C.アバド ほか:Haydn Sym No.96 「奇跡」 
2019/06/30 Sun. 09:56 [edit]
20世紀終り近く、ヨーロッパ室内Oと録音したSymの何曲かは名盤で、リリースごとに魅力を増していった、ロンドンセット全曲とは行かなかったのは惜しい。

クラウディオ・アバド指揮、ヨーロッパ室内O
DG 1987年
その中から、No.96ニ長調「奇跡」、ハイドン好きが望むことはすっかり心得ているような、始めから最後まで不満なく、すんなりと聴ける。

you tube:Haydn: Symphony No.96 In D Major, Hob.I:96 "The Miracle"
1. Adagio - Allegro 2. Andante
3. Menuetto (Allegretto) 4. Finale (Vivace)
第1楽章、序奏は清涼で味のある響きで開始、ぐっと弱奏にして次への起伏をつける、主部は程よい快速、しなやかな弱奏のあと総奏のドシっとくるダイナミズムで引き付ける、

構築美を示しながら耳心地良い響きで、細かく聴いても丹念な音楽性が詰まっている。展開部が終わり再現部に入る間(溜め)が長いが、これが効く、
第2楽章にもtimpを伴ったダイナミズム、または弦だけによる強奏もあるが、そこを重々しくしないのがよい。短調に入ってからの深み、美しさも十分に仕上げる。
メヌエット、堂々たる主題だが重すぎない、オーボエ・ソロのトリオはリピートで弦楽伴奏をぐっと弱奏にして、引き込む。
*メヌエットの[3]のG音は♮が正しいがR.ランドン版が出る以前は♯がついていた、出版の古い楽譜は近代好みに音が変えられたものが多い。

メヌエットから間を置かず、快速に終楽章に入る、弱奏でロンド主題を始め、短調の総奏に入った力感が痛快、またぐっと弱奏の主題に戻り、涼やかさとエネルギーの交錯、きっぱりとした終楽章が心地よい。
*ハイドンでは比較できないが、モーツァルトでアバドの進化ぶりがわかる、
1979年と2008年のSym No.40 第1楽章で比較、
you tube:1979年、ロンドンSO:Mozart Sym No.40 1st
you tube:2008年、モーツァルトO:Mozart Sym No.40 1st
今も過去の演奏が好きという人も多いだろう;
いつの間にかモダン(20世紀)と古楽の区別は薄れ、21世紀の演奏スタイルが定着してきた、
そのお気に入り盤として、I.ボルトン指揮、ザルツブルク・モーツァルテウムOを挙げる、

アイヴァー・ボルトン指揮、ザルツブルク・モーツァルテウムO
2009年 OEHMS CLASSICA

you tube:Symphony No. 96 in D Major, Hob.I:96, "The Miracle":
I. Adagio - Allegro II. Andante
III. Menuetto: Allegretto IV. Finale: Vivace assai
第1楽章、透明感のある弦で始まる序奏、そこにobがくっきり浮き立つ、主部は活気を帯びた適切なテンポ、総奏に入ると対比よく力感を出す、いつもどおり金管はナチュラル管で透明、弦が歯切れ良く浮き立つ、弦管のバランス良く色彩感も豊か、清涼感と十分な力感を両立。
第2楽章も切れ目を入れながら、すっきり、強奏も思い切りよく押し出す、[26]からト短調の対位法で書かれた魅力的な変奏も感傷に陥らず冷静に整える。

メヌエットはきりっと引き締め、リズムの明快さが心地よい、トリオのobソロは装飾を入れながらさらりとした演奏が良い。
終楽章、程よい快速、さりげなく流れて行く終曲でもボルトンはがっちり各パートの仕掛けを立体的に聴かせる。
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category: F.J.ハイドン
20-21c:Mozart Sym No.35  
2019/06/29 Sat. 10:15 [edit]
まず、O.スウィトナーの「ハフナー」から、
orchはSKD(1968年録音)、このLPを初めて聴いたときは第1楽章の急速テンポと切れ味に驚いた、現在でも他に例はないと思う、

モーツァルト時代のorch楽器が全て加わった編成だが、SKDのアンサンブルは緻密に決まり、[58]のvn1の上行パッセージにcl、flがぴたり粒が揃って重なる、

この演奏には背筋の伸びる感覚と同時に力の抜けた大らかさもある、
メヌエットはゆったりテンポだが、[9]からvn2をくっきり区切り、毅然とした感覚が良い、

終楽章も力は入れず、気は抜かず引き付ける。

オットマール・スウィトナー指揮、シュターツカペレ・ドレスデン
1968年
you tube:Symphony No. 35 in D Major, K. 385 "Haffner":
I. Allegro con Spirito II. Andante
III. Menuetto IV. Finale - Presto
次はカラヤン、1970年、BPOとの録音(EMI)スウィトナーとは対極といえる、
弦の弓は究極のレガート、始まりから[6~]のvn1がやんわりと印象付く、

大編成の響きで、くっきり切る箇所がないのがまあ徹底した味わいでもある、
第2楽章でどうしたことか、[26]などで合奏のズレがあるように聞こえる?(you tubeの6:40~?)ずっと繋がったようにレガートで縦の拍節がわかり辛いが;昨日の「プラハ」といい、こんな事ばかり耳につく;
終楽章は急速豪快、

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニーO
1970年 EMI
you tube:Symphony No. 35 - Wolfgang Amadeus Mozart, Herbert von Karajan
3つ目はC.アバド指揮、モーツァルトO、
小編成の踏み込み良い開始、鋭く鳴るtimpは古楽器タイプだ、縦横無尽な強弱法、スタッカート、レガートの絶妙な匙加減、清涼な響き、各パートの存在する意味があらためてわかるような、まさに21世紀的な名演。

クラウディオ・アバド指揮、モーツァルトO
2008年 ARCHIV
you tube:Mozart: Symphony No.35 In D, K.385 "Haffner" -
1. Allegro con spirito 2. Andante
3. Menuetto 4. Finale (Presto)
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category: W.A.モーツァルト
東西:モーツァルト Sym「プラハ」 
2019/06/28 Fri. 10:04 [edit]
時代は循環して、カラヤンのモーツァルトやハイドンは古いタイプとなり、スウィトナーの演奏のほうが、現代の耳には馴染みやすいかもしれない、両者のモーツァルトを聴けばその違いがわかりやすい。
スウィトナーの録音(D.シャルプラッテン原盤)は国外へはEMI、Philips、Grammophonほか様々なレーベルに版権が渡されてバラで出ていたため、全集を組むなど纏められず損をした部分もある、近年、Berlin Classicsでようやく纏められた。
スウィトナー、1968年録音でorchはSKD、セラフィム(EMI)盤で「パリ」「プラハ」「ハフナー」「リンツ」のLP2枚組を随分昔から持っている、
まずはSym No.38「プラハ」


オットマール・スウィトナー指揮、シュターツカペレ・ドレスデン
1968年

you tube:Symphony No. 38 in D Major, K. 504 "Prager":
I. Adagio - Allegro II. Andante III. Finale - Presto
第1楽章、序奏部から清涼な響きを湛え、主部は快速、ヴィヴラートは控え、不要なレガートも避け、スッキリ区切っている、キビキビとした弦楽に[81]から木管の和声が鮮やかに乗っていくのが心地よい、

第2楽章も甘ったるさがなく、毅然としたタッチもあり、飽きがこない、
終楽章、速すぎないテンポで緻密な合奏、弦楽と管の対等バランスのやりとりが心地よい、展開部に入るとカッと熱気が入り引き付ける、ポリフォニックな部分もくっきり、
次はカラヤンの「プラハ」、

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニーO
1970年 EMI
何年か前、「カラヤンの素顔」というドキュメントDVDを見てみたら、多くのリハーサルや収録シーンが紹介されていた、

