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Michael: Classic音楽,Lute,宇宙

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学 etc

コヴァセヴィチ:Brahms Piano con No.1(再)  

好きな曲はハマると依存症になってくるが、ブラームスのpf協奏曲No.1もその1つ、異なる演奏者で何枚も音盤を揃えてしまった、その中から今日はスティーヴン・コヴァセヴィチpf、W.サヴァリッシュ指揮、ロンドンPOの演奏を再掲。 
51BAQNml4bL_20180328105726a5a.jpg
ブラームスpf協奏曲No.1
スティーヴン・コヴァセヴィチ:pf
ウォルフガング・サヴァリッシュ:指揮
ロンドン・フィルハーモニーO

第一楽章、前奏部はレガート気味に悠然とした演奏も、それなりに魅力がでるが、サヴァリッシュの楷書的でキビキビとした演奏は期待どおり引きつける、コヴァセヴィチのpfソロはアゴーギグは控えめでサラサラと入る、粒立ちとキレのよい心地良さ、[157]からのソロは弱奏で大事に聴こうとさせる、
157_2019103112025368c.jpg
木管合奏を挟み、[184]から同じテーマを弦の弱奏でしみじみと引きつける。

*余談だが、pfパート、左手が9連符で上が6つだったり、部分的に3連符の表示があったり、聴いていても難しそう;数の違う連符が重なる場合、考えないほうがいいと聞いたことがある;
204.jpg

[226]から展開部で、pfが加速気味にffで開始、ここからはダイナミックに追い込んでいく、
[438]からpでtimpが叩かれるのに気づいた、細やかに聴かせてくる。
438_201910311202555e7.jpg
第二楽章、orch.はひじょうに弱音基調だ、それが一段と荘厳な雰囲気になる、pfも同様、遠く微かに響く、約14分間、聴き手を集中させる、楽章の最後2小節のみ、timpがpで鳴っているのが印象的。
96.jpg
第三楽章、pfソロで開始するが、けっこう快速なテンポ、コヴァセヴィチの鋭敏な指さばきが見事でパッセージもくっきり小気味良い、orchもスタッカート気味に切り立て、急き立てて進む、orch.のみのフガートも聴きどころだ、強弱の設定が深く、じつに引き締まった終楽章。
今回はyou tubeに挙っていた、
kova bra pf con you
you tube:Piano Concerto No. 1 in D Minor, Op. 15:
I. Maestoso II. Adagio III. Rondo (Allegro non troppo)

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category: ブラームス

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Haydn:ヴァイオリンCon No.4 ほか  

有名作曲家の曲でも、一般に人気筋でよく演奏される曲以外が好みだったりする、
ハイドンのvn協奏曲はNo.1がよく演奏されるが、好きなのはNo.4である、
第一楽章から、前期古典派らしい趣味が聴かれる、Allegro moderatoの落ち着いた歩みで、優美でセンスの良い主題で構成される、
第2楽章、Adagioは清々しく、気分の移ろいも豊か、
終楽章はハイドンの急楽章らしい切れ味十分、多感様式の趣きはないが、C.P.E.バッハの協奏曲のスタイルを引き継いだ感がある。
演奏はエリザベス・ウォルフィシュのバロックvnが、一際しなやかな演奏で気に入っている、
20191030111156ca7_2019103012262211e.jpg
Elizabeth Wallfisch:vn
Orchestra Of The Age Of Enlightenment

you tube:Violin Concerto in G major Hob.VIIa: 4:
I. Allegro moderato II. Adagio III. Finale : Allegro

vc協奏曲のほうはNo.2が人気のようだが、近頃はNo.1のほうを好んで聴く、1961年にプラハでこの筆写譜が発見されたそうで、復活したのはそれほど昔ではない、先のvn協奏曲より凝った内容になっている。
第1楽章は雅な雰囲気の中に張り詰めた感覚も起いて引き締める、
第2楽章、Adagio、vcソロがppからcresc.で現われる、三部形式の中間部が引き付ける、
終楽章、Allegro moltoはvcソロの急速なパッセージの技巧が聴かせどころ、
vc con sc04 118
演奏はエンリコ・ブロンツィのvcが緻密に決まり切れ味があって良い、こちらはモダン楽器、
hay vc con 1 you
Enrico Bronzi:vc
Orchestra di Padova e del Veneto

you tube:Cello Concerto No. 1 in C Major, Hob. VIIb:1:
I. Moderato II. Adagio III. Allegro molto

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category: F.J.ハイドン

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条件反射  

勉強や仕事でPCを使いまくった世代はキーボードに十分慣れているだろう、逆に大抵はスマホで済ませてしまう若い世代はあまり慣れていないという。 
キーボードの数字は1から順に並んでいる、アルファベットは決まった位置に統一されているが順番はまったくランダムである、これはタイプライター時代から引き継がれているそうだ、
key b
カナ入力も使う人は少ないがやはり規則性はない、打つ確率から最も合理的な配置にしてあるのかと思っていたが、なぜこのように定まったのか諸説あり、実のところ不明らしい;
文字を打つ際、ここがA、ここがK、などと憶えようとせずとも打てている、訓練すればブラインドタッチも出来る。
しかし、白紙にキーの文字並びを書き出せと言われても、わからない、キーボードがあれば、ほぼ迷わず指が行くのが不思議に思うが、これも条件反射というやつか、

楽器の演奏でも慣れた楽器に条件反射が作られる、
鍵盤楽器のキーボードは音順であり、1オクターブで同じパターンが続くので、それだけは覚えやすいかもしれない、しかし曲自体は複雑に書かれる;
tastatur_detail.jpg
ギターなども大きなポジション移動でちらっと見るくらい、あとはほぼ手探りでいける、
リコーダーなど、クロスフィンガリングなど順番性のないややこしい押えもあるが、
rec_201910291130171c1.jpg
やっているうちに音符を見ただけで反射的にその押えになり、暗譜もしやすい、

リュートの場合、タブラチュアという奏法譜を用いるが、
tab_201910291130198c3.jpg
"目で譜を見る→そこに指が行く"というのが一連の神経の手順になっていて、指先はギター同様手探りに近い、他の楽器なら既に暗譜している頃でも、必ず目で譜を追うところが違うが、反射的にやっているのは変わりないだろう、もちろん練習の始めはいろいろ考える;

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category: 演奏について

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落語の浄瑠璃  

現在は日本発祥の娯楽の1つ、カラオケが普及している、海外にも流出しているが、その国によって利用のしかたが違うらしい、
カラオケのなかった昭和の始め頃までは素人が浄瑠璃をやる、っていうのが流行って、熱中する人もいたらしい、浄瑠璃に人形劇が付くと文楽(人形浄瑠璃文楽)となるが、 
bunraku.jpg
素人が取り組んだのは太夫の語りである、これも好きな人同士ならいいかもしれないが、そうじゃない人が聞かされるのは苦痛だったようで、そんな様子が落語の笑いになっている、
まずは「素人浄瑠璃」、
nanko.jpg
you tube:桂南光 素人浄瑠璃
*原題は「寝床浄瑠璃」で、桂枝雀が改題して演じ、南光が引き継いでいる。

欧米の喜劇映画の主人公などが、同じ失敗をするシーンを何度も見せる、観るほうもそろそろ来るぞと思い、その通り期待に応える、日本のお笑いでも同じボケをこまめに入れる、しょうもない事が何度もやると可笑しい、古典落語にもそんな"繰り返しのギャグ"が仕込んである、
次は「軒づけ」という、素人がよその家の軒先で義太夫節を語ろうという噺、今じゃ考えられない迷惑な所行^^;
bunchin.jpg
you tube:桂文珍 軒付け

