Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話題など

「見た目」から入る  

はじめて13~14コースのバロックリュートを目にしたとき、その弦の多さ、ネックの外にまで張ってある様子がすっかり気に入ってしまいました。micha
13c lute
もちろん音色や音楽にも魅了されましたが、弾きたいと思った一番の動機は「弦の多さ」だったように思います^^;普通、「面倒くさそう」と思われそうですが、自分には壮観でした。
ほかのリュート弾きさんは・・やっぱり「音」ですかね?^^
開放弦のみで弾くバス旋律の表情的でない、ぶっきら棒なところもいいんです。

19世紀になってもこのような多弦ギターがありました、
多弦G
6弦までと、それ以下の低音弦の間が開けてあるのは親指でも押弦するテクニックがあったからで、細い"手すり"のような部分はその親指が低音弦に触れないためのガードレール。

20世紀でもやはり、イエペスが使った10弦ギター、セルシェルが使う11弦ギターなどがありますが、あまり多く普及した様子は見られません、ギターのオリジナル曲は殆どが6弦用で、使い道が限られるのが原因かもしれません、使いこなせば素晴らしいのですが。
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動画:イェラン・セルシェル(11弦ギター)
Partita in C minor BWV 997, Sarabande J.S.Bach Goran Sollscher

category: 楽器について

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エウロパとエンケラドゥス  

9月26日、NASA宇宙望遠鏡科学研究所が木星の第二衛星、エウロパに水蒸気の噴出らしいものを観測したというニュースがありました。2012年にも別のチームがエウロパの南極域に同じ様子を検出しており、今回、NASAのHSTによる観測で確認されたわけです。micha
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エウロパ 観測画像(HST)
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エウロパ:間欠泉?想像図
衛星から間欠泉が吹き出す様子は土星の衛星エンケラドゥスでも探査機カッシーニにより、鮮明に捉えられていて、エウロパは2例目となります。エウロパとエンケラドゥスはいずれも中心の巨大惑星を楕円軌道で周っており、近づいたときと遠ざかったときの潮汐力の差で、引き伸ばされたり戻ったりを繰り返し、内部に摩擦熱が生じ、下層の氷は溶けていると考えられる。
Europa c
強調図
また、両衛星の表面には古いクレーターが見られないことから、氷の表面は絶えず変化しているだろう。エウロパの表面に縦横に走る亀裂は変化が激しいことを示しているが、新たな亀裂が生じた際、一瞬でも隙間ができれば下層の水が噴き出すのはあり得ることで、見つかるべくして見つかった、と言えるかもしれない。
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エウロパ:表面(探査機ガリレオ撮影)
現在、木星に送られている探査機ジュノーは木星本体の探査が目的で、衛星の探査には転用できない。NASAはエウロパに新たな探査機を送り込む計画をしているそうで、この発見で予算を投入する価値が確認できたことになる。特定の場所からの間欠泉なのか、あちこちから不特定に噴き出すのかによって探査の仕方も変わるでしょう。

因みに、探査機カッシーニが調べたエンケラドゥスの噴出物からは有機物が確認され、また鉱物の粒子、ナノシリカが検出されている、
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エンケラドゥスと間欠泉(探査機カッシーニ撮影)
ナノシリカは海底で90℃以上の熱水が噴出し、すぐに冷やされたときにできるそうで、熱水噴出口がある可能性を示すとされる。

category: 宇宙・天体

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K.ベーム:モーツァルト 交響曲No.38「プラハ」& No.39(LP)  

一度はアナログ盤再生をやめてしまったので、今持っているLP盤は殆ど再集収したものですが;今日は珍しく新盤で買った時から保存していたものです。ベーム指揮、VPOでモーツァルトの交響曲「プラハ」と39番、最後に針を下ろしたのは恐ろしく昔^^;これをML針で聴いてみようと、ふと取りだしました。1979年録音なので、本当にベーム晩年近い頃です。バランス・エンジニアはG.ヘルマンス、あらためて聴くとDGらしい音質ですが、あのフィリップス盤を思わせる、各パートが詳細に聴ける好録音です。
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カール・ベーム:指揮
ウィーン・フィルハーモニーO
DG:1979年 ウィーン、ムジークフェラインザール


交響曲No.38ニ長調「プラハ」
第一楽章、序奏から筋金の入ったような整いぶり、甘ったるい要素はない、主部はわりと速めで、整然と進め、提示部を反復する、常識的だが熟練の職人が手を抜かず、しっかりしたパーツで組み上げていくような感覚、この武骨さで、展開部はこの上なく引き付けられる。
第二楽章、アンダンテ、あくまでストイックに弱奏も強奏も極端にならず、気取りも飾りっけもない楷書的演奏が飽きさせない。
終楽章、第一主題をポリフォニックに扱うのが聴きどころだが、展開部の184小節、
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低弦からfで入るところにぐっと力感を入れて、(1st,2nd vn)と(va,vc)が2声で行く対位法の立体感に引き込まれる。

交響曲No.39変ホ長調
第一楽章、序奏はtimpがずっしり堅牢な感覚、主部は普通のテンポで行くが、弦の内声やクラリネットの目立つ木管がくっきり分離して聴こえるのが快調で心地よい、
第二楽章、アンダンテ・コン・モート、この緩抒楽章も1音1音、筋金が入り、スマートじゃないけど味わい深い。
メヌエット、アレグレットの傑作メヌエットは、近年は速めで軽やかな演奏が主流だが、ベームはじっくりスタッカートを強調、
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冒頭vnの重音もじわっとじゃなくズバっと鋭い始まり、いわゆるガッチガチの演奏だが、これが嫌味なく、逆に嵌められてしまい、少々驚いたしだい。
終楽章も急がず、骨組みがっちりと聴かせる。時代の流行とは一線を隔した正装スタイルというか、'70年代前半に録音したベートーヴェンよりがっちりしたモーツァルトに聴こえる。

category: モーツァルト

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バイメタル現象  

バイメタルというローテクな仕掛けのサーモスタット(温度調節器)があります、膨張率の異なる2枚の金属板を合わせ、温度変化で曲がったり戻ったりしてスイッチをON、OFFする仕掛けです。渦巻き状に巻いたバイメタルは温度計にもなります。micha
Wikipedia:バイメタル
これと似たことが弦楽器のネックで起こります、こちらは温度より湿度変化の影響ですが、指板材のエボニーとネック材(マホガニー等)の膨張率が違い、ネック材のほうが変化が大きいので、夏は順反り、冬は逆反りの傾向になります。(弦の張力は除外して考えます)ギターはネック部分が長いので影響が出やすいかも、
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強調図
あまり自分では気にしたことなかったですが、他の人によるとギターは冬と夏とで弦高が少し変わると聞きました。一頃持っていたKONOギターはネックの裏にエボニーのバーが嵌めこんであり、反りの防止だと思いますが、
kono g
どれくらい効果あるのか、一応、反りが生じて困ったことはなかったです。

リュートの場合、ネックの裏面にもエボニーか、それに近い材質のツキ板が貼られたものが多いですが、これが反り防止になっているかも知れません?ネックの短いルネサンスリュートは殆ど問題なさそうですが。
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ギターはサドルの高さ、リュートはフレット弦の太さである程度、変化に対応できますが、オールシーズン対応に調整したいものです。

category: 楽器について

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赤色矮星とアイボール・アース  

空に見える星々のうち、本当に大きくて明るい星はわずかだそうで、赤色矮星(Red dwarf)という小さくて暗い星が8割近くを占めるらしいです、もっと小さな褐色矮星や浮遊惑星になるとさらに多いでしょう。
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赤色矮星 NASA
最近話題になっているのが、この赤色矮星の周りに地球サイズに近い惑星が続々と見つかっていることです。観測法はケプラー宇宙望遠鏡のように恒星の前を惑星が横切る際の減光で捉えるトランジット法、また大型望遠鏡で惑星の重力による中心星の揺れで確認するドップラー法とあります。赤色矮星は暗いので小さな惑星が横切った際も減光の割合が大きく、トランジット法で見つけ易いそうです。

