Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

星が誕生する冷たい場所  

宇宙や科学に関して、記事をまとめている最中にも次々新発見の情報があって、追いつかない; 2、3年も前だったら、まるで見当もつかなかったことが明らかになってきている。

今日は新発見の先導役、アルマ望遠鏡のサイトより、
ほうおう座の方向、57億光年の距離にある「ほうおう座銀河団」の中心にある、活動銀河の銀河核周辺のガス分布を捉えたところ、中心の超巨大BHから噴き出される双極ジェットが上下方向に超高温の希薄なガスの泡構造を作っているのがわかった、またこの超高温のジェットの根元付近を取り囲む低音のガスの分布があることもわかった。
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ほうおう座銀河団の合成画像:青はチャンドラX線宇宙望遠鏡が捉えた高温ガスの分布、上下の暗い部分が特に高温で希薄となった泡構造、オレンジがアルマ望遠鏡が捉えた低温ガスの分布、背景はHSTによる画像。

ガスというのは高温になるほど分子の動きが活発化して膨張し、低音になると収縮する、高温のところではガスが拡散するので星は生れにくい、星が生れるには低温でガスが集まる場所が必要だ、強い熱源のある活動銀河に多くの星があることと矛盾していたが、今回、星を形成しやすい低温ガスの分布域が見つかった。
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この低温ガスは星形成の材料となり、超巨大BHのエネルギー源にもなる、
研究者であるブライアン・マクナマラ氏(カナダ・ウォータールー大学)は、「今回観測した超巨大ブラックホールは確かにガスを噴き上げて泡状構造を作りだし、周囲のガスを加熱しています。しかし同時に、十分なガスを冷やしてもいたのです。」と語ったそうだ。
どのように冷やされるのか、以下は推測だが"冷やす"といえばこれしか思いつかない;
ガスを圧縮したスプレー缶から噴射を続けると、缶が冷たくなってくる、圧縮ガスが放出されると熱を奪っていくからで、冷蔵庫やエアコンも同じ原理だが、これと同じことが中心の巨大BH付近で起きている、ということかも・・

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 宇宙・天体

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マルチ・リブ ≪追記あり≫  

リュートのボディの裏面は柳の葉状に切った薄板(リブ)を継ぎ合わせて球面にしてあります、内側には継ぎ合わせの補強のため、境目に布や紙のテープが貼られています、製作家によってやり方も違ってくるかもしれませんが、 te
11c l
リブ材はハカランダで内側も黒っぽい(修理時に開いた写真)
この楽器は一枚の布を裂いて利用してあります、リブ数は11枚なので少ないほうです。

マルチ・リブというリブ数の多い楽器もみな同じようにテーピングしてあるのか?気にしたこともなかったですが;うちにある最もリブの多い(21枚)楽器を響孔から覗いてみると、
al 02
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追加写真:この楽器は響孔が3つあるので、1つから照らし、別孔から撮れました
一応1箇所ずつ貼ってあります、ただし薄い和紙のような細いテープです、ツヤがあるので塗装もしてあるように見えます、テープ面も堅仕上げが良さそう。

もっとリブ数の多いテオルボもそうだとすると、これも相当な手間です、
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参考:L.ニスカネン作、テオルボ
数本跨いで貼ったほうが早いような?;

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

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Concerto Köln:J.M.クラウス 交響曲ニ長調 VB143  

ハイドンはN.エステルハージ侯という音楽に造詣の深い主君に仕え、活躍の場が大都市から少し距離を置いていたのが他の作曲家にはない独創性を持つこととなったと言われるが、時折取り上げるヨーゼフ・マルティン・クラウスもやはり芸術の理解者だったスウェーデン国王、グスタフ3世のもとで活躍、ありふれた聴きやすい曲より、自らと主君の満足できる創作に集中して、独創性を持つに至ったのではないだろうか。交響曲や室内楽でも対位法を駆使し、複雑で緻密、精神性の高い作品が多い。

今日は交響曲ニ長調 VB143、これも傑作と思う、両端楽章は気軽に聴き流すタイプではなく、通好みといった作品、コンチェルト・ケルンによる、魅力を研ぎ出したような演奏で聴く。
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コンチェルト・ケルン
1991年


第一楽章 Allegro、第一主題は優美ではないが、対位法向きの素材で始まりから凝った書法だ、ここではさほど急速に聴こえず、第二主題でキレのよい急速感が出るため、二重構造のように聴こえる、提示部だけで展開部を含むような内容、展開部ではさらに書法が緻密で、また劇的な要素も湛え、なかなかの聴き応え。
第二楽章、変奏形式、あまり甘美にならずクラウスらしい良いテーマだ、flがソロを取る場面が多く、コンチェルト風でもある、あのfl五重奏曲ニ長調(VB188)を思わせる、クラウス独特の才気に満ちた変奏、Concerto KölnのM.サンドホッフのflトラヴェルソが味わい深い。
終楽章、ロンド風ソナタでテーマは第一楽章の第一主題に近似した主題、これまた非常に凝った書法で十分に技を織り込む、あまり長引かせず、きっぱりと終る。
(楽譜を引用したいが、残念ながら今のところ見つからない)
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Joseph Martin Kraus(1756-1792)
参照動画:J.M.Kraus-VB 143-Symphony in D major(Concerto Köln)