落語家は他の様々な芸能を引用してくるのが見せどころでもあり、「掛取万歳(掛け取り)」がその典型である。

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category: 落語

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双子の原始惑星系  

サブ・ミリ波による観測で「視力6000」に相当する解像度のアルマ望遠鏡はこれまで多くの原始惑星系を捉えてきた、 
alma_2019102710230220f.jpg
原始惑星系円盤:アルマ望遠鏡撮像
images.jpg
想像図
10月18日、アルマ・サイトの記事で、2つの原始惑星系が廻り合う連星系の周囲の様子を捉えたと発表された、へびつかい座の方向、パイプ星雲の中にある「BHB2007」である、
eso1916a.jpg
BHB2007
サブ・ミリ波で見る場合、可視光で見るのとは様子が違い、物質の多い所ほど明るく見える、この画像の明るい2つの点がそれぞれ、中心の原始星とその周りの降着円盤であり、さらにそれらを囲んで、楕円軌道をずらして重ねたようなリング状のガスと塵の帯が見られる、この画像では周囲の暗い領域にあるガスと塵が明るいリングに流れ込み、さらにリングの帯を通じて2つの降着円盤へと流れ込むと見られている。
研究者のマックスプランク地球外物理学研究所、フェリペ・アルブス氏によると、「この連星系のまわりの物質は、とても複雑な動きをしながら、それぞれの星に2段階のプロセスを経て降着しているものと考えている、連星系がどのように形成されるのか理解するには、もっと他にも観測を行なう必要がある」とのことだ。

ところで、こうした連星系では惑星はどのように存在するのか興味あるところ、
質量の大きな連星系の例になるが、おひつじ座30番星の場合、
1186_quadruple 02
*Newfound star:新たに発見された伴星
2つの大きな恒星A、Bそれぞれに小さな伴星が廻り、恒星だけで4重連星になるが、さらに一方には伴星とともに惑星も廻っているらしい、惑星になるか、褐色矮星以上になるかは質量しだいだろう、重力のメインとなる恒星AとB、各々に帰属するように見える、
また2つの連星を重力の中心として、その外を廻る「周連星惑星」も発見されている、この場合、中心重力の安定性が必要で2重連星に限られる、
circumbinary planet
周連星惑星の軌道:恒星A、Bを中心に廻る惑星の場合、「ABb」のような命名がされる、恒星の片方を中心に廻る惑星はこの分類から外される。
最初に発見されたのは球状星団M4の中にある、パルサーと白色矮星が廻り合う連星を中心に周回する惑星「PSR B1620-26b」であった、「メトシェラ」という非公式な命名もされている、
planet_B1620-26c 02
想像図:画面左がパルサーと白色矮星の連星、球状星団の中にあるので背景の星は混み合って見える
惑星の大きさは木星の2.5倍、公転半径は海王星の少し内側くらいと見られる、元々は白色矮星に帰属していた惑星で、パルサーと白色矮星が接近し、連星となった後もその周りを廻っていると考えられている。

2016年に発見された「ケプラー1647b」は太陽に近いサイズの2連星を廻る木星とほぼ同じ大きさの惑星で、ハビタブルゾーンにあるそうだ、
kep 1647b
ケプラー1647b 想像図
この惑星はガス惑星だろうが、地球サイズの岩石衛星があれば生命が存在し得るかも。

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category: 宇宙・天体

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P.ヴラニツキー:交響曲 ニ長調Op.52  

時折取り上げる、知られざる古典派、今日はW.A.モーツァルトと同年生まれのパヴェル・ヴラニツキー(Pavel Vranický)、
有名作曲家に対し、決して引けをとるわけでもないのに、忘れ去られる人は多い、
人々の耳に残る名旋律の"ヒット曲"を多く書いた人は後世も演奏され、名も残る・・で差がついていくのかもしれない?あのL.ボッケリーニも「メヌエット」で知られるくらい、ヴィヴァルディも「四季」が再演されて以来、有名になったのかも。 
P.ヴラニツキーもそんな一人、チェコ出身でウィーンで活躍、ドイツ語名ではパウル・ヴラニツキー(Paul Wranitzky)と名乗り、52歳で没している。
Vranicky.jpg
Pavel Vranický (1756-1808)
当時は高名だった人でハイドンを引き継いだ技を持ち、管弦楽法が巧みで、orchの各楽器を細やかに活かした書法が聴かれる、40曲ほどある交響曲から、ニ長調 作品52を聴いてみる、
手元のCDはcpoレーベルで、ハワード・グリフィス指揮、ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニーO、新時代らしい演奏で一番良いが近年の録音にしては音が不鮮明で惜しい、
vranicky sym
これはyou tubeに挙っていないので、代わりにBohumil Gregor指揮、Dvořák Chamber Orchestraを挙げる、こちらは20世紀流の演奏で緩叙楽章がゆっくり過ぎて大仰だが、orchの各パートをよく拾った録音は好ましい、
vra sym you
you tube:Paul Wranitzky - Symphony in D-major, Op.52
第1楽章、堂々とした序奏に主部の軽快な主題が続く、ハイドンのSym No.50もしくはNo.90のような活気が心地よい、展開部の巧みな書法が聴きどころ、再現部では第1主題動機をちょっぴり変形したり、拍をずらしたりするのが洒落ている、
vra sym sc
vn1パート
第2楽章、アダージョは優美な主題で変奏の要素ももつ、ハイドンの「オックスフォード」に似た形式のようだが、ひじょうに劇的な内容が轟き、穏やかに終わる、
メヌエットは典雅で堂々とした主題、トリオはtrpのファンファーレを伴い気品がある、
終楽章はハイドンの「太鼓連打」終楽章に似た趣きで、ロンド風の主題で始まる、
じつに緻密で手の込んだ書法、展開部および再現部は各パートの複雑な重ね方が耳を巻き込むように見事で痛快。
これほどの曲がモーツァルトの初期交響曲ほども演奏されないのはどう考えても変だ、

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category: その他・古典派

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落語:「真田小僧」「雛鍔」  

4月から少年補導員を引き受けていて、月に一度、子供の集まる場所を数人で巡回している、
児童公園を見に来たら、大きな枯れ枝が落ちていたのを、遊んでいた小学生が「あれ、何とかしないと危ないと思うんですけど」と言ってきた、公共の安全性を気にしている、我々の子供の頃はそんなこと気にもせず、遊んでいただろう;
以前、ある番組で子供に街頭インタビューするところがあって、小学4,5年くらいの子が落ち着いて話し、最後に「・・と言っても過言ではないと思います」とか答えた、おっさんかお前は、と笑ったが^^今の子は我々の頃よりずっと早く大人になっている感じだ;

さて落語に登場する子供ってのは妙に知恵が廻り、したたか、大人を見透かして手玉に取るのがお決まりで、「佐々木政談(裁き)」はすでに取上げた、ほかに「真田小僧」「雛鍔」っていうのが有名、

まず「真田小僧」はこの手の代表的な噺、
shincho sanada
you tube:古今亭志ん朝 真田小僧
まんまとごっそり小遣いをかっさらう。

「雛鍔」も同じシリーズのような噺で子供のしたたかさも聞き所だが、親父が仕事で出入りしている御店のご隠居が尋ねてきた場面で、茶菓子の羊羹を用意するかみさんの要領のまずさに亭主が事細かに小言を言う、本筋からすっかり外れた笑いどころを入れる、こんなのが他の噺でもあるが、落語の面白さ。
こういう脱線は漫画の筋書きにもよくあり、やがて本筋に戻す^^
shincho hinatuba
you tube:古今亭志ん朝 雛鍔(ひなつば)

