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Michael: Classic音楽,Lute,宇宙

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学 etc

球状星団と散開星団  

小学生の頃から天文の本はよく読みあさった、まだHSTが捉えたような鮮明な写真はなく、当時最大の望遠鏡でも映し出せる最も遠い銀河は50億光年が限界だった。

不思議に思ったのは球状星団散開星団である、特徴は球状星団が年老いた星ばかりが球状に集まっていて、銀河を囲む球状領域(ハロ)を衛星のように周回している、一方散開星団は銀河の星間物質が豊富な場所にあり、星の密集度は低く、若い星が多い、なぜこうした2種類に分かれるのか、昔は明確な解説もなかったような?今はおよその定説がまとまってきている。

散開星団は周囲をガスや塵の星雲に囲まれている場合が多い、星の生れる場所で、青く若い星が多いのもわかる、しかし星の密集度からして、互いの重力で集団を保つことができず、星同士の接近があってもスィングバイを起こし、いずれ散逸していく、太陽もこうした散開星団の1つとして生れたと考えられる。
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散開星団:Westerlund 2 りゅうこつ座約2万光年、赤い星々は生れたばかりで、ガスと塵に覆われている
NASAが立体的に表現した動画:you tube:Flight to Star Cluster Westerlund 2
*この動画は視点が光速を越えて移動していることになり、こんな遊覧飛行ができるのはバーチャルの世界のみである、

初期宇宙では今よりも銀河の合体が頻繁で、そのたびに星間ガスの圧縮がおこり、高密度で大規模な分子雲が作られ、一斉に多数の星が生まれた、その内、大質量星は早く寿命を迎え、消えていったが太陽質量以下の高齢の星だけが球状の集団を保っている、小さな球状星団というのが存在しないのは、重力で集団を保つ最低限の全体質量を持ったものしか残れないからだ、宇宙進化の化石とも言える。
NGC 5139
球状星団 NGC5139(ケンタウルス座)はω星団とも呼ばれ天の川銀河で最も大きい

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球状星団 M4(さそり座)は規模の小さいもの

現在の宇宙では個々の銀河の中で散開星団として新しい星は生れているが、球状星団ができそうな場所は少ない、合体中の銀河の中に高密度の分子雲が1つ見つかり、現在では数少ない球状星団の卵と見られている。
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触角銀河 からす座6800万光年 HST、アルマ望遠鏡

大小マゼラン雲は星間物質が豊富と知られ、大質量星を含む大規模な星団も多い、若い球状星団などと言われるものもあるが、密集度の高い散開星団とも言えそうだ、この先集団を保てるのか?全体質量しだいだろう。
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R136(大マゼラン雲内)散開星団だが球状星団になる可能性もあるという、
明るく見えるのは大質量星で寿命が短い


ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 宇宙・天体

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ハイドン「オックスフォード」のベスト盤【独断】  

交響曲No.92 ト長調「オックスフォード」はよく演奏されるだけに、聴くに当っては、いろいろ注文したいことが出てくる;m
第一楽章主部は属七でさりげなく入り、[25]の跳躍ががっちり力感を持つ、展開部のポリフォニックな充実と[115]からの転調は引き付けるが、[25]の跳躍を和音上昇に変えたのが、より引き付ける感じ、
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hay sym92 sc
第二楽章では押しつけがましいカンタービレに嫌気がさす演奏もあるが、ここに挙げるのは、程良く節目が入り、すっきりしている。中間部のffでニ短調となるところ、鋭いのはよいが、あまり重い響きは聴きたくない。メヌエットもあまりずっしり来ないほうが良い、K.ベームなどはゴツゴツ感がちょっと聴き辛い、そこで深く考えず4枚を選んだ;

コリン・デイヴィス指揮、RCOの演奏を初めて聴いた時には、これ以外の音盤は聴きたいと思わなかった、それほど、C.デイヴィスは手堅く、余計な要素がなく、フィリップスのバランスの取れた録音で、整い切った1枚だった、
c d hay92
コリン・デイヴィス指揮、ロイヤル・コンセルトヘボウO

次にトーマス・ファイ盤、「これは"飛び道具"だ!?」と言えそうな快演で、T.ファイ、一番の出来ではないかと思うほど、
t fey hay92
トーマス・ファイ指揮、ハイデルベルク交響楽団
全楽章、覇気に満ちていて、急楽章は速いながらがっちり決め、timpの即興性が効果的、第二楽章は清々しさと鋭さで聴かせる。

サイモン・ラトルもまた新感覚で「オックスフォード」の味わいどころを緻密に聴かせる、快活で強弱表現がじつに巧妙、弱音を用い奥行きを付ける、timpは古楽器を使う。
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サイモン・ラトル指揮、ベルリン・フィルハーモニーO
第一楽章、[115]でぐっとpに落とし、じりじりとcresc.するのが効果的、第二楽章はラトルとしてはやや新鮮味に欠けるか?ほかは申し分ない。EMIの録音は明確で聴き易いが、会場(ベルリン,フィルハーモニー)の響きに面白みがないのが惜しい。

最後に古い方へ溯るが、A.ドラティ盤がなかなか良い、よく整いながら、弦のしなやかさも聴かせる、LPで聴いたがDECCAの録音は奥行きを感じる良いサウンドで、各パートもくっきり、
a d hay92
アンタル・ドラティ指揮、フィルハーモニア・フンガリカ
第二楽章のカンタービレが程良い表現で心得た感じ、中間部ffも耳心地良くまとめる、メヌエットはゆっくりめだが丸みをもち上品、終楽章はちょうどよい快速で緻密に聴ける、
hornが低音楽器として使われることが多いが、[267]から、fagから受け継いだようなパートを吹く、ドラティ盤で初めて気付いた;
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a d hay you tube
you tube:Symphony No 92 G major 'Oxford', Antal Dorati P H

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: F.J.ハイドン

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ティンパニが奏でる旋律  

トランペットの次はティンパニです^^
B timp
Baroque timpani
ヘンデルの「デッティンゲンのテ・デウム」はじつにヘンデルらしい祝賀的な作品だが、冒頭曲の "We praise Thee, O God"ではtimpのDとAの2音だけで出来たシンプルな主題で全パート、ユニゾンで始まり、全体の基盤となる、シンプルなだけに力強く印象付ける、
hwv283 sc01
手持ちの盤では、S.プレストン盤が気に入っている、独唱はS.A.T.Bとあるが、この演奏ではsop.ソロをWestminster聖歌隊のBoy sop群が全員で歌っている、
HWV283 EC
サイモン・プレストン:指揮、 ウェストミンスター聖歌隊、
イングリッシュ・コンサートほか、 ARCHIV

参考動画を2つ挙げる、まずはプレストン盤
you tube:G.F. Handel The Dettingen Te Deum & The Dettingen
 The English Concert Simon Preston
もう一つ、こちらも良い演奏だ、
HWV283 you tube
you tube:G.F. HANDEL: Te Deum in D major "Dettingen" HWV 283
Ensemble Vanitas / Coro della RSI

次に、C.グラウプナーの作品、当時の作曲家人気投票で3位だったにもかかわらず、彼の作品は諸事情で200年以上も未公開で保管されていたが、20世紀終りにタイムカプセルから放たれた、古楽演奏の進んだ昨今、良いタイミングでもある、20世紀中頃のバロック演奏法では真価は聴けなかっただろう、詳細→Wikipedia
c g gwv420 421C Graupner
クリストフ・グラウプナー、序曲ニ長調GWV420とGWV421
ラウラ・トッフェッティ&トビアス・ボンズ指揮、
アンティーキ・ストゥルメンティ
2007年録音、stradivarius

切れ味のあるグラーヴェのあと、アレグロのフーガに入るが、このテーマがじつに楽しい、やがてtimpもこのテーマを奏でる、
c g gwv420
c g gwv420b
you tube: Graupner: Ouverture in D GWV 420
グラウプナーには他にも、timpの2音で構成したテーマの序曲を多く書いていて、同じくニ長調の序曲 GWV 421はtimpをもっと活躍させて面白い。
you tube:Graupner - Ouverture in D GWV 421 (1/2)
主音と属音の2つだけで、結構、らしい旋律ができるし、その単純さが引き付けるvテレマンの作品にも、「○○と○○とtimpの為の協奏曲」というのがある。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: ルネサンス・バロック