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category: J.M.クラウス

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「TRAPPIST-1」に7つの地球サイズ惑星発見  

系外惑星といえば、先日書いた恒星「HR 8799」を周る惑星のように直接観測可能なものもあるが、これらは明るく見える木星サイズ以上で、仮にこの恒星に地球サイズの惑星があったとしても、暗過ぎて掻き消されてしまう、よって、地球サイズの惑星探しは中心星が暗い赤色矮星で、今のところトランジット法の観測が中心となり、惑星が横切る減光の度合いから大きさ、減光の周期で公転周期がわかる。
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2月22日のニュースで、NASAがみずがめ座39光年にある極めて小さい赤色矮星TRAPPIST-1に地球サイズの惑星を7つ発見したと発表、昨年の5月に3つは確認されていたが、今回、ヨーロッパ南天天文台VLTとNASAのスピッツァー宇宙望遠鏡で新たに観測された、すでにWikipediaの記事も更新されている。赤色矮星TRAPPIST-1は直径が木星より僅かに大きいだけの恒星としては最小クラスで、7つの惑星は全て、太陽系の水星よりずっと内側にあたる軌道を周っている、ミニチュアのような惑星系だ。
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太陽系との軌道比較図(NASA/JPL/Caltech)
内側からTRAPPIST-1 b~hと符番される、このうち、e、f、g、の3つはハビタブルゾーンになるそうだ。
*面白いのはNASAが作成した、各惑星の多様な想像図、いつもながら具体化された想像図だが、根拠をもつ可能性の1つとして受け止めればよいだろう、
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拡大→NASA想像図(NASA/JPL/Caltech)
(符号のaは中心星に与えられるので惑星はbから始まる)
bは中心星に最も近く、軌道がいくらか楕円であったら木星のイオに似た火山惑星かもしれない、ハビタブルゾーンにあるのはe~gだが、eとfは水を湛えている、
trappist f
TRAPPIST-1 f
fはまさにアイボールアースで大きさは地球とほぼ同じ、hは氷に亀裂の入ったエウロパ、又はカロンに似ているといったところか、今は想像するのが楽しい^^
太陽系と違うのは中心星が極めて長寿であることと、惑星は潮汐ロックがかかった状態と見込まれる点だが、やがてJWSTほか次世代望遠鏡で、解明されてくるかもしれない、
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TRAPPIST-1 fからの『日の出も日没もない』眺め、想像図(NASA/JPL/Caltech)
太陽系の惑星や衛星も個性豊かだが、想像もつかない変な惑星の存在も期待したい(笑)
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category: 宇宙・天体

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C.ホグウッド:ハイドン 交響曲No.31「ホルン信号」  

31番「ホルン信号」はその昔、45番「告別」とカップリングされた、L.ジョーンズ指揮、リトル・Orch・オブ・ロンドンのLPで初めて聴き、ハイドンにはこんな爽快な曲もあるのか、と初期作品に興味をもつきっかけだった。しかし、有名曲に当るのに、レコーディングは思ったほど多くなく、手元には、ホグウッド、D.R.デイヴィス、N.アーノンクールの3つしかない、
今日は聴き逃していた?ホグウッド盤を聴く。h
hog hay 31
クリストファー・ホグウッド 指揮
エンシェント室内O


交響曲No.31ニ長調「ホルン信号」(*1765年の作曲で先日の40番より後の作品)
第一楽章 Allegro、4本のナチュラルhornによる一段と豪壮な導入で始まる、そして楽譜の[9]から、horn1ソロの跳躍に伴う滑らかな強弱法が印象深く、[13]の付点が切れ味よい、勇壮かつ優雅でもある名演だ。
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弦楽もきりっと快活、flの上行パッセージが繰り返し入る、展開部もhornの導入の次、変形した第二主題で入る、[97]でvnⅠ、2が和声を刻む中、vaとvcが第二主題を堂々と弾く進行が心地良い、[112]でpのニ短調となった後、[119]から再現部。
第二楽章 Adagio、シチリアーノ風のリズムでコンチェルト・ソナタ形式のようだ、vnとvcのソロ、さらにhorn群が活躍する、後半の始まりはhornの妙技を聴かせる、AAMメンバーの冴えた演奏で魅了。
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メヌエットはすっきりとした良い主題、トリオはobとhorn、flの絡み合いが多彩に聴かせる。
終楽章 Moderato molto、変奏曲でオケの全パートが交替でソロや重奏により変奏を進めていく。テーマ提示、vcソロ、flソロ、horn重奏、vnソロ、アンサンブル、cbソロ、と引き付けていく、最後は急速になり、第一楽章冒頭を再現して終る。
ホグウッドは反復を省略しないので、結構な時間となるが、主役となるhornが充実し、AAMの各ソロも見事、エステルハーザOrchを再現したかのような名演に思う。
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参考動画:
F.J.Haydn-Hob I:31-Symphony No.31 in D major "Hornsignal" (Hogwood)

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category: F.J.ハイドン

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球状星団の中心に"中間質量BH"  

宇宙・天体に関する記事も少しずつ準備していますが、その間にもNASAやESO、国立天文台などから、次々新情報が入ってきて、今日の記事も少々古いもの?となります;

13400光年にある球状星団、きょしちょう座47(NGC 104)は星団の中心部に非常に明るく高密度の中心核を持つことで知られている。この中心部には太陽質量の100倍~1万倍の中間質量ブラックホールがあると予測されていたが、その証拠は見つからなかった。
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きょしちょう座47(撮影HST) 拡大 (このフルサイズ画像は圧巻)
BHの存在を確認する方法として、一つはBHに落ち込むガス雲の摩擦が放つX線を捉えることだが、球状星団には星の材料のガスも殆ど残っていないのでこれは期待できない。
もう一つは、銀河系中心の「いて座A」のように、何も見えない箇所を中心にいくつもの恒星が公転しているのを捉えれば、そこに大質量BHがあることが証明できるが、球状星団の中心部は星が密集し過ぎて、個々の星が運動する様子を見分けるのは不可能である。

米・ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの研究チームはまずこの球状星団全体で観測できる星の動きを捉えた、多くの星が複雑に動き回っている中でも、質量の大きい星ほど星団の中心部へ集まるはずだが、それが外部にも移動しているのがわかった、これは大きな星が中心のBHに接近した結果、強い重力で高速度星のように放り出されたと考えられる、もう一つとして、この球状星団にあるパルサーも中心から離れた位置にあることが観測され、これも同様にBHの仕業と見られる、
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以上の間接証拠から、太陽2200個分と見積もられる中間質量BHが中心にあり、星々を掻き回していると推測されている。

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category: 宇宙・天体

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T.ファイ:ハイドン 交響曲No.40  

ご無沙汰していた、T.ファイのハイドンもあらためて聴いている、まずは40番から、
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トーマス・ファイ 指揮
ハイデルベルク交響楽団
2001年 Hänssler Classic


