「エグモント」序曲で聴く今昔 
2019/11/30 Sat. 10:54 [edit]
クラシック演奏の変遷も楽しめる、歳食うのもわるくないか^^;
ベートーヴェンの「エグモント」序曲でそれを辿ってみるのも一興。
まずはフルトヴェングラー、問答無用に迫る、引き込まれたら逃げられない、

you tube:Beethoven - Egmont Overture - Wilhelm Furtwängler, 1953
次はF.フリッチャイ、フルトヴェングラーと戦法は変わるが、やはり引き込まれる、

you tube:Beethoven: Egmont Overture, Fricsay & BPO (1958)
カラヤン、機動力をもった分厚い弦が圧倒する、

you tube:Herbert von Karajan / BP – Beethoven: Ouvertüre "Egmont", Op. 84 (Rec. 1969)
カラヤンに師事した小澤征爾、

you tube:Beethoven: "Egmont" Overture / Ozawa Saito Kinen Orchestra (1996 Movie Live)
さて、ここから新時代を思わせる演奏、
「エグモント」序曲も始まりに付点リズムを持つが、昨日書いたように付点を強調する習慣がこの時代もあったようだ、指揮者によってその傾向を聴かせる、

まず、アーノンクールから、

you tube:Beethoven Egmont Overture Op.84 by Harnoncourt, COE (2003)
次は古楽器orchで、ジャネット・ソレル指揮、Cleveland Baroque Orchestra

you tube:Beethoven: Egmont Overture - Apollo's Fire, Jeannette Sorrell
最後にダニエレ・ガッティ、orch編成は大きいが始めから響きの作りが違う、フルトヴェングラーの凄まじさとはかなりの距離・・

you tube:Beethoven : Ouverture d'"Egmont" sous la direction de Daniele Gatti
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category: ベートーヴェン
不均等奏法 
2019/11/29 Fri. 11:39 [edit]
楽譜の音価を伸縮させる奏法は多いが、その1つにイネガル奏法がある、
(notes inégales:不均等な奏法)
同じ音価が並ぶ場合、強拍をやや長めに、弱拍をやや短めに弾いたりする、お馴染みペツォールトのメヌエット(BWV Anh.114)で聴くとこのように、

演奏例:G.レオンハルト

you tube:Gustav Leonhardt BWV Anh. 114
音量の変化がつかないチェンバロ等では特に有効となる、小音量のリュートでも行なう。
ただし、長い音価やパッセージには摘要しない、どの程度の加減にするか、どこで用いるかはCase by caseで、型にはまらない。
また、付点リズムは強調する場合がある、付点はより長く伸ばされ、後の音は縮められる、
フランス風序曲の始まり、グラーヴェの部分は付点リズムだが、バッハの管弦楽組曲No.2を例にすると、

・・これじゃ解りづらいが;演奏例で比較すれば明白、
まず楽譜どおりに演奏しているパイヤールの演奏、

you tube:Bach, JS : Orchestral Suite No.2 in B minor BWV1067 : I Ouverture
付点を強調した初めての録音を聴かせたのはN.マリナーだったと思う、

you tube:Bach - Suite for Orchestra No.2 1st Mov. BWV 1067 (Neville Marriner, William Bennett)
しかし全般にはこの当時らしい感覚も残る、
そして最新の洗練された古楽、Zefiroの演奏

you tube:Ouverture [No. 2] in B Minor, BWV 1067: I. Ouverture
この付点の強調などは古典派以後も効果的に行なわれる、交響曲や序曲の序奏部が付点リズムの曲があるが、フランス風序曲の影響もある、モーツァルトのSym No.39 第1楽章の序奏部を例に挙げる、
まずは楽譜どおりにリズムをとったK.ベームの演奏、

you tube:Mozart: Symphony No. 39 in E-Flat Major, K. 543 - 1. Adagio - Allegro
老舗のオーダーメイド・スーツみたいな?かちっと整いきった演奏もわるくない^^
次のC.アバドは付点を伸ばしたピリオド・スタイル、

you tube:Mozart: Symphony No.39 In E Flat, K.543 - 1. Adagio - Allegro (Live)
序奏部に限らず全楽章が活き活き、心地よい楽しみに充たされる、
ほか、N.マリナー、N.アーノンクールなど早くからこのスタイルだ、

you tube:Mozart Symphony No 39 K 543 E flat major Neville Marriner

you tube:Harnoncourt conducts Mozart: Symphonies No. 39 - 41
演奏の数だけ楽しみがある、
PS.ネヴィル・マリナー(1924-2016)の演奏も改めて気に入った、マリナーは取上げた作曲家の数、録音数の多さにも驚く。
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category: 演奏について
昭和の都会の味 
2019/11/28 Thu. 09:57 [edit]

高級なアイスクリームは都会の店しかない、名古屋に勤めていた父が地下街にあった不二家の店舗でたまに買ってきてくれた、

このような、イチゴ、バニラ、チョコが3層になった豪華なのを憶えている、切り分けて食べるサイズで紙パックに入っていた、

3色アイスクリーム
当時は持ち帰る人が同様に多かっただろう、帰りの間に溶けないよう、ドライアイスを詰めた箱に入れてもらう、贅沢な土産だった。
またインスタントコーヒーの無かった昔だったので;挽き豆を買ってきてくれた、布でタモ型の漉し器で煎れて、コンデンスミルク(加糖練乳)を溶かして飲むのが流行りだったのか?

この時からコーヒー好きの子供になってしまった^^体が慣れて、寝る前に飲んでも眠れないなんてことはなくなった;
ケーキなど普段はこんなロールケーキだったが、

Xmasだけは、デコレーションケーキ、
ホイップクリーム時代に入る前なのでバタークリームである、バターは形状を保つので、職人技の凝った飾り付けができて、ピンクのバラに銀粒が散らしてあった、見るだけで楽しい、

注文して作ってもらったもの、職人の気分で作る度にレイアウトが変わる、
*不二家もバタークリームを復刻しているが、バラ飾りのサンプルは見当たらない、

ほかにウイスキーボンボン、チョコレートやクッキーの詰め合わせとなると、街のお土産だった、透明フィルムを細く切った充填材の上に色とりどり並んでいた。
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category: 昭和の記憶
I.ファウスト:Beethoven vn協奏曲 
2019/11/27 Wed. 09:58 [edit]
( )は指揮者、
①W.シュナイダーハン(ヨッフム)、②H.シェリング(イッセルシュテット)、
③A.S.ムター(カラヤン)、④チョン・キョンファ(コンドラシン)、
⑤ヴェラ・ベス(B.ヴァイル)、⑥ツェートマイヤー(ブリュッヘン)
⑦V.ムローヴァ(ガーディナー)、
以上の7枚があった、それぞれのカデンツァは
②はJ.ヨアヒム版
③、④はクライスラー版
①、⑥はシュナイダーハン版(原作:ベートーヴェン)
⑤はvc奏者のA.ビルスマ版
⑦はcemb奏者のO.ダントーネ版
カデンツァはじつに沢山の版が書かれているが、クライスラーやヨアヒム以外の古い版は聴いた憶えがない、新作もあり、その選択も奏者のスタンスに反映しているようで興味深い、
先日興味をもったイザベル・ファウスト(C.アバド)盤を新たに加えた、

イザベル・ファウスト:vn
クラウディオ・アバド:指揮、モーツァルトO
2010年 ハルモニア・ムンディ
ハルモニア・ムンディの録音は特質をよく捉え、申し分ない、
この共演はアバドの方から申し出たそうだ、ファウストの話しでは「アバドは100回演奏した曲でも、またゼロからアプローチする、そういうタイプです」と述べている、たしかにアバドは"巨匠時代"の指揮者ではないことは演奏歴からもわかる、
常に作品を一から研究しなおすというファウストの方針と相性ぴったりだろう。
当然モーツァルトOは大編成ではない、それがぴったりくる量感、ファウストのvnソロは力を抜き、くっきり透明な美音が基調である、ヴィブラートは必要なところで僅かに入れるのみ、カデンツァはシュナイダーハン版で、timpは硬いマレットで遠雷のように響かせる、
第2楽章はぐっと弱奏基調、ソロvnは[56]あたりから、pppくらいでグラスハープを思わせる響きで引き付ける、