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ハイドン:trp協奏曲 ベスト盤【独断】  

トランペットが続きます;
m
古典派時代の終り近くまで、ナチュラルtrpしかなかったが、低域でも自由な音階がとれる「キー・トランペット」なる楽器を当時のtrp奏者、アントン・ヴァイディンガーが発明した。trpといえば簡潔明快なのが持ち味だったが、常識破りのtrpの登場で当時は驚いたと思う、すんなりしたナチュラル管は音が透明だが、このtrpはいくらか音を犠牲にしており、やがてヴァルヴで管を切り替えるモダンtrpの原形が作られ、すぐに消えてしまった。
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キーtrpのためにハイドンやフンメルが協奏曲を書いたのはよく知られる、ハイドンにとってはこれが最後の管弦楽作品であり、trpのための名作が残されたのは幸運だった。
モダンtrpでようやく自由を得たと言えるが、キーtrpでも聴いてみる価値はある、数は少ないが、マーク・ベネット、フリーデマン・インマーなど古楽trp奏者が録音している、録音含めた出来栄えはM.ベネット盤が良いようだ。
hay trp m be
マーク・ベネット:キーtrp
トレヴァー・ピノック指揮、イングリッシュ・コンサート 1985年 ARCHIV

you tube:Haydn - Trumpet Concerto in E-flat major
このARCHIV盤は各パートが聴き易く、trpが休止する間のorch.の助奏、特にflや1st vnなどが入るところ、充実した味わいがある。
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第一楽章より

もう一つ参考動画で、キーtrpとfp伴奏による第二楽章
hay trp con trpfp
you tube:Joseph Haydn: Trumpet Concerto. 2nd Movement: Andante
orch.パートをfpで聴くのも、純粋な響きで良い。

次にモダンtrpによる名演、まずはM.アンドレ、
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モーリス・アンドレ:trp
ハンス・シュタットルマイア:指揮、ミュンヘン室内O 1966年 ARCHIV

これはアンドレの第一期完成盤とも言える録音、ARCHIVの飾りっ気のない自然なサウンドに充実感がある。
動画はヘリオドールのLPを再生したもの
you tube:Haydn Trumpet Concerto , Maurice Andre

最後はアンドレの弟子で師を凌ぐか?というほどの若手、1992年スペイン生れのルベン・シメオ、録音時は16歳だった、力の抜けた余裕の滑らかな美音はこの上ない、師アンドレを引き継いだ趣きもあるが新しさもある、独創性をもった活躍を期待したい、ケン・シエ指揮のorch.はピリオド・モードで、新時代の感覚で聴かせる。
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ルベン・シメオ:trp
ケン・シエ指揮、orch.アンサンブル金沢 2008年

動画はR.シメオが読響と共演した日本公演、
r s hay trp
tou tube:第一楽章 第二楽章 終楽章

以上、他にも聴くべき名盤は多々あるが、代表として強引(無責任)に絞った^^;
ご覧いただき、ありがとうございました。

category: F.J.ハイドン

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"バロックtrp"による Brandenburg Con No.2  

ラッパ類なんて誰が考え付いたのか、喉の奥の声帯と同じことをマウスピースに当てた唇にやらせようという難しそうな楽器だが、その輝かしい響きには比類がない;バロック期には楽器奏者の中でもtrpの名手は一番地位が高かったと聞く。
バロック・トランペットとは、何の仕掛けもないナチュラル管で、このように右手で持ち、左手は腰に当てる、という構えが正しいらしい、m
b trp01b trp03

しかし、現代の聴衆は常に正確な音程で当たり前、という耳を持っている。
現代、バロックtrpとして使われる楽器は大抵、trp奏者のマイケル・レアードが考案した、管の途中に補正孔(vent hole)が施され、これを開閉して音程を補正するものだそうだ。
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ナチュラル管的な音を損なわないので、古楽器として受け入れられている、現代のコンサートでは完全に昔のままの楽器を用いるのは難しく、他の楽器にも同様な面があり、リュート属もピッチの安定する現代素材の弦を使うのが殆どだろう、バロック楽器の性質を損なわない変更なら、問題はないと思う。
この補正孔付きバロックtrpで演奏したブランデンブルクcon No.2(BWV1047)は今や多くの録音があるが、手元にある盤では、ニクラス・エクルンドやウィリアム・ワースの演奏が見事で、その純度の高い音は機構の付いたtrpにはない魅力だ。
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左:エクルンド、右:ワース盤

参考動画:J.E.ガーディナー指揮のブランデンブルクcon No.2、
you tube:BBC Proms 2010 - Bach Day 6 - Brandenburg Concerto No. 2

ただし、S.クイケンだけは妥協せず歴史に拘り、ブランデンブルクconの1回目の録音(DHM)ではナチュラルホルンを用い、2回目の録音(ACCENT)で、真正なナチュラルtrpを演奏できる ジャン-フランソワ・マドゥーフを起用している、
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trp:ジャン-フランソワ・マドゥーフ
シギスヴァルト・クイケン指揮、ラ・プティット・バンド

動画にはマドゥーフが吹く第2番の終楽章が挙がっていた、歴史的構えである^^v
b trp05
bwv1047 s k
you tube:Bach 2nd brandenburg Kuijken La Petite Bande Osaka

バッハの時代、ゴットフリート・ライヒェのような超名人がいて、BWV1047もこうした奏者のために書かれたのだろう。
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ゴットフリート・ライヒェ(1667-1734)

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: J.S.バッハ

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「2番目に近い」地球サイズ系外惑星  

これまで、地球サイズの系外惑星といえば、赤色矮星を周るものが多く発見され、惑星が恒星の前を横切る際の減光で見つけ出す「トランジット法」が用いられてきた、地球サイズであれば、岩石惑星と見込める。m
仮に中心の恒星が太陽なみの大きさだったら、地球サイズの惑星が横切っても、明るさの変化は僅か過ぎて検知できないが、赤色矮星は元々小さく暗い星なので、小さな惑星でも横切れば明るさの変化が大きく、発見しやすい。
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惑星の大きさは同じ
たぶん大きな恒星の周りにも地球サイズの天体が、惑星あるいは衛星として存在するだろうが、発見が困難なだけだ。しかし、事前に存在を知らなければスターショット計画のような探査目標にもできない、(あとは一か八かで行ってみるしかない?;)

先ごろ、おとめ座にある「赤色矮星Ross 128」に地球の1.4倍ほどとみられる「惑星Ross 128b」が発見された。仏・グルノーブル惑星科学・天体物理学研究所がESOのラ・シーヤ観測所の3.6m望遠鏡に設置された分光器による観測を行って見つけた。
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惑星Ross 128bは約10日で公転しており、先般の「プロキシマ・ケンタウリb」に中心星の温度、距離など条件が似ていて、地球からの距離も11光年と、2番目に近い、
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ESO:想像図(プロキシマ・ケンタウリbの図とそっくり)
問題はこうした赤色矮星は激しいフレアを起こす傾向が大きく、惑星は強い紫外線やX線にさらされる、しかし今回のRoss 128は他の赤色矮星に比べ、はるかにフレア活動は穏やからしい、というのが好条件となりそうだ。
トランジット法が使えるということは、中心星の光で惑星の大気を透かして見ることができる、いずれ、JWSTなどが大気組成を調べ、生命起源の成分がないか探ろうという予定だが、期待される目標となりそうだ。だぶん惑星Ross 128bも潮汐ロック状態だろう、水があればこのようなアイボール・アースだろうか?
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中心星に面した側も穏やかであれば良いのだが;

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 宇宙・天体

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J.シュトラウス:D.Gベスト盤【独断】  

独断、無責任シリーズです

J.シュトラウス・ファミリーのワルツやポルカも時折聴きたくなる。
ハイドンの作品にも登場するレントラー風の曲はいかにもワルツに似ているが、レントラーはワルツの前身ではなく系統上、親戚関係にあるとのことだ。
J.シュトラウスⅡらの音盤については、気に入ったのがあれば、あれこれ聴きたいと思わない、名盤としてお馴染みだった、W.ボスコフスキー盤(DECCA)も良いが、手元にある、K.ベームとF.フリッチャイ盤が一番いい。
いずれもorch.音楽として充実して聴かせるところが良い、
1971年録音のK.ベーム指揮、VPOはリズムにさほどウィーン訛り?の雰囲気は感じず、格調高い管弦楽に聴こえる、
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カール・ベーム指揮、ウィーン・フィルハーモニーO
左:初期LPジャケット

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特に「南国の薔薇」「皇帝円舞曲」は好きな曲で、「南国の薔薇」はこのテーマが出てくるところはじつに心地よい、
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「皇帝円舞曲」はこの気高いテーマをベームは力強く入るのが良い、
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またポルカ「電光と雷鳴」はオーディオ的に楽しませるv(リマスターされたCDが良い)
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you tube:Johann & Josef Strauss- Walzer und Polkas : Karl Bohm(アルバム全曲)

もう1枚、D.GでF.フリッチャイ盤が格別に良い、orch.はベルリン放送響で、失礼ながら思わぬ名盤だった、
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フェレンツ・フリッチャイ指揮、ベルリン放送SO
左:初期LPジャケット