交響曲No.40ヘ長調
第一楽章 Allegro、快活で流れ良い楽章で、ファイの演奏ではバスを奏でるfagが表情をもって目立ち、主旋律との対位法的な部分が明確で心地よい。提示部の終り[51]のバス旋律を展開部の入りでvn1が転調して引き継いで滑らかに続く、展開部はぐっと引き付ける内容だ。
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第二楽章 Andante piu tosto Allegretto、弦楽のみが使われ、全体がポリフォニックな2声で書かれている、vn1と2が同一パート、vaとvcも殆どオクターヴの同パートになる、また主題の多くの部分にスタッカートが付いている、明快で淡々とした曲だが、強弱の懐を深く聴かせる。

メヌエット 主題は第二楽章より旋律美を持ち、ファイは一際ゆったり、優雅に演奏、
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ここでもバス旋律が対位法的でバロックの趣きだ、トリオも雰囲気を変えず一体的な趣き。

終楽章 Fuga:Allegro 譜例の主題に基づくフーガ、
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ファイはじっくり落ち着いたテンポで、全パートを緻密に堂々と聴かせる、ヘンデルのフーガ楽章に近い雰囲気も持つが、vn2に始まる主題にはバス旋律が伴い、続いてvn1に主題が出る。素晴らしい発展を見せ、[173]からバスによる持続低音が入り、大詰めを知らせる。他にもバロック書法に倣った作品があるが、ハイドンのフーガで屈指の魅力に思う。

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category: F.J.ハイドン

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確定申告と甘酒  

昨夜は北西の風がなんだか台風以上に煩かったですが;
tennkizu.jpg気象庁

国税庁のHPで確定申告書の入力をしました、e-Taxは使わず、プリントアウトして送ります。
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国税庁: 確定申告書等作成コーナー
住所の入力が何度かでてきますが、番地の英数字もすべて"全角"じゃないといけないところがありますね、しかし半角を入れてもエラーにならないし、気付きにくいです。

どうにか終えて一息、久しぶりに酒粕の甘酒を作りました。
近所のスーパーにたまたまあった銘柄をいろいろ試してみようと、昨夜は「㈱福井中央漬物」の酒粕を使った、
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漬物メーカーから出ている芳香豊かな感じです、
撹拌しながら鍋で沸かし、適度に砂糖を入れました、
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まあ、普通の味でわるくないです^^沈殿してしまうので、レンゲで掬うと呑み易い。
しかし、一袋、全部甘酒にはできないので、あとは粕漬けにでも使う必要があります;

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category: 時事・雑記

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冷放射  

寒い夜、カーテンのないガラス窓の傍では、ひんやり寒いです、列車の窓側に座っても同様、これを冷放射とか冷輻射とか言いますが、本当に冷たい放射なんてあるのか?
SF漫画には「冷凍光線」なんてのがよくありました、あと照らした所が真っ暗になるライトとか、物理を無視している^^;温度の高い物体が赤外線を放射する、ならわかります、
小さな焚火でも手をかざせば暖かいが、小さな氷の塊に手をかざしても冷たくはない。

*絶対温度が零度ではない全ての物体は、M.プランクの法則により電磁波を放射している。
ということで、以下のように考えていますが、
人の体からは体温で赤外線が放射される、これで熱が逃げるが、屋外が暖かければガラス窓からも赤外線が入って来て、熱が補充され、両方に大差なければ寒くない、
hito a
屋外が寒い場合、少ないながら赤外線は入ってくるが、人体からの熱放射に対して少なすぎる、この補充の足りない差額分が体感的には外から冷たい放射があるかのように錯覚する、
hito b窓ガラスも冷たくなっている
これは放射冷却となら言える。晴れた冬の明け方は放射冷却があります、"冷放射"とは意味が違って、地上の熱が放射で上空に奪われて寒くなるので、正しい表現でしょう。
室内の壁や床は暖房で温まって赤外線を発しているが、電磁波を通すガラス窓は概ね屋外の温度が反映してくる。二重ガラスなら冷放射を防げるというのは、室内側のガラスが冷たくならず、いくらか赤外線を出しているからでしょう。
事実上「冷放射」というのはないが、マイナスの熱放射という意味ではあるかもしれない。

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category: 時事・雑記

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優れ物:折り畳みテオルボ  

奇士さんのブログで紹介されていますが、興味深いのでこちらでも取り上げます。
昨日のチューナーと違い、かなり高価なものですが;te

リュート属にはテオルボという人の身長ほどもある、ド長い楽器があり、通奏低音で使われることが多いので、お仕事で移動も頻繁な楽器でしょう、何とか移動時にはコンパクトにできないか、というのは誰もが考えたと思いますが、ネックをジョイント式にしてしまうと、収納のたびに弦を外さないといけない、近年、調弦を保ったまま折り畳む、というアイデアの楽器が北欧から出てきました。今回はフィンランドのLauri Niskanen 作のテオルボ、
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説明動画→Foldable Theorbo

この楽器の上手いところは、ペグに見える1本がじつは伸ばしたときのストッパー・ネジになっているところ、
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専用のケース
製作家サイト→Lauri Niskanen, Luthier

こういう楽器になると、お気に入りの愛器、というより、よく鳴って便利だと助かる、という業務用感覚かな^^

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category: 楽器について

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優れ物:小型チューナー  

師の愛用でお薦めの小型・軽量チューナーを取り寄せた、お値打ち価格なので2個注文v
D'Addarioの PW-CT-12
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仕様は以下のとおりだが、
pw ct 12e
リュートにも具合よく装着でき、調弦の邪魔にならず見やすい角度にできる、重さは無視できるほどで付けたまま弾いても支障ない。音を感知して表示が起動し、電池の節約機能もある。
PW CT 12c
表示の右下には現在のピッチ設定が常に表示される
pw cd 12b
クリップ部は高さ調節ができ、リュート、ギターにはこれで十分、クリップの接触面はソフトで傷をつけない
サンプリングが高速で、平均値を示すようで状態が掴みやすい、従来の製品より手早く調弦し易くなっている。周囲がうるさい場所でも信用して合わせられる。
高速処理技術といえば「補償光学」を思いつくが;市販品もそれなりに進んでいるようだ。
pw cd 12 hyoji
表示が「緑」で安定すれば、概ね問題ない程度になる
A=410~480hzの設定ができるので、バロックピッチはOK、発信音は出ないが、メトロノーム機能も付いている。電源を切っても、直前の設定が保持される。

