
地球の重力は辛うじて化学燃料でロケット打ち上げが可能、ケプラー186fも何とかいけるかもしれない。高度な文明を築くには陸への進出が必要、重力が強すぎてもいけないと思える?

category: 科学・自然・雑学

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B.ヴァイル:ハイドン交響曲No.103「太鼓連打」  

ブルーノ・ヴァイルのハイドン、ロンドンセット続けます、
今日は好きな曲、「太鼓連打」に期待・・v
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ブルーノ・ヴァイル指揮、カペラ・コロニエンシス
2014年録音


交響曲No.103「太鼓連打」
第一楽章、序奏の始まりはtimpの即興的ソロは置かず、fの連打を少々荒々しく打つ、速めにじつに清々しく序奏を演奏、主部は適切な快速、総奏に入ると例のところ、
楽譜の54小節からの1st vn
の動きはやはり埋もれてしまう、普通はそうでしょう、他のパートもすべてsfで打ち鳴らしている、ハイドンは初演の際どうしたのか?謎の一つです^^;それはともかく、ヴァイルの演奏は期待どおり、timpは序奏のみでなく、全楽章で目立った存在として、幾分粗野に奏でさせる、まさしく「太鼓連打」の副題らしく統一した感じだ。いっぽうで柔のタッチも聴かせ、よいバランス、匙加減だ。
第二楽章、Audante piu tosto Allegretto、ちょうど良いくらいのテンポに思われる、開始から弦の透明な響きが魅了、ソロvnはその弦楽パートの魅力を代表して聴かせるようだ、短調の変奏は剛だが重すぎないのがいい、ここでもtimpが轟く。
メヌエット、3拍子が1拍の感覚で、timpの打音とともに快調に切れ味よく運ぶ、トリオもクラリネットほか各楽器のハーモニーがバランス良く美しい。
終楽章、ホルンの導入からインテンポで心地よい快速、ロンドテーマの後、剛の総奏が押しては引く、timpも鋭く打つ、弦やクラリネットが柔の魅力も聴かせる、ポリフォニックな部分は緻密に、総奏はf→ffの二段構えの豪快さ、終結も"太鼓連打"で終わる。
これも103番、屈指のお気に入り盤となった。

category: F.J.ハイドン

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B.ヴァイル:ハイドン 交響曲No.101「時計」  

昔から「驚愕」「軍隊」「時計」は最も録音数が多いでしょう、あまりに聴き慣れて耳がマヒ気味なのは弊害で、どうも大ざっぱに聴き流してしまう;気分を集中させて、今日はブルーノ・ヴァイル指揮、カペラ・コロニエンシスの「時計」です。
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ブルーノ・ヴァイル指揮、カペラ・コロニエンシス
2013年録音


交響曲No.101「時計」
一聴していつもどおり、さらりとした感覚だが、なかなか神経を注いだ技を感じます。
柔と剛緩と喝、の絶妙な使い分けが効く。
第一楽章、序奏は爽快な響きで引きずらないが、十分に柔の美しさもある、主部は6/8拍子のプレスト、第一、第二主題とも音階的で小刻みな8分音符が基調の斬新な楽章でもある、ヴァイルは快活だが過度に切り立てず、キビキビ感覚に程良く柔の味わいも入れる、展開部は第二主題でポリフォニックに引き付け、後半は総奏でぐっと壮大、低音楽器を増強しているので量感十分に押し寄せる、
第二楽章、大きな古時計じゃなく、掛け時計の振子のリズム、爽快な弱音で始め、短調の変奏で総奏の剛が襲ってくる、後半はハ長調に転じ、ホルンのリズムを十分響かせるのが魅力。
メヌエット、速めで喝の効いたキッパリした感覚が心地よい、トリオで印象的なのが、flソロをppで伴奏する弦楽、同音が続くのを涼やかにレガートする、柔の極み、
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アーノンクール以来、ファイ、ノリントンなど、古楽指揮者共通の表現のようだ、ノリントンの動画でも見られるが、奏法は弓を弦から離さず、小さく緩く往復させるようで、エッジが付かず滑らかに繋がる、ヴァイルの演奏は一段と美しく耳をそばだててしまう。
終楽章、程良い快速、ロンドテーマを柔らかく始め、期待どおり、剛が痛快、展開部のフガートをあまり弱奏にせず、じっくり聴かせるのが良い、最後はtrpが透明な響きで輝かしい、きりっと締めて終わる。
私の好むところとして、ヴァイルの「時計」は最高といえる演奏です。

