Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話題など

飛び出した超大質量BH  

極めて遠方にありながら強い電磁波を放ち、明るく見える活動銀河核を*クエーサーと呼び、中心には超大質量ブラックホールがある。
*クエーサー:100億光年前後の極めて遠方にあるにも関わらず明るく観測される活動銀河核で、中心には超大質量BHがあるとみられ、初期宇宙の豊富なガスや塵を取込み、狭い領域から強い電磁波を出し、数日~数週間、あるいは数年の短期間に明るさを変えるものがある。天の川銀河や近傍(現在)の銀河も宇宙初期ではクエーサーの段階を経ていると考えられる。

米・宇宙望遠鏡科学研究所がHSTでやまねこ座80億光年にあるクエーサー3C 186を観測したところ、このクエーサーは母銀河の中心から3万5000光年外れた位置にあるとわかった。
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3C 186 資料:NASA, ESA, and M. Chiaberge (STScI/ESA)
通常は銀河の中心にあるはずだが、これは2つの銀河が合体した際、それぞれが中心に持っていた大質量BHも合体するが、その前に互いを周りながら接近し、重力の波が生じる、BHに質量差があると重力波の方向に偏りがでる、両BHが合体した瞬間、強く重力波が放出された方向と反対方向に弾き出される、
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資料:NASA, ESA/Hubble, and A. Feild/STScI
動画:Hubble Detects a Rogue Supermassive Black Hole
つまり重力波が推進力となり、クエーサー3C 186は時速750万km(秒速約2000km)で高速移動している、超大質量BH同士の合体もありうる証拠として考えられている。これも物質が狭い領域に集中していた初期宇宙ならではの現象だろう。
今後、アルマ望遠鏡で詳細な観測が行われる見込み。

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category: 宇宙・天体

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T.ファイ:ハイドン 交響曲No.54  

ハイドンの交響曲54番もひじょうに優れた内容を持ちながら、単独盤ではあまり見かけないのがもったいない曲だ。全楽章バランスの取れた充実度がある。T.ファイのすべて心得たような演奏で聴くのがまた良い、15集で53番「帝国」とカップリングされている。
fey hay 54
トーマス・ファイ 指揮
ハイデルベルク交響楽団
2011年 Hänssler Classic


交響曲No.54ト長調
第一楽章 Adagio maestosoで付点リズムの荘重な序奏、ファイはパンチは効かせるが響きは涼やかなのが良い、Prestoの主部、弦が弾くリズミカルな旋律が第一主題だが、目立たない、同時に吹くhornが主題に聴こえる、総奏に入ると極めて活気に満ちる。
展開部は[65~129]と長く、第一主題で始まり、[109~117]で短い対位法を聴かせ、
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[118]からfzの力強い推進に移る、斬新さと活力に満ちた楽章。
第二楽章 Adagio assai、疾風怒涛期タイプの緩抒楽章として最もデリケートな傑作かもしれない、さすがにI氏も褒めている。vnには弱音器が付く、ファイはvnにpppレベルの弱奏を用い、管の音は現実のように、vnは夢想世界のように響かせる。前半の[42]からは例によってvn1をソロにする効果を使う。短調となる後半[50]から、スコアにはppの指定があるだけだが、ファイはこの例のような強弱法を取り入れ、奥行きを深める、
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そして展開部でobが加わり転調の移ろいを聴かせる、
再現部もすんなり型どおりでなく、[107]で意外な転調がある、[117]からカデンツァとなり、vn1、2、各1人の美しい二重奏を聴かせて閉じる。
メヌエット Allegrettoは跳びはねるユーモラスな主題、trp、timpも粗野なほどに効かせる、弦楽のみの弱奏との対比が大きい。トリオはテンポを緩め、一転して柔和な表情、メヌエットの再現では、timpのリズムに即興がある。
終楽章 Prestoも引き続き活力があり、入念に書かれた内容を持つ、ファイはバス部の動きを強調して聴かせ、終楽章に彫りの深さも与える、また反復の際、vn1の[74]および[78]のアウフタクトに上行パッセージの装飾を入れ、これが決まっている。
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category: F.J.ハイドン

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モーツァルト:協奏曲 K.314、古楽器による演奏  

K.314といえば、お馴染みモーツァルトのオーボエ協奏曲ハ長調(1777)とフルート協奏曲No.2ニ長調(1778)で、同一曲であり、一般にはobのために先に書かれ、flのためにほぼ変更なく移調編曲されたと言われるが、確証はないそうだ。ob協奏曲の草稿は1920年に指揮者で研究家のベルンハルト・パウムガルトナーがモーツァルトの息子の遺品から発見している。
モーツァルトは自ら演奏したこともあって、ピアノ協奏曲が断然多いが、明快な管楽器のための協奏曲はやはり聴きやすく心地よい。m

じつに多くの録音があるが、当時の楽器、バロックob、flトラヴェルソによる録音が意外に少ない、半音進行やパッセージなどクロスフィンガリングの難しい技術の要りそうな曲でもある。
例として第一楽章に、難しそうな半音進行[147]もあるが、
1 mo ob 02
2 mo fl 02
もちろん、ここばかりではない。それぞれの楽器に応じ、適した変更がされた部分があるが、曲そのものの魅力は損なわれず・・というかflではより魅力的な効果を加えているようだ、
[44]はflではオクターヴ跳躍になる、
3 mo ob 01
4 mo fl 01
第二楽章はさすがにモーツァルトの群を抜いた美質が際立つ、緩抒楽章でのこのような旋律の跳躍的動きが心を満たす。
moz fl con02
第三楽章ロンド・アレグロは軽快で、より技巧的、装飾的な聴きどころを置く。

手元にある音盤で、まずバロックobによる演奏、
moz ob con
アルフレード・ベルナルディーニ(バロックob)
ジョナサン・コーエン(指揮) アルカンジェロ  
2014年 hyperion

今のところ、バロックobでこれに勝る演奏は見当たらない、コーエン指揮のアルカンジェロは程良く快速、透明感心地よく、vn2やvaのパートも明瞭に聴ける、この曲はソロの入りから聴かせどころだが、ベルナルディーニの滑らかさは申し分なく、バロックob独特の高域のツーンとくる響きは格別、装飾を加えた演奏もセンス良い、モダンobに対し、ある程度のぎこちなさ、というのが出るものだが、当演奏は流麗で、手作りな味わいが貴重だ。
第二楽章では、より"声"に近い表情を出せるのがわかる。
終楽章、幾分落ちついたテンポで装飾的パッセージをぴたりと決め、端正に引き付けて行く、カデンツァの演奏で一部、オケのobがハーモニーを添わせる。

次はflトラヴェルソによる演奏、
moz fl con
菅きよみ(flトラヴェルソ)
鈴木秀美(指揮) オーケストラ・リベラ・クラシカ
2003年 Arte dell arco

過去の録音ではバルトルド・クイケンの演奏が今も名演として価値が高いが、DHMによる録音は少々音質が硬いのが惜しかった。
近年の演奏で当盤はナチュラルな好録音も含め、貴重だと思う、菅きよみのflトラヴェルソのまったく淀みのない技術は素晴らしい。
第一楽章、当時に倣い前奏部分からソロflもvn1のパートを一緒に吹く、この一体の響きから魅力である、ソロの入りまで沈黙するよりこのほうが良い。急楽章においても微妙な音程のゆらぎを効果的に用い、flトラヴェルソならではの深い表情が感じられる。
第二楽章、弱奏でこの上なく柔らかで神聖な趣きに満たされる、純正な音程の味わい。
終楽章、装飾的動きが転がるように心地よい、ソロとオケがポリフォニックになる部分も弱奏で明瞭に聴ける。