なお、様々な楽器に装着できるよう、クリップ部分は別仕様が用意されている。
pw cd 12 vn

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category: 楽器について

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系外惑星の直接撮影と動画  

系外惑星といえば、惑星の重力で中心の恒星が揺れる様子を捉えるドップラー法や、惑星が恒星を横切る際の減光を捉えるトランジット法で、存在や大きさを間接的に知るという方法がメインだったが、コロナグラフの技術で中心星の光を遮る方法と分光観測により、これまでもいくつかの大型望遠鏡が直接捉えていた。
2月1日、ケプラーの法則どおり、系外惑星が公転する様子を直接捉えた動画が公開された。
カナダ、ヘルツベルク宇宙物理学研究所のクリスチャン・マロワ氏が撮影した7年間の画像を系外惑星の研究団体NEXSSのジェイソン・ワン氏がつなぎ合わせて動画にした。
HR 8799 a
HR 8799と4つの惑星
動画:Direct imaging of four exoplanets orbiting the star HR 8799
ペガスス座129光年にある恒星HR 8799の周りを4つの惑星が回っている様子、いずれも木星より大きな惑星で中心星から離れた軌道にあるのだが、それでも非常に難しい観測だという貴重な動画である。

続いて2月16日の情報だが、国立天文台のすばる望遠鏡が新装置の「カリス」を用いて、同じくHR 8799の惑星を観測した。
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赤いケースが「カリス」、すばる望遠鏡のナスミス焦点に設置した補償光学システムに接続される
米・プリンストン大学、国立天文台の研究チームは昨年7月、すばる望遠鏡に新しい観測装置「カリス」(CHARIS: 高コントラスト近赤外線面分光装置)を搭載し、その試験観測に成功、カリスは明るい恒星の周囲を回る暗い惑星を見分けて分光観測を行うことで、惑星表面の状態・温度・大気の様子などを明らかにすることができるそうだ。
hr8799 b
HR 8799:すばる望遠鏡撮影、中心に近い3つの惑星が映っている
すばる望遠鏡にはすでに大気による像の揺らぎを抑える超高コントラスト補償光学システム「SCEXAO」が搭載されており、この高分解能にカリスの機能が組み合わされ、様々な惑星系の起源や進化の理解につながる観測がされ、系外惑星の研究が飛躍的に進むと期待される。
情報:すばる望遠鏡(国立天文台)

HR 8799b
最も外側を公転している惑星(HR 8799b)の想像図
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category: 宇宙・天体

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C.ホグウッド:ハイドン 交響曲No.25  

今日はハイドン初期の作品で25番ハ長調、1761年頃の作曲とされるが、初期らしい作風で、小柄ながら魅力をもった曲だ。AAMのサウンドはいつもながら清涼な録音で聴ける。
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クリストファー・ホグウッド指揮
エンシェント室内O


交響曲 No.25ハ長調
第一楽章の初めにAdagioの序奏があるが、一つの緩抒楽章とも取れる内容、バロックの合奏協奏曲の始まりにも似た趣きで、ポリフォニックな部分が多い、
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序奏開始部分
24小節からAllegro moltoとなり、溌剌とした第1主題が心地よい、57小節からが第二主題と思われる、展開部ではリズムパターンだけ保持され、変形して出てくる、短い楽章だが、手腕が冴え、爽快にまとまる。
第二楽章がメヌエットで、主題はいかにも初期古典派の趣き、トリオもきちんとできた模範のようで、まだ意外な面白味はない。
終楽章 Presto、ホグウッドは快速で切れ味よい、始めの2分音符4つの動機はいかにもフーガ向きで期待させるが、展開部67小節以後でちょっぴりそれらしく扱われる、
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しかし、対位法的で密度感のある楽章、短く美しくまとめた逸品と言える、ホグウッドは反復を全て聴かせるのがいい。
参考動画:F.J.Haydn-Hob I:25-Symphony No.25 in C major (Hogwood)
(*動画はGoogle Chromeなら繋がります)

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category: F.J.ハイドン

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フレット楽器の弦高  

フレット楽器の宿命というか、リュートをケースから取り出すたびに気にしてしまうのが弦高です、適正だったつもりでもいつの間にか高くなっていることがあります。m
指板の起伏が良く調整されているのが肝心で、理想は中ポジションからローポジションにかけて少し前のめりで(こうでないと、ローポジションがビリやすい)ハイポジションはほぼ真っ直ぐでいい、強調するとこんな感じ、
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この状態で演奏性としては可能な限り低いのが望ましい、
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弦高の測定は指板上の9ポジションの指板から弦の下部までを目安にしている、(12ポジションは響板上にあり、起伏の状態により差があるので目安にしにくい)
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因みにうちにある楽器では13コースlute(弦長69.5cm)が3.2㎜で絶好の高さ、これは昨年、製作者M.オッティガー氏に調整してもらった。
13c lute

もう一つ11コースlute(弦長66cm)は3.5㎜の状態、これは自分でできる範囲で調整したが、ひとまず弾きやすい状態、いずれ指板を少し削って下げたいと思っている。
11c lute

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category: 楽器について

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R.グッドマン:ハイドン 交響曲No.45「告別」  

先日のB.ヴァイルによる「告別」の第一楽章は急速なテンポながら細部をよく聴かせる好例だった、C.ホグウッドも同等のテンポで良く整った演奏だったが、今日のR.グッドマンはこれらを上回る限界的速さだ、ハイドンの中で指揮者によってこれほどテンポに差がでる曲も珍しい。h
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ロイ・グッドマン:指揮&通奏低音
ハノーヴァー・バンド
1990年録音