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category: 落語

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アーノンクール:Mozart Sym No.40  

20世紀の常識的?古典派の演奏は漫然としたヴィヴラート、レガート奏法で埋められていたが、この演奏作法から外れると異端扱いされただろう、しかし、何を演奏しても似たようにきこえる世界だった。 
モーツァルトのSym No.40ってあまり聴かないが、昔から演奏に大きく特徴が分かれる、ちょっと面白い曲でもあった、W.フルトヴェングラーとK.ベームでよくわかる、
f moz sym40 you
you tube:Mozart: 交響曲第40番 Symphony No. 40 K. 550 第1楽章/フルトヴェングラー
第1楽章は急速で特に再現部での推進力が熱気渦巻く、これもわるくないと思ったが、この速さは異端視されたところもあり、当時の評論家には「モーツァルトを振る柄じゃない」とまで書く人までいた、B.ワルターを賞賛する反動で;
一方、ベームはこれ以上ない落ち着いたテンポ、骨太にじりじり進める、
b moz sym40 you
you tube:Mozart - Symphony No. 40 in G minor, K. 550

演奏史の停滞した状況に一石を投じた一人がN.アーノンクールだったと思う、アーノンクールはVSOの楽員になった翌年、1953年から古楽器の団体、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスを立ち上げ、新たな演奏の準備をしていたらしい、彼らの活動が本格化するのは1957年からだった。まだ20世紀流の演奏が王道(無難な手段で納める)の時代は続く。
アーノンクールの40番はとっくの昔にCDを持っていて、過去記事を書いた気でいたが;しっかり聴いた憶えがなかった^^;
RCOとの録音はorchの編成を縮小せず量感を活かしている、
WPCS-21007.jpg
h moz sym40 you
you tube:モーツァルト: 交響曲 第40番 ト短調 K.550 アーノンクール 1983
第1楽章のテンポはあのフルトヴェングラー並み、透明感や鋭さが従来と違い、作品の真価を鮮明に引き出す。展開部の終りから再現部へ繫がるところ[164]、管のハーモニーが印象強く、いつの間にかvn1,2が第1主題に入っている、
sc01 160
この効果をよく再現している、再現部は展開部を上回るエネルギー感だ、
第2楽章も聴き手をゆったりはさせない、弱奏の中にも張り詰めた力を感じさせる、
メヌエットはパート間のキビキビした掛け合いが際立つ、トリオはゆったり物腰を変える、
終楽章、急速にはせず、じりじりと進める、展開部では彫りの深い表現が効く。

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category: W.A.モーツァルト

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落語:「堀の内」、「つる」  

どうもここんとこ落語が多くて恐縮;先日の「百年目」などじわじわ引き込む噺もあれば、軽~いけど、可笑しくてしょうがない傑作もある、
粗忽者のエッセンスを凝縮したような噺「堀の内」はその典型で、話の筋は重要でない;
実際それはないだろう程の慌てっぷりをよく詰め込んだもんだと、古典のセンスは大したもの、これはテンポよくトントンと連発しなきゃいけない、記憶にある所では、8代目橘家圓蔵(5代目月の家圓鏡)が、この手の噺はツボに嵌っていた、
動画で聞けるところではやはり古今亭志ん朝の滑舌が絶品、
shincho 01
you tube:古今亭志ん朝・堀の内
「堀の内」のお参り先、
myohoji.jpg
妙法寺(別称:お祖師様)東京都杉並区堀ノ内

さて、同様に軽い噺で「つる」というのがある、これも内容は、しょーもないもんで、鶴の名の由来が・・「つー」と「るー」という苦し紛れも通り越したアホらしさ、
なんぼ阿呆でもこれはウソやとわかるが、おもろいから町内に言うてまわる^^枝雀が演じたのがやたらハマって記憶に残っている、
shijaku 01
you tube:桂枝雀「つる」<有頂天落語>

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category: 落語

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ラム圧  

以前、「クラゲ銀河」という題で書いたことのある、ESO 137-001という銀河だが、みなみのさんかく座の方向約2.2億光年の距離にある、
heic1404a.jpg
「クラゲ銀河」
今年10月、アルマ望遠鏡とESOのVLT、そしてHST、それぞれの観測データを合成した新たな画像が公開された、
potw1939a.jpg
渦巻銀河「ESO 137-001」:銀河とその周辺がハッブル宇宙望遠鏡、明るい紫色で示された水素の流れがVLTの分光器「MUSE」、オレンジ色で示された銀河内から流出する一酸化炭素がアルマ望遠鏡によって、それぞれ撮像された、
【資料:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), P. Jáchym(Czech Academy of Sciences) et al.】

相対的に移動してくる銀河が銀河団の高温のガスで満たされた中へ落下してくる、このガスと銀河のガスが衝突すると、ラム圧(動圧)によって、銀河のガスが剥ぎ取られ、移動した後方に棚引く、これは銀河が動いた道筋を表わす、この棚引く尾の中でもガスが圧縮されて爆発的な星形成が起きるらしく、その分、星の材料が消費されたことになる、
*銀河団内に高温のガスが存在するのは、 銀河団の外側から銀河団へと落ちてくるガスは衝撃波を形成し、重力エネルギーが熱エネルギーへと変換され、結果、ガスが加熱されるため。
銀河団の中心へ行くほど、新しい星の材料を失った楕円銀河が多くなるそうだ、
Coma_Cluster_of_Galaxies.jpg
かみのけ座銀河団
楕円銀河の一つ、NGC4150(かみのけ座)は僅かに塵や星間ガスが見られる、合体した小規模な銀河から吸収したものと考えられる、
ngc4150 b
NGC 4150

このクラゲ銀河の尾から、もし球状星団のような纏まりができるとしたら、銀河の外れに形成される、以前記事にした銀河間球状星団にも関連する事なのか?このへんがわかれば興味深い、「銀河間球状星団」
因みに天の川銀河はおとめ座銀河団に属し、中心から外れた"過疎地"にあるらしい。

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category: 宇宙・天体

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落語:宿替え(粗忽の釘)  

昔は漬物といったら大抵、各家々で作り、子供には持てない大きな川原石を一つ漬物樽へ乗せていた、今思えばあんな重たい石を持ってこなくても、もうちょっと小さめの石を何個か乗せれば同じではないか、一つの塊である必要があるのだろうか、と疑問である; 
tukemono taru
しかし今もコンクリートか何かで出来た漬物石を通販でも売っている、取っ手を付けたらカーリングのストーンになりそうな;
落語にはそんな漬物石まで持っていくという引っ越し話がある、上方では「宿替え」、江戸では「粗忽の釘」という、これも主人公があまりにアホでお馴染み、
まず、上方は桂文珍
bunchin yadokae
you tube:桂文珍 宿替え
元は長い話で、途中でオチをつけて終わることが多い。

もう一つ江戸版「粗忽の釘」を柳家小三治で、
kosanji sokotu
you tube:柳家小三治 「粗忽の釘」
"粗忽"とはまさにこういう主人公を表わし、粗忽者は落語ネタ、お笑いには欠かせない^^

nagaya 02

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category: 落語

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弦楽器の変遷  

初期のバロック音楽を立ち上げた一人、クラウディオ・モンテヴェルディ(1567-1643)が生まれる前にはヴァイオリン属はすっかり完成していた、現存するvnで最も古いvnがアンドレア・アマティ(1505-1580)の楽器だそうだが、1566年作という楽器を見ても、現在のvnとまったく同じ姿である、ヘッド部のスクロール・デザインなど細部まで! 
amati.jpgAndrea Amati
vnは突然完成した、とよく言われるが、その元となった楽器は中世からある、レベックやフィドルと呼ばれる弓弦楽器に違いない、しかし試行錯誤してvnへと発展していく過渡的な楽器が残っておらず、あるとき誰かが今の完成形を考案したかのように思える?また、音楽と楽器の発展は並行して進むと思うが、楽器だけ先に準備されたかのようで、歴史的な謎である、
rebec.jpgRebec
fidel.jpgFidel
弦楽器のボディはその音域に合わせ最も効率的に鳴るサイズを探ってきただろう、これはボディの固体としての振動に加え、ボディ内の空気共振も補助として鳴り、響孔から発する管楽器的要素も持っている、ボディの内容積と響孔の大きさで最大共振数が決まってくるので、その値は重要である、空気は低域のほうに共振させると豊かな音になる、vnはそれも始めからBestに作られているようだ、

ビウエラ、バロックギター・・と続いてきたギター属は指ではじくヴァイオリンあるいはヴィオールの仲間として存続してきたように思える。
バロックギターから初期の19世紀ギターまで小振りのサイズを維持してきたのはその音域に対し最も効率的だからではないだろうか、以前、所持していた19世紀ギターのボディ容積と響孔の大きさから「ヘルムホルツ共鳴器」の原理で共振周波数を計算してみた、
20191003.jpg
guitar frequency
92hzほどになった、これは⑥弦の3か4ポジション(GかG♯)に相当する、弦を鳴らし響孔に手をかざすと、この付近の音程で空気の振動をよく感じる、中の空気も上手く鳴っている。
この時代のギターがvn属と響きの相性がよいと言われるのは同じ性質で音を発しているからかもしれない?