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1961年、D.Gの最も充実した録音でもある、フリッチャイ最晩年の録音だそうだが闘病中だったとは思えない覇気がある、LP、CDともに良好に聴ける、
初めの喜歌劇「こうもり」序曲から、気合いが入り、また洒落っ気も十分聴かせる、
you tube:J.Strauss : Ouverture from Die Fledermaus- Fricsay
ワルツの「ブルー・ドナウ」、「皇帝円舞曲」など、管弦楽の醍醐味を聴かせ、「ウィーンの森の物語」でのツィターが名演で実物大に聴こえるのがいい、
you tube:Geschichten aus dem Wienerwald, Op.325
大抵シュトラウス・コンサートの最後に演奏される「ラデツキー行進曲」では管、打楽器がびしっと力強く、これぞ"行進曲"だと気付かされる(精鋭部隊向けの^^)。
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you tube:J. Strauss I: Radetzky March, Fricsay (1961)
他にも名指揮者の録音をいくつか聴いたが、結局この2枚が残る。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: その他・ロマン派

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【新着】G.アントニーニ:ハイドンとクラウスの交響曲  

久しぶりでハイドンの新譜を取り寄せた。ハイドンの生誕300年(2032年)に向けて交響曲全集を録音中のG.アントニーニによる第5集、今回の収録曲は以下のとおり、
F.J.ハイドン(1732-1809) 
 交響曲No.80 ニ短調 Hob.I:80
 交響曲No.81 ト長調 Hob.I:81
ヨーゼフ・マルティン・クラウス(1756-1792)
 交響曲 ハ短調 VB 142
F.J.ハイドン
 交響曲No.19 ニ長調 Hob.I:19
ジョヴァンニ・アントニーニ指揮
バーゼル室内O.(ピリオド楽器)

*日本語のライナーノーツではorch.はイル・ジャルディーノ・アルモニコとなっているが誤り、
j a hay sym
TOWER(在庫わずか)、amazonは在庫切れ、良い演奏とともにハイドン人気の上昇か、
当シリーズの特徴はハイドンと同時代で他の作曲家の作品を必ず1曲含めているところ、これは新鮮で良い企画だ、今回はJ.M.クラウスが入っている、アルバムは「~才気の人~」というふさわしい副題が付いている。

若くして、スウェーデン王室付きの芸術家となったクラウスはヨーロッパ修行の旅に出してもらい、多くの著名な作曲家を訪問し、ウィーンでグルックやハイドンに会った(モーツァルトに会った可能性もある)、その際、ハイドンに献呈したのが、当盤のハ短調 VB 142であり、ハイドンはその直後にNo.80、81を書いている、という関連がある。ハイドンが知人に宛てた手紙に、クラウスを天才と呼び、作品を高く評価した内容が明記されている。

ハイドンのNo.80 ニ短調は疾風怒涛期に書かれた短調交響曲から、明らかに進展していて、斬新な内容だ、第一楽章はいきなり険しい表情の第一主題(ニ短調)に始まるが、まるで反対の性格の第二主題(ヘ長調)がレントラー風に出てきて、楽章中で陣取り合戦をするようだ、
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第一主題
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第二主題
いつの間にか、おっとりした第二主題が優性になっていく感じだ、
第二楽章はソナタ形式でひじょうに優美な魅力、[24]からflが長く奏でる音は印象的で、
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古楽orch.ではflトラヴェルソの響きが一段と心地よい。
緩抒楽章の充実は「十字架上の7つの言葉」を書いた時期にも重なっている。録音は程良い距離でとられ、アントニーニのキビキビと締まった感覚としなやかさが良くバランスし、終楽章も渦巻くように引き付ける、あらためて曲の魅力が鮮やかに浮かび上がってくる。
参考動画はスバリ、アントニーニのライヴ
g a hay 80 you tube
you tube:Haydn Symphony No. 80 | Giovanni Antonini | Kammerorchester Basel

クラウスのハ短調 VB 142はじつは過去の作品、嬰ハ短調 VB 140の改作なのだが、第一楽章は大幅に書きかえられている、序奏から短調でポリフォニック、グルックの「アウリスのイフィゲニア」序曲の序奏を思わせる、短調交響曲に序奏を置いた例も初めてではないだろうか、
主部は流麗な主題だが、室内楽のように各声部が緻密な綾を織りなすように書かれているのが、アントニーニの演奏でよくわかる、反復なしで演奏され、9分11秒で結構長大な内容だ。
第二楽章も変奏形式ながら、同様に多声的な充実がある、急速な終楽章はまさに短調交響曲のエネルギーと痛快さを聴かせる、ここもアントニーニは期待に応える演奏である。
ハイドンがこの作品を高く評価したのも納得できる、大いに触発されたかもしれない。
参考動画、これもアントニーニのライヴ
kraus sym you tube
you tube:Kraus Symphony VB 142 | Giovanni Antonini | Kammerorchester Basel

他の2曲はあらためて、
ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 古典派

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「赤・黄・緑」  

昨日はざっと市内を、ド素人写真撮ってきました;
今年もいつもの場所にフユイチゴが生っていて、モミジはピークを過ぎていたけど、まだ緑の残った樹を探しました。
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2017 11 21a
2017/11/21

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 写真・散策

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ラーメンの丼  

いつも使っている丼は今どきサイズっていうか、具を山盛りのせるラーメン向きです、
昭和の食堂で食べた、普通の中華そばには、ちと大きい、
それで、ちょっと小振りのを用意しました。
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先日のマルタイラーメンですが、分量が合いそうで、盛り付てみたところ、
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ぴったり、器とか盛り付けって大事ですね、
おいしくなったような"プラシーボ効果"があります^^

ついでにスーパーで懐かしいものを物色したら、ニッキ寒天を見つけ、
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これも昭和の駄菓子屋さんを思い出す、
ニッキ味にはゼリーより、寒天のポロっとする食感が合うんですね?

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 時事・雑記

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「美しく修理」:金継ぎ、羊皮紙貼り  

「時間」の不思議に誰もが想いを巡らせたことがあるのでは・・? 我々が「今だ」と思う瞬間も、1秒も経てば過去になってしまう、次に今だ、と思っても同様・・絶対に前へしか進めない、たった今、割ってしまった茶碗も1秒前には確かに無事だったのだ^^;
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えるてさんのブログで紹介されている「金継ぎ」のお話が興味深かったですが、陶磁器の割れやヒビなどを漆で接着して、接合部分に金の飾りを施すというもの、漆は接着と欠損埋めの役割をする、さらに接合ラインに漆を下塗りして金粉等を付着させる・・大まかにはこんな要領かな、これがまた破損する前とは違った趣きの美しさになりますv
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金継ぎした茶碗
これも時間の成り行きを受け入れた人の技でしょう、漆で接合したのは縄文土器にも見られるそうです。須恵器の時代になると、窯焼きで灰の成分が溶けて自然の釉薬になったり、古くから自然の成す味わいに親しんできたようです。

ところで自分が使っている西洋楽器、リュートにも似たことを感じました、
どこかにぶつけて破損してしまったり、弦の張力で徐々に変形してきたり、修理を重ねると外観が損なわれます、
この11コースluteは最も修理歴が多く、何度か響板を剥がして再接着しています、
11c lute01
11c lute02
薄い響板のヒビ割れは内側に継ぎ貼りをしますが問題は外側の補修です、響板の外周には上の写真のように黒い木のパフリング(縁飾り)がありましたが、そこも一部削り取ることになり、最終的に縁は羊皮紙で覆うことになりました、
11c lute03
これも昔からある修理法で、縁に白いラインが入るのも意匠的にわるくない、
使い込んだ風格みたいで気に入っています^^
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バロック期の絵画より
新品から羊皮紙貼りにすることもあります。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: Instruments

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「運命」:D.グラモフォンの名録LP 【独断】  

独断・無責任シリーズです;m

ドイツ・グラモフォンらしい魅力を湛えたLP盤は1960年前後にベルリン・イエス・キリスト教会で録音されたものに多い、DECCAのようなクリア・サウンドではないが、肉厚で生っぽい響きは味わい深く飽きることがない、現在もプレーヤーやカートリッジだけはクウォリティの高い製品が出続けているので、LP盤は昔より充実して楽しめる。
今日はD.Gの代表盤として、フリッチャイとカラヤンの「運命」、orch.はともにBPO、を聴き比べ、両盤ともA、B面に分けてのカッティングだ。