交響曲No.45嬰ヘ短調「告別」
第一楽章 Allegro assai は3/4拍子だが、1小節を1拍と捉えて、メトロノーム=71の速さである、前半、後半とも反復されるが6:11で終る、vn2が弾いているシンコペーションも耳で追う暇がない、
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13小節からの16分音符は非常な素早さになる、
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グッドマンが狙ったのは一部犠牲にしてでも、この楽章の只ならぬ熱気だろうか、時間をかけず一気に進む、聴き手を危うさで引き付け、これも作戦の一つとして功を奏している、展開部に続く穏やかな別主題を静かに終え、再現部から終結までの激しさを際立たせる、ぐっと強弱の懐も深く、適宜レガートな表現も置いて単調さを避けている。
第二楽章 Adagio、十分弱奏で涼風のような演奏、引きずらず、節目をつけリズミカルに聴かせる、ここではチェンバロが良いリアライゼーションを添える。
メヌエット、Allegretto 軽やかな感覚、トリオではhornがレガートに奏でるのが好印象。
終楽章 Presto ここは極端に急速ではなく、普通に急速?である、きっちり合奏が決まり、弦楽のみの弱奏部と管が加わる総奏の対比が痛快。後半のAdagio、清涼な演奏で申し分ない、楽器が減っていき、最後でvnが装飾を入れ、一味加える。

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category: F.J.ハイドン

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「惑星系円盤誕生の謎」解明の糸口?  

原始惑星系円盤など、強い重力を持った天体の中心部には降着円盤のガスが落下していき、吸収しきれなかった分が上下にジェットとして噴き出す?みたいな大まかなイメージで見ていたが、力学的な詳細はどうなのか、知らなかった。
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2月8日、理化学研究所、国立天文台、東京大学がアルマ望遠鏡を用いた詳細な観測で、この惑星系円盤の中心近くにおける、惑星系円盤誕生における角運動量問題と言われる謎解明の糸口をつかんだと発表した。回転しながら中心部へ落下していくガスは原始星に近づくと回転速度による遠心力が勝るようになり、ガスの*角運動量の一部が外へ放出されないと、円盤が安定しないという問題だった。今回、おうし座450光年にある「L1527分子雲コア」の観測により、中心部の詳細がわかってきた。
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図の南北方向に伸びた原始惑星系円盤を真横から見た様子、CCH分子の分布から遠心力バリアの手前で厚みが変化しているのがわかる(資料:理化学研究所)
周囲を取り巻いて流れ込むガス中の塵、CCH分子の分布を調べたところ、円盤が遠心力バリア(ガスが中心星に最も近づける位置)の手前で厚く膨らんでいた、ここで落下してきたガスが滞留し、衝突し合い、温度が外部より160°高音になっていた、
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(資料:理化学研究所)
これで角運動量のエネルギーの一部が円盤の垂直方向へ分子流となって放出されている、ここでのエネルギー流出により、ガスは内側へ落下できるようになり、太陽系など惑星系が形成されるプロセス解明の糸口とされている。

*角運動量については過去記事:「月が離れて行く理由」でも概略を書いた。

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category: 宇宙・天体

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B.ヴァイル:ハイドン 交響曲No.45「告別」  

ヴァイルによる「告別」、随分前から持っているのに取り上げていなかった;久しぶりに聴いた気がします・・?
b v hay45
ブルーノ・ヴァイル指揮
ターフェルムジーク・バロックO
1993年録音


交響曲No.45嬰ヘ短調「告別」
第一楽章 Allegro assaiは十分に急速、速い3拍子の一拍目に強くアクセントを置き、簡潔な動機が切れ味鋭く貫かれる、vn2のシンコーペーションも明確で整った演奏だ、少し多めの弦編成が効いている、
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管もバランスよく明確に聴ける、基本的に単一主題で書かれ、展開部の108小節からpで新たな主題が一時の安らぎのように出るが間奏的で、休符を置いて142小節からが再現部と思われる、
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163小節あたりから、転調でより深く引き込む、この楽章も型破りと言える。
第二楽章 Adagio、疾風怒涛期らしい緩抒楽章で弦は弱音器をつけるが、ヴァイルは過剰なレガートを避け、淡々としながら、一段と弱奏の美音に集中させる、
メヌエット Allegretto、トリオも含め、節目をつけたヴァイルらしい快活な演奏。
終楽章 Presto、プレスト楽章の切れ味は見事、97小節からが再現部と思われるが、109小節から弦がfとなって、特に区切りではない116小節からobとhornがfで和声を鳴らしだす、
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121小節からが頂点なのだが、先行して偉効を奏するようだ、また116小節からバスがポリフォニックになる。
続くアダージョ、楽譜は始まりからvnは4パートに分けて書いてあり、管、バス、と徐々にパートが減って行く、最後はvn2本のみとなり、消えるような弱奏で終わる。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: F.J.ハイドン

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好きな写真  

自分で撮る場合は必要なものをピンボケせずに写すので精いっぱいですが;
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風景や植物、動物等々、ブログのすばらしい写真をよく拝見します。

風景・植物:壮大な絶景も良いし、夕暮れの風情、鉄道や古い建物の入ったノスタルジックな景色もいい、その場の空気感が伝わってくる写真がいいですね、花や山野草の鮮やかな写真も好きです、構図や背景、光線角度や明暗、センスと熟練が要るでしょうね;

鳥類:大小の鳥達、猛禽類もかっこいいですが、特に小鳥のファッション・センスの良さは背景の季節感とともに、見ていて飽きません。飛んでいる鳥の一瞬を捉えるのは難しそうですね、遭遇しないと始まりませんし;
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(*参照画像:Wikipedia)
ベニマシコの腹面は紅梅色というか、味わいがあります。
撮れなくとも、ウォッチングしてみたいです;

犬と猫:まず犬はおとなしいタイプならみな好きですが、とくに柴犬のような日本犬らしいのは親しみを感じます。
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(*参照画像:Wikipedia)
猫はそのへんにいる和猫、雑種のノラくんとか、拘りません、
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(*参照画像:Wikipedia)
お気に入り→奇士さん撮影:茶トラ(2/10)
猫や犬のいろんなポーズ、仕草を捉えた写真が楽しいです。
また→こちらのサイトにある「子猫の後ろ姿」ってのも、すごくセラピーなんですv

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 写真・散策

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短めの弦長  

またちょっと楽器の話です;