今まで聴いたどの演奏より透明感がある、終楽章は快速ぎみに入る、今まで聴けなかった作品の美質を新しいアプローチで気付かせてくれる、今後もそんな演奏が増えていくだろう。
当盤は終楽章のみyou tubeに挙っていた、

you tube:Ludwig van Beethoven - III. Rondo allegro
参考:先日の動画から第2楽章を、

you tube:Beethoven: Violin Concerto - Rotterdam Philharmonic Orchestra and Isabelle Faust - Live HD
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category: ベートーヴェン
冬に食べたいもの 
2019/11/26 Tue. 09:00 [edit]
幼少の頃、初めて食べたチーズと生牡蛎には「オエッ」っときたのを思い出す^^、味が濃すぎる、おまけに牡蛎はおもいきり磯臭い・・;
でも、いつの間にか好物になっていた、「美味いと不味いは紙一重」という話を書いたことがあるが、それほどきわどい食材がヤミツキになったりする^^
まず、殻付きのでっかい牡蛎が食べたい、シンプルに焼き牡蛎などいいかな、

カニは味ではガザミ(ワタリガニ)が一番、泳ぐカニで足は薄いヒレ状で肉はないけど、胴体の付け根に十分肉がある、ミソもいけるし、卵を持った雌は最高、

you tube:泳ぐワタリガニ
なお、潮干狩りのとき海岸で捕まえられるイシガニも小型だが近い仲間で味は抜群、

(*東日本大震災では津波が海岸に土砂を運び仙台湾南部に広く泥が堆積した、ガザミは泥混じりの浜に生息するため、翌2012年から急増し、2015年に漁獲量が全国1位となったそうだ、こんな激変も災害の規模を物語っている)
サバは昭和の食卓でお馴染みの魚だった、

醤油の甘煮や、味噌煮、これも飽きない味、

酢に漬けたしめ鯖は小鯛の笹漬けにも劣らず好きかな・・すぐにでも食べたい、


フグはさっぱりして食べやすいが、特別美味しいと思ったことはない、
いつも桑名まで行きながらまっすぐ帰ってくるが、ちょっと鮮魚店に寄ってみたい^^
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category: 時事・雑記
3つの五重奏曲 
2019/11/25 Mon. 08:58 [edit]
ほか、ボッケリーニとJ.M.クラウスの五重奏作品を取上げる、三者三様の魅力である。
モーツァルト:弦楽五重奏曲 No.6変ホ長調 K.614
手持ちにはクイケン四重奏団&寺神戸亮(va)がある、

この第6番(K.614)は晩年の苦境など関係ないような健康的な趣き、四重奏曲「狩」K.458でも見せたハイドン風の趣味が漂う。完成された大がかりな器楽曲として、これが最後の作品というのにも驚く、編成はvn2、va2、vc1で、2つのvnとvaがそれぞれ掛け合いを聴かせる、
第一楽章、軽やかでホルン風の動機で始まる、この動機が支配的で、展開部も緻密で聴きごたえあり、弱奏による掛け合いも動機の装飾の入ったリズムが効いて心地よい。
第二楽章、ロンド風、アイネ・クライネ・ナハトムジーク第二楽章の主題をちょっと素朴にした感じ、これが安らかでよい、ロンド主題が繰り返されると1st vnほか各パートが交替で変奏的なオブリガートを乗せていく、終盤では思い切った短二度の不協和音に驚く。
メヌエットはのびのびしながらポリフォニックな手法、トリオの主題は民謡風? モーツァルトには珍しいのかな、
終楽章、ロンド風、メヌエット主題と同系のテーマが快調でハイドン風、後半で出るフガートが圧巻、ほか多様な手法が凝らされていて、これが5:39の中に圧縮されている。
you tubeはPerformers : Hausmusikによる演奏を挙げる、

you tube:Mozart - String Quintet No. 6 in E-flat major, K. 614
L.ボッケリーニ:弦楽五重奏曲イ短調op.25-6
次にボッケリーニだが、古典派の技法を活かし、イベリア半島趣味の曲を書くようになった、五重奏曲はかなり書いているが、編成はvn2、va1、vc2というのがモーツァルトと違う、

特にその短調作品はモーツァルトらの趣きともかなり違う、流麗な魅力は聴いてすぐにわかる、終楽章のラテン的で活発なリズムはギター伴奏が入っても良さそう、
エウロパ・ガランテの演奏で、

you tube:Boccherini / String Quintet in A minor, Op. 25 No. 6 (G. 300)
J.M.クラウス:フルート五重奏曲ニ長調 VB 188
ヨーロッパ最南スペインのボッケリーニに対し、最北のスウェーデンで活躍したクラウスも独創的魅力がある、

編成はfl+弦楽四重奏、flがソロイスティックにも響くが全パートが対等な室内楽だ、
第1楽章は流麗に運び、多声が見事に織り合わさる、提示部は反復され、展開部と再現部は区分けができないような内容で長大、先日のSym VB.142でもvaパート、バスパートを各々2つに分けていたが、多声的に凝るところ、ブラームスの先取りみたいだ。
第2楽章は穏やかで高貴な美しさ、終楽章は快活に引き付け、書法的充実は十分だが、程よいところで終わる。
M.サンドホフ:fl、シュパンツィヒSQの演奏、

you tube:Flute Quintet in D Major, Op. 7, VB 188:
I. Allegro moderato II. Largo III. Finale. Con brio
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category: 古典派
関西のどん兵衛「天そば」 
2019/11/24 Sun. 11:33 [edit]
今回は関西のどん兵衛 天そばを買ってきてもらった、

蓋の印刷はそっくりだが少し違う、スープの袋も色分けしてある、

蕎麦は関東が本場だけに関西仕立ての味にちょっと興味があった、ダシのうま味は十分で甘みが少し効かせてあるようだ、
前にも書いたが、関東向けと関西向けの流通エリアの境はこのとおり、

天下分け目の関ヶ原が今の食文化の境として残っているらしい、北陸にちょっと伸びているのは豊臣寄りの前田家の影響か、三河より東は徳川家の味になる、明智光秀が家康の接待で関西流の料理を出したところ、信長に叱責される場面は「大河」でよくある^^
どん兵衛 きつねも関西味らしく仕立ててあった、

エリア境界付近では、コンビニ一軒隔てれば変わってしまうのか、両方置くってことはないのだろうか?
ちなみに岐阜のセルフうどんの店では、スープは関東味、関西味、両方用意されている、試したことはないがブレンドもできる^^

あと京都の土産は古くからあるこれが欠かせない、

五色豆
茶色のニッキ味の香りが全体に行き渡り、昔と変わらない昭和の風味である。
「生八つ橋」や「おたべ」というのは'60年代に登場したそうだ、
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category: 時事・雑記
Beethoven:vn協奏曲のカデンツァ 
2019/11/23 Sat. 10:39 [edit]
なお、このvn協奏曲は周囲からの勧めでベトーヴェン自らpf協奏曲(op.61a)に編曲しており、この際はカデンツァも書いている、
のちにvn用のカデンツァはじつに多くの人が書いているが、よく演奏されるのは、J.ヨアヒムやF.クライスラー版あたりか?
*以下、you tubeはカデンツァ部分をピックアップ
H.シェリングはJ.ヨアヒム版を用いている、

you tube:Henryk Szeryng & Bernard Haitink L.v.Beethoven Violin Concerto in D major, Op. 61
A.S.ムターはクライスラー版を演奏、巧みに2声で書かれたところが聴き応えである、
小澤征爾指揮:ベルリン・フィルとの共演で、会場はウィーン ムジークフェラインザール、

you tube:Beethoven: Violin Concerto in D major, Op. 61/Anne-Sophie Mutter
*ここでベートーベンが書いたpf 協奏曲編(op.61a)のカデンツァを・・演奏はpf:イェネ・ヤンドー、指揮:ベーラ・ドラホシュ、ニコラウス・エステルハージ・シンフォニア

you tube:Beethoven - Piano Concerto Op.61a: 1. Allegro ma non troppo
このpf編のカデンツァを元に、ウォルフガング・シュナイダーハンがvn版のカデンツァに書き直し、1962年にDGに録音している、

