A.フィッシャー:Mozart sym No.36 "Linz" 
2018/06/30 Sat. 09:51 [edit]
アダム・フィッシャーはハイドンの交響曲全集録音を1987年から2001年(38歳~52歳)にかけて成し遂げ、その間にも演奏には進歩があった、


その意味でこの全集は興味深いが、もっと期待するのはその後の録音だ。再録音のハイドンは買い損ねたが、またそのうち出るだろう; PS.1枚出品されていたv
フィッシャーのモーツァルトも大いに期待して取り寄せた、まずはデンマーク国立室内Oを指揮した、No.36「リンツ」から、
(*モーツァルトが4日間で書いたと伝わる、もしそうなら、リンツに到着してから演奏までの日数からして、1日でパート譜作りと演奏リハーサルをやったことになる、対位法など込み入った書法は少ないので、速筆的な曲かもしれないが?)

モーツァルト交響曲No.36ハ長調「リンツ」K.425
アダム・フィッシャー指揮、デンマーク国立室内O
2012年 DACAPO
一応SACDだがうちのCDデッキは対応していない;それに関係なく鮮明な好録音だ、
第1楽章、助奏から切れ味があり、ピリオド奏法が響く、主部はやや快速、全音符のゆったりした主題に始まり、[30]からのfに瞬発力があり威勢が良い、

しかし強弱法の設定は細かく、上品にまとめる、
展開部は[123~158]と短く複雑な書法はない、再現部も型どおりで後半の反復記号はない。
第2楽章、poco adagioも速めで節目を付けながらの演奏に爽快さがある、モーツァルトでは異例の緩叙楽章でのtrp、timpの使用があるが、そこではしっかり f の強奏を響かせる、展開部で効果的なcrsc.の表現がありシンフォニック、それでいて優美な雰囲気も十分。
メヌエットはあまり急がず、テーマはアウフタクトに溜めをつけ、しなやかに初め、[4]からくっきりしたスタッカートで締める、

しなやかさと切れ味の対比で優雅に聴かせる。
終楽章、わりと速めで軽快な始まりだが、f にぎっしりエネルギーを込める、弦楽の涼やかな弱奏に、timpを伴う瞬発力を持った響きが効いて、デンマーク国立室内Oの合奏は美しく決める、全楽章で最も聴き応えがある。
フィッシャーの「リンツ」の動画はなかったが「フィガロの結婚」序曲を挙げる、
f のところ、"拳法"みたいな指揮振りに驚くが・・楽しい^^

you tube:Mozart - Ouverture til Figaros bryllup - DRUO - Adam Fischer
* * * * * *
今朝も燕の声がして、思わず見に出てしまった、これは6月23日の写真、

尾羽の右が短い、昨日と同じ燕かも?
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category: W.A.モーツァルト
R.ヤーコブス:Mozart Sym No.39 
2018/06/29 Fri. 08:56 [edit]
九州、山陰にかけて強い雨雲、前線の南に入った嫌な天気だ;

気象庁
今朝も燕を撮った、尾羽が片方短いので昨日の燕かな?


* * * * * *
さて、モーツァルトの交響曲で、個人的には一番好きなNo.39をR.ヤーコブス指揮、フライグルク・バロックOで聴いた。

この録音も隅々までくっきり見渡せるように鮮明、モーツァルト時代の演奏が目の前にあるかのように思える。

モーツァルト 交響曲No.39 変ホ長調 K.543
ルネ・ヤーコブス指揮、フライブルク・バロックO
2008年 harmonia mundi
第1楽章、助奏は付点リズムを強調し活気がある、主部は快速、歌う主題滑らかに始まり、[83]からのように弱奏に押さえたうえでcresc.を行うなど、効果的な強弱法を随所で緻密に設定して引き付ける、

木管や弱奏で打つtimpも合奏に埋もれず明確に分離して聴こえ、常に見渡しよい響きが心地よい。展開部はそう長くないが、再現部に充実感がある、強弱対比を上手く用い切れ味良く魅力を引き出す。
第2楽章、変イ長調で弦楽のしんなり涼やかな響き、ppくらいまで弱奏を使い奥行きをつける、[28]でヘ短調にかわり[30]から2本のhornを鋭く鳴らすのが劇的で魅力、

メヌエット、速いテンポをとるがスケルツォの雰囲気ではない優雅さがある、木管の刻むリズムが前に出て心地よい、clが中心のトリオはゆっくりならレントラー風になるが、ここは快速のままで行く。
終楽章、あまり快速にせず、がっちり踏みしめるような力感をつける、この楽章はそれが魅力、強弱法の効果も十分。

you tube:JACOBS\FREIBURG plays MOZART: Sinfonie Nr 39
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category: W.A.モーツァルト
いつものスナック菓子 
2018/06/28 Thu. 10:57 [edit]
いつも寝る前、飲み物とスナック菓子をポリポリやりながらTV録画を観る、っていうのが至福の時間^^このスナック菓子が肝心で、気に入った商品でないと物足りない;
欲しい商品は複数のコンビニ、スーパーと廻らないと、一度の買い物で揃わないので面倒。
どこにでもある、バターピーナッツだけど製造元で風味付けが違う、一番馴染んでいるのがファミマにあるバタピーで、一時品切れで補充されないときがあった、

製造元は(株)かつまた
ポテトチップスはミニストップにある"うすしお味"がいい、

じゃがいもの自然な風味が良く、他はその満足感がない;製造元は(株)湖池屋、
スーパーではうすしお味がなく、大抵"海苔しお"しかない。
ハウスのとんがりコーン、これも好きだがスーパーしかない、

カルビーのサッポロポテト「濃いバーベキュー味」はコンビニ、

TOHATOの「ポテコ」はスーパー、「なげわ」は色違いの袋でどちらもあるみたい、似たような商品だが、なげわのほうが食感が良い;

海鮮せんべいも昔から好きだが、昔は普通にある袋入りは煮干しも入っていたりした;
地元のスーパーにあるのではこのミックスせんべいが良い、お高くなくエビやイカの味が充実して、イカ墨、ワサビ、ウメ味などもあり、取り合わせも気が利いている。


白藤製菓(愛知県知多郡美浜町)
* * * * * *
曇った日の午前中などまだ、いつもの電線に燕をよく見かける、
親に餌をねだるような鳴き方?が聞こえるときもある、


うちに居た雛達も、親に世話されて付近で過ごしているかもしれない。
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category: 時事・雑記
カラヤン:Beethoven Sym No.3 "Eroica"('84) 
2018/06/27 Wed. 09:24 [edit]
雛が全員揃った写真はこれが最後だった。

6月23日、昼頃
もうその辺を飛び回って戻っていたところだったかも。
* * * * * *
さて、カラヤンのベートーヴェンSym全集、'80年代の最後の録音から「英雄」を聴いてみた、過去の'60年代、'70年代と演奏の中身は大きく変わっていない、この1984年の録音はデジタルで初期に出たCDはかなり残響音を減らしたデッドな音だった、後年出たものはマルチトラックのマスター音源からバランスを取り直したリマスターのようで残響を適度に増やしている、好みにもよるが、リマスターのほうが聴きやすく思う。


交響曲第3番 変ホ長調op.55「英雄」
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニーO
1984年 DG 左がリマスター盤
第1楽章、fで始まる総奏音2つを聴くと、その演奏の特徴がわかる気がするが、叩きつける音じゃなく、制御がかかった感じがカラヤンらしい、

速いテンポで厚い響きだが、コントラバスなど音の遅延する楽器は速いタイミングで弾くそうで、合奏体がレスポンスの高いスポーツカーのようで、カラヤンの指揮棒にぴたりシンクロしたように俊敏でしなやか、
先の音に次の音が追い被さっていくようなレガートで速いが荒っぽさは出ない、木管は上手いがゆったりと各々の味わいを聴かせるというより、組織体の一部としてしっかり仕事している感じ、バランス的には弦楽の量感に押され気味だが、こういう機動力抜群の演奏には他で聴けない痛快さがあるのは確か。
第2楽章はじっくりしたテンポ、ドラマティックに構成された変奏形式で、ここは全体を懐深く聴かせる、フーガに入った弦楽の厚い響きにclが強く重なる響きは聴きどころ。
第3楽章は意外と普通のテンポ、流れからしてここはもう少し速くキビキビ決めてほしいと思ってしまう^^;
終楽章、パッサカリアに近いとされる変奏形式だが、壮大な内容に発展する、第1楽章と同様、BPOの機動力が一段と聴き応えを作る。

you tube:Ludwig van Beethoven - Op.55, Symphony No.3 in E flat "Eroica" - Herbert von Karajan
PS. D.Gのリマスターというと、K.ベームがVPOと録音したいくつかもCD化に際し行われていて、これもリマスターのほうがHiFiなサウンドで楽しめる。