先日、最も近い「ハビタブル惑星」発見で話題にした、プロキシマ・ケンタウリも赤色矮星で、その周りに地球サイズに近い惑星、プロキシマbが発見され、ハビタブルゾーンにあるというニュースがありました。ドップラー法で見つけたそうですが、これは一周が11.2日と中心星に極めて近いところを周っているため、潮汐力で常に同じ面を中心星に向けている可能性が高く、その様子はアイボール・アース(Eyeball earth)と呼ばれる。また中心星から受ける紫外線も極めて強いことになる、しかし生命について絶望的になる必要はないかもしれない。
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アイボール・アース NASA
仮にこの惑星が上の想像図のように全面、水と大気に覆われたタイプのアイボール・アースだとして、ゴダード宇宙科学研究所の科学者の一説では、この惑星は反面が常に昼、裏面が常に夜だが、昼側で暖められた大気が夜側にも循環するので、極端に寒くはならないという(気象的には激しいかもしれないが)、また海の水も下層では液体で循環しているかも?
夕陽の当る領域からやや裏側あたりが最も良い環境かもしれない、紫外線の脅威も海底近くや、夕暮れ~夜側なら避けられる。
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人類の移住先としては陸地が必要だが、全面が水の惑星でも大部分が凍った表面なら陸の代わりになるかもしれない。

2018年予定のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が運用されれば、プロキシマbの大気成分や表面の色彩などを調べ、どんなタイプの惑星かわかるようになるかもしれない。
さらに2030年代運用計画の解像度がHSTの5倍という、高解像度宇宙望遠鏡(HDST)が実現すれば、恒星と惑星を区分けして詳細な観測に威力を発揮すると期待される。
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High definition space telescope (HDST)
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主鏡比較

category: 宇宙・天体

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N.マリナー:ハイドン 交響曲No.104「ロンドン」  

クラシックの演奏も時代とともに、演奏美学やスタイルも変わっていきます、特に古典派や初期ロマン派はその影響が大きく出るので、過去の録音を聴く場合、それを踏まえて聴く必要があります。ネヴィル・マリナーのハイドンも'70年代的なところが少なくないですが、最も早く現在に通じる演奏を聴かせた人で、その点、期待を外れる演奏はありません。
今日はA面の「オックスフォード」だけ聴いて忘れていたLPのB面、「ロンドン」です。マリナーのロンドン・セットはCD化されていない?下手なCD化より、LPが良いですね。
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ネヴィル・マリナー:指揮
アカデミー室内O
1977年録音 フィリップス


ハイドン:交響曲第104番ニ長調「ロンドン」
第一楽章、序奏は堂々と始まるが、弱奏はぐっと対比をつけて引き付ける、主部は快活なテンポでちょうど良い、楽譜はR.ランドン版を用いていると思われるが、fとなる32、34小節にあるレガート記号をマリナーは取り払い、スタッカート気味に切り立てる、
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R.ランドン版
このほうがマリナーの演奏スタイルに適合する、典型的なソナタ形式で見事な展開部、弦の内声がよく聴こえ、細部を緻密に味あわせる、しっかり対比をつけ、大味にならず小気味良いサウンドでまとめる。
第二楽章、変奏形式だが、ゆっくりめのテンポをとり、ひじょうに弱奏で始める、この曲唯一のカンタービレな楽章を印象づける、短調の中間部はダイナミック、じっくり進めた分、壮大さが効いてくる。
第三楽章、アレグロのメヌエットはマリナーらしく引き締め小気味よい。
終楽章がさらに良い、速めのテンポで押しどころ引きどころを明確にした、流麗甘美とは無縁な理知的感覚、畳みかける快演でしめくくる。

*カーリッジはAT440MLbで聴いた、当盤はフィリップス盤としてはやや硬質に感じる、ML針の効果で終楽章までトレース性良く聴けるのは良いとして、AT社いつものVM型らしい音、これでもう少しメロウで暖色サウンドの製品もあると良いのだが。
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category: F.J.ハイドン

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昭和のクリームソーダ  

べつに昭和じゃなくってもあるでしょうが;子供の頃、デパートの食堂や喫茶店に行くとこれが好きでよく頼んでいました、大抵、メロンソーダにバニラアイスが定番でした。
昨日は自宅で再現^^
クリームソーダb
スプーンでソーダ混じりのバニラアイスを食べるのが、飽きない美味しさです。
今、市販の飲料でこういうメロンソーダって見かけませんね、このメーカーは昔ながらの飲料を結構作っています。→ チェリオ メロン
ちょっと濃い目に作ってあって、氷が少し溶けたくらいがちょうどいい、気の効いた商品です。スーパーやコンビニには置いてないようで、数少ない自販機を見つけて買います^^

PS.→ サントリーのメロンソーダもありますが、これも自販機もしくは通販限定らしいです。

category: 時事・雑記

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星に手が届くⅡ  

夜空の星々、あれはどれくらい遠くにあるのだろう、という謎は人類史始まって以来のことだろう、そのとてつもなく遠い距離が今、測れるようになったというのにわくわくする。
2013年12月にヨーロッパ宇宙機関(ESA)により打ち上げられた天文衛星「ガイア」は地球から150万kmの距離にある観測ポイントのL2点(太陽から見て地球の背後にある重力安定点)の周りを周回している。gaia
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天文衛星「ガイア」:ESA
ガイアは地球を中心に天の川銀河の直径約半分に当る範囲(半径約3万光年)の星々の距離や動きを年周視差の測定法で、5年計画で観測している。星の立体地図を作る計画だが、距離を知ることは天文学全ての出発点となる。中間報告だけでも知りたいところ、情報が入ってきた。
打ち上げ後1000日目となる9月14日、ESAはこれまでの観測でわかった約10億個の星のカタログを公開した、この内、200万個を超える星は距離と固有の動きもわかったそうだ、このためには同じ星を平均70回も観測する必要がある。動きがわかれば、個々の恒星同士の重力の関係、また銀河内での天体力学もわかってくる。
ヒアデス
ガイアによる、おうし座ヒアデス星団の立体データに基づく動画
From the Solar System to the Hyades cluster

観測した領域の跡
ガイアが観測した領域
拡大画像:ESA

観測した中には多数のケフェイド(セファイド)変光星があり、ガイアでわかった正確な距離と明るさ、変光周期との関係をより精度の高いものとできる。これでケフェイド変光星が観測される別の銀河の距離も正確に知ることができる。
18世紀初頭には光の速さが正確に知られていた一方、天の川銀河の大きさや外部の銀河の距離というのは20世紀初頭までは皆目わからなかった、これを打開したのがケフェイド変光星の法則の発見である。
*ケフェイド変光星は変光星の一種で、星の実際の明るさと変光周期には比例関係がある(大きく明るい星ほど周期はゆっくり)、よって変光周期と観測上の明るさから距離を求められる。