ここでお気に入り盤、エウロパ・ガランテによるL.ボッケリーニの曲集から、ギター五重奏曲 ニ長調G.448「ファンダンゴ」を聴いてみる、ギターはジャンジャコモ・ピナルディ、
getimage 02
Giangiacomo Pinardi
e g you
you tube:Quintetto IV in re maggiore g.448 ᐸᐸfandangoᐳᐳ:
I.Pastorale II.Allegro maestoso III.Grave assai IV.Fandango
楽器のデータはないが、おそらくロココギターとか呼ばれる、バロックと19世紀の間に位置する楽器だと思う、聴き始めにはっきり、モダンギターとは質の違う音がわかる、

現代の一般的クラシックギターはA.トーレスが作ったスパニッシュtypeが元になっていて、19世紀ギターの流れとは枝分かれするだろう、ボディは大幅に大きくなり、内容積から計算するとヘルムホルツ共鳴器の共振は⑥弦開放:Eよりずっと低い周波数になる、目立った空気共振は利用せず、絶対的に広い響板の振動と内部からの反射音で音量を得る方式だと思う。

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category: L.ボッケリーニ

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宇宙網  

2019年10月、すばる望遠鏡によって115億光年離れた宇宙に銀河同士を繋ぐ水素ガスの網構造が観測された。ビッグバンのあとの初期宇宙に生じた宇宙網である、この構造は理論・シミュレーションにより予測はされていたが、実際の観測は光が非常に弱く困難だった、
fig2j.jpg
宇宙網のシミュレーションの例、水素を主成分とするガスがクモの巣状のネットワークを形成し、その中でガスが密集した場所 (茶色の領域) で銀河やブラックホールが作られ、成長すると考えられる。
理化学研究所の梅畑豪紀氏らはみずがめ座方向の原始銀河団「SSA 22」に注目し、宇宙網の検出に挑んだ、アルマ望遠鏡ほか複数の観測施設を使い、段階的に観測を重ね、SSA 22の400万光年ほどの範囲に星形成の活発な銀河、大質量BHが18個密集していることを突き止めた。
宇宙網の主成分である水素ガスは銀河などの光を受け、紫外線を出すが、宇宙膨張により、地球に届くころには波長が伸び、可視光になる、すばる望遠鏡の広視野カメラ(Suprime-Cam)で、その光がおぼろげに捉えられた、
HSC.jpg
さらにESOのVLTで追観測され、水素ガスの網目に繫がった構造が確かめられた、複数の観測画像を重ね、銀河や大質量BHなどの分布が宇宙網に一致しているのがわかった。
18595_web.jpg
(左)青い部分が水素ガスの宇宙網(右)宇宙網の3次元分布、青色が淡く見える部分、紫色が明るく見える部分、銀河や大質量BH(赤の四角)が宇宙網に沿って分布しているのがわかる。
これまで、理論・シミュレーションによる予測に過ぎなかった初期宇宙での銀河や大質量BHが形成される過程を観測から支持することになる。

宇宙が無限だとすれば、膨張する前の狭い宇宙?だった頃から無限だったことになる、そこに起きる膨張とはどういうことか;
観測では宇宙のあらゆる場所が同じように膨張しており、ビッグバンは特定の一点を爆心とする爆発ではないように見える、インフレーションの時点ですでに無限の広がりがあり、その全ての場所が同時爆発したような?;
006_201910191315210ef.jpg
*検索すると、インフレーションの前にビッグバンがあったような図が見受けられるが間違いである、
ビッグバンのあと、どのようにこの網目構造ができたのか、
005_20191019094052149.jpg
宇宙大規模構造
爆発という現象には急激な膨張とその反動の圧力がかかると思われる、空間を埋める物質が局所的に集まった部分と空洞部分とができて、空間に拡がる立体網のように残る・・なんとなくそんな様子は浮かび、不思議ではない気がする?・・これはさておき、元になるムラはインフレーションの時からあったようだ、

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category: 宇宙・天体

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落語:百年目2  

昨日の続きで恐縮;
いつも小言を言っている番頭さん、奉公人達も馴れてしまって逆に自立心がなくなるかも、
いっそのこと朝、皆を集めて「今日は一日、何も言わず黙って見ている、そのかわりお前達、自分で考えて仕事に励んでおくれ」と言ったらすごく効き目ありそう^^
sensu 02
さて堅物で通っている番頭が内緒でハメを外しているところを主人に見られる、その翌朝の話が大詰め;このヒヤヒヤ場面を落語家がどう演じるか、アレンジも含め楽しみな名作「百年目」、まずは古今亭志ん朝の心地よい名調子、
shincho hyakunenme
you tube:古今亭志ん朝 百年目

次は「ガッテン」でお馴染みの立川志の輔、
枕なしで入る、番頭がその夜、悩むところも可笑しいが、翌朝の場面にぐっと溜めを置く、
「遠慮は外でするもんだ」 とか「それにしても昨日は楽しそうだったね」 がガツンとくる;
褒めているのか皮肉っているのか、どちらにも取れる話の中、旦那が話を止めて丹念にお茶を煎れるあたり、次は何を言われるのかと聞き手は番頭の心理になる^^;
しかし流石は旦那、懐が深い、
shinosuke hyakunenme
*音量差注意
you tube:立川志の輔「百年目」落語で疲労回復…

この話に出てくるセンダン(栴檀)の木だが調べてみると、葉の形に見覚えがある、拙宅のすぐ北にある私鉄の駅には昔、桜の木が並んでいたが、1本だけ違う背の高い木が立っていた、センダンの樹液はクマゼミが好むそうだが、たしかにこの木に限ってクマゼミが多くとまっていた、駅舎が改修され今はないが、あれがセンダンだったかと懐かしく思った。
sendan.jpg
センダン

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category: 落語

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落語:百年目1  

普段は律儀で堅物の番頭、いつも店を切り盛りして、奉公人達に小言をいう鬼上司であるが、そういう人物ほどときに羽目を外したいもの、店の人々には内緒で顔なじみの太鼓持ちや芸者らと派手に宴を催すことしばしば、桜の季節となったある日、店を抜け出し、借りてあった屋形船に乗り込み盛り上がる、川沿いの桜の名所へ着いたところ土手の桜が満開なので、船から降りようと皆から誘われるが、堅物で通っている番頭が人に見られてはまずい、そこで太鼓持ちの案で扇子を顔に掛けて隠せばよい、骨の間から見通せるってことで土手にあがり、芸者達と鬼ごっこに興じる、そこで人違いをして捕まえた人物が・・
sensu.jpg
なんと店の旦那様!旦那は医者の友人と風流に花見に来ていたのだ;番頭の遊興三昧がバレてしまった!逃げるように先に帰った番頭だが、旦那に会わす顔がない、部屋にこもり、許してもらえるか?ヒマを出される前に夜逃げしようか・・と眠れぬ夜を過す、
さて翌朝、旦那に呼ばれてからが聞きどころ、