録音室の技術者が、○小節のところで音が違っていたと伝えるが、カラヤンはその部分の再生をヘッドホンで聴き、「ああ、この程度ならわからない」と録り直しなしで行く、案外アバウトである^^;しかし、1970年、EMIに録音した「プラハ」の第1楽章で、fagがテンポに追いつけず、[79]から8分音符1つ分ほど遅れる、

you tubeで(4:29)のあたり、これは誰が聴いてもわかる;

you tube:Mozart Symphony No 38, K 504 ''Prague'' (Karajan ? BPO, 1970)
セッション録音のはずだが?これはご愛敬として、音質的にはGrammophon盤よりこちらが好ましい、
第1楽章、主部のテンポはスウィトナーと同じくらいか、弦楽はレガートで溢れるほど厚く響き、全体にダイナミック、
第2楽章も目一杯レガート、
終楽章もやや快速、総奏部分がまさに大編成的に押し出す、BPOの弦楽は流石だし、豪快でもあるが。
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category: W.A.モーツァルト
C.アバド ほか:Mozart Sym No.39 
2019/06/27 Thu. 10:37 [edit]

交響曲No.39変ホ長調K.543
クラウディオ・アバド指揮、モーツァルトO
2009年 ARCHIV
第1楽章、序奏はフランス序曲風に付点を伸ばす、主部は中庸のテンポだろう、持ち前の自然で緻密な強弱法が引き付ける、スマートな流れと歯切れ良さを両立している、[72]からのvnの下降パッセージは一弓でレガートにする例が多いがアバドは区切って粒立てている、

第2楽章はしなやかだが、節目をつける、他の楽章でもそうだが、言葉を語るような味わい、
メヌエット、アウフタクトのない明確な主題がよい、アバドは4小節のまとまりを一筆に流し、期待どおり快調で、聴き手も気分良く乗せられて行く、

終楽章は快速、歯切れ良くたたみ込んでいく。

you tube:Mozart: Symphony No.39 In E Flat, K.543
1. Adagio - Allegro 2. Andante con moto
3. Menuetto (Allegretto) 4. Finale (Allegro)
20世紀的演奏の中で最も耳心地良いのはスウィトナーになる、まずはエテルナ(D.シャルプラッテン)のLPを聴く、

オットマール・スウィトナー:指揮、シュターツカペレ・ドレスデン
1974年、ドレスデン・ルカ教会 ETERNA

すっきりナチュラルなサウンドはのちのDENON盤と同質でclを含む木管の味わいも前に出る、
スウィトナーは3大交響曲の連続演奏をよく行なった、N響の放送録音がDENONからも出ているが、こちらは音響的に今一つ、
you tubeでは1978年、シュターツカペレ・ベルリンとの来日公演の放送録音が音質も好ましく、流線的で気合いの入った、スウィトナーのライブらしい魅力が感じられる、会場は東京厚生年金会館とのこと、

you tube:Mozart Symphony No 39 in E flat major K543
1 Adagio Allegro 2 Andante
3 Menuetto 4 Allegro
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category: W.A.モーツァルト
東西落語:「茶碗」の話 2題 
2019/06/26 Wed. 10:42 [edit]
希少価値、付加価値など除いて、まったく客観的に真性に物品自体を評価すると、そこまで高価なもんじゃないだろう; ただ土を焼いただけの茶碗、使い道もただの器であるが、経緯によってどんな値がつくかわからない、落語の題材としても面白い展開にできる、
まず「はてなの茶碗」、これも一旦、演者が途絶えた話を桂米朝が復活させた1つ、完全な原作は残っていないので、米朝が再構成したそうだが、見事な古典としてまとまっている、
話は清水にある茶屋に始まる、有名な茶道具屋の金兵衛、通称「茶金」と呼ばれる目利きでも有名な人物が茶を飲んだ茶碗を見回し、「はてな」と言って去る、それを見ていた油売りの男が「これは相当の値打ちもんや」とにらんで店の主人からその茶碗を3両で強引に買い取る、これを持って茶金の店に持ち込んで買い取らせようとするが、ただの安茶碗だった。「はてな」と言ったのはヒビも穴もないのにお茶が漏れるのを不思議がってのことだった、気の毒に思い、茶金さんは男が買い取った値で引き取るが、水の漏る不思議さが評判となり、ときの帝も興味を抱き見たいと希望する、茶碗を検めた帝は筆を取り「はてな」という箱書きを書いた、これで安茶碗に大変な値がつくが・・

you tube:桂文珍師匠の落語「はてなの茶碗」
いつもの文珍流の面白さである、
次は江戸の「井戸の茶碗」という話、
屑屋の清兵衛がある裏長屋の浪人、千代田卜斎に古い仏像を200文で買い取って欲しいと頼まれるが、仏像の目利きはできないと断るも、そこを曲げてと頼まれ買い取った、それが細川屋敷の勤番をしていた高木佐久左衛門の目にとまる、仏像の中にもう一体小さな仏像が入った(腹籠り)らしく縁起物だと気に入り、300文で買い取った、すすけた仏像を洗っていたところ、台座の紙が破れ、50両の小判が出てきた、中間が儲かったと喜ぶが、佐久左衛門は買ったのは仏像であり、中の50両まで買ってはおらぬ、とまた清兵衛が通りかかるのを待ち、50両の件を伝える、中身を元の持主に返すよう頼まれ、卜斎を尋ねるが、売ってしまった以上、中身もろとも自分のものではない、と受け取らず、清兵衛は両者の間を行ったり来たりで困り果てる・・大家の仲介で分け合うことで折り合いをつけるが、卜斎は分けの20両受け取る形に古い茶碗を佐久左衛門に渡す、しかしこの茶碗が「井戸の茶碗」という名器だとわかり、300両で細川の殿様が買い取る・・またこの大金の始末に困るが・・

you tube:古今亭志ん朝(三代目) - 井戸の茶碗
金銭欲よりプライドを優先する江戸っ子話「三方一両損」の武士バージョン、
この話はTBSドラマ「大岡越前」の脚本にも数回アレンジされている。

国宝:大井戸茶碗
どちらかというと「はてなの茶碗」が実在したほうが面白いが^^
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category: 落語
ゼフィロ:J.S.Bach Ouverture BWV1067 
2019/06/25 Tue. 09:36 [edit]

気象庁の「平年値」というのは西暦年の1の位が1の年から続く30年間の平均値をもって平年値とし、10年ごとに更新する、今の平年値は「1981年から2010年まで」の平均値が使われているが、気温は平年を上回る年が圧倒的に多い、今年の夏くらい、猛暑日の少ないことを願いたい;;
さて、しばらくバロックから遠ざかってしまっていた、
うちにある最新盤といえば、アルフレド・ベルナルディーニ指揮、ゼフィロによる、Bach ブランデンブルクCon全曲+管弦楽組曲No.2のカップリングだが、ソロ、バス、内声の助奏パート、いずれもエネルギッシュに迫ってきて、今まで意識しなかったパートにも引き付けられる、録音はぐっと近づいた感じで各楽器の味わいが詳細に聴ける、
まずは管弦楽組曲No.2ロ短調BWV1067、

マルチェッロ・ガッティ: flトラヴェルソ
アルフレド・ベルナルディーニ:指揮、ゼフィロ
1曲目、フランス風序曲は弾む付点リズムで始まり、flトラヴェルソは小味の効いたキレのある装飾を常に聴かせる、アレグロはフーガ形式でflコンチェルトの書法が織り込まれる、flはvn1と重なり、フーガの一部を演奏したり、

ソロの部分もある、弦がソロの助奏で弾く響きもひじょうに味わい深い、

メインのパート以外に耳を向けても魅力が聞こえてくる、
flのソロは序曲のほか、ロンド、ブーレー、ポロネーズ、バディヌリに与えられるが、ポロネーズのソロが充実している、他はvn1と重なる、当盤のブランデンブルクConもそうだが、低音パートが弾むように活き活きとして、じつに味わい深く引き込んでいく。

you tube(抜粋):Ouverture [No. 2] in B Minor, BWV 1067:
I. Ouverture
V. Polonoise (Moderato e staccato. Lentement) - Double
VII. Battinerie
ブランデンブルクConのほうもじっくり聴き直したい。
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category: J.S.バッハ
東西落語:「鹿政談」 
2019/06/24 Mon. 10:56 [edit]
今日の話「鹿政談」の原作に登場する奈良奉行は根岸肥前守だそうだが、桂米朝は川路聖謨(かわじ としあきら)に代えている。
川路聖謨は真面目な人物像が残るようで、弘化3年(1846年)から奈良奉行に就任しており、奈良奉行というのは左遷先とされた所であるが、ここで6年に渡り実績を残した。