おそらく肉眼で見える星は殆どガイアの観測データに入るだろう、アンタレス、ヴェガ、シリウス等々・・季節の星座を彩るお馴染みの星達の距離や動いていく方向など正確にわかるようになる、というだけでも興味深い。
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「ガイア」の打ち上げカプセル:ESA

category: 宇宙・天体

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カートリッジ Shure Whitelabel  

いったい誰の影響なのか、デジタル世代の息子がアナログ再生しています。新しく買ったというカートリッジを持ってきました、新製品のShure:Whitelabelで、ちょっと借りてクラシック盤の再生をしてみました、ひとまず針圧は2.5g、
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同社MM4Gのような重たいサウンドではないが力は十分ある、高域もよく出て弦楽の音がキメ細かく上質な感じ、クラシック再生にも自然な感覚で使えそうだ。

ただ問題が一つ、シェルと一体型の製品で、息子の使うターンテーブル(テクニクス)のアームには問題なく取り付くが、私の(DENON)のアームには差し込みの抵抗が強く、付け根までしっかり絞められず、少々グラつく、このせいか盤面の後半を過ぎるとトレーシングエラー(ビリつき)が目立ってくる、製品の固体的問題か、メーカー間の標準規格の取り方にズレがあるのか?因みにこれ以外のヘッドシェルならすべて問題なく取り付けられる。
Whitelabelは2つあるので両方試したが同じだった、原因は差し込み部にあるガイド突起が他のものより太いようだ、
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マイクロメータで数社ヘッドシェルのガイド突起の径を確認したところ、
Shure Whitelabel: 1.037mm
AT社: 0.953mm
DENON: 0.952mm
Yamamoto Sound: 0.953mm

明かに、Shure Whitelabelだけ太い、
シェル
DENONのターンテーブル、DP500MとDP-1300MK2のアームは共通で、少なくともこれらにはWhitelabelの取り付けは不具合があるかもしれない?

PS.水平確認も大事ですね、ターンテーブルは前後左右、カートリッジは左右のみ、AT社のヘッドシェルは上面が平坦で確認しやすいです。
水平
水平器の赤の円は気泡が中央に来ることを確認するためにあり、「この範囲にあれば良い」という意味ではない;

category: オーディオ

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N.マリナー:ハイドン交響曲「告別」「時計」(LP)  

ハイドン・シンフォニーの本当の美味さを最初に聴かせてくれたのがN.マリナー&アカデミー室内Oでした。アカデミー室内Oの卓越した腕前とフィリップスの名録音がそれを見事、音盤化しています。今日は聴き忘れていた「告別」と「時計」の1枚です。
ma hay sym101
ネヴィル・マリナー:指揮
アカデミー室内O
フィリップス(輸入盤)


第45番嬰ヘ短調「告別」はそれまでロマンティックな時代の感覚で捉えた演奏が多かったが、マリナーはヤワではない、まさに疾風怒涛を踏まえた演奏、
第一楽章、アレグロ・アッサイは'70年代の当時聴いたら驚きそうな急速なテンポ、アカデミー室内Oの巧みなアンサンブルで完璧に整っている、50小節からの不協和を鋭く強調する。
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全体は冒頭に出る単一の主題で集中的に書かれているが、展開部の終りにこの主題が一時の安らぎのように初めて出る、
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このあと形式上、再現部に入ってからの転調による深みがさらに聴かせどころとなり、この異例の書き方はハイドンの才気が冴えている。
第二楽章も疾風怒涛期らしい傑作、アカデミー室内Oの清涼な弦の弱奏が深みへ誘う。
メヌエットや終楽章も良く整い、終楽章で"退場"する前の第一ホルンの上手さが印象的。
この曲の逸話が事実としたら、「家に帰りたい」楽員達の希望をさりげなく優雅に主君に気付かせる、ハイドンのセンスには脱帽といったところ;

第101番ニ長調「時計」はまず第一楽章、序奏でアカデミー室内Oの美音で引き付け、主部に入ると、速めで快活、全般に言えるがダイナミズムの表現が長く引かず瞬発的で歯切れ良いのが、快演の秘訣のようだ。
第二楽章、始まりの弦とファゴットによる振子のリズムからして、マリナーは余韻を持たせ、神経の通った美音を印象づける、木管の上手さも耳をひく、マリナーは緻密に設定したアーティキュレーションで一瞬もおろそかにしない。
メヌエット、この時期として普通のテンポだが、ダイナミズムが重っ苦しくないのが良い。
終楽章はわりと速めだが、さすがにアカデミー室内Oはかっちりと決める、またtrpの透明な響きが心地良い。

category: F.J.ハイドン

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断線か?  

16号はしぶといですね、こちらも結構降っていますし、台風らしい風も吹いてます^^;
お気に入りのフィリップスのアナログ盤を聴こうと思っていましたが、さすがに今日は雨音はうるさいし、何もできません;明日ゆっくり聴きます;

しばらく使っていなかったカートリッジAT-F7を取り付けてみたら、右チャンネルが鳴りません?他のカートリッジはOKなのでアーム側は問題無さそう、たぶんリード線の断線か接触不良と思い、交換しました。
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交換後
AT社の少し上級器を買うと、PCOCC材リード線という太いのが付属してきますが、硬くて曲げにくく、プラグとの継ぎ目が断線しそうだし、あまり好きじゃないです;他の付属で付いてきた細いリード線に替えたらOKでした。取り換えの際はこんなラジオペンチがあると便利、先にギザギザがないタイプで傷もつきません。
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わずか2cm程度のリード線にだけ上質材を使う意味ってあるんでしょうか?うちのプレーヤーはアームの中を非常に細い線材が通っています、201405302240389e9_20160920162219e45.jpg
ここに太い線を入れたらアームの動きに支障がでるので、細くてしなやかな線材しか使えないでしょう。

category: オーディオ

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W.サヴァリッシュ:ベートーヴェン 交響曲No.7(1962年録音)  

録音に最も拘った指揮者がヘルベルト・フォン・カラヤンだそうですが、彼はオーケストラを理想的に聴けるのはコンサート・ホールのごく一部の場所しかなく、録音なら全ての人が理想の位置バランスで聴ける、という理由です。そのわりにカラヤンのD.グラモフォンの録音って理想バランスに聴こえるのは少ない気がしますが?;

今日はしまいこんであったW.サヴァリッシュ指揮のベートーヴェン交響曲第7番イ長調、1962年録音の旧フィリップス(現デッカ)盤です。これが'60年代のフィリップスの名録音と言える逸品、CD化されているが、マスタリングが良いのか、サウンドは滑らかで心地よい、スコアの全パートが明確に聴こえてくる希少な音盤です。
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ウォルフガング・サヴァリッシュ:指揮
ロイヤル・コンセルトヘボウO
1962年録音
 


第一楽章、序奏の総奏音から、バランスの良い好印象、弦も充実しているが、木管が前に出て色彩感豊か、主部に入ると程良く快速、覇気に満ちた演奏、弦の内声もよく味わえる、2nd vnの細かな動きなど、躍動感の源、(これが聴こえにくい録音が多い)
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第二楽章、テンポは普通くらいにとる、イ短調に始まり、イ長調となる、ハ長調に変わった2小節目でtrpとtimpがppで鳴らされるが、
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こうした忍ばせたような弱奏の効果も明快な録音ではじめて気づく。
第三楽章、スケルツォも中庸か快速気味、トリオの金管とtimpの高鳴る部分、サヴァリッシュはかなりエネギッシュに轟かせる。
終楽章、期待どおり、荒っぽさはなく、気迫と理性が伝わってくるような演奏で終える、ザヴァリッシュ38歳の時の覇気冴えわたる演奏。