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category: モーツァルト

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PCからオーディオへ  

いつもCDを聴いた感想はシステムで一度通して聴いて、書きますが、エアコンやPCの駆動音は邪魔になるので、まずはこれらを止めてじっくり聴きます。
もちろん一度聴いただけで全部は記憶できません;次はPCでスコアを表示しながら、再生して、印象に残った部分を拾って書くことにしています。
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しかしPCに繋いであるのはちっちゃなスピーカーで、広い帯域や強弱を十分聴き取れません、
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PCで聴きたい部分を自由に操作しながら、音声を電波で送る、受信機をアンプのライン入力に繋いで再生する、というセット機器を使っています。
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直接ケーブルを引いていっても良いですが、それを省略できるだけの話です^^;
動画サイトの音声もかなり良質なものがあって、この送受信機でCDさながらに聴けるものもあります。

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category: オーディオ

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また想定外、稀勢の里が優勝  

稀勢の里といえば、「強くて頼もしいけど、これほど喜ばせたり、心配させたりする人はいない」、見る者を引き付けずにおかないが、新横綱の場所も大いにそうだった^^; m
昨日は、相撲中継の時間、うたた寝をしてしまって、あとで録画を見ることにしたが、先にネットのニュースで結果を見ると、本割、決定戦と続けて勝った、とあるのに驚いた、八角理事長も「語り継がれる逆転優勝」と言っている。
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怪我をした13日目や翌日の鶴竜戦の様子から見ても、復調を見せる照ノ富士に一番勝つのでさえまず無理だろうと思えた、録画を見はじめると、やはり解説の北の富士、舞の海両氏とも、始めからそんな口ぶりだった、しかし終盤そんな予想がひっくり返された!
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動画:本割の一番は「突き落とし」
kise teru b
動画:優勝決定戦は「小手投げ」

いずれも差し手は照ノ富士有利だったが、稀勢の里は残った右腕を使っての逆転勝ちだった、
土俵際で強い。
どうやら照ノ富士も左足の故障が場所中再び悪化したとみられ、手負い同士の対戦だったようで、そこは五分だったかもしれない、照ノ富士が前日の琴奨菊戦で不評を買っても楽な勝ち方をしたのは翌日に備えて足を庇ったのかもしれない、横綱に代って場所を盛り上げた功労者にはちがいないが、「目に見える辛さと見えない辛さがみんなある」と言ったそうで印象に残る、10勝5敗で星を分け合った日馬富士と鶴竜も同様かもしれない。
高安も12勝あげ殊勲賞、来場所10勝以上で内容良ければ大関に上がれる見込み、しかし自分より兄弟子の優勝を泣いて喜んだそうだ。

PS.舞の海氏によれば、稀勢の里は画像測定で立ち会いの出足速度が平均以下で(1位は白鵬、2位は日馬富士)相手に有利になられやすい、またそれ以上に腰高になるのが弱点、これを克服すれば、「北の湖」のような手の付けられない横綱になるとのこと^^;

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category: 時事・雑記

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T.ファイ:ハイドン 交響曲No.36  

T.ファイが活躍中の録音もいくつか聴いています。
今日は20集に入っている36番、これも初期作品として好きな曲で、先日グッドマンで聴いた17番と作曲年も近く、第一楽章は近似した作風が見られる、ただしこちらは4楽章ある。
fey hay 36
ハイデルベルク交響楽団
トーマス・ファイ指揮、2013年
Hänssler Classic


交響曲No.36変ホ長調
第一楽章 Vivace 装飾的で快調な主題が用いられるが、ファイは溌剌と切れ味良い。
例として[10]からのように
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vn1とvn2の主題の受け渡しが巧みで、全体にそんな書法が効いていて魅力、ここはvn1、2の左右配置で明確。[18]からのfでファイはhorを豪奏させ、気合いが入る、
[36]~[43]の短い部分が第二主題かもしれないが、
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展開部では断片的に現れる、
[1]~[60]が提示部、[61]~[120]が展開部、[121]~[165]が再現部、と区分され、展開部だけで提示部と同じ長さになる、[83]で一区切り置くようだが、
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大いに聴きどころで冗長さはない。
なおファイは展開部の[101]から一回目の演奏で心もち加速しているように聴こえる?いつの間にか元に戻り、反復ではインテンポに感じる。
第二楽章 Adagio は管は休みで、vnとvcによる二重協奏曲、しかもバロックのリトルネッロ形式で書かれる、センスの良い初期古典派的な趣きで、2人のソロは雅やかに聴かせる。
メヌエット、ゆっくりめでリズムはくっきり弾ませた演奏、トリオも含め、特に際立った特徴はない。
終楽章 Allegro(Presto) 上声部とバス部が対位法的に書かれる部分が多い、ファイは快速に引き締める。第一楽章の充実は素晴らしいが、この時期、メヌエットや終楽章は秀作ながら、十分に引き付ける内容とはいかないようだ。

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category: F.J.ハイドン

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想定外、稀勢の里が負傷 ≪追記:今日も出場≫  

大相撲、昨日の13日目、日馬富士vs稀勢の里戦で、稀勢の里はまさかの怪我、左肩脱臼か、筋を切ったか?かなりの痛みだったようだ。日馬富士の寄り倒しで土俵下へ落ちた際の打撲か、それより前に痛めたのか、わからない。
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しばらく立ち上がれず、左腕を押えながら退場
どんな怪我なのか、今のところ公表されていない、"大胸筋断裂"だとしたら、回復まで長くかかるそうだが?ひじょうに気がかり;
日馬富士にも勝ってほしい気がしていた、12日目、13日目と本来の鋭い相撲を見せた、一方稀勢の里は12連勝とはいえ、何番か悪い癖も出たそうで、力で補っていた。昨日は日馬富士がもろ差しになって一気に攻め込み、稀勢の里は先場所の白鵬戦のように土俵際ですくい投げに行こうとしたのか及ばず、左で小手に振ったあたりで無理がかかったようにも見えるのだが?
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動画→ 12日目 日馬富士vs稀勢の里
腰高で悪い癖が出た一番とされる、日馬富士は支度部屋に戻り「稀勢、大丈夫ですか」と気遣ったそうだ。新横綱で取りこぼしなく12連勝、これで十分でしょう、しっかり治して、あらためて横綱相撲を見せてほしい、名古屋場所、観に行く予定だから;

追記:今朝9時過ぎのニュースによると、稀勢の里、なんと今日も出場するそうです、あんなに痛そうだったのに!?傷病名は明かされておらず、大事には至ってなければよいが、勝ち負けはともかく、悪化だけはさせないでほしいですね。

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category: 時事・雑記

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ガット弦:フレット用と奏音用  

先般、注文を入れたAquilaのローデド・ナイルガットは未だに発送されません、どうやらまた諸事情で作れなくなったと思われ?幻の弦で終りそうです^^;アテにしていたのに・・;f gut
L ng