category: F.J.ハイドン

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アンティーキ・ストゥルメンティ:C.グラウプナー 管弦楽組曲  

ある作曲家の作品のほとんどがタイムカプセルみたいに一か所に保管され、近年になって一斉に公開される、なんて例はほかにないでしょう、バロック後期の大家クリストフ・グラウプナー(1683-1760)がその人です。
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当時は、テレマン、ヘンデルに次ぐ人気をほこり、生涯の大半を主君ヘッセン=ダルムシュタット方伯の宮廷楽長として活躍したそうです。
詳細→Wikipedia:Christoph Graupner
グラウプナーは過去に2つ取り上げましたが、待望のtrp入り管弦楽組曲の1枚が届きました。
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ラウラ・トッフェッティ&トビアス・ボンズ指揮、アンティーキ・ストゥルメンティ
2007年録音、stradivarius

あらためて感じるのは、大バッハの曲は深い精神性に加え、ヴィヴァルディなどの影響もあってか、フレーズの長い旋律美も持っていて、これが後世の演奏法にも映える要素かもしれません、テレマンやグラウプナーとなると器楽曲の主題はとてもシンプルで、当時の演奏法を研究し、デリケートな演奏の妙技がないと聴かせようがないですね。
前回取り上げたフィンランド・バロックOもひじょうに良かったですが、今日の演奏は1997年、フランクフルトで結成されたアンティーキ・ストゥルメンティで、vnのラウラ・トッフェッティとvcのトビアス・ボンズ、二人が指揮するそうです、こちらもひじょうに上手い演奏で、第一線の古楽奏者の集まりです、
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アンティーキ・ストゥルメンティ

組曲ニ長調 GWV420(1730)(編成 trp1,2、timp、vn1,2、va、bass)
フランス序曲を持つ組曲で、この序曲が演奏時間の半分近くをしめる、2本のバロックtrpが入るが、ひじょうに上手い、グラーヴェからテレマンでもバッハでもない、グラウプナー独特の雰囲気が新鮮、vnパートにobを加えているが、この素早い上行パッセージを粒立てて演奏しているのが見事、
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アレグロに入り、vn1で始まるフーガのテーマにまず魅了される、息の長いテーマが低音パートへ順々にじっくり重なっていく幾何学、
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数多く聴いたフランス序曲でこれは最高!短調のグラーヴェに一旦入る、ここの和声の移ろいがデリケートで深い、アレグロに戻り反復する。
序曲だけで圧巻だが、続く舞曲が洒落ている、原譜の編成はtrp1,2、timp、vn1,2、va、bassのみだが、適宜ob、recなど木管を加え、舞曲ではタンバリンや鈴のようなパーカッションを入れている、このセンスも良い。
5曲目には管弦楽曲には意外な?Tombeauが入る、トンボーは死者に捧げる曲、ニ短調になり、trpとtimpも加わりながら、リュート音楽にあるような、細やかな内面性も聴かせる。

組曲ニ長調 GWV421(1749)(編成 trp1,2、timp、vn1,2、va、bass)
この曲は動画サイトでも聴いた→Graupner - Ouverture in D GWV 421 (1/2)
GWV420と編成は同じで、やはりグラウプナーならではの冴えと切れを聴かせる、グラーヴェから一言では言えない魅力が迸る。アレグロでは、下属音Aと主音Dしか出ないtimpをtrpに伴い旋律パートに加えるのが痛快で面白い、この書き方は他の作曲家もよく行っている。
続く舞曲もしっかり捉えきった演奏で聴かせる、全曲あくまで旋律的にはシンプルなので、まさに"美の壺"を捉えた演奏が必須だ。

category: J.C.グラウプナー

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宇宙の回転構造Ⅶ:"空所の銀河"  