J.シュトラウス:ワルツ集、LPとCD
LPのほうはDGの伝統的な音のまとめ方で、CDはDECCAの音盤を思わせるサウンド。
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category: ベートーヴェン
枕もとの音楽Ⅱ 
2018/06/26 Tue. 09:16 [edit]
寝付きに一番よいのはよく知っている曲で、先の読めない初めて聴く曲は避けたほうがいい、かといって好きでもない退屈な曲もいけない;

よく眠れるのはバッハのリュート組曲だった、演奏にもよるが、BWV997など最高、BWV995やBWV998も良い。
BWV997 ハ短調のプレリュードはバスの動きが忙しくなく、上声はのらりくらりとうごめく、

次のフーガが複数の主題が重なるタイプで、フェルマータのあと、長い自由な部分があり、ダ・カーポでフーガの始まりに戻ってフェルマータで終わる、

やたら長いがオルガン曲のフーガのように壮大にはならない、ここが眠りどころだ^^;
手元にあるCDではマリオ・ダゴストの演奏が良い、


各声部がしっかり聴ける上手い演奏だが、ゆったりしていて気張った感じがない、最後のジーグもゆっくりめ、
参考:you tubeに挙がっているのはこれが良いかな、

you tube:J.S. Bach Partita BWV 997,Mascardi Lute
ただし楽章はプレリュード、サラバンド、ジーグのみ
BWV998 変ホ長調はゆったりしたプレリュードにBWV997と同じく、ダ・カーポ付きのフーガが続く、このタイプのフーガはJ.S.バッハに他に例がなく、他人の作とする見方もある?

you tube:J.S.BACH Prelude, Fugue and Allegro in E flat major, BWV 998
BWV995 ト短調は無伴奏チェロ組曲No.5と同曲で、深く瞑想的なのがいい、

you tube:Bach, Suite para Laud BWV 995. Oliver Holzenburg, Laud
ほか、ラウテンヴェルクによる演奏はエリザベス・ファーがリュート風な物腰で弾く、落ち着いた演奏が良い。

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category: Low cost audio
未来は決まっている 
2018/06/25 Mon. 09:40 [edit]
ついに全員飛び立ったか、5羽とも無事育ち、めでたし!


近くの電線に2羽、たぶんうちの雛、

近くに親鳥も、

昼頃、2羽だけ巣に戻っていた、

そういえば燕の寿命は平均では1.5年で、長ければ16年ほどだそうだ、しかし燕は新幹線を抜く速さで飛べる(最高時速280km)、それに対応した動体視力と反射神経を持っているはず、彼らにとっての1秒は人間にとっての10秒くらいに相当するスローな時間かもしれない、1.5年の生涯も結構長く感じているかも?
* * * * * *
さて、今日は聞き覚えのことだけで書くのですごく曖昧です;
以前にも「時間」に関する話や、「並行世界」についてとりとめもなく書いた、
時間は本当にあるのか マルチバース そう考えるしかない!?
ニュートン力学でも、物理現象は法則に従った因果関係で繋がっていくので、未来も決まってしまうらしい、ただあまりに計算が複雑膨大で未来の予測は無理ということに。
今回は特殊相対性理論から導かれるという、未来は決まっているという考え;
三次元の座標軸と同じように時間も過去から未来に一体となって繋がったものとして存在している、(ただし、宇宙の始まりが時間の始まり、宇宙の終焉が時間の終りで、永劫の過去も、永遠の未来もないとする)

空間は2次元で表現
これからどう行動するか自分で判断しても、サイコロで決めるなど偶然に任せたとしても、そうなるように決まっていて、逆に言えば未来が過去を決定づけている、ということになる。我々は決まった時間の線路を辿っていて、ある時点を現在だと脳が選んでいるだけ、(我々は新たに生じる時間の最先端に居るわけではない)
この考えでは量子の振る舞いをマクロ世界に拡張したような"並行世界"はないことになる、

並行世界?
仮に過去にタイムスリップできたとしても、その時間旅行者の行動も時間に書き込まれたシナリオだったに過ぎない。
量子の振る舞いでお馴染みの「二重スリット実験」では電子銃から1個ずつ電子が発射され、通過するスリットは2本しかないので、その後ろの感知スクリーンにも2本しか痕跡が現われないと思うが、実際には波が干渉したように何本も現われ、波の性質を示す(*電子同士が影響しないよう、1個ずつ発射する)、


量子の世界では確率的にいくつもの状態が重なり合っている。
しかしスリットの脇に電子の通過を観察する観測器を置くと、干渉がなくなり、スクリーンには2本しか痕跡が現われず粒子の性質になる、

被写体に光子を当てるなどして初めて観測行為ができるので、影響を与えざるを得ないからか、電子銃から出たばかりの電子にとって、観測器のある位置はごく短い距離だが、時間的に未来になる、その未来が量子の過去を粒子だけの性質に変えているのか?
・・こんなこと書いた本など読んでいるとよく寝付ける^^;
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category: 科学・自然・雑学
指揮棒 ≪追記あり≫ 
2018/06/24 Sun. 06:39 [edit]
握りの部分は滴型のコルクをよく見かけるが、ウォルナットのような木でできたのもある、

和風の指揮棒(軍楽用)もあり、漆塗りで金箔の飾りや、さらに十手や軍配のように房が付いたのがあって面白い、ケースも漆塗りで^^

古くはJ.B.リュリが重い"指揮杖"で足を強打してしまい、それが元で死亡したという話は有名、

Jean-Baptiste Lully(1632-1687)
現代でも指揮棒の先が額に当り怪我をしたり、左手に突き刺さったという指揮者の例もあるそうで、結構危ない、
指揮の所作がキマっていて、聴く側まで姿勢を正される気分なのが、W.サヴァリッシュ氏だ、
この演奏、0:35のあたりで指揮棒を落としてしまったらしい、

you tube:Sawallisch Conducts Zampa Overture (Herold)
内ポケットに予備があったのだろうか?取り出そうとする仕草もあったに見えたが、そのまま棒なしで何事もなかったように続け、きめている^^
O.スウィトナー氏は脇をあまり開かず、主に肘から先と上体を動かす振り方が特徴だが、長い指揮棒を使っていて、振り幅は大きく見える。(長いほうが安全に思える)

you tube:Weber : Der Freischutz Ouverture (Suitner/NHKso)
N.アーノンクールなど指揮棒なしの指揮者も多い、

you tube:Brahms Symphony No.1 C minor,op.68 Nikolaus Harnoncourt/ Berliner Philharmoniker
先日、N響の放送でH.ブロムシュテット氏も棒なしでベートーヴェンを指揮していた。小澤征爾氏も今は棒を使わないとか、
追記:アダム・フィッシャーはハイドンのSym全集を録音した後の再録音が魅力だが、動画を見ると、指揮棒を振る場面は少ない、

you tube:Joseph Haydn - Symfoni nr. 45 (Farewell) - DR UnderholdningsOrkestret - Adam Fischer
象徴的に持っている?というか、体から発する覇気で指揮する感じだ。
orchピットなど薄暗い場所で指揮するのに光る指揮棒があれば、と思ったらすでに作られている、握りの中にLEDランプとボタン電池を仕込み、透明なプラスチックの棒に光を送る、実際使われているところは見たことがないが;
* * * * * *
PS.昨日の燕、
雛たちは元気!

