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Michael: Classic音楽,Lute,宇宙

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学 etc

K.ベーム:Haydn Sym No.92 "Oxford"  

近年のハイドンの演奏で、S.ラトル、T.ファイ、A.フィッシャー等々、新時代は作品に踏み込んでその楽しさをわかりやすく表現している。'60~'70年代の演奏で再度聴きたい演奏はそう多くはないが、長く聴いてなかったベーム盤に針を下ろすと逆に新鮮に感じた。
orch.の演奏がやけに優等生的だったり、無用に艶っぽかったりすると嫌気がさすが、ベーム、VPOは先日のブラームスと同じく、あくまで素朴に図太く演奏する、手法は違えど作品に対する誠実さが、ただ古い演奏にならない気がする。 

このDGのジャケットはハイドンの名盤の一つとして、見覚えのある人も多いだろう、新盤で買った当時のジャケットカバーにその時のレコード店のマークがある、恐ろしく昔だが;中身もカバーも健在、ほんと長持ちする^^
bohm hay s 92Jacket cover
交響曲No.92ト長調「オックスフォード」
カール・ベーム指揮、ウィーン・フィルハーモニーO
1974年 DG

第1楽章、序奏も主部もなんとゆっくり、重厚な響きだが耳疲れしない、よくぞここまで堅牢に演奏したもんだと思うが、軽快な演奏では聴けない別の良さが出てくる、弦の内声もゴリゴリ出てきて、内容を隈無く聴かせる、
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第2楽章、極端に遅くせず、素朴にすっきり歌わせる、ニ短調の中間部ffに入ってもさほど強調せず、スタッカートの折り目正しい感覚で対比を付ける、
メヌエット、ゆっくりめのテンポだが引き締めた感覚、ただ、トリオを挟んで再びメヌエットを単に繰り返し聴くのはいささか退屈に感じる、近年の演奏にあるように、装飾を入れたり、通奏低音が行うような旋律を少々加えたり、センスよく変化をつける工夫は許されると思う。
終楽章、落ち着いたテンポで、ここも内容をくまなく聴かせる好演だと思う、対位法の充実した展開部をバーンスタインは妙に捻ってつまらなくしているが、ベームのがっちり聴かせる演奏で良い。
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you tubeには挙がっていなかった、 Amazon

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category: F.J.ハイドン

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大仕事一つ終り  

昨日は町内の夏祭りが実施になり、大がかりな作業でひじょーに疲れた、腰を痛めてしまい、立ったり座ったりがきつい;(ここんとこ、リュートどころじゃない)
本来は朝の内から設営して、午後休憩、夕方から本番と撤収作業のはずだったが、朝は台風12号の雨風が残り、午後からの強行作業となった、風で作業もやり辛いし、休憩なしのぶっ続け、 しかも湿った空気で超蒸し暑い、いきなりマニュアル見ながらポップコーン作りと販売、もう頭がモーローとしてマニュアルなんか読めない;ボランティアの中学の子がしっかりやってくれて助かった^^; 
t 12 b
年内の一番しんどい仕事が終り、峠は越した気分だが;もう少し作業人員を増やすか、催しを簡略化するかしないと、救急搬送が出てもおかしくない。
t 12
台風は当地をかすめて行った程度だが、翌日の風と暑さのほうが厄介だった、
豪雨災害の出た地方も台風の追撃ちでさすがに「危険」なことが周知されていたせいか、全国で死者は出なかったようだが、暑い中での復旧作業は本当に気をつけないと。
PS.高波による被害が見たこともない様子だった、九州の南でループターンか;

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category: 時事・雑記

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J.S.Bach:原曲への復元  

バッハの協奏曲でよく演奏される、vnとobのための協奏曲ニ短調 BWV1060は、残っているのは2台のcemb.のための協奏曲ハ短調というバッハ自身の編曲譜のみで原曲譜は失われている、ニ短調に移せばvnとobにぴったりくることから、原曲への自然な復元が出来た例だ。 
bwv1060 you
you tube:Bach - Violin Concertos BWV 1060 - Elizabeth Wallfisch 432Hz
オーボエ・ダモーレ協奏曲 イ長調BWV1055もチェンバロ協奏曲イ長調からの復元で、事情は同じだ。
またチェンバロ協奏曲第1番ニ短調BWV1052もソロパートがvn的であると容易にわかり、何人ものvn奏者が復元演奏を試みているが、それぞれに差異があるのも面白い、この曲はバッハがvn的技法をそのままcemb.に移した部分もあれば、変更したかもしれない部分もあるからで、これでいい、と確信できる復元はないかもしれない、
BWV1052の復元演奏ではvnらしい味わいのE.ウォルフィシュ盤が特に気に入っている、
bwv1060 you
you tube:Bach - Violin Concertos BWV 1052 - Elizabeth Wallfisch 432Hz
復元のヒントは原曲譜と編曲譜、両方残っている曲から、バッハの編曲術を探り、参考にすることだが・・簡単にはいかないだろう、
一例として無伴奏vc組曲ハ短調BWV1011は鍵盤譜ト短調BWV995に編曲されているが、最小限にバスを加えてあるだけ、これは"リュート曲風"を意識して書かれている、もし原曲のBWV1011の譜が失われていたら、復元には調が違うのと、vcは通常とは違う調弦(スコルダトゥーラ)になっているのに気づかないといけない;
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BWV1011"Prelude" 第1弦は通常AだがGに調弦する
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BWV995"Prelude" 
you tubeもそれぞれ参考を拾った、
bwv1011 you
you tube:BWV 1011 - Cello Suite No.5 (Scrolling)
bwv995 you
you tube:J.S.Bach: Suite g - minor BWV 995 (1) Preludio / Andreas Martin, Lute

さて、元はvnだったCemb.Con No.1 BWV1052も、T.ピノックの演奏を聴いた、いろいろ聴いたがCemb.テクニック鮮やかに整然と聴かせる"無添加"な味わいは今も気に入っている。
t pinno bwv1052
you tube:Bach - Harpsichord Concerto No.1 in D Minor BWV 1052
1st 2nd 3rd

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category: J.S.バッハ

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A.フィッシャー:Mozart Sym No.39  

A.フィッシャーは1987-2001年にかけてハイドンのSym全集を録音し、モーツァルトのSym全集も2006-2013年にかけて録音している、ハイドンは14年かかっていて、演奏法の模索、進歩の期間でもあったようだ、その足跡が聴けるが、モーツァルトは21世紀らしい進歩をとげた後の録音で、不揃いだったハイドンの全集より仕上がりは上々とみられる、orch.はすべてデンマーク国立室内O(DNCO)、その一部が単盤で出ているが、注文しても入荷しにくいようだ。今日はモーツァルトSym No.39、楽しく聴かせるアイデアがいっぱい。 
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アダム・フィッシャー指揮、デンマーク国立室内O(DNCO)
第1楽章、「プラハ」とともに充実した序奏をもつ、フィッシャーは付点リズムを強調して鋭く開始、DNCOはすっきりとピリオド・スタイルの演奏、全体にppからffまで深く細やかにデュナーミクを設定している、主部の歌うテーマが提示されたあと、fとなる[54]から少しだが、徐々にテンポを加速して、心地よい推進力がある、
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提示部の反復ではより強調して聴こえる、小編成のorch.で相対的にtimpが強く出てダイナミズムも豪快、
第2楽章、Andante con moto、付点を多用して書かれていて、いくらかリズミカルな表情に捉えて演奏、[30]からヘ短調のfになるが、なんとも心地よい歯切れ良さで聴かせる。
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メヌエット、モーツァルトで一番好きなメヌエットだが「なるほど」と唸らせる好演v
終楽章、速いテンポの痛快さとびしっと決めたアンサンブル、エネルギー感、荒っぽさはない、hornを豪快に鳴らし新鮮な楽しみに溢れる、全集の一部とは思えない今世紀らしい演奏の好例だ。このレベルでハイドンもできる限り再録音してほしいところ。
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you tubeはなかったので割愛、

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category: W.A.モーツァルト

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カラヤン:Haydn Sym No.101「時計」  

カラヤンはBPOとベートーヴェンのSymを10年置きに録音していて、'70年代が最も勢いがあり、'80年代は若干落ち着いた感じだが内容に大きな違いは感じない、
しかし、ハイドンの「時計」を聴くとだいぶ違いがあって面白い。 
DG盤(1981年 録音)'80年代DGらしい渋くまとまった録音、
kara hay sym 101
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニーO

第1楽章(8:19)序奏はBPOの粒の揃った弦楽の上手さがじっくり引き付ける、主部はやや快速だがさほどではない、弦楽が厚くレガート基調、木管は引っ込み気味にぴたり寄り添い、太いorch.サウンドに混ざり込んでいる。
第2楽章(9:10)今からするとゆっくりめだろう、BPOの弦の木目の細かさが耳に入る、短調の強奏に入っても響きのしなやかさは保っている、
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timpはよく鳴らしてはいるが、コントラバスに溶け込んで飛び出してはこない、
メヌエット(8:54)ゆっくりで重厚サウンド、壮大な魅力でもあろうが、トリオを挟んで9分近く聴くのはちょっと疲れる、
終楽章(4:30)速めのテンポ、厚い響きながらBPOのアンサンブルの切れで進めるのは聴きどころかも。

EMI盤(1971年 録音)
ka hay sym101 emi
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニーO

第1楽章、違いが大きいのはこの楽章、主部のテンポがDG盤よりずっと速く、初めて聴いたとき、あっけなく感じた、BPOのサウンドは一段とゴツくさいが、速いなかでもレガート、強弱対比も大きい、カラヤンらしい攻めが効いている、
第2楽章、テンポは同じくらいだが、短調の f に入るとダイナミックな対比が大きい、
メヌエットはDG盤とほぼ同じだが、より壮大に響く、
終楽章、DG盤よりは若干ゆっくり、やはり強奏部分が豪快サウンドになる。

DG盤は落ち着いてくるが、面白みはEMI盤のほうかも。
you tubeはEMIのほうだけあった、
ka hay sym101 you
you tube:Haydn - Symphony No. 101 in D major, Hob. I:101, "The Clock"

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category: F.J.ハイドン

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K.ベーム:Brahms Sym No.4  

ベームと言えばドイツ系だが、若い頃はイタリア・オペラも手がけたそうだ、
しかし、ドビュッシーとかラヴェルとかフランスものは想像つかない;優しい旋律の主題であっても、決してヤワな表現はせず、芯のある音で全てが明確、楷書的で武骨というかモーツァルトでも甘い趣味のまったくない演奏がいい、 
ベーム指揮、VPOのブラームスSym全集は昔LPを買って手放し、その後CDを再度取り寄せたが、Sym No.4を前に聴いたのは何時だったか?かなりご無沙汰していた、録音は分厚い音ではないが、緻密に引き締まった響きでちょうど良い。
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ブラームス 交響曲第4番ホ短調 Op.98
カール・ベーム指揮、 ウィーン・フィルハーモニーO
1975年 DG

第一楽章、落ち着いた始まりだが遅すぎることもない、テンポの変化は押さえ、弱奏部も微かなほど小さくせず、しっかりした筋で描いていく、[57]からvcに野性味を帯びたウィンナhornの重なる主題が味わい深い、
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金管が光沢を持ち、timpはちょうど良く締めどころを決める良いバランス、展開部から終結までのクライマックスも着実な演奏でじりじり引き付けていく。
第二楽章も程よいテンポ、やはり無用に柔和な表現は取らず、そこが渋く清々しい、この楽章の山場の1つ、[84]からが、強調はしていないが一際ずっしり、ここまでの運び方がよいせいか、感極まって聴こえる、
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そのあと[88]からの多声的な"弦楽の海"、vnも低い音域を使いブラームスらしい深み、
sc02 88
第3楽章、落ち着いたテンポだが、がっちり締まった感覚が心地よく聴ける。
終楽章、遅くはないテンポで整然、エネルギー感もちょうど良い、大きく3部に分けられるパッサカリアで劇的な構成も持たせてある、穏やかな中間部もほぼインテンポで通す、再び強奏となる[133]から十分劇的で、金管・timpも豪快に用いる、
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しかし最後まできっちり整えていく。
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you tube:Brahms : Symphony No. 4 in E Minor, Op. 98 / Karl Bohm & Vienna Philharmonic Orchestra 1975

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category: ブラームス

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ざるうどん(乾麺)  

7月23日の天気図をみると、なんとややこしい気圧配置だった; 
tenkizu 7 23
以下、気象庁資料
7月24日を見ると、大陸の高気圧と太平洋高気圧が入れ違いに張り出している?
tenkizu 7 24
岐阜は等圧線の境にあって、どっちなんだが;予報は難しそうだが、
週間予報では当地は28、29日は曇り一時雨、最高気温32°の見込み、この日は町内の夏祭り(小雨決行)で、願わくばこれくらいの天気になってほしい、朝早くから大がかりな会場の設営、始まったらポップコーンを作って売る、終わったら深夜までかかって撤収片付け、というスケジュール;;ここ数日のような暑さの中でムリするのは危険だ、
そう言ってる間に台風12号がこっちに来る予想?どうなるやら^^;
t 12

さて、真夏の昼食に熱いものは食べたくないので、冷たい麺類になる、乾麺でもけっこう美味しいのがあるので、これを買ってみた、
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播州うどん:高尾製粉製麺(株)
この製造元は蕎麦や素麺も良かった、細めのうどんで、ざるうどんにちょうど良く、程よいコシがあって美味しい、茹で時間は9分、軽く食べたいときは一束、しっかり食いたいときは一束半がよさそう。あとスタミナのつくおかずも付けて、
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category: 時事・雑記

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ブラックホール合体の"音"  

これまで重力波の話題はいくつか書いた、A.アインシュタインが重力波を予言して100年目にあたる2016年、アメリカの観測装置LIGOがついに直接観測に成功した。観測装置LIGOの原理がわかりやすい動画があった、
LIGO you 01
you tube:Most Precise Ruler Ever Constructed
光速度不変の原理により、光の経路の空間が伸びれば鏡で反射して戻ってくるのが遅くなり、縮めば速くなる、ということで2方向からの時間差で光の波が強め合ったり打ち消し合ったりする。空間が伸縮してもそこにある物体にヒビ割れが生じたりはしない^^物体もその場の空間そのものなので、硬いコンクリートだろうとゴムにように伸縮している、
光速だけが絶対的物差しになる。

重力波は巨大質量をもつ天体が光速に近い速度で運動するときに強く発生する、BH、中性子星などが連星系で廻り合っていると、重力波を出して少しずつ質量を失い、近づいていき、最後に合体する、接近するほど廻り合う速度が増し、合体しても形が非球対称なうちは強い重力波を放つ、完全な1つの球体になると、振り回される質量が無くなって重力波も止まる。
重力波の発生をわかりやすく表現した動画、
BH GW you
tou tube:Warped Space and Time Around Colliding Black Holes

このお馴染みの式が示すとおり、質量とエネルギーは互いに変換される、
E=mc2.jpg
2017年1月にLIGOとイタリアにある観測装置VIRGOが共同で観測したBH合体:GW150914では、太陽質量の36倍と29倍のBHが合体し、合体後には太陽質量の62倍となった、単純合計では65倍になるところ、減った太陽3個分は重力波のエネルギーに変換されたことになる。
なお、重力波の振幅は距離に比例して減衰するので、距離は振幅から見積もることができる、GW150914は14億光年と推定された。

この観測された重力波の波長と強さを"音波"に置き換えるとこんな音になる、
BH GE wave you
you tube:The Sound of Two Black Holes Colliding
最後の「ホワッ」と一瞬聞こえるのが合体時の音だ、短いので繰り返している。
35Hzから250Hzまで周波数を上げながら振幅を大きくする波形が0.15秒ほど続き、その後急速に減衰する。
宇宙からやってくる電波など、音声に置き換えて聴いてみるというのは以前から行われていたが、これは重力波、物理現象をイメージとして掴みやすいかもしれない、しかし太陽の数十倍の物量が起こす音としては随分あっけない、想像を超える世界だ。

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イタリア、ピサにある同型観測装置:VIRGO

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category: 宇宙・天体

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O.スウィトナー:Schubert Sym No.5(LP)  

ベートーヴェンがSym No.7、No.8を初演したのが1814年、シューベルトがNo.4とNo.5を書いたのは後の1816年である、私設orch.のために書かれたらしいが、No.5ではcl、trp、timp、を欠く時代を逆戻りしたような小編成でこれも逆に興味が湧く、ベートーヴェンはSym No.7、No.8では何か開眼したような執拗なまでの盛り上げっぷりだが、シューベルトはあくまで耳心地良い音楽に仕上げている。
再び聴いたのはO.スウィトナー指揮、SKBによるSym No.5変ロ長調、デジタル音源をDMMカッティングしたLPというのも面白い、再生音は確かに良好、
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シューベルト 交響曲No.5 変ロ長調
オットマール・スウィトナー指揮、シュターツカペレ・ベルリン
D.シャルプラッテン