「百年目」は上方が発祥と言われ、商人の都らしい話だが江戸にも原話があったと言われる。
まずは上方の桂米朝、喜寿を迎えた東京公演から、
beicho hyakunenme
you tube:米朝 百年目

次は東京で三遊亭圓生の一席でじっくり、
ensho you
you tube:圓生 百年目

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category: 落語

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ドップラー法  

系外惑星の見つけ方として現在は惑星が中心星の前を横切る際の減光を捉えるトランジット法が主流で、ケプラー宇宙望遠鏡はこの方法でM型矮星を廻る惑星を数多く発見してきた、後継機として系外惑星探査衛星TESSが観測中である。 
20190824.jpg
系外惑星探査衛星TESS
系外惑星を初めて観測した、ジュネーブ天文台のミシェル・マイヨール氏とディディエ・ケロー氏が2019年のノーベル物理学賞を受賞した、二人の発見が系外惑星探査の幕開けとなった。昔から天文学の発見というのは、諦めず気長に、執念深く観測した結果だと言える、彼らが用いた観測法はドップラー法だった。
当時は観測対象として、太陽と似た恒星が選ばれた、その一つ、ペガスス座51番星(約50光年)に惑星がある証拠が観測された、
Pegasus_51.jpg
1995年、オート=プロヴァンス天文台の口径1.93mの望遠鏡に精度を高めた分光計とCCDカメラを取付け、惑星の重力により中心星が視線方向に近づいたり遠ざかったりする僅かな揺れを観測するドップラー法によって発見した、
Doppspec-above.jpg
中心星の揺れ:動画
この惑星は質量が木星の約1/2、公転周期はわずか4.2日で、太陽と水星の1/6の距離を廻っていた、惑星の表面温度は1000℃ほどと見られる、その後もケプラー宇宙望遠鏡による発見と地上望遠鏡の追加観測で続々と惑星が確認されたが、その多くは巨大ガス惑星が中心星のすぐ近くを廻るホットジュピターであった、もし太陽系の木星がこんな位置にあったら、地球ほか小さな内惑星は存在できない。
hot jup
Hot jupiter
トランジット法、ドップラー法、どちらでも地球サイズの惑星は中心星に対し明るさも重力も小さすぎて見つけるのは困難である。

地球サイズの惑星が発見されたのは中心星が小さく暗いM型矮星で、そのきっかけになったのはケプラー宇宙望遠鏡に起きたトラブルだった、姿勢制御が効かなくなり、年に4回、観測方向を変えることになり、M型矮星も観測対象となった。
GJ1214b.jpg
M型矮星
後継機のTESSでは対象をM型矮星に絞り、広視野で系外惑星探査を行なっている、発見できるのは視線方向に影を作る惑星系のみ。
005_20180814.jpg
惑星AとBは発見できる
いずれ地上に建設される超大型望遠鏡やジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で、系外惑星の大気を分析し、そこに酸素やメタンなど生命由来の成分を探る予定である。
同じハビタブルゾーンでも、太陽系とM型矮星の周りとでは大きく環境が違う、それでも生命が存在可能かどうかが鍵になりそうだ。
因みにM型矮星はフレア活動が激しく、恒星風や放射線によって惑星の大気と水が剥ぎ取られている可能性がある。

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category: 宇宙・天体

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ナットのスペーシング  

ギターやリュートはナット側で弦の間隔が狭く、ブリッジ側が拡がっている、多コースのリュートも複雑な押弦をするのは6コースまでだが、ナットでの間隔の取り方は微妙で演奏性を左右する、ナットでの間隔を測ってみると、目測で思うより意外に狭い、
各楽器の1~6コース間(ダブルコースではその中心)の長さを比較する、

この7コース、ルネサンスluteは37.5mmと手持ちでは一番狭い、ただしブリッジ側はフィゲタ奏法に合わせ大きく拡がっている。
7c lute
7c lute 02

11コースのバロックluteも40.0mmと案外狭い、
11c lute
バロックluteでは鳴っている弦に触れずに隣のコースを押える弾き方が多いので、間隔は開いているとその点は助かるが、
2015071121524287d_20191015101057e44.jpg
あまり開くと低音弦が遠のき、指を大股に開くことになって、これがまたやり辛い、諸条件を考慮するとこれくらいがベストになってくる、なおバロックluteのブリッジでのスペーシングはほぼ標準的に揃っている、「10コースはこのあたり・・」とか指が位置を覚えているので、そこから外れると困る;

バロックguitarはもともと5コースしかないが、その間が38.0mmくらい、
b guitar
リュートの1~6コース間とほぼ同じで、わりと間隔に余裕がある、隣のコースに触れずに押えるという奏法がより重要になる楽器なので理に叶っている。

ナットを何度か自作したが、一番緊張するのが弦の溝入れである、理想の位置から0.2mmずれても具合が悪い;
nut_2019101510110013b.jpg

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category: Instruments

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O.スウィトナー:Brahms Sym No.2 (再)  

昨日は台風一過の日和、被災した地方はこれからが大変だが、ひとまずほっとしたい気分、こんなときまず聴きたいと思うのはブラームスSymのNo.2である。
 
スウィトナー指揮するorch.演奏に親しんでくると、弦、木管、金管、打楽器が各々の天然さをを活かし、以心伝心でorch.の自発性を引き出して進める、"自生"の美しさのように感じる。
全楽器の物腰に統一感を持たせ、すべて意のままに操るカラヤンとは対極に思える。
肩の力の抜けた清潔サウンドにピリっと張り詰めた内面性がある、ブラームスの第2番にはそんな期待がぴたりと嵌る気がする、録音会場の旧東独、キリスト教会の響きと、D.シャルプラッテンの好録音で快適に聴ける。
sui br sym2 
ブラームス交響曲第2番ニ長調op.72
オットマール・スウィトナー指揮
シュターツカペレ・ベルリン 1984年録音

第一楽章、Allegro non troppo、
始まりはさすが清々しく、hornが柔らかく鳴り、いきなり「田園」を印象づける、vn群は控えめで清涼、vc、vaによる第二主題も滋味を持たせた歌い方、
20180311.jpg
木管が奏でる残響音までよく聴こえ、音場に透明感がある。
[218]から出るtrb.とB tub.のペアは特別な存在のようで、このあとも金管らしく生々しく唸る、その分、展開部や再現部でのダイナミズムが効いてくる。
sc01_201803240946594f2.jpg
sc02_20180324094700162.jpg
第二楽章 Adagio non troppo - L'istesso tempo,ma grazioso
は第一楽章の印象に対し、意外に豊かな響きで始める、概ねソナタ形式でこの楽章も各パート間で複雑な綾が組まれ味わい深い、hornに木管が重なるアンサンブルが一際美しい、劇的な展開部~終結もかなりエネルギーを帯びた演奏に引き込まれる。
第三楽章 Allegretto grazioso (Quasi andantino) - Presto ma non assai - Tempo I
A,B,A,B,A形式でobが長閑に始め、hornや他の木管が絡む、Bの Presto ma non assaiがスケルツォ的で、小気味よい。
第四楽章 Allegro con spirito
楽章の手法は交響曲第3番にも似た感じだ、スウィトナーは穏やかに始めるが[23]のfからシフトアップ、ぐいぐい攻め込んでいく、主題の性格でチェンジしながら進める、清潔な響きを崩すことなく、熱気をもって運んでいく、[395]から終結まで思い切った加速で終わる。
ブラームスやシューマンの演奏では第一楽章が清涼で、終楽章でエネルギッシュになるのはスウィトナーの特徴のように思える。
sui br sym2 you
you tube:スイトナー指揮ブラームス交響曲第2番