宇宙の大規模構造で、銀河の分布を調べると、立体的に繋がり合った網目のような部分(フィラメント)に銀河が集中し、そこ以外の領域は何もない空洞(ボイド)になっています。
銀河フィラメント2
資料:国立天文台
宇宙誕生直後の僅かな物質分布のムラが引き継がれたものと考えられます。ボイドの域内には本当に何もなく、1立方mにつき、原子が1個くらいの荒涼とした空間と言われます。
うお座、3億3000万光年にある、LEDA1852(MCG+01-02-015)は何故かそのボイド域にポツンとある銀河だそうです。
LEDA 1852
HST拡大画像
HSTの画像では渦巻き構造をもつ、しかし腕はほとんどくっつき合っていて隙間がない、ガスや塵も少なそう、後方にある銀河が透けて見えている、という点で先日のNGC4921に近いようにも見えます。この銀河の大きさはわかりませんが、渦巻構造をもつだけの規模です、過去には銀河フィラメントに属し、他の銀河との合体成長があった?それが、何かの要因でボイド域に出て行ってしまったのか、銀河は様々な方向に動いているが、ダークマターも含め、銀河フィラメントにはとび出だそうとする銀河を引き止める十分な重力があるのではないか、それでも稀に、"浮遊惑星"みたいな銀河が出てくるのか?そのへんが知りたいところ;

宇宙の加速膨張が続けば、やがて銀河同士が引き合う重力より、空間膨張が勝り、フィラメント構造も散りぢりになって、すべてがボイド化するのかもしれません。

追記:すばる望遠鏡のFastSound (ファストサウンド) という銀河サーベイにより宇宙の大規模構造が成長する速度を*共動距離130億光年前後という遠方の銀河による測定に成功、一般相対性理論の宇宙定数が予想する加速膨張と一致することが確かめられた。
すばる望遠鏡サイト
*共動距離:
観測する天体からの光が我々に届くまでの時間に、これまでの宇宙の膨張を考慮して算出される距離

category: 宇宙・天体

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B.ヴァイル:ハイドン 交響曲No.96《奇跡》  

B.ヴァイルのハイドンはターフェルムジーク・バロックOとSONYに録音していた頃から、その屈託のない溌剌とした演奏が好きでしたが、次のカペラ・コロニエンシスとのロンドンセットでは、加えて古楽オケの美質をより引き出し、熟した味わいを聴かせていると思います。疾風怒涛期の曲も再度録音してほしいような・・^^
今日はNo.96、95、93のアルバムより、No.96《奇跡》、
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ブルーノ・ヴァイル指揮、カペラ・コロニエンシス
2008年録音


交響曲No.96《奇跡》
第一楽章、序奏はさらりと爽やかであるが、柔和な美しさも十分、主部は快速ぎみに始める、しかし弦の運弓の滑らかさもあり、総奏に入ったなんとも言えぬ快活さと力感、柔と剛(喝)の絶妙な匙加減が熟した味わい、展開部から再現部に渡って連続した充実感をもった曲だ、この演奏では後半も反復される。
第二楽章、引きずらず、小ざっぱりと始めるが、十分なレガートで魅了するところも置く、短調の変奏ではぐっと迫り、程良い力感、木管、ホルンあるいはvnの二重奏が聴かせる部分も美しく申し分ない。
メヌエット、速めのテンポで、始まりのvnのパッセージがキビキビと切れ味で引き付ける、これは何度もでてくる、
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R.ランドン版
きりっと引き締めたメヌエット、トリオのobも透明感があって、装飾的なパッセージも切れ味を聴かせる。
終楽章、幾分快速だが各パートをくっきり聴かせる心地よさは変わらず、flが味な装飾を入れる、強奏との対比をつけ、シンフォニックな醍醐味も十分。
全楽章、期待に応える演奏だ。