ベートーヴェン交響曲No.5ハ短調「運命」
f f be sym5a
f f be sym5bf f be sym5c
*同じ録音だが、右はレーベルがリニューアルしたもの
フェレンツ・フリッチャイ指揮
ベルリン・フィルハーモニーO.
1961年録音 ヘリオドール(D.G原盤)

you tube:Ferenc Fricsay Beethoven 5th Symphony
フリッチャイは第一楽章から、かなりゆっくりなのに誰もが驚くだろう、D.Gの厚い響きで力感は十分だが、ひじょうにしなやかな弦楽が味わい深く、木管、金管も丁寧に聴かせる、テンポはじりじりと迫る、変えられない運命を受け入れるような壮絶さ、といえるかもしれない。
続く楽章もゆっくりめにしみじみと引き込む、
スケルツォ楽章のチェロとコントラバスが弾くここ、
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このコントラバスの深々とした響きはめったに聴けない、大抵はチェロが主体に聴こえる、まさに「ステレオを聴く」というゴージャスな気分だ。スケルツォ楽章終りの弱奏は極めてppで引き付け、終楽章へ移るが、
sc be sym5 04
フリッチャイはcresc.とrit.により一際溜めを付けてAllegroに入る、終楽章は決して豪奏ではないが、金管の輝きが鮮やか。

さて、カラヤンの方も同じくLP盤の両面に分けて入っているが、余裕たっぷりのカッティングでSN比の高い、贅沢なサウンドを楽しめる、
h k be sym5ah k be sym5b
ヘルベルト・フォン・カラヤン:指揮
ベルリン・フィルハーモニーO
1963年録音 D.G(英国盤)

you tube:Beethoven - Symphony No. 5 in C minor, op. 67
快速な演奏でフリッチャイのような壮絶感はないが推進力で迫るのもわるくない、こちらのスケルツォ楽章たるや、BPOのコントラバス群団が左チャンネルまで埋め尽くすほど圧倒する!総合的にカラヤンの後の新盤より、これが一番に思うv

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: ベートーヴェン

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テレマン「バロック トランペット」の楽しみ  

先日の続編になるが、テレマンのtrpを用いた作品で、Tafelmusik第2集の最初にある組曲(序曲)ニ長調 がお馴染み、これも名手を要する曲だろう、第2集の終曲も同じ編成で魅力だ。
m
現代のtrpとobの関係とは違い、バロック期のtrpは室内的に柔らかく演奏され、またobは"室内のtrp"とも言われ、これらの響きは性質が近似してよく溶け合う、テレマンのTafelmusikの当曲(TWV 55:D1)はそこを味あわせてくれる、
naumann-trumpet1.jpg
trombadacacia_gross_large.jpg
上下ともバロックtrp、上はアサガオが前方向きになるが、下は横向きになる
baroque_oboe.jpg
バロックob

最初に古楽器で聴かせたのは、A.ヴェンツィンガーで、古楽の黎明期、演奏メンバーには、エドゥアルト・ミュラーなどG.レオンハルトが教えを受けた人もいる、
tele t m lp01tele t m lp02
アウグスト・ヴェンツィンガー指揮、バーゼル・スコラカントルム合奏団
trp:エドワード・タール、ob:ミシェル・ピゲ、vn:エドゥアルト・メルクス
1964-1965年録音 ARCHIV(LP)

この銀のレーベルを見ると今も特別な雰囲気がある^^
バロックtrpはE.タール、バロックobはM.ピゲ、またvnソロがE.メルクス、と古楽演奏初期の名手達、現在の古楽演奏から見れば模索の頃でもあったが、古楽器のtrpとobの意外なほどの溶け合いを聴いて、これぞ真の味わいと感じたしだい。フランス風序曲の始まりからtrpは名人芸を要求されるが、アレグロの中で、trpはobとともにトリルを奏でる、
tele sc01
各ソロ楽器は持ち味を活かし、trpが演奏できない旋律をobが上手くサポートしたり、また、vnパートと室内楽的に関わったり、繋ぎ役として巧みに活躍する、[72]からはロ短調となり、obソロの良いところだ。
tele sc02

ほかに、ムジカ・アンティクヮ・ケルンの演奏も闊達な演奏でテレマンの魅力を十分聴かせたが、新しいところで、ムジカ・アムフォンのTafelmusik全集の演奏が気に入っている。
tele t m
ピーター・ヤン・ベルダー指揮、ムジカ・アムフォン
trp:William Wroth、ob:Frank de Bruine
2003年録音 BRILLIANT CLASSICS

バロックtrpの技は向上し、William Wrothはブランデンブルクcon No.2でも名演を聴かせている、木管楽器レベルの装飾を聴かせたりする。

参考動画はバロックtrpによる演奏、序曲と終曲
telemann you tube
you tube:Telemann: Ouverture-Suite in D major, I: Ouverture, TWV 55:D1
you tube:Telemann: Conclusion in D major
(Musique de table/Tafelmusik)
Trumpet: Giuseppe Frau  Oboe: Go Arai  Violin: Ryo Terakado
Bremer Barockorchester

この動画で使われるtrpはhorn型に巻かれたタイプ、滑らかな高音は価値ある音だ。

PS.真鍮で作られた金管はどうやって曲げるのか、そのまま曲げようとすると管が平たく潰れてしまう、そこで真鍮より低い温度で溶ける金属(ハンダ等)を流し込み、固まってから曲げる、後で加熱してハンダを流し出す、なるほどと思ったv
因みに水道の塩ビ管をバーナーで曲げるときは砂を詰めるそうで^^;

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: G.P.テレマン

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「光が進む様子」:超新星 SN 2014J  

2014年1月21日におおぐま座にある近傍銀河、M82に現れた超新星 SN 2014Jは白色矮星が連星の相方からガスを奪い、限界質量に達したとき爆発するIa型超新星だった。
m82 sn2014j
銀河M82(約1200万光年)に超新星 SN 2014Jが現れたとき
関連過去記事:Ia型超新星の爆発メカニズム

超新星など、突然明るく輝き、すぐに減光する天体現象があると、あらゆる方向に放たれた光が周囲にある塵やガスの雲に反射して遅れてやってくる、光のエコーが見られることがある、遠くにあるからこそ、秒速約30万kmの"光の旅"を観察できる、宇宙の大実験室だ。

ハッブル宇宙望遠鏡は爆発後も2年以上観測を続けた、
SN2014J.jpg
銀河M82に出現した超新星SN 2014Jの位置(×印:過去の撮影なので超新星は映っていない)と、上の5つの画像が光のエコー、左から2014年11月6日、2015年3月25日、11月12日、2016年4月8日、2016年10月12日に撮影された。
nasa you tube
you tube: Hubble Captures Supernova’s Light Echo
*少し歪な円に見えるのは、雲が濃い所ほど、光の速度を落としているせいかもしれない?

単純に言えば、超新星の爆発時の光は直接やってくるが、1光年離れた雲に反射した光は1年遅れてやってくる、この超新星の周囲の雲は300光年~1600光年の大きさに広がっていて、
001e.jpg
爆発時の強い光が達した所がシャボン玉のように膨らんでいく、と思われる。

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category: 宇宙・天体

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J.S.バッハ「チェンバロ協奏曲No.1」ベスト盤(独断)  

○○さん個人の感想・・的、無責任シリーズ;
大バッハのcemb.協奏曲No.1ニ短調 BWV1052はいつ聴いても甘さを殺した深い味わいだ、
今日も強引に選んだ4枚、

第一楽章、はじめは刃金の通ったような曲相に魅了されたが、原曲のvnの技法をそのまま鍵盤に移したところが引き付ける、譜例1、2のような部分が20小節続く、
sc bwv1052 01
sc bwv1052 02
譜例1ではvnのA線の開放を弾きながら、同音異弦を響かせる、次はE線で出てくる、また譜例2はD線を延々と弾く、以上から失われたvnの原曲も同じニ短調だったと推定できる。
第二楽章も短調なのが一味違う(ト短調)、バスが同じテーマを繰り返し、ソロの即興性を帯びた妙技が乗る。
終楽章、エネルギッシュな楽章で内容も充実する、原曲vnの多様な技法が推察され、ソロのクライマックスというべき部分が素晴らしく、左手パートが力感を入れる(譜例3)、
sc bwv1052 03