さて、ジャーマンテオルボの6コース低音弦があまりに振動不良だったので、代りになる手持ちの弦を探し出し、片っぱしから替えてみました、(*振動不良=弦の質量が端から端まで均一でなく、脈動して振動し、音程もふらつく)
6コース低音にはガットの1.12㎜相当を使いますが、見つけたのはどれも、もっとダメな弦ばかり、開放弦がフレットに当ってしまうような;;諦めかけて気付いたのが、フレット用のガット1.10㎜(キルシュナー)です、ダメモトで張ってみたら、これが良い!v
f gut
前にも書きましたが、キルシュナーの奏音用のガット弦は硬質な仕上げで、6コースの1.12には使いにくいですが、フレット用なら硬すぎずちょうど良い、鳴り具合もこちらのほうが気に入ってしまった。
gt 6c gut
因みにガットのフレット弦と奏音弦は仕上げの違いだけで、元々の作りは同じらしく、良質でない部分をフレット用にまわすと聞きましたが、張ってみるまでわからないですね、フレット用は長くてお値打ちだし、ダメだったらほんとにフレットに使えばよいしv

しかし、ガット弦は部屋に加湿器をかけて、40%→44%になるだけで大幅に下がる、たぶん敏感な湿度計が作れるんじゃないかと^^;
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昨夜はあまりに乾燥していたのに驚きました、ここで加湿器をかけるのがよいのかどうか?・・極端な変動になってしまう;
このタイプは湿度が低いほうでは精密ではないようで、低いほうは昔ながらの温度計が2本立った気化熱差で見る方式が正確にわかるかもしれない。

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category: リュート

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人間ドック日和  

今日は人間ドックでした、胃カメラは鼻血が出る人がいるので、口から入れるのが優先となったそうですが、「鼻血出てもいいから」ということで、鼻からにしてもらいました、口からはしんどいです;今日のDr.は、モニター見せながら詳しく解説してくれました、いつもどおり多発性ポリープがあって、胃壁に一部シワが見られる、ポリープは良性で、これができる人はむしろ癌になりにくい云々・・親切なDr.でした^^ あと腹部の超音波検査ですが、いつもは横っ腹がすごいくすぐったいけど、今日はすんなり上手くやってくれた、今日は意外に楽だったかな、聴力検査も全部聴こえたv、しかし全項目の詳しい結果は郵送待ちです(コワイ)^^;; micha

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ついでに、またちょっとお相撲です;
昨日の11日目、全勝で来た関脇、高安が鶴竜に敗れました、
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動画:NHKニュースより
まあ、高安も健闘したし、横綱がこれ以上負けたら異常事態なので、順当に納まって逆にほっとした感じ^^稀勢の里は依然勝ちっぱなしでしたが、ここまでは全て勝つべき相手、取りこぼしがなかったわけです、最後の3日間は横綱、大関同士の対戦でしょうが、先輩横綱の日馬富士、鶴竜もこれ以上負けられない意地があるでしょうし、大関照ノ富士も怪我が良くなったようで、星1つで追っている、高安もまだ1負、最後の三日間は混戦でどうなるか予想がつかない、と言えるでしょう、白鵬は休みだけど稀勢の里が代りを務めているようで、盛り上がりそうな展開。
ozumo 11
11日目 結果
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category: 時事・雑記

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R.グッドマン:ハイドン 交響曲No.17  

今日はちょっと気分を変えて、R.グッドマンのハイドンを聴く、じつはこのCD、間違えて重複注文してしまった;17番~21番の5曲が入っているが、初期作品というのもじつに魅力があふれている。今日は3つの楽章で書かれた17番について、
good hay 17
ロイ・グッドマン指揮
ハノーヴァー・バンド
1993年録音 hyperion


交響曲No.17ヘ長調
第一楽章 Allegro 装飾性を帯びた流麗な主題が使われるあたり、また展開部が長大で充実した内容を持つところ、36番に近い作風に思える。じつに心地よい主題で始まる、
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ここをグッドマンは引き締めた表情をつけ、活気に満ちた感覚で開始の印象が魅力、ホグウッド盤も美しい演奏だが、もう一歩踏み込んだ楽しさ。
展開部はひじょうに長く[55]~[112]に渡る、第一主題で始め入念な書法、[80]でひと区切りだが、vn2は快調に繋がる、
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以後、流れの良さを保ちながら縦横無尽の書法が見事に続く、再現部[113]~は凝縮して変化を持たせて終る。当演奏はこの後半も反復するのが良いv
第二楽章 Andante,ma non troppoはヘ短調となり、簡潔なソナタ形式、
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感傷的な主題で、旋律美の楽章、グッドマンは節目の感覚を入れながら清涼にまとめる。
終楽章 Allegro molto 3/8拍子の軽快な楽章で疾風怒涛期のような緊迫に引き込む要素はなく、初期古典派らしい趣き。

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category: F.J.ハイドン

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にゃおとら(にゃんけい)  

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大河ドラマは第11回まで来たところだが、ヒロインの次郎法師(井伊直虎)というと、井伊谷の国人領主を継いだ、戦国時代ではマイナーな存在かもしれないが、元許婚だった井伊直親の子、虎松は直虎に養育され、次の当主、井伊直政となり、家康に仕え、その後井伊家は幕末まで徳川幕府の大老など重臣を務める名門となる。
井伊氏の先祖を辿ると、大化の改新に関わった中臣鎌足(藤原鎌足 614-669)に行きつくらしい、また、井伊の家老であった小野氏も辿れば飛鳥時代の官人、小野妹子(6~7世紀)に行き着くという、織田も徳川も及ばない日本史を跨ぐ血統のようだ。

大河ドラマでは次回、直親が松平(徳川)に接近したのが今川に知られ、弁明に行く途中、今川家臣に襲われ命を落とす、というあたりからだ。直親の子、虎松含む井伊家存亡の危機となったところ、元々今川の家臣である新野親矩(左馬助)が救い、「情けの武将」として話題になった、このあたりもどう描かれるか?
一方、井伊の家老兼今川の目付である小野政次は駿府の寿桂尼の前で、直親の謀反を認めざるを得ない状況に描かれ、井伊を庇うのを諦める、という運びだろうか?三人の幼馴染みの時期を描いていただけに、立場の苦しさが浮かび上がる、政次はその後父、政直と同じような道を辿ることに、なお小野政次の弟、玄蕃は井伊の家臣として「桶狭間」で討死しており、その玄蕃が残した子、小野朝之はやがて井伊直政の家臣となり、井伊と小野の繋がりは続く。

さて本題・・大河の初回から南渓和尚に抱かれて登場している、茶トラ猫だが、巷では「ニャオトラ」あるいは「ニャンケイ」と呼ばれている、のちに井伊直政が彦根藩主となるので「ひこにゃん」のご先祖とも・・^^
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情報によると、
グローバル・アニマルアクト所属の本名:「りの」ちゃん♀
経歴のある猫タレントだそうで、僧侶が飼うにふさわしい落ち着いたネコ役を演じている。
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子役さん達もさすがに気になるらしい^^

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category: 映画・TV・DVD

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B.スピルナー:ハイドン 交響曲No.46(vol.23)  