スウィトナーの指揮はいつもどおり、清潔な響き、この曲には一際相性がよい。
この作品はハイドンの確立した形式がしっかり基盤として感じられ、同時に和声の移ろいなどシューベルトらしい魅力も聴かれる。
第一楽章、さらりとした短い導入があって弦で溌剌とした第一主題に入る、第一主題をしばし扱い、穏やかな第二主題に入る。展開部も第一主題導入部から始まり、同主題を扱うが短いもので、再現部に移る。再現部内にも小さな展開を設けて終結する。
第二楽章、始まりを聴くと、ハイドンのSym No.90の第二楽章の雰囲気、3部形式で中間ではシューベルトらしい趣きに包まれる。
第三楽章はト短調で書かれ、平穏ぎみの作品の引き締めどころでもある。モーツァルトSym No.40のメヌエットとの近似性がよく指摘されるが、ユニゾンで導入する性格はNo.25のメヌエットに近い気がする、トリオは独特の穏やかな主題、
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終楽章ソナタ形式、ここでも軽快なハイドンのロンド主題を思わせる、第2主題も優美、展開部は複雑に凝った内容ではなが、再現部で一押し聴きどころを置いている。書法的な深みは少し物足りないが、センス良く均整が取れた魅力。

参考動画はチャールズ・マッケラスがエイジ・オブ・インライトゥメントO(ピリオド楽器)を指揮した興味深いもの、
sch sym 5 you
you tube:Schubert / Symphony No. 5 in B-flat major, D. 485 (Mackerras)
ピリオド楽器の清涼な響きで木管の味わいが前に出るが、スウィトナーとSKBのサウンド作りはこのイメージに近い。

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category: シューベルト

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自然の"涼"  

自宅近くには炉畑遺跡と名付けられた縄文中期(約6000年前)の遺跡があり、竪穴住居が復元されている、この当時は地球の自転軸が現在とはずれており、日本は少し赤道寄りの位置にあったため今より温暖だったそうだ、(*今は人間が温暖にしてしまっているが;)
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炉畑遺跡:縦穴住居は地面に残った柱穴から想像して復元
縦穴住居に入るとけっこう涼しい、草葺き屋根は断熱効果があり、屋内の空気より、地下深くまで一定温度でひんやりした地面のほうが断然優勢で、暖まってくることはない、地下や洞窟に近い環境と言える。
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昔はこの遺跡のある場所は広い台地で森林地帯だった、狩猟採集の縄文人には暮らしやすい場所だったようだ。周囲が森林で日陰が多ければなお涼しいはず、高温注意情報が出てもこの中なら凌げるかもしれない^^;
しかし現在の周辺はこのとおり;自然が作り出す"涼"は欠片もない;
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因みに左側に見えている滑走路は航空自衛隊で、S.ジブリ作品「風立ちぬ」に登場した飛行場、この下にも縄文遺跡が多数あったに違いない。

昔の農家や商家でも建屋は土間を設けた作りが殆どだろう、下足のまま屋内で用を済ませられるし、土間のあたりは比較的涼しく一石二鳥、風通しもよく作られている、親戚の田舎は谷間の渓流沿いの村で、家の1/3くらい土間だった、周辺は航空写真で一目瞭然、森林が太陽光を吸収、木陰や川を伝ってくる風は街中の風とは違う、
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護岸工事はされたが、川原は残っている、昔からいた水棲生物も少しは生息しているかも、
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昼はヒグラシ、夜はカエルが賑やかだが、こういう音はうるさいと感じない。
イノシシとかヘビさんもいっぱいいるだろう^^

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category: 時事・雑記

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A.ホルステッド:J.M.Kraus 序曲&交響曲集  

こう暑いと何を聴こうと考える気も起こらない;しばらく聴いていない好きな曲がいい、 
取り出したのはアンソニー・ホルステッド指揮、エイジ・オブ・インライトゥメントOの演奏で1枚だけ録音された、J.M.クラウスの序曲&交響曲集、今では貴重なものとなった。
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アンソニー・ホルステッド指揮、エイジ・オブ・インライトゥメントO
1991年、MUSICA SVECIAE

MUSICA SVECIAEはスウェーデンの音楽史をたどるレーベルで、スウェーデン政府が資金を出し、王立音楽アカデミーが製作した優れた内容だった。
ヨーゼフ・マルティン・クラウス(1756-1792)にはベートーヴェンやモーツァルト同様、今の我々にも共鳴する斬新な力がある。その作品はNAXOSレーベルにシリーズ録音されて知られるようになったが、これに先立ち、コンチェルト・ケルンや今日取り上げるA.ホルステッド指揮による録音がクラウス没後200年に合わせて出ていた。先日も書いたように、曲の真価が聴ける演奏が確率された良い時期に復活したと思う。

劇音楽「オリンピエ」序曲、短調作品で劇的な序奏で始まる、主部は概ねソナタ形式だが、提示部のあと簡潔な展開部があって再現部は提示部をそのまま、最後に序奏部もそのまま再現して終わる、構成は明快であまり手は込んでいないが、閃きを一気に書きとめたような、ぐっと来るクラウスの魅力を印象づける。ホルステッドによる演奏は内声弦の動きもよく聴かせ、木管の立ち上げどころも良い、見渡しの良い古楽サウンド。
「オリンピエ」はyou tubeに当演奏があった、
kraus o you
you tube:Joseph Martin Kraus - Ouverture to Olympie(劇音楽「オリンピエ」序曲)

交響曲ハ短調VB142、過去作の嬰ハ短調VB140が原曲で、ハイドンに献呈するためハ短調に改作したのがVB142になり、第一楽章が大幅に書き直されている、対位法的な序奏は、オーロラを見るような?幻想感が良い、主部の主題はメロディアスになったが、バスや内声による切迫感のあるリズムは残している。ホルステッドの構成を捉えた演奏で希薄にならず、引き付けて行く。第二楽章は変奏曲のようだがバスの動きは対位法的、クールな主題で気分を沈静化させ、弱音の弦の和声が美しく響き幻想的でもある、メヌエット楽章は除かれ、終楽章、アレグロ・アッサイ、これは悲哀というより激動、クラウスの魅力の大きな要素、原曲VB140とほぼ同じだが、展開部をよりドラマティックに改作している、vl群の怒涛のトレモロの下で内声、低音部が力強い掛け合いをするのは圧巻、終結部も同様の手法で、白熱して終わる。
参考動画はConcerto Kölnの演奏を挙げる、こちらも名演
vb 142 you
you tube:
Joseph Martin Kraus-Sinfonie c-moll-Concerto Koln

交響曲ハ長調VB139、まずハ短調の深く幻想的な序奏がある、主部は一転、明るく活気のある第一主題、穏やかながら印象的な第二主題がでる、ソナタ形式ではあろうが、あまり明確に形式感が掴めない不思議な感覚を抱かせる、クラウスらしい魅力を持った楽章。第二楽章も形式が掴めない自由なカプリチォ風の曲だろうか、不思議な魅力で包み短く終わる。終楽章はいかにもロンドらしい楽しげな主題、ソナタ形式の枠もあるようだ、展開部で少し聴きどころを置き、この楽章も短く切り上げている。
参考動画:こちらもConcerto Kölnの演奏
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you tube:J. M. Kraus - VB 139 - Symphony in C major

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category: J.M.クラウス

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本当の暑さ  

昨日は一応、名古屋場所へ行ってきた、会場の愛知県体育館は冷房はかけているが、ピケ足場を組んで客席を増設してあるので、これだけの人数に対応していない、さらに連日の高温注意情報だ。2026年には新体育館を移設する予定だが、それまで老朽化した現体育館を最低限の補修で使っていくらしい。この暑さじゃ力士も調子崩すかな;
自分も汗かいて集中力を欠いて見ていたが、結びの一番で勝負がもつれて物言い、
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you tube:12日目:高安vs御嶽海
御嶽海は有利な態勢になりながら高安に逆転されてしまった、行司、勘太夫は一瞬高安に上げたが、念を押すように御嶽海に上げ直した、それほど微妙;物言いの結果、高安の勝ちとなったが、会場では"取り直し!"の声があがった、帰りのタクシーの運転手さんも同意見。
その昔、名古屋場所に行き、結びの一番(北の湖vs高見山)が微妙で、取り直しになったが、その勝負もまた微妙で再取り直しが妥当に見えたが、審判は北の湖の勝ちとした、放送席を出たNHK杉山アナウンサーも「今のは納得いきませんねえ」と本音を語ってくれた、結びの一騒動に立ち会えるのも、暑~い名古屋場所の風物かも^^;
  *  *  *  *  *  *