近所にもいっぱい居るので、区別つかない^^;

嘴が黄色いのが確認できれば雛鳥だけど。
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category: 演奏について
ブレンデル:Brahms Piano Con No.1 
2018/06/23 Sat. 08:34 [edit]
A.ブレンデルとC.アバドが組んだ演奏、
PHILIPSらしい特色のでた録音で音質はしっとり、各部がよく聴きとれ、pfはクリアに響く、

アルフレッド・ブレンデル:pf
クラウディオ・アバド指揮、ベルリン・フィルハーモニーO
1986年 PHILIPS
第1楽章は22:40と平均的なところだが、全体には速度の効果的な緩急変化がある。
前奏は重厚な味わいだが、あまり重すぎず程よい、リズミカルな心地よさもある、pfの入りは透明な響き、ブレンデルは剛腕というより、細やかな緩急、強弱の変化を入れる、pfソロの後をorch楽器がすんなり自然に引き継ぐ、この曲の力強いトリルもあまり気張らずorchとともに細やかな質を揃える、pfソロがひとしきり弾いたあとのorch、[117]からのポリフォニックなところがたまらなく良い、上に重なる管も効いている、

まさに"ピアノ付き交響曲"みたいだ、
いくつもの主題がでてくるがpfによる[157]からのテーマのひっそりとした開始が引き付ける、

ショパン風なエレガントな表情もある、
[211]からpfとhorの二重奏となり、ゆっくりとなった余韻をさらにorchが弱奏で引き継ぐ、

[226]からテンポに戻りffのpfソロが始まるが、さほど強烈にはせず、その後もわりと落ち着いた進め方、

展開部はorchが踏み込み大きく盛り上げていくがpfともに冷静さも保っている感じだ。
第2楽章、予期したとおり、pfの弱奏へ向けての間の取り方が深い、寄り添う弦楽の静謐な響きの和声も非常に味わいどころ、
[91]からのpfのパッセージも弱奏で粒立ちよく鮮やか。

第3楽章、歯切れ良い印象のpfソロで始まる、アバドのorchも切れの良い表情でキビキビと進めるロンド楽章、[238]からの主題を元にしたフガートも締まった表現、

pf、orchともパッセージや装飾的素早さがピタリと決まる。

you tube:ブラームス: ピアノ協奏曲 第1番 ニ短調 作品15 ブレンデル, アバド 1986
* * * * * *
PS.昨日の燕、
雛たちの羽はすっかり伸びて今にも飛び立てそう、

でも餌はお父ちゃん お母ちゃんにもらっている、

巣が狭くなり、夜はごちゃごちゃに寝ている;
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category: ブラームス
スウィトナー:Schubert Sym No.4 "Tragic" 
2018/06/22 Fri. 10:03 [edit]
今日はスウィトナーによるNo.4 c-moll「悲劇的」、録音は1983~1986年、DENONとD.シャルプラッテンの技術協力によるHiFiサウンドで申し分ない。

シューベルト 交響曲No.4ハ短調「悲劇的」
オットマール・スウィトナー指揮 シュターツカペレ・ベルリン
orchは当時のフル編成をとる、この曲が書かれた頃、ベートーヴェンは既に第8番まで書いていた時期で、ベートーヴェンはorchの巧みな構成法とともに斬新な作法を築いていたのに対し、シューベルトはまだそこが未熟な状態だった、この後、シューベルトはさらに古典に回帰したような第5番を書いている。
第1楽章、序奏の始まりや経過を聴くとハイドンの「天地創造」の始まりをちょっと連想する魅力な序奏だ、主部に入ると快速、清涼な響きに気合いが入る、主題には少し「運命の動機」を意識した動きがあるが、短調の要素は少ない、

展開部の内容は今一つ物足りないところだが楽章はスタイリッシュにまとまっている。
第2楽章、変イ長調の優美で穏やかな主題に始まるが、突如fzが響きヘ短調に変わる、

ここで登場する主題が第1楽章、第1主題の動機に由来する、この短調部分は再度挟まれる。
第3楽章、半音進行を持つ一風変わった主題、スケルツォの性格が強いとされる楽章だが、スウィトナーはあえてメヌエットに近い物腰で演奏する、trp、timpを効かせ雄大な雰囲気を出す、トリオの主題にもまた第1楽章の動機が関係している。
終楽章、ソナタ形式で急速感のある主題、シンフォニックな醍醐味を効かせるが流麗な心地よさもある、展開部も長くとってあるが、対位法など緻密な書法による聴き応えは期待できない、とはいえ均整のとれた全体の美しさには価値があり、スウィトナーの演奏が良い。
you tubeには挙がっていないので今日は割愛、
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昨日の燕、
もう親とかわらない大きさになっている、

しかしクチバシが黄色いうちは"雛ちゃん"で親に頼りっきりだ、

そういえば、演奏会の夜の正装は"燕尾服"なので、少しは関係するかも、
太った人が着るとペンギン風だが^^
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category: シューベルト
「リュウグウ」まで あと6日 
2018/06/21 Thu. 09:06 [edit]

you tube:「はやぶさ2」小惑星リュウグウまでの旅程
はやぶさ2が6月19日に捉えた330~240kmの距離からのリュウグウの映像が公開されているが、菱形のような形に見える、

→ JAXA サイト
約7.6時間で自転しており、クレーターの位置の動きでわかるが、自転の赤道部分が張り出したソロバン珠のような形かもしれない?はやぶさ2はリュウグウに衝突体を当て、新たなクレーターを作り、タッチダウンで表面より内部の物質をサンプルリターンする予定だ。

タッチダウン想像図
NASAの探査機「ドーン」が捉えた小惑星「ヴェスタ」も楕円の張り出した部分が赤道だった。


ヴェスタ 上:赤道から →動画 下:南極から
ヴェスタが形成された頃、溶岩状態で最終衝突の遠心力で張り出したかのように見える。
南極を中心に回転構造もあるように見える →拡大
2015年の冥王星探査機「ニューホライズンズ」のときもそうだったが、まだ遠方からのぼんやりした画像でも、大まかな姿が見え始めた時点からワクワクした。


左:冥王星とカロン (ニューホライズンズ撮影)
そして最接近画像では予想もしなかった不思議な地形に驚いた、極低温で全てがカッチカチに凍りついた世界だと予想されたが、流動があったとは、本当に行ってみないとわからない。
リュウグウも意外なことがわかるかもしれない。
* * * * * *
PS.昨日の燕、
親鳥は遠くへは行かず、その辺を飛んでいる虫を空中捕獲して即座に雛に与えている、蚊のような小さな虫でも"数"でこなして育てている。


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category: 宇宙・天体
R.ヤーコプス:Haydn Sym No.91 
2018/06/20 Wed. 09:35 [edit]
古楽器といってもvn属は楽器が当時のものであればよいとは行かない、どれくらいのテンションの弦を張るかという問題があり、ひじょうに緩く張る例からモダンに近い例まで奏者によって現状はまちまちだと聞いたことがある、それによって奏法や音楽の物腰も変わってくると思う、過去に取り上げたS.クイケン指揮、ラ・プティット・バンドの同じHMへの録音は緩い弦の響きに思われた、今回のフライブルク・バロックOのサウンドもほぼ同じで、vn群はしんなりと響く、このorchを土台に演奏を築くことになるが、か弱い演奏にはなっていない。


ルネ・ヤーコプス指揮、フライブルク・バロックO
2004年 ハルモニア・ムンディ TOWER RECORDS
No.91はモーツァルトのSym No.39と同じく変ホ長調で、第1楽章の第1主題[21~]が"歌う主題"のタイプだ、[36]から出てくる前打音は例によって"譜どおり"の演奏、

かつて初めて聴いたNo.91はK.ベーム指揮、VPOの演奏で、ゆるりと始まり、重々しい印象が焼き付いてしまったが、ヤーコプスの演奏はAlleglo assaiらしい溌剌としたものだ、透明感のある合奏の中で、1本だけ入ったflトラヴェルソが細やかな味わいで浮ぶのが印象的、展開部以降も反復され、強奏、弱奏のコントロールで十分な深みが表現される、
第2楽章、どこかのパートが最初のテーマを奏で続け、変奏パートが重なる形式、始まりから[24]までは弦が主体で反復があるが、ここでコンサートマスターがひじょうに魅力な装飾演奏を重ねている、

*vcとbassにパートが分かれている
このあとは変奏部分なので作品自体を聴くことになる、[49]auftaktからテーマが変ロ短調になり、一時趣きを変え、[87]auftaktで元のテーマに戻す、ハイドンらしい機知に富んだ変奏だが、程よいところで終わる。
メヌエット、キビキビと切れ味を持ったテーマ、ここでもflトラヴェルソが浮き立って聴こえて心地よい、トリオはレントラー風になり、木管の柔らかさの中にナチュラルhornが野性っぽく高鳴る。
終楽章、快速だが極端ではない、押しては引くような音量の波、この終楽章は展開部も聴きどころで懐深く聴かせる、後半も反復する。
当演奏はyou tubeには挙がっていなかった、
参考動画はS.ラトル指揮BPO、こちらも第2楽章に装飾を入れた好演、

you tube:Haydn: Symphony No. 91 - Bavarian Radio Symphony Orchestra/Sir Simon Rattle (2012)
* * * * * *
PS.昨日の燕