奈良奉行所:復元模型
豆腐屋の六兵衛が夜の内から豆腐作りをして、絞りかすのオカラを樽に入れて表に出しておいたところ、野良犬が食っている、追い払おうと薪を投げつけたら、当たり所が悪く死なせてしまった、よく見ると犬ではなく鹿で、奈良では殺せば死罪となる神獣であった、根が正直な六兵衛は隠そうともせず、ひとまずお縄となったが・・
白州で奉行の川路聖謨は六兵衛を死罪にするつもりは毛頭なく、無罪となるよう仕向けて問うのだが、六兵衛は正直者で覚悟を決めている、そこで奉行は死骸を検め、「これは鹿に似た犬ではないか」と周りの与力に問い、与力らも察して同意する、鹿の守り役の代官はこれに異を唱えるが、奉行は、もしこれが鹿であれば、人家に餌をあさりにくるは空腹に耐えかねてのこと、幕府より十分なる餌代の支給があるにかかわらず、鹿が空腹なるは餌代を横領する者がおる疑いあり、本件はさし置き、そちらを先に詮議せねばならぬ、と脛に傷ある代官らに矛先が向いてくる、そこで代官も犬だと同意し、六兵衛は無罪となる。白州の場で役人の不正に迫るところ、先般の「佐々木裁き」に近い筋書きである、

you tube:米朝 鹿政談
さて、同じ話の江戸版で、三遊亭圓生の名調子を1つ、こちらは豆腐屋は与兵衛という名で、奉行は根岸肥前守である、話の舞台は奈良なので、白州の場で町人のセリフに関西弁が出てくるが、そこは上手いもの。

you tube:名作落語76 三遊亭圓生 鹿政談
余談: 芦「あし」を「よし」とも読むのは"悪し"より"良し"が験がいいからそうなったらしく、現在、植物の芦は「ヨシ」が正式名らしい。
因みに日本の戸籍制度では氏名の漢字は家庭裁判所の許可がない限り変更できず、相応の事情(嫁いだ家の姑と同じ名だったり)があれば許可されるが、氏の変更は難しい、しかし、読み方はいつでも変更できる、戸籍や住民票に読み仮名を記すのは義務づけられておらず、役所により記しているが便宜上のものである、芦原で「あしはら」と名乗っていた人が「よしはら」にしてもよい・・っていうか読み方はまったく自由で、住民票等の読み仮名は本人申し出で変更できる、二郎と書けば「じろう」と大抵読まれるが「つぐお」でも好きな読み方で名乗ってよい、変えると当分はいちいち面倒だが;
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category: 落語
O.スウィトナー:Beethoven Sym No.7 (LPとCD) 
2019/06/23 Sun. 10:46 [edit]
ワンポイントは必ずしもLとR、2本だけとは限らない、中央を拾うマイクを加え3本が多いらしい、それを最後にはLRチャンネルに分ける、補助のマイクがあったとしても、基本的に楽器が発した音の到達する時間差もあるがままに捉え、再生音に自然な音場の拡がりを聴かせる録音方針を総じてワンポイントと言うらしい、このためには楽器からの直接音に対する指向性もあり、周囲からの残響にも反応が良い高性能マイクロフォンが必要になる、またあるがままの録音ゆえ、バランスを取り直すなど編集が殆どできないらしい、無修正の写真と同じか・・
マルチマイク録音は一応ワンポイントと同じようにメインマイクを3本ほど据えるが、各パートの直接音や周囲の残響音をピックアップする指向性マイクも林立させ、要りそうな音をマルチトラックに全部拾っておき、あとでこれらをバランス良く調整し、マスタリングする、

マルチマイクのセッティング
どちらにも一長一短があり、ワンポイントは自然な音の広がりをもつが、各パートの明瞭さに欠ける例が多い、マルチのほうはおそらく生で聴けば溶け込んでしまう特定の楽器の弱奏をくっきり浮かばせることもできるし、鳴りすぎの楽器を押えることもできる、ときに編集による継ぎ接ぎで現実離れした貼り絵のようにもなる、(*過去に磁気テープに基づくLPで、再生中にテープノイズが目立ったり消えたりすのがあった、いろいろ操作した痕跡か?)
DENONのPCM録音はD.シャルプラッテンとの技術協力で名録音が多数あり、ワンポイント的な全体の自然な拡がりと、orch各パートの明瞭さを両立している、デンマークのB&K社のマイクロフォン使用とある、LP盤のカッティングも優れ最高水準と言える、このO.スウィトナー指揮、SKBのベートーヴェン Sym No.7は手持ちの音盤で5本の指に入る、

オットマール・スウィトナー指揮、シュターツカペレ・ベルリン
1981年 東ベルリン・キリスト教会
LP盤の場合、カッティングの行程が加わるが、このLPは群を抜く解像度で聞こえてほしいパート音もくっきり聴ける、

vn群の個々の音、胴の鳴りっぷりまで聞こえるような・・

しかし、先に手にしたCD(2007年発売、兼価盤)のほうは音が冴えない、HiFiバランスを丸めたようなモコモコした音で、音場の解像度も下がる、リマスター時の帯域調整の違いかと思うが、DENONの他のCDは大方良好なのに何故こんな音にしてしまったのか、

初期に出たCDはLP同様良かったのか?相変わらずDENONの音源はyou tubeへのアップが難しい様子だが、珍しく第2楽章のみ挙っていた、

you tube:スイトナー指揮 ベートーヴェン:交響曲 第7番 第2楽章
このyou tubeに挙っている音質のほうが良い気がする、PC用の小型SPではわかり辛いので、PCからstereoシステムに電波で音声を送る装置を使ってみた、

LEX Link2EX
デジタルで送信、受信機はD-A変換してアンプのライン入力へ行く、
条件を同じにするため、CDもPCにセットして電波送信した、

やはり、tou tubeの音が冴えている、LPから取った音に思える、
同じ録音でも複数出た音源ソフトのどれが良いか聴いてみるまでわからない;
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category: ベートーヴェン
K.ベーム:Beethoven Sym No.6「田園」 (リマスターCD) 
2019/06/22 Sat. 10:29 [edit]
録音会場として天井の高い教会のドームが使われることも多い、ウィーン・フィルハーモニーO.の本拠地、ムジークフェラインザールの残響時間は空席時で3.3秒と結構長い、満席時は約2秒だそうで、空席ならセッション録音には良い響きが得られていると思う、

ムジークフェライン・ザール
カール・ベームがここで1971年に録音したベートーヴェン Sym No.6「田園」だが、過去のLP盤を聴くと直接音の割合が多く、やや室内楽的で奥行きがなく、従来のDGらしい音のまとめ方だった、これなりの良さもある。一方、1993年に発売されたリマスターCDでは残響音の割合を増やし、中央付近の管楽器が距離を置いた聞こえ方になり、会場の奥行きが感じられる、第2楽章の鳥の描写など、この響きのほうが効果的でorch音楽に相応しい、



各部のマスター音源からバランスを取り直したのだろうか、同じくK.ベームとVPOのJ.シュトラウス:ワルツ集をLPとCDで比べると大幅に広がり感が違う、リマスターCDはDECCAサウンドみたいだが自然でわるくない、


音がデッド過ぎると不評だったカラヤンの'80年代初期CDもその後同じ傾向にリマスターされたようだ、ベーム,VPO盤ほどの効果はないようだが;
会場のベルリン・フィルハーモニーも響きを良くするため2008年に改修工事が行なわれ、残響時間は空席で2.4秒、満席で2.1秒だそうだが、この録音は改修前になる、

ベルリン・フィルハーモニー
ちなみにサントリーホールの残響時間は空席で2.6秒、満席で2.1秒だそうだ、

サントリーホール
単に残響時間だけで善し悪しは決められないが。
なお、you tubeにあるベームの「田園」は"Original image bit processing"とあるので、旧盤どおりに処理したということか、PC用の小型SPでは判別し辛い;

you tube:Beethoven Symphony No 6(Karl Bohm 1971)
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category: ベートーヴェン
阿川泰子:「ALL RIGHT WITH ME」(LP) 
2019/06/21 Fri. 10:26 [edit]