いわゆるオーディオ的に満足できる録音と、詳細に鑑賞できる録音とは少し違うかもしれない、当盤は後者になる。

category: ベートーヴェン

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J.E.ガーディナー:シューマン 交響曲No.1「春」  

しかしジメジメした日が続きますね;すっぽり秋雨前線に覆われている、micha
201609181830-00.jpg 気象庁 18:30
エアコンは「除湿」のみにして過ごしています。

さて、シューマンの興味深い演奏、ほかになかったか探したところ、すっかり忘れていたのがこれ、ガーディナー指揮するオルケストル・レヴォリュショネル・エ・ロマンティクによる交響曲で、ロマン派時代に合わせたピリオド楽器による演奏です。
ガーディナーのノートによると1840年代のライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団にならい、編成を50名程にして、シューマン時代の音響を再現したそうです。弦楽の響きは透明サウンドだがある程度力強さを得ています、管やtimpも良いバランスで前に出て、まさに作品の表現にぴったりの響きに思います。
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ジョン・エリオット・ガーディナー:指揮
オルケストル・レヴォリュショネル・エ・ロマンティク
1997年5月録音、ワトフォード ARCHIV


交響曲第1番変ロ長調「春」
第一楽章、序奏の金管のファンファーレは光沢の美しい響き、弦楽も思ったより力感に不足はない、ガーディナーは徐々に加速して、主部に入ると速いテンポでキビキビした切れ味、短い余韻のtimpが瞬発的に引き締める、展開部もこの動機リズムで占められ、
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じりじりと迫ってくる、終結ではさらに加速して引き付ける。
第二楽章、この楽章はシューマンがベートーヴェンの緩抒楽章を参考にしたと言われるが、確かにゆったり流れるテーマに各パートが変奏要素を重ねて行く、また楽器の用法も「第九」や「田園」を思わせるところがある、ガーディナーは涼やかに聴かせる。
第三楽章、スケルツォはニ短調となる、ガーディナーは快活なテンポで結構エネルギシュに開始、第一トリオのテーマは第一楽章主部に近似している、快活な第二トリオも置かれる。
終楽章、華やかな導入があり、すぐ主部に入る、ここもガーディナーは快速に切れ味よく進めて行く、オケのアンサブルも見事で総奏部の強奏が常に爽快で整っている、終結部も加速しながらも整え、痛快に決める。こんなに耳心地良い演奏はほかに聴けないかも。

第4番もカップリングされているが、こちらはあらためて。

category: シューマン

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W.サヴァリッシュ:シューマン 交響曲第3番「ライン」ほか(LP)  

先日の交響曲第4番も含め、サヴァリッシュのシューマン:交響曲はCDで全曲持っていましたが、LP盤の再生音が素晴らしく、「ライン」も取り寄せました。曲の長さからA面、B面に分けられ、スペースに余裕があり、一段と充実サウンドで聴けます。やはり弦楽がつややかで生っぽい、本物の音だなという気がします。最後に「マンフレッド」序曲が入っているのも良い。
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ウォルフガング・サヴァリッシュ:指揮
シュターツカペレ・ドレスデン
1972年録音 EMI


交響曲第3番 変ホ長調「ライン」
シューマンが1850年、デュッセルドルフの管弦楽団の音楽監督に就任したあとの作曲で、ライン川を下る様々な情景を5つの楽章にした、交響詩的でもある作品。
第一楽章は「ライン下り」の始まり、ローレライ付近、渓谷の急流のような躍動感で満たされた楽章、対位法を散りばめた彫りの深さも聴かせる。
第二楽章はスケルツォだが、ゆったりした民謡風でライン川の流れは穏やかになる、コブレンツからボンの情景。
第三楽章はライン川の夕刻か、さらに穏やか、ボンからケルンの情景。
第四楽章はケルンの大聖堂、この壮麗な大聖堂に感銘をうけ、この交響曲を思い立ったとのこと、変ホ短調となり、荘厳な主題がカノンで連なっていく深い曲相で楽章全体の雰囲気を変えずに終わる。
第五楽章はデュッセルドルフの祭り、第四楽章と対照的に祝祭気分で華々しく終わる。

サヴァリッシュはいつもながら率直な表現で、妙に捻ったところはない、自然と湧きあがる力感と推進力で常にきりっと引き締まり心地よい。B面に追加された「マンフレッド」序曲も同様で一番の名演に挙げたい、
スコアの131小節、"pp"から突如"f"へと、弦とファゴットのみで立ち上がるところ、
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「マンフレッド」序曲より、vnパート
意外なほど力感を込めるが、これもサヴァリッシュらしい目の覚めるような気迫、ブラームスの交響曲の演奏でもこうした場面があった。

category: シューマン

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2世代の星を持つ星団  

これまで、年老いた星々の集まり、球状星団の話は何度か取り上げましたが、また特殊な星団が見つかったようです。いて座1万9000光年にあるターザン5は一見普通の球状星団に見えますが、イタリア、ボローニャ大学の国際研究チームがVLTやHSTを用いた観測により、約70億歳の年齢差がある、新旧2世代の星から成っているとわかったそうです。
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ターザン5 :ESO
またターザン5の星々は天の川銀河の中心部(バルジ)を構成する星々とよく似ているとのこと、これは何を意味するのだろうか?

以前に書いた記事:に大マゼラン雲にある球状星団NGC1783(16万光年)にも「青色はぐれ星」とは別の若い星々が多いと挙げました、
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NGC1783 :NASA
これも大きく3世代の星に分かれ、このNGC1783が星間物質が豊富な大マゼラン雲の中を通過していった際に新しい星の材料を補給していった、という説がありました。星が極めて密集した球状星団は1つの強い重力をもった塊とも言えるでしょう。
また銀河合体により非常に密度の高い分子雲ができると、一斉に密集状態で星が生まれ(爆竹分子雲)、球状星団になるという考えも有力のようです。
NGC 4038-4039
爆竹分子雲が発見された合体銀河 (触角銀河)NGC 4038-4039:NASA

今回のターザン5は高密度の分子雲と合体し?若い星が多数生まれ、2世代構成になったのかもしれない。また銀河バルジを構成する星となるはずだった一団の星が固有運動や重力の影響で銀河を周回するようになったのかもしれない。
いずれにしても球状星団は銀河考古学の重要な化石と言えるでしょう。

*球状星団:宇宙の初期には銀河同士が混み合い、合体の頻度が高かった、その際、分子雲が高密度に圧縮され、球状星団のような密集した星団も多く生まれた、やがて宇宙が膨張し、このような銀河合体の確率が減り、新たな球状星団は作られにくくなり、今見られる殆どは宇宙初期の年老いたものばかりと考えられる。
*散開星団:これは現在も形成される、一つの星雲の中で同時に生まれる兄弟星で、肉眼で見えるプレアデス星団などがお馴染み、
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プレアデス星団
散開星団は星の密集度が低いので、重力の結びつきより固有運動の力が大きく、やがて散り散りになっていく、われわれ太陽もこうした星団で生まれたと考えられる。
密集度の高い散開星団、あるいは密集度の低い球状星団、と言えるものもあっただろうが、これらも集団を維持できず、散逸してしまい、長く集団を維持できているのは、一定以上の質量の球状星団だけと思われる。

category: 宇宙・天体

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パッサカリア、シャコンヌ  

バロックに欠かせない音楽形式のひとつ、フーガはじつに数多の曲が書かれて、大バッハはその集大成をしていますが、もう一つ重要で魅力あふれる形式にパッサカリア、シャコンヌ(チャコーナ)があります。両者の区別は不明確で、決まったバスライン、オスティナート・バスと和声進行が繰り返される変奏曲の一種、適宜変形されるが和声の基本パターンは同じ繰り返しです。(厳格にバスラインを繰り返す変奏にグラウンドがあるが、イギリスのH.パーセルの作品などにある)。micha
この形式は単純なバスにアルペッジョなど駆使した変奏を行う点で、リュートには相性のよいもので、バロックリュートが謳歌したフランスではひじょうに多く書かれました。ルイ・クープランなどのクラヴサン音楽は当時のリュート音楽の影響を受けていると聞きます。このシャコンヌなど、フランス・リュート曲にもありそうな雰囲気です。
動画→Louis Couperin - Chaconne from the Bauyn Manuscript in d-minor
リュートを集大成したシルヴィウス・レオポルト・ヴァイスも良い曲を書いていて、リュートを弾く上での楽しみでもあります。
weiss north
動画→Ciaccona in E flat major by S.L.Weiss, performed by Nigel North
因みにリュート上にフーガを書くのは厄介で、作品数も少ないです;