昼は整列、夜はワサワサ
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category: F.J.ハイドン
R.ヤーコブス:Mozart Sym 「プラハ」 
2018/06/19 Tue. 10:21 [edit]
随時書いていきたい。
2枚組の厚さのケースに、Harmonia mundiの分厚い2012年のカタログが入っていた;


ルネ・ヤーコブス指揮
フライブルク・バロックO 2006年
当盤より今日はMozart Sym No.38「プラハ」、
まず、第1楽章、序奏[17]からさっそく出てくる前打音だが、

これの演奏は、様々な例がある、
①事実上、この譜でいう32分音符を2つ並べる
②"前打"らしく小さく短く入れる(拍の頭から)
従来は①が当り前のように行われたが、②の演奏例も少なくない、バロックと古典派でも演奏習慣に違いがあるが、
ここで、どれが正しいかはさておき、ヤーコブスは楽譜どおりに②の奏法を全箇所で行っている、個人的にはこれが自然で好ましく思える。
古楽器orchによる演奏もじつに数が増えて珍しくはないが、ヤーコブスの演奏は既存の演奏例を消し去り、あらたに楽譜に問い直したような新鮮なもの、変にいじくるのではなく、音楽のツボを引き出している。
古楽器を用いればおのずと答えが導かれる部分もあるが、作曲当時の楽器で最善の聴き応えある演奏への探求は続いているようだ、これがモダンorchにも影響していく。
フライブルク・バロックOは誰が言ったか?古楽器のBPOと言えるほど上手いとか^^ヤーコブスの理想を見事に具現化しているようだ。
弦は厚くないがくっきり音のラインとして響く、管とtimpの絶妙な効果、似たような編成でもSymphonyとDivertimentoは違うと実感させる。ヤーコブスは強弱の操作をこれまで以上に巧みに行い、ダイナミズムへの効果を一層高める、
第2楽章も新鮮な楽しみに引き込まれる、
終楽章、かなり速いテンポだが、これも視点を引いて、曲全体を一気に見渡すような効果を感じる、もちろんフライブルク・バロックOの切れ味抜群の演奏にも魅了される。
you tubeにこの演奏があった、

you tube:Mozart: Symphony No. 38 in D Major, K. 504 - "Prague"

フライブルク・バロックO
* * * * * *
PS.燕、一週間の成長ぶり

6月11日

6月18日
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category: W.A.モーツァルト
古いPCの活用 
2018/06/18 Mon. 09:27 [edit]

気象庁
細かい縦揺れが先にやってきて、横揺れが遅れてくる、「阪神淡路」のときと似て、遠くが震源だなと感じた。
* * * * * *
さて、今使っている新しいPCにはそれまで使い慣れていた画像処理ソフトがインストール出来ず、新タイプのソフトを入れているが、機能がいろいろ簡略化されて、良い部分もあるが、処理後の画像の彩度が落ちてしまうなど不具合な点も多い、かといってプロ仕様のような多機能のソフトは必要ない、
旧ソフトは昔、スキャナーを買ったときのオマケで、PCの普及ブームであちこちに専門店があり、競っていた頃が懐かしい。自作PCを組み立てたこともあった、パーツを集めては機種を差し替えていたが製品の互換性が良くないとか、劣化が早いとか、厄介だった、また冷却ファンがやたらうるさくて、オーディオとは切り離していた。そんな古い頃のソフトだけに、さすがに新しいOSは受け付けない;
しかしゼロから図を作成するのがやりやすいし、天体画像に不可欠なトーンバランス機能が付いているなど古いながら重宝していた。
以前、息子が使っていて、長く止めっぱなしだったPCがあって、処分するつもりだったが、こちらにはインストールできて、問題なく使える、

更新されなくなったOSだがネットには繋いでないのでウィルスの心配なし、処理したい画像はUSBメモリーで移して作業することにした、ブログに載せるちょっとした画像もできれば上手く調整したいし。
息子が就職してから空き部屋でベッドもある、たまにこっちで寝るもよし^^、
* * * * * *
PS.燕の様子、
16日夜、大きくなったせいか親鳥は一緒にいない、ワサワサてんこ盛りで寝ている、

18日朝、餌を待って並んでいる、5羽はいるようだ。

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category: 時事・雑記
プレーヤーの回転速度 
2018/06/17 Sun. 11:14 [edit]
アナログプレーヤーの時代はターンテーブルの回転速度を正確にする必要があったが、音楽を聴く道具とは言えないテキトーな製品が多かった。初めて買ったプレーヤーは簡易なもので、アイドラー方式で回転させていた、

レコードをかけると何だがテンポが速くピッチが高い!?時計の秒針が一周する間にターンテーブルが何回廻るか数えたところ、かなり速すぎた、メーカーにすれば許容範囲?なんだろう;
アイドラー方式なら打つ手がある、モーター軸を回転させ、サンドペーパーで削り、正しい速度(毎分:33 1/3)に近づくまで少しずつ根気よくやった;
ちょっと上級機になるとベルトドライヴになる、

モーター速度と軸径の正確さに頼るしかないが、けっこう上級なクラスでも速度が不正確というのが実情だった、現在出ている簡易製品もそのようだ、これもモーター軸を削る手もあるが、ベルトはターンテーブルの内側に設けたリングに掛けるタイプが多いので、この内リングに薄いテープを一周ずつ貼れば遅くする調整は大まかにできるかもしれない?大抵速すぎる方に狂っているが、遅く狂っているとどうしようもない。
you tubeにあるLPの再生音にも回転の狂ったものがある、
速すぎる例、(O.スウィトナー指揮、モーツァルト「ハフナー」)

you tube:Mozart, Symphony No 35 Haffner, Otman Suitner
同録音で正しい速度

you tube:モーツァルト:交響曲35,36番/オトマール・スウィトナー
元々テンポは速い演奏だが、先のはピッチが高いのがわかる;
アーム部は充実した造りだったが、回転は調節できず中途半端だった;これの上級機にストロボ調整機能があった。TRIO KP3022('70年代)

プレーヤーである以上、回転速度を正確にできるくらい当り前にしてほしいところだが;
ストロボ調整可能な現行製品、Pioneer PLX-500-K(ダイレクト ドライヴ)

ほかにクォーツサーボ式という、時計機能が自動で調整するタイプがある。
ご覧いただき、ありがとうございました。

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category: Low cost audio
スウィトナー:Mozart Sym「プラハ」ほか 
2018/06/16 Sat. 08:55 [edit]

昼間、眼がぱっちり開いて、2m程の近くから撮っているが、まったく気にしない様子^^

* * * * * *
さて、いつもランダムに盤を選んでいるが、たまにはラックの端から、その日の気分で聴きたいと思ったのを抜き出すのもいい、
たしか高校生くらい?の頃から持っていたLPで、スウィトナー指揮、SKDのモーツァルト交響曲、31、35、36、38番の2枚組で、EMI系の兼価レーベル、セラフィムから出ていたが原盤はD.シャルプラッテンのはず、たぶん'60年代後半の録音と思われるが、当時から好録音だった、低域が豊かなウォームサウンドで拡がりがある。
38番「プラハ」と31番「パリ」の入った1枚を聴いた。

オットマール・スウィトナー指揮
シュターツカペレ・ドレスデン
Sym No.38「プラハ」
第1楽章、序奏から粘らずすっきりと演奏、主部は快速で緻密に合奏を決めながら、力を抜いた感覚でサラサラと進める、木管がゆとりをもって響いてくるバランス、"西"で活躍していたカラヤンとは速めのテンポは共通だが音作りはまったく違う、弦が奏で、木管が引き継ぐところなど対等な掛合いで心地よい、弦楽が小気味よい掛合いをする中、[81]からob、flが和声を乗せていく様、好きなところだが、


ここを豊かに堪能できる。
第2楽章は遅すぎずスッキリとした演奏で、第1楽章もそうだが、節目をつけて引き締めた感覚がある。
終楽章、速すぎないテンポで端正、開始の弦楽はぐっと弱奏で、[3]からの木管のリズムと和声をくっきり押し出す、

この美的バランスだけで引き付けられる。

you tube:Mozart - Symphony No. 38 in D, K. 504 [complete] (Prague)
*you tubeに演奏者の表示はないが、当盤と同じ音源、
Sym No.31「パリ」
「プラハ」で書いたと同様の演奏スタイルで涼しげな響き、これ以上ないほど引き締める、第1楽章は快速で[40]からのように適切にスタッカートで決める。