ハイデルベルク響のハイドン交響曲、23集の続きです。
今日はB.スピルナーが指揮する46番について、先日の35番同様、聴き手を集中させる演奏。
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ハイデルベルク交響楽団
CD2:ベンジャミン・スピルナー指揮、2016年6月、
Hänssler Classic


交響曲No.46ロ長調
同時期に書かれたNo.45「告別」の姉妹作のような充実した作品と思うが「ロ長調」というめったに使わない調で書かれる、vnでは開放弦が1つしか使えず、当時の木管楽器ではクロスフィンガリングが多くなるそうで、これもハイドンの新しい響きへの試みか?
第一楽章 Vivace 簡潔で力のある動機に始まる、溌剌とする[13]からの、vaとバスは一段と力強く刻み肉迫する、
sc hay 46 a
[22]から、vn1とvn2が左右チャンネルから対等、明確に聴こえ、これも心地よい、
sc hay 46 b
ロ長調だが、全体に短調に転じる部分が多い、ベートーヴェンの「コリオラン」序曲にも似た緊迫感に包まれる。展開部[61]~はpで第一主題をポリフォニックに始め、[76]からは嬰ヘ短調となり、R.ランドン版では[ff]が補記されているが妥当だろう、
sc hay 46d
スピルナーによる彫り深く引き締まった快演は見事。
第二楽章 Poco adagio ロ短調となり、6/8拍子でシチリアーノのリズムを持つが疾風怒涛期の魅力も十分な緩抒楽章、スピルナーはすっきりした感覚、vnは弱音器を付け、遠く清涼に響いてくる、他の楽器が色彩と起伏を付けて行く、ソナタ形式の再現部[43]からobの2度の入る和声が魅力だが、そのアウフタクトからvn2が入り、より流麗感を与える。
sc hay 46 c
メヌエット、幾分速めのテンポで、爽快にまとめる、トリオは弦や管がほぼ和声進行を奏でるだけの簡潔さが意外、ここではobが少し装飾する。
終楽章、Presto e scherzando、期待どおり、快速に切れ味よく決める、総奏ではバスもどっしり押し出し、ダイナミズム効果も十分聴かせる、展開部のあと、しばしメヌエットが再現され、Prestoに戻り(何か言いた気な?)謎めいた終結をする。
この46番もひじょうに満足いく名演だったv

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category: F.J.ハイドン

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優れ物:顕微鏡、ミニ秤、ナースサンダル  

お安くて重宝する品って結構ありますね、思わず取り寄せました。m
まずは、簡易顕微鏡、情報源は今回もDaisyさんのブログです^^
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ドゥ・ネイチャー顕微鏡 STV-120M(Kenko) amazon
倍率60~120倍、観察物を照らすLEDライト付きで、分解能は上々、アナログ盤の溝も詳しく見られます、電池込みでわずか42g、盤上に直接置いても大丈夫です、
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良好盤の溝はきれいに滑らかなのが確認できます、嵌り込んだ埃もハッキリ見える^^;
カビか付着物か?今まで不明だったノイズ原因も判明するかも!?
レコード針の針先も拡大して見られます、対物レンズと適当な距離になるよう、補助台を工夫すればいいです。ひどく欠けていないか、なら確認できるでしょう。

上記のミニ秤は以前買ったもので、意外に正確、針圧の確認にも使えました。
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表示単位:0.01g、中国製で安いけど、当り外れがあり、返品して再注文した;
同等品:amazon (*電磁場の影響のある空間では表示が狂う)

ついでにポチったのが、ナースサンダルです。
普段から靴下を履くだけでも窮屈で、裸足ではじめて、くつろいだ感じになります、
近場を出歩くくらいサンダル(草履)がいい。
Nurse sandals2
しかし適当に買ってきたサンダルは鼻緒がスレて痛くなったり、すぐ壊れて安物なりです;
ナースサンダルは看護師が仕事で履くだけに具合良く出来ているようで、この製品は足の甲~足先3段と、かかとが細かく調節できるのがいい、 サイズは28.5cmまで細かく揃っていました、板の間ではややうるさい;硬い床か屋外用ですね。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 時事・雑記

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四横綱の土俵入り  

今日はちょっとお相撲の話です。
いつも大相撲中継は中入り後の後半くらいしか観ていないので、横綱の土俵入りの様子ははっきり記憶になかったですが、それぞれの横綱らしい個性が出ていて味があります。

新横綱の稀勢の里は堂々とした雲竜型で申し分ない、真っ直ぐ腕を伸ばし、いかにも実直でどことなくぶっきら棒?にも感じるところがこの人らしくていい^^
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動画:稀勢の里 土俵入り

鶴竜はあまり気合いを表に出さず、したたかに上手い相撲で勝つ、雲竜型で力まず淡々としているのがこの人らしい、
動画:鶴竜 土俵入り

日馬富士は速攻、技の切れが持ち味、不知火型で、相撲と同じく、メリハリがある感じです。
動画:日馬富士 土俵入り

そして、第一人者、白鵬の土俵入りがひじょうに魅力に思います、攻めの型であるとされる不知火型だが、両腕は小振りで脇を締め、隙が無い印象、静と動の対比がよく、何とも優雅、厳かで風格のある所作。
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動画:白鵬 土俵入り
今場所は怪我の悪化で途中休場ですが、強い白鵬がいてこそ盛り上がってきたので、万全で復帰してほしいです。

また、稀勢の里と同部屋の高安が一段と好調、このままコケずに行って盛り上げてほしい。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 時事・雑記

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バロックリュートを始めたとき  

もう何十年と昔;初めてクラシックギターで暗譜して弾いたのが、このS.L.ヴァイスのファンタジーハ短調でした。(ギターではホ短調又はニ短調に編曲される)m
weiss fa tab
その後レパートリーは増えず;リュート曲など古い作品の編曲ものばかり漁ることが多かったです。(クラシックギターの主要レパートリーにさほど熱があがらず;)
ルネサンスリュートはギターと調弦法が近いので、馴染み易かったですが、
6c lute
6コース、ルネサンスlute
(*ギター調弦の③弦を半音下げるとルネサンスリュートと同じになる)
guit.jpg
バロックリュートとなると調弦法はかなり性質が違い、二の足を踏んでいました。
しかし、バロックlute曲をギターに編曲するのは似て非なる楽器ゆえに余計難しく、満足いく結果にならない・・
b lute
やがてバロックlute購入を決行し;独学で始めました。楽器の扱いや記譜法(タブラチュア)には先にルネサンスluteで馴染んでいたので、あとは調弦法の違いによる運指パターンの違いに馴染むことで、弦(コース)が多くなるのは大した問題じゃなかったです。
11c lute
11コース、バロックlute
ギターやルネサンスluteとの大きな違いは、五線譜で書くと流れている旋律も、バロックluteではアルペッジョみたいに弦が替って行く弾き方が多いこと、
weiss fa
これで音の粒が揃い、旋律をレガートにしないといけない、特に始めた頃はこれが未経験の難しさでした。
migite02.jpg
右手の爪をまったく使わないというのも、さらに勝手が違った記憶です;

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 演奏について

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T.ファイ:ハイドン 交響曲No.7「昼」(vol.23)  

CD1、CD2と交互に聴いているハイデルベルク響のvol.23、今日はT.ファイが指揮したハイドン交響曲No.7「昼」について、
fey hay 7
ハイデルベルク交響楽団
トーマス・ファイ指揮、2014年3月
Hänssler Classic