このアルバムが出たのが1985年で音源はデジタル、CDもすっかり普及していた頃、LP盤も出ていたのね、ファン層にアナログおじさんが多かったせいか?^^;
収録曲

しかし、これはレコード盤を廻すのが合う^^

ジャズ・ボーカルというと、ハスキーだったり個性的な声で、アドリブもこなす熟練歌手というイメージだが、このアルバムの1曲目、「IT'S ALL RIGHT WITH ME」を検索してもじつに多くの歌手が個性を活かしたアレンジで歌っている、

you tube:It's All Right With Me - 夏実泰代/Yasuyo Natsumi
ほか、ここで様々聴ける、
you tube:IT'S ALL RIGHT WITH ME
阿川泰子はプレーンな美声で、オーバーな表出を控え、落ち着いたムードで味わいを出すのが個性というか、ここが他にはない好まれるところかも、大きなバックバンドより、トリオと組んだこのアルバムが本領発揮に思える、
ボーカルが出張ることなく伴奏としっくり寄り添っている、トップミュージシャンのトミー・フラナガン・トリオと河東伸夫のtrpが一部加わり、彼らの達演も間奏部分で堪能できる、左からはフラナガンのPianoが明確に立ち上がり、A.テーラーのDouble baseがチャンネル一杯に深く拡がる、オーディオ的楽しみも十分、持っていて損はない逸品だ。
you tubeに挙っているのは1曲目の「IT'S ALL RIGHT WITH ME」のみ、

you tube:阿川泰子 It's alright with me
最後の「GOOD-BYE」は憂いを帯びた良い曲で、CMで多くの人が耳にしたと思う、
you tube:【懐かしCM】三田工業 CM集
番組のエンディングで歌っていたスタンダード集、

you tube:おしゃれ30・30 (*リンク誤り、訂正済)
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category: 歌謡・ポップス・etc
W.サヴァリッシュ:Beethoven Sym No.7 (新・旧) 
2019/06/20 Thu. 09:44 [edit]

サヴァリッシュは誇張なく、幾分快速で精緻な演奏を聴かせる、演奏、録音ともに完璧を目指したような仕上がりだ。
このLPは第二楽章のトラックで"カッシーニの隙間"みたいに暗いところがある、

弱音部分でカッティングスペースを細く節約し、ダイナミックレンジを大きく確保するスペーシングでSN比の良い厚みのある音が期待できる。
この録音はyou tubeに挙っている、

you tube:Beethoven: Symphony No. 7, Sawallisch & COA (1962)
もう1枚は1991年、EMI原盤のCD、こちらは会場の響きが豊かで奥行きがある、それでいて各パートも分離して聴きやすい好録音だ。これはyou tubeなし、

第1楽章[205]からのvn2が奏でるキビキビした活力がハッキリ効いてくる、

'62年録音に比べ、若干テンポは緩やかに思える、相変わらず堅実だが、弦の味わいが柔軟性を帯び耳心地良い。
ほかにyou tubeで2つ聴ける、まず1988年のN響との演奏で終楽章のみだが、サヴァリッシュ65歳でまさに全盛期を思わせる、(60代なんて、まだまだ元気^^)

you tube:Sawallisch Conducts Beethoven Symphony No. 7 4th movement(1988)
次は2004年、81歳のときの演奏、確かに高齢だがだいぶ体力は控えた指揮になる、N響でのサヴァリッシュ最後のステージだそうだ、

you tube:Beethoven: Symphony No.7 / Sawallisch NHK Symphony Orchestra (2004 Movie Live)*音量小さめ
コンサートマスターのサポートが目立って見える気がする。
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category: ベートーヴェン
ハイドン:Sym No.54 (Second version) 
2019/06/19 Wed. 10:28 [edit]

第1楽章はフランス風序曲のように付点を持たせた荘重な趣き、主部に入り、第1主題は弦が弾いているが、管の響きに隠れがちになっている、綺麗でも刺激的でもない簡潔な主題は発展性があり、ハイドンらしいエスプリを秘めている、
展開部は[70]から[129]に渡るが、[90]のフェルマータに続くのは疑似再現であり、

[110]から短い対位法を聴かせる、再現部も聴きどころである。

第2楽章、アダージョ・アッサイはハイドンの全Symの中で最も演奏時間が長い、後半の反復を行なえば約18分、省略しても12分程になる、疾風怒濤期の静謐な緩叙楽章を最も高めた内容で弱音器付きのvnほか全楽器の溶け合うホグウッド盤が素晴らしい、穏やかな気分で白昼夢を見るような音楽は後半でより深くなる。
メヌエット Allegrettoはvnに前打音がつき、跳びはねるユーモラスな主題で一転させる、

終楽章、Prestoも引き続き活力があり、入念に書かれた内容を持つ、T.ファイ盤ではバス部の動きを強調して聴かせ、終楽章に彫りの深さも与える、また反復の際、vn1の[74]および[78]のアウフタクトに上行パッセージの装飾を入れ、これが決まっている、

ホグウッド盤は全楽章、反復を行なっている、
クリストファー・ホグウッド指揮、AAM

you tube:J. Haydn - Hob I:54 - 2nd Version - Symphony No. 54 in G major (Hogwood)
T.ファイ盤は聴き手を客席ではなく、演奏の場に立ち会わせるような迫り方である、第2楽章では弦楽を遠くに、管を近くに聴かせるバランスだ、
トーマス・ファイ指揮、ハイデルベルクSO

you tube:Symphony No. 54 in G Major, Hob.I:54:
I. Adagio maestoso - Presto II. Adagio assai
III. Menuett: Allegretto IV. Finale: Presto
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category: F.J.ハイドン
阿川泰子:スタンダード曲集 
2019/06/18 Tue. 10:41 [edit]

これは過去に聴いてお気に入りだ、
一方、スタンダードな曲も聴きたいと思い、サンプル盤として、いくつかのアルバムから抜粋した2枚組CDを取り寄せた、これを元に良いアルバムを、できればLPで探そうという算段、

'50年代からのスタンダードが揃っている、ニューアレンジで聴かせる曲もあれば、昔ながらのスタイルもある、「ムーンライト・セレナーデ」など超定番の曲はnewアレンジだ、
特に良いのは、本場のトミー・フラナガン・トリオと組んだこれだろうか、

アルバム:ALL RIGHT WITH ME
弓で弾くコントラバスならいつも聴いているが、うちのシステムでジャズのウッドベースを聴いたのは何年ぶりか;;その場を包み込むようなベースにピアノとドラムスが冴える、一流ミュージシャンのトリオと阿川のボーカルがうまく寄り添っている、

キャリアのあるボーカリストには至らないと評される向きもあるが、20代後半でデビューして、このレベルでやってしまうのは凄いと思う。

you tube:阿川泰子 It's alright with me
CDの音もひじょうに良くてこれでいいくらいだが、抜粋なので、やはりアルバムの全曲が聴きたい^^
PS. このところ深夜外出すると20℃くらいになっているが、半袖の夏服では小寒いくらい、
今の車は温度計が付いていて、車内の温度じゃなく、赤外線センサーで外気温を示す、
しかし、暑いよりはずっとマシで梅雨の合間の大陸高気圧というのは心地よく、エアコンを止めて音楽もじっくり聴けるv

気象庁
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category: 歌謡・ポップス・etc
O.スウィトナー:Strauss family ワルツ、ポルカ集(LP) 
2019/06/17 Mon. 10:23 [edit]
擬音では鳥の声など木管楽器が得意、雷鳴はティンパニやバスドラム、大砲の音もバスドラムでいけるが、ズバリ本物を使ったりする;
一方、雷の電光など、光に音はないがピッコロの高い音でイメージさせられる、日本語でいう「ピカッ」と言うのに近いかな、ベートーヴェンのSym「田園」では様々聴ける、
ヨハン、ヨゼフのシュトラウス兄弟もポルカの中で描写をよく聴かせる、作曲者自身が書いた描写もあれば、別人が擬音効果を書き加えた版もある、
さて、O.スウィトナーのヨハン、ヨゼフ兄弟の曲を集めたアルバム、兄ヨハンの曲は有名どころのみA面に収め、B面は弟ヨゼフのポルカになっているのが目先が変わって新鮮である、

オットマール・スウィトナー指揮
シュターツカペレ・ドレスデン
ドレスデン・ルカ教会(1970/1979)D.シャルプラッテン
収録曲は以下のとおり、青文字はyou tube:にリンク
ヨハン・シュトラウスII