古楽演奏が定着する前はK.リヒターの演奏をよく聴いた、独自の演奏スタイルで、同時期、他のバロック演奏家らの似たり寄ったりとは違っていた。第一楽章始まりから、鋼のように整い厚みを帯びたアンサンブルが引き付け、チェンバロ・ソロと整然一体となる。
k r bach cemb02k r bach cemb01
カール・リヒター:cemb.
ミュンヘン・バッハO
1971年 ARCHIV(LP)
 

you tube:Harpsichord Concerto in D minor BWV 1052, Karl Richter

そして、大御所G.レオンハルトの演奏は欠かせない、それまでは聴けなかった古楽器によるバロックの活き活きした切れ味を聴かせた、K.リヒターより前に録音されているが、それが手に入ったのは後だった気がする。(じつはカップリングされたC.P.エマヌエル・バッハの協奏曲ニ短調がもっと気に入っている^^)
g l bach cemb con
グスタフ・レオンハルト:cemb.
レオンハルト・コンソート
1967年 SEON

you tube:Concerto in D minor, 1. Allegro, BWV 1052 - Gustav Leonhardt

その後は、T.ピノック、T.コープマン、B.van.アスペレン、L.U.モーテンセン、O.ダントーネなど聴いてきた。

その中で、やはりT.ピノックの指さばき鮮やかな聴き応えは見事、程良い快速で、ほぼインテンポ、整然として、純度高く聴ける感じだ、譜例1の部分は二段鍵盤の上下を活用して響きを滑らかに重ねている。
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トレヴァー・ピノック:cemb.
イングリッシュ・コンサート
1979年 ARCHIV(LP)

you tube:Concerto For Harpsichord And Strings In D Minor BWV 1052 T.Pinnock

もう一つ良かったのはO.ダントーネ盤、こちらはその後も進展した古楽奏法が反映し、弦楽の美しさも魅力の好演、譜例1の箇所は同鍵を左右の手で連打して引き付ける。
o d bach cemb
オッタヴィオ・ダントーネ:cemb.
アカデミア・ビザンチナ
2007年 L'OISEAU-LYRE


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category: J.S.バッハ

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古楽器の「巻きフレット」  

リュートのメンテナンスを引き受けられる楽器店というのはほとんどありません、難しい部分は製作家さんに頼み、あとは自分でやります。リュートやヴィオラ・ダ・ガンバなどはガット(羊腸)の巻きフレットなので、具合が悪くなれば交換します。m
やり方参照
太いフレットは使わない、という方には関係ない話ですが、0.9㎜以上のフレットをネックのテーパーが利用できないリュートの1ポジションやネックのテーパーの少ない楽器に巻くのはホネです;強く絞めたつもりでも、指板の角で浮き上がっていたり;
Pyramid製やKurschner製のフレットガットが硬質で絞め辛い、ガットを捩ってあるのは確かだが、一見ナイロン弦のような塊状に加工してある;
f gut AK
左:Aquilaは昔のまま、右:Kurschnerは半透明で硬い
Aquila製は良かったけど、いつも注文しているドイツのショップでは扱っていない;

そこで見つけたのが、Toro社(イタリア)のフレットガットです、
toro f guttoro f gut02
"縄"のような仕上がりで結び絞めしやすく、ネックにフィットする、
f gut
Toroは昔ながらのタイプで国内のショップにあり、早くこれにすれば良かった^^;

しかし、手持ちのKurschnerも使わないともったいない、以前、ガットを水で濡らすと柔らかくなったのを思い出し、これでいけるんじゃ?と思った・・
gut_20171115100548cfd.jpg
濡れると径が膨らみ、長さが縮む、乾くと元に戻る(Kurschner)
湘南の古楽器店にもフレットガットの質問をしたところ、同じ答えが返ってきた^^ガンバなども太いのを使うし、

実験:Kurschnerのフレットガットを水に15分くらい浸けると柔らかくなる、余分な水を拭き取り、端に焼き止めを作る(焼いた部分は乾く)、結び目を焼き止めの手前に小さくして寄せる、ネックに巻いて結び目に通し、ぎゅっと引っ張る、
bg f gut01
まだ湿って柔らかい状態、楽器に影響するほどではない、
この状態のまま、よく乾くまで待つ(湿っている間、長さが縮んでいるので、このまま止めると、乾いたら緩んでくる)、乾いたら、あらためて引っ張って焼き止めする。
*逆にtoro製は濡れるとわずかに伸びるので都合良い、
この方法の利点は、ガットが乾いたとき、ネックの形状にフィットした形に固まること。
bg f gut02
新しいバロックギターはナットの高さに余裕があったので、ローポジションのフレットを太いのに替えました。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: Instruments

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テレマン:トランペット協奏曲の魅力  

バロックのトランペット曲の晴れやかさには子供の頃から(たぶんラジオ放送で)惹かれていたが、今日はそんな記憶そのもののtrp協奏曲で、お馴染みの名作テレマンのtrp協奏曲ニ長調(TWV 51:D7)をいくつか、
曲によっては民族音楽的、灰汁の強さを出したりするのがテレマンの魅力でもあるが、これは4楽章とも純粋なバロック趣味で彩られる。

アドルフ・シェルバウム:trp
カール・リステンパルト指揮、ザール室内O.(LP)

te trp04
まずは、A.シェルバウム、高域を奏で、難しいバロックのtrp曲を復活演奏した先駆者だった、このテレマンの曲にしても最初に録音したのはシェルバウムかもしれない?バッハのブランデンブルク協奏曲No.2が吹けるのも、初めこの人だけだったらしい。彼に影響を受け、登場したのがM.アンドレだった。

ピエール・ティボー:trp
オットー・ゲルデス指揮、バンベルク交響楽団(LP 1970年)

te trp 03
フランスの奏者で、K.リヒターのミュンヘン・バッハO.でも活躍した、P.ティボーのtrpは輝きと艶やかさが堪能できる名盤だった、この時代らしい演奏だが、DGらしからぬ(DECCAみたいな)クリア・サウンドの録音も耳を惹いた、
第三楽章はロ短調で、trpは休みで弦楽だけなのだが、優美で味わい深い、
sc te 01
[9]からバスがテーマを弾くが、そのトリルに深々と重みがつき、編成の大きいモダン弦楽ならではの魅力と言える。

ニクラス・エクルンド:バロックtrp
ニルスーエリック・スパルブ指揮
ドロットニングホルム・バロック・アンサンブル(1995年)

te trp02
次はN.エクルンドのバロックtrpによる演奏、厳密にバロック期のtrpは管を巻いただけの何の仕掛けもない、ナチュラルtrpであるが、現代、古楽器として使われるのは管の途中に音程補正の孔が開けられたものが多い、しかしバルブ仕掛けのないtrpの透明感ある響きは替え難い魅力で、エクルンドは名手の1人である、しなやかな古楽器の弦楽が支える。

ルベン・シメオ:trp
ケン・シエ指揮、オーケストラ・アンサンブル金沢(2008年)

te trp01
最後は若干16歳で録音した、R.シメオのモダンtrpによる演奏、M.アンドレ最後の弟子だったシメオの高いテクニックと滑らかな美音は最高、しかし弦楽とともに演奏スタイルは現代らしく、ピリオド指向だ。

参考動画はバロックtrpによる演奏
te trp you tube
you tube:Giuliano Sommerhalder -Telemann Concerto-Baroque trumpet
Giuliano Sommerhalder and the kammerorchesterbasel (leader: Julia Schroder)

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category: G.P.テレマン

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ハイドン「驚愕」のベスト盤 (独断)  

○○さん個人の感想です・・的、無責任シリーズ^^;

演奏者-録音技術者-聴き手(自分)が1本に繋がってピンとくるのが名盤、今日はハイドンの交響曲No.94「驚愕」を強引に絞って5つほど、
あまりに観賞歴が長い曲で頭がマヒ状態、並みの演奏は聴き流してしまうが、良い演奏はちゃんと引き付けて飽きない。

コリン・デイヴィス指揮、ロイヤル・コンセルトヘボウO.
1981年 PHILIPS
hay sym94 c davis
じつに折り目正しく、活気良く、引き締まった演奏で早くから印象に残っていた1つの理想の演奏だ。パート・バランスが良くPHILIPSの名録音でもある、
you tube:交響曲No.94ト長調 「驚愕」 コリン・デイヴィス指揮 RCO

ブルーノ・ヴァイル指揮、カペラ・コロニエンシス
2008年 Ars
hay sym94 weil
第一楽章、序奏は短い弓使いでサラリと行くが、主部は速くない、古楽orch.のvn群はあくまでしなやか、総奏での管やtimpのリズムが押し出し、がっちりした構えに聴かせる、trpが透明感のある響きで、[164]から長くcresc.をかけるのが効果的で爽快、
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ややマイクの離れた録音で会場の奥行きを感じ、各パートもよく聴ける。

ロイ・グッドマン指揮、ハノーヴァー・バンド
Helios 1993年
hay sym94 goodman
これも古楽orch.だが、活気に溢れ肉迫してくる、ヴァイル盤よりもマイクは接近した音響で、強奏でのパンチが効く。