数ある「パリ」の演奏で最も気に入っている。

you tube:Mozart,Symphony No 31 Paris, Suitner
*you tubeはLPの再生で、元々テンポの速い演奏だが、ターンテーブルの回転が少し速すぎるようだ。
もう一つ、覇気に満ちた演奏を挙げる、アダム・フィッシャー指揮の「パリ」、

you tube:Mozart - Symfoni nr. 31 (Paris) - DR UnderholdningsOrkestret - Adam Fischer さすがと言うか、
ご覧いただき、ありがとうございました。

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category: W.A.モーツァルト
枕もとの音楽 
2018/06/15 Fri. 09:43 [edit]

バッハの弟子、J.G.ゴルトベルクが不眠症だったH.C.von.カイザーリンク伯爵のために演奏したという逸話が曲の副題になったらしい、二段鍵盤のチェンバロ用に書かれたそうだが、ふさわしいパイプ音を使ったオルガンによる演奏もいける、

you tube:Carsten Klomp - Goldberg-Variationen (Johann Sebastian Bach)
現代ではピアノやギターでも演奏されるが、個人的にはピアノの音が一番眠りやすい感じだ^^
you tube:J.S.Bach "The Goldberg Variations" [ Glenn Gould ] (1955)
ルネサンスやバロック期のリュート、ギター属の音楽も寝付きには打って付け、バロックluteのフランス作品などほんとに眠れる^^

you tube:Francois Dufault: Pieces pour Luth (Pascal Monteilhet)
ヴィウェラのCDをかければ、似たような曲がいくつも続く、ポリフォニックに書かれ、そこをちょっと気にかけながら聴く、

you tube:Vihuela de Mano. Enriquez de Valderrabano. Silva de Sirenas. Book Five. Part Two
本を読むのと同じで「少し頭を集中させて」というのが他事を忘れ、眠りを誘う、
ロベール・ド・ヴィゼのバロックギター曲など、王様が眠りにつくまで、お抱え奏者のヴィゼが寝室で弾いていたそうなので、これも効果的だろう、

you tube:Prelude & Allemande, Robert de Visee
昨日書いたハイドンの疾風怒濤期交響曲の緩叙楽章、これを1枚に集めて聴くのもよさそうv

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category: Low cost audio
ハイドン:疾風怒濤期の緩叙楽章 
2018/06/14 Thu. 10:32 [edit]

6月13日夜、14日朝
見ている間にも親が何度も餌を持ってくる、日ごとに大きくなるはずだ。
* * * * * * * *
さて、ハイドンの長い交響曲の歩みの中で、4つの楽章をいかに充実させるか、創意工夫が重ねられてきた、第2楽章(又は第3楽章)に置く緩叙楽章に注目しても興味深い、後期になると変奏形式が定着していき、その変奏も聴衆を退屈させない斬新さとセンスを備えている。
また疾風怒濤期に当る作品の緩叙楽章の魅力も特筆すべきで、40番代~50番代の一部になるがソナタ形式で書かれ、弱音器を付けた弦楽が主体で、ob、hornが効果的に使われる、天高くから、あるいは深い森の奥から聴こえてくるような、夢想の世界に引き込む静謐な音楽、
お馴染みのところでNo.44「哀悼」やNo.45「告別」の緩叙楽章も傑作だが、No.49「受難」の緩叙楽章は冒頭で短調なので特例的だ、
No.43「マーキュリー」の緩叙楽章も魅力である、

you tube:J. Haydn - Hob I:43 - Symphony No. 43 in E flat major "Mercury" (Hogwood)第2楽章、
後半[49]~は始まりから引き付ける、

No.46 Hob1:46の第2楽章はシチリアーノのリズムを持ち、後半展開部に入ってからの[42]~のobと内声弦による和声がひじょうに魅力、

you tube:J. Haydn - Hob I:46 - Symphony No. 46 in B major (Hogwood)第2楽章、
No.54 Hob1:54の第2楽章など精神性を深めた傑作だと思う、反復を全て行うとかなり長い、ホグウッドの録音では17:51になる、
you tube:J. Haydn - Hob I:54 - 2nd Version - Symphony No. 54 in G major (Hogwood)第2楽章、
ほかにもNo.42など傑作だが、最も堪能させてくれるのが反復を省略しないホグウッド盤、次いでT.ファイ盤だろうか、ドラティ盤の全集も魅力をよく捉えている。


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category: F.J.ハイドン
最近のCDラジオ 
2018/06/13 Wed. 09:35 [edit]
昨夜の燕の巣

親鳥はじっとして雛を暖めている。
さて、CDラジオなんてそこそこのもんだと思っていたが、近年は音質にクセがなく、好ましいものも多い。息子が汎用に買ったこのCDラジオ、SANSUIのSMS-800BTという製品、
フルレンジスピーカーのコーンは二重の和紙だそうで、

amazon
アンティークだけど、センスよくまとめ、オモチャっぽくないのが良い、
CDデッキのようにトレイは前に出て乗せるだけ、本体のスイッチやツマミは少なくしてあり、音質調整など細かい設定はリモコンで行う、

音も一端のオーディオ機と言える充実感がある、木製の奥行きを取った箱で、意外に量感をもって押し出してくる、取手で運ぶプラスチックボディのCDラジオより上を行くようだ、ヴォーカルもわるくない、

パティ・ペイジなど雰囲気合いすぎかな^^

you tube:1957 HITS ARCHIVE: Old Cape Cod - Patti Page
クラシックは古いモノラル録音を聴くと、見た目の相性だけでなく、再生音もぴったり、

昔のラジオ放送用だった音源のバランスがこのサイズのフルレンジ再生機に合っている、
後部にUSBメモリを差しmp3も聴ける、イヤホン端子はない、ラジオはFMのみ、機能を絞り込んでコストを下げているようだ。
LINE入力もあって他の機器を繋いで聴けるが、アナロクプレーヤーはイコライザーが必要、(簡易なプレーヤーはイコライザー内蔵が多い)

単体フォノイコライザー amazon
SMS-800BTはちょうど寝床の脇のラックに収まるサイズ、懐かしい曲などかけると、寝付きには効果あるかも、
ご覧いただき、ありがとうございました。

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category: Low cost audio
ブラームス Sym No.2 まとめ 
2018/06/12 Tue. 09:06 [edit]

数日の間にぐんと成長したようだ。
さて、ブラームス Sym No.2もけっこう聴いたので、ちょっと振り返ってみる、ブラームスって聴き出すと後を引く、この曲もピアノCon No.1と同様、依存症ぎみになってしまった;
K.ベーム:ブラームス Sym No.2
楷書的で音の一本ずつに芯がある、けっこうエネルギッシュ、
カラヤン:ブラームス sym No.2('83)
orch.がカラヤンの"独奏楽器"のように感じる、


フルトヴェングラー:ブラームス Sym No.2('52)
timpの爆音、trpの劈くほどの響きは不可欠の運び、
O.スウィトナー:ブラームス Sym No.2
一際清涼、orch.の自発性を引き出し、"自生"の美しさ、


S.ラトル:ブラームス Sym No.2(DVD)
深い強弱法でしなやか、筋肉質な活力もある、
サヴァリッシュ:ブラームス Sym No.2
端正に筋の通った感覚、キビキビと決める心地よさ、


4手のピアノ:ブラームス Sym No.2
各パートがすべて明確、pf曲として美しく聴かせる、
ハイティンク:Brahms Sym No.2(ライヴ)
ライヴ録音でorchに近づいたサウンドは一段と覇気が伝わる、


C.アバド:Brahms Sym No.2('71年 LP)
しなやか基調、LP盤の澄んだ響きがいい、
バーンスタイン:Brahms Sym No.2
落ち着いた堅実な演奏に感じる、活力十分な魅力も、
J.カイルベルト:Brahms Sym No.2
清涼で自然な緩急の変化、終楽章は快演、



以上の中で特に好きなのが、サヴァリッシュとスウィトナーかな、ベームとカイルベルトもしばらくして繰り返し聴きたい演奏だった。
ご覧いただき、ありがとうございました。

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category: ブラームス
鈴木秀美:Haydn Sym No.53「帝国」 
2018/06/11 Mon. 08:05 [edit]
ハイドンの交響曲など、優れた古楽器orch.の演奏で聴くと極めてピュアな音楽であることがわかる、いつもはあまり気に止めなかった部分が一際美しく聴けることがある、鈴木秀美指揮、O.リベラ・クラシカのライヴは透明でナチュラルな録音も助けて、それが十分味わえる。1曲目にSym No.14が入っていて、小振りな作品で書法的充実はないものの、閃きと澄んだ響きには後の時代には聴けない魅力がある。今日のメインはNo.53「帝国」、


