Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

あらためて"低音用ガット弦"  

以前にも取り上げたリュートの低音用ガット弦には現在、以下のようなタイプがあります。

①ガットを縄状に撚り合わせたもの
gut 01
比重はガットそのままに近いが、縄状にすることで、弦質はしなやかになる、単に太いガットと言える。

②ガットを捩る際、一緒に金属線を捩り込んだもの、
gut 02
金属線が密ではないので、大幅に細くはならず、弦質は硬い。現代の考案で歴史的にはなかったと思われる。(出来あがったガットに金属線を後から巻いたものはあった)

③ガットそのものを金属化合物で重くしたもの、
gut 03
細くする効果はあるが、均質に作るのが難しく、振動状態の悪いものが多い。歴史的に存在し、絵画にも見られるが、製法は確かな記録に基づいたものではない。(a社、生産休止中)

特にバロックluteではどれを使うか、プロ奏者の間でも試行錯誤のようです。
高音弦や低音のオクターブ弦に張る細いガットは押さえたフレット位置どおりの音程になるが、太いガットは高めのピッチになり、ハイポジションほど顕著になる
6、7コースはよく押弦しますが、オクターブ弦と音程差が出てしまう。①はその傾向が強く、②も準じてその傾向、③は細いせいかほぼ問題ない。
ガットは伸率の少ない、ガチっとした性質で、押弦の押え込みでピッチが上がりやすい?それが太いほど顕著で程度に差が出るような・・歴史的には何らかの対処法があったのか、謎です。リュートが固定フレットにならなかった事情は推察できますが、同コースに並んだ低音弦とオクターブ弦の音程差はどうしようもない・・?

近年、佐藤豊彦さんが出したヴィゼのアルバム、リュートはオリジナル楽器のグライフ、録音は極めて詳細で弦の特徴がよく聴けます。
sato visee
すべて素ガットで低音は①のタイプです。(過去の録音では②を使っていた)
sato visee 2
奏法もブリッジに近い位置を弾いていますが、やはり上述のような問題は発生します、歴史的には許容されていたことなのか?
現代の巻弦を使えば、こういう問題はまったく無く、昨日のエグエスのリュートのように楽器全体がきれいに共鳴する、それに我々が慣れ過ぎているのか?
モダン派か、ガット派か!ちなみに私は中立です^^;
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category: 楽器について

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コメント

押弦の時に、なにか無意識に、意図的に、工夫をしていたんではないかと想像してます。

当時のバロック時代の奏者は、今あるものは、そういうものだとの達観があって、敢えて逆らわず、どうすればピッチが取れるか(そもそも完全なピッチは存在しないわけですが・・・)、ブリッジ近傍での弾弦も、すべて自分の嗜好で、弾いていたんではないかと思うのですよねえ。

むしろ現代人のほうがシビアすぎ?、かも。

415、392、370Hz  などという厳密なチューナーがあるわけでもなく、
その時の気分、その時の環境(晴れ、曇り、雨。。)などによっても、上げたり、下げたり、ある意味「適当」に弾かれていた時代なのだと思うんですね。ガット弦の上述のお話に関しても、「適当な嗜好」で弾かれていたと思うのです。

白クマ #UK6Hb4OI | URL
2016/01/26 09:57 | edit

白クマ さんこんばんは

音楽なんてのはある程度、不正確で濁っているのが良いのかもしれませんね。
あまり完璧だったりすると味気なく感じますし^^;
弦も精度が良すぎて、どのポジションも問題なく振動するようだと、逆に気味わるいです。
また、昔の弦、奏法に執着し、自分の嗜好でもない音を出すのも本末転倒ですし^^;

michael #xNtCea2Y | URL
2016/01/26 23:37 | edit

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