Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

変形と破断  

以前にも書きましたが、私はリュートの低音弦にフロロカーボンの大型魚釣り糸を使っています。うまい具合にガットに替るような、硬すぎず、柔らかすぎず、ちょうど良い質の製品があったもので、写真の6コース以下の低音弦がそれです。適度な余韻で図太さが出て、湿度、温度の影響が少なく安定するのが助かります、なんたって水中で使う素材ですから^^
13c02.jpg
間違えて高く調弦してしまったとき、弦が切れてくれればよいのですが、これはマグロを釣り上げる強度ですから、間違いなく楽器が壊れます;うっかり別のペグを廻してしまったり、チューナーの指示を読み違えたりしないよう注意してます。材質には破壊点というのがあって、すぐに破断する強度の限界を意味します。リュートの場合、楽器側の破壊点が桁違いに低いでしょうね;;間違っても破壊点に至らない取扱注意は必要です。昔は電池が減ると低く表示する(高く調弦することになる)チューナーがあって危なかったです^^;

ところで、リュートを長持ちさせるよう、テンションは緩めが良い、といつも書いていますが、曖昧な表現で、はたして数値にしてどれくらいか、とは示せません、破壊はしなくてもリュートは緩やかに変形してくる運命にあり、かなり緩めに張ったとしても、バロックリュートでトータル40kgは越えるでしょう、それを四六時中張っているわけで、早いか遅いかの違いで、最後には同じように変形するんじゃないかと?変形にも終了点があると思うので、そのとき使用可能な範囲なら良しということでしょう^^;
またテンションをかけたり解除したりを繰り返すたび、疲労で破壊点が下がるでしょう、これは接着部にも木材にもあると思います、弦を交換するときは1~2本ずつですね。
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category: 楽器について

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コメント

膠の寿命は150年くらいだそうです。

環境によっては、もっと短いかもしれません。各所膠接着で、部材も薄く、こういうリュートの維持には、補修、メンテは所有する以上は不可避ですね。最初から、そういうものだと割り切っています。

壊れたら修理、バロック時代から、奏者はそう思っていたんではないかと思えます。古いルネサンスを改造して好みの仕様にして弾いて楽しんだり、楽器をコレクションにしたりする慣習など無く、案外、気楽な道具として認識していたのではないかと。

リュート弾きは、詩人でもあり、奏者でもあり、舞踏もできる社交界のエリート。でも、リュートは道具。

そう考えてみますと、案外、気が楽になります。私なぞ、近いところに懇意の製作者がいるので、つい、安心しきっているのですが、点検は毎年やってます。

白クマ #UK6Hb4OI | URL
2015/12/29 10:15 | edit

白クマさんこんにちは

たぶん昔は職人も大勢いて、すぐに治してもらえる環境だったでしょうね。膠も剥がしては貼る繰り返しが当たり前?^^次の修理を考えて膠を加減するのも職人の常識だったでしょう。

私の場合、製作家さんに輸送のやりとりで頼むしかないですが、いつも的確な修理をしてもらい、助かっています。

michael #xNtCea2Y | URL
2015/12/29 18:03 | edit

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