交響曲No.7ハ長調「昼」
第一楽章 フランス序曲のスタイルで付点リズムの序奏で始まるが引きずらず軽やかに演奏して心地よい、主部Allegroはシンフォニア・コンチェルタンテとなり、ポリフォニックで各ソロ楽器を巧みに用い、実に噛み合いの上手いやり取りは、テレマンの快活な楽章を思わせると同時にハイドンらしい手腕だ。ファイと奏者達の演奏もそんな楽しみが迸る心得た名演。
第二楽章 Recitativo Adagio ハ短調で始まり、歌劇の悲劇的場面さながらにvnソロがレチタティーボを弾くよう書かれているが、当演奏ではあたかも具体的台詞があってvnが替って唱えるかのようにデリケート、踏み込んだ表現が聴きどころ、
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vnソロ・レチタティーボの一部[16]から、ハ短調だが楽譜面はイ短調表示にしてある
余談だが、[20]の始まりの部分は、
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ヴィヴァルディの「四季」"夏"の一節を思い出す^^
vi 4s s
ヴィヴァルディ 「四季」:夏、第一楽章より
後半はト長調となり、vnとvcのソロに2本のflが助奏する二重協奏曲で、後々も協奏曲の傑作を書くハイドンのセンスの高さを見せる、vnとvcによるカデンツァもハイドン自身が入念に書いている。ソリストはここも比類のないほど美しく集中させる名演だ。
メヌエット、速度指定なく、ゆったり優雅に演奏、トリオではcbがソロを聴かせる、2本のナチュラルhorの響きも加わり、何とも渋い味わい、このテンポがしっくりくる。
終楽章 Allegro、ここでも各楽器がソロを聴かせるが、flの活躍が目立つ、よく整った秀演だが、終楽章はもう少し気合いで攻めてくるものがほしいと感じた。スピルナーがあらためて録音したら変わっていたかもしれない?
しかし、数ある中で当演奏の満足度は高く、第一、第二楽章が良かった。

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category: F.J.ハイドン

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星団の中の若すぎる星  

宇宙・天体の話題は少し日が経つとネタが古くなってしまいます;

"3月10日、豪・電波天文学研究国際センターのBi-Qing For氏らの研究チームは、天の川銀河から16万光年離れたところにある隣の矮小銀河、大マゼラン雲の星々について、星団の位置と数千個もの若い星の位置とを照合した。そして、同じ星団に属していながら、他の星よりもはるかに若い星の候補を15個発見した。(AstroArts)"というニュースがあった。
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大マゼラン雲 可視光画像(矮小銀河だが、僅かに渦巻き構造がある)
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赤外線天文衛星「スピッツァー」がとらえた大マゼラン雲
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上の「スピッツァー」画像のの部分のクローズアップ
資料:NASA/JPL-Caltech/M. Meixner (STScI) & the SAGE Legacy Team

まず「星団」についておさらいすると、天の川銀河内にも多くみられる散開星団はガスや塵が集まった一つの星雲の中で集団で生れた星々だが、初期宇宙では銀河の合体が頻繁だったので、星間ガスが大量に圧縮され、密集度の非常に高い星団もできたと思われる、現在銀河を周回している球状星団は100億歳以上の古い星ばかりで、そんな時代の生き残りが重力の束縛で散らばることなく存続している、という説は自然だと思う。規模の小さい星団は銀河を周回中に銀河の重力で引き離され、銀河に取り込まれていったと考えられる。

大小マゼラン雲は銀河合体の経験がない?と見られ、星の材料となるガスや塵が豊富にあり、現在も星形成が活発で、球状星団を思わせるような星が密集した散開星団もみられる、
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散開星団 NGC265 (大マゼラン雲)
同じ星雲の中では兄弟として誕生した星達のはずだが、今回の観測で同じ星団の中に極端に年齢の離れた若すぎる星が発見された。同じ星団でも恒星は大小様々な大きさで生れる、マゼラン雲は材料が豊富な分、巨星も生まれやすいと思われるが、巨星は寿命が桁違いに短く、爆発してしまう、このまき散らされた材料で星団の纏まりが散逸しない間に次の世代の星が生まれているのではないか、と今回の分析から推測されている。
関連過去記事:エディントン限界  球状星団の卵?:「爆竹分子雲」

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 宇宙・天体

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甘味料  

昨日はドラッグストアでカロリーゼロの甘味料を買ってきました。
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パルスイート(AJINOMOTO)
今までダイエットなど気にしたこともなかったのに;毎日、ゴムのジャージを着て気付かなかったけど、ぴったりだった衣類のウエストがチョットきつい・・トホホ
思えば傍らにはいつも糖分の入った飲み物があり、シュガーポットに入れたグラニュー糖も数日で減っていた、これが大きな原因かと、
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「元々痩せているから少しくらい・・」と開き直るのはよくない^^;
家で作る珈琲、紅茶はカロリーゼロを使い、買ってくるものも糖分なしに限定して当分様子をみます、(動いてカロリー消費も)カロリーゼロ甘味料は砂糖のように口に残る感じがないですが、甘味まったくなしの味けなさよりはずっとマシです;

アマチャヅル茶というのがありますが、これもカロリーゼロに近いらしい、
以前飲んだときは、甘いような?錯覚のような・・舌がダマされているようでしたが^^;ちょっと面白い味だと思いました。
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アマチャヅル(ウリ科アマチャヅル属)

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category: 時事・雑記

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【新着】B.スピルナー:ハイドン 交響曲No.35(vol.23)  

一昨日の2枚組アルバムだが、CD1、CD2と交互に書いていくことにした。
今日はT.ファイの後継者スピルナー指揮で、CD2の35番について
百パーセント、ファイさながらに、とは行かないだろうが、長くハイドン交響曲全集に向けて取り組んできたハイデルベルク響のメンバーにはファイと共有の演奏スタイル、美質は浸透していると思う、ここはコンサートマスターのスピルナーが率いてorchメンバーだけによる継続がやはり唯一の道だろう。CD1はどの程度かわからないが、ファイの関与を尊重して出されたようで?未完の感はやむを得ないが、CD2はスピルナーらによって、あらたに研ぎ澄まされている。また録音も心機一転したようで程良いホールトーンが入るが、各パート明確に聴ける。
fey hay vol23fey hay 35
ハイデルベルク交響楽団
CD2:ベンジャミン・スピルナー指揮、2016年6月、
Hänssler Classic


交響曲No.35変ロ長調
第一楽章 Allegro di molto 溌剌とした主題の好きな曲だが、始まると同時にファイが復帰したかのような印象、快速で始まりから[4]までは涼やかに、horの豪奏が先行し[5]からfで総奏がぐっと押し出す。弦楽がユニゾンで重なる[9]からもまさに快活、
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[31]から[39]までを緻密に段階を付けながらcresc.する。
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展開部の短調となるポリフォニックな部分の彫りの深さ、全体に低域に力が漲る、なんとファイを凌駕しそうな気合いである^^
帯域と強弱のスパンが大きいので、小型コンポでは聴き切れないだろう。
第二楽章 Andanteは粘ることなくさらりと涼やか、弦楽がホールトーンで一段と美しい、疾風怒涛期らしい充実はまだ十分でない緩抒楽章だが、強弱の対比深く、美音で引き付ける。
メヌエット Un poco allegretto 主題の部分で力感で引き締めたり、涼やかな響きにしたり、適切な表情を聴かせる、トリオではvn2とvn1がパートを交替で弾くが、
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vn1のほうだけソロにしている、ファイも使うであろう効果だ。
終楽章 Presto 急速で緻密に決まったアンサンブルと第一楽章同様、低域が力強く、心地よい緊迫感この上ない。
35番、1曲でも感動もので、期待以上の素晴らしい再スタートを果たしてくれた、スピルナーとorchメンバー、今後も大いに楽しみにしたい。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: F.J.ハイドン