1. ワルツ「美しく青きドナウ」op.314
2. アンネン・ポルカ op.117
3. ポルカ「雷鳴と電光」op.324
4. ワルツ「我が人生は愛と喜び」op.263
ヨハン・シュトラウスI
5. ラデッキー行進曲 :ヨハンI op.228
ヨハンII&ヨゼフ
6.ピチカート・ポルカ op.234
ヨゼフ・シュトラウス

7.ポルカ 休暇旅行で op.133
8.ポルカ 女心 op.166
9.ポルカ 風車 op.57
10.ポルカ とんぼ op.204
11.鍛冶屋のポルカ op.269
12.ポルカ おしゃべりな可愛い口 op.245
1.ワルツ「美しく青きドナウ」はさすがスウィトナーらしい美質で聴かせる、ゆっくりめだが心地よくリズムに引き込み、しなやかで気品がある、
3.ポルカ「雷鳴と電光」ではウィンド・マシンを使って強風の音も加えている、のちに加えられたアイデアで、これは厚布をローラーで摩擦して風音を作る楽器である、

6.ピチカート・ポルカも名演、強弱幅を大きく取り、中間部で用いるグロッケンシュピール(鉄琴)を微かに鳴らして溶け込ませる、
8.ポルカ「女心」って・・「こうなの?」と教えられるような^^
10.ポルカ「とんぼ」、とんぼを描写した音楽は初めて、無音の羽ばたきをvnの弱奏トレモロで表現、空中に静止したり素早く移動するイメージが見事に浮かぶ、
11.鍛冶屋のポルカ これはとても楽しい、本物の鉄床を2つ使う、


ドレスデン、ルカ教会に響く極上の鉄床音、D.シャルプラッテンの鮮明な録音で伝わる、

こういう音源こそ、かつてのHiFi時代のスピーカーで聴き応えありそうだ、
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category: その他・ロマン派
ハイドン:Sym No.70 
2019/06/16 Sun. 09:29 [edit]

このほかNo.30「アレルヤ」、No.40、No.50、No.80、No.100「軍隊」、いずれも珍しい書法で特徴的だったり、ユーモアが効いた曲が揃っている、
今日は70番、小作りで継ぎ接ぎ感のある曲だが、終楽章が傑出して素晴らしいのが特徴、
ハイドンがSymの60番~70番代を書いた頃の1770年代後半、エステルハーザに新しくオペラハウスが造られ、ハイドンはオペラの作曲、上演が忙しくなり、交響曲は空白期間だったらしい、何曲か書かれた交響曲もオペラ音楽から転用された楽章があった、No.70ニ長調もそんな時期の曲と思われる、
第1楽章は一応ソナタ形式だが、何か劇音楽用に書かれた曲の転用とも推測される、活気に満ちて面白いが、いつものような内容はない、
第2楽章は「二重対位法のカノンの見本」と珍しくタイトルが記されていて、バロック的な書法も用いた変奏曲、ニ短調の悲歌的な主題が長調に転じ交互に出る、flが重なる短調部分の変奏が魅力だ。
メヌエット、総奏で始まる堂々とした主題、トリオ含めとくに凝ったところはない。
終楽章、ニ短調で第1の主題はppで聴力検査の信号音のように始まり、奇妙な導入部となる、

フェルマータを置き、[27]から「三つの主題を持ち、二重対位法による」と記されたフーガに入る、[44]から管楽器も主題の演奏に加わり、timpも第1のテーマに対応できる、

[120]からクライマックスで連続バスが入るが、バロック期からの定型、

短いながらバロック様式を見事に取り入れた楽章、終わり方もユーモラス、この終楽章が隅に置けない作品にしている。
因みにSym No.40の終楽章もNo.70の前身的なフーガ楽章になっている、
今日はC.ホグウッドとG.アントニーニの演奏を挙げる、終楽章だけでもお勧め、

you tube:J. Haydn - Hob I:70 - Symphony No. 70 in D major (Hogwood)

you tube:J. Haydn: Symphony No. 70 | Giovanni Antonini | Il Giardino Armonico (Haydn2032 live)
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W.サヴァリッシュ:J.Strauss ワルツ集(LP) 
2019/06/15 Sat. 09:45 [edit]
過去にもそうだったが、枚数の揃った本店でめぼしいものが1枚もないときがある一方、支店のほうが意外に掘り出し物があったりする、いつか欲しいと思いつつ、オークションにも出てこなかった盤がひょいと見つかる、
昨日の収穫は、N響ゆかりでお馴染みのW.サヴァリッシュ、O.スウィトナー、両氏のJ.シュトラウス一家(ワルツ、ポルカ)のレコードが続けざまに出てきた、これらの音盤が出ていることも知らなかったので興味津々、
録音がPHILIPS(原盤)とD.シャルプラッテンというのも期待できる、


左:ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮、ウィーン交響楽団(1961)
右:オットマール・スウィトナー指揮、シュターツカペレ・ドレスデン(1970/1979)
J-POPのコーナーで、盤を次々とめくっていった最後のほうで阿川泰子のアルバムが出てきた!
昔、友人に借りて欲しいと思っていた1枚、やはり支店は呼ぶ^^

阿川泰子:アルバム「サングロウ」
いずれも盤状態は良好、まず、サヴァリッシュのJ.シュトラウスを聴いた、
スウィトナーがN響でJ.シュトラウスを指揮したのは一度だけTVで聴いたが、サヴァリッシュは憶えがない、録音が出ていたのも知らなかった;
兼価盤のfontanaで原盤はPHILIPS、orchはVSOで会場はムジークフェライン・ザール、1961年の録音だが古さはまったくない、会場の響きも程よく入り、厚みのあるサウンドでブラスやパーカッションがガツンと出てくる、さらに各パート音が明瞭に聴ける、PHILIPSらしい良い仕事をしている、

「ブルードナウ」を頭に名作を集めてある、「ウィーンの森の物語」のツィター奏者は記されていないが心地よい名演、
サヴァリッシュはワルツやポルカをorch作品として手堅く、シューマンかブラームスでも聴かせるような引き締めた感覚で申し分ない、同年にD.グラモフォンに録音された、F.フリッチャイ指揮、ベルリン放送SOのシュトラウスに匹敵する充実感がある、J.シュトラウスは小編成の編曲でも演奏されるが、やはり、フルorchでシンフォニックなのがいい。

ここを開くとサヴァリッシュの動画が一連で出てくる、
you tube:Wolfgang Sawallisch Johann Strauss
PS.ツィターの演奏は難しく、弾く人も今は少ないと聞く、

you tube:Rolf Playing the Zither
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category: その他・ロマン派
阿川泰子:アルバム「FINE!」(LP) 
2019/06/14 Fri. 09:15 [edit]

名鉄線が地下に入るところ、
買い取ってもらうCDを袋に一杯詰めて行った、結構重かったが、

全部引き取ってもらえたので帰りの荷物は軽くなったv
昨日はクラシックのコーナーは覗かず、好きなボーカリストのLPはないかと物色、阿川泰子のアルバムを見つけた、J-POPではなく、Japanese Jazzのコーナーにある、

盤状態はとても良好、うちの機器ではMCカートリッジがボーカルには合う、CDも出ているが、これはレコード盤が正しい?^^

阿川泰子:この人はなんだか突然現われた記憶だ、女優としてスタートしたが、役に恵まれず一向に転機がなく、ジャズボーカリストに挑戦、転向したという、いつの間に実力をつけたのか、詳しい経緯はわからないが、いきなり本格歌手で登場、最初のアルバムを出したのは27歳くらい、ヒット曲歌手とは一線を画している。最初から歌手になればよかったのに、と思った人も多いのでは・・突然の転向が良かったのかも?
シュガー・ボイスとも言われるが、いい感じの"あねさん声"に聞こえ雰囲気もよい、オールドタッチでもモダンアレンジでもいける、
*) 音量差あり

you tube:阿川 泰子 HD ~It's A Sin To Tell A Lie~

you tube:阿川泰子 サマータイム Summer time ライブLP

you tube:A列車で行こう 阿川泰子
you tube:サーカス&阿川泰子 = グレン・ミラー・メドレー
PS. あねさん声に対し、おっ母さん声に聞こえるのがこの人、民謡で鍛えた声の張り、小ぶしが見事だが、この若さ(25歳頃)からこの声だったとは驚き!

you tube:花街の母 金田たつえ
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古今亭志ん朝:「唐茄子屋政談」 
2019/06/13 Thu. 11:16 [edit]