音程が同じだとして、リュートの弦長は長いほど、くっきり、クリアになって、余韻、共鳴音とも豊かになります、指の都合で限界はありますが;一方、短めの楽器は手の小さい人に都合よいだけでなく、11コースluteのオリジナル作品ではあえてその響きが良いと思います。
このリュートは弦長66cmですが、
m o 11c
長い楽器より、ややくぐもった音色になり、私的な語り口、このために書かれた曲も本当に内面的で、ゴーティエ父子、F.デュフォー、J.ガロ、C.ムートンなど、広いホールで演奏する感じではありません。バロック後期のヴァイスなど13コースluteやジャーマンテオルボを使う作品とか、バッハの編曲作品になると、力感をもって響かせたい趣きを持っています。
このジャーマンテオルボは70cm(バス部は96cm)、これでも短めです、
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ギターの経験でもありますが、不思議なもんで、同じ弦長(テンション)なのに、楽器によって張りが強く感じたり、緩く感じたりします、強く感じる楽器は力を要求してきて、それなりに音量が出て、緩い感じの楽器は強く弾くことを拒否してきます。
もう一つの11コースluteは弦長67cmですが、
m c 11c
緩い感触で、上記の66cmほうがやや強く感じます。こちら67cmのほうはさらりと軽く、強く弾く意味がない感じ、また楽器によって響きやすい調が違うので、曲に応じて使い分ける、そこが複数持つ利点かな。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 楽器について

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使用弦:部分比較  

注文したローデド・ナイルガットはまだ届きません;

使わずにしまってあった、ローデド・ガットを11コースluteの10、11コースだけ張ってみました、オクターヴ弦もガットです。
11clute lg
順に鳴らすと9コースまでのPVF&NGと響きの違いがわかり易いです、鳴らす力やサスティーンに大きな違いはないので、このまま曲を弾いても支障はないですが、音質、味わいの上ではさすがガットは天然素材、程良く混濁感があり、PVF&NGが白砂糖なら、ガットの組合せは黒砂糖みたい?オクターヴ弦だけガットにしてもかなり雰囲気は近づくようです。
この雰囲気を作るガット弦もメーカーによって変わります、キルシュナー社のガットは硬質に仕上がっていて自分の求めるガットらしさとは違い、オクターヴ弦に使うだけでも他のメーカー弦と混合すると異質になります。

笛で言うと、金属のモダンフルートより木のflトラヴェルソ、あるいは邦楽の横笛など、天然材の音が好きです、それと同じ拘りですね。
ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

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B.ヴァイル:ハイドン 交響曲No.51  

古楽器オケによるハイドン"疾風怒涛期"の期待に応える録音をいち早く出したのがT.ピノックだったが、その後はB.ヴァイル、C.ホグウッドなどと楽しみが増えていった。今日はヴァイルの録音より51番、これはハイドンがそれまでの定石に拘らず内容を深めた野心作でもある。
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ブルーノ・ヴァイル指揮
ターフェルムジーク・バロックO
1992年録音


交響曲No.51番 変ロ長調 Hob.I:51
第一楽章Vivace、活気のある動機で始まり、hornのソロに伴い25小節までppでおさめ、26小節からffの総奏となり、思い切った対比が指示されている。
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ここでヴァイルは一際鋭く、驚愕の響きとする、消え入るように提示部を終わり、展開部は第二主題で始まる、斬新に引き付けて、冒頭の第一主題に戻るが(108小節)
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ここは疑似再現、それは117小節の転調で気付かせる、その後、弦パートの掛け合いと深みをもった見事な展開となる、再現部も型通りでない工夫がいっぱい。
第二楽章Adagioは変ホ長調となり、きわめて穏やかな曲相の中で2つのhornは記録的最高音から最低音まで、超名人技が要求される、当演奏のナチュラルhornは見事に決める、obが間を繋ぎ旋律は簡潔だが美しい楽章にまとまる。
メヌエットの主題はすっきりしたもの、トリオが2つ置かれているのが珍しい、第1トリオは弦のみで清々しい、第2トリオは再びhornソロが活躍、今度はパッセージの演奏が聴きどころ。
終楽章 Allegro、いかにもロンド主題らしく始まるが、変奏曲の要素も合わせた巧みな楽章、hornも大いに活躍して終わる。

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category: F.J.ハイドン

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空間(時間)の短縮  

光速は絶対、"光源の動きに関係なく、真空中で必ず秒速29.979万kmである"とすると、空間(時間)は絶対ではない、とするしかない。
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直角三角形の各辺の間にはピタゴラスの定理という関係がある、これを使って光の何%という速度で移動したときの距離(=時間)の短縮が計算できる。
(移動者にとって早く到着できるということは距離が縮んだのと同じ)
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ピタゴラスの定理
ブレイクスルー・スターショット計画の探査機は今のところ、4.22光年離れたプロキシマbに送られる予定だが、光の20%の速度で飛行するので、光に対し5倍の時間を要し、21.1年かかることになる、しかし探査機にとっての時間は僅かに短くなる。
cに光の速度を100%として当てはめ、探査機の速度がその20%であるとすると、距離(時間)は97.98%に短縮され、若干早く到着できる、
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4.22光年×0.9798=4.13光年
仮に探査機の速度を光速の90%にできたとすると、距離(時間)は43.58%に短縮され、大幅に小さくなる、
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4.22光年×0.4358=1.84光年
これは、あくまで探査機にとっての距離(時間)が短縮されただけであり、光の20%速度の場合、地球で待っている我々には到着まで、まる21.1年かかることに変わりはなく、べつに都合良くはならない、探査機の時計は少し遅れる。
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動画:ブレイクスルー・スターショット計画

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category: 科学・自然・雑学

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R.グッドマン:ハイドン 交響曲No.50  

昨日に続いてハイドン交響曲No.50、今日はロイ・グッドマン指揮、ハノーヴァー・バンドの演奏で聴く。
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ロイ・グッドマン:指揮と通奏低音
ハノーヴァー・バンド
1992年録音(hyperion)