category: F.J.ハイドン

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宇宙の回転構造Ⅵ:銀河中心ブラックホール  

殆どの銀河の中心には巨大ブラックホールがあり、その銀河の進化に影響していて、渦巻き銀河ではその重力がバルジの規模とも関係しているそうです。(ブラックホールとバルジの質量比は概ね1:1000)
ブラックホールCG
イメージCG
ブラックホールの廻りでガスが高速回転している降着円盤の規模と回転速度がわかれば、中心の巨大ブラックホールの質量がより詳しく計算できるそうで、今回、アルマ望遠鏡により、これまでにない精度でこの降着円盤の観測がおこなわれた。対象はエリダヌス座、7300万光年にある楕円銀河NGC1332で、降着円盤の一酸化炭素ガスの運動速度を計測した、
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資料:A. Barth (UC Irvine), ALMA (NRAO/ESO/NAOJ);
NASA/ESA Hubble; Carnegie-Irvine Galaxy Survey

銀河はほぼ真横を向けているが、HSTの中心部の画像では円盤のやや下側を覗く角度になっている、ALMAのデータは近づく方が青、遠ざかる方が赤で表示されているので矢印のような回転向きになる。
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HST 赤外線撮影
003.jpg
ALMA データ
中心付近では秒速500km以上の速度でガスが回転していて、中心のブラックホール質量は太陽の約6億6000万倍、天の川銀河の中心ブラックホール質量の約150倍と計算された。
アルマ望遠鏡は電波の目としては史上最高、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が運用されれば、光学画像もかなりシャープになるでしょう。

category: 宇宙・天体

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押弦:指の上げ下げ  

長年、癖が取れなくて困っているのは、押弦の指を高く上げ下げしてしまうことです;たぶん上行スラーをしっかり出そうと、つい上から叩いていたせいだと思います。押弦の狙いが不確実だし、タイムラグが生じ滑らかに弾けません。次に弾くところのすぐ上に待機させることも大事です、最近まで何とか弾けていたところも、気を抜くとミス癖がついてきたりします;
丹念なおさらいも必要です。
押弦修正
バロックリュートは音を重ねる響きが魅力ですが、しっかり消さないといけない音もあります、ヴァイスのL'infidele、メヌエットですが、前半の最後、
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ここは前の音を重ねないようにしますが、ここで2の指をパっと離すと、下行スラーのように余計な音が鳴ってしまう、次の音が鳴ったところで、2の指はフレットからは離すけど、指は弦に触れたまま、がいいです。
押弦修正2
指を弦に触れておくのはポジション移動のガイドにもなったりする、好都合になることは綿密な運指動作に取り入れて、習慣的に使えるようにしたいです。
押弦02
用が済んだ指はとにかくパっと離してしまう、この癖を取るのも時間かかりそうです;

category: 演奏について

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B.ヴァイル:ハイドン 交響曲No.94《驚愕》  

音楽は殆ど"ハイドン・ブログ"化してますが^^ほかも、たまには書いていきます;

ハイドンの交響曲ロンドンセットの全集を初めて手にしたのはO.ヨッフム指揮、ロンドン・フィルのD.グラモフォンのLP盤でした。名盤との評価で期待したところ、演奏自体は良いと思ったが、どうも低域が弱過ぎ、timpも奥に引っ込んだ小じんまりしたバランスでかなり不満だった。どうもD.G盤のハイドンには後のアバドの録音以外、満足いくものが少ない。その点、フィリップス盤は昔から裏切ることはなかった、N.マリナー、C.デイヴィスなどの名演を心地よく隅々まで聴かせた。
近年出る、ハンドン始め古典派の録音はライヴでさえそれが当たり前のように良いバランスで聴けるのは喜ばしい。
今日はブルーノ・ヴァイル指揮、カペラ・コロニエンシスハイドン 交響曲No.94《驚愕》
b v hay sym94
カペラ・コロニエンシスの弦の編成はvn1、2が各8名、以下va、vc、kbが各4名ずつとなっている。まずvn1、2が対等で透明感があるのが良い。また低音が充実しているので、下支えのしっかりした量感のある響きである。