ハイドン 交響曲第53番ニ長調 Hob.1-53「帝国」
鈴木秀美:指揮
orch.リベラ・クラシカ 2003年 浜離宮朝日ホール TDK
第1楽章、timpを堂々と鳴らし序奏が始まる、弦楽とobが重なる部分もそういう一体の響きを狙っている、主部は快活なテンポだがフレーズの節目に僅かに溜めを入れ、じっくり進める、動機は主和音上を動くhornとvcによる単純なもの、

これが力強く発展し、展開部では重要になる、がっちり型の曲だ、展開部は密やかに入り、ポリフォニックでバスの動きに活気を持たせる、動と静の対比をつけて引き付ける、提示部の[29]から動機をoctで繰り返しているが、再現部[188]では一度のみに詰めている、

[222]からの第2主題、vn1とflトラヴェルソが重なり質感を揃える、すっきりしたvnに程よく酸味?を加えたような良い響き、これも古楽orchならではの味わい。

第2楽章は歌謡調の主題による変奏、ハイドンの変奏のセンス、アイデアが光る傑作だ。
メヌエット、この簡潔で溌剌としたテーマは心地よく飽きることはない、

トリオでもflトラヴェルソとvn1が重なる味わいを聴かせる。
終楽章にはいくつか異稿があり、ライヴではA稿が演奏され、B稿も追加録音されている、どちらを演奏しても活気に満ちた魅力がある、ドラティ盤、ホグウッド盤など両方録音される例が他にもある、C、D稿もあるが偽作とされる。
参考動画はC.ホグウッド指揮、AAMによる演奏(終楽章はA、B稿に加えC、D稿が続く)

you tube:J. Haydn - Hob I:53 - Symphony No. 53 in D major "L'imperiale"
こちらも古楽orchならではの魅力がよく聴ける1枚だ。
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category: F.J.ハイドン
中性子星合体:その後 
2018/06/10 Sun. 09:19 [edit]
2017年8月17日、観測史上初の中性子星合体による重力波「GW 170817」が検出されてニュースでも大きく報じられた、中性子星合体による重力波

中性子星合体想像図:ESO
米の重力波観測機「LIGO」や欧州重力観測所の「Virgo」が捉えたが、それぞれ単独の施設では、宇宙のどこかで重力波が生じたことはわかるが、どの方角から来たかはわからない、GW170817の場合、米のLIGOでははっきり捉えられたが、欧州のVirgoには殆ど反応がなかったそうだ、これは90°のL字型に設置された観測装置の"向き"が関わっていて、


図1のような方向から重力波が来たら、左(鏡A)のほうの空間の伸縮が大きくなり、右(鏡B)との差が現われる、一方図2のように、左右の鏡のほぼ中央角度(45°)方向から来ると、左右に同等に影響が出るので差が現われない、この方向を基準に真後ろ、真横から来ても条件は同じで差が生じない検出不能の角度である、Virgoで検出できなかったのはこの死角に当る角度だったためと考えられる。この2つの状況から重力波の来た方角を計算により絞り込むことができた。史上初めて重力波を放った天体の光(各種電磁波)を望遠鏡で見るチャンスだった。世界中の望遠鏡が絞り込まれた領域に向けられ、各望遠鏡の得意機能を活かし連携して観測、うみへび座にある母銀河NGC4993(距離:約1億4000万光年)の中に発見した。


動画:母銀河NGC 4993とGW 170817
可視光線での残光は重力波検出から半日後、X線や電波での残光は9日経ってから検出された、NASAのX線衛星「チャンドラ」は数か月にわたってX線残光の観測を続け、その間X線が増光し続けていることがわかった、ESAのX線衛星「XMMニュートン」は重力波検出直後の4か月後、2017年12月29日から観測を始めたところ、X線の増光は止まっている様子だった。

XMMニュートンで撮影された、合体後の中性子星(左上丸内)とその母銀河NGC 4993(右下丸内)のX線画像【資料:ESA/XMM-Newton; P. D'Avanzo (INAF-Osservatorio Astronomico di Brera)】
この合体によりBHが作られ、上下に吹き出すジェットが生じたとすると、今後X線は急速に暗くなっていくと予想され、ジェットが作られず、球形の火の玉状であれば、X線はゆっくり弱まると見られている、今後の観測で何が起きているかわかってくると期待される。
我々の身の回りにある、金やプラチナは中性子合体によってのみ作られる元素と考えられている。重い元素なので地球が生まれたときは内部の核に沈み込んでしまうが、その後の隕石落下で地表にももたらされた。
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category: 宇宙・天体
スウィトナー:Brahms ハンガリー舞曲集 
2018/06/09 Sat. 08:24 [edit]
また、録音史上初めて、ブラームス自身のpf演奏でエジソン式蓄音機の蝋管に刻まれている、辛うじてハンガリー舞曲No.1とわかる音が聴ける^^;

you tube:Brahms Plays His Hungarian Dance No.1 (Excerpt), 1889
劣化していなければもう少し聴きやすいと思うが?
さて、保留しっぱなしだったスウィトナー指揮のハンガリー舞曲を聴いてみた。

ブラームス ハンガリー舞曲全曲
オットマール・スウィトナー指揮
シュターツカペレ・ベルリン
1989年、DENON & D.シャルプラッテン
原曲はすべて4手のpfのために書かれ、演奏会のアンコールピースでお馴染みの管弦楽への編曲はブラームス自身も含め数人の人達が行っている、
当録音での編曲者は下記のとおり、
No.1 No.3 No.10 arr Johannes Brahms
No.2 arr Andreas Hallen
No.4 arr Paul Juon
No.5~No.7 arr Martin Schmeling
No.8 No.9 arr Robert Schllum
No.11~No.16 arr Albert Parlow
No.17~No.21 arr Antonin dvorak
短い曲ばかりなので数曲続けて聴くのが楽しい、
全曲でどれが好きかというと、渋くも気品のあるテーマのNo.1ト短調、同じくト短調でお馴染みのNo.5、姉妹曲の感じがする、No.4嬰ヘ短調は悲哀感に始まりながら、非常に捻った内容で面白く全曲で一番長い、No.6ニ長調も有名な曲だが、スウィトナーの清々しい演奏がまた良い、No.7ヘ長調は少しJ.シュトラウスのポルカを思い出す。No.10へ長調はやや近代の作品を思わせるユニークさがある、No.15変ロ長調は軽くポリフォニックな書法が入る、No.16ヘ短調はメランコリックでパープの響きが合う、陽気な部分を入れて対比を付ける。
以下21曲もありながら、1つずつ新鮮な個性があって焼き回しがないのが凄い、また編曲者の工夫が反映して面白い、ブラームス自身が編曲した3曲を手本としているのか、特異に聴こえる編曲はないようだ。
スウィトナーの演奏はyou tubeに3曲挙がっていた、

you tube:ハンガリー舞曲第1番 管弦楽版
you tube:ハンガリー舞曲第2番 管弦楽版
you tube:ハンガリー舞曲第5番 管弦楽版
第5番といえば、このシーンを一度見たら頭から離れない^^

映画「独裁者」より
you tube:ハンガリー舞曲のヒゲ剃り
pf原曲からMartin Schmelingの編曲によって、髭剃りの描写っぽくきこえる、

ピアノ原曲譜(上声パート)

管弦楽編曲譜
チャップリンもここで閃いたのかもしれない。
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category: ブラームス
J.カイルベルト:Brahms Sym No.2 
2018/06/08 Fri. 10:29 [edit]

何羽いるか確認できないが、まだ小さいようだ。
昔、ホオジロの雛を育てたことがあった、薄い竹べらにすり餌を付けてあたえたが、人が近寄るだけで大きく口を開けておねだりする、それだけしかできない、じつにか弱い命で放っては置けなくなる;
さて、今日はちょっと古い録音でJ.カイルベルトのブラームスSym No.2、ライナーノーツにはこのような但し書きがあった、

録音年はすごく曖昧だが;聴いてみるとそんなにわるくない、鮮明とまでは行かないがブラスや弦はけっこう爽やかに響く。
中域にエネルギーを寄せた録音は厚みを帯び、ときに塊に聴こえたりするが、これはフラットな感じで耳心地よい。