交響曲 No.50ハ長調
第一楽章、序奏は始まりのvnの重音奏法をじわりと聴かせ、堂々とした構え、主部は快速に、小刻みに動く各パートを粒立ちよく聴かせる、この演奏が低音やtimpが最も量感をもって押し出す。27小節~vnパートのトレモロはfのはずだが、グッドマンは一旦控え目に押えcresc.する、
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これが引き付ける効果となり、同時にvaとバスのキビキビした躍動感が印象付き、後は耳が追う、また39小節からのvaのトレモロもくっきり聴かせる、
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強弱やバランスコントロールの良さはグッドマンらしい、
第二楽章はvn、vcが重ねる主題を一際滑らかな運弓で聴かせ、B.ヴァイル盤と対等なくらい、後半21小節あたりでのobの醸し出す情緒が良い。
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メヌエット、押しては引く力感と切れ味を持たせ、典雅な雰囲気にまとめる、トリオはobとvnを重ねる響きが心地よい。
終楽章、ロンド風ソナタで主題の開始は弦のみでppの指示により非常に弱奏、21小節から総奏のfがよりパワフルとなる、29小節からのvnのトレモロによる主題はfのまま駆け抜ける。躍動感十分な演奏、グッドマンは楽譜どおり、後半も反復する。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: F.J.ハイドン

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B.ヴァイル:ハイドン 交響曲No.50  

先日のホグウッド盤に続き、B.ヴァイルによるハイドン交響曲No.50を聴く。
b v hay 50
ブルーノ・ヴァイル指揮
ターフェルムジーク・バロックO
1993年録音 SONY VIVARTE


交響曲No.50ハ長調
第一楽章 Adagio e maestoso-Allegro di molto、序奏部は付点心地よく比較的サラリと始め、
スコア8小節目、vn1が先行するG線の低音強調が効いている。
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主部はホグウッド盤と同じくらい快速だが、弦編成は少し多い感じだ。弦楽のしなやかな感覚は保つ、vn2の和声はサラサラと涼しげ、25小節のfは良い意味で粗野に響き対比際立つ、スコア39小節からのvaのトレモロがくっきりパワフルで効果がある。
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展開部以後も同様の効果で進める。
第二楽章 Andante moderato、スコアのとおり、vcパートが2つに分けられ、vn1のオブリガートとバスパートを受け持つ珍しい用法だ、fagはバスパートに重ねられる、
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主題旋律は深く響くが、当演奏は弦編成が多いせいか、より際立つ、ヴァイルは弦のしなやかな味わいを聴かせる。
メヌエット、トリオはヴァイルらしい快活な演奏。
終楽章 Presto、急速にテンポで、ひじょうに弱奏で始め、trp、timpの加わるfは一層雄大に響く、アンサンブルの緻密さではホグウッド盤が際立つが、こちらも十分に決め、痛快な魅力。

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category: F.J.ハイドン

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カメレオン超新星  

宇宙の物質は始めは水素とヘリウムだけだったが、恒星内部での核融合や超新星爆発、さらには中性子星合体などによって、多くの重元素が作られ、多様で豊かな物質宇宙へと進化してきた。超新星爆発も、恒星が持っていた元素によって種類が分けられる。
Ⅰ型とされる超新星はそのスペクトルに水素の吸収線が見られないⅡ型では水素の吸収線が見られる、というので大別される。しかし2014年、ペガスス座にある渦巻銀河NGC7331(距離3600万~4600万光年)に現れた超新星SN2014Cの場合、爆発から1年間観測を続けたところ、はじめ水素の吸収線がなかったが、その後現れ、Ⅰ型からⅡ型へと変身?したそうだ、
"Chameleon Supernova"とあだ名されている。
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ペガスス座 銀河NGC7331と超新星SN2014C
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X線による撮影
資料:NASA JPL画像
爆発を起こした星からはそれ以前に大量の水素を含む物質が放出され球殻状に取り囲んでいた、そこに爆発の衝撃波が到達して水素が検出され、Ⅱ型の特徴に変わったと考えられている。
なぜ大量の水素が放出されていたのか、大質量星内部での核融合が起こす現象に知られない部分があるかもしれない、あるいはこの超新星の傍にあった伴星の影響かもしれないとのことだ。

超新星爆発が間近とされる超巨星で、イータ・カリーナ星は今まで前兆的小爆発が観測され、伴星も存在するそうだ、ベテルギウスも不安定で周囲にガスを放出している様子を直接観測されている、これらも超新星爆発の際に何らかの特徴を現わすのだろうか。
なお1987年、大マゼラン雲に現れた1987Aでわかったように、超新星爆発は光で観測される数時間前にニュートリノが観測され、スーパー・カミオカンデなど観測機関ではニュートリノを検知した際、世界中の天文台に通報する体制が布かれている。

因みにⅠ型の一種Ⅰa型超新星は宇宙の距離を測る指標としてお馴染みだが、スペクトルに珪素の吸収線が見られるのが特徴だそうだ、連星系の白色矮星がもう一方の恒星からガスを取り込み、一定の質量に達した時(チャンドラセカール限界)爆発を起こすため、Ⅰa型の明るさはどれもほぼ同じとされる。