さて、気象台が発表するその日の最高気温というのは、百葉箱という一定の環境下で測定された数値だ、小学校の頃は校庭にも置かれていた。
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百葉箱:
・日光など放射熱を遮断できるよう外側は白色で塗装される
・外気温を測るには通風が必要で、側面は二重の鎧戸、天面と底面はすのこ張りの二重構造
・百葉箱を設置する場所の地面は芝生またはその地域に自然の地表面とする
・各地点の観測データの相互比較のため、日本の気象庁では1.5mの高さで測定

といったように、日陰で風通しがよく、地面から離れた高さ、という比較的快適な条件に温度計があり、これが地域の平均的気温として発表される。気象台が35℃と発表したら、大抵の場所は40℃以上いっているだろう。
直射日光のアスファルトの上、風通しのない屋内の高い位置など、もっとずーっと暑い、背の低い犬や猫はアスファルトの熱射をまともに受ける、日中の自動車は車体が熱せられ放射熱を出すので、車内の空気を冷房しても暑い;高温による熱射病に注意が必要。
さらに湿度が肝心で、気温が30℃弱でも湿度が90%近ければ不快指数は最悪のレベルだろう、熱中症はこれを基準に防止する必要がある。

現在は百葉箱は廃止され、強制通風筒が設置されているが、測定基準は百葉箱を引き継いだものと言える。
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強制通風筒

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category: 時事・雑記

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天王星:傾きのシミュレーション  

太陽系の殆どの惑星や衛星は公転面がほぼ一致し、自転方向も多くが地球と同じ、東から陽が昇る東回りで太陽系誕生時の円盤の回転が残っている。 
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しかし例外もあり、太陽系の第7惑星 天王星は自転軸が公転面に対し98°横倒しになっているとされる、何故90°を越す表現がされるのか、82°じゃいけないのか?
ややこしいが、天文学では黄道面の地球の北側を太陽系の北極と定め、惑星の自転方向も東回りと見なす、地球の自転軸は23°傾いており、天王星も同様に見ると98°の傾きになる、
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*地球と同じように東回りだった天王星が今の状態にまで傾いたとすると98°になる、
因みに金星は普通に見て自転方向が地球とは逆になっていて、西回りなのだが、これも東回りが177°傾斜(ほぼ転倒)していると捉える、
Venuspioneeruv.jpg
金星の逆回転も天体衝突の結果だとされる。

さて、天王星の横倒しの件に戻すが、太陽系初期に起きた巨大な天体衝突で傾いたと考えられている、そうだとして、実際どのような衝突が起きたのかは不明だったが、英・ダラム大学のJacob Kegerreis氏らは50通り以上の衝突シナリオをシミュレーションしたところ、地球の2倍質量以上の天体がある方角から、天王星をかすめるように衝突すると現在の状態になるという結果を出した。
uranus you
you tube:Uranus Giant Impacts: Low Angular Momentum
天王星の形成シミュレーションの動画。衝突してきた天体の氷物質が紫色で岩石物質が茶色、天王星の氷物質が明るい灰色で岩石物質が濃い灰色で、それぞれ表されている。薄い青は天王星の大気(資料:Jacob Kegerreis/Durham University)
形の歪な小惑星同士の衝突でその後どうなるか計算は難しいが、惑星サイズの天体になると重力できれいな球体になり内部も均一に近いので複雑な要素が無くなりシミュレーションも現実を表していると言えるだろう。

なおこのシミュレーションは1回の巨大天体衝突を前提としているが、この傾きは2回の衝突で生じたものとする説が出ている、2回という根拠は、天王星には衝突前からいくつか衛星があり、天王星の自転と同じ方向に廻っていたとして、天王星が傾けばこれらの衛星も天王星の赤道面に追従する軌道へと移っていくが、1回の衝突でいきなり98°も自転軸が変化したら、衛星達は角度の近い82°の側に軌道を変え、そうなると衛星達は逆方向に廻るはずだ、衝突が2回に分けられれば少ない角度で順々に追従していくので、順方向に廻る、つまり現在の状態になるというものだ、こんなシナリオのシミュレーションも見てみたい。
天王星を廻っている衛星すべてがこの大衝突の影響を受けていれば、現状どおりの向きに廻って不思議はないが、
Uranus.jpg
HST撮影
天王星の自転周期は17時間14分で、海王星の16時間6.5分とほぼ同じ、かすめるような大衝突があったとしたら自転速度にも違いが出そうだし、横倒しにするほどの天体は何処からやってきたのか、謎に思うことがいっぱい;;

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category: 宇宙・天体

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T.ピノック:Haydn Cemb.Con Hob XVIII:11  

ハイドンの鍵盤協奏曲と言えばまずこれだ、と言えるほどお馴染みのニ長調 major, Hob XVIII:11、当時は楽譜がベストセラーとなるほど人気だったそうだ。書法にはC.P.E.バッハからの影響を残し、早い時期の作品かと思っていたが、1982年、ハイドン50歳の円熟期の作である、交響曲で言えば70番代を書いていた頃で、純粋な意味で古典派 鍵盤協奏曲の完成形ではないだろうか、長くならず、楽しさを見事凝縮している。 
いくつか音盤はあるが、変わらず好きなのがT.ピノックがcemb.を弾くアルヒーフ盤である。
pinnock hay cemb con
Haydn Cemb.Con Hob XVIII:11
トレヴァー・ピノック:指揮、Cemb.
イングリッシュ・コンサート  1984年 アルヒーフ

第1楽章から快速なテンポを取り、前奏部[21~24]の4小節を聴いただけで十分楽しくなる、
sc01 19
ピノックの指さばきは正確で鮮やか、隅から隅まで緻密に聴かせる。カデンツァはハイドン自身が書いた版を用い、幻想的なところもあり、ハイドンの即興性も垣間見る感じだ。
第2楽章、Un poko Adagioは滑らかで落ち着いた楽章で幻想的な魅力も置く、ピノックはここでも鍵盤の細やかさを端正確実に聴かせ心地よい。
終楽章は快活なロンドだが、変化に富み無駄なく入念に書かれた内容だ。
hay cemb con
you tube:Haydn: Keyboard Concerto in D major, Hob XVIII:11. Pinnock, The English Concert

ところで、同時期にモーツァルトはどんな鍵盤協奏曲を書いていたか興味が湧いた、1982年頃の作品は第12番あたりになる、
moz pf co 12
pf協奏曲No.12 イ長調K.414
you tube:Mozart:fp Concerto No. 12 in A Major K. 414
モーツァルトは26歳くらい、ウィーンに活動拠点を移した頃だ。優美なイタリア趣味の作風で、ハイドンとはスタイルは異なり単純比較はできないが、のちの20番代の傑作と遠くない内容を備えている、こちらは新時代の鍵盤協奏曲の始まりと言えるかもしれない。モーツァルトが活躍しはじめ、ハイドンは鍵盤協奏曲とオペラは譲って書かなくなったという。

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category: F.J.ハイドン

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"多感様式":C.P.E.Bach fl Con Wq.22  

バロック期から古典派期に移行する間にギャラント様式の時代があり、フランスのロココ趣味を模範とした、厳格なポリフォニックな書法から流麗な主旋律を重んじたホモフォニックな書法へと移っていた。多感様式とも呼ばれ特にカール・フィリップ・エマヌエル・バッハを中心とした18世紀後半のドイツで発達した、 
c p e bach
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(1714-1788)
感情表現を重んじ、突然の気分の変化が特徴的で、音楽進化の中で少し枝分かれした部分にも思える、これは疾風怒濤期のハイドンなどにも影響を与えていて、C.P.E.バッハを彷彿させる楽章も聴かれる。昨夜もその魅力をよく湛えたフルート協奏曲ニ短調 Wq22をじっくり再聴した、手持ちの音盤は原曲の鍵盤と合わせ5種あるがこれが気に入っている。
c p e bach fl con wq22 *カップリングの関係で表紙の肖像は末弟 J.C.バッハである
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ フルート協奏曲ニ短調 Wq22
flトラヴェルソ:クリストフ・フントゥゲボールト
シュテファン・マイ指揮:ベルリン古楽アカデミー  HM