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京都のお土産(どん兵衛) ≫追記あり  

家内が日帰りで京都に行ってきたので、これを頼んでおきました。
まず、一見何の変哲もない日清のどん兵衛ですが、中の粉末スープの袋が紺色、
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むこうで買うと、だし汁がこっちと違い、昆布のだしで薄口の関西風になっています、成分をよく見ると「かつおぶし粉末」が関西は入っていません。
売っているエリアもメーカーによると、天下分け目の関ヶ原(岐阜)が味の境目だそうで、
area donbe
*どん兵衛のエリア境界
どん兵衛の場合、愛知、岐阜、三重を入れた東側で関東風、福井、石川、富山を入れた西側で関西風を出荷するそうです。国道走って、一軒隣のコンビニで変わる所があるらしい、やはり県境の文化風習に興味湧きます^^
自分の好みは鰹だしで濃口の関東風ですが、たまには関西風も良いかと。
(*大阪でよく「どんくさい」と言うのは、饂みたいにスマートじゃないって意味らしい、鈍感の鈍と思っていたが;)
たかが饂飩のしょうもない話でした^^;

あと、これも昭和の味と言えるか? 京都の五色豆、
gosikimame.jpg
今は土産物も柔らかい半生菓子が主流ですが、昔は日持ちのする菓子が普通だった、数十年ぶりに懐かしい味です。

追記:どん兵衛に袋入りが出ました、こちらはノンフライ麺で液体スープ、
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ただし、トッピングの具は無いので別途用意が要ります^^;

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 時事・雑記

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【新着】T.ファイ:ハイドン 交響曲No.6「朝」(vol.23)  

指揮者、トーマス・ファイが事故による脳損傷で活動できなくなり、続けていたハイドン交響曲全集の収録はどうなるのか、ずっと気になっていたが、ようやく転換期と思える2枚組がリリースされた。(うちにはちょっと遅れて届いた;)
fey hay vol23
ハイデルベルク交響楽団
CD1:トーマス・ファイ指揮、2014年3月
CD2:ベンジャミン・スピルナー指揮、2016年6月、
Hänssler Classic

CD1の「朝」「昼」「晩」はおそらくファイが関わった最後の録音と思われる、2014年3月に録音され、今までリリースが保留されていたのには何らかの事情があったに違いない、
推測するしかないが、もしかしてこれはtake1あたりの基盤的録音で、ファイがヘッドフォンで聴き、スコアを見つめ、演奏を研ぎ込んで、take2、3・・と再録するはずだったところ、突然、自宅での負傷で中断、完成に至るにはまだこれからだったのかもしれない??
CD2はハイデルベルク響のコンサートマスター、B.スピルナーが後継者となって指揮した、35、46、51番のアルバムとなっていて、全集完成への決意を感じる2枚組となっている。
順次書いていきたいが、今日はCD1の第6番「朝」について、

交響曲No.6ニ長調「朝」
第一楽章、夜明けを思わせる序奏が耳馴染んだハイデルベルク響のサウンドで始まる、主部は普通の快速と言えよう、譜例の[22]、[24]では、
sc no 6a
効果的なアクセントを付けるなど、ファイらしい細やかな捉えどころも感じる、強弱効果の奥行きもある、展開部以後の反復で管が心地よい装飾を行う、優れた演奏ではあるが全体にファイのいつものはじけた気合いが感じない。
第二楽章、vn&vcの二重協奏曲の楽章だが、導入部のAdagio開始と同時におやっ?と思ったら、リュートの通奏低音が明確に聴こえる、バロックの要素が強い楽章だけにしっくりくる、ハイドンのこの時代にも達者なリュート奏者はいたはずで、あり得えなくはない。Andanteに入り、スピルナーのvnはコレッリのソナタのように清涼、vcも一部ソロに加わる、また[14]からの弦楽は反復でピッチカートに切換え、これも変化が付いて良い。[104]からAdagioの終結部で透明に消え入って終わる、この楽章はなかなか良いと思った。
メヌエットは速度指定なく、バスラインの動きもバロック的な趣きだ、
sc no 6b
ゆったりと優雅(古風)に聴かせる、ファイは40番などでもこのような演奏だった、トリオはcbのソロもあるが、深い低音を響かせているのは、バスパートのcbである。
終楽章、Allegro、各奏者が活躍する楽章、ハイデルベルク響メンバーの手腕で仕上げている感じで、思ったほど切れ味痛快とは行かない、"ファイの演奏"を期待し過ぎると物足りないが、「朝」の美しく優れた演奏として価値は十分あると思った。

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category: F.J.ハイドン

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ALMAがとらえた「ペガスス座LL星」  

太陽の8倍以下の恒星は超新星爆発に至らず、晩年は赤色巨星となって、周囲にガスを放出、中心星からの強い紫外線によって、一時的にガスが輝き、見事な*惑星状星雲の姿を見せる、やがて星雲は散逸し、中心には暗い白色矮星が残る、とここまではよく知られる。また惑星状星雲は球状に近い形や砂時計のような双極型、また形状が複雑で謎のあるタイプも多い。m
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左)NGC1501  右)MyCn18 撮影HST
太陽のような連星ではない単独星は球状の星雲になると考えられ、双極型は連星系のもう1つの星の影響で作りだされる。
*惑星状星雲という呼び名は、その昔、W.ハーシェルが発見した天王星と似た丸い姿に見えたことに由来し、実態を現す意味はない。

アルマ望遠鏡が威力を発揮した、また新たなニュースがあった。
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ペガスス座LL星(アルマ望遠鏡撮影)
台湾中央研究院天文及天文物理研究所のHyosun Kim氏らの国際研究チームは、約3400光年の距離にある赤色巨星「ペガスス座LL星」をアルマ望遠鏡で観測した。ペガスス座LL星は直径が太陽の200倍以上に膨らんで盛んにガスを放出しており、惑星状星雲になる直前の段階にあり、中心の赤色巨星を連星のもう1つが周り、放たれたガスに溝が作られながら拡がっていくので渦巻きができる、その様子を電波観測で詳細に捉えた。観測画像とシミュレーションとの比較の結果、連星の軌道が細長い楕円の場合、この渦巻き形になるらしい。
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左)ハッブル宇宙望遠鏡が2010年に公開したペガスス座LL星の画像(資料: ESA/NASA & R. Sahai)
右)今回アルマ望遠鏡が観測したペガスス座LL星(資料: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO) / Hyosun Kim et al. )

動画→アルマ望遠鏡の観測画像に基づくシミュレーション
(*天体力学に基づくシミュレーションはほぼ正確な予測をしてきた実績がある)

