Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話題など

H.グリフィス:A&P.ヴラニツキー vn、vc協奏曲ほか  

通常は陽の当らない古典派作曲家に注目しているのですが、久々に新盤が出ました。
今回はモーツァルトと同年生まれの、パウル・ヴラニツキー(1756-1808)と弟のアントニン(1761-1820)の作品のカップリングで、指揮は以前、P.ヴラニツキーの交響曲、cpo盤でも取り上げたハワード・グリフィス、今度はメジャーレーベルからの登場です。
発売元の紹介を引用すると、
指揮者のハワード・グリフィスは知られざる古典派の音楽の研究家でもあり、数多くの作品の復活再演を手掛けています。また若手アーティストを支援しており、ここでも2人の新鋭ソリストを起用し演奏を行っています・・とあります。
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1) アントニン・ヴラニツキー:ヴァイオリン協奏曲ハ長調Op.11
2) パウル・ヴラニツキー:交響曲ニ長調Op.16-3
3) パウル・ヴラニツキー:チェロ協奏曲ハ長調Op.27,
ヴェリコ・チュンブリーゼ(ヴァイオリン)
キアラ・エンデルレ(チェロ)
ハワード・グリフィス(指揮)ミュンヘン室内管弦楽団
録音:2015年10月, ドイツ、プラネック、クップファーハウス
SONY

当録音はさすがSONYの最新盤と言える、cpo盤もわるくなかったが、格段にクリアー。

"知られざる"人の作品の音盤は少ないが、あればなんでもいいとはいかない;古典派ともなれば、より透明度をもって作品の真価を聴かせる優れた演奏でなければ。
'60年代以前の巨匠の時代は、名演奏家の個性とベートーヴェン、バッハなど大作曲家との融合で成立してきたようなところがあり、相性のよい作品以外には手は出さなかった。聴衆の関心度も大きく関わるが、そんな頃、ヴラニツキーとか、J.M.クラウスとかの真価の聴ける演奏は望めなかった、これはハイドンにも同様に当てはまる。新鮮な楽しみに浸れるようになったのは'90年代以後か・・よって新しい名の演奏家に手が出てしまう。

1曲目は弟アントニンのvn協奏曲ハ長調(1794年作曲)
典型的な協奏曲様式、モーツァルトより新しくベートーヴェンの前に位置するような作品、
第一楽章、健康的な主題の前奏に続き、チュンブリーゼのvnが一際透明に美しく始まり、引き付ける。ソロとオケの関わりも巧みで、豪快さと繊細さをもつ立派な楽章である、
第二楽章、短い前奏に続き、vnのみのソロを入れ、旋律美のセンスもなかなかの緩叙楽章、
終楽章、陽気でリズミカルなロンド楽章、うきうきする楽しさで閉じる。
2曲目は兄パウルの交響曲ニ長調(1792年作曲)で3つの楽章、
第一楽章は総奏で豪快に始まり、オペラ序曲を思わせる、颯爽として切れ味よい音楽、ソナタ形式の展開部から終結まで巧みな手腕を聴かせる。
第二楽章は短調に始まり、これも場面がかわった間奏曲のようでもある、
終楽章、対位法も取り入れた聴き応えと痛快なダイナミズムが交錯する、そして各楽器の巧みな効かせ方、P.ヴラニツキーらしい魅力がでている。
3曲目は兄パウルのvc協奏曲ハ長調(1803年作曲)、これは以前エンリーコ・ブロンツィの演奏でも取り上げた。
ハイドンの前古典派的なvc協奏曲も好きだが、こちらは後期古典派らしい内容の傑作だ。
第一楽章はシンフォニックな前奏に続きvcが弱音から出る、エンデルレのvcも力み過ぎず美音を大切にする。木管が巧みに使用され、ソロとオケが対等に活躍、展開部では情緒の細やかさを聴かせる。
第二楽章、穏やかな前奏に重ねてvcが弱音から立ち上がる、優美な旋律趣味といい、一流のセンスを持った緩叙楽章。
終楽章、快活な舞曲的リズムのロンドで、vcの技巧の聴きどころだが、あくまで美音で行く、オケも痛快に間に入る。
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透明でバランス良く、程良くダイナミズムを押し出すグリフィスのオケ、二人のソリストも現代の若手らしい古典派モードの演奏がすばらしく、彼らの演奏で申し分なく味わえる。
グリフィスの古典派演奏はSONYでシリーズ化してほしいところ、欲を言えばハイドンもぜひ録音してほしい^^
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category: その他・古典派

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