大作曲家に目を向けると、やはり大バッハ、傑作はまずオルガン作品のパッサカリアとフーガハ短調BWV582でしょう、20もの変奏の間、和声進行は維持される、絶大な吸引力を感じます。オルガンによる名演は多くありますが、過去にも紹介した、このペダル・チェンバロによる演奏がとても気に入っています。
ペダルチェンバロ01ペダルチェンバロ02
Pedal Cembalo:Douglas Amrine
チェンバロらしいテクニックが効いていて、オルガンでは聴けなかった魅力があり、不思議と壮大なイメージも失われません。
もう一つの傑作は無伴奏vnパルティータニ短調BWV1004のシャコンヌでしょう、こちらはニ長調になる中間部があり、一曲の中にあらゆる内容を込めた感じです。パッサカリア(シャコンヌ)本来の魅力としてはBWV582のほうが好きですけどね^^

そしてロマン派時代にもブラームスが書いています。お馴染み交響曲第4番、終楽章のパッサカリア、始めて聴いたときはソナタ形式のような整った構成感がなく、延々と問い掛けが続いて解決がない?そんな印象を受けましたが、馴染んでくると、古い形式を活かしたブラームスならではの吸引力が非常に魅力となりました。

category: ルネサンス・バロック

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R.ロレッジャン:B.ガルッピ チェンバロ協奏曲ほか  

ヴェネチア出身のバルダッサーレ・ガルッピ(1706-1785)はG.B.サンマルティーニ(1701-1775)に続く古典派最初期にあたる人で、オペラ・ブッファ作曲家として著名、鍵盤作品も多く残しています。micha
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バルダッサーレ・ガルッピ
Wikipedia
今日はBRILLIANT CLASSICSのチェンバロ協奏曲をメインとした2枚組で、チェンバロがロベルト・ロレッジャン、flトラヴェルソがマリオ・フォレーナ、弦楽がアンサンブル・コンセルト・ムジコによる演奏。
ガルッピ02
チェンバロ:ロベルト・ロレッジャン
flトラヴェルソ:マリオ・フォレーナ
弦楽:アンサンブル・コンセルト・ムジコ
録音:2010年6月10-11日、11月21-22日、イタリア、パドヴァ


ガルッピの当CDになぜか、ハイドンの鍵盤協奏曲Hob.XVIII,No.2が混じっています、どういう経緯か?この曲の筆写譜の一つがガルッピ作として伝わっていたそうで、それだけの理由でここに録音されているらしいです。しかしまあ、良い演奏で聴けるので文句ありません^^
CD1には以下の6曲が入っていて、
・チェンバロ協奏曲 ハ長調
・チェンバロ協奏曲 変ホ長調
・チェンバロ協奏曲 ト長調
・チェンバロ協奏曲 ヘ長調
・チェンバロ協奏曲 ハ短調
・チェンバロ協奏曲 イ長調

バロックの要素も幾分感じさせるものの、前古典派コンチェルトのギャラントな様式は完成していて、どの曲も親しみやすい。いずれも10分程度で小規模だが適宜カデンツァ・ソロが置かれ、主題の趣も初期のハイドンと遠くない。イタリア的な優美な要素も魅力、5曲目のハ短調は他と一線を画したように第一楽章のエネルギッシュなキレ、第二楽章の清涼さなどC.P.E.バッハの作品を予期させるようで少々驚くが、これは魅力な作品。

CD2は以下の4曲、
・フルート、弦楽と通奏低音のための協奏曲
・チェンバロ協奏曲 ニ長調(ハイドン作、オルガン協奏曲 Hob.XVIII,No.2 )
・フルート、チェンバロと弦楽のためのソナタ ト長調(*マリオ・フォレーナ補筆)
・チェンバロ協奏曲 ヘ長調

1曲目のフルート協奏曲はヴィヴァルディ時代とギャラントな時代が融合したようで面白い。ソロのほか弦楽も一人ずつの編成なので、装飾演奏も加えられ、一段と優美。
2曲目が問題のハイドンのHob.XVIII,No.2、オルガン協奏曲 ニ長調No.2で親しんでいる曲だが、ガルッピに続けて演奏されても、さほど異質に感じない、ただ規模や内容の充実度は飛び抜けたものとなる、ロレッジャンのチェンバロによる演奏は快速なテンポで流麗、弦楽も活き活きとした表情でこれまで聴けなかった魅力が溢れる。
3曲目のflとチェンバロの協奏曲ト長調は一段と古典派らしく前進した内容。
最後のチェンバロ協奏曲イ長調も少々規模が長くなり、前進した内容に思える。

冴え渡った演奏で、BRILLIANT CLASSICSには古楽の希少な曲の名演が多いです。

category: その他・古典派

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古楽器はお値打ち?  

私の所持するリュートを含め、現代の製作家が作る古楽器類の価格設定は国際的にも相応か、安いくらいかと思えます、べらぼうに高いのは見当たりません。micha
個人宅に置く楽器で一番大がかりなのはチェンバロになるでしょうが、製作家サイトをいくつか見ても、大きな違いはなさそうです、しかしチェンバロの一鍵ごとに設けられた複雑な機構など考えただけでも、大変なコストでしょう、
Wikipedia:チェンバロ
チェンバロ
さらに美術品としての価値も求められる手工品で、ルッカースやフレンチ・モデルの2段鍵盤でさえ、一般的に見られるあの価格はお値打ちに思えます。

ヴィオラ・ダ・ガンバやリュートは構造こそシンプルですが、凸面や球面をもったボディを作るだけで、かなりの技術が要るはず、微妙な調整や狙った音色にするには洗練された技が要るでしょう、量産できない楽器で日数もかかる、これからしても、製作家の示す価格は安いくらいに思えます。
ガンバ
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ヴァイオリン属も新作は同様でしょう、"歴史的名器"となるとまったく話は別ですが^^;
ただ、モダン系のクラシックギターやアコギなどの有名ブランドは、ハイエンド・オーディオみたいに上を見ればきりがないようで(数百万~一千万とか^^;)、リュートと同価帯で十分良い楽器はたくさんあるんじゃないかと思います。