第一楽章はベルリン古楽アカデミーのしなやかな響きとともにカチっとした枠組みを聴かせる、弱奏をぐっと引いて聴き手を引き込む、flソロはバックの枠組みに乗っかり、自由な遊び心を感じさせる、巧みな装飾演奏がくつろいだ気分にする。
第二楽章の涼やかな風のような始まりは古楽器ならでだろう、flソロも遠くから聴こえるように始まり、内面的な語りかけのようだ、笛と風の音を合わせたような flトラヴェルソの味わいがよりふさわしい。
終楽章、orchは快速、びしっとテンションを上げて前奏部分で引き付ける、バスの力感、内声のトレモロが弱奏部にも緊迫感を与える。flソロは意外なほど優雅でゆとりのある美音に徹しテンションは上げない、緊迫感を保っているのはバックのorchだ。
原曲は鍵盤協奏曲として書かれており、fl 向きに書き直された部分もあるが、あえて鍵盤的な駆け抜けるパッセージも多く残され、特に終楽章はスリリングな聴きどころ。
sc fl con wq22
終楽章より
you tubeに当盤が挙がっている
c p e bach fl con you01
you tube:C.P.E. Bach / Flute Concerto in D minor, Wq. 22 (H. 425)
もう一つライヴを、
c p e bach fl con you02
you tube:C.P.E. Bach - Concerto for flute, strings and continuo in D minor Wq 22

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category: C.P.E.バッハ

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G.レオンハルト:C.P.E.Bach Cemb. Con Wq.23  

時代が移り変わるときの春の嵐とでも言うべきか、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハの曲を初めて聴いたときはその斬新さと躍動感に驚いた、それまでの規則で固められたようなバロック音楽に対し、様相は一転する、新時代のギャラント様式の中で、特にドイツで発達したのが多感様式と呼ぶにふさわしく思う(明確な区別はないが)、 
その魅力をいち早く聴かせてくれたのは古楽奏者だった、G.レオンハルトが2度録音している、鍵盤協奏曲ニ短調Wq.23も傑作の1つでまさに多感様式、
g l c p e bach wq23
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ:鍵盤協奏曲ニ短調Wq.23
グスタフ・レオンハルト:指揮・cemb.
レオンハルト合奏団  SEON

第1楽章、多様な転調、跳躍の大きい動き、鋭いパッセージ、tuttiはvn1とvn2が同パートで力強く聴かせる部分が多い、バスや内声はホモフォニックな扱いで衝動的な転調を導いていく。
sc01 01
第1楽章、冒頭
第2楽章は穏やかながら、やはり平坦には進まず、雲行きが変わる。
終楽章は怒濤の楽章、第一楽章に勝る緊迫感、鍵盤の技巧もスリリングな切れ味、エマヌエルの兄弟達や周辺の作曲家達も同様式の曲を書いているが、エマヌエルが圧倒的に魅力だ。
g l c p e bach wq23 you
you tube:C.P.E.Bach Concerto in D minor, H. 427 - Gustav Leonhardt
 第1楽章  第2楽章  第3楽章

ところで、大バッハの作品番号が付いて、お馴染みの曲だった中に、真作ではないのが確認された曲、疑わしい曲が多々ある、flとオブリガートCemb.のためのソナタBWV1031は第2楽章「シチリアーノ」が有名だが大いに疑わしい、
sc bwv1031
第2楽章、冒頭
両端楽章も聴けばより感じるが大バッハの作風ではなく、息子の誰か(たぶんエマヌエル)で父バッハも共作で関わっているかも?といった説もある。
bwv1031 you
参考・you tube:Johann Sebastian Bach, flute sonata E-flat major BWV 1031, Rampal/Pinnock

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category: C.P.E.バッハ

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栃ノ心も休み  

当地は猛暑日が続き、夜10時になっても30℃超えている、被災地では体を休め相撲中継を見ている人も多いだろう、しかし元気づけてくれるような盛り上がりに欠ける、こんなに暑いと力士も調子を崩し、集中力も落ちるかも?
pic_nagoya_20180715095934c57.jpg
名古屋場所(19日)のチケットを買ったのに、白鵬、鶴竜と休場で1999年以来の横綱不在の場所になった;でも 栃ノ心がいてくれれば見どころはあると期待していたが、13日の玉鷲戦で怪我をして休場、なんと不測の事態・・これは辛い;
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you tube:2018大相撲七月名古屋場所06日目 玉鷲vs栃ノ心
栃ノ心は「側副靱帯(じんたい)損傷で全治約1カ月」だそうで、期待を集めて昇進した初の場所で怪我をするって、稀勢の里を思い出すが、後に引かないように祈りたい。
協会も厄払いしないと;

残るカド番大関、豪栄道、高安とも精彩を欠き、横綱に代わる存在感は薄い?関脇 御嶽海だけが全勝で好調だが、対戦相手も作戦考えてくるだろうし、後半戦で崩れなきゃいいが、
先場所白鵬に勝ち、今場所鶴竜を破った阿炎ちゃん、さすが期待に応えてくれたが、まだ真の力が付いていないようで、そのあと星が伸びない。
kakuryu abi
you tube:[大相撲2018名古屋5日目] 鶴竜 対 阿炎

チケット当日の19日になって、見どころはあるのだろうか^^;
優勝ラインが11勝くらいとか、こうなったら混戦模様のほうが面白いかも・・
楽しみな対戦が大幅に減ってしまったのは確かだ;

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category: 時事・雑記

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サヴァリッシュ:Dvorak Sym No.9「新世界より」  

前に取り上げた、サヴァリッシュによる「8番」とカップリングされた「新世界より」、
名曲だけに録音は多いが、ひじょうに満足して聴けるものは限られてくる。演奏プラス、録音技術による鮮やかなorchサウンドもこの曲には期待してしまう。
EMIの当盤は低域が深々と響き、金管が厚く豪快な好録音だ。 
sawa dvo sym9 a
ドヴォルザーク 交響曲No.9ホ短調 op.95「新世界より」
ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮
フィルハーモニアO 1988年 EMI


各楽章に出てくるお馴染みのテーマは共通の因子で出来ているように思う、これらが終楽章では全て登場し、絶妙に組み合わされる。
sc01_20180714095055f30.jpg 1st
sc02_201807140950569d1.jpg 2nd
sc03_20180714095058a13.jpg 3rd
sc04_20180714095059118.jpg 4th
*1st,2nd,4thは共通性があり、3rdはこれらの続きに置きやすい?
第1楽章、序奏を終え、主部は程よい快速、がっちりした骨組み感の中で少し柔和なレガート感覚を弦にも管にも持たせている、第2主題のところはより落ち着いた感覚、これが何度も聴きたい気品も帯びた味わいになる、提示部は反復し、展開部も熱気は控えめで終結部にかけて加速をかける。
第2楽章、イングリッシュホルンはじめ、フィルハーモニアOの木管、ホルンはじつに繊細に聴かせる、短調のテーマに移ると低音弦のピッチカートが深く支える。
第3楽章は、期待どおり瞬発力のあるキビキビとした演奏、しかし荒っぽさはまったくなく気品を失わない。
終楽章、これまでの楽章のテーマが巧みに取り入れられる、導入部はじっくりだが、快速に移る、キビキビした心地よさがあるが、弦のボウイングには柔らかさがある、展開部の金管の高鳴るところも爽快サウンドに整える、終結は豪快に決める。

動画は同じくフィルハーモニアOで1999年のライヴ
sawa dvo sym9 you
you tube:Dvorak: Symphony No.9 "From the New World" / Sawallisch Philadelphia Orchestra (1999 Movie Live)
EMIの録音から11年の隔たりがあるが、老練で落ち着いた要素が増した印象だ。

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category: ドヴォルザーク

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K.ベーム:Brahms Sym No.3  

ベームとVPOのブラームスSym全集は発売当初からLPを持っていたし、その後CD化されたのも揃えていたが、ここで取り上げたのは第2番のみだった、いずれも水も漏らさぬ演奏には満足していた。DGの録音は低域はあまり押し出さず、太い響きではないが、緻密で分離のよいサウンドで、これはCD化後も殆ど同質に聴こえる。
まずは第3番から、 
007_20180713113048aca.jpg
交響曲No.3へ長調op.90
カール・ベーム指揮、ウィーン・フィルハーモニーO
1975年 DG

