Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学の話など

B.ワルター:ハイドン交響曲No.96「奇跡」ほか  

自然界から聴こえてくる音は必ず方向や拡がりのあるステレオですが、モノラル録音というのは左右のスピーカーが鳴っていても、ド真ん中にスピーカーがあるみたいに聴こえるし、ヘッドホンでは頭の真ん中で鳴っているみたいです。拡がりなく、直接音も残響音もすべて真ん中から・・心の中、あるいは夢で聴くような不思議な音です、そこが妙に集中させられる。

さて、このLPはモノラル、過去にB面の交響曲No.102のみ取り上げた。
今日はA面のNo.96ニ長調「奇跡」、
ワルター hay 96
ブルーノ・ワルター指揮、ニューヨーク・フィルハーモニック
1954年録音 CBSソニー


現在なら、楽譜は大抵ロビンス・ランドン版が使われるが、この演奏は後世の改変版?(何版と言うべきかわからないので仮に改変版と呼ぶ)による、序奏からtimpが入る、流麗な演奏になるかと思ったが意外に普通、ニューヨーク・フィルの厚い響きがモノラルでより濃厚に感じる。主部のテンポも快活で、ワルターらしい特色?のようなものはなく、曲に対して自然に行く。小音量で聴けばAMラジオみたいな音だが、ボリュームを上げると、ドスの効いた低音が押し出し、システムで聴く意味が出てくる。
第二楽章、ランドン版ではこの楽章でもtimpが使われ、ダイナミズムの効果を上げるが、当演奏の改変版では使われない、曲の推移からして、timpが入るのが必然に思えるが・・
メヌエット、開始から3小節目、
sc02_201601152144067fd.jpg
3拍目のG音はランドン版はナチュラルだが、当演奏では♯が付く、
旋法の好みは時代で変わるので、♯は後世の改変だろうか?ピリオド指向の現在は素朴なナチュラルを自然と取るだろう。
またトリオではobのソロが楽しみだが、この改変版では一部trpを重ねる、
sc05.jpg
面白いがこれもオリジナルではない気がする。
終楽章、快速でダイナミック、ニューヨーク・フィルの厚みのあるサウンドで決める。

ついでながら、これも過去に取り上げた、まさに"奇跡"の名盤、B.ハイティンク指揮、RCOによるNo.96「奇跡」、
ハイティンク hay 96
ベルナルト・ハイティンク指揮、ロイヤル・コンセルトヘボウO
1966年録音 フィリップス


現代の優れた演奏を先取りしたような名演、名録音を1966年に、同じフィリップス・レーベルのN.マリナーやC.デイヴィスより先に行っている。
例えば第一楽章の主部、39小節から1st、2nd vnが掛け合いをするところ、
sc06.jpg
ほんの数秒のことだが、ここが緻密に決まる響きなど、愉悦の極み。
ただ少々残念なのがワルター盤と同じ改変版を使っているところ、こういう演奏にこそ、ランドン版がふさわしい。
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category: F.J.ハイドン

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