you tube:Beethoven: Violin Concerto in D Major, Op. 61 - 1. Allegro ma non troppo
第1楽章のモチーフを印象づけるtimpをカデンツァにも用い、中間部では馬の速歩のリズムになる、斬新なベートーヴェンの発想を尊重したのだろうか、
シュナイダーハン版は、のちにT.ツェートマイアーなどピリオド指向の演奏で使われるようだ、やはり作曲者の手によるのが重視されるのか、
新しいところで、イザベル・ファウストもシュナイダーハン版を使用、ただし新時代らしい演奏でこれは全曲改めて聴いてみたい。

you tube:Beethoven: Violin Concerto - Rotterdam Philharmonic Orchestra and Isabelle Faust - Live HD
近年はまた新たに書かれたカデンツァも様々聴かれる、
ヴィクトリア・ムローヴァの2002年の録音もピリオド指向で、このカデンツァは先日ハイドンSymでも取上げたチェンバロ奏者で指揮者のオッタヴィオ・ダントーネが書いたものだ、正攻法で美しいと思う、

you tube:Beethoven: Violin Concerto In D, Op.61 - 1. Allegro ma non troppo
他にも興味深い演奏は尽きない(もちろんカデンツァのみならず)、
P.コパチンスカヤの演奏、シュナイダーハン版に基づくアレンジのようだ、

you tube:Beethoven: Violinkonzert ∙ hr-Sinfonieorchester ∙ Patricia Kopatchinskaja
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category: ベートーヴェン
O.ダントーネ:Haydn Sym No.81 
2019/11/22 Fri. 11:19 [edit]

オッタヴィオ・ダントーネ指揮
アカデミア・ビザンチナ(ピリオド楽器)
第1楽章、和音を弾いた後、間を置いてvn2の内声が先に出て緩やかに入る主題が斬新、

ここでvcが入れるリズムは駒の近くを弾く音で浮き立たせている、
動と静を効かせた活気に満ちた提示部を繰り返し、展開部から再現部まで緻密で気を抜かせない書法が続く。
第2楽章、変奏形式でvn1にflが重なって、ハイドンらしい歌唱的な主題を始める、

4つの変奏が続く、変奏曲の手本のような曲だが、第一級の味わい、鋭い第2変奏を置き、最後は元の主題の上に木管アンサンブルを乗せる。
メヌエット、主題が意表をついて面白い、トリオはドローンの上に民謡調の主題、

ところで、これと似たメヌエット、ほかに聴いた憶えがあり、Sym No.54 G majorのメヌエットだった、曲を入れ替えても気付かないかも^^
*参考 you tube:J. Haydn - Hob I:54 - 2nd Version - Symphony No.54 in G major (Hogwood) 3. Menuetto: Allegretto
終楽章、ここも活気あふれる、主題はNo.53「帝国」の終楽章を思わせるが、展開部の入り[51]で休符にフェルマータが付き意表を突く、

どのくらいにするか匙加減だが、ダントーネはまあ程々だろうか、この楽章も展開部以降は緻密で堰を切ったように聴き応えがあるが、[69~82]ののような転調しながらのゼクエンツって、あまり好きじゃないので別の内容が欲しいところ;


you tube:Haydn: Symphony No.81 in G Major, Hob.I:81 - Edited H.C. Robbins Landon
1. Vivace 2. Andante 3. Menuetto - Allegro 4. Finale - Allegro
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category: F.J.ハイドン
もう一度食べたい果物・野菜 (追記あり) 
2019/11/21 Thu. 11:07 [edit]
幼い頃、近所の庭木に生っていたのを貰って一度だけ食べたことのある、ポポーの実、(モクレン目バンレイジ科)

熟した果肉は黄色く、ねっとりした食感で甘く、独特の香りが強い、ちょっとしつこいような味だったので一度きりの記憶に残っている、名前すら知らなかったので、最近ネットの画像で「ああ、これだ」とわかった、

熟したらすぐに食べないと日持ちしないので、青果店などには流通せず、庭木で育てて食べられる幻の果物と言われる。大きな種があり和名をアケビガキと言う(なるほど)、
今は冷凍ものなら通販で買えるらしい;

ポポーの花、見た目味わいがあるが、腐肉臭でハエを誘うらしい;
地元では畑の隅に子供のおやつ用にサトウキビが植えられていた、当地ではアマキと言う、
雑草化してその辺にも生えていた、

イネ科の植物で茎の皮を剥がして囓るとガシガシした歯応えで甘い汁がとび出す、ほんのり草っぽい香りでこれが何とも良い、

噛みカスは捨てる、これは売ってないので栽培するほかない;
マクワウリ、外観はいろいろあるが、地元ではこの黄色の無地が出回っていた、

マスクメロンほど甘くなく、果肉も硬いので完熟のタイミングを狙う必要があるが、瓜らしい甘い香りはマスクメロンより魅力で懐かしい、

今もたまに果物店で見かける、
今は野菜で売られているトウモロコシでは"スイートコーン"しかお目にかからない、実は甘いが水っぽくてビシャビシャしている、
昔は甘みは少ないがうま味があり、実の食感もねっちり食べ応えのある品種が普通で、これの塩茹でがじつに美味しく、焼きトウモロコシもこれでこそ美味い、
品種名は「キャンベラ」だそうで、同世代の人にとって、これがトウモロコシの味ではないだろうか、今は流通していないのが納得いかない^^;

キャンベラ とうもろこし
キャンベラは昭和村で復活栽培を始めたらしい。

PS.芋の切り干しは今でも売っているが、昔はサツマイモでも切り干し向きの品種があった、
干すと飴色になってきて半生くらいが絶品、今のよりずっと美味しかった、農家では沢山蒸して輪切りを筵に干していた、この蒸す匂いがあちこちから漂い、季節感だった^^
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category: 昭和の記憶
フェシュテティーチSQ:Haydn「日の出」 
2019/11/20 Wed. 10:53 [edit]

DECCAから出た古楽器orchによる全集は、疾風怒濤期などホグウッド盤に統一したほうがよいところ、ブリュッヘン盤を混ぜてきている、無神経なたたき売り感がいただけない;
T.ファイ盤は全集が出る前に大方揃えてしまった^^
弦楽四重奏の全集はコダーイSQを持っていたが、フェシュテティーチSQ盤を手にしてからは、これだけにしている、

フェシュテティーチ弦楽四重奏団(ピリオド楽器)
こちらは四重奏曲でもディヴェルティメントやカッサシオンに類する曲は省いてあり無駄がない、古楽器SQによる完成度の高い全集だが、聴くのは久しぶり;
変ロ長調 Op76-4 Hob.Ⅲ-78「日の出」は健康的で好きな曲である、
ヴィヴラートは押えているので常に透明感があり、和声もきれいに響く、
第一楽章は日の出の情景のようにpで始まり、朝の澄んだ空気を思わせる、

やがてぐんぐんと元気になっていく、これも好きな主題である、
展開部は楽しい音の綾取り、

再現部もその続きのように聴きどころ。
第二楽章、変奏形式、「皇帝」のような名旋律を持つ楽章に対し、こちらはさらりとして深夜の静けさを思わせる、物想いにふけるような味わい。
メヌエット、アレグロでスケルツォ風、快活で親しみ易い良い主題、vcを効かせるポリフォニックで凝った書法、トリオではドローンを入れ、趣きを変える。
終楽章、コーダを持つ三部形式でアレグロ・マ・ノン・トロッポに始まり、アレグロ、プレスト、とテンポアップしていく、始まりからポリフォニックな要素が多く、聴き応え十分。

今回検索したらyou tubeに挙っていた、

you tube:String Quartet in B-Flat Major, Op. 76, No. 4, Hob. III:78 "The Sunrise":
I. Allegro con spirito II. Adagio
III. Menuet (Allegro) IV. Finale (Allegro,...
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category: F.J.ハイドン
パソコンの音声 
2019/11/19 Tue. 09:54 [edit]
楽器ソロは十分、orchでもいける、