ブラームス 交響曲No.2ニ長調 op.73
ヨーゼフ・カイルベルト指揮
ベルリン・フィルハーモニーO
TELDEC(旧 TELEFUNKEN)
第1楽章、始まりのテーマを聴くとほっとする、弦の低音と管のみで始まるところは雄大な景色、[17]から初めて出るvnは心地よい風が吹き始めるイメージ、

開始部分から清らかに聴こえる、カイルベルトは自然で適度な緩急の変化をつける、[66]くらいから少しゆっくり、[82]からのva vcによる第2主題をしなやかに奏でる、ツボを押さえた進め方、強弱も細やかに設定し、[118]のfへの推移が良い。

展開部第1主題を木管、hornが転調して入る、魅力的な対位法があり、trbとtubが鳴って流れを変える、クライマックスもスコアどおりよく整い、盛り上がる、再現部は提示部と調が変わり[386]からtimpが使えてダイナミズムが強化される。

第2楽章、[17]から弦が休み、hornと木管のアンサンブルとなるが聴きどころ、[27]から弦が爽快に入る、中間部の劇的な部分も響きが心地よい。カイルベルトはスコアの忠実な再現といえるがこの楽章も美しく修め、印象強い。
第3楽章、obの開始は一際穏やか、[33]からのpresto ma non assaiは強弱の深さが効いて心地よく整う。

終楽章、ぐっと押さえた弱奏で始まるが[23]からのfに対比がつき活気に満ちて、たたみ込む切れ味、けっこう肉迫してくる快演だ、
you tubeに終楽章のみ挙がっていた、

you tube:ブラームス 交響曲第2番第4楽章 カイルベルト指揮ベルリン・フィル
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category: ブラームス
4ch ステレオ 
2018/06/07 Thu. 09:14 [edit]
アナログ盤に4つの信号が入り、カートリッジに特別な仕掛けはなく、取り込んだ信号を4ch対応の回路が振り分ける方法だったと思う。

TRIOの4ch対応セパレート型、チューナー・アンプ部

上機と同型のプレーヤー部分
たった1枚、4chのLP盤(CBSソニー)を買ったが、「音場が立体的になって、素晴らしい」なんて実感はなかった、リアをOFFにしたほうがマシだったような;普及せずあっけなく消えてしまったが、原因は4chの録音方式が各社で統一されず、リアスピーカーの設置場所が必要で厄介、リスナーは前方と後方のSPの中央に釘付けになる必要があり、

これだけでも普及しそうにないと思うが、期待したほど満足な効果が無かった、というのも大きいと思う、結局、音源ソフトも僅かしか出なかった。
また当時購入したTRIO製はアンプ回路のトランジスタが短期間に劣化してノイズが出だした、まずリアからノイズが発生、やがてフロントにも波及した、音場が曇れば4chどころじゃない;
人間の耳は左右2つだけで、音源の左右方向はわかるが、前後方向の位置を実測的に感知するのは物理的にできないはず、できるとすれば耳が3つ必要;遠くから聴こえる音は小さく、反射した音が混じる、後ろから跳ね返る音は直接音より遅延する、また耳たぶは前方の音を優先して集音する形だ、後方からの音は高周波分が減った聞こえ方だと思う、そうした経験測を脳が憶えていて、音源の前後位置を判断しているらしい、上下方向についても飛行機は空を飛ぶと知っているので、上空から聞こえるように感じている。
フロントにある左右のSPだけでオーケストラの楽器が左右、中央まで広がっているように耳を騙せる(*音量が小さいと左と右だけに偏って聴こえる)


同様に後方の音もフロントSPから出せば、後方の音として錯覚させられる、そういうサラウンド方式もあるそうだ、どっちみち耳は2つなので。
たぶん下図のようにステレオマイクを設置して矢印のように音源を移動させて録音すれば、後ろに回り込んだように錯覚して聞こえると思う。

視覚の場合、左右の目に入る対象物との角度の違いから、脳の中で三角測量の機能が働いて、近距離の目測ならできるようだ、これも経験測が補う部分が多いかもしれない。
この立体世界や時間はすべて人間の脳が作りだす"幻"だという理論物理学者の説もある^^;
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バーンスタイン:Beethoven Sym No.8 
2018/06/06 Wed. 11:09 [edit]

子は巣を出てもしばらくは親のそばにいて、独り立ちできるまで世話をしてもらう。
さて、今までほとんど聴いた記憶のないバーンスタインのBeethoven Symphony、まとめて聴けるよう全集を取り寄せてしまった;何か良い物が入っていそうな赤い布地貼りのBOX、すべてライヴ録音だが、内容がしっかり聴ける好録音で整っている。まずはNo.8から、

ベートーヴェン 交響曲No.8 ヘ長調op.93
レナード・バーンスタイン指揮
ウィーン・フィルハーモニーO
1978年 D.グラモフォン
No.8はNo.7との姉妹作で共通のアイデアが盛り込まれた部分もあり、短めの演奏時間に聴きどころを上手く圧縮してあるところがいい。
第1楽章、線の太い響き、ぐっと控えた弱奏と力感をもった強奏の対比はゴツゴツしているとも言えるが、バーンスタインは一貫してこの活気を通す、姉妹作のNo.7とも共通した魅力を内包しているが、[12]からのような内声がくっきり響いて小気味よい。

展開部に入り[145]からは対位法も聴かせ、じつに上手く盛り上げて書いてある、

バーンスタインはパワフルに追い込んでいく感じだ。
第2楽章、Allegretto scherzando、あまり急速にせず、前楽章の熱気をさますようだ。
第3楽章、ゆったりとTempo di Menuetto(メヌエットのテンポで)を始め、timpの余韻をたっぷり聴かせ優雅な雰囲気、トリオのややくすんだウィンナhornとclの掛合いに味がある、
終楽章、Allegrio vivace やや快速なテンポをとるが、しっかり足場を押さえた感覚、この楽章もアイデアに満ちた楽しみがあり、各所を明確に聴かせる。
動画は例によってバーンスタイン氏の解説付き、

you tube:Beethoven: Symphony No.8 【with commentary】 / Bernstein Wiener Philharmoniker (1978 Movie Live)
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category: ベートーヴェン
ガイア:星団の家族写真 
2018/06/05 Tue. 10:49 [edit]
天文の本を開くと必ず載っているのがヘルツシュプルング・ラッセル図(HR図)

HR図
右下から左上に伸びる中央のラインを主系列星と呼び、ラインのどの位置に入るかは生まれた時の質量で決まる、質量が大きいほど左上になり、寿命は短い。
原始星の段階を終え、水素の核融合が安定してエネルギーを放つようになると主系列星になり、質量の非常に大きな星は高温で青く輝き(青色巨星)、質量の小さな星は低温で赤く輝く(赤色矮星)、太陽は中間くらいの黄色い星だ。
このような状態が安定して続き、寿命が近づくと燃料の水素を使い果たし、ヘリウムの核融合が始まる、内部の圧力が高まり星は膨張する(赤色巨星)、中心部から離れた表面の温度は下がり赤く輝く、HR図では主系列星のラインから外れ、右上に移行していく、そして超新星爆発を起こさない星(太陽の約8倍以下)はガスをまき散らし惑星状星雲を作る、中心部が残って図左下の白色矮星となる、小さいので暗いが温度だけは高い。
天文衛星「ガイア」は星の距離や動きだけでなく、星の色(温度)や明るさのデータも記録している、これまでに観測した47個の星団に所属する星々のHR図上の位置を個別に見られるようにしたesaのサイトが面白い、
→Gaia's stellar family portrait(星々の家族写真)(下にスクロール)
初めにある下図は観測した各星団のデータを全て重ねてあり、様々な星が揃っている、

このデータを小さな点にして、個別の星団の星を大きな点にして重ね、比較しやすくした図が11個の星団のサンプルで見られる、
現在を表示して下にスクロールすると、星の家族が年老いていく様子が見られる^^
プレアデス星団は若いだけに青色巨星も含まれ、現在は主系列に集まっている、


プレアデス星団のHR図
スクロールでやがて主系列から外れ右上へ・・;
一方、きょしちょう座の球状星団NGC104は100億歳を超える年老いた星ばかり、HR図ではどれも右上へ移行しつつある、スクロールしても進まないようだ、


球状星団NGC104のHR図
まさに星団の家族(兄弟星)写真、
このスクロール画像はオランダのJan Willem Tulp氏がESAと共同で制作したもの、過去にも天文衛星「ピッパルコス」のデータを元に興味ある画像を製作している、