PS.弦楽器などに多いのですが、まず使い物にならない見た目だけの品も外国の通販サイトによくあります、ネットオークションに出てくる物もほとんどが使えないか、レベルの低いものでしょう;得体の知れないものにはノータッチが一番^^;

category: 楽器について

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ずんだ餅と生せんべい  

大河ドラマ、真田丸をご覧になっている方はご記憶にあると思いますが、ドラマに登場したお菓子です。まず、北政所が手作りで秀吉や信繁に出した、白い餅菓子のようなのがありましたが、これですね、sanada
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田中屋
生せんべいという今も知多半島の名菓として作られている餅菓子です、名古屋のういろうの元となったという説もあり、ういろうよりねっちりした歯応えが美味しい、今は白糖のほか、黒糖味、抹茶味もあります。
そして、伊達政宗が秀吉や諸将の前で餅をつく場面がありました、それに枝豆の餡をかけたのが、ずんだ餅、
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仙臺写真館ギャラリー
これはよく知られていますね、以前、仙台のブロともの方に送っていただきましたが、枝豆があらびき状なのが美味しいんです。
どちらも通販されていますが生菓子なので夏はクール便になるそうです。

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さてまだ先のことですが、真田丸の主人公、真田信繁(幸村)は大阪夏の陣で最後を遂げることになります。その前に信繁は彼の三女、阿梅と弟で二男の守信を敵方である伊達の家臣、片倉重長に託したという説があります。家康は真田信繁の血を引く者は皆抹殺せよと各将に命じていました、経緯には諸説あるが結果的に伊達家は二人を匿い、阿梅は片倉重長の継室となる、守信も片倉の姓で育てられ、仙台藩士となる、守信の8代後に真田に復姓、仙台真田家として、信繁直系の子孫が続くことになります。

category: 時事・雑記

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W.サヴァリッシュ:シューマン 交響曲第4番(LP)  

だいぶ秋めいてきて、エアコンなしで過ごせる時間が増えてきました、最近のエアコンは送風音も静かになって助かるのですが、やはり止めて無音になると、音場の見晴らしがよくなり、涼しい日は好録音盤をじっくり聴こうと思います。
今日はLP盤でW.サヴァリッシュ指揮、SKDのシューマン 交響曲第4番、手持ちのEMIのLPでは最も好録音に挙げたい。SKDの弦楽のきゅっと締まった滑らかな音、爽快なブラス、ルーカス教会・ドレスデンに響く音場感は聴き甲斐があり、D.グラモフォンの渋めの仕上がりとは違った解放感があります。
lp
ウォルフガング・サヴァリッシュ:指揮
シュターツカペレ・ドレスデン
1972年録音 EMI


シューマン交響曲第4番ニ短調の特徴は一応ソナタ形式だが、第一楽章主部に再現部がなく、展開部はほぼ繰り返す形をとり、盛大な終結部に移るという書法で、スコアの第一楽章分はかなりの長さになる。この名主題の動機が全楽章通して引き付ける効果的な構成、
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4場面をもつ単一楽章にも取れる。

ザヴァリッシュは第一楽章、序奏の第一打から引き締まり、あまり粘らず緊迫感をだす、主部は快速なテンポで、キビキビとした心地よさ、いかにも壮年期のザヴァリッシュらしい印象、弦がトレモロを奏でるところ、ピシっと粒立つ、
第二楽章ロマンツェは悲歌的な主題に始まり、すぐに序奏部が再現される、続いてvnソロの入るテーマはロマンツェらしい、
休まずに第三楽章スケルツォに入るが、サヴァリッシュはぐっと力感を込めて始める、
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拍の頭を打つ木管、細かく動く弦、ともにスタッカートぎみにキビキビと切り立てる、穏やかなトリオは最後にも現れ、終楽章に繋ぐ、
終楽章の導入部はニ短調で、弱奏であの名主題が現れる、主部はニ長調となり、快活でエネルギッシュ、第一楽章同様、サヴァリッシュはかちっと引き締め、爽快に閉じる。
マニアックな曲と違い、さすがに名曲の名演というのは聴きやすい^^

category: シューマン

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ハイエンド器?  

自分にとって、これ以上のものは必要ないと思ったら、それがハイエンドかもしれません、要る物、要らない物が決まってくるのは人生大詰めを迎えた頃かも^^;micha
一頃はオーディオ誌の情報をもとにあれがいいこれがいいと迷った時期もあれば、工作派に転じた時期もありました。英国やデンマーク製のスピーカー、これはそれなりの良さがありました。アンプはDENONの初代PMA-390を使い、これは評判通りCP比高いと思いました(MCにも対応していた)。その後グレードアップを図り、PMA-S10、プレーヤーにDCD-S10など使いました。しかし、これといってクウォリティが上がった実感がなく、下取りに出して、もとのPMA-390シリーズのクラスに戻しました^^;それ以来、出費が活きてくる部分には惜しまず、あとはできるだけ低コストで楽しむ方向になってきました。ケーブル類もホームセンターにある安いものです。余ったスピーカーも処分し、今残っているのはこれだけです。
システム
自作物が半分で、インテリアとしてはまったく美しくないですが;新しいものを導入したいという気は起らなくなりました。

楽器についてはこの2台、これらが維持できれば新たに欲しいとは思わなくなりました。
13c lute
13c lute
11c lute02
11c lute
他に時折使う予備器2つと、めったに使わないのが4つあります・・どうするかな;

category: オーディオ

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宇宙の本当の距離  

天体の光は遠くにあるほど宇宙膨張による光のドップラー効果で、波長が大きく引き伸ばされ、宇宙論的に遠い天体の距離はこの波長の伸び度合、赤方偏移から推定されています。天体が放つ光のスペクトルで水素原子の輝線(Hα線)の波長のズレを観測してわかるそうです。
これは長い旅をして地球に届いた光が天体を出発した時、その天体があった距離を意味します、これを光路距離と言うそうで、つまり過去の情報です。光が数十億年以上旅をしてくる間にも宇宙が膨張して、今現在その天体はもっと遠ざかった距離にあります、それを計算から求めた今の推定距離を共動距離と言います、あらためて光が旅をすれば、もっと遠くなります。大抵の場合、天体の距離を表すのに使われるのは光路距離のようです。GN-z11
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*赤方偏移と言ってもいくつかの要素に分けられる、まず遠方天体から光が出発した時点で、その天体は地球に対して後退速度をもっているので、それによる赤方偏移が生じる、また天体の重力が強い場合、"重力赤方偏移"が出発時点で加わる、そして光が旅してくる間にも宇宙膨張により、波長が伸ばされて赤方偏移がさらに大きくなる。

2016年3月に発見された、おおぐま座にある初期銀河と思われるGN-z11は現在確認されている最も遠い天体で、ハッブル宇宙望遠鏡とスピッツァー宇宙望遠鏡の観測データにより、赤方偏移(z)は z=11.1と求められた、
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GN-z11 (NASA) 
これは距離134億光年となるが、分光観測に成功し、従来の観測より精度が高いらしい、この数値も光路距離であり、現在の実際の距離、共動距離は322億光年と計算される。

観測できる最も遠い光はビッグバンの名残の光、宇宙背景放射ですが、大きく赤方偏移してマイクロ波の波長になっています。宇宙年齢と同じ、138億光年とされますが、これも光路距離で表したもので、実際は465億光年の距離まで"観測できる果て"が遠ざかっているそうです。これより先は相対的に光より速く遠ざかっているので観測できない。これは空間そのものが膨張しているためで、天体が光速を越えて空間移動しているわけではない、よって光速度不変の原理は成り立つとのこと。

category: 宇宙・天体

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ここが弾きにくい;  