大店の若旦那が遊びが過ぎて、勘当されるってのはよくある話だが、友人宅にも長くは世話になれず行く当てがなくなり、食うや食わずで行き詰まり、川に身投げしようとしたところへ、通りがかった叔父に止められる、「おめえとわかってりゃ止めるんじゃなかった」と言いつつも;叔父が面倒をみることになり、商人を一から修行させようと、担ぎの唐茄子(かぼちゃ)売りをさせることに、
重い天秤を担ぎ歩いていたら、転んで荷も散らばってしまう、居合わせた気のいい男が助け、通りがかっていく近所の知り合いを次々呼び止め、唐茄子を買わせる、ここがトントンといいところ、大方売れて軽くなった残りを担ぎながら、売り声の稽古をするが、吉原通いを思い出して、新内小唄など口ずさむ粋な場面もある、

やがてある貧乏長屋に行き着く、その一軒のかみさんに呼び止められ、唐茄子を売るが、その家の子がえらく腹を空かせている、事情を聞けば亭主は浪人で小間物屋で旅商いをしているが、送金が途絶え、長屋の雑用を請けながら苦しい暮らしが続いている、そこでこの若旦那、あまりに気の毒で売上金を全部置いて飛び出してきた、
叔父の家に帰るが、売上げを人にやってしまった理由を話す、一応事を確かめようと、叔父と一緒にその長屋へ行く、すると例の一軒の前に人だかりが・・そのかみさんが首吊りをはかったらしい、医者が診ているが助かるかわからない、隣に住むばあさんに話を聞くと、そのかみさんがあの売上金を返さなきゃと、唐茄子屋の若旦那を追っかけていったが、長屋の因業大家に出くわし、溜まっていた家賃として取り上げられてしまった、それで思い詰めて首を吊ったらしい、それを聞いて怒った若旦那、大家の家に乗り込み、啖呵を切りとっちめる、ここが痛快、長屋の連中も喜ぶ;首を吊ったかみさんはなんとか助かり、若旦那は良い事をしたと勘当が解かれ、めでたし。
結構長い話だが、人の情、粋、喧嘩、テンポ良く何をやっても絵になる志ん朝の話芸がじっくり味わえる。

you tube:古今亭志ん朝(三代目) - 唐茄子屋政談
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category: 落語
Haydn:Sym No.43「マーキュリー」 
2019/06/12 Wed. 10:01 [edit]

第1楽章、アレグロは急楽章ながらデリケートな内容を含む、fで始まるが何か道を探るような様相、[26]からようやく快調になる、

[79]からvn1にシンコペーションで現われるのが第2主題か、爽やかな印象、

展開部の入りも随分迷う感じだ、疑似再現を入れてさらに深い展開部が続く、
第2楽章、疾風怒濤期の典型といえる緩叙楽章、弱音器を付けたvnの"遠くで鳴る"ような夢想の味わい、[62]からのゼクヴェンツは[90]まで続くが、どう転調するかで引き付ける、

メヌエットは明快な主題、No.53「帝国」のメヌエットもそうだが、こういう健康的な主題は楽しく、飽きがこない、

終楽章、アレグロはソナタ形式で第1楽章と同じく、すんなり快調にはならない練った感覚だ、展開部は怒濤の魅力、後半も反復するのが望ましい、またハイドンとしては珍しく、後半の反復のあと[162]から、モーツァルトみたいにコーダが追加される、

まず、C.ホグウッドの演奏がいつもながら良い、

you tube:J. Haydn - Hob I:43 - Symphony No. 43 in E flat major "Mercury" (Hogwood)
もう1つ、トーマス・ファイのガツンと歯応えのくる演奏、

you tube:Symphony No. 43 in E-Flat Major, Hob.I:43, "Mercury":
I. Allegro II. Adagio III. Menuet - Trio IV. Allegro
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category: F.J.ハイドン
Haydn:Sym No.45「告別」 
2019/06/11 Tue. 10:13 [edit]

形式上、[141]からが再現部と思われるが、ここからが型破りで展開部以上の聴きどころ、

第2楽章はイ長調、この時期特有の夢想的な緩叙楽章に引き込まれる、第3楽章メヌエットは嬰ヘ長調(♯が6つ)で書かれ、終止形で終わらず、終楽章(嬰ヘ短調)へ続く、緊迫感を帯びたプレストが駆け抜け、アダージョ(イ長調)が続く、ここからハイドンは全パートを1段ずつに分けたスコアにしている、vnも4パートに分け、fagやcbも独立して書かれている、

奏者が退場するにつれ、段数が減っていき、最後はvn1と2の2段で終わる、
またこの楽譜からエステルハーザのorchには通奏低音のチェンバロは無かったとされる、各奏者は退場前に短いソロを演奏するが、ハイドン自身はvnを弾いていたそうで、チェンバロ奏者がいたとしたら、退場前のソロを書いてしかり、という根拠である。
R.ランドン版の楽譜に基づき、ロマンティシズムの垢を取り払った演奏を初めに聴かせたのはアンタル・ドラティだろう、

you tube:Haydn Symphony No 45 F sharp minor 'Abschied', Antal Dorati Philarmonia Hungarica
古楽器orchの演奏も多く出たが、全集録音の中で特に気に入っているのがホグウッド盤で、緻密な中にも弦が程よくしなやかで味わいがある、C.ホグウッドも先述の根拠でチェンバロの通奏低音は省いている。

you tube:J. Haydn - Hob I:45 - Symphony No. 45 in F sharp minor "Farewell" (Hogwood)
なおDECCAから出ている古楽器orchによる全集はホグウッドとブリュッヘンの録音が互い違いに入っており、異質で統一性がない、

疾風怒濤期を聴くなら、ホグウッドの未完の全集のほうが良い、

この曲の実演では終楽章のアダージョに演出が要る、アダム・フィッシャーが気合いの入った演奏とともに楽しませる^^

you tube:Joseph Haydn - Symfoni nr. 45 (Farewell) - DR UnderholdningsOrkestret - Adam Fischer
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category: F.J.ハイドン
R.クーベリック:Beethoven Sym No.8(LP) 
2019/06/10 Mon. 11:30 [edit]
このところ気分快復のため、お気に入り盤を聴いている、クーベリックが70年代、DGの企画によりベートーヴェンのSymを1曲ごとにorchを変えて録音したシリーズがあるが、録音が不揃いというデメリットのほうが大きい気がする、
最も気に入ったのが、クリーヴランドOを指揮したNo.8である、活気に満ちた、すんなり楽しめる演奏で録音も好ましい、全楽章、timpが豪快に出て引き締めている、

交響曲No.8ヘ長調
ラファエル・クーベリック指揮
クリーヴランドO 1975年 DG

第1楽章、活気をもって開始、ぐっと弱奏は引いて、弦はしなやかなタッチ、vn1、vn2を左右に配置しているので、パートも分離して聴きやすい、

展開部など対位法の部分で弦パートの位置関係が立体的で効果がある、

第2楽章は普通くらいのテンポで小気味よくまとめる、
第3楽章は単調ではない面白い楽章で指揮者による違いも興味深い、アウフタクトで助走を付けるような始め方でtrp、timpにより主題が先行して現われ、強調されるのが効果的、

その後もずれた形で現われる、クーベリックはゆったりしたテンポでリズムに十分重みを持たせる、長閑なトリオのhornとclは滑らかで心地よい、
終楽章、快速で、弱奏との対比十分にキビキビと決める、バランスの良い録音で最後まで心地よく聴ける。
No.8は対位法など書法的充実が十分で"長くない"のが良いv
you tubeもLPからの音源、

you tube:Beethoven Symphony No.8 - Raphael Kubelik/Cleveland Orchestra (from LP)
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category: ベートーヴェン
夏の服地 
2019/06/09 Sun. 09:01 [edit]

気象庁
衣類に拘るわけではないが、着心地が快適で色柄も無難、というのがあれば、他のはまったく着なくなり、クローゼットに溜まったものは思い切って捨てたほうがすっきりする、8割方か;
たかがTシャツでも無駄な物は買いたくない、合繊だけで出来た伸縮の柔らかいのに多いが、数回洗うと細かい毛玉だらけになるのがあって肌触りも不快、
綿ベースで汗を吸う生地が良いが、綿100%より、ポリエステル混じりのほうが吸いやすいと聞く、そこで2種試すことにした、