じつはこの前にもアルマ望遠鏡はちょうこくしつ座R星でも同じような渦巻きをもつ初期段階の惑星状星雲を観測していた。ここでもESOによる立体動画などが公開されていた。
tyokokusitu R
ちょうこくしつ座R星
参考:シミュレーション動画1動画2
(動画1は立体をスキャンした様子、動画2は時間的進化のシミュレーション)
こうした観測データはガスに隠された連星の性質、中心の年老いた星の姿を解明する手掛かりとなるらしい。また初期段階にある、こうした惑星状星雲がよく見られる双極型になっていくのか、興味あるところ。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 宇宙・天体

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チェアシート交換  

先日書いた、リスニング椅子の替えのシート地が届き、交換しました。
ホワイトにしましたが真っ白じゃなく、落ち着いたコットン・カラーが良いです。
ネジを4本外して、パイプに掛け直すだけで簡単でした。
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いつもこれに座って聴いていますが、レビューを書こうと聴き始めても、"第二楽章"あたりで居眠りして、聴き直したりします^^;
システムと色が合い、ちょっとリフレッシュ、って大したことじゃないですが・・
my system
LPの場合はオートリターンが付いてないので、眠りそうにないときだけ聴きます。

外したシートは傷んではいないので、洗濯して予備とします。
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category: オーディオ

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弦の止め方いろいろ  

思えば指板を持つ弦楽器って多種ありますが、ブリッジ、あるいはテールピースへの弦の止め方には様々方式があるようです。m
まず、我がリュート、及びクラシックギターは同じ止め方で、弦の端には何も施さず、このようにブリッジの穴に通して絡めるだけ、まず安心な止め方ですv
lute_201703081006224db.jpgguitar.jpg
まあ、ケースバイケースでいろんな変則法も使いますが^^;

しかし、19世紀ギターになると何故か多くがこの方法を取らず、弦の端に緒止め(止め玉)を自分で施し、楽器内部に通し、ピンを指して止めるという方法です。
19c g
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(2タイプあり、弦を通す溝が①はピンの穴、②はピン自体に付けられている)
この方法は緒止めが上手く効いていないと、弦がすっぽ抜けて、ピンもどこかへ飛んで、探すのにエライ目にあいます;また緒止めが溝に挟まり込んでピンが抜けなくなったり^^;具合よく止まっているか、楽器内部なので見えないし、どうも苦手でした;
フォークギターもこのピン止めを継承していますが、弦には後述するボールエンドが施されていて心配ないです。

現代のヴァイオリンでは弦の端が止められるよう施工されていて、ボールエンドのほかにループエンドと2種類あり、
string2b.jpgvn 2
ボールエンドは、弦の先端部分に丸い金属が付いていて、テールピースの穴に通し、溝に掛けるんですね、ループエンドは、弦の端が輪っかになっていて、チューニングアジャスターを使う場合の仕様です。
たしか、エレキギターの弦もボールエンドで止める方式でした。

昔のバロック・ヴァイオリンの弦にこういう施工はないだろうと思い、調べたところ、緒止めの作り方が動画で紹介されていました、
gut_201703081917132af.jpg
動画→ Gut E String Tieing
なんと!自分が考え付いた19世紀ギターの緒止めと同じでした、これは具合良かったです。
ただしE線だけは細いので緒止めを作り、さらにテールピースに絡めるようです。
B vn string02B vn string01

PS.糸巻き側でも楽器によって工夫があるようです、三味線の三の糸(一番高い弦)は細いので糸巻きの穴に2度通ししています、参考→ 三味線のしおり、いろいろ参考になります^^

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 楽器について

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T.ファイ:ハイドン 交響曲No.70  

ハイドンの60~70番代には傑作も多いが、演奏機会の関係で不揃いと言える、交響曲に集中できない時期があり、歌劇など他の作曲からの転用もある。
今日はラックに入れっぱなしで忘れていた;T.ファイ盤で第9集、70、73、75番のアルバムより70番を聴く、70番はちょっと異風で、凝った楽章と簡潔に仕上げた楽章とあるようだ。
fey hay 70
トーマス・ファイ指揮
ハイデルベルクSO


交響曲No.70ニ長調、
第一楽章はtrp、timpの入る祝祭的な曲、晴れやかな気分で轟く、ここはファイの手腕でキレのよい演奏だが、展開部も含め全体に簡潔。
第二楽章、「二重対位法によるカノン」というタイトルが付いている楽章は珍しい。二つの主題による変奏曲で短調の悲歌的な主題が印象的。
メヌエット、第一楽章とバランスのとれた活発な主題のメヌエット、トリオは実に素朴。
終楽章、vn1のppで始まる動機はD音を刻む、パルス発信音のようだ、人間ドックの聴力検査を思い出す^^;バスが単純な呼応を聴かせる、
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このような導入部分があり、ファイはフェルマータを追加し、効果をつける、しかし休符を置いて[27]から一転、この動機がいきなり見事なフーガとなる、ヘンデルのフーガ楽章にも似たバロック的な魅力を彷彿させ、trp、timpが加わって独自の輝きも放つ。後半は長調に変り、もう一息盛り上げてくれる・・と思ったところでまた冒頭の"発信音"、スパっと鋏が入って終わる、もう少し聴かせてほしいが、短く終るように書かれたようだ?ファイは速めのテンポで明確に畳みかける。
第二楽章と終楽章が聴きどころだ。

ところで、これまでに取り上げたT.ファイ、ハイドンの過去記事を拾ってみた、まだ抜かしている曲もかなりあるので、書いていきたい;
交響曲No.90 
交響曲No.40 
交響曲No.97 
交響曲No.87 
交響曲第98、103番 
交響曲第99、100番「軍隊」ほか 
交響曲第43、25、36番 
交響曲第26、27&42番 
交響曲第 1、4、5、10番 
交響曲第102番ほか 
交響曲第52番 
交響曲第53番「帝国」 
交響曲第96番 「奇跡」 
交響曲第86番

新譜の23集(2枚組)はこちらには8日以後に届く予定で、これも届きしだいに^^

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: F.J.ハイドン

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よく効いたお薬  

昨日の朝、右手の小指から手首にかけて腱鞘炎で経験したような痛みがあり、それで目が覚めました、物を持つことすら辛かったです;こりゃ、整形外科に行って、しばらく楽器は休みか・・?と思いましたが、ひとまず、久光の「フェイタス」を貼って、鎮痛剤「ロキソニン」を1錠のんで様子をみました、

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半日も経たないうちに、アレっ?と思うほど気にならなく治まったようで、念のためフェイタスは3回貼りましたが、ロキソニンは不要です。
パソコンも治ったし、楽器もいつもどおりvできそう、ほっとしたところです^^;