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category: ブラームス

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異常事態  

台風19号はデカいうえに動きが遅く、いつまでも膠着状態でイラついた、高気圧に阻まれ、進行が遅く、勢力もしつこく保たれた。辿ったコースや遅さは先月の15号に似ている、 
t 19
昨日、朝一番に聞いたのは千葉県の竜巻だった、夕方には千葉南部で地震が発生、震度4でまだよかった・・とさえ思うが、その後19号が来るかと思うとさんざんだと思う、

日中は殆ど東海沖に居座った感じで、その後関東甲信越、東北へとじりじり北上、台風の雲は進行方向に伸び、気象庁の雨雲の動きを動画にして見ると、その間ずっと同じ地域に降り続いていたのがわかる、
kishocho 03
同じ状況が東北でも続いた、
これほど何カ所もの河川で川幅一杯の急流が橋桁にぶつかるほど増水しているのは見たことがない、怖くてとても橋は渡れないだろう、長野県の千曲川など暗いながら、堤防の上限近くまで増水し、周囲の市街地より水面が高くなった画像は恐ろしく見えた、
chikumagawa.jpg
水の凄まじさを感じる、風も怖いけど、空気だからまだいいか、とさえ思わせる、
レベル5の大雨特別警報が広域にだされ、また城山ダムほか満水となった所は緊急放流を始めた、その影響はどうだったのか・・
昨夜のうちに氾濫が確認された河川も多かった、明るくなって氾濫や堤防決壊による被害箇所は広域で数えきれないほど、とにかく水の被害が途方もない、懸命の救助活動中だが、その後復旧にどれほどかかるのか、堤防決壊は今後を考え深刻である、
chikumagawa02.jpg
上流域に保水されている水が下ってくるので、水がひくのに時間がかかると見られている、

海水温は昨年の今頃ともに日本近海が暖かいだろうか、
sstD_HQ20191011.jpg
sstD_HQ20181011.jpg

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category: 時事・雑記

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ペグのツマミ  

台風19号は大型で勢力が弱まらない、進行速度が遅いので風雨の時間も長い、10月のいまごろになって、本当に勘弁してほしい;
------------------------------------------------------------------------------
 
今日はリュートのペグ(糸巻き)について、
ペグは旋盤で削って作るので、ツマミになる部分は一旦、コケシの頭のようになる、
peg_201910121120280cb.jpgkokeshi.jpg
この両側を削ってツマミの形状にしていく、リュートは隣のペグとの間隔を詰めざるをえないが、ツマミが小さすぎてもいけない、あとはツマミの断面、
beg b
一番具合がよいのは①の中央が凹んだカーブ形で、指がしっかりかかり、廻すのに力が入れやすい、②の平坦な形でもさほどやり辛さはない、③のように先が薄くなって、しかもカーブがない形は、指が滑り落ちるようで、掴み辛い感触だった、
手持ちのリュートの多くは①か②の形でとくに問題ない、これは①の形、
11c peg
これは③に近いが、内側にカーブしているのでわりと掴みやすい、
11c b peg
バロックguitarのペグはStradivariのオリジナルを再現してあり、厚みがあって先側が幅広で力が入れやすい。
b guitar
ペグの面は五平餅の上側を広く取った形か、ハート形が具合よい、
7c peg
あとはペグとペグ穴がよく調整されて滑らかに廻ること、ナットで弦の滑りがよいこと、これらが揃うのは頻繁に使う楽器で、必須と言える;
13c lute b

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category: Instruments

管楽器の楽しみ、あれこれ  

クラリネットの仕組みなど調べてから管楽器が興味深い、よくまあいろんな管楽器を考え出したもんだと、 
バロック期の楽器は管に指孔を空けただけの簡素な構造でflトラヴェルソ、リコーダーなど音程をとるためにクロスフィンガリングを多用し、その演奏は難しかった反面、構造が単純だけに指孔を徐々に開いたり閉じたりして、vn属と同様に無段階に音程を操作できた、
fl t
fl トラヴェルソ
fingering-chart-traverso-with-1-key 02
ここでC.P.E.バッハの協奏曲を1つ、運指の難しさだけでも超絶技巧に思える;
c p e bach fl con you
you tube:C.P.E. Bach: Flute Concerto in A minor, Wq.166, H.431 – Bremer Barockorchester

和楽器に着目してみると、その無段階音程を活かした奏法が多い、雅楽で主旋律を担う篳篥(ひちりき)、これはob属と同じ二枚リードの管であるが、指孔は長円形である、短いわりに低音が出る、
hichiriki_20191011110346a49.jpg
篳篥
篳篥の古来からある奏法を活かして、現代洋楽の演奏を切り開いたのが東儀秀樹氏である、独特の音色と音程の操りが効果的だ。
hideki togi you
you tube:東儀秀樹 - 映画 Mission:Impossible – Main Theme

一方、機械仕掛けの壮大な管楽器がパイプオルガンで、フルート管、リード管など大小様々な管を並べ、組み合わせを変える、鍵盤が空気を送る鍵である、
次は「ヤマト・ファン」必聴、関西学院大学の学生が弾いた名演、
なんと、動画音源から"耳コピ"した演奏だそうで!
yamato org you
you tube:恐怖のパイプオルガン曲「白色彗星」&「宇宙戦艦ヤマト」 White Comet (organ) @関西学院大学
作曲:宮川泰
「白色彗星のテーマ」は遙か遠方から接近する描写から始まる、本テーマはパッサカリア風に始まり、自由なトッカータの中にフーガの書法が織り込まれ、圧倒的驚異のうちに終わる、続くお馴染みの曲も見事、

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category: Instruments

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バロックのクラリネット  

管楽器ってどれも、まともに音を出すだけで難しいという先入観がある、トランペットもフルートも、リード管もデリケートそうで・・;リコーダーはすぐに音は出せるが、その先が大変で立派に演奏できるまでの道のりは結局長い; 
rec_201910101014319a4.jpg
*リコーダーは歌口は口で塞ぐが、頭管部に横笛と同じ発音構造を持つ開管楽器である

今日はクラリネットの前身にあたるシャリュモーという楽器について、
chalumeau.jpg
バロック期のシャリュモー
外見はリコーダーと似ているが基本構造はクラリネットと同じで閉管楽器、じつはリコーダーと同様、学校の音楽教具用に作られた楽器もあり、見た記憶がある、
JAP_3_Klappen_Chalumeau.jpg
教具シャリュモー、そういえば低音出ていた
わざわざバロック楽器の現代版が教具に使われたのはリコーダー同様"作音楽器"であり、フィンガリングのほか吹き具合で音程調整を要し、音をよく聴くからと聞いた。
音はまさしくクラリネット系、
まずはテレマンで2本のシャリュモーのための協奏曲ヘ長調、バロック期の音楽ではあまり聴き慣れないせいか、始まりで古典派かと錯覚しそう、
te Chalu 01 you
you tube:Telemann - Concerto for 2 Chalumeaux (clarinet) in F major
もう一つテレマンのニ短調、第1楽章での半音進行が不思議な印象、急楽章はタンギングによる粒立ちが心地よい、
te chalu 02 you
you tube:Telemann-Konzert fur 2 chalumeaux, streicher und B.C. d-moll-Musica Antiqua Koln

次はC.グラウプナーのFlute, Viola d'Amore & Chalumeauのための序曲、フランス風序曲である、グラーヴェに続くアレグロで3つの楽器が活躍するが、FluteとViola d'Amoreに対し、Chalumeauは低声部を担当する傾向、
c g ouver you
you tube:Suite for Flute, Viola d'Amore & Chalumeau in F Major, GWV 450: I. Ouverture