第一楽章、序奏はやはり、速めで清涼な演奏、主部はヴァイルらしくキビキビと決めるか、と思いきや、意外にしなやかなタッチ、テンポも普通くらい、清涼で豊かな音が溢れだす魅力だ、しかし締めどころは力感をつけてがっちり、対比を付けた心地よいサウンド、再現部でtrpのcresc.が朗々と美しい。
第二楽章、心地よいテンポのアンダンテ、テーマではびっくりffの前をぐっと弱奏にして、極端なffにせず効果を出す。
第4変奏の開始からは、
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裏拍を弾く弦の重音を重く引かず、スパっと切る、ここはヴァイルに期待したとおりで小気味よい。最後の変奏では意外な強奏にして、ここでびっくりさせる^^;
メヌエット、快調なテンポで小細工なしに小気味よくまとめる。
終楽章、快速だが緻密に切れ味よく聴かせる、弱奏のあとの、一際豊かな総奏、目まぐるしい展開部、まさにシンフォニーの醍醐味、終結は一際輝かしく決める。
期待に応える爽快な演奏、《驚愕》のお気に入り盤となったv

category: F.J.ハイドン

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宇宙の回転構造Ⅴ:うっすら銀河  

前々から気になっていた変な銀河です。
NGC4921は距離3億2000万光年と見積もられ、かみのけ座銀河団の中央付近にあり、楕円銀河の多い中に風変わりな渦巻き銀河として存在する。
ngc4921 b
NGC4921→拡大画像
全体の形だけは棒渦巻き銀河のようだが、異常に滑らかでうっすらとしたスパイラルアームは星の形成率が低く、極端に塵が少ないので後方にある遠い銀河が透けて見えている。バルジを囲んで、若い星を含む塵のリングが僅かにある、"貧血銀河"とも呼ばれ、宇宙に漂うクラゲか深海生物?のような不活発な姿に見える^^;構成する星は殆ど楕円銀河に近いかもしれない、それが何らかの原因で渦巻き構造を持っているような・・?

類似した銀河はほかにないのだろうか?
強いて挙げれば、りゅう座、4400万光年にあるNGC5866、もしNGC4921を真横からみたら、こんなふうに見えそうだ。
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NGC5866→拡大画像
NGC5866は一応レンズ状銀河(SO)とされているが、真横から見ているので渦巻き構造がある可能性も残されている、星を生みだす材料が少なく、うっすらしていること、また、中心付近を塵のリングが取り巻いていて、ここでは新しい星が出来ている、という点で近いものに類するかな・・?とも思える。

追記:まったく対照的なのが、黒目銀河とも呼ばれるM64で、塵とガスが濃厚;
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M64 《黒目銀河》 

category: 宇宙・天体

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R.ゲーベル、MAK:テレマン《ハンブルクの潮の満干》"CDとLP"  

最近はデジタル時代のLP盤に興味が湧いて、中古を見つけるとつい買ってしまいます、もちろんお気に入りの演奏だけ。
今日は逆パターンでLPは持っていたけど、本来の?CDを見つけて購入。ラインハルト・ゲーベル指揮、ムジカ・アンティクァ・ケルンのテレマンは今でも最高に相性がいい名演です、以前から知っていた曲も倍楽しくなる。

まず、CDのほうを再生してみると、わるくない、LPで聴き慣れた音と違和感なく細部までよく聴ける。
MAK Te cd
そのあとLPも聴いてみる・・気分や好みの違いかもしれないが、vnやcemb、obなど古楽器独特の高域倍音が滑らかで、こちらが一枚上手か、自然で生っぽく聴こえる。
MAK Te lp
録音は1984年で、アナログ盤も終りの頃だが、カッティング技術などは最高に達した頃だろう、内周いっぱいまで刻まれているが、問題なく聴ける。音盤方式の違いよりも、音がどう仕上がっているかにかかっているようだ。
MAK Te lp2