→esa:Star Mapper
"Motion"を開くと星の固有運動が動画で過去にも未来にも見られる。
(ポイント&スクロールで全天の方角が見える)
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category: 宇宙・天体
スウィトナー:シューマン Sym No.4 
2018/06/04 Mon. 11:04 [edit]

ONKYO D77-NE(現行製品)
ま、今のSPでも雰囲気は聴けるので我慢して・・;

R.シューマン 交響曲No.4ニ短調 op.120
オットマール・スウィトナー指揮
シュターツカペレ・ベルリン 1987年 DENON
第1楽章、序奏開始のfはtimpが重心となって繰り出す、基本的に弦は力むことなく、しなやかで木管がよく溶け合う、室内楽的なサウンド作り、序奏から現われるこの動機は全楽章の基本動機となって使われる、

サヴァリッシュの楷書的にキビキビ推進する演奏に対し、スウィトナーは柔軟タッチで聴き手の心理に緊迫を導くようだ、両巨匠の違いがわかりやすい曲でもある、[39]のffに至ってもvnの力は控え、涼しいサウンド、

常に弦と管がバランスよく色彩を聴かせる、提示部は反復、展開部はあまり複雑でない、終結では金管が華々しく締める、
休まず第二楽章Romanzeに入る、小節番号は前楽章の続きで数えられるようだ、まもなく第1楽章の序奏が回帰して楽章に溶け込む、[384]からvnのソロが入るが、優しく控えめの響き、
続けて第3楽章、スケルツォに入る、この主題も基本動機に関連している、スウィトナーは力を抜いた演奏だが、切れ味を感じさせる。
終楽章への移行部が置かれ、序奏部へ繋がる、
ppの基本動機に始まり第1楽章の緊迫感が戻るが、主部はニ長調の明るさと活気に転じる、ここも提示部は繰り返している、展開部はブラームスほど巧みではないが書法的聴きどころを置いている、[710]からパートの受け渡しがある。

終結は金管を豪快に聴かせ、弦のパッセージを決めて終わる。

you tube:スイトナー指揮シューマン交響曲第4番
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category: シューマン
レーザー星雲 
2018/06/03 Sun. 09:37 [edit]
レーザーとはいっても「拡散せずに収束したまま進む純粋な光」、という程度で詳しくは知らなかった、まずレーザー光は可視光のほか、赤外線、紫外線、X線等でも発生させられる、

レーザー発振器は、キャビティ(光共振器)と、その中に設置された媒質、および媒質をポンピング(電子をより高いエネルギー準位に持ち上げること)するための装置から構成される、キャビティは典型的には、2枚の鏡が向かい合った構造を持っている。


波長がキャビティ長さの整数分の一となるような光はキャビティ内をくり返し往復し、定常波を形成する。なお、先述の媒質には固体、液体、ガス、半導体などいくつかあり、固体ではルビー、サファイアなど結晶体が使われるのはよく聞く。CDプレーヤーの読み取りレーザーは半導体で作られる。(参照:Wikipedia)
このようにレーザーは人工的な装置を用いてのみ作られる光と思っていたが、赤外線のレーザーを発している星雲があるらしい。「アリ星雲」とも呼ばれる双極型の惑星状星雲:Mz3は連星をなす片方の星が死を迎え、白色矮星となり放出したガスがもう1つの星の影響で双極方向に絞られている(因みに太陽のような単独星は死後、球状の星雲となる)。

HST撮影による「アリ星雲:Mz3」【NASA, ESA and the Hubble Heritage Team (STScI/AURA)】
ESAの赤外線天文衛星「ハーシェル」による観測でこの星雲の中心部から強力な赤外線レーザーが放たれていることがわかった。"水素再結合線レーザー放射"という、非常に珍しいタイプの放射になるそうだ。この発生には星の近くに非常に高密度のガスが必要で、アリ星雲の両極に拡がるガスの1万倍必要とのこと、星の近くにガスが凝縮する唯一の方法は、円盤を形成して星の周囲を回ること、中心の白色矮星を廻る伴星から流入するガスによる円盤だが、ここに"向かい合う鏡"など存在しないと思う、それに代わる構造があってレーザーが発生するのか?詳しく知りたいところ。
PS.地上望遠鏡の補償光学装置には不可欠なレーザービーム

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category: 宇宙・天体
アバド:Brahms Sym No.4('72年) 
2018/06/02 Sat. 09:56 [edit]
内容的にはよく聴ける、のちのBPOとの再録音ではだいぶ演奏も変容しているが、それだけアバドは進化していくタイプかと思う。

ブラームス交響曲 No.4ホ短調 op.98
クラウディオ・アバド指揮、ロンドン交響楽団
1972年 D.グラモフォン
第1楽章、第1主題の動機は切れぎれの溜め息のように3度、6度(3度の転回)、そしてオクターヴ、という究極の単純と言える力を示し、発展していく、

アバドはのちのBPOとの再録音より少し速め、自然な緩急変化をつけ、レガートな運びに沈静化と熱気を込める、展開部もしなやかな感覚で拍の頭を固くせず、呼気で燃焼させる、
終結部[398]くらいから徐々に前のめりに加速していく。

第2楽章、フリギア旋法の主題、テンポはじっくり、
[88]から内声の充実が凄い、vnが低音部を弾く弦楽の渋く厚い響きが聴きどころ、

EMIスタジオでのデッドな響き効いてか、前時代の熱い演奏を思わせる。
第3楽章、速めのテンポでキビキビ、エネルギー溢れダイナミック、timpはかなり爆音。
終楽章、パッサカリアのテーマはバッハのカンタータ「主よ、われ汝を仰ぎ望む」BWV150の終曲に基づくとされる、

バッハ カンタータBWV150 終曲のバス

ブラームス Sym No.4 終楽章
テンポは遅くせず整然と、弦楽に熱く歌わせ、切れ味も凄まじく、ここでもアバドの若々しい魅力が聴かれる、穏やかな中間部を経て、[133]からは期待どおり熱烈である。

you tubeはLP盤の再生、内周歪みもそのまま味わえる^^;

you tube:Brahms / Claudio Abbado, 1972: Symphony No. 4 in E minor, Op. 98 - London Symphony, DG LP
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category: ブラームス
レコード盤は擦りきれない 
2018/06/01 Fri. 10:39 [edit]
レコードも針も高価な品だったので、ついケチった扱いになる;

また反りの酷いLP盤は回転させると上下に大きくうねるが、そんなとき、盤の浮き上がる部分の縁2mmくらいにテープを貼り、矯正してターンテーブルに密着させた、

あと、音溝の大きな振幅に対し、トーンアーム+ヘッドシェル部の質量が共振関係になることがあり、目でわかるほどヘッドが干渉で揺れて再生音が波打つことがあった、10円玉をシェルの上に貼って、バランスを取り直して聴いたこともある;
毎回こんなことやるのは面倒なので、こういう盤はテープにダビングした、もちろん直接再生するよりクウォリティは下がる。
しかし、塩化ビニルのレコード盤は心配するほど摩耗したりしないようだ、室内の埃は繊維ダストが多いので、盤を痛めるほど硬質の埃ではないだろう、毎回クリーニングして聴いてきた盤はいつまでもクリア、たぶん残りの人生十分聴けるだろう^^
買ってきたばかりの中古盤には溝の底に何かへばり付いていることがあり(過去に塗られた潤滑剤のたぐいとか?)ベルベットクリーナー程度では取れない、先細ブラシでも同じ、

最後の頼みは"針"である^^; 1、2回再生すれば掻き出してくれる、
出荷前に水洗浄機にかけてくれるショップもあるが、

水洗浄機
掃除できるのは上っ面だけ、この写真のように針で付着物が出てきたことがある、

銀河系の星々ではない;
このあとベルベットで拭き取る。
ノイズの音質で察しはつくが硬質の付着物でなければ問題ない、その後ノイズも出なくなる。
昔は運動会や盆踊りで、屋外でレコードをかけていた、硬質の砂埃も多いだろう、学校や町内の備品はクリーニングもされず、いつ針を換えたかもわからない;さすがにこれは痛んでノイズだらけだった;針先が欠損するとガラスの割れ口と同じ、盤も即、傷物になるだろう。
昨夜は荒井由実のLP、杏里のシングル盤などじっくり聴いた、潤いのヴォーカルサウンドv


PS.天然水にはカルシウムや鉄分などミネラルが含まれていて、水道水にはさらに浄化剤が入る、乾くと結晶化するのでレコード盤の洗浄には好ましくない、洗浄機にかけるときも蒸留水を使うのが前提。
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category: Low cost audio
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