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category: 宇宙・天体

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リュート低音弦の選択肢  

昔、リュート弦にガットが使われたのは間違いないが、現代作られるガット弦で高音用はまず良好と言えるだろう、細くて切れにくいものも出てきた。ただ、低音弦をどうするのが適切か、未だ不明な事が多い。
リュートを始めた当時、実用的で入手しやすいものといえば、Pyramid社のナイロン弦と巻弦しかなかった、巻弦はギター弦と同じ作りで、サスティーンが長く、ドスっと瞬発力のある低音は出なかった、その後Aquila社からサスティーンがやや押えられた"D"の品番の巻弦が出て、始めて使用したとき、だいぶ好ましくはなったが、ガットには至らなかった。
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巻弦2種
次に試したのはGamutから出ているGimped Gut という低音弦で、ルクスラインとも呼ばれ、ガット線に金属線を螺旋に埋め込み巻きしたタイプだ、ガットの質を保ちながら質量を補充した現代考案された弦で歴史的ではない、弦質が硬く短い楽器には向かない。
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ルクスライン
もう一つはキャットラインと呼ばれるガット弦を縄状に捩った弦で、Aquila社ではヴェニスガットという品名である、質量はガットの裸線と同じで低音ほど太くなるが、弦質が柔らかく均質で、振動も良いのが利点である。
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キャットライン
Aquila社では一頃、ローデド・ガットという歴史的低音弦の再現を試みた、生のガットに銅の微粉を付着させて仕上げ、質量を持たせたものらしい、柔軟で程良く細くなり、鳴り具合も成功しているが、均質に作るのが難しいようで、振動の悪いものが大半だった。この振動の悪さは当品に限らず何らかの加工をしたガット低音弦全般に言える(しかも高価である;)
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ローデド・ガット
なお、近年使い出したのは弦素材ではなく、釣糸用のフロロカーボン(PVF)だが、PVFは19世紀ギターの高音弦としても一頃重宝されたようだ。ただリュートの高音弦にするには細すぎて音質的にも好ましくなかった。しかし、大型魚用の太い釣糸で適度な硬度のものは低音用として良い線行っている、呉羽の万鮪(赤ラベル)がちょうど良い、
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PVF釣糸
まるでリュート向けに用意したかのように、ゲージが細かく揃っているのが不思議^^釣り糸にこれほど細かく必要なのか?50mあるので振動の良い部分を切り出して使える。
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太い弦がPVF
なお、年末に注文したAquilaの新製品、ローデド・ナイルガットがまだ届かない、
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ローデド・ナイルガット(Aquila社画像)
注文が多いらしく納品が遅れているようだ。最低音のあたり、PVFでもだいぶ太いので、この製品に期待している。ガット弦の宿命は湿度変化によるピッチの狂いやすさだが、合成素材はそれから開放されるのが助かる。

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category: リュート

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宇宙膨張は予想より速いらしい  

宇宙の距離を測る、という話は度々取り上げているがまた興味深い情報があった。m
ドイツのマックス・プランク物理学研究所等に所属する国際研究チームがHSTやすばる望遠鏡など複数の観測機関と共同で、強い重力レンズ効果をもつ5つの銀河とその背後にある*クエーサーを観測し、宇宙の膨張率を表す*ハッブル定数を独自に測定した。
結果は従来のセファイド変光星やIa型超新星に基づく数値とはよく一致し、M.プランク衛星による宇宙背景放射から求めた数値とは一致しなかったそうだ。
今回、国際研究チームは強い重力レンズとなる銀河の後方に短期間に変光を起こすクエーサーが重なって見える箇所を5つ観測した、
heic1702.jpg
複数の撮影による合成画像
複数の光点や弧が見えているのは同一のクエーサーの光が異なる経路を通ってきたためである、それぞれの経路は空間の歪みによって長さに差があり、同じクエーサーの変光の様子が時間差をおいて観測される、この時間差で高精度にハッブル定数が導き出されるそうだ、
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esa動画:
Strong Gravitational lensing
Flickering quasar images
具体的な測定結果からの計算法は示されていないが、現在の標準的な宇宙論モデルから期待される値より速く膨張していることを予測した、と報告されている。
(情報:東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構)

*クエーサー
100億光年前後の極めて遠方にあるにも関わらず明るく観測される活動銀河、この銀河核には大質量BHがあるとみられ、初期宇宙の豊富なガスや塵を取り込み、狭い領域から強い電磁波を発していて、数日~数週間、あるいは数年の短い期間に明るさを変えるものがある。天の川銀河や近傍(現在)の銀河も宇宙初期にはクエーサーの段階を経ていると考えられている。

ULAS J1120_0641
現在知られる最も遠いクエーサー、ULAS J1120+0641のイメージ
赤方偏移z=7.085で、後退速度は光の約97%、距離129億光年と思われる


*ハッブル定数
2012年-スピッツァーSTの観測から求められた値は、74.3±2.1km/秒/Mpcで、2013年のM.プランク衛星の宇宙背景放射の観測に基づく値が67.15±1.2km/秒/Mpc
2016年-HSTとハワイのケック望遠鏡による観測で、セファイド変光星とIa型超新星の両方が存在する銀河から求めた値が73.2 km/秒/Mpc

関連過去記事:赤方偏移で距離計算

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category: 宇宙・天体

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C.ホグウッド:ハイドン 交響曲No.50  

この曲の音盤は何枚かあるが、特に気に入っているのはB.ヴァイル、R.グッドマン、そして今日のホグウッド盤になる。祝祭的でtrp、timpは欠かせないといったタイプの曲だ。ピノック盤が比較的落ち着いた端正な演奏で、これもわるくないが、C.ホグウッドはぐっと快速に切れ込みよく演奏し、曲の持ち味を掴んで聴かせる。m
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クリストファー・ホグウッド指揮
エンシェント室内O

交響曲No.50ハ長調
第一楽章 Adagio e maestoso-Allegro di molto、付点リズムのフランス序曲的で荘重な序奏、続く主部はやはり、きりっと快速なのが自然だ、主部は全般にバスの素早い動きが活気を与えるが、爽快な動機に始まり、一度総奏を響かせ、再びpでバスが休む18~24小節までのサラサラと軽妙な響きがまた引き付ける、
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R.ランドン版
総奏の力感との対比が効く、ホグウッド盤はAAMの透明感を帯びた弦の美音と、低音やtimpの押出す量感の効いた響きも良い。楽譜の後半には反復記号がなく、そのとおり演奏され、比較的短く終わる。
第二楽章 Andante moderato、テーマの旋律は味わいがあり、vnとvcがユニゾンで奏でる響きは独特で深みを与える、後半では哀愁を帯びた一面も聴かせる。
Menuet-Trio、主題は祝祭的で洒落た切れ味をもつ、トリオは穏やかになる。
終楽章 Presto、ここもぐっと快速に演奏、弱奏の開始とトゥッティの豪快な対比がよい、弦は小編成だが、パートが分離して明快、終結も華々しい、後半はスコアに反復指示があるので繰り返される。
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参考動画:F.J.Haydn-HobI:50-Symphony No.50 in C major (Hogwood)

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category: F.J.ハイドン

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