テレマンの水上の音楽《ハンブルクの潮の満干》はフランス序曲を持つ組曲として特に好きな曲で、長大な序曲、付点リズムのグラーヴェはじっくりとした演奏、アレグロに入ると、とても単純なフーガの動機が印象強い、ゲーベルはここを極めて闊達に開始する。
ハンブルクの潮の満干
グラーヴェからアレグロに入るところ
vnやvaには単純な動機のみ弾かせ、obやバスが素早い動きになる、これが躍動感として効いている、テレマンらしい引き付け方。この後は全パートが対等に活躍、ob二重奏の部分などポリフォニックだが、リズムの快調さを補い合う書き方、全パートユニゾンのパッセージが入ったり、快調な中に変化を織り込む。グラーヴェを挟み、アレグロを反復する。
続く舞曲はいずれも海の神々や描写音楽で表題をもつ、テレマンは民族音楽から影響を受けた作風も取り入れ、斬新に聴かせる、ゆったりした楽章、切れ味よい楽章、ゲーベルの演奏は対比があり、第7曲「嵐:吹きすさぶアエロー」は嵐らしい描写だが、長調であまり緊迫感がないのが面白い。
テレマンは作品が膨大なので、知らない良い曲もまだ沢山あるだろう;

category: G.P.テレマン

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宇宙の回転構造Ⅳ:銀河風  

星形成が爆発的な銀河では銀河風(スーパーウィンド)を吹き出しているものがあります。
一方、銀河中心に超巨大ブラックホールがあり、そこからピンポイントに吹き出す銀河ジェット(宇宙ジェット)がありますが、これとは区別します。

M82のパルサー
M82は天体望遠鏡でよく観測した、横から見た渦巻き銀河に見え、わずかに凹凸が見えたがそれは不明だった、今思えば一部がガスで遮られていたんだとHSTの詳細画像でわかるが、この壮観さには驚いた次第。
銀河の合体などで星形成が活発な銀河は多数生れた星の出す紫外線に加え、短命の巨星の超新星爆発も集中的に起こり、銀河風を放出するが、おおぐま座のM82は近傍にあるM81銀河の重力の影響でにスターバーストを起こしていると考えられてきた。中央の上下にガス雲が噴出している、赤い色はおもに水素の色。
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M82 可視光拡大画像
中心には中型級のブラックホール:M82 X-2があるとされてきたが、2014年、NASAのチャンドラX線観測衛星により、中心にあるのは1.37秒間隔で明滅するパルサーが正体だとわかった、観測史上最も明るいX線を出すパルサーである。
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M82 可視光とX線画像(青)の合成
動画→パルサーの明滅
ブラックホールほどの質量を持たないパルサー(中性子星)がなぜこれほどのエネルギーを放つのか?伴星から凄まじい勢いで物質を取り込んでいるためとか、仮説が立てられている。
M82の銀河風もこのパルサーが大もとで、中心部に集中しているように見える、銀河ジェットと言う要素もあるのか?迷ってしまう;

NGC 6240
一方こちらは天の川銀河サイズの2つの銀河が合体し、激しいスターバーストが起きているところ。短命な大質量星が数多く超新星爆発して塵やガス雲を拡散させる。中心では2つの巨大ブラックホールが接近して廻りあっているそうで、これがより活動的にしていると考えられる。
ngc6240.jpg
NGC6240 可視光
こちらは銀河全体から銀河風を吹き出し、高エネルギーのX線画像ではガスの広がりは30万光年に及ぶ、ガス雲の温度は700万度以上とみられる。
ngc6240X.jpg
NGC6240 可視光とX線画像(紫)の合成
この合体銀河はガス雲の消費度にもよるが、最終的に楕円銀河になる可能性もあるらしい。

category: 宇宙・天体

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B.ヴァイル:ハイドン 交響曲No.102  

当地は今日は暑くならず、カラリとした天気で心地よい西風、鯉のぼりが泳ぐには絶好の日和でした。少子化にもかかわらず、鯉のぼりの需要は順調だと聞きます。ところが我家の近辺、町内を見まわしても、鯉のぼりをあげている家が一軒もないんです;お隣が上げないからうちも省略しよう、てな具合か、みな室内鯉のぼりだったり?