ふと聴きたくなったフェルナンド・ソルのギター曲、ギターを始めた頃、「魔笛の主題による変奏曲」、「グランソロ」など誰しも憧れるが、ソルは大曲よりも小品や練習曲に音楽の美味しいところが集約されていて魅力である、アンドレス・セゴビアも「大ソナタ」など冗長な曲は避け、良い曲でプログラムを組むため、ギター曲以外からの編曲にも熱心だったようだ。
ソルの小品でよく演奏される、アンダンテ ラルゴ Op.5-5を、まずはA.セゴビアで、

you tube:Andante Largo Andres Segovia
セゴビアがよく行なうポルタメントを伴ったルバートやリズムの伸縮は師のミゲル・リョベート直伝の語り口のようだ、
Kazuo Aoki氏の演奏、ラミレスの楽器らしい底力のある特徴が小型SPでもわかる、

you tube:Andante Largo Op5 5 Fernando Sor
ちょっとセゴビア風かな、
こちらは19世紀ギターによる演奏、楽器の特質がはっきりわかる、

you tube:Ludovic Le Grand plays Andante Largo Op.5 by Fernando Sor
各声部の流れた良い演奏だと思う、
you tubeの音源は良好なのも挙っており、この装置でオーディオに送って聴いたりする、

送信機をUSB端子に繋ぐとデジタルで電波送信、受信機でDA変換し、アンプのライン入力で受ける、CDと変わらないレベルで聴ける音源もある。
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category: Low cost audio
地元の景色 
2019/11/18 Mon. 09:20 [edit]

縄文遺跡が多数出土しており、古代から栄えた場所らしいが、内陸で木曽川に阻まれているせいか、都会にはならず、今も中途半端に田舎で、工場と畑、住宅地の街である、
ローカルなりに見栄えのする景色があるといいけど、どこを見渡しても殺風景である、そういうところが良い?のかも^^;
夏の暑さは日本一クラスだが、水害は少ない、冬極端に寒くない、深井戸が渇水しないので、市内の水道は井戸水を使っている、少しは良いところもあるか・・と住み続けている^^
この写真の線路(名鉄)が右へカーブし、上り坂になっているあたりが台地の東端になる、

こちらは並走するJR高山線、手前の方から勾配をつけてあるので急坂はない、

さらに東へ来たJR高山線鵜沼駅、単線のすれ違い駅になる、

木曽川を渡り、愛知県側へ行くのは名鉄のみで乗換えが必要、

高山線はさらに北東の下呂、高山へと単線が続く、

名鉄の乗降の少ない駅は自動改札機はきっちり設けているが、ベンチは吹きさらし、小さな待合室があるといいんだけど;

名古屋まで足を伸ばすと名鉄の駅は地下にある、ここは入り口、

名鉄名古屋駅はそのまま地下街へ繋がって賑わう、


名鉄 座席指定特急
あとは市営地下鉄に乗換えて市内を廻れる。

市営地下鉄
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category: 時事・雑記
O.スウィトナー:Dvorak Sym No.8 (N響ライヴ) 
2019/11/17 Sun. 11:20 [edit]
いつ頃買ったか憶えがないが、ラックにO.スウィトナー、N響のライヴ録音で、ドヴォルザーク Sym No.8があった、1973年、大阪厚生年金会館での収録で、会場の響きは期待できないが、意外に録音は良好で集中させる、ひじょうに覇気のある演奏で気に入った、

第1楽章、滑らかに情感深い強弱で開始、この歌い出しを大事にしているようだ、主部はひじょうに快速で活気を持った演奏、先に述べたとおりのサウンドが心地よい、展開部は見事だが、このブラスがテーマを力強く奏で、弦が半音階で上下するクライマックスが圧巻、

ここでも耳に爽快な演奏だ、終結はキレたように加速し熱気あふれる。
第2楽章はドラマティックな構成、弦楽による始まりは涼やかな風、鳥が鳴く森、湧き出る泉、大渓谷?・・何かいろいろ情景が浮かんで楽しませる楽章、vnソロが一際美しい、スウィトナーは聴力検査ギリギリのpppまで使い、奥行きや色彩感を豊かに聴かせる。
第3楽章、スウィトナーはゆったりと、いかにも優雅なワルツ風に聴かせる、

弦の一弓のデュナーミクにも気品を持たせる、サヴァリッシュのきりっとした演奏も良かったが、こちらもまたハマる、
このfzでの量感の入れ方も絶妙で期待どおり、

弦楽の爽快さと、obソロを助奏するvcが味わい深い。
終楽章はわりと落ち着いたテンポ、trpの澄んだ響きで開始、この楽章もppをpppくらいに下げて奥行きを付ける、flソロのバックでtrpが弱奏する、この澄んだ響きも良い、トルコ行進曲風になる変奏でちょっと武骨になった後がスマートに決まる。
スウィトナーのサウンド作りとDvorak Sym No.8はとても相性よく感じる。
you tubeにN響盤は挙っていないが、1978年、SKBとの東京公演が挙っていて、ほぼ同じ魅力で聴ける、

you tube:ドヴォルザーク 交響曲第八番 スウィトナー / シュターツカペレ・ベルリン 1978東京
ほかにSKBとのセッション(1977年、ベルリン キリスト教会)もある、
D.シャルプラッテンの録音だが、これぞHiFiと言える好録音だ、音場に奥行きがあり、各楽器の発する音のエネルギー差(低音ほどエネルギーが高い)に実在感がある、低域を深々と聴かせ高域(vn群)は常に力を抜き滑らか、ブラスは厚みを帯びて押し出す、そんなバランスがよく再生される。

you tube:スイトナー指揮ドヴォルザーク交響曲第8番
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category: ドヴォルザーク
O.ダントーネ:Haydn Sym No.80 (更新) 
2019/11/16 Sat. 10:49 [edit]
まずはNo.80 D minor、
DECCAの「古楽orchによるHaydn Sym全集」の穴埋めを兼ねたO.ダントーネ指揮、アカデミア・ビザンチナの演奏で聴く、

オッタヴィオ・ダントーネ 指揮
アカデミア・ビザンチナ
2015年 DECCA
交響曲No.80ニ短調は疾風怒濤期に書かれたスタイルとは明らかに異なり、主役らしい第1主題(ニ短調)が颯爽と活躍しようとするが、ゆるキャラ風の第2主題(ヘ長調)が雰囲気を変え、優勢になっていく、
第1楽章 Allegro soiritoso ニ短調の第一主題はバスに明確に現れる、

vn、vaのトレモロが伴い険しさがあるが、提示部の最後、[57~64]にのみ現れる第二主題はレントラー風でリズム的にもおっとり、

展開部は第2主題で始まり[74~78]で仕切り直しかと思わせ、また第2主題が出る、

ダントーネは第二主題の入りにルバートをかけ、やんわり表情を出す。展開部以後は第二主題に主座を奪われた感がある。楽章の後半に反復記号はないようだ、確かに一度が効果的かも。ダントーネは張り詰めたスタッカートの力感の間に柔軟なレガート、強弱法を聴かせ、ユーモアも十分心得た心地良さだ。
第2楽章 Adagio 気品ある主題のソナタ形式、これも「十字架上の七つの言葉」まさにその時期を思わせる緩抒楽章、多彩な変化を聴かせ緊迫した場面も見せる、[24]から続けて(p)で奏でるflは芳香漂うような効果、当演奏のflトラヴェルソは一際心地よい。

メヌエット ニ短調の淡々としたメヌエット、トリオは交響曲No.26にも登場したグレゴリオ聖歌風の主題で印象づける。
終楽章 Presto この楽章もユーモアだ、2拍子でアウフタクトから繋がるシンコペーションで始まり、vn2が入れるリズムで余計に拍節が掴み辛い、

[110]からの管パート(ob、fag)もリズムの入れ方が変わり、惑わされる;


you tube:Haydn: Symphony No.80 in D Minor, Hob.I:80 - Edited H.C. Robbins Landon
1. Allegro spiritoso 2. Adagio 3. Menuetto 4. Finale (Presto)
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category: F.J.ハイドン
J.M.クラウス:Sym C minor VB142(スコア) 
2019/11/15 Fri. 09:46 [edit]