アンタル・ドラティ指揮、フィルハーモニア・フンガリカ
DECCA 1970年
hay sym94 a d
C.デイヴィス盤と並ぶ好演、こちらは弦のしなやかさ、おっとり上品なメヌエットが特徴。
you tube:Symphony No 94 G major'Surprise', A.Dorati PH

ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮、ウィーン交響楽団
DECCA(PHILIPS原盤)1961年
hay sym94 sawa
正統派サヴァリッシュの「驚愕」は少し意外だった、第一楽章主部は記憶する限り最もテンポが速い、しかし、しっかり決め、構築感も聴かせつつ、キビキビと巻き込んでいく感覚は他に聴けない魅力だ、第二楽章とメヌエットではウィーンのorch.らしい美音も聴かせる、終楽章はサヴァリッシュらしい決め方、録音も古い感じがなく鮮明、これもPHILIPSだ。
you tube:交響曲第94番「驚愕」W.サヴァリッシュ指揮 VSO
*動画ページには誤って"ウィーン・フィル"と記されている

ほか、全集のD.R.デイヴィス、J.L.コボス、G.セルなど良い「驚愕」を録音している。

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category: F.J.ハイドン

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「二重の夜」系外衛星  

明け方は寒くなりましたが、極端に寒くなる前に陽が昇る、24時間で自転する地球は有難いです、また今日は思い切り空想の話です^^

地球は太陽からちょうど良い距離にあり、重力の影響を受けるほどの大きな衛星を持っている、月は火星サイズの原始惑星が原始地球に衝突してできたという説が有力のようだが、月の重力が地球の自転軸を安定させ、気候も安定している、これが生命にとって、不可欠な条件であれば、銀河系全部を探しても、そう多くはなさそうだ、何か代わる条件はないだろうか、
惑星系が作られるとき、どうも木星のような早くにできた巨大な惑星が材料の多くを吸収してしまうらしい、現に太陽系もそうである。

仮に木星以上の巨大な惑星がハビタブルゾーンにあったとする、そこに地球サイズくらいの衛星が程良い距離を周っているとする、
中心の巨大惑星は厚いガスに覆われ、気象も激しいだろう、降り立つ所もない、しかし、地球サイズの衛星は岩石天体の可能性もあり、惑星の重力で自転軸は安定するだろう、たぶん潮汐ロックで、いつも同じ面を惑星に向けている、
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系外衛星:想像画
この衛星は惑星を周ることにより、中心星からの陽があたる面が変わり、昼と夜がある、また惑星と衛星の公転面がほぼ水平であれば、巨大惑星の影に入る「食」でも夜になり、2つの夜が周期的に重なりそうだ、この昼夜のサイクルは地球の24時間に対し、数日~数十日とか?かなりゆっくりかもしれない、寒暖差が大きくなりそうだが、何らかの好条件が補うとして・・
この衛星に文明があったら、暦はどう作るだろうか;
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衛星の特定の場所A点における陽のあたり方(衛星は潮汐ロック状態)
太陽系のような惑星配置は稀かもしれないが、こうした条件の地球サイズ衛星なら結構あるかもしれない?ただしこれにも条件がある、木星の衛星イオのように惑星に近すぎると、惑星の強い放射線帯や潮汐力の影響で厳しい環境になるかも。

系外衛星を地球から捕えるのは極めて困難だが、2017年7月にケプラー宇宙望遠鏡が発見した、約4000光年にあるkepler 1625bは木星より幾分小さい惑星で、そこには海王星サイズの巨大衛星が周っていると見られている。
003_20171112103330132.jpg
you tube:L'exolune de Kepler-1625B
ケプラー宇宙望遠鏡などは恒星の前を惑星が横切った際の減光を観測するトランジット法で、
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①のように衛星が取るに足らない大きさだったら、横並びで遮っても、恒星の前から外れても(又は視線方向に重なっても)違いはわからないが、kepler 1625bの衛星は②のように同等なくらいの大きさなので、減光の違いがわかるらしい。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 宇宙・天体

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「大きなお陽さま」プロキシマ・ケンタウリ  

我々に最も近い恒星、プロキシマ・ケンタウリ(4.22光年)に惑星プロキシマ・ケンタウリbが見つかったのは以前にも書いた。(*以下、・ケンタウリは略)m
proxima b
プロキシマ・ケンタウリb:想像図
距離もハビタブルゾーンにある、ここまでは良いのだが、人類の移住先候補とするにはクリアすべき条件がいくつもある;わかっているのは中心星との距離、公転周期、およその質量範囲だけである。ドップラー法で地球から観測している公転面の傾斜角が明らかでないので、中心星の真の揺れ幅(=惑星の質量)も今のところ不明。仮に密度が地球と同じくらいとすると、最小で地球の1.1倍と見積もられる、大きければ3倍になるそうだ。仮に最大であったとしても、木星のようなガス惑星とは考えにくく、着陸できる地表を持った岩石惑星だろう、
関連記事: 「系外惑星から地球を発見?」
proximasurface.jpg
よく拝見する地上の想像図

中心星のプロキシマは赤色矮星で質量は太陽の0.123倍、表面温度は3042度、
Proxima_Centauri_2017111109594992f.jpg
H R
HR図でも最小クラスとなる、
そして惑星プロキシマbの公転半径は太陽と地球の距離の0.0485倍、一周するのに11.186日と じつに小スケールだ。中心星からのX線や爆発的フレアの影響が非常に大きいらしい。
しかし、太陽系に一番近いところに地面を持った惑星があるらしい、というだけで、とりあえず明るい材料として置いて・・^^

もし、プロキシマbから、お陽さまのプロキシマを見たらどうだろう、距離は非常に近い、
sun proxima
我々がいつも地球から見ている太陽の大きさを図の左だとする、プロキシマbに降り立って、中心星プロキシマを眺めたら、右の大きさに見える、温度の低い星なので、大きくても夕陽のように、可視光としては眩しくはないかも?

*プロキシマはリギル・ケンタウルスの三連星の小さな1つである。
Alpha,_Beta_and_Proxima_Centauri
プロキシマに惑星が出来るのは考えにくいとの意見もあり、プロキシマbは別起源の天体であるという見方もある。

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category: 宇宙・天体

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惑星系のでき方 2  

たびたび取り上げている話で、先日も珍しい「赤色矮星を周る巨大惑星」について書いたところです。原始惑星系円盤でどのように惑星ができていくのか、多くの謎があったようです。m

原始惑星系を廻る微小な塵やガスはやがて中心の原始星に呑み込まれるか、恒星風で吹き飛ばされるかで無くなってしまう、そうなる前に、質量を持った塊にならないと、惑星のような天体は残らない。
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先ごろ、アルマ望遠鏡が1000光年の距離にある「オリオン座V1247星」の二重になった塵の環を捉えた、
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アルマ望遠鏡が撮影したオリオン座V1247星
中心には若い星があり、環の明るい部分ほど塵の密度が高い、二重の環の間の暗い隙間にはすでに惑星ができている可能性があり、惑星が通るとその両脇に塵が掃き寄せられる、これが長く続くと塵が密集した状態に保たれ、合体成長しやすくなる、この現象をダストトラップ(塵を長く集めて置ける場所)と言い、惑星の材料の集まる所である。オリオン座V1247星は環の中でも密集した(画像では明るい)部分があり、このダストトラップが詳細に捉えられ、惑星形成シミュレーションとの整合性が確かめやすくなったとのことだ。
同様にダストトラップの見られる原始惑星系として2013年にもアルマ望遠鏡が「HD142527」を捉えている、
hd142527.jpg
HD142527:おおかみ座800光年

なお、これまで発見された系外惑星は巨大な惑星が中心星のすぐ近くを廻るホットジュピターが多い、もし太陽系の木星がそんな位置にあったら、地球などの小さな内惑星は存在できない、あるシナリオでは、木星が太陽に近づいていった頃、もう一つの巨大惑星、土星ができて、その重力が木星を引き止め、外縁部に移動させた、両者は軌道共鳴を起こし、現在の位置に安定している、太陽近くには、木星に吸収された残りの少ない材料で地球などの小さい惑星がちょうど良い位置にできた、ということだ。
そうだとすれば、地球と似た条件の惑星はそうざらにはない気がする;別の条件でも地球に似た環境が作られれば別だが。
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大きさの比較のみ表している

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category: 宇宙・天体

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ヘンデル:パープ協奏曲の魅力 ≪追記あり≫  

演奏する姿が絵になる楽器は、まずフルート(横笛)かな、構えたポーズが絵になる、ヴァイオリンの立奏はその動きが良い、ピアノは忙しそうにお仕事している感じ、大オルガンなどコックピットで操縦しているイメージ;リュートやギターは、と言うと奏者しだいかな^^;
一番優雅なのはハープだろうか、中空に弦があり、両手の繊細な動きがよく見える。m