綿100%、胴の脇に縫い合せがない(丸編み)
*丸編みとは生地を円筒状に繋げて編む方法で、靴下には欠かせない、下着シャツの胴もこの編み方が多い、

綿70%、ポリエステル30% 胴の縫い合せあり
良さそうなのをサンプルで1、2枚取り寄せて品定め、良ければ色違いで追加する、あとはタグが取れればいい;のんびりしてると良い品は売り切れ、再入荷はない、
同じ製品の色違いで、特に「黒」は染料のせいか手触りが少し硬いことがある。
このデニムは同シリーズの色違いで、値段も同じ、ストレッチ生地なのだが、

Made in USA
左の生地はゴムみたいにビョンと伸びて、サッと戻る感じ、これでも良いのだが、
右はしんなりと伸びて、ゆるりと戻り、しっとり感触、当然、右が快適で上質な感じ、生地の製造元が違うのか、織り方が違うのか、色違いで品質が変わるのはよくある。
アメリカ製はウエストに対し、ヒップや太ももの比率が大きい気がする;その分ゆったりするが、生地の質や染め色、縫い仕上げは良い。
東南アジア製は体型が合い^^低価格なのが助かる、高級感は譲るが、まあ普通、生地や仕上げも特に難はない、

Made in China & Vietnam
製造国は違うが、発注者が同じか、外形デザイン、各部の寸法は同じ型のようだ、
地元の大型スーパーにも衣服のテナントが多く入っているが、歩きまわっても、これはという品がない、衣料チェーン店も同様、結局通販のほうが選択肢が広い、寸法も大方希望どおり選べる、もし大きかったら詰め縫いするのにも慣れた^^;

しかし、あまりにみんな着ているブランドって避けたくなる;
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category: 時事・雑記
O.スウィトナー:Brahms Sym No.4 (セッション & ライヴ) 
2019/06/08 Sat. 08:26 [edit]


ブラームス 交響曲No.4 ホ短調
オットマール・スウィトナー指揮、シュターツカペレ・ベルリン
左:1986年 セッション録音 D.シャルプラッテン、 右:1981年6月8日 ライヴ録音(東京厚生年金会館)
セッションのほうは録音会場の音場感豊かでD.シャルプラッテンらしい名録音だ、豊かな低音、彩り感十分のhornや木管、清涼なvn群、ピラミッド・バランスで、スピーカーシステムが良ければそれに応える音源だ。
ライヴのほうはホールトーンが殆どなく、orchに接近した分離のよい音で別の意味で好録音、SKBサウンドの聞こえ方の違いも興味深い、
第1楽章は意気込まずさらりと開始、展開部以降、熱気を込める、ライヴのtimpは爆音的だ、
第2楽章は管が主体で始まるが、その天然な味わいが良い、[88]からの弦楽は清涼で深みがあり、慈味を帯びていて、ライヴのほうは極めつけと言える、

第3楽章は速めのテンポでキビキビ引き付けていくが、ライヴのほうはさらに速く、強調された感じである。
第4楽章、演奏の基盤はセッションも同じだが、終楽章は特にライブのエネルギー感が圧倒する、パッサカリアの開始はゆっくりめ、じりじりと懐深く進め、穏やかな中間部を経て、[129]から速度を速める、[132]からのffが凄い、

以降、緊迫感のうちに最後まで運び、終結音もスパっと短く切る、
幸い、両録音がyou tubeに挙っている、

you tube:スイトナー指揮ブラームス交響曲第4番(セッション)

you tube:Brahms Symphony No. 4 - Suitner, Staatskapelle Berlin (ライヴ, 1981)
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category: ブラームス
形成中の系外惑星を直接撮像 
2019/06/07 Fri. 09:21 [edit]
これまで、原始惑星系円盤に惑星が形成されつつあると思われる場所に円盤の隙間がいくつか観測されてきたが、これも極めて高い解像度が必要だ。

アルマ望遠鏡撮影
6月、オランダ・ライデン大学のSebastiaan Haffert氏らが、ESOのVLTを用い、ケンタウルス座約370光年にある、中心に矮星をもつ原始惑星系「PDS 70」を回る2つの系外惑星の撮像に成功、1つの惑星系に複数の惑星が直接撮影されたのは2例目となる、

PDS 70b(左下)とPDS70 c(右上)、十字印が中心星PDS 70の位置 資料:ESO and S. Haffert (Leiden Observatory)
今回のPDS 70系の撮像は原始惑星系で成長しつつある惑星としては初めてとなる、
この内の1つ、PDS 70bは2018年7月に捉えられており、質量は木星の4~17倍と見られ、公転半径は太陽~天王星と同じくらいで、公転位置は円盤の隙間の内縁に近い、

you tube:Zooming in on the orange dwarf star PDS 70 and its newly discovered planet
今回、PDS 70bに加えPDS 70cが同時に撮像された、PDS 70cは木星の1~10倍と見積もられ、公転半径は太陽~海王星よりやや遠く 円盤の隙間の外縁近くにある、

PDS 70系の想像図、惑星は若い中心星を取り巻く原始惑星系円盤からガスを降着させながら成長中で、惑星の重力によって円盤内に大きな隙間ができている 資料:J. Olmsted (STScI)
またSDS 70bが2回公転する間に、PDS 70cが1回公転する軌道共鳴の関係もわかった、太陽系の木星と土星も軌道共鳴の関係にある。
一つの惑星系で複数の惑星が直接捉えられたのはペガスス座約129光年にあるHR 8799系が1例目で、4個の惑星が動画撮影された、ケプラーの法則、ニュートン力学どおりに動いている、

you tube:Video of FOUR directly-imaged EXOplanets orbiting the star HR 8799
中心星の光はコロナグラフで遮ってある、いずれも木星を大きく上回る大きさで、中心星からの距離も15~68AUと離れているため撮像を可能にしている、
以上は惑星系の形成仮定の研究において貴重な観測データとなる。
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category: 宇宙・天体
落語:算段の平兵衛 Ⅱ 
2019/06/06 Thu. 09:12 [edit]
一方、正義などまるでない話で;一旦はやる人が途絶えたという古典を桂米朝さんが復活させた1つ「算段の平兵衛」、算段というと上手い手段を考え出すという意味だが、先まで読んだ悪知恵に合う感じがする。米朝さんは、あんまりおもろない、と前置きしながら、あまりに面白かったので、ほかの人のも聞いてみたくなった。
今回は桂文珍と桂南光のお二人で聞いた、本筋は米朝さん直伝のようだが、それぞれの持ち味からして聞く前から期待できる、枕も個性がでる、最後の下げも各々変えている。

you tube:算段の平兵衛【桂文珍】

東尋坊

you tube:桂南光 「算段の平兵衛」
庄屋は自業自得の部分もあるが、死んだあとの扱われ方が凄い;出てくるのは己の都合ばかり考え、平兵衛に頼る不心得な連中ばかり、しかしバレなければ自分もそうしたいと思わせるのが;人の暗黒面を突いた笑いだ^^
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category: 落語
ジャム作り 
2019/06/05 Wed. 09:31 [edit]
小粒で安い苺があったので、3パック買ってジャムを作る、

苺100%と砂糖のみ、適量の水で鍋で煮込み、火が通ってきたらミキサーで潰す、あとは弱火にかけて、水分を減らすのみで、だいぶ嵩は減る;
ペクチンを入れれば減らさずに粘りが付く、市販品はイチジクを混ぜて増量したのもあったが、苺の果肉のみで味を濃縮した。適度な粘りになったら出来上がり、冷蔵庫に入れると粘りが増すので、鍋の中では少々緩くてもよい、

味見もせずテキトーにやったが、どんな出来か、恐る恐る食べてみた^^;
苺くさい野性味と酸味が濃厚、砂糖のバランスも良かった、
トーストにマーガリンを塗って少量乗せればいい、

昔作ったのは、苺畑に残った出荷できないのををタダで貰って、半分白いのや酸っぱいのもかなり入れたけど、それがまた美味しかった。
ほか、よく作ったのが揚げパン、食パンを細く切って茶色くなるまでカリっと揚げ、シナモンシュガーを振って食べるのも美味しい。

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category: 時事・雑記
J.リンドベルイ:S.L.Weiss Lute Music II 
2019/06/04 Tue. 09:46 [edit]