Joseph Martin Kraus(1756-1792)
C.W.グルックの劇音楽の影響も受けているとのことだが、短調作品の深淵な趣きはグルックの影響かもしれない、グルックの「アルチェステ」序曲とクラウスの「オリンピエ」序曲を聴いてみると覗える気がする、

you tube:Gluck Alceste Overture John Eliot Gardiner

you tube:Joseph Martin Kraus - Ouverture to Olympie
この短調の序奏部の効果は交響曲にも活かしているように思える、
交響曲ハ短調VB142は先に書かれた嬰ハ短調VB140から改作され、ハイドンに献呈された曲だが、メヌエット楽章を除き3楽章としている、ハイドンでさえ、それまでこれほど聴かせる序奏は書いていなし、短調交響曲には1つも序奏を付けていない、
クラウスのSymで最も演奏されるVB142だが今回、スコアを見ることができた、

序奏の冒頭
これでわかったのが、弦楽はvaも2パートに分け、vcとcbも各々単独パートになっている、多くの部分で同一に重なるが、必要な所では別声部にしている、またobとfagが各2本、hornは4本もある、
第1楽章はユニゾンの力強さも聴かせ流麗な部分に多声でポリフォニックな書法を見事に織り込んでいる、提示部の反復指定なく、展開部に繫がる、[149]からが展開部と思われる、

第2楽章は変ホ長調で書かれ、変奏的書法に対位法的書法が組み合わさっているようだ、多声に分けた声部が活かされる。
終楽章、これは魅力な楽章で引き込む、原作のVB140より展開部を充実させている、[102]から単独のcbがより懐深く引き付ける。

you tubeはG.アントニーニ指揮、Kammerorchester Baselのライヴで、

you tube:Kraus Symphony VB 142 | Giovanni Antonini | Kammerorchester Basel (Haydn2032 live)
管と弦合わせ14パートあり、第1楽章は全ページの半分を超える長大さ、献呈されたハイドンはクラウスの技量と斬新さに目を見張ったかもしれない、タイプは違うが「モーツァルトに匹敵する天才」と言わしめたという、ハイドンはこのすぐ後くらいに、No.80、No.81という斬新なSymを書いている。
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category: J.M.クラウス
H.グリモー:Brahms pf Con No.1 (更新)  
2019/11/14 Thu. 10:35 [edit]
ブラームスのpf協奏曲で、最初に聴いたのは今も名盤として名高い、E.ギレリス:pf、O.ヨッフム指揮、BPOのDG盤だった、

(参考)you tube:Emil Gilels plays Brahms: Piano Concerto No. 1 In D Minor
orchは重厚この上なく、ギレリスは鋼鉄の指と言われる剛腱でorchと対等な圧倒ぶり、こういうのも魅力なのは確かだ、ただこの録音はバランス的にvn群が強く、低域が引っ込んでいるのが残念、もっと全体にドシっと来てほしい。
さて昨日に続き、pfはエレーヌ・グリモー、指揮:アンドリス・ネルソンス、バイエルン放送交響楽団によるCon No.1を再聴した。

グリモーはフランス出身でアメリカへ移住、ドイツ・ロマン派が主なレパートリーだったが、近年は演奏対象を広げているそうだ。
新鋭指揮者、A.ネルソンスは2020年のVPO、New Yearコンサートの指揮をするそうだ。
第一楽章は交響曲のような始まり、これが強く印象づける、まずネルソンス指揮、バイエルン放送響の充実した前奏が気に入ってしまった、爽快な響きで十分な力感を出す、[76]から弦がセンスよくレガート、[79]から金管,timpがくっきり打ち出す対比が良い、対位法的なところに立体感をだす。

pfソロは柔軟なアゴーギグを伴って始まる、pfが最初に弾くffのトリル[110]だけゆっくりにして力感を入れている、

全般に詩的な緩急の表現で進める、pfの単独ソロでは一段と深まるが、orch.が伴う部分も息を合わせる、pfと1つのhornが合わせる所もある[211]、

pfのffで入る展開部では急き立てる感覚を徐々に増していき、清々しさを挟みながら、熱気をもって終結へ進む。
第二楽章、弦の弱奏の涼やかなタッチは現代的、pfソロはより夢想的でppは本当に微かで引きつける、cl.が奏でる音はレクイエムの雰囲気、
終楽章、快活なテンポでソロが開始、鮮やかな切れを聴かせorch.のダイナミズムが量感を加える、ロンドテーマによるorch.のフガートを挟み、

再び活気を帯びて終結へ運ぶ。

D.グラモフォンの録音は潤いがあり、バランスのとれた好録音だ。

ブラームス pf協奏曲No.1 ニ短調 op.15
エレーヌ・グリモー:pf
アンドリス・ネルソンス指揮、バイエルン放送交響楽団
2012年録音 D.グラモフォン
you tube:Brahms - Piano Concerto No. 1 (Helene Grimaud)
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category: ブラームス
H.グリモー:Beethoven pf Con No.5 "Emperor" 
2019/11/13 Wed. 11:18 [edit]
久々の「皇帝」、新しいのを1枚取り寄せた、
フランス出身のエレーヌ・グリモーはそのレパートリーからもわかるようにフランス近代音楽にさして興味がなく、ドイツ・ロマン派音楽にとりわけ魅了されると本人は言っているそうだ。シューマンのpf協奏曲など聴いてみると、アルゲリッチのような剛腕な弾き方ではない、古典派感覚の残るベートーヴェンも興味あるところ、V.ユロフスキ指揮、SKDとの共演を聴く、ロシア出身でドイツで活躍する指揮者 V.ユロフスキにも興味が湧くところだが。
シュターツカペレ・ドレスデンは編成は大きくないようで、近年のベートーヴェン演奏らしく、過剰な量感なく透明感と和声をよく聴かせ、管楽器の味わいも引き立つ、

Beethoven pf Con No.5 "皇帝"
エレーヌ・グリモー:pf
ウラディーミル・ユロフスキ:指揮、ドレスデン国立O
2006年 ドレスデン、聖ルカ教会 DG
第1楽章のはじめ、グリモーのピアノは単独ソロではアゴーギグを効かせ、軽やかでorchともに重厚というより、耳心地がよい、
第2楽章は静謐に奏で、細やかに引き込む、pfにはモーツァルトに近い感覚も聞えてくる、助奏する木管もさらりとして現代感覚、

終楽章へ入る前は一際弱奏で引き付け、pfで入るが、終楽章も重くならずリズミカルで程よく切れ味がある、ある意味肩の力を抜かせる、新感覚の演奏に思う。

you tube:Beethoven: Piano Concerto No.5 In E Flat Major Op.73 -"Emperor" -
1. Allegro 2. Adagio un poco mosso 3. Rondo (Allegro)
'60~'70年代頃、グラモフォン、EMI、フィリップスなど老舗レーベルには独特のサウンド作りがあったようで、バランスの好みによって不満も生じたが、今はどこもナチュラルで良い録音になり、レーベルの違いなど気にならなくなった。
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category: ベートーヴェン
はったい粉 
2019/11/12 Tue. 10:14 [edit]
懐かし過ぎで、こんなの知らない人も多いと思うが;麦焦がし、煎り麦、香煎(こうせん)などとも呼ばれる、オオムギやハダカムギを炒った上で挽いた粉で、親父がよく買ってきた、
素朴な香ばしさがあり、食べ方は蕎麦掻きのように熱湯で錬って砂糖を混ぜる、

何かに似ていると思ったら、ネスカフェの麦芽飲料「ミロ」、

温めた牛乳に、はったい粉とココアを適量混ぜたらそっくりではないか^^
きなこ餅の要領ではったい粉餅にもできるが、きな粉に比べ、ちょっと地味である;
はったい粉を水飴で練って棒状に伸ばし、切ったものが「げんこつ飴」になる、

まあ、特に食べたいという程ではないが^^犬山城周辺の土産物だった、鄙びた風味は幼少の頃を思い出す。
地元に干菓子の専門店があるが、昔の駄菓子も置いている、大手製菓会社のロングラン品や復刻品も目にする、