バロック期のパープ協奏曲は他にもあっただろうが、ヘンデルの変ロ長調HWV294しか知らない、しかし魅力的な名作だ、オルガン協奏曲としても演奏されるが、技法から見て、元はハープに違いない、ヘンデルでは珍しく、急-緩-急、3楽章のソロ・コンチェルト。

手持ちの盤ではまず、ウルスラ・ホリガーのharpによるピノック盤が良い、
handel harp con pinnock
ウルスラ・ホリガー:harp
トレヴァー・ピノック指揮、イングリッシュ・コンサート

第一楽章は落ち着いたテンポで細やかさを聴かせ、vnパートにリコーダーを重ねた柔らかなトゥッティも心地よい、第二楽章が魅力で、ト短調で書かれ、パープならではの憂い、幽玄、気品に満ちたソロを聴かせる、ヘンデル取って置きの美質も聴けるようだ。終楽章は明るく軽やか、心地よく流れ、トゥッティも涼やかに支える。

もう1枚、好きなのが、R.グッドマン指揮によるオルガン協奏曲集に入ったパープ協奏曲だ、グッドマンはこの曲だけ、オルガンじゃなく、ハープで録音している(さすがv)
handel harp con goodman
フランシス・ケリー:harp
ロイ・グッドマン指揮、ブランデンブルク・コンソート

興味深いのはharpソロに通奏低音のアーチluteが常に寄り添っているところ、トゥッティが沈黙し、harpソロだけの部分が多いが、そこでもアーチluteはバスパートを共に弾き、和音を補助している、それぞれの楽器は実物大のように録音されていて、小型のSPでは聴き辛い、
第一楽章の後半で、
handel harp sc01b
[51]から徐々に音階を上がり、[53]からを極めてppにして引き付ける、これは音量の少ない撥弦楽器の戦略だ^^聴きどころの第二楽章も撥弦楽器2つの二重協奏曲かのように響く、センス良くまとめるが、こういうポツポツ鳴る撥弦楽器がレガートな緩抒楽章を聴かせるのは、拍節の伸縮に乗った絶妙のタイミングを要し、ある意味緊迫感がでる。

参考動画
handel harp you tube
you tube:G.F. Handel: Harp Concerto - Sarah Ridy - Barrocade
動画にもアーチluteがあるが、ここではトゥッティ部分のみ弾いている。

追記:ヘンデルの協奏曲で使われたハープは、トリプルハープ(今日で言うバロックハープ)と呼び、17世紀に広く普及した。現代のパープと違い、ペダルが存在しない、弦が3列の並びに張られ、両脇がピアノの白鍵に当るディアトニック、真ん中の列が黒鍵の並びになっている、よって弦数は100本程になり、現代パープの約2倍、ただし1本あたりのテンションは低く、細い弦が張られる、当然、技法も変わってくるだろう。
strings1.jpgstrings2.jpg
また、ハープ協奏曲はヘンデルの作品が史上初とされる。

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category: G.F.ヘンデル

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テレマンの楽しみ: fl.&rec.の為の協奏曲ホ短調  

大バッハが活躍した当時のライプツィヒ新聞で、作曲家人気投票を行ったところ、「1位がテレマン、2位がヘンデル、3位がグラウプナー・・J.S.バッハは7位だった」と、何かで読んで憶えている;テレマンは現代でも楽器を手にする人達には人気があるようだ。
(Georg Philipp Telemann 1681-1767)
テレマンの作品で、複数のソロ楽器をもつ協奏曲や室内楽は特に聴き応えがある、ソロ同士の掛け合い、絡みがじつに巧みで、演奏する側にも楽しいだろうと思える、かしこまった音楽じゃなく、自由な演出も必要だろう、仮に導入的な旋律がvnパートに書かれていても、それを別の楽器で演奏してもよいと思う。

D.ハルモニア・ムンディ50周年記念BOXに入っているCD45、カメラータ・ケルンのテレマン名演盤を取り出した、
DHM BOXtelemann con cd
協奏曲が6曲入っているが、1曲目のフルートとリコーダーのための協奏曲ホ短調 TWV 52:e1が特に素晴らしい、緩-急-緩-急の4楽章で、
第一楽章は同じ発音原理で構造の違う2つの笛の味わいを楽しむように書かれている、奏者も装飾を楽しませる、
第二楽章はフーガで導入し、タンギングの明確なリコーダーと、ややほんのりするflトラヴェルソの快活で巧みな掛け合いが心地よい、テレマンならではの楽しみだ、
第三楽章はvnソロが導入し、ピッチカート伴奏に乗り、2つソロが牧歌的な掛け合いをする、
終楽章がまたテレマンらしい、民族音楽風で奇抜、テクニカルな楽しみに溢れる。

you tubeにもブレーメン・バロックオーケストラによる良い演奏が挙がっている、
telemann con
Bremer Barockorchester
you tube:G.P.Telemann:Concerto for fl.&rec. E minor,TWV 52:e1
この動画では通奏低音にギターが入っているが、テレマンの時代、ドイツにはギターは普及しなかったらしい、そういう史実云々抜きで楽しむのは大いに結構、テレマンの急楽章に快活なラスゲアードは相性抜群v

全集BOXものには未聴盤が多い、ブログなどチマチマ書いてるヒマがあったら、聴いたほうが有意義なのだが^^;

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category: G.P.テレマン

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ハイドン「太鼓連打」のベスト盤 (独断)  

昔、クラシックを聴き始めた頃、はじめて、ハイドンの交響曲第103番「太鼓連打」を聴いたときの印象、まず副題どおりtimpの連打がある、そして何やら低音で、のったりしたテーマ、不思議な雰囲気・・「何なんだこれは」という感じだった;それだけに主部に入ると舞曲的で溌剌とした主題が印象的、以来聴き馴染み、好きな曲の1つになった。これまで聴いた「太鼓連打」の名演を独断で拾ってみた、ほかにも候補はあるが、以下の4つに絞った、

クラウディオ・アバド指揮、ヨーロッパ室内O (1989年録音)
c a hay 103
始めてtimpの自由なソロを聴かせた、orch.サウンドも小編成らしく見渡しよく、ツボをよく捉えた演奏で、DGにしては珍しい?ハイドンの名盤だった。

アイヴォー・ボルトン指揮、ザルツブルク・モーツァルテウムO (2011年録音)
i b hay 103
低域のしっかりした、良い意味で量感のある響き、しかし見透しのよい快演で、終楽章に豪快さが出てくる。

ブルーノ・ヴァイル指揮、カペラ・コロニエンシス (2014年録音)
b v hay 103
古楽器orch.で、序奏はかなり速めにさらりと終え、主部が意外に速くなく、古楽器orch.によるがっちりとした演奏で魅了する、

アンタル・ドラティ指揮、フィルハーモニア・フンガリカ (1970年録音)
a d hay 103
序奏はゆっくり清涼、主部は速めで溌剌とする、全楽章がtimpの活躍する曲であることを印象付ける、ドラティ盤は総合的に名盤だ。

共通なのは聴きたいパートがよく聴けるところ、例えば終楽章の[91]から、vn2とvn1がパッセージの掛け合いをするが、vn1にはflが重なる、ここが明確に聴けると心地よい、
hay sym103 04

ハイドンは第一楽章の提示部を聴いただけで、聴きたいか否かが概ね決まる、orch.音が分厚い塊に聴こえたら没、(怖いもの見たさにチェリビダッケを聴いたら、ガマンして時間が経つのを待つだけだった;)
T.ファイ盤も良い演奏に違いないが「ファイの演奏」と期待を大きくし過ぎてもいけない、N.マリナーも早くからハイドンの快演を聴かせていた。しかしそれより前に録音したドラティは少しも古いとは感じない、短期間の全集録音で1曲ずつ入念に取り組んだような味わい。
筆者個人の感想です
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category: F.J.ハイドン

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冬の音楽はモコモコのジャージで  

11月の始めですが、寒くてコタツを用意しました^^;m
秋物の衣類を出しておいたのに、殆ど着ずじまい、いきなり冬物です、一応冬用でも薄手のジャージでは脚が冷えるので、去年買っておいた、裏地が毛布みたいなのを出しました、
mokomoko.jpg
冬の音楽鑑賞はいつもの椅子に座り、エアコンを止め、電熱ヒーターだけにします、楽器の練習もコタツでは出来ないので;このジャージとフリースのカーディガンで助かりそうです。
denon_201711061029103c8.jpg

しかし、モコモコの服は動くのにうっとうしいんですね、薄手でゆったりした服で布団に入ったり、靴下も脱いでコタツに入ると極楽v・・人間ダメにします^^;
kotatu.jpg

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category: 時事・雑記

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新作:バロックギター(Stradivari model)  