第1楽章、ブラスで始まる響きはブリリアント、落ち着いたテンポで入る、この楽章は勇壮なところもあるが、内面的でデリケートな要素が多く、リズムも単純ではない、複数のパートが緻密に絡んでいて奥深い、各パートの音のラインがくっきりして、そこをじっくり聴かせる、ウィンナobの明快さも助けになっている感じだ、展開部~終結もじっくり堅実な演奏。
第2楽章、clとfagでゆったりとした主題が始まる、テンポも緩やかにとる、
[40]から同じくclとfagで出る3連符を含んだ第2主題は趣きを変えるが、これは終楽章で現われる予告になっている。
sc02 40
第3楽章、憂愁な趣きの有名なテーマだが、いつもながらブラームスはあまり情緒に浸らず、適度に躱し、クールな趣きも備える、
ベームとVPOは過不足なく聴かせるが、[87]からdim.がかかり、[91]からさらに密やかになるところ、pppくらいにして引き付ける。
sc02 86
終楽章、程よく快速だがしっかり足もとを固める、
[19]で早くも第2楽章で予告された主題が出てくる、
sc04 18
これは展開部で重要となり、[149]からクライマックスへ発展する、sc04 149
ベームはほぼ全開で痛快な響きに運んでいく、この3連符が堂々とパワーを感じさせる、
sc04 167
終結では第1楽章の主題が穏やかに再現され静かに閉じる。

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you tube:Brahms : Symphony No. 3 in F Major, Op. 90 / Karl Bohm & Vienna Philharmonic Orchestra 1975

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category: ブラームス

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スウィトナー:Mozart Sym No.36 "Linz"  

新しい演奏をいろいろ聴いたあとでも、O.スウィトナーの演奏は心地よいorchバランスだからか、すんなりと耳に入る、一方で良い意味で古き時代も思わせる、今は聴けない魅力も持つ、
SKDを指揮したモーツァルトSym「リンツ」をLPで聴いた、
sui mo s 36
交響曲No.36ハ長調K.425「リンツ」
オットマール・スウィトナー指揮
シュターツカペレ・ドレスデン
セラフィム(D.シャルプラッテン原盤)

第1楽章、序奏の開始音から、低域に重心のある響きが心地よい、主部はやや速めだろう、[42]からのva、vcが歯切れ良く、しっかり前に出て、vnはくっきりスタッカート、
sc01 39
過剰な物量感なく見渡しのよいサウンドで、このあたり先日のカラヤンとは対照的だ、
第2楽章、しなやかな演奏だが、やはり弦の涼しげな響きで、嫌気がこない程度に歌わせる、
メヌエットはじつにゆったり、大らかでここが特筆したい演奏、
sc03 01
スタッカートとtimpの打音に何とも言えぬ気品が伴い、ほかに例がないスウィトナーの魅力。
終楽章、プレストは快速に演奏、キビキビと進めていくが、それでも力の抜けた爽快サウンドでまとめる、終結にかけて熱気をあげて終わる。
高校生時分に買ったLPで大昔だが^^;いまだに飽きることはない。
「リンツ」はN響との唯一のセッション録音(DENON)でも残されているが、これは過去のSKDとの録音が魅力だ。
sui denon
you tubeはなかったので割愛、

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category: W.A.モーツァルト

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桂歌丸さん 加藤剛さん  

我々世代は子供の頃から長くTVで親しんできたお二人が相次いで亡くなった。
 
歳とともに江戸落語や時代劇が好きになってきたが、
桂歌丸さんが7月2日(81歳)、「笑点」のレギュラーとして、司会者としてこれほど長くTVで親しんだ落語家はいない、昔は三遊亭小圓遊さん(1937-1980)と犬猿の仲みたいなところを笑点以外の場にも持ちだしていたのが面白かった、
笑点の司会を引退した後・・っていうか現役で司会してた頃から、「お迎えが近い?」ってのを笑いのネタにされていたが、何事も陽気に変える東京落語の世界らしくて痛快、
2016年には文部科学大臣表彰を受賞している。
katura utamaru
you tube:落語 竹の水仙 桂歌丸

加藤剛さんが6月18日(80歳)、なぜが報道されるのが遅れた、映画やドラマで広く活躍されたが、TBSの「大岡越前」は約30年にわたり主演したライフワークだった、父が時代劇好きで一緒に見て親しんでいたが、その後も長く再放送されて、録画したDVD-Rがかなりある、ここ数日、それが観たくなって、順に観ていた、虫の知らせと言おうか?
大岡越前=加藤剛さんというイメージが定着し、その後は後継の俳優は立てられなかった。
悪党を捕らえ「刑事裁判」という話も多かったが、町人同士のいざこざを「民事」で裁く話も多く、これが江戸落語の世界をドラマ化したようで楽しかった。脇を固めるレギュラー陣や町人役で主演した人達も上手かった。
kato go
時を経てNHKで東山紀之さん主演の「越前」が始まり、原作のイメージを尊重して製作され好評だ、加藤剛さんが浪人役で出演した回もあった。

謹んでお二方に哀悼の意を表します。
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category: 時事・雑記

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暑くてなんも出来ねぇ  

梅雨が終わって暑くなるころ、大抵、体の調子がわるい、暑くてなんも出来ねぇってのが正直なところ;
記録的豪雨で被害が大きい所は復旧、片付けが大変だけど、湿度の高い暑い日が続きそう、
義務感みたいなので無理をする人もいるかもしれないが、本当にそれは避けて、体を休めることが第一だと思う、災害シーズンは始まったばかり、
岐阜も記録的に降ったところがあるが、豪雨を降らせた雲が一点に居座らず、あちこち場所をかえたのが、まだ不幸中の幸いだったらしい。
 
前線は北上したが、昨夕も雷雨があった、下手すると連日になることがある、
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気象庁 7月9日19:00
うちは落雷による誘導雷が来やすいらしく、過去に何度もPCやTVがやられた、避雷器も役に立たない時がある、電話機やドアホンまで壊れたときもある、
rakurai.jpg
通信線を光ケーブルに替えたが、光ファイバーには補強のため鉄線を沿わせてあるそうだ、当然誘導雷も拾うが、家屋に引き込んだところで鉄線はカットされるので機器の手前で光ファイバーだけになる、ここからは誘導雷は来ない、
あとは電源線、これだけは金属線になるので誘導雷は入ってくる、PC本体や信号接続機器など、弱電機器の電源プラグは外しておくのが良い。

PS.今日も町会の用で一仕事してきた、 殺人的な蒸し暑さだった;;
午後、燕の声が賑やかで、見てみると残った巣の近くを飛び回っている、嘴は黄色い、うちで生まれた雛達だ、引き込み線に止まり、独特の鳴き声でしきりに親を呼んでいた。
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hina 7 10 04

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category: 時事・雑記

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古い曲ほど新しく  

ルネサンスやバロックのリュート作品を現代のギターで美しく弾くことはもちろん可能だが、自分の場合、曲が書かれた当時の響きにより近づきたいと思い、リュートに持ち替えた、演奏についても奏者達の間で研究が進んできて興味深い。 
聴く側に廻っても趣向は同じで、作品が書かれた当時の演奏習慣を探った、曲の真価が聴ける演奏を求めたくなる、バロックについては今や20世紀的(1970年代まで?)な演奏は無いのではないかという感じ、極端な例を挙げると
fu handel you
you tube:W.フルトヴェングラー/ヘンデル 合奏協奏曲 Op 6 No 10
こういう演奏もあった、その後'60~'70年代もその時代の趣味で演奏していた、というのに変わりない、
h s handel you
you tube:H. Szeryng, H. Dreyfus - Handel: 6 Violin Sonatas; Arcangelo Corelli: La Folia (Rec. 1981)
何を演奏しても同じ化粧で同じに聴こえてしまう、現代人にもウケのよい旋律美を持った曲にしか通用しない、そういう意味で「間違いだった」ということになる、
古典派についても、20世紀終り頃から、古楽研究による演奏が増えてきて、その影響下で、お馴染みの作曲家はもとより、忘れられていた作曲家らにもひじょうに魅力を持った人がいるのがわかってきた、これらも20世紀的な奏法では気づかなかったと思う、
演奏しだいでまるで変わってしまう。
時折話題にする、ヨーゼフ・マルティン・クラウス(1756-1792)などはモーツァルトとは趣味の違う才気を持っているのが魅力で、知り得て幸運だったと思う、復活のタイミングも良かったかも。
このフルート五重奏曲ニ長調VB188は室内楽の傑作だと思う。
20140315 (1)
J.M.クラウス フルート五重奏曲ニ長調VB188
マルティン・サンドホフ:fl.トラヴェルソ、シュパンツィヒ・クァルテット

j m kraus01 you
you tube:J. M. Kraus - VB 188 - Flute Quintet Op 7 in D major
数こそ少ないが交響曲も魅力だ、2032年に向けてハイドンsym全集を目指す、G.アントニーニ指揮による演奏で、交響曲ハ短調VB142、
20140315 (2)
J.M.クラウス 交響曲ハ短調VB142
ジョヴァンニ・アントニーニ指揮、バーゼル室内O.(ピリオド楽器)

j m kraus02 you
you tube:Kraus Symphony VB 142 | Giovanni Antonini | Kammerorchester Basel (Haydn2032 live)