グラウプナーの唯一の?弟子だったというJ.F.ファッシュもシャリュモーの協奏曲を書いている、こうして見るとリコーダーの半分程の長さだが低域が出るのはやはり不思議に感じる;
Fasch you
you tube:Concerto en si bemol majeur pour chalumeau (FaWV : B1) - Johann Friedrich FASCH (1688 - 1758)

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category: G.P.テレマン

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落語:「子ほめ」  

落語の定番というと、脳天気で頭を使わない主人公と普通に賢い人物のやり取りではじまり、主人公が生半可に知恵を拝借し、とんちんかんをやらかすという噺はいくらでもある、
今日はその一つ「子褒め」、
桂米朝がやると、賢い人物がじつに落ち着いて品があっていい、これが持ち味でその分、主人公と対比がついて面白い、
beicho_20191009110932616.jpg
you tube:桂米朝・子ほめ

同じ話を桂枝雀で聞く、枕から枝雀流の世界に引き込み、期待どおり笑わす、
shijaku.jpg
you tube:枝雀寄席 008 子ほめ TV録画 VHS

子ほめは東京落語でもお馴染み、なるほど同じ話が江戸っ子調に面白くなる、
一押しが柳家喬太郎、
kyotaro.jpg
★音量大
you tube:柳家喬太郎「子ほめ」
話の本筋は同じだが、落語家それぞれに枕を聞かせ、ここでかなり盛り上げる、本筋は大丈夫かってくらい^^

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category: 落語

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ハイポジションのフレット  

リュートなどのハイポジションは固定フレットが接着してあるが、ピッチをわずかにずらしたいことがあるので、できるだけ巻ける位置まで巻きフレットにするのがよい、 
このリュートは9ポジションの巻きフレットが裏でボディに掛かり、斜めに止めるので絞め加減がちょっと難しい;
11c lute

このバロックギターは9ポジションまで簡単にガットフレットが巻けるので、この位置の固定フレットを外すことにした、
fret 02
電気アイロンの先のほうで、上から軽く加熱、接着のニカワが溶けてくる、
Iron.jpg
カッターナイフを差し込んでめくるときれいに外れる、
b guitar 02
外したフレットの高さを測定、0.75mm程でよい、
fret.jpg
代りのガットフレットを巻いて完了、30分とかからなかった。
b guitar 06
b g

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category: Instruments

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落語:流暢と間(溜め)  

ちょっと疲れて、何するのも面倒くさいな、というとき、やっぱり落語が一番、定番の話でいい、今日は東京落語の二人、 

古今亭志ん朝はさすがテンポよく、間(ま)を空けずトントンと進めるのが心地よい、喧嘩で啖呵切れば立て板に水、お馴染みの「三方一両損」で存分に味わえる、
shincho you
you tube:【落語】三方一両損【古今亭志ん朝】

次は柳家小三治、こちらは結構"間"を置くがそれが絶妙で、客の反応を読みながら、音楽で言えば休符を上手く使ったような効果、次の台詞に引き付け深みがでる、講演会などでも間を上手く使って話す人がいる、
今日はお白州もの揃えで「鹿政談」、白州の場面をじっくりといく。
kosanji.jpg
*音量差注意
you tube:柳家小三治 鹿政談
それぞれの持ち味で練り上げられた話芸であるv

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category: 落語

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トンボー(tombeau)とは  

トンボー(tombeau)はフランス語で墓碑の意味であり、音楽用語では故人を追悼する器楽曲の意味を持つ。 
トンボーの形式の基盤となっているのは4拍子の荘重なアルマンド、もしくはパヴァーヌである、トンボーの多くはバロック期フランスのリュート音楽と結びつき、嘆きの暗喩である下降4音が多く見受けられるが、ジョン・ダウランドの「ラクリメ」に影響された表現らしい、
参考:
dowland you
you tube:Dowland : Lachrimae Pavan
リュートにはこのようなイメージが付きまとうのかもしれない^^;

本題のトンボー、まずリュート作品から、R.de.ヴィゼの「老ガロに捧ぐトンボー」
visee Tombeau you
you tube:Robert de Visee (c.1665-1732/3) - Tombeau du Vieux Gallot | Miguel Serdoura, 11c Baroque lute
リュートのトンボーと言えばS.L.ヴァイスの「ロジー伯爵へのトンボー」をA.セゴビアがギターで演奏して以来知られるが、O.M.ドンボアが初めて本来のバロックluteで録音した、
曲中でてくる、同形又は同音の続くところ、そして長い音階下降、
weiss tab 06
修辞的な意味を持ちそうだが、それが何かはわからない;
参考: you tube:WEISS Tombeau sur la mort de M.r Comte de Logy arrivée en 1721 Evangelina Mascardi Luth baroque

トンボーは他の楽器のための作品としても多く書かれている、傑作どころで、マラン・マレがヴィオールと通奏低音で書いた「サント・コロンブへのトンボー」、終盤の不協和音が引き付ける、通奏低音にテオルボのみ使った演奏を挙げる、
Marais you
you tube:Tombeau pour Mr de Sainte-Colombe (Extrait du IIe Livre)
この曲でも修辞的に何か訴えるような同音の連続がある、
Marais tombeau

フランスのクラヴサン音楽はリュートから多くの影響を受けた、その一人ルイ・クープランは珍しい長調で「ブランロシェ氏へのトンボー」を書いている、
L Couperin you
you tube:Louis Couperin ・ Tombeau de Mr de Blancrocher ・ Gustav Leonhardt

また、クリストフ・グラウプナーは管弦楽組曲の中に「トンボー」と題される楽章を置いていて、ニ長調の曲だが、この楽章はニ短調になる、
c g ouver sc
trp、timpを伴い、これが哀悼の面持ちをより深くしている、
c g ouver you
you tube:Overture in D Major, GWV 420: VI. Tombeau
特定の「誰々に捧ぐ・・」という曲ではないので、抽象的な位置づけと思われる、

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category: Lute music

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ハイドンのクラリネット  

オーケストラ音楽では誰よりも秀でていたハイドンがクラリネットを用いたのが最後期の作品に限られるのは意外に思える、交響曲では最後の作品群になる第二期ロンドンセットで初めて使われ、102番を除く5曲に使われる、ハイドンがそれまでに出会ったorchにたまたまcl奏者がおらず、縁がなかっただけかもしれないが、第二期ロンドンセットでも控えめな用法に留まり、後からclパートを加えた?ようにも思える、
18c cl
18世紀のクラリネット
99番や100番「軍隊」ではclが効果的に聞こえる部分もあるが、単独パートがあっても助奏的で、clが主導する場面はない、99番の第2楽章では魅力的な木管アンサンブルが入るが、
sc03 14
奏でるのはfl、ob、fagの3者であり、clは総奏部の響きとして大抵は他のパートと重ねられる、101番「時計」はclのない版も残っており、これも総奏部でほぼ他のパートと重ね、後から加えられたようだ。
103番「太鼓連打」で初めて少ないながらcl単独のパートが聴かれる、
a d hay s103
演奏は「太鼓連打」一番のお気に入り、A.ドラティ指揮、PH
hay sym103 you
you tube:Haydn: Symphony in E flat, H.I No.103 - "Drum Roll" -
1. Adagio - Allegro con spirito
2. Andante piu tosto allegretto
3. Menuet - Trio
4. Finale (Allegro con spirito)
メヌエットのトリオに入り、vnと重ねてはいるが、他の木管は沈黙している、
sc03 45
また終楽章の[323]で初めて単独に主題を奏でる、
sc04 320
初めてclを聴いたという実感があるのはこれらの箇所である^^;
ハイドンはロンドンでの仕事を終え、ウィーンで書いたオラトリオなどでは効果的にclを用いるようになった。
モーツァルトはclを好み、早くからorchに用いていた、ベートーヴェンになると表現上不可欠な楽器になってくる。