S.L.ヴァイスのソナタ イ短調「L'Infidele(異邦人)」のミュゼット、未だ奮闘中です、時間をかければ何とかなりそう・・とも思いますが、左手も右手もやり辛い曲です。後半はギター経験が活かされる部分もあります。ただ、始まりから5小節目のここ、イヤなところです、micha
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赤の数字は指番号
運指
4→3は前打音を入れる動き
4コース、6コースを押さえつつ、5コースの開放を鳴らすところ、何度やっても5コースが鳴らし辛い;両側の指を注意して垂直に下ろしても5コースに触れてしまうんですね、下手するとダブルの2本とも鳴らない;でも5コースのDは重要な音・・根を詰めるとストレスになるので、日にち薬でどうにかしましょう。

バロック・リュートでは3~6コースの中低域で和音を聴かせる場面が多々あります、なかなか味わいどころの響きでもあります、フランスのバロックリュート曲では1コースを一か所も使わず、低域の響きに拘ったような曲もあります、うまく鳴らすのが難しい。
この絵の奏者は左手のフォームが良いですね、
絵画
この形を目指しているんですが、今までの癖が出てしまう。

ところで、シルヴィウス・レオポルト・ヴァイスの「L'Infidele(異邦人)」ってどんな曲か、オイゲン・ミュラー・ドンボアの演奏が動画サイトにありました。
Sylvius Leopold Weiss-Suite en La mineur-L'Infidele
アントレ、クーラント、サラバンド、メヌエット、ミュゼット、ペイザンヌと6曲あり、問題のミュゼットは12:38から

category: リュート

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取っ手が壊れた;  

2011年に購入したリュートのケースですが、取っ手が壊れてしまいました。
取っ手1
丈夫そうな革の取っ手でしたが金具に掛かる部分がひび割れを起こして亀裂が入り、ついに破断、楽器ケースの老舗キングハムなのに・・まさかの有り様です;
当前ですが、取っ手が無いって、はなはだ不便^^;簡単な対策はないかと、ホームセンターをブラついて見つけたのがこれ、止め具付きのベルトです、
ベルト
一廻しで止めて、余った部分をぐるぐる巻いて、結束バンドでまとめました、
取っ手2
厚さもちょうどいい、手間いらずの補修ができました^^v
ちなみに重量は中身の楽器が1.02kg、ケースが3.58kg、計4.60kgです。

PS.これはキングハムのずっと古いものです、金具が丸く、取っ手側も細く絞ってある、
取っ手4
これなら斜め角度に持ちあげてもダメージ受けません、昔のほうが工夫が凝らされ、長持ちに作られていたような。

category: 趣味のハンドメイド

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昇圧トランスか、ヘッドアンプか  

昨日のアナログ盤再生の続きになりますが、出力の小さいMCカートリッジを使うにあたり、第1段の増幅に昇圧トランスを使うか、ヘッドアンプを使うかの選択肢があります。

昇圧トランスはその名のとおり、変圧器を使って増幅しますが、電気回路としては一旦遮断されており、磁気を介して二次側で再発電します、
トランス
これが短所ともなり、100%元どおりの波形に再現できず、特に超高域、超低域でロスが生じるらしい、しかし可聴帯域に大きな影響はなさそうです。長所は電源要らずで、電気的な増幅回路を持たないので、自体がノイズを発しないところです。なお微弱な電磁誘導も拾ってしまうため、トランスをこのような防磁筒で覆ったものが多いです。
オルトフォンST-80
昇圧トランス:オルトフォン ST-80 (これはMM用のパス・スイッチが付いている)

ヘッドアンプは電気的な増幅回路で電源が必要、長所は信号電流を遮断することなく、そのまま増幅するところ、しかしMCカートリッジの微弱な信号を大幅に増幅するので、徹底したノイズ対策がないとSN比の低いものとなってしまう、下手な外付け製品を使うとMCを使う意味がない程度になってしまう (以前、これを試しましたが→AT-PEQ20 まさに「ミニコンポなどでレコードが楽しめる」レベルでした;)、また、MC対応のプリアンプ、プリメインアンプにはヘッドアンプが内蔵されていると思いますが、あまりクウォリティの高いものはないと聞きます(高価なアンプでこれは勘弁してほしい;)。
Sony HA-55
ヘッドアンプ:ソニー HA-55

プリメインアンプに内蔵のMM対応フォノアンプは普及品でも良質なようなので、ここに昇圧トランス、又はヘッドアンプの良いものを繋げばMCカートリッジ本来の性能が聴こえてくるかもしれません。一長一短ですが現在どちらかというと昇圧トランス派が多いらしいです。

PS:レコード盤のカッティングは統一規格で、"RIAAカーブ"と呼ぶ、低域を押えたバランスで音溝を細く刻み、盤面スペースを稼いでいます、フォノアンプ(イコライザー)はこれを元のバランスに戻す役割もあります。

category: オーディオ

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MC昇圧トランス  

一度はアナログ盤をほとんど処分し、ターンテーブルも倉庫に眠っていましたが、いつの間にかアナログ盤再生が再燃し、6年ほど?経ちます。
lp 再生
MCカートリッジを使いたいと思ったが、カートリッジだけでいい値段なのに、昇圧トランスも必要。最近になってようやく、良心価格の良い製品がPhasemationから出たようですが、
メーカーサイト→ Phasemation T-300
これ以前は手ごろな製品がなく、アホみたいに高いのしかなくて困りもんでした;

ある電気工作のブログを見たら、市販の電材部品で作れるという記事を見つけ、回路図を拝借、さっそく部品を集め久々のハンダ付け作業をしました、主要部品はこの小っこいトランス(SANSUI ST-12a)だけ、今700円くらいかな、
トランス
弱電の電子回路用でしょう、普通は一次から二次へ電圧を下げるのに使うが、逆向きに繋げば"昇圧"になるというわけで、半信半疑で試してみたら、何ら不足なくMCの緻密な再生音が味わえました。ついでに、MMを使う際は回路をパスするよう切換えスイッチを設けました。
トランス回路
もう1台分材料があるので、涼しくなったら予備機を作ろうかと^^今度は回路の100kΩの抵抗をOFFにもできるようにしたいです。

メインに使っているのはAT33PTG/Ⅱ、
at33ptg-Ⅱ
特徴めいたものはないが、MCの緻密さとパワフルなバランスが気に行って予備機を用意^^

category: オーディオ

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アンサンブル・バロッコ・イタリアーノ:R.de.ヴィゼ 組曲集  

先日はバロックギターの曲集を取り上げたロベール・ド・ヴィゼですが、こうした独奏楽器の作品を旋律楽器と通奏低音のために編曲しています。今日はアンサンブル・バロッコ・イタリアーノによる、その組曲集、随分以前に取り寄せたものですが録音は1993年、思ったほど古くはないです。
R de Visee
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これは1716年発刊された、ヴィゼのテオルボやリュートのための作品から、上声とバス・パートに分け、そこに和声数字を加えた曲集です。
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曲集・表紙