バターボール、これも親しんだ味で、飴が黄色いフィルムで包んであるとより懐かしい、少し塩味が入れられ、香りはバター風には思えないのだが、「これがバター風味だよ」という約束事のようになっていて、どのメーカーも共通だった、
そういえばフルーツドロップのバナナ風味などもそれらしい香りに思えなかったが、

化学合成されたちょっと強調したような香料にすっかり馴染んでいた。
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category: 昭和の記憶
スウィトナー:Beethoven Sym No.8 (更新) 
2019/11/11 Mon. 11:50 [edit]
スウィトナーの演奏とDENONの録音技術は相乗効果となったように相性が良い、木管やホルンの生々しい色彩、低音の量感、trp、timpのパンチ、弦楽は個々の楽器の胴鳴りが聞えてくるようで、これらが東ベルリン、キリスト教会の響きで美しく溶け合い、スウィトナーのベートーヴェンSymシリーズ録音は他のどの音盤より音場感が鮮明である。
PCM(デジタル)録音をアナログ盤に刻んだ音が、何故か絶品である。

オットマール・スウィトナー指揮
シュターツカペレ・ベルリン
1983年録音 DENON
過去に持っていたNo.8の入ったLPは長いNo.4とカップリングされていたので、No.4が2面に渡り、No.8のスペースが詰められていて物足りなかったが、

No.1とカップリングされた当盤は片面一杯に入っていて万足。LP盤選びはこの点も要注意だ、
第一楽章の始まりから[12]にはいると、総奏の中で、vn2とvaが小刻みに内声を入れるが、

これがくっきり、弦の集まりというだけでなく、個々の楽器のボディが鳴る感じも伝わり、心地よい切れ味。始まりから爽快だが、この楽章は展開部の盛り上げっぷりがじつにいい^^
第二楽章は速めにさらりと聴かせる、この楽章が楽しく、長くないのがある意味良いところ、
第三楽章、この楽章はスウィトナーの美質が際立つ、思い切ったゆったりテンポでじわじわ助走をつけるようにはじめ、

[3]のアウフタクトからvn1がpで一際力を抜き、浮遊する感覚、トリオを持つので、メヌエット楽章の位置づけのようだが、あまり舞曲風ではなく、スウィトナーは清涼な緩抒楽章のように演奏、これが他に例がない魅力だ、トリオでのclやhrnの音色が鮮やかに味わえる。
終楽章も内容は充実、スウィトナーは快速に、ダイナミズムも清潔サウンドでしめくくる。
今回は当演奏がyou tubeにあった、

you tube:Ludwig Van Beethoven - Sinfona N°8
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category: ベートーヴェン
サヴァリッシュ:Schumann Sym No.4 (更新) 
2019/11/10 Sun. 10:17 [edit]

SPは自作物でラックの下にあるのは外部付けのネットワーク回路、今は一番上にレコードプレーヤーを置いている、

昇圧トランスも自作で材料費はたしか5千円未満、
音質はレコード盤、カートリッジ、SPの各特性が合わさって決まる、
しばらく休止していたレコード盤、特に好きな盤を順に聴いていくことにした、
カートリッジ、AT33PTG/IIを取付け、

EMI盤のサヴァリッシュ指揮、SKDのLPでシューマン Sym No.4を再聴、この曲では一番好きな演奏だ。演奏時間約27分はLPの片面ぎりぎりのところ、CDと比べ、若干音はおとなしくきこえるが弦楽のきめ細かい味わいが良い、

ウォルフガング・サヴァリッシュ:指揮
シュターツカペレ・ドレスデン 1972年録音 EMI
Sym No.4ニ短調の特徴は一応ソナタ形式だが、第一楽章主部に再現部がなく、展開部はほぼ繰り返す形をとり、盛大な終結部に移るという書法で、スコアの第一楽章分はかなり長い。
*全楽章休まず続けられるが、参考にしたスコアは通しの小節番号になっており、全部で879小節、そのうち第1楽章が358小節を占める。
この名主題の動機が全楽章の基本因子となって引き付ける、

この効果と会わせシューマンのSymのcresc.はじつに引き付ける。
ザヴァリッシュは第一楽章、序奏の第一打からビシっと緊迫感をだす、主部は快速なテンポで、キビキビと入りが心地よい、[39]ffに向けてぐーっと白熱するのがたまらなくいい、

弦がトレモロを奏でるところ、ピシっと粒立つ、壮年期のザヴァリッシュらしい印象だ、
第二楽章ロマンツェは悲歌的な主題に始まり、すぐに序奏部が再現される、続いてvnソロの入るテーマはロマンツェらしい、休まずに第三楽章スケルツォに入るが、サヴァリッシュは意外なほど力感を込め、踏み込みが強い、

拍の頭を打つ木管、細かく動く弦、ともにスタッカートぎみに切り立てる、穏やかなトリオは第2楽章のvnソロのテーマが使われ、最後にも現れ、終楽章に繋ぐ、
終楽章の導入部はニ短調で、弱奏であの名主題が現れる、じわじわ重力で引き付けるように主部へ入る、ニ長調となり、快活でエネルギッシュ、第一楽章同様、サヴァリッシュはきりっと引き締め、爽快に終わる。

you tube:SCHUMANN - Symphony no. 4 (SAWALLISCH, conducted)
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category: シューマン
量子テレポーテーション 
2019/11/09 Sat. 09:47 [edit]

ガリレオの方法では失敗したが、後の時代、天体を利用した測定や地上で装置を用いた測定により速度がわかってきて、秒速約30万kmと、光速は有限であることが実証された、
瞬時(時間ゼロ)というのには物事の因果関係が破綻してしまう問題がある、
量子もつれ関係にある粒子を使ってどんな遠方にも情報が瞬時伝達できる・・云々とかいう情報もあるようだが無理らしい、
量子もつれ(エンタングルメント)関係にある電子のような2つの粒子は互いに離れた距離にあり、それが何万光年でも1対の関係を保つことがわかってきて、片方の状態(スピンの方向)が瞬時にもう片方へ反転して反映するが、情報を伝達する粒子のようなものが飛び交うわけではない(もし伝達粒子があるとすれば光速を超えて行き交うことになる)、何が遠隔作用を起こしているのか、わからないが、とにかく量子もつれ関係のペアだけは空間を超えてリンクしているような瞬時関係なのが証明されており、これを「量子力学の非局所性」と言う。

また1つの粒子は上向きスピンと下向きスピン、両方の状態を重ね合わせて持ち、観測したとき、どちらかに決まる(状態の収縮と言う);
*人間が観測するという行為は光子を当ててみるなど、どうしても粒子の状態に影響することになり、可能性のある1つの状態に収束する、
*E.アインシュタインは光速を超えるような奇妙な遠隔作用はあり得ず、ペア粒子の状態は観測する前から決まっていると反論した。
二人の観測者A氏とB氏がひじょうに離れた場所で、量子もつれ関係にある粒子をそれぞれ持っているとする、ある時点でA氏が手元の粒子を観測したら上向きだった、その瞬間、B氏の持つ粒子は下向きのはずだ、しかしB氏も粒子の状態を知るには観測しなければならない、その観測行為はA氏の粒子に影響し、仮にB氏の粒子が下向きだったとすれば、A氏の粒子は上向きのはず、ということになり、どちらが"原因"なのか決まらない;
またお互いの観測結果がどうであったか伝え合うには別の通信手段、つまり従来の電波通信等でやり取りするしかない;
量子もつれだけを使ってA氏からB氏に何かを通信する、という人為的な要素を乗せて伝達することはできず、情報の瞬時伝達は不可能であることを示す。
因果関係のある行為を瞬時に行なうのは不可能で光速は超えられない、というのは過去にタイムスリップ出来ないのと同じようにこの世界の鉄則かも・・?
3つ以上のもつれ粒子を使った量子テレポーテーションによる情報通信ネットワークの技術も電波など従来の通信手段の助けを要するそうだ。
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category: 科学・自然・雑学
ブレンデル:Brahms pf協奏曲 No.1 (更新)  
2019/11/08 Fri. 11:42 [edit]
アルフレッド・ブレンデル:pfとC.アバド、BPOによるブラームス、pf協奏曲No.1を再聴、
ブレンデルはPHILIPSお抱えであるが、アバド&BPOがPHILIPS盤に入るのは珍しい気がする、会場はベルリン、フィルハーモニーだが、DG盤と一味違い、音質はしっとり、orchパートの弱奏もくっきり聴きとれ、pfもフォーカス良く響く、PHILIPSらしい特色を感じる、