ところで、「新発見の・・」という触れ込みで、ハイドンのcl協奏曲として出たCDがあったが、誰が聴いてもハイドンじゃないだろう;楽譜にはハイドン作を示す記載があったということだが、もう少し後の19世紀世代の誰かが書いたとしか思えない、この後、同曲を演奏する人はいないようだ。
hay cl con you
you tube:Clarinet Concerto in B-Flat Major: I. Allegro

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category: Instruments

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古典派の短調 Ⅸ  

短調作品は悲哀というより、熱情、激動といった様相の曲が好きで、古典派では非常に数の少ない短調作品にそうした曲がある。
古典派初期にあたるギャラント様式が特殊な方向に発展したのがC.P.E.バッハが代表する多感様式である、「18世紀後半のドイツ語圏で発達した作曲様式で、率直で自然な感情表現を重んじ、突然の気分の変化が特徴で、バロック音楽の情緒論への反撥として発展した」とされる、聴けば確かに、と思える。 
amb c p e bach
ベルリン古楽アカデミーの演奏で、交響曲ホ短調Wq.178
c p e bach sym you
you tube:C.P.E. Bach / Symphony in E minor, Wq. 178 (H. 653)

J.S.バッハの末っ子、ヨハン・クリスティアンの交響曲ト短調op.6-6も挙げる、
サイモン・スタンデイジ指揮、エンシェント室内Oで、
j c bach sym you
you tube:Johann Christian Bach - Symphony in G-minor, Op.6, No.6

前述の多感様式は18世紀後半の潮流、シュトルム・ウント・ドランク(疾風怒濤)の音楽に影響した、この時期多くの作曲家がこぞって短調作品を書いている、ユニゾンの力強い動機で始まる曲が多い、モーツァルトのSym No.25ト短調もこの時期に該当する。ハイドンも傑作を多く書いたがSym No.52 ハ短調は最も充実した内容だろう、
j k hay s52
シギスヴァルト・クイケン指揮、ラ・プティット・バンドの演奏で、
hay s 52 you
you tube:Joseph Haydn / Symphony No. 52 in C minor (Kuijken)
第1楽章は展開部から再現部まで連続したソナタ形式の充実書法だ、
hay s 52 sc
第1楽章 展開部
第2楽章はこの時期ならではの深く引き込む魅力がある、

最後にヨーゼフ・マルティン・クラウス(1756-1792)、ドイツ出身でモーツァルトと同年生まれ、スウェーデンの王室で活躍した、1783年にハイドンに会い、作品を献呈している、ウィーンやイタリアの影響も受けているが、お決まりの形式に拘らない独創性が魅力で、この嬰ハ短調のSym VB140にも聴かれる、
ニコラス・マギーガン指揮、Capella Savariaの演奏で、
j m kra sym vb140 you
you tube:Symphony in C sharp minor, VB 140
I. Andante di molto,Allegro II. Andantino
III. Minuetto I, Minuetto II IV. Allegro
第1楽章に対位法的で深みのある序奏を置くが、短調symでの序奏は他に例を知らない、主部に入った動機の鋭さも群を抜いている、第1楽章と終楽章に内容が込められ、間の楽章は間奏的でもある。

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category: 古典派

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未練の残る楽器  

ギターを弾いていた頃、良い楽器に巡り会えず、やっと手にした文句なしの楽器は師の仲介で、「良いのをまわしてくれ」と選別してもらった河野ギターだった、河野さん晩年近い頃なので、製作は桜井さんだったかも、 
kono guitar同型
以前のKONOギターはイマイチ好きじゃなかったが、この頃のは従来とは一新して、クリアで締まった音がしていた、さらに買い換えようという気は起きなかったが・・
やがて、リュートに専念することになり、爪がないとこのギターも活用できず、死蔵するのももったいないので、ギターの仲間にお譲りした、とても気に入ってくれたので、やはり良いのだろう;

19世紀ギターなら爪なしで何とか弾けるだろうと思い込み、何本か試して、一番良かったのがこの初期ミルクールタイプだった、
19c guitar
重量はバロックギターと同じくらい、軽量ケースも誂えた
あるとき、ギターの上手い人にこれを弾いてもらったら、香るような理想の音がする、自分ではどう頑張ってもこの音は出せない;先々を考えてもリュートの曲で手一杯で、古典派まで手が出せそうにない、これも活用できないと悟ってギターショップに預かってもらったら、すぐに買い手が現われた;
持つべき人に渡ったほうがよいとはいえ、良い楽器だったというのはちょいと未練も残る;

きのう、コメントいただいたお話を調べたところ、C.P.E.バッハが愛用していた、ジルバーマン作のクラヴィコードを弟子に譲ってしまい、「クラヴィーアとの別れ」という未練を表わした曲がある、
wq 66 you
you tube:C.Ph.E.Bach :: Abschied - Farewell - von meinem Silbermannischen Claviere :: Wim Winters, clavichord
主題は溜め息ムードか?ロンド形式なのが諦めきれないような^^;

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category: Instruments

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J.ロンドー:バッハ一族のcemb協奏曲  

J.S.バッハがチェンバロ協奏曲を主に編曲という形で書いたのは息子達が既に鍵盤奏者として活躍していた頃で、複数台のための作品も息子らと共演したものと思われる、鍵盤conはバッハ家のお家芸だろうか、息子達も数多く作曲している、 
二男、C.P.E.バッハのCemb Conニ短調Wq.23はかつてG.レオンハルトが2度録音しており、C.P.E.バッハに魅せられた曲で、その後はM.シュパーニのタンジェントpfによる演奏も興味深かったが、今一度チェンバロによる新しい名演を聴きたかったところ、
フランス気鋭のチェンバロ奏者、ジャン・ロンドーとディナスティのアンサンブルによるバッハ一族の傑作を集めた1枚を聴いた、
rondeau bach
曲目は以下のとおり、
J.S.バッハ:チェンバロ協奏曲第1番ニ短調 BWV.1052
J.C.バッハ:チェンバロ協奏曲ヘ短調
W.F.バッハ:ソナタ ト長調 FK.7より第2楽章ラメント(orch編曲:J.ロンドー)
J.S.バッハ:チェンバロ協奏曲第5番ヘ短調 BWV.1056
C.P.E.バッハ:協奏曲ニ短調 Wq.23
2016年9月

ひじょうに指の廻る奏者で、急楽章は快速で緻密に決める、弦楽は各パート1人ずつ、
1曲目は父バッハのBWV1052である、
bwv 1052 you
you tube:Harpsichord Concerto No.1 in D minor [BWV 1052] - Johann Sebastian Bach
第1楽章は速めで整然と音が連なっていく、チェンバロ単独の所ではじっくりとアゴーギグの味わいを出す、第2楽章はゆっくり、ソロの絶妙なアゴーギグ、弦パートもソロイスティックに奏で室内楽的な充実感がある、終楽章はキレのよい快速、
ここから華僑に入るが、声部を重ねてダイナミズムが表現される、
bwv105 3rd
vnの原曲はどうだったのだろう、

もう1つのメインが最後のC.P.E.バッハのニ短調 Wq.23である、この演奏ではチェロにファゴットを重ね、バス声部が明確になり効果的、
wq 23 you
you tube:Harpsichord Concerto in D Minor, H. 427:
I. Allegro II. Poco andante III. Allegro assai
第1楽章、キビキビしながらも弦楽がしなやかな味わいも加える、鮮やかな鍵盤さばきは申し分ない、第2楽章は幻想的で、終楽章はふたたび切れ味良くたたみ込む、
wq 23 sc
第1楽章始まり、跳躍、鋭い動きも多い
なお、この曲はorchを増強するとシンフォニックな聴き応えがある。
父バッハのBWV1052と同じニ短調のWq.23はともに熱情と冷静さが同居したようで、あまり甘美に陥らないところが飽きの来ない魅力に感じる。

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category: C.P.E.バッハ

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