*因みにJ.M.クラウスの同じ曲(vnソナタ VB157)で聴き比べると、
1.近年の録音だが、20世紀的な演奏
you tube:Joseph Martin Kraus - Violin Sonata in D minor, VB 157(walter schwede,violin)
2.古楽奏者による演奏
you tube:J. M. Kraus - VB 157 - Sonata for harpsichord & violin in D minor(Nils-Erik Sparf, violin)
曲の活き活きとした"素"の魅力が聴けるのは後者だ。

曲の真価を表現できれば古楽器である必要はない。
トーマス・ファイ、アイヴォー・ボルトン、先日のアダム・フィッシャーなど、そういう演奏を聴かせる指揮者が多くなった。
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category: 古典派

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「ダークバリオン」発見か  

宇宙を占めるのは95%がダークエネルギーとダークマターで、残り5%が天体やガスなど我々が検知できる"はず"の通常物質である、これらを「バリオン」と呼ぶが、実際に観測されるバリオンはこの5%を満たしていないかった、この不足する不明の量をダークバリオン、あるいはミッシングマターと呼んでいる。 
ordinary matter
宇宙に存在する物質やエネルギーの割合(上)と、バリオンの内訳(下)銀河や銀河団として存在するバリオンは計2割ほどで、低温の銀河間ガスが28%、中間的な温度の銀河間ガスが15%となっている。残り約40%のバリオンは高温の銀河間ガスとして存在していると考えられるが、これまで見つかっていなかった。(資料:ESA)
5月14日にこの件について書いたばかりだが、
ダークバリオン
この一部を見つけたと思われるニュースがあった。

そもそも宇宙のどのあたりを探せばよいのか、物質ならば重力に引き寄せられるはずで、銀河を囲むハローの領域が候補だったが見つからなかった。
宇宙の物質が集まる立体の網目構造の要(交差部分)には物質が多く銀河が集まっているが、それらが繋がるフィラメントの部分にバリオンが見つかった、ここは物質が極めて希薄で観測は難しかったが、存在場所としてはあるべき所と言えるだろう。宇宙全体から見れば網目の交差部分というのは限られた場所になる。
cover.jpg
宇宙大規模構造
伊・国立天体物理学研究所のFabrizio Nicastro氏らは、ESAのX線観測衛星「XMMニュートン」を使って、40億光年の距離にあるクエーサー(活動銀河)を18日間にわたり観測した。
X線で観測すれば、消えたバリオンの正体と考えられている温度100万K以上の銀河間ガス(中高温銀河間物質:WHIM)を検出できる。遠方のクエーサーから出たX線を手前のWHIMが遮ってできる吸収線スペクトルを見つけるという方法、
Dhot_intergalactic_medium 02
(資料:Illustrations and composition: ESA / ATG medialab; data: ESA / XMMニュートン / F. Nicastro et al. 2018; cosmological simulation: R. Cen)
拡大
結果、地球とクエーサーの間で距離の異なる2か所にWHIMがあり、そこに含まれる酸素の吸収線を見つけることに成功、これは酸素を含む大量の物質が予想通りの量で存在することを示しており、これでついにバリオン量の理論と観測のギャップを埋めることができた、とのこと。

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category: 宇宙・天体

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R.ヤーコプス:Mozart Sym No.41 "Jupiter"  

クラシックを聴くようになって、演奏も時代とともに変わってきた、'60年代~'70年代は伝統的なクラシックお決まりの作法があり、いつの時代の曲であろうと性質は同じに聴こえた、'80年代始め頃から、古楽演奏家の活躍が目立ちはじめ、熱心な研究家達でもあった。 
好きな曲は大きく変わらないが、演奏は新しいものに惹かれる、
今日はR.ヤーコプスのモーツァルト「ジュピター」、
r j moz s 41
モーツァルト交響曲No.41ハ長調 K.551「ジュピター」
ルネ・ヤーコプス指揮、フライブルク・バロックO
2006年 harmonia mundi

第1楽章、快速で歯切れ良く始める、例によって強弱の巧みな操作によってダイナミズムの効果を上げている、モダンorchに対し音量幅の少なさの解決とともに、木管パートの細やかな表情を聴くことができる、総奏の中でも1本入ったflトラヴェルソが明瞭で彩り豊かに感じる、trpは輝かしい、第2主題に入るとテンポを緩め徐々に快速に戻す、
第2楽章、弱音器の弦ですっきりと始まり、緩叙楽章でも程よく緊張感を張り巡らす、現在はモダンorchでも行われるが、弦はノンヴィブラートにすることによって音が純粋になり、和音が鮮やかになる、[61]でたった1つ、vn1が f になっているのを印象的に聴かせる、
sc01 57
[67]の f からhornを鋭く奏でるのも初めて聴く効果。
sc02 66
メヌエットは3拍子が速めの1拍に収まる、K.ベームなどと比べると倍以上の速さかも?この速さでも典雅な雰囲気はあって自然である、トリオ[68]からの鋭さはこのテンポで効いてくる。
sc03 66
終楽章、ここは落ち着いたテンポで緻密に聴かせる、スコアを見ずとも、精緻に組み込まれた各パートが洩れなく聴こえてくる、清涼な流れと力感の対比が続く、[115]で p に下げ、徐々にcresc.するのが特に効果的、
sc04 115

これはyou tubeに挙がっていた、
r j moz s 41 you
you tube:Mozart / Symphony No. 41 in C major, K. 551 "Jupiter" (Jacobs)

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category: W.A.モーツァルト

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オリオン大星雲は"衝突中"  

いつも見慣れているオリオン座の大星雲は中心部に「トラペジウム」という明るい巨星の集まりがあり、星雲全体を照らしだしている。
1 M42
HST撮影、中心部
星雲の中心部だから、大きな星も生まれるだろうと単純に考えていたが、よほど塵やガスが圧縮する出来事がないと生まれない、というのも確かだと思う、星雲全体を見ても、部分的に圧縮が起きている様子に見える、
2 M42 C F
立体データを元に作成された横の角度から見たCG画像
トラペジウムは地球から見て、概ね星雲の手前にあり、星雲は恒星の光の圧力に押されてお椀の底のように凹んでいる。

名古屋大学の福井康雄氏らはオリオン大星雲を取り巻く、分子雲の可視光では見えない奥まで見透した電波観測データを詳細に解析した結果、移動速度の異なる2つの分子雲が重なった状態にあり、1つの大星雲に見えていることを突き止めた、
(*以下の資料:名古屋大学)
3 ori
もやもやしてわかり辛い分子雲にはっきり衝突の跡らしい形が現われているのも興味深い、
4 ori
上画像の左の青で示した分子雲は我々から秒速9kmで遠ざかっているが、右の赤表示の分子雲は秒速14kmで離れている、右の分子雲が追いついて衝突しているところらしい、右の分子雲が突き抜けた「鍵雲」と名付けた突起した部分が左の分子雲を通り抜け「鍵穴」を残していて、形状も一致する、など衝突の痕跡が見られる。
*赤表示の分子雲を黄色の線で表し、青表示の分子雲に重ねたのが下の画像、
5 ori
シミュレーションによると2つの分子雲は10万年前に約7km/sの速度で衝突し、急激な圧縮で巨星が作られたと考えられ、トラペジウムの星たちの年齢と一致するそうだ、
(*10万年前:人類は旧石器時代)
6 ori
シミュレーション画像
7 kagigumo
小規模なスターバーストと言えるかもしれない、衝突は現在も続いており、新たな星が作られていく見込み。

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category: 宇宙・天体

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A.フィッシャー:Haydn sym No.94 "Surprise"  