アルフレッド・ブレンデル:pf
クラウディオ・アバド指揮、ベルリン・フィルハーモニーO
1986年 PHILIPS
第1楽章は22:40と平均的なところだが、全体には速度の効果的な緩急変化がある。
前奏は重厚な味わいだが、あまり重すぎず程よい、リズミカルな心地よさもある、pfの入りは透明な響き、ブレンデルは剛腕というより、細やかな緩急、強弱の変化を入れる、pfソロの後をorch楽器がすんなり自然に引き継ぐ、この曲の力強いトリルもあまり気張らずorchとともに細やかな質を揃える、pfソロがひとしきり弾いたあとのorch、[117]からのポリフォニックなところがたまらなく良い、上に重なる管も効いている、

まさに"ピアノ付き交響曲"
いくつもの主題がでてくるがpfによる[157]からのテーマのひっそりとした開始が引き付ける、

ショパン風なエレガントな表情もある、
[211]からpfとhorの二重奏となり、ゆっくりとなった余韻をさらにorchが弱奏で引き継ぐ、

[226]からテンポに戻りffのpfソロが始まるが、さほど強烈にはせず、その後もわりと落ち着いた進め方、

展開部はorchが踏み込み大きく盛り上げていくがpfともに冷静さも保っている感じだ。
第2楽章、予期したとおり、pfの弱奏へ向けての間の取り方が深い、寄り添う弦楽の静謐な響きの和声も非常に味わいどころ、
[91]からのpfのパッセージも弱奏で粒立ちよく鮮やか。

第3楽章、歯切れ良い印象のpfソロで始まる、アバドのorchも切れの良い表情でキビキビと進めるロンド楽章、[238]からの主題を元にしたフガートも締まった表現、

pf、orchともパッセージや装飾的動きがピタリと決まる。

you tube:ブラームス: ピアノ協奏曲 第1番 ニ短調 作品15 ブレンデル, アバド 1986
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category: ブラームス
青い夕空 
2019/11/07 Thu. 09:37 [edit]
四郎吉:「お星さん、ほんまは昼でも出てはりまんのやで、おてんとさんのお照らしがきついさかい見えんだけで、日食言うて昼、おてんとさんがかけるときがおますやろ、あの時、お星さん昼でも光りますわ、」
奉行:「四郎吉、天に行ってあの星を数えてまいれ、」
四郎吉:「よろしおまっけど、天に行くんは初めてでっさかい、どなたか道案内役をつけていただけまっしゃろか、」

落語:「佐々木裁き」より
さて、地球の日中の空はなぜ青いのか、これは大気中の塵や水蒸気の粒子が波長の短い青い光を散乱させる性質があり、直射日光から外れて空全体から地上に降りてくるため青く見え、その分太陽の直射光は青い成分が減って、やや黄色く見える、
夕暮れや明け方の空(トワイライト)は、赤いとき、黄色いとき、青いとき、とその時の大気状態によって変わるが、大気の層を長く通ってくるので、大気中に粒子が多いと前述の傾向が強まり、太陽の直射光はより青の成分が減って、波長の長い赤方向に偏り、その赤い光に照らされて周囲の空も赤くなる、ただし夕暮れや明け方でも大気中の粒子が少ないと日中とさほど変わらず、黄色い太陽と青い空、になるそうだ。
2012年7月7日の日没後、夏には珍しく大陸の高気圧に覆われた、

大気の塵が少なく、青い夕空、星を見るには絶好の夜になった。
こちらは2014年10月8日の月食写真、

暗い月が赤っぽいのは地球の大気によるトワイライトの光が映っているため、このとき月面に居れば見事な日食が見られるはず^^;
面白いのは火星のトワイライトで地球と反対のことが起きているらしい、この写真だけは自分では撮れない;

火星の青い朝焼け(NASA)
火星の大気には酸化鉄を含んだ赤い塵が舞い上がっていて、これが赤い光を散乱させ、空は赤っぽい(オレンジがかったピンク?)、逆に太陽の直射光は赤い成分が減って青く見える、日没や日の出ではその傾向が強くなり、太陽の周りの空も青く照らされている。
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category: 科学・自然・雑学
月が離れて行く理由 (更新) 
2019/11/06 Wed. 11:19 [edit]

月は1年に3.8cm(1日に1.04㎜)ずつ地球から離れて行く、10万年後には3.8kmになる、それでも現在の月までの平均距離の0.000098%である。地球は潮汐力の作用や内部が流体である影響もあり、遥か未来には自転も遅くなる、

ISS画像
ニュートン力学にある角運動量の法則の概略だが、ある質量をもった物体が回転しているとして、その半径が縮むと、回転速度が上がる、フィギュアスケートのスピンで伸ばした腕を引き寄せると回転が速くなり、再び伸ばすと遅くなるのと同じ。これは惑星の公転軌道を説明したケプラーの法則とも一致する。
極端に回転が速くなる例が大質量星が超新星爆発で縮んだパルサーである、

パルサー
地球と月は互いの重心を軸に廻りあっている、この2つは1つの回転体とみなすこともできる。この回転体は角運動量保存の法則により、一定の角運動量が保たれていくはず(質量が変わらず、半径が大きくなればゆっくり回転する)、

月の潮汐力によって地球の海面が盛り上がるが、地球は自転しているので、盛り上がった部分が先に進んでしまう、それを月の引力が逆に引っ張るので地球の自転にブレーキがかかる、さらに地球の海流の摩擦や地下深くのマントル対流、つまり地球の流体部分の動きによる熱損失も自転を遅くする要因となる、生卵が回転しにくいのと同じと思われる、
こんなふうに遙か未来には地球の自転も遅くなっていく、しかし地球と月が併せ持つ角運動量は変わらないので、月が離れ、回転半径を広げて廻るようになり、最後には地球のほうも月に対し同じ面を向けるようになる、この時点で月は遠ざかるのが止まると考えられる。

地球と月:小惑星探査機「オシリス・レックス」撮影、距離と大きさの関係がわかる→拡大
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category: 宇宙・天体
太陽系探査の歴史 
2019/11/05 Tue. 11:25 [edit]
またBHシャドーの初めての撮像はデータの解析と合成に時間を要し、いつ発表されるのかと気がかりだった、このブログを初めて以降も天文や物理学の新発見が目白押しだった。
探査機ボイジャーの時代にわかったことだが、惑星の詳細な姿はもとより、それまで衛星といえばどれも月に似たクレーターだらけの殺風景な姿かと予想していたところ、じつに多様で個性的だったのに驚いた、逆に地球の月も地球の一部が剥ぎ取られたように岩石組成が同じという特別な存在なのがわかった。
木星を廻る太陽系最大の衛星ガニメデにも氷の地殻の下に塩水の海があるらしい、

ガニメデ
土星のイアペトスは赤道に走る山脈、破壊されそうなほど大きなクレーター、また内側を廻る衛星フェーベがまき散らした物質がココアパウダーのように積もった様子が目を引く、


イアペトス
土星の輪の中にある衛星パン、輪の物質が赤道にくっついたようだ、

パン
天王星の衛星ミランダ、一度破壊が起き、再度固まったような形には引き付けられる、

ミランダ
海王星の衛星トリトンは他の衛星と逆向きに公転し、カイパーベルト天体が捉えられたものと見られている、領域の分かれた地表面が興味深い、薄い大気があり左の領域では氷の火山の黒い噴出物が吹き流されている、