1.組曲ハ短調 2.組曲ト短調 3.組曲ト長調
4.組曲ニ短調 5.組曲イ短調

以上5曲がfl.トラヴェルソのソロ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、クラヴサン、テオルボの通奏低音で演奏されているが、曲集は特定の曲の組み合わせになっておらず、調や舞曲ごとにまとめられていて、奏者は任意に曲を選んで演奏する。楽譜面はシンプルなものであるが、ヴェルサイユ楽派らしい憂いを帯びた気品に彩られ、これをヴェルサイユ・ピッチ(a=392)の落ち着いた響きで奏でるのが何とも味わい深いv
トラヴェルソの趣味を心得た装飾、通奏低音のリアライゼーションがシンプルな楽譜を一際華やかにする。自分としては、つい通奏低音にも引き付けられる、
visee sc
ハ短調、アルマンドより
テオルボやバロックギター等で聴き覚えのある曲が多いが、4曲目、ニ短調ではまずテオルボがソロで原曲のプレリュードを弾き、続いてアンサンブルとなるが、通奏低音楽器も全員だったり、クラヴサンのみ、ガンバとテオルボのみ、など曲によって趣きを変える。
とても楽しめる一枚でヴィゼの曲には無駄がない^^

category: その他・バロック

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バロックリュート:右手の極意  

いつもバロックリュートで苦心していることです。右手は親指から薬指まで(記号:|・ ‥ ∴ )使いますがそれぞれ指の強さや性質が異なります、指使いの順番で、必ずしも適した指になるとは限らず、それでも目的どおりの鳴り方にする必要がある、また同時に複数弦を鳴らすとき、旋律線の主要な音をしっかり、他の音は控え目に鳴らす、というコントロールも難しいです、これはギターにも言えること。micha
d moll
(参考:バロックリュート調弦)

譜例:ヴァイスのL'infideleのミュゼットですが、旋律がバスラインで来て、最後の小節で1コースに跳躍します、
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ここで1コースのF音はしっかり、2コースのD音は控え目に鳴らし、旋律ラインが繋がって聴こえないといけない、結構難しいです、逆に内声音をしっかり鳴らす場合もあります。

もう一つ譜例:バッハのフーガBWV1000の16小節目から、フーガが高域に移ったところですが、(下段のタブラチュアはバッハ時代のリュート奏者が書いた運指)
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2声になっていて、下の声部の使用弦が1コースや2コースの開放弦を交えた使い方で、当然弾く指も弦の長さも異なり、繋がった響きにするのが難しいです;が、一方でこれはバロックリュートらしい運指でもあります。どの弦に移ろうと、どの指を使おうと、声部がきれいに流れる、というのが極意のようです;これは指の機械的コントロールより、望みの音になっているか、耳からのフィードバックで掴んでいくのが大事かと思います。
右手

category: 演奏について

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M.シュパンニ:C.P.E.バッハ 鍵盤協奏曲集vol.18  

今日はお気に入り作曲家の一人、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハです。
ミクローシュ・シュパンニによる鍵盤協奏曲のアルバムは結構集めましたが、エマヌエルの作品番号というのが複数あってお目当ての曲を探すのがややこしい;シュパンニはしばらくの間、タンジェント・ピアノを用いての録音が続いたが、Wq43/1-4を入れた第18集はチェンバロを使っています。
大バッハの二男エマヌエルはギャラントな前古典派に位置しますが、やや特殊な「多感様式」という当時ドイツで風靡した表現衝動の斬新な音楽です。初期のハイドンにもエマヌエルの影響を受けた作風が見られます。
c p e bach02
ミクローシュ・シュパンニ(チェンバロ)
コンチェルト・アルモミコ・ブダペスト
2011年録音 BIS


協奏曲ヘ長調Wq43/1
第一楽章はホルンが加わり、快活流麗な楽章、これはハイドンの鍵盤協奏曲にも聴かれる味わい、しかしfとpの対比、休符による動と静がピリっと引き締める、終止をとらずチェンバロ・ソロが第二楽章へ移る、弦楽が重なり瞑想的な緩抒楽章、休みなく突如と終楽章プレスティッシモのトゥッティが始まり、意表を突く。
協奏曲ニ長調Wq43/2
第一楽章はアレグロ・ディ・モルトだが、途中2か所ソロによるアンダンテが挿入される、これは多感様式らしい急激変化の聴かれる楽章、ナチュラルホルンが力感を補強する、またしても第二楽章への繋がり方が唐突、ここではホルンに替りflトラベルソをvnパートに重ね、ほの暗い気分のアンダンテとなる、しばし穏やかなチェンバロ・ソロを聴かせ、再び翳りを帯びたオケ、と繰り返す、休まず終楽章アレグレット、ロンド形式かハイドン風の明るさで始まり、典雅な雰囲気を通し、転調の妙を聴かせるがさほど緊迫感はない。
協奏曲変ホ長調Wq43/3
第一楽章、アレグロ、わりと撫でやかな主題に始まり、総奏でぐっと力感の対比をつける、ソロは穏やかに流れる、ソロとオケが意味ありげな対話を交わす、続けて第二楽章ラルゲット、オケはvnにトラヴェルソを重ねる、短めで雅びな楽章、まだ続きがありそうにして突如終楽章プレストに入る、終楽章はソロ、オケともに快活な切れ味と緊迫感。
協奏曲ハ短調Wq43/4
この曲はちょっと変わった構成で、4つの短い楽章からなり、第一楽章と終楽章が同一、ただし終楽章はヘ短調で開始し、カデンツァが入るので第一楽章の続きかもしれない。
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間にポコ・アダージョとテンポ・ディ・メヌエットが入り続けて演奏される、1つの楽章とも取れそうだ、曲はエマヌエルの短調作品らしい魅力を聴かせる。

高域を幾分強調して聴きます、少しだけでチェンバロが心地よく、くっきり浮びます。
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category: C.P.E.バッハ

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A.シュテック:F.リース ヴァイオリン協奏曲 ホ短調  

先日、フェルディナント・リースの2つのホルン協奏曲で取り上げた盤ですが、今日はカップリングされたヴァイオリン協奏曲ホ短調です。
代々、ベートーヴェン家とリース家は同郷、ボンの音楽家として関わりをもってきたが、ベートーヴェンは少年期にリースの父フランツ・アントンにvnを学んでいた、後にウィーンで活躍を始めたベートーヴェンのもとへ息子リースが弟子入りした、という関係です。
1809年、一時ボンへ帰郷したリースは父と共に「ボンの冬のコンサート」を開き、父がソロを弾くよう書かれた唯一のvn協奏曲です。演奏時間30分弱と、長大ではなく、聴きどころの詰まった良い作品です。幾分渋めだがメンデルスゾーンのvn協奏曲のような親しみ易さもあります。演奏はvnソロがシュパンツィヒ四重奏団の1st vnでもある、アントン・シュテック、
ries horn con
アントン・シュテック(ヴァイオリン)
ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(指揮)
ケルン・アカデミー(ピリオド楽器)
2007年録音 cpo


ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.24
第一楽章、Allegro non troppo ホ短調で始まる主題を聴くとシューマンの時代の趣きも多分に感じる、timpの入らない編成も作品の性格に相応しい、ソロパートは父アントンの名人ぶりを伺わせる、vnの装飾的な動きは同輩のルイ・シュポアを思わせる部分もある。オケ・パートの活躍も充実、シュテックのピリオド奏法によって、曲の魅力が透明に浮び上る。
第二楽章、Andante quasi larghetto 穏やかで安息感に満ちた始まり、vnソロと見事なオーケストレーションでよりロマン派的な深みを感じさせる。
終楽章、Rondo allegro 休みを置かずロンド主題に入る、ホ短調のリズミカルで親しみやすい主題が良い、ロンド楽章の書法はベートーヴェンと共通に思えるがソロとオケ・パートを多重的に楽しませる技はさすが。オケが沈黙し、ソロの部分があるが、重音奏法が美しい。
a steck
参考動画→Ferdinand Ries-Violin Concerto Op.24-Anton Steck(1st)

PS.当盤の最初に「盗賊の花嫁」序曲 Op.156が入っていますが、これがまた、ベートーヴェン「エグモント」序曲とシューマン「マンフレッド」序曲の中間的魅力で引き付ける曲です^^

category: F.リース

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