さて、午後に届いたのがこれ、ブルーノ・ヴァイル指揮、カペラ・コロニエンシスのSACDで、ハイドン、交響曲No.102、103、104のアルバム。
b w hay sym102
ブルーノ・ヴァイル指揮、カペラ・コロニエンシス
2013-2014年 ライヴ録音


今日は102番を聴く、録音の鮮明さは目の覚めるほど、オケの細部が分離して聴こえる、弱奏では弓が弦に当たる音まで・・おなじライヴ録音でも、ミンコフスキ盤を大幅に凌ぐ。
ヴァイルはターフェルムジーク・バロックOの指揮で聴いて以来だが、これらロンドンセットも細部を練ったというより、速筆的で活き活きと聴かせる。
交響曲第102番 変ロ長調
第一楽章、序奏は速めで清々しい、主部は幾分快速だが程良い、カペラ・コロニエンシスは一際透明感があり、金管とtimpによる量感、というより、パンチを効かせ演奏を骨太にしていく、この録音ではコントラバスの低音もよく押し出すので、軽薄な響きではない、展開部から再現部まで、期待どおり豪快さを増していく。
第二楽章、涼やかな弦にvcソロが古雅な味わいを聴かせ印象的、なだらかな強弱の起伏、澄んだ響きによるハーモニーが良い、突如襲う強打、すっと引く弱奏、最後にはミュート付きtrpの効果が明確、当曲の楽器編成本来の楽しみを十分聴かせる。
メヌエットは速め、ざっくり鋭角的なミズムと力感で満たす、トリオはしばしの安らぎ。
終楽章、快速だが記録的というほどではない、緻密さも聴かせる適切なところだ、カペラ・コロニエンシスのアンサンブルは申し分ない、展開部の入りが豪快、曲のエネルギーを存分に出す、終結にかけて斬新な書かれ方だが、そこも上手く表現。
ヴァイルに期待することを十分満たしてくれた演奏だ。103、104番はあらためて。

category: F.J.ハイドン

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W.サヴァリッシュ:シューマン 交響曲第1番「春」  

GW恒例、複数の中古盤ショップによる合同セールにちらっと行ってきました、数が多いので、探すのも潮干狩りのような気分;根を詰めるとしんどいので、適当に切り上げてます^^;
目に着いた1枚、W.サヴァリッシュのシューマン交響曲No.1、No.4(EMI)のLP、じつはCD化されたものは持っているが、'72年録音で、新しいカッティング技術によるもの、とのことで興味あるところだった。
sawa sch sym 1
ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮、シュターツカペレ・ドレスデン
1972年 EMI


しかしシューマンの交響曲は時間的に35分前後とLPの片面に収めるのはちょっときついのが気になる。たしかに音の厚み、押し出し感は遠慮気味、ただ弦のサウンドの滑らかさは大差はないがLPに軍配が上がる、幸いスラッチは少ないので、ボリュームを上げ、トーンコントロールのBASSを少し強調した、サブウーファーも連動する設定、
AMP.jpg
不足感が補われ、広く音場が広がる、これでOKだろう、
トレーシング歪みを補正するカッティング技術が使われ、内周もクリアとのことだが、たしかに終楽章まで問題なく聴けた、マイクロリニア針の効果も加わっていると思われる。
LP_20160505090858865.jpg

さて演奏は、
交響曲第1番 変ロ長調「春」
第4番の演奏でもサヴァリッシュらしさがひじょうに効いて、魅力あるものだったが、第1番も同様、序奏からきりっと引き締め、主部に入ると快速ぎみなテンポで、キビキビとした基調、シュターツカペレ・ドレスデンがぴしっと応える。展開部から終結へと気を緩める間もなく引き込んでいく。続く楽章も手堅く、隙なく決める。
シューマンにサヴァリッシュはぴたりとくる感じだ。

category: シューマン

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