シルヴィウス・レオポルト・ヴァイス Lute Music II
ヤコブ・リンドベルイ:Lute
BIS 2009年
リンドベルイのヴァイスの前アルバムではオリジナル楽器にガット弦を張った演奏で楽器の音にも味わいがあった、今回は2009年の録音でマイケル・ロウ作の13コースlute、弦は1コースがナイロン、あとはAquilaの"NG"と巻弦"D"のようだ、まあ2009年頃というと、ローデドNGもなかったし、こんな組み合わせが多かった、BISの録音が鮮明なだけに1コース(ナイロン弦)のペランとした音質が目立ってしまう、
1曲目のSonata No.39 ハ長調はフランス風序曲をもつ、クーラントやサラバンド、終曲のプレストなど長大である、リンドベルイはいつものように端正で落ち着いた演奏、序曲はグラーヴェに続き、アレグロはストレッタのフーガで緻密に書かれている、バス弦によるラインは特に消音を行なわず前楽章大らかに聞こえる。
2曲目に入った、「ロジー伯の死を悼むトンボー」も弱奏基調で深遠な味わい。
3曲目はSonata No.50 変ロ長調、これも計30分の大作、ヴァイスの舞曲等は前半後半の二部だが、後半には転調で引き付ける展開部的要素があり、ソナタ形式の前身のようだ。
*ここで聴いた Sonata No.39 ハ長調ほか、特に今村泰典の演奏に匹敵するものは他になく、鍵盤曲のように徹底したバスラインのコントロールで音楽が引き締まる、

you tube:YASUNORI IMAMURA - Silvius Leopold Weiss, Sonata No 39 C Major "Grande Partita"
*興味深いところで、鍵盤による演奏(序曲のみ)もあったが、今村氏のリュートのほうが快調である、

you tube:Sylvius Leopold Weiss (1686 - 1750) Sonata No. 39 in C major, Ouverture and Allegro

sonata no.39 序曲より
「ロジー伯の死を悼むトンボー」は初めて録音で紹介したのは、ギターのA.セゴビアだろうか、意外に古くから知られているが、6弦のギターでは音域不足をもろに感じてしまう、この曲はどう捉えて表現するか難しい、これまで聴いたなかでは、エドアルト・エグエスの鬼気迫る演奏が強く印象に残る。
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category: S.L.ヴァイス
Tシャツのタグ 
2019/06/03 Mon. 10:29 [edit]

硬くてカサカサしたタグは最悪、無神経で腹立たしいほどだ、鋏で切っても、僅かに残った部分がチクチクする、大抵、後ろ襟のタグは糸切鋏などで縫い糸を切り全部取ることができるが、ミシンで縫い付けてあるので取りにくい、

脇腹にあるタグはTシャツ本体の縫い合わせと一緒になっていたりしてタチが悪い、
このように内側の縫い合わせを被せて縫い付け、肌に接しないようにしているが、Tシャツと同じ色の糸が要る;毎回のことで面倒だ、

タグなしの良品があれば助かる、

直接プリント
ついでに季節はずれだが、毛糸(ウール)が直接肌に触れるのが嫌な人って結構多いと思う、冬の外套着で襟周りに毛皮の毛が立っているのもくすぐったい、毛糸の繊維が細くて柔らかくても、何かダメなのだ;羊の毛と限らない、自分の髪が抜けて下着の内側に1本入ってもやたらモゾモゾする、
このチクチク、モゾモゾが嫌なだけで、アレルギーとは違うのかもしれないが、毛糸のハイネックセーターは首の感触が着ていられない;
これにツナギのジーンズの組み合わせは最悪、(ツナギはトイレで面倒ってことで;)

昭和はハイネックを"トックリ"と言った
今は綿製糸のセーターのみにしている、

綿製糸セーター
昭和の母さん達はこんな編み機を使って家族のセーターとか腹巻きとか作っていたのを思いだす、左右にスライドさせる部分があって、ガーと音がして編んでいく、先に通し輪のあるアンテナみたいな所を毛糸が通ってきて、毛糸玉から手繰る、

小さなフックがいっぱい並んで毛糸が掛かっているが、1つ外すとそのラインがほどけて行き、手で編み直して編み柄を付けていく、これを教える教室があった、懐かしいが、毛糸が苦手であまり嬉しい記憶はない。
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category: 時事・雑記
落語:佐々木政談 
2019/06/02 Sun. 12:13 [edit]
落語でも歌舞伎でも古典ものというのはクラシックであり、中身はすっかり憶えているが、演ずる人の持ち味、名調子でもって楽しめる、先日の上方落語「佐々木裁き」の話は面白い、
上手い具合にこの佐々木信濃守は大阪東町奉行を1852年から5年間勤めたのち、1863年から江戸の北町、のちに南町奉行へと転勤している、江戸でも活躍した史実があることから、江戸版の話としても成り立つわけで、こちらは「佐々木政談」と呼ばれる、内容は「佐々木裁き」とまったく同じ、子供達の「お奉行様ごっこ」で騒ぎとなる。

これまた好きな三遊亭圓生と古今亭志ん朝の動画が挙っており、こりゃあ聞かずには置けないってんで、聞いてみると、これが江戸らしい風情で同じ話が楽しめる、とくに親父の小言の言い方が江戸っ子らしくていい、差し紙(呼び出し状)が届いて町役達が白吉の事で愚痴こぼすところなど可笑しい、
大阪の桂米朝は白吉が奉行さながらの口調で思い切りマセているのが面白い、東京版では白吉は子供らしい口調だが言うことは鋭い、という切り口で可笑しい。
「飴振って痔固まる」のくだり、これは大阪版独自かな^^

you tube:三遊亭圓生(六代目) 佐々木政談*

you tube:古今亭志ん朝 佐々木政談*
さすが両名人、絶品である。
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category: 落語
昭和の家電 <追記あり> 
2019/06/01 Sat. 10:12 [edit]
その頃の電気屋さんは家電を売った家に修理に行くのが当り前で、電気工学のプロだった、
故障の症状でおよそ見当がつくようで、製品には必ず回路図が付いており、それを見ながら故障箇所を探った、劣化した真空管や整流器など交換し、原因はこれだと説明があった、しかし古くなれば満身創痍で買い換え時となる、TVはブラウン管の劣化で、画像のフォーカス、コントラストがぼんやりしてきた、こうなると寿命、


テストパターン
ブラウン管も真空管の一種で、後期には画質やカラーの色調はかなり向上したが、寿命は伸ばせなかった、
懐かしい外観でじつは液晶テレビ、という製品も出ている、ワイド画面はそれらしくないが、下の操作部分や脚はマニアックにデザインしてある^^

トランジスタの時代になっても、アンプの鉱石類が劣化して不具合が出ることも多かったが、ステレオのアンプ部など過去にはすぐ鉱石類が劣化、ノイズが出だし、コンポーネントになる前のプレーヤー・ラジオチューナー・アンプが一体だったステレオは始末が厄介だった、

近年の単体アンプは普及品でもこういう劣化が少なく、可変抵抗やスイッチ、セレクターも接触不良にならず長持ちしている、CDプレーヤーも初期に比べて故障しない、
オーディオでは今も真空管アンプがあるが、この真空管は低電圧で使うので長持ちする、因みに白熱電球も電圧を下げ、暗めに点灯させると大幅に寿命が延びる、真空管は暗いので電飾効果は少ない;発光ダイオードで管をライトアップする製品もある;回路は単純で故障も起こらず、劣化する部品は真空管くらい、交換すれば長く使える、そこは良いところ。

細かなプリント基板を使わず、電線をハンダ付けするだけのキット製品も出ているが、どうにか組み立てて、ちゃんと音が出れば労が報われる。日本では作られない真空管は今もロシア、中国などで軍用機器用に作られ、一部が転用されているらしい。
真空管はどうやって作るのか、知らずにいたが、ガラス工芸の技も加わった、高度な手工品であるのがわかった、中の空気を抜いてどのようにガラス管を塞ぐのか疑問だったが、なるほど真空容器の中で行なえばよい、

you tube:How It's Made - vacuum tubes
PS.1964年の東京オリンピック前に最初期のカラーTVが普及したが、この頃は放送局側のカメラもTV受像機もまだ未熟で、色調の標準も定まってなかったようだ、開会式の中継アナウンサーが講談師みたいな喋り方;
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category: 昭和の記憶
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