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 時事・雑記

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しばらく更新休みます←≪★復旧しました≫  

いつもご訪問ありがとうございます。
PC修復のため、しばらく更新を休ませていただきます。
復旧できました。

category: 時事・雑記

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超新星「1987A」 出現30周年  

超新星は恒星界の中でも、"人間時間"でその劇的変化が見られる、数少ないスケールの大きな現象である。1987年の最初に発見された超新星1987Aは、1987年2月23日、大マゼラン雲(16万光年)内のタランチュラ星雲の端に現れた、人類が高度な観測技術を持つようになって初めての肉眼で見える超新星で、400年ぶりであり、爆発からその後の経緯を初めて詳細に観測できた、1987Aには他の銀河内で発見されてきたタイプとは異なる特徴があった。普通、超新星爆発は年老いた赤色巨星ばかりだと考えられていたが、1987Aの爆発前の写真から、爆発した星を特定したところ、太陽の20倍ほどの質量があり、青く輝いていた、これは何故か?1987A
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*右が爆発する前に撮影された恒星
爆発前は2つの星が周り合う連星だったらしい、寿命を迎えた巨星が膨らんでもう1つの小さな星と合体し、高温の青色巨星となり、その際に周囲にガスを放出して、リングが取り巻き、上下方向にもガスが拡がっていた。
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爆発後はガスリングの箇所に1つ、2つ、と真珠玉のように輝く光点が現れ、次々増えていった、これは光の1/10程の速度で拡がった爆風(衝撃波)が、リングへの到達が早かった順にガスを熱して輝きだし、2003年にはほぼリング一周に至った。
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*最新の撮影と合わせ、22年間の変化となる、中心のガスと塵の雲も拡がる様子がわかる
また中央のリングのほかに、2つの大きなリングが見え、全体に"鼓"のような姿に見える、
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*これも過去に放たれた双極方向のガスが紫外線を受けて光っている。

SN 1987A発見30周年を記念し、NASAのハッブル宇宙望遠鏡(HST)、X線天文衛星「チャンドラ」、そしてアルマ望遠鏡による観測データを合わせた画像が公開された。ガスリングの直径は約1光年、
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合成画像:(赤)アルマ望遠鏡によるサブミリ波観測、新たに作られた塵の存在を示す。(緑)HSTによる可視光線観測、爆発した星からの衝撃波が超新星の周囲に広がる物質のリングに衝突していることを示す。(青)チャンドラによるX線観測、高温のガスを示す。
(資料:NASA, ESA, and A. Angelich (NRAO/AUI/NSF)
アルマ望遠鏡の観測で大量の固体の塵が出来ていることもわかり、量にして地球20万個分と見られている。地球のような岩石惑星、あるいは巨大ガス惑星の核となる材料の多くが超新星爆発で作られるのがこの観測でも確かめられた。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 宇宙・天体

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原典譜を見よう  

手稿譜は作曲者自身の手もあれば、助手を務めた人の手と思われるものがあります、アンナ・マグダレーナ・バッハの筆跡は夫とそっくりだという例もありますが、側近の手による信頼できるものでしょう。
bach vc 6
バッハ 無伴奏チェロ(ヴィオラ・ポンポーサ)組曲No.6より

今は楽譜ソフトなどで非常に見やすい楽譜も出回っていますが、一か所も写し誤りのないものはめったにないようで、写しの写しだったりもします。単なる誤写のみでなく、バロック期や古典派期の作品を19~20世紀の旋法趣味で音が変更されたり、本来無かった記号が付けられたりしています、それが標準楽譜のように通っていたり・・
以前、教室の集いでバッハの曲のCDをいくつか聴いて、皆で「間違い音探し」をしました、おかしな音に気付いたら、さっと手を挙げます。我々でも気づくような誤写された音をプロの奏者がそのまま録音している例もあり、原典を見ていないのがわかります。「新バッハ全集」にも誤写が多いと聞きます。

リュート関係の楽譜、特にバロック期は活字化されたものは僅かしかなく、ほとんど奏者は手稿譜のファクシミリを使うことになります。幸か不幸か前述のような弊害は少ない、ただ、写りが不鮮明で、記号なのか、汚れなのか判別つかないものはある;
visee te
ロベール・ド・ヴィゼ:アルマンド
手稿譜には活版譜では伝わらない、楽曲の表情が読みとれることもあります。

下はハイドン、交響曲第92番「オックスフォード」の総譜(第二楽章)、写譜屋がパート譜を作る原稿でしょう、
sc hay sym92 2nd
ハイドン:交響曲第92番「オックスフォード」第二楽章
ハイドンも今はほとんどがR.ランドン版が使われるでしょうが、古い録音にはあちこち異なる音が聴こえます、こうした作品も後世の誤写や変更がないか、よく照合してみる意味はあるでしょう、専門家が気づかず、アマチュアが発見する例もありますから。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 演奏について

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W.カーター:バッハ リュート曲集  

リュートのCDを買う頻度は非常に少ないのだが;ちょっと興味ひかれる新譜が出ていた。
奏者のウィリアム・カーターはナイジェル・ノースに師事した人で、これまでパラディアンズなどのアンサンブルで通奏低音を録音した何枚かがあるが、非常に上手いと思った。
W.カーターはF.ソルやF.コルベッタなど、ギター系のソロ・アルバムは既に4枚出しているが、リュート・ソロはこれが最初のようだ、2014年に録音した、"BACH Reimagines BACH"と題されたアルバム、"バッハ演奏の再創成"を意味すると思われる。
収録はBWV1001、1006a、995 の3曲。
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LINN レーベル
録音は会場の響きが心地良く、弾弦のかすかな表情までよく捉えている。

1曲目、ソナタト短調BWV1001
これは2曲目のフーガのみ、当時のリュート奏者が編曲したリュート譜が残っているが(これはBWV1000となる)、ここでは原曲の無伴奏vnソナタから全楽章編曲されている、師 N.ノースに近い編曲か。全体の印象は弱音基調で、vnソロの場合の張り詰めた趣きではなく、リュートらしいゆったり語る物腰である、Adagioは圧縮されたパッセージが多々あるが、そこも巧みに落ちついた自然な歩調にする、Fugaも急がず余韻を十分聴かせながら進める、淡彩を重ねていくような味わい。この曲の最後Prestoはリュートには不向きだと思う、個人的にはAdagioとFugaだけでよい。(*因みに、ラウテンヴェルクで録音した鍵盤奏者がBWV1000のほうを弾き、リュート奏者はBWV1001を再編曲して弾く例が多いのが面白い。)
2曲目、組曲ホ長調BWV1006a
この曲は無伴奏vnパルティータBWV1006にバッハ自身がバス声部を付けたラウテンヴェルク用と思われる二段譜が残っており、あとは奏者がリュート上に乗せる作業となる、ただ原曲どおり弾くには運指上の困難がある、カーターの演奏は、プレリュードは安心して聴ける歩調、最近はアクロバット的な急速演奏が多い中、逆に納得できる、遅くてだめってことはない。ブーレ、ジーグなど速い舞曲も個々の弦の余韻を聴く時間を与えるテンポだ。
最後は組曲ト短調BWV995
原曲は無伴奏vc組曲ハ短調BWV1011だが、これもバッハによるバスを加えた二段譜が残っていて、これに基づく演奏、カーターの使用楽器についての詳細はわからないが、通常の13コースリュートには無い、コントラGを弾いている。この曲もリュートらしい語り口で、3曲中最も好ましい出来に思える。4曲目サラバンドには装飾は行わず、1音ずつに神経を込めているが聴き手にはさらりと自然。ガヴォットは少々速め、ジーグはカナリー風のリズムだが、落ちついて音を紡ぎだすような演奏が良い。
特に人目を引く狙いではなく、リュート本来のキャラクターを貫いた自然な演奏で安らぐ、
これが"Reimagines"と思われる。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート作品

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