楽しみなCDが届いた、現在入手しにくくなっているA.フィッシャー、再録音のハイドンSymで、タイミング良く中古盤が出ていた、「オックスフォード」と「驚愕」のカップリング。
これを最初に聴いて、ハイドンとフィッシャーの策に見事嵌められてしまった^^;
これは聴き方として、"得"をしたのだろうか、
a f you
「オックスフォード」を心地よく聴いて、次の「驚愕」が始まったあたりで眠気がさし、半分ウトウトしていた、
第2楽章お馴染みのテーマが始まり、反復の[9]から無音部分か?と思うほど pppp になる、
あれっと思わせ、[16]で前代未聞の f f f が爆裂!
sc02 01
ダイナミックレンジが幅広く設定してあり、ボリュームは上げぎみになるが、ここに合わせてある^^;これで目が覚めないなら死んでいる。
このびっくり箇所はいろんな指揮者が策を弄するが、フィッシャーは原点に返り、正攻法で来た、ある意味逆転の発想、
しっかり目が覚めて、第1楽章から聴きなおした。
a f hay s 94
交響曲第94番ト長調「驚愕」Hob.1-94
アダム・フィッシャー指揮、ハイドン・フィルハーモニー
2004年 mDG
  HMV & BOOKS
今や古典派演奏にはモダンorch.でも金管は輝きのあるナチュラル管を使い、timpも古楽器タイプを使うのが効果的ですっかり普及したようだ、
第1楽章、序奏はさらりと行く、主部は速すぎず快活、timpは打ち上げ花火のようにどっしり、trpの響きも明快、[31]から印の音に前打音を軽く付けている、お洒落というかお茶目というか、楽しい、
sc01 29
強弱法もツボを押さえ心地よい、[66]の第2主題に入るところでテンポを落とし、[74]の f にかけて戻していく速度操作も上手い、展開部以降もセンスよく引き締めていく。
第2楽章、始まりからppで前述のとおり、びっくりは爆弾だ、これの余波も置き、楽章全体の質感が完成度高く整う、[107]の裏拍に弦の重音が入るところも引きずらないのが良い。
sc02 104
メヌエットもきっぱりとして弾むようなリズム、心地よい聴かせ方というのをさすが心得ている、トリオでは弦を1人ずつにして、室内楽的、これは全集録音でもやっていたかな。
終楽章、あまり軽快に急がず、足場のしっかりした感覚で構築感をよく聴かせる。
期待に十分過ぎるほど応えてくれたv
you tubeには挙がっていなかったが、これは銭を払って聴く価値がある。
「オックスフォード」はあらためて。

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category: F.J.ハイドン

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嫌いじゃない「名曲」  

以前、好きじゃない「名曲」ってのを書いたが、今日は反対;これらも誰もが耳にする曲、
どう違うのか、と聞かれても説明できない、「好きに理由はない」わけで^^ 

ベートーヴェン「エリーゼのために」
イ短調のロンド形式(A B A C A)で書かれた小品だが、ロンド・テーマはすっかりお馴染み、Bでの活力、Cでの情熱が短いながらベートーヴェンの聴きどころがある。
be e you
you tube:Fur Elise (Piano version)

バッハ 管弦楽組曲No.3の「アリア」も曲自体は好きなので、演奏しだいとなる、
バスラインの跳躍した動きが懐深く良いところ、そもそもこれがバロック(通奏低音の音楽)の醍醐味である、
bach air
ギター編曲でもよく弾かれるが、パートの省略やバスラインのoct.上げは避けられず、物足りなかったが、G.セルシェルは11弦ギターを活かして完全にとは行かないが必要なパートを拾い上げ、バスラインも損なわずにソロにしている、
sll bach air you
you tube:Bach Air - Goran Sollscher

スメタナの交響詩「モルダウ」も案外好きな曲だ、幾分渋さを持ったお馴染みのテーマ旋律がいい、ブラームスの複雑な管弦楽曲に対し聴きやすい書法だが、このオーケストレーションの華やかさもわるくない。
動画はクーベリック指揮、ボストン響で、
kub sme mo
you tube:Smetana, Ma Vlast,,Die Moldau, sarka,,Kubelik

今回の真打ちは、ドヴォルザークのスラヴ舞曲第10番ホ短調、気品と憂いを帯びた美しさ、
こういう曲を書いたらドヴォルザークは天才、
手元にあるカラヤン指揮 BPO、1959-1965年の録音が気に入っている、ブラームスのハンガリー舞曲と適度に抜粋してカップリングされている。厚い響きにD.グラモフォン・サウンドが程よい渋みで味わい深い、この曲は思い切り、しみじみとやってもらっていい^^
ka dvo s d you
you tube:Dvorak Slavonic Dance Op.72/2 Karajan
同盤よりブラームス、ハンガリー舞曲No.1の動画も1つ
kara dvo s d
you tube:Brahms : Ungarische Tanze Nr. 1 g-moll

スラヴ舞曲全曲はA.ドラティの動画で聴ける。
do dvo s d you
you tube:Antonin Dvorak - Slavonic Dances
面白い曲が多い、

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category: 時事・雑記

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R.ヤーコプス:Haydn Sym No.92 "Oxford"  

歳をとると気が短くなるせいか、テンポ速めで小ざっぱりした演奏が好きになってくる^^;
大筋がわかっている曲ほどそんな演奏が良かったりする; 
ハイドンの「オックスフォード」、近年ではT.ファイの新鮮味溢れる演奏に引き付けられた、また'70年代のA.ドラティの全集に入ったのも良かった。
今日は楽しみだった、R.ヤーコプス指揮の「オックスフォード」、
r jac hay s 92
交響曲No.92 ト長調「オックスフォード」
ルネ・ヤーコプス指揮、フライブルク・バロックO
harmonia mundi 2004年

第1楽章、序奏はppで密やかに、透明な響き、主部の始まり[21]は属七の p だがやはり pp くらいに押さえ、次への期待となる、[25]の f で主和音がドンと、timpのG音に乗り、花火の打ち上げのようなパンチだ、各パートが賑々しく楽章を彩る、
sc01 21
vcとbasパートが分けられている
強弱法の準備的使い方も効いている、展開部は緻密で無駄のない聴きどころ、vn1と2を左右に配置しているのも効果がある、後半も反復し、この楽章は満足。
第2楽章、自筆総譜の上にAdagioとあり、vnパートの上に"Cantabile"と記されているので、そのように演奏すべきだが、
sc02 01
個人的にはあまり"しみじみ"としないほうが良い、ヤーコプスは程よいところだろうか、
[40]からニ短調で f だがここも"Staccato"と明記されている、しっかり切り立てて演奏する、
ここも匙加減だが、極端でないほうが好みだ、(因みにA.ドラティなどは匙加減が良い)
メヌエットはアウフタクトに溜めを入れたり、表情に応じた速度変化をつけて面白い、しばしばソロで扱われるflトラヴェルソが華を添え、よく聴ける。
終楽章は、第1楽章と同様の充実した内容、とても快速に切れ味良く合奏を決める、今まで聴いたことのない速度変化の妙技もみごとに嵌っている、この楽章も後半反復で満足。

さて、当盤もyou tubeにはないが、
I.ボルトン指揮、デンマーク放送交響楽団が期待どおりの演奏、
i b hay s 92 you
you tube:Joseph Haydn 1732-1809 - Symfoni 92 (Oxford) - DRSO - Ivor Bolton

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category: F.J.ハイドン

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カラヤン:Mozart Sym No.36 "Linz"('71)  

21世紀には古典派に相応しい演奏というのが定着したようで、先日のA.フィッシャーもその優れた一人だと思う。もちろん過去にも作品の美質を捉えた良い演奏はあったが、今はこういう演奏、まずないだろう、というのも多々ある;
ふと取り出したのが、カラヤンとBPOが1971年、EMIに録音したモーツァルトSym集で、No.35 36 38 39 40 41の二枚組、そこからNo.36「リンツ」を聴いた。 
kara moz s 36
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニーO
1971年 EMI

D.グラモフォンの中域が太く音が塊ぎみのバランスより、EMI盤のほうが爽快で聴きやすい、が、BPOの大編成な響きは同じだ、
第1楽章、序奏から弦楽のたっぷり厚い響き、主部はやや快速、レガートタッチが貫かれ、音の泉が湧き出す、[43]などスタッカートな性格であろうところも力感を付けながらしなやかに繋いでいる、
sc01 39
雄大に聴こえる良さもあるが、きりっとしたアインザッツは聴かれない。f に入ったところはボリューム感たっぷり。
第2楽章はPoco adagioとして普通くらいか、trpやtimpは控えめでカンタービレな穏やかさでまとめ、レガートな弦楽が主体、flやclがないので元々木管の響きは地味だが、管楽器はやや引っ込みがちだ。
メヌエット、これまたかなりゆっくりな演奏でスタッカートに聴かせる部分はない、大編成ながら、きめの整ったBPOの弦楽は味わいどころと思うが、これはこれで他では聴けない魅力かもしれない。
終楽章、presto、わりと快速、全楽章でここが一番魅力か、内声弦の[46]からのトレモロがぐっと押し出し、パワフルな活気がある、
sc04 41
終結部でぐっとテンションを上げて終わるのも痛快。

「リンツ」はyou tubeになかったので、参考に「ハフナー」を挙げる、演奏の傾向は同じく、速めでレガート、厚い響き、といったところ。
karajan moz 36 you
you tube:Symphony No. 35 - Wolfgang Amadeus Mozart, Herbert von Karajan

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category: W.A.モーツァルト

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