完成して届いたばかりのバロックギターです。
田中清人氏:製作
ストラディバリ・モデル
弦長650mm

b g 01 s
拡大
弦が落ち着いて、きれいに和音が鳴りだしました、
透明感があり和音が鮮やか、指の爪側を当てたラスゲーアードが爽快、
b g c
①コースはシングルに張っていて、ふくよかに鳴る、プンテアードでバロックギター特有の、旋律をアルペッジョ的に弾く奏法もバランスよく弾きやすい、
b g tab
音量も十分に思います、弱音で弾くと香りを持った音で、高貴な雰囲気もある(ぜひ、ド・ヴィゼを弾きたい^^)
弦はA=415hzに合わせて選びましたが、指頭弾きにはちょうど良いテンションのようです、④コースの低音にローデドNGを用意したけど、やはり振動不良で;カーボンの万鮪(赤)に替えました、これはOK、弦はいろいろ替えてみて、392hzあたりも試してみたいです。

外観は「ベーシックで響板を古色調に」とだけお願いしてお任せしましたが、配色の良さ、精度の高さ、仕上がりも流石ですv
響板はセラックニスを少し塗ってあるそうですが、木肌の感触、ボディと指板を囲むパフリングはウォルナットでウォームな感じ、
b g rose
響孔のパーチメントはElenaさん製、響孔周りとブリッジには細密な象牙のインレイ、細くて優美なムスタッシュ(髭飾り)、以上だけでも非常に手がかかっていて有難いです。
パーチメントはベージュで色調が合い、ナットも飴色ですv
背面はメープルで統一、セラックニスはネック部分が少し明るく、ヴァイオリン風に見える、ツヤの感触も良いです。
b g Rear
拡大
その他の写真: ブリッジ 指板 ペグ

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category: Instruments

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W.サヴァリッシュ:ブラームス 交響曲No.4(終楽章)  

昔、クラシックに親しみ始めた頃はブラームスなんてまだ後回しだった;交響曲では初めに馴染んだのは第3番だったが、4番は憂い、奮起、安息、が交錯するようでやたら渋いと思った。

終楽章のパッサカリアはソナタ形式的のようなまとまりがなく、取り留めなく進むようで戸惑った;今ではすごく好きな楽章だが、(バロックのパッサカリア、シャコンヌはリュート曲にも多くあり、同じ和声の繰り返しが魅力となった、)この終楽章はバッハのBWV582あたりと同じような吸引力があり、さらに大きな起伏をもって聴かせる、
bra sym 4 04a
冒頭部
長い変奏に変わりはないが、大きく見ればソナタ形式的な区分けも持つ、[77]から穏やかな中間部となり、[105]からはホ長調となる、[129]からホ短調の冒頭に戻り、ここが展開部に当るとも言える。人生はドラマみたいに上手い起承転結はない、次々と試練がやってきて、解決も勝利宣言もないが、力は尽くした、みたいな終わり方・・と勝手に感じている^^;
終止にフェルマータはない。

そこで、サヴァリッシュの演奏、
sawa br sym4a
ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮
ロンドン・フィルハーモニックO
1989年録音、原盤EMI

終楽章は標準的な感覚で端正に始まる、しかし弦にどこか尋常でない熱気も感じる、瞑想的な変奏を通り抜け、再び[129]で冒頭部分が戻るが、ぐっとテンポを落とし、[133]ff、[136]sfと二段構えに圧倒して轟く、
br sym 4 04b
ここは速くして演奏する例があるが、ゆっくりなのが効いて量感を増幅、乱暴にはならず、以降はサヴァリッシュの演奏として予想できなかった凄味で迫ってくる、押しては引く効果を使い、エネルギッシュに終結する、
精緻な中に気迫のこもったこの演奏は自分にはベスト盤だ。
sawa br sym4b
you tube:J.Brahms, Symphony Nr.4,e-minor, Op.98, W.Sawallisch

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category: ブラームス

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自宅待機  

今日は荷物が届くので、出かけずにいました。

届いたのはこちらです、
b g st 01
詳しくはあらためて。

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category: Instruments

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赤色矮星を周る巨大惑星  

これまで、惑星系が作られるときは、その質量の大部分を中心星が占め、残りのわずかな物質で惑星が作られるとされ、中心星が小さな惑星系では惑星もそれなりに小さなものしか出来ないと考えられてきた。m
10月31日、英ウォーリック大学はこの考えに反する巨大な惑星を発見したと発表した。
中心星は「NGTS-1」巨大惑星は「NGTS-1b」と名づけられ、以下のとおり、

中心星(NGTS-1):質量は太陽の0.617倍、半径は0.573倍
HR.jpg
HR図では主系列星のこのあたり、赤色矮星(M型星)となる
巨大惑星(NGTS-1b):質量は木星の0.812倍、半径は1.33倍、公転周期は2.6473日で中心星から450万kmの距離(太陽と水星の距離の約13分の1)を周回するホットジュピター
距離:はと座、約600光年


これを明らかにしたのはチリのアタカマ砂漠にある太陽系外惑星探査プロジェクト「次世代トランジットサーベイ(NGTS)」による観測で、12台の望遠鏡を連動させる干渉計を用いた走査観測により、惑星が横切る際の恒星の減光を調べた結果である。
NGTS-1b.jpg
想像図:英ウォーリック大学
この巨大惑星NGTS-1bは木星のようなガス惑星で半径は中心星NGTS-1に対し、4分の1ほどの大きさがある、謎なのは大きさに差がないところでどんな経緯をもつのか?他にも例があるのかが注目される。

過去記事で1つ目についたのに、「L1448 IRS3B」という連星系が誕生しようとしている原始星円盤があった、
L1448 IRS3B01L1448 IRS3B02
アルマ望遠鏡:撮影、右は詳細想像図
これは中心部に2つ、外側に1つ、大きな塊があり、3つの連星になると予測されている、原始星円盤の重力不安定性による結果だとされるが、こんな質量の分割は考えられないだろうか。

関連過去記事: 「惑星系のでき方」
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宇宙科学ランキング

category: 宇宙・天体

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楽器の木材  

木の楽器を手にしていると、木材についてもいろいろ興味が湧きます、何時も目にしているのに結構知らないことだらけ;m
11c a

まず楽器では避けたい、木材の「節」っていうのがあります、木の幹から枝が出て行った痕跡ですが、生節と死節があるそうで、生節は生きた枝元を幹が成長して太くなり覆いこんでいったもので組織の繋がりはある、死節は枯死した枝元をそのまま覆い込んだもので、幹にとっては異物のようなもの、組織の繋がりはなく板材から抜け落ちたりする、
ikibusi sibusi
死節のある材は楽器には使えないでしょうが、生節でも現在では美観上、敬遠されがち。
昔は生節の入った材も使っていたと聞きます、生節は周囲よりも強度が高く、活かせるかも?
この楽器にはあえて使われたように見えます、
b vn
オリジナル・ヴァイオリン(フィドル):竹内さんのページより

ギターの裏側板に使うハカランダは1992年からワシントン条約の輸出規制で新たな材料は入らなくなり、在庫のハカランダで作った楽器も売る目的で海外には持ち出せないそうです。
手持ちの楽器で唯一、ハカランダを使ったこのリュートは1980年代に出来たものです、
11c lute02
よく見ると小さな節がいくつかあります。

また、楽器に適材であると同時に美しい木肌の模様(杢)を持った材は珍重されます、これは木の成長過程でねじれや湾曲、瘤ができた所が製材面に現れたものです。
Ahorn-Maser_Holz_20171102143156c82.jpg
どこかの惑星の表面!じゃなく、メープルの杢
ヴァイオリンはじめ弦楽器で、胴の響板以外の部分には、砂丘の波紋のような杢の表われたメープルがよく使われます、
13c lute
カーリーメープル
響板のスプルースにも杢を持つものがあり、これが強度を上げる?とも聞きます。
kuroda gui
響板のスプルースに杢(ハーゼ・フィヒテ)がある例 <黒田ギターより>

鉛筆の軸にも使われるイチイ(Yow)は独特の芳香があり、切かぶ面を見ると心材と辺材部分の色の濃さがはっきりと違います、
Taxus_wood.jpgvenere_7c_cap.jpg
質的には心材の部分が良いですが、リュート等では少し辺材部分を入れて色違いの味わいを活かしたのがあります。

PS.象牙は1975年から規制されています、在庫を大事に使うしかないですが、この楽器のストラップピンなど、目立たない箇所は片材を貼り合わせて作り、節約しているようです。
pin.jpg

ある日伐採された木が流通の末、ある製作家の所へ行き、別の木材と組み合わされて楽器になる、同じ音の楽器は2つとない、のが面白いところです。

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