トリトン
2015年、ニューホライズンズが冥王星に接近したとき、まだ距離が遠い位置からぼんやり見えてきた姿にもじつに見応えのある興味深いものを期待させられた、

→冥王星の全球動画
太陽から最も離れた極寒の位置で、表面は全てが凍り付いていると誰もが予想していたが、地形に流動が見られるのはまったく意外だった、


パっと見、海岸線のようにも見える、①は平坦で流動的な領域、②はクレーターが残る陸地?のような・・その間にゴツゴツ見える③の山々は、海に押し流された氷山のようにも見える。矢印のクレーターには明るいトンボー領域の物質が溜まっているように見える、
本当に行ってみないとわからない、探査のし甲斐のある世界が待っていた。
とりあえず、太陽系にある物はわかってきた・・しかしこの宇宙自体、空間やら物質なんぞが何故あるのだろう、という根源的な謎は底知れない^^;
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category: 宇宙・天体
C.アバド:Bach Brandenburg Concertos 
2019/11/04 Mon. 11:19 [edit]

you tube:バッハ:ブランデンブルク協奏曲第5番 BWV 1050 イ・ムジチ 1984
M.シルブがリーダーだった頃の「四季」では通奏低音にLute属を使い新鮮味を加えたものの、演奏は変わり映えしなかった。

you tube:Vivaldi - Op. 8 incl. the Four Seasons - I Musici - M.Sirbu - 1995
この後、アンセルミの時代からのイ・ムジチはよくわからない;
モダン楽器によるバロックでもこんな演奏だったらいいな、と思っていた演奏を代わりにやってくれたのがC.アバドとモーツァルトOだった、
アバドは巨匠指揮者の中でも時代の変化に合わせ進歩を見せた人である、アバドのブランデンブルクと言えば、1974年のミラノ・スカラ座メンバーとの録音があるが、まったく転身している、2007年のメンバーはvnのジュリアーノ・カルミニョーラ、cembのオッタヴィオ・ダントーネほか古楽奏者の人も多い、アバドは監修者というところだろう、

クラウディオ・アバド:concertatore
Orchestra Mozart 2007年4月 DG
これがライヴ録音というのに驚いた、そういえば聴衆席の物音が僅かに入る、
面白いのは管楽器はすべてモダン楽器で、リコーダーもモダンタイプと言えるハーモニック・リコーダーを用いている、奏者はミカラ・ペトリ、

ハーモニック・リコーダー:音域を拡張してある
一方、弦楽器は本体はモダンだが、バロック弓を使っているというアイデアだ、腰のある響きだがタッチはしなやかである、古楽奏法の魅力とモダン楽器の機能を融合させた、一つの理想といえようか。

you tube:Bach: Brandenburg Concerto No. 2 in F major, BWV 1047
*アンコールがあり、第3楽章を演奏、M.ペトリはソプラニーノ・リコーダーに持ち替えている、

you tube:Bach: Brandenburg Concerto No. 5 in D major, BWV 1050

you tube:Bach: Brandenburg Concerto No. 6 in B flat major, BWV 1051
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category: J.S.バッハ
LSO主席:ブラームス 二重協奏曲 (再) 
2019/11/03 Sun. 11:24 [edit]
今回はハイティンク指揮、LSOレーベルのライヴからLSOの首席奏者がソロを弾いた録音。

ブラームス vnとvcのための二重協奏曲 イ短調op.102
Gordan Nikolitch:vn Tim Hugh:vc
Bernard Haitink:cond. London Symphony O.
May 2003
従来は2人の奏者が左右チャンネル方向に位置した録音が多かったが、これは生の客席で聴くように両者は中央寄りに聴こえる、鮮明な好録音。全楽章深いヴィヴラートをかけ、炎がたつ感覚だが響きは清潔で引き付ける、
第一楽章、総奏で始め、まずvcの緊迫したソロ、次に[26]から管が清々しい第二主題を奏で、

vnソロが続き、orch.による前奏に入る、これでツカミはばっちり、過去の作曲家に学んだ要素は多いと思うが、2つのソロとorch.が緻密に結びついた書法は見事、
2つのソロが並行したり、逆行したり、弾き継ぎしたり、と譜を見るだけで面白い、

[189]からのスタッカート、当演奏ではこれ以上ないほど鋭利に切り立て、痛快である^^

第二楽章 Andanteはソロにespress.と指示がある、低音線に深いヴィヴラートをかけ、人の声のように弾く、

この演奏ではテンポはあまり遅くしないのでそれがクドくなく聴ける。
終楽章、心地よいリズム感が印象的、テンポは速めにソロが軽やかに始める、その分orch.の総奏になると壮大でキビキビした感覚になり効果的。両ソロは重音奏法など技巧的な聴きどころも十分、[69]からはvcが雄大な流れのような主題を奏で、vnが続く、

[119]からは趣を変え、展開的内容、[128]から始めの主題に戻る、縦横無尽の楽章だ。
今回はyou tubeに当盤が挙っていた、

you tube:Concerto for Violin and Cello in A Minor, Op. 102:
I. Allegro II. Andante III. Vivace non troppo
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category: ブラームス
rプロセス 
2019/11/02 Sat. 09:29 [edit]
2017年8月、史上初の中性子星合体による重力波「GW170817」が捉えられたが、複数の望遠鏡で追観測され、中性子星合体が放った電磁波放射現象「キロノバ」を様々な波長に分けて記録した、このキロノバは「rプロセス」という中性子の割合が非常に高い環境で起きる核融合反応連鎖(速い中性子捕獲反応過程)による放射である、
デンマーク・コペンハーゲン大学のDarach Watson氏らはこれらのスペクトルをあらためて分析、紫外線から近赤外線の間から、重元素の1つ、ストロンチウムの存在を確認した、中性子星合体の観測に基づく、初めての重元素生成の様子である、

2017年8月17日に重力波信号が検出された後の12日間にX-Shooterが取得したキロノバのふるまいの変化を示すスペクトルのアニメーション動画、
you tube:Animation of spectra of kilonova in NGC 4993
初めのうちは短波長(左)が強く非常に青いキロノバが、日が経つにつれて赤く暗くなっていく(縦軸:明るさ、横軸:波長)
(資料:ESO/E. Pian et al./S. Smartt & ePESSTO/L. Calçada)

研究成果の紹介動画(資料:ESO/L. Calçada)
you tube:Neutron star merger animation and elements formed in these events
ストロンチウムは化学反応しやすい元素で、花火の「赤」の発色剤として用いられる、太陽サイズの星が赤色巨星となった内部など、中性子の割合が低い環境で起きるsプロセス(遅い中性子捕獲反応過程)でも作られる、ありふれた元素のようだ。
ところで、今年4月8日、史上初めてブラックホール・シャドーの直接撮像に成功したが、中性子星(パルサー)の大きさは半径10km程と極端に小さく、その本体を見るのは無理だろう、見えるほど近くにあったら太陽系は壊滅する;

ただし両極に吹き出すジェットや周囲に拡がるパルサー風の様子は捉えられている。

you tube:かにパルサー
これは約1光年の範囲でガスが移動する様子を数週間おきの撮像で動画にできる、という凄まじい動きである、
これは「コズミック ハンド」でお馴染み、ガスが手の平のように拡がっているがこの形になった説明は難しいらしい、手首付近の明るい部分に中性子星がある、

PSR B1509-58
指が4本しかない・・?このように小指を折った状態かも^^

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category: 宇宙・天体
落語:大岡裁き 3選 
2019/11/01 Fri. 11:36 [edit]

座ったままちょっと楽器を弾いてみたら、左の指がツッてしまった、ヤワな体でさんざんな状態^^;いつも冷え込んでくる頃、こうなるようだ、体を温めて静かに過すのがいい、
また落語で、立川志の輔の大岡裁き3選、
まず「三方一両損」はお馴染み、これが定番の終りを少しアレンジしてあり、大岡越前がちょっとお茶目なのがいい、

you tube:立川志の輔「大岡裁き 3選…」
続きで入っているのが「帯久」、
不運続きのあまり意気消沈した 呉服屋の主人、与兵衛は火付けという法を犯す結果となった、善人であることが明らかな与兵衛をいかに法を踏み外さずに救うか、大岡越前の機転を効かせた裁きが見どころ、「元金の返済が済んだ」というところからの一押しである、
最後が「小間物屋政談」、亭主が死んだと思って妻が再婚してしまっていた、これも落としどころに困る話し;これが大岡裁きとなり、主人公は不幸から一転する、志の輔は前半と後半、話の区切り方がいい、観客の引きつけ方も上手い、

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category: 落語
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